○曽祢
委員 私はかねて本
委員会あるいは予算
委員会で、私が問題にいたしました横須賀における米軍の基地の
日本に返還の問題、なかんずく艦船修理部門の
日本返還の問題について、この際
外務大臣並びに
防衛庁長官及び運輸
大臣のかわりとしての船舶
局長に御質問いたしたいと思います。
簡単に経過を申しますと、四十五年の十二月二十一日の
日米安保協議
委員会において、多くの
日本の基地の整理縮小が発表された。その中にいわゆる通称SRFの返還については、第六号ドックを除いて翌年の六月三十日までに
日本側に返還する、こういうことで、
アメリカの修理の要求を充足することが条件になっておりますけれ
ども、
日本に返還する。ところが四十六年の三月の末に、
日米共同発表によって、それが向こう一年間延期された。さらにその後の四十六年の末の状況を見ると、どうも
日本の自衛隊がそのうち一号から三号までのドックを使うというその
方向だけが進みまして、むしろその犠牲としての四号、五号のほうは当分、つまり本年の六月三十日までにも返せないのではないか、一号−三号の自衛隊用のほうだけを返して、あとは無期延期になる可能性が非常に濃厚だというので、私は本年の一月二十五日に外務、運輸、防衛庁各
大臣にそれぞれこの点について申し入れをいたし、さらに二月八日には三
大臣に対して神奈川第二区選出の衆議院議員がそろってこの問題の善処方すなわち全部そろって
民間に返還すべきである、少なくとも防衛庁用だけが先行しては絶対にいかぬ、こういうことを強く申し入れたわけであります。二月十二日には横須賀の市民大会が開かれて、そして横須賀のあらゆる各党各派、市議会、市長全部一緒になって、伝えられる米空母の永久基地化は反対である、特にSRFをすみやかに、はっきりと
民間に返せという決議が成立いたしました。そこでこの三月の二十三日に私は予算
委員会の第二分科会で各省特に
防衛庁長官に強く訴えたのは、自衛隊が一号から三号まで使えば、四号、五号の
民間のはどうなってもいい、そんな政治
姿勢は許されないではないか、したがって、もう一ぺん
外務省も運輸省を正面に立てて
アメリカともっと積極的に交渉して、この問題の焦点であるところの、少なくとも一たん
日米両方が返すときめた基地がその後の都合によって返されない、特にその返されない基地が、自衛隊のほうだけは返ってくるけれ
ども、
民間のほうは返らない、そんなことが行なわれたならば、これは単に横須賀の問題であるのみならず、
日米安全保障、基地のあり方に対する最も典型的な悪い例として、これは
日米外交上非常に大きな問題になる。この点でぜひひとつ善処方を強く訴え、特に防衛庁の長官に、三月三十一日になると、自衛隊のほうはもう四月一日から予算をもらっているのですから、そっちだけ見切り発車するようなことは断じてしないな、絶対にそういうことがあってはならないということを申し上げ、
防衛庁長官もその善処方を約された。やはりこれは自衛隊の分も
民間に予定されている分も一本にして、強力に
外務省のバックのもとに運輸省がむしろ前面になって
アメリカと交渉する。防衛庁のほうもそれをバックアップする。そして
民間にあろうがあるいは自衛隊にいこうが、
日本に返ってくるものは一から四、五まで全部がすみやかに円満に返るように努力しようということを約されたわけであります。ところが三月三十一日になってみると、
外務省のほうはやはり六月三十日というデートラインをぼかしたような、自衛隊のほうも、それから
民間に返るべきほうのドックも、これは
アメリカとの話が煮詰まったらむろん
解決するけれ
ども、それまではやや期限なしに、六月三十日という期限をむしろはずして、表現は交渉がととのい次第返すというのですけれ
ども、悪くいえば無期限に交渉に引っぱられるような
決定になったようであって、それは非常に不満であるというので、また二区選出の衆議院議員がもう一ぺん三
大臣にお目にかかって、特に
外務大臣に対して、インガソル大使が就任されるようだけれ
ども、マイヤー大使はもう帰るのだけれ
ども、インガソル大使が来たらさっそくこれはもっと政治的なハイレベルの問題としてぜひ取り上げて、施設に直接
関係ある
アメリカの軍人は何だかんだといってむずかしいことをいう、なかなからちあかないわけだから、もっとハイレベルの交渉によってこれをひとつぜひ実現に努力して、しかも新大使に事の重要性を十分に印象づける強力な交渉をやっていただきたい。また
防衛庁長官には申すまでもないことでありますけれ
ども、この二月の予算
委員会におけるあなたの公約は間違いないんだ、未来永劫ということは無理かもしれぬけれ
ども、とにかく交渉継続中に六月になったら、これはもう打ち切りで、自衛隊のほうだけは先に実行してしまおう、返還を実行して、要するにぼくの言う見切り発車で、四、五を切り離して、自衛隊だけが自分の地位を充足するというようなことは、絶対やってもらっては困る、その点を強く訴え、あなたはこれを善処方をはっきり約束されたと私は了解しているんだ。そしてまた、運輸省にもっとしっかり
アメリカとの交渉を、
日本造船技術の名誉にかけても、
アメリカの言っていることを十分に反駁し、向こうの正当な要求はこれは入れてやるのにやぶさかでない。
日本の造船技術をもってすればいかなる
アメリカの技術的な要求も、ほんとうに向こうが誠意があるならば十分に充足できるということも話を大いに詰めてくれ、まあこういうことを申し上げたわけであります。
以上の経過にかんがみ、本
国会もこれで最後になりますから、六月三十日になってみたらいつの間にか自衛隊のほうだけが見切り発車しておっても困るし、内閣もかわるんで、この問題はどこにいったのかわからない。
日米間の政治折衝なんかどこにいったのかわからない。そんなことじゃまことに私はよくない、こう
考えますので、きょうは特に三
大臣においで願って、もう少しこの問題を詰めておきたいと思ったわけであります。したがって、冒頭まず運輸
大臣のかわりとして船舶
局長から、従来の交渉の経過、これはもう結論だけでけっこうです。したがって、現在残っている
問題点、これからいかにしてこの
問題点を
解決していくか、この問題について、特に技術的の面からの報告をしていただき、その次に
外務大臣から、いま申し上げたインガソル大使との交渉を含めての今後の交渉の見通しと決意を伺い、最後に一番本日の花形である防術庁長官が、断じて見切り発車みたいな、シビリアンコントロールの精神に反するようなことはしないという、明確な
一つの御方針を再確認していただきたいと思うのです。
まず、
委員長、運輸省からの
答弁を求めます。