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1972-04-14 第68回国会 衆議院 運輸委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月十四日(金曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 小峯 柳多君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 徳安 實藏君 理事 箕輪  登君    理事 内藤 良平君 理事 田中 昭二君    理事 河村  勝君       石井  一君    江藤 隆美君      小此木彦三郎君    唐沢俊二郎君       佐藤 守良君    塩川正十郎君       羽田  孜君    福井  勇君       増田甲子七君    山村新治郎君       井岡 大治君    金丸 徳重君       斉藤 正男君    宮井 泰良君       田代 文久君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君  出席政府委員         北海道開発庁総         務監理官    山田 嘉治君         北海道開発庁主         幹       首藤 泰雄君         運輸政務次官  佐藤 考行君         運輸大臣官房長 高林 康一君         運輸省港湾局長 栗栖 義明君         運輸省自動車局         長       野村 一彦君  委員外出席者         運輸省自動車局         整備部長    隅田  豊君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正巳君     ————————————— 四月十三日  関西新国際空港建設反対に関する請願土井  たか子紹介)(第二四三九号)  同(土井たか子紹介)(第二四八二号)  同(土井たか子紹介)(第二五二六号)  同(土井たか子紹介)(第二五六九号)  国鉄運賃値上げ計画撤回等に関する請願斉藤  正男紹介)(第二四四〇号)  調布基地返還跡地飛行場設置反対に関する請  願(小山省二紹介)(第二五二七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  北海道開発のためにする港湾工事に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第三二号)  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第六〇号)      ————◇—————
  2. 小峯柳多

    小峯委員長 これより会議を開きます。  北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑は、去る三月十七日に終了いたしております。  ただいま委員長手元に、宇田國榮君、加藤六月君、徳安實藏君及び箕輪登君から自由民主党提出にかかる修正案提出されております。修正案はお手元に配付してあるとおりでございます。
  3. 小峯柳多

    小峯委員長 この際、提出者から趣旨説明を求めます。加藤六月君。
  4. 加藤六月

    加藤(六)委員 ただいま議題となりました北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案に対する自由民主党提出にかかる修正案について、提出者を代表して修正趣旨を御説明いたします。  本修正案の案文は、すでにお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。  御承知のように、本改正法律案では、昭和四十七年四月一日から施行することになっておりますが、今日すでに本案施行日である四月一日を経過しておりますので、本案施行期日を公布の日に改めるとともに、本則、附則第三項及び第四項による改正後の規定は、昭和四十七年度分の予算から適用することに改めようとするものであります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手
  5. 小峯柳多

    小峯委員長 以上で趣旨説明は終わりました。     —————————————
  6. 小峯柳多

    小峯委員長 これより北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付すのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、宇田國榮君外三名提出修正案について採決いたします。  修正案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 小峯柳多

    小峯委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次いで、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  8. 小峯柳多

    小峯委員長 起立多数。よって、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案は、宇田國榮君外三名提出修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま修正議決いたしました本案委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  10. 小峯柳多

    小峯委員長 この際、丹羽運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽運輸大臣
  11. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいまは、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案について、慎重御審議の結果、御採決をいただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)      ————◇—————
  12. 小峯柳多

    小峯委員長 次に、道路運送車両法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行います。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。井岡大治君。
  13. 井岡大治

    井岡委員 先日来、同僚の委員から、連日にわたって、車検の問題について、非常におろそかではないか、たとえば茨城の問題、長野の問題あるいは北海道の問題等々が、車検の怠慢というかあるいはおろそかというか、そういうことで見過ごされてきておる、こういうことでかなり強い御批判なり御意見が出ておったことは御承知のとおりです。先日の自動車局長の答弁では、通達を出した、あるいは茨城においては、東陸整備部長を送って監査をやった、こういうように言っておいでになりますけれども、単に問題が出たところだけではいけないと私は思うのです。やはりこの種の問題は各都道府県にもあるのではないか、こういうように私は心配するわけです。したがって、これらの問題について、大臣として、単に通達だけということでなしに、あらためて監査をするあるいはやらす、こういうような御意思があるかどうか、この点お伺いをしておきたいと思います。
  14. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいまの陸運事務所並びに整備工場その他に対する監督につきましては、いろいろ過去におきまして遺憾の点がございまして、行政監督局からもその点を指摘されました。また本委員会におきましてもいろいろご指導をいただいた次第でございますが、運輸行政を担当する私といたしましては、まことに遺憾に存ずる次第でございます。こういうようなことがあったならば、交通の安全を確保する、装備の安全を確保するという趣旨からまいりましても、最もこれは残念なことでございまして、早急にこれを改正することが必要だと思う次第でございます。  井岡先生からの御指摘もいただきました。これはただに茨城県あるいは長野県というところだけでなく、全国陸運局陸運事務所全体に対しまして、あらためてそういう点今後再びそういった指摘を受けるような事態を起こさないように十分に注意をする通牒も発するつもりでございます。また、自動車局長をいたしましてそれらの監督を十分とらしめる覚悟でございますので、ひとつ一そうの御指導、御鞭撻をお願いする次第でございます。
  15. 井岡大治

    井岡委員 大臣から十分関係当局に通知をするということでございますから、ぜひひとつやっていただきたいと思いますし、これに同様のことをお尋ねするのはどうかと思いますけれども自動車局長に早急に指定工場、これを各陸運局ごとあるいは事務所ごとにもう一度洗い直すという気持ちがないかどうか、この点お伺いしておきたいと思う。
  16. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げましたとおり、今後この問題はますます重要でございまして、私ども自粛自戒をして厳正な業務をやらなければなりませんので、現在指定工場につきましても計画的にすみやかに監査をするということで、その責任体制というものをもう一ぺん洗い直すと申しますか、そういう再監督をぜひやりたいと思っております。
  17. 井岡大治

    井岡委員 この問題は、いま、たまたま車両法の一部改正法案が出ておることでもありますから、しかもこれは後ほどお伺いいたしますけれども軽自動車はほとんど指定工場においてこれをやらす、検査場においてこれをやらす、こういうことでございますから、この機会をはずしたのではいかぬと私は思うのです。したがって、すみやかにやっていただきたい、このことをもう一度お伺いをしておきたい、こう思います。
  18. 野村一彦

    野村政府委員 指定工場監査につきまして、計画的に監査をやるということは、できるだけ私どもも従来ともやっておったつもりでございますが、今回の御指摘にかんがみましてもう一度方法、時期等につきましてできるだけすみやかにやるという方向で検討いたしたいと思います。
  19. 井岡大治

    井岡委員 同時に、私はこれらも協会をおつくりになっておると思うのですが、もし協会をおつくりになっておるとするならば、協会の役員というのは一体何を考えているか、少なくとも政府機関を代表して委託をされた問題をおろそかにする、私はこういうことではいかないと思うのです。ですから、大臣に、すみやかに協会を呼んで厳重な注意をしていただきたい、このことをお伺いしたいと思います。
  20. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいまご注意をいただきまして、まことに恐縮でございます。そのとおりでございますので、すみやかに協会を招致いたしまして、私があれでございましたら自動車局長から十分に注意さすつもりでございます。また、地方陸運関係でございましたら陸運局長から注意をさせます、こういうことにいたしたい、こう思っておる次第でございます。
  21. 井岡大治

    井岡委員 同時に、私はこういうおろそかにするような検査員、こういうものに対してどういう処置をとっておいでになるか、この点をお伺いしたいと思います。
  22. 野村一彦

    野村政府委員 逝去におきましも、指定工場監督についてはいろいろと行政上の処分ということをやってまいったわけでございますが、現在までに検査員で非常に重大な不正を働いたものに対しては解任命令を発する、それから事業者に対しては事業取り消しあるいは停止、そういうものを事柄の軽重に応じましてやっておるわけでございますが、実は昨年あの不祥事件と申しますか、行監指摘がありました直後も、私どものほうから通牒を出しまして違反を犯した事業者に対しては、法令に基づく保安命令業務停止事業停止、認証の取り消し等を含む厳格な行政処分を行なうようにしろということを私から昨年六月に各陸運局長通達をして、それを実行さしておるところでございますが、さらにいま申し上げましたような処分——事前予防監督が第一でございますが、不幸にしてそれで救い得なかったものについては、事後のそういう行政処分を含む厳正な措置をとるということでございます。
  23. 井岡大治

    井岡委員 さらにこの問題について私はお尋ねをしたいのですが、いま大臣なりあるいは局長から厳正な措置を講ずる、こういうことでございますからあえて申し上げませんけれども、少なくもこれだけ事故が多発をして——もちろん検査それ自体に私は直接関係があるとは申しません、いろいろございますけれども、世間で交通戦争などといわれておるときに、政府代行機関である指定工場がみずから手を抜いて、そうして事故原因をつくっている。私はこういうことではいけないと思うのです。ですから、言われたように予防措置、それはそれなりでいいわけですが、もしそれを怠った者については必要以上の罰則を考えていいのではないか。そうでないと——今後軽自動車並びに一般車検を含めて七割までは民間委託をしよう、こういう御趣旨のようでございますから、この点をさらに徹底をさす、こういう必要があるのではないか、この点もう一度お伺いしておきたいと思いうのです。
  24. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、民間整備能力車検能力というものをできるだけ活用して能率的な検査をやりたいということでございますから、それを前提として当然民間のそういう指定整備事業者が厳正公平な検査もするこういうことが何よりも必要でございます。したがいまして、今後ともその監督につきましては、事故の防止ということを第一にやりますと同時に、万一そういう不正等がありました場合には、これは従来にも増して厳重に措置をするということは私ども当然心得なければならないことでございますので、先生の御趣旨をくみまして今後一そう厳格にやるということを措置いたしたいと思いますので、よろしく御指導をお願いいたしたいと思います。
  25. 井岡大治

