○中野
政府委員 来年度の予算要求、ただいま大蔵省といろいろ折衝しているところでございますが、先ほどからの御
質問にもありましたように、最近におきます農林
漁業をめぐります
情勢は非常にきびしいということでございます。それに対処しまして、何としましても基本的な
考え方としましては、農林
漁業の体質を
改善する、そして生産性を上げて、近代的な農林
漁業の
確立をはかるということと、そういう農林
漁業が営まれる農山漁村の場を健全なものにしていくというところに基本的な
考え方を持っております。
そこで、お尋ねの重点事項でございますが、いま申し上げましたまず農業から申し上げますと、農業の体質
改善、これは国際競争力を強化するということでございますので、従来からやっております構造政策を推進するというほかに、新しく農業団地の形成ということをはかりたいと考えております。詳しく申し上げますと、非常に時間がたちますので、要点だけ申し上げたいと思いますが、それが第一でございます。
第二は、そういう農業団地の形成は、
地域あるいは作目によりまして非常に違いますし、御
承知のような米の
事情がございますので、農業の再編成ということを考えなければなりません。その場合に、米の生産
調整が第二年目になります。初年目を経ました
あといろいろ問題がございます。それをめぐりまして、米の生産
調整を稲作転換に重点を置きまして軌道に乗せるということでございます。そういうことになりますと、今後米の転作をはかりながら需要の伸びる畜産あるいは園芸、畑作についての生産
振興をはかるというのが第二番目でございます。
それから、その場合には、昨今秋冬野菜を中心に特に問題になっております野菜対策に非常に重点を置きたいということで、追加要求もいたしまして折衝をいたしております。
それから、そういう農業の再編成、農業団地の形成という前提といたしまして、農業基盤整備の拡充ということはもう当然のことでございますが、その中でも特に圃場整備、畑作地帯の総合整備、農道、それから草地開発というものに重点を置きたいということを考えております。
それからなお、最初に基本
方針で申し上げましたように、生産の行なわれる場の農村をりっぱにするということから、農山漁村の生活環境もあわせて取り入れた新しい基盤整備事業はできないかということで、それの事業化をはかりたいということを考えております。
それから四番目の柱は、農産物の価格政策の強化であります。先ほ
ども御議論がありましたように、自由化の問題等今後も引き続き起こってくる、これに対処しまして、やはり価格安定政策を強化する必要があると考えております。そこで、野菜あるいは肉用牛あるいは工業用の果実等につきまして価格安定
制度をあるものは拡充し、あるものは新規にそういう
制度をつくりたいと考えておるわけでございます。
それから五番目は、消費者対策の充実ということを考えております。とかく
農林省の場合は、生産者に片寄りがちだということがいわれておりましたが、そういうことがもはや許されない事態になっておりますので、
農林省といたしましても、消費者対策として、先ほど申し上げました野菜の問題、その他生鮮食料品の問題につきまして両面から取り組みたいというような
考え方で予算要求をしているわけでございます。
以上が農業関係でございますが、
林業関係につきましては、
林業の生産基盤の整備あるいは
林業構造の
改善、これは第二次構造
改善事業を発足させたいということで予算要求をしているわけでございます。そのほか木材流通の合理化、
外材の圧迫等ございますので、そういう点に留意をいたしたい。それからなお、森林の公益的機能の増進をはかるための諸施策の拡充ということで、治山事業について国有林でやります治山事業を一般会計で持つようにということで、ただいま大蔵省と折衝をしておるところでございます。
それから、水産業につきましても、海洋水産
資源の開発あるいは
沿岸漁業の生産基盤の整備、
沿岸漁業構造
改善の計画的な推進ということのほかに、やはり水産物につきましても、昨今問題がありますように、流通加工
段階でのいろいろな
改善を要します。その点に重点を置いて予算要求をしているわけでございます。
それからその次は、農林水を含めまして、農林
漁業金融の
改善の問題でございます。単に補助政策だけでなくて、やはり金融政策が一方の柱にならなければなりません。そこで、農林
漁業金融公庫のワクの拡大、それから農業近代化資金の充実、その他農業改良資金
制度につきましてもいろいろな
改善をいたしたい、ワクの拡大をはかりたいということで要求をしているわけでございます。
詳しく申し上げれば、非常に長くなるわけでございますが、当面といいましょうか、ただいま大蔵省と折衝をしておる重点事項は以上のとおりでございます。