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1971-03-25 第65回国会 衆議院 内閣委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年三月二十五日(木曜日)     午前十時十二分開議  出席委員    委員長 天野 公義君    理事 伊能繁次郎君 理事 熊谷 義雄君    理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君    理事 塩谷 一夫君 理事 大出  俊君    理事 伊藤惣助丸君 理事 和田 耕作君       阿部 文男君    伊藤宗一郎君       加藤 陽三君    笹岡  喬君       辻  寛一君    中山 利生君       葉梨 信行君    堀田 政孝君       山口 敏夫君    鬼木 勝利君       鈴切 康雄君    竹本 孫一君       東中 光雄君  出席国務大臣        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君         建 設 大 臣 根本龍太郎君  出席政府委員         防衛庁参事官  鶴崎  敏君         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         運輸大臣官房長 高林 康一君         運輸省船舶局長 田坂 鋭一君         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省航空局長 内村 信行君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省都市局長 吉兼 三郎君         建設省道路局長 高橋国一郎君  委員外出席者         防衛庁経理局施         設課長     蔭山 昭二君         外務省アメリカ         局外務参事官  橘  正忠君         外務省アメリカ         局安全保障課長 宮川  渉君         運輸省航空局技         術部長     金井  洋君         建設省都市局参         事官      石川 邦夫君         日本国有鉄道建         設局長     内田 隆滋君         内閣委員会調査         室長      茨木 純一君     ————————————— 委員の異動 三月二十五日  辞任         補欠選任   受田 新吉君     竹本 孫一君 同日  辞任         補欠選任   竹本 孫一君     受田 新吉君     ————————————— 三月二十四日  旧軍人に対する恩給改善等に関する請願外三十  七件(八田貞義紹介)(第二八二四号)  靖国神社国家護持早期実現に関する請願(進  藤一馬紹介)(第二八二五号)  靖国神社国家管理反対に関する請願佐藤観  樹君紹介)(第二八二六号)  同外六件(上原康助紹介)(第二八二七号)  同外六件(川村継義紹介)(第二八二八号)  同(林百郎君紹介)(第二八二九号)  同外六件(八木昇紹介)(第二八三〇号)  同外六件(山中吾郎紹介)(第二八三一号)  同外六件(山本政弘紹介)(第二八三二号)  同(佐藤観樹紹介)(第二八九九号)  同外三件(石橋政嗣君紹介)(第二九一五号)  同(佐藤観樹紹介)(第二九一六号)  厚木基地跡地利用に関する請願平林剛君紹  介)(第二八七七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第二二号)  建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第二三号)      ————◇—————
  2. 天野公義

    天野委員長 これより会議を開きます。  運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤惣助丸君。
  3. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 運輸省設置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、米軍基地返還に伴うところの、その民間航空等使用、また航空管制等について質問したいと思います。  御存じのように、昭和四十五年十二月二十一日の日米安保協議委員会第十二回会合で大幅な基地縮小計画が発表されたわけであります。それによりますと、日本側から愛知外務大臣中曽根防衛庁長官米国側からはマイヤー駐日大使マッケーン太平洋軍司令官が出席して、大要次のような話し合いが行なわれたわけです。それはニクソン・ドクトリンというものに沿って日本及び他の極東地域に対する安全保障を果たすためのいわば米国能力を最低限に残し、そして極東にある、特に日本にある米軍基地施設を徹底的に再検討して、そしていわばその施設、区域というものを縮小する、こういうことでございます。その大部分は米国に戻るかまたは日本国あるいは極東地域内に移駐される。そしてそれによりますと、特に運輸省に関係ある問題だけを申し上げますと、板付飛行場あるいはまた厚木飛行場、それから横須賀の艦艇施設ですか、こういったものが縮小されるということであります。  そこで、いままでしばしばその縮小計画については運輸省及び防衛庁等において話し合いをしておる、検討中であるというふうにいわれてまいりましたが、聞くところによりますと、だいぶ事務レベルでの話し合いが煮詰まってきておる。しかも六月三十日までにはその結果を、あるいはまた話し合いの上今後の使用状況などを明らかにする関係からもそのような進捗状況がある、このように承っておりますので、順次これらの基地に対する運輸省考え方について伺いたいと思います。  まず厚木飛行場でありますが、これは六月末までに移駐する、そして共同使用が行なわれる、こういうふうにいわれておりますが、まず初めに運輸省のいままでの話し合い経過と、それから六月以降における運輸省としての基本的な構想を伺いたいと思っております。
  4. 内村信行

    内村(信)政府委員 厚木飛行場について申し上げます。  厚木飛行場につきましては、私どももかねがね民航基地として使いたいというふうな希望を持っておりましたけれども、いろいろ防衛庁のほうとも話し合いをいたしました結果、管理防衛庁において行なう、それから民航共同使用さしてもらうというふうなことで、話がついております。そこで、私どもといたしましては、羽田もだんだん詰まってまいりますのは御存じのとおりでございますけれども、一方成田のほうも、まだいますぐ急速に開港というふうには至らないということでございますので、厚木というものをやはり民航に使ってまいらないと、民航需要はこなせないというふうなことが実情でございます。  そこで、先生御指摘のございましたように六月末、七月一日でございますかに移管されるわけでございますけれども、それに先立ちましても実は厚木を使わしてもらいたいというのが率直な私ども希望でございます。そこで、これはそれまでの間は防衛施設庁ないし米軍管理でございますので、そちらのほうともいろいろ話し合いをいたしまして、また地元のほうにもいろいろな御意見がございます、騒音が非常にやかましいので民間機が来てもらっては困る、こういうふうな強い御意見もございますので、その辺もいろいろ実情を御説明申し上げながら何とか早く使わしてもらいたいということをいま折衝の段階でございます。したがいまして、移管される前からも実は使わしていただきたい。それから移管された後、これは七月一日からになると思いますけれども防衛庁のほうといまお話をいたしまして、やはりある程度民航にも使わしていただきたいということで現在折衝中ということでございます。大体このような経過をたどっておるのでございます。
  5. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 ただいまのお話によりますと、防衛庁が一応管理して民間航空にも使わしてもらうということなんですが、防衛庁に伺いたいんですが、私たちから見ますと、現在あの周辺にも飛行場がたくさんありますね。たとえば百里、下総、また埼玉県の入間などがあるわけでありますけれども近郊に現在自衛隊四つ飛行場を持っておりますね。にもかかわらず、なおかつ厚木についても自衛隊管理の上に自衛隊が使うという使用目的ですか、使用態様というものを、わかりましたらひとつ聞かせていただきたい。
  6. 久保卓也

    久保政府委員 いまの問題は、二つの面から見る必要があると思うのです。  一つの面は、航空交通の安全の面であります。この面からいいますると、航空路が、図面でごらんになると非常によくわかるのですけれども関東地方の東半分というのは非常にふくそういたしております。そういう点からいいますると、できるならば、たとえば民航軍用機といいますか、自衛隊機とは分けたほうがよろしい、ジェット機プロペラ機は分けたほうがよろしいというふうに、これは地上交通でも同じことが言えるわけでありますが、なるべく分離交通がよろしいということ。非常にふくそうした中で、なるべくならばそういった事態を航空交通の安全のために避けていきたいという分野一つあります。  それからもう一つ分野は、下総飛行場を現在使っておりますけれども、いま申し上げましたような事情がありますので、訓練の上で進路といいますか、航路が非常に制限されます。どうしても民間航空を優先すべきでありますので、わがほうは訓練のためにそういう点で支障がたいへんあるということ。それから救難なんかの場合に出かけていきますけれども航空路が非常に狭い分野に制限されます。そういう点からいいますると、関東地方の西半分のほうはわりあいすいているという意味で、厚木飛行場を利用したいということであります。また、かたがた厚木飛行場は、米軍としてもいわゆるリエントリーといいますか、再使用ということで留保を非常に強く希望しておりますので、やはり米軍の、いうならば軍用機自衛隊機との共存のほうが望ましいということであります。ただ、先ほど航空局長も申されましたように、民航需要ということも、たいへん関東地方の動きは強いのでありますので、私先ほど言いました分離交通の上からは支障があるわけでありますけれども、やむを得ず共同使用の形で進むのが妥当ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  7. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 自衛隊のほうは民間共同使用する。そしてまた状況については、なるべく分離交通にしてスムーズにしたいということでありますが、私がいろいろ調査していきますと、現在の日本における民間航空というのは飽和点にきているのではないかと思うのですね。そういうような状況の中で、残された飛行場横田とか厚木とか、関東周辺においては重要な大きな飛行場があるわけでありますが、それに対する運輸省の期待と、また現在のどんどんうなぎのぼりに利用される飛行場需要といいますか、そういうことからいっても、これはもうたいへん重要な国策一つであるというふうに考えられるわけであります。たしか羽田は一分半に一機の離着陸がある。しかも年年国内で三〇%、国際線でも二〇数%の伸びがきているというようなことを聞いているのですが、まず民間航空の実態を簡単に伺いたいのです。いかがですか。
  8. 内村信行

    内村(信)政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、民間航空伸びは、国際航空もあるいは国内航空も非常に著しく伸びております。そこで国際航空につきましても、先生おっしゃいましたように二〇数%、大体この三年間くらい平均して伸びております。国内航空も三〇数%というふうな伸びでございます。そこで現在、これはちょっと古うございますが、昭和四十年度をとりますと、国際線が約二百八十万くらい。それから国内線のほうが大体千二百万弱くらいでございます。大体そういうふうな趨勢で伸びてまいりますので、昭和五十年になりますと、おそらく国内線が四千万くらい、それから国際線が一千万くらい、そういうような数になるのではないかというふうに、これはマクロでございますが、一応想定はされます。さらにそれが昭和六十年ごろになりますと、国内線が一億五千万、国際線が四千万といったような相当大きな爆発的な伸びを示してくるのではないかというふうに一応想定されるのでございます。  そこで一番問題になりますのは、飛行場の問題でございます。飛行場につきましては、もちろん新全総あたりにおきましても、国内地域の均衡ある発展国土の均衡ある発展というようなことから、全国土を平均的に発展させようというふうな施策がとられておりますけれども、それが実現いたしまして各地方地域というものが発展いたしますといたしましても、やはりどうしても中心になる東京なり大阪なりというところが交通上の中心点として存在しなければならぬ。したがって、将来のパターンから申しますと、東京地方、あるいは大阪地方、こういうふうなパターンというものがどうしても主軸とならざるを得ないだろうというふうに私ども考えております。そこでどうしても東京大阪中心にして空港というものを整備していかなければならぬというのが今後の航空のやはり大きな方向ではないかというふうに考えております。  そこで私どもも、先生先ほどおっしゃいましたように、羽田につきましてはもう飽和状態に達しておりますので、これにつきましては、早く成田空港をつくりまして国際線をそこに移しますと、国内線相当余裕が出てまいります。そこで使うということがオーソドックスな姿でございますけれども、それにしましても、まだ成田はいますぐというわけにまいりません。したがいまして、幸いにして厚木等の移管が行なわれますれば、その厚木等につきましても、少なくとも成田ができますまでは民航に使わしていただく。それからまた成田ができましても、あと羽田能力にはやはり限界がございますので、ここ数年たちますとまた再び羽田が一ぱいになるであろう。そういうときは、さらに厚木をもう少し本格的に使わしていただきたい、これは希望でございます。  それから、さらにその先これもまた詰まってまいりましょう。その際には現在の羽田空港、これをさらに埋め立てて拡張いたしてまいる。それで滑走路をふやしていくというふうな方向で考えてまいる。さらにその後成田もまた将来詰まってまいりましょうから、その際は横田等返還計画に入れまして、そこを国際線にも使ってまいるということを長期的には考えていかなければならないだろう。  まあ、このぐらいをやりますと、東京近郊と申しますか周辺では、いわゆる主要な空港というものはもうリミットではないか。それ以上はちょっとできかねるというふうなことではないかというふうに考えております。  それから大阪につきましては、伊丹空港がたしか昭和四十四年で年間の離発着が十二万回ぐらいあります。それで、これもこのまままいりますと来年度にはもうリミットにくるだろうというふうに考えております。そこで、なるべく機材を大型化いたしますとか、あるいは東京から大阪経由地方へ行くものを直行さして大阪のほうの使用を減らしていくというふうないろいろなことを考えましても、やはり五十一年前後には伊丹も苦しくなる。もっと早くあるいは苦しくなるかもしれないということで、これもまた新しく関西に新空港をつくりまして、いま目下調査中でございますけれども、これは騒音の問題その他でございますが、できるだけ早く地元の方々の御理解と御協力を得まして関西の新空港建設をいたしまして、それによりまして大阪のキャパシティーをふやしてまいりたい。  こういうふうに考えているのが大体の構想でございます。
  9. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 いま航空局長からいろいろ伺ったわけですが、成田ができても数年にしてまた狭くなる。その場合は羽田を埋め、さらにまた横田飛行場までもこちらに関放してほしい、そうでなければ需要には対応できないというようなお話でございます。私もデータを見ましてそんな感じを受けるわけでありますが、それにつきまして自衛隊からいまそういう答弁があったわけでありますけれども、先ほどの防衛局長答弁では、民間との共同使用をするということでございますが、何か海上自衛隊ですかが使用するというふうになっておるのでございますが、その程度でしたらもう少し民間厚木を開放してもいいんじゃないかという感じを受けるわけなんです。たとえば厚木が、海上自衛隊が使うなら、おそらくP2Vだとか、そういうものだと思うのです。どういうような今後の計画があるのか、また戦略上においてもそういった防衛的見地から見ても、どういう一つの評価をしておるのか、その辺ももう一回伺いたいと思います。
  10. 久保卓也

    久保政府委員 結局民間航空という国内の民需といいますか、そういうような一方の要請と、それから日本安全保障という別の要請とが競合するわけでありまして、必ずしもものさしが一緒ではありませんので、なかなか比較がむずかしいわけでありますけれども、やはり極東の安全と平和ということが日本の安全につながってくるという見地からいたしますと、一つには、米側日米安保体制に基づきまして適当な基地については一応留保しておきたい。その場合に問題になりますのは、米側リエントリー、再使用する場合に非常にスムーズに円滑に使えるということを非常に強く要望しておるわけでありますし、私どもといたしましても、日本自衛隊のみで日本の安全が保障できないという見地に立ちますと、やはりそういった再使用がスムーズにできるということがいわゆる日本安全保障につながりますし、また抑止力の一環を形成するものであるという見地に立つわけであります。そういった米側の再使用の円滑な確保という面が一つございます。  それからもう一つは、先ほど申し上げました日本自衛隊の中でP2Vの近海における哨戒機能というものをやはり確保しておく必要がある。先ほど申しましたように、下総の場合ですと民間航空が非常にふくそうしておりますので、それで南のほうあるいは東のほうに出るのに非常に支障がございます。ところが関東地方の西半分のほうですと非常にすいているということで、相模湾のほうにまっすぐ出るのが楽である、そういうような見地からいたしますと、将来におきまして近海における海上交通の保安といいますか確保といいますか、そういう面で見ると厚木飛行場というものは非常に有利になるというような見地であります。しかしそういった機能を留保しながらも民間航空との両存、併存というものを確保してまいりたいという考え方であります。  なお現在のところでは、さしあたりまして厚木に持ってまいりますのは、下総にありますS2Fという双発の小型の哨戒機十一機ばかりでありますが、いずれ近い将来におきましてはP2V、P2Jを十数機持ってまいりまして、計三十数機くらいになると思います。この場合に民間航空につきましてわりと有利な面は、ジェット機とかあるいは米海軍使用しておりましたような飛行機ではありません。したがいまして、米海軍の場合にはいわゆるタッチ・アンド・ゴーといいまして、正式に着陸いたしませんで、着陸しかかってまたすぐ離陸するという訓練を再々繰り返すわけであります。そういった訓練艦上機航空母艦に搭載しておる米海軍飛行機でありますのでそういう訓練が非常に行なわれるわけでありますが、自衛隊の場合には哨戒機でありますから、たとえばP2Jですと海上に出て六時間、七時間という訓練を行ないます。したがいまして、離発着回数は比較的少ないということでありまして、そういう分野においては民間航空確保し得る余地が相当にあるということであろうと思います。
  11. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 大臣、いままで航空局長及び防衛庁からの意見を聞いたと思うのです。そこで大臣に伺いたいのですが、民間航空というものは、国際的にもきわめて大事といいますか、国策上どうしても今後数をふやさなければならない方向だと思うのです。本来からいいますと、厚木とか横田とか、そのほかに立川だとか調布とか、さらにジョンソン基地とかたくさんの米軍基地飛行場があるわけですね。ですからこれらの中で、二条四項(b)という地位協定によらない、いわば民間が完全に使えるという基地一つくらい確保してもいいのじゃないか。またそういう理由がある。たとえ米軍が再使用のときに一つの権限をそこに留保するという政府の立場に立って考えてみても、立川厚木横田という中で一つくらいは返してもいいと私は思うわけであります。  そこで大臣は、そういった点につきまして防衛庁のいまの行き方でいいのかどうか。国策の上から言うともう少し強力に、民間専用飛行場返還という強い態度でいくべきではないか。先ほど航空局長の話によれば、横田ども含めて一つ構想に入れておるようでありますが、その点なんかも大臣の考えを明らかにしていただきたいと思います。
  12. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 原則として伊藤さんのおっしゃることはごもっともだと思います。ただ、自衛隊であれ運輸省であれ、国の機関であると同時に日本の将来を考えたそれぞれの政府機関でありますから、したがって一方的な主張も実際上の問題としてはむずかしい問題があろうと思います。のみならず、先ほど航空局長答弁しましたように、三〇%をこえる需要が最近ずっとふえておるわけですけれども総合交通体系という点から考えて飛行機の持つ役割ももちろん重要でありますが、ただ漫然と伸びに従ってこれを行なうのがはたして総合交通体系かどうか、これも地上飛行場等の整備にもかんがみましてよほど考えていかなければならぬ問題があろうと思います。しかしながら、やはり近代交通機関の花形でありますから、航空機による旅客輸送というものは重視をしていかなければなりませんので、できるだけ民間航空に使っていきたい、こういうことでありますが、これは防衛庁長官とも話し合っておるのですけれども、一朝事あるときは当然それらの飛行場が使えるのですから、ふだんはできるだけ民間航空で使える道を講じておいてもらいたい、かように要請はいたしております。しかし、防衛庁長官が言っておるように専守防衛国家ということからいいますと、やはり国防というものをゆるがせにできませんので、今後の問題はどこが所管するとか専用飛行場とかいうことだけでなく、問題はやはりお互いが十分に理解し合って、現実に必要な面はお互いに譲り合うということであれば運営上はうまくいくのではなかろうか。たとえば千歳飛行場自衛隊飛行場でありますけれども民間飛行場としてかなり自衛隊も協力してやってくれております。したがって厚木返還されるにつきましても、ただいま防衛局長のほうから話がありましたように、比較的民間航空のじゃまにならないような仕事が中心である、したがって民間航空の上においてできるだけの便宜をはからおう、こういうような見地のようでありますから、運用上からいって十分に目的を達成することができるのではないか。  ただ私たちが心配しておるのは、民間機がいわゆるジェット機でありますから、付近の市町村に対してある意味における公害問題があるわけであります。これをやはり十分に考えてやらなければならないわけでありまして、たとえば厚木飛行場自衛隊管理飛行場であるということになれば、その場合に実は自衛隊飛行機公害がない。ところが民間飛行機のほうが騒音上の公害があるのです。そこで主管がいわゆる自衛隊であるためにそういう問題の解決についての問題があろうと思うのです。そういうことについてはひとつ十分によく話し合って——もちろん私はできれば将来もう一つくらいは、東京付近に中型といいますか、そういう飛行場民間飛行場としてあっていいと思いますけれども、ただ民間飛行場の場合、いま申したように相当ジェット機が飛びますので、民間の諸君にもいろいろ迷惑をかけるということがありますから、そういう場合において、いやあれはおれのほうの飛行機がやったのじゃないんだということで、所管違いのために騒音対策がおくれをとるということであれば付近の皆さんに申しわけがない。こういう意味においては、その所管がどうであれ、その騒音対策あるいは公害対策等については十分に積極的に取り組まなければならぬ、こう考えておる次第であります。
  13. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 もう少し具体的に伺いたいのですけれども厚木飛行場民間に開放される場合は、主要滑走路をどこをどういうふうにするのか、それから国内便の移転計画はどの国内航空を持ってくる考えなのか、それからいつから具体的にその運航といいますか、それをやるのか、その辺伺いたいと思います。
  14. 内村信行

