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1971-10-13 第66回国会 衆議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十月十三日(水曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委育長 福田 繁芳君    理事 綿貫 民輔君 理事 華山 親義君    理事 鳥居 一雄君 理事 吉田 賢一君       加藤 六月君    笠岡  喬君       中川 俊思君    中村 弘海君       浜田 幸一君    箕輪  登君       北山 愛郎君    高田 富之君       坂井 弘一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 西村 英一君  委員外出席者         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省河川局長 川崎 精一君         建設省住宅局長 多治見高雄君         会計検査院事務         総局第三局長  桜木 拳一君         会計検査院事務         総局第五局長  鎌田 英雄君         住宅金融公庫総         裁       淺村  廉君         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     南部 哲也君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     川口 京村君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     島  守一君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     播磨 雅雄君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     東  貞三君         決算委員会調査         室長      池田 孝道君     ————————————— 委員の移動 十月十三日  辞任         補欠選任   阿部 文男君     加藤 六月君   中山 利生君     箕輪  登君   丹羽 久章君     浜田 幸一君 同日  辞任         補欠選任   加藤 六月君     阿部 文男君   浜田 幸一君     丹羽 久章君   箕輪  登君     中山 利生君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和四十四年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十四年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十四年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十四年度政府関係機関決算書  昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十四年度国有財産無償貸付状況計算書  (建設省所管住宅金融公庫)      ————◇—————
  2. 福田繁芳

    福田委員長 これより会議を開きます。  昭和四十四年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行ないます。  まず、建設大臣から概要説明を求めます。西村建設大臣
  3. 西村英一

    西村(英)国務大臣 建設省所管昭和四十四年度歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  歳入につきましては、一般会計収納済み歳入額は五十六億二千七百十一万円余となっており、道路整備特別会計収納済み歳入額は五千六百十一億五千七百一万円余、治水特別会計治水勘定収納済み歳入額は一千七百四十億四千七百六十万円余、同特別会計特定多目的ダム建設工事勘定収納済み歳入額は二百二十三億四千七百十一万円余、また、都市開発資金融通特別会計収納済み歳入額は九十三億三千二百七十二万円余となっております。  次に、歳出でありますが、一般会計支出済み歳出額は七千八百四十九億一千三百三十八万円余、道路整備特別会計支出済み歳出額は五千五百六十六億三千三十一万円余、治水特別会計治水勘定支出済み歳出額は一千七百二十九億八千百六十万円余、同特別会計特定多目的ダム建設工事勘定支出済み歳出額は二百十一億一千九百二万円余、都市開発資金融通特別会計支出済み歳出額は七十億四百五十六万円余、特定国有財産整備特別会計建設省支出済み歳出額は六億三千九百六万円余であります。  これらの各会計支出済み歳出額は、治水関係事業災害復旧関係事業道路整備事業都市計画事業住宅対策事業官庁営繕及び都市開発資金貸付事業等を実施するために支出したものであります。  まず、治水事業につきましては、昭和四十三年度初年度とする第三次治水事業五カ年計画の第二年度事業として、河川ダム砂防の各事業を施行いたしました。  その結果、河川事業につきましては、直轄河川  改修事業として百二十七河川改修工事を実施し、このうち河川を完成し、補助事業としては、中小河川改修事業等千百四十一河川改修工事を実施し、このうち四十九河川を完成いたしますとともに高潮対策事業都市河川環境整備事業等を実施いたしました。  ダム建設事業につきましては、直轄事業として、二十五ダムについて建設工事等を実施し、このうちダムを完成し、また、補助事業として、九十一ダムについて建設工事等を実施し、このうちダムを完成いたしましたほか、水資源開発公団が施行するダム建設事業等に対して交付金を交付いたしました。  砂防事業につきましては、直轄事業として二十六河川について二百八カ所の砂防工事を実施し、うち九十四カ所を完成し、また、補助事業として、三千八十九カ所の堰堤工一流路工等を実施し、うち千五百十四カ所を完成いたしましたほか、地すべり対策事業直轄及び補助事業で実施いたしました。  このほか、海岸事業につきましては、直轄事業として十海岸を実施し、また、補助事業として二百十二カ所を実施し、うち二十二カ所を完成いたしました。また、急傾斜地崩壊対策事業につきましては、補助事業として百三十六地区を実施し、うち五十地区を完了いたしました。  次に、災害復旧関係事業につきましては、河川等災害復旧事業として、直轄関係では、四十二年発生災害及び四十三年発生災害を完了し、四十四年発生災害につきましては、予備費を使用して全体の五一%の復旧を完了いたしました。  また、地方公共団体の施行する災害復旧事業につきましては、四十一年災を完了し、四十二年災は九十%、四十三年災は七七%、四十四年発生災害につきましては、予備費を使用して全体の三二%の復旧事業を完了いたしております。  次に、道路整備事業につきましては、昭和四十二年度初年度とする第五次道路整備五カ年計画の第三年度事業として、一般国道等改良及び舗装等を実施いたしました。  その結果、改良において三千三百三十二キロメートル、舗装において六千百五十二キロメートルを完成し、前年度までに完成したものと合計いたしますと、改良において一万四十キロメートル、舗装において一万七千三百八十八キロメートルとなり、五カ年計画に対し、改良は約五七%、舗装では五二%の進捗状況となっております。  また、五カ年計画の一環として、一般国道直轄維持管理を行なっておりますが、昭和四十四年度は延長一万一千百五十キロメートルの指定区間について、その維持修繕を実施いたしました。  以上のほか、有料道路事業を実施している日本道路公団、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団に対しては出資を、一部地方公共団体に対しては資金貸し付けを行ないました。  次に、都市計画事業について御説明申し上げます。  国営公園整備については、明治百年記念森林公園用地買収を完了し、一部工事を実施いたしました。また、都市公園整備については千百九十九カ所、下水道関係としては、六百四十一カ所の公共下水道等施設整備を実施いたしました。  次に、住宅対策事業について御説明申し上げます。  公営住宅建設といたしましては、九万九千七百六十六戸の建設を実施いたしました。  また、住宅地区改良事業としては、改良住宅八千戸の建設を行なうとともに、不良住宅地区整備を実施いたしました。  以上のほか、建設省所管公的資金による住宅として、住宅金融公庫及び日本住宅公団関係で三十二万五千六十一戸の住宅建設いたしております。  次に、官庁営繕については、外務本省庁舎増築工事等二百二十一件の工事施工し、東京港湾合同庁舎等百九十六件を完成いたしました。  最後に、都市開発資金貸付事業については七地区工場移転あと地買い取り及び都市施設用地買い取り資金貸し付けを行ないました。  以上が昭和四十四年度における建設省所管決算概要であります。  次に、昭和四十四年度決算検査に関する建設省所管概要について御説明申し上げます。  所管事業を遂行するための予算執行にあたっては、常に厳正な執行をはかるため、内部監査等により万全を期してまいったのでありますが、決算検査におきまして指摘を受けましたことは、まことに遺憾であります。  これら指摘を受けました事項に対する措置として、地方公共団体が施行する国庫補助事業工事施工が不良なため、工事効果を達成していないものまたは設計に対し工事出来高が不足しているものについては、手直し工事または補強工事を施行させる等事業の所期の目的を達するよう措置いたしました。  なお、今後は、さらに事業執行改善に努力し、このような事態の発生を未然に防止するよう指導を強化する所存であります。  以上が昭和四十四年度における建設省所管決算概要及び決算検査報告に関する建設省所管事項概要でありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  4. 福田繁芳

  5. 桜木拳一

    桜木会計検査院説明員 昭和四十四年度建設省決算につきまして検査いたしました結果の概要を申し上げます。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が五十二件、是正改善処置を要求したものが一件、本院の質問に対し建設省において処置を講じたものが二件でございます。  まず、不当事項について説明いたします。  九八号は東京都が施工した公園緑地造成の盛り土にあたりまして、もよりの近接地域施工していた下水道工事発生土を活用しなかったため工事費が不経済になったと認められるものでございます。  九九号から一四九号までの五十一件は、公共補助事業の実施にあたり、工事施工が不良となっていたり、出来高が不足したりしているなど国庫補助金の経理が当を得ないと認められるものでございます。  次に、是正改善処置を要求したものについて説明いたします。  建設省直轄で施行している多目的ダムダム本体工事予定価格積算につきましては、ダム工事についての積算基準が示されていないだけでなく、施工実績資料等収集解析整理も行なっていないため、先行ダム工事施工実態が十分把握できないままその積算例を参照するなどして積算を行なっておりまして、工事施工実情に適応していないと認められるものがございましたので、今後、ダム工事施工実績資料等収集解析整理いたしまして基準化する処置を講じ、予定価格積算の適正を期する要があると認められたものでございます。  次に、本院の質問に対し、建設省において処置を講じたものについて説明いたします。  一つは、隧道工事予定価格積算にあたりまして、試作後すでに製造中止され、一般に使用されていない掘削ズリ搬出用のダンプトラックを使用することとして積算しておりましたり、また、コンプレッサー運転に要する消費電力量につきまして、機械の稼動状況を考慮しないで一律に全負荷運転としての消費電力量を算定しておりましたため、適切でないと認められましたので当局見解をただしましたところ、建設省では積算基準改訂等処置を講じたというものでございます。  他の一つは、昭和四十四年発生災害復旧事業事業費決定に関する早期検査の結果、工事数量積算が過大になっていると認められるものなどがありましたので当局見解をただしましたところ、建設省では事業費決定額を減額修正したというものでございます。  なお、以上のほか、昭和四十三年度決算検査報告に掲記いたしましたように、四十三年度検査の進行に伴い、なまコンクリートの配合及び現場管理費率について、是正改善処置を要求いたしましたが、これに対する建設省処置状況についても掲記いたしました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  6. 福田繁芳

    福田委員長 次に、住宅金融公庫当局より事業計画及び資金計画についてこの際説明を求めます。淺村住宅金融公庫総裁
  7. 淺村廉

    淺村説明員 住宅金融公庫業務につきまして平素非常にお世話になっておりまして、厚くお礼を申し上げます。  昭和四十四年度業務計画実績につきまして御説明申し上げます。  当初の貸し付け計画は、住宅等資金貸し付け二千百六十五億九千万円、宅地造成等資金貸し付け三百六十五億一千万円、合計二千五百三十一億円でありましたが、その後、資金需要の変動に伴い、計画住宅等資金貸し付け二千百五十九億九千万円、宅地造成等資金貸し付け三百四十一億一千万円に改定して、合計二千五百一億円といたしたのでございます。  貸し付け実行予定額は、当初、昭和四十四年度貸し付け契約にかかる分一千四百四十二億六千七百八万円、前年度までの貸し付け契約にかかる分八百十五億一千二百九十二万円を合わせた計二千二百五十七億八千万円でありましたが、その後、前年度決算による改定等により、合計二千三百七十三億六千九百二十九万円余に改められたのでございます。  この原資は、資金運用部資金借り入れ金一千七百四十八億円、簡易生命保険及び郵便年金積み立て金借り入れ金百六十四億円、宅地債券発行による収入十六億四千四百八十七万円余のほか、貸し付け回収金等から四百四十五億二千四百四十一万円余をもってこれに充てることといたしたのでございます。  この貸し付け計画によりまして、貸し付け契約を締結した額は、住宅等資金貸し付け二千百五十四億五千七百三万円余、宅地造成等資金貸し付け三百四十億五千四百二十二万円、合計二千四百九十五億一千百二十五万円余、戸数等にいたしまして、住宅二十四万五千九百戸、宅地取得九百七十五万平方メートル、造成一千百九十二万平方メートルとなったのでございます。また、貸し付け実行額は、前年度までの貸し付け契約にかかる分を含めまして、住宅等資金貸し付け一千九百六十八億三千五百四十三万円余、宅地造成等資金貸し付け三百六十五億七千九十五万円、合計二千三百三十四億六百三十八万円余となったのでございます。この貸し付け実行額は、前年度に比べますと、四百億六千七百二十万円余、率にいたしまして二〇・七パーセント増となっております。また、年度間に回収いたした額は七百十四億二百二十六万円余でありまして、前年度に比べますと、百七億九千百九十一万円余、率にいたしまして、一七・八パーセント増となったのでございます。  この結果、年度貸し付け残高は九千四百七十七億二千六百五十三万円余となりまして、前年度末に比較いたしますと、一千六百二十億三百六十四万円余の増加となったのでございます。  貸し付け金延滞状況につきましては、昭和四十四年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は十三億四千五百六十八万円余でありまして、このうち一年以上延滞のものは九億八百六十九万円余でございました。  次に住宅融資保険業務につきましては、昭和四十四年度におきまして金融機関との間に保険関係が成立する保険価額を二百億円と予定し、この額の百分の九十に相当する百八十億円を保険金額といたしましたが、保険関係が成立いたしたものは百九十三億一千五十九万円余でございました。なお、昭和四十四年度におきましては、従来一年につき〇・七三%であった保険料率を〇・五四七五%に引き下げたのでございます。  収入支出について申し上げますと、収入済み額は、収入予算額五百四十八億九百七十八万円余に対し、五百三十九億六千九百四十万円余となりました。支出済み額は、支出予算額五百五十三億八千七百二十九万円余に対し、五百五十三億一千二百八十二万円余となり、収入より支出が十三億四千三百四十二万円余多かったのでございます。  損益計算の結果につきましては、貸し付け業務では、利益五百八十三億一千七百二十七万円余、損失五百八十五億八千五十一万円余で、差し引き二億六千三百二十四万円余の損失を生じましたが、この損失金繰り越し損失金として繰り越すことといたしたのでございます。また、住宅融資保険業務では、利益二億一千九百三十九万円余、損失一億四千七百三十七万円余で、差し引き利益金七千二百二万円余を生じましたので、これを積み立て金として積み立てたのでございます。  以上をもちまして、昭和四十四年度業務概況の御説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
  8. 福田繁芳

    福田委員長 これにて当局説明聴取を終わります。     —————————————
  9. 福田繁芳

    福田委員長 この際、委員諸君におはかりいたします。  本件審査のため、本日は参考人として、日本住宅公団から総裁南部哲也君、理事川口京村君、同じく理事島守一君、同じく理事播磨雅雄君及び同じく理事東貞三君の御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じまするが、委員諸君異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 福田繁芳

    福田委員長 御異議なしと認めます。  なお、参考人意見聴取委員質疑により行ないたいと存じます。さようこれまた御了承願います。     —————————————
  11. 福田繁芳

    福田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。華山親義君。
  12. 華山親義

    華山委員 大臣に、また関係の方に伺いたいのでございますけれども、本年度当初から景気の落ち込みがございまして、これを回復するために予算早期執行また財投増額などが行なわれたわけであります。その内訳等につきましては、一応了承しておりますので、いまここで承りませんが、さらに、いわゆるドルショックによって、補正予算財投増額が行なわれると聞いております。この補正予算財投増額内容について承りたい。
  13. 西村英一

    西村(英)国務大臣 補正予算のお尋ねでございますが、実は昨日閣議でもって補正予算を決定いたしましたが、大ワクについて、もう御存じかと思われますが、一応御説明申し上げます。  内容の詳しいことは政府当局から申し上げますが、建設省所管といたしまして、道路整備治水治山都市計画住宅対策災害関係、それと官庁営繕も全部含めまして事業費ベースで二千九百十七億六千万円、国費におきまして一千六百十七億一千八百万円、それに国庫債務負担行為といたしまして七百四十五億一千五百万円となっておる次第でございます。事業内容につきましては政府当局から御説明申し上げます。
  14. 大津留温

    大津留説明員 ただいま大臣が御説明申し上げました事業費内訳を申し上げます。  事業費ベースで申し上げますと、道路整備が一千百四十九億八千九百万円、治山治水事業が四百五億五千百万円、都市計画、これは下水道及び公園でございますが七百六十一億八千二百万円、住宅対策が二百二十四億八千六百万円、災害関係が三百六十五億一千五百万円、官庁営繕が十億三千七百万円、計二千九百十七億六千万円、こういう内訳でございます。  それから財投は二百九億でございまして、これは道路公団関係でございます。
  15. 華山親義

    華山委員 補正予算で組まれました予算とか財投増額、それはこの予算目的の上からいっても、早期効果が出なければいけない、したがって消化されなければいけないということになるわけでありますが、これについては、これを十分に消化されるだけの御自信がございますか。私特にこういうことをお聞きいたしますのは、土地の問題、この短い期間の中に用地が得られるかどうか、また急速にやったために用地がある程度高いものになってしまう、こういうふうなことも考えられるので承るのですが、その前に、いまおっしゃった予算の中で用地費はどの程度のものになるのか承りたい。
  16. 西村英一

    西村(英)国務大臣 御心配ごもっともでございます。こういう事業を進めていくのには用地は最も大切でございますが、補正予算だけについての用地を申し上げますと、これも内訳は省きますが、いま言いました全体の二千九百十七億六千万円の事業をやるための用地費、これが全部でもって五百三十四億七千八百万円、一八・三%になっております。もっともこの用地費というものの内訳は、用地それ自身補償費が含まれておるのでございまして、大体その比率は、用地費それ自身土地の値段それ自身は六割、あと補償費が四割でございます。そういうことになっておりまするが、華山さんの御心配は、金ばかり取って一体仕事の心配はないかということでございますが、実はこれは私たちといたしましても非常に心配をいたしておるところでございます。しかし、私たちの考えでは、現在の施行体制をもってすれば、これ以上の金もこなせる、あるいはこなしててこ入れをしたい、こう思っておったのですが、最終的にはこういう段階に落ちついたわけでございます。もちろんその施行体制の中には、建設省それ自身の、役所それ自身体制もございますし、またそれを受けて立つ公営建設業界体制もございまして、いろいろわれわれは苦心をいたしてやっておる次第でございまして、今日、公共事業を満足にスムーズにこなして、またあなたが御心配のようにむやみに物価をつり上げないように、いろいろなことを勘案して体制を整えつつやっておるのでございます。  なお、参考のためにこの際申し上げたいのでございますが、政府は非常に景気の不況を気にいたしておりまして、本年の三月に、昭和四十六年度予算の大部分を、七割以上を上半期九月末日でこなそうじゃないかということでやっておるわけでございます。建設省所管につきましては、そのときに閣議で決定され要請された予算契約ベースの率六八・八%、今年度予算の約七割は上半期の九月でもって工事をいたしてまいりたい、こういうことでございましたが、集計はいま正確にいたしてはおりまするが、七〇%以上の契約を済ませました。これは支払いベースじゃなくて契約ベースでございます。したがいまして、下半期は、すでに今年度予算ではほとんど手をあけて待っておる、そこに補正予算が来るのでございまするから、十分これをこなしたい、またこなさなければならぬ、かように考えておるような次第でございまして、中でも用地の問題はたいへん重要でございまするが、この補正予算をこなす用地は、おそらく前に用意をして取得をしておるところの用地でございまして、中には多少今後用地手配もしなければなりませんが、補正予算をこなす程度においては、前の用地のストックを使ってやるということで十分工事能力消化能力はある、かように思っておるような次第でございます。
  17. 華山親義

    華山委員 それで、私、地方県庁実情等を見ておりますけれども、本省の様子はわかりませんが、用地のために働く職員、これは本省関係地方庁関係では何人くらいいらっしゃいますか。
  18. 大津留温

    大津留説明員 建設省直轄事業を受け持ちます地方建設局におきまして、ことしの八月現在でございますが、約千八百名の者が用地に従事しております。そのうち本局の職員が百九十一名、それから工事事務所に勤務しておる者が千六百三十二名という数字になっております。
  19. 華山親義

    華山委員 地方庁はわかりますか、県庁のほうはわかりませんか。
  20. 大津留温

    大津留説明員 地方公共団体の分はいまちょっとわかりかねます。
  21. 華山親義

    華山委員 最近の一カ年でも何でもよろしゅうございますが、一定の期間におきましてこれらの人たちは何件くらいを処理して、一人当たり金額にいたしましてどのくらいになりますか。
  22. 大津留温

    大津留説明員 地方建設局で行ないます直轄工事用地費が本年度で約千六十六億円でございます。したがいまして、先ほど申し上げました担当職員一人当たりに直しますと、約五千八百万円ということに相なります。
  23. 華山親義

