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1972-06-01 第68回国会 衆議院 建設委員会土地住宅問題小委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年六月一日(木曜日)     午前十時十六分開議  出席小委員    小委員長 田村 良平君       大村 襲治君    葉梨 信行君       山本 幸雄君    井上 普方君       佐野 憲治君    北側 義一君       吉田 之久君  出席政府委員         建設省計画局長 高橋 弘篤君         建設省住宅局長         事務代理    沢田 光英君  小委員外出席者         大蔵省理財局資         金課長     福島 量一君         文部省管理局教         育施設部助成課         長       西崎 清久君         厚生省児童家庭         局母子福祉課長 岩佐キクイ君         建設省計画局宅         地部長     河野 正三右         自治省財政局指         導課長     植弘 親民君         住宅金融公庫理         事       鮎川 幸雄君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     島  守一君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     秀島 敏彦君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 六月一日  小委員松浦利尚君同日小委員辞任につき、その  補欠として佐野憲治君が委員長指名で小委員  に選任された。 同日  小委員佐野憲治君同日小委員辞任につき、その  補欠として松浦利尚君が委員長指名で小委員  に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  土地住宅問題に関する件(大規模団地開発に伴  う地方財政負担軽減等措置に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 田村良平

    田村委員長 これより土地住宅問題小委員会を開会いたします。  土地住宅問題に関する件について調査を進めます。  なお、本日御出席を願いました参考人は、日本住宅公団理事島守一君及び同じ理事秀島敏彦君であります。  参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野憲沿君
  3. 佐野憲治

    佐野委員 前回の小委員会におきましていろいろな説明各省からいただいたのですけれども、もっと詳細な資料の、要求、それに対する説明を求めたわけです。もちろん大きな問題も含んでおりますので、なお資料の収集が間に合わなかったという場合もあるでしょうけれども、一応現在までまとまっている提出いただける資料、これに対する説明をまず各省から要求したいと思います。
  4. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 建設省から提出いたしました資料資料一、二とございます。先生のこの前の御質問の中にいろいろの種類の資料要求ございましたけれども、さしあたりまとめられましたものにつきまして、本日の小委員会に提出いたしておる次第でございます。  資料一は、との前お話ございました、どこかの市をとってみて、そこの関連公共整備事業及び地方負担がどうなっているかということを調べてみよということでございましたので、町田市におきますところのそういう関連公共公益施設整備事業負担状況というものを調べてみたわけでございます。町田市におきましては、最近非常に宅地開発が進んでまいりまして、団地もたくさんございますけれども、ここにございますのは鶴川団地山崎団地木曽団地という三つ団地だけでございます。これが、町田市におきますところの全体の宅地開発のものがどのくらいになるかというのはよくわからないのでありますけれども、二割くらいになるのじゃないかという、見当だけでございます。これにつきまして簡単に御説明申し上げます。  第一表は「公共公益施設整備に伴う宅地開発者負担実態」でございます。ここに鶴川団地山崎団地木曽団地刑に書いてございます。鶴川団地は百二十一ヘクタール、建設戸数が五千三百四十二月のものでございます。これの総事業費が三十八億五千九百万でございます。で、この鶴川団地の特色は、下のほうに「事業期間」がございますが、三十五年から四十三年ということで、相当事業着手が早い、初期の関係もありまして、用地費がほかに比べて、最近のものに比べまして非常に安いということでございます。二十八億五千九百万のうち、用地費ごらんのとおり二億四千万、工事費二十六億一千九百万、この中で公共施設整備費、ここに書いてございますものが七億七千六百万ということで、その比率が二九・五%ということになっております。これがあとで申し上げます山崎木曽団地に比較しまして比率が少し高くなっておりますのは、用地費がほかに比べまして安いということであろうかと存じます。これの公共公益施設整備に伴っての家賃増加額が月額八百三十四円ということになっております。  それから山崎団地についても同じような項目についてここにしるしてございます。面積が約六十三ヘクタール、四千二百二十戸の団地でございます。総事業費が三十億二千六百万。これは用地費が十八億四百万、工事費が十三億二千二百万といり形になっております。この公共施設整備費開発片負担というものが六億三千三百万でございますから、この比率は二〇%。普通の団地の中での公共公益施設整備費宅地開発者負担の割合は大体二割前後でございますから、これが大体普通のところだと思います。それから家賃のほうの増加額が九百八円となっております。これの事業機関が三十九年から四十三年来ででございますから、少し前でございます。  それから木曽団地につきましては、五十四ヘクタールの団地で、四千七百六十二月の住宅建設でございます。五十億四千万の事業費の中で、用地費が三十二億二千二百万、工事費が十八億一千八百万ということで、総事業費の中で公共施設整備費開発者負担が八億二千九百万でございますので、これは二二%。その家賃増加額は千六百一円ということになっております。この事業期間最後にございますように四十二年から四十五年ということになっております。  これが宅地開発者負担実態でございます。  次に、第二表以下に各団地別の「関連公共公益施設整備事業概要」がございます。  最初の第二表は鶴川団地についてでございます。各施設別に個々にございますけれども、これはごらんいただくといたしまして、総計について申し上げますと、「関連公共公益施設整備事業概要」の資料の一番下のほうの十八億八百九十万という予算が総事業費でございます。補助が約五億五千万、単独が十二億五千万ということになっております。この中で、補助の右側の欄にございます「左のうち」関連公共施設立てかえの対象になっておる、五省協定対象になっておる額が八千八百万ということになっております。これは補助事業の中で立てかえを行なうものでございまして、五億、五千万の中で八千八百万ということで、これは下水道と小学校についてでございます。これは額はえらい少ないようでございますけれども、推定しますに、先ほど申し上げましたようにこの団地が大体三十五年から着手いたしておりまして四十三年に終わっております。御承知の五省協定というのは四十二年にできております。そういう関係もございましてそういう立てかえも少なかったとか、また御承知のように、こういう施設補助がつきますと、当該年度補助が終わるものについては立てかえする必要がございませんから、そういう対象にならないということ。それから財源内訳の一番右に「開発者負担」というのがございますが、これは単独事業補助事業とも開発者負担部分もございます。そういうふうなことで、この立てかえ対象関公対象額が比較的少ないということがいえるだろうと思います。それから財源内訳は、ここにございますように国庫支出金都支出金、市の負担開発者負担というふうに分かれております。一番右の欄にございます開発者負担カッコ響きがいわゆる鶴川団地当該関連のものでございます。七億七千五百万、これがさきの第一表の七億七千万に相当するものでございます。問題の市の負担額は、起債対象として四億三千万、それから税その他として三億七千万ということになっております。あとで三団地合計のものを比率を申し上げますが、この鶴川団地では税その他の一般収入によるものが比率が比較的多くなっております。ほかの団地ではこれは非常に少なくなっております。  それから次の第三表が同じようなことでございまして、山崎団地でございます。総事業費が二十二億六千九百万、補助事業がそのうち八億六千六百万、単独事業が十四億ということになっておるわけでございます。たとえば小学校などで単独事業が相当多いというようなことは、これはいわゆる初度調度品補助対象にならないわけですが、それから超過負担というようなものがそういうものにあらわれてくるのではないかと考えております。この補助事業の中の立てかえの対象になるものが、八億六千六百万のうち四億、これは比較的多くなっておる次第でございます。これも実際事業をやるのが三十九年から始まっておるわけでございます。財源内訳も、国庫支出金都支出金がありまして、市の負担としては起債が三億五千万、市の税、一般財源というものが一億三千三百万ということで、これは率として総事業費の五%強ぐらいになっております。開発者負担が六億三千二百万ということになって、これが第一表の数字と同じでございます。  次は木曽団地、これも同じように表がございまして、合計ごらんいただきますと、合計のところに二つ欄がございまして、かぎカッコがございますけれども、これが木曽団地分でございます。山崎団地木曽団地は隣接の団地でございまして、いろいろな関連公共公益施設も一緒につくっておるものが多うございまして、下のほうはそういう共通用地をもって共通のもの、二十二億とございますが、木曽団地のものを厳密に拾ってみますと五億二千八百万というふうになります。補助聖業も一億四千三百万、それの立てかえが九千八百万、これは比較的多くなっております。これは始まりが四十二年から始まっておる関係もございまして、比較的立てかえが多くなっております。単独事業が、ここにございます三億八千五百万でございます。それから財源内訳としまして、市の負担のところをごらんいただきますと、起債が一億六千三百万、税その他の一般財源で二億八千八百万、これも総事業費の五%強になっておるわけでございます。開発者負担は二億七千二百万でございます。  この三つ団地合計いたしましての補助対象額が大体二九%、約三割、それから関連公共公益施設の五省協定対象のパーセントが一二%となっております。財源構成といたしまして、先ほどの三つ合計起債が二一%、税その他の一般財源とするものが九%ということになっております。これは合計でございます。  最後ページごらんいただきますと、第五表が町田市におきますところの一般会計決算状況でございます。各年度ごと決算額がございます。四十五年度は六十五億、四十六年度は八十六億ということでございますが、四十一年度は二十一億ということでございまして、歳出予算が相当伸びておることがわかるのでございます。財源内訳がここにございますが、この中で地方債が四十一年度三億一千八百万、四十五年度が五億九千万、四十六年度が十億三千四百万と相当多くなっております。その他の一般財源負担も、四十一年度が四億一千七百万、四十五年度に十一億三百万、四十六年度に十二億九千七百万というふうに増加いたしております。  資料の第一は、簡単でございますが以上のとおりでございます。  資料の第三は、この前御説明申し上げました五省協定運用状況についてでございます。最初は、住宅公団立てかえの実績を四十四年、四十五年、四十六年ということでここに表がございます。各施設別にございまして、合計が、四十四年が七十五カ所、六十二億、四十五年が七十九カ所、六十五億、四十六年が百十九カ所の百十三億ということになっております。四十七年は御案内のとおり百五十一億で、まだ個所はきまっておりません。こういうことでございますが、内訳施設別ごらんいただきますとおわかりのとおりでございますが、相当金額として大きくなっておる次第でございます。  それから次のページは、四十六年度住宅公団関連公共公益施設整備費立てかえの状況でございます。ただいま申し上げました四十六年度分の中で各団地のおもなものについてここにあげてございます。これはごらんいただければおわかりのとおりでございます。  次の第三が、住宅金融公庫関連公共公益施設整備費融資実績、やはり四十四年から四十六年主での実績でございます。四十四年が二十一カ所、十七億七千百万、四十五年が二十一カ所、十九億九千九百万、約二十億、四十六年が二十六カ所で三十億、四十七年は三十五億でございますが、個所はまだきまっておりません。  次の四ページは、これもやはり四十六年度融資状況でございます。四十六年度三十億の中でのおもなものがここにあがっておるわけでございます。これもごらんいただけばおわかりのとおりでございます。  以上、簡単でございますけれども資料について御説明申し上げた次第でございます。
  5. 田村良平