    井岡委員 では、この問題は御要望申し上げておいて、次に入りたいと思います。  五章の二に軽自動車検査協会、こういうなにがありますが、検査協会規約あるいは規約の要綱、こういうものがもうすでにできておるのかどうか、この点をひとつお伺いしたい。
  26. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先生検査協会規約というふうに御質問ございましたが、私ども現在考えておりますのは、この法律で定められました業務をやることにつきまして、先般の關谷先生の御質疑に関連して提出をいたしました業務方法書の案あるいは検査事務規程の案内、省令案というようなものを、これは運輸省できめるものでございますが、そういうものの案、あのような案を練っておるところでございまして、協会自身業務規程と申しますか、これはこれからこの法律が成立しまして発起人がそういう計画を立てるわけでございますので、現在の段階におきましては協会自身のものはまだできておりません。
  27. 井岡大治

    井岡委員 私はそこがやはり問題だろうと思うのです。なるほど規約それ自体協会がおつくりになる、それでよろしいわけですが、少なくともこれとこれとこれということは明確にしたものでなければいかぬと思うのですね。そういう意味で私は、少なくとも法案提出される以上はそれらのことを考えておいでになるのだろう、こういうように思うのですが、まだそれでもできない、こうおっしゃるのですか。
  28. 野村一彦

    野村政府委員 先生のおっしゃる御趣旨は、おそらく、七十六条の十に「発起人は、定款及び事業計画書運輸大臣提出して、設立の認可を申請しなければならない。」ということがございますが、その定款案とか事業計画書というものは用意はあるかという御質問であるとすれば、先ほど私が申し上げましたようなことで、これはまだないわけでございますが、私どもとしてこの法案提出するにつきましてどういう業務内容をするかということについての案はもちろんあるわけでございます。それにつきましては、もちろんこれもまだ正式な文書の形になっておりませんが、たとえばこの組織といたしましては、中央に理事のもとに総務、経理、業務検査という四部を置いて、約四十人の職員を配置する。それから地方には、北海道は各陸運事務所所在地ごとに七カ所、その他の都府県につきましては、それぞれ一つ都府県に一カ所の支所を設けまして、全国で五十三の支所を置く。そして全体の職員は大体五百三十名くらいの職員を見込んでおります。そしてこの協会設置しますところの検査場施設等の基準的な坪数、それからそれの検査上屋の配置とか、そういうことのついては実態的に案を持っておるわけでございますが、そういう正式の文書としての案は、ここでいいます定款案とかあるいは事業計画案というものはございませんが、いま私が申しあげましたような事業内容についての計画は、当然私ども持っておる次第でございます。
  29. 井岡大治

    井岡委員 北海道に七カ所、ほかは各都府県に一カ所、こういうことですが、私はこの際ひとつ要望しておきたいと思うのです。  それは、兵庫県のような場合、中国山脈を隔てて南と北とになっているわけです。これはほかのところはよろしゅうございますけれども、少なくとも兵庫県の場合は表日本裏日本を分けて二カ所くらいつくらないと、城崎のほうから神戸までやってくるといったって、これはなかなかたいへんなことだろうと思うのです。ですから、この点要望しておきますが、そのために人間がかりに五人なり七人よけい要ったからといって、先ほど申し上げるように、交通戦争などといわれる悪評を買っておることでございますから、行政としては考えるべきじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
  30. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま申しましたように、一つの府県に原則として一カ所ということでございますが、これは支所という単位で一カ所でございまして、その下に、まだ名称はきめておりませんが、たとえば東京なんかでは当然一カ所では済まされません。御指摘兵庫県についても同様な事情かと思いますが、その下の、たとえば分室みたいなものをつくるかどうかということは、これも実情に応じて考えられますし、もう一つは、普通車についてやっております出張検査というものをいたしまして、検査を受ける方がそこの支所までおいでにならなくても、一定の距離があり、あるいは時間的に相当かかるというような地域で、かなり検査の需要がある地域には、いま普通車についてとっておりますのと同じような検査員を派遣して、そこで検査をさせるというような方式も併用してやる、そういうようなことを考えまして、できるだけ検査を受けられる方に不便を来たさないようにしたい、こういうことを考えております。
  31. 井岡大治

    井岡委員 かなり考えておいでになるようですが、私は出張検査というのはできるだけ避けるべきだと思うのです。ということは、行って、そしてそれをやるということであれば、検査員それ自体もこれは悪いことではございますけれども日本人の習性と申しますか、とにかく遊山的な気分が出てくる。あそこに行ってというような気持ちになってくる。私はそういうことではいけないのじゃないかと思うのです。ですから、せっかく支所をこしらえるということであれば、できるだけそういう支所をたくさんこしらえてやるということが必要じゃないか。同時に、その支所検査員等の教育といいますか、訓練と申しますか、できればそういうものを月に一回ぐらいやる。こういうことを考えていいんじゃないかと思うのですが、この点、どうでしょう。
  32. 野村一彦

    野村政府委員 出張検査につきましては、従来の普通車についてもやっておりますが、先年御指摘のように、最も望ましい姿は、やはり役所といいますか、協会なら協会において検査をするということでございますので、その支所のさらに下部機構設置については、十分実情を見まして検討したいと思います。  それから研修でございますが、この協会発足当時、こういう資格を持った検査員となり得べきものは、民間から来られるでしょうし、あるいは一般機械工業の方が来られるということがありまして、これと同じような審査官と申しますか、審査能力を付与させるためには相当の研修をやらなければならないと思いますので、当然これは各地の陸運局あるいは陸運事務所研修については協力をして、講師となってそこへ行って講習をするとかあるいは学校の専門の先生方に技術的な講師をお願いするというようなことは十分計画をいたしておりますので、そういうことで、業務がりっぱに遂行できるような研修についてはぜひ力を注いでやりたいと考えております。
  33. 井岡大治

    井岡委員 そこで問題は検査手抜き、あるいは無検査でこれを通す、これはあったことですが、そういうことがあってはいけない。軽自動車所有者普通自動車との対抗的な意識を持っておるだろう、こう思うのです。これは一つの実例ですが、お隣の子供さんのことなんです。最初は軽自動車を買ってくれ、こういうことで買ったわけですが、自分が軽自動車で走っておると、高速を走るとどうも見劣りがする。こういうことでおとうさんに、普通自動車を買えということで、そのおとうさんから、どうしたものだろうかと相談を受けました。こういうように、やはり若い運転手というのは劣等感のようなものを持つと思うのです。ですから、ここらの問題について考えるために、必要以上に検査を厳密にしなければいかぬのじゃないか、こういうふうに思うわけです。そうでないと、少しでも手抜きをやっておるというようなことになると事故原因になるのじゃないか。この点を特にお願いをしておきたいと思うのです。  そこで七十六条の六に「協会は、その名称中に軽自動車検査協会という文字を用いなければならない。」、協会でないものがその名称にいかがわしい名称を用いるおそれなしとしないので、用いなければならない、こういうようにいっているわけですね。しかし、こういうように検査民間委託するということであれば、その会社というか整備工場というか、一つの大きな、どういったらいいですか、特権というようなもの、優越感というようなものを感ずる。こういうことでよけいに入るんじゃないかということでいかがわしい名前をつける。たとえば、六に「軽自動車検査協会という文字を用いなければならない。」、こういうことをいっておりますが、これは看板でしょう。そこで検査工場協会というようにするような業者がないとも限らないと思うです。だから、この点がもっと明確になるような方法はないのかどうか。これをひとつお伺いしておきたいと思うのです。七十六条の六に「協会は、その名称中に軽自動車検査協会という文字を用いなければならない。」、「協会でない者は、その名称中に軽自動車検査協会という文字を用いてはならない。」、こう書いてあるのです。しかし検査工場といいますか、協会の会員でありますから、工場ですね、工場の場合に、これに類似をした名称を付する工場が出てこないとも限らないと思うのです。こういう点を一目瞭然と識別できるような方法をもう少し考える必要があるのじゃないか、こう思うのですが、この点どうでしょう。
  34. 野村一彦

    野村政府委員 先生指摘趣旨はよく理解できるわけでございますが、たとえば、将来軽の検査指定、いわゆる指定整備事業者団体ができる場合に、それが軽の何とか協会というような名前を使うおそれがあるのではないか、それの識別をもっと明確にしろという御趣旨でございますが、そういうことにつきましては、私ども懸念がなきにしもあらずでございますので、七十六条の六にありますような、いわば名称を登録をして、軽自動車検査協会という文字を用いなければならない、それからこれ以外の者は軽自動車検査協会という文字を用いてはならないと規定してございますが、これと表現は違いますが、似たような理由は、現在の道路運送車両法に基づきまして、これは民法法人でございますけれども自動車整備振興会という団体がございます。これは一般整備事業者、そのほかにメーカー、ディーラーも一部入っております。整備事業者が主として整備業務振興といいますか、そういうものの改善をはかるための団体でございますが、道路運送車両法九十五条には、「自動車整備振興会文字を用いるものは、自動車整備に関する設備の改善及び技術の向上を促進するため、左に掲げる事業を行う」と書いてございまして、同じく九十六条に「前条の法人以外の者は、その名称中に自動車整備振興会文字を用いてはならない。」とございます。これと同じ趣旨のものでございます。したがいまして、協会という名前が、あるいは民間の普通の団体と非常に似ておるということは私どもも実は考えておるわけでございまして、これをたとえばセンターという名前にするか、あるいは検査所という名前にするか、いろいろ考えたわけでございますけれども検査所といいますと、今度は物理的な検査をする場所とこの協会組織とが混同するというようなこともございまして、協会という名前を使ったわけでございます。しかし、いま協会というものは、これは事業者団体協会と非常に間違えやすいという懸念がございますので、これは名称の問題として、もし他に適当な名称があれば、私ども名称にこだわるわけではございません。
  35. 井岡大治

