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国務大臣(愛知揆一君) 大統領の声明にもございますように、アメリカとしては今回の
日本側の一方的自主規制では自分たちの満足とするようなところに触れた解決はできないと、こういうことを言っておられるわけで、したがって、これには応ずるわけにはいかない。したがって、政府間の話し合いというようなものを続けることを自分らは望んでいるんだが、しかし、今回のこういう
日本側の措置によって実りのあるという表現でございましたが、そういう決着につくことについては道が閉ざされたように思われると、こう言っておるわけでございまして、また
日本側の一方規制に対する
日本政府としての態度というものは、当時官房長官談話で明らかにいたしたように、これがスタートいたしまして自主規制が行なわれれば、いままでの政府間交渉の経緯にかんがみても商議すべき
対象というものが消えたように思われるから政府間の交渉というものは打ち切りにいたしますと、これが
日本の態度でございます。それから、政府間の交渉の打ち切りということについては、フラニガンアメリカ側代表、牛場
日本側代表の間でもこういうふうな結末になってからあとも確認をされておるわけでございますから、当分政府間の交渉というような話が先方から起こってくることはあるまいと見越しております。ロジャーズ長官の記者会見で触れておる点は、本来政府間交渉でやりたかった、また今後もそういうことが望ましいことであるという願望を披瀝したものであって、それ以上の意味は私はないと思います。
それから、この点はおことばを返すようでございますけれ
ども、外務省としては本件が二年前に起こりまして以来、もう
通産省との間の本当の表裏一体の考え方と、そして対米交渉でなければこの種の問題は
日本の国益に立脚した終結を遂げることはできないということで、この点に特に私
どもとしても細心の注意を払ってまいりましたのでございまして、過去におきまして意見が違っておった、まるで食い違っておったというおことばは、おことばではございますが、私といたしましてはさようなことは絶対にないのでございまして、将来の御注意としては重々承っておきますけれ
ども、今日までのところさようなことはわれわれとしては絶対にございませんでしたことを確言申し上げたいと思います。