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1971-09-09 第66回国会 参議院 逓信委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年九月九日(木曜日)    午後二時十一分開会     ―――――――――――――    委員異動  八月二日     辞任         補欠選任      塚田十一郎君     松平 勇雄君  八月四日     辞任         補欠選任      鈴木  強君     藤田  進君      青島 幸男君     山田  勇君  八月九日     辞任         補欠選任      藤田  進君     鈴木  強君      山田  勇君     青島 幸男君  九月九日     辞任         補欠選任      白井  勇君     金井 元彦君      今泉 正二君     高橋 邦雄君      迫水 久常君     石本  茂君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         横川 正市君     理 事                 植竹 春彦君                 古池 信三君     委 員                 石本  茂君                 金井 元彦君                 新谷寅三郎君                 高橋 邦雄君                 鈴木  強君                 松本 賢一君                 木島 則夫君                 青島 幸男君                 松岡 克由君    国務大臣        郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        内閣総理大臣官        房参事官     高橋 盛雄君        文部省大学学術        局視学官     遠藤  丞君        郵政大臣官房電        気通信監理官   柏木 輝彦君        郵政省郵務局長  溝呂木 繁君        郵政省電波監理        局長       藤木  栄君        郵政省電波監理        局放送部長    江上 貞利君        消防庁長官    降矢 敬義君        日本電信電話公        社総裁      米澤  滋君        日本電信電話公        社営業局長    遠藤 正介君        日本電信電話公        社施設局長    三宅 正男君        日本電信電話公        社経理局長    好本  巧君        日本電信電話公        社資材局長    山本  孝君    参考人        東京財務局庁        舎管理部長    細野  豊君        東京財務局庁        舎管理部通信課        長        上田 隆昭君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (災害時における通信対策に関する件)  (米中間通信中継に関する件)  (放送大学設立準備状況に関する件)  (NHKによる沖繩放送協会資産継承に関す  る件)  (有線テレビジョン放送に関する件)  (第六十五回国会における郵便法改正に際して  付した附帯決議項目進捗状況に関する件)  (最近の景気後退下における日本電信電話公社  の営業状況及び営業方針に関する件)  (電信電話設備拡充のための暫定措置に関す  る法律の有効期限満了に伴う取扱いに関する  件)     ―――――――――――――
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  この際、報告をいたします。  去る七月二十一日の委員会において指名を保留いたしました理事に、委員長は同月二十四日植竹春彦君、長田裕二君及び古池信三君を指名いたしました。     ―――――――――――――
  3. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に、委員異動について報告いたします。  本日、今泉正二君、白井勇君及び迫水久常君が委員辞任され、その補欠として高橋邦雄君、金井元彦君及び石本茂君が選任されました。     ―――――――――――――
  4. 横川正市

    委員長横川正市君) 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のため、これより東京財務局庁舎管理部長細野豊君及び同庁舎管理部通信課長上田隆昭君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 横川正市

    委員長横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  6. 横川正市

    委員長横川正市君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は発言を願います。鈴木君。
  7. 鈴木強

    鈴木強君 最初に、防災用無線通信訓練状況について伺いますが、実は先般の九月の一日が防災の日になっておりますが、この日に東京都は、関東大地震と同じ規模地震がいま起きたらというその想定のもとに防災訓練を行なったようでありますが、その訓練の中で、われわれにとって必要だと思われる無線通信による連絡、これが実際に訓練をするまぎわになって中止された。そうしてついに全区的な規模における無線訓練というものができなかったという、私は新聞記事で事実を知ったわけでありますが、これは非常に重要なことでございまして、災害というのはいつ何どき起きるかわかりません。したがって、その際に通信途絶ということが一番困ることですから、それをなくするためにこれは防災対策基本法――災害対策基本法、この中でも防災計画の中にそういう際における通信の確保ということは大事な項目として政府はきめておると思うのですが、そういう施策が一方では行なわれてきておるにかかわらず、なお、こういう具体的な事実が出たということは、これは黙っておけないと私思いました。そういう意味で、一体どういうわけでこの全区的な通信ができなかったのか、それらの原因についても究明をしてみたいと思います。  それで最初に、お忙しい中を東京都のほうから細野さんと上田さんにおいでいただいたのでありますが、私ども新聞その他で知り得る範囲では私の質問も不十分だと思いますから、まず事実関係を明らかにしていただく意味において、東京都においては災害時に二十三区あるいは三多摩との通信連絡というのは、どういうようにしてやっておられるのか、その通信網ですね。そして今度の全区通信訓練というものができなかった理由というのは、一体どこにあるのか。この点を最初に明らかにしていただきたいと思います。
  8. 上田隆昭

    参考人上田隆昭君) ただいまの問題につきましては、私のほうからお答えさせていただきます。  実は、私のほうの無線はいろいろございますが、二十三区と三多摩を結びます無線といたしましては、非常災害無線がございます。それから、他の通信手段といたしましては、有線によります通信手段も一応完備していると言えると思います。今度の訓練に使用いたしましたのは、この非常災害無線でございます。このほかにも、いろいろの無線局がございますが、新聞に載りましたものにつきましては、非常災害無線訓練対象といたしておりますので、この一つだけを九月一日の訓練の日に行なったわけでございます。訓練を中止したという記事でございますが、この関係につきまして、私のほうは実は訓練をいたしております。これは二十三区及び地方事務所の五カ所と、それから陸上自衛隊東京都警視庁、東京消防庁の三カ所、合わせまして全部で三十一局、それと私のほうの財務局庁舎管理部に所属します基地局、これと合わせまして三十二局になりますが、これらの間で通信訓練を実施いたしました。  で、当日の細目もございますが、これは実は時間が九時から十時までが通信訓練の時間に割り当てられておりまして、十時以後のスケジュール現地訓練ということでございまして、別のスケジュールになっておりますので、通信訓練の時間は九時から十時までの一時間でございました。そこで、私たちのこの非常訓練用地上局のものでございますが、一四六・〇二メガサイクルの一波の単信方式で行なっております。いわゆるプレストークと申しますものでございますので、こちらのほうからお話をするのに片通話でございます。したがいまして、一斉指令の呼び出し、受信傍受といったようなものは、二十三区及び五地方事務所、三関係庁というところにはすべて同時に受信もでき、傍受もできるようになっておりますが、相手局――子供局と私たちは呼んでおりますが、相手局から情報を得たりするような交信におきましては、ただいま申し上げました片通話でございますので、一時間の中では一カ所当たり二分足らずということになってしまいますので、訓練でございますので、ある程度の制限を加えることになったわけでございます。したがいまして、十二の区を一応交信する相手というふうに想定して、この訓練を実施することになったわけでございます。三十一カ所と交信するのにもう少し時間をかければよろしかったのでございますが、訓練の時間が一時間というためにやむを得ずそういうふうになったわけでございます。  以上でございます。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 皆さんのほうでは非常事態通信連絡というものを有線無線と併用しているわけですね。一四六・〇二メガサイクルのほうの無線による通信というのは、いわば一方的な放送ですから、相手方受信する場合にはいろいろな情報が同時に伝わるでしょうけれども、しかし、あなたがおっしゃるように、相手方からいろいろな情報を受ける場合に一波であってはとてもそれは間に合いっこない。だからして有線が完全に確保されているという前提に立てば私はあなたのお話はわかるけれども、しかし、関東大震災のような地震が襲来して有線は全く途絶したという場合に、通信途絶をなくするために無線というものが生きてくるわけなんだから、だからこれでは万全ではない。ですから、周波数というものが限定されているわけですから、あなた方のほうでかってに周波数を使うわけにいきませんので、これはまた郵政当局なり、政府全体として非常災害用電波については確保するようになると思うのですね。ですからして、もう少し最悪事態有線途絶無線にたよらざるを得ない、こういう状況の中で現地との連絡をどうするかということをやはり考えておかないと、これでは不十分だと思いますよ。そういう点は認めているのですか。だからしてあなたのほうでも何か聞くところによると、増波要求をされているということなんですが、そういった計画がもし実現しておれば大体予定どおりできたという新聞記事も出ているわけですね。ですから、その辺に対するあなた方のいま持っている計画というものはどうなのか。  それから、私が前段に通信訓練ができなかったというのは、いまあなたがおっしゃるように、有無線を併用しての訓練をやったようですが、要するに、短波による無線通信訓練というものは、いま言ったように不完全なものだったでしょう。ですからして、皆さん考え方の根本に有無線併用ということをあくまでも考えているからいまのようなことが出てくるので、私たちはその点が非常に不十分であるし、やはり最悪を考えるならば、無線を最終的に活用しなければならぬ。その場合に幾つ周波数があったら一体そういう事態に、現地からの、相手局からの情報をどんどんキャッチして、どこが孤立して、一体そこにどの程度被害があるのか、いま住民が何を欲しているのか、そういう応急対策について直ちに中央防災会議がそこに対して処置できるような体制を考えておかないと、有線なんかいつ遮断するかわからない。そこら辺がまだあなた方の考え方が甘いですね。われわれはそう思う。だからしてこれは中央防災会議なり、都道府県防災会議なりあるわけですから、その中で十分協議されて、いま私が申したようなことがあなた方に認められるならば、そういうことで計画を立てておやりなさい。もしやっておるとすれば、どこに一体ネックがあって皆さん計画が生きてこないのか、そういうことも明らかに願いたい。
  10. 上田隆昭

    参考人上田隆昭君) ただいまのお話でございますが、都のほうには非常災害用に使います無線はただいまさきに申し上げましたもの以外にもいろいろございます。たとえば水防無線というようなものは、これは水防法に基づきまして四十一年ごろからもうすでにやっておりますが、これらのものも活用すれば、二十三区五地方事務所といったようなところにほぼ同じような形で入っておりますので、これらも有効に使えるわけでございます。そのほか、水防水門無線とか、あるいは高潮対策用水門無線とか、そういったようなものもございますので、これらを併用いたしますれば相当効果は上げ得るわけでございます。ただし、今回の訓練におきましては、それらのものをすベて使ってという訓練は実はいたしておりません。それから、そのほかにも、東京離島間の防災行政無線あるいは東京と小笠原間の防災行政無線というようなものも郵政省さんの御援助をいただきまして、四十三年及び四十五年から実用いたしております。  それで、私たちのほうは、ただいま御指摘もございました震災対策の際にはどうすればよいかということにつきまして、ただいま関係部局とよりより協議中でございます。そしてただいま申し上げた東京離島間の防災行政無線のように完備されたものを二十三区及び三多摩に完全なるネットワークとして設置するよう鋭意努力中でございます。この件につきましては、郵政省さんと密接に連絡をとりながら、御指導、御援助をいただいております。まだ具体的には申請書をお出しするという段階には至っておりませんので、できるだけ早く計画をまとめて申請を出すという段取りに運びたいというふうにやっております。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 御苦労をされておる点はわかるのですけれども、たとえば訓練のしかたにしましても、ただいまお話しのように、水防無線なり水門無線あるいは高潮水門無線、こういうものがあるとすれば、そういうものといまの百四十六・〇二メガサイクルとの四つを活用して、そしてかりに有線が全部途絶した場合に、各二十三区なり三多摩あるいは離島含めまして、そのときの通信というものが一体どうなるのか、やはりやっておく必要があるのじゃないでしょうか。もちろん有線併用もいけないとは言いません。そういうことも大いにやっていただかなければなりません。災害はいつくるかわかりませんですからね。一時間に限って十二区を対象にしてやるということはこれは全体の効果から見るとだめなんですよ。ですからして、二十三区、三多摩離島含めて東京都の所管になると思うのです。この管轄下におけるいかなるときどこにどういう事態が起きても、それに対して通信連絡だけは万全だという、そういう体制都民の前に明らかになってまいればある程度安心ができるのです。これはお互いに、地震が起きた場合でも、水害におかされた場合でもそうですけれども、部落が孤立してしまう、通信が全く途絶する、そういうときにほんとうに心の中に不安を感じ、動揺を感じ、流言飛語によっていろいろな事態が起きてくる。そういうときに、たとえば携帯ラジオがあって、そのラジオの音楽を聞くだけでも心の安らぎを感ずるという人間心理があるわけです。ですから、そういう非常事態に絶対に通信途絶させてはいけない。これはわれわれが基本的に考えておることなんです。そういう考え方からすれば、皆さんが今回おやりになった訓練のしかたというものは私はなまぬるいし、それではほんとう最悪の場合に処する訓練ではない、こう思うのですよ。ですから、その訓練のしかたについてはやはりお考えいただくと同時に、それがそういう全体的な効果をねらう訓練にするならば、いま幾つ周波数があったら非常無線通信訓練というものが完ぺきにできるのかどうなのか、こういうことは研究されているのでしょう。だとすれば、それはどういうことになるか、ちょっと教えてもらいたい、計画を持っているのか……。
  12. 上田隆昭

    参考人上田隆昭君) 私どものほうで実はことしの三月に日大の細野教授にお願いいたしまして、二十三区と三多摩無線ネットワークはどのようにしたらばよいかというような調査研究をまとめていただきましたものもございます。しかしながら、私たちのほうはいまの段階でもう少し充実したと申しますか、震災対策の場合はたいへんに被害が大きくて想定も及ばないような事態が発生することが予想されますので、さらに研究をして、それらに対処できるようなものをまとめなければならないという考え方が私たちの中に起こりましたので、いまそれに向かって努力しているわけでございますので、具体的に何波あれば足りるというような結論にはまだ実は至っておりません。できるだけ早くそういう結論になりまするよう私たち郵政省さんのほうと煮詰められるようになりたいというふうにいまの段階では考えております。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 皆さんは少し切実感というものがないし、いま検討中だというのだが、じゃ検討中にもしあすそういう事態が起きたらどうなるのですか。検討にもいろいろあると思いますよ。しかし、災害対策基本法というのが制定されて、その後政府施策としても、これは東京都だけでなくて、全国的に中央における防災計画というものが示されて、それによって各都道府県、市町村というものがそれぞれの防災会議によって、またそれぞれの適切な計画を立っていただくわけですね。そういうことがどうもわれわれが見ておってスローリーなんですね。もう少しこれをピッチをあげてやるということを考えてくれないと非常に国民は不安を持つわけですよ。ロスのああいった震災の経験もあるわけですから、そういう点を踏まえてももう少し力を入れて通信途絶のないような完ぺきな防災通信網整備ということをやっていただかなくちゃ私は困ると思うのですよ。それぞれ努力されているのでしょうから、怠慢だとかなんとかということを私は言いませんけれども、もう少し力を入れて早く、何波くらいあったら二十三区、三多摩含めまして最悪の場合に非常無線による連絡ができるのかという、そのくらいのことはあまり大学の教授呼んで意見聞かなきゃきまらないというものじゃないですよ、これは。ですから、そういう点もう少し真剣に、しかも迅速に対策を立ててほしいと思いますね。それは、検討しているようだけれども、いつごろ具体的に計画都民の前に示されるのですか。
  14. 細野豊

