○森八三一君 私は、この二十二日に行なわれました
総理の
施政方針演説並びに
関係各
大臣の
演説に対しまして、参議院自由民主党を代表して若干の質問をいたします。
まず、最初に、
総理として
総裁として、議会運営についてどうお
考えになるか、所信を伺いたいと思います。このことは、もういまさら始まった問題ではありません。十分
論議のされているところであります。まあいわば陳腐の問題のようではありまするが、ほんとうに国会が
国民に信をつなぎ、国会の権威を高めてまいりまするためには、基本的な問題であり、重要な問題でありますので、あえて繰り返して私は所信を尋ねたいと思うのであります。
わが自由民主党が政局を担当しましてから、秋山さんもおっしゃいましたが、二十余年、一党がこうして長く政権を担当しているということは、世界の
政治史に見ましてもきわめてまれなことでありまして、まさに未曾有の存在と言ってもよろしいと思います。このことは、常に、私ども自由民主党が、
政治の要諦は、
国民各層各階の御意見、特にいわゆる声なき声を正確に把握して、これを
政治を通し、
政策を通して実現してまいりました。このことが自由民主党はたよりになる政党だということで
国民多数の信頼を博したという結果に基づくものと思います。いろいろ御意見はありまするけれども、とに
かく歴史的な
長期政権を担当しておるということは、
国民の信頼なくしてはなし得ることではございません。
総理も、
昭和三十九年秋、国政を担当せられてから早くも六年の歳月が流れました。これまた、
わが国の
政治史の上では空前のことと思います。
外交、
内政の両面にわたって適時適切な施策を実行し、国運の伸展に、民生の安定に懸命の
努力を払われた成果であると申し上げても過言ではないと思います。われわれは、政局を担当する
責任政党として、
政治家として、さらに心を引き締め、おごることなく、
国民の信頼にこたえてまいらなければならぬと存じます。
いまや、
わが国の
国民総生産は自由世界第二位、八十四兆円に達する見込みであり、外貨準備高四十四億ドルを保持するすばらしい力を蓄積するように相なりました。しかしながら、その間、高密度社会が形成せられ、
物価、
公害など数多くの問題が発生してまいりました。他面、経済大国として、世界平和の確保、世界経済の伸展など、国際的な
努力と積極的に
協力をする責めを果たさなければならぬ地位を得たのであります。これらに対応する国策の確立のため、国権の最高機関としての国会の責務はきわめて重大であると存じます。
私は、七〇年代幕あけのこの通常国会が、民主主義の
原則に立って運営されるよき慣行をつくるのには絶好の
機会であり、この機を逸してはならぬと思うのであります。多数を擁する者は常に寛容であり、少数者も反対のための反対、いたずらな議事引き延ばし、審議拒否、党利党略に終始することなく、審議を尽くして最終的には民主主義の多数決原理によって事を決する慣行の樹立であります。
議会の会期は両院とも同様であります。ところが、従来、議案の付託が衆議院に集中をいたしまして、会期末になって一挙に参議院に回付せられる、そのために、参議院の十分に審議を尽くすための時間が不足をいたします。その結果として国会が混乱をしたということも一再ではないと思います。議案の提出につきましては、十分に審議に支障ない
配慮が行なわれなければならぬと存じまするのに、会期の終わりになって議案が提出されるというようなことも、混乱の因をつくっておると申し上げても過言ではないと思うのであります。そこで、会期末幾日前までに議案を提出しなければならぬというようにいたしまするとか、あるいは一院に偏して付託をするということを排除するというような
配慮が行なわれませんと、どういたしましても、国会が十分に審議を尽くして最終的に多数決原理で事を運ぶというわけにはまいりかねる問題も起きるわけでありますので、こういう点については、
総理、
総裁としても十分ひとつ御
配慮をいただきたい。このことを、国会正常化のために所信のほどを伺いたいと思います。
次に、
外交関係についてお伺いをいたします。
七〇年代における
わが国外交の重要
課題の
一つは、何と申しましても
中国問題であります。
中国の文化大革命が終わりました
あと、