    内村(信)政府委員 厚木の使い方でございますが、厚木は現在滑走路は一本でございます。したがいまして、滑走路はその一本を共用することになります。それからエプロンその他の地区でございますが、これはまだどこをどういうふうに分けるかということは最終的に決定しておりません。ただ、さしあたりにつきましては、昨年の夏一時使用させていただいたことがございます。その程度のことをその程度の場所でやっていきたい。これは一つの暫定的な問題として、この五月、六月ごろの話でございます。  そこで、いつからということでございますけれども、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、私どもとしてはなるべく早く使わしていただきたいと思っておりますけれども地元の方々にやはり相当な反対がございます。そこで、これを無理押しにしてやってしまうということは私ども避けなければいかぬと思っておりますので、なるべく地元の方々によくお話しいたしまして、御理解を得まして、その上で使っていきたいということを考えておりますので、それにつきましては、いますぐということはちょっと申し上げかねる段階でございます。  それから機種、航空会社でございますけれども航空会社につきましては、特にどこそこの航空会社というふうに限定して考えておるわけではございませんが、現在全日空は希望しておるようでございます。それから、少なくとも現段階におきましてはジェット機は入れない。YSとかフレンドシップというプロペラ機、これをさしあたりは少なくとも考えていきたいというふうに考えております。
  15. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 大体防衛庁と事務的に話し合いが煮詰まっていると聞いているのですが、その点どうなのか。煮詰まっているのだけれども地元の、たとえば騒音対策であるとか周辺整備法の適用等について問題があるということで、それがネックになっているとかという状況があるだろうと思うのですが、防衛庁、その点どうなんですか。
  16. 久保卓也

    久保政府委員 残念ながら米海軍の態度がいま一歩はっきりしない面があります。当初、米海軍のほうでは相当程度日本側返還するような意向でありましたが、やはり極東の空気を反映してでありますか、あるいは米側の予算の問題もあるかもしれませんが、だいぶ留保する余地があるようでありまして、そういう面で、まだ具体的に厚木基地のうちどの分野米側が持ち、どの分野をわがほうが持つかということがきわめて明確だという形になっておりません。およその方向はそうなっておりますけれども、そういうことで、運輸省話し合いがいま一歩煮詰まらない面がございます。しかし、海上自衛隊といたしましてもあまり無理なことを言わないで、なるべく民航との共存を考えるという方向で現在話を進めております。  なお、先ほど航空局長の言われましたさしあたっての使用ということは、まず第一には米軍のほうの了承を得てでありますし、この四月以降では、返還になりますので、海上自衛隊との共同使用というかっこうで進む予定になっております。
  17. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 米海軍の態度がはっきりしないのでこちらも困っているようでありますが、そういう点なんか、合同委員会をしょっちゅうやっているわけですね、ですから、米国政府としてもニクソン・ドクトリンという一つ縮小計画があるわけですから、しかも向こうの年度計画の中で考えているわけでありますので、むしろ向こうの態度を見るよりも、こちらから前向きに積極的に、その点なんかもこうすべきだ、こういう計画がある、これを認めてほしいというくらいに強く要求すべきだと私は思います。その点、要望しておきます。  それで、横須賀でありますが、横須賀のほうはいままでどういう方向で話が進められているのか、そして今後の使用大綱といいますか、そういった点もあわせて伺いたいと思います。
  18. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 昨年の十二月二十一日の安保協議委員会におきまして、横須賀の地区につきましては、現在横須賀にあります米海軍の司令部はかなり縮小された形で存続をする。それから第七艦隊の旗艦オクラホマシティーあるいは第七潜水隊群の補給支援活動の一部は佐世保に移る。それからSRF地区といいますか、艦船修理部の地区につきましては、第六ドックは従来どおり米軍が保持をして、第一から第五のドックについては日本側返還する。しかしながら、返還した後におきましても契約の措置によりましてやはり米軍としては艦船の修理に利用したい、こういう希望を表明をいたしております。  それからなお、艦船修理部以外の横須賀の基地め部分につきましても、今後横須賀周辺にあります海上自衛隊施設をその中に集約をしたいという日本側希望がございますので、その部分返還について日米間で今後とも協議を進めていく、こういうような形になっているわけでございます。  なお、この横須賀地区の労務者につきましても、かなり大量の整理が予告をされておるという状態でございます。そこで一番問題になりますのは、SRFの地区の米側から返還された後の運営をどうするかということでございますが、これにつきましては、いま申し上げました米側が引き続き契約等によって使いたいという条件がございますので、この希望に沿うような方向で運営を考えなければならないということがまず第一点でございます。  それから次には、海上自衛隊の持っております艦船の修理、これが現在の造船業界の実情から必ずしも思うようにいかない。御承知のように造船業界はかなり先までいろいろ注文を受けておるということで、たいへん手の込む自衛隊の艦船の修理が引き受け手があまりないという事情がございます。そこで、SRFの施設海上自衛隊の艦船の修理にも利用したいということが第二点でございます。  それから第三点としましては、やはり地元としてはこの施設をなるべく民間企業に利用さして、地元発展をはかりたいという希望がございますので、いま申し上げました米軍あるいは自衛隊の用を充足した上、さらに余力があればそういった民間企業の利用にも供したいということ。  それからもう一つは、先ほどもちょっと触れましたけれども、労務者がかなり大量に整理をされるということでございますので、その運営方針をきめるにあたっては、なるべく労務者を救済する方向で、それを吸収する方向で考えなければならない。こういったいろいろな要素があるわけでございますが、こういった点を防衛庁としてもこれまで検討を重ねてまいりました。  まず一つ言えることは、このSRFの施設は国有財産でございますが、将来の防衛ということを考えた場合には、これを民間に売り払うということは適切ではないんじゃないかということで、国有のままで保持していきたいという考えでおります。しかしながら、その運営にあたりましては、いま申し上げましたいろいろな要素を考えあわせまして、一部については自衛隊の直営、それから他の部分につきましては民間に運営をゆだねる、こういった線で現在考えておりますが、具体的な詳細につきましてはまだ決定の段階に至っておりません。それからなお、この問題はもちろん各省とも御相談をしなければなりませんし、また地元の御意向も聞かなければなりませんけれども、そういったことで、現在関係各省とも協議を進めつつあるという状況でございます。
  19. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 運輸省の船舶局長に伺いたいのですが、運輸省はどういう考え方でいるのか。それからこの船舶の修理施設というのは非常に大きな規模ですね。六号ドックが一番大きいようです。公明党の総点検でも、エンタープライズも収容可能だというふうに、私たちは調査しているわけでありますが、なぜそれだけ残したのか。さらにまた現在どういう規模で行なわれているのか。  また四十五年の一月二十九日ですか、朝日新聞で民間の企業の下請が行なわれたと言われております。どこと下請したのか。また契約高はどのくらいあったのか。その点なんかもあわせて伺いたいと思います。
  20. 田坂鋭一

    ○田坂政府委員 横須賀の艦艇修繕基地につきましては、船舶の最近のような顕著な増勢によりまして、その修繕の需給が非常に全般的に逼迫いたしております。現在ようやくバランスをいたしておる。このまま進みますと、近い将来そのバランスがくずれてくるというふうな状態にございますので、私ども現在、この船舶修繕体制の今後の整備ということで、鋭意検討を進めておるわけでございますが、この船舶の修繕という観点から、修繕の体制の整備という観点から、返還されます横須賀SRFにつきましても、その一環として考えていきたいというのが基本の考え方でございます。ただ、先ほど防衛庁側からもお話がございましたように、米軍側の期待並びに防衛庁艦艇の修繕が今日非常に困難な状態にあるということも実情でありますし、また今後の防衛体制ということもあわせて考える必要があるということでございますから、そういうものを加味した形で全般的な船舶の修繕に寄与するということの可能性、その効率性、効用性、そういうものをあげていくという方向で検討を進めておる次第でございます。ただ、そういう観点に立ちまして、先ほど防衛庁からも申されましたように、防衛庁の細部の計画が立ちますのを私ども現在見守りながら検討を進めておる次第でございます。  それから、六号ドックの返還が見合わせられたということにつきましては、私どもは、いかなる理由でこういう事態になったかは、その細部につきまして情報を得ておりません。それからSRFの従来の運営の形態、この詳細についても、私ども所管でございませんので、残念ながら資料を得ておりませんので御答弁できかねます。
  21. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 防衛庁にお伺いします。
  22. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 ただいまの第六号ドックを米側返還しなかった理由でございますが、これは御承知のように、今後といえどもアメリカの空母というものは横須賀に寄港するというようなことから、この空母の着岸する岸壁、それから空母を収容することの可能な唯一のドックであります六号ドックというものは、この重要性から見て米側は留保するのではなかろうか、これは明確にその理由を日本側に提示してきたわけではございませんが、われわれの推測としてはそういうことでございます。  それから、従来のSRFの施設使用実績でございますが、一九六八米会計年度におきまする実績としましては、いわゆるオーバーホールが二十一隻、それから局部的な修理をやったものが五百七隻、それから船舶の改造が八隻合計五百三十六隻ということでございます。これを同じ年度をとりますと、金額的には二千百八万四千ドル程度ということでございます。  それから、このドックの規模でございますが、御参考に申し上げますと、第一ドックが排水トンでいきますと二千六百トン、第二号ドックが三千五百トン、第三号ドックが千二百トン、第四号ドックが一万五千トン、第五号が三万三千トン、第六号が六万トンという形になっております。
  23. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 いわば経営難といいますか、仕事がなくなったので日本民間企業の下請を始めたということですが、これは事実ですね。
  24. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 ここ数年間におきますSRFの使用状況でございますが、米艦艇の修理の業務がだんだん減ってきまして、そうしますと労務者も半舷上陸といいますか、一日出て翌日は休んでよろしいというような状態になってきたようです。ところが、そうしますと、手当その他の労務者の収入が減ってくるということで、それを救済する意味合いにおきまして、米側地元の住友重機と相談をしまして、このSRFの施設を住友重機に利用を認める形においてこの労務者を使って民間の仕事をやる。そのかわり、その給料は住友重機が負担し、なお国有財産の使用料は国に納めた、こういう労務者救済の意味合いにおいて、この民間施設使用を認めたという実績はございます。
  25. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 なお詳細には、事実のことはよくわかりませんが、ただ日本が無償で提供した施設を使って米軍が事業をするという一つの前例といいますか、こういうことになるのじゃないかと思うのです。先ほどの労務者救済のためというその趣旨には、私はやむを得ない面もあるだろうと思いますが、ただそのことが一つは前例になる、要するに安保条約に反して一つ目的使用になるのじゃないか、こう私は思うのですが、その点いかがですか。
  26. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 地位協定の二条四項(a)によりますと、米軍に提供している施設は 提供目的を阻害しない範囲内において日本国政府あるいは日本国民に使用を許すことができるということになっております。したがいまして、米軍に提供した施設といえども、それに余裕がある場合はそれを活用するという道が開かれておりまして、ただいま申し上げましたSRFの処置も、合同委員会の合意に基づいて、そういう地位協定の条項に照らして使用を許した、こういう形でございます。
  27. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 なおこの辺はちょっと問題があるのじゃないかと思うのですが、いずれにしても、そういうことは今回が初めてですね。いままで過去にありますか。  それと、なお伺いたい点は、先ほど海上自衛隊が使いたいというのは、これは六号ドックを除いて全部海上自衛隊が使いたいというのか、それとも民間ならば、どういう計画またどういう話し合いが具体的になされているのか、その構想もあわせて伺いたいと思います。
  28. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 先ほど申し上げましたように、第六号ドックは、これは米軍が依然として保持をするということで、返還になります一号から五号のドックにつきましては、その一部は海上自衛隊が直営でやる、残りの一部については民営にゆだねるという方向で現在検討しておりますけれども、具体的な詳細な内容についてはまだきまっておりません。そういう状況でございます。
  29. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 海上自衛隊希望しているドックはどこでございますか。
  30. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 海上自衛隊として希望いたしておりますのは、一号から四号でございます。しかしながら、これについてはまだ検討の余地があるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  31. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 そうしますと、前の海軍工廠のようなものを考えて艦艇の修理をするということでありますか。
  32. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 戦時中の海軍工廠は、御承知のように修理だけでなくて艦船の建造もやっておったというようなことで、たいへん大規模の企業体のような形をなしておりましたけれども、現在われわれが考えておりますのは、非常にこの海上自衛隊の艦艇の修理に不自由しておるので、その不自由を幾ぶんでも緩和したいという程度でございます。このSRF施設の一部を直営で使うことになりましても、とうてい現在の海上自衛隊の艦艇の修理を全部やるというところまでいきません。たとえそうなりましても、その一部ができるという程度で、その不自由さを若干緩和できるという程度のことで、とても戦時中の工廠というようなものとは全く比較にもならないほど規模の小さいものである、こういうふうにわれわれは判断しております。
  33. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 これは一昨年ですか、「装備の生産及び開発に関する基本方針」というのが事務次官通達で出ておりますが、これによりますと、防衛産業に対する基本的な防衛庁の生産大綱が載っているわけです。これによりますと、防衛産業というのは適正な競争原理の導入を考えて、民間中心としてやるということがあるわけですね。そうしますと、そういう、昔のような規模ではないにしてもや海軍工廠というもののような性格を持つドックをつくるということは、この方針に触れるのじゃないか。私たちはむしろこのことを出したことによって、適正な価格での調達とか、または競争原理を導入することによって、装備品を安くつくるんだ、将来ともに自衛隊ではそういうものは持たないということを、質問の上で長官は明らかにしたわけでありますが、これは長官に聞いてみなければわかりませんが、そういうことについてはどういう考えでいるのか。
  34. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 ただいまのお話は、防衛庁の必要としますいろいろな兵器の調達についての基本的な考え方であろうかと思います。ところが、ただいま申し上げましたのは、もちろん民業の圧迫になるようなものではございませんし、海上自衛隊自体が非常に艦艇の修繕に不自由をしている、その困難性を若干でも緩和しようということで、その基本原則に反するものとはわれわれ考えておりません。なお、現在横須賀地区には艦船の造修所というものがございます。それを若干規模を拡大した形でSRFの基地を利用したい、こういうことでございます。
  35. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 私もつぶさに実態を知りませんので、私なりに疑問は残るわけでありますが、その基本原則の中でやるというお話でありますので、一応この問題は、また次回にお話を伺いたいと思っております。いずれにしても、この「装備の生産及び開発に関する基本方針」というものは、これはまだ出したばかりでございますし、これに沿った方向でいくべきであると私は考えるわけです。しかもドックが一号から四号までといいますと、やはり相当な規模じゃないかと私は考えます。それで、この問題も、さらに私たちも研究したいと思いますが、いずれにしても、海軍工廠につながるような施設は、私は、すべきではないのじゃないか、そういうふうに思います。  そのほか伺いたいのは、立川飛行場がありますが、この返還の見通しですね。それから自衛隊の利用計画があるというふうに考えられておるというふうに聞いておりますが、それを伺いたいと思います。  さらに、先ほど一問だけ質問しなかったのですが、先ほどの厚木飛行場で考えられる点は、八丈便が前に厚木飛行場を使った。昨年使用したようですね。だから当然この八丈便も考えられると思うのですね。その場合に、全便を移転することを考えておるのか、あるいはまた羽田飛行場中心として、過密のときに使うというふうに考えておるのか、その辺も、これは航空局長から伺いたい。
  36. 内村信行

    内村(信)政府委員 厚木の便でございますけれども、まだ具体的にどの便をというふうにはきまっておりません。ただ昨年の経緯から申しまして、やはり八丈便も計画のうちに入ると思います。ただ、その昨年の経緯を申し上げますと、八丈便を昨年厚木に全部移転しようというふうに考えておりましたが、地元のほうでは、全部は非常に困るというふうな御意向もありまして、その結果において、増便程度のものを厚木でやる、なお羽田にも八丈便は残るというふうなかっこうをとっております。したがって今度も、全部ではなくて、その一部が移るというふうに考えたほうがいいのではないかというふうに考えております。
  37. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 関連。昨年も八丈便が向こうで使用されたということなんですけれども、実際考えてみますと、八丈島は観光地で成り立っているような状態でありまして、やはり必要である時期というものは、おのずとこの春から夏にかけての状態になってくるんじゃないかと思います。そこで、昨年は確かに八丈島の増便については厚木飛行場へ移して、厚木が使われたということですけれども、いままでの実績は羽田からなされたということですが、本年度もおそらくそういう問題が起こってくるんじゃないかと思います。少なくともいままでの実績についてはやはり羽田から飛ばせる、そして増便については、それはまたあとの問題として、そういうふうなものの考え方の上に立っていただかないと、どうしても八丈島の場合には時期的において使用するということと、もう一つは、羽田飛行場から飛び立った八丈島便はちょうど一時間で飛ぶわけであります。ところが厚木を経て行きますと、厚木まで少なくとも二時間近くはかかってしまう。そして飛んでまた一時間というような状態でありますと、ほんとうに観光地としての価値がなくなってしまうということが非常に心配されるわけでありますが、そういう点について、前の実績はやはり羽田に残されるお考えであるかどうか、増便に対しては厚木等とも考えられているかどうかという問題と、もう一つは、それに対して今度は、厚木飛行場ができますと、いまのような交通事情では、とてもじゃないけれども非常にふくそうしております。そういう点で何か、それに対して、東京都心から厚木に対する交通便というものをお考えになっているかということ、その点について一応確認をしておきたいと思います。  それからなお 八丈島便は現実の問題としてすでに使用されておったわけでありますけれども、おそらく今度は民間航空としても全日空を中心としていろいろ考えられていると思いますけれども、そういう点についてどこの便とどこの便を現在運輸省としては考慮に入れているかということについてお伺いいたします。
  38. 内村信行