    華山委員 件数はわかりませんか。
  24. 大津留温

    大津留説明員 ちょっと件数では出しておりません。
  25. 華山親義

    華山委員 私、地方実情だけを見ておりますからなんでございますけれども、これらの職員は相当の苦労をしておると私は思います。建設省ともあまり変わりがないと思いますけれども、これらの職員は出かけていくのが大体夜あるいは日曜日、そういうことになりますし、頭を下げるだけ一方のことで、非常に困難な仕事のように考えられます。そして自分たちの心境を考えれば、よく漏らされるのでございますけれども、月収にいたしましても六万円か七万円のものでございましょう。そして頭を下げてやる仕事が、ことばがどうかと思いますけれども、一件について何千万円とか何百万円とかの話をするわけですね。金を受け取るほうは、ものによってはいかにも現在の情勢において高いものではないか、こういうふうに感じるのはあたりまえだと私は思うのです。ですから、非常に重要な仕事だと思って喜んでやっている人もありますけれども、内心は非常に苦痛な仕事なんです。そういうふうないろいろ特殊な仕事に従事しているわけでございますけれども、これらの職員の処遇について何か特別なことをお考えになっていらっしゃいますか、またやっておられますか。
  26. 西村英一

    西村(英)国務大臣 華山さん、最も重大な御注意でございまして、実はいま官房長から用地関係職員建設省所管のものだけを申し上げましたが、私は、地方公共団体、府県あたりの用地担当者の点も調べなければならぬと思っておりますが、御案内のように、用地というものは昔から用地屋といいまして非常に難儀をしたのでありますけれども、いまはこういうような時代で、特別用地係の人は人にはわからない苦労があることは私も十分承知をいたしております。府県によりましては用地係に特別の手当を出しておるところも数県ございます。したがいまして、府県の問題は地方公共団体で手当等はきめますから、その範囲を私たちはどうこう言うわけにいきませんけれども、少なくともわれわれの関係する用地に対しては、本年は特に用地職員に対して用地手当をもらいたいということを、私自身人事院総裁にお会いしまして相当に強く要求をしたのです。ところが、この問題の人事院の考え方としては、初めての手当の支給であるからなかなか慎重でございます。まだよく理解がされない、こういうような点がありまして、これは建設省、前から少しずつ要求いたしておるようでしたが、今度は私みずから、ひとつ何らかの手当をもらいたいということを強く要望をいたしましたが、実現を見ることができなかったわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃるように、非常にむずかしい事業である。あなたおっしゃいましたように、大体交渉は夜です。昔は酒を二、三本持っていってスムーズにやっていたのですが、いまは酒を二、三本くらい持っていったのでは、なかなか売るほうはそう簡単には応じません。あの手この手でもって地主の了解を得てやることですから、ひとつ今後ともこの職員に対する何らかの手当ということについては十分われわれも考えなければならぬ、かように思っておるものでございまするから、委員の諸先生方も何とぞ御協力のほどを私からもお願い申し上げる次第でございます。
  27. 華山親義

    華山委員 機会があれば、私のほうからも人事院総裁等にもお願いしておきたいと思いますけれども、現にそういうふうな税の関係職員には特別の措置もされておることでございますから、根本的な非常に重要な仕事であり、また日本の国土の建設の一番根底をなす問題でもありますので、ひとつその点は最大の御尽力をお願いいたしたいと思っております。  それから、あとで事務的ないろいろな問題はお聞きすることにいたしまして、根本的なことを一つ大臣に申し上げておきたいと思うのでございます。  都市開発の一番根本のことは、私は土地の問題だと思うのです。東京都におきましても公営住宅のことがうまく進まない。毎年毎年二百億とかそういう程度の不用額を出しておるような状態。もう根本は、私は特に近郊におけるところの土地の問題だと思うのです。これが解決されなければ、交通の問題も解決しないし、何もかも解決しないわけです。それで、ざっくばらんに申しますと、これはなぜ解決しないのか。思い切ったことがなぜできないのか。資本主義体系のもとにおいては当然だということも言われるかもしれませんけれども、公益の目的のためには私有権、所有権も制限されるべきだと思うのでございますけれども、私は代議士が悪いと思うのです。各個人個人は選挙区を持っておりますから、そういうふうな制限ということには非常に引っ込み思案なんです。それからまた、各政党がそういうことになる。政府もまたやらない。そういうふうなことで、私は三すくみのような状態でできないのだろうと思うのです。それだから、大臣の御意見を伺いたいと思いますけれども、この際、私たち代議士は、後世における人のために、また日本のために最も重要な問題は、自分を捨ててでもこの問題に取り組まなければいけないのではないか。しかし、それがうまくいかない。それで、どうですか大臣、各党にも呼びかけられて、そして各党が同じような歩調でこの土地の問題を解決していく、こういうふうなことを政府として、また大臣として指導的な立場で各党にでも話しかけられて、一緒に話し合いをしてまとまった案を出す、こういうふうなことをお考えになりませんか。ひとつお願いかたがた御意見を承っておきたい。
  28. 西村英一

    西村(英)国務大臣 御指摘のとおりでございまして、何事も、公共事業をやるのでも土地問題、非常に長い間の問題でございまするが、なかなか一刀両断に一つの手段でもってうまくやるということはできない。したがいまして、政府としては従来からいろいろな方法をやっておる。現に土地問題につきましては、建設大臣一人でやれるものではございませんから、政府におきましても土地問題の閣僚懇談会がございましてやっています。ただいま私たちがその閣僚会議できめられた一つ一つの条項をたどってやっておるのでございまして、たとえば国有地、公有地をふやせとか、あるいはそれを遊休なものは使えとか、あるいは土地価格表示制度もそうでございましょうし、いろいろな手を使ってやっておるのでございますが、しかしなかなかいいきめ手がないのでございます。しかし現在の皆さん方の考え、世の中の考え方、また代議士先生方の考え方も、やはり公益が優先するのだという考え方にはみな合意が得られておるようでございます。  しからば、どういう具体的な方法によって土地を収得するかという具体的な問題でございます。したがいまして、先生いま、今後この問題は与野党を問わず皆さんから合意を得て何かひとつ施策をしたらどうかということは、私もこれから十分考えなければならぬ。それには、ただ話し合いだけをしてもしようがないので、こうこうこういう方法をもって臨もうじゃないかという具体案をもってお話し合いをしなければならないと思います。与野党の諸先生方もやはり現在はどうしても公益優先、これは認めていただける、私もかように考えておりますから、また私も具体案ができましたらひとつ、これは与野党の問題じゃございませんので、諸先生方にも十分御相談を申し上げる機会もあろうかと思っておるわけでございます。そういうことで私も先生の御意見には全面的に賛成でございます。
  29. 華山親義

    華山委員 私はこの問題は非常に根本的な問題だと思いますので、総理大臣の部局にでも諮問機関といいますか、何かある程度委員会をつくって、そこでみんなが話し合うというふうなことにでもしまして、これはこういう案については何党の責任だとか、何代議士がこう言ったとか、そういうふうなことのないようにしませんと、みな選挙があるものですから引っ込み思案になるのですよ。もう政党はそうなるにきまっているのですね。そういうふうなことがありますので、私はこれは、ほんとうに国会としましても代議士としましても、また政府としましても、力を結集して解決しなければいけない問題じゃないのか、そういうふうに思えてなりませんので、ひとつ大臣もそういうふうな方向に持っていかれるように御配慮願いたい、こういうふうに考えるわけでございます。特に都市についてはひどいようでございますから、お願いいたしたいと思うわけであります。  線引きの問題は建設省の問題ですか。
  30. 西村英一

    西村(英)国務大臣 さようです。
  31. 華山親義

    華山委員 あれはうまくいってないそうですね。どんな状況ですか。これはきょう御質問すると言わなかったから、担当の方がおいでにならなければよろしゅうございます。
  32. 西村英一

    西村(英)国務大臣 市街化区域、市街化調整区域、これは都市計画法を改正したときに、とにかく土地の利用についてはっきりしたことをやらないと、いろいろ住宅その他がスプロールするじゃないか、こういうことでやったのです。大かたその線引きはできておりますが、線引きができた今日批判がある、そういうところもこれはないわけではございません。しかし、これはどんなことをするにしても、やはり一方に非常に効果があるとともに、その反面困るところも出てくるのと同じでございまして、反対がありましてもそれほどたいしたことではない。つまり、地域をきめれば、市街化調整区域と市街化区域をきめれば、一方は土地の値段が上がり一方は下がるとか、あるいはそんなところまでほったらかされて市街化調整区域にされたら何にもできないじゃないか、いろいろな苦情はございます。しかし、この線引きの問題は、一定の期間、五年を限ってまた引き直すこともできるのでございまして、いまやっておるほうは、私個人の考え方では、どうも市街化区域を限定し過ぎるような気がいたしております。もう少し市街化区域を広くとったらどうだろうか。ほんとうに自然は保護しなければならぬ、ほんとうに環境を保護しなければならぬというところは特別に考えて、やはり市街化区域の面積は広くしなければならぬじゃないか。そうしないと調整区域が取り残されましてどうにもならぬ。かてて加えて、この人々は、いや、調整区域でもかまわぬから家をどんどん建てようじゃないかという、法を無視するような結果にもなりますから、やはりこれは私は五年を待たずにこの線引きの点を、その地域住民の要望に応じて——しょっちゅう変えるわけにはいきませんけれども、要望があれば要望を聞いて変えてやる、こういうこともやはり必要じゃないかというふうにこれは個人的には考えていますけれども、いま大体は五年たって一ぺんまた考え直すということになっておりますが、いずれにしても、ほっておけばとにかくいまよりはもっと悪くなることも考えられまするから、必ずしも失敗ではない。しかし、その反面批判もある。こういうことは私も十分了知いたしておるところでございますから、その運営の面にあたって十分地域住民の希望、要望を聞きいれる、こういうことには私たち行政をやる者として注意をしなければならぬのじゃないか、かように考えている次第でございます。
  33. 華山親義

    華山委員 まだ決定をしないところが相当あるのじゃないですか。どの程度あるのですか。それで、何かそういうふうな決定がおくれたところについては都市計画をやめるというふうな話も新聞等に出ておりますが、実況はどんなふうですか。
  34. 大津留温

    大津留説明員 本年の九月十四日現在の進捗状況でございますが、市街化区域の決定を了しまして告示が済んだもの、これが八六・九%でございます。告示を出すべく準備をしておるものを加えますと、九二・六%は大体完了しておるという状況でございます。
  35. 華山親義

    華山委員 あとの八%は見込みが立たないわけですか。
  36. 大津留温

    大津留説明員 残りの各都市につきましても、それぞれ準備を進めておりますが、中にはやはり相当調整が難航しておるような都市もございますが、大体まあ本年中には全部完了するという目標で鋭意進めていただいておる状況でございます。
  37. 華山親義

    華山委員 それにつきまして、私は山形県のことを言うわけじゃございませんけれども、山形県はトップを切ってやったわけですよ。一番初めに、何か期限を切りましたね、四月までやるとか。その期限に間に合ったのは山形県だけだということですけれども、今後大臣の言われるとおりもっと拡大してもいいんだということになると、初めにやったものが損をすることになる。相当の希望があったけれども、それを押えて、そんなに広くしてみたところが、なかなかこの都市計画ができないじゃないかというふうなことで、ある限度に押えたわけですね。その押えることについては相当苦労しておるわけです。あとになったものほど得をする。調整区域は押えてやった。あとになったところが、大臣の言われるとおり調整区域もなるべく希望するものは入れてやってもいいのだということになると、初め一生懸命やったものが損だということになる。その間の調整はどうなんです。一つの標準はないのですか。この程度のものはどうこう、ごうごうという標準はないのですか。もう地方にまかせっ切りなんですか。
  38. 大津留温

    大津留説明員 都市を構成するやはり基準というものがございますので、一ヘクタール当たり何人という基準を設けまして、大体同一基準で各都市に線引きをやっていただくように指導しておるわけでございますが、やはり各都市の事情によりまして多少の相違は出ております。しかしながら、できるだけ同じような基準でやるように。したがいまして、早くまとまったから不利で、あとになるほど有利というようなことは特にございません。  それから、先ほど大臣も申されましたように、都市が年々変貌してまいりますので、五年ごとに原則としては見直す、また状況によりましては五年に至らなくても見直すこともできるということにやっておるわけでございます。
  39. 華山親義

    華山委員 それでは、またもう一度いろいろ具体的な問題については質疑させていただきます。
  40. 福田繁芳

    福田委員長 鳥居一雄君。
  41. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 私はまず公団のほうにお伺いいたします。  住宅公団としまして今日まで十六年間に六十万戸の住宅を建ててこられました。新たに新五カ年計画で四十六万戸急ピッチで建てようという現在を迎えているわけでありますけれども、決して粗製乱造が許されてよいはずがありませんですし、総裁はこの春就任されまして、もともと総裁はこの畑育ちで二十一年だそうでありますけれども、総裁になられる前は副総裁としてがんばられた方でありますし、この道のベテランでもありますので、なるべく総裁から御答弁いただきたいとも思います。しかし、この問題につきましては、抽象的な議論ではどうにもなりませんので、具体的な事例をあげながら、公団の姿勢を改めるべきは改めていただく、そうしなければならない、こう考えて質疑をいたしたいと思います。  まず福岡市にあります室住団地であります。ここで取り上げる団地につきましては、あらかじめ関係の方に御通知申し上げてありますし、具体的な資料についてはそれぞれ御用意願えただろうと思いますので、具体的な論議に入りたいと思います。  この福岡市室住団地につきましては、昨年から入居開始になっておりますが、まず具体的に、第一次募集から今日までの第四次募集に至る募集戸数、それから応募者数、倍率、これをまずお示しいただきたいと思います。担当理事の方でけっこうですから。
  42. 福田繁芳

    福田委員長 まず南部総裁から概略あれして、あと詳細に担当理事から答弁していただくことにします。
  43. 南部哲也

    南部参考人 この四月から公団総裁を担当しました南部でございます。公団のいろいろな問題につきましては絶えず御協力をいただきまして、まことにありがたく存じております。  いま御質疑のありましたとおり、今日まで六十万戸の管理戸数をかかえ、現在なお十万戸の建設中の住宅がございます。四十二年あたりから住宅建設戸数がどんどん伸びておりまして、毎年一万、二万の増加を来たしておるわけでございます。したがいまして、あらゆる面に全部目が届いておるかという点でいろいろ御指摘のような問題があろうかと思います。私どもはこれを反省の資として、今後なるべく欠陥団地のないように、契約にそごのないようにということで進めていきたいと思っております。  お尋ねの室住は福岡市の団地でございまして、募集当初から募集戸数に対して募集人員が満たないということでございます。総戸数二千百戸ばかりのところに対しまして、九月末で五百戸のまだあき家がございます。これはいろいろな面でいずれ御指摘があろうと思いますけれども、要は、建設のその土地における住宅の需要と、それに対する供給との間に、適切な契約について若干のズレがあったということであろうと思うのでございます。現在の五百戸のあき家も、来年三月までには、従来の経験からいたしますと、それぞれ充足することになるという見通しを持って現在進めておりますが、御指摘の一次、二次のこまかい募集戸数、応募人員につきましては、担当理事のほうから答弁させたいと思います。
  44. 福田繁芳

    福田委員長 ただいまの鳥居委員の御質問に対する総裁からの概略の御答弁があったわけですが、本問題はあちらこちらに関連しておりまする関係上、よい機会だから御参考に他の理事から詳細に具体的に入っていただきたいと思うのです。  そこで、川口理事出席されておりますから、発言を許します。川口君。
  45. 川口京村

    川口参考人 ただいま御質問のありました福岡の室住団地についての応募状況を御説明いたします。  昨年八月に第一次募集を行ないまして、そのうちの十月二十五日入居分は、募集戸数が四百九十九戸、応募者数が三百二十二で、〇・六倍でございます。それから十一月入居分が、募集戸数が二百六十、応募者数が百四十で、〇.五倍でございます。それから四十五年十一月の第二次募集は、募集戸数五百戸、応募者数は百六十二、倍率が〇・三でございます。それから四十六年三月の第三次募集が、募集戸数が三百、応募者数が七十六、倍率が〇・三でございます。それから四十六年七月の第四次募集でございますが、募集戸数が五百六十、応募者数が百二十名、〇・二倍でございます。これを合計いたしますと、募集戸数が二千百十九戸、応募者数が八百二十名、〇・四倍でございます。  その後、鋭意募集につとめました結果、九月末現在で、二千百十九戸のうち、あき家になっておりますのが五百三戸でございます。  以上のようなことでございます。
  46. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 二千百十九世帯の団地をつくって応募者が八百二十人だったというのは、これはどういう誤差ですか。
  47. 川口京村

    川口参考人 福岡というのは、この通勤距離が東京の場合とだいぶ違いまして、若干遠かったのじゃないか、そういうふうに反省しております。
  48. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 団地をつくるにあたって、遠かったとか、その辺の理由でこうした現象が起こることが許されていいですか。当初何倍を見込んでいたのか、当初の計画をお知らせいただきたい。
  49. 福田繁芳

    福田委員長 島君、君が計画担当だから、鳥居先生の御質問にお答え願いたい。
  50. 島守一

    ○島参考人 ただいま当初何倍を見込んでいたか、そういう御質問でございますが、実際問題として、いままでの経験から申しますと、福岡地区では当初平均一・五倍という実績がございます。そこで、実際にこの団地は福岡市の中心から七キロほど離れておりまして、バスで行きますと四十分くらい中心部までかかるわけでございます。それで、現在福岡の実情といたしまして、やはり地域的にできるだけ分散して建設する、そういうふうにするのが本旨でございます。ところが今回の場合、これは実際に二千数百戸の団地でございますが、建設時期をずらして募集時期をずらす、そういう方法が一つございます。また事実そういうことも一考えて発注していったわけでございますが、一つの団地が二千数百になりましたので、どうしても一回の募集が多くなった、そういうことでいま御指摘のような結果を生んだわけであります。結果的に見まして、計画をもう少し慎重にすべきでなかったか、こういうふうに反省しておるわけでございまして、今後その経験を生かしていきたいと思います。
  51. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 団地をつくるにあたって、私のしろうと考えですけれども、現在常識は大体十数倍ですよ、東京支所の管内で見てみても。それから応募者を見てみますと、三十回以上落ちているという人はもう日常茶飯事の話になっている時代です。そういう時代に、同じ公団がつくる団地で、わずか〇・四倍しか見込めないような団地ができ上がっちゃっているじゃないですか。当初の見込みが甘かったに違いない。その結果こういうことになったと思うわけですけれども、一般にこうした団地をつくる場合に、一倍欠ければあき家ができちゃうにきまっています。公団の職員人たちが四方八方に散ってお客さんを集めてくれば、それは別でしょう。そういう事情にない住宅事情に現在あるわけです。日本全国で三百六十万戸住宅が不足していると現にいわれております。そういう土からいって、こうしたことが許されていいわけがない。常識で考えて〇・四倍なんてとんでもない話です。どうですか、総裁。当初の計画は大体この線で押えて、これ以下の場合にはつくらないとか、そういう基準がないのかあるのか、まずお伺いいたします。
  52. 南部哲也

    南部参考人 住宅公団といたしましては、全国一律にやっているわけではございませんで、住宅の困窮度の高いところでやっているわけでございます。その結果、現在、東京、大阪、名古屋、福岡、この四つを発足当初から支所といたしまして、そうして年間に各支所別にどれだけの建設をするということで大臣の御承認をいただきまして、事業計画をきめて、それに基づいて建設をやっておるわけでございます。ところが、十数年やってきまして、はっきり言いますと、福岡地区あるいは名古屋地区というものは、先ほど先生がおっしゃいましたように、倍数が関東とは違って、だいぶ需給においてはバランスがとれてきておる。要するに建設戸数と需要戸数との間にたいした差がない。ですから、そういう意味において、先ほど担当理事がお答えしましたように、いつも大体一・五倍とかいうくらいの倍率で、応募者、需要がその程度になっておる。それならば、そこら辺の福岡とか名古屋にはもう住宅建設するのはやめて、全部東京へ持ってきたらどうだというような、需要と正比例をした供給をするということならば、そういうような建設計画に変えるべきじゃないか、先生の御議論をずっと推し進めていきますと、根本問題としてはそこに来るだろうと思います。われわれとしても、毎年ふえる分につきましては、これは全部関東と関西の地区に割り振っておる。したがいまして、福岡の建設戸数をどんどん増していくというようなことはしておらないのでございますけれども、それでも現実の需要から言いますと、地区別にアンバランスがある。これをどういうふうにやっていくかということにつきましては、今後の年度の初めの事業計画そのものからやはり再検討していかなければならない。そういう面で今回の室住の事象というのは、要するに需要よりも供給のほうが多いという一つの端的な現象のあらわれでございますから、今後につきましては、できるだけこういう事態の生じないように、需要に合わせた建設をやっていくということで再検討していきたいと存ずる次第でございます。
  53. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 一言で言えば、地方だからやむを得なかったということですか。地方だからやむを得なかったということは許されないことだと思いますよ、国民感情からいって。しかも福岡のこの場合は、七キロ離れた地域に公団をつくってしまったというところに失敗があったわけです。公団の団地造成の地域も考えなければならない大事な一つの要素です。地方だから〇・四倍が許されてよいわけがないです。いま総裁のお話で五百世帯のあき家があるということでありましたけれども、十月八日現在、これは公団からいただいた資料でありますけれども、六百二十八世帯あき家という資料が出ております。この内容を見ますと、昭和四十六年七月、第四次の募集の時点では〇・一倍です。二DKの二百八十一世帯募集に対しまして、四十一世帯が応募した、倍率は〇・一倍である、こういう数字も出ております。しかも第一次から第四次まで、こう考えてみますと、第一次の時点で〇・六倍であったことに対して、工事は第一次の募集を見ながら第四次まで続いているわけですよ。計画変更もしなければ、この時点で反省をして、それではこの規模を縮小しなければならないんじゃないかという点検もなされてない。そういうお役所仕事で許されますか。これが民間の企業であって、二千世帯収容するところで八百二十人しか集まらないといえば、これでつぶれちゃいますよ。大世帯であり、こういうことの失敗が許されていいなんて、こんなことは決して許されていいはずのものじゃないです。明らかに失敗と私は見ておりますけれども、総裁は失敗とは見ませんか。どうですか、この室住団地。
  54. 南部哲也