中国をめぐる世界の情勢は大きく変化を示してまいりました。すなわち、
北京政府を
国連に参加せしむべきであるという国際的な動きであります。
総理は、
施政方針演説の中で、「国益にも深くかかわると同時に、長期的な極東の平和と緊張緩和に関連する重要な問題であるだけに、特に慎重に取り組まなければならぬ」と、
中国問題に対する
姿勢をお示しになりました。指導者として、将来における
日本の国益の見地から、慎重に国際的な情勢を把握し、その打開策を見出すことは、重責に立つ
総理として、私、当然のことであろうと存じます。さらにまた、「
政府間の
各種接触を行なう用意があり、同時に
中華人民共和国政府の側からも、これに呼応する
努力が行なわれることを期待している」と述べられております。ただ、用意があるというだけでは
解決の
前進にはなりません。そこで、党の要人などを派遣いたしまして率直に意見の交換をなさしめ、誤解を解くなどの
努力を払って、
中国側からのこれに対する呼応を求め、日中
関係の
改善に資せられてはどうかと思うのでありますが、これについての所信を伺いたいと思います。
外交関係第二の質問は、北方領土の問題でございます。戦後、保守的な
立場をとるもの、革新的な
立場をとるもの、そういうような区別なく、
国民全体の悲願は、われわれが先祖から受け継いでまいりました、まごうかたなき
日本の領土は、一刻も早く
日本に返還さるべきであるということであります。歴代内閣はもちろん、わが自由民主党もこの一点を見つめて、これが実現のためにこん身の
努力を傾けてまいりました。幸いにしてその焦点とも言うべき
沖繩の祖国復帰につきましては、
国民的な
協力を背景として、
総理の御
努力によりましてその実現を見るに至りましたことは、まことに慶祝のことであります。さらに、世界の歴史にもその例を見ません
戦争によって失った領土を血を見ずして
相互理解と平和のうちに
解決を見ましたことは、特筆すべき感激であると思います。
総理は、
日米間における了解を
報告せられました際に、今後は北方領土問題に積極的な
努力を約束せられました。ところが、最近の
外交問題では、日中
関係の正常化とか、あるいは
貿易関係の問題とかが論ぜられ、領土問題が何とはなしになおざりになっておるような感じを受けますることは、まことに残念であります。もちろん、日中問題といい、
日米間の繊維問題といい、
開発途上国援助の問題といい、
わが国にとりまして重要な
課題であることは申すまでもありませんが、領土問題はそれにもまして
国民総意の願望であり、すみやかに
解決されなければならぬ
最大課題であると存じます。相手方のあることでございまするから、きわめてむずかしい困難な問題であることは申すまでもございませんが、むずかしい、困難だからといって放置を許される問題ではないと思います。本件に対しまして、いかなる折衝をなされておりまするのか、また、今後いかなる対策をもってこれに臨もうとされておるのか、その所信とその御
決意をお伺いいたしたいのであります。
この際、一言付言して希望いたしたいことは、
沖繩の返還につきましては即時無条件全面返還を主張し、要求されておる革新政党の一部に、この北方領土問題、事、北方領土問題になりますると、何とはなしに通り一ぺんの
態度で終始せられておるように思われますることは、まことに遺憾千万であります。私は、私のこの見方が誤っておることを念じます。全
国民総意をもって
政府を鞭撻する運動の展開を希望するものであります。政党政派をこえて全力を結集すべきであると思います。
さらに、小さなことのようではありまするが、竹島をめぐる領有権の問題、尖閣列島帰属の問題など、私ども
日本国民といたしましては、問題となりますることすらふしぎに思われるこれらの当然の問題が
論議の対象となり、
国民の間に不安を与えておりますことは残念でなりません。これらの問題につきましても、すみやかに
解決をいたさなければならぬ当面の重要案件であると思います。北方領土問題とあわせてこれらの
解決の措置について、
総理の御所見をお伺いいたします。
第三にお尋ねいたしたいことは
公害問題であります。
公害の克服が七〇年代における
内政の重要命題であることは、いまさら申し上げるまでもありません。
公害先進国の汚名はすみやかに返上いたしたいものであります。今回、環境庁を新設して、ばらばらでございました
