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1971-07-23 第66回国会 参議院 内閣委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年七月二十三日(金曜日)    午前十時三十八分開会     —————————————   委員氏名     委員長         田口長治郎君     理 事         塚田十一郎君     理 事         安田 隆明君     理 事         足鹿  覺君     理 事         上田  哲君                 源田  実君                 長屋  茂君                 渡辺一太郎君                 矢山 有作君                 三木 忠雄君                 峯山 昭範君                 松下 正寿君                 岩間 正男君  昭和四十六年七月二十日右の者は本委員辞任  した。     —————————————  七月二十日議長において本委員を左のとおり指  名した。                 小笠 公韶君                 源田  実君                 佐藤  隆君                 菅野 儀作君                 世耕 政隆君                 田口長治郎君                 土屋 義彦君                 長屋  茂君                 細川 護煕君                 町村 金五君                 山本茂一郎君                 足鹿  覺君                 上田  哲君                 水口 宏三君                 矢山 有作君                 山崎  昇君                 沢田  実君                 峯山 昭範君                 中村 利次君                 岩間 正男君  同日議院において左の者を委員長選任した。                 田口長治郎君     —————————————    委員の異動  七月二十二日     辞任         補欠選任      佐藤  隆君     安田 隆明君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         田口長治郎君     理 事                 安田 隆明君                 上田  哲君                 水口 宏三君     委 員                 小笠 公韶君                 源田  実君                 菅野 儀作君                 世耕 政隆君                 土屋 義彦君                 長屋  茂君                 細川 護煕君                 町村 金五君                 山本茂一郎君                 足鹿  覺君                 山崎  昇君                 沢田  実君                 峯山 昭範君                 中村 利次君                 岩間 正男君    国務大臣        国 務 大 臣  大石 武一君        国 務 大 臣  増原 恵吉君        国 務 大 臣  山中 貞則君    政府委員        人事院総裁    佐藤 達夫君        総理府総務副長        官        砂田 重民君        防衛政務次官   野呂 恭一君        農林政務次官   佐藤  隆君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君    説明員        人事院事務総局        給与局長     尾崎 朝夷君        行政管理庁行政        管理局長     河合 三良君        防衛庁防衛局長  久保 卓也君        防衛庁装備局長  蒲谷 友芳君        防衛施設庁長官  島田  豊君    参考人        公害防止事業団        理事長      江口 俊男君        公害防止事業団        理事       古澤  實君                 佐藤 正雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事選任の件 ○調査承認要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国の防衛に関する調査  (国の防衛問題に関する件) ○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査  (国家公務員給与等に関する件)  (国家行政組織に関する件) ○特定郵便局長恩給計算上旧在職期間年通算  に関する請願(第二号) ○靖国神社国家管理立法化反対に関する請願  (第二四号) ○板付基地返還に関する請願(第二五号) ○板付飛行場東側山間部の地元への払下げに関す  る請願(第二六号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  最初に一言ごあいさつ申し上げます。  このたび、内閣委員長に再任されましたが、さきの通常国会におきましては、皆さん方の非常な御協力を得まして、何とか職責を果たし得ましたことを心からお礼申し上げる次第でございます。どうか引き続き御指導御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)     —————————————
  3. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 理事選任を行ないます。  本委員会理事の数は四名でございます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事安田隆明君、上田哲君、水口宏三君を指名いたします。  なお、残り一名につきましては、後日選任することといたします。     —————————————
  5. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 調査承認要求に関する件を議題といたします。  本委員会におきましては、従来から国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行なっておりましたが、今期国会におきましても、これら二件の調査を行なうこととし、そのための調査承認要求を行ないたいと存じます。さよう決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。  要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  8. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 参考人出席についておはかりいたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査のうち、国家行政組織に関する件の調査のため、本日参考人出席を求めることとし、人選については、委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  10. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 国の防衛問題に関する件を議題といたします。  増原防衛庁長官から発言を求められております。これを許します。
  11. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) このたび防衛庁長官を拝命いたしました増原恵吉でございます。皆さまの格別の御指導、御協力をつつしんでお願いをいたします。
  12. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 次に、野呂政務次官発言を許します。
  13. 野呂恭一

    政府委員野呂恭一君) このたび政務次官を命ぜられました野呂恭一でございます。たいへん未知な問題も多いわけでございますが、一生懸命で勉強をいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
  14. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) それでは、御質疑のある方は順次御発言を願います。
  15. 上田哲

    上田哲君 新防衛庁長官が就任をされましたので、従来からの種々の懸案に基づきまして、新長官の基本的なお考えについて二、三お尋ねをしたいと思います。  第一に、先般アメリカレアード国防長官が来日をされまして、総理をはじめ新旧防衛庁長官話し合いをされたわけでございます。レアード長官が訪日されて話し合いをされたことの中心は、去る三月にアメリカが発表した国防報告、こうした中に盛り込まれております、いうところの総合戦力構想、こういう考え方日本側説明をするものだというふうに了解をしております。こうした理解について、防衛庁長官認識を共通することができるのでありますか。
  16. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) このたびのレアード国防長官訪問は、先般の中曾根防衛庁長官訪米の際招請をいたしましたのにこたえて、訪問をされたわけでございます。その際行なわれました会談では、日米両国国際情勢に対する見方両国防衛政策についての説明、意見の交換というふうなことがあったわけでございます。
  17. 上田哲

    上田哲君 レアード国防長官は、いうところの全体戦略構想立案者推進者というふうに理解をしております。私がお伺いしておるのは、その全体戦略構想についての説明、なかんずくその中での日本自衛隊の位置づけ、こうした問題についての説明中心であったと思いますが、そういうことでしょうか。
  18. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 全体戦略構想としてレアード長官中曾根長官に話をいたしたことを中曾根長官から聞きますと、いわゆるニクソンドクトリンと申しまするか、の考え方でありまして、日本及びその周辺等に対しては核のかさによる防衛という問題は十分これを将来にわたって確保いたします、及び海・空の兵力については、これを米国の手によって維持をしていく、陸の兵力については、日本及び周辺から漸次縮減をしていくというふうな構想が述べられたよしであります。
  19. 上田哲

    上田哲君 つまり、核の抑止力アメリカが受け持とう、そして通常戦力については日本が引き受けなさいと、その総合における全体としての戦力あるいは抑止力、こういう構想だと思います。もう一つ、それは極東地域アジア太平洋地域における日本中心とした全体的な戦略構想、こういう位置づけもあるのだと思います。そういう中で、日本自衛隊通常兵器通常兵力としての増強ということが強調されたわけであります。この具体的な内容についてお示しをいただきたい。
  20. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 日本自衛隊の勢力について、これを増強するという問題について、このたびレアード長官発言は特になかったよしであります。私との場合もありません。その点についてレアード長官が触れましたのは、陸上自衛隊北海道において視察した際、たいへん装備が、手入れがよく行き届いて保持されておるということと同時に、装備はいかにも古いものが多い、質的な改善をされることがいいと思うという所感を述べておられるわけでございます。自衛隊増強あるいは質の改善についても、そういうことを要望するというような話のしかたではなかったわけでございます。
  21. 上田哲

    上田哲君 日本自衛隊増強方向での今後のあり方というようなことが話し合われたというところに、非常に私どもはさまざまな問題点を感ずるわけですが、いまのお話にもあった北海道第七師団視察された際のことですね、これはたいへんよくわからないのであります。つまり、アメリカ国防長官日本自衛隊内容視察を行なって、装備が古いではないかと、こういう指摘、これは私は、他国の防衛責任者がある国をたずねて、この装備は古いじゃないかと言うようなことは、はなはだ通常の国と国との間の関係からいってあり得ないことだろう、例の少ないことだろうと思います。また、レアード国防長官の話は、装備がどうも古くなっているじゃないかということにとどまらず、ここまで自衛隊を育成してくれたことに感謝をするというようなことを言っておる。一体自衛隊は、その戦力なるものを増強することによって、それが増強されればアメリカ国国防長官感謝をされなければならない関係というものをどのように思っておられるのでありましょうか。私どもは、たとえば防衛庁長官みずからがいま例示された問題についても端的に危惧を表明するのは、レアード国防長官がみずから掲げる総合戦力構想というものを掲げて日本防衛責任者と話をされて、日本自衛隊増強をそれなりの形で要請をする、そしてその中で、日本自衛隊視察をして、装備の古いのはどうだとか、それにしてもここまで育ててくれたことはたいへん感謝をする、こう言うようなところにあらわれている姿というのは、まさに総合戦力構想の中で、日本自衛隊アメリカ戦略の中にその一部として完全に自主性を失って巻き込まれていく、こういうことになっているのではないか。端的にいえば、アメリカの了承の中で、アメリカの支持がなければ日本自衛隊は今後の方向がきめられないというふうな姿がここに如実にあらわれているのではないかと思います。この点について御説明をいただきたいと思います。
  22. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 御承知のように、発生的に申しまして、いまの自衛隊警察予備隊として出発をした時代は占領中であり、連合軍司令官の書簡に基づいて出発をした。最初警察補完という意味予備隊出発したわけであります。保安隊警備隊になりました際も、特別の必要のある際に出動するという警察補完という意味がまだあったのでありまするが、自衛隊になりまして、直接及び間接の侵略に対してわが国防衛するということになった。そういうふうに移っていく段階で、予備隊として、または保安隊警備隊としての備えていく装備は、ほとんど全部アメリカから供与されたという形でございます。したがいまして、今度レアード長官が第七師団で見ました装備は、ほとんど全部がアメリカから供与を受けたというものであったわけでございます。特にそうした問題についての、何といいますか、認識、識別が非常にあったということであるわけでございます。  そうして、いま日米安全保障条約によって、日本防衛というものを補完をすると申しますか、全きを期するといういま体制にあるわけであります。最初安保条約ができました際は、二十七年当時には、日本にはまだ防衛力自衛力がないという状態であります。事ある場合には全面的にアメリカの力によって防衛をしてもらうというたてまえでありました。自衛隊になりまして、この自衛力というものがつくられるようになりましたが、まだまだ当初においてはこの力となる自衛力というものが、まあ非常に弱いという状態でありました。三十五年に新しい安保条約ができました段階において、ある程度の日本自衛隊自衛力というものができる。したがいましてそういう意味では、アメリカが一朝事ある際に日本防衛するという責務について、日本自体がある程度の実力を持つに至った。それが一次防、二次防、三次防という段階でだんだんと強化をされてまいった。われわれは四次防という形でさらにこれを整備をしてまいりたいという形にあるわけでございます。  そういう意味において、米国国防長官日本自衛隊装備整備について関心を持つということは、私は当然ではないか、これは日本自衛隊というものがアメリカ防衛戦略に組み込まれておって自主性がないという形のものとは全然違う、こういうふうに考えております。
  23. 上田哲

    上田哲君 過去の経過はいろいろあったろうと思います。しかし、とにかく世界に注目をされるような四次防の発足の時点において、これから先の戦略構想としての総合戦力構想というものを揚げてアメリカ国防長官がやってきて、これが第七師団視察して、そういう表現をする、これは、いままでの問題に対することよりも、これからの問題になっていくだろう、これから先、私たちは日本自衛隊が、アメリカ指示の中でその中に組み込まれていくということに危惧を感ずるとともに、もう一つの側面でいえば、たとえば今回のいわゆる米中頭越しの問題も非常に大きな関連があるだろうと思います。つまりニクソンドクトリンに発するアメリカ側世界戦略の問題としていえば、明らかにこの米中会談というものが雪解け方向を目ざすものでありましょうから、そうした一方における雪解け努力のためには、日本中心にする自衛隊増強によって一方ではまた楯を厚くする、こういうことがなければ進められないという認識、まさにこれがニクソンドクトリンであり、全体戦略構想そのものであると思います。具体的に、七月の八日、キッシンジャーが変装して北京に乗り込んで、和解の糸口を見つける話し合いをしているそのときに、アメリカ政府部内にどのような連絡があったかは少なくとも別にしても、国防長官が同じときに日本に来て、日本自衛力増強について指示をしておる、これはまさしく、この二つの方向が背馳するのではなくて、日本自衛力増強をはかることにおいて、全体としての戦力低下を防止しながら、中国との和解の道をはかろうとする考え方に立つものだと思います。つまり、それはまさしく米中の雪解けのために、ひとりわが国のみが楯の役割りを強めさせられていく、こういう任務を負うているという点を、私どもは非常に心配をするわけです。この認識はいかがですか。
  24. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) レアード長官総合戦力構想として申しましたのは、さっき申し上げたようにいわゆるニクソンドクトリンでありまして、これを具体的に日本について言うならば、日本安全保障条約で、いざというときにはアメリカ日本防衛について協力援助をするという約束をしておるわけであります。日本自衛力整備をされて、日本の自主的な力によって日本防衛がなされる程度がふえるほど、米国としては日本に対する援助をすることが減少するわけであります。そういうことはニクソンドクトリンにおいて米国が希望をしておるところであるわけであります。これはしかし日本立場においては、わわれれもできることは自分防衛をなすべきものだということを、前々から政府の方針として申しておるところでございます。米国肩がわりをするために自衛隊を四次防という形で増強するというものではございません。自主的にできることは日本防衛のために、最小限度自主防衛のための措置をなし、したがって自衛力整備してまいる、それがしかし一面においては、アメリカとしては事あるときに日本に対する援助がだんだんと減少をしていくということにはなっていくということであります。そういう意味合いにおけるニクソンドクトリンというものの考え方防衛における考え方、このたびのニクソン訪中決定というものは、国際緊張を緩和するという意味における手であろうと私は考えるわけでありまして、日本の四次防、防衛力整備関係のあるものではない、私はかように考えます。
  25. 上田哲

    上田哲君 念のために、簡単に確認をしておきます。いま自主的な努力ということばもありましたが、アメリカ肩がわりではない、そして自主的な努力自衛力増強をはかっていくのだというお話がありましたが、長官が従来言われておりました用語ですが、そういう立場自主防衛ということばをお使いになりますか。
  26. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) どういう意味でお使いになるかという……どういう意味でお受け取りになったかちょっとわかりませんが、自主防衛ということばは——従来使っておる自主防衛ということばを使ってけっこうだと思います。
  27. 上田哲

    上田哲君 自主防衛という立場でいって——繰り返しますけれども、端的な表現であったかもしれませんけれどもレアード国防長官の、日本自衛隊装備は古いではないか、ここまで精強な軍備をつくってくれたことに感謝をするということばをどのように受け取られますか。
  28. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 先ほど自衛隊というものが発足をした経過を申し上げ、それはよく承知をしておると言われましたが、そういう経過から考えて、自衛隊がりっぱに育ったことに、米国としては初めから装備供与その他において協力をしてくれたわけでありますから、私はそういう経過を踏まえてのことばではないかというふうに考えるわけであります。特にえらい重い意味レアード長官のそのことばにかける必要はないのではないか、こう思います。
  29. 上田哲

    上田哲君 自主防衛ということばをお使いになる場合に、安保条約との関係はどうなりますか。
  30. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 自主防衛というのは、先ほど申したように、自分でできることはやるということでありまして、安保条約による米軍の事あるときの協力援助を拒むという性格のものではありません。自主防衛ということは、自分でできることは自分でやる。特に、御承知のように日本の国は核を持たない原則をかたくとっております。日本自分でやれることと申しましても、核を持つというようなことはやりません。したがいまして、自主防衛と申しても、核の抑止力というものは米国期待せざるを得ないし、また憲法のたてまえから申しまして、専守防衛と申しまするか、戦略守勢と申しまするか、そういうたてまえをとっておるわけでありますから、日本防衛するため必要な戦略的攻撃力というようなものも自分で持つ意味ではありません。自主防衛でありましても、そういう意味自主防衛というふうに御理解を願いたいと思います。
  31. 上田哲

    上田哲君 その自衛隊は、総合戦力構想の中に入っていますか。
  32. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 総合戦力の中に入っているとか入っていないとかという問題では私はないと思います。ニクソンドクトリンという考え方の中に、アメリカ協力国がそれぞれ自分自衛防衛する力を増してくれることを期待をするということがあるわけであります。日本に対しましても、日本自衛力整備してくれるということを期待をしておる。これはアメリカ総合戦力構想に組み込まれたというふうな見方をすべきではないと私は考えております。
  33. 上田哲

    上田哲君 非常に重要でありますから、正確にもう一ぺんお答えをいただきますが、日本自衛隊は、ニクソンドクトリンということがありましたけれどもニクソンドクトリンの具体的な戦略構想が全体総合戦力構想でありますから、その全体総合戦力構想の中に日本自衛隊はあるのかないのか。そこのところをもう一ぺん伺います。
  34. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) いま申し上げたとおり、日本自衛隊整備されることを米国期待をしておるということがニクソンドクトリン考え方であると思います。それはアメリカ戦略構想の中に組み込まれておるという性質のものではない、そう考えます。
  35. 上田哲

    上田哲君 確認をいたしますが、全体戦略構想の中に自衛隊があるものではないということですね。
  36. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) そういうふうに考えます。
  37. 上田哲

    上田哲君 非常に重要な発言でありますから、確認をしておきます。そういたしますと、レアード長官日本に要請したと伝えられている通常兵力増強ということは、四次防との関係でいえばどういうことになりますか。
  38. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) レアード長官が、私との話し合いのときはもとより、中曾根長官との際も、通常兵力増強を要請したということはございません。
  39. 上田哲

    上田哲君 具体的に言えば、常々言われております日本自衛力の上限、限界ということばがありますが、その限界は、はっきりオーソライズされたものではないにせよ、おおむねの了解というものがありますけれども、そのおおむねの了解というものは、今回の情勢によって変化しなかったと考えられますか。
  40. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 今回の情勢ということはどういうことでございますか。
  41. 上田哲

    上田哲君 レアード訪日。
  42. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) レアードの訪問によってですか。
  43. 上田哲

    上田哲君 それから米中ですね。
  44. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) ただいま考えておりまするわれわれの、具体的には四次防といわれる新防衛力整備計画に関しまして、レアードの訪問発言あるいはニクソン訪中決定というようなことが特に関係があるということはないと思います。
  45. 上田哲

    上田哲君 これも非常に重要でありますから確認をいたしますが、四次防における増強計画というものは、今回のレアード訪日によるアメリカ側構想の提示によって、また米中会談というような国際情勢の大きな変化によって変化をしないというふうに考えていいわけですね。
  46. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) この四次防構想というものが特に変化を——これを再検討、修正というふうなことをやるような性質の防衛力整備計画ではない、こういうことでございます。
  47. 上田哲

    上田哲君 もう一つ確認しますが、伝えられるように、レアード国防長官の要請によって日本通常戦力増強ということ、そのことによってさらにふやすといいましょうか、考え直すということは、四次防計画の遂行の中では全く顧慮されておらぬということですね。
  48. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 申したように、レアード長官通常兵力増強ということをこのたびの訪問で要請をいたしておりません。と同時に、私どもは、このたびのいわゆる四次防の計画は日本の何と申しますか、自主的な判断に基づく防衛力整備であります。申されるように情勢の変化によってこの変更をするという性質のものではない、こういうことでございます。
  49. 上田哲

    上田哲君 新長官、非常に率直に見解を表明されましたので、その点に関しては歓迎をいたします。非常に重要な幾つかの確認がとれましたので、ひとつその確認を今後ともこれからの討論の土台といいましょうか、下敷きとしてしっかり討議を進めることにしたいと思うのです。いまの御答弁の中で、レアード訪日なり、あるいは米中会談というふうなたいへん大きな国際緊張緩和の材料などによって、まあ四次防は変わらないということが防衛庁の方針としてうかがうことができましたけれども、またトータル・フォース・コンセプトとは関係がないのだ、こういう言い方もあったわけですけれども、私どもの見解は、明らかにこのニクソンドクトリンなり、総合戦力構想というものが指向している方向、その中で日本自衛隊が位置づけられている意味というものからすると、世界の緊張緩和のために最後のとりでというふうなぐあいに見直されている。少なくとも世界がいま一歩でも半歩でも雪解け方向に、話し合い方向努力しようというときになっているならば、私は基本的に、まさに自主防衛とか自主的努力というものを口にされるならば、この際、アメリカではなくてまず日本からこの壁を低くしていく、こういう努力が策定されてしかるべきだと思います。アメリカの力によっては変更ないという点は確認しましたけれども日本側の自主的な努力の中では、この際、四次防の削減ないしは縮小を行なうことが世界の潮流に対する当然の平和的努力であると私たちは考える。この点はいかがですか。
  50. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 日本がいま考えております四次防の計画というものは、内容はすでに御説明いたしたと思うのでございますが、御検討を願いまして、これは自主的な防衛でありまして、専守防衛でございまして、防衛力を強める、いやしくも他国に侵略的な脅威を与えるというふうなことのない大方針に基づいての整備であります。私どもは、世界が平和で、特にアジアで緊張が緩和されるということを常に念願をして、自衛隊整備防衛力整備を考えておる、その執行に当たっておるわけであります。四次防整備ということが緊張緩和の方向に逆行するというふうな力があるとは考えません。そういうことのないようにということで考えておるわけでございます。
  51. 上田哲

    上田哲君 キッシンジャーが北京に行って話をして、話し合いの糸口をつかんだニクソンが北京へ飛ぶ。それと、レアードにけつをたたかれて日本自衛隊はもっと強くなれと。これが背馳する二つの方向だと考えていないんです。まさに、これは米中会談というものを、アメリカのあがきだろうとわれわれは思うけれども、進めるために最後の保障としての日本防衛努力といいましょうか、肩がわり努力ということが要請されているというのが一般の理解、私どもは自主的にとおっしゃるならば、この際、まずわれわれの、中国に一番近いわれわれの国からその壁を薄くしていく、平和への努力をしていくというふうに考えるべきだと思いますから、そういう点で、この際ひとつ世界に先がけてこそわれわれの国の軍備を下げたらどうだと、これがちまたの声だと思うのです。したがって、四次防は中止ないしは縮小に向かって努力をされることが当然なことだと、私たちは世論をもって新長官に申し上げているわけでありまして、中止、縮小の考えがあるのかないのか、検討の用意があるのかないのか、再度簡単に確認いたしたいと思います。
  52. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) さっきから繰り返して私のほうから申し上げておるように、レアード長官にしりをたたかれて四次防をつくったのか、今度の会談でもそういうようなことばがあったとかいうことはないということを前々から申しておるとおりでございます。またアメリカ総合戦力構想を行なう、そうしてニクソン訪中決定ということによって緊張緩和をはかるその最後の一つのとりでというふうに言われたと思いますが、として日本に四次防をやらせる、そういうものではありません。したがいまして、私どもはいまの四次防というものの構想というものは、これをこの際の情勢の変化と申しまするか、訪中決定というふうなことによりまして、この際にこの再検討をする、あるいは縮小をはかるというふうな方向で考えるような防衛力整備計画でありませんということを申しておるわけでありまして、私どもが緊張緩和という方向にたいへんな関心と熱意を持っておるわけであります、それに背馳をする方向防衛力整備計画ではございませんということを申しておるわけでございます。
  53. 上田哲

    上田哲君 平和への努力をなさるということでありますが、現在の三次防よりも二倍以上の軍備増強をはかることのほうが平和の努力として役に立つという論理を説明していただきたい。
  54. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) われわれの負担というのは金額的に倍になるということ、これは何と申しましょうか、日本の国力、国情の進展ということに伴うものでございます。整備される陸海空の防衛力自衛力というものをごらんを願えばわかるのでありまして、私どもが、この自分の国は万一に備えて自分で守れるように自衛力整備するという基本の考え方、それは、そういうことをすることがこの日本の安全を確保し、自衛を全うして安全を確保する、何といいまするか他国の日本に対するこの考え方、かりそめにも侵略というような考え方を起こさせないというようにする自衛力整備ということが必要であるという考え方に立っておるわけでございまして、いやしくも外国に対して侵略的な脅威を与えるということのないたてまえで考えておるわけでございます。
  55. 上田哲

    上田哲君 専守防衛と言われるのですが、専守防衛であっても、核を持たない通常兵力であっても、そのことが、いま音をたてて平和への方向努力をしようとする世界の潮流の中では、むしろ大きな阻害要因になっていくのだという点について私たちは強い認識を持ちますし、この際、四次防についての手直しをすべきであるということを強く申し上げるのですが、再度の御答弁でございますから、それは見解の相違として次に譲りますけれども、このままで先に進められるというこの四次防、この四次防は、これまでの御説明では、夏の国防会議にはかかる、こういうことになっておりました。段取りとしては、もはやだれの目から見ても、この夏の国防会議を通って四次防が原案として確定されることができないように見るのが通説であります。一体、年内にはこの結論が出るのでしょうか。
  56. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 現在の見通しの段階では、大体年内には国防会議にかけて計画を定めるというふうな段取りになるのではないかというふうに考えます。
  57. 上田哲

    上田哲君 年内ということは、通常国会の始まる前ということですか。
  58. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 大体そうです。
  59. 上田哲

    上田哲君 五年間を展望する大予算の四次防でありまして、来年度の予算策定の段取りからいっても非常に大きな影響を持つわけであります。そういう大きな四次防計画が、夏に国防会議を通ってもぎりぎりのところでありまして、これが半年おくれて通常国会前にようやくかける、それでも私はフィフティ・フィフティで年を越すのじゃないか、三次防の経験から見ても、世界情勢から見てもそういう意見すら持つ。長官も就任早々、十二月冒頭には必ず何とかするだろうという大きな断定をされる自信はなかろうと思うのです。そういうことになりますと、その段取りのおくれは、非常に大きな予算編成全体あるいは予算執行全体についての混乱を招く心配もあろうと思いますが、それらについてどのようにお考えですか。
  60. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) おっしゃるような意味において、予算の編成までにはこの四次防が確定をするということにしなければならないという意味で、年内にはきめるようにしたいというふうに申したわけであります。
  61. 上田哲

    上田哲君 おくれた理由は何ですか。
  62. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 防衛庁側の主観的努力といたしましては、八月ごろには何とか整備させたいと思っておりましたが、やはり予算全体との相関関係で大蔵省が検討しなければなりませんので、ただいまの時点で大蔵省が来年度あるいはそれ以降の見通しを立てることは非常に困難である。やはり来年度の予算と関連させてながめてみたいという意向があるようでありますし、詳細にまた大蔵省なり、あるいは国防会議事務局のほうでも細部にわたって検討いたしております。そういうような関係で、おそらく年内、年末ぐらいに延びるだろうと、そういうことであります。
  63. 上田哲

    上田哲君 大蔵省当局ともすでにかなり突っ込んだ話し合いがなされていると理解していいわけですね。
  64. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) けっこうであります。
  65. 上田哲

    上田哲君 来年度の予算の趨勢等を参照しながらということになれば、どれくらい削られるかということです、簡単に言えば。三次防の経緯から考えれば、あれが二兆七千億が二兆三千億になったのですから、そういう比率だけをとるわけじゃありませんけれども、その比率からいけば五兆を割るということになります。その辺非常にむずかしいことになるわけで、本来、八月という当然の手続が半年もおくれるということが財政上の問題、財源上の問題ということになれば、これは内容的にもかなり大きな問題を含んでこようかと思うのです。見通しによっては、その時間的なおくれも含めて、四次防の基本的な構想についても若干の手直しを必要とする心配もなしとしないだろう、これが一点。  それから、年内と言われますけれども、現在の状況を判断すれば希望的観測だけで、年を越すということをかなり強い想定として持たなければならぬだろうと私は思います。この二点について、長官
  66. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 四次防策定にあたりまして、いつのときにもやはり大蔵省というものが一番のむずかしいというか、大事なというか、関門でありまして、大蔵省との折衝においてわれわれの計画どおりのものが必ずできるというものではないことは、従来もそのとおりであります。そういう意味において、若干の修正が行なわれるということは当然あり得ることでございます。しかし基本的な構想について変更をするというふうなことにはならないでいきたいと、こういうふうに考えております。
  67. 上田哲

    上田哲君 削減は当然あり得ると、こういうことをお認めになったわけです。で、二点目が落ちましたが、来年になるという可能性は少なくないと思います。
  68. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 来年になるというようなことのないようにいたしたいと考えております。
  69. 上田哲

    上田哲君 時間の関係もありますから、幾つかの点を確認をいたしますが、国防の基本方針の改定問題というものが前長官時代にかなり論議を呼んでおりました。これは一言で確認したいと思いますが、できれば国防の基本方針をその考え方において変えていくという従来の希望的方針でありましたけれども、新長官はその方針を引き継がれるのか、あるいはその考えをおとりにならないのか。
  70. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 従来、中曾根長官が考えておられたという国防の基本方針についてのまあ最近のといいまするか、考え方を承りましたが、私としてはまだはっきりと決定をしたということには至っておりませんが、国防の基本方針をただいま手入れをし、変更をしなければならぬとは考えなくてもいいのではないか、この際、国防の基本方針を修正することなしでいったほうがよくはないかといういま一応の考えを持っております。
  71. 上田哲