    内村(信)政府委員 八丈便の問題でございますが、これは先生から御指摘がございましたように、去年のような経緯もございましたので、そういうことを念頭に入れながら処理してまいりたいと考えております。ただ、航空機の便の問題は全体の機材繰りによって関係いたしますので、必ずしも増便だけというふうにいくかどうか、これは疑問でございますけれども、極力そういった現象に対して措置してまいりたいと考えております。  それから交通事情でございますけれども、なるほどそのとおりでございますが、東名を利用しますとわりに早く行きます。それから現在高速道路が渋谷からさらに延びておりますけれども、そういうものができて東名とリンクする、さらに今後は厚木飛行場のそばにインターチェンジをつくるというようなことになると、相当交通事情がよくなるのではないかということで、これは必ずしも私ども所管のものばかりではございませんけれども、関係方面に対しまして十分そういった方面で私ども努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。  それから今後厚木へ持ってくる便はどういう便かということでございますが、これにつきましては事務当局でいろいろ検討しておりますが、まだ最終的にこれといってきまっておりません。これは実は、全体としてどのくらい便数を入れてもらえるかという問題にも関連いたします。それから全体の機材繰りからどういうふうにするかということもございますので、そういうことをかね合わせましてさらに検討いたしたいと考えております。
  39. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 先ほど少し申し上げましたが、防衛庁に聞きたいのですが、どうしても民間航空飛行場が足りないということは自衛隊も十分御存じのはずでありますから伺うのですが、立川飛行場返還の見通し、自衛隊の利用計画、またそれについてはどういうものがあるのか。また、先ほど航空局長から、横田基地等も含めて民間航空飛行場も考えているわけですね。横田飛行場というのは六月末までにすべてのF4機は沖繩に、また偵察部隊は米国に移駐するというふうにはっきりと縮小計画が出ているわけです。いままでは大体F4機と偵察部隊で大体使用しておったわけですね、一部輸送機の使用ももちろんあるでしょうけれども。そうしますと、おそらくその他の活動は輸送機の使用だと思います。であるならば、当然ここに、民間航空厚木と同じように、日米合同委員会なりで民間航空の実態というものをよく把握した上で、それらの使用についても日本側から問題提起をすべきではないかと思うのですが、その点も含めて伺いたいと思います。  なお、沖繩返還に際しまして那覇空港の問題もあるわけです。これは聞くところによりますと、運輸省と競合しているというふうにも承っておりますが、返還になった場合にどこが管理権を持ち、どういう使用態様があるのか、それらも含めて伺いたいと思います。
  40. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 立川飛行場につきましては、一昨年の暮れですか、飛行活動が停止をされまして、自来日米間でこの立川飛行場の中の飛行場部分の共同使用のことについて話し合いを続けてまいったわけでございます。米側としましては、陸上自衛隊航空機並びに民間航空機が立川飛行場使用することについては、基本的には了承いたしております。  そこで、運輸省との間でこれまでその具体的な使用計画の内容について詰めてやってきたわけでございますが、最近ようやくその話し合いもつきまして、現在大蔵省のほうにその使用のための手続きをとっておる、こういう状況でございます。  そこで、自衛隊としての使用計画でございますが、四十六年度に立川飛行場に配置を予定しております部隊としましては、東方航空隊の本部、東方飛行隊、第一飛行隊、これは主として宇都宮でございますが、人員にして約三百五十名、飛行機の機数にしまして約二十機が立川飛行場に配置される予定でございます。それから、四十七年度以降におきまして配置を検討しておりますのは東部方面のヘリコプター隊、これは霞ケ浦でございますが、HU1B等約十五機、その他LR1というような飛行機約十機でございまして、全体として約一千名を立川に配置したい、このように予定しております。  横田飛行場につきましてはファントムの部隊は、偵察機は米本国、それから戦闘機は沖繩のほうに移駐するということになりまして、一部はすでにもう移動を完了したようでございます。  そこで残る機能としましては、輸送基地としての機能でございますが、横田飛行場はここ数年間、戦闘基地というよりもむしろ輸送基地としての性格が逐次増加してきておった、こういうことでございまして、現在輸送基地としてかなり活発に利用されておるという状況でございます。横田基地につきましては、自衛隊としては現在のところ共同使用したいとかいう希望は持っておりません。民間航空のほうとしてどういうお考えをお持ちか、これは運輸省のほうから御説明があるかと思います。
  41. 久保卓也

    久保政府委員 横田基地についていま説明がありましたが、米軍使用している日本基地の中で最終的に残るものは、おそらく横田と岩国ではなかろうか、防衛上の観点からしますとそういう感じがします。しかし、いまおっしゃいましたように、中曽根長官も再々申しておりますが、東京周辺米軍基地があるというのは好ましくないわけでありまして、再使用あるいは共同使用という形で進めるべきであろうということは私ども感じておりますので、部内でもそういう発言をしてまいりたいと思います。ただ、やはり補給基地としての重要性からいいますと、米軍確保したい重要基地一つであることは間違いないと思います。  それから沖繩の那覇の空港でございますが、現在運輸省及び外務省と三者で協議を進めておるところでありますが、防衛庁側といたしまして現在の計画では、やはり米軍が現在沖繩の防空任務を持っておりますけれども、わが国土については日本側で防空を担当すべきであるという感じがいたします。そういうことで、返還後はF104Jスコードロン一個中隊約二十五機を持ってまいる計画で人数にいたしますと千三百名前後であろうと思いますが、そんな数字を持ってまいります。那覇の空港はおそらく返還になるだろうと思うわけでありますが、地図でごらんになるとよくわかりますけれども返還とはいうものの——返還になることを前提にして申し上げますと、返還されましても米側施設がずいぶん残ります。非常に広大な地域の中で米側の居住施設がありますし、米海軍がなお使用を継続いたしますし、それからナイキの陣地がございます。これは自衛隊が引き継ぐわけでありますが、ナイキの陣地はいま申し上げた千百名のほかの人数になります。それから防空作戦指揮所がございます。そういうようなことで、返還になるとしましても滑走路及びエプロンその他若干の地域になるのではなかろうかという感じがいたします。そこで具体的にはどういう地域自衛隊使用し、どういう地域民航側が使用するか、これは返還がはっきりきまりました後に具体的にされようと思いますけれども、少なくとも私たち防衛庁側で得ている情報では、いまあまり具体的な地域区分が米側では明確になっておりません。そういうことで、外務省も入れまして、そういう地域が明確になるにつれて運輸省側と協議を進めてまいりたい。管理権の問題、管制なんかの問題、いろいろございますけれども、そういう問題もあわせて検討を進めてまいりたいということでございます。
  42. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 航空局長に聞きたいのですが、いままで防衛庁からも前向きの発言がありました。中曽根長官は、東京周辺に戦闘機等の発進する基地があることは好ましくないということを答弁しているわけです。自衛隊の内部でも、いま局長が言ったように、前向きで共同使用方向に話していきたいということでありますが、さて運輸省では、飛行機需要増に考えてどうしてもということが根底にあるようであります。そうした場合、横田はどういう使用を考えているのか。たとえば厚木プロペラ機だけに限って使用していく、当分の間はそういう話でありますが、横田御存じのように飛行場滑走路も三千メートルはありますし、二本もありますし、しかもギャラクシーが離着陸できるほどの基地であります。ですからどういうことを考えているのか、それもあわせて伺いたいと思います。  さらに那覇空港の問題でありますが、管理権のことについてはまだはっきりしないようでありますけれども運輸省としてはどういうふうな方向でいくのが一番いいのか、その辺も明確に伺っておきたいと思います。
  43. 内村信行

    内村(信)政府委員 まず横田でございます。横田につきましては先ほどちょっとお話を申し上げましたけれども、現在、即刻ただいま要るというわけではございません。これは成田ができますと国際線は全部成田に行きますから、相当の間はもっと思います。しかし成田といえども、しょせんいずれは一ぱいになってまいりますので、その時点においては横田国際線用の空港として使うべきではないか、これはまだ明確に煮詰まった結論ではございませんけれども、私の考え方といたしましてはそういうふうに考えております。  それから那覇の問題でございますが、那覇につきましては先ほど防衛局長その他からもいろいろお話がございましたけれども、まだ私ども防衛庁との間でいろいろ話し合いをしているという段階でございます。これは終局的に国全体でどういうふうに考えるかという問題できまると思いますけれども、私ども希望を申し上げますと、那覇というものは、いまの沖繩の本島における唯一の民航基地でございますし、東西交通基地になっておると同時に、米国その他との間における国際線もあるし、また本土と沖繩との間の重要な航空線にもなっておる。そこで、何ぶん遠い島でございますから、やはり航空というものが交通の根幹をなさねばいかぬということでございますので、那覇は基本的には民航の用に供する空港にしてまいりたい。もちろんそこに防衛庁のほうでお使いになる事情があれば使っていただいてけっこうだと思いますけれども、基本的には民間空港として管理する空港であるのが望ましいと考えておるわけであります。
  44. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 大臣いかがですか、その点の大臣の考えを聞きたいと思います。
  45. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 いま航空局長が答えましたよううに、一九七〇年代といいますか、これから数年後あるいはもっとたつかもしれませんが、アジア近辺といいますか、極東地域民間航空というものはかなり広く設定されるであろうと思います。そうなりますと、沖繩が国際飛行場としての役割りを持たなければならぬと考えておりますので、できれば何といっても運輸省民間航空基地として使うということのほうが適切だと思います。  第二には、防衛庁米軍関係といろいろ協力、努力しておるようでありますが、沖繩県民対策の上からいっても、はっきりと民間施設に移すことのほうが理解しいいのではないか。もちろん自衛隊が一部使うことはけっこうですが、そのほかに飛行場がなければ別問題でしょうけれども、ほかにも飛行場はあるわけでありますから、どこかすっきりしたものをつくり上げるということのほうがアメリカの対沖繩政策といいますか、対日本政策の上からいってもより賢明であるとも考えますので、大乗的見地から、そういう点も運輸省としては、防衛庁なり外務省ともいろいろ話し合いを続けておるという現状であります。
  46. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 大体検討中であるということと、これから考えるというお話ばかりなんですね。実際は煮詰まってないからそう表現するのでしょうけれども、もしほんとうにそうでなければ、もう少し前向きで検討すべきだろうと思いますし、ある程度煮詰めたものを持って米側にも折衝しなければ現在の航空行政に対応できない。私はもう少し積極的に、こういった問題について前向きに推進していただきたい。要望申し上げます。  また、板付の飛行場の問題でありますけれども、これも六月の末日までに共同使用の取りきめが行なわれるようですね。そうしますと、ここにもいろいろ問題があるわけです。そこで、防衛庁運輸省側でもこの使用形態、使用計画について検討中であるということは聞いているわけでありますが、それはだいぶ前の話でありますから、一歩進んだ、いまこうなっているという中間報告を伺いたいと思います。その点防衛庁航空局長、お願いします。
  47. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 板付飛行場につきましては、先ほども申し述べました昨年暮れの安保協議委員会におきまして、ことしの六月末までに米側から返還をする。返還後は、七月以降運輸省のほうで飛行場航空管制を実施する。なお施設の維持、管理の問題につきましては、おそくも来年の三月末までに日本側に移す。こういう基本的な線が了解をされております。  なお米軍としましては、返還後はごく一部の建物、工作物等を専用的に使用するほか、滑走路、誘導路、エプロンといったような施設につきましては、北九州地区にございます他の米軍施設と連絡のための飛行機離発着に利用したいということで、その使用形態としましては、地位協定二条四項(b)によっていわゆる滑走路等の施設は利用したい、こういう形になっております。  そこで自衛隊としましては、板付飛行場には小型機が約五機ばかりございまして、これはもっぱら西部方面の航空隊の司令部と各基地との連絡の用に当てておるわけでございますが、今後におきましてもこの程度の使用を継続するという考えでございまして、それ以上の計画はございません。  なお、この基本線に沿いまして運輸省のほうで米軍その他関係のところといろいろ具体的な詰めをされておられますが、その方面は運輸省のほうから御説明があると思っております。
  48. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 運輸省いかがですか。これは米軍運輸省の間にその問題が煮詰められていると思うのです。
  49. 内村信行

    内村(信)政府委員 先ほどお話がございましたように、板付につきましては運輸省管理する民間空港としてまいりたい、それに米軍ないし自衛隊共同使用もしていただくというふうに考えております。  そこで、具体的にどの土地がどうというふうなことが、実はまだ米軍の意向ははっきりしておりません。これは必ずしも私ども直接タッチするわけではございませんけれども、防衛施設その他もおそらく使っておるわけですが、米軍が一体どの地域をどうよこしてくるかはっきりしないわけです。そこでどこをどうするということは最終的な結論が出ないのがいまの段階でございます。しかし、大体概要につきましては、先ほど申し上げたように滑走路については少なくとも共同使用になる、それから米軍が残る部分のほかは、これは私ども管理いたしてまいるというふうなことになり、それから、さしあたりコントローラーもいま養成中でございますけれども、七月一日ごろに大体コントロールはアメリカのほうから引き継いでまいる。これはコントロールのほうも人員が非常に要りますので、すぐに全部というわけにはまいりません。たとえばレーダーコントロールなどにつきましては相当おくれざるを得ないと思っておりますが、しかしそういうふうにいたしまして逐次引き継いでまいるというふうな方向で考えてまいります。
  50. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 板付飛行場は二4(b)であるということであっても、主として運輸省中心になって航空管制やら基地の問題について、管理とまではいかないまでも責任を持つようなお話でございますが、大体民有地は全体のどのぐらいあるのか。また、そうなりますと今度はそれについて再契約という問題が出てくるわけでありますが、それはどういうふうになさるのですか。
  51. 内村信行

    内村(信)政府委員 大体民有地が四割五分前後かというふうに存じております。そこで実はこの問題、非常にむずかしい問題でございます。現在でも民有地を持っておる方々の中では、これは米軍に対する提供施設として貸しておるのであって民航に貸した覚えはないんである、したがっていま使っているのはおかしいじゃないか、こういう議論もございます。そこで民間航空として使っていきます場合には、この契約からし直さなくてはいけないんじゃないかというふうなことでございまして、これはまさに理屈はそうであると思います。そこで私どもといたしましても、極力早くその土地所有者の御理解を得まして契約を切りかえてまいりたいというふうに考えております。しかし、何ぶんこれは相手のあることでございまして、そう簡単にうんと言っていただけるかどうかわからぬわけでございますが、極力早くこちらの契約に切りかえてまいりたいというふうに考えております。
  52. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 私も状況を聞いたのですが、再契約を地主とする場合に問題がある。いま言ったような理由もあるでしょうけれども、もしこれは再契約に応じなかった場合には運輸省としてはどういうふうにされる方針ですか。
  53. 内村信行

    内村(信)政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、再契約に応じなかった場合に強制収用的なことをするかどうかということが突き詰めていけば出てくると思います。しかしそこまでやるべきではないので、また、土地所有者の皆さんも、いますでに飛行場として使われているわけでありますから、これから新たに飛行場になるわけではなくて、そういったことでいろいろ意を尽くしてお話をすれば御理解いただけるんじゃないかというふうに考えておりますので、極力御理解をいただいてやってまいりたいというふうに考えております。
  54. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 法律論からいいますと、やはり強制収用もできるという一つのあれがありますね。ですからそういうことではなくて十分なる話し合いでやる、話し合いをやることを原則として再契約を結ぶ、地主の要望をよく聞いた上で、そういうことはしないということが言えますか。
  55. 内村信行

    内村(信)政府委員 これは地主の方の要望をよく伺いまして合理的な限り、それによってやってまいるということは当然でございます。
  56. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 その点は、私は地主の方はよくわかりませんけれども、強制収用なんかしないという、悪い前例にしないという航空局長さんの発言と受け取ってよろしいですね。
  57. 内村信行

    内村(信)政府委員 したいとは思っておりません。
  58. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 微妙な返答なんですがね。問題は今度は、これはどの基地でもそうなんですが、そういう二4(b)というかっこうで自衛隊管理したり、もしくは米軍使用しなくなりますと、騒音対策であるとか、いままで防衛庁が、基地周辺整備法の適用があったわけですが、その関係がどうなるのか、基地交付金の関係とか周辺整備法の関係はどうなるのかということをやはり非常に心配している面もあるようなんですが、その点防衛庁はどのように考えているのか。先ほど運輸大臣からは、そういう場合にはすみやかにというふうなお話もありましたが、その点いかがなんでしょうか。
  59. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 御承知のとおり防衛施設周辺の整備法という法律によりまして、米軍基地自衛隊基地についてはいろいろの周辺対策を講じてきておるわけでございますが、板付飛行場につきましては、本年の七月以降運輸省所管飛行場に変わるということで、ただ米軍としても地位協定の二条四項(b)による、ある程度制限された範囲内ではございますけれども使用を継続したい、こういう形になっております。そこで理屈で割り切ってしまえば、この板付飛行場については運輸省所管の行政財産になったあとでは整備法の適用はないんじゃないかということになろうかと思いますが、ただ、いま申し上げましたように二4(b)というものは残ります。そこで、その二4(b)が残るという事実に着目をして、一体この周辺整備についてどのような範囲の措置が講じ得るかどうか、こういうことについてはまだ検討中ということでございまして、明確な結論は出ていないという状況でございます。
  60. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 そのことは私もちょっとおかしいなと思っているわけですがね。どういう結論を出されるのか——外務省の安保課長来ていますね。その地位協定の適用ですが、二4(b)のときにおいて、運輸省所管となった場合には基地周辺整備法は及ばない。運輸省がやる場合には今度は運輸省においては、何といいますか現在ある法律のワク内で適用する法律があるわけですね。公共用飛行場周辺における航空騒音による障害の防止等に関する法律ですか、この適用がなされるわけですね。自衛隊及び米軍がその基地を使えば、今度は基地周辺整備法に変わる。運輸省が使って民間が使えばその法律の適用になる。いまの説明によりますと交互に法律の適用がなされるわけですね。そういうことが考えられるわけですよ。そういう行き方でいいのかどうか。地位協定の解釈とそれから現在航空局が考えているこの法律の適用という面で検討中だというのですけれども、条約的に考えた場合いいのか悪いのか、どこが問題なのか。
  61. 宮川渉

    ○宮川説明員 ただいまの御質問、私少しわからないのでございますが、二4(b)となる場合は、これはいわば返還になりまして、たとえば自衛隊管理する場合には今度は自衛隊の財産になるわけでございます。それから運輸省であれば運輸省空港になる。したがいまして今度は、あとの米軍使用と申しますのは、たとえば先ほど御説明のありましたように滑走路とかエプロンとか、そういうものをその出入のつど使う、こういうことでございますが、土台は、これは板付の場合でしたら運輸省の財産、空港ということになります。したがいまして、適用される法律は航空法関係の関連の法令で、それが自衛隊と交互にというようなことは起こらないと考えるのでございますが……。
  62. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 起こらないでどこまでも民間だけで使っていくなら問題ないわけです。だけれども、やはり緊急事態、特に板付などは台風が来ればすぐ避難というかっこうで来る場合が多いわけですね。このときに相当騒音も出しますし、むしろ民間航空よりもジェット機の発進とかいうもののほうが非常に大きいのじゃないかと思うのですね。また危険度も非常に大きいわけですね、完全武装でもって飛来ということもあり得るわけですから。そのときの法律は、それでも運輸省所管だから運輸省だけの公共用飛行場周辺における航空騒音による障害の防止等に関する法律の適用だけで、基地周辺整備法は関係ないということでございますか。
  63. 内村信行

    内村(信)政府委員 私は大体こういうふうに考えております。防衛庁の場合は基地周辺整備法によって行なう、それから私どものやる場合には公共用飛行場周辺における航空騒音による障害の防止等に関する法律、これは先ほど先生御指摘のとおりでございますが、いずれを使うかというのは、やはり同じ飛行場を共用している場合には、どちらが多いかというような程度によってきまるのではないかと常識的に考えております。したがいまして、交互に来るということではないのでありまして、原則的に考えれば、板付が航空所管になってまいりますと、やはりこれはこちらの公共用飛行場云々というような法律でやってまいるというのが筋ではないかと思っております。実際問題といたしまして、基地周辺整備法と公共用飛行場云々という法律の内容につきましては若干の差異はございますが、そう大きな差異はございません。  そこで問題は、移り変わるときにギャップができるということがございますと非常に困りますので、その点は防衛施設庁のほうからお話がございましたように、さしあたりは基地周辺整備法によって行なってまいる、これが、理論的にはどうこうという問題はあるけれども、一応それによって行なってまいるというのが——米軍も使っておるから、こういうような御説明がございましたけれども、これでやってまいって、それでギャップのないようにうまくこちらのほうの体制を整えて、それによってやってまいるというのが常識的な解決法ではないかと思っております。
  64. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 常識論でいえばそういうこともいえますよ。ただ予算が伴いますし、また補償金をもらうほうから見れば、切れたからあるいは今度は違ったからという相互の見解によって一番犠牲になるのは付近の住民ですよ。だから私は明確にしておくべきじゃないかと思っているのですが、二条四項(b)号の場合、ある一定の期間訓練のために使わなくても、訓練では向こうとして使わなければそこに留保権を持つあれもないのですから、おそらくは訓練のときにはある一定の期間使うと思うのです。それは戦略上、軍事上の見地からいっても当然かと思いますね。その場合もやはり法律的に及んでいくのかどうかということですね。いかがですか。
  65. 宮川渉