    井岡委員 やはりできるだけ識別のできるような方法をとっていただきたい。このことを要望しておきます。  続いて七十六条の九に「協会を設立するには、自動車の安全性の確保について学識経験を有する者七人以上が発起人となることを必要とする。」、この学識経験者というのはどんな人ですか。
  36. 野村一彦

    野村政府委員 自動車工学についての専門的な知識を有される方、あるいは自動車交通の安全についての学識経験を持っておられる方、あるいはこういう検査業務についての学識経験を持っておられる方、ここにございますように、やはり自動車の安全性の確保について学問的な知識を持っておられる方、あるいは実際の経験に基づく見識を持っておられる方、そういう方をこれが包含しておるわけでございます。
  37. 井岡大治

    井岡委員 一般的に言ったらそうでしょうけれども、たとえば実際問題としてどういう人をさすのですか。
  38. 野村一彦

    野村政府委員 私どもがいまいろいろとお話を伺っておりますのは、運輸省の運輸技術審議会の自動車部会の委員をしておられる方々の中に、そういう機械工学とか、自動車工学の学者の方もいらっしゃいます。それから一般民間事業者の中でも自動車の製造あるいはその検査ということについての経験、学識を持っておられる方もおります。そういうような方が——この協会といいますか、こういう軽の検査事業について、これは時代の要請としてやるべしというような御意見もかねがね拝聴しておりますので、具体的にはそういうふうな方々が、ここにいう学識経験者として特に具体的に考えられる方々だろうと思います。
  39. 井岡大治

    井岡委員 これはいまの場合、だれをどう、こういうことは言えないでしょうけれども、少なくともやはり私は、かなり権威のあるものにしてもらいたい、このことだけをお願いをしておきたいと思うのです。  そこで十一ですが「運輸大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合において、申請の内容が次の各号の一に該当せず、かつ、その業務が健全に行なわれ、軽自動車の安全性の確保に寄与することが確実であると認められるときは、設立の認可をしなければならない。」、こういうようにうたって、「定款又は事業計画書に虚偽の記載があり、又は記載すべき事項の記載が欠けているとき。」、こういうことでございますが、これについては、すでに草案があるのじゃないですか。そうでないとこういうことにならぬと思うのです。この点お伺いしたいと思います。
  40. 野村一彦

    野村政府委員 この草案といいますか、先ほど申し上げましたように、この検査協会を設立するには、設立発起人がまずきまりまして、その発起人の方が定款及び事業計画書運輸大臣提出をして、運輸大臣が七十六条の十一によって審査をする。そこで初めてこの七十六条の十一の一号、二号に書いてありますようなことについての審査をするわけでございますので、まだ現在設立の発起人もきまっておるわけでございませんので、そういう意味で、まだここにいいますところの定款及び事業計画書の案というものはございません。
  41. 井岡大治

    井岡委員 私は、こう書く以上は、これは早急につくっておかなければならないのじゃないかと思うのです。「定款又は事業計画書に虚偽の記載があり、又は記載すべき事項の記載が欠けているとき。」とこういうことですから、そうでないと、どれが虚偽でどれが記載漏れになっているのかどうかということがわからない。こういうように思うのですが、この点はどうですか。
  42. 野村一彦

    野村政府委員 記載事項につきましては、七十六条の十にございますように、「事業計画書に記載すべき事項は、運輸省令で定める。」、その省令の考え方といたしましては、協会軽自動車検査、これを円滑に実施するために必要な基本的な計画で設立に際してつくられるものでございます。その記載事項は用地の収得に関する事項、施設設備の配置に関する事項、検査要員の育成、研修に関する事項等とする予定でございます。そういう内容の省令ができまして、その省令にのっとって、その記載事項が漏れていないか、あるいは虚偽の記載事項がないかということを審議するわけでございます。それですから、まず事業計画に記載すべき事項を運輸省令で定めて、そしてそれに基づいて計画書が出される、こういう段取りでございますので、現在の省令の内容といたしましては、いま私がお答えいたしましたような内容を予定しておるわけでございます。
  43. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、七十六条の十の2の省令については大体の案を持っている、こういうことだというように理解していいわけですね。
  44. 野村一彦

    野村政府委員 そのとおりでございます。
  45. 井岡大治

    井岡委員 そこで、これは大臣にお伺いしますが、非常に大事なことですから、お役人だけにまかして私は決してそれで落ちておるとは考えません。考えませんけれども、少なくともこれだけ大きな事業をやるわけですから、大臣がこの設立にあたってこれでいいかどうかというような、たとえば学識経験者に諮問をするというようなことをおやりになってはどうか、こう思うのですが、この点はどうです。
  46. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま井岡先生から御指摘がございまして、確かに何と申しましても事業におきましては計画内容が一番肝心でございまして、計画内容のいかんによりましてその事業の成功の成否がかかっている、こういうことでございますので、御趣旨を十分体しまして、正式にそういったような委員会をつくるつくらないは別といたしまして、こういったことについて先生のような専門の方々の御意見は十分にこれを伺いまして、その上にこの決定をいたしたい、こう思っておる次第でございます。
  47. 小峯柳多

    小峯委員長 関連質問を許します。斉藤正男君。
  48. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 お許しをいただいて、井岡委員質問に関連して若干お尋ねをいたしたいと思うわけでありますけれども、この道路運送車両法改正にあたって、いま問題になっております七十六条の経自動車検査協会の設立の規定でありますけれども、過日河村委員から詳細なお尋ねをいたしまして、どうも解せぬというような態度表明がございました。私もその後井岡委員質問に関連をして考えていたわけでありますけれども、やはりおかしいと思う点がございますので、この際明らかにしておきたいと思うわけであります。  すなわち、この種の法律、たとえばここでいうならば七十六条の三、「軽自動車検査協会は、法人とする。」とか、七十六条の四の「協会は、一を限り、設立されるものとする。」とかあるいは七十六条の五の「協会の資本金は、一億五千万円とし、政府がその全額を出資する。」このようなたぐい、以下もずっとそうでありますけれども法律というのはこれが最初ではないわけで、過日も法制局にお尋ねをいたしたようでありますけれども、これに類した法律というのは運輸省関係はもちろんのこと、ほかの省庁関係でもけっこうですけれども、一体どういうものがあるのか、局長御存じですか。
  49. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま斉藤先生の御質問になりましたこれと類似の規定の協会といいますか認可法人につきましては、たとえば繊維工業構造改善事業協会というのがございます。これは特定繊維工業構造改善臨時措置法の第二十三条に基づきまして設立されました認可法人でございますが、その二十三条に「協会は、一を限り、設立されるものとする。」と書いてございます。それから、同様のものが海洋水産資源開発センター、これは海洋水産資源開発促進法に基づいております。それから海洋科学技術センター、これは海洋科学技術センター法に基づいております。以下情報処理振興事業協会、預金保険機構とか下水道事業センター、こういうようなものがございまして、ただいま先生からお尋ねのような、「一を限り、設立されるものとする。」という規定、それから政府がその全額とかあるいは半額とかこういうものを出資するというような類似の規定がございます。
  50. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 私も過日そのための資料をちょうだいしておるわけでありますけれども、全く同じではないですね。たとえばいまも御答弁がありましたけれども、資本金等については政府が全額出資をするという法人はどういう法人であり、民間からも出資をするという法人はどういう法人であるか、私のところと同じ資料をお持ちのようでございますから、お答えをいただきたいと思うわけであります。
  51. 野村一彦