    上田哲君 次に、例の核点検の問題です。  前長官は、参議院の本会議あるいは委員会でそれぞれ数回にわたって、でき得れば沖繩返還後、米軍基地内の核兵器の有無について要員を派遣して点検をすると、こういうことを表明をされておりました。総理もこれを追認をされておったのでありますが、新内閣になりましてから、総理もまた、新たな合意を必要とするのでかようなことはいま考えない。長官はまた、共同声明あるいは今回の協定文案の中にそういうことは盛り込まれているというふうに答弁をされておるというふうに理解をしておりますが、これまでの方針は、できれば積極的に基地内核点検をやりたい、こういうことでありました。この方針はどのように変更されるのか、どのように修正されるのか。
  72. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 中曾根長官が、できれば点検によって核のなくなったことを確認をしたいというふうな考えでおられたことは引き継ぎの際にも承りました。これはしかし、今国会において総理から衆議院、参議院の本会議においても御答弁がありましたように、参議院においての御答弁でお聞きになりましたように、まあそれをやるとすれば米国の同意を要する、そうして、自分としては核のないことについての確信を共同声明なり返還協定の文章の上から十分に確認できると思うから、核の点検ということをやる必要はないのではないかと総理はお答えをされたわけでございます。私もそのように考えておりまして、その点検ということは実はたいへんむずかしいのでございまして、これは中曾根長官の引き継ぎの際にもそういう引き継ぎのことばがございました。これは容易にできることと申しまするか、相手方の同意を得ることが十分できるという見通しになかなかいま立ちにくいということもあるわけでございます。一方、共同声明及び返還協定の明文の上で十分核のなくなったことを確認できるということもありまするので、いまどうしても核の点検をやるということを考えなくてもいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  73. 上田哲

    上田哲君 次に、六月二十九日の日米協議委員会の席上で、久保防衛局長とカーチス沖繩交渉団首席軍事代表との間に取りきめがかわされました。時間もつかえておりますから、内容については明日の沖特その他でもう一ぺん具体的に詰めることを御約束いただきますが、このほか特に申し上げておきたいことは、前に、防衛外交連絡協議会がほぼ一月ほど以前に、沖繩返還後の自衛隊配置の内容について決定をいたしております。この内容とこの六月二十九日の久保・カーチス取りきめの内容とは同じでありますか。
  74. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 長官御就任以前のことでありますので、私からお答えいたしますが、この取りきめの中身のような事柄の中で主要な問題について、大体将来こういうような方向で事務的に進めたいということを関係閣僚で大体御了承を得たということであります。
  75. 上田哲

    上田哲君 基本的に沖繩への自衛隊の配備に賛成か反対かということはとりあえずここではおくとしても、日本防衛外交閣僚協議会、つまり閣議の方針が、政府の方針が、自衛隊を沖繩にどのように配備するかを決定するかは、とりあえず日本国内の政治システムの問題としてはそれなりの立場があろうと思います。しかしその内容を、つまり沖繩に日本自衛隊を配備することについてアメリカ軍の代表と取りきめを持たなければならない、こういうことは私どもははなはだ筋違いだと思っております。時間が非常に詰まっておりますからあわせて御質問申し上げるけれども、一体どういう、たとえば安保条約等々の具体的な根拠条文によってこういうことがなされたのか、またなされなければならないのか。また、この非常に重要な内容でありますアレンジメントの中身について、次の沖繩批准国会に国会の承認を求めるものとして提出されるのかどうか、とりあえずその三点についてまとめてお答えいただきます。
  76. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) この内容はごらんになりまするとわかりまするように、要するに米軍の基地の中で自衛隊の配置される場所がどこである、それから米軍の基地の中で通信関係の施設を使わしてもらいたい、また領空侵犯はいつまでは米軍がやる、防空任務はいつまでは米軍がやるというふうに、上のほうは安保任務がありますが、自衛隊の配備そのものは日本側が自主的にきめられるわけでございます。ただ、自主的に事務的に米側と折衝する必要がある。わがほうの計画はこうでありますし、その計画をするについての米側への何といいますか基地の施設の提供でありますとか、そういったことを文章の上で確認したという単純な事務的なものでございますので、アレンジメントということでまとめたわけでございますが、これは外交的ないわゆる条約あるいは協定といったような性格のものではありません。単純に防衛庁と国防省との事務的な申し合わせというようなものでしかないと思います。そういうような意味での拘束力というのはそういう程度であろうと思います。
  77. 上田哲

    上田哲君 とんでもないことでありまして、聞くところによると、これは外務省筋から漏れてきた話でありますけれども、本来はこれはアグリーメントということばを使うことになっていた、これじゃどうも格が高過ぎるということで、アレンジメント、取りきめという、ことばのあやでありますけれども、この程度のことばのやりとり、あやの問題を考えても、これはことばぐらいを変えたからといってどうにもなるものでもない。これは長くなるからやめなければならぬけれども、基本的には今回の沖繩への自衛隊の配備、沖繩問題というのはニクソンドクトリンなりあるいは総合戦力構想なるものの中で大きくクローズアップされてきているという意味合いを私たちはいま非常に重視をしておるわけです。そういう重視さるべきものの内容として、まさにその内容を埋めるものがこの久保・カーチス会談内容なんでありまして、これだけたくさんの軍備施設、兵員、兵器等をここに投入をする、このことが単なる事務上のことであるなんということはとんでもないことでありますし、私が申し上げたいことは、いま御説明をいただいておらぬが、一体そういうことが、いい悪いは別にして、日本政府の方針として決定されるのならそれなりに一つの政治システムであろうと思います。それをどうしてアメリカ大使館に駐在をしている沖繩交渉団首席軍事代表の中将カーチス氏と日本防衛局長との間に取りきめを結ばなければならぬのか。アグリーメントでもアレンジメントでもどうでもよろしい、はっきりサインをするようなものを取りきめなければいかぬのかということがわからない。だから、その辺はおそらく見解の相違が出てくるだろうと思いますから、法的根拠と言ってはことばが正確ではないかもしれませんが、基準文書、それは安保条約何条から出てくるのだというようなことがあるならお示しをいただきたい。それが出てくれば、その次にいたしましょう。
  78. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) この取りきめは、沖繩返還協定で沖繩が返ってくる、そうして返ってきたことによりまして、日本本土全体と同じように自衛隊がそこへ行って防衛自衛の責めに任ずるというきわめて重要な問題が沖繩返還協定という条約によってきまるわけであります。それを受けてのいま防衛局長も申しましたような事務的な調整でございます。いつから使っていく、わがほうがこれを使っていく、まだ向こうに基地が残るわけでございますから、その基地を使うという問題もあります。通信機関等を使うという問題もあるし、防衛措置のスクランブルについては、こちらが入ったらすぐできるというものでもないから、ある時期まではなお米軍が領空侵犯措置を受け持つ、そういうふうなことを事務的に調整をして、日本はこうやります、アメリカはこうやりますということを取りきめたということでございまして、おっしゃるとおりの重要な問題は返還協定できまる、こういうことであると思います。
  79. 上田哲

    上田哲君 返還協定できまるとなれば、返還協定の基準条項はどこなんだ、安保条約との関係はどうなんだ、そのことをお示しいただきたい。それから返還後の日本の領土につくるのだとおっしゃる、返還後の日本領土につくるのなら、それならば日本がかってにきめていいのでありまして、それが自主でしょう。ところがそれをアメリカと協定を結ばなければできないということは、日本領土に日本自衛隊を配置することについてもアメリカ側の了承、協定ができなければできないということについてはどうなのかということなんです。明確にひとつお示しいただきたい。
  80. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 安保条約のどの条文からということではありませんけれども安保条約関係があることはいうまでもございません。つまり、たとえば防空任務でありましても、領空侵犯の措置でありましても、あるいは陸上防衛の問題でありましても、いざという場合には米側が担当するということが出ておりますから、そういうものとの関係は間接的には出ております、詳しくは申しませんが……。それから、返還協定の中にはもちろん条文としてはございません。ただ、ニクソン大統領と佐藤総理の共同声明の中で、つまり、これも読み上げませんけれども、局地防衛の漸次的な引き受けについて双方で協議をする、というふうには書いてありませんでしたが、何ということばでしたか、要するにそういうものについて双方で検討していくということが出ております。その共同声明は言うまでもなく返還協定の前文に採用されておるわけであります。それから、自分のほうできめられるものをなぜ米側と取りきめという文書の形でしたかということでございましたが、これは政府を拘束するようなもの、たとえばF104の一飛行隊を沖繩に配置しなければならないということを米側との関係で義務づけられたということならば、いまおっしゃったように非常に自主的なやり方ではないのではないかというふうにお受け取りいただいてけっこうなんですけれども、わがほうが自主的に一飛行隊をここに置くのですよ。施設中隊を一個、普通科中隊を二個置くということを向こうに示した。そうですかということで向こうがサインをした。しかし場所はどこであるかということ、あるいはナイキ、ホークは金額が折り合えば買いたいよ、向こうが売ってけっこうですということを文書にしたということでありまして、わがほうの自主的な計画を向こうに示し、向こうはそうですが、その場合の手続としてはこういたしましょうということを向こう側から提示をされた、それが文書の上で確認されるということでありますから、それがしかも政府を拘束するというものではなくて、防衛庁と国防省がそれぞれの自主的な立場でやれることを、文書の形で調整されたというふうに御認識いただきたいと思います。
  81. 上田哲

    上田哲君 だからおかしいのですよ。返還協定にないじゃありませんか。長官は返還協定によってとおっしゃるのですけれども、返還協定のこれこれの条文からということになっているのだとおっしゃるけれども、なってないじゃありませんか。そういう非常に大まかな、共同声明のどこにあるとか、考え方にあるとか、そういうところから出発するまさにあいまいさ、そのあいまいさの中身が何かといえば、アメリカの全体の戦力構想というような、ニクソンドクトリンというような、そうしたアメリカ戦略体制の中に位置づけられておるから、事務的にといっても、アメリカとのアレンジメントなりアグリーメントなりというものがなければ、われわれは自分たちのところに返ってくる領土の上に自衛隊を配置するということもままならぬということが出てきているということが非常に問題だろうと思います。また、政府を拘束するものでないというふうに言うのは、これは三百代言もはなはだしいのでありまして、これ以上拘束しておるものはないじゃありませんか。六千八百人の自衛隊を送り、ナイキ、ホークをどうするということは、政府を拘束しないどころの話じゃないでしょう。委員長からの時間の制約もありますから、あしたもまたお目にかかる沖特委に譲ります。じっくりそこでひとつお話をしたいと思いますけれども、たとえば防空の五番目のところ、別個に定める条件に従う。別個に定める条件というのは何ですか。きまっていますか。もしこれがきまっていなくて、それがこれからきめられていくということになれば、明らかに政府を拘束することになりませんか。拘束しないという限度はどういうことですか。ひとつ端的に承っておきます。
  82. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) いまの例をあげられましたので、その例だけ申しますと、全額が非常に高いというときには、わがほうは買いません。
  83. 上田哲

    上田哲君 じゃ、これはまああしたに譲ります。あしたに譲りますが、非常に両国防衛に対する関係論としてあいまいなところで従属関係がここに露呈をしたという点を指摘して、明日の具体的な論議に持っていきますが、もう一つ、二つ簡単に。垂直離着陸機を装備する航空母艦の建造の計画というものはありますか。
  84. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 垂直離着陸機を装備する航空母艦をつくるという計画なり討議なりは防衛庁にございません。  なお、先ほどのことでちょっとつけ加えさしていただきまするが、私が返還協定で基本的な大事なことはきまるということを申したのは、沖繩が日本側に返還されて返ってくるということであります。それに従ってわれわれが自衛隊を配備していく、その自衛隊を配備することについて、いままで米軍がやっていたことであり、なお米軍の基地も残ることであり、そういうことと調整するといいますか、わしのほうはこうやるがおまえさんのほうはどうやるかということをやらなければいかぬので取りきめをつくったのでありまして、私が基本的なことと言ったのは、沖繩が返ってくるということであります。
  85. 上田哲

    上田哲君 それではT2型超音速練習機、これはロールスロイスが倒産して非常に困った問題になっておるのでありまして、防衛庁から調査団がフランス、イギリスその他に派遣をされたんですが、その結果はまだ明らかにされてはおりません。聞くところによると、このT2型の試作機が飛んだという話も聞くのでありますけれども、あのエンジンの値段の問題は、当初四億円ということであったのが、いまのところ十一億円だというふうに聞いております。二百機というような大量の自主開発を考えているこの機種が、将来の展望にあわせて十一億円ということになると、これは非常に問題だと思うんですが、この実態、そしてこれからの見通しはどうなっておりますか。
  86. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 二月四日にロールスロイスが倒産しまして、三月初めだったですが、佐藤憲郎を団長とする調査団が参っております。その調査内容は、第一点は、ロールスロイスの倒産によってわれわれが積む予定のアドアというエンジンの供給体制はどうか、それを使う予定であるフランスとイギリスの総合開発のジャガーの開発の状況はどうかという点と、価格問題との調査をしました。で、その結果は、供給体制には問題はない、価格についてはわれわれの期待するより高いものですから、交渉を続けるということで、まいっております。現在までの段階で、御指摘のようにこの二十日に第一回の飛行テストを行ないまして、非常に期待どおりの性能で第一回の実験飛行を終わっております。今後の問題につきましては、当然そのエンジンを含めましたT2、XT2全体の価格問題について関係企業とも詰めまして、最終的な方針を防衛庁としても考えたいという段階でございます。
  87. 上田哲

    上田哲君 よくわからなかったんですが、値段は四億円だったわけですが、十一億円ですね——それは幾らなんですか。これでやめますが、それをしっかり答えてください。
  88. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) 四億円という問題につきましては、経過を申しますと、当時三次防をつくる段階で空幕のほうからは超音速高等練習機を導入したい。ついては買いたい。当時アメリカにそれに相当する飛行機がございました。その飛行機を買えば大体四億円くらいするという前提でございました。それに対しまして、国産化するならばある程度は高くなるのは事実でありますけれども日本としても将来超音速の方向づけはすべきである。第一線機の生産は無理である。それならば、練習機であればこの際開発に踏み切ろうという方向は出しております。その当時四億円という価格は、もしアメリカの航空機をそのまま輸入すれば四億というデータでございます。現在は、価格の問題については関係企業——フランス、イギリスのエンジン会社を含めまして価格交渉を続けております。
  89. 上田哲

    上田哲君 十一億という数字はどうですか。
  90. 蒲谷友芳

    説明員(蒲谷友芳君) その数字がどうなるかという問題につきましては、いま交渉しておりますので、現在イギリスからも担当者が来ておりますので、もう少し御猶予願いたいと思います。
  91. 岩間正男

    岩間正男君 時間がないので端的に答えてもらいたいんです、私も端的に聞いていきますから。  六月二十五日、日米合同委員会が行なわれましたね。日本の五つの重大な基地の取り扱いについてきめられておりましたが、その中で、きょうは立川の問題について取り上げていきたいんですが、立川はどういうふうに処理することになったんですか。
  92. 島田豊

    説明員(島田豊君) 立川は中央の滑走路部分、飛行場部分と申しますか、そこが機能停止になっておりまして、これに対してかねて自衛隊のほうは共同使用したいということで、関係機関並びに地元との協議を進めてまいりまして、結局六月二十五日でございますか、合同委員会で共同使用ということに決定いたしました。その前に、実は国有財産関東地方審議会、これに付議をいたしまして、第一回のときにはやや地域開発との関係で首都圏整備委員会のほうで継続審議ということになりまして、二回目にこの問題も異議なく通過いたしました。
  93. 岩間正男

    岩間正男君 二十五日にどうきまったかということを聞いているんです、時間の制約があるから。
  94. 島田豊

    説明員(島田豊君) 共同使用ということにきまっておるわけです。
  95. 岩間正男

    岩間正男君 経過はこっちもわかっておる。そうすると米軍と同居ですね。そうして地位協定による二4(a)ということになるんですか。どうなんですか。
  96. 島田豊

    説明員(島田豊君) そのとおりでございます。
  97. 岩間正男

    岩間正男君 これはどうですか。望ましいんですか。大体一昨年の日米の安保協議委員会では、これは日本に返還される、しかも民間に返還されるというようなことに受け取られるわけで、国民はそういうふうに受け取っております。だから立川の現地においては、これに対して民間の施設として今後は運営していきたい、これは住宅の問題からいろいろあるわけです、要求が。そういうふうにやられておるのに、実際はこれは米軍の基地使用は継続されるわけですね。そうしてその一部分だけはこれは自衛隊に返還ということになるわけですか。その点どうですか。
  98. 島田豊

    説明員(島田豊君) もともと飛行場部分、滑走路部分というのは立川の基地の一部でございまして、それ以外にも大きな住宅地区もございますし、また修理工場あるいは立川の病院等もございますので、これが全面的に返還されるということは、いままで全然そういうことは問題になっておりません。昨年機能停止をいたしましたので、その飛行場部分、滑走路部分を自衛隊が共同使用しよう、こういうことが問題になりまして、解決を見たわけでございます。
  99. 岩間正男

    岩間正男君 これはこういうやり方になりますと、厚木の例なんかも、やればもっと具体的でありますが、米軍自衛隊が同居するということになるわけですね。そうですね。
  100. 島田豊

    説明員(島田豊君) 滑走路部分は、自衛隊が管理いたしまして米側がこれを一時的に使用するということになっております。
  101. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、これは自主防衛という立場からどういうことになる。共同使用で最も密接な関係を絶えず保っていく、自主防衛という立場から望ましいのか望ましくないのか。
  102. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 自主防衛というのは、ことばをどういうふうに理解するかによって違いますけれども、共同使用があるといえ、あるいは日米安保条約があるといえ、自主防衛を乱すものではないと考えます。
  103. 岩間正男

    岩間正男君 そういうことばのあやじゃなくて、国民の立場に立って考えてみなさいよ。感情からいってどうなんですか。これはほとんど必要がないから返すんだというのが一昨年の暮れの安保協議委員会の結論だった。そして、そういうことで国民の間に受け取られている。ところが実際は、ほんとうに、あとでこれは聞きますけれども、一部分でしょう。民間に返されるというのは。全くの一部分。それで実際は共同使用の立場で、二4(a)の立場で今度は自衛隊が移っていく、こういうかっこうでしょう。そうして依然として日米の共同使用という体制、これが新しい一つの最近の体制になっているんだ。つまり軍事混合体制じゃないですか、ミリタリー・コンプレックス体制というのはこういうかっこうで出てくる。きょは時間がありませんから立川だけ聞きますが、厚木を聞いてみたらひどいことになっている。そうでしょう、実態は。これは当委員会だって視察をしなければならないですよ。最近の動きというのは全く変わってきているんです。沖繩返還との深い関係がある。そういうかっこうで出てきているんです。  それでお聞きいたしますけれども、移ってくる自衛隊はどういう部隊なんですか。
  104. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 現在宇都宮にあります陸上自衛隊の東部方面航空隊の本部、それから東部方面航空隊そのものの移駐を考えております。人員は約三百五十名、航空機が約十五機、期日は本年の年末、十二月の上旬ぐらいを予定いたしております。
  105. 岩間正男

    岩間正男君 航空補給処は移ってくるんですか、こないんですか。
  106. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) いまのところ私どもは聞いておりません。
  107. 岩間正男

    岩間正男君 これは新聞報道とかわれわれの手にした情報では、航空補給処も移ってくる。そして陸軍関係の航空隊の大きな補給所に使われる。そういうふうに聞いておりますけれどもね、この点まだきまってないということですから、これはこの次までに調べて答弁してもらいたい。  それでどうです。二4(a)によって共同使用されるのでありますが、そうなると航空管制はどうなるんですか。
  108. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 陸上自衛隊が行ないます。
  109. 岩間正男

    岩間正男君 米軍との関係はどうなるかということです。
  110. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 米軍関係ありません。
  111. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、これは別々に行くわけですか。府中との関係はどうなる。
  112. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 米軍の飛行機は自衛隊の管制官の指揮に応じて離着陸するだけのことでございまして、府中とも関係ございません。
  113. 岩間正男

    岩間正男君 その調整はどうする。かってにやるんですか。日本日本米軍米軍、かってにやるのか。しかも共同で使用している、そういうときに、その調整はどうするんだ。
  114. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 共同使用というところは、滑走路等を一緒に使うということでありまして、管制そのものは、たとえば横田であれば横田の管制官に、日本の飛行機がもし離発着すればそれに従う。立川を日本側で管理しておれば、その管制官の指示に従って日本が離発着する、それだけの話であります。
  115. 岩間正男

    岩間正男君 これは管制、そういうふうに言っておりますけれども、これは結局日米の間の航空管制は調整されなければ、ことに最近空の事故が非常に伝えられている。そこのところはどうなんです。
  116. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) これは運輸省との関係がありますが、横田のところで何と申しましたか広域の管制は一応やっております。そして飛行場管制そのものは、立川については陸上自衛隊がやっているということになります。
  117. 岩間正男

    岩間正男君 次に聞きますがね。立川基地は全体で六百八万平方メートルぐらいですか、そのうちこれは民間に一部分返されるはずなんですね、どのぐらいありますか。その返される場所、それからその面積はどれくらいか、これをお聞きしたい。
  118. 島田豊

    説明員(島田豊君) これは立川市の強い要望がございまして、四カ所返還になります。その中の二カ所は道路部分でございまして、比較的面積は小さいわけでございますが、四カ所合計いたしまして返還の部分が約六万三千四百平米でございますので、比率は約一・〇四%ということでございます。
  119. 岩間正男

    岩間正男君 ずいぶんこまかいところまでやってくれたね。一・〇四%、——一%、これがどうです、一昨年のあの決定で国民に宣伝された、こういう事態をどういうふうに考えておったんですか。民間への返還が一%、羊頭を掲げてまさに狗肉を売るというのはこれじゃないですか。実際に自衛隊は滑走路その他のところは依然として共同使用を認めている。米軍は依然としてこの使用権を握っている。そうでしょう。そういうかっこうになるのです。これが自主防衛の正体ですか。
  120. 島田豊

    説明員(島田豊君) 立川の基地は、先ほど申しましたように大きな住宅地区がございまして、その滑走路の反対側にはいろんな倉庫地帯、あるいは工場地帯、あるいは病院等ございまして、その中央の部分に滑走路があるわけでございまして、この滑走路の部分を従来米軍が使っておりました。その機能を停止したというだけでございまして、この基地の返還という問題はいままで出ておりません。したがいまして、われわれとしましては、地元の要望に応じまして部分的な返還ということを折衝してまいりまして、その一部分が実現を見た、こういうことでございます。
  121. 岩間正男

    岩間正男君 とにかくいわゆるニクソンドクトリン、こういう体制の中では、遊休の基地は返す、そしてこれは自衛隊肩がわりをさせる、そういう方向をとってきておると思います。必要のないところは民間にも返す。しかし非常にこれは少ないわけです。そういう中で、しかもこれは二4(a)にこだわったのはどういうわけですか。最初はそうじやなかったんです。二4(b)というような立場をとろうとしたんじゃなかったのですか。それが二4(a)——この交渉の中でなかなか難航したんじゃないですか。向こうはなかなか放さなかったんじゃないか。あくまで立川は保有しておく。そして米軍の提供された基地として彼らの支配権をあくまでも温存しようとこういう考え方、これはどういうことなんですか。この辺どうもわからない。国民感情から言ってもなかなかわからないんです。どうなんです。
  122. 島田豊

    説明員(島田豊君) 先ほど申しましたように全体の一部でございますので、これはやはり米軍が管理をするというのがたてまえでございまして、二4(b)ということで最初から交渉したわけではございません。共同使用という形は二4(a)という形で最初から考えておったわけでございます。   〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕
  123. 岩間正男

    岩間正男君 それでは返還されるのはどこに返還されるのですか。国ですか、それとも立川市ですか。この点ですね。それから何に使われるのか、民間がですよ、この点。
  124. 島田豊

    説明員(島田豊君) ちょっと正確にその場所を御説明できませんが、比較的大きい部分は、地元の立川市では小・中学校、体育館、駐車場等に使用することにいたしております。それから立川のゲートの部分にあります区画につきましては、これは地元としてはバス・ターミナルに使用したい、こういう希望を持っております。
  125. 岩間正男

    岩間正男君 これは昨年立川基地が自衛隊に返還されるという話があたっときに、防衛庁は、立川基地を民間にも相当開放して共同使用する方針をきめておったと思うのです。そして、当然これによって運輸省は民間航空の利用計画をつくっていたと思うのですが、これはきょうは運輸省来ておりませんから、急のことだから、これはあとで聞けばわかりますけれども、この計画はふいなんですね。これは結局、米軍との最近の交渉で押し切られたというかっこうですな。こういう計画というものは全然だめになったということですね。これはどうですか。
  126. 島田豊

    説明員(島田豊君) 航空局のほうもこの飛行場の使用については希望を持っておられましたが、正式にわれわれのほうにはそういう意向は参っておりません。さしあたり、先ほど防衛局長からも御説明いたしましたように、陸上自衛隊がこれを共同使用するということでずっと折衝してまいったわけでございます。
  127. 岩間正男

    岩間正男君 返還先ですね、これは国か市かと聞いたのですが、これはどうですか。
  128. 島田豊

    説明員(島田豊君) これは一たん大蔵省の財産になりまして、それから市のほうへ払い下げる、こういうことです。
  129. 岩間正男

    岩間正男君 これは防衛庁から当然立川市に対して説明をすべきだ、そういう要望がこれは市当局から非常に強くあがっておると思うのですが、これに対して説明をする用意はありますか。
  130. 島田豊

    説明員(島田豊君) これは再三にわたりまして私も陳情を受けまして、その御要望を体して米軍と折衝をしてまいったわけでございまして、もう何回もこの問題については米軍と折衝を続けてまいりました。
  131. 岩間正男

    岩間正男君 時間がまだ少しあるようですから、それじゃ厚木のほうをお聞きしたいと思うのです。厚木のほうも、どういう返還の条件を決定したのですか。
  132. 島田豊

    説明員(島田豊君) 厚木につきましては、米軍が専用しております地域がございます。それは一部残ります。それから、大部分につきまして二4(b)、つまり滑走路、エプロン等の主要部分につきましては、海上自衛隊が管理いたしまして米軍に使用させるという二4(b)の形になります。それから、管理地区につきましては、米側が管理して自衛隊が共同使用するという、いわゆる二4(a)の形でございまして、その面積から申し上げますと、二1(a)、つまり米軍が専用します区域が百二十七万平米、地位協定の二4(a)、つまり米軍が管理しまして自衛隊が共同使用するというところが百十七万平米、それから地位協定の二4(b)、つまり自衛隊が管理しまして米軍が共同使用するという、中央の滑走路、エプロン等の地域でございますが、これは二百六十四万平米、それから地元の利用と申しますか、地元に返還するところが約七万平米ということでございます。
  133. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、これは米軍の機能というのは依然として厚木はそのまま温存されるわけですね。具体的にお聞きしますが、EC121、これは非常に問題のあった機種でありますが、これはどうなりますか。
  134. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 厚木にはEC121、これはそのときによって機数は違うようでありますが、数機、常駐ではありませんが大体飛んできているようであります。
  135. 岩間正男

    岩間正男君 これはとにかくこの前朝鮮民主主義人民共和国との間に大きな問題を起こして、そして第七艦隊が日本海まで大出動した、たいへん当時騒がれた問題でありますが、これは依然として残るのですね、この機種は。こういうことですね。その次はどうですか。厚木には西太平洋艦隊司令部があると思うのですが、これはいままでどおり残るのですか、どうですか。
  136. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 厚木に予定されておりますのは、第一艦隊航空偵察飛行隊、それから第三十六海兵航空群分遣隊であります。
  137. 岩間正男

    岩間正男君 いまのやつはどうですか。
  138. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) いま言われたのは……。
  139. 岩間正男

    岩間正男君 西太平洋艦隊司令部というのはどうなります。
  140. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) ちょっと考えにくいことです。
  141. 岩間正男

    岩間正男君 考えにくい……。
  142. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 艦隊司令部じゃなくて航空隊司令部のほうですね。
  143. 岩間正男

    岩間正男君 航空隊司令部……。
  144. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 西太平洋海軍航空部隊、これはいま撤退中であります。現在、おそらくもう七月になりましたから、なくなったんではないかと思っております。
  145. 岩間正男

    岩間正男君 思うんじゃ困る。
  146. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) じゃ、なくなりました。
  147. 岩間正男

    岩間正男君 確認してもいいですね。
  148. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) はい。
  149. 岩間正男

    岩間正男君 その次は、自衛隊に移管される部分はどういう部分ですか。
  150. 島田豊

    説明員(島田豊君) 自衛隊が使用する部分は、先ほど申しましたように、滑走路、エプロン等の中央の部分と、それから一部管理地区に自衛隊が、隊員が入りますので、その部分を共同使用する、こういうことでございます。
  151. 岩間正男

    岩間正男君 さっきの二百六十四万平米というところですか、この部分ですね。自衛隊のどういう部隊が移ってくるのです、この厚木に。
  152. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 厚木に参りますのは、下総にあります海上自衛隊の第十四航空隊であります。それから順番といたしましては、四十六年六月にすでに編成いたしておりますのは、厚木の航空基地分遣隊がまず編成されまして、基地業務及び管制業務等をやっております。それから四十八年度までに航空集団司令部と第四航空群司令部、これも移駐させる予定になっております。
  153. 岩間正男

