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1972-04-05 第68回国会 衆議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年四月五日(水曜日)     午後零時十三分開議  出席委員    委員長 小峯 柳多君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 徳安 實藏君 理事 箕輪  登君    理事 内藤 良平君 理事 田中 昭二君    理事 河村  勝君       石井  一君   小此木彦三郎君       佐藤 守良君    塩川正十郎君       關谷 勝利君    福井  勇君       山村新治郎君    金丸 徳重君       久保 三郎君    斉藤 正男君       松木 忠助君    宮井 泰良君       田代 文久君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君  出席政府委員         運輸政務次官  佐藤 孝行君         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 中村 大造君  委員外出席者         参  考  人         (日本鉄道建設         公団総裁)   篠原 武司君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正巳君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案(  内閣提出第四三号)      ————◇—————
  2. 小峯柳多

    小峯委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案について、本日、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君を参考人として出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  4. 小峯柳多

    小峯委員長 日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。斉藤正男君。
  5. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 過日のお尋ねに引き続いて、特に大臣の御出席をいただきましたので、主として大臣に伺うわけでありますけれども、関連をいたしまして、鉄監局あるいは建設公団側にもお尋ねをいたしたいと思うわけであります。   〔委員長退席箕輪委員長代理着席〕  その第一は、今回の鉄建公団事業拡張に伴いまして理事一名増員法改正で出ております。伺いますと、総裁監事につきましては大臣任命、副総裁理事任命につきましては、大臣承認を得て総裁任命をするという手続であることを伺いました。そこで、今度公団も、もし法案が通り、実際仕事をするという段階になれば、機構も改革をして、現在ある幾つかの部に並べて民鉄部といったようなものを設ける予定だ、こういうことを聞いているわけであります。当然であろうというように思うわけでございますが、この際私は、公団役員任命が直接大臣任命であったり、あるいはその承認事項であったりということから、大臣見解をまず承りたいのでありますけれども、発足して八年というような公団でございますから、まだまだ機構人材も十分だとはいえないという言い方もあるかとは思いますけれども、現在就任されている総裁以下、副総裁理事監事の経歴を調べてみましたが、だいぶ鉄道とは関係のない、よそのほうから来ている方があるわけであります。もちろん鉄建公団だから運輸省なり国鉄関係者以外が入ってきたんではまずいじゃないか、そういう言い方はいたしません。いたしませんが、今後このような形でますます事業量も増大し、仕事の範囲も、いわゆる国鉄建設だけでなくて、民鉄のお手伝いもするというようなことになっていくとするならば、私は、ますますその機構整備をされ拡充をされなければならぬというように思う一人であります。そういう意味から、この役員構成を調べてみますと、国鉄なり運輸省関係者が現在六名、警察畑出身と思われる方が二名、大蔵関係が一名、会計検査院から一名というような形になっておりますが、相なるべくは、私は、庁内から人材を登用し、公団の本来の仕事に熟練した皆さんが当然役員にもなっていくという方法をとるべきであろう。一般的な言い方でありますけれども、そういうように考えているわけであります。ともすれば、名前をあげませんけれども、何でこの人が一体鉄建公団へ入ってきたのだろうと思うような方もないわけではございません。ぜひ鉄建公団内部から人材を登用し、本来の仕事に知悉をした皆さんでやっていくべきだ、このように思うわけですが、その点どうお考えになるか。  もう一つは、今度の法改正によって民鉄部というようなものがもし設けられるとしましても、理事一人の増員だけでは済まないはずであります。一体事業量の増加に伴って、現在でも二千三百五十八名ある総定員ワクが変わってくるのかどうなのか。変わらなければ、これは仕事にならぬというように思うわけですが、数字等につきましては関係者からでもけっこうですが、大筋の点は大臣からひとつお答えをいただきたい。
  6. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま、鉄建公団民鉄部と申しますか、民有鉄道に対する鉄道敷設につきまして新しき機構を設けるにつきまして、理事、またその定員につきまして貴重な御意見を拝聴いたしました。まことに感謝している次第でございます。もとより鉄建公団といたしましては初めての仕事でございまして、民鉄側期待も非常に大きなものでございます。また国民期待も非常に多かろうと思う次第でございますので、その理事適材を得るかどうかということは非常に大きな問題でございますので、いまの御意見も踏まえまして、これは人事でございますから、いま私から申し上げるわけにはまいりませんが、十分踏まえまして、認可にあたりましては十分検討して、適材を適所に与えるようにいたしてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。また事業がふえまして人数がふえるのは当然じゃないかという御質問でございますが、私もさように考えておる次第でございます。詳しいことは鉄監局長から御説明申し上げさせたいと思います。
  7. 山口真弘

    山口政府委員 今回鉄道建設公団がこの私鉄関係工事を行ないますについての組織あるいは定員でございますが、それにつきましてはただいま先生指摘がございましたように、公団としては全く新しい業務を遂行するわけでございます。しかも地方鉄道法あるいは軌道法といったような関係、そういったような地方鉄道軌道建設整備、運営というものと密接な関係のある仕事をやるわけでございますから、そのほうの規制についてもよく知っていなければならぬ。あるいは地方鉄道業者等とのいろいろな連絡調整の問題という点につきましてもこれを十分に知悉しなければならぬということで、従来の公団業務遂行と全く異なる仕事をするわけでございますので、これに関します組織というものもはっきりさし、その必要な定員も置かなければならぬと考えておるわけでございます。そういう方向で実はいま大蔵省と折価中でございますが、まだ具体的にはきまっておりません。先生おっしゃいましたように、これははっきりさせまして、定員もふやしまして仕事をやってまいる、こういうことで考えております。
  8. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 大臣、いま建設公団がやっている工事中の線は五十七線あるわけなんです。これはいろいろな情勢のもとで建設線になり、鉄建公団が分担をしている路線でありますけれども、五十七線という数そのものがたいへんな数であって、これにごくわずかな建設費を分散いたしましてやっているわけでありますが、過日、私は鉄建公団総裁伊豆急の例を出しまして、この伊豆循還鉄道につきましても調査線になっているし、いつかは国鉄鉄道敷設をやろうと思っていたことは間違いないけれども、あの伊東−下田間だけでももし国鉄がやるとするならば、いま建設線の五十七線ベースでいくと、早くて十年、普通なら十五年ぐらいかかるんじゃないか、それを幸か不幸か東急がやったので二年でできてしまったが、おそらく国鉄がやれば、早くて十年、普通なら十五年かかる仕事だ、こういうようないやみもちょっと言ってみたのでありますけれども、このことはいまやっている五十七線につきましても、成田、上越の新幹線は別といたしまして、少なくとも五十五線は同じことがいえる、このように思うわけでございますが、特に私がお尋ねしたいのは、大臣数字のことでございますから担当の方にお答えさせていただいてけっこうでありますけれども、たとえば四国阿佐線という線があります。これは阿波土佐を結ぶ四国循環線でございますから阿佐線という名前がついているわけでありますけれども、何と四十五年度のこの予算が五千万以下なんです。ここに私は、四十五年度どれだけ予算がついたかという一覧表をいただいているわけでありますけれども、四十五年度までに二十一億投入いたしましたが、四十五年度は五千万未満だというのです。どういうことでこういう五千万未満ばかりの金を四国幹線とも思われる阿佐線へつけなければならないのか、つけたのか。これではまさに四国は、四十八カ所の巡礼が歩いて回るところを残しておくために、環境庁長官あたりから何か御指示でもあって、鉄道をつくると巡礼汽車に乗ってしまう、あそこはやはり歩いて渡ったほうがいいのだというようなことで、前向きの姿勢で四千万ばかりの予算にしたのか、私はどうも理解に苦しむわけであります。もしこの数字が違っているなら、鉄建公団は私に違った資料を渡したわけでございますから弁明していただかなければなりませんけれども、金額はとにかくとして、大臣、こういうことを五十五線——武蔵野線などは二百四十四億、当然ですがこれはついておりますから、重点的に配備をしたというならば、それでは阿佐線は重点じゃないのか、こういうことにもなるのですが、まさに阿波から土佐鉄道を敷くとなると、これじゃ十年かかるのか十五年かかるのかわからぬ、こういうように思うのですが、大臣いかがですか。   〔箕輪委員長代理退席委員長着席
  9. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいまの阿波と高知を結ぶ、これは四国環状鉄道として重要な路線であることは私も承知しておる次第でございます。これにつきましては決して他意があるわけじゃないと私は考えている次第でございますが、用地買収その他につきまして非常におくれておりまして、そういうことで今回おくれて、予算のほうも予算消化ができなくちゃいかぬというのでおくれたというふうに聞いておりますが、詳しくはひとつ鉄建公団総裁から説明いたさせます。
  10. 篠原武司