  6. 植弘親民

    植弘説明員 先般のこの委員会で、佐野先生からモデルお話がございまして、いま建設省から具体の町田市の例が出ておりますので、これも余分かと思いますが、日本都市センター昭和四十五年に研究いたしました報告書が出ておりまして、「住宅団地財政」という研究報告がございますが、その中でモデルのAが一つございましたので、御参考に持参したわけでございます。これは最初に書いてございますが、モデルといたしましては、現在五万、百平方キロの市町村に七百ヘクタールの開発をいたしまして、計画人口で十万二千六百人を張りつけようといったような考え方を想定したものでございます。一ページ概要はそういうことでございます。  二枚目にまいっていただきますと、二枚目から三枚目、四枚目にかけまして、そこでそういった新しい団地をつくります場合に必要となります公共施設なり公益施設というものがどんなものが考えられるか。都市街路都市施設環境衛生、こういうふうにずっとまいりますと、四枚目にまいりまして、二百三十九億ほどの金がかかるという想定でございます。そして現行制度によりますところの国庫補助なり、五省協定による公団立てかえだとか負担だとか、こういったもの、それから地方債立てかえ、こういったものを差し引きますと一般財源が幾ら要るかといったものを、現行制度を駆使いたしまして計算されたのがこの表でございまして、四枚目にございますように、総事業費が二百三十九億、これに対して現行制度国庫補助が、二十六億――もちろんこれは四十七年度からは、たびたび御説明いただきましたように、文部省関係では小中学校補助が変わるとかいったようなものもございますので、この国庫補助額そのものが変わっていると思います。これは四十四年度におけるところの制度でございますのでちょっと古うございますが、そういう点で御理解いただきたいと思います。公団負担につきましても当時における制度でございますので、現在では若干変わっていると思います。いずれにいたしましても、総事業費二百三十九億のうちでこういった国庫補助等特定財源を差し引きますと、一般財源では二十二億という必要性があります、こういう数字になっております。  次をめくっていただきますと、架空の市町村でございますが、ここにおきますところの現行制度におきます収入なりといったものが、どの程度にこれをカバーしていくことができるであろうかといったものを計算されたのが終わりの二枚でございまして、この試算によりますと、建設を一年度から始めまして、ずっと暦年度事業年度で追っているわけでございますが、十八年度目になりますとようやく単年度収支改善される。そうして二十五年度目まではまだ三十四億という赤字が残っております。こういったような数値でございます。一々を御説明すればよろしゅうございますが、これはごらんになっていただけばおわかりいただけると思います。  これにつきまして、この研究会では、こういうふうに該当の地方団体では相当な財政負担があるし、収支改善が容易でないので、国庫補助率の引き上げなりその他の特別な措置といったものを考慮していただきたいといったようなものをこの報告書で示してございます。その意見につきましては、これは都市センター研究会意見でございますので、私のほうはきょうはそれは出してございません。  簡単でございますが、以上でございます。
  7. 田村良平

  8. 西崎清久

    西崎説明員 文部省でございますが、前回先生の御要望の趣旨の理解が不十分でございまして、きょう資料をお配りできませんことをたいへん申しわけないと思っておりますが、口頭で若干御説明申し上げたいと思います。  まず、宅地開発に伴いまして人口急増市町村児童生徒の非常に伸びます市町村に対しての土地の問題、それから校舎の問題、それが非常に大きな問題でございますが、前回施設部長から一般的な文教施設整備についての御説明を申し上げておりますので、特に人口急増市町村に対する手当てとして文部省ではどういうふうにやっておるかということを若干御説明を申し上げたいと思います。  まず、土地の問題でございますが、用地につきましては昨年度から初めて用地費補助人口急増市町村だけの用地費補助を計上いたしております。昨年度は百九十六市町村に対しまして三カ年の事業費予定として六十億、単年度といたしましては二十億円の用地費補助を計上したわけでございます。その実績といたしましては、人口急増市町村が百九十六市町村ございますが、その中から学校校舎のための土地費補助の申請がございましたのが百十二市町村でございます。関係学校数が二百四校でございます。二百四校の用地費について、四十六年度は国からの補助をいたしております。総額は、単年度二十億でございますが、これを三年継続いたしますので六十億円の用地費人口急増市町村に参るということに相なっております。ちなみに四十七年度はどういたしたかと申しますと、この六十億という三年度事業費を九十六億九千万円にふやしております。したがいまして、二十億の継続分と九十六億の単年度分三十二億、合わせまして五十二億円の土地費補助を計上したわけでございます。この関係で、急増市町村にかかわる用地の確保という点にはかなりの福音になるというふうに考えるわけでございます。  それから、第二の校舎の点でございますが、やはり急増市町村につきましては校舎建設が非常に大きな問題になっております。そこで、人口急増市町村に対する校舎建設費補助金がどのくらい伸びておるかということを申し上げたいわけでございますが、小学校校舎で申しますと、四十六年度は八十九億円でございましたのを四十七年度は百六十億円にいたしております。したがいまして約七十億円の増加をはかっております。同じように、中学校校舎につきましては二十四億を三十四億にいたしまして、約九億八千万というふうに増加をはかっておるわけでございます。その他小学校屋体中学校屋体等につきましても増加をはかっておりますが、このような形で人口急増市町村に対しましての校舎建設補助金をふやしますとともに、もう一つ急増市町村は、先生方も御承知のとおり、住宅建設が予定されておりますので、三年前向きの建築ができるようにということを考えまして――従来は一年半の前向き補助しか行ない得なかったわけでございますが、ことしから三年前向きの校舎建築ができるようにということで、義務教育費国庫負担法の一部改正を今国会でやっていただきまして、昨日成立したわけでございます。そういう意味では、人口急増市町村に対する校舎建築につきましても非常に効果があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、市町村超過負担の問題につきましては、単価の差とか実施面積の差とか、いろいろな事情もございますし、最低基準に対しましての市町村における、実施がそれを上回っておるという実態もございまして、超過負担の問題の解消につきましてはいろいろな改善をはからなければならない点が多いわけでございます。それらにつきましてもいろいろと手当てを講じておる次第でございますが、若干長くなりますので、以上概略を御説明申し上げます。(「それが知りたいのだよ」と呼ぶ者あり)  それでは超過負担につきましても、もう少し詳しく申し上げたいと思います。超過負担につきましては、私どもの四十五年度調査によりますと、市町村における実施単価国庫補助単価の差というものがあるわけでございます。この実施単価国庫補助単価の差は、鉄筋の場合に一六%、それから鉄骨造の場合二一%、木造の場合が二三%ほどの差があるわけでございます。この原因でございますが、これは、私ども補助金の算定をいたしておりますのは、いわゆる標準設計というふうなものを基礎といたしまして単価の計算をいたしております。市町村が実際に実施をされる場合に、標準設計というもの以外に実施される部分もあるわけでございますが、私どもも、その標準設計なり基準というものはやはり時代とともに変わるわけでございますので、その改善をはからなければならないわけでございますが、本年度、四十七年度予算におきまして、単価につきましては七%の増額をはかったわけでございます。四十五年度単価の差に対しましては、七%という差は追いつかないという御指摘もあろうかと思いますが、今後の問題としての努力を私どももいたしたいと思っております。この七%の根拠は、過去三年の間平均物価上昇率が六・六%でございまして、これに基準法の内容の若干の改正等を織り込みまして七%というふうな積算をいたしたわけでございます。  そのほか基準面積の差というものもあるわけでございます。基準面積の差につきましては、これは少し統計が古くて申しわけないのでございますが、四十三年度統計によりますと七九・二%の面積差があるわけでございます。この七九・二%の面積差というものについては二つ意味がありまして、私ども基準というものの問題、それからいわゆるデラックスに市町村がおやりになる面もないではない。まあ人口急増市町村についてはそういうことはないと思うわけでございますが、そういう両様の面があるわけでございます。これらにつきましても、基準面積の改定ということを今後私どももはかっていかなければならないというふうに思っております。ただ、基準にも達していないという学校が全国的に申しますとかなりある次第でございまして、そういう専業量の増というものもはからねばなりませんが、そういう面についての手当てということを私どももいろいろと考えてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、御説明を申し上げます。
  9. 田村良平

  10. 秀島敏彦

    ○秀島参考人 日本住宅公団理事の秀島でございます。  住宅公団が各地で宅地開発事業を行なっておりますが、それに伴いまして必要となります関連公共施設整備については、地元の地方公共団体といろいろ折衝をして、その費用負担等を協議してまいっておるわけでございます。住宅公団といたしましては、その関連公共施設整備のうち、開発者側として負担をすべき範囲がどの程度が妥当であろうかというような問題に関しまして、実は昭和四十年ごろから問題がありまして、公団の内部の基準、内規として一応の考え方をまとめております。それがお手元にお配りいたしました「関連公共公益施設負担基準」と称しておるものでございます。この精神は、主として宅地開発地区内の住民がもっぱら受益をする施設というものについては、それに応じて負担をしてまいりたいという考え方でございます。具体的に、たとえば道路について申しますと、地区内の道路がございます。これが国庫補助事業として採択をされたという場合につきましては、その国庫補助金の補助裏と俗語を申して恐縮でございますが、補助をいただきました残りの差額は、原則として地元の市町村なり県なり事業主体が負担をされるというのがたてまえでございます。ただ、地区内のその個所につきましてはもっぱら地区内の住民が受益するであろうということで、その市町村あるいは県の事業主体の一般の費用は負担される額の全部、それから地区外にわたって一定の国道とか停車場まで取りつける必要がございます、その地区外の区間につきましては地区外の住民も利用されますので、一応補助裏の二分の一を宅地開発者負担をする、そういうような考え方。以下大体同じような考え方でございます。そういうことで、宅地開発者としてこれくらいは負担をしても当然それに見合う地区内の住民の利益があるので正当、妥当であろうということで、こういう公団の内規としてきめておるわけでございます。  それで、個々の宅地開発の専業の実施にあたりましては、一応この内規に基づいて市町村と協議を申し上げるわけでございますが、逆に市町村側といたしましては、いろいろ開発の規模、あるいは現在におきましてのいろいろな公共施設整備水準が上がってまいったというようなこともございまして、もっと負担をしてくれという要望がございます。その要望と公団側の希望とをいろいろ折衝いたしまして、結論がついたところで事業計画を申請する、そういうたてまえになっております。現在の状況では、公団側が考えておりますこの負担基準どおりにはなかなかまいらないというのが実情でございます。  簡単でございますけれども説明を終わります。
  11. 佐野憲治

    佐野委員 公団負担基準ですね、もう少し詳しく説明していただけないですか。いまのは道路の場合が中心ですけれども、下水道なり駅前広場なり、ずっとありますね。そういう問題に対してどういう基準を持っておられるか。
  12. 秀島敏彦

