運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1972-03-17 第68回国会 衆議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年三月十七日(金曜日)     午前十一時三十六分開議  出席委員    委員長代理 理事 徳安 實藏君    理事 加藤 六月君 理事 箕輪  登君    理事 内藤 良平君 理事 田中 昭二君    理事 河村  勝君       石井  一君   小此木彦三郎君       唐沢俊二郎君    菅波  茂君       關谷 勝利君    山村新治郎君       井岡 大治君    久保 三郎君       斉藤 正男君    松本 忠助君       宮井 泰良君    田代 文久君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君  出席政府委員         北海道開発庁総         務監理官    山田 嘉治君         北海道開発庁主         幹       首藤 泰雄君         運輸大臣官房長 高林 康一君         運輸大臣官房審         議官      見坊 力男君         運輸省海運局長 鈴木 珊吉君         運輸省船舶局長 田坂 鋭一君         運輸省港湾局長 栗栖 義明君         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 中村 大造君         海上保安庁長官 手塚 良成君  委員外出席者         運輸省港湾局参         事官      田中 光次君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正巳君     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案(  内閣提出第四三号)  北海道開発のためにする港湾工事に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第三二号)      ————◇—————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長所用のため、委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。丹羽運輸大臣
  3. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 ただいま議題となりました日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  大都市における大規模住宅団地建設に伴う輸送手段の確保及び通勤通学輸送需要の激増に伴う混雑の緩和をはかることは、現下の大都市交通におきまして緊急に解決すべき課題であります。  しかるに車両増備等中心とする従来の私鉄輸送力増強対策はほぼ限界に達しており、今後の輸送力増強については、大規模住宅団地関連鉄道新線建設複々線化のための線路増設都心乗り入れ新線建設等を大幅に促進する必要がありますが、これらは本来先行性の強い投資であるのみならず、巨額の資金を要するものであり、私鉄の努力のみでは、これらの施設整備を促進することは困難であります。  したがいまして、これらの施設整備日本鉄道建設公団に行なわせることにより、大都市圏鉄道網の緊急な整備をはかり、もって大都市機能の維持及び増進に資することとするのが本法案提案の趣旨でございます。  次に、この法律案概要について御説明申し上げます。  第一に、日本鉄道建設公団業務として、地方鉄道に係る鉄道施設等大都市圏に存するものの建設及び大改良を行ない、完成後同施設地方鉄道業者等に対し譲渡する業務を追加するものであります。  第二に、これらの施設建設または大改良につきましては、地方鉄道業者等の申し出に基づいて運輸大臣工事実施計画を定め、これを日本鉄道建設公団に指示することとするものであります。  第三に、工事実施計画の指示があったときは、日本鉄道建設公団当該建設または大改良を行なうものとし、日本鉄道建設公団及び地方鉄道業者等は、当該建設または大改良実施方法等について協議することとするものであります。  第四に、日本鉄道建設公団業務の追加に伴い、役員に関する条項を整備する等所要の改正を行なうものであります。  以上が、この法律を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  4. 徳安實藏

    徳安委員長代理 これにて提案理由説明は終わりました。      ————◇—————
  5. 徳安實藏

    徳安委員長代理 次に、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  6. 久保三郎

    久保委員 新しい港湾整備五カ年計画閣議決定をされたかどうか、されたとするならば、その概要説明していただきたい。
  7. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 港湾局長から便宜説明いたさせます。
  8. 栗栖義明

    栗栖政府委員 本日、新しい港湾整備五カ年計画閣議で御決定いただきまして、具体的に実施する運びに相なったわけでございます。  その概要を申し上げますと、まず閣議決定内容につきましては御承知かと思いますけれども、昨年二兆一千億円の港湾投資額閣議了解いただきまして、その中で一兆五千五百億円の国が関与する事業につきましての内容をおきめいただいたわけでございます。  で、内容につきましては二つに分かれておりまして、「港湾整備事業実施目標」と、それから「港湾整備事業の量」という二つ項目に分かれておりまして、実施目標といたしましては、外国貿易港湾整備、これはコンテナその他の輸送革新あるいはトランパーその他によります輸送量の増大に対処するための施設整備でございます。  次に、二番目に、国内流通港湾整備でございまして、いわゆる内国貿易その他の国内貨物流通あるいは離島との連絡、そういったような施設整備を行ないます。  それから三番目に、地域開発基盤となる港湾整備、これは御承知のように新産業都市あるいは工業整備特別地域、そういういうふうなものをベースにいたしました地域開発基盤になります港湾整備を行なうということでございます。  それから四番目に、産業関連港湾整備、これは立地しました企業が受益者負担金をもちまして実施する事業でございます。  それから五番目に、航路等整備、これは港湾区域外のいわゆる狭水道あるいは航路の暗礁というようなものの除却を行ないたいということでございます。  それから六番目に、公害防止事業推進でございますが、従来から油濁防止施設その他の整備を進めてまいったのでございますが、さらに港の中に堆積しました汚泥除去というものを行なうということにいたしておる次第でございます。  それから最後に港湾事業調査費を使いまして、いろいろな港湾調査を行なうということと、港湾工事実施するために必要な作業船整備等を行なうということが実施目標でございます。  それで、その具体的な整備事業の量でございますが、外国貿易港湾整備に関しましては六千三百六十億円、それから国内流通港湾整備につきましては三千九百十億円、それから地域開発基盤港湾整備につきまして千九百十億円、それから産業関連港湾整備につきまして六百八十億円、航路等整備につきまして六百八十億円、それから公害防止事業推進という事柄で百七十億円、それから港湾調査等実施でございますが、百四十億円、そのほかに、これは従来の五カ年計画の中にもございましたが、調整項目というものを設けまして、千六百五十億円の調整項目をもちまして、現在の時点で予想されないような港湾整備要請が出ましたときに、これを取りくずして運輸大臣が自由にこれを実施できるという項目でございます。以上合計いたしまして一兆五千五百億円ということで閣議決定をお願いした次第でございます。
  9. 久保三郎

    久保委員 これは閣議決定をきょうしたのですか。まだしない……。
  10. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 本日の閣議決定を見た次第であります。
  11. 久保三郎

    久保委員 それではすぐに資料を配付してもらいたい。  続いてお尋ねしますが、この新しい五カ年計画というものの項目はいま局長からお話がありましたが、特徴的にはどういう点が特徴であるか、前の五カ年計画に比べて特徴的なものは何であるか、たとえば公害防止では港内の汚泥除去、そういうものをあげられましたが、もっと大きく見てどういう点が特徴的なのか、御説明いただきたい。
  12. 栗栖義明