    篠原参考人 ただいま御指摘のありました線が公団でやっているのに非常におそいというお話でございますけれども、実はA・B線とC・D線と非常に違うのでありまして、A・B線が完成いたしますと、国鉄の経営が楽になるようにということで利子のつかない金、いわゆる出資金を使っております。したがって出資金ワクが非常に窮屈でございますので、A・B線スピードがどうしてもおそくなるというのはやむを得ないと思います。それからC・D線になりますと、たとえば東京の外環状線なんかは二千億以上の大きな工事費が要るのでございますけれども、これもほとんどできかかっておりまして、武蔵野東線、西線なんかは、本年度中にはでき上がるというようなかっこうになっておりまして、これは非常にスピードが早いと思っております。ただ、ただいま御指摘のありました阿佐線につきましては、四十五年度は予算といたしまして事業計画六億六千万円をあげておいたのでございますけれども、実は安芸市内用地買収が非常に難航いたしまして、用地買収が非常におくれて、結局路盤工事に着工できなかったものですから決算が非常におくれた、非常に少なくなった。したがいまして四千九百万円、五千万円も欠けるような結果になったのでありまして、この点私どもとしては鋭意工事を進めるように努力しております。今後もやっていくつもりでございます。
  11. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 事情はわかりましたが、やはり五十五線にわたって重点的に予算を配分をするということもわからないわけではありませんけれども、何といいましても用地買収が先になることでありますから、そういう事情でおくれたということは了といたします。  そういたしますと、総裁なおお尋ねいたしますけれども、それはもはや解決して、四十六年はこの阿佐線については一体どういう形になっておりましょうか。
  12. 篠原武司

    篠原参考人 実は安芸線用地買収は非常に難航したのでございますが、一応用地買収の交渉も終わりまして、一部路盤着工という形に進んでまいっております。  それから、もう一つの問題は、その根元にありますいわゆる土佐電鉄、これを買収するといいますか、つまり土佐電鉄施設買収いたしまして、これに鉄道計画を乗せまして工事を進めませんと、実際に全面的な開通ができませんので、こちらのほうもいろいろ研究いたしまして、わりあいにここは人口の多いところでございますので、乗客も多いし、なるべく早く近代的な施設で経営しなければならぬということで、いろいろ計画を進めております。したがいまして、今後において、なるべく早くこれを解決してまいりたいと思っている次第でございます。
  13. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 了解しました。  そこで、もう一つ大臣もこの地図を見ながら私のお尋ねを聞いてもらいたいと思うのです。  宮崎県かと思いますけれども、高千穂線というのがございます。国鉄地図でいうとナンバー四十九です。延岡から日ノ影まではすでに完成して、汽車が走っておる。また北のほう、高森立野間も走っておる。ところが、色で分けてありますように、延岡日ノ影間、高森立野間はいずれも「自動車にゆだねるべきとされた線区」こういうことになっておって、これはしかるべき機関答申だろうと思うのですが、この答申をそのまま実施するとなると、「自動車にゆだねるべきとされた線区」で南と北をはさまれたところを、一生懸命鉄道を敷いているわけであります。おわかりでございましょう。鉄建公団としては、こういうことをやれといわれているからやっているんですということで、あまり責任はないと思うんですが、大臣としては、しかるべき機関から列車を走らすのはやめてバスにせよという答申が出ているのに、何食わぬ顔でそれにはさまれたまん中の区間で一生懸命鉄道を敷くような仕事をやっているわけだ。これは高千穂線だけではなくて、全国にも無数にあるわけであります。これは過日、私がお尋ねいたしましたように、でき上がったとたんに廃止予定線になる線であります。こういうものを、建設線になっている、予算もついているということで、旧態依然としてやることに矛盾を私は感ずるのでありますが、大臣矛盾は感じませんか。いかがでございましょう。
  14. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 いまの高千穂線の問題でございますが、私、一般論としまして、この前の国鉄諮問委員会から出ましたいわゆる廃止線二千六百キロですか、これについては再検討する必要があるのじゃないかということを考えている次第でございます。  先般来、いろいろお話もございましたが、ただ現在だけでなく、将来の立地条件あるいはまた工場再配置その他の点を考えまして、短絡することによりましてその鉄道が非常に輸送需要が伸びてくる、地方の開発に役立つというものにつきましては、やはりこの際もう一ぺん見直しまして、そして必要性があるものは、新線をそこに敷設するということが必要ではないかということでございまして、ただいま二千六百キロにつきましては、全面的にひとつ再検討してみろということを私は命じている次第でございます。  それから、今回新しく予算をお認めいただきますると、A・B線につきましても二百億円ついておりますが、それらも見合わしまして、全体として、今日の現状において、あらゆる面からいきましてこれは代替輸送で十分というところは、もちろん地元の御納得をいただきましてこれを廃止するという強い姿勢で臨む次第でございますが、現在だけでなく、将来の見通しといたしまして鉄道輸送が適当であるというようなところにつきましては、やはり国鉄の置かれているところの使命からいたしましても、たとえ現実の問題として少々の赤字が出ましても、これは敷設することが必要じゃないかというふうに考えている次第でございます。  具体的の高千穂の例は、事務当局から御説明申し上げますが、考えといたしましては、そういうことでいま再検討を命じているところでございますので、御了承願いたいと思う次第でございます。
  15. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 大臣からお答えをいただきましたので、その他無数にありますけれども、例をあげてのお尋ねはやめます。しかし、やはり権威ある国鉄当局なりあるいは鉄道建設公団からこういう明らかな、一見して小学校の子供でもわかるような図面が出されていますと、一体どういうことだということになるのですよ。したがいまして、私は役所のスローモーは一応認めますけれども、スローモーもひど過ぎる。たとえばこの間只見線開通したばかりでありますけれども、地元では非常に喜んでいるし、只見線採算性はとにかくとして、よく開通をしたというようなことがいわれておりますが、この地図でいえば、その西並びに東は、やはり汽車じゃなくて自動車が好ましい線だということになっているわけであります。こういう点はもう一度洗いざらい、しかも短時日の間に、特に時代の趨勢を反映させるような方向で検討して、たとえ建設線であっても、これはだめだというのはやめる、そして、これはいいと思うものはやはりやるという確固たる方針をぜひ一刻も早く確立していただきたいというように思うわけであります。  このことは、大臣佐藤内閣はいつまで続くのかわかりませんが、だれが総理、総裁になっても、わが党が天下をとっても、私はあなたに運輸大臣をやってもらいたいと思っていますけれども、よく言い継いで、緊急なことは省内の課題の一つとしてぴちっとしていただかないと、地元の住民が迷惑をする。われわれ地元の要望をになって国会に籍を置く者も、実は複雑な背景を背負っているわけであります。しかし、国民の足を守り、国鉄を本来の国鉄にするというにしきの御旗のもとには、き然確固たる方針が確立されなければならぬ。建設線だから、建設公団にはこれだけはやらせる、国鉄自身はこれをやるのだというようなことで、いたずらに事業量がふえる一方で、実はでき上がれば廃止線だというような矛盾は、あなたが大臣のうちに決着をつけてもらいたい。最終的にもう一ぺん御決意のほどを伺って、私の質問を終わります。
  16. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 おしかりを受けまして、ほんとうに申しわけない次第でございます。実は先般、委員会におきまして、鉄建公団国鉄につきまして矛盾がございました。私もその点は非常に申しわけないと思いまして、帰りまして直ちに鉄建公団並びに国鉄に対しまして、お互いに国民立場に立っての新線建設についての立場で至急に再検討しろということを命じた次第でございまして、ただいま斉藤先生のおしかり私も十分身にしみまして、早急にこれらの調整をとりまして、いやしくも国民の税金で新線建設する場合、また廃止する場合、矛盾の起こらないように十分両者調整をとりまして、そうして国民皆さまがこの点ではやはり新線建設は当然であるという線につきましてどんどんと敷設をさしていくという基本方針でやってまいりたいと思う次第でございます。  今回の再建計画におきましても、ただに赤字を解消するということだけでなくて、国民に良質のサービスを提供するにはどうしたらいいかという観点からひとつ考えてみろということで私も強く申しておる次第でございますので、いまの御趣旨を体しまして早急に結論を得まして、国民皆さまの御不満を解消してまいりたい、かように思っておる次第でございます。
  17. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 終わります。
  18. 小峯柳多