    野村政府委員 先ほど申し上げました繊維工業構造改善事業協会、これは一〇〇%国の出資でございます。そして当初の資本金は五億でございましたのが、現在は十八億に増額をされております。全額政府出資といいますのは、これが私どもの調査では一つの例でございます。そのほか、海洋水産資源開発センター、これにつきましては政府政府以外のものが出資する場合の合計額を資本金として書いてございまして、これは現在の資本金は二億ということで、五〇%国が出資する、こういう規定になっております。
  52. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 そこでもう一つ伺いたいのは、これもまた斉藤委員、その資料は古い、回収をいたしたいのですと言うならば別ですよ。過日、運輸省自動車局からいただいている資料に、軽自動車検査協会の収支計画案なるものがあります。これを見ますと、四十七年度は二千万の赤字、四十八年度は一億三千百万の赤字、平年度と思われる四十九年度から二億二千万の黒字、五十年度も一億七千百万の黒字、五十一年度も一億二千四百万の黒字、こういう、もちろん案ではありますけれども軽自動車検査協会の収支計画案なるものがあるわけであります。私は、全額政府が出資をしておいて事務的な手続を進める、四十七年度の赤字——四十八年十月からの実質検査でありますから、事務所ができ、人を雇ったりして仕事はしないという、四十八年度の前半の空白の赤字、これは当然だと思うわけでありますけれども、実質的な検査を始めた四十九年度にはすでに二億二千万の黒字を予定し、以下ずっと一億数千万の黒字を予定している協会であるわけであります。その資料はだめです、撤回しますというなら別ですよ。そういうことを考え、一つは全額政府出資であるということ、一つは平年度になればばかもうかるのだ、二億何千万の黒字になっている。これを一つしか許さない。しかも発起人七名で発意をして必要な手続をとれば設立認可をするのだということは、どう見ても合点がいかぬ。ほかの、先ほど言われました法人は、繊維工業構造改善事業協会を除いて民間からも金を集めているわけでありますから、これは民間から金が入っていれば営利というようなことも多少は考えられる。全額政府出資でありながら平年度になればもうかる、しかもそれは一つしか許さないのだ。しかもそれは大体予定のコースで設立準備も進んでいるし、理事長候補も監事候補も大体見当がつくというようなことはどうみても許されぬ。どういうことで平年度はもうかるというような資料になっているのか。それはばく大な赤字をかかえ、オール借金でやっていくんですからわからないわけでもありませんけれども、もうかるなんという検査協会が国の代行機関としてあっていいかどうか、私はどうしても合点がいかぬ。納得のいく御説明をいただきたい。
  53. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先生が御指摘になりました収支でございますが、一つははなはだ恐縮でございますが、ただいま先生指摘になりました数字は昨年私どもが検討しておりましたときの過程で一つの試案としてつくったものでございまして、全額政府出資の協会の案が固まりました現在といたしましての収支と多少違います。  申し上げますと、現在私どもが考えますのは、収支で見ますと御指摘のように四十七年度は収入はゼロでございます。しかしながら支出にいたしましては、人件費も要りますし、建設費その他の諸経費も要ります。そういうことで私どもの見込みでは四十七年度は一億七千五百万の赤字になるであろう。それから四十八年度はお説のように後半で検査を開始いたしますので、九億ほどの業務収入を見込んでおります。したがいましてこれは支出もふえますけれども、結局五億五千万ほどの赤字になるであろう。四十九年度の単年度、これは御指摘のようにこのときからフル稼動をするわけでございますから、平年度と考えますと、この時期におきましては大体収入が単年度で十九億、支出が約十七億ということで、この単年度では二億ぐらいの黒字が見込まれる。しかしながらこれを通算いたしてみますと当然前の繰り越しの赤字があるわけでございますから、継続をいたしてみますと累積の赤字はまだ四十九年度で消えないというわけでございまして、協会が収益をあげてもうかる、これは協会の性質からそういうことがあり得べきものではございませんで、これは私どもとしてそういう資金計画あるいは収支計画を考えますときには、当然協会は収益をあげるような性質の協会ではございませんから、そういう配慮をいたすわけではございません。しかし国から出資を受けた金あるいは民間から予定しております長期低利の融資を償還をしていくということで、いわばこれはとんとんになって初めて公益的な業務をやる協会らしい経理内容になるということでございます。そういうつもりでこの資金計画も実施していきたいと考えておる次第でございます。
  54. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 先ほど来話を聞いておりまして、この間も斉藤先生から御質問がございましたときに、私のほうから出しました資料、これが非常に間違っておる、それも御訂正を申し上げました。また、いま聞いてみますと、そういう点ではなはだ連絡不十分である、何とも申しわけない次第でございます。せっかく貴重な御審議をいただきますときに、そういう訂正をするものなら訂正をすると事前に連絡するのが必然でございまして、将来十分戒めておきまして、御審議に支障のないようにいたしたい、あらためてひとつ申し上げておきます。
  55. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 大臣からそう言われてしまいますと、あと追及のほこ先が人情として鈍るわけでして、そういうことならことでよろしいのですが、勘ぐると、これは昨年八月の資料でございますから、大蔵へ予算要求をするのにこういう資料を用意して、初めはたいへんだけれども、実施すれば単年度からとんとんになって御迷惑はかけません、何とかしてここで一億五千万出してくださいとか二億出してくださいというような資料に使ったらまあいいですよ。大蔵への予算要求というのが容易でないことは私も知っていますので、資料に使ったのならいいのだけれども、いま法案審議をやっているさなかで、私の資料つづりのように新旧取りまぜて入っておって、私はそれをたよりにお尋ねをしているわけでございますから、当然もうかるなんというようなことは許されない。累積赤字を埋めていって、なるべく早くとんとんになって、とんとんになった暁には検査料を下げて合理化をやるべきだというように私は思うわけなんです。  それから、もう一つだけお聞きしたいことは、国民の知る権利、知らせる権利というようなことで、国会は論議がはなやかでありましたけれども、この法律が参議院を通過成立しなければ一億国民というのは知らないわけですよ。これが成立して公布されて初めてああ軽自動車検査が正式に法律できめられたぞ、検査協会が設けられたのだということがわかるわけですね。手っ取り早い者は運輸委員会でこういうものをやっているということを知っているかもしれない、あるいは業界は新聞その他で知っているかもしれない。しかし大方は知らないわけですよ。そこで私もこれを知ったので——たとえばの話ですよ、私が意を通じて七人の発起人つくり、所定の手続を経て協会設立の申請をしますよ。運輸省のほうでは運輸省のほうで、心ある人にやらせるでありましょう。河村質問で問題になりましたけれども、競願ということがありますね。その際、本法に規定された内容をチェックして、私の声のかかった発起人の申請はだめで、それで運輸省が意図しているほうへ認可を与える。これはそうだと思うのですね。その場合行政訴訟に持ち込む。私の申請した法人を却下して、運輸省のお声がかりの法人を認可した。運輸大臣は権限行使を誤っている、越権行為だということで行政訴訟をする。その場合に行政訴訟の結論が出るまで正式な発足はしませんか。それとも法律でもうきまっているのですから、行政訴訟中であっても強引に一方的に認可した協会業務をやらせますか、いかがですか。
  56. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先生の御設例でございますけれども、その中で私ども一つ明らかにいたしたいのは、初めから意図的に、たとえば私どもがいま考えておる発起人の方あるいは私ども話を聞いておる発起人の方の者を通して、いま先生が御設例になりましたような別の者が出てくればこれはだめだというようなことを意図的にやることは毛頭ございませんので、これは計画内容を審査していいほうを認めるというのがたてまえでございます。しかし万一却下になったほうから行政訴訟が提起されておるということになりますと、これは法律的には、運輸大臣が設立を認可した者が、認可を受けて準備を進めるということは、法律的にはこれはできると思います。しかし万一そういう客観情勢になりますと、この検査という大事な業務の実際の実施がスムーズにならないと思いますので、その辺は大臣等の高度の御判断で実際の業務がどうなるということになるかと思いますが、法律的には大臣が自分で実際に認可したものは法律に従って業務を進めていくということは、これはできると思います。もちろんその間には行政訴訟に付帯して、何といいますか、仮処分といいますか、現状を変えないというような仮処分申請が出るとか、いろいろな法律的な、法廷で争われればそれは非常にむずかしくなると思いますけれども、私その点あまり詳しくございませんが、一般的な行政の常識論といたしましては、法律的には事務を進められる。しかしその辺大臣の政治的な御判断からどういう処置をされるかということは、そういう具体的な事態に応じて大臣が決心をされる、こういうことだと思います。
  57. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 先ほど数例をあげられて、これに類した法案はしかじかかようだというような説明がございました。私の手元にも数団体があるわけでありますが、私はこのうちどれが一番初め成立したかはつまびらかではありませんけれども、どうもやはりこういう形の法律というのはすっきりしない、何か裏があるような感じがしてしようがない。それからだれでもこの法律を知悉をし、よし軽自動車検査協会の認可を受けようと思って出願をすれば、それを拒む何ものもない。そうして、大臣が決裁をして一つにきまった場合に、不服の申請をして裁判に持ち込むというようなことはあり得るわけなのです。その際受けて立つ。そうしてまた、なぜこちらがよくてこちらがだめだというような大臣のものさしですね、これも非常にむずかしいと思うのであります。それから、法そのものにだれが申請してもかまわないのだという余地が残してあるのであって、しかも一つしか認可をしないということ。それには絶対といっていいほどの権限もある。しかも訂正はされましたけれども、平年度になれば黒字になっていって、ばく大な借金も十年もやれば完全に完済できるというような形のものは国民にとっては非常に注目すべき内容を持っておるし、禁止事項その他がたくさんありますけれども、私はやはり憲法違反の疑いは十分あって、ほかに申請者があった場合には慎重に配慮をしていかないとたいへんな問題になるというように思うわけであります。  最後に、大臣の所見を伺いたいと思います。
  58. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいまの認可法人がただ一つである、それと所定の条件を備えたものは、これは認可をしなくてはいかぬという法律の法体系につきまして、私も法律に詳しくございませんで、しろうとでございまして恐縮でございますが、しろうととして考えまして、どうもその書き方というのが、きのうからの御質問もございましたが、どうもやはり御質問のような疑念があるのではないかというふうに私もちょっと考えておった次第でございます。この法律つくりました一番の専門家の法制局と十分協議をしまして、こういう法体系で必ず一つになれるということで自動車局もこの法案をまとめた。昨日も法制局から専門家が参っておりまして、それとたしか松木先生にいろいろ御論議をいただきました次第でございまして、私もしろうとながら聞いておりますと、御苦労だというような感じもいたした次第でございます。  それで一応法律体系としては差しつかえないということでございますが、事実上そういうような問題が起こってまいりまして、その適格条項というものがはたして一つにしぼれるかどうか、二つ出た場合にはどうするかという場合には、やはりどちらが適当であるかという認定になってくる問題があるのではないかと思います。しかし、それをしなければならぬということになりますと、一つはどうしても不適格という判こを押さなければならないということでございますが、その点はひとつ十分に内容をよく調べまして、いわゆる眼光紙背に徹するというようなそれほどのあれはございませんけれども、皆さまの御期待に沿うようなりっぱな法人つくりたい、こういうふうに思っておりますので、ひとつ御了解を願いたい次第でございます。
  59. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 終わります。
  60. 井岡大治

    井岡委員 いまの斉藤委員のお話ですが、ですから私は単に設立するのではなしに、出てきたから通すというのではなくて、やはり審議会というようなものをつくったらどうか、こういうことをお尋ねしたわけです。そうでないと、かりに設立された法人協会が正当なものであったとしても、世間というのは必ずしもそういうように見ませんね。そこをやはり十分注意をしていただきたいということを要望しておきます。  そこで次に入ります。七十六条の二十六、「役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」、どうもこれだけじゃぴんとこないのですが、これはどういうことですか。
  61. 野村一彦