    栗栖政府委員 御承知のように港湾整備でございますから、五カ年計画を立てるたびにそう大き骨子が変わるものじゃございませんで、やはり港の整備を進めていくという基本的な姿は変わらないと思いますけれども、まず第一点は、前回の五カ年計画に比べまして、当時もコンテナその他の輸送需要はあったわけでございますが、これが非常にはっきりしてまいりまして、この整備を急がなければいかぬ。それからもう一点は中長距離フェリーが非常にふえてまいりましたので、そういうような海上輸送輸送施設変化に対応します港湾施設整備が必要になってまいりますし、それからもう一点、これは要請別に先ほど申し上げましたので表面には出ないかと思いますけれども、台風による波浪の被害あるいはいわゆる冬よく発生いたします台湾坊三等によりますいろいろな被害が起こってまいりますので、一つの港の整備をする場合に、従来もやってまいりましたけれども、特に防波堤整備その他を先行的に進めたいというふうに考えておる次第でございます。  それからなお、国内流通港湾整備の中で、まだ金額的にはいまのところ大きく見ておりませんけれども、今後調整項目その他で考えなければいかぬ要素として私ども一応念頭にございますのは、いわゆる海洋性レクリエーションのための港、これは具体的に言いますとヨットハーバーであるとか、そういうものが今後出てまいるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。  それから、先ほどちょっと申し上げましたが、公害防止対策につきましても新しく港湾内の汚泥しゅんせつ、そういうものも取り行ないたいと思っております。
  13. 久保三郎

    久保委員 そこで、たいへん初歩的で恐縮でありますが、流通港湾というのはどういう定義なのですか。
  14. 栗栖義明

    栗栖政府委員 流通、特に港湾につきましては、人の輸送ももちろんございますけれども、どちらかというと物の流通が主になろうかと思います。で、流通ということばを使っておりまして、流通港湾ということで全部が包含されないかもしれませんけれども国内流通港湾ということばを使ってございますのは、いわゆる臨港といいますか、ある物資消費財あるいは生産財で各港の背後地で消費されるもの、そういう物の出し入れをする港を流通港湾というように一応呼んでおります。
  15. 久保三郎

    久保委員 そういうふうに単純に解釈してこれからのこの五カ年計画をながめていっていいでしょうか。どうなんです。あなたがちょっとおっしゃられることは、言うなら背後地で消費する物資の出入りであるというようなことでありますが、その中には当然二次加工——三次加工まであるかどうか知りませんが、加工がある、それからストックポイントとしての機能も当然くるだろうということになると、単純に流通、海から陸へ渡るだけの港湾というふうにとっていいものかどうかですね。その辺のところをきちんとしておいていくことがいいのかどうかは別にして、流通港湾というのはまだ固まってはいないのじゃないかと私は思うのです。そこに一つ問題があるのです。流通港湾規模というのはどの程度が一番能率的で機能的なのかという検討はそれじゃしているのかどうか。  もう一つは、話が前後しますが、日本のこれからの経済の形というか進展というか、そういう中で、そういうものを特別に取り上げてくるほど港湾機能というのは分化されていくものだろうか、そういう点、どうでしょう。
  16. 栗栖義明

    栗栖政府委員 ちょっと私の説明が舌足らずであったかと思いますが、ただいま先生指摘いただきましたように、広い意味流通と申しますと、港のストックポイントも当然入りますし、いろいろ入るわけでございますが、ただ私ちょっと申し落とした点があろうかと思います。いわゆる昔のことばで、昔といいますか、従来よく使うことばは、外国貿易内国貿易ということばを使っておったわけでございます。ただ、内国貿易というのは、いろいろ字引きを引きましても、実は正確な用語ではないということで、流通ということばに変えたわけでございますけれども流通ということばを使いますと、先生指摘のように、単純に海陸のものが流れるだけという印象も受けられるかと思いますが、私ども、もう少し広い意味で考えてみまして、いいましたら外国貿易に対応する国内の、これは貨物だけではございませんで、場合によりましては、船舶中心にいたしますと船が集まる場所というふうにも考えなければいけないし、先生の御指摘のようにストックポイントも当然その中に入ってまいります。そういう広い意味で考えていっておるわけでございます。
  17. 久保三郎

    久保委員 時間もありませんからあとで機会を見てお尋ねしたいのでありますが、てまえども地域には、運輸大臣も同じ県でありまして、これはあとで予算の分科会でもお尋ねすることになっておりますけれども、水戸の射爆場あと地利用の問題で実はいろいろな問題があります。そこで流通港湾を北関東の出口というか入口というか知りませんが、そういう意味でつくろう、そういう調査をいまなさっているそうであります。われわれ自身、港というものの性格を、流通港湾という何かきれいなことばでごまかされてはいけないぞという話をしているわけであります。別に悪い意味で言っているわけじゃないのですよ。最近における港湾機能というのは非常に多角的に、多様的になっていると思うのですね。そういう中で、流通港湾と銘打ってやるからには、もう少しきちんとしたものがなくちゃいけないだろうというふうにも思われるわけです。いまお話を聞いてみると、内国貿易港であるというなら、いままでの国際貿易港、内国貿易港と分ければ内国のほうに入るのだ、こういうことでありますが、どうもそれだけではなさそうに思うので、われわれ自身としては今後検討していきたいと思います。  それから流通港湾の三千九百十億という事業費つけ方は、前からそうでしたか。今度新しく流通港湾という名前に変えてきたのですか。これは今度初めてでしょうね。そうじゃないのですか。前もありましたか。
  18. 栗栖義明

    栗栖政府委員 従来外国貿易港に対応して内国貿易港湾整備ということばは使ってございましたけれども内国貿易港湾ということばもちょっと変じゃないかということで、流通港湾ということばに変えたというふうに御理解いただきたいと思います。
  19. 久保三郎

    久保委員 やはり定義というか、そういうものの構想というか、これははっきりしていかないと、ことばをただ単に変えていくというものではなさそうに思うのです。だから、そういう意味でちょっとお尋ねしたのですが、今後われわれも時間を見てさらにお尋ねします。  そこで、全体の五カ年計画改定でありますが、要するに、貨物取り扱い量がふえてきた、そこでこのふえ方でいくならば、いま御説明があったように一兆五千五百億に改定しなければならぬ、こういうふうに単純にとればいいのですか、いかがです。
  20. 栗栖義明

    栗栖政府委員 確かにいままでの貨物の伸びぐあいを見ますと、非常に大きくて、投資が追っつかないという点もございましたけれども、それ以外に、船型の大型化であるとか、あるいは特殊な目的の船が出てまいりましたということもございます。それから危険防止という意味から、防波堤の配置なり、また足りないものはうんと補って安全にするという点もございます。それから航路整備というふうな点もございまして、単に港で扱う量が大きくなったということだけじゃございませんで、それを運ぶ船の質にも対応いたしますし、それからもう一点は、ものによりましては輸送が専門化されてくるということもございますので、そういう輸送変化に対応したものを考えていくというふうに存じておる次第でございます。
  21. 久保三郎