    ○秀島参考人 それでは引き続きまして、以下の項目について簡単に御説明いたします。  下水道でございますが、この下水道というのに二種類の取り扱いがございます。一つは都市下水路と申しますか、小さい排水路でございます。これは従来河川としての取り扱いを受けておりません、小さい、俗に普通河川といっておりますみぞとか川とかがございます。そういうものが開発に伴って整備が必要となるという場合に、下水道の施設として都市下水路という施設の取り扱いがございます。これを整備する場合、いわゆる下流側の小さい川を整備する、こういう場合につきましては、その流量が増加いたします。その主たる原因は開発に基づく場合でございますので、これはいわば原因者的な考え方補助事業の裏の金額を開発者が負担をするという考え方で進んでまいっております。それからいわゆる公共下水道と申しますか、管渠によって終末処理場に導きまして、そこで処理をして放流する、こういう正規の公共下水道につきましては、普通これも下水道の補助業として採択される場合が多うございます。市町村が主として事業主体として、実行されるわけでございます。それでその補助事業につきまして、管渠におきましては、地区排水量と申しますか、開発地区の中から出る水量、あるいは汚水の水量、それに相当いたします割合を算定いたしましてその分を負担いたしております。それから補助事業にならない単独事業につきましては、地区の排水量相当の事業費の全額負担。これは改善をするというよりも、むしろ単独事業の場合は原因者的な考え方に立っております。それから終末処理場につきましては、これも大体補助事業になるわけですが、地区内の排水量相当分を想定いたしまして、それの事業費に対する補助裏の二分の一を負担いたしております。それから補助事業の外に出ます単独事業というのがございます。これは事業費の全額が補助対象として採択されない場合がございますので、それ以外の分が単独事業としての取り扱いを受けますが、それについては同じく地区人口あるいは地区面積に相当する事業費を想定いたしまして、それの補助裏の二分の一を負担する、あるいは単独事業については事業費の二分の一を負担する、こういう考え方負担額を算定いたします。   それから次は上水道でございますが、普通、上水道は地区内の配水管を全部末端まで布設いたしまして、それでそれの全額、あるいは地区の給水に必要な全事業費。これは開発地区まで上水を持ってくる必要がある場合がございます。あるいは場合によっては途中で中継ポンプ場というようなものが必要になってまいります。そういうふうに既設の水道施設から開発地区まで水を持ってくる地区外の施設、そういうものに非常に経費がかかる、そういう場合もございますので、大体この町方のいずれかということで折衝を進めておるわけでございます。  それからガス施設でございますが、これはガスを新規に配管をし供給をするという場合に、相当な先行投資になる場合がございます。そういう場合にはガス会社が、ガスの供給規程というのを認可を得てきめておるわけでございますが、それに基づいてガスの利用者から一定の設備負担を取ることができるというようになっております。その範囲内で負担をいたしております。電気施設についても同様でございます。  それから小中学校用地でございますが、これは従来住宅公団の取り扱いといたしましては、開発をいたしまして出ました総平均価格と申しますか、総コストをこちらの総取得面積で割りました平均価格がございますが、その平均価格を二分の一に減額をいたしまして市町村にお譲りをする、こういうたてまえでございます。それから学校の規模でございますが、これは小学児童の発生率が一戸当たり〇・四五人、それから中学生は一戸当たり〇・二二人という率で発生をする、そういうふうに想定をいたしまして、その児童生徒数に応ずる学校の規模――これはいろいろ起債その他で査定をする場合の基準がございます。その児童生徒数に応ずる、基準学校の規模に応ずる面積を取り扱っております。それから、これは義務教育ではございませんが、幼稚園等の用地がございます。こういうものは、一応事業計画で定められるものは用地を確保いたしまして、そして平均処分価格の七〇%で経営者あるいは地元に譲渡をするということをやっております。保育所用地も同様でございます。  それから市役所の出張所でございますとか、いろいろな官公署の敷地が必要になってまいる場合がございます。そのときは平均処分価格そのものでお譲り申し上げる。  こういうふうな考え方で一応公団の内規としては遊んでおるわけでございます。ただ、実地にあたりましては、と申しますか、こういう公団負担基準だけではなかなか納得できない、こういうふうにいわれる市町村がだんだん多くなってまいりまして、その間の調整に非常に苦心しておるというのが現状でございます。
  13. 佐野憲治

    佐野委員 もっと具体的な、実際困っている問題はどこにあるのかということを、この内規の特例として処置している場合もまだあると思いますがね。それから五省協定によって実際問題が解決されておるかどうか、五省協定以外の、たとえば駅前広場だとか、こういうふうな問題に対しても、どういう基準を設けて折衝しておられるか。こういう資料は、きょうはいいですけれども、次にいろいろ懇談なりあるいは協議するための資料としてぜひこちらに出していただきたい。
  14. 秀島敏彦

    ○秀島参考人 わかりました。
  15. 佐野憲治

    佐野委員 ほかに、厚生省のほうからどうですか、保育所の問題。あるいは大蔵省のほうにも要求しておったのですけれども、大蔵省は来ておられますか。
  16. 田村良平

    田村委員長 大蔵も厚生毛資料は出ておりません。
  17. 佐野憲治

    佐野委員 では大蔵のほうに……。先般の説明でこういう口頭説明があったわけですね。たとえば三省協定による立てかえ融資施設公共公益施設、こういう場合、公団の場合ですと三年据え置きの二十年、しかしながら地方自治体が施行者となる、この場合におきましては住宅金融公庫の場合は七年だ。この点について、受ける地元市町村の立場から見て問題はないかという点に対して、大蔵省としては、県施行の場合はそれでいいじゃないか、公団の場合は二十年だ、こういう考え方の妥当性をなお確信しておる、こういう御意見がありましたですね。それは一体どういうところに確信しておられるのか、もっと具体的な書類をもって提出してもらいたい、これが要求だったのですが、なぜ書類が出ないのですか。
  18. 福島量一

    ○福島説明員 私どものほうの、先生要求の趣旨の取り違いによるものかと思いますが、前回の御要求数字等に即した具体的な資料というふうに承っておったものですから、そういたしますと各行のほうがむしろ資料は豊富でございますし、各省要求なりあるいは各省で事実上所管されております一項についての数字でありますと、大蔵省の立場から特につけ加えるものはないというような判断から資料の提出を差し控えておったのでございますが、ただいま御要求ありましたような、公団施行の場合と、それから公庫の融資の場合との取り扱いの差異の理由は何かということでありますと、前回でございますかあるいは前々回でございましたか、口頭で申し上げたわけでございますが、もし書類でということでございますれば至急調製いたしまして提出したいと思います。
  19. 佐野憲治

    佐野委員 では書類で後ほどお願いいたします。  次は、厚生省のほうですね。保育所の問題で三省協定、それから保育所の問題の取り扱いはどうなっておるか、問題はないのか、こういう点に対する具体的な資料要求したはずなんですけれども、書類としては提出してない……。
  20. 岩佐キクイ

    ○岩佐説明員 厚生省の母子福祉課長でございます。  実は私のほうの保育所の問題につきましては、建設省さんのほうでおまとめくださいました資料の中にございますので、一応それで御説明をさせていただこうと思いましたわけでございますが、特に町田団地を一応のモデル――モデルという言い方はおかしいかもわかりませんけれども、まあ想定されまして、その中に入っておりますわけでございます。この中で、町田団地におきましては、この資料にもございますように公立が四十四年度に一カ所、それから四十五年度に一カ所ございます。それから四十四年度におきまして民間が木曽団地に一カ所、境川団地に一カ所ということになっておりまして、これらには国庫補助が、基本額九十人以下の定員に対しましては二百万、それの二分の一でございます。それから九十一人以上につきましては三百万の基本額につきましてその二分の一というようにいたしおるわけでございますから、四十五年度につきましては基本額三百万の二分の一、百五十万の補助をいたしておるわけでございます。なお四十七年度につきましても公立が一カ所、民間が一カ所の要望がございまして、現在検討中でございます。保育所の国庫補助額が低いということにつきましては御指摘をいただいておるところでございまして、こういう問題がいろいろと隘路になっているということも考えられますので、従前から鋭意その引き上げに努力していたところではございますけれども、各市町村等から非常に強い保育所設置の要望がありますために、その数も多く、また補助額も引き上げなければならないというような点もございまして、定員規模によって幾つかの型を設けて、定型化した形で国庫補助基本額を定めて、その対応策を講じてきたところでございますが、四十七年度におきましても現在実施計画を検討中でございまして、私たちもその補助額の引き上げについては努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。それから、保育所につきましてはなぜ立てかえのあと払い方式をとっていないかということでございますが、これは面接団地事業施行者に尋ねたわけではございませんけれども、総事業費等もそう金額が張らないというふうなこともございますのか、単年払いの形式でやられておるようでございます。なお、補助額の低いというようなことを補完いたしますために、国年の特別融資をもって補助裏の配慮をしておるところでございまして、それらにつきましては今後とも補助額の引き上げをはかるとともに、特別融資等につきましても配慮が十分になされるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  21. 佐野憲治

    佐野委員 保育所資料の質問でありますので、問題点は将来また別個にさしていただくとしまして、ただいま五省協定による関連公共施施なりいろいろ見てまいりましても、保育所がほとんど対象になっていないということはいま説明ありましたけれども、では厚生省にお伺いしておきたいのですが、あなた方に保育所の要請をする場合に「保育所整備協議書」というのを要求しますね。この様式第三号の7に「当該保育所の設置地域が次の法律の適用を受ける地域である場合は、当該数字を〇で囲むこと。」とあって、ここに九つありますね、新産業都市あるいは工業整備、首都圏あるいは中部圏、同和対策なりあるいは過疎地域対策緊急措置法、これに基づくものかどうかと。これの中に、いわゆる新住法に基づく五省協定対象になっているにかかわらず、そういうのが全然ないのはどういうわけですか。対象事業としてあげてないのはどういうわけですか。
  22. 岩佐キクイ

    ○岩佐説明員 この協議書の問題につきまして、こちらのほうから出しております通知をいま私手元に持っておりませんので、ちょっとお答えいたしかねるわけでございますけれども、法律に基づきまして補助率が変わるとか、あるいは補助額のかさ上げがなされるとかいうふうなものにつきましては、いまの通知の中にも明記いたしておるわけでございますが、この五省協定関係につきましては補助金の額が変わるというふうなものではないわけでございまして、私ども配分にあたりまして、実施計画の段階で該当する地域に保育所を建てられるというものであれば、そういうところはおそらく保育にかけるいわゆる要保育児童が多発しておる状態であろうというようなことを考えまして、優先的に補助をしていくというふうな考え方でいたしておりますので、特別に明記をいたしておらないわけでございます。
  23. 佐野憲治

    佐野委員 また後ほどいろいろの機会にお聞きしたいと思うのですけれども、五省協定があって、しかもそういう人口急増なりは優先的に取り扱いを受けるということになっておるのに、優先的に取り扱いを受けるという趣旨が書類申請の場合全然出てこないわけですが、五省協定による立てかえだけじゃなく、五省協定によって、優先的に保育所の設置を必要としておる、この場合に、一体厚生省としてはそういうことをどこで明記することができるであろうか。五省協定に基づく保育所がぜひ必要なんだ、場合によれば立てかえ払いだというような場合に、その事業証がなかなか得られないという場合に、三省協定があるじゃないか、こういうことが、こういうような場合には全然審議の対象になっておらないのじゃないかという感じがしたので少しお聞きしたのです。  同時に、これは自治省もおいでになっておりますので一応お聞きしておきたいと思うのですけれども、たとえば保育所をつくるのに、百五十人定員、五千五百四十万円かかる。これはある町で提出した資料であるわけなんですけれども、五千五百四十万円かかるのに、これに対するところの法律に基づく基準と申しますか、これが一体こういう場合にどうなっておりますか。二分の一と法定はなっておるし、これに対して国の補助があり、これに対して県が二分の一だ。あとはこれに対する措置は一体どういう措置をなされておるのですか。
  24. 植弘親民