    参考人細野豊君) ただいま鈴木委員さんの御質問あるいは御意見、まことにもっともだと存じます。ことに本問題に対しましては知事からも御同様な趣旨のことをわれわれに厳命されておるということで、何せまあ東京都といたしましては非常に住民の数が多いということと、その他都市の成形状況が非常に複雑だということで諸所被害が、相当程度落差もあることでございましょうし、で、私たちがまあ一応学者の意見を求めたわけで、決していままでなまけていたということで、いま検討中という逃げ口上の検討ではございませんで、そろそろ煮詰まった段階だというように私は了解しておりますが、いつごろまでに検討が終わって、いつ波を要求できるのかということにつきましては、ここでちゃんと日限的に言明するということはいささか困難であるということでございます。  それから、郵政省との関係におきましては、郵政当局も先ほどから上田課長が説明しておられますように、早く検討を終えて計画を出せと、で、しかるべき指令体制あるいは無線技術者の張りつけ等を終えて波をやれるという状態なら計画を早く出せというように、これもやはり催促を受けているような状態で、それらが完成した暁には、まあ一〇〇%というようなわけにまいらないかもしれませんけれども、できるだけのことはしてやるというようにこれも非常にありがたいことばをちょうだいしておるわけなんです。まあいずれにしろいつまでにその検討が終わるかという御質問に対しては本委員会参考人としていつまでであるということをちょっと申しづらいということを御了承いただきたいと思います。いずれにしても、都民生命財産を守るという意味において真剣に討議しておるということは事実でございます。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、新聞に報道されておった東京都の月村災害対策課長が「目下郵政省防災無線増波要求しておる。これが認められると全区一斉にやられる。」と語ったという記事がございますね。これはいまのお話からすると、こういうことではないということですか。
  16. 細野豊

    参考人細野豊君) この記事のとり方のニュアンスの問題について多少触れるのであとで問題が起きるというような懸念もありますけれども、これは私の調査した範囲では、この月村という災害対策課長は、私ら東京都の財務局庁舎管理部においてメカニズム的に無線を管理しておるので、目下財務局要求していると、こういう意味発言したということは私の調査でわかっております。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 東京都の財務局要求しているということですよ。要求しているというならば、その災害対策課としてはそういう計画をお持ちになって、これを都の財務局要求しているということですか。そうであれば一つの案があるということじゃないですか。
  18. 上田隆昭

    参考人上田隆昭君) 具体的な案というのは先ほど申し上げましたようにまだでき上がっておりませんが、これは災害対策課長のほうからは私たちのほうに対して何とか無線網拡充するように、整備するようにという強い要望はございますが、私たちのほうの段階だけでは解決できない問題でございまして、関係部局協議をしてまいらなければなりませんので、それらのものを煮詰めている段階でございます。したがいまして、災害対策課長は私たちのほうに整備拡充の点を要求しているというのは内々の、都庁内の話でございまして、郵政省さんに対して要求を申しているというような発言ではなかったということでございます。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 だから、これはまあおたくの内部のことですから、ここであまり根掘り葉掘りすることはやめますけれども、問題は災害対策課長月村さんですね。まあ非常に熱心にそういうことを自分で経験されて、それじゃだめなんだと、一波では。だからもっと周波数をふやしてもらって、せめて何波あれば非常災害事態相手方情報が入ってくるのだという一つの私は計画を持っておられると思う。なければそういうことは言えないはずですから。ただ波を取ってきてくれというようなそういう無責任なことは言わぬと思いますからね。だとすれば、そういう案が十分なものであるのかないのかですね、これはもう当然都庁全体として最終的な御決定をなさるものが出ると思うんですが、そういうものがあるとするならば、なおさらのこと、一つのめどはつけるはずですから、ひとつ積極的に御苦労いただいて、どうしても忘れられてしまう一番大事な盲点が私はここにもあるような気がしますから、ぜひひとつ力を合わせて迅速に結論を出して、そして、一つの案をつくって、郵政省のほうにも電波要求をしていただくようにしてもらいたいと思います。  それで、きょうは総理府総務長官に来てもらおうと思っておったんですけれども、何か沖縄対策で来れないそうですから、代理の方が出てきておられると思いますから、伺いますが、災害対策基本法がつくられて、中央中央防災会議、これは総理が会長になっておりますが、さっきちょっと申し上げたように、その災害対策基本法に基づく中央防災会議というものが防災基本計画をつくることになっておるわけですね。したがって、この基本計画というのは当然各都道府県におろされ、その都道府県中央防災会議がきめた防災基本計画に基づいてやると思うんですよ。その際、通信の確保については一体どういうふうな決定をされておるんでございますか。有線無線を含めて、非常災害時にどういうふうな対策を立てることになっておるんですか。その点をひとつ説明してもらいたい。
  20. 高橋盛雄

    説明員高橋盛雄君) お答え申し上げます。  ただいま先生の御質問防災基本計画でございますが、これは総理を長とする関係閣僚で構成いたします中央防災会議で決定いたしたものでございますけれども、これの内容といたしまして、防災体制の確立、この中に防災業務施設及び設備の整備をはかる、この一つの重要項目として通信連絡施設及び設備の整備をうたっております。すなわち、予報、警報の伝達、情報の収集、観測施設間の連絡等のために業務用無線、気象機関、水防機関、消防機関等の内部及び相互間の通信連絡施設及び設備等、これらの施設の整備をはかるものとする、このようにうたわれてございまして、この基本計画に基づきまして各省の防災関係――各省及び指定公共機関並びに地方公共団体がこれに基づいて地域防災計画あるいは各省の防災業務計画をつくって、その具体化をはかる、このように相なっているわけでございます。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 この防災基本計画をつくる際、災害時における通信計画に関するいろんな問題ですね、そういうものは当然つくられていると思うんですが、その際に防災上必要な通信状況の資料を添付しろということがありますね、法律に。そういうものはあとで資料として出してくれませんか。それで、皆さんのほうでいまお述べになったような計画を示して、それぞれの都道府県あるいは市町村内の地域にかかる防災計画というものをさらにつくってもらうわけですね。それを北海道から九州まで、中央防災会議がみずからつくった計画がどのように実施されておるか、特にこの場合、非常無線通信ですね、無線通信連絡あるいは有線も含めてもけっこうですが、そういうふうに非常時における通信の確保ということに対してどの程度整備されておるかというようなことを把握されているのですか。それは実態はどうなっておるか、おわかりですか、全国的に。
  22. 高橋盛雄

    説明員高橋盛雄君) 中央防災会議は構成員に当然郵政大臣、参加されているわけでございまして、その業務の分担といたしまして郵政省防災業務計画におきまして災害関係防災通信施設の整備、利用、活用訓練、そういうものを指導されるとともに、なお非常無線通信協議会、このような組織を積極的に活用されまして、これの整備をはかられるように相なっておるわけでございます。したがいまして、その具体的な整備状況については郵政省のほうからお答えいただきたいと思うわけでございます。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると中央防災会議というのは、計画をつくってそれを示して、それがどうなったのかさっぱりわからぬと、こういうことなんですか。そもそもそういうところに私は行政のよどみが出てくると思うんですね。われわれが理解できないものがあるわけなんです。何のために中央防災会議をつくって、そこが全国的に全体的な指揮命令をして北海道から九州まで万全な対策を立てるということがこの基本法に示されていることなんで、中央防災会議はそういうふうにつくられているわけですから、みずからつくった計画がどうなっているかいまここで明らかにできないということは、これはどういうことなんですか。防災会議というのは一体何をしているのですか。
  24. 高橋盛雄

    説明員高橋盛雄君) 国の防災体制は国土保全、各種の災害予防、それぞれ各省が計画実施しているわけでございまして、通信関係については郵政省のほうで所管いただきまして、それの整備をはかっておる、このような状況でございまして、中央防災会議といたしましては、その全体の総合調整、このような立場から総合的に推進をはかるということに現在進んでいるわけでございます。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、運用上の問題として、中央防災会議の命を受けて――各省からそれぞれの大臣が出ておられるかどうかわかりませんが、非常無線通信協議会というものをつくっておられるわけですね。そうしてその主管省として郵政省というのがおられるということで、防災会議がこの非常無線通信協議会というものに、通信計画に対して、あるいはその実施に対しては、あるいは監督ですね、管理というものについては権限を委譲していると、分担をしてそこでやらしているのか。最終的な責任は総理大臣にあるわけだと思いますがね。その辺の責任の分担というもの、指揮命令権というものがはっきりしないわけですね。だからあなたのほうでは常時――かりに非常無線通信協議会に権限を委譲し、一部の実施をまかすとしても、絶えずおたくのほうでは、どうなっているかという実情を北海道から九州、ずっとこまかに分けてこの問題はまだ十分でないというなら、あなたのほうでもっと早く整備したらどうかというようなアドバイスをし、促進をするという役割りを果たしてもらわなけりゃならないですね。これは協議会だから単なる協議をやるというのではなくて、あくまでも分担は防災会議がまかせるということがあるわけですね。実態はよくわかっているけれども、一応便宜的に、郵政省のほうが所管になっておるから聞いていただきたいというのはわかるけれども、そういう答弁はちょっと国会における答弁としては不適切じゃないですか。指揮命令系統はどうなんですか。だから災害が起きてももたもたして、とっさの間に合わぬのです。
  26. 横川正市

    委員長横川正市君) 郵政省、答弁しますか。――ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  27. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記起こしてください。
  28. 高橋盛雄

    説明員高橋盛雄君) お答えいたします。  再三申し上げておりますが、まあ各省の総合調整ということで、各省がそれぞれの行政の指導分野において防災業務を積極的に推進するという立場をとっております。まあ通信網整備計画、これも水防無線、消防無線、それぞれ――水防無線は建設省におきまして全国及び県を結ぶ、さらに県から出先機関を結ぶ、このような水防無線が現在完備しているわけでございます。それから消防無線といたしましては、現在消防庁から各都道府県にそれぞれ連絡体制ができ上がっているわけでございますが、さらに現在その都道府県からさらに末端の市町村まで結ぶというようなそういう計画を現在逐次整備中であると、私どももそのような方向で現在努力しているわけでございますが、なお詳細につきましては、先ほど申し上げましたように非常無線通信協議会こういうものを主管されております郵政省のほうからお答えいただいたほうが的確であろう、このように存じております。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 これはあなたのいまの御答弁ですと、やはり災害対策基本法から見て私は疑義を持ちますね。だけれども、まあ事務当局ですからちょっとここではこれ以上あなたに申し上げてもどうもならぬと思うから、これはまた他日に譲りますけれども。そうしたら、郵政大臣が非常無線通信協議会の主管大臣になっておられるわけですか。郵政省のほうからその点と、さらに全国的に各県別に非常無線整備というのはどういう状況になっているか、これを説明していただきたいと思います。
  30. 藤木栄

    説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。  初めの非常無線通信協議会と申しますのは、先ほどからお話がありますような非常時におきまして、まあいろいろ各無線局がたくさんございますが、そういった無線局の業務をそれぞれの機関持っているわけでございますが、非常事態におきましては、それぞれやってたのでは役に立たない場合もあるわけでございまして、その各機関相互の連絡といったことも必要であろうということで、平素から異なる免許人所属の無線局におきまして、お互いに連絡設定や通信の取り扱いというものに練習いたしまして習熟していなければ実際の場合役に立たないわけでございますので、こういった相互の連絡ということを主眼にしまして、昭和二十六年からまあ当時の電波監理委員会というものが非常無線通信協議会の設立を助成いたしまして、郵政省としてはそれを指導していままできているという状態でございます。この非常無線通信協議会に属する官庁あるいはほかの機関の無線局全体合わせますと約三十万局がございまして、絶えず中央からやる場合と、それぞれの地方の管理局の中でやる場合と分けていろいろやっておりますけれども、常時そういった訓練をやりまして、いざという場合に役に立つように日ごろ指導してきている、こういう状態が非常無線通信業務でございます。  それから、現在こういった防災あるいは非常事態におきまする無線回線でございますが、先ほどもお答えがありましたように、まあ消防庁が中心となりましていわゆる応急対策をとることができるように各都道府県を結ぶ災害無線回線が現在設定されております。これは建設省がすでに設置しておりまする水防業務用の全国系マイクロ多重回線の無線設備の一部を共用してできているわけでございまして、四十五年度に全国回線が完成しております。それから、なお各都道府県におきましては先ほどもお話がありましたように都道府県の知事がその県域内におきまする防災関係の責務を完遂するように災害計画に適応する防災無線というものをつくっておりますけれども、それに対しましては私どもとしましては方針を立てまして、それが十分に実施できるように電波の割り当てを行なっております。現在各都道府県で実際につくっておりますところは青森、岐阜、静岡、宮城という四県がございますが、そのほかに計画中のものは北海道であるとか、愛知県、山口県その他十一県というものが現在計画をしている。こういう状態でございます。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 驚きましたね。昭和二十六年以来通信協議会をつくっていろいろやられておるのだが、実際にまだやっているのは青森、岐阜、静岡、宮城の四県ですか。それから計画中が十一県ということじゃないですか、いまの言われた趣旨は。
  32. 藤木栄

    説明員(藤木栄君) 私の説明がちょっとまずくて恐縮でございますけれども、いまのは先ほどの各県でやっているのは県の中の災害無線でございまして、非常無線通信協議会のほうはいわゆる全国的な現在無線局をすでに持っているところから成り立っているわけでございまして、御存じのように電電公社、国鉄、警察、消防、その他無線をたくさん持っているわけでございますが、そういったところの中で特に非常災害のときに連絡できるようなものを集めまして、先ほど三十万局ということを申し上げたわけでございますが、三十万局の無線局から成り立っているわけでございまして、その間の通信をやるというわけでございまして、たとえば十勝沖の地震のときにはこの非常無線通信協議会のメンバーが非常に活躍いたしまして、電報の数にいたしまして三百一通、七十六時間三十八分というような伝達をいたしておるというようなことであります。ですから、県のほうもどんどんできていけば非常無線通信協議会の一員になるということになろうかと思います。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、実際にまだやってない県は十一県と理解していいわけですか、計画中の十一県というのは。あとは各都道府県とも設備を持っている、こう理解していいですか。
  34. 藤木栄