    久保委員 いまお話がありましたが、大ざっぱにいえば、ぼくが申し上げたように取り扱い量が多くなったからということです。多くなるし、これからも多くなるであろうという想定のもとに一兆五千五百億という事業量をおきめになったと思うのですが、それでは、多くなるというその基礎は何に基づいておやりになったのですか。発展計画でやる、それからそのあとできている新全総に基づいて改定しているのかどうか、その点はどうですか。
  22. 栗栖義明

    栗栖政府委員 先生指摘のように、社会資本投資額基礎につきまして、あるいは港湾取り扱い貨物の推定につきましては新経済社会発展計画ベースにとって作業を進めた次第でございます。
  23. 久保三郎

    久保委員 この発展計画については政府部内ではどういうふうに思っているのでしょう。これはもう、少し見直す時期じゃないだろうかということで作業を進めていると思いますが、そういう作業を進めている中で、一兆五千五百億がそれを土台にするというのではちょっと違うのじゃなかろうか、これは理屈ですよ。いや違うのだ、それは改定はするかもしれないが、今日ただいまの現況からいけば多々ますます弁ずるであるから、一兆五千五百億ぐらいの事業歴は、これは一〇〇%達成してみたところでだぶつくものじゃない、こういうふうにおとりになっているのかもしれませんね。そうでしょうね。
  24. 栗栖義明

    栗栖政府委員 先生おっしゃいましたように、算出の基礎はそうなりますけれども、港を整備する場合に、埠頭だけじゃなくて、それを囲う防波堤、いろいろございますので、先生のおっしゃったように、当初の計画で合わしていってもなかなか追っつけないというものがこの際追っつければ幸いだというふうに考えておる次第でございます。
  25. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 いまの久保先生の御質問でございますが、ごもっともな御質問と思う次第でございます。実は先般閣議におきましても、その問題につきまして企画庁長官から、そういった新経済社会発展計画の見直しという問題につきまして発言がありまして、大体秋ごろまでにその見通しをつけて、その場合におきましては、各種の五カ年計画についてあるいは幾ぶんの是正方をお願いするかもしれぬというような発言がございました。私そのときに発言をいたしまして、公共事業のそういったのは、やはり需要の減少に伴って減るようになるだろうというような問題につきまして問いただしましたが、必ずしもそうならぬ、そういう場合にこれからの公共事業投資というものはますます必要になってくる、それでこれは、いまの、たとえていいますと二兆一千億の今日の五カ年計画も減るということは絶対ありません、こういうようなことでございました。私もそれを了承している次第でございます。その点を私問いただしましたので、申し上げました。
  26. 久保三郎

    久保委員 お話はわかりましたが、新しい五カ年計画は、この前も運輸大臣に別なことでお尋ねしたのでありますが、総合交通体系の中にはどんなふうに織り込まれているのでしょうか。いや別にまだそこまではいっていないんだ、過去の成り行き、行きがかり——行きがかりと言ったらたいへん失礼ですが、前の五カ年計画改定したという単純なものである。いま総合的な体系の中で改定するんじゃなくて、港湾整備という、そういう観点からだけ修正して一兆五千五百億にしたんだ、中身もよってそのとおりだというふうに解釈してよろしいのですか。
  27. 栗栖義明

    栗栖政府委員 確かに作業過程で申し上げますと、現在非常に困っているところから——困っていると申しますか、港湾管理者が困って、御要望のあるところを整備したという点は間違いございませんで、ただ総合交通体系、これはいろいろと構想も出されましたし、その中で取り上げられることはそれにフォローしてアジャストしていくということを考えた次第でございますが、まだ私ども港湾につきましては詳細な点までは総合交通体系できまってございませんで、大筋を受けて進めていくというふうに御理解願いたいと思います。
  28. 久保三郎

    久保委員 時間もありませんから先へ行きましょう。  いずれにしても、いままでのようなやり方で事業を拡大していくということについてはやや反省期に入るべきだと私は思っているのです。むしろあるものをどう機能させるかという問題だと思うし、それからもう一つ日本全体の経済の見方ですね。生産がどんどんふえていけばいいんだという、そういう単純な考え方は、もはやだれもそのとおりと賛成するものはなくなってきたと思うのですね。環境保全の問題やら国土の効率的な利用、こういうようなものの限界の中へすべてはおさめるということだと思っているんですよ。そうなると、たとえば、これは運輸大臣分科会でもあなたにお尋ねしますけれども、さっき申し上げた射爆場あと流通港湾一つとっても、福島県境からずっと見まして、大津、平潟という漁港がございますね、すぐに。そして次には今度は大きいのは日立港ですね。その次には那珂湊、その次に大洗、それで鹿島、波崎というか銚子というふうに、一帯が港湾になっているわけですね。港湾がいけないわけじゃないですよ。その中に幾つかのまた小さい港や船ひき場のようなものが介在しているわけでしょう。それを考えると、われわれ海岸に面したところに住んでいる者から考えれば、むやみやたらと言ったらおかしいが、やたらじゃないが、むやみぐらいのところでしょうね。港をつくることに専念しているように見えている。あとのことはあまりやっていないんじゃないかというふうに思う場合があるんです。これはまあ大きいところに拠点を設けるとか、それから整備したものを置くとかいうことはけっこうなんです。海岸全部が港になった場合、それはどういうふうになるだろうかということですね。  それから、海洋レクリエーションゾーンの話がいま出ましたね。たとえば、九十九里浜はそういう地帯に指定しているのか知りませんが、これは汚染がはなはだしくなっていますね、最近。そういうものも考え合わせないと、単にこの整備計画だけではまずいんじゃないかと私は思うのです。まあこれは意見になりますからこの辺にしておきますが、そういうものを前提にして考えなくてはいけないし、もう一つは、これは港湾局長あとからまたお尋ねするが、問題は結節点である港湾の問題というのが一番大きく変わりつつありますね。いつかも申し上げたように、一つ輸送ですか、そういう場合をとると、結節点におけるところの改良というものが非常におくれているわけですね、日本ばかりじゃないだろうけれども。それがやや進んできたのは、資本側の圧力によって港湾のほうが一番先に、言うならば改良されてきた。いわゆる海から上陸されてきたんですね、コンテナカーフェリーで。そういうものを押し込んでこられて、やむを得ず港湾運送を含めた結節点改良というものを強要されてきたきらいがありますね。どうしてもこの点がおくれているんですよ。だから、もっとも港湾局というものは成り立ちからいくならば港湾構築を主たる任務としているように思います。しかし現在ではもはや、港湾構築も大事だか知らないが、結節点におけるところの諸問題を解決するというところが一つは大きな問題だと思うんですね。ところがここに関係しているのは、船のほうは船舶局あり、船を動かすほうは海運局あり、港湾局あり、それから陸に上がれば陸運局というか自動車局、こういうふうなものがあって、その結節点で一番イニシアをとらなければならない港湾行政というか港湾局機能というものは、まあ言うならば、港湾構築のほうに主たる力が入っている。だから、いろいろな問題がいま出てきているのだろうと私は思うのであります。  そこで、関連してお尋ねしたいのは、港湾運送事業についてどういうふうにいま考えておられるのか。これは大きな問題です。はしけについて——もちろんそういうはしけ荷役というか、そういうものではなく、最近は、さっきも話が出たように、コンテナ船コンテナ岸壁に着いて直接やってしまう。カーフェリーはもちろんのことというようなことであります。あるいはラッシュ船、そういうものがどんどん出てきますと、これは思ったよりははしけ荷役というものがたいへん減ってくるのじゃないか。ところが、はしけによるところの港湾運送事業の実態というものは、運送の免許を持っている者がやっているのかというと、そうでもないんですね。実際の勢力というものは、免許はなくていわゆる自己はしけ、個人はしけというか、そういうものが機能してやっているわけなんですな。だから港湾運送を再編成する、新しく近代化していく場合には、これを無視して問題を解決するわけにはいかないわけです。  それで、質問の要点を申し上げますれば、港湾運送事業の中のはしけについての影響、これからの影響をどういうふうにとらえているのか、どういうふうに解決をしようとしているのか、これが一つ。もう一つは、港湾運送のいわゆる職域というものの判定が非常にむずかしくなってきたと思うんですね。その場合に当然予想されるのがこの港湾運送事業界における混乱ですね。労働問題を含めての混乱ですね、これがいますでに起きている。ラッシュ船でもコンテナ船でもカーフェリーでも全部起きているわけですね。しかしいまだかつて運輸省がこれに対して的確な方針を示したことは、残念ながらあまりない。むずかしいですね、非常にむずかしい。大体見当違いだというのです。いまの港湾局長や大臣には責任はございませんけれども、つい最近まで港湾運送事業のやってきたことは何かというと、いわゆる一貫元請の集約をずっとやろうということでやってきた。そんなものは問題じゃないんですね、いまはっきりいえば。しかもこれにだいぶ精力を傾けてきたのだが、完成せずに新しい要素がどんどん出てきた。コンテナが出てきた。カーフェリーが出てきた。ラッシュが来た、こういうことなんですね。今度誤れば二回目の誤りをおかすわけです。そこでいま何をやっていらっしゃるかということを聞きたいのです。職域の問題についてはどういうふうに制度的に考えていらっしゃるか、いつのころ結論を出すのか。現に起こりつつある問題をどう解決しようとしているのか。簡単でけっこうですから、棒書きでいいですから答弁していただきたい。
  29. 栗栖義明

