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1971-11-17 第67回国会 衆議院 沖縄返還協定特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十一月十七日(水曜日)     午後一時十三分開議  出席委員    委員長 櫻内 義雄君    理事 青木 正久君 理事 小沢 辰男君    理事 西銘 順治君 理事 福永 一臣君    理事 渡辺美智雄君 理事 大出  俊君    理事 中谷 鉄也君 理事 西中  清君    理事 河村  勝君       奥田 敬和君    加藤 六月君       梶山 静六君    唐沢俊二郎君       北澤 直吉君    小金 義照君       左藤  恵君    塩川正十郎君       高鳥  修君    竹内 黎一君       中島源太郎君    中村 弘海君       中山 正暉君    永田 亮一君       野田 武夫君    浜田 幸一君       福田 篤泰君    古内 広雄君       別川悠紀夫君    松野 幸泰君       松本 十郎君    山崎平八郎君       山田 久就君    上原 康助君       堂森 芳夫君    楢崎弥之助君       堀  昌雄君    松本 七郎君       安井 吉典君    横路 孝弘君       林  孝矩君    正木 良明君       渡部 一郎君    曽祢  益君       松本 善明君    安里積千代君       瀬長亀次郎君  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         外 務 大 臣 福田 赳夫君         大 蔵 大 臣 水田三喜男君         文 部 大 臣 高見 三郎君         厚 生 大 臣 斎藤  昇君         通商産業大臣  田中 角榮君         運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君         郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君         建 設 大 臣 西村 英一君         自 治 大 臣 渡海元三郎君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      中村 寅太君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 西村 直己君  出席政府委員         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         防衛施設庁長官 島田  豊君         外務省アメリカ         局長      吉野 文六君         外務省条約局長 井川 克一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリ  カ合衆国との間の協定締結について承認を求  めるの件(条約第一号)      ————◇—————
  2. 櫻内義雄

    櫻内委員長 これより会議を開きます。  琉球諸島及び大東諸島に関する日本国アメリカ合衆国との問の協定締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を続行いたします。楢崎弥之助君。
  3. 楢崎弥之助

    楢崎委員 私は、昨日の委員会で問題を提起しております岩国基地核関係及び生物兵器毒ガス兵器の貯蔵問題について、非常に問題は重要でありますから、しかも核という、政府自身も認めておられますトップシークレットに属する問題でありますがゆえに、あれ以上の説明はひとつ秘密理事会において、総理以下関係大臣の御出席をいただき、説明をさらに追加したい、あわせて、沖繩返還協定一つの重要な問題である核抜きという問題ともからんで、沖繩どころか、本土にこういう事実があるということは一体どういうことなのか、つまり、返還協定の基礎をなしております日米信頼関係にかかわる重要問題でありますから、返還協定審議いたしております当委員会から直ちに調査団派遣をし、査察、点検を行なうべきではないかという提案をいたしました。委員長は休憩を宣せられまして、理事会を開かれたと聞いておりますが、その結論いかが相なりましたでしょうか。
  4. 櫻内義雄

    櫻内委員長 楢崎委員に申し上げます。  お申し出の件は理事会にはかりましたが、秘密理事会及び調査団派遣の件は、結論に至りませんでした。
  5. 楢崎弥之助

    楢崎委員 結論に至っていないということは、まだペンディングになっておることと思います。  そこで、私はさらに質問を続けることになりますが、実は当委員会同僚諸君も御承知のとおり、われわれが審議上必要な資料を要求する際に、政府側は、これはマル秘であるから当委員会に出せないとか、あるいは沖繩の核問題を論じたときに、核の問題はトップシークレットだから、これ以上言えないなどとおっしゃいますが、政府は私が言っておることについて御理解なさいませんか。野党のほうは委員会公開の席上でやれとおっしゃいますか、いかがでしょうか、外務大臣
  6. 福田赳夫

    福田国務大臣 委員会公開でやるか秘密でやるか、これにつきましては、これは委員会の御決定をまつほかはないのでありまして、私どもがとやかく言うべき筋合いではない、かように存じます。
  7. 楢崎弥之助

    楢崎委員 それでは、当委員会運営責任者であられます委員長の御見解を承りたい。
  8. 櫻内義雄

    櫻内委員長 委員長は、委員長独断運営するわけではございませんので、理事会にはかって進めたいと思います。
  9. 楢崎弥之助

    楢崎委員 それでは理事会は、公開の席上でやれということなんですか。
  10. 櫻内義雄

    櫻内委員長 それも含めて協議をいたしましたが、楢崎君のお申し出の場合は結論に至らなかった、こういうことでございます。
  11. 楢崎弥之助

    楢崎委員 じゃ私はどうしたらいいんでしょう。——公開の席上でやれとおっしゃるんだったら、私はまた意見があります。
  12. 櫻内義雄

    櫻内委員長 お尋ねでありますから申し上げますが、楢崎委員良識ある御判断のもとで御発言を続けていただきたいと思います。
  13. 楢崎弥之助

    楢崎委員 実は私は大げさなことは言いたくないのです。すでに、私が案じておりましたとおり、CIAが動き出しております。それでもなお公開でやれ——私は秘密会で明らかにしたいと思いました。しかし、公開でやれということであれば、私も相当の決意をしなければなりません。(発言する者あり)そんな笑いごとじゃないのです。こういうふまじめな方がおられるんだったら私はやれません。
  14. 櫻内義雄

    櫻内委員長 どうぞ御静粛にお願いをいたします。
  15. 楢崎弥之助

    楢崎委員 それでは、なぜ私が秘密会お願いしたか、もう少し事態を——私は私の判断公開でもう少しやれるのではなかろうかと思うところまでやってみます。  それでは昨日と同じように——では委員長お願いをいたします。私にもそういうことを要求される以上は、シークレットに属することでも明らかになさいますね。自分のほうは言わないんだ、おまえのほうだけ言えというのではないでしょうね。委員長責任を持たれますか、それに。
  16. 櫻内義雄

    櫻内委員長 この点も、答弁者のほうが楢崎委員と同様に良識をもって御答弁されることと思います。——関連質問を許します。大出君。
  17. 大出俊

    大出委員 いまの委員長の御発言でございますが、それはそうじゃない。実は昨日ここで楢崎委員から質問があって、たいへん、旧来トップシークレットといわれている問題に触れざるを得ない、そのことは、日米関係信頼という問題もある、総理が常に口にされることでもある、それにかかわり合いを持つ、したがって、質問者立場として、公開の席上では差し控えさしていただきたい、だから秘密理事会を開いていただいて、総理の御出席をいただきたい、こういうふうに論点を詰めまして、最後に、かつその上で、皆さんは、旧来日本本土において核はないと言ってきた、われわれが調べた限り、今回、核があると申し上げざるを得ない、その疑点を明らかにするためには、点検をする、こういうことになる、だから点検をしていただきたい、この委員会当該委員会から調査団派遣をしていただきたい、こういうふうに提起をいたしました。  そこで私、理事立場委員長とも御相談をいたしまして、いかがいたしましょうか、やりましょうというお話が私と委員長の間でやりとりされましたので、私、まことに、非公式でございますが、総理の御了解を得たいと思いまして、多少のお話をいたしました。非公式でございますから申し上げません。その上で委員長におはかりをいたしましたが、しかし、この場所でやれば秘密理事会はできません。ところで、じゃ場所を変えて、いつもやる理事会部屋でやりましょう、こうなった。さてそこで、今夜やるか、あすやるか、どうしましょうかという話になりましたから、質問者了解を得て、明日九時半から、こういうことで委員長とは理事立場お話をいたしまして、さて運営に関して理事会をいまから開くと、こういう手続をとったわけであります。そこで経過をるる理事会では説明をしたはずでありますが、当初与党皆さま方のほうからお申し出がありましたのは、秘密理事会で、総理でなくて、官房長官総理を代理してというお話一つございました。それについて若干の時間と、わがほうの国対の足どめ、さて打ち合わせが必要であるということで時間をいただきました。そのあとの理事会で、与党皆さんの最終的御決定ということで御提起がございましたのは、核の問題であるから、秘密理事会それ自体にいろいろ逆な疑いが出ても困るから、公開の席で、核の問題であるからこそ公開の席で御審議を願いたい、これが与党最終的態度決定であるという提起がございました。私ども中谷理事から、それに対して、しからば公開の席でとあなた方がおきめになった以上は、トップシークレットといわれておるものについても公開の席で申し上げざるを得ない、したがって、当然政府側からも御答弁をいただけるもの、そう受け取らざるを得ない、こういう提起をいたしましたが、なおかつ公開の席でやってくれということをお譲りにならない。今日に至っている。数の差があることは、皆さん御存じのとおりであります。私どもが幾らそれ以上のことを申し上げても、数の差の上にその決定はくつがえらないという限りは、国会イニシアチブは多数党がとる筋合いのものであります。そうなると、その上に立ってものを進めざるを得ない。こういうことを私はけさから前提にして委員長に申し上げて、公開でやれという皆さま方の御主張に基づいて一時から楢崎委員質問に入る、このことを私は理事会で明確にしたはずであります。したがいまして、与党皆さんの御意思に基づいて、多数でございますから、理事会も本委員会もリードをされるわけでありますから、イニシアチブをおとりになるわけでありますから、そうなりますと、その筋に従って公開でやらざるを得ないのでありますから、そこで、トップシークレットであっても明らかにする、そうでなければ審議ができない、当然政府側はそれに対して答えるべき責任がある、政党政治をやっております限りは。こういう筋道になる。この点は明確にしておきませんと、質問者が、せっかく日米関係というものを配慮をし、事、核の問題は、旧来いわれるトップシークレットである、だからその点を配慮して秘密理事会と言ったのだが、そのことをあなた方がお認めにならぬ以上は、これは議会政治の原則でございますが、多数をお持ちである方のところから議院内閣制という形における内閣が組織されるのでありますから、当然、議会運営の面では多数党のイニシアチブというものは存在をする。その意味責任は負っていただかなければ困る。その点を委員長をはじめ与党皆さま方も明確にしておいていただきませんと、質問者としても、事、議会であり、協定特別委員会でありますから、責任の所在という意味で明確にしていただきませんと、質問者だけに責任を負わせるわけにまいりません。この点を再度委員長から明らかにしていただきまして、審議に入らしていただきたいと存じます。
  18. 櫻内義雄

