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1972-04-21 第68回国会 衆議院 建設委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月二十一日(金曜日)委員会にお いて、次の通り小委員及び小委員長を選任した。  土地住宅問題小委員       大村 襄治君    田村 良平君       葉梨 信行君    浜田 幸一君       古内 広雄君    山本 幸雄君       井上 普方君    松浦 利尚君       北側 義一君    吉田 之久君  土地住宅問題小委員長     田村 良平君 ――――――――――――――――――――― 昭和四十七年四月二十一日(金曜日)     午前十時十二分開議  出席委員    委員長 亀山 孝一君    理事 天野 光晴君 理事 金子 一平君    理事 田村 良平君 理事 葉梨 信行君    理事 服部 安司君 理事 阿部 昭吾君    理事 小川新一郎君       小沢 一郎君    大村 襄治君       梶山 静六君    古内 広雄君       村田敬次郎君    森下 國雄君       山下 徳夫君    山本 幸雄君     早稻田柳右エ門君    井上 普方君       卜部 政巳君    柳田 秀一君       新井 彬之君    北側 義一君       吉田 之久君    浦井  洋君  出席国務大臣         建 設 大 臣         国 務 大 臣         (近畿圏整備長         官)      西村 英一君  出席政府委員         近畿圏整備本部         次長      朝日 邦夫君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省計画局長 高橋 弘篤君         建設省河川局長 川崎 精一君         建設省河川局次         長       川田 陽吉君  委員外出席者         経済企画庁総合         開発局参事官  桜井 芳水君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     八百板 正君 同日  辞任         補欠選任   八百板 正君     松浦 利尚君     ――――――――――――― 四月二十日  名古屋市都市高速道路鏡ケ池線建設反対に関す  る請願外二件(横山利秋紹介)(第二六四九  号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二六九六号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二七二三号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二七八九号)  同外二件(横山利秋紹介)(第二八一五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 四月十九日  琵琶湖総合開発早期実現に関する陳情書  (第二〇六号)  山陽自動車道早期着工等に関する陳情書  (第二〇七号)  市街化調整区域内に公営住宅建設等に関する陳  情書  (第二〇八号)  都市周辺環状道路建設に関する陳情書  (第二三一号)  琵琶湖総合開発特別措置法案反対に関する陳情  書  (第二三二号)  は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申し入れに関する件  小委員及び小委員長選任の件  琵琶湖総合開発特別措置法案内閣提出第一〇  〇四号)  新都市基盤整備法案内閣提出第一〇〇号)  河川法の一部を改正する法律案内閣提出第六  三号)  特定多目的ダム法の一部を改正する法律案(内  閣提出第六四号)  治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第七一号)  (参議院送付)     ―――――――――――――
  2. 亀山孝一

    亀山委員長 これより会議を開きます。  去る一日、本委員会に付託されました内閣提  出、琵琶湖総合開発特別措置法案議題といたし  ます。
  3. 亀山孝一

    亀山委員長 まず、提案理由説明を聴取いたします。西村国務大臣
  4. 西村英一

    西村国務大臣 ただいま議題となりました琵琶湖総合開発特別措置法案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  琵琶湖は、京阪神の大都市地域に近接するわが国最大の湖であり、これを適正に開発し、及び保全することは、近畿閥の健全な発展のためきわめて重要であります。特に、近年、大都市地域における急激な水需要の増大に伴い、淀川水系最大の水源である琵琶湖について、その水資源開発を緊急に実施することが待望されております。そこで、国において琵琶湖総合開発計画を策定し、その実施を推進する等の措置を講ずるため、この法作業を提出することとした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。  第一に、琵琶湖総合開発計画琵琶湖及びその周辺地域開発及び保全に関する基本的な方針と、その方針に基づいて実施すべき各事業概要について定めるものとし、内閣総理大臣が、滋賀県知事の作成した案に基づき、これを決定することといたしております。  また、琵琶湖総合開発計画に基づく毎年度事業については、当該事業に関する各主務大臣が、滋賀県知事の作成した案に基づき、年度計画を決定することといたしております。  第二に、国は、琵琶湖総合開発計画実施に要する経費負担する地元地方公共団体等に対し、必要な財政上及び金融上の援助を与えることといたしておりますが、特に、河川事業下水道事業等特定事業については、国の負担割合を引き上げることといたしました。  第三に、琵琶湖水資源開発事業により琵琶湖及びその周辺地域について生ずべき不利益を補う効用を有する特定の専業については、その経費負担する滋賀県その他の地元地方公共団体は、当該水資源開発事業により受益する淀川下流地域利水関係地方公共団体との協議により、その負担額の一部をこれに、負担きせることができることといたしております。  なお、この法律は、昭和五十六年度までの限時法であります。また、昭和四十七年度の特例として、同年度分事業にかかわる国の負担割合の引きし上げ差額は、昭和四十八年度に交付することといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその内容概要川であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことやお願いいたします。
  5. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で提案理由説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  6. 亀山孝一

    亀山委員長 次に、去る十八日、本委員会に付託されました内閣提出、新都市基盤整備法案議題といたします。
  7. 亀山孝一

    亀山委員長 まず、提案理由説明を聴取いたします。西村建設大臣
  8. 西村英一

    西村国務大臣 ただいま議題となりましに新都市基盤整備法案につきまして、その提案理由要旨を御説明申し上げます。  最近における人口産業都市集中に伴い、土地問題はますます緊要の課題となりつつあります  このための対策としては、人口産業大都市への集中の抑制、市街化区域内の土地有効利用促進地価形成合理化公的土地保有拡大等総合的施策を強力に推進するとともに、大都市及びその周辺地域における宅地の大量かつ計画的な供給をはかる必要があります。  本法案は、大部市の周辺地域における計画的な宅地開発を推進するため、新たな宅地開発制度を創設し、これに対処しようとするものであります。  人口集中の著しい心市街地周辺地域における宅地開発に関する制度としては、新住宅市街地開発法による新作宅市街地開発事業及び土地区画整理法による土地区画整理事業があり、地方公共団体日本住宅公団等によりこれらの事業施行され、宅地大量供給に寄与してまいりましたが、大都市及びその周辺地域における現下の宅地需給の不均衡に対処するためには、宅地開発適地について従来どおり住宅市街地開発事業及び土地区画整理事業施行促進をはかるとともに、さらに、交通施設等社会資本が乏しい等の理由により、健全な市街地として発展させることが困難な地域についても、大樹模宅地開発を行なう必要があり、そのため公共施設整備はもとより、教育施設商業業務施設医療施設等居住者の生活上必要な諸施設整備をするための新たな措置を講ずることにより、これを宅地として供給することが必要であります。  本法案によります新都心基盤整備に関する制度は、このように大規模宅地開発を行なうことによって、大都市における人口産業集中の緩和と宅地需給均衡に資するとともに、大都市の秩序ある発展に寄与することを目的するものであります。  次に、本法案による新都市基盤整備に関する制度概要を申し述べます。  第一に、新都市建設をできるだけ能率的、効果的に行なうため、新都市基盤整備事業施行する区域市街化区域内において都心計画として決定し、その際、施行区域市街化のために必要な幹線道路、鉄道、地区公園等根幹となる公共施設根幹公共施設)及び施行区域市街地としての開発発展の中核となるべき教育施設商業業務施設医療施設等福祉利便施設及びこれらの施設の機能を維持するために必要な当初定着人口を居住させる住宅施設からなる地区開発誘導地区)の配置計画を定めることといたしております。  第二に、根幹公共施設及び開発誘導地区のために必要な川地の収得については、これらの施設効用施行区域全体に及ぶものであることにかんがみ、施行区域内の土地所有者等に均等に負担をきせることとし、根幹公共施設及び開発誘導地区に必要な土地面積に対応する面積土地を、施行区域内の名筆の土地から一定の割合を定めて均等に、原則として協議によって取得し、協議によって取得できないものについて初めて収用手続を進めることができることといたしております。  第三に、施行者が必要な土地の取得を完了したときは、施行者所有地根幹公共施設及び開発誘導地区に集約し、その他の民有地を整理するため、土地区画整理に準じた方法土地区画形質変更土地交換分合公共施設変更等を行なうことといたしております。  第四に、このようにして収得した土地の処分については、根幹公共施設用地はその管理者に、開発誘導地区内の土地施行者がみずから開発するか、または公的宅地開発機関に譲渡して、それぞれ開発整備が行なわれ、民有地部分については民間の宅地開発が行なわれるものであります。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  9. 亀山孝一

    亀山委員長 以上で提案理由説明聴取に終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  10. 亀山孝一

    亀山委員長 次に、内閣提出河川法の一部を改正する法律案内閣提出特定多目的ダム法の一部を改正する法律案及び内閣提出治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを、許します。井上普方君。
  11. 井上普方

    井上委員 私は、きょうは河川一般につきましても質問することをお許し願いたいと思うのであります。  それでまず第一番に、河川法第四条を、このたびの河川法改正案によりますと、変えまして、現行法によりますと「関係行政機関の長に協議する」という一項はないのでございますが、このたびはある。それからもう一つ、いままで政令一級河川指定をすることができておったのを、このたびは大臣告示によってきめるようになっておりますが、これはどういうわけでこういうような改正をやったのか、ひとつお伺いをいたしたい。   〔委員長退席服部委員長代理着席
  12. 川崎精一

    川崎政府委員 お答え申し上げます。  今回河川法改正いたしまして、四条の内容を変えることを検討をお願いいたしておるわけでございます。これは、在来から一級水系指定並びに一級河川指定、こういったものにつきましてはこれを、政令指定することにいたしておりました。しかし、一級水系そのもの指定在来どおりでございますが、いわゆるその水系にかかります河川指定につきましては、最近の河川指定一級水系も百六、今回百八になるわけでございますが、そういったことで大半の河川についてはすでに指定を終えております。したがって、今後はいわゆる末端の小さい河川指定が、逐次改修の必要があるというようなことで追加されてくるとか、あるいは河川在来の地番の変更だとか、こういった事務的な手続が非常に多いのでございますから、できるだけこれを告示によって処置したい、こういうようなことで、一面では事務簡素化、こういったものをねらったわけでございます。しかしそれにしましても、やはり一級河川指定いたします以上はいろいろ行政発動等を伴うわけでございますから、当然、そういった政令からはずして大臣告示によることにいたしましても、関係行政機関との協議、そういったものはやはりきめていきたい、こう考えてその条項を入れた次第でございます。
  13. 井上普方

    井上委員 一面においては、どうもいまのお話によりますと、大臣告示にする理由がはなはだ薄弱であると私はいわざるを得ないと思うのです。一級河川指定が百八つになったので、そう大きい問題もなく、事務的にやるのだ、しかも事務簡素化のためにやるのだ、これが、政令でなくて大臣告示に直すのだという理由には私はなり得ないと思うのであります。ここに何か法的な根拠なり、いかなる緊急性があるかということによって政令告示に直すというならいざ知らず、少なくとも大臣告示によって指定がやられるということになれば、まきに行政独走に相なろうかと思うのでございますが、大臣いかがでございますか。
  14. 西村英一

    西村国務大臣 水系のおもなところはたいへんいいのですが、水系中非常に悪いところがたくさんありまして、それもなるべくこれから取り入れていこうということになりますと、政令事項が非常に複雑になって、ほんとうにこれは事務的な問題で、告示だけで十分じゃないかと私ども判断をしたのです。全くこれは事務上の問題でございまして、非常に複雑になるから、それを政令で定めるほのどことはないだろう、告示でもってこれをやればそれで十分じゃないかという事務的な判断でございます。
  15. 井上普方

