○山原
委員 三十六年、
連携教育の方向が打ち出されたときの精神に返って検討すべきだと私は思うのです。たとえば問題作成、そして試験の監督、そして採点というものが企業側だけにまかされるということ、これは許されないことでしょう。だから、それがあるとすれば、私の資料の中にはそれが出てきておりますので、よく調査をして検討してもらいたいと思うのですが、私はここでひとつ資料を要求したいと思うのです。
全国の
定通制の教職員の構成ですね、これはどうなっておるかということが
一つです。それから、
連携施設で免許状を持っておる
教員数の状況です。はたして企業において正規の免許状を持っておる方が、最初のとおりあるのかという疑問を私は持っております。さらに、その
先生方はどこから報酬をもらっておるかという問題です。報酬です。この点を要求しておきたいと思います。
次に、いまの問題に関連しまして、
定時制の場合も兼務教師というのがずいぶん多いですし、それから私の県では
定時制に約三十名の臨時
教員がおります。この問題についてちょっと触れたいと思うのです。
臨時
教員の問題、これは
文部大臣もよく御
承知のことと思います、いままでずいぶん国会でも論議されましたから。この様態がなかなかつかみにくいのです。臨時講師、あるいは時間講師、あるいは
定数内の助講師というようないろいろな名前で呼ばれたりいたしまして、その様態がなかなかつかみにくいのです。つかみにくいのですが、全国にはかなりの数のそういう
先生方がおられるわけであります。これをどうするかという問題ですね。
これは非常に深刻な問題でありまして、ちょっと例を申し上げてみますと、たとえば待遇の面におきましては、赴任旅費は一切支給されておりません。だから産休もありませんね。女の
先生の場合産休もありません。あるいは各県で
先生方にいろいろな形で支給されておる、たとえば図書券であるとかいうような形の優遇
措置も何にもありません。ボーナスもありません。時間講師に至っては全く何にもない。そういう状態に置かれております。まさに全く無権利な状態なんですね。
そして
給与の点をちょっと調べてみますと、時間講師の場合、高知県の場合ですが、一時間四百四十円です。そしてほかに、一切金目のものは入手することはできないわけです。そしてある
高等学校の
社会科担当の男の
先生、五年目をいまつとめておりますけれども、この場合に四百四十円で一週八時間教えております。そうしますと月一万四千八十円です。一万四千八十円の給料です。ところが、交通費が月四千三百二十円要っております。この方は自宅から通っている例でございます。もう一人の
高等学校の三年目をつとめている男の
先生の場合ですが、これは昨年の四月から九月までつとめまして、一週八時間、月一万四千八十円です。下宿代が一万三千円です。残金が千八十円ということになるのです。これで
生活せよといったところで、全くこれは
生活できるような状態ではありません。ただ
子供を教えておるだけだ。しかも赤字で教えておるというような状態ですね。
期限つき講師の場合を見てみますと、これはある程度つとめますと、今度は自宅待機ということになるわけですね。
文部大臣はよく御
承知だと思うのですが、自宅待機の期間は給料はもちろんありません。保険にも入ることはできません。全く自宅でただおろおろして、次にお声がかかるのを待つといった状態なんですね。だから二年目を迎えている女の
先生ですけれども、昨年の四月から七月までつとめまして、そして八月から三月までは自宅待機ということで、八カ月間無給の状態に置かれている。お嫁に行くこともできなければ、他に就職することもできない。いつまた
学校へ来てくれというお話があるかもしれないというような状態です。
それからもう
一つの例は、定員内の講師の場合です。一年間定員内におりまして、正
教員と同じような仕事をするわけです。ホーム主任もやります、あるいは
教科主任もやります。しかし、講師なんです。当然教諭という名前がつけられなければならないにもかかわらず、講師で置かれておる。中
学校の辺地校の一体育
教員の例を申し上げますと、この
学校には体育の教師は一人だけしかおりません。この
先生です。しかもここは体育の
研究指定校になっておりますので、
教科主任としても働いております。ところが、八月が来ますと、八月は今度は給料が出ないのです。お休みですから給料が出ないけれども、
研究指定校ですから、やはり
学校に行って
子供たちを
指導せざるを得ない、こういう状態。こういう状態で置かれておる定員内の講師が多数おるわけですね。
そして今度は転勤の場合を見ますと、まさにたらい回しという状態です。これは一人の
高等学校の女
先生、五年目を迎えておりますが、転勤が八回目です。三年間に辞令を十一枚もらっておる。数え上げれば切りがありませんが、これはよくおわかりのことと思うのです。
こういう形で、それだからこそ人一倍
教育に対する愛着も持っております。
子供に対する愛情も持っておる。そういうものがこういう状態で放置されてよいかという問題です。全国にこういう
先生方が非常にたくさんおられますので、これに対しては、どうしてもまずこれに対する十分な調査をしていただきまして、どういう様態にそういう方々が置かれておるのか、それに対する救済の
措置は、具体的にはこういうことがある、こういうことがあるというのを出していただきたいと思うのです。私の県の臨時教師の
先生方が書きました「嘆きを怒りに」という本があります。序文を私が書いておるから気に入らぬかもしれないが、しかし、これはほんとうに苦しみの中で耐えかねて書いた「嘆きを怒りに」という文章でありますが、
文部大臣にこれを読んでいただきたい。私の序文あるから、それは飛ばして読んでいただきたい。最後に、それにつきまして
文部大臣の決意のほどを伺っておきます。