  19. 宮井泰良

    宮井委員 質問に入る前に委員長に一言お願いしておきます。  大臣への私の質問の持ち時間は三十分間でございますが、大臣の都合で二十分になると伺っておるわけであります。したがって、不足の十分間は後日大臣出席を願って質問をいたしたいと思いますので、よろしくお取り計らいを願います。  そこで、鉄建公団法の審議にあたりまして、私はおもに過密ダイヤの問題を取り上げまして質疑を行ないたいと思います。  この法案趣旨と申しますのは、通勤ラッシュその他おもに都市における交通ラッシュの緩和を行なうというふうなことがこの法案趣旨であるというふうに私も伺っておりますが、最初に申し上げたいことは、今回の、このような通勤ラッシュを緩和するという意向でございますけれども、すべてが後手後手に回っておる。この通勤ラッシュといいますか、そういったピークというものがほんとうに極に達してどうしようもなくなってからこのような対策考えられておるということで、対策がすべて後手後手に回っておるということを私は強く感ずるわけでございます。したがって、このような後手に回るような法案であれば認めることはできない、私はこのように意思表明をいたしたいと思うのでございます。  そのことは後々また議論をいたすといたしまして、まず冒頭に御質問したいことは、この四日から動労では、国民の生命を守るということでATS闘争を始めております。これは新聞報道等でつぶさに御承知のことでございますが、これによりましてのダイヤの相当な乱れというものが私はたいへんな問題であろうと思うのであります。根本の原因というものは、動労の言うように慢性的な過密ダイヤ原因である、かように私も考えておるわけですが、この点をどのように見解を持っておられるか。またこの問題は重大な問題でございますので、どのように今後解決しようとされておるかという点を伺いたいわけでありまして、私はここで何も労使間のそういった問題を取り上げて云々するのではございません。真に乗客の側に立ちまして考えましたときに、これではならないというほんとうに真剣な考えから、どう対処するかということを考えておるわけでございます。新聞報道によりますと、カメラ・ニュースという写真つきで出ておったのを大臣も見ておられると思いますが、見出しをそのまま読みますと、「キャッ、また割れた、」ガラスが割れておるわけですね、「スシ詰め山手線で割れた窓ガラスにおびえる乗客。春とはいえ風はビュービュー(新宿駅でけさ八時二十分)」という、いわゆるATS闘争の結果のダイヤ乱れというものがこのように乗客に対して不安感を非常に与えておるという問題でありまして、これは早急に解決せねばならないと考えるわけでございますが、この過密ダイヤ原因であると思うがどうか、そしてこの問題は非常に重大であるから、どのように今後解決していくか、この二点をお伺いしたいと思います。
  20. 山口真弘

    山口政府委員 大都市におきます通勤輸送でございますが、これはもう先生指摘のとおり、最近の経済の成長に伴う人口都市集中化ということで、特に都心部におきまする機能の純化並びに周辺部におきまするところの住宅地の大幅な造成ということによりまして、ますます交通混雑が激化をいたしておるわけでございます。それでこういう大きな輸送需要に対しましてどうしたらよいかということになりますと、結局現在の鉄道輸送力をふやしていく、それによって混雑を緩和するという以外にないわけでございまして、そのふやす方法といたしましてはいろいろあるわけでございますが、車両を大きくする、あるいは車両編成を長くする、八両編成を十両編成にするというように長くするというようなこともございますし、さらに列車本数をふやす、たとえば一時間に二十本であるものを一時間に三十本にするというように列車本数をふやすというようなやり方で対処しなければならぬわけでございます。  それで、その列車本数をふやす関係で、ただいま先生から御指摘がございましたような、たとえば二分ヘッドの運転、つまり二分間に一本ずつ列車が入ってくるというような運転をいたしておるわけでございまして、これはそういうやり方でなければ現段階ではとても通勤輸送の需要というものをまかなえないということでやっておるわけでございます。この悩みは実は東京、大阪だけでなく、また世界的にもこういう大都市交通の悩みはあるわけでございますが、そういう列車本数が多いことにつきまして、これはやはり安全面というものも十分に実は考えなければいかぬわけでございますから、そういう二分ヘッドというような輸送をやっていながら、しかも安全を確保するということで、鉄道ではたとえば閉塞の方式、信号の方式あるいは運転者がかりに運転を誤ったりあるいは失心したりというような場合でも事故にならないような設備といたしまして、ATSをつけるというような保安方式を整備する、こういうことにいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもはダイヤが相当稠密であるということはこれは否定いたしませんが、これは保安を無視した過密なダイヤであるとは決して考えていないのでございまして、これは保安を十分に考えダイヤでございます。したがって、それによって規則を守って運転をすれば決して支障はないという姿のダイヤを組んでおります。順法闘争といまお話がございましたが、これは私ども順法とは考えておらないのでございまして、順法して運転をすれば当然ダイヤどおり運転がされて、円滑な運転ができるのでございます。今後の問題といたしましては、ますます需要がふえる、混雑が激しくなることでございますから、何としても輸送力増強を大いにやっていかなければならぬ。これは国鉄、私鉄ともどもでございますが、輸送力増強を大いにやりまして、また保安の設備もこれを大いに整備いたしまして、そうして従業員の協力を得て運転を確保し、安全を確保していかなければならぬものと考えておるわけであります。
  21. 宮井泰良