    栗栖政府委員 ただいま先生指摘のように港湾を場とします港湾運送事業と申しますか、そういう事業の形態なり事業内容というものは非常に変わりつつあるということは御指摘のとおりだと思います。では、それが将来どういう方向に向かってどういうふうに落ち着くかということはなかなかむずかしくて、私どももせっかく勉強中でございますけれども、そういうものを取り上げまして、運輸政策審議会の中に物流部会というのがございますが、その中で港湾運送特別委員会というものを設けまして、学識経験者あるいは荷主、船社あるいは港湾労働者の代表の方々、港湾管理者、そういう港湾の関係者に集まっていただきまして、いろいろと問題を検討していただいておるわけでございますが、先ほど先生指摘のように、現在はしけの問題が特に非常に問題になっておりますので、まずはしけの問題から検討していただく。それからなおここ数年先を見通した港湾運送業のあり方がどうなるだろうかということも検討をいただいておりますが、特にはしけの問題急ぎますので、できれば六月ごろまでに結論をいただきたいということでせっかく御検討をいただいておる最中でございます。
  30. 久保三郎

    久保委員 いずれにしても急を要する問題だと思っていますね。ラッシュ船が来るころになってから問題が出て、まさに横浜港の先まで見えてきてから手を打つようなことをやっているというのは、これは大臣、申しわけないけれども、運輸省は何をやっているんだろうか。もっとも港湾局ばかりじゃないのです。これははっきり言うと、全部あと追い行政なんです。あと追い行政というのは、ここに高官連中たくさんいらっしゃるけれども、失礼だが、言うならば先見の明がないし、力がないということじゃないかと思うのです。だからわれわれが質問しますと、いや、それは法律改正や制度改正はあとですよ、先にこの傾向を見て、これに政策というか、役所のほうはついていく、これをやっていけばいいのです、必要なときに法律を改正すればいいのです、そういうことが、たとえば自動車、陸運行政の中にもたくさんありますよ。そういうのを見ますると、いまの問題もそのとおりじゃなかろうかと思うのです。能力がないなんて言ったらたいへん失礼だから、これは取り消しておきましょう。しかし芸のない話だと私は思うのですよ。  それで、前の大臣は運愉政策審議会ですか、何かそういうのをおつくりになったというが、まあおつくりになるのはけっこうです。しかし、見坊審議官のような人もおられるので、何もそんな審議会なんてつくることもなさそうに私は思っているのですよ。一々だれかに聞かなければいけないというのじゃなくて、聞いておけば、何かあとで問題が出たときに何とか回避できるんじゃなかろうかというふうにとるのです。すべてそうでしょう。部内で意見があったらもうどんどん出していくという機構にしてもらいたいと思う。そうでなければ、いまのような問題は一つも片づきませんよ。一貫元請集約をやって何とか業界が立ち直るんだなんて言った人はこの際責任をとってもらおうじゃないかといっても運輸省にはもういないかもしれない。どこかへ行ってしまった。それから、はしけは三十六年から三十七年にかけて、はしけの増備、いわゆる建造を盛んに奨励したのですよ。船舶整備公団から銭を貸そうということでやった。その金をまだ払えない業者もいるかもしれないんだ。これは言うならば、世界的な海運のそういう進展のぐあいを勉強しなかった結果だと私は思っています。コンテナ船がもうできたというのに、いやそんなに早くは来ませんよというようなことを言っている。なに、二年か三年たったらどんどん来た。業者は、もうかるならばもうかるところには全部やるのですよ。もうかるところにあまり関心がない人は役人だけだ。そういう人が業界を指導するといったって、これは無理なんですね。だから、そういう点からいうと、私は港湾運送事業の問題などはもう少しやってもらいたい。  そこで、時間もあまりありませんから、港湾運送料金の話を、この間内藤委員から質問しました。そこでこれに関連して私は聞くのでありますが、これは、値上げの問題は別として、ダンピングをされているという話です。そのとおりであるかどうか。いわゆる運輸省が認可した料金以下で取引されている、この実態は御存じであるかどうか。
  31. 田中光次