    櫻内委員長 大出委員の御発言の御趣旨はわかりましたが、先ほど御相談の上申し上げたとおりに、理事会にはかりましたが、秘密理事会及び調査団派遣の件は結論に至りませんでしたと御報告を申し上げ、なお、楢崎委員お尋ねに対して、楢崎委員にも良識ある御発言を、また政府側においても良識ある御答弁お願いしたいと、かように委員長は申し上げた次第であります。  中谷君。
  19. 中谷鉄也

    中谷委員 簡単に審議の進め方、答弁姿勢について、私、一言総理お尋ねをしたいと思います。  先ほど、委員長は、楢崎委員秘密理事会を要求した経緯とその動機、理由、それを明確に昨日来説明をいたしまして、そうして委員長にその結末を聞いたところ、楢崎委員に対して、良識をもって質問をしてもらいたいというところのお話があった。そこで総理に私はお尋ねをいたしたいと思いますけれども地位協定の二十三条によりますると、政府は公務上の情報の提供を受けていることに相なっておる。これは当然トップシークレットを含んでいるはずであります。さらにまた、刑特法の六条については、言うまでもなしに、合衆国軍隊機密を犯す罪についての規定がある。だから、問われているのは、核の問題であると同時に、国政審議権限界の問題であり、言論の自由の問題をこれは問われていると私は思う。そういう点からいいますと、良識という名において楢崎委員に対してワクをはめる、そうして政府のほうは、従来のように、核はあるともないとも言えませんというふうな答弁に終始されるということは、これはまことに私は公開という名の非公開になると思う。その点において、私は政府答弁姿勢をお聞きしたいと思いまするけれども地位協定二十三条これあり、あるいはまた刑特法六条これあり、こういうことでありますけれども、問われている問題は、核の問題であり、国会審議権限界の問題という問題を問われていると私は思う。総理はその点についてどのような姿勢答弁に臨まれるか、この点を私はお聞きをして、楢崎委員審議に入る前に政府の御見解を求めたいと思います。
  20. 福田赳夫

    福田国務大臣 政府といたしましては、公務員として発言で守らなければならないところの限界があります。その限界範囲内におきましては、できる限り皆さまの御理解を得たい。懇切——というと語弊がありますが、できる限り皆さまの御期待にこたえるようなお答えを申し上げたい、かように存じます。
  21. 中谷鉄也

    中谷委員 議事進行でありますので、私はこれ以上発言を続けませんが、そうすると、楢崎委員質問については、いまのところが一番重要な点、どこまで質問ができるか、また、どこまで政府が答えられるか、これが一番重要な点、私はその範囲内において楢崎委員質問時間中にさらにまた議事進行を求めたいと思うので、いわゆる限界についての、良識あるということではなしに、まず基準を私は出していただきたい。さらにまた、合衆国軍隊秘密区分についての基準というものも、合衆国軍隊の場合ある。これらのものも、外務大臣、出していただきたい。私のほうは大出委員とこれを検討して、そのつど楢崎委員に対して質問についての指示をいたしたいし、政府答弁については、その二つの基準、その基準に基づいて、政府答弁については、限界はここまで答弁できるじゃないか、この問題について、私は、質問そのつど、答弁そのつどについて、議事進行を求めたいと思う。資料を出していただくことを約束いただきたい。   〔発言する者あり〕
  22. 櫻内義雄

    櫻内委員長 御静粛に願います。——私語を禁じます。
  23. 中谷鉄也

    中谷委員 答弁がないようですから、もう一度申し上げます。  国家公務員法機密を守る義務などというふうなことの問題は、国会審議の場の中においては動く問題です。国家公務員法の問題を聞いているんじゃない。私が聞いているのは、刑特法機密、それの関係においてどこまでこの委員会においてあかせるのかという問題を、国会審議権範囲内において私は問題にされ、その明確な基準を出していただきたいというのが一点。  さらに、その機密というのは、アメリカ合衆国機密区分に基づくものであるから、アメリカ合衆国機密区分というものの基準を明確に早急に出していただきたい。これを私は議事進行にあたって申し上げている。この点について資料を出すか出さないか、早く出していただきたいということだけ、この点についてお答えいただきたい。
  24. 福田赳夫

    福田国務大臣 私どもは、公務員として言えるだけ精一ぱいのことを言っておるし、また言おうとしておるのです。ただ、いま米軍機密の問題がありますが、米軍基地、これは楢崎さんが非常によく御承知のように、わが国の介入し得ざるところであります。したがいまして、これにつきましても、わがほうの強権として介入はできませんけれども、できる限り懇切に解説してもらうようにというような努力をいたしまして、そしてお答えをいたしておるわけですから、その点はひとつ御了承を願いたい、かように存じます。
  25. 楢崎弥之助

    楢崎委員 ただいまの外務大臣の御答弁は、誠意ある御答弁として承っておきます。  それで、私も、いま中谷委員指摘をした点が実は私自身非常に心配しておった点で、私の判断では、昨日のあの程度以上は刑特法関係が出てくるのではなかろうかということで、秘密会お願いしたわけであります。しかし、公開でやれということであります。ということに相なると、問題が出た場合に、委員長たいへん微妙なお答えをされましたが、当委員会責任を持つということに関係が出てくると思います。そこで私は、いまの限界点をもう一ぺん私自身も考えながら、明らかにできる点を進めたいと思います。そして、その段階で、これ以上はと私自身判断した点をもう一回明らかにしますから、その時点でひとつ当委員会の御判断お願いすることになろうと思います。そういう立場審議を進めさしていただきたいと思います。  きのうと同じようにひとつ総理にだけ岩国基地の地図をお渡ししておいていただきたい。それから、これも説明資料ですから、総理だけにひとつお願いいたします。
  26. 櫻内義雄

    櫻内委員長 許可いたします。
  27. 楢崎弥之助

    楢崎委員 質問を続けさしていただきます。  ただいま総理のお手元に差し上げました私の資料は、先ほど申し上げた刑特法との関係もありまして、私自身がスケッチの形にして出しておることを、公開の席ですから、お許しをいただきたいと思います。  昨日、私は四点か五点について若干の事実関係を明らかにしました。そこで、その事実関係についてもう少し明確にしてみたいと思います。  昨日、事実関係の第一点として、昨年十月岩国における核兵器取り扱いに関する新しいコード確認が行なわれた疑いがあると申し上げました。そして、その新コード内容はどのようなものであるか。一、核兵器が運搬されるときは、担当の主管はだれであるかということ。二、もし必要が生じた場合の核兵器関係書類の運搬のしかたに関すること。三、緊急の場合の核兵器の撤去に関すること。緊急の場合には三六〇に通報すること。三六〇とは、岩国基地司令部の建物であります。四、核兵器が必要になったときには輸送機によってこの基地から搬出すること。搬出の場合は輸送機を第一にすること。地上において運ぶときにはどうするか、その運び方。六点目、岩国基地における核兵器の作戦の指示。これを明らかにしました。これらはすべて核兵器輸送の問題でありまして、岩国基地関係するものばかりであります。いかにして核兵器輸送するかとか、輸送責任者はだれなのか、また、その担当の部隊の編成はどうなっておるのか、こういう内容に関するものであります。  そこで、この新しくつくられた文書用紙形式は、白い紙で、上のほうに付せんがついておりまして、そして付せんの半分上はブルー色、半分下は赤色——注の一のところです、総理。そういう用紙形式であります。この新コード確認、更新の確認が行なわれた部屋には、特別の資格を持った常勤者が三人おります。また別に特別の任務を持っておるPMOという人がおります。この部屋にはいろいろの仕切りがあります。総理、注の二のところの略図です。そして、すみのほうに大きな金庫が置いてあります。縦二メートル、横一・五メートルぐらいの金庫であります。その金庫の中にいわゆる極秘文書がしまわれております。金庫の前に大きなさくがあります。この金庫は、銀行のあの大きな金庫を想像していただければ正確に想像ができます。つまり、ダイヤルハンド式の開閉のとびらがついておるわけであります。  それから、きのう事実関係の二番目にあげました、ことしの一月二十二日の夜、A6イントルーダー二機に核兵器の積みおろしの作業が行なわれた模様であるということに関しては、その場合の問題の爆弾は、幅が約一メートル、長さ約三メートル、そして爆弾先端には赤と白のラインがある。また、後尾には翼がついております。注の六の絵を……。爆弾先端は赤と白、全体はシルバー色。そして、この積みおろし作業は小一時間かかっております。普通の爆弾の場合は十分ないし十五分であります。この晩の作業スモールランプの下で行なわれておる。そして、核兵器を飛行機に積みおろしする際にはどういう形式でやるか。これが注の四の図解です。ガード兵が七名外向きに立っております。そして、大体この日は十二時少し前にシックスバイの二・五トンのトレーラーが、時速約三マイルぐらい、つまり時速六キロですから、ほとんど歩いていくのと同じくらいの速度です。それで、三台のトラック、一台目が先導車、次のトレーラーに受け台——この注の五です。こういう形で爆弾が載せられております。そして、車体には爆発物のもちろんラベルが張ってあります。  それから、三番目にあげました、本年二月一日B52が飛来しておる。これはもうそのとおりであります。  四番目にあげました、本年三月、ハウンドドックと思われる核兵器の出入りがあった疑いがある。これにつきましては、このときのトレーラーはやはり三台であります。おのおのの車に一個ずつの爆弾が載せられておりました。最初の二台は、非常に普通弾頭と違ったタイプの弾頭である。爆弾先端には三本の黄色のラインが塗られておりました。最後トレーラーは、その前の二台のトレーラーに載っておった爆弾とさらに違っておりました。この爆弾は銀色で、先頭部分が赤に塗られておりました。尾部に一枚の小さなひれがついております。  ちょっと防衛庁長官にお伺いします。ハウンドドッグの姿はどういう姿であるか、御存じですか。
  28. 西村直己