    植弘説明員 具体的な数字でございますが、交付税上の普通交付税の積算の基礎を申し上げますと、一応国庫補助の積算基礎に対しまして二分の一ということでございますので、そこのところは厚生省所管でちょっとぐあいが悪うございますけれども国庫補助のほうが二分の一までいっていないのが実際のようでございますが、交付税の計算上は、大体積算の二分の一を国庫補助にいたしまして、それに相当する額を県から四分の一、それから市町村が四分の一というかっこうで計算をしてございます。したがって、具体的には、国庫補助額とその二分の一顧との差額分は、これは当該市町村超過負担というかっこうになるだろうと思います。
  25. 佐野憲治

    佐野委員 ですから、それはきょうはなんでありますから、すぐに資料で詳しくいただきたいと思うのです。
  26. 植弘親民

    植弘説明員 こまかく申しましょうか。――標準団体あたりで申し上げますと、大体四百六十万円が建設中業として算入されておりますが、これ・鉄筋コンクリート四百平米の保育所一カ所の建築費が千六百四十万円、初度調弁費が二百三十万円、合計千八百七十万円から、国庫支出金の九百四十万円、都道府県支出金の四百七十万円、合計千四百十万円の特定財源を差し引いたものであります。そういう計算でやっております。いまの五千何ぼというのは特定のあれでございますが、交付税は御承知のようにあくまでも標準団体の規模で計算いたしますので、そういう計算になっております。
  27. 佐野憲治

    佐野委員 それをもう少し詳しく資料として――たとえば起債が七〇%になっておりますね。これも基準事業費の七〇%だ、こういうことなんでしょう。
  28. 植弘親民

    植弘説明員 そうでございます。
  29. 佐野憲治

    佐野委員 そうすると実際の建築費じゃなくて基準事業費ですね。事業費の七〇%だ。それから中の交付税の算定には、当然実際の建築に対するところのいまの標準の一千八百万円ですか、これに対して国が二分の一、県が四分の一、そうしますと一千万円の補助金が出る、こういうことを特定財源としては見込んでしまっておる。実際上は三百万円かそこらしか来ない。そうするとそこに大きな違いが出てくるでしょう。これが五千万円になっても補助金は変わらない。いまの補助金は九十人あるいは九十人をこすとそれに対する打ち切り補助のような形になっていますね。実際の事業費に対する二分の一じゃなくて、法できまっておるのじゃなくて一定の基準を出して、その基準の二分の一という形をとるよりももっと、打ち切り補助みたいな形で出てきておる。実際の事業費というものは、いまの場合で計算してみると五千万円だ。起債は、補助対象になるには基準事業費だ、こうなってまいりますと、実際に起債の場合にいたしましても、特別事業債の中に占める保育所の割合は非常に少なくなっていますね。そうすると、あと交付税の基準財政収入額の中で見ておるのは、実際問題として来てもいないのに来たものだと見込んでおりますね、標準団体の場合。そうしますと負担というものは一体どういう形でなるわけですか。一般財源でこれをやっていく。そうしますと、これの維持管理というものがまたたいへんな問題になってきますね。これは交付税上の維持管理はどういうようになっておるのですか。実際問題として、起債はほとんどもう実際に合わない、七〇%というのは。それで交付税では一応補助金が来ているものと、特定財源の中に入れておる。それで一般財源でこれをやれ、こういうことになっておるわけですか。
  30. 植弘親民

    植弘説明員 もうこれは先生承知と思いますが、交付税の打算はあくまでも標準団体規模によって行ないます。それから国庫補助事業につきましては、国庫補助対象となる事業費というものを一応計算いたしまして、それに対応する地方負掛分というものを計算してやるしかございませんから、具体の市町村ごとにはいろいろの補正等もございますし、これは交付税による財源措置というものが具体の市町村ごとに整ったというものではございません。これはもう御承知のとおりであります。したがって、交付税上の計算で出てきた額と、それから基準財政収入は、市町村でございますと市町村収入の七五%見ておりますので、残り二五%の分、そういったものを見ることになります。事業につきましては、標準団体では一体どのくらいの支出かを計算しますときは、一応普通は人口一人当たりの計算がございますから、克明に通常の補助事業みたいな計算をと言われましてもこれはちょっと無理だろうと思いますが……。交付税上の基準財政需要額と、具体の各種事業というものの決算額を比較してみますと、それぞれ地方団体に特色がございまして、たとえば保育所のようなものでございますと地方の決算額のほうが高うございましょうけれども、ものによりましては交付税で見ておる基準財政需要額のほうが多いものもございます。それぞれの地方団体がどの事業に重点を置いておるのかということによって差ができてまいりますので、先生、交付税は見足らぬという御質問であろうと思いますが、交付税の機能としてはやむを得ない、こういうことじゃなかろうかと思います。
  31. 佐野憲治

    佐野委員 そういうことはわかりますが、実際問題としてそう見てまいりますと、大規模団地ですね、こういう団地の場合に、一住区に小学校一つと、保育所は少なくとも二つぐらいは要る。児童公園ももちろん要りますけれども、幼稚園も要る。こういう場合に急増という問題と別の、起った意味における大規模団地造成に伴う財政需要が出てきますね。こういう問題というのは一体どう処理していくか。交付税の標準団体、これは皆さん補正で見ておる。投資なり寒冷なり人口急増なり、いろいろやっておられますが、そういう補正で現実に近づくことができるのだろうか。大きい問題がこの大規模団地の場合は存在しておるのじゃないか。ですから、五省協定の中にも出てきていない。単年度補助ですから出てこないのだ。しかしながら人口が、新しい団地だけに若い人たちが多い、共働きが多いので保育所が必要だ。ですから一住区に二つの保育所がどうしても必要だということは、それはもう現実の問題だと思うのです。そうした場合に三吉協定が何らここに動いてこないということは一体どこにあるのだろうかという疑問を持つわけです。五省協定対象の中に保育所が一カ所もない。関連施設立てかえなんという場合にもない。しかも措置費なり何なりという問題が出てまいる。一定の施設なり何なりなければ措置費をよこさない。小学校はできている。しかし小学校は将来を見込んで建築するわけですからね。その場合における問題もたくさんあるのですけれども、保育所は一つできた。また一つ要る。その間において小学校を利用する、こういう場合は措置費の対象にならないわけですね。どうしても保育所というものは要るわけなんです。そのために地方自治体は一体どうなっておるかという実態を、もし皆さん方が調査しておられたならその具体的のものをひとつ示してもらいたい。たとえば多摩ニュータウンの場合を見てまいりましても、公的な保育所ができてこない。逆に宗教法人なり私設の保育所がどんどん設置されてきておる。高い保育料をもって入所しなくちゃならない。公的保育所はできていない。これはなぜだろうか。こういう点の疑問をまず持ちますので、それらの点は一体どこに原因があるか。なぜ公的な保育所ができなくて、宗教法人なりあるいはまた私設の保育所ができてきておるか。こういうことの原因はどこにあるかということも、地方財政の面から一つ問題があるのじゃないか。  もう一つ、厚生省の側にも、そういう現実を一体どう考えておられるのか。全国的には、公立は幾ら、私立は幾ら、あるいはまた措置費のもらえない施設、ずいぶんあると思いますが、しかしながら大規模団地の中に、新住法なり新しい都市基盤の中で生まれてくる中で、公的な保育所が受け入れられない、一体どこに原因があるのだろうかという点。もう少し厚生省は具体的にそういう同題について、最も必要とする新しい住宅、共かせぎで最も必要とするところに公的な保育所が生まれてこない、五省協定対象として取り上げてもらえないというのは一体どこにあるのだろうかという点。いわゆる国庫補助基準の問題もあるし、いろいろな問題、地方財政においてこれを見られないという現実があるとするならばどこにその問題があるのか。単なる交付税の標準団体のものではこれはとても始末ができ得ないです。どんどん必要となってくる。新都市基盤整備法の審議中でありますけれども、これの予想されておりますマスタープランを見ますと、やはり一住区に二つないし三つの保育所を必要としている。こういうのは現実の問題としてどうやっていくか。これは建設省のほうにもこれから伺っていきたいと思いますけれども、きょうは資料に対する質疑だけでありますので、そういう点に対しましても次の会にはもっと具体的に説明していただきたい。このことをお願いしておきます。  それからもう一つ文部省のほうからただいま説明ありましたけれども、もっと具体的に、たとえば対象面積ですね、これは実際大きな食い違いをなしているでしょう、皆さんの場合。デラックスなものをつくっているのじゃないかとか、いろいろな意見を出されるのですが、昭和四十三年から四十五年の三年間で超過負担の解消――廊下のない小学校なんかありっこないじゃないかということで、皆さんの標準設計なり、それらに対する標準基準に対して、自治省と大蔵省と文部省、三者でやったはずですね。その中で超過負担を解消するということになっていたのに、実際問題としては解消されなかった、また新しく今度調査を開始する。どうも話がおかしいと思うのですけれども。  そういう点に対してこの場合お聞きしておきたいと思うのですが、たとえば公団の場合ですとこれはどうなりますか。やはり一定の規模の文部省の設計基準なりあるいは建物の面積基準なり、そういうものであってはとても地方自治体は受け付け得ないと思いますね。ですから、実際の学校必要とする教室なり特別室なり廊下なりを含めた、実際に学校として使用できるものを建設する、こういうことをやっているのですか。それとも文部省基準どおりやっているわけですか。
  32. 島守一

    ○島参考人 住宅公団団地学校につきまして、いま先生の御指摘のとおり、やはりどうしても超過負担が出るわけでございます。それを関連公共事業立てかえのほうでカバーする、そういうふうにいままでも努力してきたわけでございます。それについてはやはり四十七年度で、いまこれは大蔵省といろいろお打ち合わせしているところでございますが、まず一〇%程度はそれを認めようじゃないかというふうな大体の意向になっておりまして、まだ最終決定にはなっておりません。そういうことで、立てかえのほうでとりあえず処理していきたい、そういうふうな考え方を持っております。
  33. 佐野憲治

    佐野委員 住宅金融公庫のほうはどうですか。
  34. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 住宅金融公庫の場合を申し上げますが、住宅金融公庫の、いまのは関連利便施設の中に入るわけでございますが、原則は、たびたび話が出ています五省協定に基づいてやっておるわけでございます。実際の基準は何によっているかと申しますと、国庫補助基準額の八割ということで融資をいたしておるわけでございます。これは先ほども御指摘がありますように、いろいろ実際の単価との食い違い等も若干ございます。それから、私どもは、これは新住事業の場合だけでございますが、八割を融資いたしておるわけで、あと二割の負担という問題がございます。こういう貸し付けの限度の問題が一つと、それから実際の単価とこの標準単価との差異、こういうことは今後解決していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございまして、今後これについても主務省にもよく御相談してまいりたい、こう考えております。
  35. 佐野憲治