    ○宮川説明員 これは先ほど鶴崎参事官から御答弁になりましたように、あるいは航空局長から御答弁になりましたように、具体的な使用の形態というのはまだ煮詰まっていない実情でございます。同時に、これも御説明いたしましたように、主としてあの近くにありますほかの米軍基地への補給のためにあそこに飛行機が来るということを考えているようでございます。ですから台風という場合はまた別でございまして、台風というのは予定できないあれでございますけれども、二4(b)で共同使用の取りきめをする場合には、やはり使用の態様というものは大体具体的につかんだ上で取りきめられることになると思いますので、いまさっき先生がおっしゃいましたような演習とかいうことは、いままでのあれから聞いておりますところからは、そういうことは考えられていない、こういうふうに思います。  それからもう一つ、先ほど騒音とそのほかに事故ということをおっしゃいましたが、事故ということになれば、これは別な米軍の関係の事故のほうの規定になるわけでございますので——別だと思いますが、騒音のほうは周辺整備ということで、いわば騒音を出すこと自体が違法であるとかいうことではないんで、こちらの関係は、やはりそれぞれの飛行場という土台が運輸省のものであれば、これはもちろん運輸省関係の法律というものが適用になるのではないか、こういうふうに考えております。
  66. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 私もわからないから聞いているのですよ。煮詰まっていないというのがほんとうなんでしょう。防衛庁からもお話を聞きましたけれども、ただ私は、そこでいままでないというのは、ないのがあたりまえで、今度大幅にそういう縮小するから起きる問題なんですね。騒音の場合なら、同じようにそういう実情に合わせていくというのかもしれません。だけれども、危険度というものがある。しかも完全武装での離着陸というものがあるわけですね。ですから、それは交互にはされない。もしかすると、どちらも適用になっておって、どちらの法律によっても適用するというなら、これまた話はわかるわけですが、航空局長お話によれば、そうではなくて、大体国内法で、現在は基地周辺整備法によるけれども、将来は公共用云々、現在ある法律によってやる、それでいいのですか。
  67. 内村信行

    内村(信)政府委員 私は大体そういうふうに考えております。と申しますのは、法律の内容を見ますと、そう変わりはないものと思うのですね。たとえば騒音地域につきまして、大体滑走路の末端から何キロとか、横がこのくらいとか、そういうふうな距離についての若干の差はございますけれども、大体においてそう変わりはない。騒音の補償の程度その他につきましては、大体その基準を合わしてやっておりますから、そう変わりはないわけでございます。したがいまして、その一回一回にどうこうということではなくて、ある程度持続的時間でどうこうするということはございますが、実際問題としてどちらの法律を適用しても、そう問題はなかろうということを私は考えたわけでございます。ただその周辺における演習とかなんとか、そういうふうなことによる問題、そういう問題は違いますけれども飛行場の場合にはそういうふうなものがどの程度出るか、これは私はわかりませんけれども、そういった問題を除けば、ほぼ内容はひとしい、どちらにしてもとにかく法的保護が与えられて、それで解決されるのではないか、そういうふうに一応考えております。
  68. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 それは騒音に対する国内法、整備法など、あれは大体同じだということを知っておりますけれども、ただそれ以外のことで起きる問題のほうが多いから、一番心配するわけですよ。また補償についても、これは防衛庁だとか米軍だとかいうような問題が、今後やはり事故が起きれば出てくる問題ですよ。ですから、現在は検討中であるということでありますので、それは十分検討を詰めて明確にしておく必要がある、私はそう思います。
  69. 内村信行

    内村(信)政府委員 ただいまの事故の場合の補償、これは基地周辺整備法とかあるいは公共用飛行場云々とは関係ない問題で、これが米軍によって起きた事故ならば米軍が補償する、民間によって起きた事故ならば民間で補償するということになりますので、その問題は一応はっきりするだろうと思っております。その他の点は私もよく存じません。
  70. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 だから基地周辺整備と騒音の問題が全く同じなら問題はないわけで、あなたのほうで持つというならそれでいい。しかしそうはいかない。補償の金額が違うじゃありませんか。だからそういう実態面だってもっと話し合って、全く同じにするとか——これは一つの前例になるわけですよ。いままでなかったけれども、今後出てくる問題ですよ。これは何も板付に限ったことではなくて、だんだんと出てくる問題ですから、私はそこを言っておるわけです。防衛庁もそこは慎重であるということは、今後の問題も踏まえて、そういう形でいくということはわかっているわけです。だから条約的にはどうなんだということを言っておるわけですから、早急にそこは詰められて、やはり一つの結論を出すべきである、そういうことを要望しておきます。  それでは次に、たくさん問題があるのですが現在防衛庁運輸省との間で締結しております航空管制について、いろいろな覚え書きとかいうようなものがあると思うのです。それを伺いたいと思います。
  71. 内村信行

    内村(信)政府委員 運輸省防衛庁との間の覚え書きと申しますのは、いまございますのは、運輸省航空行政と自衛隊の業務との間の調整に関する覚え書というのがございます。それは昭和三十四年の六月ごろに結んだものでございますけれども、当時の運輸大臣防衛庁長官との間にかわされた覚え書きでございます。  内容について概略申し上げますと、この趣旨は、航空については航空行政というものと、それから自衛隊航空に関する業務、この二つの問題があるけれども、その両者が円滑に進まなければいけないということから、それについて円滑に進めるために覚え書きをつくりましょうということが趣旨でございます。その内容といたしましては、飛行場付近の航行の方法を考える場合にはあらかじめ協議しましょうとか、いろいろあるのでございますけれども自衛隊に対して飛行計画の通報あるいは航空機の位置等の通報あるいは到着の通知、そういうものを知らせるとか、あるいは領空侵犯機に対して自衛隊が措置をする場合には、それに対して優先的に考慮しようとか、つまり領空侵犯機に対する措置をとる場合には、もろもろの規定においてある程度優先的な措置をとるというようなことが主たる内容でございます。大体そんな内容でございます。
  72. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 局長に聞きたいのですが、わが国は日本領空において完全かつ排他的な主権を持っておりますか。
  73. 内村信行

    内村(信)政府委員 持っておると考えております。
  74. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 今度は日本が他国と民間航空の協定を結ぶ際には、米軍に何らかの連絡等の処置をとるというようなことがありますか、あるいはないですか。
  75. 内村信行

    内村(信)政府委員 ございません。
  76. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 不定期で入ってくる第三国の航空機について日本政府が許可を与える場合、米国と協議をするということがありますか。
  77. 内村信行

    内村(信)政府委員 ございません。
  78. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 昭和二十七年の六月ですか、それから三十四年の六月に日米合同委員会において航空交通管制について合意していることを御存じですね。その第七項、これはこう書いてあります。「第三国航空機の日本領空への飛来を許可するときは日本政府は当該航空機の経路、空港、時期を含めて在日米軍と相互に意見の一致をはかっている。」、こういうふうになっているわけですね。要するに、八項にもありますが、「日本政府は在日米軍との間に航空機から得られる気象情報を相互に交換する。」、これはちょっと違いますが、これによりますと、大体相互に意見の一致をはかっているということなんですが、これはいままでの話ですと何かないように思うのですが、どうですか。
  79. 内村信行

    内村(信)政府委員 先生御指摘になりましてのは、昭和二十七年六月に航空交通管制について合意がされました。その中にそういうふうな、第三国航空機が日本上空に飛来することを許可するときは意見の一致をはかるということがございました。そのことだと思います。これは御説明いたしますと、昭和二十七年六月の合意と申しますのは、たとえば講和条約ができまして、日本側に領空主権が返ってまいったということでございますけれども、実際問題として航空交通管制という事実行為、これについては当時能力がなかったということでございます。したがいまして、領空主権というものはこちらに返って、完全かつ排他的な主権を持ったわけでございますけれども航空交通管制という事実行為については、これは当時アメリカ以外にやるものがなかったわけでございますので、アメリカにやってもらったというふうなことが実情でございます。したがいまして、その際に航空交通管制をやっているものの意見を聞いて、その安全という見地から、そういった管制方面の意見をいれませんとあぶのうございますから、そういった意味で合意をはかっておったわけでございます。したがいまして、その後完全に航空交通管制を引き継ぎました現在におきましては、そういうことをやっていないという実情でございます。
  80. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 ですから、率直にいってやっていないというわけですよ。だから、取り消したほうがいいんじゃないですか。要するに、これは国会に提出されたものですよ。実際にやっていないわけですよ。だから、そういうような情勢の中ではそう言ったけれども、いまは違うんだから。だけれども、これがある限り生きているわけですよ。だから、向こうから今度言われた場合に——特に米軍というのは条約関係というのはきびしいですから、逆にこれがあるために一々チェックしなければいけない。日本の空なのに一々米軍に通報しなければならぬ、これは米軍管理下にあるからだ、そういう指摘を受けると思うのですね。ですから、先ほど言ったように日本は排他的な主権独立国家としての権限があるならば、こういうような合同議事録ですか、合同委員会の合意議事録ですね、この中にあることは、もういまやっていないから取り消すべきだと思うのですね。これについてどう考えられますか。
  81. 内村信行

    内村(信)政府委員 実情はまさにそのとおりでございます。そこで、法形式でどうであるか、条約形式でどうであるかという問題につきましては、私どもちょっと専門でございませんので、外務省のほうから……。
  82. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 一応日米合同委員会できめたものを日本がかってに取り消すわけにいかないと思うのですね。その点、安保課長ですか、どういう考えなのか。その前に防衛庁はどういう考えがあるのか。これは防衛庁も関係があるから、まず防衛庁に伺います。
  83. 久保卓也

    久保政府委員 米軍の関係は私ども全然関知しておりませんで、もっぱら運輸省におまかせしております。
  84. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 これは外務省、防衛庁運輸省、三省が関係があるのですから、要するに、これは簡単なようですが重大な問題ですよ。だから、先ほど私は念を押したのですよ。あなたは主権があると言う。私もそう思っていたのですよ。しかしこういうものがあると、逆にこれを取り消さない限りは、日本政府は怠慢だ、報告すべきものをしないでおったということになるわけですよ。しかもこれは国会で承認されていますね。安保課長、どうですか。
  85. 宮川渉

    ○宮川説明員 いま航空局長から御説明がありましたように、二十七年の合意は、その当時の実情を反映いたしましてこういう意見の一致をはかるということが入っておりましたけれども、三十四年のときには、これが米軍の提供した飛行場の場合を除きまして全部日本側で運営するということに合意されたわけです。戻ってきたわけです。したがいまして、そういうこともやられていない。ただ、合同委員会のほうの合意というのを、こういうふうにあとでできました合意でいわば代位しているわけでございますから、個々のものを一々これは削除するとか、そういうことは必ずしもやっておりませんが、三十四年の合意のほうで米軍の提供している飛行場周辺を除いてこちらのほうで運営するということになりました以上、そういうことは必要でなくなったということでございます。
  86. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 それは法律論じゃないと思うのですよ、あなたのおっしゃっておることは。要するにこっちはそういうふうに感じているわけでしょう。だってこれは、合意議事録は昭和二十七年六月及び三十四年六月日米合同委員会において次のように合意されたという中に、意見の一致を常にはかるとかはかっているとかいろいろ書いてあるわけですよ。ですからあなたのおっしゃることはこっちの一方的な解釈であって、米軍がはたしてそういうことを了解しているかどうか。もし米軍もそう思いこちらもそう思っているならば、こういう証拠になるような、また全部チェックを受けるようなそういう一つのものはないほうがいいにきまっているわけですから、これはさらに日米合同委員会があるわけですから、その合意議事録、国会に出した二十七年と三十四年のここは削るべきだ、私はそう思うのですよ。それは大臣いかがですか。
  87. 内村信行

    内村(信)政府委員 いまちょっと大臣席をはずされておりましたので私からお答え申し上げます。  筋はまさに先生のおっしゃるとおりであると私も存じます。ただ、これは先ほども申し上げましたように、意見の一致をはかるということ自体が、当時は航空管制の事実行為というものをアメリカがやっておったということに結びつくものでございますから、したがいまして、その後三十四年の合意におきまして提供施設における管制業務、進入管制業務を除いてすべて日本において運営するということになりました以上、そういったもとの問題が変わったわけでございますから、それによって先ほどの米軍との意見の一致ということも当然なくなってまいるというふうな一応条理解釈を私どもしているわけでございます。そこで、それに基づきましてこちらもアメリカのほうには何ら相談しておりませんし、向こうもそういうことでけっこうであるということで相談をしろとも言ってまいりません。そういうふうな事実上の経緯をたどっておりますのでそのままにしておったわけでございますけれども、あるいは筋から申し上げますと形式上代替整理みたいなものが要るじゃないかというふうなお説もあるかと思います。その点につきましては、これは合同委員会の問題でございまして私ども直接主管しておりませんので、法形式の問題でございますので、私どもとしてはちょっと御意見を申し上げかねることでございます。
  88. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 防衛庁に聞いたら運輸省の問題だと言う、運輸省は日米合同委員会、日米合同委員会は外務省、外務省に聞けば何だ、一体どこがほんとうなんだ、ほんとうにどこが答弁してくれるのかわかりませんが、要するにいま使っていない、適用されていないわけでしょう。だけどいま局長言いましたね、向こうも了解している。ほんとうに了解しているのですか。何か正式な文書でもあるのですか。
  89. 内村信行

    内村(信)政府委員 しております。現に全然やっておりませんから。
  90. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 やはり話は、常識論と、それから法律論とあるわけですよ。私が聞いているのは、やはり大事なことは、これが悪用されてはならないし、米軍日本の制空権が全部握られている、いろいろな問題が出てきているわけですよ。それに対してこっちが報告をするような、現在やっていないとしても、こういうものがあった場合、いまやっていないからいいんだということでなくて、もしそうであれば、向こうも了解している正式かどうかわかりませんけれども、了解している。はっきり言うならばこういうものはやはりないほうがいいと思いますよ。だから、さらに日米合同委員会で問題にして、実際やっていないんだから、じゃなくしましょうということが言えないのか。
  91. 内村信行

    内村(信)政府委員 私どもは実態問題についてやっているわけでございまして、こういうふうな協議は毛頭必要ないと思っておりますし、現在やっておりませんし、これからも必要ないと思っております。したがいまして、そういう実態の希望と  いうものは十分表明いたしますが、それをどういう形で合同委員会で締めくくるかというのは、これは外務省の問題でございますから、この点について実態の要求はいたしますが、形式上どうこうしてくれということは私どもにおいてはない、こういうふうに思います。
  92. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 外務省安保課長、いま航空局長が言ったとおりなんですが、日米合同委員会でこの問題ははっきりすべきだと思うのですが、日米合同委員会は、やはり防衛庁も関係あるんですよね。だからそのこともあわせて伺っておきたいのです。
  93. 宮川渉

    ○宮川説明員 どこが関係ある関係ないという点を御指摘になりましたけれども、これは、合同委員会の代表はアメリカ局長でございますが、しかし同時に個々の事項につきましては、もちろん関係官庁関係があるわけで、御協議もございますし、会議にもお出になることでございまして、そういう点で合同委員会は全部外務省であるということで関係がないということはない。これは、運輸省なり防衛庁のほうから御発言になった趣旨もそういうことではないと思います。  それからもう一つの御指摘の点でございますが、これは先ほど申し上げましたように、二十七年の合意のほうは日本側が自主的な実施が可能となるまでの一時的な措置として云々ということで合意になりまして、その後三十四年に今度は、米軍に提供しております飛行場周辺の業務を除いてすべて日本側において運営するということで、はっきりこの一時的なあれが変わったわけでございます。したがいまして、先ほど事実上ないというお話航空局長のほうからございましたけれども、これは当然のことでございまして、日本側でやる以上米側にそういう意見の一致をはかる必要はないわけでございます。ただ、こういうふうにもとが変わったわけでございますから個々のこまかいものについて一々——確かに日本での法律的な考えで、常識で考えれば、ちゃんと整備していかなければ、後法ができれば先法の第何条は削るとかいうようなことだと思いますけれども、合同委員会の場合には必ずしもそういうやり方はしておりませんで、あとのほうで出てきたもの、代位と申しますかりプレースされる場合に、一々これは全部削るというようなやり方は必ずしもいたしておりません。そして事実上そういうふうに支障も起きておりませんし、そういうふうにやっておるということは、すなわちそういうことがそれでもう事実ができ上がって、裏づけの事実ができ上がっているわけでございますから、おっしゃる御趣旨はよくわかりますけれども、これをまたあらためてこの項を削れというようなことを持ち出すということはちょっといかがかと存ずる次第でございます。
  94. 久保卓也

    久保政府委員 合同委員会ということになりますと防衛施設庁が関与するわけでありますが、私この問題はよく承知いたしておりませんけれども、この問題のほかにも今日の現状にそぐわなくなっているようなものもないわけではございません。沖繩の返還なんかの問題もありますが、いずれもう一度見直すという機会もあっていいんではなかろうかというふうに私は思います。ただ、よく承知いたしておりませんので、関係各省庁ともよく協議をしてみたいと思います。
  95. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 いま久保局長のおっしゃるとおりなんで、要するに安保条約でも日本が占領された当時そのまま適用されているわけですよ。大体自動延長することにもいろいろ法律上また条約上たくさん問題があるわけですよ。ですから、これは私たちはなくせと言うんですけど、皆さんのサイドに立ってもこういう協定とか条約についても洗い直して、そしてやはり現状に即するということが当然でないですかね。だからいたずらに誤解を招いたり、また何かがあればこういうことをたてにとって、日本はこういうことを約束しているじゃないかという、たとえ現状はそうではないといっても、そうされてもしかし否定はできない、こういう立場に政府があると思うのです。ですから条文の改廃については、条約についてはやらぬというならば、それならそのようにまた新たな合同委員会の合意によって、いつごろのやつについてはこういうふうに改めるということを明確にすべきだと私は思うのです。そのことを、課長さんですから、それ以上の権限を活用されるわけにいかないでしょうから、また機会を改めて申し上げたいと思いますけれども、それはそのようにすべきだと私は考えております。  それで、防衛庁運輸省との間に提携している航空管制について先ほど申し上げましたが、そのほかに緊急発進についてやはり同じようにこの合意議事録の最後にあるのは、こう書いてある。「防空上緊急の必要があるときは、防空担当機関が保安管制を行なうことに同意している。」ということなんですが、これは具体的にはどんな協定で、どうなっているのか。その辺も明らかにしていただきたい。
  96. 内村信行

    内村(信)政府委員 これは具体的な協定はできておりません。
  97. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 これは自衛隊米軍の間であるのではないかと思うのですが、その点、防衛庁いかがですか。
  98. 久保卓也

    久保政府委員 自衛隊米軍の関係があるわけではございませんが、運輸省との関係がある。自衛隊法の中で、緊急の必要のある場合に防衛庁長官が運輸大臣に協議をすることができるようになっています。そしてそれについて必要があれば運輸大臣はそれを実行する。たしか百一条であるかと思いますが、そういうふうになっています。したがいまして、その条項によって事実上の問題といたしましては必要があれば防衛庁側から運輸省にお願いする。運輸省のほうでそれが必要とされれば航空管制上の措置をとる、そういうことであろうと思います。
  99. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 要するにそれは緊急の場合なんですね。緊急の場合に運輸省にそういうお話をして間に合うかどうかということなんです。
  100. 久保卓也

    久保政府委員 これは運輸省側で航空管制の裁量権を持っておられるわけでありますから、これは現実に大臣同士ということは形式行為でありますけれども、たとえば現地の部隊長が航空管制官のほうにお願いをして、それで必要と認めればそういうことがされるということは、事実行為としてはあろうかと思います。そういうことでおそらくされているのではなかろうかという感じがいたします。
  101. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 そうしますと、その内容はどんなものかということなんです。
  102. 久保卓也