    宮井委員 そこで、こまかく聞きますが、いろいろ対策としては、これはいま答弁で言うように、本数をふやしてきておりますが、車両を大きくしたり、車両編成を長くするというようなことがありましたが、具体的にどういうようにされているんですか。
  22. 山口真弘

    山口政府委員 これは各線別につきますと非常に長い話になりますけれども、たとえばある線につきまして従来四両編成であったものを六両編成にするとかあるいは六両編成のものを八両編成にするあるいは十両にするというようなことで、車両編成長を長くしております。このためには、実はただ編成だけを長くすることはできないのでございまして、たとえば駅のホームを長くしなくてはならぬ。それから信号を、そういう長くする車両にマッチするようなことにしなくてはならぬ。それから、同時に一個列車当たりの電気の使用量が多くなるわけでございますから、そういう意味で変電所の改修というようなものもしなければならない、そういうようなことで、いろいろな設備を行ないまして、そうして車両編成を具体的に長くしてまいるということをいたしておるわけでございます。
  23. 宮井泰良

    宮井委員 そこで、このいまの御答弁の中にも順法闘争とは思っていないということでございますが、そうしますと、これは違法である、こういう見解ですか。
  24. 山口真弘

    山口政府委員 いわゆる順法闘争というものでございますが、結局規定に従って運転をするというのが正規の運転の方式でございます。したがって、たとえばATSが鳴るという場合には、そのATSの鳴った場合にはある一定の区間内で停止することができるような運行のしかたをしなさいということが、これは規定上定められている姿でございます。それをATSが鳴ったからといってすぐストップをしてしまうということは、これは規定によってないやり方でございまして、そういうやり方によりまして、たとえば列車の運行の阻害をするということになりますれば、これは明らかにその順法闘争というのは違法な措置であるということになると思います。
  25. 宮井泰良

    宮井委員 そのように鉄監局長は言われますけれども、そもそもこの問題が起きたということは、御承知のとおり、船橋駅の事故の際におきまして、ATSのブザーが鳴ったのに、運転手が電車をとめないで気をとられているうちに起きたということで、その後労組は当局側とこの問題を含む列車の安全対策について交渉した。運転の安全を無視した過密ダイヤ原因だから、早急に安全対策をはかれ、このように要求したが話し合いがつかなかった。しかも、この交渉中に鈴木国鉄本社運転局長が、ATSが鳴ったら電車をとめるのが正しいと述べたことから、組合側は、実際にはブザーが鳴っても一々とまらず、見込み運転をさしておる、一々とまるような余裕がない、どんどんあとから列車が来ておるのに、そういう見込み運転をさしておきながら、事故が起きたから責任を運転手にかぶせるような態度はひきょうであるという、新聞報道によりますと、このように出ておりますが、そんなことを言うのなら局長の言うようにATSが鳴るたびに電車をとめます。そもそも国鉄がこういう実際できないようなことをやらしておきながら、起きたからといって、それじゃ国民の足を守る、国民の命を守るということについて、ATSが鳴ったら安全上とめておるという状態に対して、それが順法闘争でなく違法であるということはどういうことなんですか。
  26. 山口真弘

    山口政府委員 ATSの装置というのは——国鉄が使っておりまするATSでございますが、ATSの装置というのは二つの機能を持っております。一つは、ある時点に入りました場合に運転者に警告を与えるという意味のブザーが鳴るというのが一つの機能でございます。さらにそのブザーが鳴ったら一定の時間内に何らの操作もしない場合には、ある点に達すると当然ブレーキがかかるという二つの機能を持っておるわけでございます。したがって、その場合に、ブザーの鳴ったときにすぐとめるということをATSの取り扱いとして指示をしておるわけじゃございません。ブザーが鳴った場合には当然、ある信号に従って、とめ得る状態になるような態度をとって運転をしろというのがATSの取り扱いの正しいやり方でございます。したがいまして、ATSが鳴ったらすぐとめてしまうというのは、これはATSの正しい取り扱い方ではないわけでございまして、それは運転者が判断いたしまして、そうしてたとえば信号機の前何メートルのところまでにとめ得るような運転をしなさいということがATSの正しい取り扱いでございます。   〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕 その取り扱いをしないですぐとめてしまうというのは、取り扱いのしかたがやはり間違っておるということでございまして、その間違った取り扱いのしかたによって列車運行の阻害を来たしたということになれば、これは間違った取り扱いによるところの列車運行の阻害だというふうにいわざるを得ないということでございます。
  27. 宮井泰良

    宮井委員 こういうことを言っておりますと非常にすれ違いの議論で、大体ATSは何で取りつけたかというふうな基本的な根本問題、自動制御装置のそういったことが、いわゆる過密ダイヤによって実際機械が運用できないというふうなことになってきて、そうして国鉄側としてはそういうものは運転手がちゃんと取り扱いなさいと言うし、動労の労働組合のほうは、そういう言い方は、過密にしておきながら無理なことを言うということで、争いになっている。そういうことでございますので——大臣が退席されるそうですから、大臣にこの重大問題を御答弁願いたいと思いますが、国鉄総裁は、ATS闘争は違法であると言って文書で労組に申し入れしておるようですけれども、ただ、そんなことだけで解決するのかということを私は言いたいのです。そんなものは、違法だとか違法でないとか、そういうことをしておる間に、きょうも電車は走っておるし、来客はすし詰めの中で窓ガラスが割れ、足は足でこうしたまま、手は手でこうしたまま、新聞は読めない。あとでまた私は質問しますけれども、むんむんとした人いきれの中で非常な不快感で毎日通勤しておるという問題をどう解決するのかという、その根本を私は大臣に伺っておきたいのです。どうですか。
  28. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま、過密都市の輸送が非常におくれておるのじゃないか、再三の御叱責でございますが、私どもそのとおりと思う次第でありまして、その点は何とも申しわけなく思う次第でございます。今回の再建計画によりましても、大都市の輸送に重点を置いておりまして、これだけでもまだ足りないかもわかりませんが、乗車効率二四〇のものを、せめて二〇〇までにどうしても輸送を緩和するという方針でただいませっかくやっておる次第でございます。二〇〇にしても、これはいいか悪いかということは問題でございますが、できるだけのことはいたしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。  また安全運転、これはいま宮井先生から御指摘がございましたが、私も安全運転がもちろん一番なんだ、これは何よりも交通輸送行政といたしまして一番根本に置くことでございまして、ほんとうに場合によりましては窓ガラスが割れたり、そういうことで過密でございます。それに対して輸送機関が追っつかないというのは何とも申しわけないと思う次第でございます。ただいま鉄監局長が申しましたように、編成長を一そう伸ばすとかあるいはダイヤの増発をはかるとかいうことをいたしまして、できるだけのことをいたしたいと思っている次第でございます。  それからATSの問題、これは私しろうとでよくわかりませんが、先般も国鉄総裁の話では、ATSにはアラームの機構とそれからすぐストップさせる機構と二通りある、アラームの場合には、これはとめなくても万一の場合の態勢をつくっておきさえすればいいというようなことを言っておった次第でございます。  ともかくもこれらの点につきましては、いま御指摘がございましたとおり、警告は警告でございますが、やはり労使が一体となりまして、今日の輸送状況にかんがみまして、ほんとうに血の通った、国民の足をいかに確保するかという点に両方がまっしぐらに進む協調体制が一番大切であると思っておる次第でございます。いま御指摘を待つまでもなく、先般の閣議におきましても、その点で総理からの御指摘もございました。国鉄、私鉄を問わず、来たるべき際におきまして、ストその他のことが起こりまして国民の足を奪うようなことがございましたらばたいへんなことでございますので、私どもいまから国鉄、私鉄を指導いたしまして、できるだけ混乱がないようにあらゆる施策を講じてまいりたいと思う次第でございますので、また一そうの御協力と御鞭撻をお願いする次第でございます。
  29. 宮井泰良