    佐野委員 これはもっと文部省、いずれまた懇談会で説明させていただきたいと思いますが、どうも話を聞いておりますと、住宅金融公庫の場合、この文部省基準面積、これに対する八割だ。この基準面積が大きな違いが出ておる。これは皆さんのほうでいろいろ調査はしておられるでしょうけれども、たとえば県が施行者で、完成後には地元市町村にこれを譲り渡す、そうした場合に、これはやはり最も必要とする最小限度のあの建築となっておると思いますが、建築面積にいたしましてもあるいは単価にいたしましても、実際入札をやって、その地方の実情に応じての最小限度の単価でやっている。ところが問題になってまいりますのは、そうした場合に文部省のこの実際の基準と大きな食い違いができてきておる。そういうことに対して文部省の側から、実際上はどうなっておるか、こういう資料を実は出してもらいたい。町村がかってにやっておるからという誤解を避けるために、県が設計をして、そして県が一定の建築をして、これを地元町村に譲り渡す、こういう場合にどれくらい大きな差が出ておるか。これは実際に行なわれておるのを取り寄せればわかると思いますがね。そうした場合に、いまの住宅金融公庫お話を聞きますと、この基準面積に対して基準単価をかけて、そのものに対するところの八割だ、こうなってまいります。  自治省の皆さんにも一応お聞きしたいのですけれども、あなた方が起債の七五%というのも、実は実際の建築費に対する七五%ではなくて、標準面積、標準単価に対する七五%の起債だというわけでしょう。そうなってまいりますと、あとの二五%は交付税で事業費補正その他でめんどう見るという一応のたてまえをとっておられる。ところが実際問題としてこれはどうなっておるか。そういう点に対する皆さんのほうでの具体的な資料ですね、ひとつ明らかにしていただきたい。新住宅市街地開発法でやる場合でもいいし、あるいは区画整理事業でやっておる公団の場合でもいいんですけれども、実際その場合に公団が設計をして公団が発注しておる、あるいは県施行の場合、県が設計して県が請負契約もやっておる、そういう場合にどうなっておるか。私は、昭和四十六年度の実際にやった場合のこの協定書なり、全部取り寄せておるのですけれども、現在私の手元にあるのを見てまいりますと実はびっくりするわけですね。四十二年から四十五年までの超過負担の解消、大蔵、文部、自治と三者でやったのが、一体これはあまりにも現実と違う数字が出てきてしまっていますがね。住宅金融公庫もまたこの場合におきましていわゆる七年だ、こうなっててまいりますでしょう。そうすると、七年の対象になっているのは全建築費の中でほんとうのわずかというわけですがね、体育館を含めて。その場合に一体これは町村財政としてはどうだろうか。三住区あれば三つ小学校が、十の住区があれ、はやはり十の小学校が必要になってくる。こういう場合にこういう形の負担がどんどんできてきて、これは五省協定によって何かやったじゃないかという印象を与えましたが、中身をますと全額に対する融資じゃなくて、実際は皆さん方の基準で押えたものの八〇%だ。私、自治団体から具体的な資料をいただいておるので、皆さんのほうとの照合もさしていただきたいと思いますがね。そういう意味におきましてここに詳しく出してきておるわけですがね。その場合におけるところのその地元小学校と県との間の協定なんか見てまいりますと、大蔵省の資料を見てまた参考にさしていただきたいと思うのですけれども、たいへんな問題が起こっておると思うのですがね。この利息にいたしましても、公庫の場合は六分五厘である。県が住宅金融公庫からの融資をもって足らない面をめんどう見なくちゃならない。そのための利息が七分五厘から七分三厘という形でやっておるわけですがね。それらの実態的なもの、大規模団地の中においてどんどん小学校をつくっていかなくちゃならぬ、この中において小学校建設はお断わり、団地住宅建設はお断わり、こういう動きがやはり一部に出てきておる。これはなぜかということ、文部省のほうでももっと、実際にどういうことになっているか、こういう点をひとつ次の委員会に明らかにする意味において、資料を出していただきたい、かように考えます。
  36. 西崎清久

    西崎説明員 ただいまの先生お話につきましては、御承知のとおり実態につきまして不分明な点もございますので、本年度は先ほどおっしゃいましたように各省共同で実態調査に取りかかっております。六月、七月と実態調査実施いたしまして、八月末までに結果を各地方公共団体から報告を求める、出してもらうというふうに相なっておりますので、その際にはより確実なデータが出ると思うわけでございます。ただいま先生おっしゃいました、四十三年度にいろいろな調査がございまして、単価差で全国で二十四億円の差があったわけでございます。この単価差の二十四億円につきましては国庫補助基準を上回る部分が若干ございまして、ほんとうの単価差というふうなものについては約八億じゃないかというふうな押えをいたしました。それからもう一つ、国庫負担についての基準面積の充当率というのが九五%くらいであったわけでございますが、これも超過負担の原因であるということで、四十三年度から四十五年度までの間に、単価差分の八億と食掛の充当差三十二億円の解消は一応はかってまいったというふうな経過はございます。しかし、ただいまおっしゃいましたように、現実の負担がなおふえておるというところで、本年度いろいろな調査に基づきましてデータを把握して、措置を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。とりあえず御説明申し上げます。
  37. 佐野憲治

    佐野委員 私は一般的なことゃなくて、大規模団地の中で、十万都市なり五万都市、いろいろのものをつくっておる、こういう中で、実際建設省が法案として新住宅市街地開発法案を提出する、あるいは新都市基盤整備法案を提出する。この中に配置される小学校、その小学校が実際に合わなくて、たとえばあるところで一億九千八百七十四万、第一期が必要だ。補助金なり交付税、起債、合わせて一億一千万円だ。そうしますと八千八百七十四万円が自己負担になるわけですがね。この自己負担というものは一体どう自治省で考えておられるのか。これは一つじゃないんですよ。これは一住区ができていくごとにふえていく、宅地造成で。全面買収でやる。全面買収でやりますから、どんどん宅地造成が進んでまいりますと、いわゆる住宅建設小学校の配置、こういう場合に、実はこういう一住区における一期と二期と分かれて、一期だけを皆さんのほうに申請をする。この場合におきまして、一億九千万円に対して一億一千万円しか国庫補助なりあるいは起債なり交付税で見られない。八千八百万円がいわゆる自己財源になってくる。どういう形でこれを解決していくか、たいへんな問題が起きておると思いますがね。その場合に、大蔵省か何かのデータであと参考にさせていただきたいのですが、これを七年間のいわゆる住宅金融公庫融資で立てかえ融資をやるといったって、これはとてもやり切れるものじゃない。しかもそれは八千八百万円に対してのものしかないわけですからね。実はこういう問題に対する具体的な、単なる人口急増という形に問題を抽象化するのではなくて、新住法なら新住法あるいは大規模団地を形成しているその中における市町村実態というものは一体どうか、こういう点でひとつ検討した資料をいただきたいというわけです。一般の人口急増対策という形では、特殊な条件の特殊な中においていま現実に直面している問題の解明にならないと思います。三分の一を三分の一にしたとか、一般的にいうところの小学校要求、これはわかっておりますが、そういう問題じゃなく、大規模団地の中に問題がどういう形をもって起こっておるか。それに対してどういう形で自治省は財源措置をしているか。これは建設だけじゃなくて、維持管理費に今度はつながっていくでしょう。維持管理はどういう形でこれをやっていくかという具体的な問題です。その問題につきましても、実は私たちのほうも地方自治団体から資料をいただいておるのですけれども文部省なり自治省はもう少し具体的な、そういうときにはどういう措置をなされるか。建設省におけるところの新住法の構想なりあるいは新都市基盤整備法なり、この中で予定されているあるいは良好な居住環境と住宅、こういうふうなものを配置するために強制収用なり、そういう形をもって農民から土地を買収あるいは収用する。そういう形で国民の住宅あるいは住宅政策に協力して、そういう中から生まれてまいったこの団地なり、そういう計画に対してどう取り組んでおられるのか。その場合、それにはどういう問題点があるかということを、委員会のこれからの審議を進めていく過程の中で非常に大きな点として私たちも勉強させていただきたいと思いますので、そういう資料を実は出していただきたい。  厚生省におかれてもやはりそういう意味において、保育所の問題はどう考えるか。勤労世帯がここに集まってまいる、そういう場合における子供たちの保育の問題あるいはかぎっ子対策の問題。そういう規模のものが新しくできてくる、そういう中においてどういう問題が派生しておるかということを、ひとつ現実を調査の上で具体的に対処策というものを持っておられたら示していただきたい。このことをひとつお願いいたしておきます。  それから建設省にお願いいたしておきたいのですが、実は今度の新都市基盤整備法の場合も、あるいは新住法の場合も、特に項目を改めて運輸大臣との協議というものが出ておりますね。運輸大臣との協議は一体どういう形でなされておるか。たとえば新住法の場合でも、基本計画を作成する場合は運輸大臣と協議をする。協議を受けた運輸大臣はこれをどういう形で具体的にやっていくか。あるいは地方の建設局といわゆるその施行者の間に具体的に協議を進めていくのか。運輸大臣と建設大臣が協議をした、これに基づいて、いつごろには、たとえば駅前広場なりあるいは駅舎をどうするか。たとえば橋上駅にするのか、あるいは跨線橋にするのか。跨線橋にするのにもいろいろな問題がありますね。そういう問題を、基本計画を立てるときに特に運輸大臣といろいろ協議をしておる。それが実際問題としてはどういう形になってくるのか。その経路をひとつ明らかにして、具体的には、建設省の承認を得た基本計画に基づいて、この基本計画を中心として施行者がどこと協議をすることになるのか、そういう経路に対してのなにと、そしてその場合に現実的に駅前広場なり、そういう団地を造成するために必要となった都市計画街路、それをつないで駅の北側にそれができた場合におきまして、南側に本駅がある、そういう場合における連絡、その場合に運輸省の負担基準というのは一体どういうふうになっておるか。そういう協議というのは基本計画作成の過程において問題点を煮詰めておるのか、あるいは具体的な施行の段階においてこれをやっていくのか。そういう点に対する資料がありましたら次にお出しいただきたい、これをひとつお願いしておきます。
  38. 田村良平

    田村委員長 次に、北側義一君。
  39. 北側義一

    ○北側小委員 各省からいろいろと御説明をいただいたわけですが、その中で二、三点の問題についてちょっとお伺いしてみたいと思います。  この問題は、団地を断わる、そういう市町村が非常にふえてきた、そういうことにつきましてこういう三省協定等がつくられたと思うのですが、実際の問題といたしましてこの内容は非常にむずかしいのではないかと思うのです。たとえばそういう公共関連施設の費用の負担の配分はどうすべきか、また受益者負担はどうすべきか、またそういう施設ができることによって地価が上昇する、それに対する問題をどう考えていくのか、こういういろんな問題があるわけです。結論といたしまして、私らずっといままでお聞きしまして思いますのは、やはり立てかえ施行とか、これを拡大するとか、またたとえば補助率をアップするとか、そういう方向にいかざるを得ないのではないか、こういうぐあいに私考えておるわけですが、日本住宅公団がたとえば開発者になっております公営住宅建設につきまして、この資料の第一表でいただいたわけですが、「公共公益施設整備に伴う宅地開発者負担実態」、この資料を見ますと、たとえば三十五年度から四十三年度までの鶴川団地、それから山崎団地が三十九年から四十三年、木曽団地が四十二年度から四十五年度、こうなっておるわけです。これを見ますと、下から三番目の公団の「家賃増加額(月額)」がだんだんふえていっておるような傾向にあるわけです。これは四十七年度ぐらいではどれくらい見込まれるのか。最高額と、わかりましたら、これはまだ建設されておりませんが、見通しとしてどのようなぐあいに家賃増加額になるのか、これをお聞きしたいと思います。
  40. 島守一