    井上委員 政令で出すことによって複雑である。どんなところが複雑なんです。それじゃ、事務的に簡素化ができるというのであれば、一体人員はどれくらい減ってくるか、それから事務量がどれだけ減ってくるのか、明確にひとつお答え願しいたいのであります。大体、近ごろ行政機関独走する傾向が非常に強いのでございますが、こういうような、いままであった政令で定めるものをやめて、これを大臣告示にするというには、よほど重大なる理由がなければならぬと私は思うのです。単に事務的な、事務簡素化するためだということだけでは、私は理由がつかないと思います。と申しますのは、この河川法ができましたのは昭和四十年です。四十年暫時から行政簡素化は盛んに叫ばれておった次第でございます。そのときにつくられた法律をこのたび事務簡素化のためにやるとおっしゃるのでありましたならば、これはその理由を明確にしていただきたいのが一つ。もう一つは、このような事務につきまして、行政管理庁告示で行なうべく勧告を下した例はございますか。どうでございますか。
  16. 川崎精一

    川崎政府委員 先生のいろいろな御意見はごもっともだと私も思うのですが、先ほども申し上げましたように、すでに、私どもが常識的に見て国が一級水系あるいは一級河川として指定をする、こういったものにつきましては、ほとんど大半全国的に指定を終わっておるというのが現状であろうかと思います。したがいまして今後は、実質的な審議内容等につきましてはやはり在来手続を踏んでおるわけでございます。したがって、関係行政機関の長の協議だとかあるいは都道府県知事意見を徴する、あるいは河川審議会意見や聞く、こういったことにつきましては在来どおりの手順を踏んでおるわけでございますが、やはり政令にいたしますと、政令の名条文を新しい河川指定する際にいろいろ変えなければいけない。それからさらにそれに伴って確認、整備等をいたしまして政令が公布されるわけでございますが、今度告示でありますとそういった事務的な様式等も非常に簡単になる、こういったことで、実質的にわれわれが河川指定に対してその重要性を軽視しておるという、こういうような事実は全然ないわけでございます。したがって、大体一通り一級河川指定も終わりましたので、今後についてはむしろ経常的な事務的な変更とか、経常的な予想される追加というものも大体軌道に乗ってくるんじゃないか。いままでは新しい一級水系追加になったものですから、それに伴って一級河川もふえていく、こういう状況が非常に多かったわけです。そういった点もかなり事務べースに乗ってくるんじゃないか、こういうことを考えまして、先ほどの事務簡素化趣旨にも沿って私ども実施を企図しておるわけでございまして、特に行政管理庁のほうからの勧告等はございませんけれども趣旨につきましては異論はないと考えておる次第でございます。
  17. 井上普方

    井上委員 もういままで百八つ河川指定したのだから、あと新しく指定するのも数が少ないであろう、こう言われる。今後少ないにもかかわらず、河川指定をする場合に政令をやめて大臣告示にする、しかもその理由事務簡素化である、まことにどうも論理的に一貫しない話であると思うのでございます。大臣どうですか。
  18. 西村英一

    西村国務大臣 井上さんちょっと誤解しておるところがある。一級河川指定するというその河川は、いま言いましたように、いままでは百六河川で、今度二河川ふえて百八河川になったから、一級河川指定はおもな河川はやったから、百八河川になったからこれから少ないだろう。しかし、その水系の中で、いろいろ取り入れていくわけです。いろいろ政令でその範囲をきめていくわけです。それはだんだん広くなっていくわけです。そこにちょっと誤解があるんじゃないかと思っておるわけです。実際は、政令でやるということになると、政令を直しまして、それを閣議に報告して、たいへんな事務なんです。これは実務をもう少しひとつ詳しくごらんになれば、こういうことをする必要はないんじゃないか、政令までやる必要はないんじゃないか、告示で十分じゃないか。それはどこまで直轄でもってやるというようなことをきめることは、これは一般に皆さんに知ってもらわなければならぬから明らかにするわけです。その必要性も、いままで言ったように審議会にはかるわけです。その発表の方法は、政令でこれをきめて閣議の了承を得てやる必要はないんじゃないか、こう思うわけで、ほんとう事務的な、ほんとう判断をということで私はいきたい、こういうことでございます。河川局長がもう少し詳しく説明すれば御納得がいくと思います。非常に繁雑でございます。
  19. 川崎精一

    川崎政府委員 河川指定いたします場合に、新しく一級水系として指定をすることと、それからそれぞれの一級水系にかかる河川指定することと、この二つに分かれると思いますが、新しい水系指定する、こういったことは、一級水系というのは国の経済上非常に重要な水系でございますし、国土保全上も重要でございますので、当然在来どおり手続を踏んでいきたいと思います。ただ、そういった水系にかかりまして新しく河川指定追加する場合とか、あるいは地帯その他の事務的な変更、こういったものがございますので、そういった場合には、今回お願いをしておりますとおり、政令からこれを告示に切りかえたいという趣旨でございます。ちなみに、最近の河川指定追加件数を見てまいりますと、昭和四十年から四十二年ごろにつきましては大体三千七百件から二千二、三百件ございましたが、四十五年くらいから大体四百件ないし三百五十件でございます。それからいろいろな河川の指名の変更件数というものは、今度は逆にかなりふえてきておりまして、約三百四、五十件から二百三、四十件、こういうことで、そういった変更当等事務的なものは次第にふえてふえておる。しかし新しく河川指定するというようなことにつきましては、これは水系指定がだんだん少なくなっておりますので、その数も規模内容等もどんどん小さく減っきておる。こういったことを踏まえまして、できるだけ手続的に簡素化をしていきたい。ただし政府部内の意思統一とか、あるいは河川審議会意見とか、あるいはまた関係都道府県知事意見とか、こういった実質的な手続在来どおり踏んで、いきたいと考えておる次第でございます。
  20. 井上普方

    井上委員 どうも私どもの納得する御説明じゃないと思います。  行政簡素化ということでございまするからお伺いしたいのですが、行政管理庁から建設省に対しまして勧告された案件で、これは何件あって、そのうちで何件実施いたしましたか。これは官房長にお伺いいたします。
  21. 大津留温

    大津留政府委員 行政管理庁から行政簡素化の御勧告をたくさんいただいております。いずれもごもっともな御指摘でございますから、建設省としてはそれを全部実行いたしたいと思いますが、いろいろ準備その他のこともございますので、逐次実行に移す考えでございます。
  22. 井上普方

    井上委員 突然申し上げて具体的な御答弁ができないのは無理ないとは思いますけれども、おそらく行政管理庁から勧告せられました事項につきましても、逐次実行に移したいという段階じゃなかろうかと私は思うのです。その中で、政令をやめて告示に切りかえると、いきなりぽかっと出てくるのに奇異な感じを深くすると同時に、またその政令という法律行為大臣告示行為に直してしまう、ここに行政権独走ぶりがあるのじゃなかろうか。私どもは、非常に議論といたしましてグローブな言い方でございますけれども、こういう感を持たざるを得ないのでございます。これは後にまた議論することといたしまして、ほかの問題に移りたいと思います。  特別水利使用者負担金制度の創設ということと関連いたしまして、多目的ダム法の一部が改正されようといたしております。特に多目的ダム早期着手のために、大臣は、治水上、利水上緊急に多目的ダム建設に着手する必要があり、かつ利水需要も十分にある場合には、特別の事情により都心用水関係利水者別配分等調整ができていない段階であっても、多目的ダム建設に関する基本計画を作成しまたは変更して、建設に着手できるものとする、と第四条を変えようといたしておるわけでございますが、一体この企図するところはどういうところにあるのか、この点をお伺いいたしたいのであります。特に、特別の事情により、とあるのでございますが、この特別の事情というのは一体どんなことが予想されるのか。特に関係利水者別配分調整ができていないときであっても着手するということになりますと、事は非常に重大でございますので、お伺いいたしたいのでございます。詳細にひとつお答え願いたい。
  23. 川崎精一

    川崎政府委員 概要趣旨提案理由でも御説明がございましたとおりでございますが、最近の水需給逼迫を踏まえまして、いろいろ水資源開発には隘路がございます。その中の一つといたしまして、利水者間のいろいろ調整がつかない。地域的に見ますと、上水道あるいは工業用水、こういったような都市用水需給が非常に逼迫しておるわけでございます。しかも、そういったものは主として企業体で行なう場合が多いものですから、大体の需要は、こういったものも地域では予想もされるわけでございます。しかしそれぞれの水の需給緊迫度が違っている、あるいは、それぞれ非常に緊迫はしておるけれどもダム自身によって開発されます水量自身にも限界がございます。したがって、できるだけそれぞれの相互の話し合いで、あるいは需要逼迫度に応じてこういった水が配分されることが望ましいわけでございますけれども、やはり地域によりましてはそれそれの緊急度が違ったり、あるいは水配分についてなかなか意見調整できない、こういったことでダムの建設がおくれておるというような一例がかなりあちらこちらに出ておるわけでございます。そういったものを踏まえまして、必ず需要が発生をして利水者特定できる、こういった見込みのつくものにつきましては、たとえ一、二年の速度でございまして、も見切り発車してダムの建設の工事を早めたい、こういう趣旨から今回改正をお願いしたわけでございます。したがって、見切り発車といいますか、その間の利水者間の水量あるいは負担調整、こういったものに必要とします期間を三年程度と予想いたしておりますけれども、その間につきましては国で財投を借り入れまして、それによって建設費に充当して建設を円滑にやる、こういう改正趣旨でございます。
  24. 西村英一

    西村国務大臣 いま言いましたように、いまダムでもって一番工事がおくれる、ことにこれからはいままでよりはますますダムがおくれそうだというブレーキの一つに、なかなか用途がきまらぬ。もちろんその水の利用が、やはり洪水で幾ら、カットするとか、それから農業用水で幾らとか工業用水で幾らとか、いろいろきめなければいかぬものがあるが、一番きまらないのはやはり工業用水あたりですね。その負担がきまらないとやはり着手ができないという状態にいままでなっておったわけでございます。全部その費用の分担がある。費用の分担がずっときまってくれればそれは一番いいわけです。ところがそれがなかなかきまらぬからできない。したがって、一応それを立てかえをして工事をやって、それからそのあと、でき上がってから負担金をきめよう、こういう制度を取り入れた、こういうことでございます。
  25. 井上普方

    井上委員 私はこの条文を見ましてまず頭に浮かんでまいりますのは、私が体験いたしました吉野川の総合開発であります。このダムの水の配分につきまして非常に意見が分かれたのであります。全然吉野川と関係のない香川県に流域変更させ水を持っていくといった場合に、下流の徳島県におきましては、これは当然それ相応に悪水ばかりが、洪水の水ばかりが徳島県に流れていく。利用できるいい水は向こうへ持っていくといったようなことで、地域的な感情として、非常に紛糾した事例があります。ところがこれに対しまして、建設省としてはいままでどおりのアロケーションでものごとを考えようとする。利水として徳島県下流部分がたくさん持てるというようなことになりまして、現在は着工いたしております。その間における建設省の早明浦ダム建設につきましての圧力たるや実に多大なものがあったのであります。吉野川の水を分けるにつきまして、一つには、地域意見、四国におきまして一番大きい問題でございます例の本四架橋を鴨門側に有利にするであろうとか、あるいはまた縦貫道路を早期に徳島県に着工してやろうといったような、えさを利用したとしか思われない行為が実に多かったのであります。そして早明浦ダムは着工するようになりました。しかし、この問題につきましてはいまなお四国の中におきましてはけんけんがくがくの議論があるのであります。私も徳島県民の一人といたしまして、この配分方式につきましてはいまなお不満を持っております。こういうような地域関係において非常に問題がある。問題があるにもかかわらず見切り発車をさせようというこの制度、これはいままで慣行水利権として長年の間持ってまいった下流の農民の利益というものをむしろ黙殺するような結果になりはしないか、このことを非常におそれるのであります。こういうことをやれば行政当局として仕事はやりやすいのでしょう。しかし、その下流流域におる住民は慣行水利権というのを持っておる。その慣行水利権が黙殺されるおそれがこれは十分あると思います。大臣、いかがでありますか、この点。
  26. 西村英一