    説明員(藤木栄君) 県の中ですでにやっているのは先ほど申しました四県でありまして、青森、岐阜、静岡、宮城という四県だけでございます。現在計画中が十一県というわけでございまして、そのほかの県はまだこれからというところでございます。ただ私どもとしましては、そういった計画ができてくれば電波の割り当てができるようにいま準備をしているという状態でございます。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 ですから、各県の非常無線連絡というものをやはり私は重視しているわけです。ですからおそらく中央官庁と各都道府県にある連絡所ですね。そこまでの間の通信の確保というのはこれは電電公社の回線もあるし、警察もあるし消防庁もある。いろいろなルートがございますが、それらが非常時の場合にどこにどうということではなく、一体となって情報提供というものを相互にやり合うという、そういうことになると思うのです。ですから、問題は中央と各ローカルの県庁所在地まではいいと思うのですよ、ある程度ね。県庁所在地から各県内の市町村ですね、各部落まで、そこが大事なんですよ。ですからして、今度は市町村から県に対して通信途絶がないように非常無線連絡をして、私の町はこうですという状況が直ちに入ってくる、そうすると、ヘリコプターで飛ぶか自衛隊が出動するか、いづれにしても応急的な対策が立つわけですね。ですから、そういう際の通信連絡というものが完ぺきになっていなければいけないわけです。ですから、たとえば東京都の場合でも、さっきお話があったように、各二十三区と東京都の間にどの区に起きても、その区の状態は直ちに東京都の中にある基地局を通じて東京都のほうに伝達されていくという、こういうシステムをつくっているわけですね。ところが、まだいま言ったように完全でない、そういう状態東京都でなくて各県内にまだたくさんあると私は見ているわけですよ。だからして、ここに対して郵政省は積極的に――電波のほうはあなたの所管ですから、郵政大臣が認可しなきゃできないことですから、したがって、周波数の割り当ては郵政省がやる。しかも、その周波数はちゃんととっているわけですね、間に合うだけの周波数というものは。だから間に合うだけの計画がどんどんできてくれば波は使えるわけですよ。だから早く計画を立てて、波を許可してもらって使えば、今度の通信訓練のように途中でもって無線のほうはしぼってやったというようなことがなくて済むわけですね。そこのところが盲点になっている。だから、一体そういうところをどこが指導をし監督をしてやっていくかということがさっきのところに戻るわけです。中央防災会議というのも私はそのためにあると思うんです。かりに中央防災会議がやらないならば各都道府県防災会議というものが責任を持ってやられると思うけれども、総体的なものはやっぱり予算のこともあるでしょうし、いろんな隘路もあるでしょうから、やっぱり中央防災会議が平たいことばで言えばめんどうを見て差し上げるということがなければいかぬと思うんです。非常無線通信連絡協議会か名前は非常無線協議会か私はよくわかりませんが、それは一体何をしているわけです。いま言ったようなところまで計画に対していろいろ指導助言するというようなことはないわけでしょう。これはそういう権限を持っているわけですか。これは中央防災会議総理府のほうはどうなっているでしょうか。ただこれは連絡協議会であって、お互いにときどき集まって相談する程度のものであって、主体はそれぞれの地方自治体なり都道府県にあると思うんですがね、そうなると、郵政省が積極的にこの中でどうしろこうしろということも言えないだろうと思うんですよ。あなたのところおくれているから早うやれというようなことは言えないと思う。これは自治省との関連も出てくるでしょうし、そういう一体総合的なコントロールをやるのが中央防災会議だろうと私は思うんですが、それすら機能が発揮できない。これは大臣といったら郵政大臣しかおりませんからね。私の質問のポイントはおわかりだと思いますから、そういう盲点をやはりちゃんとしてもらわないと、いまのお話しだと、権限をあなたのほうへ委譲しておって、そっちへ聞いてくれというようなことを総理府は言うわけだが、郵政省のほうは迷惑じゃないかと思う。これは国務大臣だからひとつその点をちゃんとしてもらって、私が心配するような、非常災害に際して通信途絶が絶対ないような姿に持っていってほしいと思うんですよ。大臣は電電公社も見ておられるわけですから、電電公社のほうでも、非常災害に対しては非常に熱心にやられておられるようですし、総裁もいらっしゃるししますし、もし有線無線を含めて電電公社の対策等も伺えたらひとつ大臣からお答えをいただきたいと思います。
  36. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) いまの各県への指導につきましては無線協議会の責任ではございませんで、やっぱり御指摘のように中央防災会議の指導すべき事項だと思いますので、適当な機会にその旨担当の要路に伝えておきたいと思います。なお、有線無線のことにつきましては総裁のほうからお答えを願うことにいたしたいと思います。
  37. 米澤滋

    説明員(米澤滋君) お答えいたします。  電電公社では市内市外の通信回線、これを非常災害においても完全に保つということに対しまして平素から非常に努力しているつもりでございます。災害といたしまして、台風みたいなものもありますし、あるいは地震のようなものもあります。まあこれらに対しまして有線無線を併用するということはもちろんのこと、また無線におきましても、移動無線あるいはマイクロウェーブの二ルート化ということも進めているわけでありまして、特に十勝沖地震がありました三年前からは災害対策の経費、これを予算で約四百億円すでに成立しておりますので、それをもちまして施設の分散等をやっているわけでございます。災害、台風等につきましては最近通信回線、ことに市外線はきわめて強固になりましてその点は非常によくなっております。私たちがいま一番心配しておりますのはむしろ地震に対する対策でありまして、これに対しましてはまた明年度からさらに計画を追加いたしまして措置をいたしたい。これまでやりました四百億円の中では市外ルートの分散とか、重要ルートに対します二ルート引き込みとかそういうことをやっているわけでございます。  なお御質問がありましたら詳しくお答えいたします。
  38. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 消防無線の件につきましては先ほど郵政省のほうからお話がありましたとおり、四十一年以来補助金をお組みいたしまして県と消防庁の間はつなぎました。先生の御心配の点は、県と第一線の市町村との間でございます。私たちも実はその点に関心を持っておりまして、いま郵政省のほうからお話しありましたように、県によってはその点を完備したところがございますが、何といたしましても、まだ三十何県残っております。私たちはこれを財政的にたとえば県と消防庁の間の無線について補助をいたしておったわけでございますが、市町村、県全体の防災無線、どこでこれを財政的に援助すればいいのかという問題がございますが、実は私どもは本年度予算ではそれを踏み切って、消防庁でひとつ出そうということで、今度の概算要求の中にも県と市町村の間の無線整備については県並びに市町村に補助を出そう、そしてそれを促進しようということで概算要求も出しております。これは大体県の計画準備がだんだん進んでまいったところにつきまして年次計画でこの整備をぜひ進めてまいりたい。もちろんそのほかに財政的にはいろいろな問題もございますし、そういう財政的な問題も考えてぜひ私のほうで音頭をとってやってみたいということでことし予算要求いたした次第でございます。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 どうも長官にお先にいろいろとお答えいただいて恐縮でした。  実はおいでいただいたのは、特に大農災が起きるというふうに盛んに言われているのでありますが、特に東京都の内部にああいった大震災が起きた場合に一体消防力というものはどうなるだろうかという、そういう点と、あわせてもう一つ非常事態に対して消防庁と各二十三区にある消防署ですね、あるいはそのブランチ等もあると思いますが、そういう間の非常無線連絡は完ぺきになっておるものでございましょうか、どうでしょうか。東京都に限った場合はどうなんでございましょうか、三多摩も含めましてひとつお知らせを願いたいと思います。
  40. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) 東京都の消防庁は、二十三区とそれから三多摩の市から全部委託を受けまして東京消防庁で全部それをやっているわけでございまして、その関係の消防無線につきましては消防ポンプ車あるいは救急車、本庁にある基地局、それから方面本部につながる無線関係はすべて完備しております。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。その点は安心をいたしました。非常災害とか緊急の場合に、深夜なんか迅速にあなたの部下の方々が事態に対して適切な措置をしていただいておることは、私も身をもって体験しております。たいへん御苦労だと思います。ここで聞くのはちょっと適切かどうかわかりませんが、たとえば東京にああいった前と同じ程度の大震災が起きた場合に、いまの消防力だったらどの程度カバーできるのでございますか。あなたがいま考えている現有の消防力というものをどの程度、何倍ぐらいにふやしたら最悪事態にいかない措置ができるか、そういうふうな点は御検討になっておられますのでございましょうか。
  42. 降矢敬義

    説明員(降矢敬義君) これはたいへんむずかしい御質問でございまして、東京都の防災会議被害想定を立てておるわけでございまして、冬のときとか夏のときとか、あるいはそのときの風速とか、そういう点を前提にした被害想定を立てておりまして、冬のたとえば十二・五メートル程度の風速の場合には、江東地区ではかなりの死者が出るというようなことも先般発表されております。こういう前提に立ちまして、消防力はもちろん機械のほかに水利の整備の問題もありますし、こういうものを全体として考えますと、いまの消防力はかなり非常の災害に対処し得るような方向には向いておりますが、まだまだ十分じゃございません。この点につきましては、東京都の防災会議あるいは東京消防庁自身におきましても、非常の災害に対処し得るように水利並びに施設の問題をどう充実するかということについては、三年ないし五年というようなめどを置きながら充実しておるところでございます。  この際ちょっとふえんさせていただきたいのは、問題は水利でございまして、要するに火災が起きないようにするために、たとえば石油ストーブについての自動消火装置を義務づけるというようなことはわれわれも検討しておりますが、かりに出火した場合におきまして、水利の問題もございます。水利につきましては、非常の場合はもちろん、水道消火栓はだめだという前提に立ちまして、防火水槽をやはり相当用意じなきゃいかぬ。しかも、この防火水槽は耐震性のものをぜひ考えたいということでございまして、耐震性の防火水槽は最近鋼板類によるものが二次的に開発されてまいりましたし、私たちもこれについては来年ぜひ補助をして、避難路及び避難空地を中心にして、差しあたりこれを整備をするということでぜひ進んでいきたいと思っておるところでございます。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 どうもありがとうございました。まだいろいろありますけれども、時間の関係でこの点については終わりたいと思いますが、重ねてひとつ郵政大臣、さっきお答えがございましたけれど、異常災害時における無線通信の完全な確保に対しては整備を促進していただくように、これはひとつ総理会議の議長ですから、よくお伝えをいただきたいと思います。この点をお願いしまして、この質問を終わります。  それではその次に、ニクソンの訪中に際してアメリカが米中間通信連絡を確保したいということで、いろいろ日本が仲立ちをして、中国のほうと連絡をとっておられるようですが、先般日本を基地として米中間通信連絡をするという回答が中国側からきておるというように聞いておったのですが、けさ、また新聞を見ますと、日本を基地にしないで、中継しないで、直接米中間で電信回線が再開されるというような報道もなされております。各社がやっておりますが、これのいきさつはどうなっておるか、郵政大臣からひとつお答えいただきたい。
  44. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまお尋ねの点でございますが、米国は現在中共との間に直通の電話回線を有しておりませずに、先般米国の卓球団訪中の際に、わが国に中共あて通話の中継を申し込んでまいりました。国際電電は臨時的にこれに応じたわけでございます。しかし、諸情勢の変化からいたしまして、ある程度の需要の発生が予想されましたために、去る八月十四日国際電電は米中共の双方に国際通話の中継を恒常的に行なう用意がある旨を申し入れまして、八月二十四日に米国から、八月二十七日中共から、いずれも中継を依頼するという旨の返事を得ております。この中継は東京-北京間の既存の短波が一回線、電話一回線、それから写真電報が一回線ございますが、この写真電報一回線は場合によりまして電話に利用ができるというように聞いておりますが――を用いまして交換手が手動によりまして中継するものであります。  大体簡単でございますけれども、以上の要領を承っております。
  45. 鈴木強

    鈴木強君 いま大臣の御説明ですと、これは電話のほうに重点を置いておられるのでございますか、電信と電話ともに日本を中継基地として米中間通信連絡をする、そういう趣旨でございますか。その記事、きのうの夕刊ですかに出ておるのは電信のほうが、米中直通電信復活というので報道されておるんですね。そうすると従来の日本の基地を中継基地としないで、電信のほうはストレートにサンフランシスコと北京とやるのかどうかわかりませんが、そういう通信をやるというふうになったものなんですか、その点はどうなんでございますか。
  46. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 詳細につきましては電気通信監理官から御説明させます。
  47. 柏木輝彦

    説明員(柏木輝彦君) 先ほど大臣から御説明いたしましたように最近電話について、まず米中間の中継についての協定が近くできるような運びになってきたわけでございます。電報につきましては実はアメリカのRCA社、通信社でございますが、これが過去において直通回線を持っていたことがございますので、そのほうで交渉をしておるというふうなことを聞いておりますが、けさの新聞というお話もございましたが、その結果を私まだ確認してはございませんが、そのような動きがあるということを承知しておったわけでございます。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、これは東京-北京間の現在ある短波による電話通信ですね、こういうものが午前十時から午後八時までの間にやられておるわけですけれども、これはこれとして、あくまでも今度の場合は暫定的であるという趣旨なんでしょうか。恒常的に、恒常的といいますか、常時使用できるような形でなくて、あくまでも臨時的でありニクソンの訪中期間だけと、こういうふうになっているわけですか、その点はどうなんですか。
  49. 柏木輝彦

    説明員(柏木輝彦君) ただいまの米中間の中継につきまして、KDDとして申し入れたのは恒久的、恒常的な業務ということでございます。臨時的にそのつどつど過去においてもそういう取り扱いを、たとえばピンポン・グループの場合、そういう扱いをしたこともございますが、これは臨時的な扱いに限られたわけでございます。このたびはこれを恒久的に、そういう業務としてKDDが行ないたいという申し入れをいたしまして、その双方から同意の回答があったわけでございます。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると東京-北京間の既存の回線ですね、これを活用して一回日本にまいりますね、北京からの報道が。それが今度は北京が送るものがただストレートにリレーされて直接アメリカにいくのか、一たん日本で受けたものを今度は別に日本からアメリカに海底ケーブルか、宇宙衛星か、有線無線か、いずれにしても送っていくということになるのですか。それともリレーとして中継局だけをつくって、そこからやるという、そういう趣旨なんですか。その辺はどうなんですか。
  51. 柏木輝彦

    説明員(柏木輝彦君) 北京-東京間は、御承知のように、短波によります回線でございますが、東京-サンフランシスコあるいはニューヨーク、ワシントン、米国大使館はケーブルあるいは衛星によります回線がございます。それでございますので、東京におきまして、この回線を交換台におきまして交換して中継するということで、通話のたびごとに直通の回線が設定されて、それによりまして双方が通話を行なうということになろうかと存じます。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 具体的な実施計画というのはいつごろはっきりしますか。
  53. 柏木輝彦

    説明員(柏木輝彦君) このように双方から同意がありましたので、国際電電ではできるだけ早く実施したいということで準備をしているわけでございますが、まだ確定した日取りについてははっきりしておらないようでございます。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 そういう段階ですから、これ以上質問しませんが、いずれにしても非常にいい傾向で、私たちも大臣に、これは通信というのは別ですから、ぜひ日中間においてももっと密接な連絡がとれるようにということで何回かお願いしておったのですが、そういう明るい見通しの上に立って、米中間におきましても通信連絡ができるということは非常に私は喜ばしいことだと思いますから、この機会にKDDが中に入ると思いますけれども、万全なひとつ計画を立てていただいて、迅速、正確にりっぱに通信ができるようにひとつ御配慮願いたいと思います。  それから電波関係が続いておりますから若干伺いたいと思いますが、それでは放送大学のことでちょっと伺っておきたいのですが、これは基本的なことは何回も論議しておりますから、きょうは時間の関係で省略します。  それで、とりあえず放送大学の設立準備の状況というのはどうなっているか。八月十六日午後四時から日本電波放送ラジオによる初めての実験放送が行なわれたようですが、テレビのほうは一向にどのチャンネルをひねっても出ていないと思うのですが、テレビ放送のほうについてはどうなっているか、まずお答えをいただきたい。
  55. 遠藤丞

    説明員遠藤丞君) お答え申し上げます。  御承知のように、本年度はテレビとラジオそれぞれ四科目について実験放送を行ないたいということで準備を進めてまいりまして、ラジオにつきましては、ただいまお話のございましたように、八月十六日から短波放送から放送をいたしております。なお、テレビにつきましては、NHKのほうに委託してお願いをするという予定で準備を進めてはおりますけれども、種々準備の都合もございまして、まだ電波に乗るというところまでは至っておりません。予定より若干おくれがちになっております。
  56. 鈴木強