    久保政府委員 たとえば海上で救難なんかがありました場合に、こちらのヘリコプターあるいはP2Jなどが出ますけれども、そういった場合におそらく管制官が優先的にそれを認めるというようなこと、あるいはジェット機が燃料が切れまして優先着陸を求めるという場合に管制官がそれを認めるというようなことであろうと思います。
  103. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 前にたしか海上自衛隊ですか、救難機がおそくなったために思わぬ災難といいますか、船が何時間もかかって救助に行ったときはすでにもうどうしようもなかったということで、自衛官の責任者が更迭になった事件がありますけれども、やはり私は、こういうところではっきり何か起きてから運輸省に話をするなんということだからこそそういう問題が起きたのじゃないかと思うのですね。やはり技術的面については制服同士、あるいはある程度そういうものが話し合ったとしても、ちゃんとした法律なりまたは技術なり規則なりというものが明確であれば訓練もできるけれども、ただ単にそういう問題が発生したときに話し合って云々ということでいままできたからこそ、そういった事件に十分対応することができなかったのじゃないかという面も考えられるわけですね。ですから、そういう点なんかも含めて今後検討すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
  104. 久保卓也

    久保政府委員 基本的には運輸省と私どもと十分協議をしなければなりませんし、また協定の中にもありますように協議機関を設けておりますので、その際に、一般論としてはお願いができるわけです。そして必要な場合にはそのつど、これは協定に基づいたということでは必ずしもありませんでも、運輸省側で十分措置をされていると思います。  いまおあげになりました先般の事故の場合には、防衛庁側の手落ちで間に合わなかったということだと承知いたしております。
  105. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 この辺もやはり検討し直すという考えがおありかどうか伺っておきます。
  106. 久保卓也

    久保政府委員 こういう問題につきましては私どもの側において当然必要があるわけでありますので、今後一そう緊密な連絡を保って検討を続けてまいりたいと思います。
  107. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 防衛庁関係はけっこうです。あとは新幹線問題を伺います。  続いて運輸大臣に伺いたいのですが、最近国鉄の新幹線構想が発表されているわけでありますけれども、いままでのことは新聞報道等において承知しているわけであります。しかし、その報道があってだいぶたっておりますし、新幹線構想、特に東京中心とした構想について伺いたいと思っております。  今後東北新幹線だとか上越新幹線だとか成田新幹線であるとかございますが、そういう新幹線が東京に乗り込む基本的な構想についてまず大臣から明確に伺っておきたいと思います。
  108. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 御承知のように新幹線計画につきましては、東北線が盛岡まで、上越は新潟、また成田新幹線、この三つが二月五日鉄道建設審議会の答申をいただいたわけであります。御質問の趣旨は、その始発駅の問題がどうなっておるだろうかということのようでありますが、何せまだ整備計画をこれから決定する段階でありまして、工事計画ができるのはおそらく九月ごろになるだろうと思います。その時点までいろいろ検討を加えなければなりませんが、関係方面の地域からはそれぞれ自分のところにひとつ始発駅をつくってほしいという陳情は承っておりますが、まだ具体的にきょうどこにするかということをお答え申し上げる段階に至っておりません。ただ、私個人の基本的なものの考え方、これは乗客の動き等を調べなければなりませんけれども、一カ所に集中するということがはたしていいか。集まってまいりますれば、結局今度は陸上交通のほうにも影響がまいります。しかしながら、新幹線というものは将来旅客の大宗を運ぶことになりますからして、現在のいわゆる東京駅なり上野駅なり新宿駅なりの収容能力がどうであろうかという点もあります。かつまた東北新幹線なり上越新幹線というものが東海道、いわゆる西日本につながる新幹線との乗りかえ状況がどうであろうか、こういういろいろの点の調査を十分しませんと、集中か分散かということの決定ができませんので、おそらく国鉄及び運輸省当局においてこれらのまず基礎資料の調査にかかっておる段階でありますので、まだどこにどうすべきかという点までは決定に至っておらないという状況であります。
  109. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 しかし、新幹線構想については、やはり長期的展望に立って、しかもいろいろな角度から検討してできたと思うのですね。そこで大体東京都を中心とした交通網はどのような人口動態を想定して策定したのかということなんですが、その点国鉄なりあるいはまたそれを担当された方がおりましたらば答弁願います。
  110. 山口真弘

    山口(真)政府委員 新幹線鉄道につきましては、その基本計画につきまして先般決定をいたしました。さらに整備計画も鉄道建設審議会の議を経たわけでございます。その際、この新幹線の旅客需要の見通しだとかあるいは現在線の輸送の限界というような点を考えました。そうして、その需要の見通しといたしましては、過去の現在線の実績を基礎として、県民所得等の相関関係を見る、あるいは新幹線鉄道整備による誘発あるいは航空機、高速道路への影響、そういった各般の事情を勘案いたしまして、配分モデルをつくりまして、その配分モデルによりまして新幹線、現在線の輸送量を想定する、そういうことによりまして、平均断面交通量というものを一応想定をいたしました。さらに現在線の輸送力の逼迫の状況というものが現在線で出ておりますから、そういったようなものを勘案いたしまして、輸送の問題といたしましてはそういったような問題を中心といたしまして検討する。さらに経済効果だとかあるいは採算問題、投資効率というような点を考慮の上、この三線を建設すべきものというふうに決定をした次第でございます。
  111. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 時間があれば、その結果どこがどういうような問題があり、どこがどんなように集中しているのかということを聞きたいのですけれども、あまり時間がなくなってきましたから先へ進みたいと思うのです。  大体あれを見ますと、上野、東京に集中しているわけですね。それはどういう想定で、どういう根拠でそういう計画を立てたのか、まずお伺いいたします。
  112. 山口真弘

    山口(真)政府委員 上野、東京ということではございませんで、東京と盛岡間、東京と新潟間、東京成田間、この新幹線を整備すべきであるということでございまして、そのターミナルにつきまして東京側をどこにするかということは先ほど大臣からも申し上げましたが、いろいろな検討事項がございますので、ただいまそういった点を調査中でございます。
  113. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 まず基本的なことを伺いたいのですが、東京という中には、おもな人口動態によって東京とか新宿とか池袋とかあるいはまた上野とかは、他の駅に比べて非常に顕著な、ずば抜けたそういう一つの動きがあるわけですね。ですから、いま私が上野、東京と言いましたけれども東京というのは東京都という意味を含めているというならば、その中に入る山手線あるいは中央線を中心として現在のどんな駅を東京としてあげているのか、その駅名をちょっと言ってください。
  114. 山口真弘

    山口(真)政府委員 具体的にどこはどうということはまだ申し上げるほど調査が進んでおりませんが、要するに先ほど大臣からも申し上げましたが、旅客の動態といいますか、それがが基本的でございまして、その旅客の動態に関連いたしまして、旅客のアプローチといいますか、背後的なその地域状況だとか、あるいは乗り継ぎの旅客の状況だとか、そういったような面、あるいは現在の駅の状況、それからその地域における用地その他の確保の見通しあるいはその位置というような問題、それから今度は列車のほうにまいりまして、運転の回数あるいは列車の種別、さらに列車の種別に関連いたします追い抜き並びに線路設備の状況、さらに車両の運用の方法あるいは車両基地の位置だとか、線路の保守の関係、在来線との連絡状況、こういった非常に各般の問題がございまして、そういった面を全部詰めまして、どこに始発駅をつくったらいいかということを決定いたしたいと思います。
  115. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 だから私もその先を聞きたいのですが、最後には審議会等できめると思うのです。ですからいまあなたがおっしゃったのは、一つはこういうことを判定の基準にしていくということだと思うのです。だからそうなった場合に、いまのような基準であがった駅はどことどことどこの駅なのかということをまず私は聞きたいのです。  そこで、これは昨年の分科会ですが、そのときに橋本運輸大臣構想を伺ったわけですよ。そのときに始発駅というよりも一番問題なのは、東北新幹線を三島まで、あるいはまた現在の新幹線を宇都宮駅あたりまでいくような、むしろ東京を通過駅にしたほうがいいんじゃないかという大臣構想を聞いたわけでありますが、そのこととちょっと食い違うような感じがするのは、いまの答弁ですと動態やいろいろの判定する基準を出して駅を決定するという考えのようなんですが、その点はどちらがどういう考えなのか、それをまず明らかにしていただきたい。
  116. 山口真弘

    山口(真)政府委員 大臣が前に申されましたその考え方は、もちろんただいま申しました列車の種別だとか運転の回数、車両の運用、車両基地の位置、あり方というような問題と関連いたしまして、そういうようにスルーにするということも十分考えなければいけませんし、あるいは行きどまり施設でいいという場合には行きどまり施設でやるということはもちろん考えるわけであります。そういう点を総合的に考えまして旅客の便益、それから運転方式その他の輸送上の必要というものを含めて今後決定していきたい、こういうことでございます。
  117. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 それじゃ現在ここに新幹線の始発駅またはこの線を通してくれという陳情をしているところはどことどこですか。
  118. 山口真弘

    山口(真)政府委員 全部網羅しているかどうかはちょっとはっきりいたしませんが、まず上野地区にぜひ新幹線の駅をほしいということ、それから田端地区に新幹線の駅をつくってほしい、それから池袋地区に駅をほしい、新宿地区に新幹線の駅をほしい——あるいは落としたのがあるかもしれませんが、私どもが聞いておりますのは大体そんなふうなところをおもに聞いております。
  119. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 そうしますと現在東京もある。上野もある。また田端と池袋というわけですね。先ほどのいろいろな判定からいって、東北新幹線一号、二号線あるいは上越線、成田線ともに上野と東京だけで処理するということはできるかできないか、まずその点いかがでしょうか。
  120. 山口真弘

    山口(真)政府委員 その点は先ほど申し上げました具体的な事情を全部検討してみなければなかなかいえないのでございます。ただいま的確なお答えをする段階に至っておりません。
  121. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 それはわかっているけれども言えないということでしょう。そうでなかったらまずいわけですからね。私は何も地元が池袋だから池袋に敷けなんというえげつないことを言いたくないわけです。ただ、しかし乗降客にしても新宿とともに日本一であるという一つの現状、また距離的にいっても、赤羽から池袋でおりた場合の距離と上野に行く場合と全然違うわけです。いろいろな面から考えても私は当然態度を早く明らかにすべきだという考え方を持っておるわけです。そのことは地下鉄の工事やあるいはまた副都心を整備する上において、地下道の建設などにもいろいろな影響を与えるわけですよ。確かに駅の設置または誘致については慎重の上にも慎重にやるといういままでの言い方はよくわかるわけです。ただしかし、過密化した都市の中にあっては、それをやはり前向きに、しかもだれでも納得するような方向で、しかもだれが考えてもこうだという線は早く出すべきじゃないかと思うのですね。この構想は何もきのうきょう始まったことでなくてだいぶ前からあるわけでありますから、その点で私はいろいろと申し上げたいわけなんです。ですからそういったことを考えた上で十分慎重に審議されて、そういう新幹線の始発駅または通過駅を考慮してほしい。大臣から再度その点の基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
  122. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 もうきまっているだろうというお話ですが、ほんとうにきまっておりませんから、これから資料を集めて検討いたします。  御承知のように新幹線はひかり級とこだま級がありますから、そういう点等も十分に考えながら、地域住民といいましょうか、もちろんこれは現在の交通体系の上から考え、かつ地域の要望等も参酌しまして慎重に検討したい、こう思っております。
  123. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 上越新幹線は上野にきまっている、そういう事実はあるのですか。
  124. 山口真弘

    山口(真)政府委員 そういう事実はございません。
  125. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 地下鉄の工事や地下道の工事に際して、建設省及びそれらを担当する業者に対しては、誘致の場合には十分支障のないような行政指導をしておりますか。
  126. 山口真弘

    山口(真)政府委員 地下鉄、地下道の工事等、いずれも都市計画で大体きまりまして、それで都市計画事業として行なわれる場合が多いわけでございますが、そういうような計画の決定といたしましては、その地域といたしましては、将来的ないろいろな構想を踏まえながら決定をしていくということになっております。
  127. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 はっきりできないのは当然だと思いますけれども、いずれにしても新幹線の問題は各地域にあって猛烈な運動を展開しているようでありますが、どうかそういう点については、何らかの影響によってあるいはまた政治駅だといわれるようなものがあってはならぬ、しかもどこまでも国家百年の大計に立った上で、自主的に、科学的な調査を十分した上での設置をしてほしい、そう要望しておきます。  これは私が特に感じる点でありますが、国鉄に伺いたいのです。池袋というところは新宿とともに副都心であるといわれておりますが、非常に駅前が狭い、しかもやっと整備したと思ってもそれが広くないわけです。こういうような駅前広場をどうしてつくったのか、むしろ政治家は何をやっているのかという地元からのいろいろな話があるわけですよ。昨年の分科会においても国鉄総裁は、私も池袋は十分知っている、そこであそこにステーションビルの十五階ぐらいのことを考えたり、または駅前広場を考えたりというような話もあったわけです。そういったことを踏まえまして現在どんな副都心構想計画を持っているのか伺いたいと思います。さらに最近大災害が起きるのじゃないかといわれている状況でありますが、池袋の場合はほんとうに広場がなくて困っているわけです。そういった点についてどういうふうに対処されるお考えなのか、それもあわせて伺っておきたいと思います。
  128. 内田隆滋

    ○内田説明員 ただいま御質問のありました池袋の駅前広場につきましては、確かに狭うございますが、一応都市計画としては事業が完了したという形になっております。それで、国鉄は財政難でございまして、御承知のように東口につきましては国鉄は全然負担をしてない、あれは道路の付帯構造物という道路広場になっております。西口につきましては国鉄が大体半分を負担しておるということでございまして、主として駅前広場につきましては、国鉄も御協力申し上げますけれども、都市計画事業として今後駅を広くする場合にはやっていただかざるを得ない。最近は都市再開発法なんかできておりますので、特に池袋のように土地の高いところではそういうものをお使いになって建物を動かしていく以外には、やっていくということは実際不可能ではないかというふうに考える次第であります。
  129. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 きょう国鉄総裁要求しておったのですが、何かの都合で見えないのかもしれませんが、ちょっと後退したいまのお話ですね。もうすでに都市計画は終わったということは何もやらぬということですか。それでまずステーションビルの計画はどうなったのか、やるのかやらないのか伺いたいのです。それから、もしやるとしたら家の立ちのきですか、そういったこと以外に考えられないといまおっしゃいましたが、実は池袋というのは御存じのように西武と東武というデパートがありますね。その間が非常に広いわけですよ、貨車の百両くらいあそこで入れかえがあるくらいで、狭いところで八十メートル、広いところは百五十メートルくらいあるのです。そこで私は前に、品川に団待がありますね、ああいう形でひとつ広場の設置を考えられないか、そういう提案をしたことがあるのです。そうしたら総裁が、十分わかっておる、東口の駅前広場のほうをいろいろ考えたい、さらにステーションビルの建設も考えておるということなんです。だからその進捗状況はどうなのか。まさかここに出てきていいかげんな話はしないと思うのです。その点伺いたい。
  130. 内田隆滋

    ○内田説明員 ただいま御指摘のありました鉄道施設の上空利用の問題ですね、これは運輸省のほうからもいろいろ国鉄の施設の有効活用ということにつきましては御指導がございまして、目下いろいろの駅で具体的な問題につきまして検討中でございます。検討中というよりもモデル駅を二、三設定いたしまして、線路の上空利用の問題についていろいろ問題点もございますし、一たんそういうものをつくりますと、今後の改良工事等、お客さんがふえてきてホームを増設をしなければならないというような場合には融通がきかなくなり、いろいろ不利な点も出てまいります。そういう点も勘案して一体どうしたらいいかということを検討しております。  当池袋駅につきましては、ただいまの仰せのように八号線も開発中でございますし、今後それらのものをあわせましてどういうふうに変わっていくかということももう少し見きわめたい、また御指摘のように、これはあれでございますが、ある程度新幹線を山の手地区に導入するというようなことも東北、上越の場合はどうか知りませんけれども、全国新幹線網というものを考えた場合に、中央線あるいは常磐線等を考えますと、そういうことも考えなければならぬ。したがって、そういう面で、ここでもってそういう構想もあわせて構想をやりませんと、千載に悔いを残すという意味では、あの広い上空というものは池袋地区の財産でありますから、将来に悔いのないようにしたい、あまり早く計画をきめないほうがよろしいというふうに考えております。その点につきまして総裁がおっしゃっているのも、そういう大構想だと私どものほうは理解しております。
  131. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 私はいまのあなたの考え方に反対なんですよ。というのは、場所も非常に広いし、いいところだからあわてないで先にという話ですが、早くきめて地元に応援してもらう、都市計画地元の協力なくしてできないと思うのです。こういう方向だ、こういう構想でいきたい、それは広く一般社会に批判を請うて、そうしてその計画遂行のためにはこれだけ予算が少ない、またこういうネックがある、地元にはこういう協力をしてもらわなかったらできない、むしろ新幹線誘致云々なんていうことでただ慎重、慎重なんていつまでも態度を保留するのではなくて、前向きにいくべきだ、こういう考え方ですね、はっきり申し上げますと。ですからその点は機会があればまた別の機会に総裁なり運輸大臣に聞きたいと思いますが、そういくべきだと私は考えるわけです。大臣、その点いかがですか。
  132. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 伊藤さんのおっしゃるとおりに、やはり大きな事業は長期的計画を持つことのほうがそれはよりベターである、私はその主義なんです。御承知のように、話がとんでもないほうに触れるかもしれぬが、たとえばフランスの凱旋門を中心に十にわたるああいう大規模な道路、これはおそらく昔計画したのでしょうが、ああいう大計画があったから、今日なおかつフランスはある程度道路交通の整理ができる。残念ながら日本にはそういう大政治家がいままでおらなかったのか、とにかく、きょうのことだけ考えておって長い将来のことを考えないからして、しょっちゅういじくってばかりいるわけですね。そういう意味では、ことに地域住民からすれば、あしたにも自分がどうなるかわからぬということでは非常に困ると思います。そういう意味では、やはり長期計画を立てて、もちろんそれにはその期間が十年かかろうが二十年かかろうが、その目標に向かって徐々に直していく。これは財政上のこともありますから当然でありますが、そういうものの考え方が必要である。そういう意味においては、原則として、伊藤さんのおっしゃるとおり、やはり長期計画を立てて、なるべく早く地域住民にその意図を明らかにしていくということが必要ではないであろうかと思います。
  133. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 遠大な計画でもありますし、さらに長期的に考えれば簡単にものは言えないということはよくわかります。しかし、それにもうがまんがならないくらい非常に都市の過密化が進行しているということです。それに対してやはり何らか政治的な手を打たなければどうにもならなくなる、こういう点を心配して私は申し上げているわけです。ですから、大臣がそのようにおっしゃっているわけですから、担当機関の方もそれを十分考慮に入れて進めていただきたい、そう要望します。  次に、現在山手線に貨物列車が通っているわけです。これは非常に、のべつまくなしといいますか、多いのですね。大体見ても、四、五十両、しかも五分間に二回ぐらいで、通るときは、山手線と貨物線が四本が一ぺんに走るようなこともしばしば見るわけでありますが、どのような使用状況なのか、それをまず伺いたいのです。  そうしてその中で、少し問題にしたいと私は思うのですが、現在横田基地にジェット燃料だとか軍需物資を送っているわけですね。それは年間どのくらい山手線を使用されているのか、その点明確に伺いたいと思います。
  134. 山口真弘