    野村政府委員 これと類似の規定は、公団、公社その他、公務員以外でありましていわゆる公務に従事している者についてある規定でございます。この規定の内容は、刑法第七条第一項に「本法ニ於テ公務員ト称スルハ官吏、公吏、法令ニ依リ公務ニ従事スル議員、委員其他ノ職員ヲ謂フ」というふうに書いてございますが、わゆる刑法にあります公務員に特有の犯罪というものがございます。それはたとえば公文書偽造罪あるいは涜職罪、その他公務員に対して他から加えられる公務執行妨害罪、こういうようなものがあるわけでございまして、これは一般の人にはない、公務員だけに適用される犯罪でございます。個々の協会の役員及び職員につきましては、その職員につきまして、これは身分は公務員ではございませんが、公文書の偽造が行なわれた、あるいは汚職といいますかそういう行為があった、あるいはその人の公務の執行に対して外部から妨害が加えられた、そういういま私が申し上げましたような犯罪行為がこの人たちによって行なわれる、あるいはこの人たちに対して行なわれた場合には、刑法刑罰を適用する場合には、国家公務員と同じように刑罰の対象になりますという意味の規定でございます。
  62. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、こういうように理解していいですか。公務員ではないけれども、公務員に準じた職員だ、簡単にいうとこういうように理解していいですか。
  63. 野村一彦

    野村政府委員 簡単にいいますと、刑法のいま申しあげました公文書偽造、涜職、そういう犯罪に関してのみ公務員と同様の扱いを受ける。その他は公務員とは違うわけでございます。
  64. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、その次に行きます。七十六条の三十二の3「協会は、軽自動車検査員を選任したときは、その日から十五日以内に、運輸大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。」、こういってありますが、まあこれはいいです、次に行きます。これはわかりました。  七十六条の三十二の4「運輸大臣は、軽自動車検査員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは検査事務規程に違反する行為をしたとき、又は軽自動車検査事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、協会に対し、軽自動車検査員の解任を命ずることができる。」、こういうことですが、そうしますと、これは毎月協会から月報と申しますか、私は要すれば日報が一番いいと思うのですが、おそらく日報をあなた方のほうでとるわけにもいかないでしょうが、どういうようにしてこれを見つけるのですか。
  65. 野村一彦

    野村政府委員 ここにあります先生指摘の第四号の規定でございますが、これはたとえば先ほど先生御設例になりましたように、民間からの申告ということもありましょう。それから検査員監督する支所長その他の役員、職員がそれを発見するということもあると思います。そのつど、その検査員法律に違反する、あるいは運輸大臣の命令に違反した、あるいは事務規程に違反したという客観的な事実が発見された場合は、この検査員を、この人を採用する権限はその協会支所長といいますか、協会にあるわけですけれども、特に大臣が、この男には不正があったからやめさせなさいという命令を出すということで、その発見の動機は一般的な監査もありましょうし、行政監察のこともありましょうし、あるいは民間からの通知の場合もあるわけです。
  66. 井岡大治

    井岡委員 私の時間は三十八分で二分過ぎましたから、もうあと二、三ですが、これはこの次に同僚の議長のときに関連さしていただきます。  ただお願いをしておきたいのは、いまの話ですが、やはり月報をとるとかなんとかの方法をしないとなかなかいかないのじゃないか、こういうように思うわけです。支所から月報を陸運局がとる、こういうようなことをしないと、なかなか厳密に精査をすることができないのじゃないか、私はこういうことを申し述べて一応なにしておきます。
  67. 小峯柳多

    小峯委員長 宮井泰良君。
  68. 宮井泰良

    ○宮井委員 それではできるだけいままでの委員との重複を避けましてお伺いをいたしたいと思います。  まず条文の第七十六条の二十五、これは職員の兼職禁止の条項でございますが、「職員は、自動車若しくは自動車の部品の製造、改造、整備若しくは販売の事業を経常し、これらの事業業務に従事し、又はこれらの事業を経営する者の団体の役員若しくは職員となってはならない。」こうなっておりまして、職員の兼職禁止の規定がなされております。この内容は第七十六条の二十、いわゆる役員の欠格条項、すなわち役員になれないというこの理由と軌を一にしておる、このように思います。職員も役員と同じく官庁に勤務していた退職者でなければならないという内容での、役員もそうでありますが、職員もその中枢は役人の退職者が占めることになるというふうにしか考えられないわけであります。すでに現在運輸省の現職にある人が近く退職して役員や職員になるというようなうわさもちょくちょく耳にいたしておるわけでありまして、こう見てきますと、われわれは運輸省のお役人さんのおば捨て山をつくるために手を貸しているのではないか、このように考えるわけでございます。  そこで大臣は、かつて運輸省に在籍した者はこの協会の役員、職員にはなりませんという約束がここでできるかどうかですね。これはおそらくできないと思います。私はあながち役人が入ってはいけないというのではありませんが、全部お役人さんの退職者ばかりで占めたということでは世間の批判を受けることになる。したがって、お役人さんの占める率と申しますか割合というものが過半数をこさないというふうな保証がここで大臣はできるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  69. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいまの国民に対する感覚につきましての御注意、まことにありがたい次第でございます。やはり役人がほとんどを占めてしまう、いま官井先生おっしゃったようなことでございましたら、国民は納得いかぬ、私もそう思います。大体におきまして、どのくらいの比率がいいか、またそのときの得られる人材の質、適材適所、数がいるかどうかという問題、民間からぜひ御参加もいただきたい。役所のほうも、実際申しまして、適材でなれた人はなるべく役所にもいてもらいたいという実情もございますので、そういま申しましたような過半数をこえるということもなかろうかと思う次第でございますが、いまの御趣旨に沿いまして十分その点を参考にいたしまして、そうしてその人選につきましては国民が疑惑を抱かないようにいたしてまいりたい、こういうように思っておる次第でございます。
  70. 宮井泰良

    ○宮井委員 はっきりお答えをいただきたかったわけですけれども、その趣旨に沿ってやられるということでございますので、それを了といたしたいと思います。  その次に第七十六条の二十七、これは業務に関する規定というふうになっておりますが、その業務遂行の前提といたしまして年度予算をもって軽の実態調査、指定工場の処理能力の調査等を行なうことにしているわけでございますが、これは結果を待たなければならない、こういうことになっておりますが、その結果を基礎といたしまして、第七十六条の三十一において検査設備を備えることになっております。その設備というものは全国で五十三カ所設けることになっておると何っておるわけでありますが、これは沖繩は含んでいるのかいないのか、それが第一点。  それからもう一つは、北海道、東京、大阪、名古屋、福岡、神奈川等の都道府県には行政単位に何カ所くらい設備するお考えなのか、この点をお伺いしたいと思います。
  71. 野村一彦

    野村政府委員 まず第一点でございますが、五十三カ折の中には沖繩を含んでおります。  それから各府県につきましていわゆる支所と申しますか、この協会の出先をつくりますのは、北海道は七カ所、これは現在の陸運事務所の区分と対応するものでございますが、それ以外は都府県支所としては一カ所でございます。ただ、検査の施設につきましては、これは先ほどの井岡先生の御質問とも関連するかと思いますが、発足当時はその支所を一カ所つくりますが、その支所に属する具体的な検査施設の場所につきましては、大都会の検査の需要の多いようなところについては、幾つかのコースをつくるということも考えておるわけでございます。
  72. 宮井泰良

    ○宮井委員 ただいま私、北海道、東京、大阪、名古屋、福岡、神奈川、こういうふうに具体的に県名を申し上げたのですが、それではそれはまだはっきりきまっていない、こういうことですか。
  73. 隅田豊

    ○隅田説明員 具体的な問題でございますので、私、整備部長からお答えさせていただきます。  先生がおあげになりました各府県につきましては、局長がただいま申し上げましたとおり、現在とりあえずのスタートにおきましては、一カ所の支所でスタートいたします。将来の業務量その他を勘案しながらこの協会自身もいろいろと考えていくと思いますし、われわれも行政指導しながら、場合によっては複数になるということは当然考えられてくるだろうと思います。
  74. 宮井泰良

    ○宮井委員 わかりました。  そこでこういう施設というものはどういう場所に設けるかということでございます。たとえば、東京で申しますと、鮫洲とかあるいは足立とか練馬とか既設の車検場にこれを併設していくという形か、それとも別のところに求めるか、こういう点なんですが、これはいかがですか。
  75. 隅田豊

    ○隅田説明員 まず原則から申し上げますと、やはり国の車検場とそう離れないところでやったほうが、おそらくいろいろ、業界と申しましょうか、自動車の使用者としましても便利でございますので、その方向で検討させたいと思います。もし、国の車検場の用地に余裕がありますれば、場合によってはその用地の一部を貸すというようなことも考えてみたい、これも考えております。ただ実際問題、ただいま先生が例にあげられました東京というようなところになりますと、現実の問題といたしましては、国の車検場の中にもすでに貸す余地はないだろうと思いますし、その隣接地が直ちに買収可能かということになりますと、ちょっとここのところで何とも申し上げられないと思いますが、できるだけそういう原則に立って全国車検場配置は考えていきたいと考えております。
  76. 宮井泰良