公害行政を一元化されますこと、予算の面でも一般会計で九百三十億円、前年対比四〇%の増を示し、一般会計全体の伸び率一八・四%の二倍以上であり、財政投融資においても、一千七百二億円と前年対比四九%の伸びを示しております。
公害絶滅への意欲的な
態度を示すものでありまして、高く評価いたすものであります。ただ、しかし、この際お伺いいたしたいのは、独立した機関として、別途に国立
公害研究所の創設を企図されているようでありますが、すでに党からも申し入れてあります。このことにつきまして、ただ形式を整えるということでありまして、そのためにかえって実をあげるのに支障を生ずるようなことにもなりかねないと
考えるのであります。研究所の設置については慎重を期すべきであると思いますが、いかがでございましょう。
次にお尋ねいたしたいのは
物価の問題であります。わが党の施策と
政府のたゆまざる
努力によって、
わが国の経済は飛躍的な発展を遂げました。
国民所得も年とともに増加し、いまや、まさに西欧並みの所得水準に達し得ましたことは、欣快のことであります。しかしながら、近時所得の増大を帳消しにして足が出るというような
物価上昇の傾向にありますことは、直ちに
解決しなければなりませぬ
内政面における重要
課題であります。このことについては、
総理の
演説にも触れられておりますし、常に心を痛めておられるところであります。
思いまするのに、
物価が上がるから
賃金を引き上げなければ生活が破壊せられるということで
賃金が上がる。そうしますと、また
物価が上がるということで、
賃金の上昇と
物価の上昇が悪循環をしておるというところに問題が所在をし、さらにまた
わが国経済をささえる中小
企業や、農業など策一次産業の生産性がきわめて低いことに問題が所在しておる、構造の問題があろうと思うのであります。このために、何といたしましても
賃金と
物価の悪循環を断ち切ること、低生産性部門の生産性を高めることが当面必須の要件であると思います。私どもは自由経済主義に立ってあらゆる施策を推進しております。このことが
わが国経済の正常な発展と、
国民の創意くふうや
努力を求めることになり、このことは将来にわたっても堅持されるべき基本的な
方針であると存じます。したがって、自由を拘束するがごとき制限や統制は、われわれのとらないところでありますが、
国民経済の正常な発展と
国民生活の安定向上のためには、ある程度の制約もまたやむを得ないことと存じます。そこで低生産性部門の生産性を引き上げてまいりまするためには、
企業の合同調整などに思い切った施策をとるべきであると存じます。たとえば最近問題になっておりまする生鮮野菜にいたしましても、これが生産につきましては、積極的な団地の造成を推進する、そうして計画的生産と計画的出荷を実現いたしますと同時に、流通面におきましても、小売業者の乱立が流通経費の増大をもたらしているとか、あるいは市場に一たん入荷したものを逆送する、またそこから分荷をしてよそへ送るというような交錯輸送の問題など、
消費者価格に大きく影響している実態でありますので、その流通組織の
整備簡素化のための計画を樹立し、積極的に推し進めることが肝要であると思います。もちろん、自然条件が大きく作用する農業生産の実情に照らして、
生産者が安心して生産を推進し得る諸条件を整えること、流通面の
整備、簡素化にいたしましても、その
関係者に対し、思い切った補償の措置をとることが必要であろうと存じます。これまでもいろいろな対策は講ぜられてまいったのでありまするが、その対策が微温的であり、不十分であったことをいなむわけにはまいりません。この際、抜本的な対策を必要と思いますが、御所信のほどをお伺いいたします。
工業
関係についてみましても、技術の革新や経営の合理化等によりまして、生産性が向上いたしておりますが、これの生産性向上のメリットが、ほとんど全部といっていいほど
賃金に吸収せられてしまっておる。
物価の安定に貢献している度合いは僅少といっても過言ではないかと思います。生産性向上によるメリットが
消費者物価に反映するような措置をとりますること、これは非常にむずかしい問題、困難なことではございまするが、勇気をもって対応しなければならぬと存じます次第であります。