    西村国務大臣 その利水の分配、これは別でございます。どれだけの水があって、どれだけのあれを工業に充てるか、農業に充てるか、それは早川浦というような問題にしても、それは経済企画庁の水資源開発審議会でやはりそれぞれの量をきめてやったわけなんですが、主として工業用水における分担できまらないということがおもでございまして、いままであった水利権を取り上げてとか、それは別な問題でございます。別でもって、水の分配についてとやかくこれを言おうとするのじゃありませんが、きまった量について末端でもって分配がきまらない。しかしそれについて、やはりそれがきまらなくても着手をしたというふうに私は了解をいたしておるのでございます。
  27. 井上普方

    井上委員 工業用水配分につきまして私は問題があると思うのです。といいますのは、吉野川を例をとって申しましょう。長年の間この川によって開発がおくれておる。奥にダムができて水が利用できるときにはまず第一に、いままで被害があって、工業開発がおくれておるところを優先的に考えるというのが趣旨であります。そうじゃなくて、そういうことを考えずに、いきなり向こうのほうは工業用水を何トン持っていくのだ、あるいは農業用水をこれだけ持っていくのだという計画が実は進められたのであります。地域的な感情といたしまして、下流住民が有効な水を十分に利用できる、そしてその上にいい水が余っておるというならば配分というのも考えようじゃないかという基本的な姿勢であったわけでございます。そういう基本的な姿勢というものを無視していきなりやっていったのがあの早明浦ダムであります。こういうようなケースが起こってくる、このことややれば。ここらあたりに行政当局の姿勢の問題もむろんあります。しかしここにこういうようなことを法令でうたうならば、ますます行政官庁が独走するおそれが私は大いにあると思うのです。この点について大臣の御反省を私は求めたいと思うのです。私は事実この吉野川開発、早明浦ダムの問題につきまして苦杯をなめたものです、はっきり申せば。それで、こういうような条項が入ってくるならば、何と申しますか、向こうにも水利権はない、こちらのほうにも流域にはない。新しい水を得る場合に下流をまず優先にして考えるということが行なわれなかったのであります。これでありましたならば、もうお上の言うとおりになってしまう、一たん仕事をしてどんどん進めてしまえば、そういうおそれがあると思うのです。もちろんこの問題につきましては、そのほかにも利水分とかあるいは工業用水分の配分の問題もございました、アロケーションの問題もございました。しかし、工業用水を一体どこに持っていくかということにつきましても、流域変更を含む場合非常に大きい問題が私は含んでくると思うのです。その解決を一体どうするのか、ここらあたり明確にしてもらわなければならぬと思うのでございます。どうでございますか。
  28. 西村英一

    西村国務大臣 流域の分別というような問題、つまりダムをつくって、そのダムから生み出される水をどういうふうに分配するかということは、これは皆さん方が水資源を中心にしてその水の分配をきめる。これは基本問題です。たとえば、早明浦ダムについてどういうことでもってきまったのか私は知りませんけれども、従来徳島県には幾ら使っておった、しかしダムをつくることによって水が生み出された、そこで話し合いをして、香川のほうにも送ろうじゃないかという水の分配の点については、それはどうしても従来の既得権、慣行水利権等を重んじてそれはきめるのですが、ただそういう大きいダムを目的としてそういう見切り発車をしょうなどという意思はございません。普通の一つのダムの場合、いろいろ用途はございます。農業、工業、用途はありますが、一番きまらないのは工業用水負担金でございます。工業用水をいかに取るかということは、水その他をつくったときの基本できまるわけでございますが、工業用水負担いかに持たせるか、工業用水は一社で持つわけではございませんから、末端の負担、これがなかなかきまらない、それでは着手ができないというようなことになるからでございまして、あなたがいま御心配になりましたようなことにつきまして、水の分配ということにはこれでは触れるつもりはないわけでございます。したがって、そういう御心配は要らないと私は思っておる次第でございます。なお、河川局長は十分実情を知っておると思います。要は、早く全部がきまって、利用者のほうから金はみな取るということが全部きまって、それから着手するのがあたりまえでございますが、それがきまらない。きまらないというのは主として工業用水の分担金問題でございます。それはきまらなくても着手し得るようにということでございます。そのために多目的ダムでもって立てかえ払いをやろうというのが、今回のこの法律趣旨でございます。
  29. 川崎精一

    川崎政府委員 先ほど来先生のお話しの四国の明浦ダムに関連いたします総合開発事業でございますが、これは御承知のように日本でも非常に特殊なといいますか、大規模な総合開発事業でございまして、したがって政府としましても吉野川水系をわざわざ水資源開発指定水系、こういうふうに指定をいたしまして、水公団事業実施をすることにしたわけでございます。したがって、古野川の水を四国の四県がどのように有効に使うか、こういうところで関連が各県に及んでおりますので、その調整につきましては御承知のようにいろいろ問題がございました。一般的な考え方といたしますと、私ども水配分の姿勢といたしますれば、やはり下流の流域地区をなるべく優先して水の配分なりをしていく、こういうことが趣旨でございますが、四国全体のいろいろな水の需要の実態、供給の実態を見まして、ああいうような結果におさまったわけでございます。したがって、ああいう非常に特殊な場合には、むしろこういうダムの手法ではなくて、水資源開発水系指定をして、そして全体を見詰めた形でいろいろの水の分配なり費用の配分をしていく、こういうことが定石じゃないかと私は思っております。  ただ、今回の私どもが企図いたしておりますものは、そういった非常に大きな複雑な事業じゃなくて、水資源開発指定水系以外の水系でもかなり水の需要逼迫しておるというような地域があるわけでございまして、大々的でそういった基本的なトラブルが少ない、しかし利水者間の調整が若干おくれておる、こういったものをできるだけ促進をしていきたいというようなことでございますので、これを全国のどの水系にも、そして基本的な問題をかかえておるようなプロジェクトにまでこれを応用していくという考えはいまのところないわけでございまして、やり方といたしますれば、治水上の必要なダムの量、それから発電のための計画内容、それから都市川水、これは上水道、工業用水でございますが、こういったものの全体の基本的な配分は十分にできる。それから関係地域というものはわかりますから、そういった都道府の知事さん方の御意見もよく伺う。それから大体利水者地域的にはほぼ予想されるわけでございいますから、そういった方々の意見も十分聞いて、吉野川のような基本的な大きなトラブルのない、そして三年ぐらいには必ず意見調整もはかられてダムの利水者特定も実現が可能である、そういった見通しのあるダムについて今回の制度を適用していく、こういう考え方でございます。
  30. 井上普方

    井上委員 河川局長、いまあなたが言った、たとえば吉野川のような場合を除くのだという規定が全然ございませんでしょう。あるのですか。あなたがいまおっしゃった趣旨のことがこの法律の中に盛られておりますか、どうでございます。何条の何項に盛られておりますか。
  31. 川崎精一

    川崎政府委員 法律には特にそういった条文や明記はいたしてございません。しかし、やはり水資源開発指定水系として促進する、こういったような水系につきましては、水資源開発基本計画というものもございますが、実施体とすれば水資源開発公団というようなものの組織でやれるわけでございますから、そういったものにはこのダムは適用しないという方針で進めていきたいと考えております。
  32. 井上普方

    井上委員 法律をつくれば法律はひとり歩きするのです。あなたがいまそうおっしゃられておりましても、あなたがいつやめるかわからない、かわったあとで、この法律があるからといって適用する可能性は十分ある。その歯どめがこの法律にはないじゃないですか。ただ建設省の恣意によって、この法律は適用しない、この法律は適用するということをあなた方は独断的にきめていくことができるのですか。どうなんですか。法律というものはそんなものではないでしょう。
  33. 川崎精一

    川崎政府委員 いまやはり多目的ダム法に従って実施をするわけでございますから、特定をしない利水者のもございますけれども、そういったものも含めて関係府県の知事の意見を聞かなければダム法による基本計画というものは成り立たない。したがって、先ほど来先生のおっしゃるようなトラブルがあるといった場合に、おそらく地元の知事さんは同意はされないと思います。そういった段階では当然ダムは法律のたてまえから申しましてもスタートしないわけでございますから、いまおっしゃるような心配はないと私どもは信じておるわけでございます。
  34. 井上普方

    井上委員 そこで、このことにつきまして当時の徳島県の知事は、意見を聞かなければならないことにつきまして建設省にいかに言ったものか心痛し、これで病気になったくらい実は悩んだのであります。反対すればいいだろうか……。そしてとうとう心痛のあまり蜘蛛膜下出血という病気にかかりまして倒れました。それほど悩んだ。ところが、あの早明浦ダムに合意するか合意しないか、それは何だといいますと、建設省は三位一体論というのを唱えられた。三位一体論というのはまことにけっこうなんです。本州四国架橋は明石——鳴門にきまるだろう、あるいは縦断道路は徳島県を走るだろう、こういうようなえさが加わってきておるので、徳島県は利水上は非常に不便ではあるけれども、こういうような条件がほのめかされているのでやむを得ず私はのむのだといって、涙ながら議場において告白したこともございます。こういうようないきさつもある。それほど行政権というのは強いのです。あなた方、建設大臣もお役人出身のようでございますので、その権力の強さというのを十分御存じないかもしれません。野にある者といたしましては、お上の権力がいかに強いかということをひしひしと感じるのです。  このように下流に、あるいは流域に非常に利害関係が深くあるときに、いま法律をつくられるときの局長はまことに法律を通すに都合のいいようなお話を申されました。それならこの法律の中にそのとおり入れればいいじゃないですか。それが入ってないところに私は不安を感ずるのです。知事の意見を聞かなければならないという一項はあります。しかもその一項、それは地方議会の同意を得なければならないことにもなっています。なってはおるけれども実際問題とすればお上の意向というのが非常に強くて——事実私は体験したからこういうことを申すのです。   〔服部委長代理退席、委員長着席〕 いま河川局長のお話しのとおりでありますならば、私もある程度納得いたします。ある程度納得いたしますけれども河川局長の言われるような事柄がこの法律の中に何ら規定されていない、そこに大きい問題があると私は思うのです。どうでございますか。
  35. 西村英一

    西村国務大臣 河川局長の言い方が少しまずいのじゃないかと私は思うのです。そういう早明浦みたいな大規模のものはこれからもあまりないだろう、ただこう言っただけであって、つまり明浦をやる場合にそれぞれ、徳島県には水が幾らいく、香川県には幾らいく、それから高知県はどうなっているから幾らいくという水の配分についてはちゃんと定めるわけです。そしてその水の持ち前も、工業用水には幾ら、農業用水には幾ら、都市用水には幾らと定めるわけです。そこでその部分的な問題について、負担がはっきり末端まできまらないものがあった場合にということなんです。それではそれを待っておってもたいへんおくれるから、こういうことなんで、いま早明浦の例を引き出したのは、ああいうような大河川の問題は幾らもない、こういったことであろうと思います。  それから、もう一つは、あなたが徳島の事情はよく知っておると私は思います。あの水の分配につきましても、相当な各県の水のアロケーションについていろいろ要望なりトラブルがあって、知事さんも非常に困られたことがあろうと思います。あるいはそれを進めるために、おまえのほうにはこういうことをやってやる、そういうふうにして承知してくれというような話はあったかもしれませんが、そういう権力をもって、そういう欺瞞をもってやるというようなことをわれわれは考えておるものではございません。ただ、ダムがこれからく進まないので、末端の負担がきまらなくても、なかんずく工業用水で——たとえば電力に対しては何トン使うからこれだけ金が要ります、それじゃ一社ですからすぐ金を出す、こういうふうになって特別会計の金がすぐ入ってきます。しかし工業用水は、末端の会社がどれだけといって金が取れない。工業用水で幾ら金を出してくださいといっても、末端の会社がきまらないと取れない。そのかわり今度は特別会計に借り入れをして早く着手をしたいということでございまして、河川局長が言ったのは、ああいう大きいダムはこれからあまりないであろうと言ったので、その場合は法律は適用しないということを言ったとは私には思われないのですが、なお十分御納得いくように……。河川局長も、私の知っておる限り、ごまかしてこれをやろうという考えは全然ありません。ただ、これからダムを相当つくっていかないと水資源の確保ができませんから早期にやりたい、そのためには末端で負担がきまらなくても、借り入れ金を一部したいということのみでありますので、どうぞひとつ。
  36. 川崎精一