    田中説明員 港湾運送料金につきましては、昭和四十二年に港湾審議会で、料金の立て方につきまして答申をいただいております。現在われわれはその答申の趣旨に沿うて料金の設定を行なっておりますけれども、その答申を簡単に申し上げますと、港湾作業は非常に複雑でございますが、料金の立て方は簡素なものにするということが一つ、それから実効性のある料金をつくるようにという二点がおもでございます。それに基づきまして、港湾運送料金の場合には、バスとかタクシーと違いまして業者は特定しておりますので、まず港湾運送業界と業者団体と十分話し合いをさせまして、その話し合いがついたところでわれわれのほうに上がってくるわけです。それを、まあ公共料金のことでございますから、よく検討いたしまして、関係省庁といろいろ打ち合わして認可をする、こういう手続をとっておりますので、大体料金は守られているというふうに考えております。
  32. 久保三郎

    久保委員 いや、われわれ聞いているのは、守られていないと聞いている。実態調査をされましたか、田中さん。
  33. 田中光次

    田中説明員 料金のことにつきまして特に実態調査を行なっておりませんが、現在、先ほど先生が言われましたはしけ対策の必要上、はしけの実態調査を行なっております。その過程で、はしけの部分につきましては、料金の実態もある程度わかろうか、こう思います。
  34. 久保三郎

    久保委員 田中事官は、それじゃ、はしけのほうはこれからわかるのですね。そうですね。
  35. 田中光次

    田中説明員 そうでございます。
  36. 久保三郎

    久保委員 お調べになっていないのに、そんなことおっしゃっても、それは困りますよ。いずれにしても時間がないから、私がどうのこうの言うのじゃありませんが、運輸省というか、そういう監督指導する立場のものは、まず弱いものに力をかせばいいのです。力あるものに力をかす必要はないのです。それから秩序を維持することが監督官庁の任務ですよ。そういう意味からいえば、どんな仕組みになっているのかわかりませんが、そういうものの実態はやはりお調べになって、これをどう持っていくかというのを考えないでは行政ではないのじゃないかと私は思うのですよ。いま参事官が悪いわけでも何でもない。いままでの考え方がそういうことだと思うのです。しかもこの港湾運送料金をきめるときには、船社の代表者も入ってきめるのでしょう。ところがそのたたくほうは船社なんです。海運局長、たたくのは、相談に入った船社がたたくのですよ。自分の収入をじぶんから削るなんて奇特な人はどこへ行ったってありませんよ。結局利用者にたたかれるのです。利用者は船社以外にない。守られていないということですよ。しかもたたくほうは、おそらく、これは推測でありますから保証の限りじゃありませんけれども、最近は港湾運送事業の中に船社がずっと系列化していっていることは御承知のとおりでありますね。系列化するということは、自分の点のままにこれを動かすということですよ。と同時に、対抗するものに対してのいわゆるダンピングの一つの手段に使うということです。そういうもののやり方がいいのかどうか、それではたして秩序が守られるのかどうか、こういう問題については、これは港湾局長でしょうね、どうですか。そんなものについてこれからメス——メスといってはおかしいが、手を入れて秩序を維持するという方向に考えるというのが当然だと思いますが、いかがですか。
  37. 栗栖義明

    栗栖政府委員 先ほど田中事官からはしけの実態調査の話を申し上げたのでございますが、業務監査あるいは資料で——マクロ的な資料は実は持っておるのでございますけれども先生おっしゃいましたように、いまのこまかいことをやろうとしますと、どうしても足りないということで、もう一ぺん実態調査といいますか、こまかい調査をいまやっておるというような実情でございます。  先生質問のような、船社が系列化して他を押えるとか云々というふうなことになれば、これはひとつ問題があろうかと思います。御指摘のように、港運業界というのは非常に数も多うございますし、それから業界内部も複雑多岐でございますので、やはり御指摘のように、弱い人を助けていって、皆さんが一緒になって業界の繁栄をかちとると申しますか、秩序ある港湾の運送作業をやれるという体制にしていくのが望ましいというふうに私ども考えておりまして、そういう方向で今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
  38. 久保三郎

    久保委員 海運局長、せっかくおいででありますから、いまの問題で御所見のほどをお伺いしたいと思うのであります。  船社は、なるほど最近の海運市況からいえばいろいろ問題があろうかと思うのですが、しかしそういうやり方で自分の利益を擁護していくということがはたして公正であるかどうか、そういうのを海運業界の監督指導に当たられる局長としてどんなふうに考えているのか。それから、今後ますます多くなってくるんですね。港湾運送事業の分野というものが不明確になってくるわけですね。そういう場合において船社がどこまで出ていくのが当然なのか。何か船社が全部出ていこうとする、たとえばコンテナヤードにしてもそのとおりですね。そういうことのほうがいいのかどうか。いいとすれば、港湾運送事業の職域はどんな方向で整理してやっていくのがいいのか。そういう考えがなくて海運局は海運局の考えだけで押し通すということも私はまずいのではないかと思うのですが、これはどうでしょう。簡単に。
  39. 鈴木珊吉

    ○鈴木(珊)政府委員 ただいまの港湾運送の関係は船社がもちろんかんでおりますけれども、海運行政はむしろ港湾行政だと思います。したがいまして、私どもといたしましては、そういった面での船社の行動につきまして直接いろいろ監督指導する立場にないというふうに考えております。ただ、問題は、船社が港湾料金等におきまして、要するに港湾連送サービスを船社が受ける、港湾運送サービスの提供を受けるほうの間柄にある。もちろん船社だけではなしに荷主も——むしろ荷主のほうが港湾サービスを受ける率は多いと思います。船社の場合ももちろんございます。したがいまして、船社のみならず荷主も含めてでございますけれども、やはり港湾運送サービスを利用する側の船社あるいは荷主の側といたしましては、料金等につきましては、やはりサービスを提供する港湾運送事業者と利用者の立場から話し合いをして、一方的な料金のきめ方ということはやはり避けたほうがいいのではないかというふうに私ども存じておりますので、先ほど港湾局長お話になりましたような、両者、荷主なり船社なりと港湾事業者との間で話し合いを行なったあげく、当局のほうでいい悪いを認可するというシステムがいいのではないかというように存じている次第でございます。  なお、先生がお触れになりました、海運会社が港湾運送分野に出ていくとかあるいは系列化するとかいう問題につきましては、これは港湾行政の面で見るべきであると思います。その点につきましては、港湾局のほうで主になっていただきまして、私どもと十分協議してやっていきたい、かように考えておる次第でございます。
  40. 久保三郎

