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国務大臣(
野原正勝君) 先ほどの御
質疑でありますが、実は西ドイツなんかでもこの
制度が、いまは大体いい形になりましたけれ
ども、これもできるまでには十年かかっております。
スタートから今日まで両三回の改正を経て、今日のような形になったわけでございますが、当初においてはいろんな批判もあり、かなり不満足な状態の中で
スタートをした。そうして
政府側の努力と、また
勤労者の方々の御理解によって、十年の後にようやくにして今日のような財産
形成制度という形が確立をした。私
ども、この
制度については、将来、やがてこれは大きな
一つの力を持つに至る、間違いないと確信を持っております。
スタートはやはりできるだけ抵抗を排してすんなりと言うが、これは将来必ずものを言うときがくるだろう、将来に期待しておるわけであります。そういう点で、すべて最後の判断を下したということも言えると思います。
それから先ほどの
お話でございますが、非常に不満足だらけという御
指摘、ごもっともな点は私もよくわかります。それも、これはやはりこの
制度が
スタートをした後において、これが漸次多数の
勤労者の声が背景となり、また国会の方々の御論議やら、いろいろな各方面の御
意見等が、
審議会等ですでにもう御不満の声も上がっておりますし、そういった世論がもうこの問題については決してほっておかない。より一そう強化しろ、よくしろというような御
意見も当然上がってくると予想しておりますから、そういうことを考えに入れますと、これはやはりこの辺で、ここらあたりで
スタートするのもやむを得ない。そこで、皆さん方が御不満だとおっしゃる、これはもう初めから考えております。御不満があるだろう、いろいろな御
意見がある、それはむしろわれわれにとってはもっけの幸いというか、ありがたい御鞭撻であるというふうに受け取りました。これは直ちに、この秋の予算の問題には必ずこれが有形無形の大きな力になるわけであります。ともかくそういった形で、非常にこの
制度そのものが難航しておったわけでございますが、実はこの
制度は、わが
日本でも、すでにこの論議が始まって以来というもの、かれこれ十年近くたっております。十年間というもの、いろいろな形で論議をされてきたけれ
ども、ああでもない、こうでもないと日をつぶして、ついに発足できなかった。これが曲がりなりにもここに発足を見たということ、見ようとしているいま瞬間でございます。最近における
勤労者の所得の水準も非常に上がってきております。すでに西欧の水準に近づこうとしている、あるいは追い越そうとしておるというふうな客観的なわが国の
経済情勢を考えますときに、これはやはり
勤労者の方々の
住宅をほしいとか、持ちたいという願望をかなえてやるために、まず
貯蓄を行なう、それに対してやはりできるだけの
援助をする。その
援助の方法については、まだ十分でないにしても、そういう
政策がいままでなかったわけでございます。実は考えてみると、
勤労者の財産形成について何らの特別な対策が今日までなかった。それが、御不満ではございましょうが、この
法律にはあるわけでございます。ないのとあるのとは大違い。これは大きく見ればやはりこれはもう不満である、足りないということはわかりますが、いままでなかったものをここであらしめる。これはだんだんよくしていけばいいわけでありますから、その
意味合いにおいてはまさに画期的なものではなかろうかと、そうも言いたくなるわけでございます。その点で御
審議をいただいておるわけでございますが、まあ詳しいことはまた
局長からよく
答弁させますけれ
ども、私の心境は、その
意味においては、これはこの際ぜひ皆さま方の御
審議をわずらわし、御鞭撻もいただきながら、より一そういいものにしていきたいという願望でございます。よろしくひとつ御
協力を願います。