さらにまた、ともいたしますると、
企業の合理化をはばむような運動が展開されますることは、まことに遺憾千万と申さなければなりません。
企業の合理化については、
関係者の理解を深めて、強力な展開をさるべきであると思います。
以上、二、三の例をあげて申し上げたのでありまするが、
物価問題解決という当面の至上命令とも言うべき本件に対する
総理の御所信をお伺いをいたします。
第五にお尋ねをいたしたいことは、総合農政についてでありますが、時間の
関係で、この際は、米の生産調整についてのみお尋ねをいたします。
戦後わずか二十五年、
日本経済が飛躍的に成長発展いたしましたことは、悪条件の中で農業生産の
改善合理化に懸命の
努力をされた農民諸君の
努力と
政府の施策よろしきを得たことにあろうと思います。農政の推進が、
国民食糧の自給と労働力の供給に寄与し、貢献いたしました結果であると申し上げてもよろしいかと思います。特に米につきましては、最近の数年間は年産千四百万トンを確保し、完全に自給を達成することができる
状態に発展をいたしました。しかしながら、
国民所得の増加に伴う食生活の
内容が高度化、多様化するに至りまして、主食としての米の需要は年々減退の一途をたどっております。農林省の長期需要見通しによりますると、
昭和四十三年当時の推算では、年間千二百五十万トンと想定いたしておったのでありまするが、
昭和五十年には千百万トンになるであろうという見通しであります。生産については千四百万トンが平年作と安定してまいりました
関係から、三百万トン程度過剰が生ずる
状況となったのであります。現に
政府の手持ちとなっている古米、古古米を合わせまして、八百万トンになんなんとするということは、
国民経済の
立場から見ましても、このままほうりっぱなしにしておくわけにはまいらぬと思います。このため、
昭和四十五
年度におきましては、百五十万トンの生産調整目標を定め、実施をされました。農民諸君の御
協力と農業団体及び地方行政機関の理解ある推進によりまして、おおむね所期の目的を達成し得ましたことは、
関係者に対し深く感謝を申し上げ、敬意を表する次第であります。しかしながら、将来の展望に立ちまするとき、
昭和四十六
年度におきましては、二百三十万トン程度の調整をしなければ、単
年度需給均衡をはかるわけにはまいらないという
状態となりました。一口に二百三十万トンと申しますが、これは米
生産者にとりましては、実に容易ならぬ困難な問題であります。といって、不必要なものを生産して、
国民経済に多大の損失を与えるような不経済なことをそのまま見過ごしておくわけにはまいりません。私どもは、党内に総合農政調査会を設置し、その小委員会において、半歳の長きにわたりまして研究、討議の結果、成案を得まして、これを
政府に進言し、その実現を提言してまいりました。私どもが、この対策を樹立いたしまする際には、生産農民諸君の経済的な
立場も十分
配慮しながら、不安を与えないような
内容のものであるとともに、
消費者諸君にも御理解をいただき、御
協力を願えるものでなければならぬと
考え、その線に沿って取りまとめたものであります。結果的には
生産者諸君との間に多少の
見解の相違はございますが、四十六
年度の対策として、実施を見ることになったのであります。これに対し、生産、消費両者の間にいろいろの
論議が展開されておりますが、
政府とされましては、その理解と
協力を得て、実効があがりまするよう最善の
努力を払われますことを期待いたしますとともに、
関係各位におきましても格別の理解ある御
協力を希望してやみません。
そこでお伺いいたしたいことは、食糧管理法の規定に基づいて、生産期待数量を割り当て、そうして現行の予約制度によりまして買い入れを行なうという点についてであります。数字的には、生産調整が完全に実施せられますと、
生産者の自家保有米四百万トンを除きますれば、全量買い入れということになると思います。ところが、米の生産ということは、御案内のとおり、自然条件に支配をされることがきわめて大きく、時に凶作がありましたり、時に豊作になるということであります。凶作で予約数量が確保できない、そういう場合、前途金を交付してございましても当然予約数量の減額補正が行なわれるものと理解いたしまするし、また、そうでなければ
