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門司委員 私は、当然そういうことになると思います。そこで、さっきから申し上げておりますように、従来の
財政需要という形の上の
配分はもうできなくなる。それをカバーしようとすれば、この際
大蔵省に腹をきめてもらわなければならぬのは、
交付税率の三二%を、四〇%なり、あるいは四五%に上げる以外にない。そうしなければ、来
年度の
地方財政計画の中で、いままでのような
交付税にたよった
財源の
配分はとてもできなくなるのじゃないかというようなことが考えられる。したがって、
所得税は減税をするという、国としては非常に
ていさいのいい処遇なんだけれ
ども、そこからくる
地方財政に及ぼす
影響というものはきわめて大きいのであって、これはやはり
政府の
責任、
大蔵省の
責任でひとつ埋めてもらいたい。これは何も
地方自治体のみずからの招いた
財源不足じゃないのであって、
政府の
施策による。しかも、
繊維協定なんというものは
政府がかってにやったことで
——かってにやったと言うと
政府はおこるかもしれないけれ
ども、大体業界の
意見も何もろくに聞かないで
政府間協定ということでこういうことがきめられておる。とするならば、そこからくる
財源不足額というものは、
政府が
責任をもって補てんすべきだ、私はそういうふうに考えたほうが理論的には正しいと思う。ところが、三二%では十分に満たすことのできないことも数字上明らかである。だとするならば、
交付率の三二%をふやす以外に私は手はないと思う。こういうことを一体
大蔵省は考えておるかどうか。それをいまのところ聞いたって、
答弁ができなければ言うだけで言い
っぱなしですが、事実上、
実態としてはそういうことがこの際考えられる
状態であって、一方においては、
起債の問題をどう解決するか、どう始末するかということだが、一方においては、
交付税をふやす以外に今日の
地方財政の
ピンチを切り抜けるわけにはいかぬのじゃないか。しかも、その半分というか、ほとんど全部は
政府の
責任であって、
地方の
自治体がこれを背負う
筋合いは毛頭ないのである。その反面に、いままで論議し尽くされておりますので、私からは申し上げないが、何か
景気の
刺激のために
公共事業を興すなんという妙なことを言われておるのでありますが、
景気が不
景気であろうとなかろうと、人間の
生活環境を整備するのはあたりまえのことであって、不
景気だからそっちへ出して少しやってあげようというのは、
政府は何を考えておるのかちっともわけがわからぬ。そういうことを口実にして仕事を出す。国のほうは、
公債をするのに何もたいして困難はないのですからね。露骨に言えば、ことしは
日銀が引き受けないなんて言っているようですが、これを
日銀引き受けにでもしてごらんなさい。
政府は痛くもかゆくもない。そういう形で、
政府のほうは
財源措置は幾らもつく。しかし、
地方の
自治体が、
政府の
施策に基づいて非常に困らなければならぬ
事態は来年だけではないと私は思う。これからずっと二十八
年度と同じような
状態が起きると思うのです。来
年度の
地方財政計画は、ここで腹を据えて
政府がやってくれないと非常な問題を残しはしないかということです。いまそういうことを
答弁ができなければ、言い
っぱなしでいいと私は思いますが、何か、
理財局のほうが見えるそうでありますけれ
ども、私の受け持ちの時間もそう長くありませんので、もう
一つだけ、これは直接
大蔵省の
意見を特に聞きたかったのでありますが、
自治省側の
意見を聞いておきたいと思います。
それは、先ほど
大蔵大臣が発表いたしましたものの中で、
税制調査会の答申に基づいて、できるだけ直接税を少なくして
間接税に移行するという方向を、はっきり出したわけではありませんが、大体出しているようです。それにこたえて
大蔵大臣は、
付加価値税を
検討しておるという発表を、いつからやるとははっきり言っておりませんが、なされております。ここにまた
地方財政としては
一つの大きな問題が生じてくるわけであります。本来、
付加価値税とはどういうものだということをここで
議論することもいかがかと思いますけれ
ども、御
承知のように、
付加価値税というのは、
昭和二十五年に
日本にできた税法であります。ところが、
講和条約が発効すると同時に、こんなばかばかしい
税金はやめておこうということで、結局、
アメリカさんの圧力でできた
税金でありましたから、おもしがなくなったから、
日本の
政府というか、国会の
自主性で、こんなものはやめてしまえということから廃止になり、一ぺんも実行はしなかった。そのときにちょうど、この取り扱いが、当時、いまの
地方行政委員会にかけられておりましたので、私はとことんまでこれは審議をして、一番最後にはマッカーサーのところまで直訴するというような
事態まで起こして、この
税金はあまりおもしろくない
税金だからやめてくれということを話した記憶がございますけれ
ども、この
税金は実にやっかいな
税金であって、どんなものが出てくるかわかりませんが、これには
幾つかの種類がありますので、直ちにこの前のようなものが出てくるとは考えませんけれ
ども、
幾つかの問題があろうと思います。
それにしても、直接税が減っていって
間接税がふえてくるということになってまいりますと、当然
交付税額は減るということになる。そうすると、この
付加価値税が
地方財政にどういうふうに
影響してくるかということが
一つの大きな課題になる。したがって、
自治省としては、こういう
税金の
政府の構想について、賛成であるか、反対であるか、この際ひとつはっきり言っておいてもらいたいのです。