    西村(直)国務大臣 存じません。
  29. 楢崎弥之助

    楢崎委員 それじゃ、防衛庁長官でございますから、写真はあると思いますので、とくとひとつ頭の中に入れておっていただきたいと思います。これがハウンドドッグと同じ型であります。ここに注の八のところに書いておるとおり、そしてこのトレーラー車体には、横に、高性能、離れておるようにという注意書きが書かれておる。そして別のトラックには十名から十五名のガードが乗っておりました。そして三台の車には、左右に一名ずついわゆるセキュリティーガードがついて、車が速度がおそうございますから、計二名、昨日私が事故防止点検表の中で指摘したとおり、あの二名ないし三名つけてやるというあれにちょうど適合したいわゆる運送の方法であります。これは朝の十時ごろのできごとです。お調べになったらすぐわかるはずです。  それから、五番目に、本年の五月、ペンタゴン指示岩国から沖繩三つ核兵器が移動された疑いがあると指摘をいたしました。これは本年五月二十三日であります。MCED、これはインフォーメーションセクション一つであります。  ちょっと指摘をしてよろしゅうございますか。
  30. 櫻内義雄

    櫻内委員長 はい、どうぞ。
  31. 楢崎弥之助

    楢崎委員 いま総理指摘をいたしました。その場所にあります。そして、ここにペンタゴンからいわゆるTSが届いたわけであります。つまりトップシークレットです。そしてその内容は、先ほど申し上げたとおり、岩国から沖繩三つ核兵器を移動する、これは五月の二十七日に沖繩に届けられております。  委員長、大きな声であくびをしている人がありますから、そういう方は出していただきたいと思います。
  32. 櫻内義雄

    櫻内委員長 品位を保持してください。
  33. 楢崎弥之助

    楢崎委員 そこで、この種の核のメッセージはどのような形で伝達されると思われますか、御存じですか。
  34. 久保卓也

    ○久保政府委員 承知いたしておりません。
  35. 楢崎弥之助

    楢崎委員 伝達の方法は無線等ではないのです。全部これは送り状になって、いわゆるオフィサーがその書状を手持ちで持っていくのです。たとえば戦闘機等に乗って。そういういわゆる手渡しの仕組みになっておるはずであります。この時期がどういう時期であったか。——防衛庁長官、そんなにやにや笑っておるような問題じゃないのですよ。あなたはそういうことにならぬようになるのですよ、あとで。——この時期ば、これは新聞に載っておったから御記憶の方もあるかもしれませんが、ちょうどオーストラリアの国会で問題になった。どういうことが問題になったかというと、オーストラリアのノース・ウエスト・ケープにアメリカのコミュニケーションセンターがあった。これがどういう機能を持っておるか、オーストラリアの政府にもわかった。ところが、その機能が明確になったために、オーストラリアの国会で問題が提起されたわけであります。それは、もし核戦が起こった場合に、このノース・ウエスト・ケープにあるものがいわゆる核ミサイルのコントロールセンターであるということが明確になった。そしてその時期に、五月に日本に参っておりましたバジェットという有名な記者、この人がベトナムでアメリカはやはり戦術核を使うのではないかという指摘をしておった報道がありました。ちょうどその時期に合致するわけであります。  それから、きのう指摘をいたしました岩国駐在の二一一部隊、スコードロン、このファントムには、前の席にニュークリア・ジェティスン・バットンというボタンがあります。あとで写真をお見せいたします。これは核兵器投下ボタン。後席にニュークリア・ストア・コンセントスイッチ、核搭載庫スイッチがあります。これも後ほど写真でお見せをいたします。  大体以上の事実が、私が考えた、この程度はと思う限度であります。それで、これ以上もし資料をもってということであれば、ひとつ昨日要求しましたとおり秘密理事会にしていただいて、総理ほか関係大臣の御出席をいただかないといけないという私の判断であります。そこで、私は具体的に問題を指摘しましたから、政府与党としても、公開でやれということであれば、私が明らかにした具体的な事実について、米軍にそういう事実があったかどうか、公開の席上でやっておりますゆえに私も責任をもってこの問題を提起しておりますから、責任をもった調査方をひとつお願いしたいと思います。
  36. 福田赳夫

    福田国務大臣 昨日来楢崎委員が非常に重大な問題を提起されておる。つまり、わが国は、国是として、核は持たぬ、持ち込みもしない、製造もしない、こういう態度をとっておるわけです。本土の核につきましては、全国民がいま安心をしておる、疑いを持つ状態ではない、こういうふうに存じておるおりから、岩国基地に核がある疑いがある、そういうようなお話でございます。そこで、私どもといたしましては、昨晩から今朝にかけてアメリカ政府ともいろいろ話をしてみたのです。アメリカ政府の回答は、アメリカ政府は日本の核政策に全面的に協力をしておる、したがって、岩国という御指摘であるが、岩国はおろか、日本のいかなる地域にも核兵器は一切持っておりませんから、御安心願いたい、(拍手)こういうお話でございます。したがいまして、政府といたしましては、いまいろいろのお話があり、疑い提起されておりまするけれども、日本に米軍の核はありません、こういうことを責任をもってお答えを申し上げる次第でございます。(拍手)  それから、きのう大体中心として御指摘になりました倉庫がありますね。写真までお示しになりました倉庫。あれが重点のようでございます。そこで、これはどういう性格のものだということも尋ねてみました。これには機関砲の砲弾が貯蔵されておる、こういう回答でありましたことをお答え申し上げます。
  37. 楢崎弥之助

    楢崎委員 私どもが問題を提起したときには、いままでそういう御答弁であったから、それがうそなんだということのために、昨日来私は時間をかけて問題を具体的に提起しているのです。具体的に。だから私は核点検の必要があるということを言っておるのです。  大体沖繩の返還に際しても、核抜き核抜きとおっしゃっておりますが、政府の言われておる核抜きとは、一体どういう状態になることを核抜きと考えられておるのですか。
  38. 福田赳夫

    福田国務大臣 政府のいう核抜きとは、返還時におきまして核兵器が一切沖繩に存在しないということが一つ、それから、その先になりましても、核兵器の持ち込みにつきましては日本政府はこれを許さない、こういうことでございます。
  39. 楢崎弥之助

    楢崎委員 そうすると、いまの御答弁では、核弾頭のついたものがないことが核抜きという御理解でございますか。  総理大臣、それは一番重要な点ですから、御見解を伺いたいと思います。——失礼ですが、それは返還協定の中心の重要なポイントですから、一番責任のある総理大臣の御答弁お願いをいたします。
  40. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 ただいま言われたものをもし持ち込むことがあれば、私どもに事前協議する、こういうことでございます。その際には私どもはノーを言う、これはもうはっきりしております。
  41. 楢崎弥之助

    楢崎委員 そうすると、総理のいまの御答弁は核弾頭だけの問題ですね。——総理にお伺いしておるのです。失礼ですが、あなたに聞いておるのではございません。
  42. 櫻内義雄

    櫻内委員長 発言を許しましたから。
  43. 福田赳夫

    福田国務大臣 総理のおっしゃるのは、核弾頭と申し上げましたが、核弾頭及び中距離ミサイルの持ち込み並びにそれらの基地の建設の場合、こういうことでございます。
  44. 楢崎弥之助

    楢崎委員 条約局長が来たでしょう。いまのような答弁ではぐあいが悪いのじゃないですか。核抜きの中にそれも含まれるのですか。いまあなたはわざわざ割り込んで御答弁になりましたが、核弾頭のつかない中長距離のミサイルも含まれますか。
  45. 福田赳夫

    福田国務大臣 つまり、わが国が事前協議の対象としておるものは何だ、こういいますと、核弾頭及び中長距離ミサイル、この二つである。この持ち込みが対象になる。それからそれらの基地の建設の場合、これがまた対象になる、こういうことを申し上げたわけでございます。
  46. 楢崎弥之助

    楢崎委員 私は事前協議にかかるものは何かという問いをしておるのじゃなくて、核抜きという点はどういう状態をいうのかということしか聞いてないのです。で、総理お答えでは、核弾頭だ、そういう御認識のようでございますか。しかし、これはどうでしょうか、もう一ぺん、大事な点ですから、御答弁をいただきたい。
  47. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 核に関する事柄、これはもう一切私どもは持ち込まない。先ほど楢崎君が私にお尋ねがあったのは、核弾頭の場合どうですか、さようなものは、事前協議を受ければ、ノーと申します、かように答えたのでございます。さらに中距離弾道弾とか、その他の問題が出てきておりますが、これはいわゆる事前協議の問題、こういうように御理解をいただけばいいと思います。
  48. 楢崎弥之助

