○渡辺(武)
委員 私
ども国民の
立場から見ると、総合交通体系なんというものは、そう各省がばらばらにおつくりになるものではなくて、当然、国が一本になって
——これはアメリカあるいはドイツ等を見ましても、交通省なり運輸省というものが独立して、
道路建設に至るまで、幅広くそれらを包含した省になっていますね。実際にはそのように国全体が
一つになって当たらなければならないものなんですよ。ところが、各省が非常にまちまちにおやりになるためにロスが多いし、その違いの
調整だけで半年もかかってしまうというような
現状があるのではないかと思うわけでございまして、
大臣には、そういうロスをはぶくためにそういう横の連携を極力十分にとられまして、ほんとうに早く実施案そのものができるように
——各省の飾っておくだけの案ではこれは何もならないわけですから、実施案というものが早く確立されますように一そうの御努力を願いたいと思います。
時間がございませんので
あと一点だけ
お尋ねしておきたいと思いますが、そこで、
道路整備をいろいろ行なっていく上において、費用の負担という問題が出てまいるわけでございます。つまり、前々国会で問題になりました自動車重量税法案、これは受益者に負担をさせていくのだという
考え方が一方にあるわけでございます。私は、この
道路財源の調達手段といたしましては、税金あるいは借り入れ金、つまり建設公債というようなもの、並びに運賃だとか、あるいは料金というものとか、いろいろ
考えられると思います。ところが、従来までの方向を見てまいりますと、
建設省の御
意見はこれはまたやや違っておると思いますけれ
ども、全体的に流れてきた方向は、受益者負担を
強化するという方向が出てきておったと思います。そこで自動車重量税法案というものになってきておるわけでありますけれ
ども、この受益者というものの
考え方ですね。たとえば、
道路は自動車が走るから自動車が一番の受益者であることには確かに間違いはないでしょうけれ
ども、本来的に受益者というものは一体だれであろうか。ほんとうに自動車のみなのか、あるいは、
道路を開発することによってその付近の住民の受ける恩恵といいますか、そういう方々も受益者のうちに入るのか。あるいは、車そのものを利用して、車の背中に載っかっていろいろ物資が運ばれておるわけですね。われわれ日常生活に要する諸物資もほとんど車の背中に載っかって走っている。そういう諸物資もこれは
道路の恩恵を受けていないとは言い切れない。これは一種の受益者であるということがいえるのではないであろうか。こういうふうに
考えてまいりますと、一般財源というものがございますが、この一般財源の投入基準というものがやはり明確にされてこなければならない。従来ほぼ明確にされておったけれ
ども、それらがだんだんと比率が低下をする傾向にあるのではないであろうか。それらが特に、
建設省等がお出しになっている資料を見ましても、外国などと比較されている場合がございます。ところが、現
時点における外国との比較は私はナンセンスだと思うわけです。なぜかというならば、アメリカあるいはヨーロッパ等と比較をいたしましても、向こうの先進諸国は、モータリゼーションというのはすでに十年も二十年も前にその時期を迎えてしまった。その時期における一般財源からの
道路投入額というものと、今日の日本の
道路投資額、一般財源からの投入額というものと比較されるならばこれはまだしも、もうすでにそういうふうに安定をしてしまっておる時期と
——日本の
道路というのは先進諸国に比べると三十年ぐらいおくれておるといわれる。その社会資本の投資がおくれておるといわれておる現
時点、これから非常に多くを投入していかなければならない
時点とすでに向こうの安定をした
時点とを比較して、日本は相当程度一般財源から投入をしておるのだという議論があるようでございますけれ
ども、私は、それは非常に誤った議論ではないであろうかと
考えるわけでございます。したがって、一般財源からの投入基準はどうあるべきであろうかということについてやはり
一つの
考え方を持っていただかなければならないのではないか。それと、先ほど申し上げました開発受益の還元方法としては一体具体的にどのような制度をとるべきであろうか。この二つについて、やはり
建設省としてもしっかりした
考え方を持っていただかなければならないときが来ておるのではないであろうか、こういうふうに
考えますので、
大臣の御所見をお
伺いしておきたいと思います。