    山口(真)政府委員 ただいま具体的な数字等持ち合わせございませんが、基本的な考え方といたしまして、従来山手線は、東京におきます通勤交通機関である、同時に、東海道対東北、常磐、上越、中央、そういったような各線の間におきます貨物輸送のパイプでございまして、したがいまして、横浜あるいは神奈川地区から出るような貨物でも、山手線を通りまして、あるいは田端へ出て東北線に行く、あるいは常磐線に出ていくというようなこと、中央線に出ていくというようなことでございます。そのために、いま貨物線が非常に逼迫をいたしております。  それで、東京中心のこういう貨物輸送体系というのは、実はその点で非常に問題がございまして、特に先生が御指摘のようないろいろな危険物等もこの線によって輸送されているわけでございまして、何とか根本的にこれを解決をしたいという構想でございます。それが現在の武蔵野線構想という構想でございまして、東京の比較的周辺部に大きな貨物のパイプをつくってしまうということで、武蔵野線の東線、南線、西線というものを現在工事中でございます。この工事ができますと、山手線における貨物輸送というものをこちらのほうへ肩がわりをするということができるわけでございます。したがって、その意味で山手線の貨物輸送というものが非常にウエートが減ってくるということを期待いたしまして、その武蔵野線の建設を促進をしておるということでございます。  それから、横田基地に対します油の輸送の数量等、ちょっといま手元に数字を持ち合わせておりません。
  135. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 その辺の資料を要求したいと思います。いかがですか。
  136. 山口真弘

    山口(真)政府委員 よろしゅうございます。
  137. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 それは、産業の動脈になっております現在の貨物列車については、それなりの意義を私は認めますが、ただあの沿線に住みます住民というのはたいへんな被害を受けているわけです。あとから来たんじゃないかと言われればそれまでの話なんですが、非常にその騒音がうるさいわけですね。一説によりますとこれは四十七年までに廃止になるということでありますが、この点はいかがですか。
  138. 内田隆滋

    ○内田説明員 武蔵野線の完成は、全体が通りますのが四十八年の十月ぐらいになるとただいまのところ予定しております。  それでその場合にメインの貨物はほとんど武蔵野線に移行することになると思いますけれども、都内に若干の貨物駅がございますし、貨物列車は御承知のとおり一日じゅう走りまして、夜間のほうが列車回数が多いということがございまして、保守をするときにはやはり山手線をある程度使わなければいけないというようなことがございまして、全廃はちょっとできないというふうに考えます。  全廃をいたしますためには、ただいま計画のございます東京湾岸の京葉線が完成し、都内の貨物駅の整理が進めばできると思われます。したがって貨物列車が全然なくなるのは相当先になるのではないかと思います。
  139. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 四十七年に一応なくなるということは、公式の発言で私は聞いたと思うのですよ。それはいまおっしゃるように武蔵野線ですか、その進捗状況によってきまるということのようでありますが、ではそれはいつごろ完成する見通しでいま進められているわけですか。
  140. 内田隆滋

    ○内田説明員 武蔵野線はいま予定はそうしておりますけれども、予算の関係がございますので、大体そのころというふうに考えております。
  141. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 四十七年ごろですか。
  142. 内田隆滋

    ○内田説明員 四十七年ないし四十八年ということでございます。
  143. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 そこで、いまも少し話が出ましたが、あの貨物輸送は沿線住民にたいへんな負担を与えているのですよ。騒音、電波障害、危険度といいますか、ジェット燃料なんかもし事故が起こったら一瞬にして付近の住民はまる焼けになりますよ。一回新宿駅で事故が起きましたけれども、あれはあのような広い場所でしたからよかったわけですが、たとえば池袋と大塚の間だとか、あるいはまた住民の密集したところを走っている新宿の近く、高田馬場ですか、あの辺のあたりでもしか事故が起きた場合にはたいへんなことになると思うのです。事故が起きてからまた補償の問題云々というよりも、たとえ米軍との取りきめによって、また安保条約の権利義務の関係によってそういった輸送を行なうような取りきめがあったとしても、やはり日本国民の生命を守る立場からいうならば、それは重要視して廃止させるとか、もしくは変更をするような方向で検討すべきではないかと思うのです。先ほど来いろいろ話しておりましたように、最近非常に基地縮小計画があるんですね。ですから当然私はいままでにない新たな再契約なり、または輸送方式というものを再検討した上で契約を改定するなり、または契約をなくすなり、そういう方向でいくべきではないか、そう思うのですが、その点いかがですか。
  144. 山口真弘

    山口(真)政府委員 この山手線の輸送力逼迫の解消は、ただいま先生御指摘のように焦眉の急を要するわけでございまして、運輸省といたしましても、これは鉄道建設公団が着工いたしておりますが、毎年非常に大きな予算を入れておりまして、これは湖西線と合わせてでございますが、四十六年度予算におきましては五百五十億という巨額の予算を出しております。四十五年度は湖西線を入れて四百三十五億でございますから、百億以上の増強をいたしまして、この武蔵野線の完成を急いでいるという姿勢でございます。なお、この鉄道だけでもさらに足りない点がございますので、実は東京——八王子間におきまして国鉄がパイプラインを計画をいたしておりまして、こういったものによりまして、貨車輸送、タンク車によるところの輸送の危険を排し、なおかつ線路容量を緩和して旅客輸送のほうに力を注いでまいりたい。このようなことで現在進めている段階でございます。なるべく早く武蔵野線の建設を完了することが、やはり根本的に問題の解決になるということでございまして、何とか力を入れまして、これの早期完成につとめたいと思います。
  145. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 米軍の軍需物資なり、あるいはまたジェット燃料の輸送等については、私は先ほど申し上げましたような考えですが、それについてどう思いますか。
  146. 山口真弘

    山口(真)政府委員 米軍の輸送でございますが、これに対しましては、現在国鉄と米軍との間の協定がございまして、その協定によりまして、現在の鉄道に適用されておりまする鉄道営業法その他の日本国内法令に従って運送をいたしております。したがいまして、これはいわば通常の日本の荷主と同様の姿で輸送の申し込みがあり、そしてそれに対して輸送の受託をして送っているということでございます。それで、米軍の輸送物資の中には油類のようなものもございますし、その他一般の雑貨と申しますか、そういうふうなものもございます。そういったようなものを一般の荷主と同様の姿で送っていく、こういうことでございます。
  147. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 だから、事故が起きてから騒いでもしょうがないから、そういう危険なものを送る場合には——それが契約によってやられておるということはよくわかりますよ。だから契約を変更するなり、基地が縮小になってきているわけですから、その軍需物資輸送も変わることも考えられるわけですね。そういう点やはり日本国民の安全というものを考えて、輸送には特別な配慮を払うとか、あるいはまた計画変更をするとか、また船によってのみジェット燃料については輸送するとか、または別なパイプラインをつくるとかいう考えがあるかというのが私の意見です。
  148. 山口真弘

    山口(真)政府委員 米軍の輸送は、先ほど申しましように日本の一般の荷主と同様の輸送をしておりまして、たとえば危険品につきましては、危険品としての一般の荷物と同様の安全性を保つ、それで十分だという安全性を保つということで、米軍について特別の不安なやり方を使うということはいたしておりません。一般の危険品なり、一般の石油類と同じ扱いをする、こういうことでございます。なお先生御指摘のように、それにいたしましても油類等につきましてはタンク車による輸送でございまして、これは将来パイプライン輸送ということで持っていかなければならぬということで、これは大臣からも非常に強く御指示がございまして、やはり早く国鉄のパイプライン輸送というものをつくって、それに肩がわりして関東内陸部に運ばなければならぬということで、現在鋭意準備を進めておる段階でございます。
  149. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 そういった問題を早く計画を実行に移していただきたいと思います。それから特に一番問題になるのは震動ですね。騒音、震動という大きな影響があるわけですが、特に真夜中には震動が大きいのが通るのですね。どんなものが通るのかわかりませんけれども、頻度も激しい。私も沿線に住む一住民ですから毎晩その影響を受けておるわけです。仕事なんかしておりましたり、またはそういう震動が大きければ十分な睡眠がとれないということは、私も含めて沿線住民はみなそうだと思うのですね。聞くところによりますと、大体神経質な子供が非常に多いとか、または不眠症になったとか、安いから入ってみたけれども、実際にはみなノイローゼになったとか、しかし次の家を借りる資金がないので先生何とかしてくれないかという意見も、私たくさん聞いておるわけです。そういういろいろ重要な、また輸送路としてはあすこしかありませんから、これはやめろということは無理だと思います。ただしかし、夜中の一時から少なくとも始発の五時ぐらいまでの間はもう少し量を減らすとか、あるいは山手線が通らないときには、山手線と同じように運行を停止するとかいうことが考えられないかということなんですが、その点いかがですか。
  150. 山口真弘

    山口(真)政府委員 これはなかなかむずかしい問題でございまして、貨物列車の運行というのが、通常は昼間の荷物の集荷等によりまして、それが貨物列車に仕立てられまして、夜運行をされるという場合が非常に多いわけでございまして、その点で貨物列車の運行が夜に集中するということで、震動、騒音の問題というのが特別に大きな問題になるところがあると思います。ただ、先生御指摘のようなことでありますので、具体的な問題について、もう少し各地の実情等を十分に調査させまして、そしてなるべく住民の方々の御不便なり御迷惑にならないようなことは考えなければいかぬと思うわけでございまして、その点で国鉄に対して十分に指導いたしたい、このように考えております。
  151. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 これで終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、どの問題を取り上げましても、東京の過密化現象からくるいろいろな問題が多過ぎるほど多いわけであります。そこで最後に大臣に、今後の運輸行政について、現在国鉄の問題もずいぶんいろいろありましたけれども、今後やはり運輸省としては、それらの国鉄の問題を含めまして、都市の再開発もしくは住民福祉とか住民の現在困っている諸問題に、どのような態度で善処しようとしているのか、その運輸大臣の姿勢を伺って終わりたいと思います。
  152. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 運輸行政全般となりますとたいへんこまかいことになりますので、姿勢の問題でありましょうから、その点についてお答えを申し上げますが、御意見のように、いわゆる公害問題、騒音問題等のあるいは過密地帯におけるところの交通渋滞の普遍化、いろいろな問題を控えております。せっかく政府としても、また国鉄にいたしましても、たとえば東京においては複々線化工事を進めるとか、あるいは貨物専用線を行なうとかやっておりますが、そのためには、また皆さんにもいろいろな迷惑をかけておる。騒音問題等は、やはり技術開発の問題もありましょうからして、十分な技術開発により、できるだけ騒音を少なくするという面も積極的にやらせたいと思っております。  同時に夜間運行の問題ですが、ただいまの状態ではレールが非常に逼迫いたしておりますので、もしこれを制限しますというと、かえって国民生活に対して物資の不融通状態、すなわちいろいろな面においての問題が起きてまいりますので、なかなかむずかしい問題があると思いまするが、地域住民にはできるだけ迷惑はかけないという方針で、積極的な施策を講じてまいりたいと考えております。
  153. 伊藤惣助丸

    伊藤(惣)委員 終わります。
  154. 天野公義

    天野委員長 東中光雄君。
  155. 東中光雄

    ○東中委員 私は、航空保安大学校との関係で航空交通管制を中心にしてお聞きしたいと思うのですが、先ほど同僚委員からの質問もありましたが、昭和二十七年六月の日米合同委員会での合意書について、政府はこの合意書の中に、日本国日本の領空において完全かつ排地的な主権を持ち、かつそれを行使する、こういうことを書いています。これは当然のことですが、ただし書きで、航空交通管制組織の管理は在日米軍が持つ、持つというか委任するというか、そう書いているようです。そして日本国政府がICAOの標準に従って適当な航空交通管制業務を提供できると相互に意見の一致を見たときに、日本国政府に移管される、こういうふうに規定されたように伝えられているわけですが、航空交通管制業務を提供するための運用上の責任というのは全部日本に移管をされたのかどうか。三十四年の協定も含めて、第三付属書を含めて全部移管をされたのかどうか、その点を伺いたいと思います。
  156. 内村信行

    内村(信)政府委員 お話のように、昭和二十七年六月にまず合意ができております。それは当時までは占領下にあったわけでございますが、講和条約ができまして日本が独立ということにおきまして領空主権も当然日本に返ってきたわけでございますが、何ぶん航空交通管制ということは、それまで日本の側では事実行為として全然やっておりませんでした。したがいまして、管制に関する施設もございませんし、管制官の能力も皆無であったというような当時の事情でございます。したがいまして、領空主権というものは返ってきたわけでございますけれども、事実行為としての管制行為、これは日本人の手でやることができなかったわけでございます。したがいまして、その間は一時的な措置といたしましてこの航空交通管制という事実行為を米軍のほうでやってもらったということが実情でございます。しかしその後、それと同時に米軍のほうに日本側の管制要員の訓練というものもいたしてもらいました。その訓練ができ上がるに従ってこちらが引き継ぐというふうなことをやってまいりました。その結果、昭和三十四年の六月の合意でございますが、そのときにおきましては、日本側において航空管制をやるという事実上の能力ができてまいりました。そこでこれを引き継いで日本側が全面的に管制業務を行なっているということであります。ただその場合に、この合意書の概要にもございますように、米軍に提供している飛行場がございますが、その周辺飛行場管制業務あるいは進入管制業務というような業務は、その事実行為として米側で行なったというふうなことが経緯でございます。
  157. 東中光雄

    ○東中委員 航空管制権が事実上日本政府によって全面的に行使されるように能力もできたしやっている、ただし米軍基地関係、演習地周辺関係は別だ、こういうことなんですが、航空管制権といいますか管制区、あるいは飛行情報区、FIRとしてやっておるのは、日本航空管制権を及ぼしている範囲というのは、いわゆる東京FIR、この範囲内だけですね。そうでございますか。
  158. 内村信行

    内村(信)政府委員 東京FIRの範囲でございます。
  159. 東中光雄

    ○東中委員 そうしますと、現在わが国の領土、領海の上の領空で航空管制権を米軍基地その他以外に行使をしていないところがありますね。どう
  160. 内村信行

    内村(信)政府委員 この点につきましては、いわゆる南西諸島、それから小笠原群島、この部分が沖繩FIRあるいはグアムFIRに属しております。
  161. 東中光雄

    ○東中委員 小笠原関係ですね。硫黄島周辺、これはグアムFIRに属している。日本の領空に対する完全かつ排地的な主権を持って、それを行使するという点からいえば、日本の領土である硫黄島がなおグアムのFIRの中へ入っている、これはどういうわけでそういうことになっておりますか。
  162. 内村信行

    内村(信)政府委員 小笠原群島は先般日本側に返ってまいりましたのですが、その際にほんとうは東京FIRに含めるということが本筋かと思います。ただ技術的ないろいろな問題もございますので、その関係の手続をいま進めておるというのが実情でございます。
  163. 東中光雄

    ○東中委員 これは事は主権に関することでございます。二十七年の六月の協定でも、わざわざ日本国は領空に対して完全かつ排他的な主権を持つということを書かざるを得ないような性質のものであります。硫黄島を含めて小笠原が返ってきてからもうすでにずいぶんになります。それでなおグアムの管制区内に入っている、アメリカの管制の中に入っているということは全く遺憾なことだと思うんですが、その点大臣どうでございましょう。
  164. 内村信行

    内村(信)政府委員 これは、そういうふうなことで、先ほどお話し申し上げましたように、いわゆる技術的な問題もございますので、その関係でおくれておるのは、私は遺憾だと思います。したがいまして、こういうものはやはり早くこちらのFIRに属するように、早く手続を進めたいと思います。
  165. 東中光雄

    ○東中委員 技術的にと言われましたけれども、小笠原全体を含めての管制をいま広げるにしても、どのぐらいの人が要るのですか。管制官何人ぐらい要るとおっしゃるのですか。私たちの計算では、せいぜい管制官及び補助官二人一組で五組もあったらいいのじゃないか。十人ですね。それから羽田対空通信担当の人が五人ぐらい要るが、十五人か二十人もあればできることじゃないか。主権に関することです。日本の領空を日本管理するかどうかという主権に関する問題を、わずか十数人、二十人ぐらいできることがなぜやれないのか。アメリカに領空をいわば支配されているということを公然と認めているということになるのですが、その点どういう支障があるのですか。
  166. 内村信行

    内村(信)政府委員 確かに人の問題もございます。そこでいわゆる東京航空交通管制部、そこにつきましてもいろいろ省力化を進めまして、そういうふうな対策を進めておりますので、ほどなくそういうふうな問題も解決いたしまして、こちらでできるようになると思っております。
  167. 東中光雄

    ○東中委員 沖繩の返還がやられたら、沖繩FIRは返ってくるということになるのかどうか。そういう点についてどういうふうな交渉をされておるか。
  168. 内村信行

    内村(信)政府委員 この辺はまだ米軍から正式な意向はございませんけれども、私どもといたしましては、沖繩返還の暁は沖繩FIRは日本のほうで管轄したいというふうに考えております。
  169. 東中光雄

    ○東中委員 沖繩FIRは東京FIRとは別のFIRになっている。その別のままで返ってくるのですか。東京FIRの中へ入れるということなんですか。その点はどらですか。
  170. 内村信行

    内村(信)政府委員 沖繩FIRは東京FIRと別でございますけれども、その所管日本側にくるという意味でございます。
  171. 東中光雄

    ○東中委員 それで、沖繩FIRの範囲ですけれども、いま米軍が沖繩FIRとしてやっている範囲は、たとえば西表あるいは与那国、要するに日本の領土ですね、これが沖繩FIRの範囲外に出ておって、これは台北のFIRの中に入っておる。台湾が管理をしている。この問題をどういう形で——沖繩FIRを日本管理するようにしたいと、こういまおっしゃったけれども、台北の中に入っておるわけです。これはどうされるのですか。
  172. 内村信行

    内村(信)政府委員 確かに御指摘のように、沖繩FIRの中には東経百二十四度以西の西表島であるとかあるいは与那国島は、これは入っておりません。これは御承知のように台北FIRに入っております。そこで、このまま沖繩FIRがこちらに返ってまいりますと、当然この分は抜けてくるわけでございますが、何ぶんこれは世界的な問題でございますから、これはICAO、国際民間航空機関がございまして、そこにそういう問題を提出いたしまして解決するようにしたいというふうに考えております。
  173. 東中光雄

    ○東中委員 千島のほうを見ますと、FIRは北常にこまかく曲げてやっております。ところが、日本の領土、日本の領空、これが台北だとか、アメリカにいまなお管制権を渡したままになっている、これはもう非常に異常な状態としか——全くほうっておいたとしたら怠慢というか、主権について非常に重要な問題だと思うのですが、大臣、その点どうでしょうか。こういうものをほうっておいていいかどうか、早急にやられるべき性質のものだと思うのですが、大臣の見解をお聞きしたい。
  174. 内村信行

    内村(信)政府委員 一応私から事務的に御説明申し上げまして、それから大臣に……。  それで、先ほどお話し申し上げましたが、沖繩FIRというのは、いまわがほうの管轄に属していないわけでございます。米軍に属しております。したがいまして、沖繩FIRのほうに西表島あるいは与那国島が入っていないわけでございますが、これはいままでは私どもとしてはいかんともしがたいことだったわけであります。しかし、今後沖繩が返還されれば、この沖繩FIRがわが国の所管のほうに入ってまいりますので、その際は西表の部分あるいは与那国の部分、それをもこちらの沖繩FIRに入れて日本のほうで所管したいというのがわれわれの希望でございます。したがいまして、その方法といたしましては、これは世界のほかの国に関係があることでございますから、ICAOを通じてこれを表明し、それによって解決したいということでございます。
  175. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 陸上あるいは上空といえども、これは国家主権の問題でありますから、重大問題でありますので、それらについてはあくまで権益は保持しなければいかぬと思っております。  ただ、技術的問題としていろいろな問題がございます。たとえば、板付につきましても、今後実際上の返還が実現されましても、いろいろ問題を考えれば、自衛隊を借りるとかなんとかの方法も必要かと思いますが、これは技術問題でございますから、したがって理論的に言うならば、国家主権の及ぶこれは権益の問題でございますから、積極的にこの問題については処理をしてまいりたい、こう考えております。
  176. 東中光雄