    ○島参考人 ただいまの御質問の四十七年度でどのくらいの増加額になるかといいますことにつきましては、まだ具体的なものがございません。と申しますのは、この団地負担をどうするかということについては、その立地によりまして、また地方公共団体のそのときの状態によりまして千差万別でございます。したがって、具体的に建設計画を立て用地を取得するときから公共団地といろいろ折衝してまいりますが、その過程においてだんだん煮詰まってきて、さらには入居する段階までいろいろ続くわけでございます。そういうことで一がいに申し上げられませんが、一般的に申しますと、いま先生がおっしゃったとおりだんだん負担金の額がふえてまいっております。平均的にいいますと、最近は一戸当たり十万円ぐらいまでになっていると思います。そういうことで十万円といたしますと、これは概算でございますが、家賃月額大体三百円ぐらい。団地によりましては二十万、三十万という団地もございます。そういうふうなのが現在の実態でございます。
  41. 北側義一

    ○北側小委員 私思いますのに、これからどうしても――きょうの新聞等でも、ちょうど公団がアンケート調査をやられて、これから公団住宅としても、公営もそれは同じであろうと思うのですが、3DK、3LK、また4DK、こういう一時しのぎの場所でないような団地建設しなければならないと思うのです。そういう点になりますと、ますます家賃が高くなるのはもうあたりまえなんです。そういう点で、この受益者負担。配分の問題等も非常にむずかしい問題ではないか、こう考えておるのです。そういう点をこの小委員会でこれからどう煮詰めていくのか、これは一つの問題であろう、こう思うわけなんです。  それと、これは私知らないのでちょっと教えてもらいたいのですが、「人口急増市町村の要件」というのがこの前にいただいた資料にあるのですが、昭和四十年と四十五年の国勢調査、この五年間の人口の増加率が一〇%以上、なおかつ増加数が五千人以上である市町村、これが人口急増市町村の要件になっておるわけです。ところが、たとえば大阪市なんかを例にとりますと、大阪市の人口というのは御存じのとおり増加していないのです。ところが、増加していないのに事実は、東住吉区という区がありますが、こちらのほうは猛烈に人口は増加しております。しかし大阪市全般としてはふえておらない。こういうのは人口急増市町村の要件に入っておらないわけなんですね。私の調べたいろいろなあれでは、学校校舎等非常に粗末な校舎が建っておる、こういう実態です。こういうことについての考え方はどうでしょうか。どのような考え方に立っておるのでしょうか。
  42. 植弘親民

    植弘説明員 先般お出ししました人口急増対策要綱は、四十七年度予算要求のものとして昨年度考えたものでございまして、確定したものではございませんので、その点は御理解いただきたいと思います。  そのときも御説明申し上げましたけれども、人口急増といったような要件をどのように押えるかという面は、考え方は非常にむずかしいところでございます。けれども一般的に一〇%で五千人ぐらいというのが経験則で妥当なところではないかというふうにきめたのですが、いま最後に大阪市の――大阪市は三区ほどございますね、具体的に児童生徒が急増しているのは。住吉区、東住吉区、もう一つは城東区ですね。文部省のほうで、いわゆる用地の取得を伴う義務教育施設補助金が四十六年度創設されまして、自治省のほうでも学校用地取得債に対する利子補給が四十六年度から創設されたわけであります。そのときにも大阪市から、いま先生のおっしゃるような意味で、三区は人口急増、児童生徒が急増しているのだから対象にしてくれないかという要望が強うございまして、文部省と私どもも一時検討したのでございますが、いわゆる地方自治制度のたてまえからいたしまして、指定都市における行政区というものは市町村並みには扱えないわけでございます。行政の便宜上指定都市として行政区は設けてございますけれども、これはあくまで行政の便宜上の問題でございまして――東京都でございますと区は特別区でございますから、あらゆる行政が一応市町村並みというのが原則でございます。したがって児童生徒急増につきましても、東京都では区別に対象になっておるのはございますけれども、やはりいろいろ検討いたしましたが、この問題だけで指定都市の行政区を一つ市町村というふうにみなして扱うことは適当でないということで見送ったわけでございます。今後とも、全体的な行政のバランスからいきますと、行政区を市町村単位と考えて措置することは適当ではなかろうと思っております。問題はあると思います。したがって、今度全体の財政計画にいきますと、ドーナツ化現象で中央部が減ってまいりますところは学校等につきましてもある程度むだな経費も出てくるわけでございますけれども、ただ全体として市単位で交付税の計算等をやっておりますから、市全体が人口急増している市町村に比べれば、まあまあ救われるのじゃないか、こういうふうに考えておるところであります。
  43. 北側義一

    ○北側小委員 そういう行政、区域がありまして、たとえば団地建設するにしましても、どうしてもあき地のあるところを使うほかないわけです。その三区、東住吉、住吉、城東ですか、特にその中の東住吉あたりもそうなっているのじゃないかと思うのですが、そういうことでどうしてもそちらのほうへ団地が建つ。それに伴うところの公共関連施設整備を行なわなければならないわけです。そこらを私はずっと見て回りまして、学校等がプレハブ等で、正直言いまして非常に貧弱なんです。そこで、東京の場合は御存じのとおり区制がしかれて、人口急増市町村に入っておるわけです。ところが大阪にはそういう特別区がありませんので、入っておらない。そこらはちょっと問題ではないかというような考え方をしておったわけです。  それと、これはどこに聞いていいかわかりませんが、たとえばそういう大規模団地が造成される、どうしても地価の安いところへ造成されるわけです。ところが公共関連施設等は、こういういろいろなあれでやりましても、実際問題としてバスしかないのです。ところがバスのほうは、朝と夕方のラッシュは利用できるのですが、その他はもう全然利用がない。そういうことで私鉄のほうが、バス会社がもうやめさせてもらいたいというような地区がありまして、それについて住民が非常に反対しておる。そういう私営のバス会社等は御存じのとおりあくまでも営利事業ですから、もうからないところはやめよう、こういうトラブルが非常に多いわけです。やはり利便関係になるのじゃないかと思うのですが、これに対して何らかの新しい考え方を持たなければいけない時期がもう来ておるのじゃないか、そう思うのです。どうしても地価が高いところでは、そういう大規模団地の造成をやりますと当然あらゆるものにすごい金がかかってくるわけですから。こういう場合の考え方はどういう考え方に立っているのでしょうか。
  44. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 大規模な宅地開発をしますと、そこの住民の足というものがもちろん一番問題になります。鉄道が敷けるところが一晩いいわけです。たとえば多摩ニュータウンみたいに、京王とか小田急線の枝線を団地まで引き込む、こういうことについては御承知のように四十七年度から鉄建公団立てかえ方式というものができております。しかしすべてが鉄道でというわけにはいかない点が多かろうと思います。バスによる輸送ということももちろん大事でございます。この場合におきまして、公的に公営企業でバスが経営できるということがあればもちろん一つの手でございますが、私鉄の場合に、先生おっしゃるように採算がとれない。したがって私鉄だけでは経営できないからやめたいというような場合がございます。そういう場合に、開発者といたしましてやはり何らかの負担をするということが必要になってくるのではないかと思います。何に対してどういう程度負担するかというようなこと、これはまたむずかしい問題がございますので、十分検討すべき幾多の問題がございますけれども、そういう点十分詰めてみたいと思います。
  45. 北側義一

    ○北側小委員 いまの問題なんかも非常にむずかしい問題であろうと思うのですが、これから先になりますとどうしても検討しなければならない大きな問題ではないか、こう思っておるのです。そういう問題も今後いろいろ話し合ってやってもらいたい、こう考えております。  それから、これは一例ですが、日本住宅公団の方にお聞きしたいのです。兵庫県と日本住宅公団、それから兵庫県の三田市、ここで建設する北攝ニュータウン計画があるわけです。これについてちょっと規模等を見ましたところが、一千二百四十四ヘクタール、四地区、そのうちの一地区が工業団地、一千世一ヘクタールが住宅市街地、こうなっておるらしいのです。四十七年、ことしから造成して十カ年間で三万五千戸の住宅を建てよう。いま三田市というのは人口が約三万三千です。この計画が達成しますと十三万人の団地ができて、北攝ニュータウンができるわけであります。昭和六十五年の最終年度くらいには人口が三十万人くらいになるのではないか、こういわれておるわけです。それに伴う学校、道路、上下水道、こういう公共施設の投資総額が、団地内と旧市域、これらの関連工事を含めて、昭和四十七年度から昭和六十五年度の完成時までに全部で約一千三百七十三億円。これは北攝ニュータウンを建設するに伴う三田市の行政調査委員会が発表しておるわけです。それではいま申し上げたとおり四十七年度から昭和六十五年度の完成時までに千三百七十三億円。このうち三田市の負担分をそういうモデル計画からはじき出しますと、上と下の値をとってあるわけですが、約三百十億から四百二十九億円の計算が出てくるらしいのです。ところが三田市の昭和四十七年度一般及び特別会計を含めて予算は約二十四億円、このうちの自主財源というのは五億円らしいのです。そこで調査委員会が楽観的に考えて計算をはじき出しても、昭和四十七年度から一般会計はずっと赤字になる。昭和五十五年度には累積赤字が五十五億円になり、昭和六十年度にはさらに累積赤字が百三十億円になる、こういっておるわけです。財政収入等がふえる完成時の昭和六十五年度でも累積赤字は百六億円、このようにはじき出しておるわけですが、これなんかも、三田市が非常に小さい市でありまして、そこへこのような大規模な団地ができますと、三田市としてはこのような公共関連施設等の費用で大きな赤字をしょい込むようなことになるわけです。これなんかもどのようにやっていくのかが非常に大きな問題だと思うのです。これは実例ですが、これについてどのようにお考えになっておるのでしょうか。
  46. 秀島敏彦