    宮井委員 いまの大臣の答弁では私納得できませんが、保留しておきますから、そのときにまたひとつきびしく追及したいと思います。これでは根本的な対策にならないと思います。  そこで、これは大臣にも伺おうと思っておったのですが、いわゆる運輸省通勤ラッシュ対策というものですね。先ほど冒頭にも述べましたように、混雑の極に達してもうどうしようもなくなってから手を打っておるということでございますので、私はその姿勢が問題である、今回の法改正におきましてもほんの応急手当てにすぎない、このように考えるものでございます。応急処置が全面的にだめだというのではございません。もちろん応急処置でも、それはそれでやってもらわなくちゃいけませんけれども、私は、抜本的な解決の方途が示されていないではないかということを言いたいのであります。四十六年度の白書を見ましても、ただ問題点を指摘するのみで、私たちが見ましても何か泣き言を言っているだけで、こうだからああだから、こうだからこうです、建設省との関係都市対策関係、いろいろ複雑な状況があるからということですけれども、そんな泣き言を言っていたんじゃ始まらない。各省にもどんどん積極的に働きかけて、これを解決していく方向へ行ってもらいたいわけです。そして総合交通政策というものも非常に抽象的であって、各種の諮問委員会答申というものも総合的なつながりがない。したがって、私はいまからひとつ長期的な計画を示してもらいたい、こう思うわけであります。  さらに都市交通審議会は、六十年には一五〇%の混雑度の目標を掲げておるようでございますが、これは達成できるのかどうか、この根拠を示していただきたい。ほんとうに一五〇%に混雑を緩和できるのか、その点をまずお示しを願いたいと思います。
  30. 山口真弘

    山口政府委員 通勤対策がどうしてもおくれがちであり、そのために混雑率が激しいということにつきましては、先生指摘のとおりでございまして、私どもももっと早く手を打ち、もっと早く力を注がなければならぬということにつきましては申しわけなく思っておるところでございます。問題は、そういうことにいたしまして総合交通体系の観点からこの通勤問題を考えていかなければならぬ、お説のとおりでございます。先般運輸政策審議会が答申いたしました総合交通体系におきましても、大都市におきまする通勤通学輸送というものは、やはり国鉄、地下鉄、私鉄を中心とした高速鉄道を根幹といたしまして、さらにバスに補完的な性格を持たして対処するということでございます。したがって、その根幹としての高速鉄道の増強ということは、私どもどうしてもいまやらなければならぬというふうに考えておるところでございます。そしてそのために国鉄側、私鉄側あるいは地下鉄もそうでございますが、そういう各面につきましての鉄道整備というものをその面その面に従ってやってまいるということでございまして、今回提案いたしておりまする鉄道建設公団法によるところの私鉄の整備というのも、その一環でございます。  なお都市交通審議会から出されました答申でございますが、これは先生指摘のように総延長五百七十キロメートルということで、東京並びにその周辺の都市交通をまかなおうとするものでございまして、これはその前提といたしまして、各方面別の輸送需要というものを全部計算いたしまして、その方面別の輸送需要と現在の輸送力というものを計算し、そうして将来必要とする輸送力というものを方面別に計算いたしまして、築き上げて、この線が必要であるということが答申されたものでございます。したがいまして、この答申の線に沿いまして整備できますれば、輸送力の非常に大幅な増強になり、また輸送の緩和が果たせるということに私ども考えておるところでございます。
  31. 宮井泰良

    宮井委員 同じ問題で政務次官に御答弁をいただきたいと思いますが、要するに人口がどんどん増加していく、また都市にそうした人口が集中して通勤人口が非常にふえてきている。そういった面を予測してやりませんと、いつまでも同じ対策であれば行き詰まってくる、これは先ほども申し上げたとおりでございますが、さらにいまの御答弁に補足して、政務次官の運輸省としての全体観に立ったお考えをひとつお示し願いたいと思います。
  32. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 具体的にはいま鉄監局長から答弁されたとおりだと思いますが、本来こういう問題は、行政なり政治なり、特に政治の場合政策の先取りがあって、それを順次必要に応じて具体化していくのが本来の姿ですが、残念ながら都市交通、特に大都市における都市交通はむしろその逆の感がございます。それは宮井先生指摘のとおりだろうと私も思います。したがいまして、大都市に集中するこの人口をいかに早く、より安全にしかも大量に輸送するかということが緊急を要する問題だと考えます。かような考え方から都市交通審議会の答申にのっとり、地下鉄補助方式、今回御審議いただいておる公団方式等によって緊急性の度合いの高いものから順次整備を促進して、安全でしかも大乗輸送の国民期待にこたえていきたい、かように考えております。
  33. 宮井泰良

    宮井委員 そこで地下鉄方式、高速鉄道というような答弁もございましたが、金額の点で予算面が非常に多額を要するということで、聞くところによりますと、比較的金銭的に負担がかからないというモノレールというようなものが考えられているようでありますが、私両面がもちろんあると思います。現在の高速道路の下に取りつけるという場合、また都市鉄道を撤去したあとに、グリーン地帯に橋梁をこしらえてつくるという場合は比較的やりやすいでしょうが、その反面またいま大衆庶民の心というものは緑と青空がほしいというのが切なる願いでありますから、非常にそういううっとうしいようなものが各地に網羅された場合に青空がまたなくなっていってしまう。町を見ますと、やたらにあちらで掘り返し、こちらで掘り返しという工事工事で、付近の住民はもうあまりいじらないでほしいという感じを持っておるようでありまして、それとてもまたいま言うように過密ダイヤあるいは通勤対策を講じていこうと思えば、これもまた一面は必要であるというようなことでありますが、その議論は別といたしましても、このモノレールというものの基本的な考えをどのように持っておられるか、その点をひとつ……。
  34. 山口真弘

    山口政府委員 モノレールでございますが、このモノレールの技術的な性格というものをいろいろ考えてみますと、これは通常の鉄道と違いまして、輸送力につきましては若干小さいということは言える。それから地下鉄の場合等に比べますと——地下鉄は地下を掘るわけでございますし、モノレールは必ずしも地下鉄のような形にならないということになりますと、その意味では設備費の点は若干安く済むということは言えるだろうと思います。そんなようなこと。それからもう一つは、やはり大量輸送という点からいきますと、現在の方式の鉄道、地下鉄なり国鉄、私鉄の鉄道というもののほうが大量輸送という面からは適しているということが言えるわけでございます。そこいらを考えてみると、都市におけるモノレールの使用というのは、都心部周辺部等との間におきまする非常に大きな輸送需要があるというようなものについてはちょっと無理ではないか。そうでなくして都市の中の、あるいは環状的な性格の輸送、これは比較的輸送需要もそう多くありません、あるいは郊外地区におきまするところの若干の周辺的な輸送というようなことになりますと、輸送需要もそれほど多くないというようなことで、そういう場合に快適な輸送サービスの提供を求めるというような場合にモノレールというのは適当じゃないかというように考えております。いずれにいたしましても、モノレールを必要とする地域というものとその輸送需要あるいは輸送の質の要求というものを見まして具体的にモノレールの問題を考えていくということになろうかと思います。
  35. 宮井泰良