    岩間正男君 この移駐の費用、そういうものはあとで聞くとして、今後運営するに、これは維持管理していくのは、どれくらいの一体予算が必要だと考えてますか。
  154. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) いま手元に予算の数字は持っておりません。
  155. 岩間正男

    岩間正男君 これは、いつ、くれますか。
  156. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 帰ってすぐ調べて差し上げます。
  157. 岩間正男

    岩間正男君 これは出していただきたいんですがね。これは一番大きな問題になっている。ニクソンドクトリンとの関係で非常に大きな問題になってくる。結局は、厚木基地は米軍基地の維持管理に金のかかる滑走路とかエプロン、格納庫などの部分を、米軍にかわって自衛隊が費用を出して維持管理してやるかたわら、引き続きスパイ機で有名なEC121などの黒い活動をする、こういうものをそのまま温存する。さらに米軍の飛行隊司令部をそのまま残して、そこへ海上自衛隊の航空司令部を移転させる、こういうことになるわけですね。これは全く、一つアメリカのドル防衛、こういうものと深い関係があって、基地は返される、返すというけれども、実際は、これはそのまま使っていく。あるいは二4(b)の場合であれば、これは当委員会においてもしばしばやったし、予算委員会でも私はこの問題を追及してきた問題でありますけれども、実際は、返したといっても、米軍がいつでも必要があればこれの使用ができる。だから富士のごときは、東富士演習場のごときは、返ってから海兵隊の訓練のために二百四十九日も使われた、昨年。そうして、御承知のようにここには一万数千の海兵隊の訓練が継続的になされている。こういうことになりますというと、返ったって何の意味もないんであります。そうして、しかも富士を見ましてもそうだが、自衛隊米軍が、ほとんどこれは共同演習というものをやっている。これがこの軍事複合体の姿じゃないですか。日米共同作戦体制、それを具体的にこういう部隊でもう始めている。厚木はまさにこういうことを強化しているその一つのあらわれじゃないですか。そういう点に私は非常に、立川もでありますけれども、さらに厚木の場合は重大な問題をかかえておると思うのですが、これはどうなんです。とにかく、まあきのうの予算委員会からずっと続いて、まあ時間の関係から十分な追及をするわけにはいかないわけであります。これは先ほども上田委員にも申しわけなかったんですが、十分やれない。時間の制限があったわけですよね。こういう中で、一方では専守防衛とか自主防衛とか盛んに宣伝しているけれども、実態はどうか。まさにかくのごときものじゃないですか。これでいいんですか。一体これじゃ、どうも国民を欺瞞することになりやしませんか。これが総合戦力構想の中にはっきり日本も組み込んでくるということ。増原長官はきのうはそういうことございませんと私に答弁したし、きょうも上田委員にそういう答弁をしている。しかし、そんなことを信じている人は何人いるか。いまの日本の新しい体制について、まさにこれはわれわれの足元を照らしてみなければならないという問題がはっきり出てきておるというふうに思うんです。  ちょうど時間がまいりましたからこれでやめますが、答弁があったら次の委員会で承りましょう。いいですね。
  158. 安田隆明

    理事安田隆明君) 午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時十一分休憩      —————・—————    午後一時四十八分開会   〔理事安田隆明委員長席に着く〕
  159. 安田隆明

    理事安田隆明君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  国家公務員給与等に関する件を議題といたします。  山中総務長官及び砂田副長官より発言を求められております。これを許します。山中総務長官
  160. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 私は、先般の改造によりまして、現職のポストで留任することになりました。何ぶんにも初めての入閣でございましたし、振り返ってみて足らざるところが非常に多かったと思います。ことに、当内閣委員会においては突発事件等を起こしまして御迷惑等もおかけしたことがありましたし、はたして留任が適切であったのかどうかは客観的に疑問なところがあると思いますが、当委員会は違いますけれども、沖繩の秒読みの段階に入りまして、復帰のために全力を尽くすようにという趣旨であろうと考えまして、したがって所管する問題についても引き続き微力ながら努力をいたしますので、叱咤御鞭撻を賜わりますようお願いいたします。(拍手)
  161. 安田隆明

    理事安田隆明君) 砂田副長官
  162. 砂田重民

    政府委員(砂田重民君) 私は、このたび総理府の総務副長官に就任をいたしました砂田重民でございます。何ぶんとも未熟者でございますが、大臣の意を体して懸命につとめてまいる決意をいたしておりますので、当委員会の先生方の御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)
  163. 安田隆明

    理事安田隆明君) それでは、御質疑の方は順次御発言を願います。
  164. 山崎昇

    山崎昇君 いま総務長官から、引き続いて公務員の問題等担当する総務長官に就任されるとごあいさつがございまして、私のほうから言えば、去年までの経過等も十分御存じでありますから、全く新しい大臣を迎えるのと違いまして、心から、党派は違いますけれども、公務員の側から見て歓迎すると同時に、今後ともひとつ長官の情熱を燃やしてこの公務員問題についても努力をしていただきたいということをまず冒頭にお願い申し上げておきたいと思います。  そこで、きょうあまり時間がありませんから、さらっと当面する問題についてお伺いをしておきたいと思うんですが、ことしもまた公務員にとりましてはたいへん待っております人事院勧告の時期が近づいてまいりました。そこで、まず総務長官にお尋ねしたいのは、去年勧告どおり実施するという段階を迎えたんですが、ことしはその方針を変える何の理由もないと私ども思いますが、重ねて、勧告が出ればそのとおり実施をするのかどうかですね、まず一つお伺いしたい。
  165. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) よけいなことを申し上げる気はありませんが、ことしは、見通しでは財政状況は非常に歳入面において法人税を中心にむずかしい、歳入欠陥等の情勢が予想されると思います。しかしながら、人事院勧告の完全実施というのは、これは政府というものが国民全体に対して、国民のための奉仕者たるべき公務員に対する約束として発表したものでありますから、これから後退することは財源その他の理由によって許されないと考えますので、私は全責任を持って完全実施に当たりたいと思います。
  166. 山崎昇

    山崎昇君 完全実施についていま確認をいたしましたので、その線はぜひひとつくずさぬようにお願いしておきたいと思います。  そこで、重ねて確認をしておきたいんですが、ことしの公務員共闘会議の要求書を見ますというと、早期支給ということが一つ入ってます。これは昨年の十二月四日の本会議で実は私から大蔵大臣の見解を聞いたことであって、福田大蔵大臣も検討していいという答弁でありました。それからやや半年近くたっているわけでありますが、何回か公務員共闘の代表とも交渉されていると思うんですが、そこで、この早期支給について、総理府としてはどういう検討をされて、どういう考え方でおられるのか、これも聞いておきたいと思います。
  167. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) ことしの予算編成にあたりまして、私はその意を体して財政法上の処理その他、法的な措置も考えながら、公務員にとっては五月から——いままでの勧告ですと五月からでありますが、完全実施をされても、支給は法律が通ったあと実質の収入になるわけでありますので、厳密に言うと利子をつけろということも言えるぐらいの、若干のデメリットというものが形式上は言えるわけでありますから、これをやはり前渡金もしくは内渡し金というような形で処理する方法はないだろうか、予算に計上することは同じ出す金でありますから、そのうちの一定部分、たとえば一〇%を下ることはないだろうと思うならば、一〇%分は支給を開始しておくというような措置はとれないものかという予算措置について相談をいたしました。これは単に事務当局のみならず、当時の大蔵大臣とも相談をしてみたのでありますが、やはり大蔵省としては、法律で最終的に決定をされたものに従って支出をする、その支出のための財源をどこに置くかという問題については、相談は幅のあるところだけれども、それは早期支給という法律制定以前の問題としては、やはり財政法上の問題で突破できない、これは私も確認をいたしました。それで、万やむを得ないところでありますが、それにかわる何らかの法律問題その他が解決されない限りにおいて、今年度はやむを得ず前年度同様の措置を講ぜざるを得ないだろうと思っておるところでございます。   〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕
  168. 山崎昇

    山崎昇君 この問題は財政支出上の私は技術の問題もあると思うものですから、かなり内容的には複雑な問題があろうかと思うのです。ただ、いまお話ありましたけれども、昨年の例でいえば、八月の十四日に勧告が出て、八月の三十日に閣議決定を行なって、実際には年末ぎりぎり、そして、国の方針がきまりませんというと自治体は支給することができませんために、おそいところでは翌年の三月ということになっているんですね。いうならば、せっかく五月実施になりましても、実際は一年おくれで支給されるというような実態にある、ですから私は国家公務員に対する勧告ではありますけれども、いま日本の自治体の職員までも含めてこの人事院勧告というものは影響を及ぼしている問題だけに、早期支給の問題というのはやはりもっと考えなければならぬのではないだろうか、したがって私は、閣議決定があった場合に、いまお話のありました内渡しあるいは前渡金、さまざまな方法はあろうと思います。自治体の場合にはこれは知事の専決処分等もありまして、法的には可能なんですね。また、予算的にいえば三月までの予算、人件費があるわけでありますから、したがって補正予算は三月に組んでも間に合わないことはない、そういうことを考えると、多少複雄な問題があるかもしれませんが、もう少し私は検討してしかるべきではないかと思うのですが、どうですか。
  169. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 昨年は勧告のあとほとんど直ちにといっていいほど早い時期に閣議決定をいたしましたが、それまでは実はそうではなかったように思いました。しかし私は、やはり公務員の諸君は、勧告があった、内容の不満とかあるいは満足の問題は別にして、早期支給してもらいたい、その方針は一体政府はどういうふうに考えているのだという、支給開始前の不安があるだろう、そこで、せめて不安解消のために閣議決定を急速に行なったわけであります。そのときも考えたのでありますけれども、閣議決定をした以上は、政府の意思は少なくとも決定をしておりますから、違法でない範囲、たとえば予算の一般会計の中に五%組んであるとするならば、その分は支給を開始してもいいのではないかというようなことについても相談をしてみました。しかし、基本的には法律と財政法上のたてまえという問題がありますから、やはり法律改正を伴うということで、まだ合意に達していないということでございます。
  170. 山崎昇

    山崎昇君 これもぜひもう少し検討願いたいと、こう要望しておきます。  次に総務長官にお聞きしたいのは、この間労働大臣が、労働省の職員については夏休みの休暇を一週間ぐらいとってよろしいと、これは何か民間の働いている方々に対するテストケースといいますか、あるいは参考になるといいますか、そういう意味で夏休み休暇というものを提唱して実施するようであります。私、そのものについては、これは原労働大臣のアイデアだろうと思うのですが、少なくとも公務員全体を考えるということになれば、当然閣議あるいは閣僚懇談会か知りませんけれども、総理府と相談があって、公務員全体についてもこういう制度がどうなのかということについて私は検討されてしかるべきではないだろうか、何か労働省の職員だけが夏一週間続けて休む、あとの省の職員についてはまるっきりだめだというのでは、人事管理上でも少し片手落ちのような気がいたします。そこで、この問題については、単に労働大臣のアイデアということだけでは済まされない問題があるのではないかと思うので、人事全般を扱う総理府として、これらの問題についてどういうお考えがあるのか、また、労働省と同様にそういう措置を講じていくならいくのか、そういう考え方があるかどうか、お聞きをしておきたいと思います。
  171. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 前もって断わりますが、私は原労働大臣のアイデアなり行政の姿勢についての批判は差し控えます。しかしながら、ただいまおっしゃったように、これは国家公務員全体の人事管理の問題で、あるいは逆にいうと休暇のとり方のいわゆる公務員自体の、人間としてあるいは世帯の中の構成員としての休暇のあり方の問題、こういう問題と関係がありますから、やはり国家公務員全体の基本的な考え方、方針というものが当然それに伴わなければならないし、まずそれが前提になるべきことだと私は判断をいたしまして、直ちに、新聞記事限りでありましたけれども、宮崎人事局長をして労働省の事務当局に、大臣の耳には聞こえなくてもいいからという程度の、そのような一方的な宣言的なことは困る。やはりやるならやるで相談をして、人事局において各省庁相談の上、政府としては今後このような新しい姿勢をもって臨むなら臨むという合意が必要なんである。率直に言って人事局としては迷惑である。しかしながらその事柄については、これは私は見る角度によって賛否両論あろうと思います。もし、いまの私の総理府でこれほど多岐多端な仕事をしておりますときに、局長も含めて一週間まとめて休まれますと、非常に事務の停滞ということがありますし、ことに沖繩復帰を控えて、沖繩・北方対策庁の諸君には休暇はやらないぐらいのつもりでおるわけであります。それぐらいがんばっているわけでありますから、一律に公務員の身分に立って愛情をもってやるということと、いまおっしゃったような方針、人事管理上の問題はよほど調整してなされませんと混乱を起こすおそれがあります。しかし、現在の労働大臣の行なおうとしておられること、そのことについてのいわゆる閣僚として他の閣僚の批判は慎んでおきます。そして、今後はやはりやるならやるで全体を統一した形でもってやらなければならない事柄であるという御指摘については全く同感で、そのような横の連絡をすでにとっておるということを申し添えておきます。
  172. 山崎昇

    山崎昇君 私は、これは誤解されたら困るんですが、労働省でやることがいかぬという意味ではありません。本来は、当然、職員が休みたいときに休んで、そして次の勤務に備えるというのが本来休暇の趣旨でありますから、当然一週間とろうが二十日間まとめてとろうが、それは本人の自由だと思うんです。ただ公務員の場合には、公務ということから、多少他の時期にしてもらいたいとか、そういう意味の承認権みたいなものを管理者がとっておりますが、本来は自由だという意味で、私はこの労働大臣の考え方についてはいいと思うんだけれども、したがって総理府としては、全体のことを考えつつ、なるべくそういうものに合わせるようにやっぱりしむけていく必要があるんじゃないか。私が一番心配する、私がどうも感じとして心配しますのは、労働省だけは新聞に出て、あれはやらなければまたおかしいものになると思うんです。そうかといって、他の省が全く何もとれないというなら、これは私は不公平だと思うし、不満が残ると思います。そういう意味で、できるなら総理府で、原則的にはああいう方向なら方向確認をして、ただし、いま総務長官の言われましたように、沖繩問題に従事する職員については、たいへん気の毒だけれども、ことしはがまんしてもらいたいとか、何かそこら辺の統一的な私は管理上の指導があっていいのではないだろうか、こう思うので私は発言するのであって、いま労働大臣のことについて批判をせいという意味ではありませんけれども、どうですか、原則的に。全職員に対して、ああいう労働省の方向をひとつ総務長官確認して、そして、ただ現実的にいま職務上困るようなところについては、多少来年以降にしてくれとか、再来年にしてくれという多少のことはあるといたしましても、基本的にはああいうことに賛成してもらえますか。そして人事管理上として、それらの趣旨を徹底をするといいますか、人事官会議でありますとかその他を通じて、ひとつこの公務員の休暇の問題については積極的な姿勢を示すということをお考えになりますかどうか、重ねてこの点は聞いておきたい。
  173. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 総務長官として総理府の職員を統轄する責任者の私の立場と、国家公務員全体のあるべき休暇のとり方も含めた姿勢とはまた別な問題があろうと思います。私自身は、総理府には統計局とか恩給局とか、女性職員がほとんどであるという役所等もございまして、最近は海外旅行等に非常に勇敢に出かけておりますが、そういう諸君は、年休の中でまとめて二週間とか十日間とか、もっと長い期間もありますが、決裁があがってまいりますが、何らそれに対して異議を唱えることのないようにしておりますし、そういうことは、現実にはなるべく公務員の希望する期間、希望する日数というものを受け入れるという体制が私は原則だと思うのです。ただ、私のほうは総理府限りでありますが、年度末出張その他とおぼしきものは一切決裁をしないし認めておりませんし、余った予算は、それは当然のこととして国庫に返納する、旅費その他を含めて、そういう姿勢をとっておりますが、それを他の省まで強制すべきかどうかについては、私もいまのところちゅうちょいたしておる点もございます。しかし、姿勢としてはそうあるべきだという考えは持っております。しかし、まとめて休暇をとるという労働省のアイデア、こういうものも私は悪いほうへとっておるわけではなく、非常に公務員の立場から要求される、そういう意味の要請にこたえる意味と、そういうことを原則的にやられたら困るという条件がいろいろあるだろう。そこらのところは私のほうも、人事局を中心として検討は続けてまいりたいと思いますが、いま労働省が言っておりますことを直ちに検討して、それを全各省庁に総理なら総理の立場において指示してくれというところまでは煮詰めておりません。
  174. 山崎昇

    山崎昇君 これは希望意見として申し上げておきますが、私も次の国会までには公務員の休暇の実態については調査したいと思っておるのでありますが、重ねて要望しておきたいと思う。人事院におかれてもこの点については、公務員全体のやはり問題でありますから、ぜひひとつ検討を行なっていただきたいということを申し上げておきます。  その次にお聞きをしておきたいのは、総理府から人事院に委託をして、公務員の退職手当について調査されておる、こう私ども伺っておるわけでありますけれども、そこでどういう程度のことを委託をしておるのか、また委託された人事院のほうは、いまどういう現状にあるのか、簡単でけっこうでありますが、お聞きをしておきたいと思う。
  175. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 昭和四十一年に一度調査をしておりますが、そのときはちょっと皮肉な結果が出まして、公務員のほうが高いというような結果も一応出たわけでありますけれども、私の人事局としてはそのような手足がありませんし、やはり人事院にお願いせざるを得ない。そこでお願いはしておりますが、人事院の作業の過程は、承りますところでは、いま勧告作業で一ぱいである。したがって、その委託には応ずるが、そのあとにしてくれということのようであります。これは人事院から答弁があると思いますが、人事院に不可能をしいるわけにいきませんので、これは基本的な問題でもございますし、なお、四十一年調査という古い調査というもので今後ずっとやっていくということはおかしいことでもありますし、人事院の御協力お願いして、なるべく早く結論を出していただいて、予算その他が取れるように考えていきたいと思っております。
  176. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) ただいま総務長官からおっしゃられたとおりでありますが、私どもとしては、現在当面はどうしても勧告作業にぶつかるものでございますので、これが済みましたら、よく調査事項等も人事局と打ち合わせまして、調査をいたしたい、そういうふうに考えます。
  177. 山崎昇

    山崎昇君 そこで、総務長官に要望しておきたいのですが、実はことしの三月二十八日の新聞報道によるというと、大蔵省はきょうは呼んでおりませんが、来年度の税制改正の中で、これは一般的な問題でありますが、勤労者の退職手当については基礎控除を大幅にアップするという考え方が報道されておる。まだ、その内容は二、三の新聞報道でありますから、私も確認しておりませんが、そこで、ぜひ退職金の問題を調査すると同時に、当委員会でもたびたび議論になっておりますが、額の引き上げもさることながら、所得税の軽減ということについては、相当これは意を尽くさなければならぬ問題ではないだろうか、こう思いますので、調査結果がいつ出るかわかりませんが、総理府としても、所得税の軽減について、大蔵省とひとつ話し合いをしてもらいたい。そして三十年、四十年もつとめてわずかもらってやめていく公務員から多額の所得税を取るなんていうごとのないようにしてもらいたいと思うのですが、それについてのお考えを聞いておきたい。
  178. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 現在の退職金課税では、大体普通のサラリーマン、あるいは特殊な立場の公務員を除いては、ほとんどいまの非課税額の中に入ると私は思っております。しかし、これを天井なしにいたしますと、いわゆる渡り鳥シリーズで、三、四年に一ぺんずつ多額の退職金をもらう、問題になっている天下り官僚の諸君も、そのつど退職金の名目であるいは非課税というおかしなことになりかねませんので、やはり天井というものは設けておかなくちゃならぬだろう。しかし、原則、退職金は、公務員たると民間のサラリーマンたるとを問わず、やはり生涯の汗の結晶というものがそこに計算をされて一時金的に出るわけでありますから、これに対してはなるべく課税されないようにという考え方でいくのが私は正しい考え方だと思います。現在の金額はおおむね五百万と思いますけれども、それらの天井を上げる問題については、私もまあ税のほう、かねがねタッチいたしておりますし、大蔵省とも、それらの点は配慮して税制改正するように連絡はしております。
  179. 山崎昇

    山崎昇君 次に総務長官にお聞きをしておきたいのは、最近、人事院から業務報告が出まして、見ているんですが、最近また汚職事件がやはり多いようですね。したがって、公務員の綱紀粛正について二、三新聞でも報道されておりますし、また問題が深刻になってきているようであります。そこで、実はこの問題は、昭和四十四年の五月二十三日に総理府から通達が出ているわけなんですが、この通達の中に、各省は今後汚職事件等が起きないようにどういう対策を講ずるか報告をすることになっているのですね。総理府に対してどういう報告が来ているのか、いまここで全部聞くことはできませんが、せめて各省から来たこの対策について、資料として私は出してもらいたい、こう思うんですが、どうですか。
  180. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) この通達のあと各省の報告をとっておるそうでありますから、それは委員会に提出をいたします。  なお、いわゆる公務員の勧奨退職のあり方、そういう問題等についても私は一石を投じたつもりでありますが、これらの問題も、やはりほんとうに勧奨退職であるのか、あるいは当然の順序で、あるいは天下り、もしくは選挙へというようなコースのためにやめたものであるか等については、すぐそのときもわかっていることでしょうし、結果はすぐ見えることでありますから、こういう、私はまあかつてどろぼうに追い銭というようなことばを使ったんですが、そういう表現は穏やかでないとしても、そういうあり方についてももう少し私のところで練って、通達が必要ならばそういう通達もしたいと思っております。
  181. 山崎昇

    山崎昇君 時間がありませんから、人事院のほうに少し質問したいと思うのですが、去年は七月八日の内閣委員会で、勧告の大筋みたいなことについて、方向といいますか、ここで明らかになって、去年の七月十日の公務員共闘のストライキが中止をされたという経過があるわけです。聞くところによれば、大体まあいままでの例でいくと八月の中ごろに勧告が出ているわけでありますから、人事院の作業も大体大詰めにきているんではないだろうか、こう思うのです。そこで、いま人事院が行なっています作業の大体現況と、大筋でけっこうでありますが、どんな方向を向いておるのか、あるいは去年の勧告と違うような特徴点等があれば、あわせてまずお聞きをしたい。
  182. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) まだ大詰めというところまではちょっと間がございますが、大体の作業の進捗状況は例年どおりと申し上げてよろしいと思います。したがいまして、やはり勧告も八月の中ごろになろうという見通しでおります。  内容は、御承知のように去年は、いまのお話にもありましたけれども、大幅・高額ということを大きな声で申し上げてまいりまして、しかも、実際大幅と申しましたのは、本俸だけでなしに、諸手当その他にわたっての大幅というつもりで申し上げたわけですけれども、これはまさに結果においてそのとおりということになりまして、住居手当をはじめとして大体従来の懸案は去年片づいたという面が一つございます。したがいましてことしは、民間調査のほうにおきましても、扶養手当、これはまあ一つ間がちょっとあいておりますので、ことしやりました。あとは、去年の報告に触れました特別給の民間における配分の方法というような点について立ち入った調査をしておる、まあその二点が今回の調査のおもな点ではないかと、こう申し上げてよろしいと思います。したがいまして、それらの調査結果にまちまして、たとえば扶養手当というようなものについて顕著な数字が出てまいりまするが、われわれとしてはこれに対処しなければなるまい、そういう心組みでいるわけであります。
  183. 山崎昇

    山崎昇君 勧告の日ですけれどもね、昭和四十三年には八月十六日、四十四年は八月十五日、去年は八月十四日、大体この辺ですね。そして大体私たちの記憶に間違いがなければ、八月の中ごろの閣議のある日に大体まあ勧告が行なわれている。それから類推をしますと、ことしは八月の十三日が金曜日であります。これはまあ十三日の金曜日で、まあいろいろ縁起をかつぐ人がおりますが、そうすると八月十七日が火曜日なんですがね。一体総裁としては、十三日に近いのか、十七日なのか、この一日、二日おくれるから私どうという意味じゃありませんが、その辺のことを私どものほうでかってに想像しているのですが、大体いままでの例からいけば十三日になるのじゃないか、金曜日ですからね、こう思っているのですが、どうですか。
  184. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) それはまあ正直にいろいろ申しますと、たとえばそのころ臨時国会でも開かれて、この勧告がそれにのって、すぐ立法化されて、先ほどお話しの早期支払いが実現するというような見通しがありますと、われわれもまたその点に大いに焦点を合わせて作業しなければならぬということはございますけれども、今日のところは、また例年そうでありますけれども、そのころそういうような事態がございませんので、われわれとしてはすなおに、四月調査という結果が結局集計されて、それに基づいてわれわれが立案作業をしていけばいつごろになるか、でき上がり次第ということでやっておりまして、それが大体八月の十五日前後というのでありまして、まあわれわれとしてはたいへんこれは夏の暑い盛りの、給与局その他、たいへんなこれは過酷な作業でありますので、先ほど夏休み一週間とか二週間の例もありましたけれども、よその話みたいなことにこれはなるわけです。したがって病人も出ますし、病人を出してまで例年どおりの日を守らなければならぬものかという問題もありますから、大体皆さんの御期待に反しない限りにおいてということでやっております。したがいまして、ことしも十五日前後になろう。その閣議のある日というのはまことにうがった御観測ですけれども、これは総理大臣に私がぜひ手渡したいというたてまえでやっておりますが、大体総理をつかまえられるのは閣議の日が一番間違いないということもございまして、実際上はそういうことになっておりますが、十三日の金曜日というのもいろいろ縁起をかつぐというようなお話もございましたけれども、早くできれば、十三日の金曜日でも何でもそれはやります。この二、三日おくれるということであれば、いまのその次ですか、というようなこともあります。要するに十五日前後ということをめどにしてやっております。
  185. 山崎昇

    山崎昇君 次に伺っておきたいのは、ことしは去年と違って、春闘はかなりおくれたのですね。そこで、去年でも人事院勧告の中身を見るというと、春闘の積み残し分がかなりなウエートを占めてきております。私はことしの春闘の実情からいって、去年よりもこの春闘の把握をすることが困難になっているのじゃないか。皆さんのほうの調査内容を見ますと、大体六月の十五日くらいが調査の締め切りになっているようですね。そうだとすると、ことしは春闘の積み残し分ということが去年よりももっとウエートを占めるような気がするわけです。その辺のことはどうなりますか。私は、これはあまりいいことではございませんので、ぜひひとつ本勧告の中における春闘の積み残し分ということについては、あまりいい方法でありませんために、少なくしてもらいたいと思うのだが、ことしの春闘との関連からどんなような傾向にあるか、お聞かせをいただきたい。
  186. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 春闘との関係については、春闘の時期をいつおやりになるかということについてわれわれとしてはまた言い分がいろいろある。しかし総評その他に対して春闘をいつやってくれという申し入れをすべき立場ではありませんので、受身の立場で、かっこうはあまりよくありませんけれども、受け身の立場で漏れなく拾おうといういわばきびしい条件の中で作業をしておるという状態であります。ことしは幸いに参議院選挙の関係もありまして、国会が早く終わって、私自身も地方の事務局に行きましてそういう情勢を調べてまいりましたけれども、やっぱりお察しのとおり、行ってみたらまだ最中だ、それどころじゃないということだといって会社から追い出されるということで、調査員がそういうところには二度も三度も足を運んでやっておる。われわれとしては二度足を運ぼうと三度足を運ぼうと、できるだけそういう漏れのないようにということでやってまいりました。したがいまして、ほんとうを申しますと、従来のペースでいきますと、統計局に調査票を送ります時期は、本年は例年よりもおくれております。しかし統計局の別段の御努力によって、結果は従来どおりのペースで行なわれるだろうということでございまして、われわれはそういう点は十分配慮してまいっておるわけであります。要するに積み残しの少しでも少なくなるように、少なからんことを祈っておるということだけを申し上げる段階でありまして、まだあとどういう結果が出ますか、それをまたかたずをのんで見守っておるというありさまです。
  187. 山崎昇

    山崎昇君 次にお聞きをしておきたいのは、なかなか言えぬでしょうが、勧告の率ですね、去年はまあ大幅でかつ高額で、私のほうから一二・五くらいだったらあなたのほうは何も答弁しなくても暗黙の了解みたいになっておる。そして結果は一二・六七という数字になっておるわけですが、ことしは、すでに早い機会に新聞報道等で二・五%前後ではないかという報道がありまして、公務員の中には、大体まあ二・五%から一二%くらいになるのじゃないかというような皮算用をしておるものもたくさんあります。そこで、まだ数字は調査の結果が出ないわけでありますから何とも言えないと思うのですが、この報道についてはどうですか。否定されますか、あるいはまあそこら辺だろうくらいに思っておりますかね。その辺のことをお聞きをしたい。
  188. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) それが用心せなければならないところでございまして、なまじっかのことを私がここで申し上げますとすぐ新聞に出まして、公務員の諸君にあるいは幻滅感を与える、あるいは不当な期待感をお与えするということでありまして、結局選挙の予想と同じようなことになりますので、われわれとしてはそういうことについてはもう一言も口は開かないということできております。いま御説明申しましたように、たいへんなお金とたいへんな努力をして民間の何千の事業所をしらみつぶしに調べておるという努力もありまして、その結果を待っておると申し上げざるを得ないわけです。
  189. 山崎昇

