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木野委員 ポリ塩化ビフェニール、いわゆる
PCBの
被害についてでございますが、
さきに
カネミ油症の
事件からこの問題が起こりまして、その後さらに調べてみますると、いろいろな
分野でこの問題が起こっておるということがわかりました。
さきにわが
委員会におきましても、
公害の
特別委員会と合同で
参考人を呼び、いろいろな
意見を聴取したのでございます。また、この問題を何回にもわたりまして議論をしておりますと、問題が非常に深刻で、かつまた、これが
対策につきまして万全を期さないとたいへんなことになる、こういうふうに感じておるものでございます。
この問題につきまして、
公害特別委員会におきましては、
公害特別委員会の
立場から
さきに決議をされまして、
政府に対して
特段の
努力をば促したわけでございますが、私は、当
委員会におきましても、
科学技術の面から
政府に対しましてこの際万全の
措置をとることをお願いいたしたい、このように考えておるものでございます。
きょうは、この問題につきまして、当
委員会におきまして各
委員からいろいろ御
意見がございまして、——それは与党といわず野党といわず、各党から一致した
意見であったと思うのでありますが、各
委員からいろいろ
意見がございまして、私はその
意見を聞きまして、
大臣にこの問題につきましてどういうように考えておるか、所信のほどを聞きたいのでございます。
と申しますのは、この
PCBといいますものは、たまたまこの問題で起こったのでありますが、新しい
化学薬品といいますものは
世界で毎年五百有余出ておるというふうな
状態でございます。そうして、それに対しましてその
成分はどうであるか、ことに
人体に及ぼす
影響はどうであるか、そういったことが確かめられずに使用せられておる。ことにまた、それが企業の面から、安いからないしは
効果があるからということで使われておるということでございましたならば、ゆゆしき問題である。
政府におきましても
科学技術大臣が
科学技術の
振興の
一つの柱としまして、
生活に密着した
科学技術の
振興ということをとっておられましたが、
生活に密着したといいますのは、人の
生活に
プラスになるように、そうしてさらに豊かな
生活が実現するようにということであるわけでありまして、そういった面から申しますと、いまのような
効果があるから、安いからということでもしこういったものが放置されておりましたならば、私はまさに重大な問題であると思うわけでありまして、まず
科学技術大臣に、こういった問題につきましてどういうふうに考えておるかということを聞きたいのであります。
PCBの問題につきましては、
大臣御承知かと思いますが、
PCBといいますのは非常にその性質が安定しておる、熱に強い、酸にもアルカリにも強い、酸化されない、それから油には溶けますがそれ以外のものには溶けない、そうして純度が非常に高い。それだけ
効果があるわけですが、逆に言いますとどこまでも残留するということでありまして、この残留する、どこまでも残るという点が今回の問題を引き起こしたのでありますが、このような点を考えてみますると、その
物質の長所が逆に短所になってきておるわけであります。ということは、生態的な、エコロジー的なアプローチが足らない、そういったことにも基因するのでありますが、私は
研究にあたってはそういった新しい
研究態度、そういった
物質に対する、そういった
薬品に対する新しい
研究態度というものが必要であろうかと思うのであります。
それで、繰り返し申しますが、こういった問題を引き起こしまして、そうしてこの問題をとらえますときに、
そのものが安いから、
そのものが
効果があるからというだけではなしに、
人間生活にいかに
プラスになるか、もしそれがたとえ
効果が幾らありましても、また幾ら安くとも、
人間生活に
マイナスになる、悪
影響を及ぼすというときには断じてこれをとめるという
態度。そしてまた、こういった問題を判断いたしますときに、
研究ということをしっかりやる。五百何ぼ出ているから、わからないからそれでおるというんじゃなくして、この
研究を十分やる。そうしてその
研究の
態度も生態的な
研究、これが大事であると思うのでありますが、こういった問題につきまして
大臣の
考え方をまずもってお伺いいたしたいと思うのであります。