○田代
委員 予算編成期に当面して、特に通産
当局、それから大蔵
当局に、この
石炭産業に関する
予算との
関係での
基本的な考えをまずお伺いしたいと思うのです。
というのは、
石炭産業は、御
承知のように、いわゆる高度経済成長の、終戦後における
基礎的な
産業として出発したわけですね。現在の高度成長に到達するしょっぱなからの国の経済に対する貢献というものは、ばく大なものがあると思うのです。それが現在の
実情はどうであるか、これは申し上げるまでもないのであります。特にドル・ショック、それから円の切り上げという問題に当面して、現在
政府が
予算を組む、あるいは、もちろんまだ確定しておるわけではありませんけれ
ども、大体景気浮揚型の実に大きな大型
予算を組むという方針で進められておるようでありますし、十一兆をこえる
予算あるいは国債、公債が二兆円もに達するとか、あるいは財投
関係が五兆円になるとかいうような、いままでにない実に膨大な
予算を組もうとしておるわけなんです。しかもそのねらいというのが、申し上げるまでもなく、いわゆる景気の浮揚型ということで、そういう点で、
円切り上げ問題が起こり、
アメリカから日本がああいう形で切り上げを迫られたという根本には、社会保障の問題とか、あるいは公共投資あるいは労働
条件、こういう問題について、行き届いた、満足するような状態で運営されずに、大企業優先みたいな形でやられて、結局世界第二のGNPというようなことで、高度成長だ高度成長だといっても、そういう大きな穴があいておる、そこをねらわれてきておるわけですね。そこで当然、今度の大型浮揚
予算は、その点の反省の上に立ってやられておるということを承っておるわけなんですね。そういう点から、特にそのような
役割りを果たしてきたこの
石炭産業に対して、
通産省なり大蔵
当局は、そういう現在の
予算編成の
基本方針から見て、私
どもとしては、当然これは
石炭産業にこそ、また、それとの関連のあって
石炭産業なり日本の
産業に貢献したこの
炭鉱の労働者あるいは地域の自治体が、実際において非常に大きな公害を受けておる、あるいはまた失業者を出しているというような問題が起きている場合、そういう点にこそ大々的に、これは私はどんなに
予算が大きくても大き過ぎるということはないと思うのです。そういう点で、この
予算編成にあたってどういう
基本的な観点で臨まれておるのか、また、臨まれようとしておるのか。特に大蔵
当局は、私がちょっと承ったところでは、たとえばこの公害問題にしましても、あるいは失業者の問題、あるいは産炭地の振興というような問題におきましても、
通産省の要求なり御
意見は非常に消極的ですね、そういう消極的であるにもかかわらず、それをまた
大蔵省のほうでチェックされるというようなことになれば、これは私は、この
石炭産業に対する理解、あるいはこういう現時点における浮揚型の
予算を組むとき、認識が全くなっておらぬということを言わざるを得ないと思うのです。おそらくそういう観点には立っておられないと思います。したがって、その点をはっきりさしていただきたいのですが、この
石炭企業につきましてはいろいろ御
意見も出ておりますけれ
ども、
石炭産業自身は、これは唯一の
エネルギー資源ですから、これを発展させるという第一の柱、それから産炭地の振興の問題、あるいは鉱害の復旧の問題、こういう点についての
予算をとにかく大幅にふやすという観点に立っておられるかどうか、その
基本的な理念なり
考え方を、通産
当局並びに大蔵
当局から御
意見をまず伺いたいと思います。