    楢崎委員 われわれは、核抜きというのが、単に核弾頭のついた兵器だけだということを承って、私はいまびっくりしたのです。政府がいう核抜きとは、核弾頭だけがなかったらそれでいいんだというお考えならば、私は問題があると思います。特に、沖繩県から出ております上原君がこの点について重大な問題を提起いたしますので、ひとつ関連質問をお許しいただきたい。
  49. 櫻内義雄

    櫻内委員長 関連質問を許可いたします。上原康助君。
  50. 上原康助

    ○上原委員 あらためてお尋ねいたしますが、政府核抜きとおっしゃる場合に、ただいま楢崎委員からも御指摘がございましたように、核基地の撤去ということなのか、その点をまず具体的に明らかにしていただきたいと思います。
  51. 福田赳夫

    福田国務大臣 核抜きということは、基地の撤去を含みます。
  52. 上原康助

    ○上原委員 防衛庁長官お尋ねいたしますが、核抜きという場合は、核基地の撤去を意味するといういまの外務大臣の御答弁でございまして、そこで、核基地という場合に、どういう基地の態様あるいは形態を表象する、意味するのか、明確にしていただきたいと思います。
  53. 西村直己

    西村(直)国務大臣 核に関しましては、自衛隊はあまり研究いたしません。御存じのとおり、原潜そのものが文書に出たとかいうことでも国会からおしかりを受けるような状況で。しかし、御質問がありますから——核の基地という意味は、私は、核兵器、運搬兵器を含めて、それに関連してランチャーというようなものがついている場合のそれの部分を称するのではないかと思うのであります。したがって、メースB等は、御存じのとおりランチャーまで撤去する。撤去すればあとは土地が残るのでありますが、これは核の基地とはいえないと思います。
  54. 上原康助

    ○上原委員 防衛庁長官の御答弁はきわめて不親切な答弁でございますが、これから議論を進めてまいりたいと思うのです。  そこで、総理に冒頭お願いをしておきたいことは、いま沖繩返還協定というものが、審議の過程でいろいろ重大な問題点が指摘をされております。昨日総理はおられませんでしたが、同僚の公明党の渡部委員の御質問に対して、政府答弁というものが全くなっていない。いか返還協定の中身というものがずさんなしろものである——ことばは悪いかもしれませんが、しろものであるかということが明確にされております。その中でも、核と基地の実態というのは、どうしても私たちが国民の疑惑、なかんずく沖繩百万県民の疑惑というものを解かなければいけない。そういう意味で、関連ではございますが、委員長、しばらく時間をとらしていただいて、質問を続けさしていただきたいと思うのです。  そこで、外務大臣は、いま、核撤去という場合は、核基地の撤去を意味するという明確な答弁がございました。総理が、今日まで、核抜き本土並みということを非常に強調なされてきた。また、この委員会でも、本会議においても、あらゆる委員会で、総理の御答弁というのは、何ら疑いなしに核抜きになるんだということを強調されてまいりました。確認をいたしたいと思いますが、七二年、核抜きということは、核基地の撤去ということを総理の頭で描いた中でこれまで御答弁をなさっておったかどうか、総理大臣からこの点についてまず確認をしておきたいと思うのです。
  55. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私は、核がいままであったその状態は変わる、核抜き、したがいまして、ただいまのメースBあたりの場合でも、そのランチャーをも含めてそういうものはなくなります、こういうことがはっきり言える、かように思っております。
  56. 上原康助

    ○上原委員 核抜きということは核基地の撤去を意味するという場合には、核の貯蔵庫あるいはそれに伴う運搬手段、そして近代戦略兵器の装備の中で特に重要視されている通信施設そのものを含めての、いわゆる核戦略のシステムということを考えずに、単に核弾頭だけ抜けばいいという概念で論じられる問題ではないと思うのです。そうなりますと、外務大臣総理の御答弁からすると、当然、沖繩の核基地の撤去——核の撤去ということは核基地の撤去だということですから、核装備をしている部隊や弾薬貯蔵庫、あるいはそれと関連のある通信施設を含めて撤去さるべきだというのが、私たちの核抜きの主張なんです。これに対してはどうお考えですか。
  57. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 核に関連するものは一切なくなる、これが私どもの願いでもあります。おそらく、ただいま言われることは同様じゃないかと思っております。
  58. 上原康助

    ○上原委員 じゃ、防衛庁長官お尋ねをいたします。  また現在は施政権が別なんでというお答えが返ってくるかもしれませんが、沖繩には現在どういうような核貯蔵庫あるいはそれを管理している部隊なり施設があるか、御答弁をいただきたいと思います。  これと関連をいたしまして、せんだっての外務大臣の御答弁で、これは私の質問に対しての御答弁なんですが、返還協定を調印なさるまでに沖繩基地の実態を詳細にお調べになって結んだということを明言をなさっております。そういうお答えからいたしますと、どういう部隊が核を持っておって管理をし、それと関連がある通信施設はどうなっておるのか、貯蔵庫はどこにあるかということも、当然おわかりにならなければならないことだと私たちは思います。そういう関連で、ぜひ具体的に明らかにしていただきたいと思います。
  59. 西村直己

    西村(直)国務大臣 御存じのとおり、私のほうには防衛施設庁がございます。しかし、防衛施設庁は、正式に申しますと、これが復帰しまして受け取ってからその施設の管理の任務に当たるわけであります。現在はアメリカの施政権下にあるわけであります。したがいまして、具体的に私どもは、いかなる倉庫に何が入っているかということは、向こうとの一つ一つの話し合いをし、了承を得ればあるいはできる場合もありましょう。しかし、それ以外には私ども確認する方法は、現在、米軍基地内の機密事項については、ない、こういう状況であります。
  60. 福田赳夫

    福田国務大臣 私が先日上原さんの質問に答えまして、核の基地の実態を調査した上核抜きということを証明するんだというふうにいま言われましたけれども、私は、核の基地の実態を調査するということは申し上げておりませんから、その点はひとつ御了承願います。
  61. 上原康助

    ○上原委員 そういうふうに問題になっていろいろ詰まってまいりますと、詰めの段階になりますと皆さんはみんなお逃げになっている。防衛庁長官の御答弁にいたしましても、いまの外務大臣お答えにしても、先ほど答弁なさったことと違うのじゃありませんか。私たちがいま問題にしているのは、皆さんが、核抜きは、施政権返還の段階においてはきれいさっぱり核はなくなるのだということをオウム返しにおっしゃっておる。いまは施政権がないから検査もできないのだ。だが、これだけ膨大なものがあるということは、すでに私だけでなくして、多くの同僚議員が御指摘をなさっていることなんです。それが、外務大臣がおっしゃるみたいに、手のひらを返すように核が抜かれておったということにはならない。外務大臣の御答弁の中に、核の問題について言ったわけではないということですが、こういうふうな御答弁をなさっております。「返還協定締結するにあたりましては、在沖繩米軍の状況につきましても詳細に話を聞きまして、正しい認識を得た上で、その認識の上にこの協定をいたしております。」(「言ってないよ」と呼ぶ者あり)冗談じゃないですよ、あんた、年がいもなく、そこであまりおしゃべりしないでください。   〔「年がいもないとは何だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  62. 櫻内義雄

    櫻内委員長 私語を禁じます。
  63. 上原康助

    ○上原委員 「返還協定締結するにあたりましては、在沖繩米軍の状況につきましても詳細」——沖繩米軍基地という場合に、核問題が最も重要であることは常識なんですよ。「詳細に話を聞きまして」ということは、当然、どこに核があって、どういう部隊が核装備をしておって、そういうものも話をしてこの返還協定を結んだということにとれるわけですね。問題を次から次へと指摘をされてくると、現在は返還協定がないからとか、あるいは、核については秘密事項というようなことで、疑惑に疑惑を積み重ねて、沖繩県民の要求というもの、国民の疑惑というものをますます高めているじゃありませんか。ほんとうにいろいろ立場はあるでしょう。だが、私たちがいま真剣に考えなければならないことは、一体、野党の存在というもの、国会の権威というものはどうなっているかということ、われわれが幾ら正論を吐いても、(「言わしてやっているじゃないか」と呼ぶ者あり)政府の逃げの一手で、国民の政治の不信に対して答えきれない。このことに対して(「言わしてやっているじゃないか」と呼び、その他発言する者あり)私は、政府はやはり良識をもって答弁をなさるべきだと思うのです。  あらためてお伺いをいたしますが、核抜きの……   〔発言する者多し〕
  64. 櫻内義雄

    櫻内委員長 私語を禁じます。——私語を禁じます。
  65. 上原康助

    ○上原委員 委員長、いまの発言について注意をしてください。   〔「言わしてやっているとは何だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  66. 櫻内義雄

    櫻内委員長 御静粛に。私語を禁じます。——御静粛に。私語を禁じます。質問が聞こえません。   〔発言する者、離席する者多し〕
  67. 櫻内義雄

    櫻内委員長 私語を禁じます。私語を禁じます。——着席をしてください。私語を禁じます。——私語を禁じます。御着席願います。  議事進行発言を許します。大出君。
  68. 大出俊

    大出委員 委員長立場がいろいろありますから、また、こういう緊迫した論議ですから、私どもはじめ、いろいろなものの言い方をしますけれども、いま聞き捨てならぬ発言がありました。しかも上原君がまじめな審議をしている最中であります。その中身は、三百一議席に乗っているのだからどうでもなるのだけれども、言わしてやっているのだ、言わしてやっているのだと、こう重ねてまた言われますと、審議をしておる者の身になりますと、いささかこれは聞き捨てならぬということになります。お互いにいろいろ言い合いますから、そのつど感情的な問題も出てまいりましょうけれども、この辺の御発言については、目下真剣な論議をしている最中でございますので、御遠慮いただきたい、こう思いますので、その点を実は申し上げて、委員長にその点は善処をいただきたいと思うのでありますが……。
  69. 櫻内義雄

