○杉原
一雄君 それでは最後に希望を申し述べ、
大臣のほうからも所信を表明していただきたいと思いますが、私、食糧問題を論ずる場合でも何を論ずる場合でもそれには根本法が実はあるわけですから、農業基本法あり、食糧管理法あり、また林業の問題は幸い先輩の皆さんが林業基本法というのを
昭和三十一年におつくりいただいておるわけですから、その第一条にもう一度立ち返りながら——いま私たちが
審議しておるのは活用法案であります。でありますから、名前はすばらしく活用ということはで——活用ということばに文句はない、ことばには文句はないわけですが、活用から起こるいろいろな事態等については後ほど北村
委員から詳細に御質問があると思いますが、きょうお伺いした限りにおいても、若干のやはり危惧はあるわけです。でありますから、第一条の原点に返りながら、もう一度
考えを述べながら
政府の腹がまえをはっきりお聞きしておきたい。
第一条は言うまでもなく林業並びに林業従事者が
国民の経済に対する貢献度、そのことが高くうたわれておるわけです。しかもそのことが結果的には森林
資源の確保だとか国土の保全ということで第一条はうたわれているわけですが、林業と林業従事者と対置されているわけですから、林業従事者についてはこれが先ほど職業病という形で人権問題として一応
指摘はしましたけれ
ども、待遇改善その他の問題、こうしたこと等について活用法の中でそれこそ林業労働者の労働力をいかんなく活用するという方向でいわゆる行政
努力を期待したいし、また
資源問題等につきましては、先ほど
長官の説明にもありましたとおり、外材の依存度をどんどん減らしていって、できれば九〇%国内自給というのが目標でございますから、これは単なる保護主義じゃなくて、次の国土保全の関連においてもぜひともそういう方向に年次的な的確な施策を進めていかれることを期待するわけです。そのことは直ちに払い下げすることによって効率があがるというようなことではおそらく私はないのじゃないかと思います。その点はやはり国有林という形態の中で、林野庁等が行政
努力をすることの中に前進する可能性なり、ものが十分存在しているんじゃないか。
その次に、国土保全の問題等につきましては、私はこの立法の過程の当時は、先ほ
ども指摘したとおり大気汚染の問題とか水質汚濁の問題とか、こうした問題等が今日ほど政治の課題としては大きく取り上げられていなかったものだと思います。急に降ってわいた問題ではありませんけれ
ども、いま去年の臨時国会以来
国民としても非常に大きな関心を払って
政府の
努力に期待をしているわけですから、こうした任務をやはり森林の中に求めることはきわめて必然であり、効率的であり、望ましい形でありますから、国土保全という観点で自然
環境破壊から守るということ、特にいま申し上げた俗に言う公害の問題、こういう問題に対処する
一つの保健的な任務、いろいろな任務が森林に多様化し多くの多
目的な期待がかけられているという事実、こういう事実等と、活用法が活用されていった過程においてそれと逆行するような事態がやはり私たち
考えられないわけではないわけですから、そうしたこと等については、
衆議院の決議もございますし、本
委員会の
審議の過程の中でも他の同僚
委員の中からいろいろ貴重な
意見が出てくると思いますから、私きょう初めてでございますから、一応予測をしながらそういう話をすることはきわめて失礼でありますけれ
ども、そうしたこと等を含めて
大臣等から今後のこの活用法運用にあたっての決意表明という形で、先ほどは所信をお伺いしているわけですけれ
ども、いま一度念には念を入れてひとつ確固たるいま申し上げた森林
資源の確保、国土保全、なかんずく自然
環境破壊から守る、
国民の命を、健康を守るということ等をも頭に置いて見解を表明していただければ幸いだと思います。これで私の質問を終わりたいと思います。