    鈴木強君 このNHKとの話し合いがうまくいかないというのは、一番問題点は何なんですか。
  57. 遠藤丞

    説明員遠藤丞君) 新しい試みでございますので、いろいろな点で私どものほうもふなれな点がございまして、たとえばできました番組の著作権がどういうことになるとか、あるいは同じように、テキストと申しますか、印刷教材をつくりました際の著作権の帰属処理等をどうするかといったような問題もございますし、また授業科目にはどのようなものを選ぶか、あるいはどのような先生に講習を担当していただくというような点、いろいろ勘案いたしましてお話し合いは続けておりますけれども、まだ結論を得るに至りていないという状況でございます。
  58. 鈴木強

    鈴木強君 これはなかなか公共放送ですし、放送主体をどうするかという問題についても長い間この委員会でも論議しまして、私は何回も意見を申し上げてありますからここでは繰り返しませんが、要するに、番組編制権の問題等を含めて基本の問題が未解決なんですね。だから私はあのときにも自分の意見を申し上げて、この基本の問題をはっきりしておかないと将来に問題を残しますよ、その上でスタートしなさいと言っておったんだが、ラジオのほうはさっさとスタートした。新聞の評を見ると評判が悪い。まだ一千人くらいしか聴取者がないというので、あなたのほうの見通しはまるっきり狂っているのですね。せっかくやるんですから、もう少し周到な準備と周知をして、その上でやらなければ、せっかくの電波を全国に流してみたってなかなかその意味がないように思うのですね。少し軽率ではないですか。ですから、特にテレビのほうがこういうわけでスタートがおくれているなら、何もあえてラジオだけ先にやる必要は私はないと思うのですね。その辺、あなたは担当局長ではないから申し上げてもしようがないのだけれども、少し軽率じゃないですか。この基本問題はちゃんと片づけなさいよ。それでないとこれはだめですよ。答申が出てから、これは何回も言っておりますから、もう言うのもいやになっているくらいなんですがね。ですから、ひとつ局長とか大臣によく相談し、郵政省、NHKともよく相談をしなければいけませんが、中途はんぱなどっちがどっちかわからないようなことでスタートをしますと将来に悔いを残しますよ。これはもっとはっきりすべきところははっきりしてスタートすべきだと思いますが、どうですか。
  59. 遠藤丞

    説明員遠藤丞君) 御指摘の点たいへんごもっともでございまして、私どももやや軽く考えたつもりでもございませんけれども、実験放送ではございますけれども、しかも実際に行なっておりますのは現在のところラジオだけでございますけれども、そのラジオの実験放送をいたすにつきましても、担当講師との間のお打ち合わせその他、ラジオの最も効率的な使い方をどうするといった点、いろいろ準備が不十分であったというふうに私自身感じておりますので、なおテレビの放送につきましても、さらには基本的な放送大学の問題につきましても、十分慎重な検討を進めていかなければならぬ。御指摘のような遺憾のないように関係官庁あるいは関係の方々とも十分御相談をして適当な結論を得るようにいたしたいと、かように考えております。
  60. 鈴木強

    鈴木強君 非常に反省して率直に言われましたから私はそれでいいと思うのです。人間ですからいろいろ足りない点もあるでしょうけれども、そういう点を反省することこそいいものができると思いますから、あなたおそらく第一線の担当者としてそういう気持ちを持っていることがよくわかりました。  それで、四十七年度――来年度予算でどの程度のことをやろうとしているのか、その辺の予算概計がまとまっていると思いますけれども、わかりますか。もしいまここでお答えできなかったら、あとで資料でその分だけでけっこうですから、ラジオ、テレビ両方含めまして出してもらいたいと思いますが、いかがですか。
  61. 遠藤丞

    説明員遠藤丞君) 積算のこまかい資料を持ち合わせておりませんのでごく大ワクだけ申し上げますと、本年も実験放送の委託と、それから基本的な問題を調査審議するための審議会と申しますか、調査会を開催する経費を四十六年度計上しているわけでございますが、来年度におきましても、基本的にはほぼ同様の構想でこれらの準備、調査会の審議の継続、それから実験放送の継続、それからなお海外の最近の放送関係放送を利用した大学教育の状況の視察といったような事柄を含めまして約四億三千万円の概算要求をいたしております。なお、細部につきましては追って資料で御提出させていただきたいと思います。
  62. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。それではもう少し詳しい内容がもし説明していただけるようでしたならば、あとで資料として出していただきたいと思います。  それでは時間がないからこれはこれで終わります。  もう一つ大臣、これは沖縄の復帰に対していろいろ問題があるので、きょうは伺おうと思ったんですが、VOAや極東放送については、前回の委員会で一応政府考え方を伺っておりますので、時間がないからきょうはこれは省略して、一つだけ伺っておきますが、OHKはNHKが継承するということにはっきりきまったわけですね。それと、その際に、OHKのいまの経営は一体どういう状態になっておるのか。資産がどの程度あるのか。まあその詳細なものは資料でもけっこうですから。で、これは引き継ぐ場合の扱い方なんですが、いまOHKはたしか琉球政府が資本金を出していると思いますがね。ですから、そういう資本金を琉球政府が出しているものですから、いまのNKHの性格からすると、放送法上、政府からの出資金は仰いでおらないし、そういうことになりますと放送法上疑義が出てくる。したがって、その措置はどういうふうにして受け入れようとするのか、現段階において、このOHKのNHKへの受け入れについての考え方を説明してもらいたいと思います。経営の状況がどんなふうになっておるか、それも含めてお願いいたします。
  63. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまお尋ねの件でございますが、まず資産状況につきましては、一九七〇年六月三十日現在で、資産の部では、流動資産が二十二万ドル、固定資産が二百九十一万ドル、資産合計が三百十三万ドルであります。負債、資本の部では、流動負債が十一万ドル、固定負債が百八十万ドル、その他の負債が五方ドル、資本金が二百六十三万ドル、欠損金が百四十六万ドル、負債、資本合計が三百十三万ドルでございます。  二番目に、経営状況でございますが、これにつきましては、受信料の収納率が悪うございまして、毎年かなりの欠損を出しておる状況でございます。いろいろ資料はございますけれども、省略さしていただきます。  三番目に、欠損金につきましては、一九七〇年六月三十日現在で、累計額が百四十五万五千七百五十四ドルにのぼっておりますが、これは受信料の収納状況が悪いためでございます。  四番目に、OHK、沖縄放送協会の財産をNHKが引き継ぐ場合は、NHKが政府に支払う額につきましては、引き継ぎ時において、資本金から欠損金累計を引きました額を返還するという方向で検討中でございます。  以上でございます。
  64. 鈴木強

    鈴木強君 日本政府が各島嶼に対して、難視聴地域を解消するとか、いろんな意味において直接援助した金がありますね。それはOHKとの関係はどうなりますか。
  65. 藤木栄

    説明員(藤本栄君) お答え申し上げます。  日本政府が先島地区に対しまして放送施設の援助をしたわけでございますが、それが百九十二万七千ドルということになっておりまして、琉球政府が出資しました七十万ドルと合わせますと、先ほど大臣からお答えがございました資本金として二百六十三万ドル、そういうかっこうになるわけでございます。
  66. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、それも入っているということ、日本政府援助したやつを入れてですね、わかりました。  それでNHKが受け入れることは明確になったんですが、その準備状況というのはうまくいっておりますか、万全にいっておりますか、どうですか、その点だけ。
  67. 江上貞利

    説明員(江上貞利君) 現在NHKにおきましても再三にわたりまして現地のほうに出かけまして、OHK当局と受け入れについて打ち合わせ中でございますので、万全にいくというふうに存じております。
  68. 鈴木強

    鈴木強君 それではもう一つ電波関係で承りたいのですが、問題のCATV法案ですが、この法律案は、今度の臨時国会は無理だと思いますけれども、通常国会にはお出しになりますか。  それから、それとの関連で、先般、郵政省と電電公社で御相談をしたようですが、多摩ニュータウンにCATVの実験施設を建設する、そうして来年度をめどに学校とか、集会所を対象にして双方向の通信によるCATVの通信実験を開始すると、こういうことをきめたようですが、これは世界的にもあまりまだ例のないようなことを日本が始めるわけでして、およその考え方はわかりますけれども、一体どういう内容でやろうとしているのか、概要について説明をしてもらいたいと思います。
  69. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) まず、現在国会で御審議をいただいておりますCATVの法案に対する私どもの姿勢でございますが、これはぜひ御審議をいただきまして、なるべく早い機会に成立さしていただくように、切にお願いを申し上げる次第でございます。  それから二番目のお尋ねでございまする多摩ニュータウンのCATVの実験の問題でございますが、これは私どもの考えといたしましては、将来の情報化していく社会、そういうように社会は進展すると思っているわけでございますけれども、そういうことを考えますと、人の増加してまいります社会の情報化の重要なにない手の一つとこのCATVは思われるわけでございまして、したがって、このCATVを多摩ニュータウンの一部分の地域で実験をやってみたいと考えております。  その意図は、第一に、双方向通信の可能性、実態等を調査いたしたいということが一つ。  また、第二に、放送の再送信、自主送信につきましても、技術的、経済的な実験をやりたい。  第三に、事業者が公社にCATV回線を使わしてもらいたいというお申し出があっているそうでございますけれども、これはどういうふうに電電公社の業務として制度化していくかというような問題も、研究対象になろうかと思っております。  その他、御承知の、今度郵政省につくっておりますCCIS調査会から、研究事項をお願いいたしまして実験してもらいたい。  まあこういうように考えておりますわけでございまして、なお、私の説明で足りない、加えることがもし必要でございますれば、事務当局から説明いたさせます。
  70. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと補足して説明してください。
  71. 柏木輝彦

    説明員(柏木輝彦君) 御承知のように、多摩ニュータウンにつきまして、地元でCATVを計画してみたいというような事業者がございますし、また、これにつきましては電信電話公社に対しましても、直接その事業者が線を引くよりも、公社が施設したものを借り受けるというほうがいろいろ都合のいい点もありまして、まあ公社のほうにもそういうことについての申し出があることにつきましては、大臣のお話しがあったどおりでございます。たまたま、これは再放送、あるいは自主放送というものを主とした計画のようでございますが、郵政省といたしましては、この再放送等の放送以外の、次のCATVの施設の利用のしかた、つまり、同軸ケーブルを設けました双方向を含めました今後の新しいインフォーメーションシステムというようなものの動向を的確に把握するということが必要と考えまして、これの結果、今後の双方向も含むCATVの新しい制度をどういうふうにするかというような法制的な問題も検討しなきゃならぬというふうに考えておりますので、電信電話公社のほうの協力がありますれば、このような設備を地元において適格な業者に対しまして建設して提供いたしまして、あわせまして主としてその双方向通信というような新しいまだ定着していないものでございますが、これについての技術的な面、制度的な面、経済的な面につきましてのいろいろ有益な資料をその中からも得るようにいたしたいということで、CCIS調査会というものをただいま郵政省のほうにおいても設立の準備をいたしておりますが、こちらと協力いたしましてそのような方向での実験もするようにしたいというふうに考えております。また大臣からお話しありましたように、この際、このようなケーブルの設備を公社が建設し、これを提供することは公衆電気通信一つの本来業務には含まれるわけでございますが、こういう何ぶん新しい分野の仕事でありますので、今後公社がこれを本格的に取り組むあるいはその料金をどうするかというようなこと等の問題につきまして、技術的な問題を含めました制度的な問題についての一つの実験台といたしまして、その経験をもとにしまして電電公社が今後のそういう回線賃貸業務というようなものをどのように行なうことにするのが適当であるかというような材料もその中から得ていきたいということもそのねらいに入っているわけでございます。
  72. 鈴木強

    鈴木強君 双方向通信の実験について種々やられるようなんでして、同時にお話しのようなテレビ・ラジオの再送信とかあるいはその自主放送、そういうようなものをやろうとか、非常に何といいますか、そのコンビネーションがうまくいくかどうか、いろいろ双方向通信というそのものも将来どういうふうなことまでやるのかよくわかりませんけれども、それとの関連で、はたしてテレビ・ラジオ再送信とかあるいは自主放送までやれるのかどうか、これは回線の性能なんかの問題とも関連いたしまして、よく私どもにはわかりませんけれども、いずれにしても一つの実験台、試験台としておやりになるようですから、これはひとつサンプルとしてやることは私はいいと思いますけれども、問題は、将来これが全国的にどう発展していくのか、その際に経営主体というのは一体だれがなるのか、これらの点については公益法人あるいは営利法人とかいろいろ出てくると思いますが、そういう問題を早くはっきり固めておきませんと、たいへんな問題になるように私は思うんですね。将来都市地域におけるテレビというものがどうかするとCATVに移行するというような状況も出てくると思いますがね。それだけにそれと双方向通信とのコンビネーションがうまくいくかどうか、これはたいへんな問題になると思いますから、十分検討していただくことにして、将来その可能性があるかどうか、そういうことを含めての実験だそうですから、あまり詳しいことをきょうは申し上げませんが、法律案との関連についてはどうなんですか、大臣。  それからもう一つは、何か新宿にできましたケーブルビジョンですか、ああいうものに対して補助金を出すようなことを郵政省が考えているらしいのですが、これはちょっと私は問題があると思いますよ。そういうことがあるならひとつ、これは報道で聞いただけですから真実かわかりませんが、そういう予算を組んでいるんですか、四十七年度予算に。だとすれば、その基準とか何かはっきりしてもらわないと、これは賛成できないという考え方を持っておりますがね。いま継続審査になっているCATV法案との関連は、このいまやろうとする多摩ニュータウンのこのシステムについては関係はないようですね。CATVの部門だけが関係がある。それはどうなりますか。
  73. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまお話しでございました、また御指摘のございましたCATVの将来の発展性につきまして、事業者の選定を誤っちゃならないということはきわめて大切なことでございまして、ただいま提案いたしておりますCATVの法律案の精神も全くそこに主眼がありますわけでありまして、適正な事業者の選定をあやまちなきを期しましてこれに許可するというようなことにいたしたいというたてまえで法律ができておりますわけでございますが、なおニュータウンの実験と、ただいま提出いたしておりますCATVの法律案との関係でございますけれども、案につきましては、すでに御承知のように双方向通信というのは認めてないわけでございまして、再送信、自主送信だけの考えで出しておりますわけでございますが、でございますから、多摩ニュータウンは法律案とはその点でちょっと食い違っておりますわけでございまして、法律案に先んじて実験をやるというようなことにその双方向通信という面から申しますればなろうかと思っております。  なお、多摩ニュータウンでも自主送信、再送信の実験をやるということにもなっておりますけれども、双方向通信の面では法律案に先行するようなかっこうになっておりますわけでございます。
  74. 鈴木強

    鈴木強君 その点はどういうふうに理解しておいたらいいですか。つまりこのシステムはあくまでも実験のために郵政大臣が特に認可をしてこういうものを実験的にやる、したがって、提案されている法律案とのそごについては、それが実施される実用化段階になった場合には、当然その法律は修正されていく、常識で考えるとそうなるのですが、そういうふうに理解しておいていいですか。それともいまCATVというのは別に規制がないですから、そういう意味においていまはやっているのだということになると、今度法律が出たときには抵触します。その抵触する場合に、いま言ったような実験として特に大臣が認めてやったんだ、やらせるのだ、一つの実験ですね、というように理解して、それが実用化する場合には当然法律改正になるという結論になるのですか。
  75. 江上貞利