    南部参考人 現実において現在なおあき家があるという点で、計画としてはこれはわれわれとしても反省しなければならないということは十分申し上げているわけでございます。ただ、住宅難解消の本来のあれからいえば、なぜ先ほど来年の三月までには充足されるだろうと申しましたかといいますと、要するに、福岡の地帯でのいろいろな転勤、それらの時期が大体年度末に行なわれまして、四月初めにはどっと需要がふえる、こういうような状況を従来も繰り返しておるわけでございます。そういった意味からいって、まあこれぐらいの戸数を建てても、そういった人たちのためには、行ってすぐうちがある、東京から転勤になっても、大阪から転勤になってもそういうような状態になっておるということは、一面からいえば、そこに行って、くじになかなか当たらないとかなんとかいうような不安がないという点からいえば、これは入居者にとっては非常に便利であるという点はあろうと思います。しかし、そうかといって、これだけのあき家をかかえておるということについては、十分に反省いたしたいと存じます。
  55. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それでは総裁、この月々入るはずの家賃収入、要するにロス家賃これはどのくらいにのぼっていると思いますか。
  56. 川口京村

    川口参考人 管理開始後入らなければならない家賃というのは現在計算しておりません。
  57. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 ですからお役所仕事だと私は言いたいです。いいですか、入っていれば当然収入があり、公団の収入となるべきものが、ざっと計算しまして、入居開始の四十五年十月、この時点で九十九世帯が入っておりませんでした。七十六万八千円。十一月に募集、第二次募集ですけれども、この分で三百九万四千円、以下コンスタントにこのロスが続いております。昭和四十六年の四月末現在でロスの総額が五千二百六十三万五千円。これはこのまま続きますから、一億円になろうとする家賃ロスが出ているわけです。微々たるものだといえば微々たるものかもしれません。しかし、これは普通公団に費用がかかった場合に全部入居者に負担させる形でロスを落としているわけです、以下、事例をあげますけれども。しかし家賃が決定してしまった以上は、これはそのまま公団がしょわなければならない。そういう欠損、これが一億円になろうとしているのですよ。この点どうなんですか、これはどうするのですか。
  58. 川口京村

    川口参考人 お答えいたします。いまのような計算をいたしますと、確かに一億円ぐらいになります。ただ、われわれのほうの考え方といたしましては、家賃の収入がおくれているというふうに考えておるわけです。ですから、年度末までにこれだけの収入をあげなかったというのは収入欠陥になるわけでございますけれども、結局数カ月の家賃というのはおくれて入ってくるというふうに一応考えておるわけです。  それから、あき家になって出費がそれだけふえるという意味の欠損ですと、あき家一戸について大体六百円、これは一週間に一ぺん窓をあけたり、畳をあげたり、そういう保守のためにそれだけを出しております。まあ損といえばそういう点が損である、そういうふうに考えておるわけでございます。
  59. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それはおかしい議論ですよ。何を言っているかと言いたいですよ。つくった公団住宅に人間が倍率が低くて入らなかったのですよ。入っていれば当然家賃収入があって今日に至っているわけです。それはどこの団地を見たって、あなた方がつくった団地は全部一〇〇%入っていますよ。東京支所を見てごらんなさい。あるいは移転のために外に出ていく方もあるかもしれませんけれども、この室住の場合には、できて以来入ってないのですよ。入っていれば家賃収入となったはずじゃないですか。それを家賃がおくれて入ってくるものと解釈する。御都合のいい解釈じゃないですか。どうですか。
  60. 川口京村

    川口参考人 一般に商品をつくった場合に、それが直ちに売れるというわけではないと私は思うのでございます。ですから、われわれはこういうのは在庫のように観念しておるわけでございます。ですから、予定しました収入は確かに入りませんけれども、いずれ家賃が入ってくるわけですから、回収の月が数カ月おくれる、七十年で回収というわけですが、七十年と数カ月、そういうふうに考えているわけでございます。
  61. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 この問題はこの室住団地だけに限った話じゃない、私はこう見ています。応募時において一倍を欠けた団地、これを全部出していただきたいと思いますけれども、委員長、どうでしょうか。
  62. 福田繁芳

    福田委員長 鳥居君に申し上げます。ただいまのあなたの資料は、委員長、責任もって取り上げて、御配付申し上げることにいたします。
  63. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 次に、やはり具体的な事例をあげます。  千葉県に新検見川団地、 それから稲毛海浜ニュータウン団地があります。これは県側から入居を待ってほしいといわれている二つの団地として御存じのとおりであります。そのいきさつにつきまして、ごく簡単に説明していただきたい。
  64. 島守一

    ○島参考人 ただいま御質問がございました二団地の概略を申し上げます。  まず新検見川団地でございますが、これは本年発注いたしまして、現在工事中でございます。そして、いまのところ竣工予定日は、一番早いものが四十七年の四月、最後のものが四十八年、再来年の六月、そういう予定になっております。  もう一つの御質問でございます稲毛のニュータウンにつきましては、これも同じく本年発注いたしまして、まだ一部は来年発注する予定でございますが、これの竣工予定は、一番早いのが来年の六月、一番おそいのが再来年の十二月、そういうふうに現在工事中の建物でございます。  これにつきまして、実は先ほど御質問がございましたように、県のほうは、もしそれまでに道路問題その他輸送の問題が解決しないときには、これは入居を差しとめますよ、そういうふうな話はございます。その点につきまして、では現在その通勤輸送の問題をどういうふうに処置しているかということを簡単に御説明させていだだきます。  まず新検見川団地でございますが、これは検見川の北方にございます。そしてそれを県道を通りまして、さらに千葉市の行なう都市計画を通りまして検見川に出るわけでございますが、現在のところ検見川のほうの駅広に余裕がございませんので、これは市と打ち合わせまして、駅の手前二百メートルぐらいのところに二千平方メートルばかりのバスの折り返し点を設ける、そういうことで市と話し合いがついているわけでございます。そしてその途中の道路の拡幅につきましては、これは一部は県道七十二号を経由しまして、都市計画街路二二一七号というものを利用するわけでございますが、都市計画街路につきましては東大グラウンドというのがそれに沿っておりまして、その東大グラウンドに沿った部分については、市が本年十一月に工事着工して、来年の四月までに完成するというふうに市のほうで言明してくれていまして、鋭意市のほうは努力してくれております。それからなおその途中に東京ガス不動産というところが持っている土地がございます。これはその東京ガス不動産のほうでやはり整備するということでやっておりまして、折り返し場所の二千平米につきましては公団でいま交渉しておりますが土地所有者の内諾を得ておりますので、建物ができ上がり、入居がでできる来年の四月までには何とか間に合うということで、現在三者協力しながら努力しているわけでございます。  それから稲毛ニュータウンでございますが、これは千葉市が稲毛の海岸に埋め立てをしたところでございます。それを公団が譲り受けまして、そこに建設をしているわけでございます。もちろんその稲毛ニュータウンの一部を公団がやっているわけでございますが、これを千葉市から公団が譲り受けるときの条件といたしまして、これを駅に運ぶにつきましてどういうふうな方法をとろうかということで市と打ち合わせたわけでございますが、市のほうは、これは市のほうで責任をもってやる、そういうことで着手したわけでございます。ところが現在、やはり県のほうとしましては、市はそう言っているが、なかなかむずかしい問題があるから、これはよほど慎重にせぬとだめだ、もし間に合わなければ、これは入居を差しとめますよ、そういうことでございます。現在、市のほうは駅広はとても無理だから、駅前に市のほうで一時土地を、駅広の予定地を一部買収して、そこを折り返しにする、その途中の道路は区画整理で進めていく、しかし区画整理が間に合わぬときには部分的に拡幅する。そういうことで、公団は全力をあげてそれにできるだけの応援をする、そういう態勢でございます。
  65. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 稲毛ニュータウンの第一団地でありますけれども、現在、県と千葉市と公団は話し合いを進めておりますけれども、上水道の供給、この点についてはどういう話し合いができ上がっておりますか。工事はどんどん進んでいるようでありますけれども、県側、市側のほうでは供給量がとてもじゃないけれどもそれに間に合わない、こういう数字が出ております。
  66. 島守一

    ○島参考人 これはただいま手元に資料がございませんで、トン数がどうなっているかというような詳細はちょっと申し上げかねるわけでございますが、これを実際に千葉市から譲り受けるときに、千葉市は水を供給する、そういうことで県と打ち合わせて保証してくれているわけでございます。われわれとしてはやはり県水を受けるという前提で進んでおります。
  67. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 県営水道の供給量は、県のほうではっきり言っておりますけれども、昭和四十八年の十月過ぎなければ二千九百三十戸分以上は供給できない、こう表現しております。公団の建設戸数を見ますと、発注年月日がことしの三月に二千三百六十戸、同じく千百四十戸、同じく三月に千二百三十三戸、同時に発注をし、現在工事が進んでおります。でき上がる年月日、竣工予定を見てみますと、来年の六月、次の千百四十戸が来年の十月、その次の千二百三十三戸が四十八年三月完成であります。上水道がないために、完成しても入らない事実がここにできてしまっているわけです。これはどういう解決の方法をとるのですか。
  68. 島守一

    ○島参考人 県水の供給量につきましては、公団は絶えず県と連絡しつつなにしているわけでございまして、建設の段階において、たとえば四十五年度はこことこことここに何戸建てる、そういうふうな話をして、それに対して水はどのくらい供給できる、したがって本年度はこのぐらいにとか、五カ年計画では何万戸でと、そういう打ち合わせを絶えずやっているわけでございまして、その点でわれわれ現在まで了解しているところでは、千葉市が県と打ち合わせた結果、あの地域についての水道は何とか供給してもらえる、そういうふうに聞いたわけでございます。ただいま先生、それはあぶないのじゃないかという御質問でございますが、その点につきまして、ただいまのところそれに対する詳細な資料を持っておりませんので、あらためて至急調査いたしたいと思います。
  69. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 これは具体的な事例で質問しているわけですから、具体的に答えていただかないことにはどうにもならない。県営水道は県の供給によるものですよ。県側が、その供給量が需要に見合わないと言っているわけですよ。公団はかってにどんどん工事を始めてしまっておるために、この二団地は県のほうから着工待ったというストップがかかったわけです。これは上水道の上からいっても、それから道路、このバス路線につきましては、県のお力添えがなければ、運輸省としてはこれは許可しないですよ。幾ら公団のほうでバス路線を引きたくても、県のほうはこの問題で硬化しています。どういう手を打っているのです。総裁としては新任早々、地方自治体とよく話をしていかなければならない、これが私の第一のつとめだ、こうおっしゃっておりますけれども、こうした問題が起こっている。そのこと自体総裁一体御存じですか。どうなんですか。  この問題ばかりじゃありません。金杉台の団地の場合には、分譲あり、それからまた賃貸あり、そうしたものが十カ月間も放置されたまま、地方自治体との話し合いができないまま、あき家のまま今日に至っておるわけでしょう。ことしの八月の末やっと入居ができる、そういうめどがついたという事態があるわけです。ここではおよそ三億円のロスですよ、金杉台の場合には。地方自治体との話し合いができないためのロス。しかも、金杉台の場合には、駅前広場を拡張したりなんかする費用を全部公団としてしょい込むとすれば、家賃のほうにのしかかってくるわけですよ。それまで家賃をきめていない。八月末入居直前にその話がまとまって、家賃にしわ寄せした形で駅前広場を解決し、そうして入居を開始する。その間家賃収入があるとすればざっと三億円にのぼります。そういう失敗をやっております。話し合いがないためですよ。どうですか、総裁
  70. 南部哲也

    南部参考人 お説のように、地方公共団体との話し合いが非常にぎすぎすしておるというような点がありまして、私は、就任以来この問題をできるだけ早く解決するということで尽力してきております。千葉県の検見川あるいは稲毛の問題につきましては、実は本年の三月に発注しておるわけであります。先日も知事とは十分に話しまして、四十六年度事業についてのこのようなトラブルがないように、すべての点で打ち合わせをしておるわけでございます。ただ、地方公共団体うち、いろいろ検見川あるいは稲毛の問題で、地域の市と県との意見が違うというようなことがございます。私どものほうでは、第一次的には市町村と話をする、それから県と両方からお話しするのでありますが、やはり両者の問にいろいろ意見の食い違いとか、あるいは担当事業の区別で、いろいろ先ほども申されましたような水の問題等については、市のほうではできると思っても、県のほうでは、県営水道でそうはいかないというような、いろんな問題で、その間にそごができる。これは、今後の建設団地につきましては、そういうことのないように、極力事前に話を詰めて着工するということで進めてきておるわけでございます。一方において、年度間に、今年度で申しますならば八万八千というようないわばノルマがございます。それとのかね合いで若干見切り発車したというのがあとでトラブルが起こる。こういう事例がいろいろございますので、こういうことのないように、今後の建設につきましては、十分連絡を密にして、その間のそごのないようにしていきたいということで本年度事業執行しておるのでございます。
  71. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 市と県との話し合いがないまま、公団が県だけに了解を得て工事を進めるなんということは考えられないですよ。県とも協議をし、市とも協議をし、その合意の上で団地造成が始まっていかなければならないはずの性質のものですよ。千葉市にありますあやめ台団地では、これは具体的な数字を伺いますけれども、完成して今日まで小学校をどうするかという問題で入居募集ができない。これは具体的な資料を要求します。  そういうぐあいで、でき上がる寸前に問題が起こってくるというのは、もともと根回しが弱いことによる、もともと計画の甘さによる、そういう弊害の結果じゃないですか、今日の小学校一つの問題にしましても。金杉台の場合だってそうです。船橋市金杉台の駅前広場の問題も、団地をつくる以上は綿密な計画の上ででき上がらなければならないし、話し合いも協定もでき上がらなければならないはずです。ただつくればいいというものではないのです。いままではそれが通ったかもしれませんけれども、そういう慎重な団地計画の上にでき上がっていかなければならない。これはもう当然だと思います。そういう意味で、計画が非常にずさんであって、聞くにたえない話ばかりであります。  次に、千葉の東寺山、ここにいま公団のほうで造成中の団地があります。いつ建設を始め、何戸でき上がるか、いつでき上がるか、簡単にこれだけお答えください。
  72. 播磨雅雄

    播磨参考人 東寺山団地は、住宅公団といたしましては、区画整理方式によりまして宅地造成をやっておる団地でございます。したがいまして、民間の土地をも含めまして全体で百二ヘクタールでございますが、計画の戸数を申し上げますと五千戸でございます。四十二年の三月から買収を始めまして、一応現在、以前の事業年度は四十八年度までということになっておりますが、現実には若干おくれを生じております。
  73. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 いつできるのですか。
  74. 播磨雅雄

    播磨参考人 区画整理そのものは、四十二年の計画では、四十八年度で終わるという計画でございましたけれども、若干おくれが生じております。
  75. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 造成の段階で、天然ガスの鉱区内にあることを御存じありませんでしたか。
  76. 播磨雅雄

    播磨参考人 四十二年の三月に着工いたしましたときには、同地区内に天然ガスの井戸があることは存じておりました。ただ、この天然ガスに関しまする研究が必ずしも十分でなかったという点につきましては、反省もいたしておるわけでございますが、事実は知っておりました。
  77. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 建設省から、この点につきまして宅地としていろいろ勧告が来ておるはずですけれども、その受けた勧告の内容を示してください。
  78. 播磨雅雄

    播磨参考人 要点を申し上げますと、次のようなことを検討いたしまして、そうしてでき上がった宅地の保安に遺憾のないようにしなさいという趣旨でございますが、一点は、造成宅地内のガスの埋蔵量及び、二業者おるわけですが、今後採掘量がどのように増減するものかという見通し、そういったものを検討しなさい。第二点は、現在の地下水のくみ上げ量並びにそれによりますところの地盤沈下の現況並びにその対策、そういったものを検討しなさい。第三点でございますが、造成地内における現在の配管の経路あるいは口径、そういったものをよく検討いたしまして、工事等そごのないようにしなさい。それからこのガスがどういつだ毒性を持っておるか。したがいまして、かりに毒性ありとすればその対策をどう考えるかという点を検討いたしなさい。以上四点。さらにつけ加えまして、この土地で四十四年に宅地債券を百口ばかり発行しておるわけですが、その応募者はそういったものがあるということは知らなかったのじゃないか、したがいまして、将来問題があるといけないから、そういった趣旨をよく周知をするようにいたしなさい。そういった点が要点でございます。
  79. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 そうして、その検討の結果どういうふうに措置をとる考えですか。
  80. 播磨雅雄

    播磨参考人 まずガスの埋蔵量と将来の採掘はどうなるかという見通しの問題でございますが、ただいま申し上げましたように、当団地の区域は百二ヘクタールでございますが、もちろんガスの鉱区というのは当地域にもかかっておりますけれども、はるかに区域外が広いものでございます。したがいまして、帝国石油の鉱区権の面積が二千九十ヘクタールございまして、これは一応推定の埋蔵量ですが、十三億立方メートルの埋蔵ガスがあるだろう。それから関東天然ガスでございますが、これが三百二十ヘクタールの鉱区権を持っておりまして、推定埋蔵量が二億立方メートル、こういうことになっております。そして、この監察がございましたときのくみ上げ量でございます、これは水の量でございますが、これが帝国石油で五千四百トン一日、それから関東天然ガスで四千トン、合わせまして九千四百トンの推定としてのくみ上げがあったというのが現況でございます。  これに対しまして地盤沈下の状況でございますが、これは千葉県がお調べになったところでは、四十五年の二月から四十六年の二月までにこの辺一帯におきまして十四、五センチの地盤沈下があったという資料をいただいております。  そこで千葉県といたしましても、公団といたしましてもそうでありまするが、この両者に対しまして何とかくみ上げを軽減してもらうような対策をとってほしいということで東京通産局の御指導もございまして、八月の二十日に調べましたところでは、水のくみ上げ量はそれぞれ三千三百トン、三千百四十トンというように、おおむね二割方減っておる。そういうふうな一応指導がございますので、採掘量が今後ふえるという方向はない、こういうふうに思っております。今後の地盤沈下の進み方にもよりますが、事情に応じましてさらに制限を強化していただくように私どものほうからも働きかけなければならない、かように考えておるわけでございます。  それから毒性の問題でございますが、ここから出てまいりまするガスは……。
  81. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 けっこうです。  これは驚きですよ。公団が造成した地域が天然ガスのくみ上げ鉱区の中にあるのです。一日一万八千八百立方メートルのガスをくみ上げる天然ガスの井戸が三つあります。東側に二つ、北側に一つ。皆さん御存じのとおり、これは水溶性の天然ガスを下からくみ上げるわけです。水をくみ上げるわけですよ。当然起こってくるのが千葉県の葛南地区の地盤沈下。これはひどいところで不同沈下が年間三十センチもあります。そのくみ上げている現場は地盤沈下の補償は全然ないですよ。ガスが有毒か、あるいはガス管が漏れたりなんかしてそのガスが有毒か有毒じゃないか、その論議の前に、ガスの採掘鉱区の中によりによって団地をつくらなければならないものか。しかもこの宅地債券を募集するにあたっては、イカサマじゃないですか。そのことを全然予告しないで募集をしておいて、そうして応募者に対してその事実を隠した上で、安全ですよということもこれは何も触れてないです。鉱区内にあることも何も触れてないです。そういう募集のしかたがありますか。そうしてこの天然ガスの問題が起こったその段階で検討されなければならないじゃないですか。その点どうなんですか。
  82. 播磨雅雄

