○
松浦(利)
委員 私は、
小売り店の名前をここで申し上げませんけれ
ども、実際に商社が
小売りの
段階にまでもうおりてきておるのですね。そうして、いつの日かその米の
流通機構というものを完全にわが掌中におさめようという準備を、
現実にもう始めているのです。しかし、こういうことに対して、私は、ある本か雑誌でしたか、
農林省の担当官の談話を読んだんですが、二兆という取引をやれるような財源措置がない、そういう金を持った商社というのはおらないんだ、こういうふうに言っておるわけですよ。だから、将来にわたって、商社が
流通機構を支配する、
流通機構の中に介入してくるということは想像できないんだということを言っておられるのです。
しかし、よく考えてみると、
一つの商社でやろうとしたらそれは無理かもしれないけれ
ども、
現実的にそういう
流通機構を支配しようとして動いておる商社というのは、もうすでに四つか五つ出てきておるということは、もう
次長さん
御存じだと思うのですが、そういうことを考えてまいりますと、この米の統制をはずしたということは、逆にいうと、いままで
食管法の
ワク外に置いておいた
自由米を生き返らせて、しかも
消費者に対して、おいしいお米を食べたければ高いお米になりますぞ、安い米が食いたければ
政府が
放出する米を食いなさい、こう言いたいところだけれ
ども、結果的に、その
政府の
放出する米も、商社が握るこの
流通機構にしかない。
そういう状態を想像すると、そういうことが絶対ないということをあなたがここで
保証されても、先ほど言われた経過から見るならば、なかなかそれに歯どめをするような方法というものは見つからないわけですから、結果的に
物統令をはずしたというそのはずしたという行為が、私は、将来に向かっては、
食管法そのものをもうくずしてしまって、米が結果的には
政府の手から離れてしまうという方向の第一歩になるのではないか。いますぐそうなると言っているのじゃないですよ。これから五年、六年、七年とたつうちに、いつの間にか
消費者は、米というものはそういった流れの中で買わされてしまうという状況が生まれてくるのではないかということを非常に心配するのです。だから
消費者が騒ぐのですよ。だから主婦団体の人たちが、
消費者米価が上がるのじゃないかと、こう言って騒ぐのです。ところが、どうも最近の
政府は、いますぐ上がると言っておるが、だいじょうぶですといって、こうやっておるのですね。ところが、そうじゃないと思うのです。
消費者が敏感に反応しておるのは、実は、将来にわたって米が上がるのではないかというところの危惧を盛んに心配しておるのです。
いま私がいろいろと回りくどく申し上げましたが、私は、私自身も、どうもいま
次長さんの
お話を聞いておっただけでは、米が絶対に上がらないという
保証はないと思うのですね。そういう状態が出てきたときに、米は絶対に上げないような方策をきめて
物統令をはずして、そういう状態が
——かりにですよ、これはできるかできないかわかりませんが、結果的にそういう
事態が起こってきたときに、
政府がこれに対してどういう歯どめ策を持っていますか。こういうことが起こったときにはこういう歯どめをするから、
消費者諸君、だいじょうぶだ、こういう歯どめ、そういうことを具体的にきちっと教えていただきたいと思います。