    ○宮井委員 この近辺にそれを求めるといたしますと、非常に地価が高い、こういうことでございますから、その点はどのように検討されておりますか。
  77. 隅田豊

    ○隅田説明員 繰り返しますが、ただいま申し上げたような原則で現在検討しているところでございまして、地価の問題になりますと、それは個々のケース・バイ・ケースで非常に変わってくると思いますので、現在のところでは全国の平均的な単価を想定しながら一つ計画はいたしておりますが、具体的な問題といたしましては、協会発足後、協会自身が考えますそれをわれわれは行政指導していきたいと思っております。
  78. 宮井泰良

    ○宮井委員 その辺はひとつ行政指導をがっちりやってもらいたい、このように要望いたしておきます。  次に、この検査協会軽自動車検査員といいますのは、現在の検査員、すなわち、公務員とは資格の点で同じなのか。それとも差を設けるのか、この点をお伺いしたいと思います。
  79. 野村一彦

    野村政府委員 この軽自動車検査員の資格と申しますか、どういう人を検査員にするかということで考えておりますのは、技術的な能力、こういう自動車検査検査能力という点については、公務員と同じような能力を持った人ということを考えておるわけでございまして、それは具体的にはいろいろな出身の人を通じまして検査業務等について相当の知識、経験を有する人、たとえば自動車検査に対して五年以上の経験を有する者、これは官吏だけではございませんで、局間の経験も含むわけでございます。あるいは、自動車に関する業務の経験が五年以上で、理事長が適当と認めた者ということで、一般的な基準としては、国家公務の検査官あるいは指定整備事業検査員と同じ技術的な能力を持った人を考えておるわけでございます。
  80. 宮井泰良

    ○宮井委員 そうしますと、もう一度確認いたしますが、軽自動車検査員も現在の検査員も同じ立場であると理解してよろしゅうございますか。
  81. 野村一彦

    野村政府委員 同じ立場と申しますか、検査を執行する能力については同等のものであるというふうに考えております。
  82. 宮井泰良

    ○宮井委員 それでは、資格というものは同じかどうか、その点はどうですか。
  83. 野村一彦

    野村政府委員 この資格というものは、私がいま申し上げましたような原則に基づいてきめるわけでございまして、実質的には同じと申し上げていいと思います。
  84. 宮井泰良

    ○宮井委員 何かこうよくわからないのですが、実質的には同じ、そうしたら、ほかに何か違うところはあるのですか。
  85. 野村一彦

    野村政府委員 経験年数とか、その人の検査官としての技術的な能力を審査するものさしは、同じものさしでやりますと、こういうことであります。
  86. 宮井泰良

    ○宮井委員 まあいいでしょう。その辺をひとつはっきりしてもらいたいと思います。  次に、この検査協会検査事務所を全国で五十三カ所設ける、先ほどもお聞きしたわけですが、検査協会業務といたしましては、検査を行なう事務所ごとに所定の検査設備の設置及び維持並びに軽自動車検査員の選任を行なわなければならない、このようになっておるわけでございます。この場合、当初の資本金として一億五千万円でございますが、政府が全額出資するのは当然といたしまして、追加出資の道も開かれておるようであり検して、それでも不足するときは金融機関から借り入れすることになる、このように思います。そうしますと、金利負担が増加するということになりまして、これらの資金で土地を購入して、建物を建てて、人件費を払うとしますと、収支を償うためには手数料を取ることになってまいりますけれども、その点一体一車両についてどれくらいの手数料を取られるおつもりか、その辺のところを伺いたい。
  87. 野村一彦

    野村政府委員 現在考えておりますのは、先生のおっしゃるように、当初は政府の利子のつかない全額出資の出資金、それからそれ以外の必要な経費といいますか、支出をまかなうために銀行借り入れをして、発足の四十八年度は赤字になって、四十九年度で平年度やっと黒字になる、その赤字を解消していかなければならないということでございますが、平年度になりまして、御指摘のように検査の手数料が収入になりまして、それで支出をまかなっていくということになります。そういう観点から考えますと、いま考えておりますのはそういう点と、それから既存の、現在検査の対象になっております自動車の中の小型の自動車の手数料、これは大体一件当たり六百円程度でございますが、それと同額程度の手数料になろうかというように考えております。
  88. 宮井泰良

    ○宮井委員 一般自動車が六百円ということになりますと、これが四十八年度から実施していくとしますと、当然いまの一般の大型車というのは値上げを考えておるわけですか。
  89. 野村一彦

    野村政府委員 大型車という御質問でございますが、いわゆる普通の自動車の中の、先ほど申し上げました小型車と私ども言っておるわけですが、普通車、小型車、軽自動車と、こういう分類でございまして、これが同じ六百円の金額になるようなことを予定いたしております。
  90. 宮井泰良

    ○宮井委員 もう一度確認しますけれども、それじゃ、普通自動車も六百円、軽も六百円、同じ値段になるわけですね。
  91. 野村一彦

    野村政府委員 そのとおりでございますが、まあ俗に普通自動車といわれている中の小型車とこの軽が同じになる。普通自動車の大型車はもっと高いといいますか、百円程度高いということになるわけでございます。
  92. 宮井泰良

    ○宮井委員 普通自動車の中の小型車と軽と同じということになりますと、利用する側の人たちにとっては不服が出ませんか。その点はどうですか。
  93. 野村一彦

    野村政府委員 現在、普通自動車の中で、いわゆる大型と小型とは違うわけでございますが、その差は、たとえば、いま申し上げましたように、大型が七百円になり、普通の、いま先生、小型とおっしゃいましたが、いわゆる普通車の中の小さい型のものでございます。これが六百円、それから軽が六百円というようなことを予定しておりまして、大型車と小型車との差はあるわけでございます。これは、まあ小型車と軽自動車との差がない、こういう数字でございます。
  94. 宮井泰良

    ○宮井委員 それは、差は全然ない、文句は出ないという確信ですね。それとも、この普通車の中の小型車を百円値上げしていくのか。軽を六百円にするならば、当然それは、絶対もう差はないと言い切れますか。
  95. 隅田豊

    ○隅田説明員 車の分類に関係しておりますので、私から御説明いたします。  先ほどからことばで出ております普通車、この中に小型と普通が実はあるんじゃございませんで、普通車という分類と小型車、軽自動車と三つございます。  その普通車といいますのは、あのバスとか、要するにもっと大きなものを頭に描いていただきたいと思います。それから小型車と申しますのは、普通によく使われております乗用車あるいは一トン積みの非常に小さいトラック、こういうようなものでございます。ですから、小型車と軽自動車というものが同じランキングの中に入ってもそれほど不自然なものではございません。もともと、元来軽自動車検査はしておりませんので、これは手数料関係に何も載っていなかったわけでございますが、分類としてはこの普通車と小型車とはもともと分けてある。  それで、今度の軽自動車検査をいたしますときに、軽自動車の値段は小型と含めた、こういうことでございまして、これはその実際の車を比べていただきましてもわかると思いますが、たとえば具体的な例で申しますと、小型車の一番小さい車、たとえばパブリカとかこういうような車を軽自動車と比べた場合に、検査の手数料を変えるほどの差はないということで、一つのランキングでいっても不自然ではない、これはおそらく自動車界においては不自然とは受け取られていないと思います。
  96. 宮井泰良

    ○宮井委員 どうもその辺のところがちょっと納得できないのですがね。その辺のところをひとつ明確に、今度は、何といいますか、説明というか、そういう点をよく納得いくように皆さん方も、検討というか、あれしてもらいたいのですが、どうもこれは、私はそう詳しくないですけれども、どうもやはり軽というのと普通自動車というのと違うんじゃないかというように思うわけで、まあ、これ以上は、やっておりましても時間がかかりますから、その点はよくひとつわれわれの納得のいくように、またあらゆる機会にお示し願いたい、こういう要望をいたしておきます。  次に、この協会というものはディーラーやあるいはメーカー、あるいはまた中古車業者から寄付の申し出があった場合に、これを受け付けるかどうか、この辺のところをお伺いします。
  97. 野村一彦

    野村政府委員 これは、この協会が全額政府出資ということと、それから銀行からの借り入れ金でまかなうということでございまして、そういうメーカー、ディーラーその他のものから寄付をもらうということはあり得べきでないと考えております。
  98. 宮井泰良

    ○宮井委員 よくわかりました。  そこで、将来協会検査場を予定の五十三カ所よりも拡大する考えはないかどうか。全国に散在する軽の普及度から見ましても、一県に一カ所では非常に少な過ぎる。また、一県一検査場ということになりますと、耐久性の弱い軽自動車などがそこへわざわざ検査を受けに来るということになりますと、非常にこれは使用者側にとりますと負担の拡大になってまいりますので、現行におきましても大きな府県等においては二カ所からあるいは四カ所ぐらい検査場がある、そういう観点からいきますと、将来何カ所ぐらいを予想されておるか。この点を……。
  99. 野村一彦

    野村政府委員 先ほどの御質問との関連もあるかと存じますが、発足当初におきましては、北海道を除き、支所としては一府県に一カ所でございます。しかし、その後その業務内容によりまして、また、この検査の需要というようなものの分布の状態、そういうもので特に、先ほど数県の例を先生が例示的におあげになりましたような、非常にその検査が多いということが予想される地域については、支所のまた下の分室と申しますか何と申しますか、そういう検査コースを増設するということも当然考えられることだと思います。その辺は協会がこれを実施することでございますが、運輸省としても実情に沿った行政指導をしたい、かように考えておるわけでございます。
  100. 宮井泰良

    ○宮井委員 その辺は、私が心配しておりますように、遠いところからわざわざ検査を受けに行くという、そういうことのないようにひとつ配慮をしてもらいたいということを要望いたしておきましす。  次に、この出張検査の制度でございますが、検査機器の運搬、整備というものはどのようにしてやっていくのか。これは、検査場のないところは出張してやっていくということで、民間車検場の少ない地方に対する考え方。その場合の車検というものはどのようになっておるか。そういう観点で、現在の実例というか、そういう点を示しながらひとつお答えいただきたいと思います。
  101. 隅田豊