    播磨参考人 まあ申しわけになりますけれども、このガスの採取そのものは、千何百メートルという深いところからとっておりまして、この地盤沈下も区域内だけが沈下しているのではなくて、この辺一帯にわたりまして先ほど申し上げましたような沈下がかなりあるという状況でございます。一斉に沈下しておるというふうな状況でございまして、先ほど申しましたように三千ヘクタールからの一つの鉱区があるわけでございまして、やはりあの辺で、ことに千葉県で宅造をやるとなれば、どこかやはりガスの鉱区はあると思わなければならぬような状況でございます。ただこの場合、現に井戸がありまして、一つの震源地のように思われているという問題もございますし、先ほど申しましたような宅地債券の応募者に対しましては徹底していなかったということは事実でございます。その点につきましてはすみやかに十分お話し申し上げたいと、かように考えております。
  83. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 この事実を、総裁どう考えますか。
  84. 南部哲也

    南部参考人 ガスのくみ上げによる地盤沈下というような問題につきましては、これはいろいろな点で問題があろうかと思います。この地区に開発の予定地を設定したということについては、われわれとしても相当検討しなければならない問題があろうと思います。ただ、いま答弁にありましたように、たとえば千葉市の八割はこういう鉱区が設定されております。そういうような事実からしまして、千葉県でやはり宅地造成をするということになりますと、全部こういう鉱区権のあるところを避けてというわけになかなかいかないのじゃないか。そこで今後は、これによる災害を、すでに着手しておりますものですから、どれだけ被害を少なくし、また安全の面で欠けることのないようにしていかなければならぬという点で、通産省等ともあるいは県、市とも十分連絡の上、万全を期したいと思っております。
  85. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 総裁、論議をはぐらかしちゃいけないですよ。それは井戸が間近にあってそれを宅地造成化したというところを私は問題にしているのです。そこを中心にして地盤沈下が現にあることも、いまの答弁であったとおりですよ。そんな安直な計画はないでしょう。それは、千葉県八割が天然ガスの鉱区になっているから、そこを選定することはやむを得なかった、こういうように聞こえますよ、いまの総裁の答弁からは。この事情はそうじゃないでしょう。事実を御存じなければ現場へ行ってごらんなさい。三カ所井戸がありますよ。この示されているとおり、日量一万八千八百立方メートルのガスにしたものがくみ上げられているのですよ。もちろん水溶性の天然ガスですから、水をくみ上げるわけです。船橋の場合を考えてみますと、船橋は二千メートル級の深さのところからこれをくみ上げております。地盤沈下はかなりのところに広がっております。しかし、やはりその地盤沈下のひどいところというのは井戸を中心にしてきわめて半径の狭いところです。これは常識じゃないですか。だから宅地としてこれは不適当であるのか、あるいは今後つくるのか、これだけ伺います。
  86. 南部哲也

    南部参考人 現地を私も見ております。それから、いまの状態から申しまして、被害のないような万全の措置というようなものをいま検討さしておりますが、現在のところこれを中止するという意図はございません。すでに民間の協力者も用地の買収についてはありまして、宅地としての造成を急がれておる面もあります。そういう面で、十分注意の上、区画整理事業としては今後もやっていくつもりでございます。
  87. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 建設省のほうからの勧告と申しましたけれども、その内容については公団のほうからお話がありました。私の手元にも、その東寺山団地について建設省指摘しているものがありますので、これを見てみます。東寺山団地は、宅地造成地域内にガス採掘施設が設置され、各プラントに圧送を行なっているが、関係資料等の整備もはかられてなく、団地造成計画段階での検討も不十分のようであった、こう指摘しております。不十分な計画から始まったこの宅地造成です。そうして、途中でこの天然ガスによる地盤沈下等の危険が出てきたその時点で検討されなければならないと私は思います。もう一たん走りだしちゃったものであればやむを得ない、井戸の一つや二つつぶしちゃっても宅地として売り渡していく以外にない、こういう判断をして誤りじゃありませんか。だいじょうぶですか、今後とも。総裁、伺います。
  88. 播磨雅雄

    播磨参考人 監察の報告にもありますように、十分検討すべき点もございます。また、われわれの能力からいたしましても、そう完全にごうすれば防げるという方法があるわけでもございませんけれども、できるだけの努力をいたしまして、宅地として使えるという見通しを立てたいと思って、現在そのやり方を検討いたしておる段階でございます。したがいまして、せっかく手に入れました貴重な土地でもございますので、何とかして安全を確保しながら事業を施行したい、かように考えております。
  89. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 私は、これも当初の計画のずさんさからくる公団の大きな失敗を背負わなければならない、そういう危険性のある事例だと思っております。こんなことを公団がやっているようではたいへんなことになるのではないか、この事例もこう思います。先ほどの千葉の稲毛のニュータウン第一、これから第二がつくられようとしておりますけれども、全部着工済みです。県営水道の供給量が全然間に合わないことを目の前にして、これが着工し完成しますと入居ができない。計画のずさんなところからきて、当然起こる入居不能という事態です。これを目の前にして私は思うのです。計画をもっとしっかりしなければならない。管理委員会がありますけれども、管理委員会が厳重なチェックをしなければならないはずです。建設省、これは監督官庁として、大臣の大きな責任の一端でもあると思いますけれども、これらの事例を前にしまして、大臣はこの点どうお考えですか。
  90. 西村英一

    西村(英)国務大臣 いろいろ御質問がありました福岡市の室住団地の問題等、二千百十九戸のところに全部完成しながら八百二十戸しか入っていない。これはもう、これからたとえ募集して多少の人員が入るにいたしましても、これは抗弁の余地がないような計画のミス、これもあやまるほかにはしょうがないと私は思います。今日、住宅がこのように非常に窮迫しておる中に、国家の公金をもってやる住宅政策でこのようなことがあってはならないと思います。したがいまして、今後の処置といたしましては、住居等につきまして、募集でいろいろすすめて入りますけれども、今後大いにこれを反省の材料として研究しなければならぬと思っております。  またその他の千葉県等におきまするお話でございますが、私も現地の状況をつまびらかにいたしておりませんが、やはりせっかく御注意がありますので、進むにしても退くにしても、この際もう一回、御注意を承って検討してみるという注意だけは絶対にしなければならぬ、さようにしてどうしても諸般の事情から進むべきだというようなことになればそうなるかもしれませんが、また場合によってはある程度のところでもってやめるというようなことも再検討するということはもっと必要じゃないか、かように考える次第でございまして、以後十分注意をいたしたい、かように思う次第でございます。
  91. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 最後にもう一つその事例をあげさせていただきます。  埼玉県の高麗川団地でありますけれども、この団地では面積三十六万四千平方メートルの開発をいたしまして、この半分を公団が民間の業者と提携した形で開発して、四十七年の七月までに千九百戸の完成予定で工事が進んでまいりました。これも水の問題であります。当初公団の甘い設計から、ポンプを使いまして井戸を掘りまして、そうして六本の井戸を掘って三千七百トンから八百トン必要な上水道分に充てる、こういう計画で進んでまいりましたけれども、現実はそうではなかった。これは公団の負担分二千百万円の無効投資をしております。そうしてまた新たに近くの川から、四キロ離れておりますけれども、ここから管を引きまして水を引いて、浄水場をつくって不足分に充てなければならない、こういう見込違いがあります。そうして当初、順調に進めば入れるはずでありました完成したその公団住宅が放置されたままの状態が来年の春まで続きます。完成しましたけれども水道がない、上水道の供給を受けられないために入居できないのです。そのまま、あき家のまま、完成はしたけれどもずっと放置されておる、こういう事例があります。現在の見込みからいくと、来年の三月入居だそうでありますけれども、一戸平均二万円としても、ざっと一億円の家賃収入のロスがある。私も単純に計算してこういう数字をはじき出しました。これはもうやはり計画の失敗であり、甘さの例であり、この問題につきましてもやはりその指摘ができるわけであります。こうした問題につきまして、公団はかかえておる世帯が大きいから、建設戸数が大きいからなどということはとても問題にならない。それは答弁にならないと思います。こうしたことがないように厳正にこの管理をし、やっていただかなければならない、こう思いますが、総裁どうですか。
  92. 南部哲也

    南部参考人 御指摘のいろいろな問題につきまして、非常に先を急ぐために詰めが甘かったという点は十分反省いたしまして、今後このようなことのないようにいたしたいと存じます。
  93. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 吉田先生の都合で、十五分だそうですから、私、待ちますから……。
  94. 福田繁芳

    福田委員長 吉田賢一君。
  95. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 時間がなくなりましたので、やむを得ませず、ごく二、三の点だけ簡単に伺いまして、残余は全部別の機会に保留しておきたいと思います。  そこで、建設行政一般につきましての基本姿勢の問題、これは主として財政運用の観点からするのでありますが、大臣にちょっと一、二点伺いたいと思います。  申すまでもなく、今年から引き続きまして国民福祉を重点に置きます施策が大きくクローズアップしてまいりますし、建設行政もその例外ではありません。したがいまして、公共投資は大きなウェートを占めるものではないだろうか、こう考えておるのであります。  ところで、公共投資はとかく国民の間には、一つのある物、一つの事実に対する財政投資の関係ではなしに、個人もしくは一部住民にはよくわからないような、多面に関係を持つような投資が多いので、これをどうして最も適切に効果的に国民の輿望に沿うように投資するかということは、非常にむずかしい問題でございます。公害問題一つとって考えてみましても、世界は環境保全を目標にした公害行政が行なわれております。日本は環境汚濁、破壊、これに対してどう対策を立てるかというようなことになって、こういう問題一つとってみましても、あと追いの形になっていることはいなむことはできません。あと追いであり、隘路の打開であり、事後処理的な投資というものが相当あるような感じがいたしますので、とかく前提になります資料の検討、資料の処理、あらゆる要素の検討というものがおろそかにされているように考えます。  そこで、特に建設行政全体におきまして、たとえば他の企画庁であるとか通産省であるとか運輸省、厚生省、大蔵省などとも横の連絡をできるだけとりまして、縦割り行政の弊害をためていくということがいま非常に切実な課題になっていると思うのです。私もかねて当委員会におきまして何べんも政府を御鞭撻し、御意向も聞いてきましたが、たとえば住宅建設にしても、道路整備にしても、新都市計画にいたしましても、そういった交通とかあるいは道路とか住宅の問題にしましても、もっと政策目的と手段である方法と、予算が合理的に配分をされ工法が設定されるということに欠けるところはないだろうかというふうに思うのであります。これはやはり横の連絡を緊密にしないから起こるのであります。  一つの例をあげますならば、私は現物を見ておりませんので新聞報道なのではございますが、たとえば住宅建設に使います浴室の設備、あるいは洗面所とかトイレの三点組み合わせというようなことで、何か公共住宅用の規格部品、KJと言っているそうでありますが、そういうものにつきまして試作をさせる。四十四年度にはすでに百六十万、数十社から一社当たり三十万円を拠出させて、試作をさせておる。これでKJをきめていこうという。一方、工業技術院のほうは、もうすでに四十四年度から発足いたしまして、そうしてJIS、工業標準化法に基づくもののようでありますが、すでにこれは四十六年度におきましては、予算にしましても四千七百三千三万円を調査経費として持っております。こういうことになりますが、どうもこの関係だけを見ましても両者重複しております。もっと両者を組み合わせましたならば、こういうむだがなくて済むのではないであろうかということでございますが、この辺のことも、技術的な面もありましょうし、そう簡単にはいかぬと思いますけれども、大まかに考えまして、建設省の大きな方針としてこういう点も整備する必要がある。これは一つの例にすぎません。  あるいは、例の町田市における六十四ヘクタール、二十一億円も金を出してすでに土地を買収しちゃって、二年間ほったらかしになって、四十七年から入居の予定であったものが二年間ストップしてしまって、そのまま手をあげて二十一億円が使いっぱなしという状態にあります。こういう面も、これは自治省なり自治体とも関係がありますが、若干横の連絡とは言えませんけれども、そういう点につきましても、やはり国家の中央、地方にかかわりませず行政機関が、それぞれと事前に緊密な連絡をとりまして、目的の設定について十分に検討して、その協力を求め、そして予算を組み等々いたしましたならば、このむだがなかったろうし、二十一億円というと年間少なくとも一億円の利息を払う。一億円の利息を払ってほうりっぱなしらしいというようなことがあらわれております。こんな例は際限なくあります。一、二例を指摘しただけなんです。でありますから、基本姿勢といたしまして、いかにして総合化、いかにして効率化、いかにしてほんとうに政策目的に適合するような適切な予算執行をするか、公共事業予算につきまして切実に感ずるのであります。ひとつ大臣から、建設省としての大きな方針をこの際聞いておきたいのであります。
  96. 西村英一

    西村(英)国務大臣 まあいままでのやり方と申しますか、いわゆる建設省建設すればいいんだ、つくればいいんだ、こういう考え方がなかったわけでもございません。戦後は何もかにもなかったのだから、いわゆる建設すればいい、住宅もつくればいいし道路もつくればいいというようなことで建設省でやったのですが、今日、吉田先生もおっしゃるように、一体どういう施策をもって今後われわれは建設行政に臨むのかと申しますと、端的に言って、やはり建設省じゃないのだ、国土省だ、こういうような姿勢で今後はやるべきじゃないかと私も思っておるようなわけでございます。  そこで、先生の言われることも、建設行政はすべての国民生活に影響があるのだから、たとえばいまニュータウンの問題をあげましたが、やはりそれには交通関係も要るじゃないか、そんなことを考えぬで、ただ宅地だけをやって家だけ建てればいいというものじゃないじゃないかというような、さまざまなことがあるのです。また、いままでの土地利用からいきましても、非常に限られた土地だけが利用されたのでございますが、あくまでもやはり国土省というような考え方に立って、人口でも産業でも地方に分散させるとか、あるいはいわゆる住みよい都市をつくるためにいろんな施策をする。それには、国民生活に密接な関係のある下水道だとかあるいは公園だとか、これはただ単に建設省だけでやれるものではございません。したがいまして、今度できました環境庁等とも十分打ち合わせをやる。また住宅等につきましても、これはやはり運輸省との関連を持ってやる。あるいは物の規格の点については、いまも通産省との関係が現にたいへんできつつあります。したがいまして、そういうようなことを踏まえつつ今後は建設行政を進めていかなければならぬということでございまして、その点は十分私も考えて、それぞれ役人の方に言っておるわけでございまして、その点につきましては、ひとつそういう気持ちで、国土省のような気持ちで、各省との連絡を十分とりつつ、やはり公害あるいは交通事故、いろいろな問題がありますが、それをなるべく少なくするような方向において建設行政を進めていきたい、かように考えておる次第でございます。
  97. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 財源の問題となってまいりましたが、たとえば公共事業費の財源、これは今度ニクソンショック以来相当な不況下というようなことも予想され、東京都におきましても、すでに法人に関する諸税が当初見込み予定の三割しか収入がないというようなことで、勢い計画も減らさなければならぬ。これは全国的な地方自治体の財政見通しの実情かとも想像いたします。そういうような際におきまして、この財源の不足の問題、おそらくはこれは相当膨大な国債の発行ということになるのであろうと考えております。これは、さきに景気浮揚策といたしまして打ち出しました国債から、さらに大きく、今度は七千億円くらいふやすのですか、補正予算のほうに出ておると思いますけれども、ともかく大きな国債の発行をする。ところで、一方におきまして、この財源不足の問題は、たとえば新経済社会発展計画等に基づきまする公共投資の累積積算に見ましても、五十年までに五十五兆円ということを見込んでおります。ところで、実情からしますというと、物価は上がっていきます。土地の価格は上昇していきます。というようなことで、そこでまた予算をふやさなくちゃならぬ。実際にこれを取得し、実際に投資いたしまして、事業完成というときには、当初の見込みよりずっと低い公共投資しかできなかった実質になります。これはもう疑うことはできないと思います。わずかに伸びる。だから必要に応じてこれをやっていくということじゃなしに、このように数年間の計画というものは日本においては立たぬではないだろうか。されば、これの予算編成の要素になるものにつきまして、単年度にあらずして次年度も、数年間につきまして、それは相当厳密な測定のもとに計画していかなければならぬのではないだろうか。こういうふうに思うのであります。こういうふうに思いますので、たとえば経済の成長率についてみましても、成長率というものは、一定の成長率というものを見越しましての投資計画であろうと思うのであります。こういうような、この経済発展の計画をめぐりましただけでも、相当収入が落ち込んでいくのではないだろうか。というようなことも考えますと、財源不足の問題はどう解決するか。国債は何ぼでも発行する、これはもう悪性インフレに落ち込む以外に手がないのじゃないかとさえ考えられます。借金を何ぼでもしたらいいじゃないか。そういうことをいたしましたら、どんどんとインフレは進行する、物価は上がるということになりはしないか。不況下の物価高ということになるのではないだろうか。こういうことも考えるわけであります。でありまするので、財源をどうしたらいいのかということは、これは建設省が主導的に財源問題は提唱してもらいたいと思うのです。一体これは一般財源にたよるのがいいのか、それとも直接とか間接の受益者負担というものを相当加えるのか。受益者負担ということになりますと、その限界、ものさし、歯どめというものがどうもはっきりいたしません。客観性がいまのところございません。そういうことがありますし、財投の部分にいたしましても、結局はこれは財投の場合は地方公共団体が一時的には財政の圧迫を免れましょうけれども、結局は地方税の取り上げとかあるいは料金等によりましてまかなっていかなければならぬというので、最終的には公共団体への圧迫になる、こういうことになりまするので、簡単にできない。民間資金の導入の問題もあります。あるいはまた例の開発業者活用ということもございましょうけれども、これもまた問題をたくさん含んでおります。そういうこともありまするので、こういうことをあれこれと考えてみますると、一体財源確保というものだけを考えても、これは相当、たとえば予算制度の面、各種公団や公社、政府関係の横の連絡、ないしは政府系の金融機関との連絡、そうしてまたそれと並行いたしましてこれらの事業の実態、組織と運営の再検討をするというぐらいな姿勢が一面必要でないか。それでなければ、私はやはり目的の何割かしか達成しないのではないかと思われます。  なお、建設工事につきましての効率化の問題も相当ここに持っておりますが、委員長、私、ちょっとこの機会に大臣の御答弁の前に資料だけ要求しておきますからお願いいたします。できましたら建設省の資料をお出し願いたいのでございます。それは技術者養成につきまして、特に技術労働者の養成につきまして、どういうふうな企画があり、さらに今後どういうふうな需要に応じていくか、どういうふうに開発しょうかということについての資料を持っておられましたらひとつ出してもらいたい。それから、雇用制度につきまして、主としてこれは労働省関係になるかと思いますけれども、もっと近代化する必要がないであろうか。こういう面につきまして何か資料があれば出していただきたい。それから、公共事業につきまして、特に工事発注の原理原則につきまして、もっと方法を改善する必要がないか。建設白書なんかによってみますると、契約書のようなものを改定するというようなことになっておりますが、これは末の話であります。また標準工法というものの基準を制定する必要がないであろうか、あるいはまたパート式な手法、こういうようなものもある程度厳格な管理をしながらもっと積極的に利用することはどうであろうかというようなことも考えまするので、これらは全体といたしまして、建設行政が公共事業を通じましていかにその効率をあげ、また予算を適正に使い、あるいは適切な政策を実行するかということに全部つながっておる問題でありまするので、この辺につきまして、建設省お持ちの資料がありましたらひとつ出してもらって、各省との横の連絡のもとに資料が集まるのでしたら、そういう方法を通じてでも資料を出していただきたいと思います。  なお、きょうは環境庁が来ておりますので、これにも資料を要求しておきますが、環境庁に対しましては、下水道の問題でありますが、下水道につきまして、特に建設省はパイプをつくる。パイプの下水道というものの日本の普及率というものもイギリスの九〇%に対しまして、統計によりますと二〇%ぐらいしかなっておらぬ。ことに過疎地帯なんかゼロに近いというような状態でもあります。しかしそれは進めていく。いくけれども、中に入るところの下水、これの汚水度とか、これの悪水が、汚染されたものが流れていくという、この問題が大事でありますが、そういう点につきまして、はたして下水道というものを統計的に調査研究せられた資料があるのかないのか、どういう基準をもってこれに臨んで、どんな方法で汚染度を測定しつつあるのかというようなこと、そういう基準はすでにきちんとできておると思いますけれども、この際に下水道を中心といたしましてぜひ資料を整えておいてもらいたいと思います、次の機会に建設省と一緒に伺うことにいたしますから。  大臣、すみませんが、簡単でよろしゅうございますから、先ほどの点につきまして御答弁をいただいておきたいと思います。
  98. 福田繁芳