    川崎政府委員 どうも私の説明が不十分でありまして申しわけございません。この制度は、最初に申しましたように、ダムの開発の速度を少しでも速めるために、これがきめ手ではござい映せんけれども、少しでも隘路を打開していきたい。しかし先生のお話しのような、多少先行的に、話がまとまらないのに何が何でも踏み切って進むのではないか、そういったような趣旨は毛頭ございません。基本的に、治水、かんがい、電気、こういった大まかなそれぞれの分担がきまりまして、その中で都市用水の上水道と工業用水、あるいはそれぞれの用水相互間に若干の意見の違い、あるいは開発緊急度の違い、こういったもののズレがあって円滑に同時にスタートできない、こういったもののために緩衝材といいますか、潤滑剤というような意味で、少しでも隘路を打開する趣旨から今回の制度改正をいたしたいということでございます。基本的に上流と下流の分水に伴ういろいろ利関係が対立しておる、こういった大問題につきましては、十分地元の意見調整をはかりながら進めないと円滑にいかないと思いますので、そういった点は在来とちっとも変わっていないと私どもは考えておる次第でございます。
  37. 井上普方

    井上委員 それが全然法律にあらわれてないから私は言うのです。大臣のほうが、答弁の限りにおいては少し認識が違うのではございませんか。あなたは工業用水についての各企業への分担金がきまらない場合のみをお考えになっていらっしゃる。そうじゃないのです。法律を見ますと、特定用途の全部または一部について、予定者、すなわち自治体でもいいです、自治体同士の間においてこの費用分担についての話し合いがつかないでもやるのです。そうじゃないですか。これは企業だけではないのです。
  38. 川崎精一

    川崎政府委員 大臣のお話しのように、個々の末端できまらない場合には、やはり企業体自身の意思も当然きまらないわけでございますが、そういった企業体の相互の水量なり負担、こういったものの配分が、多少意見がまとまらない段階でもスタートできるということでございます。ただ、それぞれやはり分水とかそういったような基本的な問題は、これはおそらく関係の府県知事が議会の議決を得て意見を申し出られるわけでございますから、そういった段階で基本的な問題がなおまとまってないという点については、おそらく知事も同意の意見は出されないだろうと思います。しかし末端のいわゆる受益地の中で、工業用水と上水道の間で多少水量なり何なりが違う、あるいは上水道のほうは急ぐけれども工業用水につきましては工場の誘致が多少おくれておって着手が少し先になる、こういったものを時間的に調整をして、一つのダムの同時スタートを可能にするというような趣旨で今回の改正をお願いしておるわけでございまして、大臣のおっしゃっておるものよりも多少範囲の広いケースもあるわけでございます。
  39. 井上普方

    井上委員 大臣こういう場合には企業、末端が金額まできめるのじゃないのです。自治体が大体代行するのですよ。自治体と自治体との話し合いがつかないのにこれを発足させようというので、すから、そこに私は問題があると思うのですよ。先ほど申しました吉野川の例を申しますと、いまでも早明浦ダムの分担金増加分ににつきましては、おそらく徳島県はそんな負担はできないといってがんばっておられると思う。いまはおたくのほうはもう内示しておられるはずですよ。毎年毎年言っておるのです。そのたびに徳島県は、建設省にしてやられたという住民感情を持っております。私がそう思うのです。そこで、こういうようなことのないように——しかも今度はこれを見切り発車するというのです。吉野川のような大規模の場合にはこの法律を適用しないという条項は全然ないのです。また、ああいうような大規模でなくて小さいところにあっても、住民感情は非常に複雑です。大きいから認めるのだ、小さければ切り捨ててもいいというのでは、これは困るでしょう。やはりそこは住民感情あるいは住民の利益、あるいはまた水利権というものを尊重するような方向で進まなければならぬと思うのです。この点につきましては私はどうも納得いたしかねます。大臣は、時間をかけて話をすれば話がつくだろうとおっしゃいますけれども、そういういままでの私の経験、非常に手ひどい目にあったという点からいたしまして、この点につきましてはどうもまだ納得いきかねる。この点につきまして私を納得さすだけの答弁がございますならば承りたいと思います。もちろん私といたしましても、この水事業必要性につきましては十分存じております。後ほどこの問題につきまして質問しようと思うのです。私は必要性は認めるし、早急に開発しなければならないと思いますが、しかしどうもこういうような法律改正いたしますと、とかく恣意的に、推力的に進められるおそれがありはしないかということをおそれておるのです。知事の意見を聞かなければならない、こういう条項はあります。あるけれども、実際問題とすればそれほど強く知事は言えない。知事は時に建設省に対しましては道路なり河川なり、あるいは土地等々でいろいろと補助金をもらわなければならぬという弱味もあるのです。したがいまして、どういたしましてもほんとうのことが言えないというようなケースが非常にたくさん出てきます。それを民主主義社会におきましてはやはり保護してやるという必要があるのじゃないか。そのためにはこの特定ダム法の第四条というのはどうも時代逆行じゃなかろうか、このように感じられてならないのであります。この私を納得させる御説明があれば、ひとつ承りたい。
  40. 西村英一

    西村国務大臣 なかなか、説明がへたなものだから納得しないのだと思いますけれども、水の分配にしても金の負担の問題にしても、基本的な問題がきまらないのにやるということはありませんよ。私は工業用水を例にとっていまわかりやすく言ったのですが、それは株式会社に割り当てるわけではありません。使っただけ各会社が水料を払いますけれども、そのように末端で全部がきまらないのにそれをやるはずはありません。たとえば電気を受け持つべきもの、それもきまらない、工業用水もきまらない、それなのにダムだけをスタートする、そういう金は建設省にもありません。これはある一部分に不特定なものがあってきまらぬ場合、借金をして早くやろう、こういうことでございます。なかなか説明がへたなものだからわからぬと思いますけれども、初め言いましたように、末端で全部が全部きまって、それで着手すれば一番いいのです。そうでない場合もあり得るからということで早期に着手して、せっかく大蔵省がいやがるものを特別会計に金を借りて——何もきまらぬのに大蔵省は全部金を貸してやるからということも言いませんし、それだけきまらぬでおくれるは非常に残念だろうからその金は一時立てかえてやろうかという、ダム建設としてはきわめて一部分の問題であります。これからはいろいろダムをたくさんつくる上におきまして、すべてがきまらなくても——基本的な問題はもちろん全部きめなければならぬと私は思うのです。ひとつまた納付するように幾らでも河川局長から説明させますから、どうぞよろしく。
  41. 川崎精一

    川崎政府委員 今回のダム法の改正に伴いまして、具体的な事業で予定をしておるものがございますのでちょっと御説明を申し上げますと、一つの例といたしまして、荒川の上流に滝沢ダムというのを計画いたしております。これは、御承知のように首都圏の水需給の状態は非常に逼迫しておりまして、主としてわれわれは首都圏の水の不足をカバーする、こういったためにこのダムを計画しておるわけでございますが、御承知のようにダム地点はもちろん埼玉県でございます。この水の需要につきましては、埼玉県と東京都、こういった二つの自治体で非常に要望が強いわけです。その需要の状態からいきますと幾ら水があっても足りないという実態でございますので、それぞれ自分のほうに水をもらいたい、こういう要望が非常に強いわけでございます。そういった水の配分についてはいろいろ時間がかかるので、なるべく早くダムをスタートさせることによって具体的な水の供給を早く実現したい。これはそういった調整や、待っておりますとなかなか着工もできないというのが在来のルールの欠陥でございました。そういった欠陥を少しでも是正しましてダム建設を早めていきたい、こういったものが主として私どものねらっておるところでございます。
  42. 井上普方

    井上委員 大臣、いま例に出された矢木沢ダムは大きな問題ですよ。しかもこれも東京都と埼玉県の水の配分の問題ですよ。これがきまらぬときに見切り発車しようとしておるのですよ。大臣が考えられるような小さい問題じゃないです。いま河川局長の話を承ると、矢木沢ダムの東京都への配分と埼玉県への配分の問題、これがまたきまらぬけれども発車させようという問題なのです矢木沢ダムといったら大きいでしょう。しかも水の配分の問題川ですよ。基本的な問題じゃないですか。小さい問題じゃないですよ。大臣の御認識違いじゃなかろうかと思うのです。どうでございますか。もちろん私にしましたら、早くダムをつくらなければならぬという緊急性はわかります。わかりますけれども、それなりの努力をしなければならぬじゃありませんか。これでやりましたならば、発車さして三年以内にともかくやればいいという考え方に立っておるわけなんです。金の問題であると同時に量の問題でもあるわけです。どうなんです。   〔委長長退席、葉梨委員長代理着席〕
  43. 西村英一

    西村国務大臣 矢木沢ダム、それは何か一例をとって申し上げたのかもしれませんが、矢木沢ダムは地元自身がまだ納得していない問題です。また水の分配にしても十分にきまらない問題です。それよりも先に、住民の納得がいかないもの、これは着手するわけにいきません。私はそう思って、これはあまり例がよくなかったと思うが、ああいうものを見切り発車できるものじゃございません。これはもう根本的な問題でございます。
  44. 井上普方

    井上委員 しかし法案立案者——大臣が立案者といえば立案者ですが、この法律の政府委員である河川局長がいま矢木沢ということ言われたのですよ、例として。あれまでこの中に含んでおるのです、この改正には。だから、ああいうような大きい問題を、大臣のおっしゃるような規制する、チェックする方法があるならこの中に入れなさいよ。
  45. 川崎精一

    川崎政府委員 私が申しましたのは荒川上流の滝沢ダムでございます。これはいわゆる利根川水系じゃございませんので、水資源開発指定水系には入っていないわけでございます。しかしやはり荒川でございますので、首都圏全体の水を考えれば、その需給状況の不足をカバーする一助にしたいということで、多的ダムで四十七年度お願いをいたしておるわけでございます。もちろん流れてまいりますのは埼玉並びにこれに東京都が関係してくるわけでございますけれども、これはまさに水需要配分だけの問題でございますので、いわゆる徳島と香川あるいは高知とか、こういったような大きい問題はないわけでございます。ただ、首都圏、まきに一体となって上水道が不足しておるわけでございますから、これをどういう地域にどういうように配分するかという方法の問題でありますが、こういった問題につきましては、水道管理者同士と十分調整すすれば話はつくんじゃないか、いわゆる地域的な大きなトラブルは私はないと思っております。もっとも水没補償とか、こういった問題につきましては、在来のダムどおりわれわれも十分地域事情を考慮しまして進める必要はあると思いますが、水利そのものについて下流で問題が起こるというような性格のものではないと思っております。
  46. 井上普方

