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説明員(磯崎叡君) いま
大臣から非常に詳細な、私どもの問題点六点をあげて御説明がございました。おおむね私どものほうの御要求しましたこともいまの六点に含まれますが、簡単に申し上げますと、やはりまず第一に、何と申しましても非常にいま財政負担になっております利子負担、全体の経費のうちの二割近いものが利子として右から左に出てしまう。この利子負担の軽減を何らかの形、最終的には全部たな上げという形、それに至るまでの、いま
大臣の言われたような、いま六分五厘までやっていただいておりますが、それを少しでも減らすということ、これがまず第一であります。ことしは五分五厘まで
大臣のおかげでやっていただいたわけでありますが、いずれこれを突破口として、突破していただいたので、これをもう少しどんどん拡大していただきたい、これが第一でございます。
第二は、やはりいまおっしゃったことの中で問題になります地方交通線と申しますか、地方交通線の処理をどうするかということでございます。これは現在私のほうで二万一千キロの鉄道の運営をいたしておりますが、その中で、それを線区の性格的に分けてみますと、約一万キロは
日本の骨格をなす幹線系でございます。
残りの一万一千キロが地方の交通、ローカル交通をやっておる線でございまして、いまの
経営上の
赤字はその二番目の地方交通の
赤字が大部分でございまして、第一グループの幹線系のほうは、どうやら若干の黒字線でもってその三倍くらいの
赤字線をカバーして収支とんとんでやっておる。しかし、地方交通線の一万一千キロはどうにもこうにもならないほど、千数百億というばく大な
赤字が出る。この始末をどうするかということでございまして、これは私どもは三つの段階に分けて
考えまして、第一は、
大臣がおっしゃったほんとうに鉄道としての役目を果たしてしまっておる、これはやめさしていただく。第二は、もし地域の開発と共同して総合的な
経営ができるならば、ぜひ総合的な共同
経営をやっていきたい、これが第二。これには法律改正を要します。第三は、そう申しましても、やはり半分ぐらいのものは結局やめることもできなければまた地域と共同
経営することもできない。結局
国鉄が運営せざるを得ないけれども、それから出てくる千億をこす
赤字につきましては、国なり自治体なりあるいは
国鉄自体がそれを分担してこの
赤字をしょっていくと、それを全部黒字の線にしょわせようとすればべらぼうな運賃値上げをしなければやっていけなくなる。これでは
国鉄が全部が地盤沈下をしてしまう。こういう
意味で、地方交通線の始末につきましていろいろお願いをしたわけでございます。これが大きな柱の第二でございます。
第三は、いろいろな運賃上の問題がございますが、これはことしは特にお願いいたしませんでしたが、その中で公共負担、運賃上の公共負担につきましては、ぜひこれをもうかんべんしていただきたい。すでに累積いたしますと、過去十年間、
国鉄が
赤字に転落いたしましてからおおむね七千億近い運賃上の公共負担、これはとてもしょい切れないから、これは少しずつでもいいから肩がわり、
政府なり何なりに肩がわりしてほしいということもお願いいたしまして、これは途中で物価等の問題で消えてしまいましたが、これは今後の問題としてぜひ
考えていただきたいという点でございます。
それから、これは特に
大臣の非常にお骨折りでもって——
国鉄の今度は前向きの問題でございますが、新幹線の建設、あるいは地方の幹線の複線電化につきまして、わずかではございますが、実に二十年ぶりで
政府が出資してくださったということでございます。いままでは全部これを借金でやって、その利子を払ってきたわけでございますが、
昭和二十六年でございますか、四十九億増資して八十九億の現在資本金でございますが、それに対しまして実は二十年ぶりで
政府が出資をされたということ、これは
国鉄の今後生きる新幹線あるいは全国の主要幹線の複線電化というような前向いきの仕事のために
政府が出資してやろうということを踏み切ってくださったわけでございますが、これは非常に大きな進歩であり、これを今後、さっき
大臣のおっしゃったとおりまた拡大し伸ばしていくという必要がぜひあるというふうに
考えます。そういういい反面、かねがね問題になっておりました市町村納付金につきましては、残念ながら自治省の協力も得られず、また先刻の地方交通線の運営につきましても自治省の協力を得られず、これはすべて今後のいわゆる総合交通体系の一環として解決するんだというふうな形でもって、先生の御
指摘のとおり、ことしの
予算はいわばつなぎのような
予算になっているという現状でございました。その他付帯
事業の拡大等につきましても、これは大きな金額は期待できません。これはもう私たびたび申しますが、百億というものを付帯
事業から水揚げしようとするのはたいへんなことでございますけれども、これは
国鉄の姿勢として、あるいは
国鉄の持っておる土地その他のものを利用する方法として、付帯
事業をぜひやりたいということで、これもお話がありましたが、いろいろの
関係で法律の提出が見合わせになったわけでございます。しかしパイプラインにつきましては、これは付帯
事業と申しますよりも、むしろ国のほうの関東地区における貨物の輸送力の逼迫を解決する唯一の方法としてぜひ取り上げていきたいということでお願いいたしまして、現在目下難航中ではございますけれども、
予算には計上されております。安全の面からいたしましても、輸送力逼迫の面からいたしましても、これはむしろ付帯
事業と申しますより
国鉄の貨物輸送そのものであるというふうな感覚で、今後ぜひ
大臣の御指導を得てやっていきたいというふうに思っている次第でございます。
以上るる申し上げましたが、先ほどの
大臣のおっしゃった六点と大体一致いたしますが、私どもといたしましては、ひたすら今後、いま
政府において始められましたいわゆる経済企画庁を中心の総合交通体系あるいは運輸省の運輸政策
審議会の御
審議にまちまして、できるだけこの夏ごろまでにひとつ
政府としての成案を得ていただいて、そしてそれに向かって私どもも邁進いたしませんと、おっしゃったようにいろいろ何か暗いイメージばかり
国鉄にかぶさっておりまして、四十数万
国鉄の職員の士気にも影響しますので、私も全責任を持ちまして、
大臣の驥尾に付しまして、このわずかの
期間でございますが夏ごろまでに総合交通体系をつくっていただいて、それの実施に向かって邁進いたしたいと思っている次第でございます。