    福田委員長 吉田君にちょっと申し上げますが、あなたの御要求されておる資料は六点と心得ますので、当委員会の事務局を通じて関係官庁に申し出しまして、いずれ御配布いたします。  この際、西村建設大臣の発言を許します。一括して御所見をお述べ願いたいと存じます。
  99. 西村英一

    西村(英)国務大臣 いろいろお話がございましたが、計画をもう少し長期的に考えてやるべきじゃないかというようなお話もあったかと思います。戦前は、予算につきましては年度予算ではございませんで継続予算で、十年かかる仕事は十年まで予算がつく、しかも物価の問題があまり狂いがなかったものですから、そのとおりにおそらくやってきて、しかも初年度のほうがむしろたくさん予算を組んでおりました。だんだん仕上げに従って予算が少なくなる。いまも長期的に全然考えていないということはございません。ある程度考えてはおりますが、予算が単年度でございますから、昔のようにはいきません。建設行政につきましても、道路にしても河川にしても下水道にしても住宅にしても、五カ年計画を持ってやってはおりますが、やはり五カ年計画を満足に五カ年でちゃんとやるということが財政上あまり完全に実行されたためしもないように私は思う。したがって、途中でもって変更するというようなこともたびたびやってきております。したがいまして、やはりあくまでも予算にしましても科学的に組んで、ちゃんとやっていくということは今後も心がけなければならぬし、また私個人の意見ですが、五カ年計画を組んだら五カ年のうちにきちっとやる、むしろ公共事業はおくれているのだから、それ以上にその五カ年のうちにこなしてしまう、こういうような気持ちを持っておりまするけれども、ほかの関係上なかなかいかないようでございます。長期計画、十年先、十五年先というようなこと、これはオーソライズされてはいませんが、建設省建設省なりに、昭和六十年を目安にして、非常に社会資本がおくれておるから、建設行政はこのぐらい進めなければならぬというような考え方は持っておるわけでございます。その場合に一番問題になるのは、結局財政の問題でございます。財政の問題につきましても、公共事業建設省のみではございませんが、六十年を目標として、生活上のいろいろな面、下水道が欧米各国に追いつくためには、あるいは交通事故がなくなるためには、あるいは公園等がそれ相当に整うためには、これぐらいな金が要るのだという試算はいたしておりまするが、しかしその裏づけは一体どうするのだ、こういうことになってきますと、まだはっきりしたことは言えないのでございます。しかし端的に考えましても、相当な金を公共投資に、社会資本につぎ込まなければ、やはり住みよい日本国土はできないと思いまするから、それにはどうしても一般会計全部でこなすということはできません。ことにこの公共事業は国の資産でございまするから、やはりある程度はこれは公債に依存してもいいんじゃないかと考えておるわけでございます。その辺を一体どうするのか、今後六十年に対して建設行政は幾らかかるのか、一応の数字は持っております。持っておりますが、ここにいま披露いたしましても、あまりオーソリティがありませんから、十分心がけてやっていきたいと思っております。  それから資料の御要求がございましたが、資料はひとつできるだけ詳しく御提出をしたい、かように思っておる次第でございます。
  100. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 終わります。
  101. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 引き続きまして日本住宅公団に伺いますが、最近公団住宅の中でひび割れによる雨漏りがだいぶ各地に出ております。さらに団地の中にはモルタルが上から落ちてくるような事故も起こっておりますし、これは日野高幡台団地に四十六年の二月事故が起こりまして、調査によると、引き続き相当被害が広がる見込みがある。ベランダが全部落ちてしまうような、明らかに手抜き工事と見られるそういう現象が方々にあります。現在つかんでいるこの実態を簡単にひとつ御説明願いたい。
  102. 福田繁芳

    福田委員長 ただいまの御質問に対して公団の東理事の発言を許します。
  103. 東貞三

    ○東参考人 最近そういう事故が多発しておりまして、われわれも非常に心配しておることでございますけれども、この事故はベランダが落ちたわけではございませんが、少し下に傾いた、こういう事故、それからひさしが折れる、こういう事故が起こっております。これにつきましては、御存じと思いますけれども、上に入っているべき鉄筋が、検査中は上にちゃんと入っておるのですが、いざコンクリートを打ちます段階で、非常に踏みつけて下に落ちてしまう、こういうことからこういう事故が起こっておるわけでございまして、はなはだ遺憾なことだと思っております、そこで、こういう事故のものにつきましては、さっそく業者を呼びまして、全面的に改修するように、それからそういう事故の起こっているところについては、起こっていない各戸についても全部調べさせまして、少しでも危険と思われるものについては全面的な改修を命じております。今後はこれに対しまして、最近は非常に熟練工が少なくなっておりますし、技術者もたいへん少なくなってなっておりますので、そういうことが起こらないように改善した設計にしていきたい。在来でしたらこれで十分事故は起こらなかったのですが、最近そういう状態になっておりますので、いろいろと対策を練っておるわけでございます。
  104. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 端的にお答えいただきたいと思います。本社でつかんでいる雨漏り発生団地の個所、それから件数、これを述べてください。
  105. 東貞三

    ○東参考人 これを全面的に調べることがちょっと困難だったものですから、東京地方の代表的なところにつきまして調べたものがございます。それによりますと、藤の台団地、これは町田市でございますけれども、これによりますと、雨漏りが五百三十六件、それから千葉の幸町で百五件、左近山で三十二件、寺尾台団地で四十一件、こういうふうな数字をつかんでおりまして、これは全面的に目下調べておるわけでございますが、まだその結果が出ておらないわけでございます。
  106. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 いまのひび割れによる雨漏りのほかに、さらに日野の高幡台ではベランダが落ちそうな、そういう事件がありまして、私の調べでは、昭和四十六年二月、ことしの二月でございますけれども、一号棟で三十戸のベランダ全部が落ちそうになりまして、住民の皆さんの協力を得て、いま突っかい棒をして、下まで落ちることを防いでいる、こういういわば手抜き工事の典型みたいなものが出てきているわけです。検査の段階でこういう問題についてはもっと慎重を期さなければならない、私はこう思うのですけれども、この工事進捗状況をチェックし、設計管理に当たる、これは現在公団の職員がじかにやっておりますか。
  107. 東貞三

    ○東参考人 まず検査でございますけれども、検査の段階は公団の職員が行なっております。監督につきましては、公団の人員だけでは足りませんものですから、一般の管理を専門にしている業者に委託をしているという状態でございます。
  108. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 業者への委託分は全体の何%ぐらいに当たりますか。
  109. 東貞三

    ○東参考人 現在のところですと、三割が直轄の管理、あとの六割は委託している、こういうことでございます。
  110. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 現場を厳重に監督しなければならない。手抜き工事がそうしてまかり通った結果においてこういうベランダが落っこちそうな危険が出てきております。葛飾におきましては、駅前の、これはモデル団地といわれている金町団地でありますけれども、これはモルタルがはがれて上から落っこちてきた。これに対して公団のほうは、あわてて落っこちないように全部モルタルの外装をはがして、そうして落っこちるのを防いでいる。後手後手に回っているのが今日公団のやっていることです。突っかい棒で済むうちはいいですけれども、各所においてこういうことが起こってはたいへんで、こういう人身事故に及ぶような危険さえあったわけですから、それに対しては適切な手が打たれなければならないと思うわけです。この設計、管理並びに現場を監督するそれは、公団の職員を強化しまして、じかに公団が責任をとれるような体制に持っていく必要がある、私はこう思いますけれども、この点について総裁どうですか。
  111. 南部哲也

    南部参考人 ただいまいろいろな工事上のミス、これは私どものほうで対策に非常に苦慮しております。そのためには根本的には設計そのものについても変更を加えなければいけない。目下大急ぎであらゆる面、設計の面、施工の面、監督の面、検査の面、こういうすべてについてこのような事故の再び起こらないような方途はいかにあるべきかということを検討いたしております。残念ながら、人員の点においては、毎年の事業量に見合った職員の増加というのは現実の問題として認められておりません。むしろ毎年何%かの行政整理といいますか一律の整理があるというような状態で、監督面におきましても、われわれとしては直轄監督をどうしても三割は確保しなければいかぬ、実は五割なければいかないというところをいま三割ぎりぎりまできておるわけであります。このような事態にかんがみまして、明年度予算その他においては、工事監督の面についても重点的に増員がはかれるように努力いたしたいと存じております。
  112. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 公団、どうも御苦労さまでした。  それでは、河川管理の問題について伺いたいと思います。  赤羽の駅から徒歩で十分、荒川の河川敷に現在建設省の公務員住宅が五十三戸あります。官房長、見えていると思いますが、これはどんな理由で建ったか一言御説明願いたいのです。
  113. 川崎精一

    ○川崎説明員 先生の御指摘のように、荒川の河川敷と思われるところに五十三戸ばかり官舎が建っております。これにつきましては、私どもとしましてもやはり河川管理の立場から、そういった指導はしていないわけでございますが、やはり建設当初の理由といたしましては、これは主として工事監督あるいは水防、こういったものの要員に対する宿舎といたしまして、なるべく治水上支障のない範囲というようなことで、現在五十三戸の官舎が設置されております。
  114. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 河川敷ですね。
  115. 川崎精一

    ○川崎説明員 河川区域でございます。
  116. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 その官舎が建っている地域は河川敷ですか。そうではありませんか。
  117. 川崎精一

    ○川崎説明員 河川の区域の中にいわゆる水の流れておる区域とか、堤防の区域とか、それから洪水敷とかいうあれがございますが、一般河川敷と言っておりますのは洪水敷というような観念でございますが、そういう点では洪水敷には建っておりませんで、むしろ堤防に類したようなところに建っておるわけでございます。
  118. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 そうではなくて、河川敷のイエスかノーかを聞いておるのです。一号地、二号地、三号地があることは承知しております。
  119. 川崎精一

    ○川崎説明員 二号地に類するところでございます。
  120. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 河川敷ですか、イエスかノーか、これを伺います。
  121. 川崎精一

    ○川崎説明員 広い意味の河川敷でございます。
  122. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 この河川敷に建設省の、しかも官舎が五十三戸建っている。これは奇妙な現象ですよ。河川敷といえば一メートル以上のぼっくいさえ打てない、そういう準則があります。それをよりにもよって住宅が建っているなどとは驚きです。  全国でこの河川敷に建っている建設省の官舎は何戸ありますか。
  123. 川崎精一

    ○川崎説明員 これは私どものほうの概略の調査でございますが、全国の各建設局等で所管しておりますものが三百五十七戸でございます。
  124. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 準則はどういうわけでできたかといいますと、これは当委員会で、この河川敷の使用につきまして非常にずさんになっている、ゴルフ場ができてしまったり、あるいはほかの営利を目的にして使う、そういうものもあるということから、河川敷の使用についてはきびしく規制しよう、こういう決議が本委員会でなされました。これは昭和四十年の五月二十六日の衆議院決算委員会の決議であります。この決議に基づいて、河川敷地の占用許可についてという準則がその後次官通達としてでき上ったわけです。  この内容によりますと、非常にきびしく規制しております。一メートル以上のぼっくいがいけないということもこの準則にはっきり明示されておる問題です。建設省の官舎だからといって河川敷に建てることが許されていいですか。道義上どうですか。建設大臣、いかがでしょうか。
  125. 西村英一

    西村(英)国務大臣 私も聞きまして実はびっくりしたのですが、説明によると、水防に関係ある人あるいは河川の管理に関係ある人、こういうような説明をしておるようです。それにいたしましても、一方一般にはたいへんなきびしいことを言いながら、それは二十戸や三十戸の敷地がないわけではありませんし、私も了解しがたいのです。ただし、それがいつのものか、この点は明らかになっておりません。戦後間もなくそういうことが行なわれたのか、最近行なわれたのか、この辺は私ももうしばらく詳しく調べてみたい、かように思っておるわけでございまして、原則としては私は賛成はできません。
  126. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それでは具体的に伺いますが、この準則以降、四十年以降に荒川に限って何戸建ちましたか、河川局長
  127. 川崎精一

    ○川崎説明員 先ほどお話しのように、荒川の下流でございますが、五十三戸、そのうち八戸は四十年以前でございます。したがって、四十五戸はその後に建っております。
  128. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 河川敷の使用をきびしくしてから以降に四十五戸が建っている事実を建設大臣はどうお考えですか。
  129. 西村英一

    西村(英)国務大臣 もう一つの考え方は、結局、その土地がいままでどおり河川敷としていいのか、もしくははずしていいのかというようなところもあろうと思います、地形上。そういうところは、疑いを受けないために河川敷をはずして、国有財産としてそれを整理していくことがいいことでございまして、あくまで河川敷ということになれば、その場所によってははずしていいところもないわけではございません。したがいまして、そういうことはもう少し整理していかなければならぬと思っておりまして、河川敷でも、もう河川敷をはずすことはできないというようなところはやはり漸次整理すべきもの、かよう私は考えておりまして、河川敷をはずしてもいいというところもあるような気も私はいたします。河川敷というのは非常に広い土地をやっていますから、そういうふうに考えておるわけでございます。
  130. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 けっこうでございます。それでは、さっそく調査をして、善処していただきたいと思います。  以上で終わります。
  131. 福田繁芳

  132. 華山親義

    華山委員 このごろ住宅につきまして、いろいろな問題が新聞紙上をにぎわしておるわけであります。来年建てられる東京の大島の住宅につきましては、四万円以上になるということが出ておりますけれども、どういうことでそんなに高くなるのですか、ちょっと伺いたいと思います。
  133. 島守一

    ○島参考人 来年度計画につきまして、現在予算要求中でございますが、まず中層住宅について申しますと、四十七年度計画におきましては、中層住宅の家賃は二万七千円でございます。これは平均規模が五十七平方メートル……。
  134. 華山親義

    華山委員 時間がないから、来年のことを聞いている。
  135. 島守一

    ○島参考人 来年は二万七千円でございます。これがことしは一万九千九百円、約二万円でございます。七千円上がるわけでございますが、これは大部分はもっと規模の大きなものをつくりたい、規模の増と、それから現在の立地条件をもっと職場に近づけたい、したがって、用地費を上げたい、そういうふうなことが大部分でございます。もちろん当然建設費の増、地価の増、そういうものもございます。それは七千円のうち約二千円になるようであります。  なお、先ほど御質問がございました面開発でございますが、これは、このわれわれの計画では三万二千円を予定しております。ことしに比べまして、約二、三千円増ということになります。結局、これは規模増、建築費の増、そういうことが原因でございますが、われわれとしまして、規模をよくし、大きくし、住宅環境をよくする、そういうことによる家賃の増をいろいろの方法で防ぎたいということで、現在五%で家賃の計算をしていますのを四%でやる、そういう要求をしております。それから第二の方法としましては、現在も行なってます傾斜家賃、そういう制度をもっと拡充したい、そういうことを第二にしております。それから第三としましては、国有地、公有地の活用、第四としましては量産住宅をもっと進めて、建築費のコストダウンをはかる、建設の合理化をはかる、そういうことでできるだけ押えたいと思います。
  136. 華山親義

    華山委員 それはあなた方の希望であって、大蔵省が認めるかどうかわからない。大蔵省が認めないとすれば、どのくらいになるのか、大島の四万円とかいわれる点について聞きたい。
  137. 島守一

    ○島参考人 大島の四万円といいますのは、われわれはそういう話をしておりません。
  138. 華山親義

    華山委員 どのくらいになるのか。
  139. 島守一

    ○島参考人 大島に現在と同じ規模のものを建てると、現在傾斜家賃の制度をとっておりますが、初年度において三万ちょっと、これは具体的にわかりませんが、三万三、四千円の感じだと思います。
  140. 華山親義

    華山委員 三万三、四千円の家賃を払えるというのはどういう階層を目安にしたのですか。
  141. 島守一

    ○島参考人 現在われわれ住宅公団が対象にしております家賃といいますか入居階層は、大体収入五分位で申しますと、第三分位から第四分位にかけての階層、もちろん団地の位置及び規模によりまして上下がございますから、一番下になりますと、第二分位の上あるいは第三分位の下ということを考えております。そうして現在、来年度で建てます面開発住宅は工期が二年かかります。したがって、実際に入居開始は三年くらいあとになると思いますが、現在の収入の伸びを伸ばしていきますと、ほぼ第三分位から第四分位の下、そういうところにおさまるのではないかと推定しております。
  142. 華山親義

    華山委員 第三分位の下、第四分位の下というのは、月収どのくらいになるのですか。
  143. 島守一

    ○島参考人 現在の手持ち資料で申しますと、四十七年度家計調査の実収入十四万二千円というのが第三分位に当たると思います。そしてそれが四十八年、四十九年になりますと、大体十五万円という数字が出ております。
  144. 華山親義

    華山委員 十五万円の収入の人というのは、これからのことですからわかりませんけれども、一体あなたのほうに公団ではどの程度の人ですか。
  145. 島守一

    ○島参考人 この十五万円とか十四万円と申し上げましたのは、税込み、賞与込みの年間のすべてを十二で割ったものでございますが、公団で言いますと、課長クラスでございます。
  146. 華山親義

    華山委員 課長、部長、そういうふうな人のために国の金を使う、あるいは庶民の一生懸命に働いた貯金を使う、そういうことが適当なのかどうか、私は疑問に思わざるを得ないのですよ。それはいい土地を、なるべく東京の中心を選ぶ、通勤に便利のいいところを選べば地価が高くなる、それだからそういうふうな土地を有効に使おうと思って、高層にすれば高層にするほど建築単価が高くなる、そういうことからこういうことが出てくるのだろうと思うのですね。私はここに矛盾があると思うのです。課長級のためには便利のいいところがいいのだ、一般の工場の労働者等については遠いところでもいいのだ、そういうふうなことは住宅政策として矛盾をするのじゃないか。私は、課長級といいましても、公団の課長といったら相当なものだと思うのですよ。これは第一流会社の課長並みですからね。そういう人のためにそういう金を使うことがはたしていいのかどうか。そういうことでなければならぬというならば、やはり地価が高いということが根本なのであって、高い地価に高層のものを建てるから建築費も高くなる、こういうことになるのであって、私は公団のやられる住宅政策は行き詰まりに来ているのじゃないか、そういうふうに思いますが、まず総裁から、その点の矛盾をあなたが感じないかどうか。それから大臣にも伺いたいと思います。順次にひとつ御答弁願いたい。
  147. 西村英一

    西村(英)国務大臣 詳しいことは南部総裁からお答えしますが、私も、どうも住宅公団でつくるところの住宅はだんだん高くなる、高くなると、これが天井知らずになるようなこと、そういう高い家賃を払って住める人まで国家がめんどうを見なければならぬかということに非常に矛盾を感じておるわけであります。収入の二割としまして、十五万円といえばお話しのように相当に高収入と見なければならぬでしょうが、それにしても二割というと三万円です。ところがいま三万五千円、二万七千円、場合によっては四万円だ、こういうようなことになるわけであります。住宅をあまねく人に供給することはいいが、それにしても、大蔵省との話し合いで金利を十分埋めることができて、ある一定のレベルで押えることができれば、それは住宅供給はよけいやったほどいいんですから、できまするけれども、その問題ができなければ、やはり住宅の家賃というものはある限度でやらなければならぬ。私はそう考えておるわけであります。これは仮定の話ですが、三万五千円以上の家賃の住宅は今後日本住宅公団ではつくらない、あるいはそれを四万円にするか、とにかくレベルをある程度で押えて、そしてそれを大蔵省が金利で埋めてくれるといえばいいけれども、埋めないというならば、それほど高額な家賃を払える人のためには、そういう人はむしろ金融公庫から融資をしてもらってやる持ち家政策のほうに転換したほうがいいのじゃないか、こう考えておるわけでございます。なお、いまどういうような状況になっておって、今後どういう家賃を取るような程度までいくかということは総裁からお答えさせます。
  148. 南部哲也