    ○隅田説明員 技術上の問題でございますから、私からお答えさせていただきます。  先生指摘のとおり、出張車検には実は二つのことが考えられます。一つは、出張車検といいましても、相当の量がございまして、すでに指定整備工場もあり、場合によっては検査設備を、現地において施設自身を借り上げるということが可能なところ、こういうところが全国にも非常に数多くございます。現在の国の出張車検の体制も大部分はそういうことでございまして、この場合には国が施設を借り上げまして、その上で検査を機械に基づいてやっていくということでございます。  それからもう一つ考えられますのは、離島のようなところでございまして、車両数は非常に少ないけれども、とにかく出張車検をしない限りは、自動車ユーザーは車検を受ける手だてがないというところでございます。こういうようなところの場合のためには、一応まず第一に考えられますことは、私たちとしていろいろ手を打っておりますことは、ポータブルの機械をある程度用意いたしております。このポータブルの機械を使いまして、現地へ行くときに持っていってやるということが一つでございます。それからブレーキテストのようなものの場合には、これは機械がなければどうしても実はできないというものではないのでございまして、ただ、実際上非常に多くの機械を流れ作業のような形でやる場合には、これは実際上はブレーキテスターという機械を使わなければ不可能でございますが、非常に件数の少ないようなところでやるような場合には、現実の車を走らしてとめてみるというような素朴な方法でも検査は可能でございます。そういう意味で、出張検査、機械を持っていくといいましても、何も大きな、国が車検場で現実に使っているものを全部かついでいかなくてもやれるということでございますが、あり方としては以上のような二種類でございます。この協会検査も、出張検査につきましては同じような姿になるだろうと思います。
  102. 宮井泰良

    ○宮井委員 それで、現在の車検の場合、現時点で実際、実例としては、いまおっしゃったことですか。——それでは、先ほどの話に戻ってちょっと恐縮ですが、あと先になりましたが、検査場を増設するとしまして、その建設費というものは、先ほども述べましたように、地価の高騰する中におきましては、用地購入費に相当額をつぎ込むということでございますので、まあ、いまもやりとりをしたわけでございますけれども、将来検査手数料の値上げというものは絶対考えていないのか。それとも考えているのか。普通車の中の小型車と軽というものは同じ料金ですから、その場合に普通車の小型車の値上げをまた考えておるとか、こういうふうなことは、地価が高騰する中で用地購入費に相当額をつぎ込むだけに、私たちはそういうことを考えるわけですけれども、その点はどうですか。
  103. 野村一彦

    野村政府委員 先生指摘のように、たとえば経費が非常にかかったからそれを直ちに値上げに転嫁するというようなことは考えておりません。現存の制度は法律でもちまして全部を通ずる検査手数料のワクをきめてあるわけでございます。その法律の範囲内で具体的に政令で金額をきめている、こういうことでございまして、そこにそういう一つの大きな制限があるわけでございます。したがいまして、この協会の経理内容ということは、協会の経費がかさまないようにいろいろ努力をしなければならないわけでございますが、そのために経費がどうしてもまかなえないから安易に手数料を改定するというようなことはないようにいたすつもりでございますし、またそういう方向でいけるものと思います。
  104. 宮井泰良

    ○宮井委員 いたすつもりでおりますということではちょっと困るのですね。はっきりひとつお答え願いたいのですが、それはそれとしまして、その次に検査員というものは当初五十三カ所で村名くらいを予定しておるわけですか。
  105. 野村一彦

    野村政府委員 全体の職員の中で全国を通じまして、発足当初はいわゆる検査員としての資格を持った検査員は百二、三十名というふうに考えております。
  106. 宮井泰良

    ○宮井委員 百二、三十名をお考えになっているということですが、この充足というものには確信があるのかどうかということですね。実際技術をマスターした者の確保というものは絶対できるか。この点はどうですか。
  107. 野村一彦

    野村政府委員 先ほどの先生の御質問とも関連すると思いますが、民間との兼職禁止の規定はございますけれども民間をやめておいでになるということであれば、これは何ら法律に抵触するものではございません。そういうことで局間にも私どもは相当の給源を期待しておるわけであります。  それともう一つ、最近の整備士の技能検定試験を受ける人々の数を見ましても、大体一年間に十万くらいの方が受験しておられる。もちろんそれが全部検査員になり得る技術能力を持っているというわけではございませんが、そういう給源があるということを考えますと、現在は非常に人手不足の時代でございますけれども、相当協会としても努力し、また役所としても行政指導するということで、ぜひ民間からそういう大ぜいの方を出していきたい。そして要員の確保をいたしたいと思います。  なお、私先ほど百二十名ほどと言いましたのは、これはもちろんいわゆる資格を持っている正式な検査員でございまして、そのほかそこまで至らないけれども検査員業務を補助するという人もあるわけでございます。そういう人々を養成していくということによって確保することも考えられるわけでございます。
  108. 宮井泰良

    ○宮井委員 そこで、これはちょっと関連して、話が飛ぶようですが、自動車重量税ですね。これについてちょっとお伺いしたいのですが、現状の一律七千五百円、これに据え置くのかどうかということと、重量税というものは車検時に徴収という原則からいたしますと、将来どうしていくのか、この点をちょっと……。
  109. 野村一彦

    野村政府委員 税金の基本的な問題につきましては、私、税務当局ではございませんので、必ずしも全般的なお答えはできませんが、現在審議をお願いいたしております法案におきましては、自動車重量税が、種類のいかんを問わず軽自動車は一回七千五百円ということになっておりまして、附則でもちまして、これを当分の間維持するということでございますので、今度の軽自動車検査の対象になったために、軽自動車の納むべき金額あるいは納め方というものは変わりませんで、一回七千五百円という現状が当分の間維持される、こういうことになっておるわけでございます。
  110. 宮井泰良

    ○宮井委員 重ねてお伺いしますが、重量税は車検時徴収ということが原則ですね。そうしますと将来どうするか。ボディがだんだん大きくなったりあるいは重さも重くなっていくというようなことですね。そういう場合の具体的なことをお伺いしたい。
  111. 野村一彦

    野村政府委員 私がただいまお答えいたしましたのは、軽自動車についての重量税の問題でございます。軽自動車以外の自動車の重量税ということになりますと、これは税制の基本的な問題でございますので、私から的確なお答えはできないと思いますが、軽自動車につきましては、いま申し上げましたような現行の金額、方法が当分の間維持されるということでございます。さように御承知おき願いたいと思います。
  112. 宮井泰良

    ○宮井委員 それじゃその当分というのはいつごろまでですか。
  113. 野村一彦

    野村政府委員 当分といいますのは、期間は明示されておりませんし、これも大蔵省の所掌でございます。私どもは別段の措置がされない限り——当分というものは、従来の例によりますと、相当に長い期間もありますし、そうではない期間もございますが、自動車重量税はでき上がったばかりでございますので、私のほうからもちろんこれを積極的に改定をするというようなことは考えておりません。改定を考えるというようなことはいたしておりません。
  114. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま自動車重量税の問題でございます。当分の間についての御質問でございます。ここに御専門の徳安先生おいでになるので、私からあれでございますが、実は重量税、当分の間、これはもちろん国会の御審議、国会でおきめなさることでございます。私ども軽自動車につきましては、あくまでも慎重な態度をもちまして、今日の状態を相当長く続けてまいりたいという意見を、私どもは強く持っていくつもりであります。さよう御了承願いたいと思います。
  115. 宮井泰良

    ○宮井委員 その辺のところもさらにまた今度突っ込んでお伺いしたい。こういう問題もまた一応保留いたしておきます。  次に、第七十六条の三第十一に「軽自動車検査設備」というものがありますが、機械の種類ですが、具体的に機械設備はどのくらい整備するのか、その点をお伺いしておきたい。
  116. 隅田豊

    ○隅田説明員 機械の設備といたしましては、国が現存やっておりますものと種類としては変わりはございません。ただ現実の機械は、軽自動車専用の機械でございますので、比較的小型軽量のものになるかと思います。  御参考までに名前を申し上げますと、サイドスリップテスター、ブレーキテスター、速度計試験機、テストリフト、音量計、前照灯試験機、一酸化炭素測定器、重量計、この辺が現在考えられておるものであります。国のいままでのものと同じでございます。
  117. 宮井泰良

    ○宮井委員 この機械類はわかりましたが、これらのものは民間指定工場検査設備の基準と同じなのか違うのか、その辺はどうですか。
  118. 隅田豊

    ○隅田説明員 継続検査をやるものとしては同じでございます。いま申し上げました機械の中で申しますと、重量計は一般の指定整備工場では要らないだろうと思います。
  119. 宮井泰良

    ○宮井委員 そうしますと、大体これに要する資金というものは幾らくらいかかるものですか。
  120. 隅田豊

    ○隅田説明員 一コースつくる場合を考えますと、機械だけで大体七百万程度でそろえられると考えております。
  121. 宮井泰良

    ○宮井委員 次に、この検査設備場設置費用は幾らぐらいかかるわけでありましょうか。一検査設備場が大体幾らぐらいで、全国五十三カ所で大体幾らぐらいになるか、この点をお伺いします。
  122. 隅田豊

    ○隅田説明員 一コースあたりで申し上げますと、土地のほうは単価としてはちょっと各個ばらばらになっておりますので、平均で申し上げてもあまり御参考にならないと思いますが、建物と施設、土地単価は一平米当たり一万五千円を一応の計算の基礎としてやっております。一コースで計算いたしますと、大体この検査施設の概算は二千四百万くらいでできるだろう、こういうふうに考えております。
  123. 宮井泰良

