○吉光
政府委員 業種業態によりましていろいろの態様が起こり得ようかと思っております。したがいまして、いまの転換を中心にいたしました今回御提案申し上げております臨時措置法案の運用におきましても、そこらの事態を十分念頭に置いて
考えてまいる必要があろうかと思っておるわけでありまして、今回提案しております臨時措置法案の骨格をなしておりますのは、こういう特恵によって影響を受け、あるいは受けるであろうおそれのあるそういう
業種を特恵
業種として
指定いたします。その
指定されました
業種に属する事業者が——その転換と申しますのは、製造業内での転換というふうに非常に狭く
考えておらないわけでございまして、たとえばある特定の事業をやっておられる方がその敷地等を利用してアパート業をやる、あるいはほかの仕事をやろうといいます場合に、バー、キャバレーのような、そういうふうなところへの
助成ということは非常に困難かと思いますけれ
ども、そうでない限りはっとめて他の事業を広く転換というふうなことで
考えまして、それに対する金融、税制上の
助成措置を講じてまいりたい、こういう非常に弾力性を持った
考え方でこの法案の転換の運用をやってまいりたいと思っておるところでございます。
そこで、実は
助成施策のほうの
関係でございますけれ
ども、ともするとこういう
業種は産地
産業を形成している場合が多いわけでございます。したがいまして、産地のほうの相当の方が集まって事業転換をやろう、ある成長
分野に事業転換をやろう、こういうお
考えの方も出てくるかと思います。こういう場合におきましては中小
企業振興事業団のいわゆる高度化資金、これは六五%まで金利二・七%の非常に安い金利でございます。それはしかも償還期間が十六年、これは振興事業団の中で一番長い償還期間をとったわけでございますけれ
ども、そういうふうなことで集団して、一緒に共同して新しい
分野について事業をやってまいろうというふうな方につきましては、そういう
助成措置で後援をいたしてまいりたいと思っております。
それから、個別
企業の方々が個別
企業として事業転換をやるというふうな方々に対しては、これも新しく中小
企業金融公庫の中に特恵転換ワクというものを創設いたしました。これは特利でございまして、金利は七%、償還期限は十年でございます。そういう特恵転換のための金融のワクを
一つ準備いたしております。
それから、さらに金融
関係で信用保証協会の
機能が現在非常に重要さを増しておるわけでございます。これを利用される方が多いわけでございますけれ
ども、この信用保証
制度の中にやはり特恵転換のための特別の
制度を創設いたしまして、これは安い料率でしかも損害が出ました場合、保険公庫、したがいまして国でありますけれ
ども、国が普通のてん補以上のてん補を信用保証協会にやるというふうなことで援助をしておる施策でございますけれ
ども、こういう手段を講ずることによりまして
一般金融の導入を容易にするというふうな措置をもあわせ講じたいと思っておるところでございます。
以上が金融施策の中心でございますけれ
ども、さらに税制上の問題といたしまして、現に持っておる
設備につきまして、まだ
耐用年数、償還期限が一ぱい来ておらないというふうなものにつきましても、それが特に特恵転換のために不要となる
設備であるというふうな場合には、繰り上げ償却が可能であるというふうな道を今回つけたいということで、これも法案の内容になっておるところでございます。
それから、御
指摘ございました労働者
対策等の問題につきましても、やはり国のそういう職業訓練その他につきましての国の施策をフルに活用できるよう、この法案の中で労働者に対する施策につきましての
努力義務を国に課しておる、こういう組み立てになっておるのでございます。