    山崎昇君 そこで、総裁はなかなかそれは言いにくいでしょう。言いにくいでしょうけれども、私のほうもまたある程度言ってもらわなければこれはまた困るのです。そこで、私から少し公労協との関連であなたに数字を述べてみるから、これは当たっているか当たっていないか、返事してください。それは、昭和四十三年は公労協は九%で、公務員が八%ですね。四十四年は公労協が一〇・一%で、公務員が一〇・二%、四十五年は公労協が一二・四九%で公務員が一二・六七%、ことしは公労協が一一・六八%平均と、こうなんですね。こうずっと平均数字的に洗いますと、大体公労協より〇・一%か二%くらい上回った数字で勧告というのが出ているのが傾向ですね。こういうことから類推しますと、この新聞に報道されている一一・五%ぐらい、私の計算でいうと一一・七%から一一・八%ぐらいが公労協とのバランスみたいになると思うのですがね。こういう傾向だとか数字についてはどうですか。大体そんなものだというふうにお考えになりますか。私の言うことについて、これは間違いでなければ、大体人事院の傾向としてはそうなると思うのだが、どうですか。
  190. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) たとえばことしの例は、先ほどおっしゃいましたけれども、これからまた勧告までの間は続々と各社こぞっていろんな予想を発表されると思います。これは決してわれわれのほうで口走った数字ではないということはここで大きな声でもう一ぺん申し上げておいて、ただしそういう推測の場合に使われるデータとしては、山崎委員のおあげになりました公労委の裁定なども一つの指標として使われておるということは、これはわかります。ところが公労委の裁定との、われわれのほうの勧告となりますと、われわれとしては、先ほど来たびたび申し上げておりますように、数千の民間事業所を克明に調べた結果の積み重ねでありますから、これはまあ世界的にも非常に誇るべき精密な調査だと思います。これほど確実精密な調査はない。したがって、その結果に基づいてそのままを勧告申し上げておるわけです。よけいなことを申しますと、従来の公労委の仲裁裁定というものを、その適否を批判するこれは一つの尺度になるのじゃないか、むしろ逆に。なるほど公労委もあまり度はずれたことはやっていらっしゃらなかったということを裏づけるというくらいの性格のものだと私は思っておりますから、公労委のほうを基準としてお考えになると、これは筋としてはさかなでの形になるというふうに思っております。
  191. 山崎昇

    山崎昇君 なかなか功妙な答弁をやっておりますが、人事院がいま言っておる調査というのは何もことしばかりやっておるのじゃなく、去年もやり、ことしもやり、人事院ができて今日まで、多少の違いはあったとしても調査方針そのものはそう変わっていないわけです。そうすると、私はこれは偶然か故意か知りませんけれども、公労協の数字と公務員に対する勧告の数字というのが、大体公務員のほうがちょっと上になって結果として出てきている。ですから、いま総裁のことばを借りるというと、皆さんのほうが公労協の数字を権威づけてやっているのだということになるのかもしれませんが、しかしいずれにしても、私は少なくとも昭和四十三年からあなたに申し上げたのだ。それ以前の数字を見ても大体似ているのですね。だから私は、きばつとしたことはいまあなたに答弁してもらおうとは思いませんが、少なくとも傾向としては、これをはずれることにならないのじゃないかと私は思っているのです。そういう意味でことしの勧告は、大体従来の方法で調査しているわけですから、こういう傾向については大体まあ間違いないだろう。これくらいの答弁はあっていいのじゃないか。ただそれが一一・七か、一一・八か、一二・〇か、それは言えぬでしょう。言えぬでしょうが、そういう傾向については、およそ人事院のやっていることと間違いないのならないと、大体そうなるのじゃないだろうか。そういう傾向についてひとつ御答弁願いたい。その程度で私も打ち切っておきますから。どうですか。
  192. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 私どもの勧告の率がしんしゃくなり裁量で動かせるものなら、毎年こう言われているのだから、ひとつことしは逆手にいくかいということで、この辺の裁定とちょっと離れたところをやってみようかというようなことはあり得ますけれども、そういうことは許されない、またすべきじゃないという立場を堅持してまいっておりますから、これはあくまでもわれわれ独自のはじき出した数字で勧告を申し上げている。あとはそれが出てからまたいろいろ御批判をいただき、おことばをちょうだいいたしたいということにしたいと思います。
  193. 山崎昇

    山崎昇君 これは私もそう深くは申しませんが、私なりに類推をすれば、大体はここら辺にいってしまうのじゃないだろうかという気がしているということを重ねてあなたに申し上げておきます。  次にお聞きしたいのは、少しこまかくなっていきますが、私の聞いたところでは、去年の勧告は、大体世帯を形成する時期のもの、あるいは四十歳くらいで教育費等がかなりかさむようなものを中心にかなり配分を考えたようであります。そこで、ことしは一体配分についてどこら辺にどの程度主眼を置くのか。これもできたらひとつお聞かせをいただいておきたいと思う。なぜかというと、私は選挙でありましたからあっちこっち歩きまして、いろいろ意見を聞いて集約をしてみるというと、おおむねいま公務員で生活的にやや困っておるという階層というのは、大体大別すると三つくらいになるのじゃないか。それは、一つは初任給ですね。新規採用者が困る。それから二つ目には、去年もやられたように妻帯時における年齢層くらい、いうならば二十七、八歳からおそい人で三十歳ぐらいですか、ここら辺がやっぱり家庭を持つのにたいへんな段階にある。もう一つは、去年人事院でやられたように、中学、高校、大学の子供さんがおるような年齢、いうならば四十二、三歳から四十七、八ぐらいまでの年齢層が等級でもある程度頭打ちになってくる。管理職なら別でありますが。したがって昇格の問題等も関連いたしますが、ここら辺がかなり私は生活的に苦しいのではないか、こう見ているわけです。そこで、人事院としても去年いろいろ配慮願ったわけでありますけれども、ことしはこの配分についてどの辺にある程度力点を置くのか、これをできればひとつ御説明いただきたい、こう思うんです。それからこれと関連して、御案内のとおり、等級におきましてもちょうどまん中辺の号俸の以後は昇給間差額が逓減してきますね。したがって昇格がとまればこの人の昇給というのはきわめて少ない額になっちゃう。この昇給間差額の問題もまた関連してきますけれども、いずれにしても、いろいろ聞くところによると、そこら辺が配分でかなり意を用いなければならぬことじゃないかと思うんですが、総裁の見解を聞いておきたいと思うんです。
  194. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 基本的にはあなたに御同感でありまして、従来もその点に焦点を当てながら努力をしてまいったつもりでございますが、ことしの場合も、これは全体の幅がどのぐらいになるか、その幅によってまた配分のしかたの問題が出てきますけれども、おそらく初任給は相当のところまで行く、去年ほどとはいえませんが、一般の情勢から見て相当のところまでやっぱり行かざるを得ないだろう。われわれとしては、ここでは公務員に志願をしてくれる人の関係もありまして、初任給は一つ大きな柱として考えなければならぬということになります。  その次に考えておりますのが、いま御指摘の世帯の関係、二人世帯、三人世帯、四人世帯、これらも去年と同様にやはり重点を置いて考えてまいりたいと思います。申すまでもありませんが、標準生計費というのを毎年調べておりますが、あれは本来は、初任給が民間と比べた場合に少し落ちぎみであったときに、それをささえるささえにして、独身者のものを主眼として使っておったわけでありますけれども、初任給のほうは、それを待つまでもなく大体従来上がってきておりますので、それを今度は二人世帯、三人世帯の給与の割りつけの場合の一つの基準として、参考にそれを使って数年来やっておりますので、ことしもその方向でまいりたいという気持ちでおります。
  195. 山崎昇

    山崎昇君 そこで、総裁ね、去年たいへん議論になった高齢者の昇給延伸ですよね。ところが私が調べてみると、三十歳未満ではかなり民間より低い。それから三十から四十にいたしましても民間より低い。結論的に皆さんに申し上げますれば、若いときには民間よりぐっと低い賃金で押えておいて、そして三十年か四十年たって、ようやく民間に追いついたかちょっと追い越したらおまえは昇給延伸だというやり方が去年もたいへん問題になった。そこで、私はいまそれらのあなた方の考え方からいけば、若い職員の不満をどういうふうに解消するのか。もちろん初任給もあるでしょう。しかしいまのような昇格基準でいくならば、いずれにしても若いときの賃金というのはやっぱり押えられがちになっちゃう。そういう意味で、私は昇給、それから昇格等を含めて、高齢者の昇給延伸ということはどうしても承服できない立場をいまもとるのですけれども、いずれにしても、民間より低いという若い時分の賃金についてどういうふうにあなた方は解消するのか、あるいはそういう若いときに少なかった賃金をどこであなた方は補償するのか。今度の勧告でも、私はこれらの問題は相当考慮をしませんと、やはり職員の内部にかなりな不満を残すのではないかと思うので、もう少し聞いてみたいと思います。
  196. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 従来の公務員給与の問題点、いろいろございますけれども、やはり非常に重要な一点は、若年層の給与が民間より相対的に低いということとあわせまして、他面、高齢者関係は民間より非常に高いという面がございまして、そういう配分方法につきまして、やはりいつまでもそういうふうな関係をほうっておけないという点を考慮いたしまして、昨年高齢者関係の昇給の是正措置ということをとったわけでございます。その趣旨は、やはりそういう関係を、そういう若い人については民間より低く、高齢者関係は民間より高いという関係を少しでも是正をしたいという関係で行なったものでございまして、その結果は直ちに非常に強くあらわれるということでは必ずしもございませんけれども、やはりだんだんそういう効果があらわれてくるということになる理屈でございますし、やはりそういう面で、若年層の給与についてわれわれとしましても特に配慮し、民間との関係を是正していくように努力をしているという状況でございます。
  197. 山崎昇

    山崎昇君 これは勧告が出た際にまた論じますが、私は、やはりいまの人事院のやり方というのは、高齢者の分を削って若い者に持っていったってたいしたものになりませんね。去年の勧告だけで四億くらいの金ですね。一体これが若いほうにどれだけ配分になったのかとあなた方に聞いたら、それは説明ができない。ですから私は、公務員の賃金を見るときに、あなた方の見解をかりに是としたとしても、若いときの損失をどういうふうにあなた方は補償するのか。何にもそういうものはないじゃないですか。そうして一定年齢にきた者だけいじめるようなかっこうになっている。これはあらためてまた論じますが、今度も配分するときには、昇給間差額の問題や昇格の問題とあわして十分ひとつこれは配慮願っておきたい、こういうふうにきょうは意見として申し上げておきます。  それから次にお聞きをしておきたいのは、去年の勧告を見てもおわかりのとおり、極端なことをいえば医者の賃金が低いということ、研究職の職員の賃金が低いから勧告が出るといっても過言でないくらい民間より低いのですね。しかし、それは実際はそう直っておらない。多少行政職の(一)表より勧告の率はいいようになっていますけれども、そうかといって、民間の研究職と公務員の研究に携わる者とを比較をすれば、かなり低いですね。そこで科学技術庁の長官から、研究職に従事している公務員の給与について改善方を申し入れてあるのですが、その内容と、それに対して人事院はどうこたえられようとするのか、あらましでけっこうでありますが、お聞きをしておきたいと思います。
  198. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 医師の給与につきましては、従来からたいへん官民格差がございまして、昨年の場合にも五二%もあったという状況でございます。これはいろいろ医師の需給関係という事情もございますけれども、やはり去年の場合には初任給調整手当等におきまして相当な改善をいたしたわけでございますので、その結果がことしはどういう形で出るかということをいま注目をしている状況でございます。  研究員の関係につきましては、医師の問題とは比較にならない問題でございまして、行政の場合の官民比較とそう違わない状況になっているわけです。昨年、研究員につきましては、従来からいろいろその関係の要望のございましたいわゆる制度線と実態線との問題につきまして若干の在職者調整ということをいたしまして要望にこたえたわけでございますけれども、本年の場合には、やはり新しい官民の格差というものにつきましては、十分これを埋めてもらいたいという要望がございます。それはその結果をよく見て判断をしたいというふうに考えているところでございます。それ以外の関係といたしましては、筑波学園都市にいろいろ研究機関を持ってまいりますので、その際の関係について不利にならないようにしてもらいたいという要望がございます。これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、移転につきまして、給与面としましてもできるだけそういう促進の方向でやらなくちゃならぬだろうという角度から、具体的なやり方について検討をしているところでございます。それ以外の問題としては、いわゆる研究員の補助というか、補助研究員の問題がことしのいわば焦点でございますけれども、これは私もいろいろ前から検討をしてきたところでございまして、やり方につきましていま具体的な方法について検討をしているという状況でございます。
  199. 山崎昇

    山崎昇君 さっぱり中身はわからないのですが、これもきょうは時間がありませんからこまかなことは言いません。しかし、いずれにしても、去年の勧告を見てさえ、官民比較で研究職というのは一万一千円も低いわけでしょう。しかしわずか行政職(一)表よりも一%か二%勧告率を上げただけで、根本的には研究公務員については人事院はそんなに力を尽くしていないんじゃないでしょうかね。だから私は、研究職の問題については、科学技術庁の申し出もありますけれども、十分ひとつ検討を願いたいし、特に研究補助員については、ほかの事務補助員と違いましてそれぞれ専門のことをやっているわけでありますから、これらの諸君の問題についても十分ひとつ配慮を願いたいと思うのです。きょうは人事院の考え方もはっきりしませんし、また勧告が出てからでなければ私どもも数字がありませんために多くのことを言いませんが、方向としてそのことだけは強く申し上げておきたいと思うのです。  それからその次にお聞きをしておきたいのは、何といっても行政職(二)表の問題です。これは私は撤廃をして、なぜこれらの諸君が行政(二)でやらなければならないのか、これがふしぎでなりませんけれども、いまある制度でありますからそのままかりに認めたとしても、何人であっても生活保護法の適用以下の者がまだおる。実際に生活が苦しい者がかなりおりますよ。だから私は、一体賃金というのは、生活するために一生懸命働いておって、働いた給与で生活ができないという、そして生活保護法の適用者よりまだ悪いなんということがかりに一人であっても、そういう事態はやはり私はいかぬと思う。そこで、行政(二)については、去年も少し手直しをしたようでありますけれども、これは思い切ってやってもらいませんと、一%かりに上げてみても、基本給が低いのですからさほどの改善にはならない。そういう意味では、行政(二)の改善というものをもう少し私は思い切って、この現場の職員が安心して生活できるようにしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
  200. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 全く同じ気持ちを抱いて、われわれ例年行政(二)表を扱ってまいっております。これは実績をごらんになりましても、なるほど相当やっておるわという御批判はこれは期待できると思うのです。それでわれわれとしては、もちろんそれで満足しているわけではありませんし、従来どおりやはりその点に大きな力を入れてまいりたい。ことしもそうしたいと考えております。
  201. 山崎昇

    山崎昇君 次にお聞きをしておきたいのは、さっき、ことしは扶養手当について調査をしているようでありますが、児童手当との関係をどういうふうにされるのか、見解だけ聞いておきたい。
  202. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 児童手当につきましては、いわば提案の趣旨といたしまして、次代の社会をになう児童の形成の場である家庭生活を安定させる、というような趣旨で社会保障として設けられてきておるわけでございますが、給与の問題といたしましての扶養手当という関係は申すまでもございませんけれども、職務に対する給与ということで、扶養手当というのは、そういう生活面への配慮というのは、そういう趣旨からいってやや拡大解釈的な方向でやっておるということで、片っ方はそういう生活への配慮というものは積極的にやるべき性質のものでございますし、給与の問題としてはやはり消極的な話になっているわけでございます。しかし、ねらっているところは大体同じところを——三人目と四人目の問題もございますけれども、ねらっているところは、やはり家族を持った生活の安定といいますか、そういうところをねらっているわけでございますので、その限りでは重複する面があるということだろうと思います。それから給与体系の理論といいますか、理屈としましても、そういう重複しているところについては、ほかに、むしろ必要なところに回したほうがいいのじゃないかという点もございますので、そういう重複——理屈としてはむしろそういう面があるのじゃないかという感じがございますが、まあいずれにせよ、今回よく検討したいというふうに考えております。
  203. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると局長、要約するとこうなりますか。四十七年の一月一日から第三子以下でありますけれども五歳未満に三千円出ますね。それから四十八年度からは十歳未満、四十九年度から完全実施と、こうなるわけですね。そうすると、いま人事院としては、当面こういう制度ができ上がるのだが、扶養手当については、児童手当が出るからその分だけ差っ引くぞとか、あるいはその分だけは支給しないとか、そういう考え方ではありません、あくまでも趣旨が違うから扶養手当は扶養手当として支給いたします、児童手当は児童手当としてもらえなさい、こういうことになりますね。そう確認しておいていいですね。
  204. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) いま申し上げましたように、立場は違いますけれども、やはりねらっている焦点は同じところをねらっているということだと思います。で、給与の問題といたしましては、同じねらっているところが重複しているというところにつきましては、理論的には同じところにいっているなら、その分はむしろほかのもっと必要としているほうへ回したほうがいいのではないかという論理、理屈というものが給与体系の中にはあると思う。そういう関係も考えられますので、実際支給されるのは一月以降の話でございますけれども、一月以降、その間をどう調整するかという点についてよく検討したいというふうに考えております。
  205. 山崎昇

    山崎昇君 私、最後に落ち若くところはどうだこうだと聞いておるのじゃない。ずばり言って、いま第二子四百円ですね。そうすると、来年の一月の一日から、かりに三人目は、四人おったことにしますと、五歳未満であると三千円の児童手当が出る。三千円児童手当出たからあなたの扶養手当四百円やりませんぞというのか、三千円から差っ引くというのか、そういう考えはありませんねと聞いている。扶養手当はあくまでも扶養手当として支給をいたします、児童手当は児童手当として、これは法体系としては別であり、したがってそういうことはないのですよ、しかし将来はこれとの関係で議論することはあるかもしれぬけれども、ことしの勧告の中ではそんなことはないのですよ、こうなるのですかと私は聞いているのですよ。その点明確にしてください。説明は要りませんから、性格がわかっていますから。
  206. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 結論から申しますと、現在検討中でございますから、どうするということを申し上げる段階ではないわけでございます。いま先生がおっしゃったような点をいろいろ検討しておるということでございます。
  207. 山崎昇

    山崎昇君 総裁ね、さっき扶養手当について調査しているというのは、そういうことを調査しているのですか。そうでなくて、去年から議論のありましたように、民間ではずいぶん高い扶養手当を出しているところを見ているのだけれども、現実的には。しかし人事院は去年調査やらなかった。そこでぼくらは、調査すべきだということをここでずいぶん議論したのですね。そういうものをあなた方は受けて、ことしはこの扶養手当について調査しているのだと思うのです。しかし私は、いま児童手当法ができて一月一日からそれが開始されるのだから、それとの関係はある程度こういう際に明確にしておきませんと混乱が起きると思うので、いま作業中であることは承知していますけれども考え方として将来はどうするかわかりませんけれども、当面はそうではないんだ、そんならそうだというふうに明快にしてもらいたい。
  208. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 調査をしておりますと申し上げたのは、従来やっておりましたように、配偶者に幾らやっていますか、子供にはどうやっていますかというようなことが主眼であることはこれは従来どおり、申し上げるまでもありませんが、ただ、児童手当との関係が今度出てきますから、おたくでは一体児童手当との関係をどう考えていますかということもついでにこれは聞かしております。聞かしておりますけれども、大体皆さんまだ、そういう制度があるんですかというような答えのほうが多くて、こっちが期待したほどの成果はなかった。これは調査員がそう言っておりますから、したがって、結局わがほうはやはり独自の立場でその辺を考えなきゃならぬだろうということで、実は尾崎局長の言うように、非常に迷っておる。まあ審議会の答申か報告かは知りませんが、あれによると、公務員給与との併給はしないというようなことも出ておりますし、そういうようなこともあわせ考えながら、適切な措置をつくりたい、正直に言ってそういうことでございます。
  209. 山崎昇

    山崎昇君 時間がありませんから次に移りますが、次に私は総裁に言っておきたいのは、通勤手当ですがね。これも最近自分で家を持つ人がふえてきました。それから通勤距離が延びてきました。そこで汽車に乗ってくる、駅からバスに乗ってきますね。ところがバスについての通勤手当は出ませんね。そこで問題になりますのは、いまの通勤手当ではどうにもならない職員もかなり多いんではないか。そこで、今度勧告を出す際には、この通勤手当をもっと実情に合うようにしてもらいたい、これが一つです。  もう一つは、過密過疎の関係もありまして、公的な交通機関がかなり減っているところがあります。たとえば運行回数が減る、あるいは運行時間が早くなっちゃう。そうしますと、たとえば自治体の場合なんかは、役場の仕事そのものが遂行できないようなところが出てくる。出張するんでも、いままでならば一日で終わったものが、二日なければできないというような状態になってきて、よけい金がかかる、そこでやむを得ないから、個人が車を持つだとか、あるいは役場自体でもかなり自家用車がふえてきています。そこで、いま私ども行きまして要望されるのは、いまの自動車のガソリン代千四百円ではどうにもならぬ、だから通勤手当についてはもう少しその点配慮して、もっと自分の車で行動できるような仕組みにしてもらいたいという要望がたくさんあります。したがって、この点についてお考えをいただきたいと思うんですが、この通勤手当についてどういう見解をお持ちになるか聞いておきたいと思います。
  210. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 通勤手当につきましては、ただいま御指摘のように、まあ地方の場合に交通機関の利用の形態が、たとえば自動車とかいう形に移ってきている状況にございますので、昨年、そういうだんだん過疎的な感じになってきているような地帯を目途にしまして、こういう交通用具利用者の額を引き上げたということでございます。で、ことしは特にこういうたとえば運賃の値上げとか、そういう関係の要因がございませんので、特に特別な調査はいたしておりませんけれども、いまおっしゃられましたような問題はいろいろ職員側から伺っておりますので、今後よく検討してまいりたいというふうに思います。
  211. 山崎昇

    山崎昇君 これも強く要望しておきます。  それからその次に、さっき特別給与について調査をしているようですが、これは去年の勧告が出た際にもかなり私どもから意見を出した問題でありますが、よほど慎重にしませんと、たいへんだと思うのですね。なぜかと言えば、公務員に払っておる期末手当と、民間で払っておるボーナスとは性格が違うわけですから、性格の違うものに対して、民間のボーナスの理論をそのまま公務員に当てはめることは私はいかぬと思うのです。そういう意味で、去年、報告というかっこうで出ておりますが、これはことし実施されるのですか。私は、これはよほど慎重にやりませんとたいへんだという気がしておりますから、どういうお考えを持っておるのか、この機会に聞いておきたいと思う。
  212. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) たいへん顕著な傾向が民間側に出ておりますために、これはとうていそのまま無視はできないということで、去年の報告書に掲げて、検討するということを明らかにしたのでございますが、ことしそれに引き続きまして、多少また立ち入った調査を民間調査でやっております。その結果なども勘案して、適切な処置をとりたいと思っておりますけれども、報告書に出しましたのは、やはり問題を皆さんに御認識をいただいて、そうしてそれについての忌憚ない御意見を承りたいという趣旨も含まれておりますので、ぜひひとつまた御意見などが——などと言うては失礼でございますが、御意見がございますればひとつお聞かせをいただきたいというような気持ちでございます。
  213. 山崎昇

    山崎昇君 ことしはすぐやるというお考えはありませんね。ことはまだ検討するということですね。そう理解しておいていいですね。
  214. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) それが正しいことであれば一日も早くやるべきであろうという気持ちは当然持っております。
  215. 山崎昇

    山崎昇君 いや、いまあなたのほうは、正しいかどうか意見があればもっと聞きたいというのだから、今度の勧告でいきなりやるなんということはないでしょう。ことしもまた検討して、十分私どもの意見なら意見を聞く、あるいは関係者の意見を聞くなら聞く、そういう形で、これは将来どうなるかわかりませんけれども、持っていくべきものではないだろうか。そういう意味で、今度の勧告ではすぐずばりやるなんということはありませんねということを聞いておるのです。そうですね。そう理解していいですね。
  216. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いまでもひとつ御意見をお聞かせいただいて、われわれの判断の材料にさしていただきたいと思いますが、われわれとしては、これは踏み切るべきだという結論に到達すればこれは善は急げ——善とお考えになるか悪とお考えになるかはこれは別として、筋の通ったことであるならば、早く実施に移すのが当然であろう。ですから、ことしやるともやらぬとも申し上げませんけれども、結論が出れば早くという心組みでおります。
  217. 山崎昇

    山崎昇君 これはちょうど高齢者の昇給制限と同じで、何も関係者の意見を聞かずに、ただ人事院の権限で勧告実施してしまったのでしょう。ですから、去年のこの委員会でもかなりあの点は議論されたところです。ですから、私は公務員の少くとも既得権の剥奪になる、いままで支給されたものを減らすとかやめるとかというようなことについては、これは職員の生活の問題に関連をするのですから、慎重の上にも慎重でなければならぬと思う。ただあなた方の結論だけでこれをやられるということについては、とても私は承服できません。きょうはそういうことを論ずる時間はありませんから省略しておきますけれども、これはもっと慎重にやってもらいたいということを切に申し上げておきます。  次に私が聞いておきたいのは、寒冷地手当ですが、一体これは去年ついに勧告出されなかったのだが、いつ勧告出しますか。そうして、もし勧告出すとしますれば、どういう内容にして出そうとするのか、言える範囲でけっこうでありますから、聞いておきたい。
  218. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 寒冷地手当につきましては、昭和四十三年に大改正を行なったわけでございますが、その附帯決議もございますし、その後の状況、寒冷増高費等につきましていろいろ調査を行なっております。しかしその結果といたしましては、寒冷増高費の大きさにつきまして、当時から非常に大きくなっておるという感じの資料もなかなか得られないという点がございます。石炭価格につきましては相当上がっておりますけれども、石炭のウエートが小さくなっておるというような関係もありまして、いろいろそういうデータを現在当たっておるところでございます。したがって現在の段階では——もっともいまはいわゆるベースアップと重なりまして、ちょっとその関係の作業が中断されておりますけれども、いままでの調査といたしましては、寒冷増高費関係をという観点から、緊急にふやすというような結論がまだ得られておりませんので、勧告が終わりましたあと、いわゆる級地問題なんかも含めまして、さらに検討すべきであるというふうに思っております。
  219. 山崎昇

    山崎昇君 検討って、昭和四十三年からあなた検討しているんじゃないですか。そして国会の附帯決議もあり、これからまた検討するなんということだけで私ども承服することはできませんよ。だから、いま本勧告のほうが忙しいなら忙しい。私も認めます。寒冷地については、そのあと、たとえば九月でやるのか十月ごろ勧告出すのか、そういうめどだけでも明確にしておいてもらいたいと思うんです。ただ検討します、調査します、三年間やっている、そんなことは——どうですか、総裁、この際明確にしてください。
  220. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 常に検討を怠らずにおるわけでありますけれども、検討の結果、これはぜひということが出てくれば、これはまた何も引き延ばす必要はない。またそのつど勧告を申し上げるという心組みでおりまして、結局遊んでいるわけじゃないんで、給与局では常に検討を続けており、また各方面からいろいろな御要望が、それは次々と詰めかけて、押しかけていらっしゃいますので、忘れるひまがあるどころではないのであります。したがいまして、そういう刺激を常に受けながら熱心に給与局でやっております。結論を得次第また勧告をいたすことになりましまうということであります。いつかどうかというようなことはもちろん申し上げるべきまだ段階ではございません。
  221. 山崎昇

    山崎昇君 そのおおよそのめどぐらいやっぱり示してくださいよね。たとえば、私はいま九月か十月かと言ったけれども、何もそれだからすぐ十月に出なかったらどうだということは言いませんが、おおよそ勧告なら勧告の方向でいま検討しておって、十月か十一月か知りませんが、そのころには結論が出るであろうと、だから、その辺をめどに作業やりますとか、ある程度の歯どめがなきゃ、要望しに行った人間だって、何のために行っているのやら、人事院はどうしているのやら、ナシのつぶてみたいなものですから、それでは不安感が残るから、おおよそのめどを、やりますならやりますと、その程度のひとつ人事院総裁の決断で返事してくださいよ。
  222. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いまのように、前の勧告から若干日を経てきておりますからして、そろそろその方向に向かってかまえを、態勢を整えていくべき時期だろうというふうには考えておりますが、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
  223. 山崎昇