    久保委員 時間もありませんので先にいきますが、海運局長にもう一つお尋ねしたいのです。  カーフェリーによるところのトラック積み荷物の輸送であります。これは御案内のとおり陸運行政の中で免許をしていくわけですね。しかし、これは言うならば一つの海運ですね。これは内航との関係がかなり密接な立場にあるわけですね。いままで陸上トラックで行けないところもこれによって行けるようになってくるということになりますと、しかも片方内航には内航二法ありまして、内航の秩序維持というか、そういうことでやっているわけです。これとの関係を考えますれば、いまのような免許のあり方ではなくて、免許制度は別として、総合的な輸送、そういうものの需給の見方からするならば、やはり内航の範疇、ワク内において処理されるのが当然だとわれわれは思うのであります。  それからもう一つは、さっき港湾局長から新五カ年計画説明がありまして、その中にはいわゆるカーフェリーの問題がありました。カーフェリーはかなりふえてきましたが、過当競争のきらいが最近はそろそろ出てきたと思うのであります。この二つの面から、この際一ぺん検討する必要がありはしないかと思うのであります。この点はどうでしょう。
  41. 鈴木珊吉

    ○鈴木(珊)政府委員 一番初めのご質問でございますけれどもカーフェリーが最近ふえておりますが、カーフェリーの荷物は内航海運業者が扱っております荷物とは競合しないほうが多いのでございまして、むしろトラックがいままで運んでいたものが、要するに海上の道路というようなことでカーフェリーのほうへ来た。内航海運のほうはもっとロットの大きな貨物が主でございます。したがいまして、むしろ陸上の道路運送の荷物が海上に流れてきたというふうに私どもは理解しておるのであります。そういうことでございますので、自動車輸送、鉄道の分野、フレートライナー、そういった各種輸送カーフェリー、そういった面でも、いわゆる総合的な面で今後どの程度整備したらいいかということが出てまいると思います。これにつきましては、実は運輸省の中で、これは官房でございますけれども、企画部門のほうでかなり先を見通した一つ作業がございますので、これによって具体化しておるわけでございますけれども、先々そういったような方向で陸上輸送等の貨物の需給関係、それから陸上の輸送力もあわせて今後考えていくべきではないかと存じております。  それから、最近カーフェリーが非常にふえて、むしろ過剰ではないかという御質問でございますけれども、今後はそういったような面から——いままでは新しい分野の開発ということでかなり免許いたしましたが、これからはだんだん飽和状態に入りつつありますので、その点につきましては、いまおっしゃるような見地からもう少し再検討すべきだというふうに存じておる次第でございます。
  42. 久保三郎

    久保委員 次に法案に戻りまして、この法案によりますれば、北海道の自治体の負担がふえるというか、このふえるということは、地方財政の今日の状態からいけば少しく逆行ではないか。これは、この前から同僚委員からも御指摘がございましたね。そのときに、たしか御説明では、全体の事業量をふやすためにというお話です。そういうふうにとっていいのかどうか。  それから二点目は、北海道の港湾というものは、新しい五カ年計画では大体どの程度まで整備しようとするのか、そしていままでと比べてどの程度進捗するか。これは概数でいいですよ。その中で負担率の変更をやる理由をもう一ぺん簡単にわかりやすくお聞かせいただきたい。
  43. 栗栖義明

    栗栖政府委員 北海道の五カ年計画事業の内答でございますが、現在私ども考えてございますのは、全体の事業費約千二百四十億円くらいの投資になろうかというふうに考える次第でございます。  北海道の特性といたしましては、特定重要港湾は室蘭港一港でございます。あと重要港湾その他地方港湾がございますけれども、御承知のように北海道は、特にオホーツク海の沿岸は冬季は結氷するというふうな非常に自然条件のきびしいところでございます。したがいまして、取り扱い貨物量から申しますと、昨日は本土と言っておしかりをいただいたのですが、四つの島の中のほかの区域に比べますと、やはり貨物の扱いの動き方、これはおのずから差がございます。やはり北海道の特性に応じまして、どちらかといいますと、先ほどちょっと申し上げました外国貿易港湾にもある程度までの投資は必要でございますけれども、ウエートは国内流通港湾と申しますか、内国貿易港湾にむしろ主眼を置いて整備を進めなければならぬというふうに考えておる次第でございます。  それから地方財政との関係につきましては、開発庁のほうからお答えしていただきます。
  44. 山田嘉治

    ○山田(嘉)政府委員 お尋ねの地方負担との関係の点でございますが、これはすでに前に私どもから御答弁申し上げておりますように、現在地方財政がなかなか困難な状況にあることは十分念頭に置きまして、補助率引き下げの幅等も考慮いたしましたし、自治省御当局のほうから御答弁もございましたように、交付税その他関係市町村の行政に支障を来たさないような万全の装置をとるということで考えております。考え方といたしましては、先生指摘ございましたように、私どもといたしましては地方負担を若干していただくことによって事業費をむしろ伸ばしていきたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、先ほどの港湾局長の御答弁を若干補足いたしますと、今度の五カ年計画で北海道に対して千二百四十億円ぐらいの金額を見ておりますが、これによりまして昭和五十年には青函航路輸送分を除きまして、貨物の量が一億二千万トンくらいにふえるだろうということを想定いたしまして、その処理が可能であるような港湾計画を考えておる次第でございます。
  45. 久保三郎

    久保委員 いずれにしても、どうも提案されているこの法律内容はよくわからぬ、といったら語弊があるが、いまのような説明で、事業量をふやすために負担率を変えていくのだというふうに単純に受け取っていいのかどうか、ちょっとわからぬ。さっき港湾局長は数字をおっしゃったのかもしれませんが、耳が遠いものですからよく聞き取れなかった。これはあとで数字を出してもらいたい。よろしゅうございますか。——しかし、これはそれぞれ北海道の関係方面は了解をされておるのかどうか、これも問題だろうと思うのです。  それから、そういう均衡を考えるならば、北海道よりはずっとひどいだろうと思う沖繩との関係はどうなのか、こういうのも考えていくべきだと思いますけれども、急に地方財政がひどくなったこの際、負担率を上げていくということはどうも時代逆行じゃなかろうかと思う。そういうことを疑問に思ったものですからお尋ねしたわけですが、時間がありませんから、先にいきましょう。  廃油の処理施設の問題ですね、これは五カ年計画でおよそ終わったのですが。さっき局長説明では、今度は公害のほうの関係は港内における汚泥除去というようなものを取り上げる、こうおうしゃっておりましたが、廃油処理の問題はこれで大体まあということになったのかどうか。  これに関連して、保安庁長官おいででありますからお聞きするのでありますが、前にこの委員会の席でお尋ねしている鹿島灘沖一帯におけるところの廃油ボールの原因はわかったのか。いずれにしても、油のないところには廃油ボールは出ないのでありますから、油の出るところはどこかといったら、船で運んできて処理される過程の中で出てくるわけですね。しかも今度は六月からでありますか、海洋汚染防止法が実施になるということになっておりますが、法案の審議の中でも疑問に思ったのですが、広い海洋で歩きながらたらりたらりと流していくのだから薄められるであろうという計算をして説明されたのでありますが、いまにして思えば、これはたいへんな問題だと私は思っている。これは法律実施になる前に改正の話をしたら、そんなことは考えていませんということになると思いますが、ついこの間、土佐沖で事故がありましたね。これは油じゃない、廃棄物の劇物のようでありますが、そういうものをやっていて人が死んでいく。死んでいくばかりでなくて、海洋は永久に汚染されるわけですね。今度環境の審議会ですか、その廃棄物部会から答申があったそうでありますが、これも新聞等の論評を読んでみますと、この六月に国際会議があるからそこに行くときの、しようがないからやっていますということでつくろうというのじゃなかろうかというふうにいわれております。もっと徹底して海を守るという考え方からいろいろな施設を考えるべきだと思うのですが、こういう点でどういうふうに大臣は思っていらっしゃるのか。いまのようなやり方では海洋はきれいにならないと思うのです。海に捨てるということ自体、川に捨てるということ自体、問題になってきていると思うのです。だから、この点についてもう少し検討してみたらどうか。それが一つ。  保安庁長官には、答申になったようなもので今後どういうふうにこれは処置されていくのか。あれは保安庁に直接関係があるのでしょう。  それから、先ほど申し上げたように廃油ボールの原因はわかったかどうか。きょうは時間がありませんから、わかったなら、わかった。犯人はここであったということがわかれば、わかった。わからなければ、わからぬ。これでけっこうですから、お答えいただきたい。
  46. 丹羽喬四郎