    櫻内委員長 委員の皆さんに申し上げます。私語を慎んでいただきます。中山君に御注意申し上げます。  質問を継続してください。
  70. 上原康助

    ○上原委員 申し上げましたように、やはり、核問題について重大な疑惑のままに返還協定が片づけられるということは、耐えがたい屈辱だと思うわけです。外務大臣が私の質問に対して、何度も引用して恐縮ですが、いわゆる返還協定締結するにあたっては、在沖繩米軍の状況というものを詳細に話を聞いて、正しい認識を得た上で、その認識の上にこの協定を結んだのだ、そうであるならば、これだけ重大な問題になっている核基地の問題、ただ核弾頭を抜けばいいということではないわけです。その点は一歩政府の前進した回答だ。また、核装備をされている弾薬庫や基地が撤去さるべきだという大臣や総理お答えですから、明らかに私たちがここには核がある、こういう部隊は核装備をされているというものも、野党のほうがむしろ資料も提供し、行政権を持っている皆さんがそれがないということは、本末転倒だと私は思う。ほんとうに沖繩県民や国民の声にこたえていこうとするならば、当然、私たちが投げかけている、提示をしている、真剣に議論をしている問題に対して、答えてしかるべきだと私は思うのです。  あらためてお尋ねをいたしますが、どういう御認識をもってやられたのか。
  71. 福田赳夫

    福田国務大臣 核は、これはしばしば申し上げておるとおり、アメリカといたしますと、戦略上これは最高の兵器でございます。そういう意味から申しまして、これは、アメリカの核の問題につきましては、非常な高度の機密、これが要請されておるわけであります。そういうことで、遺憾ながら、核につきましては、あるかないか、どういう実態になっているかということは、正確に私どもとしてはつかみかねます。しかし、これは総理も申し上げておることでございますが、大統領と総理大臣の共同声明、これでもはっきり言っておる。また、協定第七条におきましてもこれを確認をいたしておる。さらにつけ加えますれば、この間アメリカ上院の外交委員会におきましても、アメリカの政府当局ははっきりとその点を確認をいたしております。なおそれでも皆さんがいろいろ御心配をなさる、こういう向きがありますので、私どもといたしましては、なおさら——もう大体それでいいと思いますけれども、なおさらに何か確認の方法がないものかということを考慮しておるのだ、こういうふうに申し上げておるわけでありまして、ひとつこれを信頼していただくほかはない。これ以上のことは、私どもは幾ら何を言われてもできないのです。最善を尽くしておる、かように御了承を願います。
  72. 上原康助

    ○上原委員 ことばの上での御答弁だけではわからぬわけでもありません。しかし、私たちがこれだけ疑惑があるのだという材料を提示しても、それに対しては政府のほうからは具体的な御答弁は得られない、復帰の時点にはなくなるのだ、高度の政治判断とか高度の軍事機密だと言う。アメリカ側にとってはそうであっても、日本国民の側にとってはそうではないと思うのですね。  あらためて防衛庁長官なり外務大臣お尋ねをしたいわけですが、いわゆる沖繩の核基地という場合に、どういう貯蔵庫なり部隊なり通信施設というものをとらえて、核基地というものあるいは核の撤去というものを皆さんは想定なさって七千万ドルも計上をしておるわけですか。明らかにどこどこを撤去するということの前提がなければ、七千万ドルということも出てこないわけなんですよ。明らかにしていただきたいと思います。
  73. 福田赳夫

    福田国務大臣 防衛局長から具体的にお答え申し上げます。
  74. 久保卓也

    ○久保政府委員 ただいまの核基地ということばの場合には、私にとっては、きわめて政治的な表現のように思われます。したがいまして、対米の関係で外交的な見地から検討すべきだと思いますけれども、もし軍事的に申せということであれば、核爆弾その他の核弾頭を発射するに緊要な関連施設、いわばファシリティーズということばが適当だと思いますけれども、関連施設をシステムとしてとらえたものと考えるのが相当かと思います。申し述べますが、枢要な、肝要な機能を持つそういったシステムを、関連したもの一体を申すのが適当かと思います。
  75. 上原康助

    ○上原委員 ですから、私は、核問題を論ずる場合に、単に弾頭だけなくなればいいということでないんだということを最初に強調したわけなんです。やはりシステム全体、その系統全体を議論しないで、沖繩基地の中身というものを、核抜きになったんだということで片づけるわけにはまいらない。  そこで具体的にお伺いをしたいわけですが、返還協定に入っていない、具体的には出ておりませんが、読谷村波平——英語ではハンザと言っております。ハンザにある通信施設は、なぜ返還協定定の中に入っていないのか、あるいはその部隊はどういう通信施設なのか、明らかにしてもらいたいと思うのです。
  76. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 A表の三五番、ハンザ陸軍補助施設、これは陸軍第二兵たん部の物資貯蔵施設、物品修理施設でございます。
  77. 上原康助

    ○上原委員 A表三五番のどの部分にこのハンザの通信施設は入っているのですか。ハンザ・サイトに入っているわけですか。
  78. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 私、ただいま申し上げたとおりでございます。
  79. 上原康助

    ○上原委員 どういう御答弁をなさったか、もう一ぺんやってみてください。
  80. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 陸軍第二兵たん部の物資貯蔵施設、物品修理施設ということでございます。
  81. 上原康助

    ○上原委員 A表の三五番にはそういうことは書いてないのです。三五番ですか。
  82. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 Aリストの三五番でございます。
  83. 上原康助

    ○上原委員 三五番は、波平陸軍補助施設だけしかないんじゃないですか。
  84. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 Aリストの三五番は、ハンザ陸軍補助施設でございまして、通信所ではございません。
  85. 上原康助

    ○上原委員 私がお尋ねをしているのは——よく聞いてください。お尋ねしているのは、波平にあるハンザ通信施設、それはどのリストに入っておるかということ。  さらに、もう一つついでに聞きますが、その施設はどういう内容なのかを明らかにしてください。二点。
  86. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 現在Aリストには、ハンザ通信所という施設はございません。陸軍補助施設。ハンザ通信所というのは、聞いたところによりますと、かなり以前にそういう通信所があったようでございますけれども、現在はございません。
  87. 上原康助

    ○上原委員 どうしてそういうずさんな御答弁をなさるのですか。私は沖繩に三十年余り住んでいるのですよ。この間も見てきましたよ。現に使っている施設が、使われていないなんて、そういう御答弁で通るのですか、ほんとうに。もしハンザ通信施設というものが何かと一緒になっておるならば、その内容を明らかにしてくださいというのです。そして、その施設はどういうふうに使われているのか。
  88. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 ハンザ通信施設というものはございません。そこで、これはちょっとお尋ねいたしますけれども、三六番にトリイ通信施設というのがございますが、これのことでございましょうか。違いますか。したがいまして、ハンザの通信所でございますれば、以前、私先ほど申しましたように、ございましたけれども、現在はそういう通信所はないということでございます。
  89. 上原康助

    ○上原委員 ないのじゃない。それはあるのですよ。トリイ通信施設とは距離も隔たっております。そうしますと、このハンザ通信施設はどういうものか、皆さん御存じないのですか。
  90. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 提供施設の中に、同じ読谷村でございますけれども、二六番の楚辺の通信所というのがございますが、このことでございましょうか。もしこのことでございますれば、ちょっと御説明申し上げますが、海軍の通信施設、これも受信用としてハンザの海軍保全班により運営されておるわけでございます。
  91. 上原康助

    ○上原委員 何番ですか。
  92. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 これは二六番でございます。
  93. 上原康助

    ○上原委員 私がいろいろお尋ねしているのは、何も政府答弁をどうこうしようという意図でやっているわけではありません。きわめて重大な問題があるのでお尋ねをしているという点をぜひ御理解いただきたいと思うのです。  それと、いかにこの返還協定の中身がずさんにつくられたかということは、きのうからもう出ているわけですよ。なぜもう少し責任ある回答のできる中身にしないのか。   〔「まじめにやれ」と呼ぶ者あり〕
  94. 櫻内義雄

    櫻内委員長 私語を禁じます。
  95. 上原康助

    ○上原委員 まじめにやっていますよ。ずさんじゃないですか。ごらんのとおり答弁もできないじゃないですか。  そこで、じゃ、この二六番にある、いま説明ありました、場所は違うのですが、楚辺海軍通信補助施設にもしハンザが入っているとするならば、その施設はどういうふうな内容ですか。
  96. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 楚辺通信所のことかと思いますが、これは、先ほど申しましたように、海軍の通信施設、受信用としてハンザの海軍保全班により運営されております。そこには大きな円形のアンテナがございます。  なお、これに関連いたしまして、楚辺の方向探知東サイト及び西サイトは、ともに楚辺の通信所の一部として機能しておりましたけれども日米間の交渉の結果、西サイトのほうは復帰前にこれが使用を解除する、こういう予定になっておるわけでございます。
  97. 上原康助

    ○上原委員 あとでまとめてどういうものか申し上げますが、もう一点お尋ねをしておきますが、沖繩の通信施設のリストなり調査というものは、外務省あるいは防衛庁なさっているのですか。
  98. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 沖繩には米軍の通信施設はかなりございますが、その一つ一つの機能につきましては私どもは十分承知いたしておりません。
  99. 上原康助