    井上委員 私も、矢木沢かと思ったら滝沢というのでわかったのでございますけれども、しかし滝沢の小さいダムにいたしましても、水の配分の問題はまだきまっていない。受けるほうの負担金もきまっていない。そんなこと、あなた精力的に仕事をすれば、東京都と埼玉県ですよ、相手は自治体です、ここらあたり一月もあったら話つくのじゃございませんか。それをなぜつくらなければいかぬのです。こういうのを見切り発車させて三年以内にやらなければいかぬ、なぜこういうことが起こるか、私はふしぎでならぬのです。相手は埼玉県と東京都なんです。要するに、配分にしましても負担金にしましても、なぜこれがこんな法律をつくらなければいかぬのですか。一月もあれば話つくでしょう。幾ら仲の悪い知事でも両方とも水がほしいんだというところで話をすれば、仲の悪い知事、あるいは大臣と知事とが仲が悪くても、これくらいの話は下僚同士で話がつくのじゃありませんか。なぜこういうような条項を入れなければならぬのか、私はふしぎでならぬのです。いまの例を申されたのみで、大臣どうでございます。
  47. 西村英一

    西村国務大臣 全部話をつけて、全部がきまってそれでやる、これは根本的な問題でございますが、末端で話がつかない場合もあるでしょう。そういう場合に、一方ダムをやることも緊急であるということで、いろいろな条件がそろわなければ、すべてのダムを三年年でもって何でもかんでもきまるまでやれというようなことは、これは行政としてもやるべきじゃございません。また金も借り出せません、そんなことは。それだからして、緊急にやらなければならぬという事情が起こり、また、要するに全部きまらぬ、些少なことできまらぬ、こういうときには金を借りて、そうしてある程度早くやる、こういうことが趣旨でございまして、基本的に話がつくものを、何もかも早く着手しなければならぬからというような——見切り発車ということばがあまりよくないですね、使い方が。見切り発車というようなものは、行政をやる場合には行政者がよほど考えなければならぬことなのです。そういうやり方はそれこそ権力の乱用でございます。そういうことは私はやりません。どうぞひとつその辺で御了承を賜わりたい。
  48. 井上普方

    井上委員 大臣、あなたのお話はどうも具体的な問題を一般論に切りかえて、急がなければならないものをやらなければいかぬのだ、こうおっしゃる。急がなければいかぬということを私も重々承知です。またその方向にやってもらいたいと思うのです。しかしそれには、いま例に出された滝沢ダムのは東京都と埼玉県の用水量の配分の問題じゃありませんか。よほど水がほしいのでしょうけれども、ここらあたりは相手が自治体ですよ。大臣が言うように一企業じゃないのです。これは一月も話をすればつくのじゃございませんか。建設省が考えられておるのはそんなケースばかりでしょう。であるならこれはやめたらどうですか。この滝沢ダムについて大臣どうお考えになりますか。具体的にお話ししましょうよ。いま具体的にこういう場合を考えておるのだとおっしゃったらどうでございます。
  49. 西村英一

    西村国務大臣 滝沢ダムの問題は私はあまり詳しく知らないのでございます。   〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕 御趣旨は、滝沢ダムについて急がねばならぬ問題があれば、こういう問題、これは法律はまだあれしていませんけれども、急ぐことにならなければならぬ理由があり、両者が打ち合わせができないなら、これはもう少しわれわれのほうで努力しなければならぬ、それはあなたの言うとおりだ。一カ月くらいで解決できるものをそんなに、一カ月も待てぬで見切り発車するというようなことはあまりよくないです。法律が通過するとせぬにかかわらず、よくないことです。それはそれで努力します。私は滝沢ダムのことについてはあまり知らないわけでございます。
  50. 井上普方

    井上委員 それでどうですか、こういうような条文は私は要らぬと思う。それにつきましていま考えておるのは滝沢ダムとおっしゃる。それなら滝沢ダムというのは一体どんな問題があるのだというと、東京都と埼玉県の用水量につきましての争いと、こうおっしゃる。こういうような問題が、建設省としましてはどうでございます、早く解決できない何か理由でもあるのですか。精力的にやれば一月か二月でこれは解決できるのじゃございませんか。なぜできないのです。この点ひとつお伺いしたいのですが。
  51. 川崎精一

    川崎政府委員 ただいまの滝沢ダムでございますが、これにつきましては、それぞれ埼玉県並びに東京都で長期の水の需要計画を立てておるわけでございますけれども、やはりそれぞれの管理者ができるだけ自分のほうの水道によけいな水量の配分を受けたい、そういうことで自分の所管しておる範囲の水事情をできるだけよくしたい、こういう気持ちが非常に強いわけでございます。したがって、そういったものをそれじゃすぐに調整しろ、こういう御趣旨でございますが、やはりそれぞれの立場とか理由もございまして、一月、二月でこれを調整ができるかということになりますと、在来の経緯からいっても私どもも自信がないわけでございます。しかし一両年とか、あるいはおそくとも三年以内くらいには、これは十分話し合いすればその辺の調整はつく。したがって、その間、ダムの建設のおくれることを避けて、何とか円滑に工事を促進する、こういうことがこのダム法改正のねらいでございます。たとえば水資源開発公団の事業等でございますと、ある程度公団自身で公団債等がございますので、そういった資金のやりくりがつくわけでございますけれども多目的ダムの場合にはそれぞれ在来は利用者を特定いたしまして、それから分担金が入らないと事業がスタートできないという制度になっておりますので、そういった点で、利水者間の調整のつかない間は利水の分担金がダムに入らない、こういうようなことになりますと事業自身がおくれてくる、こういうことでございますので、私どももやはりできるだけ早く利水者の要望しておる水量なり負担、こういったものを調整しまして、在来のレールに乗せるという努力はいたしておるわけでございますけれども、どうしてもやむを得ずそういった調整がつかないといったような場合には、この制度を活用して、できるだけ円滑に進めたいということでございます。
  52. 井上普方

    井上委員 滝沢のダムは東京都と埼玉県という、しかもその水配分というのが一番重要な問題なんです。それが、話がつかないけれどもダムはつくっていくんだ、両三年ぐらいで話し合いがつくんだと言って、まあ日米会談みたいなことを言っていますけれども、どういうわけで努力もせずにともかく進めていくのか。これはもう見切り発車、というのは私が使い出したことばじゃないのです、政府側が使い出したことばですよ、いま。見切り発車をするんだという、こういうやり方は私はどうも納得できない。で、大臣もこの点についてはひとつ御再考を願いたいし、また私どもといたしましては、この条文のままでいかれるにつきましてはどうも納得いたしかねます。この点はっきり申し上げて、これ以上は議論になって時間のロスになりますからやめたいと思います。     —————————————
  53. 亀山孝一

    亀山委員長 質疑の途中でありますが、この際、連合審査会開会申し入れに関する件についておはかりいたします。  ただいま地方行政委員会において審議中の公有地の拡大の推進に関する法律案について、地方行政審議会に連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会の開会日時につきましては、地方行政委員長協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。
  55. 亀山孝一

    亀山委員長 質疑を続行いたします。井上君。
  56. 井上普方

    井上委員 理事会でおきめになった時間があるそうでございますし、あといろいろまだまだこの三法につきまして関連する事項等々もございますので、委員長におかれましては、きょう私はこの質問で中断させていただいて、他日質問の機会を与えられんことをお願いいたしまして、私、きょうの質問はこれで打ち切ります。
  57. 亀山孝一

    亀山委員長 次は、新井彬之君。
  58. 新井彬之

    ○新井委員 私は、ただいま議題となっております三法案につきまして若干の質問をさせていただきたいと思います。  初めに大臣にお伺いしたいのでございますが、現在、この治山治水五カ年計画が今回改定されるということでございまして、いままでは治山に非常に力を入れてきた、そういうようなことで、いままでの経過をずっと見てまいりますと、非常に大きな台風、そういうようなもので被害も、だいぶん出ておったわけでございます。しかしながら、建設省の資料等見てまいりますと、河川の改修等をはじめといたしまして、いままで治水に非常に力を入れてきたというわけで、被害が非常に少なくなってきたというようなことが書れておるわけでございますけれども、今回この五カ年計計画をつくるにあたりましては、いろいろと今後の大きな目標に対しましてまた五カ年計画が生まれたと思うのです。で、大体六十年ごろを目途として治水事業というものを完全にやっていきたい。しかしながらいろいろな状況から、五十五年度までくらいには大体のことはやりたい、こういうぐあいに一つの面においてはいわれておるわけでございます。もう一つは、先ほどから問題になっております利水の問題でございますけれども、やはり人口集中化、あるいはまた文化的な生活を維持するためには、水の使用量というのが非常にふえてきた。こういうようなことでございまして、両者が非常に大事になってまいったわけでございますけれども利水を重視するために治水重要性を忘れてはなりませんし、また、その利水偏重の行政的欠陥を露呈するようなことがあってはならない。国土の保全、人命の保障のために、こういうことを大事に思わなければならないわけでございますけれども治水というのも利水というのも、結局は大事な人命にかかわる問題でございます。わが国におきましては河川法、それから河川法の特別法であるところの、治水利水の両面を有する特定多目的ダム法というのがありますけれども、その一部改正に際しまして、水行政について建設大臣にまず基本的な考え方をお伺いしたい、このように思います。
  59. 西村英一

    西村国務大臣 基本的な問題と申すことでございますけれども、基本的な問題といいましても、いろいろな観点からこの基本的な問題もまた違うと思いますけれども、とにかくこの水というものがやはり国民生活になくちゃならぬものでございますので、しかもわが国の特色としては、やはり相当に降雨量もたいへんあることでございます。これを有効に活用するということは、国民生活上、産業上、またこれをおきめるということは人命の尊重から、まあそういう人間生活に必要なものでございまして、絶対的なものでございまするから、この水行政治水の面、利水の面から——治水利水といってもこれはうらはらの問題でございますから、それを総括的に一口でいえば水をおさめる、そうして国民生活を豊かにするということに尽きるのじゃないかと私は思います。また方面や変えていえばいろいろ言い方もありましょうけれども、そういうふうに一応考えられるわけでございます。
  60. 新井彬之

    ○新井委員 そこで一つの問題は、首都圏におきましては今後水が非常に足らなくなるだろうということが予測をされておるわけでございます。これは何も首都圏だけではなくて、近畿圏であるとかあるいはまた中部圏、そういうようなところもそういう問題が出ておりまして、建設省のほうとしてもそれに対しては今回のこういう法案を出して何とか対処しょうということでわかるわけでございますけれども、この問題につきましては昭和四十七年二月三日の参議院の本会議におきまして、水問題についての具体的な質問をしたわけでございます。その内容というのは「水資源につきまして、政府の調査によりますと、このまま開発を進めたとしても、昭和六十年には、京浜、京葉地域で年間三十一億トン、京阪神地域で同じく十九億トン、このほか仙台湾、常磐郡山、備後、高松、東予、松山の六地域で水不足を生じ、全国で年間約五十五億トンの水の不足が予想されると警告を発しております。政府の対応策を伺いたい。」こういうような質問に対しまして、これは総理の答弁でございますが、「将来の水不足対策として、産業の地方分散の促進等によって水資源有効利用をはかるほか、広域的、長期的な展望に立った先行的な水資源開発及び合理的利用を進める方針であります。」こういう非常に抽象的な答弁になっておりますけれども、この問題については経企庁のほうとしては一体どのような考えに立っておるか、お伺いしたいと思います。経企庁来ていませんか。——そこで建設省としては、こういう具体的な水不足ということがいわれておるわけです。そこで今回多目的ダムの一部改正ということになるわけでございますけれども、こういう水不足が解消できるという形に立っておるかどうか、お伺いしたいと思います。
  61. 西村英一