    ○秀島参考人 住宅公団の秀島でございます。  ただいま御質問のございました北攝ニュータウン、これは神戸市の一部を加え、北攝北神ニュータウン、こういうふうに称しておるものでございますが、これは住宅公団と兵庫県、神戸市、三田市、こういう関係機関が協力いたしまして、県の構想に従いまして現在分担をして事業計画を進めておるという段階でございます。全体の構想の取りまとめは兵庫県が御指導しておられるわけでございます。住宅公団といたしましては、北攝地区の中央部約六百三ヘクタールほどの区域を一応事業化をしたいという目的で、用地手当てをほぼ完了いたしております。ほかに北部地区に工業用地約百四十三ヘクタールほどを、大体用地手当てを現在行なっておるという段階でございます。実はこれによく似たケースといたしまして多摩ニュータウンがございます。これもちょうど人口三万前後の町に十五万人ばかりの人口が、当時の多摩町という区域に入る、しかもかなり短期間に入る、こういう問題で、これは財政的に地方財政に過大な負担を与えるのではないか、こういうふうな心配がされたわけでございます。そこで、昭和四十四年と五年と、たしか二カ年と思いますが、都市センターにお願いいたしまして学識経験者の方に十分審査していただきました。その結論は、やはり通常の方法では相当諸官庁に財政的な負担をかけ、赤字が続く。したがって何らかの改善措置が必要である、こういう御意見、特に大規模開発については特別な措置が必要であろう、こういう御意見をいただきまして、いわゆる関連公共施設整備の手法に関しましていろいろ腹案がございます。それについて逐時改善方を国のほうにお願いいたしまして、一歩一歩、昨年、今年と改善方の進歩を見ておる、こういう状況でございます。それで北攝地区につきましても、実は兵庫県、それから住宅公団、三田市と相談いたしまして、三田市の財政事情について学識経験者の御検討を賜わりたいということでお願いをいたしたわけでございます。その結論が、実は私たちの手元にはまだ来ていなかったのでございますが、五月二十六日に一応まとめまして、その内容が現地の新聞にも一部出たようでございます。ただこれは、やはり多摩の場合もそうでございましたが、現行制度のままで何も改善措置がなされなかったとしたならばと、こういういろいろな計算上の仮定条件がございまして、それを機械的に計算いたしますとおそらくそういう数字になったのではなかろうかと思います。そういう前提で、何の措置もなされなかったならということでそういう警告的におとりになったのかと思いますが、新聞としてはあまり詳しいそういう前提等は説明する余裕もなかったろうかと思いますので、結論だけ出て、若干ショッキングな数字として伝わったおそれもあると思いますけれども、私たちといたしましては、だからそれをそのとおり強行するのだという意図は毛頭ございませんで、こういうひずみが生じないように十分市及び県と協議をいたしまして、かたわら制度改善をお願いしつつ、逐次進めてまいる。これは公団法三十四条にございまして、地元市町村が応諾されない限り住宅公団はそこに卒業を開始できないというたてまえにもなっておりますので、あまり御心配をおかけしなくともいいような形で事業を遂行してまいりたい、こういうふうに考えております。
  47. 植弘親民

    植弘説明員 いま公団から御説明したとおりだと思いますが、私どもまだ報告書を見ておりませんが、一般的には、多摩ニュータウン等の例からいきましても、きょうモデル計算で資料等を提出いたしましたとおりに、新聞で書いてあるといったような事情があるだろうということは十分理解いたしております。それから問題は、先般も御説明申し上げましたが、こういった宅造の場合等では、人口の張りつきと市の財政といったものにつきましてはタイムラグがあるわけでございます。したがいまして、かりに何らの措置もなく現行のままいくといたしましても、二十年とかいったような長期の間、つなぎ融資的に資金手当てをすれば財政は回復するわけでありますけれども、それでは非常にまた当該市の財政を圧迫することになりますし、またそのおかげで他のいろいろな施設が、現在の地域における施設整備といったようなものまでも影響を受けることになりますので、何らか特別な措置をお願いいたしたいということをいろいろと関係各省とも御相談しているところでございますし、そういうことによりまして、県も一枚加わっておることでございますから、資金繰り等の問題をある程度考えていきますとすれば、それほど大問題なしに何とかやっていけるだろうと思います。ただ、あまりにも長期にわたるといったような問題がございますので、そこらのところは現実の住民生活に御不便がないように私どもぞひ考えなければならぬだろう、こういうふうに考えております。
  48. 北側義一

    ○北側小委員 これなどは実際起こっておる一例を申し上げたわけですが、いずれにしても、たとえば補助率のアップとかいろいろな問題がなければ相当たいへんな問題になるのではないか、こう思うわけなんです。  それと、建設省のほうで第二期住宅五カ年計画で九百五十万戸、一応建てるようになっておるのですが、こういうニュータウン形式でこれはどのくらい戸数を消化する見通しがついておるのですか。
  49. 沢田光英

    ○沢田政府委員 九百五十万戸五カ年間にやるわけでございますけれども、これに要します新規宅地は七万五千ヘクタールということで私のほうで計算しております。実際の前からある土地に建つのは別といたしまして、七万五千ヘクタール、これが新たな、たとえば公共宅造あるいは民間宅造、区画整理、こういうことで生み出されるわけでございます。したがいまして、それの定量的なものは、このニュータウンとなるのはいかほどかということはいまのところ計算はできておりませんけれども、私どもはできれば、できるだけ多くの部分をそういうような環境の整った団地といたしまして供給をするという方針で比率を高めたいと思っております。かようなためには、ここで御審議をいただいておりますようないろいろな制度、こういうものの充実に私どももつとめなければならない、かようなことが問題として残るかと思っております。定量的にもし私のほうで出ますれば、次回までに数量的なものは提出したいと思います。
  50. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいまの御質問は第三期住宅五カ年計画、住宅のことで御質問があったので住宅局から答弁いたしましたけれども、これを宅地の面からちょっと補足的に御説明申し上げますと、九百五十万戸のうちに新しく宅地を必要とするというものにつきましては、これは四百十万戸、四三%大体予想いたしております。これの宅地の必要面積が七万五千ヘクタールでございます。この七万五千ヘクタールを公的とか民間、組合の区画整理とかいうようなことで供給しておるわけでございます。いまの御質問にぴったり当たるかどうかわかりませんが、公的に宅地開発をして供給するというものが二万二千ヘクタール、七万五千のうちの約二九%といふように考えております。
  51. 北側義一

    ○北側小委員 これから私のほうももう少しこまかく勉強してまいりたいと思うのですが。最近団地建設お断わり、こういう市町村がふえておる。そのおもな原因はいままでここで論議されておるような問題が主体であろうと思うのですが、それ以外にも、たとえば新しい団地建設される、そういう新しい団地建設されますと、そこへ入居する人は、その市町村の人が入居するより、むしろ他区から入ってくるわけなんですね。そういうセクト的な問題。また団地建設、特に公営等をここへ建設しまして非常にいろいろな苦情が出て、たとえば県営住宅なら県営住宅、府営住宅なら府営住宅をつくりますと、その苦情が市町村のほうへ全部いく。もうそういうあれはうちは関係ないのだと市町村が断わってもいろいろな問題が出てくる。そういう面もどうしたらいいかというようなことを考えなければいけないのではないか。こういう考えを持っておるのですが、それなんかについては、たとえば一つの計画としまして、建った、戸数のうちにそこの市町村の住民で住宅難の方、そういう方をなるべく入れるとか、そういう問題もこれから大事になってくるのではないか、こう思うのです。そこらについてはどう見ておられるか。
  52. 沢田光英

    ○沢田政府委員 お説のような問題が各所に起こっておると思います。特に公共住宅の中で、公団、公営住宅、公社住宅とございますが、特に公団は大都市圏で地域を越えて――公営住宅は、たとえば東京都民のために東京都に家を建てる、こういう原則でございますので、東京都営住宅を千葉県に建てるわけにいかない。そういうふうな発想から、公団ができて、大きく考えて首都圏のために地域を越えて建てるということになります。したがいまして、千葉県に建てますと千葉県の住民以外の者が大部分入る、こういうことで、特に先生のおっしゃるような勤労階層が入りますので、その苦情が地元にいくというようないろいろな問題が起こってくるというふうなことがあるわけでございます。そこで実は公団も非常に悩むわけでございます。そういう目的でございますが、実情は地元ワクというふうなものもその地方地方によってとってございます。適当な話し合いの上でその比率をきめてやっておる。もしこれが定量的にわかればまた公団のほうから説明をしてもらいますけれども、ただ地方ワクをとるくらいの話ではどうも団地お断わりの話というのは基本的な解決にならない。財政負担の問題もありましょう。それからそれ以上に、ほんとうに人が県の計画以上に来て困るのだというふうな問題は、やはり住宅建設五カ年計画の中の地域計画の中のこまかい話になってくる。これは先般来この委員会でもお話が出ておりますけれども、関東臨海――東京、埼玉、神奈川、千葉、この四県で総計幾ら建てるか、おのおの各県で幾ら公共を建て、民間を建てるか、こういう計画を五カ年計画の総数から割り出しまして、建設大臣のほうでもきめておりますし、あるいは各地方公共団体でもきめております。一応きめたのでございますけれども、どうもその後の人口増加が多過ぎるから非常に問題だということで問題になっている。現在は、たとえば千葉を例にとりますと、そういう問題が非常にシビアになって、現在公団が千葉県と折衝しておる段階でござい出すが、それではおそらく済まない段階がくるかもしれません。これはやはり五カ年計画の円滑な遂行ということで、建設省が、公共事業その他の話でござい出すれば全省的な総合的なタッチのしかたでそういうものの調停といいますか、まとめる話し合いに入る、あるいはそういうものをまとめるということで各知事さんと話をするような機会もつくらなければいかぬというふうに思いますし、あるいはそういう機会ということを越えて、そういう仕組みをつくらなければいけないというふうにも実は感じておる次第でございます。
  53. 北側義一

    ○北側小委員 そのほかいろいろ問題があると思うのですが、そういう問題につきまして私のほうもこれから少し勉強して――何としてもやはりこの問題が解決されなければおそらく今度の第二期住宅建設五カ年計画等も達成できないのじゃないか。だんだん問題が非常にむずかしい地域に団地建設をやらなければならない、こういう状況になってくるのじゃないかと思うのです。そういう点でこれから私も勉強してまいりたい、こう考えております。そのほかいろいろな超過負担の問題等もやはり一つの大きな問題になっておるのじゃないかと思うのです。先ほど佐野先生言われたとおりじゃないか、こう思います。では私のほうはあとはこれから勉強いたしましてまたいろいろお聞きしてまいりたい、こう思いますので、よろしくお願いいたします。
  54. 田村良平

    田村委員長 次は、吉田之久君。
  55. 吉田之久

    ○吉田(之)小委員 大規模住宅団地が建つことによって、いろいろ地元市町村あるいは開発者側が今後団地の諸施設に対してどう対処していくべきかという問題に対しましては、非常に複雑で、膨大であります。われわれもいろいろ今後時間をかけて検討したいと思うのですが、いま現に建設されつつあるそうした団地に住まっている人たちがたいへんいろいろな問題で混乱を生じております。たとえば保育所をつくってほしい、あるいは幼稚園をつくってほしい、あるいはこの辺のところにちびっこ広場をつくってほしいという問題があっても、一体それをどこへ申し入れればほんとうに的確に対応してもらえるのだろうかという点で、たとえば東京都におきましても、いろいろ地方議員の人たちやあるいは国会議員なども思い悩んでいるというのが現実だと思います。したがって、これからの問題はあとでお伺いするといたしまして、現に進行しつつあるそうした大規模団地において、この種の住民の要請に対して、どう的確にそれぞれの開発者あるいは東京都その他地方自治体が対処しておられるかという問題につきまして、例をあげて御説明をいただきたいと思います。
  56. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 宅地開発で一番大きいのは、最近では多摩のニュータウンでございます。多摩のニュータウンは、御承知のように施行者が住宅公団、それから東京都、東京都の住宅供給公社、三者でございます。この三者が、この地域は四市ございますので、四市と協力してこの事業を進めておるわけでございます。したがいまして、この総合調整をして事業を進めていくために、東京都知事が主宰して南多摩新都市開発計画会議というものをつくりまして、いまの施行者及び地元の市が一緒になっていろいろな計画の調整、事業の進め方の協議をいたしておるわけでございます。そういう機関を通じまして、多摩のニュータウンの事業の進捗に伴って関連公共公益施設整備されてきて、住民の困ることのないようにいたしておるわけでございます。したがいまして、一般の住民がこういうふうにしてくれというような心情を申し述べたり問題点を言うという機会は、もちろん施行者に直接言うもありますけれども、総括的には東京都でというふうに考えるわけでございます。御質問の趣旨がそれ以上わかりませんので、一応お答え申し上げ、またさらに御質問がございますれば、具体的な問題でございましたならば住宅公団からもお答え申し上げます。
  57. 吉田之久