    ○宮井委員 それでは今度五十三カ所で大体幾らになるのですか。   〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
  124. 隅田豊

    ○隅田説明員 全体を合計いたしますと、十九億ちょっと、約二十億近くになるものと思います。
  125. 宮井泰良

    ○宮井委員 そこで、一億五千万で土地を求めてあるいは建物を建て、整備をいたしまして、これはとうてい間に合わないと私は思うのです。この資金につきましては七十六条の五の2において増資ができることになっておる。借り入れをすることについての規定は第七十六条の三十六で定められておる。大臣の認可を受けることになっておるわけですが、その最高額について法では規定されてないように思うのですが、大臣が認可するかしないかで押えていくのかどうか、その辺はどうなんでしょう。
  126. 野村一彦

    野村政府委員 資本金の金額につきましては先生指摘のように法律に書いてございます。借り入れ金は大臣の認可でございますので、その限度については大臣の認可にかかるわけでございますが、その大臣の認可という場合は当然健全な経理内容と、それから先ほど斉藤先生の御質問にも関連いたしますが、十分利益をあげるようなものでもない、あげるべきものではないという協会の性質、それから協会としての公共性からくる御判断によって適正な額というものが認可の対象になると思います。そういう意味で無制限な額ということは考えられないわけでございます。
  127. 宮井泰良

    ○宮井委員 次に、東京の足立にございますところの0というある整備工場をわが党の松本委員と一緒に今回の法案審査にあたりまして私は見てきたわけでございます。これは四十七年三月に認可になったものでありまして、普通自動車専門であります。それもトラックばかりでやっているところである。   〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 いろいろと聞いてみますと現実に軽の車検はやれない、こういうようにいっておるわけでありまして、それはなぜかと申しますと人手の問題がある、こういうことであります。機械設備というものはまあまあできる。しかし現状といたしましては、現在の施設の資金回収もまだできてない状況ですけれども、その上に新しい施設を中心に設置していくわけでありますが、その機械設備はできるとしましても、どこが難点かといいますと人手が集まらない、こういうことですが、その点はどのようにお考えになっておるのでしょう。
  128. 野村一彦

    野村政府委員 自動車分解整備事業、ことに中小零細企業の多い企業の経常にあたりまして、現存の社会、経済状態から非常に人手不足という現象が多いことは私どもよく存じておるわけでございます。これは、基本的にはこの整備事業の育成をはかって極力機械化、省力化をするというようなことで人力の合理的な活用という方法を講じなければならないと思いますが、基本的には企業の基盤を強化していくということであろうと思います。  そういう意味で先ほど申しあげましたが、私ども民間検査員等の技術者を期待するわけでありますが、民間のそういう現状にかんがみまして、これをたとえば勧奨して引き抜くとかそういうようなことのないように、その辺は十分実情に合わせまして考えるということで、民間の警備工場の人手不足ということにつきましては、私ども別の面の行政指導でできるだけこれをお助けするということでやっていきたいと思います。
  129. 宮井泰良

    ○宮井委員 先ほどの答弁では、その辺は民間のほうからあれしまして協会へ持ってくるという答弁があったわけですが、いまお聞きしておるとそういうものは引き抜かないようにします。この答弁の食い違いはどうなんですか。
  130. 野村一彦

    野村政府委員 私が申し上げましたのは、比較的大きな企業等で、そういう技術者の給源というようなものについても相当の手当てができておるようなところで適任者があればそういうところから給源を期待するということで、たとえば、先生指摘のような中小企業者で現に人手不足で困っておるようなところから引き抜くというようなことはいたすつもりはございません。そういうところで無理をして人をかき集めるということでは決してございませんので、その辺は民間につきましてもいろいろ企業の実情に応じて協力をお願いするということでございます。
  131. 宮井泰良

    ○宮井委員 それでは中小企業その他そういった人手不足で苦しんでおるようなところから絶対そういうことはしない、こういう確約ができますか。
  132. 野村一彦

    野村政府委員 御質問趣旨に十分沿って善処いたす考えでございます。
  133. 宮井泰良

    ○宮井委員 先ほどの答弁の食い違いという点は後ほどに保留いたしておきます。確かにそういう意味の答弁であったのかどうかは、いろいろ議事録をよく調べてなお質問をするということを、よろしく委員長にもお願いしたいと思います。  次に、この整備工場の現状というものをここでちょっと述べますと、二級整備士一名、二十四年間経験、年齢五十歳、同じく二級整備士三人、これは十五年以上の経験です。これは年齢でいきますと三十歳代、あと非常に経験が少ない者が十人おるわけです。その内訳としましては二級整備士が二年の経験者が二人、三級整備士、これは三年経験、これが六人、あとの二人は無資格である、この工場はこういう現状であります。そこで新規募集の張り紙を一年じゅう工場の入り口に掲示してあるわけです。安定所にも申し込みを一年じゅうしておるわけです。新聞広告も高いお金を出してやっておるのですが、なかなか来ない。昨年の実績は、六人来ましたけれども結局定着しなかった。このところ若干来て、最近二名入ったそうでありますが、それも定着するかどうかということは非常に疑問になっているのです。そういうことなので、この点の実態を安易に考えてもらっては困るので、ここでただ答弁しておけばいいという問題ではありません。その点は大臣どうですか、見解を……。
  134. 野村一彦

    野村政府委員 ただいま先生が御説明になりましたように、おそらくこれは指定整備工場だと思いますけれども、指定整備工場であってもなかなか人手不足であるという実情先生のお話で私どもよく理解できたところでございます。しかしながら、これは技術者でございますので、普通の人手不足と事情が違ってなお深刻であろうと思います。そういう意味におきまして、先ほどちょっと申し上げましたが、整備士の技能検定を受験するという人は、年間十万人程度の者が受験をしておるわけでございまして、そういうことで技術者の給源というものはかなりあるわけでございます。したがいまして、そういう方が中小企業等の整備工場に就職をし、定着されるにはどうしたらいいかということは、私どもも十分真剣に検討をして、そして業界の意見を聞きながらやっていかなければならぬ。それにはやはり労働条件の改善というようなこともあろうかと思います。そういうことを考えますと、全体としての指定整備事業の企業の基盤を強化していって、そしてそこを魅力ある職場にするということで、せっかく毎年多人数受験しておられるその技術者の給源というものをできるだけ——労働条件の改善等も業界にやっていただいて、そういうところに吸収し、定着するような方策を十分検討したいと思いますけれども、ひとつ先生方にもよろしく御指導をお願いしたいと思います。
  135. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま自動車局長から御答弁いたさせましたが、技能者の確保ということは、ただいま宮井先生から御指摘がございましたように、これはいま非常に容易ならぬ深刻な事態に立ち至っておるという次第でございます。ただいまは軽自動車整備士の問題でございますが、あらゆる点につきまして私ども運輸行政を担当いたしておりまして、その技能者をいかにしてこれから確保するかということの根本策をどういうふうに持っていくかということは、いま非常に焦慮いたしており この対策に苦心をしておる次第でございますが、これはいま自動車局長が御答弁申し上げましたように、やはりどうしても労働条件の改善ということがまず第一の問題だろうと思う次第でございます。  そこで、この労働条件の改善をいかにするかというのは、中小企業におきましては中小企業の経営が健全になっておるか、中小企業を育成する諸政策が適切に行なわれているかどうか、これをいかに強力に行なうかということと相まって行なわれる次第でございまして、これら政治の努力というものが一番大切な次第でございますので、私どもも極力その方面でつとめてまいりたい。いま先生がおっしゃったような技能者を確保できませんと、せっかくいろいろの施策をいたしまして、設備をいたしまして協会つくりましても、ほんとうに何にもならないという結果になる次第でございまして、根本の一番大きな問題でございますので、私どもも極力努力をするつもりでございますから、また一そうの御鞭撻と御協力をお願いする次第でございます。
  136. 宮井泰良

    ○宮井委員 重ねて私はここで言っておきたいのですが、この工場などでは、現状を拡大して仕事を取る必要はない、十分採算がとれておるから軽の車検などはもうごめんこうむる、こう言っておるわけであります。もちろんここは普通車でございますけれども、小型をやっておるところでもなかなかすぐというわけにはいかないことでありまして、軽自動車検査協会でやれない分を民間にやらせるというお考えでおっても、いま述べましたように、当初から民間を当てにしているようでは向こうからはずれていく、こういうことを強く思うわけです。その点はどういう御見解をお持ちですか。
  137. 野村一彦

    野村政府委員 おっしゃるように、現在の指定整備事業者の形で今後軽の指定を受けるかどうかという問題は、それぞれのお客筋と申しますか、またその企業内の需要によりましていろいろな立場のことがあると思います。私ども基本的に考えておりますのは、将来軽の検査をやります場合に、大体官側と申しますか、協会が五〇%、あとの五〇%を民間の軽の指定整備工場に期待をしておるわけでございます。もちろん軽の指定整備工場には、軽だけをやり得るような設備、人員の指導をやりますと同時に、小型の中でも、そういう軽に適切な設備をすれば、小型をやっておられる方も受けられるということでございます。その辺は御本人といいますか、その企業の希望によってこちらは指定をするわけでございますので、無理やりに軽の指定をふやすために指定をするということではございません。基本的には半分は協会がやり、半分は民間指定工場でやりたいという計画でもって発足をしたいと考えております。
  138. 宮井泰良

    ○宮井委員 まだたくさんこれから聞きたいこともございます。こちらから聞いてもらいたい意見も十分持っておりますが、時間がございませんので、あとはまた保留をいたしておきたい、このようなことを申し上げまして、終わります。
  139. 小峯柳多

    小峯委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