○増田
委員 私は元来当
委員会に所属しておりますけれ
ども、発言しないことを旨としておるわけでございますが、きょうは年来
考えておることを発言するわけでございます。別段昔
運輸省におったからとか、そんなような
関係で発言するわけではございません。
年来
考えておったというのは、三、四十年前から
考えておりました、内燃機関の
排気ガスというものが非常に空気を汚濁する。このことについては、もう
公害なんということをいわれる前から一生懸命でございました。
日本は、御承知のとおり、内燃機関の気筒容積の体積が七百五十CC以下の場合には特別な計らいをいたしまして、わが国はもう三、四十年前、すなわち第二次大戦以前にすでに欧米等に
小型自動車の進出を見たわけでございます。戦後におきましては、なかなか国内産
自動車というものはうまくいきませんでしたが、
運輸省と通産省との奨励によって、いまやまた昔あるいは昔以上に世界を風靡しつつあるというようなことは、私は慶祝にたえないと思っております。両当局の御
努力を感謝いたします。
それから、三百五十CC以下の
軽自動車につきましては、私は
協会の顧問というものももう四十年来やっておりますから、そういう立場から申し上げます。
いま同僚の
關谷さんから
公害ということについてもっと
研究してほしい、
公害という字を入れてほしいというようなことがございましたが、私はそのことについてはきわめて熱心でございまして、
公害基本法ができましたときに——
大気汚染、水質汚染、土壌汚染、この
三つの汚染のうちのカドミウムとか水銀とか農薬とか、そういうようなことはもちろん重大でございますけれ
ども、きょうは申しません。私は
大気汚染によって人類は死滅しつつあるとか、あるいは水質汚染によってバルテック海はほとんど死滅した状態に、近くなるのであるというような論文等を見ますと、
日本に比べると、
日本の瀬戸内海のほうがもっと狭いのですから、早くなりやせぬかというような心配もございますが、これは別段
自動車に
関係ございませんから、私は申し上げません。
大気汚染のことを申し上げます。
大気汚染は、工場排水とかあるいは水銀とかカドミウムとかシアンとか、そういうもの以上に人類の生存に害悪を与えておると私は思います。その主なるものは私は
自動車であると思います。都会へ入ってきて、
自動車が二千万台ある、単車を加えると三千万台近くあるということは、人口密度、面積から見まして世界一だと私は思っております。東京へ飛行機で入ってきましても、あるいは汽車で入ってきましても、どんよりした気分で、これでは子供を養育するのに非常に悪い環境であるという感じがつくづくいたします。
そこで、私が、
自動車局長を含めて、
自動車局長を部下としておる丹羽運輸大臣あるいは通産大臣、総理大臣にも申し上げたいことは、内燃機関、つまり
排気ガスというものは炭酸ガスでも害があると思います。いわんや一酸化炭素を出しまするし、また気化した状態において鉛も入れますと、オクタン価はふえるということでこれはだんだん規制をされているようでございますけれ
ども、炭酸ガスを出すだけでもたいへんな害であると私は思っております。そこで炭酸ガスを出さない
方向に向かって
自動車を
研究してほしい、こう思っております。それは電気
自動車でございます。どんなメーカーか私は知りませんよ。ただ、いまから三十年ばかり前に北海道で知事をしておったときに、東京において私の使った
自動車は電気
自動車でございまして、時速は四十キロでチャージをするのに非常に時間がかかりました。ドライバーも泣いておりましたけれ
ども、いま夜は溶鉱炉の火を落とさないと同様に、重油をたく発電所の火は大体落とさないと私は思っております。そうすればどうなるかというと、電気はいたずらに放電しておる状態でございます。たまには揚水式発電所、つまりポンプアップで電力を逆流させまして、そして揚水式発電所というものもこのごろはちょいちょい開発されておりますけれ
ども、ラッシュアワー以外の電気というものは私は放流されておる状態であると思います。これは経済的に見ても非常に惜しいことでございまして、あの万博みたいなちゃちな電気
自動車でなくて、いまは時速六十キロの
自動車が電気
自動車として開発されているそうでございます。その蓄電池をつくるときに鉛か何かを使うという話でございますが、それはまた工場廃液とかそういうような
関係で留意されるとともに、ぜひとも運輸大臣が主となって通産大臣等と相談し、総理大臣と相談して、自後五年以内には内燃機関のガソリンもしくは重油の
自動車は政令都市その他の大都市においては使ってはいけないというような法令をつくる。東名
道路やそういう
道路は別問題でございます、これはやはり出力がないといけませんから。とにかく東京都と郊外を結ぶ
自動車なんかは、最初ライセンスを与えておいて、そして内燃機関でもいたし方ないけれ
ども、東京都内を往復するような
自動車は内燃機関であってはいけない。これは
自動車公害のおもなるものでございますから、ぜひこのことをやってもらいたい。
公害基本法ができまして、環境庁はできましたけれ
ども、まだ魂が入っていない状態でございまして、私
どもの
公害というのは東京都が非常に空気が悪いということなんです。大阪市が空気が悪いということであり、福岡市が空気が悪い、北九州市が空気が悪い。要するに政令都市が空気が悪い、その他の相当の都市が空気が悪いということでございまして、その都市に住んでおったらもう子弟は健全に育ちませんし、われわれ自身もお互いが寿命を縮めておるわけなんです。でございますから、
意見を兼ねた質問でございますが、大臣においてこれこそはいわゆる蛮勇のうちの蛮勇だと私は思います。そこでいまから言ったっていいと思うのです。
行政というものは何も
法律を施行するばかりが
行政ではございませんから、勧告
行政もございますし、申しすすめるという
行政もございます。いま
日本には相当な大メーカーがございます。そのメーカーの名前はいいませんけれ
ども、世界的にも有名なるメーカーがたくさんございますが、
日本が率先して蓄電池による推進力を持った
自動車を使うようにいたしていただきたい。それを最も近い将来、われわれの寿命があってまだぴんぴんしておる間に東京都にはもう大体スモッグはなくなった——
自動車は動いておる工場でありますから、動いておる町工場が東京都の中に五百万台あるわけでございますから、そういうことがないようにぜひとも御留意願いたい。
公害という字を
關谷さんのおっしゃるとおり入れていただけばなおけっこうでございます。大臣はきょうはほかの案件でここへお出ましのようでございますから、簡単に申し上げておきますが、真剣に御
研究なさって
行政措置として、それから将来は立法措置としてやっていただきたいことを、質問並びに
意見を開陳いたしまして、やはりしっかりやるという御
答弁をいただきたいと思うのであります。