    山崎昇君 きょう時間なくて、中身をやることができないのは残念なんだけれども、私もずいぶんいろいろ計算をしてみるというと、たとえば寒冷地手当を百分の四十は一律方式にしましたね。この三年間でかなり実質的には低下をしまして、これはきょう数字言いませんが、私の数字では大体一一%ぐらい低下しております。ですから、従来百分の八十五であったものが、北海道でいえば、いまや百分の七十四ぐらいにしかならない。ずいぶん実質的には寒冷地手当が低下をしてきている。また石炭手当、薪炭手当もそうです。ですから、十分ひとつこれらの点は、きょう数字申し上げませんが、ひとつ配慮願いたいし、それから懸案事項になっている豪雪加給の問題についても早く結論を出して、そして新潟でありますとか、豪雪地帯におる職員について、ああ人事院はやっぱりおれらのことを考えてくれているんだと、こういう形でないと、人事院は公務員の利益擁護だなんて言ったって、さっぱりではないかという気持ちを持ちますから、とにかく豪雪加給等の問題も含めて、ひとつ早急に結論を出してもらいたいということを申し上げておきます。  それから人事院に最後にお聞きをしたいのは、公務員法百八条による年金制度の意見、これは何回かこの委員会でやっているんだけれども、うんともすんともあなたのほうは言わないのですね。一体人事院は百八条に基づく年金制度の意見というものをいつ具申するのですか。どういう検討をされておって、そしてこれらの問題についての見解を示すのか、これもひとつきぱっとしたことを答弁願いたい。
  224. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 結局まあ実質的には、最近総理府等の御努力もあって、だんだんと物価ばかりでなしに給与のほうにも基準を置いて考えていただいておるという方向は、私ども歓迎すべきいい方向だと思っておるわけでございます。結局、残りの問題は、いまの条文そのものの問題として、現実にスライド制をとるかとらぬかということに尽きるんじゃないかと思います。そうしますと、これはたびたび申し上げておることで恐縮でありますけれども、やはりほかの公的年金制度その他との密接な関連が出てまいりますので、やはりそう簡単には、単純には踏み切れないんではないか。したがいまして、これは公的年金関係のいろいろな打ち合わせ会がございますが、その方面でいろいろ検討を続けておる、これが実情でございます。
  225. 山崎昇

    山崎昇君 そこで、総務長官にもう一点聞いておきたいんですが、労働省中心で、ILOの百二十一号条約は何か来年くらい批准の方向に持っていきたいという見解があるんですが、これは長官御存じでしょうが、通勤途上の交通事故の問題ですね。そこで、最近のように交通事故が多くなっている、ないし公務員の自宅が遠くなっていて通勤時間が長くなっている。したがって、公務員の通勤途上における事故というものもかなりふえてきているという現状だと思うんです。それから、私があちこち行って聞いてみますと、最近、自治体なんかの場合でもそうですが、行政機関が統合される、あるいは広域化されているんですね。そうすると、いままでは歩いていってよかったものが今度はバイクとか車を配置して、それで行かなければ行政指導ができないという状態にある。一番端的な例は、農業改良普及所なんかがそうでありますが、これは国家公務員のことではありませんけれども、その場合に、こういう方々については、その行く途中で、たとえば国道で事故を起こしちゃう場合がずいぶんふえてきています。そうして本人だけが責任をとらされるような状況になってきているんですね。こういうことを私は考えますと、このILOの百二十一号条約の批准というのは急がなければなりませんが、これらの問題について、一体公務員の交通事故対策といいますか、そういうものについて総理府はどういうふうに検討されているか。また、人事院でもこういう点について検討されているとすれば、どういう点検討をされているか、お聞きをしておきたいと思います。
  226. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) これは外国ではすでにきちっと実施をしておるところもありますし、日本においても当然検討を要すべき時勢の流れになっておると私も思います、実態的にですね。ただ、それらの通勤途上という定義ですね、これについて部内で議論しておりますが、ずいぶん議論百出です。これは俗に戻り道の宴会なり二次会なり三次会なり、そういうようなこと等で、それもやはり通勤途上ならば、帰る途中なんだからということになるのか。いろいろと、そういう極端な例でなくとも、いろいろなケースがあるもんですから、そこで、やはりこれについては諸外国の例等も調査をしておりますが、最も客観的に見て、だれが見てもこれは通勤途上のものであって、当然災害共済の対象になるんだと、そういう基準をつくる必要があるということで、これはなまけておりませんで、やはりもう私は、一方交通安全対策のほうの責任者でもありますから、そういう方面から考えても、やはり公務員というもののあり方というものはきちんとしなければならぬということも考えて、いま検討中——という表現は私はあまり使わないんでございますが、これは文字どおり検討中のことでございます。
  227. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 公務災害補償の関係は、原則は、条文にもありますように、労災のほうと歩調をとれというような規定もございますけれども、私どもは、いま御指摘のような点は前から関心を持って、実は運用のかまえとしては、だいぶそれを認める方向に来ておって、一時は他の外部の人から少し行き過ぎですなといういやみがましい批判を受けたこともあるくらいであります。その姿勢で、今後も、いま山中長官の言われますような限界の問題はありますけれども、合理的な範囲内において、そういう方向でやりたいという気持ちでおります。
  228. 山崎昇

    山崎昇君 これは長官、早急にやってもらいたい。ILO百二十一号条約の中では、通勤の定義についてありますよ。たとえば事業所から毎日食事をとるところまでだとか、あるいは最短距離で家へ毎日帰るコースだとか、ちゃんと三つほどきまっておりましょう。ですから、いまさらあんまり宴会の帰りがどうだとか、そんなのは蛇足でありまして、もう少し国際条約というものを私は政府は検討してもらって、これは職員の能率の問題にも関連し、生命の問題にも関連する問題ですから、十分ひとつ人事院もあわせて私はこれは検討しておいてもらいたい。  そこで行政管理庁、たいへん待たして恐縮でありましたが、一、二点だけお聞きをしたいと思うのです。盛んに新聞紙上で第二次削減が報道されておるのですが、去年の公務員給与実施の際の閣議決定では、何か三年で九%という数字をあげている。いまあなたのほうでは第一分類、第二分類、第三分類というので、この前やったのと同じような方向でいろいろ検討されているようでありますが、いまどんな段階にあるのですか。状況を説明願いたいと思います。
  229. 河合三良

    説明員(河合三良君) お答え申し上げます。昨年八月二十五日閣議決定をいたしまして、三年間五%を上回る削減をするという計画になっておりまして、削減目標は五%を上回るという数字になっておりまして、九%ではありません。ただ九%にわたる職種もあるということでございます。  それから、現在の作業状況でございますが、ただいま前回どおりというふうなお話がございましたが、前回どおりにいたしますかどうでございますか、その点につきましては現在検討中でございますが、なるべく早急に実施したいとは思っておりますが、なかなか事柄が重大でございまして、各省庁とも十分に打ち合わせをしなければならない状況にもございますし、現在一生懸命検討中の段階でございます。
  230. 山崎昇

    山崎昇君 何か聞くところによると、定員管理問題連絡協議会というようなのができて、そこで検討されているというようにも聞いておるのですが、こういうものはあるのかどうか。あるとすればどういう構成になっているのか、お聞きをしておきたい。
  231. 河合三良

    説明員(河合三良君) お答え申し上げます。  定員管理問題連絡協議会というものは、これは昭和四十二年十一月一日に行革本部の幹事会の申し合わせで、事実上そういう定員管理一般の問題についての打ち合わせをするための集まりをつくったわけでありまして、その構成員は、行政管理庁の行政管理局長、それから内閣審議官、内閣法制局参事官、内閣総理大臣の官房人事課長、総理府の人事局参事官、それから行政管理庁の私どもの局の審議官、それから管理官、大蔵省主計局の総務課長、自治省の行政局公務員部の公務員第一課長という構成でございます。
  232. 山崎昇

    山崎昇君 どの辺のことまでやるのですか、そこでは。
  233. 河合三良

    説明員(河合三良君) 定員削減問題につきましてと申しますよりは、定員管理一般の問題につきましての原則的な考え方について相談する集まりでございまして、特に非常に具体的な問題を取り扱うということは必ずしもいたしておりません。
  234. 山崎昇

    山崎昇君 そこで局長、いま検討中と言うのだが、どういうことについてどの程度のことが検討されているのか。ただ検討と言ったってぼくらはわからない。また行政管理委員会からもああいう意見が出されまして、あれは行政機構も含んでおりますが、定員についていまどの辺まで作業が進んでおるのか。全く作業なしに第一分類をどうしようとか、第二分類をどうしようとか、そういう意味の検討なのか。あるいは五%なら五%がもうでき上がって、各省の割り振りができて、それで折衝に入っているという意味の検討なのか。段階がぼくらはわからないのだから、どの辺のことを検討というのか、検討の内容についてもう少し説明願いたい。
  235. 河合三良

    説明員(河合三良君) 具体的な内容につきましてはまだ御報告申し上げる段階でないと存じますが、考え方といたしましては、現在検討いたしておりますのは職種の分類の問題でございまして、それにつきましていろいろな場合を考えまして相談をいたしておるのでございます。
  236. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると局長ね、第一次削減は四十六年度で終わりますね。そうすると第二次の、いまあなたのやっている作業というのは、四十七年度からやるという意味ですか。今年の予算編成の際にそういうものを示すということになると、あともう予算編成までそう時間がないわけですね。事実上最後の大蔵省の決定は、かりに十二月、一月になるとしても、大まかな大蔵省に出す予算というのはおそらく八月か九月だと思うんですね。そうすると、あなた方の作業というのはタイム・リミットとして八月、九月がタイム・リミットのようにも思えるのだけれども、一体四十七年度からやるというのか。しかし四十七年度はなかなかむずかしいからもう一年おくらすというのか、その辺のかね合いはどういうことになりますか。
  237. 河合三良

    説明員(河合三良君) 四十七、四十八、四十九の三年計画でございます。
  238. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、あなたいま検討中というんだが、結論はいつごろ出ますか。
  239. 河合三良

    説明員(河合三良君) 結論の時期につきまして、これはまだはっきり申し上げられる段階でございませんが、できるだけ早い時期にとは思っております。
  240. 山崎昇

    山崎昇君 そんな抽象的なこと言ったって、あなたのほうで作業やっているんでしょうが。私のほうでやるんならそれでいいと思うんですよ。予算編成との関係があるから、私のほうでわざわざタイム・リミットは八月か九月じゃないですか、予算編成の関連からいえば。そういうことをわざわざ私のほうから申し上げておるんですよ。だからあなたのほうで、各省庁から大体予算要求をもうそろそろやっていますね。そうでなければ間に合わないでしょう、四十七年度。だから、タイム・リミットをあなた方としてはどの辺に置いて作業を進めておるのか。それによって私どもは私どもなりに作業段階というものを推測しますよ。だからいま聞いておるんです。どうなりますか。
  241. 河合三良

    説明員(河合三良君) 前回五%削減、第一次をいたしました際は、たしか閣議決定は八月の中旬くらいだったかと思いますが、予算編成との関係もからみまして、私は時期としてはそうおそくなってはいけないと思っておりますが、まだはっきりいつということをきめているわけではございません。
  242. 山崎昇

    山崎昇君 いまあなたは、この前第一次のときは八月半ばころの閣議だと言うんですが、あと三週間くらいしかありませんよ。それじゃ相当作業が進んでいるというふうに私は思わなければならない。相当作業が進んでいるというなら、私ども相当内容的に聞かなければならぬし、資料をもらわなければならぬと思うのです。だが、そうじゃなくてまだまだあなたがさっき言う検討中ということをそのまま信用して、もっと先だというなら、私ども少し時間的余裕あるなと思うんだけれども、いまのあなたの答弁からいうと、相当結論に近いんじゃないですか。
  243. 河合三良

    説明員(河合三良君) ただいま八月中旬と申し上げましたのは間違いでございまして、八月末でございますが、前回はそうでございましたが、今回は必ずしもそれよりもおそいか早いか、あるいはそういったことはまた別かと存じますが、検討いたしておりますのは、先ほど申しましたように分類の問題でございますが、分類の問題がある程度結論がつきますれば、どういうことにするかということで各省庁の折衝に入れると思いますけれども、分類の問題が時間がかかりますと延びるわけでございます。その辺がいつごろになってまいりますか、なるべく早くとは思っておりますが、ちょっといま申し上げかねる状態でございます。
  244. 山崎昇

    山崎昇君 これでやめますが、それで分類がきまった段階で、私どもに資料としてその分類を出してもらいたい。これは国会はやっていないかもしれませんが、私どもなりに分析をしてみたいと思っておりますから、ぜひその分類表を出してもらいたい。いいですね。
  245. 河合三良

    説明員(河合三良君) 分類がきまりますと申しますのは、これが私どもの内部の考え方として一応それを取りまとめるということは、ある段階ではあるわけでございますが、結局それに基づきました数字もあわせまして、各省庁とも相談をいたしましての結果の閣議決定となりますので、これはそういう時期がありますかどうか、私ちょっといまの段階では判断申し上げかねる次第でございます。
  246. 山崎昇

    山崎昇君 ですから、第一分類から第二分類、第三分類、第一次削減のときもとったのですよ。いまあなた方のほうでもそれがきまれば作業が早いんだから、大筋でそれがきまったときには、その内容について私どもに資料として出してもらいたい。
  247. 河合三良

    説明員(河合三良君) ただいま申し上げましたように、分類を私どものほうで一応めどとして考えまして、それに基づきまして各省庁といろいろ相談をいたしまして、それがまだ流動的でございますので、どの段階でそういう段階がはたしてありますかどうですか、私はちょっとその点は自信を持ちかねます。
  248. 山崎昇

    山崎昇君 おかしいじゃないですか、あんた。分類がきまれば、それによって各省ともちろん折衝があるでしょう。私どもはその分類のしかたについて検討したいわけだから、最終的にその分類が、各省と折衝した結果、たとえば第一分類でやるのを少し縮めて第二になおすとか、そういう幅はあるでしょう。幅はあるけれども、第一、第二、第三分類の分け方そのもの、そしてどういうふうにこの分類でやるのか、その内容について私ども資料としてほしいと言うんですよ。ぜひそれは出してもらいたい。あなた方のほぼ見解がまとまったときでけっこうでありますけれども、出してもらいたい。
  249. 河合三良

    説明員(河合三良君) 分類されたもの、それに基づきました数字につきましても、これは閣議決定におきましてきまるということでございますので、決定次第、これは御連絡申し上げることにいたしたいと思います。
  250. 峯山昭範

    峯山昭範君 もうすでに公務員給与の問題につきましては種々質問があったと思いますが、多少ダブる点があると思いますけれども、初めに人事院総裁に伺いたいと思うんですが、給与の勧告も近づいてきたわけでありますが、もうすでに調査も終わって、総裁が最後の調整をやっていらっしゃると思うんです。ことしの勧告についての大体の段取りですね、どういうようになっていらっしゃるか、初めにお伺いしたいと思います。
  251. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 御承知のように、毎年民間調査を基準にしてやっております。その民間調査の結果が最近統計局に回って、まあいわば投票箱が一カ所に集まって、これからというような段階に入っておるわけで、統計局で目下集計中であります。これが出ますのも、大体例年どおりの時期には結果が出ると思います。八月の一日ごろに大体出ます。そういう点をめどにしながら、結局八月中ごろの勧告ということになりますので、私ども、現在基礎的の問題点というようなことを事務的に勉強しておる。たとえば、各省庁なりあるいは組合からどういう要望があるかというようなことをさらに再検討しておるというような段階でございます。  それからあとは、またお尋ねによってお答え申し上げます。
  252. 峯山昭範

    峯山昭範君 いま総裁がおっしゃいましたように、民間の調査をして勧告をするわけでありますが、例年どおりという御答弁でございますけれども、これは人事院が発足した当時ですね、十数年前になるわけでありますが、コンピューターとか、そういうようなものにあんまり使ってなかったんだろうと思うんですが、最近はどうなんですか。統計局、いわゆる投票箱の中の集計ですね、これはどういうぐあいなんですか。
  253. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 民間給与調査等の集計につきましては統計局にお願いしておりますけれども、従来は手集計でやってまいっておったのですが、二、三年前から機械集計のほうに切りかえましてやるようにいたしております。もっとも、非常にこまかい、しかも数がそれほどない、何といいますか、ばらばらの関係で、少しづつ少しづつ集計をするものでございますから、大量の集計としては、非常に能率のいい機械を使った場合に比較しまして、機械効率というのがそうたくさんはあがらないという状況でございます。しかし機械を使ったほうが、ほかのいろいろの、あとから必要なものを抽出するとか、そういう関係で便利な点もございますので、二年ほど前から機械に切りかえた、こういうことでございます。
  254. 峯山昭範

    峯山昭範君 私は後ほどこまかい点については質問したいわけでありますけれども、これは最近のコンピューターの発達等から考えてみますと、いま局長そういうふうにおっしゃいますけれども、やはりめんどうな集計はあるとは思うのですが、調査段階からそのつもりで調査をすれば、私はできないことはないと思うんですよ。その点から言えば、この統計局で調査集計をするという手はずというものは、どうしても私は重大な問題だと私は思うんです。これは後々出てくる質問の中にもありますけれども、私は大事だと思うんですよ、総裁。十年一日のごとく、何カ月もかかって集計をやっているというなら私は非常に遺憾と思うんですよ。たとえば、現在入っている機械はどういう機械なんですか。この機械では、たとえば手で集計をやっていたときと機械で集計をやったときと、どの程度のスピードのあれがあるのか、ここらのところはどうですか。
  255. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 機械のことは存じませんけれども、非常にスピードが早いということはこれは否定できない。たとえば各省の統計調査というものをときどき私どもはいただきますけれども、大体四十四年度とか、四十五年度がいまごろというようなのが普通じゃないかと思います。普通と言っては各省に申しわけありませんけれども、わがほうはもう四月と言ったって、六月ですから、大体調査がほぼまとまりますのは。それが六、七一ぱいでもうでき上がるというのですから、これはスピードとしてはたいへん私は早いほうだろうと思いますけれども、ともあれ、これはもう少し早くできないかということは、おことばを待つまでもなく私どもも考えておる。そのことを中心として、何とか急いで、大急ぎでやって、どのくらい日にちが縮まるかというようなことまでやったことがありますけれども、まあ非常に無理をして、十日か一週間ぐらい。それじゃあ、私が言いたいのは、今年は別ですけれども通常国会が開かれている間に勧告ができて、そうしてその通常国会で法案にしていただいて、そうするともう差額支給も何も非常に早く出るじゃないか、そこに着目して、そういう面のことを検討したことがございますが、一週間や十日じゃあそれはとてもそういう点は間に合いませんから、それきりに話はなっておりますが、しかし、皆さんお待ちかねのことであります。できるだけ早くこれを、結果を公表したいということは御同感でございます。
  256. 峯山昭範

    峯山昭範君 総裁のいまのお話、私も賛成なんですけれども、そういう意図でできるだけ早くやってもらいたいと思うんですけれども、同じことを何回も聞いて申しわけないんですが、いま入っている集計のための機械というものは、これは非常に、どうなんですか、満足なものが入っておりますか。要するに、どうなんですか、これは集計やるのに、各よその省庁は、四十四年や四十五年のがいまごろ出てきている、わが人事院は非常に早いということでありますけれども、それはちょっと事情が違うと思うんですよ。データにしたって何にしたって、必要なデータというものから見ると、実生活にも公務員の皆さんはたいへんな問題なんですよ。前からね。そういう点から言うと、私は何とかそういうところにこそばっちりしたコンピューター・システムや何か導入して、集計が一カ月も二カ月もかかっているということではなくて、データが相当数が多ければあれですけれども、少ないデータでやるわけですから、しかも、固定はしていないでしょうが、ある程度固定されたデータ、こういうことになると思うんです。そうしますと、そういうような機械化という点は、いわゆるいままで手でやっていたときと機械化されたときとは、現在は多少違うと思うのですが、もう一歩進めないといけないと思うのですが、そこら辺はどうなんですか。
  257. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 各省のことを申しまして、これは迷惑をかけるといけませんから、よそのことはもう撤回します。取り消します。  とにかく統計局は、われわれとしてはこれは日本一のいろいろな機械その他の能力を持っていると思いますから、そこで一生懸命にやってくれているということであります。その点を御了承願いたいと思います。
  258. 峯山昭範

    峯山昭範君 どうもまだ——総裁がまあ早くやりたいという意図はよくわかるわけですけれどもね。私が考えているのは、要するにもっと合理化できないものか。要するに四月の一日ですか調査して、それで六月の、まあことしみたいに春闘がおくれてきますと、相当、何というか拾い落としというか、ずいぶん出てくると思うのですよ。できるだけぎりぎり一ぱいまで拾えるようにするためには、やはりそういうふうな調査のスピードを早めるということが非常に大事なことだと思うのですよ。そういう点からいきますと、要するにこういう面での機械化というか、その集計のスピードというのはもうこれ以上早くならないものかどうなのか。これはどうですかね。
  259. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 総裁が申されましたように、六月十五日に調査を締め切りまして、約一カ月半で約五十万以上の調査票について集計をする、集計結果を出すという調査はほかにはございません。日本でこれほど早い調査はないわけです。しかしながらわれわれとしましては、やはりおっしゃいますように、もう少し、もう一週間でも十日でも早くならないものだろうかということが問題でございまして、そういう点でまあ機械のほうに回したらどうであろうかということを前からいろいろ検討してきておったわけですけれども、やはり機械の場合には、何といいますかカードにパンチするところが隘路でございまして、それをパンチしてしまえばあとの集計は機械でさっとやれるわけでございますけれども、やはりいろんな、当面の問題は、俸給表別、等級別、学歴別、年齢別、地域別といったような五つの指標で分けるものでございますから、非常にたくさんの枚数ができまして、そうしてそれぞれのところにはほとんどゼロばかりというような感じのものができまして、非常にその結果が取り扱いにくいというような点もございます。まあいろんな観点で少しでも、一日でも二日でも早くなるようにと思っていろいろ努力はしているところでございます。
  260. 峯山昭範

    峯山昭範君 であればあるほど機械化できると思うのですよ。  それで、初めにこういう質問で申しわけないですけれども、遡及改定率というのですかな、これを始めたのは四十年からですね。四十年はこれはやはり六月の十五日だったんですか。これは初めはちょっと違いましたですね。それでいつから六月十五日までカバーするようになったんですか。これはどうですか。
  261. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 民間の調査の期限としましては、いつまでもだらだらするわけにいきませんので、期限を切るわけでございますが、その調査の期限としては、従前から六月十五日でございます。ただ積み残しの関係としましては、従前は四月分の給与として四月中に支払われたものだけがとらえられてきておったのでございますが、いわゆる春闘がだいぶおくれまして、四月分の給与としてきめながら四月中に支払われない状況が非常にたくさん出てきましたということで、それはやはり四月の状況を十分反映していないだろうということで、四月の分の給与として妥結はして、個人配分まできめましたけれども、四月中のものではなかったというものを別にとらえてくるというのを四十年から始めたということでございます。
  262. 峯山昭範

    峯山昭範君 四十年からそれじゃ六月十五日までカバーしているわけですか。四十年から、ずっと初めから……。
  263. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 初めから。
  264. 峯山昭範

    峯山昭範君 ということは、四十年から現在まで六年、ことしで七年目ですね。七年間もそれじゃ集計のスピードは変わっておらぬということになるのですね。どうですか。
  265. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 調査の規模が、毎年やはり民間の事業所の数が二、三%ずつふえておりまして、たとえば昨年の調査事業所は七千百事業所でございましたが、ことしは七千二百事業所という形で、少しずつふえております。調査人員も昨年に比べて一万人以上ふえておりまして、そういう関係で、やはり全体の調査の規模そのものが大きくなってきておるという点もございます。
  266. 峯山昭範

    峯山昭範君 その点はよくわかりますけれども、私は調査のいわゆる集計の期間をあと何とか十五日ほど縮めることはできないかと、そういうことを結論的には言いたいわけです。そのために、四十年から現在まで六年間も大体六月十五日ですからね。ほんとうはこれを、ことしみたいに春闘の妥結がおくれてきますと、やはり六月一ぱいくらいまでカバーすれば、しかもその昇給率の中で遡及改定率の割合というのは相当な幅になっておりますから、そういう点からいきますと、何とか私は、先ほどから言っておりますように、機械化できるものであるならば、そういう点、予算の面もあると思いますが、そういう点も何とかすべきじゃないか、機械を新しく入れるなり何なりすべきだと、こういう考えがあって、これ以上——集計のスピードは人事院が日本一ということでありますが、しかしながらもう少し早くならないかと、また、なるような手はないかと、これを聞いておるわけなんですが、どうですか。
  267. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 大事な主管大臣の山中総務長官が隣にすわっておられることを忘れて……、しかし、日本一と申し上げましたけれども世界一と言い直してもよろしいと思いますが、あといまお話の点は、なるべく積み残しに当たるものを十分拾うために調査の締め切りをおくらしてということですね。これはよく御趣旨はわかります。したがいまして、その意味での期間の短縮ということもありますけれども、私はもう一つ、さきに個人的なことを申しましたけれども、実は通常国会の終わるまでに間に合わしたいというほうが、むしろそのほうが大事じゃないかという気持ちを持っておりますために、あとおくれてもたいした違いにはならないじゃないかという、ことばは悪うございますけれども、そういう気持ちもあって、むしろ早めるならばやはり通常国会に間に合うようにやはり早めるべきだという方向が大事じゃないかと思っておりますので、ちょっとなまぬるいことをお答えしたわけです。
  268. 峯山昭範

    峯山昭範君 総務長官、そばで聞いていらっしゃって、この問題はやはり私は、総裁、世界一の集計能力とおっしゃいましたけれども、やはりこういうふうなスピードを早めるというのは、公務員給与に直接関係のある部門ですね、何も私はここだけが大事だとは思いませんけれども、そういうふうな集計能力を早めるためのやはり検討というか、こういうものはしたほうがいいのじゃないかと思うのですが、どうですか。
  269. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 私のほうが所管というのは、総理府統計局ということであります。したがって統計局のコンピューターの処理能力は、これはやはり日本一だと思うのです。ただ、総理府統計局に参りますとその処理は非常なスピードで進められるわけでありますが、総理府に持ってまいりますまでの前提のデータの整理というものが正確でありませんと、やはりコンピューターは正確に間違いますから、したがって処理については、コンピューターの部門の協力は統計局においては幾らでも最大限の努力をするという、統計局の職員も、欲と二人連れとは言いませんが、自分たちのベースアップに関係のあることの集計ですから、他の国勢調査その他よりか一生懸命やってくれていると思うのです。その意味で、もし合理化する点があれば、それは人事院と相談をして、こういうところとこういうところまで機械化できるかどうか、そういう御相談に乗ってもいいと思います。
  270. 峯山昭範

    峯山昭範君 この問題については、総裁、もう一つだけ聞いておきたいと思うのですが、これはたとえば、こんなことを聞いていいのかどうかわかりませんけれども、要するに、人事院のそういうことを集計する人数とか定員ですね、そういうような点はどうなんですか。十分なんですか。
  271. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) これはゆめにも十分だとは申し上げられません。少数の人員が、先ほどもお触れになりましたように毎年何人かの病人を出してまで悪戦苦闘してやっている。これだけは御同情をお願いしたいと思います。
  272. 峯山昭範

    峯山昭範君 そういうふうなぐあいであればあるほど、総裁、集計のスピードという点については、やはり今後とも慎重に、何とか早くできるように検討はしておくべきだと私は思うのです。このことは申し上げておきたいと思います。  それから、それでは質問の内容にいろいろ移りたいと思うのですが、同僚議員のほうから種々質問があったようでありますので、できるだけ簡単にやりたいと思うのですが、いずれにしましても、昨年の人事院の勧告は史上最高の勧告であったわけでありますが、しかも昨年は何年ぶりに完全実施とこういうぐあいになりまして、総裁自身も長年の念願がかなっただろうと私は思うのですが、この勧告が完全実施された一つの契機に、これから私たちは、総務長官そこにいらっしゃいますが、完全実施されるであろうことを念願しているわけでありますが、これを機会に、人事院として勧告の方式というか、そういう問題についても、昨年の暮れの国会でも、同僚の鶴園委員からだったと思うのですが、いろいろと人事院のあり方あるいは勧告の方式等、種々再検討すべきじゃないか、こういう意見が出たわけであります。この問題については、その後人事院としてはどういうぐあいに検討していらっしゃるかという問題がまず一つ。  それから給与表そのものにしても、十数年たっているわけでありますが、いろいろな矛盾点もいろいろな点からあらわれてきておりますし、指摘もされますが、そういうようないわゆる給与体系そのもの、あるいはまた勧告の様式そのものについても全般的な検討がなされるべきじゃないか、私たちはこういうふうに考えておりますが、その点についてはどうでしょうか。
  273. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 勧告の様式その他については、いろいろ技術的な面についてはそのつど気づきましたたびに改善を加えてまいっておりますけれども、基本的なかまえといたしましては、今日まだこれは全面的に変えなければならないというところまでの結論は得ておりません。したがいまして、ことしの場合も、おそらく大きな形としては従来のような形で勧告申し上げるということになるのではないかと考えております。
  274. 峯山昭範

    峯山昭範君 どうなんですか、いま現在の給与表そのものがいろいろな欠陥をさらけ出しているということは、私はいろいろな書類を見ても明らかなんですが、たとえば給与表からはみ出してワク外に相当の人がおったり、いろいろな問題が出ているわけでありますが、そういう個々の問題というのがございますね。そういうような問題については、これは個々には検討は重ねていらっしゃるわけでしょうか。
  275. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) そのとおりでございまして、たとえばワク外の問題というようなことにつきましても、現実にそこに何人人がおって、行き詰まっているというような実態をとらえながらこれを措置しておるわけです。これはまた根本的にそういう実態と離れて抽象的にきめたらどうかという考え方もできますけれども、これはやはりこれとして、職務と責任というたてまえから出ていることでございますから、これをくずしていくのにはそこに相当な勇気を要する。したがって現実をとらえて、お困りの方がおるかいないかというところから手当てしていくのが賢明な方法であろう、そういう意味で、技術的な面ということを申し上げたのはそういうことも含めておるわけです。
  276. 峯山昭範

