○二宮
文造君 そんなことを言うと、各県の現職の部長さんがおこりますよ。部長というのは長いこととどまらぬほうがいい、本省からあっせんした人だけはとどまらないほうがいいんですか。地元で部長になっている人は、これはどうします。そんなことを言ったら、一年か二年でやめなければならないのじゃないですか。やめるほうが好ましいという言い方ではないですか。こういう事実がありますから、それを否定する何ものもないので、あっせんとか、また、そういうふうなことで苦しまぎれに答弁されたのだろう、内容がよくわかっておりますから、私はあえて深くは言いませんけれども、ひとつ苦しまぎれの答弁の言い方を、ほかに余波を引っぱるようなそういうことはやめていただきたいと思うのです。
このように交流の
計画はないといっても、昔の内務省の
人事のように、やはり中央官庁の高級のいわゆる特進組の方々は定期的にこのように交流されている。これは私、
自治体の側から言わしますと冒涜だと思うのです。これはかりにほしいから来てもらったならば、その土地の風土なりあるいはそういう気質になれたのですから、定着してもらいたい。あるいはそこで不始末を起こせば、知事在りあるいは
人事委員会の権限にまかせて、その
地方公共団体で譴責処分にするなり
配置転換をするなり、いわゆる
人事権の一切を県にまかすのならわかりますけれども、定期的に人を動かしてしまうというのは、これは私は
自治体の冒涜だ。そのために、当然、長年その地元につとめていて、そして定期昇進ができる、そういう資格を持っていらっしゃる方がたくさんいるにもかかわらず、そういう人が上がれない、
人事が停滞してしまう。そこにまた士気が上がらない、こういうふうな結果を引き出すのじゃないか。この交流、地方
自治体に対する出向と称して、こういう定期的な、昔のような定期
異動みたいな
人事の配置は今後慎むほうがいいんではないか、慎むべきだ、こう私は指摘をして、次にまいりますが、同じように私ちょっと調べてみました。部長職だけを調べてみますと、各都道府県で部長、その部長相当職もいるでしょう、それはややこしいですからはねまして、部長だけで三名いる都道府県を調べてみました。中央から出ている人たちが五名以上いるところ、これは北海道、青森、岩手、その他二十八府県に及んでおります。これは先ほど私が指摘をしたように、地元の採用者にとっては、これほど頭にくる問題はないと思います。これはもう指摘をすることにとどめておきますが、特に新潟県は総務部長、衛生部長、商工労働部長、農林部長、農地部長、このように出向の国家公務員上がりの人に占められてしまっております。それから愛知県においては七名数えられます。それから大阪府においても六名数えられます。広島においても部長職だけに限って四名。それから香川県のような小さな県でも部長職だけに限って五名、総務部長、企画部長、経済労働部長、これは
自治省出身です。この三名、それから厚生部長、土木部長、五名が占められている。こういうふうに二十八府県にわたって五名以上の部長がでんとすわって、これが定期
異動に引っかかっている、こういう実態があることをまず申し述べておきたいと思うのです。これは答弁要りません。
さらにもう
一つ、これは部長とそれからその部に属する主要な
課長、これを並べてみました。要するに部長が
農林省出身であれば、その都道府県の農林部の主要な一
課長はやっぱり中央から出ている人に占められてしまっている。たとえば青森県の場合は農林部長、土地改良
課長、林
務課長、このように占められております。それから総務部長、それから地方
課長、文
書課長、これは
自治省関係で占められております。これは地方
課長、文
書課長といいますと、それぞれの県庁では主要左ポストです。これを
自治省の出身の人で占められて、いわゆる権力
関係ができ上がってしまっておる。これは各県にわたってつくり上げました。たとえば私地元のことですから香川県はよくわかりますが、香川県はこういう実態になっております。
自治省関係だけを申し上げておきますと、総務部長が伊規須徳博さん、総務部次長が津田正さん、企画部長が原徳安さん、経済労働部長大林勝臣さん、要するに部長、次長で
自治省出身が四名おります。その下に
人事課主幹小滝敏之さん、それから広報文
書課長に柘植さん、企画部の主幹に荻野さんという方、こういうふうに
自治省出身の官僚がでんとすわっております。これは
自分の省があがらないので納得して非常にほほんといって感心されていられますが、たとえばほかもありますよ。不公平になりますから各省あげておきますが、たとえば群馬県の場合は衛生民生部長が厚生省出身です。坂村堅太さんという人。そうして薬
務課長が朝倉義臣さん、それから婦人児童
課長が
杉田嶺仙さんという方。それからまだありました。群馬県の土木部長は建設の
関係です、小山謙三さん。そうしてそこには道路建設
課長、
計画課長、住宅
課長、河川
課長、砂防
課長、全部これは建設で占めております。それからやはり特異左現象として、私なるほどなと思ったのですが、茨城がそうです。茨城県が、これは建設
関係ですが、やはり鹿島港の開発の
関係でしょうか、土木部長が下村肇さん、建設。開発部長が豊蔵一さん、建設。それからそこの課にいきますと、開発第一
課長望月薫雄さん、道路建設
課長大池晟也さん、鹿島開発第一
課長藤原良一さん、こういう主要なポストがもう土木
関係で建設に占められております。それから同じように千葉県もそうです。千葉県も土木部長の福崎浩さん、河港
課長、
計画課長、建築
指導課長、宅地
課長、これは建設省出身の方が占めております。それからまた、神奈川県も土木部長、建築部長が建設省出身、そうして道路建設
課長、
計画課長、開発
指導課長、これが建設省出身で占められております。厚生省
関係ももう例に待たず、先ほど申しました。
農林省は、新潟県さすがに米どころ、新潟県はやはり農林
人事が非常に強烈な印象を受けます。農林部長川田稔さん、農地部長竹内昭八さん、部長が二人農林
関係でおります。そうして農政企画
課長、水産
課長、林政
課長、ぴしっと農、水、林にわたって
農林省が占めております。こういう中央から出向された官僚の方々でこういうポストを占め、しかもまた、部長、
課長にわたる縦のラインができてしまいますと、これはどうしても私は、その都道府県で採用になった
職員はもう昇進の機会
——あるいは権力
関係に何かへばりつくか、あるいは仕事をしないか、おせじを使うか、あるいはもう将来の昇進もあきらめるか、あるいはもうよく悪口をいわれております休まずおくれず働かずと、こういうことでやっていくか、いずれにしてもいい傾向ではないと思うのですがね。この点はいかがでしょうか。ひとつ総理府の
人事局長さん、お見えになっておられますが、公務員
制度の問題としてこういうふうな配置のしかたあるいは権力
関係をつくり上げるであろうと思われるようなこういうやり方について、改革を要するとお考えになりますか。