    ○上原委員 外務省はどうですか。
  100. 吉野文六

    ○吉野政府委員 いまの防衛施設庁長官答弁のとおりでございます。
  101. 上原康助

    ○上原委員 どうも私の質問のほこ先を制しようということでそういう御答弁をなさるのか。詳細にお調べになったというのは、じゃ一体どこを調べたのですか、皆さんは。幾らアメリカの施政権下にあるといっても、日本の施政権下に戻るということは、領土権含めてのあれでしょう。土地は沖繩県民のものなんですよ。通信施設がどういう施設になっているのか、核がどこにあるのか、どういう部隊が核を管理しているのかもわからぬで、とうとうと核抜き本土並みなんて、ほんとうに言えるのですか。そこにごまかしがあるということを私たちはいま指摘をしているじゃありませんか。全然資料ございませんか。
  102. 福田赳夫

    福田国務大臣 核につきましては、先ほどから申し上げているとおりでありまして、これはアメリカの最高の軍事機密に関するものでございまして、したがいまして、私どもは、これは両巨頭の声明、また協定第七条、アメリカ上院におけるところの政府発言、こういうものを信頼するほかはない、かように考えております。これは、証拠というものは、心証もあり物証もあるのですが、この際は、そういう各般の事情で核はないという御心証を得ていただくほかはないのでございます。しかし、たいへん本委員会におきましても御議論がある、そういうことにかんがみまして、私どもとしては、なおこの問題をさらにはっきりさせる方途はないものかということについて、非常にいま苦心をいたしておるところであるということを申し添えます。
  103. 上原康助

    ○上原委員 何べんもそういう御答弁ですが、納得はいきません。  そこで、時間もたちますので、通信施設について一応申し上げておきたいのですが、これだけ聞けば、どういうような基地の態様になっているかは——もちろん私もしろうとです。わかりません。核の問題もずぶのしろうと。だが、沖繩基地の中身というのがいかに危険であるかというのは、私は身をもって体験してまいりましたので、わかる。当然、私はこのくらいの資料皆さんの手元にもあると思う。  一応通信施設だけ申し上げて、さらに核の貯蔵庫なり、そういう問題については——私がいまから申し上げるのは、先ほどの皆さんの御答弁から、総理外務大臣の御答弁からいたしますと、核基地は撤去されるということをきょう明確に御答弁なさったわけですから、そういうのはなくならなければいかない基地だと私たちは見ていますので、聞いていただきたいのです。  まず、宇宙衛星通信ステーション、これは北中城の瑞慶覧にある。陸軍戦略通信沖繩通信グループ第十六心理作戦中隊、これは浦添市港川。これは第七心理作戦部隊と関係がある陸軍第七心理作戦部隊。太平洋前線司令部、北谷村の字桃原にある。陸軍の戦略通信、陸軍受信所、読谷村渡具知にある。陸軍の戦略通信沖繩通信グループ、陸軍送信所、具志川市安慶名。これも第七心理作戦と関係ある。トリイ・ステーション、読谷村楚辺、陸軍安全保障機関の一環。海軍通信ステーション、本部町八重岳、これも陸軍の戦略通信。海軍情報通信施設、宜野湾市字上原にある。先ほどから私が議論をしている海軍電波探知施設、読谷村波平にある。海軍の安全保障グループに属しています。沿岸警備隊通信施設、いわゆるロランステーションといわれている海軍安全保障グループ。陸軍レーダ施設、糸満与座岳、これは空軍の第八二四戦闘支援グループ第二一五二通信大隊、このもとに沖永良部、宮古、久米島、泡瀬の通信ステーション、恩納受信所、恩納岳、空軍の第九六二通信グループ、さらにいろいろ議論になったFBIの問題やVOA、こういうふうに、沖繩の通信網というものは、すべて戦略的なかなめでいま施設がされております。このことは現在の核基地と重大な関係があるということを見抜かなければいかない。これについて、専門的立場から、防衛庁長官でもよろしいし、御答弁をいただきたいと思います。
  104. 西村直己

    西村(直)国務大臣 先ほど総理あるいは外務大臣から、特に総理から、核に関する一切のものは撤去、したがって、核の機能を動かすようなものについては、当然これは制約をされてまいると考えております。
  105. 上原康助

    ○上原委員 じゃ、具体的な中身に入ってまいりたいと思いますが、核基地の撤去ということですから、たとえば核搭載機であるF105ファントム、あるいは核装備をしている第三海兵水陸両用部隊、核貯蔵庫、核通信施設というものは、復帰の時点においては確実に撤去されるわけですね。ポラリス潜水艦との連絡通信施設等がもしあるとするならば、そういうものを含めて七二年の復帰の時点においては撤去されるということが、皆さんのおっしゃる核撤去という意味ですか。
  106. 西村直己

    西村(直)国務大臣 もちろん、核を操作するという関連においては、そういう機能は制約を受けるでしょう。ただ、御存じのとおり、いろいろな兵器におきましても両用のものがあります。通信でも多目的であります。そういう意味では、そのファンクションというものは、当然安保条約上われわれは受け入れざるを得ない、こう解釈しております。
  107. 上原康助

    ○上原委員 じゃ、具体的にお尋ねいたしますが、ポラリスとの通信連絡施設があった場合は撤去されますか。
  108. 西村直己

    西村(直)国務大臣 それはおそらく、機能の内容をわれわれは具体的には知りませんが、ポラリス専属ではない。私は、当然、そういう核に関係ない部分において他の目的に使われるならば、これはまたそれでいけると思います。
  109. 上原康助

    ○上原委員 専用の場合はどうですか。
  110. 久保卓也

    ○久保政府委員 沖繩に専用のものがあるかどうかは存じませんけれども、仮定の話でございましたが、持ち込みあるいは撤去の問題とちょっと関係がないように、軍事的には私そう感じます。
  111. 上原康助

    ○上原委員 先ほどの御答弁とまた違っております。問題を詰めていけば詰めていくほど、核心に触れるとそういうふうな御答弁で濁しておる。問題だと思うのですね。  そこで、核基地が撤去をされるということですから、私は、総理——ここで私たちが議論をしているのは、皆さん返還協定を何とか乗り切っていこう、あるいは国民の核に対しての疑惑というものを解いていこうという努力の中でいまやられているか知らない。だが、私は一つだけ重大な問題を指摘をしておきたいと思うのです。そのことは、核抜き本土並みと皆さんがあれほどおっしゃって、総理をはじめ強調なされて、復帰の時点に——どもが、こういう部隊は核装備をしている部隊なんだ、ここには核が貯蔵されているんだということをこれまで指摘をしてまいりました。その部隊が、復帰の時点においてもしも何らの変更なしに従前どおり管理をされる、あるいはベールに包まれているとするならば、重大な問題、責任問題だと私は思うのです。そういう意味で、さらに新しい問題をここに提起をしておきたいと思うのです。  現在、嘉手納空軍基地というのは、これは明らかに戦略攻撃基地なんです。その基地との関係における核装備というものについて、防衛庁なり外務省は御存じですか。
  112. 西村直己

    西村(直)国務大臣 具体的には存じておりません。
  113. 上原康助

    ○上原委員 そうしますと、また論議の蒸し返しになるというお答えが来るかもしれませんが、具体的には知っていらっしゃらない、しかし、夜が明けたら、復帰の時点では核はなくなっていますと、まるでおとぎ話みたいな——点検の方法はどうなさるおつもりですか。
  114. 福田赳夫

    福田国務大臣 しばしばお答え申し上げておるとおり、点検、これは不可能でございます。
  115. 上原康助

    ○上原委員 点検が不可能であるとするならば、一応疑問符を付されている中でいま岩国の問題さえも論じられております。私たちは沖繩基地の実態というものを知っているがゆえに、信用してください、理解をしてくださいと言われても、こういう実態があるからどうなるかということをお尋ねするわけなんですね。しかし、それが具体的な点検の方法もないんだということであれば、これは何も私が相いれない政治の立場にあるからということでなくして、県民の大半がそういうものに疑惑を持つというのは、これは常識でしょう。なかなかその点では納得いきません。  そこで、これまで辺野古弾薬庫の問題なり、いろいろ議論をしてまいりましたが、これは嘉手納空軍基地の図面です。あとで総理にとくとごらんになっていただきたいのですが、ここに御承知のようにこう円形が引かれております。これが嘉手納弾薬庫、空軍弾薬庫、そしてこの弾薬庫から半径三千六百三十フィート、ここが全部危険地域だというふうに、こういう米軍の図示がされております。さらに、これとの関連で、このカケじるしをつけてあるのは、六九年にB52がおっこちたところ、この空軍基地の滑走路の駐機場のほうにまた二重金網のいわゆるセーフティーゾーンというのがあります。危険地域。ここから核を常時持ち出して、また空軍のこの中に、いつでも緊急離着できるようにアラートハンガーというのが仕込まれている。トレーラー三台が常時駐留をして、F105が核を搭載して待機をしておる、これが現在の沖繩基地の実態なんです。そうして、こういうものが復帰の時点においてどう変わっていくのか。私たちの現在の常識からして、嘉手納の空軍基地がある限り、この実態は変わらないと思う。むしろ、さくにしても、あるいはいろんな面で装備というものは充実をされております。ですから、先ほどの御答弁からすると、こういうものは、当然、核基地の主要な部分ですから、この弾薬庫に含めて撤去されなければならないと思う。あるいは、こういったような危険地域というもの、図示されております。もしよろしければ見ていただきたいと思います。
  116. 櫻内義雄