    峯山昭範君 この問題はこまかい問題で申しわけないのですが、初任給調整手当なんという実情に即しない手当というのがありましたですね。調整手当で初任給調整手当というのが、相当長期間にわたって支給されているものがありましたね、さっき。ああいう問題についても一つ一つ私は、現状に即してと総裁おっしゃいましたけれども、そういう点から言えば、やはり一つ一つどういう点が矛盾があるか、ある程度ピックアップして検討をしなければいけないと思うのですが、こういうところどうでしょうかね。
  277. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 初任給調整手当などはまさに現状に即した、これは私どもはいままでの措置は適切な措置である、初任給調整手当で調整をするという行き方は適切な行き方であるというふうに考えております。なお、しかしこれは、お医者さんの場合などその他特殊な職種になってきますと、だんだん苦しいところが出てまいります。一般的な考え方としては、いままでのところ間違っていないという気持ちでおります。
  278. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは、ことしの民間給与の実態調査についてお伺いしたいと思うのですけれども、すでにもう調査も終わって、いま、先ほどお話ありましたように統計局のほうで集計をしていらっしゃると思うのですが、やがて総裁のところへ結果が出るのですね。もう出ておるのですか。これはどうなんですかね。もう出るころですね。これはもう出ていると私は思うのですがね。きょうは七月二十三日ですから、もう出るころだと私は考えていますのですが、その作業の状況もお伺いしたいのですが。ことしの調査で、従来の調査と違って種々やっぱり昨年からいろいろ問題になっている点については力を入れて調査もしていらっしゃると思うのですが、そういうこととあわせて、先ほどからお話の出ました春闘の問題ですね、これは相当やっぱり例年に比べておくれていると私は思うのです。そういう点からいきますと、いわゆるこの追跡調査の問題についてはどういうぐあいに処置をしていらっしゃるか、そういうところもあわせてお伺いしたいと思います。
  279. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 積み残しの問題はかねがね御指摘もありますし、非常に気にしておるところなんです。したがって、ことしの場合も確かにおくれている傾向がありまして、調べに行きますと、まだそれどころじゃないということで門前払いを食わされるということもございました。したがってそういうところには二度、三度と足を運んで把握につとめておるということでございます。そういう点から、あらゆる面から努力をしてつかまえ残しのないようにということでやっておりますから、そんなにひどい結果が出るのじゃないだろうと思いますけれども、しかし、これは何ぶん春闘をおやりになるのは人事院主催ではないわけでございますからして、やっぱりそっちはそっちのほうで、昔は早かったのですから早くやっていただけばこっちはいじめられないで済むがなあという気持ちが胸の中にありますのですが、そう申し上げるわけにもいかず、みすみす公務員諸君がつらいことにならないようにというところの努力は積み重ねておると申し上げてよろしいと思います。
  280. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは具体的にお伺いしていきたいのですが、もうすでに質問があったかもしれませんが、諸手当がありますね。ことしの諸手当についての調査はこれはどういうぐあいになっていますか。特に扶養手当、昨年の住居手当、それから通勤手当、それから特別給ですか、一時金の問題、こういう点についてはどういうぐあいな調査が行なわれておりますか。またその結果等についてはどうですか。
  281. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 民間の給与調査におきまして、手当につきましては家族手当における支給額等について調査をいたしておりますし、また特別給につきましては、年間の支給額とか、支給額の決定要因等についてこまかい調査をいたしておるわけでございます。一方、公務員実態の関係におきましても、たとえば昨年の住居手当の支給の実態等につきまして詳しい実情の把握につとめておるという状況でございまして、現在その結果を待っておるという状況でございます。
  282. 峯山昭範

    峯山昭範君 私たちは昨年の住居手当の問題については、とにかく昨年から実施されるということに私たちは意味があると、そういうように思って了としたわけでありますけれども、しかし、実際内容的に調べてみると、いろいろ問題があるわけですね。政府の政策そのものと、持ち家制度の問題なんかから考えますと、矛盾している点もあるわけですね。そういう点についても、いま局長の答弁ですと、住居手当の問題についても相当調査をしていらっしゃるということでありますから、結論はこれはまだですね。まあいずれにしても、結論が出るまでに、私たちはできたら教えていただければ一番いいわけですね。結論が出ちゃってからではしようがないわけですけれども、いずれにしてもこういう点については十分配慮して答申をお願いしたいと考えております。  それから、すでにこれもあったと思うんですが、一番の関心であります率の問題でありますが、これは総裁は言わないでしょうね。言わないと思うんですが、言えないですね、言いたくても。しかし、現在の、最近のこのいろんな経済指標等から考えてみますと、これは大体のことは予想できるわけですよね。これは、たとえば消費者物価指数というのがありますね。こういうような問題とか、消費支出とか、または常用労働者賃金というのが各労働省とか総理府統計局等から出ておりますが、こういうようなものと過去の答申の状態と比較してみると、大体のことはわかるような気がするわけですが、これは総裁どうですかね。われわれはそういう予想をしていいですかね。どうですか。
  283. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 予想されることは、もちろん基本的人権でもありまして、これは自由であります。ことに従来新聞の関係から申しますと、これから勧告までの間は、私の写真などをお入れになって、予想のパーセンテージはおそらく出ると思うんです。これはおそらくいまおあげになりましたようないろんなデータを総合して推量されてのものであろうと思います。それはもちろんそれでけっこうでありますけれども、私ども立場は、先ほど来スピードが速いのおそいのという御批判もありましたように、統計局にもたいへんな御迷惑をかけ、多額の国費を使って大規模な民間調査をやっておりますので、民間調査の結果に基づいて勧告を申し上げる、その結果に対して裁量も何も加えませんというわけでございますからして、申し上げようがないわけです。これはもうほんとうに選挙の当落の予想と同じ、開票までは何ともわからないと申し上げるよりしようがありません。
  284. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、私は私なりに予想をしてみたいと思うんですが、これは昨年の一二・六七という勧告の状況から見ますと、一昨年が一〇・二%ですね、こういう点から見ますと、または最近の新聞等いろいろ報じておりますですが、今回の改善率というのは、やっぱり昨年よりは低いんじゃないか、その前の年よりは多いんじゃないか、こう思うんですが、これはどうですか。それで、三公社五現業というのがありますね。この賃上げ率、大体これよりちょっとプラスしているというのがいつもの状況なんですが、ここら辺のところは総裁どうですかね。
  285. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 私どものほうとしても、どういう御推測を皆さんお下しになるかというのを興味を持ってうかがっているというのが率直なところでございまして、万事開業を待つということ以外に——これでまたなまじっかなことを申し上げますと、また総裁は何とか%を示唆したというようなことが出まして、公務員の皆さんにあるいは失望を与え、あるいは不当な期待を与えるということになってもこれはいけませんので、われわれとしては厳にその点についてはもう一言も触れませんし、また触れることのできる事柄でもないということで御了承を願いたいと思います。
  286. 峯山昭範

    峯山昭範君 先ほど同僚議員から完全実施の問題については質問があったようでございますが、これは総務長官のほうから先ほど完全実施するという問題についてはこれはどういうぐあいに答弁されたか知りませんが、万難を排して完全実施をすると、大体こういうような答弁をされたであろうと私は予想をしているわけでありますが、人事院総裁のほうは、いわゆる私たちは四月一日実施ということを言っているわけでありますが、これはやっぱりこの点については人事院総裁の決意も一つは必要だと思うのですね。  それから総務長官のほうは、もし昨年と違って四月一日実施ということが勧告されるかもわからないわけですね。これもあわせて、これはどうですか。
  287. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) まず原則は、政府として完全に勧告どおり実施いたします。そして今度は、たいへんじょうずな表現でしたから私のほうでお借りして、四月実施の勧告があるかないかは開票待ちということにいたします。
  288. 峯山昭範

    峯山昭範君 総裁どうですか。
  289. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) これはたびたび、ことに最近たびたびお尋ねをいただいているところであります。四月説は一理なきにしもあらずというようなことで、謙虚な立場でそれこそ慎重に検討を続けておりまして、まだ結論は得ておりません。
  290. 峯山昭範

    峯山昭範君 総務長官、時間があれだそうですから、一つだけお伺いしておきたいと思うんですが、これは前々から総務長官に、私は第三次公務員制度審議会の問題について前回も質問をいたしましたが、なかなかその後、任期満了後相当たつわけでありますけれども、なかなか発足しないわけでありますが、この点については総務長官早々に発表したいというような話もありましたし、また先国会では、労働者委員のほうの問題とか、いろいろなお話もありましたが、これについてはどういうぐあいになっているのか。やはりこの公務員制度審議会で審議されている労働基本権の問題等については、私はやはり重要な問題があると思うんですね。そういうような問題もありますので、第二次の答申なんかも並列しておりましたし、あのままじゃどうしようもないわけです。やはり私はこの問題についても非常に重要でありますので、これは早急にやっぱりスタートをさして、そうしてある程度のめどをつけなければいけないと思うんですが、この点いかがでしょう。
  291. 山中貞則

    国務大臣(山中貞則君) 公務員制度審議会の発足については、地方選挙、すなわち知事会その他の代表もありますから、そういう関係、並びにそれぞれの労働団体等の大会等の時期、こういうものも踏まえまして、おおむね私のほうも直接会わなければならない人には会ったりなどいたしておりまして、来週じゅうあたりにはそれぞれ使用者側、労働者側、中立委員——学識経験者側、それぞれにお願いをする人選を始めたいと思っておりまして、したがって、それが終わりましたならば、すみやかに第三次公務員制度審議会の、先般第二次の終わりに答申を得た事柄のうち緊急な問題についてまず手がけていきたいと考えております。
  292. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは配分の問題についてちょっとお伺いしたいと思うんですが、昨年の人事院の勧告によりますと、俸給表について、初任給ですか、初任給と、それから世帯形成時の職員ということを軸にして給与の改善が行なわれた、そういうぐあいに私たち認識しておりますんですが、今回の改正のおもなポイントというのはどういうところになっているのかということをお伺いしたいんです。  それで、実は昨年改善はされましたけれども、やはり初任給は、民間、特に公労協等と比較をしても、私は現在でも公務員はやはり四千円から五千円ぐらい安いんじゃないかというような話も聞いておるわけであります。こういうような点について、どういうぐあいに改善を行なう予定なのか。  それから、さらに三十五歳前後といいますか、そういう中堅職員を重点に改善をすべきじゃないかという声も聞いたことがあるわけでありますが、こういうふうな点についてどういうぐあいにお考えでしょうか。
  293. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) お話のとおり、初任給は、これは公務員の採用の責任官庁としての立場から申しましても、やはり何といっても一番の重大関心事であると申し上げてよろしいと思います。したがいまして、ことしもその点に重点を置くことはまあ間違いない。ただ、公労協のお話がときどき出ますですけれども、公労協の初任給の場合を見ますというと、大体これは日本の企業のほんとうのトップレベルのいいところにむしろ匹敵するぐらいの初任給でございます。それからあとずっと給与体系として全部中のほうもふくれてずっといっているかというと、まあそうでもないという一つの配分上のそこに苦労が入っておるように思います。したがいまして、われわれとしては別に公労協を参考にするわけではありませんが、要するに民間の給与調査の結果に照らして公正な初任給を定めたい。  それからあと、いまの二人世席、三人世帯というような点も、やはりことしも無視できないんではないか、その辺にもはやり注意をしていく必要があろう。まあ大ざっぱに申しましてそういうことは申し上げられると思います。
  294. 峯山昭範

    峯山昭範君 それから次に俸給表別の改善についてお伺いしたいんですが、これは一つは、六十五国会、先国会で教職員の調整額を内容とした、百分の四ですか、いわゆる教特法が成立しましたですね、この問題が一つと、それから科学技術庁から研究公務員の処遇改善についてという要望が、これはもうすでに行っていると私は思うんですが、これはやはり五・五%かのアップをお願いしているわけですね。そのほか七月には文部省からも要望が出ておると聞いておるんですが、こういうような問題については、人事院はそれぞれの省庁の責任者から申し入れが行なわれているわけでありますが、こういうような要望についてはどういうぐあいに処置をされていらっしゃるのか、初めにお伺いしておきたいと思います。
  295. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 各省庁それぞれやはり部内の公務員のために各種の要望をお出しくださいますし、さらにまた公務員の組合関係からも、あらゆる団体から要望が出ておる、これはたいへんな要望の数になっています。私どもはそれを整理いたしまして、勧告作業に当たります前に、そのつど伺ってはおりますけれども、もう一度それに一々目を通して検討をしておるわけであります。その御要望を全部盛り込もうということになりますというと、格差が四倍あっても五倍あっても足りないということになりますから、そこで結局また重点的に配分を考えなきゃいかぬということになるわけでありますけれども、たとえばいまお示しになりました研究職などは、実は去年相当思い切ったことをやりまして、まあ関係者は少なくとも心の中では喜んでくださったと思うくらいに思い切ったことをやりました。しかしまだそれでも、ことしの格差がどう出ますか、出ましたら出ましたなりにまた力を入れなきゃならぬ、そういう気持ちでおるわけです。したがいまして、これからあと民間調査のこまかいところが出てまいります。それと照らし合わせながら、各省の要望あるいは各組合の要望、かみ合わせて適正な勧告をつくり上げたいと、そういう態度でおるわけであります。
  296. 峯山昭範

    峯山昭範君 それじゃ、いまの問題について、その中でも特に私は聞いてびっくりしたわけでありますけれども、給与表の中でも行(二)の問題ですが、これはどうなんですか。生活保護基準以下のものがあるということを聞いているわけでありますけれども、これはもしそれがあるとすれば、これは私ほんとうに非常に大事な問題だと思うんですよ。それで、この点について、各省庁の人事担当課長会議というのがあるらしいのですが、そちらのほうでも去年に引き続いて、特にことしもそういう点について是正をしてもらいたいという要望が出ているというようなことも聞いておりますんですが、その中でも特に、免許を有する技能職員ですか、こういう方々、特に採用難という点もありますし、特に一般の会社等で考えてみても、これはやっぱり自動車、タイプ、それから電話の交換手とか、それぞれ優遇されていると私は思うんですがね。そういう点から考えてみても、やはり民間と比較するというような意味から考えてみても、私は民間との給与の均衡をはかるという点からいけば、こういう方々の改善の処置というのは、これは非常に最も優先して行なわなければいけないんじゃないか、こういうように考えておりますですが、こういうような点については、人事院としてはどういうぐあいにお考えでしょうか。
  297. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 技能職につきましては、これは例年要望がございまして、ことしも要望がありましたことはおっしゃるとおりであります。私どももその点については、相当大きな関心を持って今後臨もうと思っておりますが、最初の生活保護基準の問題は、またそれとは別の角度の、もっと基本的な問題でございまして、このほうは特にわれわれとしては、要望があろうとなかろうと、こっちで考えなければならぬ問題だろう。ただし筋論を申し上げますというと、生活保護というのは、これは一種の社会保障制度で、公務員給与は勤務に対する報酬ということでありますから、性格は違うことなんです。すべて生活保護基準に当たるような人は公務員の中にはあり得ないものだということは申し上げかねる。公務員だけが特権的に保護基準を受けることが絶対ない給与が保障されているということは、これは一般民間との関係がございまして、申し上げ切れませんけれども、しかしそれは理屈として、われわれとしてはその点に従来毎年のことでありますけれども、非常に大きな関心を払って、さればこそ先ほど触れましたように、行(二)の方々の待遇改善には特に力を入れて、これはほんとうに実績をお目にかけてもいいぐらいに力を入れております。したがいまして、いま御指摘のようなお気の毒な方方というのは、これは目に見えて減っておるはずであります。これは一々プライバシーにわたりますから、詳しいことは申し上げられませんけれども、そこのすれすれのところまでわれわれは調べた上で申し上げておるのであります。
  298. 峯山昭範

    峯山昭範君 その生活保護基準以下のこの人たちは、現実にはいるかいないか、その点についての調査というのはこれはどうなんですか。人事院としてはやっていらっしゃらないわけですか。その辺のところ、どうですか。
  299. 尾崎朝夷

    説明員(尾崎朝夷君) 生活保護の適用を受けるか受けないかという点は、給与だけの問題ではございませんで、ほかのいろいろな収入その他扶養関係であれしておるものですから、私どもとしましては、給与の関係から、いわば生活保護基準との関係でどうなっておるか、お互いの関係はどうかという点で給与面からチェックをしておりまして、いま総裁が申されましたように、そういう非常に近いところの関係については、個々に調査を毎年やっております。
  300. 峯山昭範

    峯山昭範君 個々の問題として、特に最近航空機の事故が多いわけですが、航空管制官ですね、これについては、特に航空機という問題、非常に重要な問題でありますし、管制官が不足しているということは私どもよく知っているわけでありますが、非常に採用難であるということも伺っておりますですが、そういう点から考えてみても、これは待遇という問題が私は非常に大きな問題になってくると思うのですが、この点について、やっぱりある程度考えなければいけない時期が来ているんじゃないか。それから昨年もお医者さん、相当優遇されるようになりましたけれども、それでもまだ大学の医学部の先生とそれから大学病院のお医者さんとの間には、やっぱり俸給表の違いもありましょうけれども、初任給調整手当等の支給等の面から考えてみても、やはり待遇上にこれはいろんな差別といいますか、格差というのがあるんじゃないか、こういうように思っておりますですが、この二点については、これは人事院としてはどういうぐあいに考えていらっしゃいますでしょうか。
  301. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 航空管制官の問題は、これはもう前から私どもも相当力を入れてまいっております。現にことしの四月にもその手当を増額したぐらい、できるだけのことをやっておるわけです。しかし、たとえば「ばんだい」号の事件というようなのが起こりますと、これはどういうわけだ、要するに函館の場合については航空管制官が配置されていなかった。これはどういうことで配置されていなかったのか、給与に関係あるかないか、というところまで実は心配してわれわれは常に考えておるわけです。で、航空管制官の志願者というのが大体九倍ぐらいある。まだ志願者は相当あるということも調べてある。それから退職率はどうか、退職率も普通の公務員の平均よりもむしろ低いということも、そんなことも考えながら、むしろ気にしながらやっておるということだけは御了解願いたい。
  302. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは給与の問題につきましてはもう一問で終わりますが、最後に、もうこれも質問があったかもしれませんが、手当の問題で、先国会で児童手当が成立したわけでありますが、これはまあ来年の一月から第一子から第三子ですね、月額三千円という児童手当が支給されるわけでありますけれども、これと関連して、これはまあ関連して考えるのはちょっとおかしいか知りませんが、扶養手当というこの制度というのがやっぱりいろいろ問題になってくると私は思うんですがね。現在の私は扶養手当をふやせばほんとは問題ないわけですよ。三千円までふやすというのはちょっと行かぬかもしれませんけれども、これはたとえば児童手当との関連から考えてみれば、現在の扶養手当というのはあまりにも低過ぎるという感じがするわけです。こういう点についてはどういうぐあいに改善されていらっしゃるつもりか、そういう点をお伺いしたいと思います。  それからもう一つは住宅手当の問題ですね、これもやっぱり矛盾点がいろいろあると思うんですよ。先ほど調査を相当やっていらっしゃるということでございますので、この点もあわせて一刻も早く改善をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  303. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 児童手当の問題は御指摘のとおり、これはなかなかむずかしい問題を含んでおると思うのでありまして、重複して併給すればこれはきわめて簡単のようでありますけれども、それがそれでいいものかどうか。たとえば審議会の意見の中にも、公務員の給与とば併給をしないということも出ておりますし、あるいはまた、併給をしないことにしておいて、その分の原資はほかの給与のほうへ回したほうがいいんではないか、というような考え方もございます。これは非常にむずかしい、かつデリケートな問題を含んでおりますために、なおいま検討中でございます。  それから住宅手当の問題は、先ほど給与局長が調べておると申しましたのは、去年できたばかりでございますので、その適用の実態をいま調べておるということでございまして、運用の実態を調べて、そうしてさらにどういう点を手直しすべきだという、将来の改正に資しようというところを調べておるのであります。あと、自宅、持ち家の人、その他の問題は、なお今後のまたそれは研究問題としてわれわれとしては意識を持っておるわけでございます。
  304. 峯山昭範

    峯山昭範君 これで終わりますけれども、いまの住宅手当の問題は、運用の実態を調べているということは、昨年実施されたいわゆる住宅手当の問題がどういうぐあいに運用されているかということを調べているということは、何もやっていないということですね、結局。要するに、住宅手当そのものがどうであるか、住宅手当——たとえば持ち家制度、これは政府が進めておる持ち家制度です。自分で家を建て、毎月毎月払っている人たちには住宅手当は行かない、そういうふうな問題も一ぱいあるわけですね。こういうようないわゆる矛盾している問題もずいぶんあると思う。そういう点については調べていない、昨年実施された運用の問題だけをいま調べているということですと、これはまた問題だ。
  305. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 持ち家の問題は、去年住宅手当を実施いたしますときに、データとしては民間の調べをしているわけです。しかしこれは、かねがね住宅手当を早く出したらどうだという御要望がここでもありましたときに申し上げましたとおりに、実施にかりに移すにしても、持ち家の人はどうするかというむずかしい問題がありまして、なかなか踏み切りができませんということを訴えてまいったわけです。それにもかかわらず実は去年踏み切ってしまったわけです。したがって、その辺の問題はまだ残したままで踏み切ってしまった。山中総務長官は一年早かったということをいまでもしきりに言っておりますが、私は早かったとは思いません。善は急げで、これはこれでよかったと思いますが、しかし宿題は宿題として、むずかしい問題として残っておる。今後の研究課題であるというふうに考えております。
  306. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうすれば、昨年宿題で残っておるわけですから、その持ち家の問題については、家賃を払っていると同じようにお金を払っているわけですよね。そういう点からいうと、昨年宿題で残っておったとすれば、ことしの勧告の中にもある程度そういう点も考えられるのじゃないか。これはどうですか。
  307. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 去年のねらいは、主として公務員宿舎に入っている人と入っていない人とのアンバランス、ことに若年層の若い人たち、貸し間に住んで困っておられる方々、これをねらってやったのですから、これはこれでいいと思います。ただ持ち家の問題になりますと、借金して建てた人もありましょうし、あるいはつめに火をとぼすようにして、月々の月給を節約して家を建てた人もありましょうし、いろいろなバラエティがありますものですから、なかなかそれは単純には割り切れません、むずかしい問題を含んでいる、そういうことです。     —————————————
  308. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) それでは、引き続きまして国家行政組織に関する件について調査を行ないたいと存じますが、本件調査のため、参考人として佐藤正雄君、江口俊男君及び古澤實君の三君が出席しておられます。  初めに大石環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。
  309. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) 環境庁長官の大石武一でございます。  去る七月一日に環境庁が発足いたしたのでございますが、この委員会はその環境庁の生みの親でございます。したがいまして、皆さまに一言お礼のことばを申し上げたいと思って出てまいりました。  申すまでもなく、公害の防止と自然環境の保護整備は、現在最も緊急かつ重要な社会的、政治的課題として、広く国民各位から解決を要望されているところであります。このため政府としては、公害行政の一元化と自然保護行政の推進をはかり、もって環境保全対策の抜本的な充実、強化を行なうため、委員各位の御協力と御援助によりまして、前国会において環境庁設置法の成立を見、ここに環境庁を発足させるに至ったのであります。御承知のように、この環境庁におきましては、従来各省庁に分散していた各種基準の設定、監視、測定、取り締まり等の公害規制に関する権限を集中し、公害行政の一元化をはかるとともに、自然公園行政、鳥獣保護行政等の自然環境の保護整備をも行政の対象とするほか、さらにこれらに関連する各省庁の事務及び経費の見積もり方針等について強力な総合調整権が与えられているのであります。環境庁の組織としては、設置法で認められました長官官房と企画調整局、自然保護局、大気保全局及び水質保全局の四局をもって構成され、そのもとに審議官一、参事官二のほか十九課一室が設けられております。さらに、職員構成を見ますと、特別職を含めて定員五百四名となっており、いずれも各省庁から特に選抜された環境保全行政に対する熱意と意欲の高い職員であります。環境庁にこのような権限と組織が付与されたことによりまして、今後公害の防止と自然環境の保護整備に関する施策の総合的かつ強力な推進が十分に期待できると考えております。  私としても、この新環境庁において環境保全行政の推進に誠心誠意努力をいたし、もって国民各位の御期待に沿う覚悟でございます。  終わりに、委員各位の今後における一そうの御支援、御協力お願い申し上げまして、お礼のことばにかえさせていただきます。(拍手)
  310. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) それでは、御質疑の方は順次御発言を願います。
  311. 峯山昭範

    峯山昭範君 先国会におきまして環境庁が成立できましたわけでありますが、当委員会におきまして環境庁設置法の審議をいたしました。実は、その環境庁審議の際に種々私は資料等要求をし、あるいは環境庁そのものの問題についてもあらゆる角度からこの問題について取り組んでまいりましたのですが、当時まあ資料の不備もありましたし、また参考人出席できなかった問題等もございまして、審議が未了になっておりますので、きょうはこの機会に、そういう問題等も含めて質問をさせてもらいたいと思っております。  それでは初めに、種々質問をしたいわけでありますが、いま大臣から説明がございましたように、何といいましても、環境庁は公害の防止ということにこれは非常に大きな役目があると私は思うのですね。それからもう一つは、いま説明ございましたように、自然環境の保護ということですね。この二つは、私は少なくとも環境庁がこれから取り組んでいかなければならない重要な課題であると、こういうぐあいに認識をいたしております。  であるならば、まあたとえば、その公害をなくするために立ち上がった人たちというのがおりますね。また自然を保護するために立ち上がった人たちというのがおります。こういう人たちを少なくとも環境庁としては全面的に応援をし、協力をしながら、自然を保護し、あるいは公害をなくするために協力し、何というか、応援をしていかなければいけないのじゃないか。そういう立場に私は環境庁はあるであろうと思うのです。そこで、この点をまず大臣、どうですか。
  312. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) 御意見のとおりでございます。環境庁は、要するに国民の側に立って、公害の防止、生活環境の保全ということを考えなければなりませんから、御意見のとおりの方針でまいりたいと思います。
  313. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは、具体的に私はまいりたいと思うのですが、大臣御出身の宮城県の問題を私はきょうは取り上げて、具体的に話を進めたいと思うのでありますが、できるだけ大臣にもわかりやすく説明をしたいと思うのです。  まず初めに、塩釜というところは大臣も御存じですね。これはきょうは塩釜の議長さんお見えになっておりますが、まことに申しわけないのですが、百科辞典にも非常に悪臭の強いというようなことが出ております。きょうは書いてきましたけれども、大臣御存じでしょうから読みませんけれども、塩釜としましても、大臣御存じのように、昭和四十年、四十一年ころから、いわゆる悪臭をなくしよう、そうしてほんとうに住みやすい、明るい町にしよう、こういうわけで、市長さんをはじめ、塩釜市議会が立ち上がった。そうしてこの魚のいわゆる加工者の皆さんが、市内にたくさん散らばっておりますね。ですから、そういうような人たちをできるだけ一カ所にまとめて、そうして市内のいろいろなにおいをできるだけなくしていこう、こういう意味で塩釜市が立ち上がったわけです。これに対して大臣はどういうぐあいに思いますか。どう評価しますか、これ。
  314. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) まことにけっこうな考えでございまして、その先見の明に敬意を表します。
  315. 峯山昭範

    峯山昭範君 それだけお伺いしておけばけっこうです。  今度は市の要請に応じて、市内の零細な魚の業者の皆さん、たくさんおります。それはもう大臣も御存じのように、おうちで魚だけやっているのですから、大企業なんというものじゃ私はないと思います。非常に零細な業者ですね。こういうような皆さんが、市の要請に応じて、自分の長年そこでやってきた仕事をやめて、そうして一カ所の団地に移ろうと、こういうことになったわけです。これに対して、これはもう業者の皆さんも、それこそもう先祖代々やってきた仕事のところをやめて団地のほうへ移って仕事をする。これもやっぱり根本的には、市内の公害をなくしていこう、こういう意味でそういうところへ移ることになったわけなんです。こういう移ろうとされたこの業者の皆さん方の意図ですね、これは大臣どう思いますか。
  316. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) これは私は二つの方面でまことにけっこうなことだと思います。  一つは、おっしゃるとおり、公害撲滅に協力されようというけっこうな崇高な御精神と、もう一つは、やはり時代とともに商売のやり方も変わってまいりますから、新しい商売の方法に移られるという進歩的な考えでございますから、まことに二つの意味でけっこうなことだと思います。
  317. 峯山昭範

    峯山昭範君 そこで私は、少なくとも議員として、自分のたとえば地元だからとか、そんなことは一切なしに、白紙の立場で、私は現地にも行きましたし、またいろいろな話も聞きました。ほんとうに地元の皆さんの熱烈な気持ちに対しても、私は、国として何とかこの事業を成功さしてやらなきゃいけないということを感じました。  ところが現実には、大臣、これはもう地元の皆さん方はたいへんな状況にあるわけです。きょうは地元の議長さんがお見えになっておりますので、概略の経過並びに現状というものについてこれから説明をしていただきたいと思いますが、佐藤さん、よろしくお願いします。
  318. 佐藤正雄