    宮井委員 話はちょっとそれましたけれども、先ほども申し上げておりますように、この運輸省通勤ラッシュ対策というものは何回も申しますが、根本的なものが、納得のいくものが示されておりませんので、今回の鉄建公団法におきましてもすでに論議されたと思いますけれども、この財政的基盤というものは百二十五億ですか、これだけのもので何ができるのか、また次々と手を打たねばならないようになってくる、このように私は考えるのです。その点はどうですか。
  36. 佐藤孝行

    佐藤(孝)政府委員 本年度は御指摘のとおりきわめて少ない金額で、これで現在の非常に混乱している都市交通が援和できるかというと、私もできるとは思いません。したがって、今回ことし初めてこういう制度ができたわけですから、これをさらに拡充し資金の裏づけも得て、なるたけ早い機会に名実ともに鉄建公団方式が大都市交通輸送の緩和に役に立つ、そういう方向にぜひ指導して持っていきたい、かように考えております。
  37. 宮井泰良

    宮井委員 今後それだけの力を入れていくということでございますから、それは多といたしますが、一面ではまた私鉄というものに対しての過剰保護的なことにもなってくるというふうなこともいわれておりますし、その辺のところはひとつよく検討されて手を打ってもらいたいということを要望をいたしておきまして、関連をしておりますが、次の問題に入りたいと思います。  ラッシュ過密ダイヤというものはひとつ間違ったならば非常に重大な事故につながっていくという危険性があるわけでございまして、せんだっての総武線の事故を見ましてもおわかりのように、乗客が右往左往して非常に混乱をする、あの事故以来でもまた以前からでもそうですけれども、毎朝の通勤の方々はそういった点を非常に心配して不安感、不快感を持っておるのが実態でございます。そして心配だけれども毎朝通勤ラッシュ通勤していかねばならないというサラリーマンの方々、そういった人々の心を私たちは十分にくんで対策を講じていかねばならない。いわゆる過密ダイヤにおける安全点検、こういうものをどのように行なっておられるか、これが一点でございます。  それからまたターミナル駅のラッシュ時におきましての混雑というものは相当なものでありまして、一つに火災等の災害が起きましたときに非常に問題である。池袋、新宿、上野、この辺のラッシュ時というものは非常なものでございまして、それこそ乗客というものは常日ごろでも右往左往してたいへんな込みようである。そんなところで火災等が起きましたときの事故というものを非常に心配をするわけでございまして、その駅の体制というものは万全になっておるかどうか。火災が起きてそれからたいへんだと大騒ぎをして、事故対策本部を置いていろいろやるよりも、前もってこの辺のところが万全に行き届いておるかどうかということは、鉄道監督局として常日ごろから監督をしていかねばならないという義務があると思いますが、それと関連して今度二十七日、二十八日には私鉄ストが予定されております。いままでのストの例を見ましても、各ターミナルにおいては相当混雑を示しておるわけでございまして、ストというものは前もって何日何日ということで一応予告があるから、それに対してホームその他の整理の人員をふやしてそれに対処していくということで手が打てると思いますが、災害というものは予告なしでやってくるわけですから、われわれは大惨事というものに常に対処していかねばならないと思うものでございまして、それらを勘案しつつ、この過密ダイヤにおける安全点検はどのように行なっておるか。またターミナル駅のラッシュ時における火災等の対策はだいじょうぶか。この二点をひとつお伺いしたいと思います。
  38. 山口真弘

    山口政府委員 先般、国鉄がまことに申しわけない事故を起こしました。これに対しまして、何としても安全の点検が必要である、先生指摘のとおりでございます。  そこで、運輸省といたしましても、さっそく大臣から国鉄総裁に対しまして、とにかく安全の総点検をやりなさいということを指示いたしました。その具体的な内容といたしまして、運転の取り扱いのやり方、それから車両あるいは施設、電気、こういう各方面の分野にわたっての安全の総点検をやりなさいということを指示いたしまして、そして国鉄はさっそく副総裁が本部長になりまして、その安全の点検をいたして現在やっております。ああいう事故が再び起こらないように大いにその点の点検をやってまいらせる所存でございます。  それから火災でございますが、鉄道におきます火災は、一つの問題はただいま先生指摘のございました駅の火災でございます。それからいま一つ車両の火災がこれまた重要な問題でございます。そこで駅の火災の問題につきましては、これはもう非常に多くの方が密集される地域でございますから、火災が起きたときに混乱が起こるということになればたいへんなことでございます。したがいまして、これにつきましては、各鉄道事業者が災害の場合の処置というものをいろいろ基準をきめまして、そしてその災害の処置に従って、どういう場合にはどうするというようなことを平生からやっておりまして、その場合の訓練等もいたしております。この点につきましては、さらに私ども指導を強化いたしたいと考えております。  それから、なお火災につきまして問題がございますのは車両の火災でありまして、実は数年前地下鉄の車両が燃えたことがございます。これは地下鉄が創業以来初めてああいう事故があったわけでございます。私ども非常なショックを受けました。それで、これはどうしても車両自体が燃えないような姿というものをきちんとやらなければならぬというので、現在車両につきましては不燃化の基準というものを運輸省がつくっております。その不燃化の基準につきまして、いわゆるAA基準というものをつくりまして、これは一番程度の高い基準がAA基準、それからさらにそれより低いのがA基準という基準を幾つかつくっております。そしてそのAA基準の具備すべき条件というのは、たとえば発電機とそれから発電機を囲うものはどうするか、それから出る電線はどういうものを使わねばいかぬ、それからシートはどういうシートを使わねばならぬとか、床はどういうものにしていくか、そういう全部の基準をきめまして、そしてこれによって、たとえば地下鉄の乗り入れ車両というものは、国鉄、私鉄を問わず、これによらなければならぬということで指導いたしております。おかげさまでその後はそういう事故が起こっていないわけでございまして、火災の問題というのは、駅の問題と車両の問題いずれも重大問題でございますので、この面の指導を強化いたしてまいりたいと思います。
  39. 宮井泰良

    宮井委員 車両の火災については詳しく御答弁がありましたが、駅構内における火災、これは答弁ではどうも心もとないので、しっかり掌握をして、どうなっておるか具体的に確認をして、そういうことのないようにひとつ手を打ってもらいたいと思います。  また安全点検を大臣が指示をされて、安全運転、電気関係その他指示をして点検を行なっておるということでございますが、これらとてもどこまで進展しておるかということをよく掌握をして、ただ指示をしただけでは、下まで通じていないというようなことがあってはたいへんですから、やってもらいたい。万全に点検していますという鉄監局長の答弁ですけれども、その後幸い事故が起きていないという意味であったと思いますが、私の知るところでは、けさのNHKのニュースによりますと、またまた高崎線でレールの間隔があいていたというふうに報道されておりますが、どうであったのか、詳しくお教え願いたい。
  40. 山口真弘

    山口政府委員 まだ詳細な報告を聞いておりませんが、レールのつぎ目板が折損をいたしまして、そしてそれをタクシーの運転手が発見されて通報いたしまして、直ちに措置をとったために大事を起こすことなくして済んだということでございまして、まことに申しわけないことでございます。さっそく調べ、さらに点検をいたすようにいたさせます。
  41. 宮井泰良