    南部参考人 来年度予算要求に際しまして、実はできるだけ職住接近もしたい、あるいは住宅の規模も大きくしたい、予算要求としては当然にそういった理想的な姿でわれわれとしては予算要求するわけでございます。そうしますと、家賃がお話しのようにだんだん上がっていく、このように家賃の上がっていくのを押えるためには、どうしてもそれに対応する措置を講じなければいけないということで、あわせてたとえば利率の五分というのを四分に引き下げるとか、傾斜家賃の制度をもっと拡充するとかというような要求を同時に出しているわけでございます。したがいまして、われわれとしては四万円家賃は絶対に実現させないということで現在の予算要求そのものは行なっておるという点をまず御理解いただきたいと思います。  一番家賃の高騰の原因は、地価が、東京の付近でいきますと大体一年に二割五分ぐらい上がります。建築費は七、八%、一般の物価並みぐらいの上昇でございます。したがって、これらのものを総合いたしまして、結果として二割なり三割の家賃の上昇が続くわけでございます。従来十六年間やってきておりますが、この間におきましては大体所得の伸びと所要建築費の伸びとがイコールでございました。所得が現在まで、三十年からやってきまして三、四倍くらいに伸びております。建設費も現在三、四倍しております。ところが、ここ一、二年におきましては、一方において質の向上といいますか、毎年一平米ずつ住宅の規模を広げております。そのためと、いま申しましたような地価、建築費の高騰、こういう問題から所得の伸びと家賃の伸びとにアンバランス、乖離現象が起きておる。したがいまして、これはぜひともこの乖離を防ぐような、パラレルな措置をわれわれとしては政府に要求せざるを得ない、かように考えておるわけでございます。  職住接近で大島のお話が出ましたが、大島団地あたりでそれでは全部部課長が入っているかといいますと、相当共かせぎの一般勤労者が入っております。これはなぜかと申しますと、郊外では生活ができない。御主人は流しの運転手をしておって奥さんはタイピストをしておる、こういうような方々も入っております。これは二人合わせますと十五、六万円の収入にはなるわけでございます。そういう事情もあるということで、われわれとしては部課長のための住宅をいままで供給してきているとは考えておりませんけれども、いま言ったような家賃と収入の増加とのアンバランスだけは何とかして政府にお願いして食いとめるような措置を講じていくということにしたいと思っております。  さらに、それができない場合にはどうするかということであろうと思いますが、この際には、規模においていま八平米一ぺんにあげようというような要求は押えていくというような措置で、家賃の高騰はある程度質の向上を犠牲にしてでも検討していくことを考慮しておる次第でございます。
  149. 華山親義

    華山委員 いま詳しい資料をいただいておりますが、時間がありませんし、引き出すのもたいへんでございますから……。しかしいままでの経過を見ておりますと、次第次第に利用者が月給の高い人に移りつつありますね。そのことは統計上明白なんです。そういうことがあるわけで、私は収入の多い人に使われる公団であるというふうなことにはなりたくないと思うのです。  そこで大臣に伺うのですが、とにかくいまは家賃の四倍程度収入があればいいということになっている。私はなかなかたいへんだと思うのですよ。二割五分の家賃を出すということはたいへんなことだと思うのですけれども、最高限は幾らでもいいのでしょう。たとえば月給が三十万であろうと三十五万であろうと、その人はみな資格があるので入れるのだ、こういう立場ですね。私はそれはいけないと思うのですよ。月給の多い人はひとつがまんしてもらいたい、そういうふうな政策をとるべきじゃないか。ほんとうに金さえ出せる人ならばだれでもいいんだというのでなくて、上のほうは切るべきじゃないか。そして収入の少ない人になるべく使ってもらう、こういうことになるべきじゃないかと私は思う。そういう方策はお考えになりませんか。
  150. 西村英一

    西村(英)国務大臣 もちろん仰せのとおりです。非常に低所得の人は公営住宅、しかしさらに少し上がった方には日本住宅公団、こういうことでやっておるのでありまして、ほんとうに持ち家を自分でやることのできない方々に対してやるというのが根本の姿勢でございます。しかし事実の問題としてはだんだん家賃も上がっていくから、これをどうするか、こういうことが私たちの最もいま関心を持っておるところであって、先生のお考えの矛盾、われわれも矛盾を感じて、今後の住宅政策をどうするか、こういうことでいま悩んでおる次第でございまして、今後十分検討したいと思います。
  151. 華山親義

    華山委員 私は収入による上限というものを資格としておきめになったほうがいいと思うのです。  それからあの大島という土地は江東のほうですか、場所はどの辺ですか。
  152. 島守一

    ○島参考人 江東区でございます。
  153. 華山親義

    華山委員 私考えるのに、あの土地柄から言いますと、大島地区というふうなところはこういうふうな、高級でもないでしょうけれども、そういう人を入れるのでなくて、一般労働者を入れたほうがいい土地じゃないか。規模も大きくて家賃も高くなるのだというのだけれども、そういう人ではなくて、その辺の工場地帯等に通える人ですね、そういう人のために使ったほうが私はいいのじゃないかと思う。したがって、おつくりになるならば、小さなものでもいいからたくさんつくったほうがいいのじゃないだろうか、場所を考えて、この土地はどういう人に便利なのかということをお考えになったほうがいいのじゃないだろうかと私は思うわけです。この辺につきまして、非常に高い、普通でいうならば四万円以上にもなろうというふうな高いところよりも、ああいう土地柄ですから、できるだけ一般庶民の、しかし庶民といったってほんとうに給料の少ない人は別でありますけれども、そういう人に使ってもらう、そういうふうなものの考え方もあっていいのじゃないだろうか、こういうふうに思いますが、どうでしょう。
  154. 南部哲也

    南部参考人 大島の面開発の大多数は二DKでございます。たまたまあそこに同時に三DKがあるということでございますが、これは実は当初の計画が分譲で計画しておったためにそういうものが出てきたということでございまして、現在の職住接近といいますか、交通の便利のいい市街地住宅、これはほとんど一DKと二DKで構成されております。したがいまして、おっしゃるように場所柄その他を考えて、できるだけその付近の人が入れるようなということで、募集に際しても、地元優先、江東区に職場を持っている者、あるいはこれに隣接している地区に職場を持っている者というような配慮もいたしておる次第でございます。
  155. 華山親義

    華山委員 いま大臣一つ約束してもらいたいのですが、そんな四万円だの三万五千円だの、三万二千円だのというのをつくってもらいたくない。できたものは、少なくとも、役人で言うならば課長補佐程度の人がどのくらいの家賃を払えるか程度のものにしてもらいたいと私は思うのですよ。そういうふうな限度にとめるということを一つの目標にして計画を立てるなり、それから国庫の補助なり、そういう原則でもってやっていただきたいと思うのです。建てればいいというものじゃない。建てればいいのだ、そしてそれは入れる人が入ればいいのだ、こういうことでないようにひとつお願いしたいと思うのです。大臣どうでしょうか。大体、三万円以上なんということは非常識だと思うのですよ。最高三万円程度にとめるようにひとつお願いしたいと思います。御努力願えませんか。
  156. 西村英一

    西村(英)国務大臣 その家賃の上限をいまここでこれだけだということはちょっと約束はできません。しかし御趣旨は十分わかっております。いま建築中のものもありますし、十分検討して、あなたがおっしゃるとおり、何も金持ちのためにでなく、それは幾らでも家賃の払える人は一般の民間のデベロッパーにまかせればいいので、私たちはあくまでもやはりこの住宅難で持ち家をつくれぬというような人を相手にしてやることですから、十分検討して御趣旨に沿うように考えるつもりでございます。
  157. 華山親義

    華山委員 先ほど鳥居委員からお話もございましたからなるべく簡単に申しあげますけれども、新聞死闘で非常に問題になっておりましたが、千葉県の袖ケ浦の住宅でたいへんな雨漏りをしたとかなんとかというようなことで大きく取り上げられておりましたけれども、あの実態はどうなんですか。
  158. 東貞三

    ○東参考人 この実態を申し上げますと、夕刊に出ました記事はたいへん大きく出まして、これは私の方で調べたときは漏ってはいないという入居者の話でございまして、上から降る雨につきましては、相当ひどい雨でも漏っていなかったわけでございますが、それ以前に二十三号、二十五号台風の際、非常に横降りで、そのために壁からしみ通りまして、それが中に入ったという実例がございます。そのため、これもそのうちのほんの一、二戸だったわけでございますが、これは以前から直しておったのでございますけれども、なかなか直りきらないということで、ああいうふうに取り上げられたわけでございます。さっそくこの原因を究明しまして、徹底的に直すということで、現在その工事を施行中でございます。
  159. 華山親義

    華山委員 そうすると新聞に出たのは、たまたま台風が二度も来たからそのために起きたのだ、われわれの家だって、非常に悪い家ではありますけれども、横雨でも降れば壁から出てくることもありますけれども、その程度のものなんだというふうにお考えになっているわけですね。私はしかしどうもそうは思えないのですがね。あの新聞記事の中から見ましても、またあなたのほうで現在修理等をなすっているところから見ましても、そんな、たまたま台風のときにああいうことがあったから起きたのだというふうに私は思えないのですが、あなたのおっしゃるとおりですか。もしもそういうことであるならば、私たちはもう一ぺん考えてみなければならない。住民の一般の人々のものの考え方というものをくみ取るのがわれわれの本務でございますからね。そういうことでいいのでございますか。  ついでに一つ伺いますけれども、先ほど鳥居さんもいろいろお尋ねになりましたが、現場の監督が非常に手薄なようでございますけれども、検査というものについて、あそこの場合には何回どういう検査をしていらっしゃいますか。
  160. 東貞三

    ○東参考人 検査は、これは監督もたいへん手薄といいますか、管理委託をしている場合がございます。しかし全体的にその上には公団の職員が全面的な指導をする現場工事事務所というものをつくりまして、委託の人たちも公団の事務所長のもとで監督をするようにしております。それで幾ぶんでも強化したいということを考えておるわけでございますが、検査につきましては、公団の各支所に検査課というものがございまして、そこの人間がそのつど行きまして検査するようになっております。しかし、その人だけではなかなか全部検査しきれませんので、ほかの現場、たとえばA現場ですと他の現場からの応援を得て検査をやっておるわけでございます。そして、一般団地ですと、途中段階で四回程度、それから高層市街地ですと九回程度検査をやっておるわけでございますけれども、何しろ水漏れということになりますと、検査のしようが非常にむずかしいものでございまして、非常に綿密にコンクリートを打つように、重点的な監督はしておるわけでございますが、それでもなお絶対に絶無にするということがなかなかむずかしいようでございまして、今後はその点は施工面、設計面をもう少し改善しまして、その件数を減らしていくというように考えておる次第でございます。
  161. 華山親義

    華山委員 公団からいただいた資料によりますと、袖ケ浦団地でございますけれども、第二十二住宅につきまして四回ばかりやっておりますけれども、第二十三住宅については基礎工事についてやっておるが、第二十二住宅については基礎工事についてやっていないのです。私たちしろうとですけれども、基礎工事というものは非常に大切なものだ。基礎工事につきまして検査をやらないというのはどういうわけなんですか。こういうこともあるのですか。
  162. 東貞三

    ○東参考人 この資料でそういうことになっておりますけれども、基礎工事の段階でやった場合と、基礎工事をある程度終わった段階でやったということで、基礎工事を終わった段階、一階まで打った段階でやったのが基礎工事でやってないというようになっておりますけれども、実際はその際に基礎工事も全部一緒に検査はしておるわけでございます。なお基礎工事については、現場監督が、くいを打ったりなんかする場合は、常駐して立ち会って基礎をやるということに原則としてなっております。そういうことでございます。
  163. 華山親義

    華山委員 この中間検査を見ましても、第二十二住宅については二階床のコンクリートが完了した、それから五階のコンクリートが完了した、こういうふうに部分的にやっているわけですね。それから第二十三住宅につきましては基礎工事が完了した、床の問題につきましては、中間になくて五階の床のコンクリートが完了した場合、こういうふうなことになっておりまして、みな違うのですね。こういうふうなことは、これは形式的にやっているんじゃないかという気がするわけなんですけれども、ことに床の工事なんというものは、基礎工事とともに、最近はよく水道が漏った、上から落ちてきたとか、いろいろなこともあるし、こういうふうなことは非常に大切なことじゃないかと思いますけれども、やっていない。検査に手抜きがあるんじゃないか、完全にやっていられないのじゃないか、こういうふうな気持ちがいたしますけれども、どうなんですか。たとえば金触公庫のほうですと、私も家を建てた経験がありますけれども、非常に厳重なものですね。基礎工事ができたときに、検査を完了しなければ家はつくれないでしょう。これはそういうふうになってないですね。基礎工事がなくてすぐ二階の床のコンクリートが完了した、こうなっている。何か私は検査の過程がずさんなような気がしますけれども、これでいいのですか。
  164. 東貞三

    ○東参考人 ただいま御説明が少し悪かったかとも思いますけれども、公団の場合は現場に監督が常駐しておるわけでございまして、これがそのつど、たとえば基礎ですと、基礎を打つとき基礎の配筋、それから床を打つ場合は床の配筋、床のコンクリート打ち、そういうものを現場に監督が常駐して、しょっちゅう検査はしておるわけでございまして、いまここに書いております四回とか五回とかというのは、そのほかに支所におる職員が、現場監督だけでは見落とすところもあるということで、何回か途中段階で行って見回る、こういうことでございますから、公庫のような場合現場に監督が常駐しないのと公団のやり方は少し違います。この回数というのは、支所から行ってそこで検査するというのが回数になっておりまして、現場監督はしょっちゅう配筋検査、基礎検査、そういうものを毎日しておるわけでございます。そういうことでございます。御了承を願いたいと思います。
  165. 華山親義

    華山委員 現場監督というのは職員ですか。
  166. 東貞三

    ○東参考人 職員が先ほども申し上げましたように三割から三割二分くらい、結局現場単位に工事事務所がございまして、そこに公団の職員が何人かおりまして、その下に、それで足りない部分を業務委託というかっこうで設計事務所に委託しておるわけでございます。だから、そういう人を含めてすべてが現場監督、こういうことで、公団の人もおりますし、施工業者でない別の管理を専門にやっている人員にも委託をして、そこの現場監督をやっておるわけでございます。
  167. 華山親義

    華山委員 現場監督をどうして職員にできない。金を払うのだったらいいんじゃないですか。責任のある職員をできるだけ多くして、外部に発注するなどということは極力やめるべきじゃないかと思うのですが、総裁、どういうものでしょう。部外の者にやらせていいのですか。それはよくありますよ、設計及び監督と言いましてね。設計をした者がその監督をしていくというふうなことで、それについて一つの料金といいますか、払ってやるということはよく行なわれることですけれどもね。そういうふうな会社というのは一体ほんとうに責任のあるりっぱな会社なんですが、どうなんです。
  168. 東貞三

    ○東参考人 それは非常にりっぱな技術者もおりますし、それから技術の少しぐらい劣ったところもございますが、全般的にいまの委託を専門にやっている業者はそれほど劣ったものではない、こういうふうに考えておるわけでございます。
  169. 華山親義

    華山委員 このやり方をもう少し気をつけていただきたいと思うのです。ことに私が見ておりまして気がついたことは、最も常識的な基礎工事まで検査しなかったなんということは、私は非常識だと思うのですよ。そういうふうなところから袖ケ浦の問題等もいろいろな問題が起きてくるんじゃないか。それじゃ袖ケ浦の問題については、よく雨が降ったからああいうことが起きたので、本質的にはそんなに問題じゃないんだ、こういうことでございますね。
  170. 東貞三

    ○東参考人 別にそういうことではございません、雨が漏ったらこれは絶対にいけませんものですから。当時の夕刊に出ました十月五日ですか、それが少し誇大だった、私のほうで調査した結果はそう思っておるわけでございます。それ以前に直したのですが、なかなか直らないということがございまして、その分については徹底的に直すように現在やっておるのでございまして、少しでも漏ってはやはりいけない、こういうふうに思っております。
  171. 華山親義

    華山委員 まあこれはあまり言いませんけれども、袖ケ浦の具体的な問題について、あなたのほうはどういうところにどういういままで故障があったか、瑕疵があったかということをお出しになったものは相当多いんですよ。あのとき雨が降ったからたまたま起きたというものじゃないですよ、これお出しになったものは。何件あったかどうかということは、くどくなりますから、ここでやめます。私はもう一ぺん現場でも見なければ困るんじゃないかというふうな気がいたします。  その次にちょっと伺いますが、これは新聞で私承知したのでありますが、どこかで井戸の水が出なかったということがありましたね、埼玉県の何とかいうところで。あれはどういう事情なんでしょうか。
  172. 島守一

    ○島参考人 ただいま御質問ございました団地は、埼玉県の日高町にある高麗川団地のことかと思います。実はこの団地は、四十四年の十二月ごろに、東急不動産株式会社が持っています土地の一部を公団が取得しまして、現在建設中の土地でございます。土地を選考し、買収前の調査をするにあたりまして、いろんな調査をわれわれやったわけでございますが、そのときに水はどうであるかということも調査いたしました。そこで、これは日高町の給水区域外である、したがってそこに家を建てた場合に水をどうするかということで、地主である東急不動産と公団とは協議いたしまして、そしてその地質調査をして、地下水の状態がどうであるかということを、これは会社は東建地質調査というところでございますが、そこに委託したわけでございます。そしてそこでは電気探査法によりましてかなり詳しい調査を地質的にもいたしました。また近辺の現在の井戸の状態も調査いたしまして、このあたりに掘るならば地下水は得られるであろうという調査結果が出てきましたので、われわれとしては、それであればそこに井戸を掘って自家給水をしょう、そういう計画でスタートしたわけでございます。着工は四十五年になってから着工したわけでございます。それで同時にボーリングを始めまして、実際に井戸を掘りまして、初めのうちは所期の水が出た。したがって当然それでいくものだとわれわれ考えていましたところ、それをどんどんくみ上げてやっているうちに水量が減ってきた、そういう事情があります。そしてわれわれとしましては、そこで恒久的にどれくらい水が出るかということを、あらためて工業用水協会でございますか、これは社団法人でございますが、そこに再委託をして調査をしたわけでございます。この団地に要します水量は、全体としては一旦二千七百トンでございますが、われわれの団地では二千二百トン。ところがその調査の結果、現在の位置で掘っている井戸であれば、将来ずっと継続的にやるには五百トンぐらいで見なければあぶないのじゃないか、そういう結論が出まして、これはたいへんだということになりまして、県及び町と相談いたしまして、それで町のほうも非常に協力していただきまして、では高麗川の伏流水で井戸を掘ってそれを町営水道として供給しましょうということで、この六月でございましたか、町議会で議決していただきまして、それで現在その工事をやっている途中でございます。ところが、途中で初めの予想とそういうふうに変わりましたために若干時間がおくれまして、そして現在あの新聞に書かれたようなああいう事態になったことを非常に申しわけなく思っております。  現在のところ、その水道工事は順調に進んでおりまして、来年の一月ごろに給水可能の状態になっております。
  173. 華山親義

    華山委員 その土地を買ったあとで水の足りないことがわかったわけですか。土地を買うときには、水の問題はあまり考えなかったのですか。
  174. 島守一

    ○島参考人 調査をいたしましたのは土地を買う前でございます。そしてその調査報告によりまして、ここは自家給水でできるということで公団の住宅建設しょう、可能だということで買収したわけでございます。
  175. 華山親義

    華山委員 前に持っていた会社の名前は何という会社ですか。
  176. 島守一

    ○島参考人 東急不動産株式会社です。
  177. 華山親義

    華山委員 東急不動産株式会社がその土地を入手したときの単価と、あなたのほうでお買いになった単価とどのぐらい違いますか。
  178. 島守一

    ○島参考人 東急不動産と土地の買収交渉をいたしますときには、われわれのほうとしましては東急不動産が幾らで買ったかということを問いただしたのでございますが、先方はそれについては返事ができない、そういうことでございました。われわれのほうとしましては、その土地が地価が幾らであるかということを外部の鑑定機関に鑑定を出しまして、その鑑定価格以下で適正だと認めて買収いたしました。
  179. 華山親義

    華山委員 住宅地として、水の出ないところと水の出るところとでは、まるで地価が違うのじゃありませんか。水が出るものとしてあなたはおきめになったのでしょう。水が出ないということになったら、もっと安くできるはずじゃないですか。
  180. 島守一

    ○島参考人 普通土地の価格でございますが、普通の個人の浅い井戸を掘ります場合にはそういったこともございましょうが、地下水がどの程度出るか、そういったことは実際の世上の地価にはあまり影響ししていないのじゃないかという気がいたします。  それで、その場合にわれわれとしましては、ここはどうであろうかということで公団も関与して調査して、公団で判定したわけでございます。
  181. 華山親義

    華山委員 それで、いま町のほうの好意で水道をお引きになるそうですけれども、それについての負担はどうなるのですか。
  182. 島守一

    ○島参考人 この住宅公団が建てますほかに、東急不動産のほうも建て売りなんかをやるわけでございますが、こういう供給施設につきましては、その利用比率に応じましてそれぞれで分担するという話し合いになっております。
  183. 華山親義