    西村国務大臣 参議院での御質問に対して総理が申し上げましたこと、それは抽象的じゃないのです。それは具体的なんです。つまり、水が近畿圏あるいけ京阪神地域でやはり不足だ。それで、現在のような人口産業の行き方にしておけば、いかに開発してもやはり限りがあります。有限性のものですし、つくれるものじゃないのですから、そこで産業人口の地方分散をして、絶対に水は必要なものでありますから、そういうことを政治の全体としては考えなければならぬということをまず言っておると思います。したがって、いま足らないのは足らないとしても、不足なところは不足として補うとしても、基本的な姿勢は、やはり水のあるところに産業人口の分散をしなければならぬということを総理も申し上げておる。それはもう具体的な問題だと私は考えております。  なお、全国的な話になれば、ますます水が要りますから、なるべく水を逃がさないように、降った水を逃がさないようにたくわえておく。利用の効度を上げるということを考えるためにはどうしてもたくわえるという方法わとらなければならぬ。したがって、たくわえる方法は、昔であればダムはできませんでした。ため池でした。いまはダムという方法がありますから、できればやはりダムによって水をためておきたい、こういうことを考えておるわけでございまして、たくわえてそれを有効に使わなければならぬ。それからもう少し進めば、それでも限りがあるから、一回使った水でも再使用する方法も考えなければならぬ。限りがある資源でございますから、そういうふうに私たちは考えて開発をして、ためるということです。また二次的に使用をし得るというような方法、こういうものはどうしても建設省で一生懸命にならなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
  62. 新井彬之

    ○新井委員 いままでこういうことは何回もいわれてきたわけですね。確かにこれはそのとおりだとは思いますけれども、大体それがあまりそのようになっていないわけですね。たとえていいますと、人口集中についてはあまり好ましくないので、人口の分散をはからなければいけないということは、何もいまさらいわれたわけじゃないのです。しかしながら現実的にはどんどんふえつつあるわけですから、そういうことについてこういう一片のことばではわからないというような意味で申し上げたわけでございます。  そこでお伺いするわけですけれども建設省としては昭和六十年までの治水利水の長期整備計画において今回の五カ年計画を組まれたと思うわけでございますが、その整備目標というのをどこに置いておるのか、これをお伺いしたいと思います。
  63. 川崎精一

    川崎政府委員 お答え申し上げます。  私ども今回第四次の治水事業五カ年計画立案をいたしておるわけでございますが、もちろんこれには今後の水の需要等も踏まえた計画を立てておるわけでございまして、それの長期的な目標と申しますと、これはまだオーソライズされたものではございませんけれども、一応私どもなりに、昭和六十年くらいの日本の治水事情、こういったものを安定させるのにはどの程度の投資が必要かというようなことを試算したわけでございます。現在、昭和六十年の国土建設の長期構想といったようなものを、建設省全体といたしましても見直しましていろいろ作業をやっておりますので、あるいはその中間的な数字かもしれませんけれども、今回五カ年計画を策定いたしますにつきまして、そういったものを、二つの目標に置いたわけでございます。したがって、直轄河川等につきましては、大体安全度は超過確立で百分の一とか二百分の一とか、それぞれ川の事情に合った改修の規模実施をする。それによって六十年までに大体概成をするということを一〇〇%といたしまして、現況が大体約三二%程度でございますが、こういったものを第四次でどの程度までレベルを上げるかというようなことで試算をいたしたわけでございます。たとえば補助河川等につきましては、そういった考え方からいきますと、要改修河川延長が約六万六千キロくらいございますが、そのうちまず概成をするのにはやはり六割の約四万キロ弱を整備しなくてはいけない。そういった点から見ますと、現在二五%余りの進捗状況でございますが、これをできるだけ六十年に完成するように、第四次の五カ年で治水事業を進めていきたい。こういったことで一応長期的な構想のもとに、私どもなりに整備の向上をはかっておるわけでございます。
  64. 新井彬之

    ○新井委員 昭和六十年年での全国のマクロの治水利水総投資額は、現在試算中かもわかりませんけれども、きまっておりますか。
  65. 川崎精一

    川崎政府委員 非常に長期の見通しでございますので、数字的にはかなりのあれがあるかと思いますが、大体約三十六兆くらいはかかるんじゃなかろうかという試算でございます。
  66. 新井彬之

    ○新井委員 これは私が調べたところによりますと、新治水事業五カ年計画では、総投資規模は、昭和四十七年度以降昭和六十年度までに、これは昭和四十六年単価で約三十六兆の投資額を推計している。昭和四十一年に建設省から発表になった「国土建設の長期構想」によると、昭和四十三年度から昭和六十年度の十八年間に、水資源開発事業費として四十年度価格で二十一兆、四十二年価格で治水事業費として二十一兆八千億、治水投資額として二十三兆円、それからまた、第三次治水事業五カ年計画が途中で改定されて、四十七年度を初年度とする五カ年計画が今回できたわけでございますが、このときに大体四兆七千億程度の予算要求というものが、これもいまの三十六兆ということからいきますと予算的には非常に少なくなっておるわけでございますが、四兆五百億という予算になっておる。これはどういう理由でそういうぐあいになったのか。それからもう一つは、この四兆五百億と、経済社会発展計画がいま手直し中ということになっておりますけれども、それとの関連性をどのように考えているのか、お答え願いたいと思います。
  67. 川崎精一

    川崎政府委員 お答え申し上げます。  四十一年に建設省で「国土建設の長期構想」を発まいたしましたときに治水投資の試算をいたしましたのが、お話しのとおり約二十二兆ぐらいでございます。これは昭和四十三年から昭和六十年までということで、価格は昭和四十二年になっております。今回、五カ年計画や、改定するにあたりまして、私どもでもこれを一度見直す必要があるということで、昭和六十年までに概成をしたいという願いも込めまして試算をしたわけでございます。在来からの計画は四十二年価格でざいましたのを、これを四十六年価格で積算をいたしました。そのほかに内容的にも中小河川の改修、特に都市河川等につきましてはできるだけ整備の速度を速めたい。それから新たに都市河川の環境整備事業、こういったものをできるだけ促進をすると同時に、新しい都市計画法に従いまして都市部の市内の河川整備をできるだけ促進する、こういったこと、それから水資源開発につきまして、できれば昭和五十五年ぐらいまでに需給関係を安定したい、こういった内容の一部の検討も合わせまして、ただいまの三十六兆程度の数字が出てきたわけでございます。これを実現をいたしますのに、もちろん非常に困難な数字ではございますけれども、私どもの要求といたしましては四兆七千億の投資規模を期待をいたしておったわけでございますけれども、国全体の財政事情その他を踏まえまして、現在の四兆五百億といった投資規模にきまったわけでございます。したがって、私どもの意図いたしておりました内容につきましても、できるだけこれを重点的に実施できるように、さらに内容を若干修正検討いたしたいということで、現在作業をいたしておるところでございます。なお、経済社会発展計画の改定の作業が現在経済企画庁を中心に行なわれておるわけでございますが、私どもは、先ほど申し上げましたようにまだまだ治水投資は不自由いたしておるというようなことでございますので、新しい経済社会発展計画の中では、私どもの意図も十分尊重されて組み入れられると信じておる次第でございます。
  68. 新井彬之

    ○新井委員 大臣、いま局長から答弁がありましたけれども、要するに、三十六兆円の投資規模がないと昭和六十年までにはこれはできないということですね。今、初めに要求したのは四兆七千億でございますけれども、それが昭和四十年を初年度として五十一年度までの五年間ということになりますと、これはあと九年間においてまだ三十一兆三千億というような金額を今後やらなければいけない。ところが、その四兆七千億が四兆五百億に削られてしまった。先ほどから大臣は、これが具体的なんですよと言っておられる。それ確かに努力をしておることは認めますけれども、具体的にそれでほんとう水需要がきちっとまかなわれ、あるいはまた治水面におきまして安全が保てるというところまでいくには、これからわれわれとともによほど努力をしないとできない。今後のそういうことに対する決意だけをひとつ聞かしていただきたいと思います。
  69. 西村英一

    西村国務大臣 建設省の要望としては、第四次改定をするからにはということで四兆七千億要望をして、私たち予算折衝のときに相当努力をいたした次第でございます。まあ国全体の問題、平たくいえばわれわれの力不足で、このような第四次の四兆五百億に落ちついたわけでございます。決して満足ではございませんけれども、そういうふうになったわけでございます。したがいまして、このたび経済企画庁が行なわれる新しい経済社会発展計画においてどういうふうな予算を組むか、これはまた今後の大きい目標にもなりますので、その点につきましても、あらかじめ経済企画庁あるいは審議会等に建設省の意向も十分伝えておきたいと思っております。一応六十年を目標にいたしておりますが、三十六兆、これは概算でございまして、出し方にいろいろ問題があると思いますけれども、少なくともこれに近いような金は要るんじゃなかろうかということでございます。やはり物価も上がりますし、実際に金は要るんじゃないかと思われます。ただ、水の開発は、道路等とに違って、ほかのものにはあまり影響されないわけでございます。金をかければかけるほど効果がてきめんに出るわけでございます。したがって、金のかけがいがあるわけでございます。そういうことでございますので、私はいままで河川につぎ込んだ投資全体の額は必ずしも多額の金であったとは思いません。第一次計画のごときはたった四千億くらいです。五カ年計画としてはいままであまり投資しなかった。しかも相当に効果をあげておる、かのように考えまするが、もう一歩ふんばれば相当な効果をあげる、かように期待いたしておりまするから、今後とも水開発のためにひとつ十分予算の獲得には努力したい、かように考えておる次第でございます。
  70. 新井彬之

    ○新井委員 今後努力をいただきたいと思います。  そこで具体的に、水が今後足りるかどうかという問題について、経企庁にお伺いしたいと思いますが、昭和四十六年六月十八日に閣議決定された「利根川水系における水資源開発基本計画」は、昭和四十五年度から昭和五十年度に至る間の水の用途別の新規需要の見通し及び供給の目標を定めております。その中で、昭和四十五年度から五十年度までの需要想定として各県で調整した数字として、百三十四毎秒トンと定めておりますけれども、これに対する水の供給の毎年の年次計画はございますか。
  71. 桜井芳水

    ○桜井説明員 経済企画庁の参事官でございます。たいへんおくれて参りまして申しわけございませんでした。おわび申し上げます。  ただいま御質問のございました利根川水系基本計画でございますが、これはただいまお話しのように、四十五年度以降の新規需要量や百三十四トンと想定いたしまして、五十年度に至る間の需要量について、各県の意見を聞き、さらに各省と協議をして、なお審議会にかけて決定した数字でございます。これのプロジェクトといたしましては、すでに完成いたしました利根河口ぜきのほか、草木、南摩等のダムあるいは房総用水路等がございます。これについての具体的な年次計画、いつ、どのプロジェクトを完成させるということは、一応計画では持っておりますが、ほとんど五十年度、四十九年度というような時点でございます。
  72. 新井彬之

    ○新井委員 水というのは、五年間たつと急に毎秒十トンの水が必要になるというのではなくて、人口の増加あるいはまた生活環境の変化ということから、これは極端にいえば毎日でも変わっているのじゃないか。そういうわけでございまして、やはりそれに近いつくだけの予定を立てて、その上にダム建設であるとかそういうものを合わせていかなければならぬ、こういうぐあいに思うわけでございます。  それで、もう一つ大事なことは、いまも四十九年なり五十年ということで、一ぱい一ぱいのそういう見通しを立てておりますけれども、大体ダムをつくるには非常に長時間かかることはわかります。これは時間がないからこっちが言いますけれども、したがいまして、ことしは昭和四十七年でございますけれども、今後少なくとも五十年、あるいは五十年から六十年くらいを目途とした水需要目標というもの、そしてまたそれに対する水資源開発基本計画、こういうものがなければおかしいと思いますけれども、そういうものはできておりますか。
  73. 桜井芳水