    説明員(江上貞利君) ただいま衆議院において継続審議中の有線テレビジョン法案は、御案内のとおり放送行政という側面からとらえたものでございまして、テレビジョンの再送信、自主放送という側面をとらえております。  ただいまの御質問のいわゆる電気通信に属します部門におきましては、これは現在のところその他の電気通信の諸法の規制を受けるわけでございまして、実験といえどもその範囲を出るわけではございません。で、この実験結果がどうなるかということにつきましては、その実験結果に基づきまして有線テレビジョン法案を改正するかあるいはまた他の電気通信諸法の手当てが必要となるかということは、その段階において十分検討いたすべき問題というふうに存じております。   〔委員長退席、松本賢一君着席〕
  76. 鈴木強

    鈴木強君 これは法律解釈ですからはっきりしておかなければいかぬと思いますが、そうしますと、双方向通信というものは、現在の公衆電通通信法なり有線電気通信法、こういうものに立脚をしてやっているけれども、たまたまその回線の中にCATVというものが入ってくる、この回線は要するに一つの回線を使うわけですね。その回線で双方向通信もやるし、CATVの機能も持ってやる、こういうわけでしょう。ちょうどミックスされたようなかっこうになるわけだ。だから双方向通信の場合の通信というのは当然公衆法上の制約を受ける。しかし一面、その回線を使ってCATVをやるには、CATVの法案の制約を受ける、こういうことになる。その使い分けはどういうようにしていくわけですか。そういう器用なこともできるわけですか。
  77. 柏木輝彦

    説明員(柏木輝彦君) CATVにつきましては、現在のところ有線電気通信法による設置ということになろうかと存じます。それと業務面につきましては、有線放送業務の運用の規正に関する法律という、ある程度のまた別の業務面での規制があるわけでございます。これは現在の現行法でございます。  それから今度多摩ニュータウンでやります実験設備としましての双方向通信の設備、これは端末を含めまして電信電話公社がこれを設置するということでございますので、これは一応公衆電気通信的に双方向も含めまして、いまの公衆電気通信法で支障なく実験ができるというようにしたいと思っております。
  78. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると回線は電電公社が建設をして、それをある業者が借りて、CATVをやる。双方向通信というのは、これは電電公社がおやりになる一つのデータ通信というか、そういうようなことでやって、その回線を借りて、そうしてCATVをやる。一石二鳥というか、そういうことなんですね。そういうことになっていくわけですか。
  79. 柏木輝彦

    説明員(柏木輝彦君) この双方向通信の内容がいろいろあるわけでございますが、電信電話公社みずから実験全部やるというような場合もございますし、あるいは公民館でありますとか、学校等が、そのいわば協力者、ユーザーという形で公社が設置した施設を利用して、双方向で実験するというような場合もあると思いますが、いずれにいたしましても、これは現在公衆電気通信法におきまして、公社の業務としてこういうものがやり得るということでございます。
  80. 鈴木強

    鈴木強君 まあ専門の皆さん研究をされておやりになっていることですから間違いないと思いますが、若干法律的に、二つの法律がからむようなところがありますから、その辺はちょっと私もいまのところははっきり理解できないのですけれども、実験そのものは、私はあるいはこういう新しい試みですから大いにやったらいいと思いますですよ。しかし、これをやる場合、法律的にそごのないように、それからまた将来に向かってこれが実用化される場合に、たとえば双方向通信についても、いまあなたのおっしゃるように公社がやる場合と、あるいは民間がやる場合がある。こういうことになりますから、そうすると先般の電電公社の回線開放の問題とからんでくるように思うのですね。ですから、特にCATV法案と有線電気通信法とのからみ合いにそごのないようにしてやってもらわないと困るわけで、多少解釈上よくわかりませんですから若干の質問をしたのですけれども、なおまた、これは次の機会にもう一回やりたいと思います。  それからもう一つ質問の、大臣、新宿にある東京ケーブルビジョンでしたか、新宿で初めてやった。ああいうCATVに対して何か補助金を出すというようなことを聞いたのですけれども、それはどうなっておりますか。
  81. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) どうもお答え漏れいたしましてはなはだ失礼いたしました。御指摘のように明年度の予算にCATVにつきまして国から補助金を差し上げるというようなことで、予算を要求いたしておるわけでございますが、その理由といたしましては、第一に、最近大都市で高層建築物がたくさん建っているところには非常にテレビジョンの難視聴という現象が起こっているのでございまして、まさに公害的な様相を呈しておるわけでございますが、このような都市難視聴解消策といたしましては、このCATVがほとんど唯一の有効な手段だと思っておるわけでありますから、そういう意味で、このCATVを普及促進するということで補助金を出したいということが第一のねらいでございます。  第二といたしましては、情報化社会の発展をはかりますために、その基幹的な要因の一つとなり得る各種の可能性を持っておりますCATVの施設の普及、及び定着をさせますために、その施策を考究いたしまして、さらにまた開発をはかるという必要があると思いますので、助成いたしたいと考えておりますわけでございます。  第三に、CATVの制度的あるいは技術的に解明すべき問題がございますから、調査研究を行なう必要があると考えまして補助金を出すというようなことを考えておりますわけでございまして、この補助金も要求が通るということになりますれば、ただいまお話しの東京ケーブルビジョンその他の法人に対しまして助成をいたしたいと考えております。  まあ基準につきましては、詳細のことはきめておりませんけれども、こういう精神にのっとって何か基準をきめなくちゃならないと考えております。
  82. 鈴木強

    鈴木強君 大臣ね、これは少し歴史的な経過を勉強してもらいたいと思うのですよ。そもそも東京ケーブルビジョンというのは、一体どういう形で出てきたのか。私は当初からこの問題はまっ先に取り上げて、そして現地も視察をし、よく関係してきておりますからね、たいへん失礼ですけれども、大臣、こういうことを申し上げるのですけれどもね、もう少し実態を調べてもらいたい。そしてその前に基本的に都市難視聴地域解消というのは、CATVがただ一つの手段であると、こうおっしゃいますけれどもね、これは放送法上から言っても、NHKというものは当然全国あまねく放送が到達するようにする義務づけをされておるわけですね。それですから、それはいなかにおきましても、いま難視聴解消のために共同アンテナを立てて、それのためには補助金を出しておりますがね。だから本来ならばこれは都市であろうとあるいは山間僻地であろうと、NHKというものがそれをやることが義務づけられておるわけですよ。それにやらせたらいいんじゃないですか。それをあえてCATVというものをつくって、そうして東京ケーブルビジョンがスタートしたいきさつというのは、例のオリンピックのときにテレビが見えないところで急ごしらえでやったわけですよ。私はこういう席ですから、あまり詳細に当時のことははばかりますけれども、非常に不明朗なものがあります。ですから、そういうものに対して私はまた補助金を出すということについて、いまは基準がきまってないというところで、あなたのお答えがいただけませんでしたが、どの程度のものをするのかわかりませんがね、私は問題があると思う。  ただ、三つ目にあげられた制度的、技術的な解明がまだなされてない。したがって、これに対して調査研究を委託してやってもらう。まあこれはわかります、筋が通りますから。それはこの東京ケーブルビジョンに委託してやることもいいでしょうし、あなたのほうには電波監理局というものがあるわけです。電気通信監理官がおるわけですから、そういうところでみずから調査したっていいんですよ。何もケーブルビジョンにお願いをする必要もないと思うので、これは問題があるけれども、しかし、そういう理屈に合うところは私は出していいと思うのです。国から助成してもいいと思う。しかし、どうも難視聴地域解消という立場に立って、これが唯一の難視聴地域の解消の手段であるというように大臣がもしお考えだとすれば、これはとんでもない間違いですよ。その辺がまだもやもやしているんじゃないですか。それで法律案はああいうふうに出したけれども、審議未了になっちゃって、その後また多少手直しをしたが出してきた。いまの法律から言えば、まあ再送信の場合に問題があるわけだけれども、大臣に届け出をすれば何でもできるのですから、そういうことでいまどんどんどんどん全国的にCATVはできてきている。NHKでは一体難視聴地域解消の法律的な義務といまどんどんつくっているCATVとの関係についてはどうなるのかということについては、まだはっきりした結着ができていないんじゃないですか。これはNHKはそれを納得しているんですか。そういう点をもう少し考えて、この補助金のことはやっていただかないと私は困ると思います。
  83. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) その沿革を調べてというお話しでございましたけれども、私の聞いておりますところによりますと、各地にできておりますケーブルビジョンは、郵政省のほうから難視聴の解消のために、――これは大都市の高層ビルによる難視聴でございます――その解消のために、奨励して、財団法人でああいうような事業を始めてもらったというようないきさつがあるようでございます。ところがやってみますと、設備費と申しますか、各家庭に線を引っぱっておりますその線が、たとえば三万円程度かかるのに対しまして郵政省のほうから一万五千円しか加入者から費用は取ってはならないというような規制をいたしておりますようでございまして、そういうような状態はいかにも気の毒だというように考えまして、こういう助成の方法を始めたわけでございますけれども、幸いに、そういう郵政省の方針にのっとって自分のほうで事業をやろうかという希望者が出てきておりますので、なるほど放送法ではあまねく見えたり聞こえたりするような施設をNHKがしなくちゃならないというようなことをうたっておりますけれども、それはそれとして進めてまいりまして、また、しかし、難視聴の解消のために自分で事業をやろうかというような考えを持っておる者が、事業体ができるということになれば、それを奨励してだんだんやっていくということも、私は、何も法律に違反しているものではないと、かように考えております。
  84. 鈴木強

    鈴木強君 それは大臣と認識が全く違うんですよ。あの設立の経過をもう一回よく、その当時の方もおられるでしょうから、大臣はその後に御就任ですから、お聞きいただきたいと思うんですよ。私は公開の席ですから、いまここで申し上げません。申し上げませんが、やはり何か郵政省から奨励をして、そういう人たちがないかとさがしたところがあった、それにやってもらっているんだから恩人だと、こういうような考え方をして、簡単に言ったら、それに助成をするのが何が悪いかと言わぬばかりのお話しですけれども、そうじゃないですよ、このいきさつは。その辺の認識が全く違っておりますからね。ああいうことを郵政省がおやりになったあとに、やはり難視聴地域の解消に対する基本的な考え方というものがやっぱり放送法上において対立しているのですよ、これは。ですから、もちろん、これはいなかにおいて山があり、川があり、谷があって電波をさえぎる場合と、東京においてビルディングが人工的にたくさん建てられて、一つの公害的にその周辺の人たち電波が見えないという場合とは、それは条件は若干違います。しかし、そうであっても、NHKというのは都市難視聴を解消して見えるようにしてあげるというのが、これが放送法上のたてまえですから、だれに頼まれなくても、NHKというものはそれをやらなければならぬ責務を持っているわけでしょう。あなたの言うように、だれかやる人がないか、やってくれているんだという、そういう考え方とは違うんですよ。法律と現実とが相マッチしないで、苦しまぎれにつくったのがあの法人じゃないですか。ですから、ちっとも加入者はふえない、経営はまるっきりよくならない、こういう現象がいま出てきているのです。ですから、これは、ひとつ認識の相違がありますので、一回別の機会にでも大臣に私の考え方も申し述べたいと思いますけれども、そう簡単に、これに対してあなたの言うような趣旨で助成をするということについては問題があるということだけを私ははっきり申し上げておきます。
  85. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) ちょっと答弁させてください。答弁いたします。
  86. 藤木栄

    説明員(藤木栄君) NHKと都市難視聴との関係でございますけれども、御存じのように、現行の放送法にありますように、NHKは「あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」ということで設立されているわけでございますが、この「受信できるように放送を行うこと」ということは、あくまでも放送というのは電波によりまして放送するということでございますので、いわゆる現在、先ほどもおっしゃいましたいなかのほうにおきまして共同受信施設で受信しているというのはNHKの本来の業務ではなくて、これは電波でやっておりませんから。これは高いところでアンテナで受けましたものをケーブルで各家庭に配給するという性質のものでございまして、これは現在郵政大臣が、この放送法にございまする放送及びその受信の進歩発達に寄与する業務ということで、郵政大臣の認可を受けた者が行なうことができることになっておりまして、郵政大臣の認可によって現在行なっているというわけでございます。都市におきましては、いまもお話しございましたように、NHKは電波を出しておるわけでございますけれども、その電波が高層建築物によりまして障害を受けまして十分に受信できないという難視聴の状態を呈しておるわけでございますが、これにつきましては、NHKは本来ちゃんと電波を出しているわけではございますけれども、そういった、高層建築物によって受信できないというわけで、まあNHKはむしろ被害者の立場であるということでございます。特に先ほどもお話しがございましたような、高層建築物が非常にたくさんありまして、いわゆる公害的な様相を呈しているというところにおきましては、もちろんNHKはその受信の改善ということでやらなきゃならない義務がございますけれども、この現在CATVがやっておりますように、みずからがケーブルを引っぱってNHKが全部そこで受信を改善するというところまでは、現在の法律ではNHKは要求されていないと、私どもはそういうふうに解釈しているわけでございます。
  87. 鈴木強