    華山委員 どのくらい。
  184. 島守一

    ○島参考人 公団の、たとえば水で申しますと約六一%は公団が使う、したがってそれに要する費用の六一%は公団が負担する、そういうことになっております。
  185. 華山親義

    華山委員 その金額は幾らですかと聞いておる。
  186. 島守一

    ○島参考人 その金額といいますと、井戸の金額でございますか。
  187. 華山親義

    華山委員 いや、水道です。
  188. 島守一

    ○島参考人 水道につきましては、初めに掘りました井戸の公団分担分、それは約二千百万円でございます。
  189. 華山親義

    華山委員 井戸の問題でなくて、新しく水道を引くわけでしょう。それについては公団のほうで負担しなくてもいいのかということです。
  190. 島守一

    ○島参考人 新しく高麗川に井戸を掘るための費用は、井戸工事として、ボーリング代五十万円、試験井戸二百万円、本来の井戸工事千六百万円と現在予想されております。
  191. 華山親義

    華山委員 聞いているのは、その金はだれが負担するかということです。
  192. 島守一

    ○島参考人 この金につきましては、やはり利用区分に応じまして公団は六一%負担する予定になっております。
  193. 華山親義

    華山委員 そういたしますと、それがこれから住居者には影響しませんか。
  194. 島守一

    ○島参考人 ちょっといま、わかりませんが、何に影響でございますか。
  195. 華山親義

    華山委員 家賃に影響しないかということです。
  196. 島守一

    ○島参考人 家賃には影響いたします。家賃のきめ方は、そういうふうな工事費すべてがやはり償却の対象になりますから。
  197. 華山親義

    華山委員 それだけ高くなるわけですね家賃が。
  198. 島守一

    ○島参考人 その分は高くなったと言えると思います。
  199. 華山親義

    華山委員 ずいぶんしかしまずいことをなさるものだと思うのですよ。初め掘ったときに出る水だったならばそんなにかからないのに、町のほうから供給してもらうために、入る人にもっと金がかかるというふうなことになるわけですね。
  200. 島守一

    ○島参考人 その点御説のとおりだと思います・ただ、われわれとしまして土地を選び、建設をするときに、土の中の要素、そういったことは大体できるだけ綿密に、事前に調査をいたすわけでございますが、しかし、今回の場合こうなったことについて、調査が初めのわれわれの意図に反してそういうことになったことについては、まことに申しわけないと思い、また今後さらにこういったことについての調査を厳密にしていきたい、そう思っております。
  201. 華山親義

    華山委員 これも先ほどの鳥居委員にお答えになったとおり、損をするのでなくて、その分はあとから入るんだというわけでありますけれども、約一億円くらいあき家にしておくために損になるわけですね。やはりあなたのほうは、あとから金が入るからいいんだという安易な気持ちじゃいけないと思うのですよ。これが半年だからいいけれども、もっと長い間のことを考えればたいへんなことになると思うのです。幸いにそのような給水ができたからいいけれども、できなかったらどうなるのですか。今後十分に、事前にひとつよく調べていただきたい、こういうふうに思うわけであります。  それから、最近不法建築とかなんとか、新聞等をにぎわしておりますけれども、これは建設省関係ですが、そういう不法建築ができるということは、要するに住宅が足りないということなんですよ。そういうことから、どういうところでも人が入りますからああいうふうな不法住宅の問題が起きると思うのです。住宅の問題は、またまたああいう住宅が建つところを見ると、解決できないと思うのですよ。解決されていないと思うのです。それで、私もきのうの新聞等を見て、まことに、困った事態だと思ったのであります。——それじゃ高田先生からその点についてちょっと触れますので、ひとつ委員長、お許しを願います。
  202. 高田富之

    ○高田委員 ただいま華山委員から触れられました不法建築につきまして、一言関連質問いたします。  私も前々から、最近どうも東京並びにこの周辺で不法建築が大手を振ってまかり通っているというのは、これはいかがかと思っておりましたが、たまたま本日の新聞で建設省のほうでパトロールをなすったという記事を見ましたので、どういう規模でどんなふうなことをおやりになったのか、それでその結果はどういうことが明らかになっておるのか、この機会にお伺いをして、今後の対策等についても承っておきたい、こう思いますので、最初に御説明を願いたいと思います。
  203. 福田繁芳

    福田委員長 ただいまの御質問に対して、建設省の多治見住宅局長出席いたしておりまするから、答弁をさせます。
  204. 多治見高雄

    ○多治見説明員 新聞紙上で報道されましたように、昨日一斉パトロールというふうに報道されましたが、実は御承知のように昨年建築基準法を改正いたしまして、その中で違反の是正措置を強化するということが一つの大きな主眼になっておりまして、それについてわれわれといたしましても、全国的に違反の是正措置の体制を強化しようという準備を進めておりますが、いまお話しございましたように、確かに基準法違反という建築が多いことは事実でございまするが、内容的に見ますと、その建築違反の内容が、手続違反というのが半分以上ございます。それと、これは実質的な違反でございますが、建蔽率違反という問題、それから敷地が道路に接していなければいけないという四メートルの数字でございますが、これが四メートルを多少下回っておるというような、それぞれにつきましては軽微な違反という件数が大部分でございまして、昨日実施いたしましたパトロールの結果はまだわかっておりませんが、いま御質問のございましたパトロールのやり方でございますが、昨日は東京都、神奈川県、千葉県にございます、われわれ特定行政庁というふうに申しておりますが、建築基準法の中にございます建築行政を主管する市町村でございますが、これが協力いたしまして、百十三班という班をつくりまして実施したわけでございますが、先日の調査で対象といたしました件数は二千七百五十六棟、そのうち千六百三十一棟が違反の疑いがあるということで詳細な調査をいたしたわけでございますが、そのうちはっきりいたしました千二百九十四棟につきまして、口頭あるいは文書で警告を発したという結果になってございます。
  205. 高田富之

    ○高田委員 千二百九十四、ですから、対象になったものは約半分ですね。半分が警告その他の処置を受けたというのですが、まだまだおそらくおやりになった範囲以外にもたくさんあるのじゃないかと思うのですが、こういうふうに今日まで違法のものが相当たくさんある。これは前々から、最近ここ一、二年新聞報道などでもずいぶんたくさん書かれておるのですね。写真まで出ておるのですが、こういうふうに広がったということの原因は一体どこにあるとお考えですか。
  206. 多治見高雄

    ○多治見説明員 違反建築が非常に多いということにつきましての原因でございますが、これはたびたび国会でも議論になっておりますが、大正八年に市街地建築物法が制定されまして、その目的といたしましては国民の生命、財産を保護するに足りる建築物の最低の基準を確保するのだということで、建築物につきましては非常に厳重な規制を実施してきたつもりでございます。ただ、建築物だけにつきまして厳重な規制をいたしましても目的が達せられないわけでございます。都市計画とも関係して、用途地域その他の制限等につきましてもいろいろ問題がございます。たとえば用途地域別に、住居地域については建ててはいけない建物とか、あるいは工場地域については建ててはいけない建物とか、いろいろ用途地域の規制がございます。こういったものをそれぞれの都市の成長なりあるいは外的条件に応じて、そのときどきの状況に適応した規制をすべきであるということでございますが、それがなかなか現在の状態ではうまくいっていないということで、先国会で御審議いただきました都市計画法の改正によりまして、線引きと相呼応いたしまして、用途地域の純化ということを現在手続を進めておりますので、これがもし理想的にいきました場合には、こういった点の建築物のあり方についてのわれわれの考えておる姿になるというふうにわれわれは考えているわけでございます。
  207. 高田富之

    ○高田委員 ただいま建築物については厳重にやってこられたというお話なんですが、先ほどの千二百九十四の中に、たとえば建蔽率違反の建物というのはどのくらいあったか、わかっていますか。   〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕
  208. 多治見高雄

    ○多治見説明員 昨日のパトロールの結果はまだ集計ができておりませんが、従来われわれが調べておりました範囲内では、約三分の一程度は建蔽率違反というふうに考えておりますが、この点も今後用途地域の純化によりまして相当改善されるというふうに期待いたしているわけでございます。
  209. 高田富之

    ○高田委員 前々から埼玉県の場合には特に新興住宅団地がたくさんできまして、特に越谷のようなところは急膨張しておりますが、新聞などでも何十戸という建物が密集して建てられた大きな写真まで載せられて、「建蔽率違反何のくそ」というような見出しで堂々と出されている。つまり建蔽率違反なんというのは違反じゃないような扱いになっているような状況なんですね。それで実は私も驚いたのですが、昨年、これも東京に近いところですが、埼玉県に蕨という市がございますが、あそこにはっきり建蔽率違反で、隣の家とくっつけて建築が始まりそうな、大々的に一メートルくらいの幅のある堀をつくりまして、その中ヘコンクリートを入れたりして、大きな鉄のパイプを入れたりしまして、これは相当大きな建物がここに建つんじゃないかなということはだれが考えてもわかるわけです。それで近所の人たちが騒いで市へ申し込んだ。ところが、市のほうでもどうもはっきりしない。そこで県へ行った。県のほうでは現場にも来てみたわけです。見て、確かにこれはだれが考えても、相当大きなものを上に建てるための基礎工事であることははっきりしている。県でもそういうのです。はっきりしています。本人に聞くと、本人は、いや、へいをちょっと建てるだけなんで、建物を建てる意思はない、こう言うので、本人がそう言うんだから、客観的には明らかに建物が建つことは私にもわかるけれども、本人が建てないと言っているんだから、へいだと言うんだから建ててみなければわからないと言うんですね。ところが、そのうちに建ってきたわけです。こんな大きな鉄の柱が建ってきた。それ見に来いと言うので見に来る。柱は建ったけれども、まだ本人はへいだと言っている。本人はへいだと言っているのだからしようがない。また、それっきり半年もたってまいりまして、そのうちに窓はつく、鉄板でこうなってくる、上のほらにこんな大きな鉄の天井が組まれるから、これはおそらく三階か五階になるのじゃないかということで、建築の専門家なんかも近所にいるものですから、とんでもないことだ、だれにもわかることをなぜ県はとめないんだろうかというので、実はおかわりになった前の建築指導課長さんに現場の写真も私はお上げしてあったのですが、これは明らかに違反であります、間偉いありません、すぐ県に指導しますからというので、県のほうへ指導されまして、県のほうでは、へいだとかなんとか言っておったらしいのですが、なかなからちがあきません。  それから半年以上たって、昨年のたしか秋か、はっきり覚えておりませんが、県議会の本会議で何かこれに関連した質問があって、その中で蕨市出身の県会議員がこの具体的な例をあげまして、これをどうするんだという質問をしたところが、土木部長が、さっそく取りこわしを命じます、ただし、これは命令というのではまずいから、少し時間的な余裕をいただいて、当人が自発的に取りこわしをするように指導します、しばらくお待ちください、こういうような答弁があったわけです。  それからもう一年近くたつのですが、そのうちに屋根をどんどんつけて建物として利用しておるのが現状なんですよ。その間、再三再四建設省の指導課長さんからは県当局のほうへ相当強いお話がいっておるはずです。いっておるのですけれども何ともならないのですね。これは地業のときから県は知っておるはずなんです。だから、近所から言われてもこの調子なんですから、ましていわんや普通の場合だったら、堂々たるものができちゃって、あれは違反だということを百も承知しておっても手をつけないという行政が行なわれていない限り、あんなに軒を連ねて何十軒、何百軒と建蔽率違反がどんどん大手を振って歩くことは、私はあり得ないと思うのです。これは結局、いまの地方庁に建築基準法を厳重に守らせるという気持ちが私は今日ないと見ておるのです。私はざっくばらんに前の課長さんにはずいぶん申し上げたんです。怪しいんじゃないか、常識じゃ考えられないよ、これは綱紀紊乱の問題じゃないかなと言っていたんですが、それはないでしょうななんて言っていましたけれども、ではどういうわけなんだと言ったら、県の担当課長さんは法律の解釈が小学生的解釈なんだ、こう言うのです。驚くべきことに、小学生みたいな解釈をしておる、話にならないですと言っている。こういう調子で言っておるのです。いやしくも県庁の建築の課長さんが、小学生的段階では話にならないですな。そんなことがまかり通っておるのでは話にならない。この調子では、これは埼玉の例ですが、埼玉に限らず、いまは住宅不足、建築ブームの中で、おそらくこの面に対する取り締まり行政は完全に麻痺しておる、私はほんとうにそう確信しておるのです。ですから、この一つの具体的な例は前の課長さんはよく御承知ですが、今度の課長さんもひとつよくお調べ願い、この機会ですから大臣にもよくお聞き取り願いたいのですが、あれほど新聞や何かで騒がれ、世論でも騒がれ、相当あるにもかかわらずいままで手が届かなかったということは、私はこれは監督の立場にある者のあり方に相当大きな問題があると見ておるのです。ですからパトロールをおやりになったことは非常にけっこうなんですが、こういうようなことを自発的に県あたりでもどんどんやられて、それからまた事前に建築の届けがあったら、あるいはなくてやるのもあるでしょうけれども、現場をどんどん査察してストップさせてしまう、撤去させてしまうということがやれませんと、一体何だということになる。どうも、命令で取りこわさせることはできないのだ、異議を申し立てるとやっかいになるからなんて言って、話し合いでなければできないと言っておるうちに、どんどんつくってしまいます。りっぱな高層の鉄筋コンクリートの家ができちゃってから文句を言ったってなかなか容易じゃないのですから、わかっていても、どうも話し合いでなければと言っておっては事が進みません。今後こういう点についてのはっきりとした、相当思い切った厳重な指示をされませんと、これはたいへんなことになると思うのですが、 いかがでしょうか。
  210. 多治見高雄

    ○多治見説明員 お話のような実態は、われわれ十分承知しております。いまの具体的な例も、お話がございましたように前の課長がいろいろお伺いしまして、具体的によく承知しておるつもりでございます。それで、先国会で建築基準法を改正いたしました際も、その論議が一番焦点になったわけでございまして それに対応いたしましてわれわれとしましては違反是正措置の強化ということを一番重点として法律の改正をお願いしたわけでございまして、それが通りましたので、その法律に従いまして実は昨日のパトロールもその趣旨に沿ってやったわけでございますが、御承知のように、建築物は非常に技術的な問題がありますので、先ほどお話がございました、基礎ができて、どう技術的に見ても、高い建物ができるだろうという判定が技術的、客観的にできましても、その段階でやめておけ、こういう命令は出せないわけでございまして、ある程度具体的な違反事実が出てこないと是正命令は出せないという事情もございますけれども、そういった面を考慮しながら、できるだけ違反事実を早期に除去したいということで、実はわれわれいま一番考えておりますのは、建築監視員の制度等を活用いたしまして、この体制を全国で従来の三倍以上に強化して、常時建築段階にある建物を監視させまして、そっちの段階でそういった違反のおそれのある建物についても勧告をしたいということで努力しておりますし、ただ、改正法が施行されましたのが今年の一月一日でございまして、また、各都道府県の体制も十分整っておりませんので、逐次そういった面についての改善は期待できるというふうに考えておるわけでございます。
  211. 高田富之

    ○高田委員 すでに違法の建築で完成してしまっておっても、撤去するという命令を出しますか。それは、完成してから初めて発見されたというような場合と、前から注意しておったのにかまわず完成してしまったというのは、これはちょっと違うとは思いますけれども、撤去命令というのはやるのですか、どういうふうになるのですか。
  212. 多治見高雄

    ○多治見説明員 もちろん完成しました建物につきましても、撤去命令、除却命令を出しております。特に埼玉県等についても相当その実例はございます。今後そういった面については、従来以上に厳重にやっていきたいというふうに考えております。
  213. 高田富之

    ○高田委員 ぜひひとつ厳重にやっていただくことを要望いたします。
  214. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長代理 華山君。
  215. 華山親義

    華山委員 長くなりましたので簡単にお聞きいたしますが、住宅金融公庫について一番私どもが不満を聞かされることは、自分がうちをつくるのに必要な金を大体四〇%ぐらいしか貸してくれないのだ、あとは自分でくふうをしなければいけないのだということを聞くわけでございますけれども、現在標準の価格があって、それの何%を貸しているのですか。
  216. 淺村廉

    淺村説明員 ただいま先生からお話がございましたようにまことに私どもも常々感じておるところでございます。いろいろな種類の貸し付けをやっておりまして、簡単に割り切って申し上げるわけにまいりませんけれども、一番代表的なのは、いつも問題になりますのは、個人の住宅に対して融資をする個人住宅融資、これは私どもでは戸数としましても非常に大口を占めております。これの融資額が非常に少ないという非難を受けておりましたのを、政府でも建設省でもいろいろめんどうを見てくださいまして、この七月にふやしていただきました。もっとも、まだまだこれだけでは十分ではございませんけれども、どのくらいふえたかということを一応融資額について申し上げたいと思いますが、これは私どもの個人住宅の融資は、内地と北海道、区別いたしております。  まず、内地の分を申し上げますと、簡易耐火構造あるいは完全な耐火構造、そういったようなものに対しましては、従来は百五万円貸しておりましたのを、七月の財投の追加をいただきましたことによって増加を認めていただきました結果、百五万円が百三十万円に上がりました。それから、その他木造でもいろいろ地域によって分かれておりますが、代表的な、たとえば東京近辺とか大阪近辺とかいうようなところで申し上げますと、従来九十五万円のワクでございましたのが、今回の増額で百二十万円に上げることができたわけでございます。  それから、北海道について申しますと、これも簡易耐火、耐火と木造に分かれておりますが、簡易耐火、耐火のほうは、百二十万円でありましたものが百四十万円に増額になりました。それから木造は、従来百五万円でございましたものが百二十五万円と、このように一応上がったわけでございます。  ただ、いま御質問の、それだけ貸して全体の事業費の中でどのくらいの割合になるかという点でございますが、今回増額を見ていただきましたので、個人住宅はいろいろございますけれども、おおむね四割程度までお貸しできるということになりました。  なお、来年度予算におきましても、私どもはもう少しこれを増していく方向で要求をさしていただいておるわけでございます。
  217. 華山親義

    華山委員 結論的には、一般の人々も四割くらいしか借りられない、こういうのですけれども、公庫のほうとしてもその程度だとお認めになっているわけでございますね。
  218. 淺村廉

    淺村説明員 数字的に申し上げればそのとおりでございまして、私どもも率直にそれを認めております。
  219. 華山親義

    華山委員 それで、この法律の解釈なんですけれども、私よくわからないのですけれども、「総則」に、「住宅金融公庫は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅建設に必要な資金で、銀行その他一般金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」と、こう書いてあります。この精神から言いますと、一般銀行、一般金融機関から借りられないような人に金融するということが目的なんじゃないでしょうか。ところが、いまおっしゃったとおり四割程度のものでは、どうしたって他の金融機関から借りなくちゃいけない。あるいは自分の貯金もあるかもしれませんし、親戚縁者から借りる方法もあるかもしれませんけれども、どうもこの法律の条文から言いますと、私は四割程度でいいものだとはこの法律から考えられないのです。第一条に「目的」にそう書いてあるのですけれども、それをどういうふうに御解釈になっていますか。
  220. 淺村廉

    淺村説明員 ただいま法律の第一条についてお話がございましたが、そのとおり、私どもも国民大衆を相手にいたしましての金融機関であるという自覚を持っております・そういうことで、あの第一条の意味はいろいろとまたむずかしくとれますけれども、私どもも、担保力もない、まあ大きな担保でもおありの方は銀行でお借りになるでしょうけれども、銀行があまり好まないようなお客さん、そういう担保力の比較的豊かでないような方が多くおいでになるわけでございます。また、事実私どものお貸しいたしました実績を調べましても、おおむねそのような方々が利用されております。法律の趣旨からいきますれば、もちろんその程度で満足すべきものではなかろうと思いますが、長い間かかりましてこの制度を運用してまいりまして、いろいろな問題がここに出ておりますので、そういうものを逐次解決しながら、融資額につきましてもどんどんとこれをふやす方向で持っていきたい。実はこれも私どもは長く要望しておったことでございますが、おかげさまで先般私どもからすれば相当大幅の引き上げを認めていただきましたので、来年もさらに、たとえば百二十万のものは百五十万ぐらいにまでは上げたいということで努力をいたしております。考え方はそのように持ってやっておるわけでございますので、どうぞまたよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  221. 華山親義