    宮井委員 ですから、私が申し上げているように、そういうことじゃだめだ。詳しく情報を聞いておりませんなんて、朝から何時間たっているのですか。それが掌握されていない。点検、点検と指示だけして、そんなのじゃだめですよ。幸いタクシーの運転手さんが知らせてくれたから大事に至らなかったものの、常に点検を緊張してやっておって、なぜこれがわからないかという点が私は問題だと思うのです。もし通勤ラッシュのときにこういうことがあった場合、とんでもないことになっておった、また総武線の事故の二の舞いにならざるを得ないということを心配するわけでありまして、そんな事故が何回でも起きますよと警告されておりながら、保安の点検が行なわれていない。大臣か指示をして、毎日緊張して点検していれば、こんなタクシーの運転手さんに教えてもらわなければ発見できないようなことはないと思うのですが、その点、どうですか。
  42. 山口真弘

    山口政府委員 国鉄は、実は私どもの大臣からの警告に基づきまして、全国の管理局長会議を開き、さらに電気部長、施設部長、運転部長の会議を開きまして、その指示徹底につとめておるわけでございます。しかしながら、現実にこういうような事故が起きたことはまことに申しわけないことでございますので、さらに私ども強力に国鉄側に指示をいたしたい。そして先生のおっしゃったような事故がないようにつとめさせるようにいたしたいと思います。
  43. 宮井泰良

    宮井委員 そういう会合、会合といいますけれども、そんな実のあがらない会合を何回やってもしようがないわけでありまして、鉄監局長は第一線に乗り出してひとつ——こういう事態のときには常日ごろと同じようなことをやっていたのではだめだということを私は申し上げたいのです。ただ役所のいすにすわっておってそういう報告を受けているだけではだめだということを考えるわけでございます。その点、そういうような重要事故が起きたようなときには、鉄道を監督しておる立場から、現場にでも出かけていって、いろいろと調査をしておるというようなことはいままであるのですか。その点、どうですか。
  44. 山口真弘

    山口政府委員 もちろん重要な事故の場合には、運輸省といたしましても現地に出張りましていろいろ調査をいたします。先般の事故におきましても、政務次官が直接現地に行っておられるわけでございます。ただ従来、国鉄の場合と私鉄の場合でございますが、私鉄の場合には、先般の事故等におきましても相当多くの人を私ども直ちに現地へ送りまして、そして詳細な調査をいたし、監督の実をあげるということにいたしておりますが、国鉄の場合には、公共企業体といたしまして国鉄に、総裁の責任によりましてこれを運営させるというのがたてまえでございますので、やはり第一次的には国鉄総裁に責任をもってやらせるということのほうがいいというふうに考えております。しかしながら、重要な事故につきましては、運輸省といたしましても従来も出て調査をいたしておるわけでございますが、今後ともつとめて参りたいと思います。
  45. 宮井泰良

    宮井委員 政務次官が行っていますと言いますが、政務次官だけに何して、あなた自身は行っていないのですか。山口さん自身もときどき出かけて、何かあれば政務次官だけ行って、政務次官が行っています、それだけじゃだめだと思うのですね。
  46. 山口真弘

    山口政府委員 まことに申しわけございませんでしたが、実は国会に当日参っておりまして現地に行かれなかったわけでございます。
  47. 宮井泰良

    宮井委員 そういう言いわけは私は聞きたくない。  それではお尋ねしますけれども、鉄道監督局長としてこのような声を知っておるかということを私は聞きたいのです。新聞に大衆の、国民の切なる声が出ていました。少し聞いてもらいたいと思うのですが、これは総裁あてになっておりますけれども、鉄監局長に置きかえて、まあそのとおり読みますと、「総裁よ、ラッシュに乗ってみろ」という見出しで「総武線の大事故は、最近の国鉄のたるみっぷりからして起こるべくして起きたと思う。国鉄総裁はこの責任問題を雲の上から解決しないで、われわれ庶民の立場で解決してほしい。それには、毎日最も混雑する線で通勤してみるとよい。まず、夕方五時三十分から一時間ぐらいの間に目白駅から池袋行き国電に乗ってみるがよかろう。朝のラッシュ以上である。一日の勤労を終えて帰途にある一般大衆は、順法闘争に抗議する気力も暇もない。私も電車からホームへ“絞り出された”とたん、」——おりるのじゃないのですよ、しぼり出されるのですよ。「“絞り出された”とたん、よく骨折しなかったと思うが、心臓の鼓動は大変である。駅員はいつも『五分遅れているからホームの中ほどへ行って下さい』というが、どのドアにも全然余裕がない。来る電車みんな超満員である。これだけでも、総裁は国電が決して思う通りに動いていないことを痛感するだろう。」この点、大臣鉄監局長というものは、夕方五時三十分から一時間、目白駅から池袋行きに乗ってみる気持ちありますか、どうですか。
  48. 山口真弘

    山口政府委員 ラッシュの時間帯の問題でございますが、実は私どもいろいろ各線調べておりますと、これはやはり朝のラッシュの一時間くらいの間が何といっても一番ひどうございます。これは何とか解決したい。夜の場合は比較的ラッシュ時間が長くなりますので、朝ほどではないと私ども全般的に考えております。  なお私ごとになって恐縮でございますが、実は私、毎日電車で通勤をいたしております。そして総武線の事故の際にも実はそれにぶつかりまして、そして国会の時間に間に合うためにほかの私鉄を使いまして、乗り継いで急遽出てきたようなわけでございまして、毎日この点は体験をいたしておるつもりでございます。
  49. 宮井泰良

    宮井委員 そうして混雑ラッシュ、まあすいた電車を選んで乗っているのじゃないかというふうなことは私は思いませんけれども、そういうふうにわかっているのなら、通勤ラッシュの問題は昭和三十年代から問題になっておるわけですから、長期間にわたってこの問題を解決できないのは、一にかかって交通政策のいわゆる欠除である、怠慢である、実態を知ってそれを怠っているというのはよけい悪いということを私は考えるわけであります。これ以上深追いはしませんが、その点ひとつしっかり取り組んでもらいたい、このように思います。  次に、国鉄の総武線の事故というものは過密ダイヤの問題を浮き彫りにしておったわけでありますが、実はその前に、二十七日に東海道本線横浜−川崎間で架線が三カ所にわたってたるむ事故があった。大混乱をした事故があったわけです。総武線の事故あるいは東海道本線の事故に言えますることは、もちろん先ほどから何回も言っているように、第一に、過密ダイヤによるところの架線等の損耗の程度が激しいのじゃないか。この架線が過密ダイヤによって早く損耗しておる。したがって事故が起こりやすい状態にあるのではないか。これも先ほど言うた安全点検の部分に当てはまるかと思いますが、その点のことと、それから先日のこの運輸委員会の席上でわが党の鳥居議員が、千葉鉄道管理局の運転事故応急復旧処理基準規程、これは七年前のしかないということで、三年ごとに改めなくてはならないのに七年前の安全基準しかないという点を追及いたしました。この席上では検討するという答弁があったと私は記憶いたしておりますが、鉄監局としましては具体的にどのようにこの指示をしておるか、またこれは千葉だけではなしに全県にわたる、全国にわたるところの問題でございますので、その点の全県に指示したかの点、総武線の事故以来の安全点検ですね、この点をお答えしていただきたいと思います。
  50. 山口真弘