    鈴木強君 あなたは非常に何というのですか、右に行ったり、左に行ったり、法律というものをかってに解釈している、そんな解釈は私は十五年いて初めて聞いた。いなかにだって山の鉄塔にアンテナを立ててそこから有線でみんな引っぱっている、NHKは山に対しては被害者かもしらぬ。山がなかったらNHKの電波は到達するわけですから、それはしかし自然現象でどうしようもないでしょう。それを有線で引っぱることがNHKに義務づけられておらぬなどというような、何をあなたは、どういう解釈をしているのですか。おかしなことを言うものですね、あなたは。それから都会の場合は、だんだん公害的な、何もないところにぽこっとビルが建つわけですから、そうしますとそのビルにさえぎられて電波が到達しない、そうするとやっぱり有線によってそれが見えるようにしてやろうというのがこのシステムなんでしょう。だから、そうならばNHKが被害者ならば、ビルを建てた建築主が加害者なんだから建築主から出させればいいじゃないですか。何も政府が出す必要はないじゃないですか。理屈を言えばそうなるのですよ。だからあなたが言うような解釈でなくて、私が言っているのは、放送法のたてまえというのは、どこでも、見えないところは有線で引っぱろうがどうしようが、NHKというのは電波が見えるようにするのがNHKに課せられた使命なんですよ。あなた方はそれをやる監督の立場にあるわけです。そういうふうにいままですなおに解釈してきたわけです。有線を引っぱるのがNHKの仕事でなくて、郵政大臣が認可をしてやらせるなんということは、そんなとぼけたことをいまごろ言われてはそれは困るよ。だからそういう論議はもうあなたとしたくない。問題はケーブルビジョンというものがどういういきさつでじゃあれができてきたのか、当時の部長もかわりましたけれども、私は個人的に電話までかけて私の意見を出したことがあるのですよ。もっともだとしながらも、すでにあなた方がきめちゃったからああいう法人ができてしまったのじゃないですか。法律との関係であなた方は周章ろうばいしたのでしょう。右往左往したのでしょう。そうして関係者を集めてNHKまで入れてそしてああいう法人格までつくった。だからして、都市においてもそれは加害者であるビルの責任者が協議をして何がしかのものを出させるということもこれは必要かもしれませんが、いずれにしても、そのことをNHKがやるのが法律違反だというそういうような考え方は、これは通りませんよね。だからもう少し理屈を立てて、しかも唯一のこれが手段だというようなことを大臣がおっしゃるから私は少しかんにもきたわけです。従来われわれもまじめに難視聴地域の解消に対してどうしたらいいかということを大所高所から論議をしているがゆえにそういう気持ちにかられたわけです。理屈のあるところはけっこうです。大いに助成してやったらけっこうなんです。しかし、筋が通らぬことをやったらこれはだめなんです。どの程度の助成をしたらどの程度の普及、宣伝ができるのですか。その見通しはどうなんですか。もう六年もたっているのに一向に利用者がふえないのは一体どこに原因があるのか。それはしっかりした方針がないままにスタートしたからです。だから、当初からそんなことはわかっておってやったはずなんです。やってみてどうも思うようにいかないから、今度国から金を出すというそんなべらぼうなやり方はないじゃないか。何をやっているのです。きょうきのう始まったわけじゃないのです。どうにも経営が苦しくなって首が回らなくなってしまった。だから国から補助をしてやろうという考え方はだめなんです。もっと根本的にNHKと政府の間に法律解釈上いろいろ問題があるけれども、NHKも了承してCATVに都市の難視聴解消について将来やっていくという方針をはっきり打ち出して、その上でそれじゃどうしようという方向をきちっときめて、その上に立って将来計画を立てて助成するということであれば、将来東京だけではなくて、都市における難視聴地域は一体これはどうしてカバーしていくかということも考えなければならない。全国いまあらゆるところにどんどん小さいものが建っています。いまの法律では大臣からいえばそれでできるわけですが、それじゃいけないから、ある程度将来の都市におけるテレビというものは有線でいくならいく、そういう方法をかなり重点的に考えながらやっていくならやっていくという方針を政府が出して、その上に立って、基本的な考え方に立ってやってほしいということを常に私は申し上げているのです。そういうことがまるきりやられないでCATV法案ももたもたしていて一向に問題点は解決されないままになっている。現行のCATVに対して適切な措置が行なわれていない。再送信は放送業者の同意がなければできないということが出てくる。だから、そういう問題だって、いま法律上は問題があるのですよ。それをわざわざ放送業者が同意した形をとっていまやられている。極端に言えば、法律上は再送信は臨時かつ一時の目的のために行なわれるものを除き、放送業者の同意を得なければできないことになっている。だから、この点は放送業者が同意したという形でやられている。こういう便宜的なことをやっているのが東京ケーブルビジョン、これは例をとってたいへん悪いが、事実はそうなんです。だから、それに助成するというならもっと基本的なものを考えてやってもらいたいというのが私の考えです。それを何だかわけのわからないような官僚的な答弁する必要はない。大臣から答えてください。
  88. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 詳細ないきさつのことは事務当局のほうが詳しいですから、事務当局に答えさせます。
  89. 藤木栄

    説明員(藤木栄君) 私、ちょっとことばが足りませんで、先ほどNHKが難視聴解消、たとえば都市におきまする難視聴解消あるいはいなかにおきまする概視聴解消が法律違反だということは申し上げなかったのでございまして、これはNHKのいわゆる本来業務、電波によるものではない。ただし、放送法の第九条の第十号にございますように、先ほど申し上げました「放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務で郵政大臣の認可を受けたものを行うこと。」という条項によりまして、現在、私どもの行政のやり方としましては、大臣の認可によってそういうところはNHKが実施している、そういうのが現状でございます。  なお、都市におきまする難視聴の問題は、先生がおっしゃいましたように、明らかに一つの建物によりまして難視聴が起こっているという場合は、これはその建物の建築主に交渉いたしまして、そこから金を出してもらって、ケーブルを引っぱって難視聴を解消していくという方針で、これは郵政省としましても受信障害対策協議会というものをつくりまして、そういった方向で指導しているわけでございますので、こういった例は多くあるわけでございます。ただ先ほど申し上げましたような、非常に建物がたくさんありまして、どこの建物から来るかわからない障害というような公害的な様相を呈しているという場合は、これはどこの建物からというわけにいきませんし、公害的ということで、先ほど来申し上げた、問題になっておりますような、現在はケーブルビジョンというかっこうで、東京だけではございませんで、ほかのところでも財団法人ができまして、難視聴の解消をやっている。その場合、NHKはもちろん、協力いたしまして出資をいたしまして、難視聴の解消に協力しているという状態でございます。なお御存じのようにいわゆる、同軸ケーブルというものをその際引くわけでございまして、その同軸ケーブルによらなければ難視聴解消ができないということで、先ほど大臣が、このいわゆるCATVによらなければほかに方法がないということで唯一の手段である、そういうようなお答えを申し上げたわけでございます。  なお、補助金の問題につきましては、これは、何も東京ケーブルビジョンを救うがために補助金を要求しているということではございませんで、これは一般的に、具体的に申し上げますと、大体大きな大都市におきましてのCATV四カ所くらいのものに対してその施設費の四分の一程度を助成するということで、現在予算要求をいたしております。そのほか先ほどありました調査研究あるいは自主放送どもできるように要求しておるということでございまして、それが通りました暁には、場合によりましては東京ケーブルビジョンにそういった金がいくということになろうかと思いますけれども、私どもとしましては、東京ケーブルビジョンのために補助金を要求しているということではないということを御説明申し上げたいと思います。
  90. 鈴木強

    鈴木強君 大臣、基準がまだきまっていないというお話でしたが、もう予算は概計として出しておられるのでしょう。だから、基準がきまっていないというのはどういうことですか。つくっていないというのですか。基準がなかったら予算ができないでしょう。
  91. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 事務当局で予算要求の根拠はちゃんとつくっているそうでございまして、必要ございますれば御説明いたします。
  92. 藤木栄

    説明員(藤本栄君) いま手元にこまかい資料がございませんけれども、いわゆるCATV施設の助成につきましては、いま御存じのように一世帯当たり約三万円くらい経費がかかるわけでございますので、そのうちの半分は現在、加入者から出してもらっております。残りの半分の半分、すなわち四分の一を国から助成することによりまして難視聴というものの解消を、いわゆるパイロットシステムとしてそういうものを実施したいと、こういうふうに考えておるわけでございます。そのほか自主放送というものがこれから行なわれる。現在行なわれておるところもございますけれども一つの新しい再送信と違った意味の自主放送といったものが行なわれる、こういうことを考えまして、そういったものに対しましても自主放送の施設に対しましても助成を行なう。これがその施設の経費の約半分ぐらいを現在予算要求をしておるという状態でございます。そのほか先ほど大臣からもお話がございました調査研究的なものも要求しておる、そういうようなことでございます。
  93. 鈴木強

    鈴木強君 どこと、どこと、どこと、どこにあるのですか、四つあると言ったのは。
  94. 江上貞利

    説明員(江上貞利君) 現在抽象的にはいろいろ地域を考えておりますけれども、具体的にこの地域ということはまだ決定をいたしておりません。これは十分に中でも考えていきたいと思っておりますけれども、ただいずれにいたしましても、この施設が都市難視聴を解消いたしますためのパイロットシステムであるといたしましても、現にテレビジョン放送の難視聴解消の緊急度を必要とする地域ということが第一の条件として考えられようかと思います。それと、さらに地域によりましては、非常に娯楽設備の乏しいところあるいは電波がなかなか届きにくいところというような地域もあろうかと思います。そのようなことを念頭におきまして具体的地域を選定いたしてまいりたいと思っております。
  95. 鈴木強

    鈴木強君 大臣、これは個々の視聴者が便益を受けること、その人たちの利益になるためにやる施設という、その点について私は別に異論を唱えているわけではないのです。ただ従来のいきさつからして、どうも基本になるべき問題が幾つかあるのだけれども、その問題がすっきりしておらぬ。その中でこういうような補助金まで進んでいきますとたいへん問題があるのではないだろうか、その基準をどうするか。将来全国的にどんどん出ていくときに、ここはやってここはやらないということが実際できますか。そういう差別を一体何によってやるのですか。ですから、その基準についても一体どういうところを基準にしてやるか、どの施設にやるかということを軽々にきめるということは問題があると思う。やるならば全部の施設にやるとか、何かそういう方法をとらないと非常に問題があると思う。ですからして、法律もまだ整備されていない、宙に迷っている、そういう段階であえてそこまで踏み切らなくてもいいじゃないですか。もうちょっと法律も整備されてその上でもって、まあ協会の立場もあるでしょうし、郵政省の立場もあるでしょうし、その他法律上の解釈の問題もあるでしょうし、われわれも基本としてなかなか了解しがたいものを持っておるわけですから、将来の有線無線を使って日本のテレビをどういうふうに持っていくのか。VからUへ、さらに有線へと、併用してどうやっていくかという基本の問題を展望して、その上に立っておやりになったほうがいいだろう、こういう判断をしたから、私は時期尚早であるという意味から申し上げておるので、いきさつを大臣ちょっと一方的に何か聞いておられるように思いますから、もう少し別の機会に、大臣にも私たちのいきさつも聞いてもらいたいと思います。ですから、予算は概算としてつくられておるならば、できればそれはやめてもらって、来年くらいまで延ばすようにしてもらって、もう少し検討してもらいたいと思うのですけれども、それはあなたのほうでおやりになることだから、私は希望としてこれはペンディングとことしはして、もう少し基本を固めた上でやってもらいたいということを希望しておきます。時間がないからこれはこれで終わります。  だいぶ時間がたって、郵政と電電残っておるのですけれども、簡単にひとつお待ちいただいておりますのでやりたいと思います。郵政省のほうお待たせしておりますけれども、この前の郵便法を可決する際に附帯決議をつけておりますが、この三つの附帯決議に対して郵政省はどういう御措置をなされたか、これを大臣から承りたいと思います。
  96. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) さきの第六十五回国会における当参議院の委員会におきましてお示しの附帯決議につきましては、政府といたしましてこの御趣旨に沿うよう施策を進めておる次第でございます。  三つございましたが、まず第一点の学使関係の正常化でございますが、これにつきましては、労使関係改善のための基本的な考え方につきましては、昨年十二月十四日の労使確認を踏まえましてこの二月に、郵人管第三〇号及び第五〇号通達を発出しますとともに、あらゆる機会を活用いたしましてその浸透をはかってきておりますし、下部におきましてもよく理解されてきていると思っております。本年度からの管理者訓練にもこの趣旨を強く織り込んで教材に取り入れたりなどいたしておりますが、今後も着実に指導徹底していく所存でございます。  なお、正常化のために労使間で懸案となっております個々の問題につきましても、一つ一つ改善しているところでございます。  第二番目の郵便の問題でございますが、この郵便の標準送達速度の公表及び励行の問題でありますが、これにつきましては、一種定形と二種郵便物につきまして、十月下旬に公表することといたしまして、目下公表の範囲等につきまして最終的な調整を進め、一方では各郵便局ごとの具体的な所要日数の算定を急いでおる段階でございます。  最後に、郵政審議会の機能強化の問題でございますが、郵便法の一部を改正する法律案の国会審議の過程におきまして、郵政審議会の機能強化について、主として組織並びに委員の人選について種々の論議がありましたが、当審議会の組織につきましては、郵政審議会令に定められております委員四十五人以内のうち三人を常勤化し、一そう量的、質的に膨大化してまいり、また複雑化してまいります審議会の所掌事務を円滑に処理するよう、昭和四十七年度の予算要求に掲上いたしております。また、人選につきましては、各界各層の学識経験者等を網羅いたしまして、より広い視野に立って審議をお願いするというような審議会の強化充実を進めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。  以上でございます。
  97. 鈴木強

    鈴木強君 時間がありませんから、一つ労使関係の問題について実は大臣御就任以来まだ時間の関係で大臣の基本的なお考え方をお聞きする機会がありませんので、時間がありましたらきょうは少し突っ込んで伺いたいと思いましたけれども、これは時間の関係で次に譲ります。  それから、二の標準送達速度の問題ですが、郵便法制定当時に私はかなり速達郵便物等が送達が不規則である。しかも配達をする従業員の態度も悪いということを強く申し上げたのですが、郵政省のいろいろの御苦心もあったと思いまして、最近直接私どもに配達をしていただく郵便従業員の方々も、鈴木さん速達ですよ、というふうにことばをかけて、そして配達をしてくれるようになりました。それから時間もかなり前から見ると正確に届くようになりまして、この点は非常に皆さんの御労苦を感謝いたします。と同時に、一生懸命前線で働いている諸君が、雨の日も風の日もなく御苦労いただいておるわけですから、私どもその御苦労には心から感謝申し上げておるわけでございますので、ぜひこの点は、この制度のすみやかな実施と同時に、そういう御配慮をしていただくようにお願いいたしておきたいと思います。おそらく標準送達速度というのは、全種類にわたって一ぺんにやるということはなかなかむずかしいと思いますけれども、とりあえず郵務局長新聞にもちょっと報道されまして、なかなかこの点は郵政もよくやるわいと私は思いました。ですから、いいことはいいと私は心から推奨し、感謝もするのです。一ぺんにやれないことと思いますが、とりあえず種類で言ったら何種ということになるのですか。そういう点はどうですか。
  98. 溝呂木繁

    説明員(溝呂木繁君) ただいま大臣から答弁していただきましたように、とりあえず、いわゆる手紙、はがき、正式のことばで言いますと、第一種定型と第二種郵便物、これについてまず送達日数を公表いたしまして、おっつけそれ以外の一種定型外とか、あるいは三種以下、小包といったようなものについても逐次研究を重ねていきたい、こういうふうに考えております。
  99. 鈴木強

    鈴木強君 おっつけというのはあれですか、いつごろを大体考えておられますか。
  100. 溝呂木繁

    説明員(溝呂木繁君) 実はまず一種定型と二種郵便物を公表いたしまして、なおしばらくその守り方といいますか、どの程度励行できるか、それのほうに少し重点を置きたいと思っておりますので、少しそのいきさつを見てから次の段階に移らしていただきたいために、いまここでいつごろということについてはちょっと御答弁できない状態でありますことを御了解願いたいと思います。
  101. 鈴木強