    華山委員 いまお話しになりましたとおり、住宅金融公庫法というのが、一番初めに、銀行から金を借りられない人が借りるところだと、こうなっているわけですよ。ところが、実際問題としてはさっき言ったとおり、四割近くしか貸さなければあとの六割は銀行から借りなくちゃいけない。だから、いろいろな場合を考えますと、銀行から借りられる人に金融しているのですね。それで、先ほど言ったとおり、私も住宅金融公庫で金を借りて何年か前につくったことがありまして、いまではもう免責になりましたけれども、そのときにはそんなによそから金を借りるということはしなくて済んだのですね。実際はひどくなっているのじゃないでしょうか、どうでしょうか。それで、いま大蔵省が、御交渉になって認められたとかいうのですけれども、これは建築費が増した分を足したくらいのものじゃないですか。本質の問題は触れてないと私は思うのですよ。大臣、これもひとつ気をつけていただきたいと思うのです。  それで、最後に大臣に伺いますが、社会資本の充実ということをよくいわれますし、その方向に日本も変わっていかなければいかぬということをいわれているわけですし、政府等のほうで発表されるものにも、そういう方向に行かなければならぬということをいっておられるわけですけれども、住宅は社会資本でしょうか、どうなんでしょう。大臣、ひとつお聞きしたいと思います。
  222. 西村英一

    西村(英)国務大臣 融資の問題ですが、これは住宅金融公庫総裁の責任ではないので、これは政府住宅政策の、むしろ私のほう、建設大臣の責任でございます。法律の点はもちろんそういうふうなことで、やはりなるべく金が手に入らない人に世話をしようという趣旨には相違ありません。しかし、貸す場合におきましては、やはり標準建築費というようなものがございまして、坪数から、あるいは単価から、これがおおむね実際とは違う。七割貸すといったって、実際のものとはだいぶ違うじゃないかといういろいろな問題がございます。そこで、あなたとしては非常に不服だということでございましょうが、たとえば実際の面積を標準面積よりも多くするとか、あるいは単価も政府がきめておるものよりも高くなるとかいって、これは建築ばかりじゃございませんで、いろいろな問題でいつも皆さんからおしかりを受けるところでございますが、いままではひとつなるべく多くの金を貸したいということで、いま総裁が申し上げられましたように、今回標準にいたしましても九十万円くらいの融資のところをようやく百二十万円くらいの平均に、これは建設省も相当にねばりましてやった次第です。さらに、来年の通常予算につきましては、それでも足らぬ、おおむね実際の建設費の五割くらいはひとつ持っていきたい。つまり、大体平均しますと一戸建てで三百万円ぐらいかかるとすれば、いなかはもう少し金が少なくて済みますが、大都市を平均すると、三百万円ぐらいな建設費がかかるでしょう。その半分ぐらい、百五十万円ぐらいは持っていきたいと思いまして、法律の趣旨に沿うように建設省としてただいま努力をしておるところでございますから、ひとつ、なるべく皆さま方にも御協力をお願いしたいと思います。むしろ建設大臣のこれは責任でございます。
  223. 華山親義

    華山委員 お答えにならなかったのですけれども、社会資本の充実ということは、私は住宅は重大問題だと思うのです。それで、先ほどから私いろいろなことを申しましたけれども、この住宅の金融公庫にしましても、また住宅の公団にいたしましても、もう矛盾の限界に来ているのですね。それで、これは根本的に考え直さなくちゃいけないのじゃないか。社会資本を充実するということが、住宅等は最も重要な問題であるというならば、その社会資本の充実のために、住宅に対する金融なりあるいは政府負担なりはどうあるべきかということを、根本的に考え直すべき時期に来ているのじゃないかと思う。いままでのような考え方で、ただ多少色をつけていけばいいのだというような問題じゃないのじゃないか、こういうふうにも考えますし、また住宅につきまして、地方等にも国等にもありますが、地方等に参りますといろいろなものがあるわけですね。公的ないろいろなものがあるからいろいろな方面に手を伸べるということもありましょうけれども、これがばらばらなわけです。それで、労働金庫等におきます金融の大体六割近くのものが住宅のほうにいっておるのじゃないか。私は、労働者の住宅問題は労働者で片づけろという問題じゃないと思うのですね。そういう点も考えられて、社会資本の充実、その中に占める住宅の問題、こういう問題については一ぺん考え直す、こういう時期に来ているのではないのか、こういうふうにも思いますので、大臣の御善処をお願いしたいと思います。
  224. 福田繁芳

    福田(繁)委員 ちょっと関連質問ということにして、五分か七分間、建設大臣並びに住宅公団の御出席理事の方に、どなたでもようございますから数点伺いたいのです。  まず、冒頭に申し上げたいのは、きょうの委員会でもおわかりのように、西村建設大臣、いま住宅政策というものが非常に大きな社会問題になっておる。政権担当をしておるわが党はもちろん、各党の諸君も真剣に取り組んでいらっしゃるわけなんです。  そこで、きょうの理事会におきましても、きょうは住宅に関するもろもろの点に言及したいというところの熱意があふれた御意向があったのですけれども、急を要さない問題はいずれ後日にして、きょうは最も急ぐところの住宅公団問題を取り上げてということで、約二時間ほど前から、御承知のような熱心な諸先生の御質問があったわけなんです。それに伴うて、関係の方からも非常に御熱心な御答弁を私らも承ったわけなんであります。  そこで私は、初めから終始一貫御質問に対するお答えも承っておったのでありますけれども、まずこの点を鮮明にしないとぐあいが悪い、こういうように考うる点があるのです。と申しますのは、先ほど委員の先生からもお話があったように、つい最近の新聞に、公団の各所におけるところの工事が完成して後の問題、雨漏りだとか、ひさしが傾いただとかいう、もろもろの話があったのでありますが、先般も当委員会が国政調査にあちらこちらへ参ったときに、私もお供して参ったわけなんです。そのときに各所で聞いたわけなんです。そこで、この点をはっきりしておくことがこれからの委員諸先生にも御参考になる。同時にまた、先ほどのどなたでございましたか、御質問によって、新聞の記事というものとあなたたちの答弁と非常に食い違いがあるので、場合によったら当委員会から、国政調査でありませんが、実地の調査にも派遣をしたらどうかというような話もありましたので、それに関連しまするから私は伺うのだが、まず住宅公団の各位に伺います。  あなたたちが国の予算に基づいて、住宅政策に寄与しようと思って、もろもろのことをやっていらっしゃるあの工事というものは、まず第一番に、公団で直営でやっておるのか、あるいは建設業者に契約してやらしておるのか、この点ちょっと、一問一答形式でお答え願いたいのです。
  225. 東貞三

    ○東参考人 お答え申し上げます。公団でやっておる工事は、すべて請負工事でやっております。
  226. 福田繁芳

    福田(繁)委員 さすれば、おそらく相当国内においても経験ともろもろの点を加味したものに対して指名権を渡して、そこで入札行為としてやっておると思いまするが、いかがでございます。
  227. 東貞三

    ○東参考人 在来からのいろいろの実績、それから工事の施行状況等を勘案しまして、それに業者のランクづけがございまして、工事規模によりましてそのランクを勘案して指名して、指名競争入札に付しておるわけであります。
  228. 福田繁芳

    福田(繁)委員 そうしますると、落札しまして、工事に着工して、完全に落札の対象物である工事が完成したときに、おそらくあなたのほうにお引き渡しになるわけなんです。それまでの工事の責任というものは、落札した業者がこれは責任があると思うのだが、公団はいかように御解釈なさっていらっしゃるか。
  229. 東貞三

    ○東参考人 確かに、その落札した業者が全責任をもって図面、仕様書どおりやっていかなければならないと思います。それを補助する意味で、公団の監督その他がつきまして、悪いところがあればそれをやり直さすとか、そういうことで完全に図面、仕様書どおりのものができるように指導しながら、業者の責任において完成させておるわけであります。
  230. 福田繁芳

    福田(繁)委員 そこで、いまの落札した業者の責任で完全にやるために、公団のほうからも工事の監督を現地に派遣しておるということは、ただいまもあなたからもお話があり、先ほどからも再々の御答弁があったのだが、着工にかかって落成するまで数カ月、あるいはことによっては一年もかかる場合もあり得るのだが、急激に一ぺんにでき上がるものでないので、基礎工事ができた、一階ができた、そのうちに二階ができた、三階ができた、四階ができた、五階ができたというように工程が進むものとしろうととして私考えるのだが、おそらくその基礎なら基礎ができたときに、発注者と工事人との間で、立ち会うて厳密な検査をして、これなら基礎はだいじょうぶだというて受け渡しが済み、また一階のコンクリート工事が済めば、このとおり二階から、あるいは外から少々の雨なり風があろうともだいじょうぶだということを、仕様書と設計書に基づいて、両方のお立ち会いでお引き渡しになっておると思うのだが、いかがでございます。
  231. 東貞三

    ○東参考人 厳重にそういうふうに区分してそのつど引き渡しというようなことは行なっておりませんけれども、工事段階で常に監督がついて、たとえば基礎のくい打ちにつきましては、打って最終の沈下量がちゃんと設計どおりになっているかとか、そういうものは立ち会ってちゃんと測定しておりますし、基礎打ちが完成した段階で基礎はちゃんとできているかということは、現場監督が見てやっております。そのほかに、先ほど申しましたように、何回か途中段階でその現場監督以外の者が行って検査をして、これで次をやっていこうということをやっておるわけでございます。
  232. 福田繁芳

    福田(繁)委員 そこで、いまもお話がありましたように、公団のほうからの監督者の上につけ加えて第三者の権威者まで立ち会わして、入念に御検査されておられるのだが、私が私見を入れて当初に申し上げたように、基礎は基礎、一階は一階、二階は二階と工程が進むに従うて引き継ぎ、立ち会いのもとで、そういう三者ならなおけっこう、三者が厳密に立ち会うて、工事検査をして引き渡していくのが、私たち民間の、たとえば高層建物をやる場合の、発注者、受注者の一つの慣習になっておるのです。どうぞひとつ住宅公団のお方も、そういう点において、せっかく公団のほうからも専門家をそこに派遣さしてあるのだから、地鎮祭に参列して、今度は引き渡しの時分に参列するだけということじゃなくして、一般の高層建物をやるような慣習に基づいて、一階一階厳密な検査をやって、最後に引き渡されるような御意向なれば、きょう話があったように、あるいはまた新聞にも出たような、少々の雨が降ったからというてそれで入るとか、あるいは天井から雨漏りがあったとかいうことがなくて済むのじゃなかろうかと私心得るのだが、その点に対してお考えどうでございます。
  233. 東貞三

    ○東参考人 御存じのように、コンクリートとかモルタル、こういうものは、固まる際に収縮を起こして亀裂が必ず起こるわけなんでございます。だから監督を厳重にして、いろいろと検査もしてやっておりますけれども、こまかいクラックとか、水漏れがするクラックあたりは、なかなかそのときすぐにはわからないという状況でございまして、まあ大雨が降ってみて初めてわかる、こういうふうな事情が非常に多いわけでございますので、これもそれでいいというわけではございませんから、最終的には、完成した段階でそういうことが起こればあとで完全に直す、こういうことをやっていかなければいかぬと存じております。
  234. 福田繁芳

    福田(繁)委員 お役所のお方のおっしゃることは私もよくわかる。よくわかるけれども、またわれわれ実業家と申しましょうか、事業家と申しましょうか、われわれ俗人どもがやっておることも耳を傾けて聞いて、そうして今後の資料にしてもらいたいと私は思うから言うのです。何とならば、いま御承知の発注を、入札で工事をとったという相手方、落札した人が終始一貫やるんならいいですよ。たとえば大林さんなり竹中さんとかいう日本有数の権威の持てる方が、終始一貫地下から九階の屋根の上までやってくれるのならいいんだ。あなたたちが落札さしたとたんの翌日、何十社かの下請になるのですよ。この下請がひょっとして手を抜いたり、あるいは先ほどの話のごとき、これは専門的にいえば簡単な問題なんです。雨漏りというのは、その間におけるところの防水施設が完全じゃなかったのです。これは実際の仕事は下請なんですよ。でき上がってしまって言ったのでは、相手方の会社に言っても、相手方の会社もわかりはしない。だから工事の進行状態をずっと、コンクリートをやりよるな、ミキサーを使っておるなということを見ながら、まず一応これは一段落ついたわいと、そこでやって引き渡し、またその次に行くというようにするならば、下請のほうも手を抜かぬと済むのです。不正行為じゃないけれども、手を抜かぬと済むのです。それが、あなたたち契約した親会社に対する下請の忠実の義務なんです。これがえてしてその下請の中には非協力的なものがあるから、こういうところの禍根を起こすことになるのです。それで私は申し上げておるのです。今後相なるべくはそういうようにしてもろうてやってもらいたい。  そこで、私は結論からいきまするが、おおよそこの公団も、ああいうようなところに、たとえ安っぽい工事といえども、相当大きな金額の工事をやっておるのです。公団の仕事をさせてもらっておるということは、業界自身が金融界にでもお役所にでも非常に面目を施すのです。したがって、非常に責任と名誉をとうとんでおるのです。  そこで、総裁に伺うのだが、もしこれから、あなたたちが発注する仕事において入札者がどのように出てこようとも、その入札者の中に、かねて国会でおしかりをこうむったり、あるいはいろいろ事実に基づいて新聞にお書きになられる、公団の信用にかかわるような、仕事に不手ぎわなことがあった場合に、そういうものは入札から除外さすか、あるいは下請会社の責任だと言うて詭弁で親会社が責任を転嫁して、それを黙認してやるのか、どれほどの御決意があるかということを聞いて、それと同時に、今後、先生たちのこれからの判断の資料にも供さなければいかぬと私は思うから聞いておるわけなんです。  要約して、もしそういうようないままでにおいて手を抜いた仕事、雨漏りがした、この間の二十三号ぐらいのあんなものでどんどん水が入って、それを台風に責任を持っていったら台風がかわいそうです。公団の建物だけではございませんぞ。丸の内でもどこでも、もっともっとりっぱなところもあるのですが、そこも水浸しにならなければいかぬ。丸の内のああいうところで雨漏りして困っておるということはめったにないのです。あったら、いま言った手を抜いた仕事をしているのです。そういうことを考えられて、もし公団が、国の仕事をやっておることに名誉と非常なあこがれを持っておるおまえさんたちが、もしこういう事故を繰り返した場合には、次回から入札に入れぬ、こういう下請を使うならばあなたを除名するというぐらいの襟度をもって、権威をもってやってくれれば、公団関係の建物で新聞に出ておったとか、台風がどうとかいう問題は、おそらくもう今後委員会に起こるまいと私は思うから、あなたたちの決意を聞いておるわけです。総裁、どうです。
  235. 南部哲也

    南部参考人 先生のお説のとおりでありまして、私どもは二カ年の瑕疵担保の責任を業者に負わしております。しかし、このような結果が出るのが一年なり二年先のことになっております。そこで現在、われわれの立場といたしましては、いまおっしゃいましたように、これを施工した業者に対して厳重に責任を追及していきたい。たとえそれが下請でやったにしても、責任は請負契約の相手方である業者でありますから、今回を機にいたしまして、厳重に調査の上、指名等において適当な措置をとる、指名停止の措置をとるということで現在進行中でございます。  ただ、それよりも先に、まず雨漏りする個所を早く修繕しなければいけないということで、現在は瑕疵担保に基づきまして、業者を督励いたしまして、欠点個所をどんどん直すということをまず第一に行なうということにしておりますが、同時に、いま先生のおっしゃったような措置で、業界の自主的な責任というものをもう少しはっきり持っていただくという方途に今後の業務の施行を持っていきたい。幾ら監督しても、業者のほうで自主的な自覚を持ってやっていただかなければ、これは四六時中全部目が届くというわけにいきませんので、そういう責任体制をはっきりすることによって、今後手抜き工事その他の事故の起きないように措置いたしたいと存じております。
  236. 福田繁芳

    福田(繁)委員 公団の総裁の御決意非常によくわかりまして、私も了といたします。そういう方針でやっていただいて、そこで最後に、最高責任者である、義務者である西村建設大臣に、私はあなたの決意を伺いたい。  あなたは少なくとも建設行政に関しては再々の御経験者であり、また、野にいらっしゃる時分には、郷里のほうなりあちらこちらで御関心深く御体験済みになっていらっしゃる。私は、いまの公団の総裁のこの建物に関する御決意が、建設行政の地方、末端に至るまでそういう責任観念でぜひひとつやらしてもらいたいと思うのです。この間、あれは北陸ですか、行ったときにも、ずっとくまなく、国道から橋梁、皆さんと一緒に見てきた。なかなかあそこはりっぱにできておる。できておるけれども、一つ外へ行きますというと、やはり聞くのです。われわれは全心魂を打ち込んでそのとおりやっておるのだけれども、ときおり、落ちないはずの橋が落ちたり、また、はずれたらいけない舗装がこわれたりというところの、あざやかな、巧妙な、知能犯的の業界に泣かされておるところの出先の局長、部長のあまりにも痛々しい姿を私はこの目で見てきたのです。  そこで、これに関連するのだが、お役所のほうは全心魂を打ち込んでおやりになっていることはわかるのだけれども、業界の人、おったらおこるなよ。業界の人があまりにもたくましいというのですか、あざやかなというのですか、おじょうずなというのですか、それでせっかくの要路要路の方を苦境に追い込んでいることがあります。西村建設大臣は二度の御体験があられるのだから、そういうところをひとつ各局長にも血が通うように御伝授されて、そうして建設省の仕事に関しては再びそんなものはないぞ、橋もあんこは入っていないぞ、道路もこうぞという、ひとつ規範を示してもらいたいと思うから、こういう回りくどいことを申し上げたわけなんです。  話をまたもとへ返しまするが、どうぞ住宅公団の方、いま皆さんたちの私の話に対する受け答えなり御決意でわかりましたので、そういう目でもって、われわれも現地の事実、即とうとい、二つとない事実なんだから——きょうの理事会でも問題になりましたよ。どこかが新聞にどうやらこうやら出ておった、役所のほうに聞いてみたら、われわれが行ったときには雨は漏っていなかったというようないろいろの弁解をしておったらしい。そんな弁解だめだ、いやしくも新聞もそう無根拠のことを書くはずがないのだ、それがためにわれわれも調査して、そうして再び繰り返さぬようにやるのがわれわれの役目だといって野党の諸先生もおっしゃるものだから、私も非常に敬服して、円満裏にその話をまとめて、次回に各党ともひとつ御出張願うことにしておるのです。ほかの問題ならかまわぬのです。いま数は少ないけれども、各党派の先生いらっしゃるのです。どの党派の先生だって、住宅問題、住宅政策を一番に掲げておるのです。それくらいでありますから、この問題には鋭意真剣に取り組んでおるのです。したがって、お役所のほうもその場限りの詭弁だけは弄さないようにしてもろうて、厳粛なる事実に基づいていくならば、どんな新聞でも間違った活字があらわれることはないのだから、そうするとこういうことはないのですから、そういう意味合において御協力してまいりたい、場合によったら御指導してまいりたい、こういうように先生たちも考えておりますから、どうぞひとつ、私最後の関連質問でございましたが、何らかの御参考に供することがあれば非常にけっこうと存じますから、鋭意御精進をお祈りいたします。  これで終わります。
  237. 西村英一

    西村(英)国務大臣 委員長からいろいろのお話がございましたが、この雨漏りの件については、私も実はびっくりしたのです。日本住宅公団ともあろうものが、どういう原因にしても——これは設計が悪かったのか、あるいは施工が悪かったのか何か知らぬけれども、いまその原因は調べておりますけれども、どういう原因にしても、はなはだ面目ないじゃないかというので、総裁には私としては相当きつく当たったわけでございますが、それはそれとして、いま委員長がおっしゃいましたように、建設行政いろいろございますけれども、何と申しましても、現在の世相から申しまして、やはりこれは住宅を最重点に取り上げる政策でございます。したがいまして、華山さんもいまも、日本住宅公団その他公社いろいろある点の機構等も考えないかというような示唆もあったようでございますが、いずれにいたしましても真剣に住宅政策には取り組んでいく、こういうこと、したがいまして、いやしくもわれわれのところから過誤のないような建設をひとついたしていきたいということを心がけるつもりでございますから、何とぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げる次第でございます。
  238. 福田繁芳

    福田(繁)委員 せっかく住宅金融公庫のほうも来ていらっしゃるのだから、言うまでもなく、あなたのほうの金庫の上に住宅がつきますので、勢いあちらこちらの諸先生のほうもおのおの地元で住宅金融公庫の円滑、適切な住宅金融ができておるかどうかということに多少の不安とまた非常な希望を持っておるようでございます。来週あたりは当委員会で今度はあなたのほうへピントが合うわけなので、それまでに鋭意十二分に御研究なり資料の御用意を願いたいと思うのです。何としても大事な問題でございますので、どうぞよろしくお願いいたしておきます。
  239. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長代理 次回は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会