    櫻内委員長 資料提供を許可します。  質問をお進めください。
  117. 上原康助

    ○上原委員 あらためて総理お尋ねをいたしますが、こういう基地の実態というものは、復帰の時点では当然撤去される、そういうことになりますか。
  118. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 ただいまお尋ねがありましたが、これが核の問題であれば、私は、核についてはなくなる、かように思っております。ずいぶん滑走路のすぐそばにありますので、ただいま言われるようなそういう危険なものをはたしてこんなところに持っているかどうか、私も疑問に思いますけれども、ただこれが核であれば、そういうものは撤去される、かように、どうも……(「しろうとだから知らないんだ」と呼ぶ者あり)しろうとだから知らないと不規則発言が出ておりますが、私は確かにしろうとでございます。しかし、この滑走路のすぐそばでございますから、先ほど来言われるように、非常に危険なもの危険なものと言われるものが、はたしてそういうところにあるのか、あるいはまた他のものであるか、そこらの点は、よく復帰時におきましてまた確かめておきたい、かように思います。
  119. 上原康助

    ○上原委員 どうも納得のいかない御答弁ですが、飛行機は滑走路からしか飛ばないんですよ、総理大臣。飛行機が野原から飛ぶわけじゃないんです。図面が小さいからおわかりにならないかもしれませんが、赤く塗ってあるのは十六号線ですね。これは弾薬庫とは隔てておりますよ。隔てて、滑走路に運んで、ここから緊急体制をとっているんです。そういう状態というものであることを全くお調べにもならないで、核が抜かれる、そこに問題があるということ、その点は私たちはこれからも徹底的に追及して、追跡してまいります。あらためてお伺いいたします。  そこで、先ほど私が海軍電波探知施設というものを、読谷村の波平というものを強調してまいりましたが、これはまさしくポラリスとの専用通信施設じゃないですか。ポラリスとの専用通信施設なんです、これは。ですから、先ほど皆さんの御答弁からすると、当然これは復帰の時点において撤去される、そのことをあらためて確認をしておきたいと思うのです。
  120. 久保卓也

    ○久保政府委員 私ども米軍から教えられておりますことは、波平の通信施設は、通信保全業務をやっているということでありまして、ポラリスの専用の通信をやっているというふうには承知しておりませんし、かりに——仮定の話は別にいたしまして、先ほど申し上げたように、仮定の話でありましても、ちょっとポラリスの場合とでは問題が違うように私は思います。
  121. 上原康助

    ○上原委員 アメリカから教えられたらそのままうのみにされては、お困りになるのは、政府のお役人の皆さん総理大臣や外務大臣じゃないわけですよ。それは、二十六年間基地の中で踏みつけられている沖繩県民の問題なんです。なぜ積極的にお調べになって——私たちがこれだけ問題を提起しても、なぜ皆さんは隠そう隠そうとだけなさるのですか。もっとほんとうのことを国民の前に明らかにして、ほんとうならほんとう、野党の追及が誤っているなら誤っていると、堂々と論陣を張ってみたらどうですか。そこに疑惑があるということを私は強調しておきたいと思うのです。  そこで、総理、いろいろ議論が出ましたが、やはり納得がいかない。そしてまた、何か米軍基地の実態というものをベールで押し隠して、復帰協定というもの、返還協定というものを押し通そうとする意図がありありとうかがえて、私は残念なんです。指摘をしましたように、国会の権威というもの、たとえ私たち野党が少数であっても、正論は正論として通る国会でなければ、私たちは国民の期待にこたえ得ない。沖繩県民が、いままさしく復帰に賛成をしながらも、この返還協定の中身に反対であると切実に訴えているのを、私は、わからなければいかないと思うのです。そのことを強く申し上げて、関連質問でもありますので、これからまた楢崎委員にバトンを譲りますが、総理のあらためての核問題に対してのお答えというものを得たいと思います。
  122. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 上原君の声が大きいものですから、どうも鬼面人を驚かすというほどではございませんけれども、何だか非常な真実性を声が大きいとあらわすようでございまして、私もそういう点では声が大きいのですから、別に驚かないでください。  ただ私、先ほど来、核についてのいろいろの外務大臣その他とのやりとりを聞いておりましたが、これはもうさっきも外務大臣が申しますように、核に関する事前協議の対象になるもの、これは核弾頭及び中距離ミサイルの持ち込み、並びにそれらの基地の建設、こういうことに非常にはっきりいたしておりますから、こういう問題は、ただいまがどうあろうと、返還時においてはそういうものはなくなる、そのことをはっきり申し上げておきます。(拍手)
  123. 上原康助

    ○上原委員 最後と申し上げたのですが、いま御答弁があって、あと一言だけつけ加えておきたいと思うのです。  アメリカはこれから核基地を建設する必要はなくなっているのですよ。もうつくるだけつくってしまっているのです、復帰までに。だから、いまから建設するものは事前協議で食いとめるということでなくして、現にある核貯蔵庫を撤去しなさいということなんですよ。いまからつくる必要はないほどアメリカはつくってしまっている、そこに問題があるということを最後指摘をして、楢崎委員に譲りたいと思うのです。
  124. 楢崎弥之助

    楢崎委員 いま、核抜きとは一体どういう状態なのか、これが明白になったと思うのです。ただ核弾頭だけの問題じゃない。今日の核戦略においては、核というものをシステムとして見なければならない。それを理解していただくために、上原委員は具体的な事例をあげて指摘をしたわけです。つまり、核弾頭はもちろんのこと、それを扱う核部隊あるいは核倉庫、あるいは核を発射する付属のランチャーとか、あるいは核の投下演習、そうしてそれに伴うレーダー関係、コンピューター関係、当然これは全部システムとしてとらえなければならないのです。だから、われわれが核抜きと言うときには、これらのシステムがなくならないと、これはいつでも再びいわゆる核の再持ち込みという事態が起こる可能性があるわけです。それを上原君は事実をもって訴えました。  しかし、いま総理は、いずれにしても、返還時にはなくなるということをおっしゃいました。私は、昨日来、そんなことをおっしゃっても、現に施政権下にある、あるいは事前協議に当然かかるべき、しかもそれは非核三原則で拒否すべきいわゆる核兵器、核部隊、核倉庫が岩国にあるという事実を明白にしたのです。そして、きょうは、きのうよりさらに新しい問題を具体的につけ加えました。したがって、私がきょう指摘した具体的な内容について、一つ一つ確認をしていただきたい。私は責任をもって出しておる。そしてこれから先は、何回も言いますが、秘密理事会で私はそれをさらに裏づける具体的な資料を提出したい、そのように思うわけです。(「公開でやれ」と呼ぶ者あり)  なお、つけ加えておきます。こういうことを私は公開では言いたくなかったが、公開でやれというから、一つつけ加えておきます。  ことし五月、返還協定の調印問題もからめて、前外務大臣愛知さんがパリに行かれました。ロジャーズさんとお会いになりました。先ほど申し上げた五月のあの問題とからんで、愛知さんは岩国のその問題について発言をなさっておられます。それをぜひ福田外務大臣は愛知前大臣に確かめておいてください。これは秘密会でけっこうですから、確かめておいてください。  以上、私は、この岩国問題については、要望を重ねてここで申し上げたわけです。それで、この問題をもう一ぺん理事会において検討していただいて、ペンディングということでありますから、私の二つの要求、つまり、一つは、秘密理事会をやって総理に御出席いただきたい。そしていま一つは、当委員会から直ちに調査団派遣して点検をしていただきたい。この二つの問題について、もう一度委員長お願いをいたします。
  125. 櫻内義雄

    櫻内委員長 楢崎委員に申し上げますが、昨日理事会は相当長時間にわたって慎重に論議、協議をいたした結果が、秘密理事会及び調査団派遣の件は、結論に至りませんでしたと御報告申し上げた次第であります。重ねての御要望でございますが、委員長の現在の判断では、にわかにこれは結論が出にくい、また、これらの問題は内閣委員会の所属事項ではないか判断もいたしますので、それらのことを御勘案いただきたいと思うのであります。
  126. 楢崎弥之助

    楢崎委員 せっかくの委員長のおことばですが、ただいま私が指摘したことが内閣委員会の問題であるとおっしゃるのですか。私がきのうから何べんも口をすっぱくして言っているのは、幾ら沖繩核抜きの問題を言っても、きょうもまた上原君があれほど具体的な事実を出しても、結局は、返還時にはきれいになります、しかも核点検はさせない、だから信じてください、ところがその信頼ができないということを私は具体的に出しておるのです。この問題は、この沖繩返還協定の最も重要な一つのポイントである核抜きの問題に関することです。まさに当委員会の主要な事項ではありませんか。それを内閣委員会の事項という、その委員長の御判断だけは、私はお取り消しをいただきたいと思います。
  127. 櫻内義雄

    櫻内委員長 楢崎委員に申し上げますが、私の見解もまた成り立つと思うのです。ただ、私はこの協定委員会に無関係だと言っておるわけではございませんが、その点も御了承願いたいと思います。
  128. 楢崎弥之助

    楢崎委員 それでは、ここまで私は事実を明らかにし疑問を呈しておるのに、このままにしておくつもりですか。——このままにしておくつもりですか。
  129. 櫻内義雄

    櫻内委員長 したがって、これは国政調査にも関連いたしますし、内閣委員会の専管事項ではないかと、私の見解を申し上げておるのであります。それは昨日来長時間にわたって協議をいたしましたが、理事間の意見の一致を見ておらない状況で、さらにこれを継続してもなかなか困難であると、かように存じますので、むしろ専管委員会のほうで御協議、お取り上げを願いたい、こういうふうに委員長判断を申し上げておるわけであります。
  130. 楢崎弥之助