    ○桜井説明員 お答え申し上げます。  水の需要につきましては、私ども基本計画を設定する段階におきまして、五十五年度あるいは昭和六十年度需要見出の各県からの御要望をいただいております。この基本計画は、先生御存じのように、片やにおきまして需要量、片やにおきましてそれに対する供給施設というものがございまして、供給施設につきましては、建設省その他でいろいろ推進をいただいておりますプロジェクトを、なるたけその推進をおはかりいただきまして、それをもとにしてただいまの需要量——この需要量もさらに各省、各県と協議はいたしますが、そういうものにマッチいたしましたプロジェクト、いわゆる水源施設のほうでございますが、これの推進をやって基本計画に組み入れていく、こういうことで進めてまいりたいと思っております。
  74. 新井彬之

    ○新井委員 その資料も、一ぺんデータとして、委員長、お願いしたいと思います。私が聞いたところでは、まとまったものは何もないということでございまして、いろいろ県から出ているというようなことはありますけれども、経企庁としてこういうことでいくんだということ、そういうものを正式にいま出せと言ったら出しますか。
  75. 桜井芳水

    ○桜井説明員 ただいまの段階でそういう資料に基づきまして各省、各県、協議を行なっておりませんので、これがいわゆるオーソライズされた昭和六十年度需要量でございますというものは、ただいま持っておりません。
  76. 新井彬之

    ○新井委員 そこで、さきに昭和五十年度供給見通しは百三十四毎秒トンということになっておりまして、これは各府県の要望水量というのがあるわけでございますけれども、これは調整がされて比較的各県要望よりも、あるいは各省の要望よりも下がっておるわけですね。そこで、その百三十四毎秒トンというのは供給できる見通しがありますか、どうですか。
  77. 桜井芳水

    ○桜井説明員 これは基本計画段階におきまして各県、各省からの御要望をいただき、五十年度需要量としては百三十四トン必要であるということはいたしました。しかし、それに見合いまして四十五年度時点におきます水源としてのプロジェクトといたしましては、百三十四トンそのものずばりの水源ではございません。その時点で水源の手当てができておったものは約九十四トンでございます。それで、この基本計画の中におきましてその他の重要事項といたしまして、利水者側におきますたとえば廃水の再利用、あるいは工業用水合理化、あるいは水道におきます管理の適正等のことも協力を願って、それで何とか百三十四トンの需要量に合わせていきたいこういうことで基本計画を決定いたしております。
  78. 新井彬之

    ○新井委員 建設省のほうは調整ダム、そういうことで供給をやっていくわけでございますけれども、百三十四毎秒トンの供給ができるのかどうか、そのことについてお伺いしたいと思います。
  79. 川崎精一

    川崎政府委員 ただいまの百三十四トンにつきましては、これは必ずしも建設省所管の関係だけではございませんが、現在たしか九十四トンくらい計画の時点でセットされておると思います。それの中で所管のものにつきましては、利根川河口ぜき、これが昭和四十六年に完成をいたしました。続いて最も進んでおりますのが草木ダムでございますが、これもやはり昭和五十年時点じゃなかろうかと存じます。それから思川の開発、これもやはり同じ昭和五十年を一応目途にいたしております。それから霞ヶ浦の開発でございますが、これも漁業補償が現在かなり北浦につきましては進んでおりまして、すでに起工承諾を得ておるようでございまして、今後順調に進めば昭和五十年には完成するのじゃないかという見通しでございます。こういったすでに基本計画に入っておりますもの以外に、かなりまだ水の合理化とかあるいはさらにプロジェクトを促進する、こういったことを考えまして、現在直轄事業といたしまして川治ダム、それから八ッ場ダム、さらに四十七年より新規に流況調整河川事業として利根川の広域群水等、これは基本計画の決定以後にすべり出した事業でございますが、そういったものも含めましてできるだけ百三十四トンを満足するように努力はいたしたいと考えておる次第でございます。
  80. 新井彬之

    ○新井委員 このダムの事業でございますけれども、経企庁としてはこういう「利根川水系における水資源開発基水計画書」というものを出しております。その中で昭和四十三年六月二十日、これで一つの例をあげますと、草木ダムについては昭和四十年度から昭和四十五年度まで、それからその次の、新しく出しました昭和四十六年六月十八日の分でございますが、これにおいては、それができなかったために昭和四十年度から昭和五十年度までということで、この中を一字を変えればそれで事が足りるというよりな考え方に立っておりますけれども、要するに、そういうような問題じゃなくて、一たん計画立てた以上はそれが実現しなければ、日本の場合、水はいまのところ一ぱい一ぱいの供給量しかないということですね。そういうことに対してどのようにお考えになりますか。
  81. 桜井芳水

    ○桜井説明員 ただいま御指摘のように、われわれは利根川ほか合わせまして五大水系基本計画をあずかってその実務に携わっておるものでございますが、各県、各省の需要量等を見ましても、おっしゃいますように水は非常に要望も強うございますし、できるだけ早く私どもはこの要要に沿うべきだという考えを持っております。しかし、こういうダムは御存じのようにいろいろな利害関係がございまして、各省並びに水資源公団等で大いに努力はやっていただいておりますが、残念ながら地元の了解あるいは補償交渉等の難航等に基づきまして、ただいま御指摘のようにやむを得ず私どもも期間延長せざるを得ないということでございます。しかし、先ほどの河川局長のお話のように、草木ダム等もすでに工事の着工を見ておりますので、この上は、各省並びに水資源公団に対しまして、できるだけ早くダム水資源施設の完成を私どもとしては要望いたしてまいる予定でございます。
  82. 新井彬之

    ○新井委員 もう一つ建設省にお伺いしておきたいのですが、さっき百三十四毎秒トンということで経企庁から出ておるのですけれども建設省供給計画量から見ますと百次四・一毎秒トンということのデータが出ておりますが、これはどういうことでこういうぐあいに変わっておるのか、お伺いしたいと思うのです。
  83. 川崎精一

    川崎政府委員 ちょっと先ほども申し上げましたように、基本計画のいわゆる内容になっておりますダム以外に、直轄事業の川治ダム、それから八ッ場ダム並びに利根川の広域導水事業によります水量、こういったものが当初の企画庁の計画決定時点よりもふえておる、こういうことで、私ども実施の目標といたしますと、百十四トンを何とか確保するように努力心したい、こういうことでございます。
  84. 新井彬之

    ○新井委員 経企庁がそういう計画を立てる、それからまた建設省はそれを実施いたすわけでございますけれども、先ほどからダムが非常にできにくいというような話があるわけでございます。さっき草木ダムについて、非常に長いことできなかったのですけれども、いま着工したというようなことでございますが、あとまだ霞ヶ浦開発については四十三年度から五十年度、あるいはまた房総導水路も四十五年度から五十年度、それから北総東部用水四十五年度から五十年度、こういうような計画がありますけれども、これは全部着工がおくれているのじゃないかと思うのですね。これは急ピッチでもって工事を進めますということで答弁があるかもわかりませんけれども、このとおり最終年度としては完成ができるのか、お伺いしたいと思います。
  85. 桜井芳水

    ○桜井説明員 ただいまの四十五年度から五十年度まで期間をきめております第二次利根川水系の水源施設といたしましては、利根川河口ぜき、草木ダム、思川開発、霞ヶ浦開発、その他北総東部用水、房総尋水路、成田用水と、七つのプロジェクトがございます。この中には第一次の段階で新しく入ってまいりましたもの、あるいは第一次からおくれましたが昨年完了を見ました利根川河口ぜき、こういうものがございます。私どもこの完成年度を一応四十九年ないし五十年と見ておりますが、この中でいわゆる思川開発——栃木県でございますが、この事業は残念ながら、御存じのように下流今市付近におきます地下水への影響等で、地元の方も非常に不安を持っておいででございます。公団側といたしましてもすでに調査を行ない、また再度、県のほうのごあっせんで、地元の方の御了承を得て、地下水の影響並びに地域開発に対する調査等を現在行なっている段階でございます。確かにおくれて残念でございますが、できるだけその推進をはかりまして、ダムの完成を早く進めてまいりたいと思っております。
  86. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 関連してちょっとお尋ねしますが、いま経企庁の毎秒百三十四四トンと建設省の百十四トンとの開きが指摘されたのでありますが、百十四トンに開いたということは、草木ダムがおくれたということによってこうなったのか。これはどうなんですか、建設省どうですか。
  87. 川崎精一

    川崎政府委員 基本計画の決定の時点での需要は百三十四トンでございました。これは御承知のとおりでございます。これに対する供給施設については約九十四トンくらいプロジェクトとして出ておったわけでございます。その他としてできるだけ回収水の向上、それから農業用水の合理化あるいは新しいプロジェクトの開発、こういったものを期待をして、一応需要供給の計画を経済企画庁のほうでまとめられたわけでございますが、その後私どものほうで川治ダム、それから、先ほど八ッ場ダムと申し上げましたが、これは訂正さしていただきますが、さらに四十七年度から広域導水事業ということで、河川間の流況を調整しまして、農業用水のしぼり水と利根川本川の余剰水を組み合わせた水資源開発を企図しておるわけでございますが、そういったものを九十四トン何がしに足しますと先ほどの百十四トンの数字になろうかと思います。そういった点でできるだけギャップを埋めていきたいということでございまして、草木ダムがおくれてきたからほかのものを足したのじゃないかというようなことでは決してございません。
  88. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしまと、経済企画庁、あなたの広域利水のプロジェクト、要するに昭和四十五年——五十年までを百三十四トン、建設省では百十四トン、約二十トンの開きが出ちゃったですね、これは毎秒ですよ。これはちょっとわれわれには理解ができないのですが、われわれはどっちを信用したらいいんですか。
  89. 桜井芳水

    ○桜井説明員 百三十四トンという数字は、これは先ほども申し上げましたけれども関係都県の御要望、それから関係各省庁の御要望から、これは昭和五十年時点に需要量としてやむを得ない数字であると、そういうように私ども決定した数字でございます。それに対し示して、いま建設省のほうからのお話は供給側のほうの数字をおっしゃたと思います。
  90. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 この百十四トンは、あなた、埼玉児の需要目標、埼玉県の希望数を足したら百三十四トンじゃないですよ。全県のを加えたら百八十トンになっちゃいますよ。それをあなたのほうで、各省、各県の調整をして百三十四トンにしぼったのでしょう。それから、最初の各県の、埼玉、茨城、栃木、群馬、東京、この関係都県が、自分たちの県はこれだけ必要なんだという総計額は幾らなんです。
  91. 桜井芳水

    ○桜井説明員 これは、名県から出てまいりました要望量は百六十九・九トン、約百七十トンでございます。
  92. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それでは各省が出したのは何トンですか。
  93. 桜井芳水

    ○桜井説明員 百六十七トンほどでございます。
  94. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと、各県から出したのは百七十トン、各省が出したのは百六十トン、経済企画庁が出したのが百三十四トン、建設省は百十四トン。国民は一体どれを信用したらいいのですか、こうなったら。
  95. 桜井芳水

