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松本(七)
委員 本日は
国際情勢の問題に関連して、主として日韓
条約成立後の朝鮮との関係を御
質問する
予定だったのですけれ
ども、いま各議員から再度
電報問題の扱いが取り上げられておりますから、
社会党の
理事として、
責任者としてこの問題に対する考え方を申し上げておきたいと思います。いずれこれは
理事会でまた御相談しますから、その席でさらにその後の状況を踏まえながら私
どもの考え方は御相談するつもりでおりますが、この際、いま永田
委員も言われたように、
楢崎君が最初この問題を持ち出しましたときの
発言には確かに
真偽を明らかにしたいということを言われたわけです。疑わしいものを
国会で論議するのは当然な責務だと思います。
そこで、きょう
理事会のあとで、私もあの
理事会の席で
曽祢さんその他から御
発言のあったことを詳細に
楢崎君に伝えまして、今後の取り扱いについても御本人の
希望その他を聞いたわけです。
結論的に申しますと、今後の扱いは一切私にまかせるということですから、今後
理事会で具体的には御相談いたしますが、基本的には、最初から私が申し上げておるように、一つはこの
電報そのものの
真偽をできれば明らかにしたい。これは直接の方法です。その際に問題になるのは、やはりいま永田
委員も言われましたが、もし出所を明らかにすれば、それは非常に論議はしやすいわけなので、それを望まれるのはよくわかるのですけれ
ども、私は
楢崎議員の気持ちを非常に尊重したいと思いますのは、すでにいろいろな問題で、いわゆる極秘文書というか、役所の秘密文書というものを私
どもが入手して、それを
国会で論議する場合に、できれば人に迷惑をかけないようにやりたい、そういう角度から
質問の形で
政府に
資料要求をするわけですが、なかなか
政府は知らぬ存ぜぬで逃げてしまう。これはもう長年私
どもが痛い経験をしておるところなんです。そこで出させるには、結局はその出所を明らかにする形でやらないと
政府はかぶとを脱がない。やっとかぶとを脱がせたかと思えば、とんでもない方向に問題の重点が移されて、そして犠牲者も出るというような最近の経験もある。そういうことから、ましてや、これは
楢崎さん私に述懐しておることなんですけれ
ども、国内の
情報ならばまだこれはいろいろ方法が、むずかしい点はあっても出しやすい。けれ
ども何しろ外国からの
電報ですから、御本人も言っているように、
アメリカの国内法との関係も考えなければならぬ。そういうことで、私は私なりの
判断でこの出所を明らかにすることは、きわめて本人の意向を中心に対処すべきだと思いますけれ
ども、国内法の関係があるだけに慎重を期したいという私の気持ちです。しかし何としてもこれはもう少し方法がないだろうか。さっき
曽祢さんは、四角ばった喚問、
証言という形ではないが、
委員同士でひとつ直接
楢崎さんあるいは
青木さんに
質問するという形で、対
政府の
質疑応答でなくて、
委員同士でやったらどうかという提言がきょう
理事会であったわけですけれ
ども、
事務当局のきょうの
理事会での説明では、それは禁止はないけれ
ども、そういう前例はない、
委員外発言なら前例がある、こういう説明でした。私その後調べましたら、前例はあるのです。
委員外発言でなくても、形式は
委員全員の懇談会ということになります。結局速記をとめてやった例があるのです。ですから、その方法については私
どもも今後十分研究してみたいと思います。これはもう
アメリカ国内法との関係もあるし、慎重一点ばかりでというわけにもいかなくなることも予想されますので、その際速記をつけて公開でやるか、あるいは速記だけはずして
委員同士の
質疑応答という形でいわゆる懇談会の形式でやるか、それらは確かに今後の問題です。したがって結論は出ておりませんけれ
ども、御本人から私まかせられておりますから、その点は今後も御相談していきたいと思います。
それからもう一つは
曽祢さんも
主張され、御本人も強調される点なんですが、傍証というか、これは
内容的に
可能性があるんだ、いろんな他の状況から
判断して十分
可能性のある問題だという
楢崎さんの
主張に対して
曽祢さんの御意見は、
核拡散防止条約の動きその他からいってもむしろあり得ないんだ。国際的な状況からいってむしろ逆の
判断をされておるわけです。これは私は非常な論争点になると思います。したがって、これもじっくりと両方の観点から御本人をまじえて討議することが非常に有意義だとは私は思いますけれ
ども、これに関して私が再三強く
要求しておるのは、
前回の
委員会で
楢崎君が
資料要求をしました。つまり防衛庁の統合戦略年次見積り書ですか、これをやはりどうしても出すということが
——なぜ御本人がそういうことを言うかといいますと、
政府はあのような
内容のことを
否定しておりながら実際には防衛庁ではそういう文書があるんだ。だからこれがもしほんとうだとすれば、核部隊についても
政府が
否定しておるにかかわらず
可能性が
——常にこれは
状況判断と一緒になってくるわけですけれ
ども、
状況判断からいってもこれは可能だし、
政府が
否定していたことが事実地の問題でこういうふうに秘密文書としてあるのだから、したがって今回の
電報の問題にしてもほんとうである
可能性が多いんだ。こういう見通しというか結論づけをしているわけなんですから、そのときに
曽祢さんの出された問題が一つの論争点となってやはり出てくると私は思います。
ですからそういう関係のある問題として出しているのですから、先般
要求した防衛庁の秘密書類というものをできれば公の
委員会に出してもらって、そしてこれについての
政府の解釈、こういう計画があるが実現はしないんだと言われるのか、あるいはこの文書をめぐる解釈そのものも公の場所で論争する。そしてそれとあわせて全体の状況についての
可能性の問題を論争する。そういうことをどういう形式でやるかもあわせて今後協議することがもう少し深くこれを論議する道ではなかろうか、こう思います。したがって
委員長も、私
どもの考えがそういうところにあるということを御理解の上で今後の処置をしていただきたい。私
どもも、できるだけそういうふうな論議を深める方法についてなお考慮する用意のあることをここに申し上げておきたいと思います。