    楢崎委員 昨日も、委員長お聞きのとおり、総理大臣とのやりとりの中で、この沖繩返還協定の基礎をなすものは日米信頼関係である、もしアメリカがその信頼関係を裏切るようなことがあれば、この沖繩返還協定の基礎もくずれるし、佐藤総理責任をとるとまでおっしゃっているのです。当委員会で昨日おっしゃった。それを当委員会で決着をつけるのがほんとうではないでしょうか。これを別の委員会に持っていかれるわけですか。ここまで協定の真髄に触れる問題として総理も御認識いただき、自分の政治生命をかけてもいい、政治責任をとってもいいとまで、きのうはおっしゃったのです。そうではありませんか。当然この委員会でこの問題の結論を出すべきであろうと思うのです。
  131. 櫻内義雄

    櫻内委員長 楢崎君に申し上げますが、理事会結論に至っておらないのであります。したがって、私としては、これはむしろ協定委員会よりも内閣委員会の専管事項ではないかと、委員長見解を申し上げておるわけであります。
  132. 大出俊

    大出委員 これは議事進行関係です。  これは理事会結論が出ていないから、したがって内閣委員会でと、こうおっしゃるのですが、理事会結論が出ていないということは、結論が出ればそれに従うわけですから、結論が出ていないということは、楢崎委員が、政府なりあるいは関係の向きの皆さま方に、点検をしろ、調査をしろと主張することは、理事会結論が出ていないんだから、これは当然のこと、あたりまえのこと。  私は、私自身総理その他と論議をしてまいりましたいままでの経過もございますから、一言つけ加えさしていただきますが、ここに持っておりますのは、一九六〇年一月十九日の日米間におけるこれは合意議事録です。「日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定についての合意された議事録」、この中に関連のある条項がございまして、これはすでに私は委員会で相当突っ込んだ論議をしてきているのでありますが、「10(a)及び10(b)に関し、」というところに、「合衆国軍隊が使用している施設若しくは区域内にある者若しくは財産又は日本国にある合衆国軍隊の財産について、捜索、差押え又は検証を行なうことを日本国の当局が希望するときは、合衆国の軍当局は、要請により、その捜索、差押え又は検証を行なうことを約束する。これらの財産で合衆国政府又はその附属機関が所有し又は利用する財産以外のものについて、」云々と、こういう実は項目がございまして、この点についても、点検の問題とからみまして、いままで論議をしてまいりました。またもう一つ、民事訴訟との関連におきまして、ここに「日本国の民事裁判所は、合衆国軍隊の使用する区域又は施設内で検証することができる。当該区域又は施設の司令官は、裁判所の要求があるときは、これを許可し、かつ、護衛兵を附するものとする。」というふうな意味の幾つかの実は合意がございます。これらのものを一つの基礎といたしましていままで論議をしてきている中で、日本国政府がほんとうにそのつもりで合衆国に要請をして、疑惑がある、国民的疑念がある——政府は、旧来姿勢のもとに、核はないとおっしゃるが、貯蔵施設がある、あるいは点検がある、あるいは監視施設がある、運び込まれているあるいは運び出している事実がある、それはかくかくしかじかであると楢崎委員提起をしているのでありますから、もし皆さま方が、ないという主張を堅持をされるということであるならば、当然、国民的疑惑を晴らす意味で検証をする。メースBの例もございます。共同監視、査察であろうと共同調査であろうと、名称は問いません。あるかないかということについて真剣に政府アメリカ合衆国側と話し合われて、疑惑があるのだから調べさせろという主張をされてもこれは一向に差しつかえない。そういう筋合い総理がおっしゃるように、沖繩では施政権がない。しかし、これは向こうじゃない、岩国です。当然そのことはやるべきである。私は、その主張を楢崎委員がしているわけでありますから、これは、委員長理事会結論が出ていないとおっしゃるとおり出ていないのでありますから、政府側からこれはやはりはっきりさせていただかぬと、疑惑は晴れない、こういうふうに思いますから、そういう意味でひとつ政府の側の明確な態度を前向きで出していただいて、その上で議事を進行するということにしていただきませんと、新聞にもあれだけ取り上げられて、国民的疑惑もございますから、ないのである限りは、それを固く信じておられる限りは、そのくらいのことは政府責任においておやりになってしかるべきであろう、対国民的において。かつまた、沖繩の核問題が問題になっておりますから、返還協定にからむ沖繩県民の皆さんの疑惑という問題に答える、こういうふうな措置をおとりを賜わりたい、こう思うわけでありますが、その意味での政府の態度というものを明確にしていただきたいと思います。
  133. 福田赳夫

    福田国務大臣 ただいま御指摘の一九六〇年安保当時のやりとりですね、その法的解釈につきましては条約局長からお答えをいたさせます。その上に立って私がお答えをいたします。
  134. 大出俊

    大出委員 法的解釈を求めているのじゃなくて、これはいままで何回かの論議をされた——やたら論議をされたわけではありませんが、私もさきの国会沖繩返還にからんで論議を詰めてみている。だから、いろいろなやりとりはもうすでに出ている。そういう前提があるのだから、施政権がアメリカにあるのじゃない、ないのだから、政府がアメリカ側に、疑惑があるのだから、共同監査でも共同視察でもいい、名目はどうでもいいけれども、ほんとうにないのなら、建物はあるのだが中身はないのだとおっしゃるなら、その建物の中は機関砲の砲弾なんだとおっしゃるならば、行って機関砲の砲弾だけなら、問題は解決をする。先ほどの御答弁では、機関砲の砲弾が入っておるとおっしゃる。だとするならば、事は簡単なのだ。楢崎さんが指摘した場所について一緒に行ってみた、まさに機関砲の砲弾であったということになるならば、問題はないということに実は解決をする、施設があるということについては残る、こういう関係が出るわけでありますから、そのくらいの努力はしてしかるべきではないか、こう申し上げている。法律解釈の問題ではありません。
  135. 福田赳夫

    福田国務大臣 いまちょっと法的解釈の問題が引っかかるようでありますから、まず条約局長からお話し申し上げまして、政策の問題につきましては私からあとでお答え申し上げます。
  136. 櫻内義雄

    櫻内委員長 政府側発言要求ですから……。
  137. 大出俊

    大出委員 私は議事進行を提案しておりますから。またがって論議をしたような長い論争をここでやることになってしまう。——簡単に言いますか。
  138. 櫻内義雄

    櫻内委員長 簡単に、明瞭にお願いいたします。
  139. 井川克一

    ○井川政府委員 簡単にやれというお話でございます。  御存じのとおり、これは十七条の合意議事録でございます。刑事裁判権に関する合意議事録でございます。それから検証の場合は、民事裁判処理の関係のものでございます。
  140. 福田赳夫

    福田国務大臣 ただいま条約局長から申し上げましたような次第でありまして、政府が、問題があった場合に検証ができるか、こう言うと、外国軍隊あるいは外国の艦船、こういう中を検証すること、これは先方の承諾がなければできません。これは御承知のとおりであります。  そこで、楢崎委員からいろいろ具体的なお話があった。そこでアメリカ側とずいぶんゆうべからけさにかけて話をしたのです。その結果、先ほど申し上げましたように、アメリカとしては日本の核政策に協力する、岩国を含めまして一切日本には核はありません、こう言っているのです。したがって私は、日本政府といたしまして、核は日本にはありませんということを責任をもって申し上げる、こういうことを申し上げておるわけであります。きわめて明瞭である、かように存じます。
  141. 大出俊

    大出委員 だから私は申し上げている。いま私が例にあげたのも、承諾をしないという権限はアメリカ側にはある、検証の場合でも。そうでしょう。いま外務大臣がおっしゃっているように、日本政府が検証したいというような場合にはアメリカ側の同意が要る、もちろんそうです。間違いない。だがしかし、皆さんはアメリカ側に、共同査察であれ、視察であれ、検証であれ、これだけ疑惑があるのだから、見せてもらいたいということすら言っていない。アメリカ側が、ないと言ったから、ないのだという答えしかしていない。そこに幾ら政府が、ない、アメリカを信じなさいと言っても、それではだめなんだという論議が初めからいままで続いているのですよ。だからせっかく場所指摘して、あなた方は、その中の中身は機関砲なんだ、砲弾なんだと言っているんだから、核じゃないんだと言っているんだから、アメリカに聞いてみたら、アメリカは断じて核はないと言っているんだというんだから、それならば、ないかあるかを——向こうは、ないと言っているんだから、あなたは、機関砲と言っているんだから、機関砲か、ないか、そこのところをあなたは当然アメリカに見せてくれと言って、アメリカが合意をしない、同意をしないと言っているのならまた別だ。そこのところはあなた方が努力をしなければ、事実行為として、事実認定という形で、ないかあるかの決着はつかない。ないとおっしゃるんなら、別なものだとおっしゃるんなら、当然そこまでの努力はすべきである。そのくらいのことは、こんなに疑惑があるんだから、初めからその論争なんだから、あなた方はそこまでの努力をされたって決しておかしなことはない。いかがですか。その努力をしていただきたい。
  142. 福田赳夫

    福田国務大臣 大出さんのおっしゃること、よくわかりました。しかし、きのうのきょうのことですよ。きのうのきょうという、そういう短い間に検証も何もできたものじゃない。そこで、これはアメリカ当局にゆうべ調査を頼んだわけなんです。アメリカ当局はずいぶん方々調べたようです。そして返事があった。返事は先ほどのとおりである。きょうの問題とすれば、それは最大の努力の成果である、こういうふうに思うのです。しかし、あなたのお話、私よくわかりました。そういう方向につきましては、私も、先方がどういうふうに出るか、これは保証することはできません。できませんが、努力はしてみます。
  143. 青木正久

    ○青木委員 本件に対する質疑は……(発言する者多く、聴取不能)……たい……(聴取不能)
  144. 櫻内義雄

    櫻内委員長 青木君の……(離席する者、発言する者多く、聴取不能)   〔議場騒然〕   〔委員長退場〕    午後三時十六分      ————◇—————