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熊谷委員 次に
総合農政に関連してお伺いしたいと思いますが、
総合農政を今後強く進めていかなければならないということに対しての要因はいろいろあるわけでございますが、とにもかくにも、米のみならず農産物の
需給の
バランスを各種目についてとってなるべく国外よりの
輸入を見ないで
運営していくというようなことは必要であると思うわけでございます。そうしたような
意味合いからしまして、
畜産であるといわず、あるいは果樹、野菜その他の各
農業の分野におきまして
需給の
バランスをとりつつ、さらに
国際価格との調和をはかっていく、こうしたようなことのためには、いろいろの施策を重ねなければならないわけでございますが、何といってもその基本になるものは
農業規模の拡大であり、
生産性を上げて
農家所得を増大していく、こうしたようなことに持っていかなければならない、こういうようなことを考えるわけでございます。例を私の
出身県の
青森県にとってみましても、
国有林野の占める率は全
県林野の七〇%にも達するというような
国有林県でございます。そして、今後の
農政の
方向としましては、何としても米を押えられた現状におきましては、
畜産に重点を置いてこの
経営規模を拡大していかなければならない、そうした情勢にあるわけでございます。
本
委員会において、審査の
過程で
現地調査をやった場合に、
青森県にも参りました。その場合に六ケ所村という
地域に参りまして、
酪農団地に参りまして、
組合長からいろいろと事情を聞いた。そうした場合に、何が一番望ましいことであるかというようなことに対して、
酪農組合長の言いますことには、現在個々の
酪農団地においては一戸
当たり乳牛を十頭あるいは十二頭
程度を持って、
粗収入百万円
程度をあげている。これではどうも安心した営農ができない。こうしたようなことで、せめて現在の
乳牛の十頭を倍の二十頭あるいは二十二、三頭にまでふやしたい。そうして
粗収入二百万をこえる
程度の
農業経営をやっていけば前途に対してそう不安を感ずることなしに持っていけると思っている。そうしたようなことから、
国有林野の利用について
当局に
要望しているけれどもなかなか応じてくれない。三、四年の交渉の
経過を経て、ようやく十数戸の
酪農家に対して
分譲払い下げを認められた数量はわずかに三ヘクタール、四ヘクタールに満たない
程度のものだ。これではとうてい
経営規模を拡大して
農家の安定をというわれわれの願望に沿うにははるかに距離がある。しかも、周辺は
国有林野で一ぱいだ。そして、そうそう
林野の
運営に効率的な
運営をされている
地域でもない。にもかかわらず、そうしたような
状況下に置かれている。何とかしてこれを、われわれの
要望がそう
困難性を持たずに実態に合わせて実現ができるようにしてもらいたいものだと切々と訴えておったわけでございます。これはただ単に六ケ所村だけの問題ではなしに、
青森県の各
地域において同じ
現象がある。また、東北のごとく
国有林野の多い
地域におきましては、現在もその当時の
状況である。そしてさらに、いま
総合農政の強い撤回を求められているこの段階におきましては、そのような要請の
地域が非常に多いことと思うわけでございます。私は、この
法案を一日も早く
成立さして、そうして
国有林野の
活用の面にそうしたような意義を持たせるということが絶対に必要だ、こういうふうに考えておるわけでございますが、これに対しての
政務次官の御見解をひとつお伺いしたいと思います。