    山口政府委員 先ほどお話がございました東海道線におきまして架線事故が起きました件、これは実は三月十五日の時刻改正以来この種の事故がかなり出ております。今回の総武線の事故は主として取り扱いの誤りということであろうと思いますが、私どもそういったようなことで、取り扱いだけでなくしてやはり電気施設車両、そういったような全般の総点検をしなければならぬということでございまして、先ほど大臣から総裁に直接言ったのも、これを含めまして何とかしなければならぬということを申し上げたわけでございます。  なお、そういう総点検のあれにつきまして、国鉄でも架線等についての事故の点検をいたしておりまして、一応四月末までに点検を完全に終わるということで、いま鋭意やっている最中でございます。事故の場合の具体的な処理のしかたというものにつきましてもその中身として実はやっておるわけでございまして、これは国鉄でも私鉄でも同様でございますが、事故が起こった場合にどういうふうなことをするかというようなことは、一応いろいろな想定をいたしまして訓練など従来からいたしております。私鉄でもいたしております。そういうようなことを今後とも強化をさしてまいるつもりでございますが、なお四月三十日の総点検までにこういったものを全部しっかりとさせまして、報告をさせ、指示をさらに強めていきたい、指導を強めていきたい、このように考えております。
  51. 宮井泰良

    宮井委員 その架線の損耗はどうなのですか。
  52. 山口真弘

    山口政府委員 架線の損耗も同様でございまして、電気設備に起因するパンタグラフの破損事故ということにつきまして、国鉄の電気局長、運転局長、旅客局長等が具体的にいろいろな問題を指示をいたして検討さしております。一つは電気設備の点検整備とか、あるいは車両やパンタグラフの点検の強化、それから強風時の列車の運転の取り扱い、あるいは事故の発生時の復旧体制情報連絡ということにつきまして、架線事故についてもそのような点検をいたしておるところでございます。
  53. 宮井泰良

    宮井委員 それで再度重ねて聞きますが、この安全基準ですね、千葉管理局管内の運転事故応急復旧処理基準規程、これに伴うところの検討そしてその結果、千葉とそして全国的にどういう指示をされていますか、具体的に。
  54. 山口真弘

    山口政府委員 具体的な事故の問題につきましては、各地点におきましていろいろな様相が違っておりますので、各鉄道管理局が具体的に、どこの駅でどういう事故が起きたらどういうふうにするかということをきめましてやっておるわけでございまして、千葉でも同様でございます。したがいまして、これは全国的にも統一してということではなくして、各地にマッチした姿のそういうものをつくらせ、さらに必要な手直しその他をしなければならぬというわけでございますので、そういう趣旨で、各管理局におきましてそういう処理をするようにということをいたしております。
  55. 宮井泰良

    宮井委員 それでは、時間時間ときびしく言われておりますので、私は相当まだ質問したいことあるのですが、最後にお聞きしたいことは、先ほども申しましたような、この新聞報道によりますと、こういう列車の中が、通勤の快速電車がまるでガス室であるということですね。「最近の通勤列車は、途中の小さな駅を通過するノンストップがふえている。しかもスシ詰めのため、車内の炭酸ガス濃度がぐっとあがり、タバコが吸える列車では一酸化炭素も検出され、乗客は頭痛や目まいを訴えている——。名古屋市立大学医学部の青山光子助教授が、このほど行なった調査で、通勤列車の“殺人ラッシュ”に新たな問題のあることがわかった。『こんな“汚染列車”に毎日乗っていては……』と、同助教授は警告している。」「よごれた空気充満」、停車駅が少ないために頭痛や目まいを招くと、まるでガス室であるということですが、これは、私は非常な問題であると思います。これは、ラッシュ時のこんだ列車に乗る乗客へのサービスというものはもう最低である、私はこう思うのです。  この、各駅に停車しない特急電車は東京でもずいぶんあると思いますが、どのような対策を持っておるのか。特に夏などは、もう熱気と混雑乗客の不快感は最高になっておる。その点のことが一つ。  それからもう一点は、夏の場合の冷房装置を全通勤車両にサービスのためにつけるべきだと私は思うのです。値上げばかり考えないでですね。国鉄、私鉄とも、いつごろまでに冷房装置をつけるのか、この二点をお伺いします。
  56. 山口真弘

    山口政府委員 第一の御質問でございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、実は喫煙の規制といいますか、喫煙車というものを別につくらないでいる場合におきまして、車内の禁煙をお願いするということをまずしなければならぬことだと思います。しかしながら、禁煙だけの問題じゃございませんで、ラッシュ列車ともなりますと、これから暑くなりますと特に空気のよごれ、それから熱の上昇ということで非常に御迷惑をかけるわけでございますが、とりあえずは、窓をあけるとかその他の方法で処理をしないわけにはいかぬのじゃないかと考えております。将来は、やはり通勤電車等にも冷房装置を備えるべきことは当然でございます。実は、現在でも私鉄につきましては若干通勤電車につきまして冷房装置を備えたものがございます。ただ、非常にむずかしいのは、この通勤電車のように乗降が非常に多い場合には、その車両におきまする冷房装置というものがほとんどきかないといいますか、きき目が薄いということでございまして、そういう意味では、冷房のしかたというものをどうするのがいいかということが、一つ問題がございます。  さらに、地下鉄に入ってくるような車両になりますと、これは冷房をすることによりまして熱を車外に発散をするというわけでございます。発散をするわけでございますから、車両の冷房ということでは、むしろトンネル全体が熱くなってしまうというようなことがございまして、したがって、地下鉄に入ってまいりまする車両の冷房というのは技術的にもいまのところ非常にむずかしいということで、先般帝都高速度交通営団の銀座並びに日本橋の駅で冷房をいたしておりますが、駅自体を冷房するという考え方でいま処理をいたしておるわけでございます。  国鉄につきましても、実は現在ほとんどまだ冷房いたしておりません。若干、東京地区で冷房化の検討をいたしております。大阪地区でも昨年の夏から少しだけ、新快速について冷房を始めたということでございますが、将来冷房化を進めまして、そして快適な通勤ということを目ざしていかなければならぬものと私ども考えております。
  57. 宮井泰良

    宮井委員 私はそう言うかと思って予想しておったのです、答弁を。そのような、窓をあければいいとか、換気装置がそろっているから換気装置をやればいいとか、皆さん方そうしてすぐ逃げるのです。窓をあければいいじゃないか、こういうことを答弁すると私はもう予測して委員会に臨んでいるわけです。そんな、冬なんかは、寒いのに窓なんかあけられないのです。それで、換気装置なんか全部そろっているのですか、電車に。そうでしょう。そして冷房につきましても、乗降が多い場合には問題だと言いますけれども、私がいま言うているのは、その快速電車で、駅へとまる場合はドアがあいて空気が多少でも入ってくる。駅にとまらない場合にこの空気が、列車の中がまるでガス室のようになっておる、こう言うているのですから、たばこだけじゃありませんよ、人いきれとかいろいろな、空気が悪くなっていると言うているのですから、そんなことで逃げちゃいけませんよ。それをむずかしいむずかしいじゃだめなんですね。前向きに検討して、そして冷房をやりますといいましても、いつごろまでにやるんですかと私は聞いているのです。その点を再度答弁願います。
  58. 山口真弘

    山口政府委員 通勤電車につきましては、国鉄につきまして具体的な計画は、いつまでに冷房化を完成するというような計画はまだございません。中長距離の列車につきましては、ただいま先生指摘のように、相当時間走るわけでございますから、これは計画を立てて冷房化を進めております。  ちょっとただいま資料を持ち合わせてございませんが、そういう形でいま進めておるわけでございます。
  59. 宮井泰良

    宮井委員 最後に、これでは全然解決策の答弁がございませんから、次回また大臣出席を求めて質問をしたいと思うのです。保留いたしておきます。以上。
  60. 加藤六月

    ○加藤(六)委員長代理 次回は、来たる七日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十八分散会