    ○吉田(之)小委員 たとえば多摩ニュータウンの  これからできる問題は別として、現に相当大規模な住宅団地があちこちにできているわけです。住民のサイドからいえば、との辺の一城に――たとえば東京都の建てている住宅、あるいは日本住宅公団が建てている住宅、あるいは公社が建てている住宅、そのどの辺に保育所を幾らつくってもらえるのか、あるいは幼稚園を幾らつくってもらえるのか、その辺のところは杏としてわからないと思うのです。だとするならば、そういう要求は、いまのお説によれば、とりあえず東京都へ申し出ればいいわけですね。そうするとその申し出た場合に、東京都はすぐにどういう対応措置をとられるわけですか。
  58. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 その提起されました問題の大きさだとかものによりますけれども、基本的なものでございましたならばこの計画会議というものにはかって、これをどういうふうに調整するかということを協議する、そうして決定すると思います。また事柄が非常に簡単なことでございましたら、東京都が施行者に直接連絡して、施行者でこれを片づけるということもあろうかと存じます。
  59. 吉田之久

    ○吉田(之)小委員 たとえば幼稚園あるいは地区の病院、診療所、商業施設、さらに大きくは鉄道とか電力供給、ガス供給、郵便局、電電施設、こういうものは民間が設置、管理する施設にしたいという考え方を大筋としては持っておられるわけなんでしょう。ところがいまのお話のように、問題が出てきてからいろいろと計画会議を開いて、そうして検討するというようなことでは、半年や一年では答えは出てこないと思うのです。大体、最も新しい町を計画的につくっていくとするならば、現にこれだけできた場所に対しては、どことどこにだれが責任を持って幾らこの種のものを配置するという青写真が先にできていないと、一つ一つ住民から問題を持ち込まれて、さあどうしようといって検討しているようでは全然間に合わないし、住民のほうでは全く絶望してしまわざるを得ないという状態になってくると思うのです。だから、これからのたとえば新しいモデルとしての多摩ニュータウンの問題は別として、既存の大規模団地に対しては、いままでその辺のところを各開発者がどのような連絡をとって処置してきておられるのかという点を具体的にお聞きしたい。
  60. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 これから新しく開発します団地につきましては、これはあらかじめそういう関係者が集まりましてマスタープランをつくり、大体従来からの宅地開発手法によりますと、都市計画決定して、都市計画事業としてこれを行なっておるわけであります。その都市計画を決定する際に十分そういうことも考えながらきめていく。マスタープランというものはきまっておりますので、そのきまったマスタープランに従って整備していきますから、環境のいい良好なそういう団地ができていくわけでございます。その点につきましては御心配ないと思います。  先生の御質問の御趣旨は、もうすでにできている既設の団地につきまして、社会情勢の変化に伴ってそういう地域住民から要望があったときにどうするかということであろうかと存じます。この点につきましては、この団地の管理の主体がだれであるかということによってこれは違ってくるわけでございますけれども開発したあと、管理主体がございまして、その管理主体がやはり中心になりまして、そういう社会情勢の変化に伴って必要となってきます施設につきましては、新たにそういうものの必要性を十分協議して、そして関係のところに連絡してこれを施設する。その場合におきまして、大きな施設でございますと団地の中に施設することはできませんけれども、これが団地の中で設置できるようなものでございましたら、もちろんその団地を管理する者といたしましても十分その点を配慮して、団地の中でそれができるものならそれをつくるというようなことも考えるということになろうかと存じます。具体的な場所がわかりませんので抽象的に申し上げた次第でございますけれども、その場所場所によりまして具体的な問題は解決していくということであろうかと存じます。
  61. 吉田之久

    ○吉田(之)小委員 要するに、これからやるものについてはちゃんと事前にマスタープランをつくってその辺のところは的確に対応していこう。それじゃいままで全然そういうものがなしに行き当たりばったりにやってこられたということですか。そこで例をあげろということですが、たとえば調布市の多摩川住宅ですね。初め私、これは公団かと思っておったら公社のほうだそうですが、たとえばこの辺のところでも現にいろいろな問題が起こっているのです。一体だれに頼めばいいんだろうか。幼稚園一つつくるにしても保育所一つつくるにしても、その市との関係はどうなるのか、あるいは責任はどこにあるのか、いろいろな問題で全くとまどっております。この辺のところを――住宅公団のほうでいろいろな例で悩んでおられた問題があると思うのです。いろいろ例をあげて、たとえばこういう保育所と幼稚園にいたしますと、申し込みがあった場合にはどういうルートでどう協議してどう処理していくかというようなところをひとつ説明してください。
  62. 島守一

    ○島参考人 住宅公団の場合を例にとって申しますと、公共住宅でやはり二千戸、三千戸の団地には絶えずつきまとう問題でございます。そして、ほかの経営主体の場合はどうなっているか私存じませんが、住宅公団の場合で申し上げたいと思います。  住宅公団、先ほど御説明いたしましたが、公団法によりまして、川地の選定の段階から公共団体といろいろ打ち合わせをするわけでございます。その場合に、公共団体のほうとしては、この地域については公立の幼稚園をつくりたい、あるいは保育所をつくりたい、あるいは公立をつくるつもりはないが私立の幼稚園を誘致したい、いろいろ御希望が出てくるわけです。その場合、その建設段階において公共団体からそういう御希望が出たものは、これはその設計の中に取り入れることができるわけです。これは取り入れているわけでございます。ところが実際問題になりまして、入居してからいろいろ入居者の市民の方から注文が出てくることが多うございます。たとえば当初予定していた幼稚園では間に合わぬからもっとふやしてほしいとか、あるいは保育所をつくってほしいとか、そういうふうな要求が出てくるわけでございますが、住宅公団団地の例で申しますと、やはりその団地住宅公団の管理部門で管理しております。そして営業所という組織がございまして、それの中に管理主任なんかいまして、管理主任が団地を管理しているわけでございます。そこに入居者の団体、あるいは自治会とかあるいは有志の団体とか、そういったところから希望が出てくることもございます。しかし、いま先生がおっしゃっておられますような公立の幼稚園だとか公立の保育所の問題になりますと、これは住宅公団の手に負えませんので、こういった問題につきましてはまず市のほうに陳情がいくことが多うございます。その場合に市のほうとしまして、これは非常にむずかしい問題がございまして、市の全体のことを考えなければいけない。在来の地域にまだ十分保育所ができていない、曲がりなりにも公団団地には一つでもあるじゃないか、そうすると、そこへさらに公団団地だけに追加したのではほかの地域の住民が納得しないとか、そういうふうないろいろな問題がございまして、なかなかその解決にむずかしいことが多いわけでございます。しかしまずそのときにはやはり市のほうの中でいろいろ御苦心をなさっているようでございます。そうしていよいよ市のほうで、ではその地域、公団団地内につくりたいというふうな方針がきまりました場合には、もちろん市のほうから公団のほうへはまたあらためて連絡がございまして、われわれとしてはその団地内で適当な敷地があれば無償でお貸しするとか、そういうふうなことで、市のほうと協力いたしまして、市のほうの計画が成り立ちやすくする、そういうふうな形で現在動いているわけでございます。簡単でございますが……。
  63. 吉田之久

    ○吉田(之)小委員 そういうことから推して考えますと、今後いろいろなマスタープランをつくって新しい住宅団地をつくっていってもやはり同じような問題が出てくると思うのです。よほど完ぺきに、既存の市街地は別として、新しく用意される住宅団地に対しては、そういうアンバランスも乗り越えて完ぺきに、かくかくしかじか公営の幼稚園を全部配置しますというふうにまで話が進めば、これはだいぶ問題が楽に解けてまいります。しかしいまおっしゃるような事情であると、まず市みずからがつくる幼稚園にしてもあるいは保育所にしても、それを決して十分だとは思わない。そうすると、公団のほうでつくってくれというふうな要請が出てきても、公団のほうもいろいろと財政的な都合や思惑がありますから、それをある程度制限しなければならない。それでどうしても私は、新しい住宅団地においても今後トラブルが際限なく続いてくるのではないかというふうな気がするのです。しかも、多摩ニュータウンの例を見ましても、いろいろと建てられる戸数あるいは入居するであろう予定の人口なども、非常に大小さまざま入りまじっております。したがって計画が非常に複雑になっているわけです。たとえば数正月のところにはたして幼稚園を幾ら用意すればいいのか、公団のほうの数万戸の中に一体どの程度用意すればいいのか。しかもその地域が地形上さい然と分かれておればよろしゅうございますけれども、非常に交差、入り組んでいる場合には住一民の希望も区々になってくると思います。これからつくる新しいものに対しては、よほどこの辺のところを徹底した分析を行ない、計画配置をしていかないと、いままでの大規模団地建設の手法の延長線上だけで問題をとらえたのでは、私は住民はたいへん迷惑だと思うのです。この辺のところを建設省としては今後どのように指導していこうとされているのかという問題をもう一度開きたい。
  64. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先生の御趣旨はよくわかりました。相当基本計画を練ってりっぱなものをつくっても、情勢の変化によりましてまた住民のいろいろな希望があろうという点でございます。ただし、この大規模宅地開発をする場合に目下問題になっておりますものは、一時的に先行投資があって、住民が入居する前に先行投資がある。そのために地元の財政負担が非常に多くなるというような問題があって、これの軽減措置その他を考えてまいります。いろいろ検討、御審議をいただいておるわけでございます。でき上がりましてあとは、一般の市街地、人間社会においても全く同様の措置でございまして、そういうところにおきましても、保育所をつくりたいとか、こういうふうにしたいというような、いろいろな要望が住民からあろうと存じますが、これは原則としましてやはり地方公共団体が解決していくということになろうかと思います。もちろん、この団地ができまして相当の年月を経ての場合、それからそういう団地ができて入居者がまだまだ入居中である、また先行投資のこういうような考え方で地方財政負担しなければいけないという場合、いろいろな場合がありますので一がいには申し上げられませんけれども、相当年月の経過したあとにおきましては一般の地方財政の問題としてこれは取り上げるのが普通であろうかと思います。ただしそういう場合に、新しいそういう住民の要望によりますところの新設の用地というものが一番問題になろうかと思います。どこにそういう施設をつくるかということが問題になりますから、これは多少私の個人的な考え方でもございますけれども、そういうような大規模な宅地開発をし、大規模なそういう団地をつくる場合におきましても、相当やはり空地みたいな余分のものをつくっておいて、そしてそういうような公的な用地というものを持っておくということが大事だと思います。そうしますとそういうようないろいろな要望にも対処できる。幼稚園につきましては少なくとも対処できるというふうに考えておる次第でございます。
  65. 田村良平

    田村委員長 次回は、来たる八日木曜日午前十時小委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十二分散会