○
山中(吾)
委員 本案に対して、日本社会党、公明党、日本共産党共同提案で、民社党の賛意を得て、修正案を提案いたしたいと思います。修正案の内容について申し上げます。
国立及び
公立の
義務教育諸
学校等の
教育職員の
給与等に関する
特別措置法案に対する修正案
国立及び
公立の
義務教育諸
学校等の
教育職員の
給与等に関する
特別措置法案の一部を次のように修正する。
第三条第一項中「第三項及び」を削り、同条第三項を削る。
第七条第一項を次のように改める。
国立の
義務教育諸
学校等の
教育職員(俸給の特別調整額を受ける者を除く。以下この条において同じ。)を正規の
勤務時間(給与法第十四条に
規定する
勤務時間をいう。第三項において同じ。)をこえて
勤務させる場合は、
文部大臣と
国立の
義務教育諸
学校等の
教育職員の過半数で組織する職員団体(国家公務員法(昭和二十二年
法律第百二十号)第百八条の三の
規定により登録された職員団体をいう。以下この項において同じ。)があるときはその職員団体、当該
教育職員の過半数で組織する職員団体がないときは当該
教育職員の過半数を代表する者との書面による協定で定める場合に限るものとする。
第七条第二項中「
一般の職員に対して」を削り、「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の協定においては、その
勤務させることのできる限度についても定めるものとする。
第十条及び第十一条を次のように改める。(
公立の
義務教育諸
学校等の
教育職員に関する読替え)
第十条
公立の
義務教育諸
学校等の
教育職員については、
地方公務員法(昭和二十五年
法律第二百六十一号)第五十八条第三項本文中「第二十四条第一項」とあるのは「第二十四条第一項、第三十六条」と読み替えて同項の
規定を
適用するものとする。(
公立の
義務教育諸
学校等の
教育職員の正規の
勤務時間をこえる
勤務等)
第十一条
公立の
義務教育諸
学校等の
教育職員(管理職手当を受ける者を除く。以下この条において同じ。)については、当該
公立の
義務教育諸
学校等を設置する地方公共団体の教育
委員会とその設置する
義務教育諸
学校等の
教育職員の過半数で組織する職員団体(
地方公務員法第五十三条の
規定により登録された職員団体をいう。以下この項において同じ。)があるときはその職員団体、当該
教育職員の過半数で組織する職員団体がないときは当該
教育職員の過半数を代表する者との書面による協定をした場合においては、当該
教育職員を正規の
勤務時間(給与法第十四条の
規定に相当する条例の
規定による
勤務時間をいう。以下この項において同じ。)をこえて
勤務させ、又は給与法第十七条第二項の
規定に相当する条例の
規定により休日
勤務手当が
一般の職員に対して支給される日において正規の
勤務時間中に
勤務させることができる。
2 前項の協定においては、その
勤務の内容及び限度について定めるものとする。
3 市町村立
学校職員給与負担法第一条及び第二条に
規定する職員で
教育職員であるものに対する第一項の
規定の
適用については、当該
教育職員は、当該都道府県の設置する
義務教育諸
学校等の
教育職員とみなす。
以上が修正の内容であります。
提案の理由を簡明に申し上げたいと思います。
第一は、この
法案は、教職調整額四%を支給することと引きかえに、近代
労働関係の憲法とも称さるべき
労働基準法の
適用除外を企図しておることを、われわれは承服することはできない。あくまでも
労働基準法第三十六条の
規定に基づいて、教育
関係労働者の
文書による協定に基づいて
超過勤務手当というものを支給することは、近代
労働の大
原則であり、これを無視する
法案には賛成できない、これが第一の理由であります。
第二、
人事院の
意見の中に、教育及び教師の
勤務の特殊性、特に自発性及び創造性に期待することが多いという
趣旨のもとに、
超過勤務手当を否定をしておる、なじまないという
人事院の
意見でありますけれ
ども、自発性、創造性を期待するならば、
勤務命令こそなじまないのであって、一定の
労働を特定の人間に命じた場合には給与の公平の
原則に基づいて何らかの手当は支給すべきであるという
原則はなじまないという論理がわからない。この意味において、
超過勤務手当は支給すべきである。もし実態において測定不可能なものについては調整額は正当であると思うが、測定可能なるものについては、
超過勤務を命じた者に対して公平の
原則に基づいて支給すべきである、この
趣旨の修正であります。この点については、専門職であろうが、あるいはいかなる職業であろうが、
勤務を命じた者に対してそれ相応の手当を支給するという
原則は、近代
労働関係のいかなる場合でも否定できないと
考えるからであります。
第三に、
労働基準審議会からの
建議が出ておるのでありますが、その中に、
超過勤務手当を支給すること自体は最小限にとどむべきであるという
基準法の精神に基づいて、
関係職員の
意向が反映するように、そしてまた、
超過勤務手当支給については限度も明らかにするという
建議がございます。この
建議が、この
法案に、
法律上に何ら明示されていない。
この三点で、どうしてもこの
法案に対してわれわれは賛意を表することができない。
教員の給与改善、賃金向上については、われわれ熾烈なる要望を持っており、さらにもっと国の理想実現のために、また教育基本法に基づいて、民主的、文化的な国の理想実現のためには、教育基本法の前文にあるように、根本においては教育に待つべきであるというあの精神を踏まえてみたときに、さらに賃金向上、
労働条件の改善、給与の改善はすべきである、今後その方向にあらゆる
努力を払うべきであるという信念にわれわれ立っておるのでございますが、そういう意味において、この
法案が前進基地になるのかあるいは抑制の基地になるのかということについて、いま三点われわれの修正の提案理由を説明した中に非常に疑問がある。こういう意味においてこの修正案を提案した次第であります。
委員会においては、提案
趣旨の説明をいたしましたわれわれの修正案に、慎重御
審議をいただきまして、賛同されることを切望いたしまして、提案の説明を終ります。(拍手)