    ○東中委員 米軍基地関係の問題は、安保条約との関係でいろいろ別の問題があると思うのですけれども、いまの硫黄島の問題とか、あるいは、台北FIRの中に入っておる日本の領空の問題というふうな問題は、また全然別個の問題で、いままで問題にされなかったのがむしろ解せないくらいのことだと思うのですけれども日本の領空、主権の問題としてすみやかに解決をつけるべきだということを強く要請をしておきたいわけです。  次に、いわゆる横田エリアですが、相当広範な空域を米側が保有しておることになるわけですが、その根拠は一体何なんでしょうか。
  177. 内村信行

    内村(信)政府委員 いわゆる横田エリアでございますけれども、現在横田それから入間、立川厚木、この各飛行場周辺におきます進入管制権はございます。これを一元的に横田において行なっておるわけでございます。  そこで、このような空域におきまして進入管制を行なっておる根拠は何であるかというふうな御質問かと思いますけれども、まず第一に、この空域は、日本政府が提供した施設及び区域ではないわけでございます。  そこで地位協定の第三条一項によりまして提供施設の近傍においては米軍が「必要な措置を執る」ことができるというふうなことがございますが、それによりまして、地位協定の第六条の第一項に基づきまして航空交通管制に関する合意というものができております。その合意の中で進入管制業務を事実行為として行なうことを日米間で認めているというのが根拠でございます。
  178. 東中光雄

    ○東中委員 航空交通管制に関する合意書ですね、合意書の第三附属書まで含めて、これの内容を明らかにしていただきたいと思うのですが、資料を出してもらえますか。
  179. 内村信行

    内村(信)政府委員 これはまことに恐縮でございますが、協定書、それから第三附属書、これは合同委員会の関係文書でございまして、この合同委員会の関係文書は日米間ですべて非公開にするということになっておりますので、遺憾ながらこれはお出しできないのでございます。ただその概要につきましては、従来からもしばしば国会に提出しておりますし、今後も差し上げるにやぶさかではございません。
  180. 東中光雄

    ○東中委員 横田基地米軍東京航空交通管制部との間の協定がございますね。それも根拠になっておると思うのですが、それはどうですか。合同委員会の合意書ではないわけです。それは明らかにできないのですか。
  181. 内村信行

    内村(信)政府委員 これもございますけれども、同様に非公開ということにしておるので申しわけございません。
  182. 東中光雄

    ○東中委員 外務省にお聞きしておきたいのですが、外務省お見えになっていますか——いまの協定ですね、これも非公開になっているのですか。日米間の協定、これも非公開だということになっているのですか。
  183. 橘正忠

    ○橘説明員 ただいまお尋ねの文書は、運輸省所管のものと存じますので、内部的なものとしてお取り扱いをきめられているものと承知しております。
  184. 東中光雄

    ○東中委員 では、運輸省のほうはいま、日米合同委員会関係の分は公開しないということになっているからということだったけれども、このいわゆる横田エリアについての協定ですね、この内容はそういうことにはなっていないのじゃないですか。
  185. 内村信行

    内村(信)政府委員 これは第三附属書関連文書であるという合同委員会の見解によって出せないということになっているようでございます。
  186. 東中光雄

    ○東中委員 その内容は、政府から出されているのは概要ですけれども、それは知っているわけですが、あまり概要すぎるのですね。もう少し明らかにしてもらいたいと思うのですが、またあとで質問したいと思います。  それから東京管制本部が自衛隊のAMIS、航空機動向確認係に飛行資料を提供していますけれども、これの根拠は一体何なのか、同時にどういう飛行資料を提供しているのか、それからどの範囲のことについて飛行資料を提供しているのか、その点を明らかにしていただきたい。
  187. 内村信行

    内村(信)政府委員 これは運輸省航空行政と自衛隊の業務との間の調整に関する事柄でございます。先ほど申し上げました文書でございますが、その中で触れられております。内容と申しますと、管制部がAMISに通報するものは、管制部の受理した飛行計画、出発報、到着報、それから一部の義務位置通報点の予定通過時間というようなものを提供しております。
  188. 東中光雄

    ○東中委員 実際見てみますと、管制部へ行って私見てきたのですが、スリップというのでしょうか、飛行資料、これを全部あそこへ来ているAMISの自衛隊の人に渡していますね。これは全く一つつくればいいものを二つつくって、そうして運輸省自衛隊の下請をやっているみたいな形になっている。しかもその範囲は、防衛識別圏の中、外側の線の内側全部ですから、だから、日本のほとんどすべてが入っているのじゃないか、こう思うのですけれども、そうじゃございませんか。
  189. 内村信行

    内村(信)政府委員 大体防衛庁のほうで設定して考えておられる点に関するものでございます。
  190. 東中光雄

    ○東中委員 運輸省としては、いま航空管制というのは人が少ないし、飛行機はどんどんふえるしジェット機化するし、たいへんなてんやわんやの航空管制の状態だと思うのですよ。非常に危険な状態である。そういう中で、防衛庁への資料、全部二つずつつくって送っている。こういうことは運輸行政上、やっておっていいのかどうか、事故でも起こったら一体どうするつもりなんだというふうに思うのですが、そういう点、改善の方向は考えられないのですか。
  191. 内村信行

    内村(信)政府委員 私ども運輸省政府機関一つでございます。そこで、防衛庁一つ政府機関として国防の任務を担当しているわけであります。したがいまして、政府機関相互におきまして政府目的のために協力し合うのは当然だろうと私ども考えております。ただ、それによりまして仕事が過剰になるとか、そういうことじゃやはり困るわけでありまして、仕事がふえればふえただけの手当てをしていかなければならぬ、これは当然であります。したがいまして、スリップ二枚書いている、先生の御指摘のとおりでございます。そこで、こういうものはだんだん自動化いたしまして人力を省いていこうということで、かねがね東京管制部につきましては、電算化いたしまして情報処理システムをつくってまいったわけでありますが、これは本年の二月六日から電算機を入れまして、それによって働いております。それによってだいぶ省力化されてまいりました。さらに電算機の使い方も、逐次稼働時間をふやしてまいりたいと考えておりますので、そういった点の人手が省けますので、その辺の余裕によっていまのスリップ二枚書くという必要もなくなりますし、そういう点で労働強化ということにはならないと考えます。
  192. 東中光雄

    ○東中委員 電算機を入れられたのは知っておりますが、たとへばレーダーの問題にしても、民間の、運輸省関係のレーダーというのは箱根と福岡二つしかない。自衛隊のほうは二十四基もある。全土をおおっている。軍事優先で、民間航空の運輸行制という面からいうと、非常に弱い、危険な体制にあるということだと思うのですが、それがまた職場での労働強化にもなっていると思うのですが、これは早急に改善さるべきだ、こういうふうに思いますので、その点申し上げて、時間がありませんのではしょりたいのですが、横田エリアが相当広範な地域米軍の管制下に置かれていることによって、民間機航空路東京から大阪行き、それから福岡行きですか、この西行きの二本は最近通るようになったけれども、北陸方面へ行くものあるいは大阪からの帰り、これはブルー14なりあるいは横田エリアなりを迂回して航空路がつくられていると思うのですが、そうではございませんか。
  193. 内村信行

    内村(信)政府委員 確かに裏日本——裏日本というといけませんけれども、北陸のほうでございますか、そちらのほうへ向かう航空路は迂回していることは事実でございます。ただ、これは横田エリアのせいではございませんで、いまあの辺を飛んでいる飛行機はフレンドシップあるいはYS11が飛んでいるわけでございますが、いずれもプロペラ機でございます。したがいまして、そう高い高度はとれません。そこでエンジンが一つとまった場合を想定いたしますと、たとへばYSの場合ですと高度が一万フィート以下に下がってしまいます。山は一万フィートございます。そういう関係で、山の上を通すと危険である。また、この航空保安施設につきましても、飛行機の高度が低いものですから、山に影響されまして完全に機能を発揮しないというふうなことがございます。そういうような点から山越しを避けて迂回しているというのが実情でございます。  それからブルー14をぶち抜いて二つの羽田リバーサルとか浜松直行ルート、こういったものがありまして、だいぶよくなったと思います。これを帰りも使ったらどうかという御意見であると私思いますこれは、残念ながら富士山がその先にございまして、ぶち抜いたルートというものはワンレーンくらいしかとれないのです。したがって、これは対面交通ということがございまして、そこを無理して通らないで、帰りはむしろ大島を回ってくるということによって安全をはかりたいという点が私どもの考えでございます。
  194. 東中光雄

    ○東中委員 北陸関係へのコースは山が高いからということをいまおっしゃったけれども、それはとんでもないことじゃないですか。三千メートル四千メートルの山があるからといしって、YS11にしたって、それでうんと迂回をしなければいけない。富山コースなんか見れば、直線コースの普通考えられているコースの二・一倍くらいの距離を走るという状態であります。あるいは小松の場合でも一・六倍、福井の場合でも一・五倍、名古屋で一・四倍というふうになっている。明らかに広範な横田エリアを迂回しているということですねしかもいまのレーダーの問題なんかは、これはそういう管制設備をつくるべきなんで、横田エリアでつくれなくなっているからそういうことになっているんじゃないですか。
  195. 内村信行

    内村(信)政府委員 私の聞いているところでは、これは横田エリアのせいではございませんで、山が相当高い。もちろん双発で両方のエンジンが回転している場合には当然上を行けます。しかし飛行機の場合には安全を考えまして、絶えず一発停止ということを考えております。したがって、一発停止の場合には相当高度が下がる。そうすると、山があるのであぶない。なお、さらに申し上げますと、山の場合には、保安施設をつけましても山の陰に影響されまして電波が曲がるとか、支障をこうむります。そういう関係で、安全上から支障があるということからこれは上を通さないで迂回していくということが実情であると承知しております。
  196. 東中光雄

    ○東中委員 そうすると、横田エリアがあっても日本航空路設定について、あるいは飛行について別に何も支障はないという考えなんですか。
  197. 内村信行

    内村(信)政府委員 いまの点に関しましては支障はないと思っております。
  198. 東中光雄

    ○東中委員 そしたら、どういう点に支障があるのですか。
  199. 内村信行

    内村(信)政府委員 支障はございませんと考えております。
  200. 東中光雄

    ○東中委員 米軍横田エリアというのは、この範囲はまだ発表されていませんね。明らかにされていませんね、図面には書いてあるけれども。その範囲を明らかにしていただけますか。
  201. 内村信行

    内村(信)政府委員 技術部長から答弁いたします。
  202. 東中光雄

    ○東中委員 時間がありませんからあとで資料を出してもらったらいいと思います。資料を出してもらえますね。
  203. 金井洋

    ○金井説明員 先ほどお話ししましたように、協定書は第三付属書に関連するものであって、これはお出しできませんが、概略はお出しできると思います。
  204. 東中光雄

    ○東中委員 横田エリアの範囲を明らかにしてほしいと言っているので、協定書の内容を明らかにしてほしいと言っているわけではないのです。
  205. 内村信行

    内村(信)政府委員 お出しいたします。
  206. 東中光雄

    ○東中委員 横田エリアあるいはその他米軍の演習のために設定された制限空域、ずいぶんあちこちにあるわけですが、これについて、現実に空格はそこをのけて設定されている。この図面を見たらそうなっていますね。そういう状態が非常な支障を来たしていると思うのですが、いずれにしても、いま基地縮小がずっと言われてきているわけですけれども、こういう米軍の制限空域を解消していく、そういう要求を米軍側に出しておるということがあったかどうか、これはひとつ大臣のほうからお答え願いたいと思います。
  207. 内村信行

    内村(信)政府委員 いまの制限区域でございますけれども、これは米軍の射爆場、演習場あるいは自衛隊の演習場、そういったものの上空につきましては、一般航空機が通りますと危険であるということから、航空路誌の情報として、こういうところにこういうようなものがございますよということを示してあるのが、いま言われた制限区域の実態でございます。したがいまして、私ども民間航空といたしましては、当然こういうものは少なくなってくれるほうがありがたいということは間違いないわけでございます。ただこれにつきましては、どれほど演習場が要るか、要らぬかというふうなことは、ちょっと私どもとしてもわかりかねますし、これは防衛庁の問題でございますので、私どもそういう希望は持っておりますけれども、具体的にどうこうというふうな要求は出したことはございません。
  208. 東中光雄

    ○東中委員 立川基地返還された場合、先ほど質問がありましたので、時間もありませんから簡単にお聞きしたいのですが、この飛行場の管制権管理権は一体どこが持つのか。運輸省が持つのか防衛庁が持つのか、その点はどうなんでしょう。
  209. 内村信行

    内村(信)政府委員 実は立川の問題につきましては、まだ返還するとも何とも意思が表明されておらないわけでございます。ただ私どもといたしましては、やはり返還されるといなとを問わず立川飛行場というものを使っていきたい。と申しますのは、主として小型機用の空港というものがいま一ぱいになっておりまして行くところがございません。ことに台風の場合の格納庫、そういうものを考えますと、やはり立川を使いたいということから、立川民航にも使わしてもらいたいということを希望しておるわけでございます。したがいまして、これは現在では米軍管理状況でございますけれども米軍管理のままにおいてもこれは民航あるいは自衛隊ともに共同使用していきたいという方向で申し入れております。そして、これにつきましては先ほどお話があったかと思いますが、大体話がつきまして使用できるということになっておるわけでございます。
  210. 東中光雄

    ○東中委員 使用できるということになって、その管理、管制権はいま米軍にあります。それを将来運輸省のほうで持つつもりなのか、あるいは自衛隊のほうなのか、その点を聞いているわけです。
  211. 内村信行

    内村(信)政府委員 この点においてはまだ結論を得ておりません。
  212. 東中光雄

    ○東中委員 運輸省としては、それを運輸省管理する方向を出されておるのか、おらないのか、その点はどうなんでしょうか。
  213. 内村信行

    内村(信)政府委員 本件につきましては大体小型機が使用するということを考えております。また自衛隊の使う程度はどの辺かというようなこともまだはっきりいたしておりませんので、その辺を詰めましてから、こちらが管理をしていくかどうかという結論を出したいというように考えております。
  214. 東中光雄

    ○東中委員 民間航空側は、調布飛行場の小型機のあふれたものを持っていきたいというように考えておられるようですが、防衛庁のほうは、陸上自衛隊が関東地区の航空隊の主力を集めようとしておるというふうなことが伝えられておるわけですが、防衛庁、そういう点はどうなんでしょうか。
  215. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 立川の問題につきましては、先生御指摘のように現在宇都宮にございます東部方面航空塚管下の飛行部隊を立川のほうに移したいという考え方でございます。
  216. 東中光雄

    ○東中委員 東部方面航空隊の司令部を宇都宮から移す。これは第一師団を支援する第一飛行隊を方面航空隊直轄の方面飛行隊を、宇都宮から移すさらに整備、補給のメッカとして土浦から武器補給処の航空部を拡大してここへ移す。こういうふうな計画を持っておられるのではないですか。
  217. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 東部航空方面隊は、司令部を移します。それからそれに付随いたします部隊、これは東部方面航空隊、それからいま御指摘の上浦の面につきましては、なお現在検討中でございます。当面はいま申し上げました東部方面管下の部隊でございますが、将来土浦の部隊も立川へ移したいと考えております。
  218. 東中光雄

    ○東中委員 そうするとこれは、陸上自衛隊航空関係の中心的な基地になってしまうというふうに思うのですが、そういう方向を打ち出しておられる。民間使用あるいはその他いろいろ地元の要求も出ているわけですけれども、陸上自衛隊のそういう中心的な基地にするという方向だというふうにお聞していいわけですね。
  219. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 これは、現在東部方面総監部は東京都にあるわけでございますが、やはり宇都宮とということになりますと非常に遠く離れておりますので、当面東部方面総監部に接近したところに持っていきたいということで立川を考えておりますが、もとより地元の御要望等も——これは大蔵省といろいろ協議中でございますけれども、十分その御意向も考えながら進めていきたいという考えであります。
  220. 東中光雄

    ○東中委員 ちょっと那覇空港のことについて、これも管理権の関係ですが、返還されるということになっている。米海軍航空部隊が残留するということもいわれている。先ほども御質問がありましたけれども、こういう状態で、この管理権あるいは管理権、こういうものはどういうつもりでおられるのか、どうでしょうか。
  221. 内村信行

    内村(信)政府委員 那覇空港につきましては、これは沖繩本土の重要な民間航空基地でございますし、したがいまして私ども希望といたしましては民航に使ってまいりたい、管理は私どもでやりたいというのが私ども希望でございます。
  222. 東中光雄

    ○東中委員 防衛庁はここを使われる予定、F104が行くということですが、その管理権あるいは管制権は自衛隊で持つというつもりなんですか。その点はどうでしょう。
  223. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 現在、那覇空港の取り扱いにつきましては、他の米軍基地全般の取り扱いとの関連もありますし、もちろん米側との調整が必要でございますが、自衛隊といたしましては、御指摘のようにF104の戦闘機部隊一個大隊、それから海上自衛隊のP2V対潜哨戒機部隊一個大隊及び小規模のヘリコプター部隊を配置いたしたい。特に管理権の問題についてはまだ検討いたしておりません。
  224. 東中光雄

    ○東中委員 時間がございませんので簡単に申し上げますが、民間航空あるいは民間機使用している空港自衛隊管理するということになると、これはどうしても軍事優先になる。その結果が、たとえば千歳でも異常接近の例が昨年も二つもあった。これは航空安全という点からいっても非常に危険な状態が起こるわけですが、私たちはそういう点でこれに絶対反対だ。那覇空港の場合にしましても、立川空港にしましても、民間での、運輸省での管制、管理をやっていくというふうに当然やるべきだということを強く要請しておきたいわけであります。  あともう一点聞いておきたいのですが、昭和三十四年の日米合同委員会の合意で、防空業務に従事する航空機、あるいはあらかじめ計画された戦術的演習に参加する航空機については、それは米軍であろうと自衛隊であろうと、最優先権を与えられるというふうな趣旨のことがきめられておると思うのですが、その点はいかがでしょうか。
  225. 内村信行

    内村(信)政府委員 防空業務に従事する軍用機に対しては、航空管制上最優先権を与えることにしております。先生の御趣旨のとおりでございます。
  226. 東中光雄

    ○東中委員 そうしますと、これは軍事優先が貫いてくるわけで、先ほど私が申し上げたような趣旨からいっても非常に遺憾な状態になっておると思うのです。これについての運輸大臣防衛庁長官との間の協定が先ほど言われておりましたが、これも協定文を、あとでいいですけれども、資料を出していただけますか。
  227. 内村信行

    内村(信)政府委員 その覚え書きについては当然お出しして差しつかえないと思いますが、すでに出してあるのじゃないかと存じます。
  228. 東中光雄

    ○東中委員 那覇空港は、あるいは沖繩の返還のあと本土並みということであれば、本土の横田エリアに相当するような、たとえば嘉手納エリアというような形で大きな空域が当然また飛行制限される。あるいは沖繩FIRが返ってきてもそういうものが設定されるということになるのではないか。その点はどうでございましょうか。
  229. 内村信行

    内村(信)政府委員 その点は私まだよく存じませんけれども、嘉手納という飛行場があり、そこが米軍基地であり、したがってそれに対する近郊についての進入業務というものがあれば、その限りにおいて何らかの同様な措置がとれると私は考えておりますが、どの程度の区域になるかどうかということは、現在のところは私もはっきりいたしません。
  230. 東中光雄