    丹羽国務大臣 はなはだ恐縮でございますが、私は次に予算委員会に呼ばれておりますので…。  いまお話がございました海水の汚濁の問題でございますが、御指摘のとおり、私ども非常に心配をしております。先般も御質問がございまして、いま港湾局長からお答えを申し述べさせるつもりでございますが、今回の五カ年計画でも廃油処理施設の充実ということはもちろん入っておる次第でございます。またバラストやなにかにつきましては、ロード・オン・トップ方式によりまして油水を分離をいたしまして、いやしくも油を流すというようなことを避けるような方式を順次徹底させてやっておるつもりでございます。  また今回六月から実施されます海洋における投棄の規制、せっかく環境保全会議におきまして決定を見たことでございますので、これを十分に守りまして、私ども全力をあげまして、ことに周囲が海に囲れておる日本でございますから、そういう点でできる限りの処置を考えさしてもらいたい。その方法も講じてまいりたいと思う次第でございますが、御承知のとおり、何ぶんこれはいろいろ問題がございますが、それを取り締まる海上保安庁といたしましても、設備の点あるいは人員の点、まだまだ不足の点が非常にある、これだけの大きな問題をかかえておりまして。こう思う次第でございますので、せっかくいろいろ御指摘の点を留意いたしまして、再検討してまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
  47. 手塚良成

    ○手塚政府委員 御質問がございました二点についてお答えを申し上げます。  廃油ボールの調査の問題でございますが、全般的な廃油ボールの問題につきましては、昨年約小一年かかりまして、その原因調査をいたしました。特にまた鹿島地区に特殊な形態における廃油ボールがあるということでございましたので、鹿島地区につきましては、また別途な調査を、研究機関を動員して行なったわけでございます。この調査結果につきましては、一応の調査でございまして、今後なお調査を継続しなければならぬというふうには思っております。特に、ボールになるというようなメカニズム等につきましては、これはいろいろな海象その他の問題の検討が必要でございますので、そういうことを含めました最終的なことはなお時間がかかると思います。ただ今日大体の結論を得ましたことから申し上げますと、廃油ボールはタンカーからの廃油が主要な発生源であるというふうには一応考えられます。したがいまして、これの対策ということが問題になるわけでございまして、外航タンカーにつきましては、やはりスラッジあるいはバラストの排出、こういったものにつきましての措置をとる。そのためには、たとえばロード・オン・トップ方式の採用を促進する、あるいは先ほどお話に出ております廃油処理施設その他の陸上処理施設整備をはかる、こういうことが外航等については必要ではなかろうか。内航タンカーにつきましては、やはり陸上の廃油処理施設整備の促進、それの利用の拡大、こういったことが必要な対策ではなかろうか。それについてのきめのこまかい具体的な施策が、これに伴って必要であろうと一応考える次第でございます。  第二の廃棄物——先般起こりました事故等を背景にいたしました今後の廃棄物の処理、並びに私どもの任務としての監視、取り締まりという問題でございます。従来もこういった廃油ボールあるいは内湾等におきます油のたれ流しの監視、こういった点につきましていろいろ御批判もありますし、私どもも、検討もさらに必要だと思っておりますが、今度の廃棄物の海洋投棄につきましては、さらにそういった守備範囲が広がる。しかも、これが距岸から百マイル地域のような非常に遠い、遠距離の地帯であるということ等がございますので、従来にも増してそういった意味の監視体制の強化、しかもそういう面の重点的なやり方、こういうことについては、私どもはことしの六月二十五日以降、海洋汚染防止法全面施行に伴う時点におきまして、鋭意検討をいたしております。ただ、私どもは、これは私どもだけの監視、取り締まりという問題ではなしに、やはりこういう海洋汚染公害という問題についての排出源に当たる担当の者、並びに国民全体の国民意識の高揚、こういったものを含めて、ひとつこういう問題の処理に当たっていきたい。目下のところ、かように考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、私ども新しい使命と考えまして、鋭意最善の努力をもってこれに当たりたいと考えております。
  48. 久保三郎

    久保委員 この廃油ボールの調査の結果は、これからも引き続き海象と廃油ボールの関係なども調べるということでありますが、この結果について文書でひとつ知らせてほしいと思うのです。あらためてこの問題は、またお尋ねします。  それから土佐沖で事故が起きました廃棄物に関係して船舶局長に聞くのですが、船舶安全法に基づく危険物としての運搬ですね、そういうものに指定していなかったのかどうか、こんなものは。
  49. 田坂鋭一

    ○田坂政府委員 土佐沖の豊降丸の事故に関連してでございますが、本船が運んで、投棄いたしておりましたアクリロニトリルの製造過程に出る廃棄物でございますが、これについて現在まだ明確には、これが船舶安全法におきまして指定しております危険物であるかどうかわかりませんが、大体私どもの現在の予想では、これはアクリロニトリルに近いもの、似たものということで危険物ではなかろうかというふうに考えます。  そこでアクリロニトリルは、船舶安全法に基づきました危険物船舶運送及び貯蔵規則におきまして危険物として指定されておりまして、これによりまして、船舶の設備並びに運航者の行為規制、そういうものが規定されております。
  50. 久保三郎

