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大石国務大臣 島本委員の
公害に対する激しい情熱につきましては、心から敬意を表します。ただ、
局長からいろいろ答弁がありましたが、これは表現のしかたが少しへただったために、少し
考え方が曲げられたような
感じがいたしますので、私からあらためて申し上げます。
鹿島地区は、御
承知のように、これから非常に
公害の発生が多くなるだろうと予想される地区でございます。そういう
意味で、われわれは新しく今後このような
日本の経済開発の方向を描いていくためには、鹿島地区のようなところはできるだけ
公害のないいわゆる工業
地域として進めていきたいという念願から、先月でありましたか先々月でありましたか、御
承知のように
公害防止計画の策定
地域にいたして、来年度から五年間に
公害防止事業を行ないまして、
公害のない
地域として発展させるような方針で進めておるわけでございます。このように希望を持っておるわけでございます。いままでの
公害防止計画
地域は、全部いままで
公害が発生してどうにもならないので、そのあと始末をするための政策でございましたが、この
地域と大分
地域だけは予防
地域といたしたいという念願を持って、そういう情熱を持ってそういう方向に進んでいるわけでございます。でありますから、今後とも
公害のない工業
地域にするんだというのが
局長の願いでございます。御
承知のようにわれわれは患者が一人でもあれば、できるだけその患者を一人でも救済いたしたいと思います。ただ、これはすべて法律に準拠して救済が行なわれねばならない。現在の健康被害者救済法は、御
承知のようにいろいろな条件がございます。
大気汚染の
状況であるとか、いろいろなそういった客観的な
公害地域としての資格
——資格というとおかしいのでありますが、一応条件を備えた
地域をわれわれは選んで
調査をして、
調査の段階を経て
地域指定するという手続、それが法律の手続になっております。これらの手続は時間のかかるめんどうなものと思いますけれ
ども、現在ではそのような形になっております。そのような形式を踏んでいかなければ、やはりここは、すぐ直ちにいわゆる
公害指定地域としての指定をすることはまだ困難でございます。そういう
意味で、いまの
局長はそのような困難のある旨を言ったのだと思います。患者が一人医師によって診断されたという報告が県からございました。もう一人は、そこで働いている女の人が
公害病らしい形になったという報告、二つございます。われわれはそのような医者の
——これは認定でございません、医者の診断でございますが、その診断を疑おうとは思いませんけれ
ども、現段階ではまだ
公害指定地域に急に指定するわけにまいりません。ですから、それが
公害指定地域にならないことがわれわれの願いでありますけれ
ども、指定されるまでの間は、やはり県
当局ででき得る限りのめんどうを見てもらいたい、こう
考えております。そういうことで、われわれは県に対してもその後のいろいろな
調査の報告を要請して、その報告によってそのような救済手段をわれわれは要請しようと
考えておりますが、やはり県としても、そのような県としての要保護患者と申しますか、要認定患者と申しますか、そのようなある手段をもって、ただ一人の開業医だけにすべての責任を持たせることは危険であり、医者にとっても過酷でありますから、やはり県としても、しかるべき認定し得る、認定に近いようなものをし得る認定
委員会のようなものをつくりまして、そこでやはりそれらの疑わしき患者をよく検査して、とりあえず県の認定のもとにいろいろなめんどうを見てもらいたい、そういうことにして今後の
行政を進めてまいりたい、情勢を見ながら
行政を進めてまいりたいと
考えております。