    ○桜井説明員 百三十四トンは、くどいようでございますが、私ども各児の意見を聞き、さらに各省と協議を詰めまして、まあ最小限度やむを得ないだろうということで同意をいただいた数字でございます。その段階で、先ほども申し上げましたが、四十五年、この基本計画を決定する段階では、プロジェクトは七つでございました。この供給数字は九十数トンでございます。(小川(新)委員「九十四トン」と呼ぶ)はい。その後に建設省のほうで次々にプロジェクトを実現化していただきますと、この九十四トンに上積みができてくる。しかし、そればかりではございません。片や、各利水者側の方々の合理的な水利用ということもお願いしているわけでございます。
  96. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういうことを踏まえた上であなたのところで、四十五年から五十年の、最終五十年度現在では毎秒百三十四トン、主県や各省から出したのはオーバーな面もあるから、それらはあらゆる合理的、またいろんな面を含めて百三十四トンやるということによって建設省と合意に達し、そうして建設省ではいろんなプロジェクトをつくって、たとえば思川開発だとか草木ダムだとか利根の導水路とか、いろいろな問題を含めて、要するに毎秒百三十四トンにしていくということなんだけれども、先ほどの河川局長の御説明では百十四トンしか手配ができない、この五十年では。また水のいろんなことをやって百十四トンになる。経済企画庁では百三十四トンと言っているのだけれども、私は、この百三十四トンができない場合の想定として、いろいろな諸問題が出てくる。もちろんそれはダムの建設がおくれたとかいろいろある。われわれ野党にもそういった面に協力しなければならぬ面もあるでしょう。これはまた違った政治的サイドです。私が言っているのはあくまでも数字でいくわけですけれども、そうなってくると、利根川の水利用のコスト、水資源のコストが上がってきたり、いろいろな問題が出てくる。だから私は建設省河川局長にもう一ぺんお尋ねしたいのは、百十四トンというのは最低ぎりぎりで、百三十四トンは建設省ではできないか。この点どうですか。
  97. 川崎精一

    川崎政府委員 私どもの現在進行しておるのは、先ほど来御説明申し上げましたように、大体五十年ぐらいが完成の目途ということで努力をいたしておるわけでございます。いまから新しいプロジェクトを開発いたしますと、やはり、まあ三年とか五年じゃとてもできないものも多いわけでございますので、計画といたしますれば、広域的な利根の導水路ということでさらに水を開発するとか、あるいは霞ケ浦から北部関東の水を利用して、一連の広域管理で水資源開発をするとか、利根川の上流のダム群を開発するとか、そういう計画はございますが、物理的に五十年の予定の水をいまからふやすというのは非常に困難じゃないかと思います。ただ、現在の需要量の百三十四トンの中には、私どもが見ますと、農業等でかなり先行的な確保水量というのが相当ございます。したがって、そういうものをうまく調整してやりくりしていけ、は五十年はしのげるんじゃないかというように考えております。
  98. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それでは関連ですから、最後に大胆に締めくくっていただきたいのですが、そうしますと、この「利根川水系における水資源開発基本計画」、昭和四十六年六月十八日閣議決定しました、これの百三四トンを訂正して——これはできないです、いま聞いていて。できないものを幾ら百三十四がいいとかなんとか言ったって、これはそれこそ水に流した話になりますから、ただいま建設省があらゆる合理化をしてしぼっても、現状では昭和五十年には百十四トンしかできないということで、あらためて「利根川水系における水資源開発基本計画」の閣議決定をもう一ぺんやって、計画変更の数字を提出していただかなければ、これはちょっとわれわれとしても、埼玉県民側としては非常にいま納得できない、こういう問題になっておりますが、御見解を聞いて終わらしていただきます。
  99. 西村英一

    西村国務大臣 できないとは限らないと思いますが。
  100. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 いや、経済企画庁では百三十四トンと言っているけれども建設省のいままでの説明を聞いていると百十四トンしかできないという。だから閣議決定を変更しろ、こう言っている。
  101. 西村英一

    西村国務大臣 わかりました。検討いたします。検討して、私はいますぐ訂正するということはちょっといま言えません、できればいいわけですから。というのは、再使用の問題があって、需要が百二十四トンと思うのです。
  102. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 再使用を含めて百十四トンしかできないと言っているのですよ。
  103. 西村英一

    西村国務大臣 ああそうですか。
  104. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 再使用を入れて百十四トンしかできないと言っているんだから、全部の、再使用をやっても百十四トンしかできないということなんです。だったら、この閣議決定でいっている百三十四トンはおかしいから訂正して、埼玉県、千葉県に告示してくれと言っているのです。
  105. 西村英一

    西村国務大臣 検討しまして、もしそうであれば、これは訂正をいたします。
  106. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣、これは経済企画庁側で言っているのじゃない。実質的の、プロジェクトを実際化するところの建設省河川局長が言っている。これは経済企画庁のほうは現場じゃないんですよ、確かに。ダムをつくったり、あそこをやるというのは建設省側なんです。一番よく知っているのは建設省なんですよ。いま四十七年でしょう。あと三年で、昭和四十五年のときに九十四トンしかなかった、これを昭和五十年には百三十四トンにする、だけれどもいろいろな情勢をいま質問のやりとりで聞いていたら、あらゆる、水の再使用とかいろいろやっても百十四トンしかできないんだ。だったら、閣議決定していろものを変更しなかったら、埼玉、千葉、東京、茨城、群馬、この五県は困るというのです。その検討はわかりましたから、それに対して、建設省の言っている、河川局に対する態度としてお聞きしたい、こういうことなんです。
  107. 西村英一

    西村国務大臣 態度としては、検討いたしまして、もしそうであれば閣議決定の変更をいたします。
  108. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 けっこうです。
  109. 新井彬之

    ○新井委員 いまの問題についてはどうかひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから、なぜそれじゃそういうことでできないか、ダムが非常におくれたり、いろいろ問題があってその水の供給ができないかという問題になりますと、水没者に対する金銭補償が現在は中心でありまして、水資源地域の社会環境と生活機能の低下に対して、合理的に解釈する規定がないわけです。地域住民の生活再建に対する不安を生ずることとなり、各地でダム建設の反対運動が起こっている、こういうようなこともあるわけです。もちろんそれをどこが使うかという、いま法案に出ておるような問題もありますけれども、ダムのできない一つ理由というのはそういうことがあります。そういうわけで、水源地域開発法、こういうようなものをつくりまして、そういうことのないように十分な対策と財源措置を講じてあげる必要が出てきているのではないか、このように一つは提案するわけでございます。それからもう一つは、国及び地方公共団体及び起業者の三者からなる連絡協議会を設置して、よくそういう問題を検討するというようなことも必要である。そういうようなことがないと、今後ダムの建設もなかなか進まないと思いますけれども大臣の所見を伺いたいと思います。
  110. 西村英一

    西村国務大臣 ただいま水資源につきましては経済企画庁を中心にしていろいろ総合的な問題を考えておるようでございますが、私はやはりこの水源地の開発、水源地は水を取られるのみでなくて、地区住民のそれに見合うところの開発ということはぜひ必要であると思います。実は私もそれは大賛成でございます。他日この問題については法案をひとつ考えるべきじゃないか、かように思って、せっかくいまその方法について検討をするように命じておる次第でございまして、いずれ皆さま方に対してこの御審議を願う機会もあろうか、私はそう思ってやっおる次第でございます。
  111. 新井彬之

    ○新井委員 では、最後にもう一つお願いしますが、今回の河川法の一部改正の中で、いままでの法定河川である一級、二級河川に対して、準用河川が適用されるというようなことが出ております。そこで、河川法が制定されました当時にいろいろいわれた、提案理由説明の中にもはっきりとしておりますけれども水系一貫主義ということがこの河川法の基本的原則であった、こういうぐあいにいわれておるわけでございます。そこで、本来ならば一つ河川については、水系一貫主義でございますから、それが一級なら全部一級として指定されて、それで法的な措置を受けなければならぬ、こういうぐあいに考えるわけでございますけれども、現存はまあ地域指定のような形になっておりますですね。そこで、今回この準用河川指定することができるということはどういう何かプラスがあるのか、お伺いしたいと思うのです。
  112. 川崎精一

    川崎政府委員 大体現在の河川法では、一級水系にかかる河川、それから二級水系にかかる河川、並びに独立した河川で一、二級河川以外の準用河川の三本立てになっておるわけでございます。私どもといたしますれば、いわゆる河川指定する以上は、これはやはり現在の河川法の精神で、水系一貫をいたしまして管理なりあるいは改修をやっていくべき河川だと考えておるわけでございます。しかし、いわゆる概念上の河川ではございますけれども、非常に小さい末端河川がございます。こういったものまでやはり水系一貫主義をとって、河川指定して管理をする必要があるかどうかという点については非常に問題があるわけでございます。最近はそういった小河川の状況も、地域開発その他のいわゆる治水環境面でいろいろ問題が出てきております。したがって、いわゆる水系を一貫して管理する必要のない河川でも、何らかの形でやはり治水環境をよくするために管理していくべき地域的な小河川というのがたくさんあるわけでございますが、そういったものをこの際準用河川にすることができるという道を開きまして、できるだけ地域の実情に合った管理をしてもらいたいというのが私どもの希望でございます。いままでもそういったものにつきましてそれぞれ市町村が条例をつくりまして管理をしておるところが少しございますが、そういった管理のしかたについても非常に不統一でございますし、準用河川にすることによりましていろいろやはり河川法の適用を受けることによって、それが統一的な、総合的な管理ができるんじゃないかというようなことで、できるだけそういった小河川についても全国的な河川法の基準に従った合理的な管理制度がとられる。それによって地域治水環境なり何なりが非常に前進するんじゃないかということを私ども期待をいたしておるわけでございます。
  113. 新井彬之

    ○新井委員 では時間ですから、最後に一つだけ言って終わりたいと思います。いままで準用河川というものは一級、二級水系については認められておりませんけれども、あとの必要なところについては準用河川が普通河川については認められておりますね。しかしながらそれについては河川数が三十四。まあそれは三十四しか希望がなかったわけですね。本来地方自治法第二条からいきますと、河川であるとかあるいはまた道路であるとかは、国だとかほかの公共団体の法律できめられていない部分については、地方公共団体行政事務としてはめんどうが見れるようになっておりますね。そういうわけで、ただそういうものを要するに準用河川にしたからといって何も特典がない。本来なら、都市河川にしろあるいは準用河川にしろ、一級、二級水系についてはやはり当然補助を出して、改修のときとかそういうものについてはやらなければならぬ。これが一つ水系一貫主義の考え方ではなかろうかと思うわけです。そういうわけで、ただ準用河川を認めるようにしたということだけであっては、これは何ら実際的な効果がない、このように思うわけでございます。時間がないのでこれだけ言っておきますけれども、最後にそのことだけ大臣からちょっと答弁を聞いて終わりたいと思います。
  114. 川崎精一

    川崎政府委員 先ほど申し上げましたように、水系一貫の管理をする必要がないけれども、やはり地域環境的にいきまして合理的な管理をする必要があるというものについて準用河川の道を開いたわけでございますが、これによって河川法を準用することによりまして、在来行政管理だけをまかされておったものが、財産管理もできる。不法な占用その他についてもこれを取り締まることができる。あるいは今後の都市化に従いまして河川等も整理統合されるのじゃないかと思いますが、そういった場合に、地域によっては、これは公共下水道あるいは都市下水路といったように、自治体の判断でそういったものを整理統合する道も開けてくるのじゃないか。そういった面で、できるだけ地域に即した小河川の管理ができるというのが非常に大きな特典かと考えております。      ————◇—————
  115. 亀山孝一

    亀山委員長 この際、去る十九日設置いたしました土地住宅問題小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願っておりますので、土地住宅問題小委員大村襄治君、田村良平君、葉梨信行君、浜田幸一君、古内広雄君、山本幸雄君、井上普方君、松浦利尚君、北側義一君及び吉田之久君を、土地住宅問題委員長田村良平君を、それぞれ指名いたします。  なお、おはかりいたします。  土地住宅問題小委員会の小委員、小委員長辞任の許可及び補欠選任、並びに小委員会において、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合、その期日、人選その他所要の手続につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 亀山孝一

    亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来たる二十六日水曜日午前十時委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十八分散会