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中村(重)
委員 あなたがコナリーさんから提案されたか、あなたのほうから切り出されたか、それは別として、私はそれは問いません。あなたが言われたことを、そうかなと実際腹ではそう思っていますけれども、そういうことで了承しますよ。ただ言いたいことは、あまり二国間で深く入り過ぎないほうが私はいいじゃないかということですよ。やはり十カ国蔵相
会議、そうした多国間の
会議の中で話し合いを進めていかなければ、どうしても
日本が負い目に考えておるような気がしてならない。アメリカの赤字の
問題等々、国際収支の赤字の問題にしても、アメリカのいういわゆる国際収支の赤字というのと
日本の場合とは、私は線の引き方が違っているのだと思うのですよ。だから国際収支が赤字だ、赤字だと、その数字だけでどうも発表しておられるところに問題があるのじゃないでしょうか。これは
貿易収支あるいは
貿易外収支、総合収支、いろいろあるでしょう。
日本の場合とこれは違うのですね。その線をどこに引くかということによって、アメリカがいう国際収支の赤字というのは赤字ではなくてゼロになるということだってあり得るわけですね。だからそこらあたりをもっとわかりやすくしてもらわなければいけないのじゃないか。私は私どもなりに、ここで質問をするだけでなくて、それなりに実はいろいろな学者であるとか、あるいは経済人であるとか、いろいろな人たちから話を聞く勉強会等をやっているわけです。ですから、そういった中身についてきょう申し上げることは時間的な
関係もありますから控えますけれども、どうもアメリカさんの言うことを
——おっしゃるように
貿易関係だけは
日本のほうが輸出超過になっておる。しかし、かつては、
日本は大きく輸入超過であった。そのときは何も問題にならなかったですよ。
日本はアメリカに対して、いまアメリカが
日本に対して文句を言っておるようなことを言っていたことはないのです。ところが、アメリカさんは、どうも自分のほうが輸入超過になっておるじゃないか、こう文句をつける。そして国際収支の赤字の問題をあげる。国際収支の赤字の問題についても、いま申し上げたように、線の引き方によって問題が変わってくる。そこらあたりについては
日本は何も言わない。負い目だけがあるように国民に印象づけていくという行き方は、私は正しくないと思う。二国間だけでおやりになると、そこらあたりの問題があるから
——二国間でも話をする必要はあるでしょう。あるでしょうが、できるだけ多国間で堂々たる論陣を張っていかれる必要がある。それが私は、自由
貿易を守る道でもあり、国益に通ずる道である、そのように考えますから、賢明な
通産大臣ですから釈迦に説法であると思いますけれども、十分にそこは留意をしていただきたいと申し上げておきたいと思います。一日、三日、八日と一般質問をやることにいたしておりますから、そこらであなたの
考え方も十分伺っていきたいというように思います。
そこで、長官でけっこうですが、特恵対策の
臨時措置法、それから輸出手形買い取り
制度というものが出ておるのですが、これはどういうような結果になっておりますか。実は、特恵対策に対しましても、あなたも御承知のとおり、二十五億円の
予算を実は計上しておるのですね。それはほとんど使っていないで、今度のドル・ショックにこれを回すといったようなやり方をおとりになっておられる。何かいろいろな
制度をおつくりになるのだけれども、どうしてか少しもそれが働かない。じゃ
中小企業が非常に安定しておるのかというと、それは苦しい。倒産に倒産を続けておる。この
実態との矛盾というか、ギャップがあまりにもあり過ぎるように思うのですが、
中小企業の最高責任者として、これらの点に対して長官はどのようにお考えになっておられますか。具体的な点はどうなっておるか。いかがですか。