    鈴木強君 なかなかきめてみたけど、実際にそのとおりいかないということじゃこれはうまくないわけですから、その点の御苦心はよくわかりますよ。わかりますけれども、全国的に郵便がどうも到達が不正確であって当てにならぬというふうな評判が出ているときですから、ぜひひとつ一種、二種に限らず他の種別についてもできるだけ早い機会に実現できるように万全の御配慮をしておいていただきたいと思います。  それから三番目の郵政審議会の件ですけれども、大臣ね、われわれがこの附帯決議をつけた内容の趣旨については、いま大臣のおっしゃった四十七年度に三人を常勤化するということで予算措置もしていただきましたから、これは一歩前進でして感謝しますけれども、もう一歩進んでこの審議会の機能をもっと法律的にはっきりとしてもらいたいということをわれわれは考えてこの附帯決議をつけたわけです。ですから、いまのおっしゃる点は一歩前進でございますけれども、これは現行法律の内部において運用上おやりになるわけですか。そういうふうなことだと思いますけれども、法律を変えていくというたてまえであるならば、三人のこの常勤化ということではわれわれはちょっと不満なんですよね。ですから、その辺はどうなるのでございましょうか。要するに、法律改正ということを前提にしてお考えになっていることですか、どうですか。
  102. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 法律改正を前提としてというようには考えていないでありまして、このままいま申し上げました審議会令でございますか、それに基づいて現在の四十五名で常勤は三名というふうにいたしまして、機能というお話ございましたが、私はそのいまの郵政審議会令に郵政審議会の職務と申しますか、使命と申しますか、その仕事の内容について書いてあることを存じませんけれども、四十五名おりますから、適当に運営してまいりますれば、最も私は大切なことはその四十五名の委員がその人を得ることではないかと思っております。まあこのたび幸いに二人欠員ができましたので、御承知のとおり人選をいたしまして斬新味を注入したと申しますか、広くまあ国民の視野に立ってものごとを判断していただけるような人物に委員になっていただくというようなことにいたしますれば、この前の郵便法の改正のときに御指摘をいただき、また御要望のございました線に沿っていけるのじゃなかろうかと、このように考えておりますわけでございまして、私はまあ漸次この委員の内容、顔ぶれというものを考えてまいりますれば、四十五名もおりますので相当りっぱな仕事ができると、このように期待いたしておりますわけでございます。
  103. 鈴木強

    鈴木強君 大臣のお考え方はわかるのですけれども、われわれが郵政審議会の任務のいよいよ重要性を加えつつあるということについては、まあ御承知のように郵便料金も法定からあなたの権限にまかされておるわけですね。したがって、その意味から言うと、従来の郵政審議会のそのままの姿では不十分ではないだろうか。だから、必ずしも四十五人おるからということではなくて、もう少し頭数はしぼっても内容を充実し、人選をうまくやっていただいて、しかもその委員の方々には相当な報酬も出していただいて、ただ単に腰かけ的にそのつど来て交通費出して頼むというようなことではなくして、もう少し、まあ三人常勤していただくということですけれどもね。常勤制というのをかなり強化して、そうして中身のある審議ができるようにしてほしい。従来どうかすると審議会は郵政のほうからもらった資料を、あてがいぶちの資料で審議しなければならぬということが往々にしてあるわけですから、そうではなくして、ときには審議会が独自に調査活動のできるような形に強化していただきたい、こういうのが実はわれわれのこの附帯決議をつけた趣旨でございますから、まあ法律改正を前提にもちろんわれわれ考えておったわけでございますので、いますぐと言ってもなかなかむずかしいでしょうし、また大臣御就任なされて、まあ委員の任命等も見ておりまして非常にいまおっしゃったように新鮮味のある納得のできるようなこともしていただいておるわけですから、さらにひとつこの趣旨を十分踏まえていただいて次の機会にやっていただくように強く要望しておきますが、簡単に御所見を承っておきます。
  104. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 御趣旨はよくわかりましたので、つとめて御期待に沿うように勉強してまいりたいと思います。
  105. 鈴木強

    鈴木強君 それでは最後に電電公社のほうにちょっとお尋ねしておきたいのですが、まあ前段は抜きにしますけれども、最近電電公社の収入の面において予定目標から見ると実績が下回っているように聞いておりますが、これはおそらく昨年来続いてきております景気の下向き、沈滞、そういうことからして出ておることではないかと思いますが、それらの点をどういうふうに公社としてはお考えか、まず目標と実績はどうなっておりますか。四十六年度、ごく最近までわかる部分で月別にもしわかったら教えてもらいたいと思う。それからその減収がどういうところに起因しているのか、そういうところもあわせて聞かしてほしいと思います。
  106. 好本巧

    説明員(好本巧君) お答えいたします。  ただいま手元で一番新しい数字は七月末のものでございまして、四十六年度の事業収入は御案内のとおり予算で一兆二千三百七十一億円を予定しております。これに対しまして実績は七月末現在で三千九百四十九億円でございまして、予算収入に対しまして収入済みの実績は三一・九%に相当いたします。これはちょうど一年前の、四十五年度の七月末の収入実績が四十五年度の予算収入に対しまして三三・三%の収入済みでございましたので一・四%ほど少ないということでございます。  それから、目標に対してどうかというお尋ねでございますが、収入予算を一応内部で月別に内部の管理上、毎月の収入の目標をつくっておりますが、それを四月から七月までの月別予定の累計に対しましてただいま申し上げました三千九百四十九億円の収入済みの金額は九九%でございまして、一%満たしていないというふうな状況でございます。なぜ収入に対して収入済みの実績が下向っておるかというお尋ねでございますが、御案内のように、事業収入の中の占める比率から言いますと、電話収入が圧倒的に大きいものでございますが、電話収入の動向は過去私どもの経験から言いましても景気の好況不況というものに非常に敏感に影響するもののようでございまして、景気が停滞いたしますと電話収入が落ちてまいります。たとえば四十五年の十月以降景気が停滞期に入りましたが、昭和四十五年の九月以前に比べまして十月ごろからかなり予定より下回ってまいりました。昨年の十月から本年の七月まで電話の収入があまり伸びないというような実績が出ておりますので、やはり一番大きい原因としては、一般の経済の不況によるものであろう、かように考えております。
  107. 鈴木強

    鈴木強君 具体的に三千九百四十九億の実績で、率で九九%ですね。四月――七月の収入目標は何千億になっておりますか。そうすると金額にしたら幾らになりますか、収入減ですね。
  108. 好本巧

    説明員(好本巧君) 収入の予定が四月から七月末までで三千九百八十八億円でございますので、約四十億弱というのが収入未達成額であると言えます。
  109. 鈴木強

    鈴木強君 これは御指摘のように経済の動向によって、こういう四十億の赤字といいますか、収入減になっているということだと思いますが、特にこのほかに最近の傾向として、電電の場合は住宅電話というのがどんどんと普及しておりますですね、業務用電話よりも住宅電話のほうが率としては最近は多い。そうなると勢い一加入当たりの単金というものが業務用電話よりも住宅用電話のほうが少ないということが考えられるのですけれども、そういう点は、もちろん一つには景気の問題にも関係するし、一つは電話の設置が住宅電話に移行するというようなことからして出てくる大体二つだと考えてよろしいですか。
  110. 好本巧

    説明員(好本巧君) ただいま御指摘のように、住宅電話は全体の加入電話の中で五〇%をややこえまして、むしろ数からいいますと、住宅用電話のほうが少しふえてまいったわけでございます。住宅用電話と事業用電話と分けまして、収入単金といいますか、一加入回線当たりの収入というものがどういう傾向であるかということを申しますと、景気の変動によりまして、加入電話の収入単金が落ちてまいったということを先ほど申し上げましたが、住宅用電話に限って申しますと、景気の停滞というものの影響はございませんで、昨年の四十五年十月以降の景気の停滞で住宅用電話は別に落ちておりません。事業用電話が非常に大きく敏感であるというように考えられます。ただ、数からいいますと、住宅用電話も五〇%をこえたといいますけれども、収入の金額からいいますと、ほとんど八〇%以上は事業用電話からの収入でございまして、住宅用電話からの収入は二〇%以下である。こういうことから、全体の住宅用も事業用も含めましたところの加入電話全体の収入の動向というものが景気に影響されているというように言えると思います。また、ただいま御指摘になりました住宅用電話の収入単金は、業務用電話の収入単金に比べまして相当低うございますので、業務用電話の比率が減って、住宅用電話の比率がふえることによって、それが全体の総合的な一加入当たりの単金を引き下げるほうに働いておるのではないかというような御指摘ではなかったかと思いますが、確かに理論的にはそのとおりでございます。ただ、四十五年の九月ごろまでの傾向を見ますと、住宅用電話という低い単金のものの数がふえて、全体の構成比率がふえまして、収入単金の高い事業用電話のほうの数の比率が少なくなる。したがって総合しますと、一加入当たりの収入単金が減ってまいるはずでありますが、それを補うだけ業務用、事業用の電話の単金はだんだんと上がってまいっておった、そういうことがございましたので、昨年の秋ごろまでは住宅、事業用合わせました総合の加入単金は横ばいである、それが今回若干落ちてまいったというのが景気の影響であろうと申し上げましたが、理論的に言いますと、確かに御指摘のように単金の低いほうの部分がふくれまして、単金の高いほうの部分が減りますから、それを補って余りあるほど事業用電話の単金がふえない限りは、確かにそうなることに相なるというふうに思います。
  111. 鈴木強

    鈴木強君 いまの御説明は大体七月末までの分ですが、これから八月から来年の三月にかけて収入見通しがどうなっていくかということですね。収入目標と実績がどうなっていくかということはこれはなかなかむずかしいと思いますが、一般的に見て、八月十五日からのドル防衛というものが出てきて、日本の景気はさらに悪くなると見なければならぬと思います。そうなると、いまの御説明にもありますように、八〇%の料金収入が業務用、事業用電話によって占められているということからすると、かなり料金収入の面で四十億にさらに大きくプラスされて相当な収入減が出てくると予想されるのですが、この点はもちろんむずかしいと思いますけれども、何か一応の見通しというようなものは持っておられますか。
  112. 好本巧

    説明員(好本巧君) ただいま申し上げましたように、七月までの実績で、予算の収入に対しまして大体一%の収入減ということがあらわれております。この八月以降明年の三月までにつきまして予算に対して収入の実績がどうなるかという見通しでございますが、これは非常にむずかしい問題だと思いますが、七月までの一%というものを横に引っぱっていきますと、大体予算収入が一兆二千億余りでございますので、百二十億くらいの赤字が出るということになりますが、ただ一つは先ほど申し上げました景気の見通しがありまして、景気が回復いたしますと相当早く、それの回復に早く続いて電話収入が回復するというのが、過去数回の経験がございますので、その景気の回復ということが一つあると思います。  それからもう一つは、私どものいわゆる収入確保対策といいますか、増収対策といいますか、そういう経営努力をさらに特別に今後特段の努力を続けてまいりまして、何とか収入の確保につとめたいというふうに考えております。したがいまして、ただいまの段階で何億ぐらいの赤字、未達成を見るかということは相当むずかしいと思います。
  113. 鈴木強

    鈴木強君 それは確かにいまの段階でこういう質問をするのは少し無理だと思いますけれども、問題は、まあ私はいずれ政府も本年度の経済見通し等についてあるいは一部修正をするかどうか、あるいはこの長期の経済社会発展計画というものに対して当然手直しをするというようなことになると思うのですね。ですから、そういうものとの関連で、やがて次の通常国会にも補正予算を、根本的にいまの景気の変動に伴って従来の考え方からかなり大幅に補正予算も組まなければならぬだろうということも報道されているわけでありまして、したがって、政府のそういう態度決定に伴って、電電のほうであるいは一部予算の修正等をやるかどうか、これは今後の問題ですから、そういうむずかしい問題ですから、ただ、もちろんここで大ざっぱな話をしているのでありまして、いまの景気がとてもここのところ一年くらいで持ち直すというようなこともまずないだろうと、一般的に常識的に考えられるわけですから、かなり公社予算もその面から圧迫を食うだろう。したがって、四十六年度の収支差額は百二十五億でございましたか、ですからこういう見込んでおる収支差額というのはおそらくくずれていくだろうということになるわけでして、公社のほうとしてもかなり困難が出てくると思うんですが、いま大臣がちょっと席を立っておりますので、大臣にちょっと伺いたかったんですが、公社としては、一応いまの状態でいけば百二十億程度の減収が予想される。今度何か専用回線に対する市内、市外の区別を撤廃して、距離別によって料金をとるようなことに大臣の認可で改正になりますね。そういうふうなことが多少なりとも予算の面で影響があるのかどうなのか。従来言われておるような、プラス・マイナス・ゼロというような考え方で考えておっていいかどうか、この点はどうでしょうか。
  114. 遠藤正介

    説明員遠藤正介君) いまちょっとお話の出ました専用線、まあ部分的には特定回線と称せられるものでございますが、これについてはまだ郵政大臣の認可を正式に求めているわけではございませんので、距離的な考え方といたしましては、いま先生のおっしゃったような方向で考えておるのでございまして、全体としてはやはり増減収ゼロと申しますか、専用線全体としてプラスもない、マイナスもないという形の中で調整をいたしたいと考えております。
  115. 鈴木強

    鈴木強君 建設勘定への繰り入れというのが八千二百十億円ありますね。これはどんなことがあってもだいじょうぶというふうに判断してよろしいでしょうか。
  116. 好本巧

    説明員(好本巧君) いま御指摘がございましたように、四十六年度予算では建設勘定の規模が八千二百十億円でございますが、これに、ただいまお話の出ました事業収支の、収入支出の差額の百五十二億円というものが八千二百十億円の一部として建設勘定のほうへ回ることになっております。したがいまして収支の差額が百五十二億円出なかった場合にどうなるか、そのときには八千二百十億円という建設勘定の収入のほうに穴があくのかと、こういう御質問かと思いますが、私どもといたしましては、現在の電話の需給の問題、あるいは現在の政府の財政の御方針、そういうところから考えまして、建設工程を削減するというようなことはとうてい考えられません。好ましくないということに思っておりますので、何とか、そういうことが万一起こりました場合には、いろいろな資金の手当て等を行ないまして、事業計画は予算で定められましたとおり、所定どおり遂行いたしたいというふうに考えております。
  117. 鈴木強

    鈴木強君 大臣こられましたね、伺いますが、本年度の経済見通し実質一〇・一%という、これはもうはっきり言ってふえないと見なければなりませんね。ですから次の臨時国会で補正予算もこの景気を立て直すためにかなり思い切った予算措置をしなければ、公共投資その他において、財政的なやっぱり手当てをしなければどうにもならぬというふうなところへきたということを言われておりますね。したがって、それとの関連で経済見通しに手を加えるということは考えておられるのですか。
  118. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 御指摘のように、経済成長がだいぶ落ちてくると思います。いま政府のとるべき最も重点的な方策は景気の浮揚ということにあるべきだと思っておりますわけでございまして、それについては公共事業あるいは社会資本の実施を急ぐとか、さらにまた金額をふやすとかいうようなことに重点を置いてやれというようなことに、従来政府も申しておりますけれども、新年度にあたりましてますますそういうような傾向が強くなるんじゃないかと、かように思っております。したがって、私どもの担当いたしております公共事業として伸ばすには、いまがむしろ絶好のチャンスじゃないかという気もするわけでございまして、こういう機会に便乗してと言っては語弊がございますけれども、   〔委員長代理松本賢一君退席、委員長着席〕 時勢を察して景気浮揚に大いに協力するという立場から、そのような配慮をするように特にしてまいらなければならないと、かように考えておるわけでございます。
  119. 鈴木強