    久保委員 規定されているのだけれども、事故が起きているのですね。これは初めて投棄したのじゃないようですね。これは海上保安庁にも関係があるのか知らないが、新聞記事によると、海上保安庁には届け出をしておる。この届け出をしていて、いまの話のように、安全法に基づくところの危険物だというのですね。そういうものの連係というか、それが非常にルーズじゃなかろうかという感じがするのです。これは海洋に捨てること自体問題があると思うのですが、しかいまの法律では禁じられてはいないのでしょう、そういうものでも。そうでしょう。だからそこにも問題があろうかと思うのでありますが、いずれにしても船舶安全法に基づくところの危険物を海上保安庁には届け出をしておるのだが、事故が起きてから騒いでいるというかっこうはとてもほめたものではないと思うのです。保安庁にしても、的確にこれは指導なり取り締まりなりができたはずだ思うのですが、いま責めたってしかたがないか知りません。  そこで時間がありませんから、あわせて保安庁長官にお尋ねしたいのです。  先ほどお話がありましたように、中央公害対策審議会から答申が出た。たとえばあれをやるにしても、これは百キロ近く沖合いまでついていかなければならぬものもあるでしょうね。ついていって、投棄場所を見て確かめてくる、そういうのにはいまの体制はかなり問題だろうというのですが、しかしこれは一刻を争う問題だと思うのです。やらなければならない。こういうものに対しては、そういう体制整備についてはこれからなんですか。それとも大体予想していて、そういう体制は新しい年度でうまくいくのですか。その点どうなんですか。  それからもう一つ、大臣いなくなっちゃったけれども、運輸省というか、港湾局長にお尋ねするのがいいのですが、いまのような危険物などがこれは港湾でも処理される場合があるのですね、そうですね。そういうものについて、単に油だけの問題でなくて、新しく汚泥も必要ですが、汚泥の原因になるようないろいろなものが投棄されているわけです。これはやはり内陸において処理されるということを検討していくべきだと思うのですが、これはどうですか。  それからもう一点、あなたにお伺いしたいのは、いつか通産大臣の田中さんが、鹿島にシーバースをつくってあれから油の内陸輸送をパイプラインでやろうという構想を発表しましたが、これは十分承知しておりますか、どうですか。以上です。
  51. 手塚良成

    ○手塚政府委員 私どもの御質問への前に、先ほどの私どものほうへの届け出というお話がございました。あそこで廃棄いたしましたものが、船舶局長お話もこざいましたけれども、私どものほうの現段階の取り調べにおいて、あれが危険物運送貯蔵規則によるところの対象物件であるかどうかということについてはやや疑問があるのです。私どものほうへ届け出というかっこう、これはいまの法制上は正式に必要性はございませんけれども、事実上なされております届け出の内容そのものから見ますと、廃棄します廃液の成分は一応問題のない無害のものということになっております。ただし、ただいまいろいろ捜査をしております過程におきます現物については、その届け出の内容といささか違っておるものがあるんではなかろうかというようなことが実はございます。その違ったものになりますと、これは法制上の対象になるということになりますので、現在その点を鋭意捜査をいたしておりますが、その間いろいろ先生指摘の問題があるかと思います。答申に基づきまして海洋に廃棄物の投棄が行なわれる。私どもとしていろいろ今後監視、取り締まりの体制整備、その他正規の投棄のしかたというものについての指導ということが非常に大事になっているわけです。実はいままでの段階におきまして、投棄海域あるいは投棄方法というものがまだ確定をいたしておりませんでしたので、そういうものが今度の等申でほぼ明白になってまいりましたので、これから一そう具体的なものをきめることになりますが、現段階までのところにおきましては、私どもとしてはまずそういったものがどういうところからどういうふうに出てくるか、それがどういう船によって輸送されておるかという事前の実態調査を、実は昨年から続けてやっておりまして、この実態調査をもとにいたしまして、今度のこの海域との関係におきまして、まずそういうものが運般される過程における主要経路というようなものをいま想定をいたしております。そういう主要経路を通って、そうしてそういった廃棄物がきめられた目的地点に正規の方法で投棄をされるかどうか、この過程が私どもの監視の問題になるわけでございます。したがって、まずそういった正規の場所まで行く航程、これはむやみやたらのところを通るわけではございませんで、やはり想定される主要航路筋というところがございますので、そういう主要航路筋の警戒あるいは現在の油のたれ流しを監視しておりますのと同じように、船とヘリコプターとの連携による監視体制ということになるかと思います。  さらに、今後こういった船の登録が、海洋汚染防止法によって義務づけられることになりますので、この登録にあたっての諸種のデータ内容をもとにいたしまして、その内容からの、たとえば立ち入り検査の強化あるいは廃棄物処理記録簿、航海日誌、こういうものによるところの精査ということ、あるいはまた省令できめられるべきこういった船の設備の点検、こういうことによります一応設備としての内容の監視ということをやる。なおまた、そういう監視以前の問題といたしまして、やはりそれぞれの船におきますところの自動航行記録装置というようなもので、場所とその排出をいたしました内容とが連動して自動的に記録されるような装置、こういった技術開発がやはり必要ではなかろうかと考えておりまして、こういう面についての研究、検討をいま部外に委託しながら進めておる。現在、全体の船あるいは航空機の勢力等、いろいろ毎年度の予算において御指導願って、強化をされつつありますけれども、やはり必ずしも十分ではございませんが、あてがわれておりますそういう内答を極力フルに活用いたしまして、効率的な取り締まりに当たりたい、かように考えております。
  52. 栗栖義明

    栗栖政府委員 港の危険物その他の処理でございますが、これは二つあろうかと思います。一つは陸上から港に出てくるもの、これは港湾法にも規定がございますし、港湾管理者のほうもチェックいたしますけれども、やはり港湾管理者というのは御承知のように地方公共団体でございますから、陸上のほうの公害の担当部局と相談して、むしろ受け身の形のものでございますから、陸のほうがとめてもらいたいという申し入れをするように十分指導してございます。  なおもう一点は、港の中で扱われる危険物がございます。これにつきましてはいろいろ種々雑多でございまして、現在実施しておりますのは、たとえば製品の油、こういうものは極力、隔離するというと語弊がありますけれども、一番端っこにまとめて集めてもらうとか、そういうふうな処理にしておりますし、具体的に毒物、劇物がたくさん出入りするようなものは、極力港のまん中でなく端のほうに集結して処理をして取り扱うというふうに考えておる現在でございます。  それから次に、鹿島の話でございますが、実はまだ的確には私ども聞いてございません。ただ、何か新聞で見ますと、鹿島なりあるいは房総半島の沖というふうなことをちらちら拝見しておりますけれども、ただああいう外洋でシーバースをつくるということは、技術的には非常にむずかしい点がございますので、具体的に何か話があれば私どもとしては技術的に検討いたしたいと思いますけれども、非常に波の荒いところではたいへんむずかしいという感じを現在持っておる次第でございます。具体的には現在何も伺っておりません。
  53. 徳安實藏

    徳安委員長代理 ほかに質疑はございませんか。——なければ、本案に対する質疑はこれをもって終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十七分散会