生産者の不安を除くわけにはまいりません。これに反して、自然条件に恵まれて豊作となったとき、
政府の
方針によりますると、予約数量外のものは農協等指定集荷業者の措置にゆだねるということに相なっております。農協等
生産者団体といたしましては、当然全面的な
努力が払われるでありましょうし、その
努力を期待するものではありますが、しかし、いかに
努力をいたしましても、その処理ができませんために残存米が生じた場合にはどうするかという問題であります。生産調整に
協力を拒んだ結果生産せられた数量、これは別でありますが、前段申し上げましたような自然条件に恵まれた結果に由来するものにつきましては、何らかの措置が講ぜられなければならぬということもまた当然かと存ずるのでありますが、いかに対処をせられますか、お伺いをいたします。
さらに、
政府の対策中には
物価統制令を廃止するという一項があります。すでに
自主流通米の実現によりまして、一部、物統令は適用除外となっておりまするし、巷間伝えられるところによりますれば、格上げ混米等によりまして
消費者段階における米価は混乱を生じておるといわれております。といって、物統令によって基準が法的に定められておりますことは、
消費者に対し大きなささえをなしておることも認めないわけにはまいりません。そこで、これを単純に廃止することには問題があろうと思います。現に
消費者団体等から反対の意見が提起されていることも御承知のとおりであります。物統令を廃止する結果が
消費者に不測の損害を与えないという補完措置を講じ、
消費者の不安を解消することが重要であります。
政府としては、当然その問題に対しましては、
物価問題の重要性にも関連することでございますので、
消費者米価の不当な上昇を排除するという心がまえであろうと思いますが、これが具体的な対策はどうなさるのかをお伺いをいたしたいと思うのであります。
次に、現行食糧管理法は戦時中に制定せられ、今日に及んでいるのでありまするが、今日のごとく生産過剰が恒常化してまいりますると、事態に即応する新しい制度に移行したらどうだというような意見が各方面から提起をされております。もちろん、
わが国経済の発展に功績を果たしてまいりました
生産者の
立場を十分尊重し、完全に自給確保をはかり得る
内容のものでなければならぬことは申すまでもございません。問題はきわめて重大であります。
生産者及び
消費者の理解はもちろん、国家財政の見地からも
考えなければならぬきわめて大切な問題であります。思いつきでとや
かくすべきことではございません。この際、各界各層の衆知を集めて合理的なものを検討されるべき時期であると思いますが、いかがでございましょう。需給の実態に即応せしめるため、部分的な手直しをいたしますることは、いたずらに
生産者に不安と動揺を与えるのみならず、
消費者からも不信を買う結果になることをおそれるのであります。戦中戦後を通じて長い間定着実施されました本法の改変は容易ならぬことであります。時間をかけて慎重に冬
関係者の理解を得られまするよう対処すべきであると存じますが、御所見をお伺いいたしたいのであります。
最後に、老人対策であります。
総理は
演説の中で、生産年齢人口が最も充実した壮年期に相なったと述べられております。昨年十一月の国勢調査では総人口一億四百六十五万人と発表され、年齢別人口は目下集計中のようであります。
昭和四十四年の推計人口によりますれば、六十歳以上の人口は一千七十二万人、率にいたしますると一〇・四%となっております。ところが、
わが国の死亡率、出生率は世界最低であります。寿命は男子六九・一八歳、女子七四・六七歳と世界的にも高く、この趨勢でまいりますると、
昭和七十五年には六十歳以上の方が一八・九一%となり、八十年には五人に一人の老人が存在するということになるわけであります。将来、老人対策は深刻な問題となりましょう。いまから対策を樹立してまいらなければならぬと存じます。
総理の御所見をお伺いいたします。
なお、
教育問題、国鉄、健保問題、防衛問題などにつきまして、お伺いいたしたいのでありますが、時間の
関係上、以上で私の質問を終わりたいと存じます。
何とぞ具体的にお答えをいただきまするようお願いをいたします。(
拍手)
〔
国務大臣佐藤榮作君登壇、
拍手〕