    参考人佐藤正雄君) ただいまはたいへん塩釜のためにあたたかいお話をちょうだいいたしまして、私、議長といたしまして感激一ぱいでございます。  きょうは私のほかに、現在の産業常任委員長であります鈴木甚三郎、並びに当時加工団地の理事といたしましてこの問題と現実に取り組んだ人、そして今度新たに議員になりました加藤豊吉議員が来ております。それに前回の、この問題を取り上げるために相当また議員の立場で苦しみました前産業委員長の瀬戸盛雄議員が来ております。なお財政問題につきまして担当しております総務教育の委員長早坂鉄郎議員が来ております。と申しますことは、この問題は塩釜の消長浮沈にかかわる重大問題であるから、そのような態勢で諸先生方にお願い申し上げろという激励を昨日ちょうだいいたしたわけでございます。ほんとうにこのような機会を与えていただきまして、われわれ末端の議員といたしましてほんとうにありがたく、ありがたく、言うならば一面恋人に会うような気持ちでございます。また半面かぜを引いたカラスのような心境でもございます。これをよく皆さま、われわれの心中をお察しくださいまして、私がただいまかいつまんで申し上げますことをお聞き取り願えれば幸いと思うのでございます。  かいつまんで申し上げます。まずもって、加工団地組合を組織するまでの経過でございます。いまから申し上げますことは、いろいろ揣摩憶測、またデマ宣伝をとられておりますので、はっきりとこの場所において真実を申し上げたいと思うのでございます。  市内に散在するおよそ二百六十余の水産業者を一カ所に集めまして、これから排出される汚水を共同処理し、そして宮城県で定めております公害防止条例の水質基準、すなわちBOD一〇〇PPM以下にして放流をして、公害をなくしよう。そして塩釜湾内の水質保全と浅海漁場の保護を目的といたしまして、この団地を建設しようという計画が昭和四十二年当初からあったわけでございます。しかし、市内の水産加工業者は中小零細業者であるために、工場の移転及び公害防止施設の建設には、財政負担能力から見てきわめて消極的であったわけでございます。しかし、われわれ議会といたしましても、やがてくる公害問題を踏まえまして、その前提に立ちまして、市とともにこの水産業界の発展のためにも、どうしたらこれが解決できるのかということで、よく業界と話し合いまして、そして国のほうの御指導を願い、公害防止事業団の御指導を願い、県の御指導を願い、水産加工業の団地化に踏み切ったのでございます。そしてこれを実現させるために、加工業界の代表者を集めまして、塩釜水産物加工団地事業促進協議会を四十二年九月に発足させまして、さらに十二月の十四日に、水協法に基づく塩釜市の団地水産加工業協同組合の発足を見たわけでございます。資金といたしまして六千六百万、組合員といたしましては二百六十四名であったわけでございます。  しかし、いろいろ財政問題にも悩んでおりました関係上、市におきましても、四十四年度から四十六年度まで、公害防止のためにやるものであるから、とりあえず一千万ずつ毎年助けてやろうじゃないかということを議決いたしました。県に対しましても、やはり県は安閑としてはいられないではないかということを申し上げまして、知事さんから四十四年度に一千万をちょうだいいたしたわけでございます。しかし、浄化槽の機能の不全のため、全く困ってしまいまして、次のような対策を立てました。昭和四十四年一月以降の最盛期は、関係各機関との間で協議を重ねまして、機能不全についていろいろ物理的に化学的にその原因を探求し、そしてりっぱなものにしようじゃないかということをここで話し合ったわけでございます。また、機能不全の応急対策といたしまして、ラグーンという、すなわち汚水を入れる池を四十四年の七月から九月までに何とかつくってほしいということをお願い申したわけでございます。しかし、昭和四十五年の一月以降の最盛期は、このラグーンを設置したにもかかわらず、これが飽和状態になりまして、また、機能が思うように回転しないために、この不純物として出てまいりましたベト処理には全く困りまして、十二月の末から一月の初めまでには相当の量が出ますので、どうしてもこれを処理することに苦慮したわけでございます。しかし、このベトと申しますものは、学者に聞きますというと、原初にはベトというものはなかったそうでございます。しかし、われわれといたしましては、ベトが出るということをこれは前もって——ベトというものはあるのでございますから、そう言われましてもわれわれはこの処理を考えてつくったのじゃないかということで、まあいろいろ協議をしたのでございますけれども、あいまいであったわけでございます。  このような状態が続きましたので、困ってしまいまして、市から職員を二名派遣いたしまして、とにかくこのベト処理に全力を尽くせということで、一生懸命苦労したのでございますけれども、あまり出るので、とにかく何ともかんとも処置ができない。こういうことに要した費用というものは相当ばく大なものであったわけでございます。しかし、議会もこの問題を等閑視できませんので、ベトの捨て場を、市内のある百姓の方にみんなで行って頭を下げまして、そのたんぼを譲っていただきまして、そのたんぼにいまは一応ごみとまぜましてごまかして焼いているのが現状でございます。ところが、その周辺の百姓並びに民家から、むさいような煙を出してよごして何しているんだというふうに、今度は逆に煙のほうから文句を受けまして、全くほとほともうしようのないような状態でいるわけでございます。  さらに、この団地組合は、施設改善のためにいろいろな工事をいたしました。その工事は、大体三千万もまた自分の金を出している。そしてこの第四期の決算には六千万に及ぶ赤字が出ているというような始末でございます。このようなことがあったために、せっかく水産加工団地をつくりまして、先ほど申されました集約をして、そして公害を防止しようとした問題も一応挫折をしてしまったわけでございます。しかし、嘆いてはおられません。御存じのとおり、隣に観光地松島がございまするので、これがなにになったならば、今度は松島から文句が来、また七カ浜から文句が来、また多賀城の一部から文句が来、四面楚歌の状態におきまして、議長も議会も苦しんでいるのが実態でございます。これは偽らざる真実でございます。  そのような状態に立って、しからば一体、いま塩釜の事情は財政的にどうなっているのか、これをつくるときはどうしたのかという疑問があると思いますから、はっきり申し上げます。この工事をするときの経費は四億九千六百万、これは公害防止事業団から、金でなく施設で譲り受けたものでございます。これは二年間据え置きで二十年、年利六分で返さねばなりませんから、二十年後には約九億の金を返すということになるわけでございます。そしてこの事業の目的といたしましては、一日三百二十トンの魚を、すなわち、われわれはスケソウと称しまして、さつまあげ、かまぼこをつくる北海の幸スケソウでございます。この三百二十トンを六百八十トンの水で処理して、そして二、一三〇PPMのよごれを一〇〇PPMにするんだという施設で譲り受けたわけでございます。ところが、そのあと何と二、一三〇PPMどころか、一〇、〇〇〇から二〇、〇〇〇、施設によっては三〇、〇〇〇をこすというデータが出てまいったわけでございます。さあ困ったもんだ。二、一三〇といったのが何年もたたないうちに一〇、〇〇〇から二〇、〇〇〇、ひどいときは三〇、〇〇〇、それではどうすればいいんだということでいろいろ苦慮したのでございますけれども、せっかく国のほうでも出してくれた金であるから何とか直らないか、これを直す方向に前進しようということで、四十三年から四十六年まで、これを直すために市民の血税を七千万ほど入れているわけでございます。先ほど申しました一千万ずつのほかに、約四千万の金をたたき込んで、これを直そうじゃないかという努力をしてまいったわけでございます。これは具体的に明細を出せというなら、四十三年から四十六年まで、どういう金を出したか、ここで説明をしてもよろしいけれども、これは末節論でございますから、とにかく四億九千六百万の事業費のうちに市が七千万の金、血税を出して立て直そうとした努力、これだけは買っていただきたいと私思うのでございます。そうしているうちに四十六年の九月の二十日、この日に元金が千四百万ほど、利息が千六百万ほどを払わなくちゃならないのでございますけれども、六月の二十六日に市長あてに、とても払えないから一千四百万の元金は伸ばしてくれ、それから千六百万の利子はまけてくれろという書類を市長のほうに出したということでございます。私らもびっくりしたわけでございます。私は払うものは払う、やるものはやってやれと、こう言っていたのだけれども、何ともかんともかっこうがとれないからということでお願いにきたということでございます。  それで、今度四十四年から四十六年まで一体塩釜をだれが見にきたかということを調べましたら、この間に三百三十三カ所からこの加工団地を見にきております。外国といたしましてはベネズエラ、それからタイ国、中華民国の台湾省、それから北は北海道から南は鹿児島の果てまで、あまりにも有名になったのでわんさわんさと三百三十三カ所から来ておるわけでございます。この人々に対する説明にうんと苦しんだわけでございます。どうして説明したらいいのか説明のしようがない。市長はどんな気持ちかわかりませんが、ある次長さんには、とても成功いたしましたと。ほんとうにこれは成功いたしましたから皆さんも喜んで見てください。ところが新聞には大騒動のようにあがっておりますので、その次長さんは私のところに来まして、新聞ではずいぶん失敗したと書いているのに、市長さんが成功しましたというのはどういうことですかということを私、聞かれました。で、私も困ってしまいまして、市長の言うのは、日本全国のそのような都市に塩釜のような加工団地をつくるなということで成功したんだと。私は成功したと思わない。こういうものを奨励したならば都市もみな貧乏する。だからそれは私は失敗だという。だから、失敗なものをつくったから今度つくるなということで成功したというなら話はわかる。わしはこういうふうに説明したら、なるほどねと、こういうことを私に言ってくれたわけでございます。それで、これを裏づけることといたしまして、昭和四十一年の九月に水質検査をしてくださいました。これは県とそれから市とそれから事業団の方がおいでくださいまして、市内の工場三カ所、湾内三カ所、そういうものを検査してくれまして、県の資料とあわせて、先ほど申しました二、二二〇PPMにきめたということでございます。  そのあとございますけれども、皆さまのいろいろな御意見もあると思いますから、大体この辺で、私、やめるんでなくて一応休憩をするということで御理解を願いたいと思います。
  319. 峯山昭範

    峯山昭範君 まあ参考人の方からいま説明ございましたですが、まだまだ塩釜のこの問題についての非常に市議会当局としてもまたいろんな悩みといいますか、苦労というのは、これはきょうの委員会の時間でしゃべっておりましても尽きないぐらい私はあると思うんです。ですが、時間の関係もございますので、話をちょっと進めたいと思います。  実は、いま説明がございましたように、この問題につきましては私たち内閣委員会におきましても過去二回にわたりましてこの問題をやってまいりました。そこで、私は確かにいま説明がございましたように、塩釜の加工団地を成功させるということについては、先ほど長官からもお話がございましたように、私は非常にいろんな意味がある。確かに意味があると思うんですね、私は。いま全国、また外国からも塩釜の団地を見にきているというお話でしたが、確かに、たとえばどういうような意義が考えられるかといいますと、中小零細規模の水産加工業の団地化、集約化というのは、これから何といいましても排水処理というのが非常に重要でございますので、いわゆる排水処理、それから悪臭処理、そういうような意味から私は集約化をして、そして海水の汚染を防止する、こういうような意味がまず一つあると思うのですね。それから、こういうふうな加工団地を公害防止事業団としても今度初めてやったわけです。そして初めてやった事業であるだけに、全国の水産業者のほうがこれは注目しておるわけです。またこの団地が成功するかどうかということによって、零細な加工業者でもいわゆる集約化してできるかどうか、こういうような意味が私はあると思うのです。当然、水産庁としてもこういう問題についてはもう重大な関心を持って検討し、考えていらっしゃるであろうと私は思うのです。そこで、種々問題があまりにもたくさんありますので、ポイントを今回の重要な点にしぼって質問をしてまいりたいと思います。  そこで、何といいましても県が決意をし、市が決意をし、そして業者の皆さんがこういうような問題について決意をした。そして公害防止事業団にこの装置を頼んだのですね。ですから事業の主体はあくまでも公害防止事業団のはずである。公害防止事業団がその装置をつくり、そして全面的に引き受けたわけであります。したがって、公害防止事業団としてはこの問題について相当熱心にやっていらっしゃるということは私も認めます。  そこで、先国会、私は理事長にこの席に来ていただいて種々質問をいたしました。それから相当の日時がたったわけでありますが、その後、理事長、現地を視察されましたですか。そして地元の皆さんの声を聞きましたですか。
  320. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 現地の視察は、私いたしておりません。というのは、少数の人間で現在たくさんの仕事をやっております場合に、現地本位にいくか、中央におるかということは、いろいろ問題があろうかと思いまするが、私の不勉強のいたすところでございまして、残念ながら行きません。しかし、現在どういう状態になっているかということにつきましては、常時市長さんとも打ち合わせをしまして、存じております。
  321. 峯山昭範

    峯山昭範君 あなたは先国会で——私は、普通の場合ならあなたが向こうに、現地へ行っているかどうかなんということは言いません。しかしながら、先国会であなたは私が質問したことに対して、現地住民の苦情はない。「現住民」とおっしゃいました、あなたはね。そうでしょう。「現住民の苦情はない。」と、こういうように言いました。議事録にちゃんと載っています。あとで「現地住民」と訂正させましたけれどもね。いま議長さんがいろいろおっしゃいました。市長からもあなたは事情を聞いたんでしょう。それでもあなたはそれを、地元の皆さんは——悩みや苦情というのはいろいろな意味があると思うのです、私はね。地元ではこの装置が成功してうまくいっているとあなたはお考えなんですか。私は、まあ、あなたから一々答弁いただこうとは思いませんけれども、現在はどういうぐあいな事態になっているか。それは水産庁のほうも農林省のほうも聞いてもらいたいのでありますが、ことしの九月から最盛期を迎えて、いわゆるこの地元の水産加工業者の皆さんは九月から最盛期に入るわけであります。それを控えて、九月までに完ぺきな装置ができないというと、また、白く濁った、先ほどベトとおっしゃいましたが、濁った水を海に流すわけであります。そうしますと、松島湾の浅海漁業者、いわゆるノリとかカキをつくっていらっしゃる皆さん方、これはこちらの方々が困る。浅海漁業者の皆さんは、この加工業者の皆さんが排水しているところにもう押しかけて来て、コンクリートでも詰めて排水を出さないようにする以外に自分たちの生活を守ることはできないわけですからね。どちらかということになってきているわけです。そこまでせっぱ詰まっているわけです、問題が。これはどうなんですか。この問題について、事業団の理事長としてどうお考えになりますか。
  322. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 先ほど現地の方々から苦情があるという中には二とおりあろうと思いますが、一つは、せっかくこういう施設をつくったにもかかわらず十分機能しない、思うようにいかないということと、もう一つは、業者以外でその汚水に悩まされるので困るというような苦情だろうと思いますが、この間も塩釜の市長さんと打ち合わせました結果、いずれにしましても、残念なことでございますが、公害防止事業団のたてまえというのは、その御批判はございましょうけれども、受け身の立場であるのでありまして、これをこうしたらよかろうとか、こうしなさいというような行き方じゃないわけです。だから、あとどうするかということについては重々関心はございますけれども、イニシアチブは地元にあるわけです。  そこで、この間聞きましたところによりますと、この盛漁期までに、あとこの間の塩釜基本構想検討委員会の報告を参考にいたしまして、凝集加圧浮上装置というものとフロス処理機というものを取りつけることによってまあまあという程度のところまでにはいける。それには、昨日の連絡がございますが、初めは一億二千万くらいの費用が要るということでございましたけれども、昨日の訂正で一億三千万くらい、据えつけの費用まで入れればかかる。これはもちろん造成としてやるには予算がございません。したがって、公害防止施設に対する融資という点で優先的に融資をしてくれるかということでございますので、私たちのほうとしては従来の行きがかりももちろんございますし、また道義的責任も十分感じておりますので、最優先的にこれに融資をし、そしてただいまおっしゃったような盛漁期までには何とかするという状態に持っていきたい、こう考えておるわけです。
  323. 峯山昭範

    峯山昭範君 私は、地元が中心である、イニシアチブは地元が持っていると言いますけれども、この考えはおかしいと思う。なぜかならば、今回の処理装置は公害防止事業団がつくったのです。あなたのところがつくったのですよ。そうでしょう。あなたのところでつくった装置がうまくいかないのです。完ぺきにいわゆる動かせる、操業できる装置をあなたのところでつくるべきじゃないですか。そのためのあなた方は処理を何にもいままでやっていないじゃないですか。塩釜市議会をはじめ、業者の皆さんは何千万という借金を背負いながらみんな死にもの狂いでこの問題の解決に当たっております。公害防止事業団が何をやったのですか、この問題について。この装置をつくるのはあなた方公害防止事業団が責任があるでしょう。あなた方が事業主体なんでしょう。どうなんですか、この点は。
  324. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) そこに、私も峯山議員と全く同じような個人的な気持ちはございます。しかしながら、公害防止事業団のたてまえはあくまでも注文生産ということであって、こちらのほうがイニシアチブをとって十分事前に調査し、しかも悪いところがあればあとでそれを手直しをするというようなたてまえになることは私は最も必要なことだとは思いますけれども、現在の防止事業団のたてまえでは非常な制約がございます。したがいまして、その後何もやっていないじゃないかというお話でございますけれども、金というものは公害防止事業団にはございませんが、市は市で、県は県で補助をなさったと同時に、組合自身も御負担になっております。またそれを請け負いました業者自身も好意的なアフターサービスをやっておりますが、私のほうの事業団としましても、試験研究費等をそれにつぎ込んで、どういう手直しをすればいいかというような、結論を得ましたようなことにはこちらも主となって参画し、貢献をしている。そしてその結果、ただいま申し上げましたような結論が出、それについて私たちに許されている道は現在におきましては融資以外にはございませんので、その融資を優先的にやっていこう、こういうことになっておるわけでございます。
  325. 峯山昭範

    峯山昭範君 理事長ね、私はあまりでっかい声を出すといかぬかもしらぬので、小さな声でやりますけれども、あなた、私は公害防止事業団と塩釜市の契約書も全部あります。私の手元に全部そろっております。塩釜市はどういう仕様——要するに注文するときの仕様ですよをあなた方に言ったのですか。説明してください。
  326. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 私も当時の契約書を読んでまいりましたが、契約書そのものには具体的な、二、一三〇PPMを一〇〇にするというようなことは書いてないようであります。しかしその契約をやる前提として調べたのは、先ほども言いましたように、各関係者が集まって水を採取をし、それを日本環境衛生協会というところに依頼をしまして分析して、それが前提となった契約をやっておるのであります。
  327. 峯山昭範

    峯山昭範君 あなたごまかしちゃいけませんよ。私はこのことをやるために必死になって調べてきたのです。二、一三〇PPMなんというのは書いてあるわけないのです。あたりまえです。二、一三〇PPMということを判断したのはあなたのほうなんです。そこが間違っていたのです。私の手元に契約書がちゃんとあります。全部写しです、これは。読んでみましょうか。この契約書の写しは「排水処理設備」、ちゃんと出ています。この中に、処理能力は、先ほど議長からお話がございましたが、一日に六百八十トン、そして処理方式は活性汚泥法、そしてこれは水の量が六百八十トンですね、こういうぐあいにちゃんと水の量が指定になっています。そして、ここに資料がありますが、一〇〇PPMに落とすというのは、これは宮城県の県条例できまっているわけです。そして初めのよごれた水が何PPMであるかというのは、これはあなたのほうが調査することになっている。そうでしょう。古澤さん、そうだったでしょう。
  328. 古澤實

    参考人(古澤實君) 峯山先生のおっしゃるとおりでございます。
  329. 峯山昭範

    峯山昭範君 おっしゃるとおりならそれでいい。  いま古澤理事がおっしゃったように、ですから、自分のところで使っている水が塩釜の皆さんは何PPMであったかわからないわけです。だから、先ほどからお話ありましたように、原魚のいわゆる量が三百二十トン、そして水の使用量が六百八十トン、それで県条例の一〇〇PPMに落とす、ぜひともこうお願いしたい、こういう要望を、あなたのところへ注文した。そうでしょう。そしてあなたは、これはもう一つ問題があるのですけれども、これはあとで私言いますけれども、この注文があって、原水の調査をするのは公害防止事業団の役目なんです。そうでしょう。公害防止事業団が二、一三〇PPMという判定をしたのです。違いますか、理事長
  330. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 水の採取は市と組合の立ち会いの上にやり、その分析は先ほど申し上げました研究の機関に頼んでそういう結果を得たわけであります。
  331. 峯山昭範

    峯山昭範君 まず詰めますがね。研究の機関に頼んだのは公害防止事業団が頼んだわけでしょう。
  332. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) そのとおりでございます。
  333. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうすると、その結果が間違っておった。それじゃ原水を取るときに県や市が立ち会ったというよりも——私は市の担当者にもいろいろ聞いてまいりました。市の担当者は、原水を、どういうところを案内したらいいか、みなしろうとです、市の人は。あなた方は、調査するほうは専門の人です。そうでしまう。市や県の人が案内したということが責任があるのですか。原水が間違っていたということについての責任が——市の係員の人が水を取りにいくのに案内をした。あなたは立ち会ったと言っておりますが、案内したのです。私現実に地元からちゃんと聞いてきました。案内したことについてこれは責任があるのですか、その人に。どうなんですか。
  334. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 責任といってもいろいろございましょうけれども、こちらのほうはだれが行ったか私確かめておりませんが、おそらく専門家が行ったと思います。しかしどこを取っていいか等については、やはり現地が一番詳しいということでやりましたし、しかも採取した時期が九月でございましたか、一番の盛漁の時期じゃない、それからもう一つは、でき上がった時期には予想もつかなかったような一万、二万というようなBODの濃いものが出るようになったのは、一つは有頭スケソウダラの操法といいますか、取り扱い方の変化というものもあったそうでございまして、二、一〇〇幾らというものは私も信用できませんけれども、あるいは完成時ほどの水の汚れではなかったんじゃないかという、これは現実を知りませんから断言はできませんけれども、想像いたしておるわけでございます。
  335. 峯山昭範

    峯山昭範君 あのね、理事長ね、ここへ来てものごとをごまかしちゃいけませんよ。責任のありかをはっきりさしたいわけです、私は。県の人が、市の人が案内した、地元の人が一番詳しいのは当然です。しかし詳しいといってもあくまでもしろうととして詳しいわけです。どこどこで魚屋さんをやっておる、どこどこの水は汚れておる、こういうような意味では詳しい。その詳しい人が案内して行ったから、そこの水を取ってはかったら薄かったから、その人の責任ということになるのですか、あなた。そうじゃないでしょう。これはあくまでも公害防止事業団としては専門家が行っているわけです。またあなたがスケソウダラがどうのこうの、九月であったからどうのこうのと言っておりますけれども、そういう点についてもあなた方のほうが専門家なんです。地元の人たちは何も知らないじゃないですか、そうでしょう。どうなんですか。古澤理事どうですか。
  336. 古澤實

    参考人(古澤實君) 二、一三〇PPMにきめたのは事業団でございます。それで、そのきめる場合には、ただいま理事長が申し上げましたように市内の工場を見まして、その資料をもとにきめました。それと同時に県の公害防止の、水の一〇〇PPMをきめる場合のデータがございます。それが六月の時点でございましたので、それを参考にしましてきめましたのですが、峯山先生がおっしゃいますように、きめましたのは事業団でございます。ただ私どもとしては、責任云々ということでございません、その点は御了解いただきたいのですが、もちろん一方的にきめたわけではございませんで、それについての設計基礎というのがございます。そこで二、一三〇PPMということについて、県も入っていただきまして確認はしていただきました。しかしきめたのは、あくまでも先生がおっしゃいますように事業団でございます。
  337. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうすると理事長ね、あなたは途中からかわられてろくすっぽ勉強もしないできようこの会場へ出てくるというのはほんとうにふまじめだと思うのですよ。前々から私はきょうのことは予告もしてある。そんないいかげんな態度じゃほんとうに私はよくないと思う。この問題については公害防止事業団がその設備をつくったんです。いま古澤理事から話がありましたように、県のほうのデータもこうこういうPPMであるというデータを出したにしても、これは出した県のほうの責任なのか。そう言うとそうじゃないのです。あくまでもあなたのほうが専門的に依頼して調査してやったわけです。だからあなたのほうのそこが、この点がきちっと解決しないと、前の原理事長はこの点についてちゃんと認めていらっしゃいますが、水質の調査が十分でなかった、今回の問題については初めて手がけたものであって、経験も少なかったし、ほんとうに申しわけない、こういうぐあいに答弁がありましたけれども、これもあいまいでありますから、きょう私は詰めているのですけれども、これで私は不十分だから詰めているのです。そういうふうないろいろな事情があったにしても、地元の零細な加工業者の皆さんはこれは責任があるのですか、あなた、どうなんですか。
  338. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 地元の加工業者の皆さんにまで責任があるというふうにはもちろん考えていません。責任云々というのは、どこに法律的責任があるにせよ、みんなが寄ってたかって、初めての仕事でございますから、やったことであるので、その瑕疵のある部分についても、先ほどお申し出がございましたように、また私たちが申し上げたように、各方面が寄ってたかってこの是正をしているわけでございます。
  339. 峯山昭範

    峯山昭範君 あなたね、理事長、私はそんな答弁では絶対納得しませんよ。夜中までもやりますよ。各方面が寄ってたかってなんて、何ということを言っておるのですか。私は基本構想委員会の問題だって、私はこの機械を受注した業者の皆さんをたずねていって、そのときの状況がどうであったかということを私は全部聞いてみました。あなた方公害防止事業団のやり方があまりにもいい加減なためにどれだけの人が泣いていると思うのですか。私は具体的に言いますけれども、たいへんなものですよ、これは。長官は今度公害防止事業団を全面的に監督する立場にあるわけですが、この公害防止事業団は、私は前々から言っている問題でありますが、ほんとうに考えないといけませんよ、このままじゃ。今度の問題も、いまの原水の問題は、公害防止事業団が、先ほどから古澤理事が認めていらっしゃるように水の取り方を間違えたわけです。そしてその間違えたデータに基づいて住友重機械がこの装置をつくったのです。だからそこに、昭和四十三年の十二月にこの機械はつくったのです。ところが、四十三年の十二月につくって、でき上がって一カ月もたたないうちに使用不能になっちゃった。こういうことなんですよ、長官。だからこのためには、私は、公害防止事業団には予算も何にもない。私は公害防止事業団が何にもやってないというのは、そういうお金の面で何にもできないわけです。このあと私は、先国会でわが内閣委員会に資料として出させたラグーンの問題もあるわけですが、非常に不明朗な問題があります。そういう点も含めてこれからもっと質問したいのでありますが、時間ばかり過ぎて申しわけありませんが、大臣、いままで聞いていて、どうですか。
  340. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) いまいろいろな御質問のやりとりをお聞きしておりましたけれども、いろいろなことを考えますが、まだ実態をはっきりつかんでおりませんので、いまどういうことであるか、私としてははっきりと批判的なことは申し上げかねるわけでございますが、事業団のあり方、これを十分に実態を把握いたしまして、十分な仕事のできるような事業団にいたしたいと考えております。
  341. 峯山昭範

    峯山昭範君 どうも環境庁長官、私は、地元でもありますしね、もうちょっと何らか実のある答弁というのを私はもらいたいわけですけれども、たとえば公害防止事業団の欠陥の一つをこれから申し上げますが、古澤理事、実は公害防止事業団というのは、長官、当時塩釜の問題を担当しておった方々ですが、これは当時の業務担当の理事というのは琴坂さんという理事でございました。古澤さん、そうですね。全部一つずつ確認しておきますよ。私はかってに言っているのではないのですよ。これは公害防止事業団の資料です。それから業務部長が当時荒川さん、次長が石野さん、それから同じく木村さん、それから事業一課長が長沢、事業一課長代理が水谷、同じく課長代理井口と、こういうっしゃったわけです。そうですね。こういうふうな方々が現在全部いないわけですね。もう理事長もかわったわけです。しかもその端的な例を一つだけ申し上げますと、いわゆるこういう公害防止事業をやる場合には、環境庁自身にも私は関係がありますからお伺いするのですが、いわゆる寄り合い世帯なんですよ。公害防止事業団の今回の塩釜の問題を直接担当する部というのは、これは古澤さん、何という部ですか。
  342. 古澤實