    鈴木強君 問題の経済見通しについては、政府が四十六年度おきめになった方針を好むと好まざるとにかかわらず修正せざるを得ないだろうとぼくは思うんですね。ですからそういう上に立って、もちろん収入源をどこかに求めなければなりません。そうして社会資本のいまおっしゃったような公共事業なり減税なり、いろいろな角度から国内需要を刺激するような、やはり措置をとらなければ景気は立ち上がっていかないと思いますね。ですから、そういうことはわかっているんですけれども、次の臨時国会にも補正を出すというんですね。そういう一つの見通しを持っておられるようですからして、そういうような政府見通しが変わってくれば、当然各官庁ですね、各省庁さらに政府機関、こういうところもそれに基づいてやっぱり何がしかの予算の補正ということをしなければならぬと思います。いまちょっとお留守中に伺ったように、かりに百五十二億の収支差額を切っていくというようなことになった場合、公社の予定収入の実績というものが減る。これは郵政にも言えることです。どこにも言えることですが、そういう場合に一体既定の計画を変更しなければならぬかというと、それはできないと、当然。むしろ公共投資としては、できればもっとふやしてその面から景気刺激剤にするということを考えられるわけですから、その場合に一体落ち込んだものを、短期借り入れをするか、いろいろと方法はあると思いますけれども、あると思いますけれどもが、いずれにしても、既定予算に対して補正ないしは修正を加えていかなければならぬと思うんですがね。そういうことを一方に考えながら、いまのこれは電電だけじゃないんですけれども、各省庁ともやっておいきになるような方針なんでしょうかということを聞いておる。まあ経済企画庁長官ではないし大蔵大臣ではないんですからちょっと無理だと思うんですけれども、大臣の御良識のあれからちょっとその辺を承っておけば、われわれこれからの心組みが非常にしやすいものですからちょっと伺ったんですけれども、その点はどうでしょうか。
  120. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 方向といたしましてはまさにそのとおりであるかと思っておりますが、しからば財源をどこに求めるかということになりますと、なかなか財投も窮屈だというようなことで、仕事をやるということになれば結局一般会計は国債に財源を求めるという手もありますわけでございますけれども、電電公社の場合におきましては、財投に非常に御期待なさっておられるようでございますけれども、これは道路とかあるいは住宅とか、そういうような問題もございますから、私どもが考えておりますようになかなか簡単に千数百億の確保はできないかもしれぬということも考えなくちゃなりませんし、そうなれば、どうするかという問題でございますけれども、やっぱり何とか打開しなくちゃならない。それでできるだけ事業は伸ばすべきだ、こういうように考えておりますわけでございまして、いろいろな方法があろうかと思っております。債務も――借金ですね――債務も考えていくと申しますか、新規のそういうことも考えられないわけじゃないと思いますわけでございまして、まあ今後については総裁ともよくお打ち合わせいたしまして、方向としましてはまさにお考えのとおりだと思いますので、こういう時期を最もよく利用いたしまして事業の拡張をはかっていくべきだと私はかように考えておりますわけでございます。いろいろ具体的に申し上げたいこともございますけれども、まだ時期ではないと思っておりますので、御賢察をいただきたいと思います。
  121. 鈴木強

    鈴木強君 具体的なことはもう少し政府の基本の方針がきまらないと、なかなか郵政大臣としても、ここでどうということは言えないと思いますが、いずれにしても、収入減に伴う財政的な措置というものはちゃんとしていただいて、既定計画をくずさないように、むしろできれば多少なり公社に能力があれば上回ったという形でやっていくようにして、景気刺激の一助になればと、こう思いまして発言したわけです。  それで、もう一つ公社に伺いたいのですけれども、ことしは御承知のように景気が非常に下向きで、何とか上向きにというので努力をされてきているわけですが、そういうような意味から財政面のてこ入れとして政府予算あるいは政府関係予算の工事について、公共的ないわゆる建設工事については、これをできるだけ繰り上げて上半期にやると、たしか七三%でしたですね。その目標で、大蔵大臣から御指示も出ていると思うのですが、いま現在で工事の進捗状況ですね。それからもう一つ、それと関連で、線材、器材などが既定予算から見てどの程度いま進捗されているか、その点を簡単に伺いたいと思います。
  122. 三宅正男

    説明員(三宅正男君) ただいまお話のとおりに、公共投資の促進という問題は、政府でいろいろ取り上げられております。公社におきましても政府の御方針に従いまして、この促進に非常に努力をしているところでございます。上半期の契約につきまして、政府からお示しいただきました目標は八五%でございますが、九月末で八五%ということでございますが、この七月末でこの契約額の進捗状況は七二%というふうになっておりまして、九月末に十分目標の八五%を達成し得る、こういうふうに考えております。
  123. 山本孝

    説明員(山本孝君) 線材、器材の契約状況について申し上げますと、七月末で線材が千三百八十四億円、器材が二千二十六億円、合計三千四百十億円になっております。それは当初年間契約見込み額の八一%でございますが、七月末に私どもでかりに見込みました契約高をほとんど達成しておる、この九月末には政府の御方針どおりの契約額に達するものと考えております。
  124. 鈴木強

    鈴木強君 施設局長さんね、七月末七二%だと言うんですが、これは契約の額なんですか。それとも、工事が実際にどの程度進捗しているか、ということは、契約とは別にもしあれば教えてもらいたいのですが、これが工事の進捗率と見ていいんですか。契約ということで説明されたんですね、契約高。だから実際の工事の進捗率というのは……。
  125. 三宅正男

    説明員(三宅正男君) ただいま申し上げました七月末七二%、これは契約額で申し上げたわけでございます。工事の進捗に伴いまして、実際の現金支出をしてまいるわけでございますが、七月末における支出の進捗率は年間計画に対しまして三三%となっております。これで私どもは一応九月末に五〇%という目標を立てまして、現在仕事を進めておる次第でございます。
  126. 鈴木強

    鈴木強君 これは建設工事の能力等の関係もあると思うのですが、一般的に言って業界の協力がなければこれはできないのでして、その場合に年間を平均してその仕事がやれるような、いわゆる平準化ということをいつも考えて嬉しいということを申し上げているんですが、この率でいった場合に、第四・四半期に多少なりそういうような傾向が出てくるわけですか。それとも大体四半期に平準化してやっていけるということですか。特にことしは八五%というような、当初はたしか七三%でしたか、先ほど政府が上げたので八五%にしたのですが、その辺の見通しはどうでしょうか。大ざっぱに言って、大体平準化していきますか。
  127. 三宅正男

    説明員(三宅正男君) ただいま申しましたとおり、七月末一年間の三分の一を進みましたところで、支出額が三三%、ちょうど三分の一になっております。したがいまして、年間計画に対しまして、大体平準化できておるというふうに考えてよろしいかと存じます。ただ、その後七月になりまして、認可を得まして、弾力条項の発動をいたしまして、三百億円の追加の工事計画がございます。したがいまして、その分だけが、今後、八月以降に加わってきますので、多少ウエートがかかってくるというふうに考えております。
  128. 鈴木強

    鈴木強君 それでもう少し若干の問題で伺いたかったのですけれども、もう時間もおくれておりますから、これで終わりたいと思いますけれども、ただ、最後にひとつ伺っておきたいのは、四十七年度の予算概計というものも、郵政も含めて大体でき上がっておると思うのですが、特に公社の場合、景気がこんなふうな状況の中で、非常に従来の長期計画との関連でこれはやらなければならないし、景気がどうなるか、その辺で多少の迷いがあると思うのですね。しかし、さっきから言っておるように、既定計画を少なくとも上回っても下回ることがないようにやるということになると思いますけれども、その際、具体的な予算的措置として非常に問題になるのは建設資金ですね。しかも財政投融資なんか見ておっても、これは公募債のワクを認める程度であって、ずばり金を貸してくれるということはあまりないのですね。たしか四十六年度は七百億くらいだったでしょうか。要求は千三、四百億だったですね。ですから大体半分程度、これでもよくなっておるのですね、ワクについては。ですけれども、来年はおそらく相当な公債発行あるいは公募債についてもかなりワクを広げてもらわないと、二百何十万という三百万近い電話建設というものはむずかしいような気がするのですね。ですから、そういうような点等を、大臣として思い切って、やはり収入という面もあるでしょうけれども、それとの見合いでかなり大幅な財投というものを見込んでおかないとたいへんなことになるような気がするので、その点が一つ。  もう一つは、例の拡充法が四十七年三月三十一日で切れるのですね。これは予算委員会その他でかなり煮詰めた論議をしておりますのでわかっておりますけれども、これがもし制度的に切れていくということになると、四十七年度末ですから、四十八年三月三十一日ですか、四十八年の四月以降に、これは言うならば第五次計画に入るのでしょうが、第四次が終わりますから。いずれにしても、その時点で法案の関係でたいへんなことになると思うのですね。この法律案の扱いについて、大臣も、前の大臣や大蔵大臣等から話を聞いておると思いますけれども、この法律の扱い方をどういうふうにされるのか、その点もあわせて承っておきたいと思います。
  129. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 電信電話関係の明年度の予算要求につきまして、建設費が千七百八十億円程度、財投に期待して要求しておられるようであります。私どもといたしましては、そういう目標で努力をしていかなければならないと思っておりますけれども、財投とそれから縁故債、財投が一千億、それから縁故債が七百数十億程度の案分だったと思いますけれども、いずれにしましても、たいへん多額な財投の要求をしなければならないということになっておりますようでございまして、これにつきましては、私も先頭に立ってその確保には努力をいたしたいと思っておりますけれども、先刻申しましたように、公共事業には大いに投下すべきだ、社会資本は大いにふやすベきだというような時勢ではあろうかと思いますけれども、そうは申しますものの、現実の問題になってまいりますと、財投はそう甘いことじゃない。道路もあれば住宅もあれば国鉄もあるというようなことでございますから、電信電話ばかりでないわけでございまして、したがって、どれだけ確保ができるかわからないというふうな状態、こんな悲観的なことをいまから申しては非常に恐縮ですけれども、将来の見通しから申しましてそのような感じがするわけでございます。そこで、しからば何によって財源を求めるか。仕事はうんとやるべきだと思っております。五十二年度まで七カ年計画でぜひ電話の積滞数をなくしたいという非常な御意欲を持っていらっしゃるようでございます。私は非常にけっこうだと思っております。ぜひそれは達成していただかなくちゃならぬと思っておりますけれども、その七カ年計画をあるいは六カ年半あるいは六カ年というふうなことに短縮するような意気込みで、明年度は大々的に事業を進めていただきたいと、このように総裁にも申し上げ、総裁も大体の方向としては御賛成をしていただいておるようでございますけれども、しかし、実際七カ年を六カ年に短縮するというような具体的な問題になってまいりますと、そう簡単に修正はできないわけでございまして、まあ具体的にはまだ数字が出ておるわけじゃございませんけれども、方向といたしましては、そういうふうなお考えを持っていらっしゃるようでございます。ということになれば、ますます計画されております二百八十万個でございますか――の電話の増設というようなことについては確保をする必要がある。確保するということになれば、その財源をいずこに求めるかということになってくるわけでございまして、その財源を財投にかわる何かに求めるということになれば、そこに新機軸を開かなくちゃならないと思っております。そういうことについては、いろいろいま総裁あるいは経理局長とも御相談を申し上げておりますわけでございまして、何かに財源を求めていかなくちゃならない。一応私どもは目標はつけておりますけれども、いま具体的にどういうことかということにつきましては、時節が時節でございますから、そういうことはきょうは申し上げなくて御賢察いただきたいと思っておりますが、いまのところはとにかく財投に期待をいたしまして、それを確保するということに努力を傾けてまいるべきだと私は思っておりますようなわけでございます。しかし、御指摘のように、財源が非常に窮屈だと思いますが、しかし、事業は伸ばしていかなくちゃならない、伸ばす時期でもある、かように考えておりますので、いま一生懸命に考えておりますわけでございます。  それから拡充法の問題でございますが、この加入者債券の拡充法、これはもちろん私はまだ五年や十年は伸ばしていけるべきじゃないかと思っておるわけでございます。これはたしか電電公社からもうそのような御提案があっておりますわけでございますから、これは大いに私どもの責任といたしまして、国会で通すように努力してまいりたい、このように考えております。
  130. 鈴木強

    鈴木強君 米澤総裁としてはこの拡充法の扱い方は、郵政大臣のほうに、政府に要請しなければならぬと思うんですが、いまどういうふうな考え方ですか。たとえば次の通常国会に出すのか、あるいはその次になるのか、そういうことも含めて総裁としての考え方があったら、この際示しておいてもらいたい。
  131. 米澤滋

    説明員(米澤滋君) ただいま御質問ございましたが、拡充法につきましては、すでにこの四月のたしか委員会におきましても、ぜひ延長をお願いしたいということを言っております。廣瀬大臣が御就任になったあとも資料を持ちまして拡充法の延長を明年やっていただきたいということを口頭で御説明してございます。これはいずれしかるべく手続を経まして大臣に文書をもってお願いしたいというふうに思っております。  それから期間につきましては、私は十カ年の延長をお願いしたいというふうに思っております。  それからなお、細部のたとえばいま十五万円から一番下はたしか二万円まであるわけでございますが、二万円という形は実際にはほとんどないので、これは法律じゃなくて、執行面における問題だと思いますが、もっと全体の何といいますか、ランクをもう少し統合して、ちょうどかつて基本料のランクがたしか十三段階あったものを、あれを五つか六つに統合されたと思いますが、あの精神と同じように拡充法の債券引き受け計画もある程度集約してまとめていくというようなことも、これはいま検討している段階でございます。
  132. 鈴木強

    鈴木強君 そこはわかりましたが、これは政府の方針にもなると思うんですけれども、公社としては、この法律案をいつごろ国会のほうに審議をしていただくように、大臣にいま頼もうとしているんですか。
  133. 米澤滋

    説明員(米澤滋君) 大臣には、すでに来年の国会に出していただきたいということを口頭で申し入れしております。
  134. 鈴木強

    鈴木強君 まあこの拡充法はこれもやはりいわく因縁がありまして、当時日本の安保条約よりも長い十二年という暫定措置法でしたけれども意見を付してわれわれは承認をしたわけなんです。その間景気の非常な成長等もありまして、公社が考えた四十七年末申し込んだらすぐ引ける電話、つける電話というような理想が達成できなかったこともわれわれよく知っておるわけです。ですからして、いま積滞二百八十万から三百万という電話をかかえて、建設費の調達にはこの拡充法というものがかなり大きなウエートを持っていることは私たちわかります。ただしかし、設備費がもう五万円に値上がりをしているというようなこともありまして、今後もちろん期間の問題とか、あるいは最高の十五万円の金額をいじるかいじらないかというようなことも出てくると思いますけれども、過去の経緯を十分考えて、少なくとも現行の額よりも最高額を上げるというようなことがないように御配慮だけはひとつしておいてもらいたい。これは私の希望として総裁に申し上げておきます。これは大臣にもどうぞ聞いていただきますから、その点を配慮していろいろと進められたらいいと思うんです。その点どうですか。
  135. 米澤滋

    説明員(米澤滋君) 私もいまのところ十五万円をまたふやすことはいまの時点では考えておりません。ですから、これは最高額十五万円で延長をお願いしたい、期間は十年ということを考えております。
  136. 廣瀬正雄

    ○国務大臣(廣瀬正雄君) 私といたしましても、総裁の御意見をよく承って判断をいたしたいと思っております。
  137. 横川正市

    委員長横川正市君) 他に発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時十九分散会