○
山口政府委員 大
都市におきます
通勤輸送でございますが、これはもう
先生御
指摘のとおり、最近の経済の成長に伴う
人口の
都市集中化ということで、特に
都心部におきまする機能の純化並びに
周辺部におきまするところの
住宅地の大幅な造成ということによりまして、ますます
交通混雑が激化をいたしておるわけでございます。それでこういう大きな
輸送需要に対しましてどうしたらよいかということになりますと、結局現在の
鉄道の
輸送力をふやしていく、それによって
混雑を緩和するという以外にないわけでございまして、そのふやす
方法といたしましてはいろいろあるわけでございますが、
車両を大きくする、あるいは
車両の
編成を長くする、八両
編成を十両
編成にするというように長くするというようなこともございますし、さらに
列車の
本数をふやす、たとえば一時間に二十本であるものを一時間に三十本にするというように
列車の
本数をふやすというようなやり方で対処しなければならぬわけでございます。
それで、その
列車の
本数をふやす
関係で、ただいま
先生から御
指摘がございましたような、たとえば二分ヘッドの運転、つまり二分間に一本ずつ
列車が入ってくるというような運転をいたしておるわけでございまして、これはそういうやり方でなければ現段階ではとても
通勤輸送の需要というものをまかなえないということでやっておるわけでございます。この悩みは実は東京、大阪だけでなく、また世界的にもこういう大
都市交通の悩みはあるわけでございますが、そういう
列車の
本数が多いことにつきまして、これはやはり安全面というものも十分に実は
考えなければいかぬわけでございますから、そういう二分ヘッドというような輸送をやっていながら、しかも安全を確保するということで、
鉄道ではたとえば閉塞の方式、信号の方式あるいは運転者がかりに運転を誤ったりあるいは失心したりというような場合でも事故にならないような設備といたしまして、ATSをつけるというような保安方式を
整備する、こういうことにいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもは
ダイヤが相当稠密であるということはこれは否定いたしませんが、これは保安を無視した過密な
ダイヤであるとは決して
考えていないのでございまして、これは保安を十分に
考えた
ダイヤでございます。したがって、それによって規則を守って運転をすれば決して支障はないという姿の
ダイヤを組んでおります。順法闘争といま
お話がございましたが、これは私ども順法とは
考えておらないのでございまして、順法して運転をすれば当然
ダイヤどおり運転がされて、円滑な運転ができるのでございます。今後の問題といたしましては、ますます需要がふえる、
混雑が激しくなることでございますから、何としても
輸送力増強を大いにやっていかなければならぬ。これは
国鉄、私鉄ともどもでございますが、
輸送力増強を大いにやりまして、また保安の設備もこれを大いに
整備いたしまして、そうして従業員の協力を得て運転を確保し、安全を確保していかなければならぬものと
考えておるわけであります。