    参考人(古澤實君) 公害防止事業団の業務部でございます。
  343. 上田哲

    上田哲君 議事進行について発言をいたします。  環境庁長官、それから事業団に申し上げたいのですが、この問題については先国会からも継続の事案でありました。委員会として強い関心を持っております。いま進行上の問題で発言しておりますのは、たまたま衆議院で災害特別委員会があって、大臣をどうしてもほしい、こういうことです。矢のような催促なのでありますけれども、先ほど来、委員の一人として伺っておりまして、どうも血が通っておらぬ。私は環境庁発足にあたっての大臣御就任のあいさつに拍手を送ったのであります。当委員会満場一致で環境庁の発足に大いに努力したつもりでありますし、御決意のほどを承ったわけでありますけれども、コンニャク問答といいましょうか、愛情が足りないといいましょうか、誠意が乏しいといいましょうか、今回もまたせっかく現地から地元の代表の方もおいでいただき、責任者の方も出席していただいて、しかもどうもさっぱりどこに責任があるかわからないようなぐるぐる回りの答弁を繰り返していたのでは、衆議院の災害委員会に御迷惑をかけますけれども、大臣を向こうへ渡すわけにいかぬ。時間的な問題も出ておるので、あえて地元のことは申し上げないが、ひとつ核心を突いた方向づけのできるような御答弁をいただきたい。回りから聞いておりまして、はなはだ差し出がましいが、どうも誠意がないと思う。コンニャク問答を繰り返している限りは、他院にも迷惑をかけるし、先ほどの峯山委員発言のとおり夜中になってもやらなければならぬ。会期はあと一日であるから、こういうことになるだろう。ひとつ、そういう意味で、両院の調整をつけるためにも、十分か二十分のところが争われておりますので、ひとつ真情を吐露してというと、表現はオーバーになるかもしれませんが、そういう意味で審議を進めていただきたい。また峯山委員からの御協力をいただきたい。委員長、その上でお取り計らいをお願いしたいと思います。
  344. 佐藤正雄

    参考人佐藤正雄君) ちょっと、私、最後ですけれども、このことだけは言わせていただきたいと思うのです。
  345. 峯山昭範

    峯山昭範君 またあとで発言の機会があると思いますので……。  いま直接担当している部は業務部とおっしゃいましたですか。
  346. 古澤實

    参考人(古澤實君) そのとおりでございます。
  347. 峯山昭範

    峯山昭範君 業務部の塩釜の問題を担当した初代の部長は何という部長だったですか、この部長ですね。
  348. 古澤實

    参考人(古澤實君) 峯山先生がおっしゃいましたように荒川、当時の業務部長さんであります。
  349. 峯山昭範

    峯山昭範君 その部長はいつまでおったのですか。そして何という部長とかわったのですか。
  350. 古澤實

    参考人(古澤實君) 荒川君は四十二年の三月から四十三年の五月まで在職しておりました。そのあと原田君が業務部長を担当しました。それが四十三年から四十五年の三月まで在職しております。
  351. 峯山昭範

    峯山昭範君 その原田さんは、またそのあと伊藤さんという部長にかわり、伊藤さんからまた高谷さんという部長にかわった。こういうぐあいに、大臣、これ、こういうぐあいに担当の部長が出向してきておるわけです。その部長がもうほんのわずかの間に四人もかわっているわけです。だから直接担当している部長が天下りで来て、ちょこちょこかわっちゃうから、現地の人たちは交渉しようにも相手が変わっちゃうわけです、相手が次から次に。私はこんなことがあっちゃいかぬと思うんですよ。これだけじゃないですよ。部長も課長も理事もかわっちゃう、まさか環境庁こんなことないでしょうね。環境庁は各省庁から来ておるんですよ。それがほんとうに短期間にぽんぽんかわってしまうんじゃ、腰を落ちつけて公害行政とか自然環境保護なんというのは私はできないと、こう思うんですが、大臣どうですか。
  352. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) それはおっしゃるとおりだと思います。もっとじっくりと腰を落ちつけて、公害防止事業団も、やはりこれは公害の対策の一環としてできたものでありますから、それだけの職責を果たしていただきたいと思います。
  353. 峯山昭範

    峯山昭範君 いま大臣おっしゃるとおりなら、ぜひとも、ここに資料も出ておりますが、いままではほんとうにこういうぐあいでばらばらかわっちゃうわけです。現実に短期間のうちに、たとえば一つの部長さんの例をあげましたが、この部長さんでも四回かわっておる。したがって、今後こういうふうなことがないようにしていただきたい。
  354. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) いまいろいろ事情を聞いておりまして、いろいろなことを真剣に感じております。しかし、この委員会だけの御質問ですべて返事が申し上げられません。私は環境庁長官になりましてからまだ三週間でありますので、まだこの塩釜の実態までは調査いたしておりませんし、残念ながら、まだ事業団の内容を十分につまびらかにするほどの余裕がございませんでした。今後努力いたしまして、公害防止事業団がどのような形になっているか、どのようななにがあるかということを十分検討いたしまして、善処いたす決意でございます。
  355. 峯山昭範

    峯山昭範君 ぜひとも善処していただきたいとは思うんですが、大臣の答弁も納得できない。なぜかならば、この問題について四日前に官房長にちゃんと言った。大臣も宮城県の塩釜の出身でもあるわけです。この問題についてはぜひとも長官にも出てもらうのだから、どういうぐあいにしたら解決できるかという問題について、きょうはしかと答弁を大臣からいただきたい、こう私はおたくの官房長に言っておいた。それは長官就任後短いのはわかりますよ。一般的にはわかりますが、少なくともこの問題について、私はいまの大臣の答弁で、はいそうですかと下がったんじゃ、もう私たち、ここでやる機会というものはきょうしか大臣、ないんですよ。きょうここで何らかの解決のめど、方法を見出さないというと、地元の人たちはたいへんな思いをするわけです。
  356. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) 私は解決のめどはつけます。どこに責任があるか明らかにして、それはこれからわれわれ行政の仕事でございますから、それはいたします。言いわけでありませんけれども、きのう、おとといは御承知のような予算委員会で夜までかかりました。さようなことで、せっかくのありがたいお申し出をいただきましたけれども、残念ながら時間的な余裕がございませんでしたので、この解決の方策が見出せませんでしたが、私たちはきょうで仕事がおしまいでございませんので、十分に御趣旨を体しまして、行政のほうで仕事をしてまいりたいと思います。
  357. 峯山昭範

    峯山昭範君 いま大臣からしかと答弁がございましたので、その点については了解しました。ぜひとも、これはあらゆる問題を含めて大臣は引き受けて解決するとおっしゃったんだろうと、私はこうとっておきたいと思います。  それで、もうちょっと明らかにしておきたいと思うんですが、やりたい問題がこれはずいぶんあるわけでありますが、先国会で問題になりましたラグーンの問題がありますね。実は内閣委員の皆さんにも資料としていま提出されておると思うんですが、ラグーンの問題についても、実は私は住友重機械にも行って、担当者ともずいぶん話をしてまいりました、実情ですね。ところが、当時このラグーンの製作の費用については、あなた方は住友機械にいわゆるアフターサービスとして押しつけたわけです。まあ理事長さんのときとは違うわけですけれども、やっぱりこういう問題については、もっと、監督官庁もありますし、これはやっぱり事業団として——それは地元に確かにいろんなイニシアチブはあるかもしれませんが、そうじゃなくて、公害防止事業団でつくった装置がうまくいかないんですから、公害防止事業団としては全力をあげて解決する。それは確かに、たとえばお金が当時何億かかるという問題はあったにしても、ミスは自分のところのミスです、やっぱり。化学機械のメーカーが注文を受けた。そのときに、先方から受けたデータは正確で自分たちが調べたデータが失敗した場合は、幾らお金がかかろうと自分たちがやるというのがやっぱり道理です。そういう点からいくと、やっぱり事業団が責任を回避しているとしか言いようがないわけです。そういう点は、理事長として、やっぱり今後事に当たる場合でもそのくらいの決意に立って仕事をやっていかないとうまくいかないと私は思うんですよ。そういう点も含めて、どうですか。
  358. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 私が昨年暮れ理事長に就任しまして一番先に感じたのは、ただいまおっしゃったようなことでございまして、やはり事柄を引き受ける以上は、その前に十分な調査のできるたてまえをとり、それから自分がやったことについて落ち度があったなら、あとそれを何とか修復するというところの責任のとれるようなたてまえにこの事業団を持っていかなければ、いまのやり方では、非常にまじめにみんなやってくれてはおりまするけれども、こういうことが再び絶対に起こらないというようなことは現在の段階で言い得ないという状況でございまするから、ただいまおっしゃったようなことは、重々、私たちの気持ちと一致するものでございまするので、将来ともその方向で私たちは努力したいと思います。ただいま大臣からの御答弁も、あるいはそういうことを踏まえての御答弁であったかと私は想像しますが、いまから、こういうことを繰り返さないように、責任をとるべきものは十分とれるような仕組みにいたしていきたい、こう考えます。
  359. 峯山昭範

    峯山昭範君 それで再度返りますが、事業団は今回の工事について、この装置のうまくいかなかった原因は、これはやっぱり事業団に全面的に責任があるとお考えでしょう。どうですか。
  360. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) これは原理事長が前にも繰り返しておりまするように、私は、事業団としてまことに遺憾だというふうには重々考えます。しかしながら、注文生産というたてまえをとっている以上、全部法律的に責任があるかどうかということについては、なお検討をしなければ、私は、大部分の責任があるというふうには考えまするけれども、皆さんの、ほかの方々のやはり御協力も得なければこういうものは十全にはいかないと、こういう気持ちを持っております。
  361. 峯山昭範

    峯山昭範君 理事長、これはやっぱり注文生産であればあるほど、その装置がうまくいかない場合はやっぱりそれは事業団が責任をとるということになる。これはどうですか。
  362. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 注文されたとおりのものをつくらなかったという場合には、もちろん全面的にこちらに責任がございます。
  363. 峯山昭範

    峯山昭範君 あなたは注文したとおりの装置をつくったと思っているんですか。
  364. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) それは、その解釈の問題もございまするけれども、契約書自身にはございませんけれども、その前提となるのには、現在のこれくらいの水を一〇〇PPMのところまで落とせという注文を受けたということで、こちらもそういうつもりでやったというふうに考えております。
  365. 峯山昭範

    峯山昭範君 また私は同じことを言うんですが、これは、現在のこのぐらいの水というのは、このぐらいというのはだれが判断したんですか。
  366. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 先ほど来申し上げておりまするように、現地の御案内によって採取しました水を、専門の業者といいますか、日本環境衛生協会というところに委託して分析しました結果をそのまま事業団として二、一三〇PPMと考えたわけであります。
  367. 峯山昭範

    峯山昭範君 それは全部事業団の責任でしょう、いまの問題は。どうですか。
  368. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) いや、それが、私がこの問題を引き継ぎ、るる説明を聞いている範囲においては、その二、〇〇〇幾らであったということは想像はできませんけれども、でき上がったときに二〇、〇〇〇幾らであったかどうかということについては、両方の——あるいはかまぼこ製造方法といいますか、スケソウダラの頭がよけい入ってくるというような状況の変化というものも多分にあるというふうに聞いておりますので、二、一〇〇幾らというものは非常識だと思いまするけれども、それが、二〇、〇〇〇であったのを十分の一の二、〇〇〇に間違ったというふうにも断定できないかと、まあいまになればそういうふうに思うのであります。
  369. 峯山昭範

    峯山昭範君 あなたはもう、ほんとうに——ということは、結局、事業団としては、水のいろんな条件はありますけれども、水の測定の調査については、これは要するに予想外のものが出てくるようになったということは、その水の測定そのものについては、これはやっぱり事業団として測定を間違えたわけでしょう、結局。事業団が頼んだところが間違えたわけですから、結局事業団が間違えた。そうじゃないんですか。どうですか。これをちゃんとしておかないと、あなたは、ここがいつもぐるぐると延びておかしな方向へいくから、言っているんです。どうなんですか、それは。
  370. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 二、一三〇PPMであったということは——もちろん証拠もございませんけれども、私もあとから考えて、間違いであった、非常に非常識だと考えます。しかし、最後——最後というか、完成したときに出てきたその何万というようなものであったとも考えられないので、間違えたと、こういうことを断定できませんけれども、想像はできると考えます。
  371. 峯山昭範

    峯山昭範君 もうこれ以上押し問答してもしかたありませんので、結局は概略、そこの点は事業団として失敗であったと、こういうようにとりたいと思います。  そうすると、私はこの問題については、長官、これは本来なら、普通は、従来の方法でいけば、これは通産省なり厚生省が、自分の監督しているところの事業団がミスでこういう失敗をしたわけですから、その穴埋めはほんとうはそういうところが責任を持ってやらなければいけない。ということは、今回は少なくとも公害防止事業団の監督は、全面的に環境庁が引き受けるわけでありますので、ですからそういう方向でこの問題に取り組んでもらいたい。そして調査をして、早急にこの問題について対策を立ててもらいたいと思うんですが、どうですか。
  372. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) 御意見のとおりであります。私は、いろいろな自分の決意を申し上げましたのは、この事業団においては、事業団において責任があるならば、当然それだけの責任は負わなきゃならぬということをはっきりと痛感しておりますので、そういうことをわれわれの調査において判断いたしまして、判断した結果によってきちんとした処置をとりたいと、そういうことをはっきり申し上げさしていただきます。
  373. 峯山昭範

    峯山昭範君 そこで、長官の時間の関係がありますが、あと五分間聞いてもらいたいんですが、というのは、解決の方法でございますが、これは古澤さんどういうぐあいにお考えですか。これは今回の問題を塩釜市当局と相談した問題もあると思いますが、ことしの九月から最盛期が始まるわけです。これは解決しなければいかぬわけですね。解決のめど、並びに解決するにはどうしたらいいかという点についてはどうお考えですか。
  374. 古澤實

    参考人(古澤實君) われわれも、先生のおっしゃいますように、非常に、ことしの九月の最盛期を控えまして、何としてでもこういうことにならないように、非常に焦燥感にとらわれておるわけです。それで先生のおっしゃいましたような、解決策は如何ということで、これは昨年の一月の塩釜問題基本構想委員会お願いしまして、われわれを加えまして、昨年の九月からことしの三月までの作業の状態、そういうようなものを見まして、その間数千万円の調査研究費を使いましてあらゆるデータをとりまして、その結果として、加圧浮上装置、こういうものを据えつければ相当効果がある、こういうふうな結論に達したわけです。もちろんそのほかに汚水分離機とかいろいろなデータもとりました。ですけれども、それでは十分でない。結論として加圧浮上装置が一番効果的であるというふうに、これは委員会としても委員会のメンバーである先生方、あるいは県、市、われわれも入りまして、そういうことで、それをもとにしまして、市のほうで九月までの間にできるだけ早い機会にこの加圧浮上装置をつけるということで、これをつけることによって、またこれは機械装置でございますから、私決して逃げるわけじゃございませんけれども、確約はできませんが、いまのような小さな装置でやった結果を判断すれば、相当の負荷率の悪い、悪い水でも一、五〇〇PPMぐらいの濃度に下げられるというふうなデータが出ましたので、ただ問題点は、一番われわれ苦慮いたしましたのは、悪い水からとる場合に、そこに先ほど議長さんからお話がありましたように、スラッジといいますか、そういうものが出ます。これを何としてでも処理をしなければたいへんなことになります。それで、それと同時に、加圧浮上装置の維持管理というものはたいへんなものでございます。そういうことで、これのいままでフロスといいますか、スラッジといいますか、われわれフロスと総称しておりますが、これの中から、有効成分がございます、油分とかあるいは肥料になる部分とか、そういうようなものをできるだけ回収しようということで、市のほうで、これはわれわれも実験いたしましたが、事業団自身で、宮城県の工業技術院の東北試験所に依頼しましてある程度のデータも得ました。それをもとにして、市のほうで六千万円のスラッジ処理装置をつけまして、それで廃物をできるだけ回収する。それとあわせて一億二千万円の経費、これが大体要るものですから、この九月までの盛漁期に間に合うようにつける、こういうことで考えております。
  375. 峯山昭範

    峯山昭範君 いまの古澤理事の答弁を聞いていただいたと思うのですが、長官、要するに加圧浮上装置というものをつけなければいけないわけです。やはりそれだけじゃだめで、フロス処理装置というものを一緒につけなければだめです。そうすると、両方であと一億二、三千万かかるわけです。いままでいろいろな装置をつけるように、先ほど古澤理事説明もございましたように、市当局は必死の努力をして、予算を投げ出してやっているわけです。こういうような点から考えてみると、これはどうしてもつけないとたいへんなことになるわけです、ことしの年末にかけて。そういうことになりますと、これをどうしてもやっていただくのは、これはやはり環境庁を中心にして、または水産庁、農林省等もこういう問題についてほんとうに四つに取り組んでやっていただきたい、こういうふうに思うわけですが、ここら辺のところは、両大臣、どうですかね。
  376. 大石武一

    国務大臣(大石武一君) 九月までに何とか対策を講じなければならないということ、よくわかりました。そのようにいたしたいと思います。その予算とかいろいろなことにつきましては、これからじっくりと考えまして、それは善処いたしたいと思います。  ただ一つ峯山委員に注文があるのですが、あまり地元、地元とおっしゃっていただいては困ります。地元のために私がいろいろなやり方を間違えたとか、いろいろなことを言われますと、新しく発足した環境庁のために汚名をかけることになりますので、その点だけはひとつ御理解いただきたいと思います。
  377. 佐藤正雄

    参考人佐藤正雄君) 私、一つだけ言わせていただきたいと思います。  それは金の問題でございまして、加工団地へ一億六千六百二十万九千四百十三円、この機能を効率的にするために金を出したが、そのほかに一億四千万のまだ赤字が残っている。それで一億四千万円貸すとか借りるといっても、とても鼻血も出ない状態ですから、皆さん方、先生方、何とか塩釜を、日本のトップを切ってやったんですから、一億数千万くらいの金は、全国に一つ、塩釜にりっぱな加工団地ができたのだということで、公害防止のために恵んでいただければ私ら来たおかげがあると思うんですよ。何とかひとつ助けていただきたいと思います。随行の人々も頭を下げてください。皆さんにお願いします。それだけです。あとはもう言うことございません。
  378. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) いまほどいろいろなやりとりを聞かさしていただきまして、公害防止事業団の責任がどの程度あるかというような議論をただ聞きのがすわけにはまいりません。農林省といたしましても、この水産加工部門の共同処理施設、これに対する研究開発、いままでのスケジュールもありますが、簡単にお話を申し上げますので、詳しくは申し上げませんが、そのスケジュールを一段とひとつハイピッチで結論を出したい、そうして環境庁と相談をしながら、横の連絡をとりながら積極的に進めてまいりたい、かように考えます。
  379. 峯山昭範

    峯山昭範君 両大臣から——大臣と政務次官でございますが、相当前進、前向きな答弁がございましたので、さらに、公実防止事業団理事長が非常にしかめっつらして聞いておられますが、理事長ね、私はもう一つ皆さんに聞いてもらいたい。いま私が言ったのと同じくらいひどいのがあるわけです、同じところですね。塩釜のこれは汚水処理だけがだめだと思ったら、それだけじゃない。あなたのほうが契約した化成部門、同じ塩釜の加工団地だ、この化成部門の装置もほんとうにうまくいかなくて、地元ではたいへんな赤字をかかえているのです。私は地元へ参りまして、地元の業者の皆さんから帳簿や何かみんな見せてもらいました。資料もたくさんいただきました。あなた方が注文した装置がいかにうまく操業していないか、もし私が言っていることが間違いであったらあとで古澤さん訂正してもらってけっこうですけれでも、あまり時間もありませんので私がずっと申し上げますが、間違ったらあなたちゃんと訂正してくださいよ、あとで。  まず第一は、これは皆さんにわかっていただきたいために申し上げますが、先般汚水処理装置、これは住友重機械と契約をしまして、四千九百万で契約したわけです。この装置がうまくいかなくてラグーンをつくった。あなたのほうから内閣委員会に出てきた資料によりましても、二千二百万円の補修工事をさした、これでもまだうまくいかないので一億何千万かけて何とかしようとしておるわけでありまして、これでいま問題になっておるわけでありますが、これと同じ汚水処理装置とともに、あなた方は化成部門というのをつくりました。そうでしょう。この化成部門をつくった会社がここにあるわけでありますが、この会社から、日本フィレスタという会社です。住友商事を通してつくった会社、そうですね、古澤さん。
  380. 古澤實

    参考人(古澤實君) 先生が御指摘のように化成工場というのがございます。これは一次処理をする場合、頭とかはらわた、スラッジが出ます。それが捨て場がありませんので、加工しまして肥料にいたします。そのための工場でございます。これの注文は住友商事に注文いたしました。住友商事が、先生御指摘になりましたようにその子会社といいますか、関連会社、日本フィレスタ、この会社に下請さしておるわけであります。
  381. 峯山昭範

    峯山昭範君 日本フィレスタですか、その会社へ注文した。その日本フィルスタから住友商事に対して陳情が来ている、あなたのところにも来ているでしょう。補修工事がどのくらいかかったのですか。あなたのほうにも来ているでしょう。この契約はいかにずさんであったかということをちょっと読んでみますと、こういうぐあいに書いてある。「此の度のクレームに就きましては、勿論見積当初に於ける設計打ち合わせの不備より端を発していたにも拘らず、そのまま「何とかやろう」という貴社百瀬氏の言もあり充分検討のいとまもなく、受註に踏切ったことが、大きな原因になっている事は否定すべくもなく、」ということから始まりまして、もうとにかく「各担当者には一切「文句を言わずやれ」もし、それで会社がつぶれたら、世論もあるし又完全にやってしまえば、冷淡な人間ばかりが世の中に存在するわけではないからとしった勉励している次第です。」下請業者がですよ。この手紙を住友商事に出している日本フィレスタという会社はつぶれそうです。何でかというと、この契約は幾らだったんですか。
  382. 古澤實

    参考人(古澤實君) 私どもと住友商事との契約は約七千九百万でございました。
  383. 峯山昭範

    峯山昭範君 七千九百万で住友商事と契約した。そうすると日本フィレスタとは、七千九百万から住友商事がある程度マージンもとるんでしょうから、それより少なかったわけですね。にもかかわらずこの日本フィレスタという会社は、その後二千六百五十万のいわゆる補修工事をやっている。あなた方のほうへこの手紙も行っているでしょう。「公団にも正式にかかった費用明細としして提出する所存です」と書いてあるのです。ということは、この装置も契約がずさんで、うまくいかなかったわけです。そうして、そのためにこの加工団地のみなさんは四千万、五千万という赤字をかかえているわけです。こういう実情なんですよ。理事長、あなたこれ、どう思いますか。ほんとうに私は公害防止事業団も技術的にももっと優秀な人をそろえて——いまの人が悪いというわけじゃありませんが、もっと私は、こういう零細な人たちに迷惑をかけないで、本気でこういう問題に取り組んでもらいたい、何とかこの問題を解決したいと思うから必死になって言っておるんです。あなた、これに対してどう思いますか。
  384. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 先ほども申し上げましたように、私どものところの仕事の一番弱点は、事前に十分な調査ができる形になってない。したがって、技術者等もそれに相応したものが現在のところそろってないという点にありまするので、事後のアフターサービスと両方の問題、これが一番大きな問題と思いまするから、全力をあげて、そういうことを繰り返すことのないような仕組みに持っていきたい。これは私たちだけでできることじゃないもんですから、御激励にこたえたいと思っております。
  385. 峯山昭範

    峯山昭範君 理事長はそういうふうに思っていらっしゃるなら、確かにその点は大事だと思うのです。そういうぐあいに非常に弱体であり、アフターサービスができない、またいろいろな問題が一ぱいある。そのために迷惑をこうむっている国民はいるわけです。そういう人たちのために何とかこの問題を種々——これだけじゃありませんよ、一ぱいいろいろあると思うのですが、そういう問題を解決するために、理事長も私は本気に取り組んでもらいたいと思うのですが、これはどうですか。
  386. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 私、昨年の暮れ、昨年の秋に就任しまして、四十六年の予算の要求におきましてもこれを一番大きな柱として折衝したわけでありますが、現在のところ実っていないのが残念でございまするけれども、先ほどの大臣のお話もございましたから、お力を得て、この次にはぜひ実現したいというふうに考えております。
  387. 峯山昭範

    峯山昭範君 ですから、具体的に理事長のおことばを立証する上におきましても、現実にこういうぐあいに塩釜みたいになかなかうまくいってない。しかも地元の業者の皆さんがたいへんな赤字をこうむっている。それで、もしこれがうまくいかなかったら、自殺者やいろいろな人が出たりするのじゃないか、そういうことが言われているわけです。そういうことに対しても、そういうところが元金と利息が払えるわけないのです。ないから市のほうに対して何とか使用料と利息を免除していただきたいという要望を出しているわけです。これは、その問題は古澤さん担当ですね。やっぱりこういう点についても事業団として、いまここで端的に答弁はできないかもしれませんが、こういう問題についてもやはり御検討をいただきたいと思うのです。事業団の担当の環境庁の大臣も先ほどのようにおっしゃっておりましたし、こういうふうな場合はやっぱり特例を設けるなり何なりの処理を私はすべきである、こう思うのですが、理事長どうですか。
  388. 江口俊男

    参考人(江口俊男君) 元利のことについては、私就任前でございましたけれども、何らかの措置をしたようでございまするし、将来についてもそういうことが可能な限りは考えていきたいと思います。古澤君から詳しいことを説明いたします。
  389. 古澤實

    参考人(古澤實君) 金の問題については、私、直接責任者ではございませんけれども、全体のそういう意味での責任はありますので、峯山先生からお話がありましたのですが、事業団としまして、金利、元本についての処置について御説明させていただきたいと思います。  これは、御指摘のように、昭和四十三年の十二月の十日に引き渡しましたが、それ以来十分機能しませんので、事業団の規程の範囲内で元本及び金利の支払いの猶予をいたしました。そして、これは昭和四十四年九月二十日、それから四十五年三月二十日分の償還については、この間の元金及び金利五千三百万円の繰り延べをいたしました。それから、昨年の九月、それからことしの三月二十日分の償還、これについては、いろいろな事業団の経理の規程もございまして、元金二千六百万円の繰り述べを認めているわけでございます。
  390. 峯山昭範

    峯山昭範君 私はこれで大体質問を終わりたいと思いますが、佐藤参考人、何か発言することはもうございませんか。
  391. 佐藤正雄

    参考人佐藤正雄君) 何も言うことはありません。とにかく四苦八苦、どうすればいいかということで、もう苦しまぎれに一生懸命解決の道を見出している。しかし、あるものはない。困った。あす一時からどうするかということを、市に寄りまして、つぶすか立てるか、その金をどうするかというようなことで、あす一時から最後の決戦をするようなことになっております。そういうことをあまりさらけ出すと言われるかもしれませんが、とにかく急場に陥っている。たった一年間十九億足らずの予算で、どこから金を持ってくるかということで苦しみにあえいでいるということでございます。前のことでも多少うまくいっていればいいんですけれども、仕事をすればするほど深みが深くなる。もうあと、それによって二十億から水揚げしている浅海漁民の人たちがやがて旗上げしてくるだろう。そうすれば爆発寸前だから、何とか助けてもらいたいということで実は申し上げたので、決して皆さんを攻撃するとか、だれをどうというんではなく、ほんとうにせつない気持ちを訴えてきたんですから、その点だけはひとつ御理解をしていただきたいと、こう思うんでございます。事業団の皆さま、決して私らそういう気持ちで来たのではなくて、ほんとうにお願いに来たということだけは、これは御了承を願えれば幸いでございます。どうもありがとうございます。
  392. 峯山昭範

    峯山昭範君 最後に、もう一言で終わりたいと思うんですが、実は地元の皆さんの、これは農林省それぞれ事業団等にも陳情書として行っておると思うんですけれども、先ほど佐藤次官から答弁がございましたけれども、要するに、こういうようなことを地元では要望しているわけです。「水産加工排水処理方法の確立を図り、汚水公害を除去して環境の整備と我が国水産加工業の維持振興に資するため、国において水産加工排水施設のモデルプラントを設置し、基本的調査研究を実施せられたい。」、そうして、二番目に、「国において実施されるモデルプラントの設置は、現在県の指導により塩釜市において水産加工団地化事業を推進中の宮城県塩釜市を適地と認められ、急速に実施せられたい。」、こういう要望が来ているわけです。で、公害防止事業団としても、初めての水産加工団地として長年取り組んできているわけです。そういう点では相当実績もありますし、いま水産庁のほうの研究とあわせて、農林省自身もこういうふうな問題と取り組んでもらいたいと思いますし、また、この請願の意図もあわせて考えてもらいたいと思うんですが、いかがでしょう。
  393. 佐藤隆

    政府委員佐藤隆君) まだその陳情を実は私自身見ておりませんので、詳細は承知いたしておりませんけれども、お説のようにモデルプラントの設置について陳情書はおそらく出ているんでしょうから、さっそくそれを見まして、そうして検討を進めたいと思います。
  394. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 参考人におかれては、御多忙のところをありがとうございました。  本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。     —————————————
  395. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 請願議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、第二号、特定郵便局長恩給計算上旧在職期間年通算に関する請願外三件でございます。  これらの請願は、先刻理事会において協議いただきましたとおり、特定郵便局長恩給計算上旧在職期間年通算に関する請願は、議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものとし、板付基地返還に関する請願外二件は保留するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  396. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  審査報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  397. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。     —————————————
  398. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 継続調査要求に関する件についておはかりいたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査は、閉会中も継続して調査を行ないたいと存じますが、このように決定することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  399. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  要求書の作成については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  400. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  401. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 閉会中の委員派遣についておはかりいたします。  ただいま決定されました二件の継続調査が承認されました場合、これらの調査のため委員派遣を行なうこととし、これの取り扱いにつきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  402. 田口長治郎

    委員長田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十二分散会      —————・—————