    ○東中委員 最後に聞いておきたいのですが、沖繩における基地の密度というのは、本土における基地の密度よりうんと多いわけです。だから横田エリアどころの騒ぎでない非常に広大な空域に当然ならざるを得ないのじゃないかというふうに思うわけですが、そういう点で沖繩の領空は、返還に際して事実上アメリカの空の支配下に置かれるというのではなくて、ほんとうに本土に返ってくるようにという方向で進められるべきだ、こう思うわけですが、その点大臣見解を明らかにしてください。
  231. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 いろいろ運輸省に御協力願ってありがとうございます。最善の措置を講じて、少なくとも沖繩の那覇空港はできるだけ民間中心の国際空港としても将来使いたい、こう思っておりますので、その点の不便がないように今後の折衝においてはやってまいりたい、かように考えております。
  232. 東中光雄

    ○東中委員 いまの嘉手納エリアのようなものがつくられるのじゃないかということを思うのですけれども、その点はどうでしょう。大臣としてそういうものはつくらせないということでいかれるか。
  233. 内村信行

    内村(信)政府委員 これは技術的な問題でございますから、ちょっと私から答弁いたしますけれども、現在横田エリアというようなものは相当大きいということ、これは先ほど申し上げましたように、横田立川厚木、入間、この四つの飛行場を全体的に横田で一元的に管制しておりますというふうなことから、勢い物理的にその範囲も大きくなるざるを得なかったということであろうと思います。沖繩の事情はよく存じませんけれども、嘉手納についてはそのような状況でもないかと思いますので、やはり嘉手納という単独の飛行場があれば、それに心要な進入管制業務、そういった限りにおいて、あるいは三沢でありますとか、そういうようなところでやっているようないわゆる事実上の進入管制業務を米軍が行なうということはあり得ると思いますけれども、その範囲につきましてはどれほどになるか、私ちょっとわかりかねます。
  234. 東中光雄

    ○東中委員 ぼくが嘉手納と言ったのは横田エリアとか横田という形であの辺の基地群全体、さらにもっと広い空域を制限しておるという関係にあるから嘉手納ということを申し上げただけで、普天間もあれば那覇空港だって米軍は使うわけですから、沖繩返還に際して航空権あるいは領空に対する実際上の支配権をアメリカが持っているような状態というものをなくさなければいけない。しかしいまの局長答弁では、そういうものは当然本土並みだったら残すというか、そういうものはつくられていくことになり得るということを言われているわけですけれども、それならば横田エリアがつくられたと同じような意味であの航空基地群全体を含めたものをつくられていくのじゃないかということを言っているわけで、そういうものには絶対反対だという立場を貫かれるのか、あるいはそれはもうやむを得ないということなのか、その点を聞いておるわけです。
  235. 内村信行

    内村(信)政府委員 わかりました。これは私の御説明がまずかったと思いますけれども、私の申し上げましたのは、米軍管理飛行場がつくられる以上、そこに進入してくる道というものは物理的に考えて何らかなければいけぬ。そういうものはなるべく小さくする、そしてわが国の管制を行なう部分を広くすることが望ましいことは当然でございまして、その方向で努力したいと思っておるわけであります。
  236. 東中光雄

    ○東中委員 最後に、先ほど申し上げた第三付属書では軍事優先、航空交通管制についての米軍及び自衛隊の軍事優先の原則があの協定の中にははっきり入っているわけですが、そういう点から言えば、いま申し上げた空域、沖繩の日本の領空が、アメリカ軍の優先的な使用のために管理権を持つことになる可能性は非常に強い。要求してくればそれに従わざるを得ないというふうなことに、いまのままでいけばなるのではないかということを思うわけであります。そういう点であの協定が生きている以上はそういう方向になるのではないかそれを改定していくという方向をお持ちなのかどうか。どうでしょう。
  237. 内村信行

    内村(信)政府委員 防空任務に従事する軍用機に対しては交通管制上優先権を与えるということでございまして、その意味自衛隊との覚え書きこれに書いてございますけれども、「航空交通の指示及び飛行計画の承認に関し当該航空機に優先権を与えるよう努めるものとする。」というふうに書いてございまして、その場合は領空侵犯機に対する措置を行なうような場合に行なう、あるいは特別の大規模な演習に参加する場合に行なうとかそういうふうに事態を限定しておるわけであります。したがいまして、こういう書き方をしておるからといって無制限に軍事優先というわけではございませんで、特定のやむを得ざる場合に限って軍事優先を認めると申しますか、優先を軍用機に対して与えるということでございます。その点につきましては先生から御指摘のように、必要以外のものについては認めないという方向でいきたいと思います。
  238. 東中光雄

    ○東中委員 それはちょっと違いますね。先ほどの協定では防空業務に従事する航空機及びあらかじめ計画された戦術的演習に参加する航空機というふうに言っているのじゃないかということを先ほど申し上げたら、そのとおりだということを認められたわけです。そうしたら防空業務に従事する航空機というのは、緊急の場合とかなんとかいうのは自衛隊との関係はどうか知りませんけれども、アメリカとの関係でいえば非常に広範なものになるのじゃないですか。だからあなたがいま言われているような解釈で、この協定は実際やれるのかどうか。やれっこないですよ。この協定がそのままである限り、横田エリアみたいなものを設定すると言われたら、もうそれで従わざるを得なくなるということではないのか、こう聞いているわけです。
  239. 内村信行

    内村(信)政府委員 その辺が防空上ぜひ必要かどうかということには問題があろうと思いますので、私どもといたしましては防空上必要であるかどうかについての認定につきまして、最小限に処理していく以外にないのではないかと思います。
  240. 東中光雄

    ○東中委員 防空上ぜひ必要とあなたはいまおっしゃったけれども、協定はそうはなっていないですよ。防空業務に従事するにぜひ必要とか、そんなことは書いてないですよ。だから非常に広範になるようになっているということを言っているわけです。
  241. 内村信行

    内村(信)政府委員 それから、先ほど横田エリアというようなことをおっしゃいましたけれども、あれはいわゆる進入管制業務の問題でございます進入管制業務の問題は、先ほど御説明申し上げましたように、地域とか施設というものではございませんで その近傍の区域について行なっているものでございますので、必ずしも防空任務に従事するからそれを与えておるという意味ではないと思います。
  242. 東中光雄

    ○東中委員 もう質問を終わりますが、三十四年の先ほど申し上げた協定では、防空業務に従事する航空機及びあらかじめ計画された戦術的演習に参加する航空機については、航空交通管制承認の最優先権を与えるということについて合意をしておる。航空交通管制上の最優先権を持ってくるわけです。しかもそれは緊急とかぜひ必要とかいう条件じゃなくて、防空業務に従事する。防空業務に従事しない米軍なんというのはおらぬはずですよ。遊びに飛んでいる米軍なんていうのはありゃせぬというたてまえでしょう。だから、これは非常に広くなっている。この協定が沖繩返還のときには、いま申し上げたように本土以上に基地の密度が高いんだから、ひどい状態になっている。そういう点を、これは現実の事実としてあるんだから、内容はあなたは認めておられるのだから、そういう現実から出発して、日本の領空主権を確保していくという問題にかかわることだから、この協定をなくしていくために日本航空管制について担当している運輸省としては大いに努力されなければいけないということを言っているわけであります。
  243. 内村信行

    内村(信)政府委員 先生のおっしゃるお気持ちはよくわかるつもりなんでございますが、ちょっと申し上げますと、飛行場管制業務あるいは進入管制業務これ自体が、防空任務に従事する云々ということではないと私は思っておるわけでございます。  それでは防空任務に従事する航空機に対してどうなのかということになりますと、これはアルチチュードブロックとかスクランブルコリドーとかそういう場合を想定しているわけでございます。たとえばアルチチュードブロックで申しますと、一定の高度なり経路なりをきめまして、一時的にほかの飛行機から分割するという方向をとる。それは必ずしも軍事上の目的だけではなくて、人工降雨の場合とかあるいは飛行の試験の場合とかいうようなときにそういう措置をとり、軍事上の必要な場合にもとるということが優先権を与える行為である、あるいはいざというときに緊急発進をするというふうな場合に、管制上優先的に措置をするというふうなことが、この防空任務に従事する軍用機に対する問題であるというふうに考えておるわけであります。したがいまして、おことばを返して恐縮でございますけれども、防空任務に従事する云々ということからして、嘉手納管制圏というふうなものがうんと広くなるとか、そういうふうなことはないのではないかということを私は申し上げたわけでございます。
  244. 東中光雄

    ○東中委員 質問を終わりますが、日米合同委員会の合意書、特に第三付属書、それに基づいて、いまいった防空業務に従事する、その他演習の場合を含めての最優先権の問題と、それからもう一つ施設ではなくて、空域をアメリカが管制するそういう協定を結ぶ根拠になっているのもそれなんですから、それが沖繩返還についてもそのまま沖繩にも適用されていくということを言っているわけで、そういう点では沖繩の領空は基地が多いだけに、基地の密度が高いだけに、事実上制限されるところが非常にふえてくる。そうならざるを得ないのだから、その点について改定をしていくこの内容を改善していく。ほんとうに領空を返還させるように交渉をやるべきだということを強く要請しておきたい、こういうことであります。質問を終わります。
  245. 天野公義

    天野委員長 本会議散会後委員会を開会することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時五十五分休憩      ————◇—————    午後三時九分開議
  246. 天野公義

    天野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。鬼木勝利君。
  247. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 建設大臣がお見えになっておりますので、私は、今度の建設省設置法の一部を改正する法律案の内容についてもちょっとお尋ねしたいのです。  今回下水道部を新設するということでございますが、それについてちょっとお尋ねしたいのですが、下水道課が十二名、それから下水道の企画課に十二名、部長一名、計二十五名。現在下水道課が二十二名で、官房調査官が一名で、増員が二名、こういうことで下水道部を設置する、官房調査官は廃止する、こういうことになっておるように承ておりますが、これは中身はほとんど変わっていないようにも思われますが、これは強化されたというように考えていいんですか。
  248. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 ただいま鬼木さんも御指摘になりましたように、人員はそれほどふやしてはおりません。ただ、御承知のように、従来は内閣の方針といたしまして、新しい機構、人員をふやさないで、もし何らかの部局を設ける場合には、いわゆるスクラップ・アンド・ビルド方式でやるという原則で、最初はこの下水道部設置については行政管理庁非常な抵抗があったわけです。しかし、新しい下水道五カ年計画が二兆六千億という非常に膨大なもので発足せざるを得なくなったし、それに各都道府県が中央官庁よりもより大きい機構を持ってこれに対応しておるという事実をよく説明いたしまして、それでまず下水道部設置についての合意を得たわけであります。ところが、中央官庁としてはむしろ下水道全体の総合的な行政指導が主でございまして、実務は都道府県、さらには市町村でございまするので、非常に人間が少ないけれども何とかこれでやっていけるということでこのような体制をとった次第でございます。ただ鬼木先生もよく御承知のように、実は下水道事業をやる場合にあたっていま一番問題は、技術者のいないことなんです、各都道府県ともですね。そこで、これはコンサルタントとか、あるいはまた何かの技術者のプール制度なんかを活用していこう、こういうふうな構想を持ってやっておるのでありますが、それにはやはり官庁がある程度の地位というものを与えてやらなければ、そうした適当なる人間をなかなか得がたい。そこで、一時は局を設けるべきだという意見もありましたけれども、まだそこまでいきませんので、部にして、しかるべき人物をその地位につけることによって、各実施機関である府道府県と密接な連携を持って運営してまいりたいと考えておる次第でございます。
  249. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 いや私は、別に人間をふやしたからどうだこうだということではありませんけれども、しかし、いま大臣もおっしゃるように、地方官庁あたりにおいては、率直に言うて、これには人間なんかふやして非常に大きくやっておるわけでありますね。それを私ども県なんかに行って見たり市役所なんかに行って見たりしておる。ところが、今度のこれにはほとんど人員において変わりない、ただ形が変わったというだけで、はたしてできるのかという懸念があります。申すまでもなく下水道は日本はおくれておる。諸外国との比較も出ております。これはおたくのほうから出ておるのですね。それにも出ておりますし、そういうことで、はたしてこれが大臣が思っておられるように十分遂行できるかどうかという点に対して、いまお話しのように、地方相当ふやしておるけれども技術者が少ないなるほど、それもこれに出ております、技術者養成ということがですね。出ておりますが、これは十分やっていかれるという御自信が大臣におありですか、ほんとうに。
  250. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 いろいろと御心配をいただいておること、ありがとうございます。しかし、中央官庁には、下水道についてはやはり日本の最高水準の役人をもって充てるつもりでございます。したがいまして人数が少なくとも、指導、監督、計画、これは十分できると思います。あとの実務はあげて都道府県あるいは市町村にやっていただくということで、中央官庁はどこまでも下水道全体の政策決定、これに重点を置いていくようにいたしますればやれるという確信を持っておる次第でございます。
  251. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 大臣のたいへん明確なお答えをいただきまして、私もそれで御信頼申し上げますが、そこで順を追ってお尋ねしたいと思います。  先ほどお話のありましたように、第三次下水道計画で二兆六千億の予算を用意した。ところが、四十六年におけるところの事業費と、それから補助費ですね、その割合がどういうふうになっておりますか。政府委員の方でけっこうですから。
  252. 石川邦夫

    ○石川説明員 予算は、四十六年度におきましては総事業費二千五百四十億円ということで、四十五年度に比しまして三三%伸びておるわけであります。それから国費でございますが、六百六十五億でございまして、四十五年度の四〇%増というふうになっておりまして、第三次五カ年計画の初年度といたしまして今後の発展を見ます場合に、十分達成するような額ということになっておるわけでございます。
  253. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そこで、いま御説明のように、初年度においては二千五百二十四億と、いまおっしゃったとおり。補助が六百五十四億、こうなっておりますが、四十五年度に比べて三三%の増加率、これは私はパーセンテージが間違っておったら、あなたたち専門家のえらい人がおるから訂正してもらっていいが、五カ年間の投資規模が二兆六千億そうして初年度は二千五百二十四億、そうしますると、パーセンテージでいうと一〇・一%程度の進捗率である、こういうふうに私は解釈する。このような投資規模のあり方で五カ年間だというのに、これは目的どおりにできますか。それはむろん逐年あるいは単価が上がったり、つまり資材なんかが上がるとかいうようなこともあるでしょう。それはいろいろな事情もあるでしょうが、第一次第二次の進捗状況を見ても四年目あたりに改定しておられるのですね。もう少し計画性を持って下水道を完ぺきにする、非常な公害を受けて不完全なものを五年間でこれだけやろう、そういうことになりますと、これはいま大臣のおっしゃったように二兆六千億の予算を取ったこと、これはまあ私、大いに大臣の意欲満々なところは敬意を表しますが、しかしこういうことでできるか。私はむしろ五カ年なら五カ年の計画を立てられて、初年度はこれ、二年度はどうだ、三年度はどうだ、四年度はどう、五年度はどうだ、足らなければ補正予算でも組む、足らなければ追加予算でもやるというくらいな意欲を持ってやってもらわないと、四十五年の九月ですか、答申が出たのは。下水道部会から答申が出ている。それでは三兆以上のものが出ておったと思うのですね。だからいま大臣が二兆六千億わが輩は取った、これは大いに敬意を表します。大いに敬意を表しますけれども、答申は三兆以上の答申をしておるのですから、非常に下回っておるわけなんです。それで五カ年でやるんだといって初年度にわずか一〇%程度の予算を組んでおやりになるということに対して、そういう点に私らは懸念を持っておるのであって、大臣の言われるように大いにやっていただかなければならぬから、私は予算が多いとか、こんな膨大なことをと、こう言っているのじゃないのですよ。もっとやってもらいたい。初年度がこれで十分か。答申には三兆二十何億と出ておるようでありましたけれども、ほんとうに完ぺきにするためには四兆以上要るんだというふうに私らは話を聞いている。そういうところのもろもろの懸念、心配があるから、そういうことを皆さん方にお尋ねしておるわけなんです。
  254. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 御指摘のように、従来の過去の実績からすればそういう御心配あるいは危惧が出てくるとは思います。ところで、今度の下水道五カ年計画を策定するにあたりましては、その点を相当実は私も強く要求しておきました。大蔵大臣、経済企画庁長官にも話をし、これは自治省にもよく話をしまして、従来のやり方からすれば、三三%、国費率四〇%は確かに比率として大きいけれども、これからの将来から見ればまだまだ少ないんだ、したがってこれは政府全体の、建設大臣だけのことでない、国の内政問題の最大の問題としての公害、環境を保全する、それから国民の生命に関することであるから、これだけは完成するためには全内閣が一致して協力してもらわなければ困るということも申し上げ、総理も、そのとおりだ、下水については重点を入れようじゃないかということで、先般も御説明申し上げましたように、従来の予算編成の立場からすれば、経済企画庁が策定した投資額を相当大幅に上回った原案を要求しているのに対して、全面的にこれを大蔵当局も了承したというところにも、今度の下水問題に対する佐藤内閣の姿勢がはっきりと出ておると思います。なおまた現在は、各都道府県並びに市町村も、都市化しているところでは、下水道をやらなければ自治体の理事者としての資格がないといわれるところまで、これは世間の世論が高まってきておりますので、私は、これは国並びに地方自治団体、国民の総意において推進されることと信じまするので、必ずこれは達成するように努力すると同時に、必ずこれができるという信念でいま進めておる次第でございます。
  255. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 大臣は参議院に行かれるそうですので、いいです、どうぞごゆっくり。  そこで官房長にお尋ねしたいのですが、いま大臣の御説明が大体ありましたけれども、下水道の問題というのは、これはいま大臣のおっしゃるとおり、国民全体の受益のことで、全体の問題だから、それで総理もその点はよく理解しておる。そしてまた各省間のみんな協力を得なければならぬこれは当然のことだと思うのです。私ども地方に参りまして市町村あたりを回りますと、一番問題になっておるのはこの下水道なんですね。市民相談を受けますとみんな下水道の問題です。  先ほどから大臣の御説明は聞きましたけれども、あなた方のお出しになった「下水道事業の動向をいうのにもはっきり明記してあるでしょう。ここに「その進捗率は極めて悪く総事業費は目標の六八・四%であり最終年度の昭和四十六年には計画事業費の」——これは第二次のことですね「三割強にあたる二千八百四十億円の事業が残ることになる。しかもこれを事業量の面で評価すれば、期間中の労務費、資材費の値上り分だけ達成率がさらに下回ることになる。」、これは先ほど私が言ったように資材費が上がったり単価が上がるから最初の予算どおりはいかない、足が出ることは当然です。最初から下回ることはわかっている、こういうことが書いてあるのです。「このことは当初計画に対し国費の伸びが低いことを示しており、」、最初、当初の予算を編成するときに国費の伸びが低いことを示しておる。しかも事業費全体の伸びが低いこともこの点に原因している」、だから先ほど補助の六百五十四億という御説明がありましたが、この補助対象の進捗率も非常に低くなっておる、だから市町村は因るんですね。むしろ市町村におけるところの単独事業費、単独事業のほうがパーセンテージが多い、上がっているんですね。市町村が単独でやる下水道事業のほうがずっと上回っておる、国でやるところの事業費は非常にパーセンテージが低い。これは逆でなければいかぬですね。心配はするなという大臣のおことばでございましたけれども、われわれとしてはこれは非常に心配せぬではおられぬですよね。そういう点の説明をできたらひとつやってください。
  256. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お答えいたします。  ただいま先生が過去の下水道の長期計画の実績が非常に芳しくないじゃないか、「下水道事業の動向」の冊子で御指摘になりましたが、確かに過去の下水道の一次、二次計画に対する実績は決して芳しいものじゃなかったと思います。これはいろいろ理由があったかと思います。ことに第二次の、この長期計画の直前の過去の実績を振り返ってみますのに、非常に各年度ごとの事業費並びに国費の伸びがアンバランスでございまして、ことに一番極端なのは四十三年でございますが、四十三年に至りましては、それまでは大体事業費の対前年伸び率が二、三〇%の伸びできておりましたのが、四十三年度は八%に落ち込んでおります。これは御案内のように、財政硬直化対策という国の大きな財政方針が打ち出されまして、それのあおりを下水道も食ったという結果に相なったわけでございます。そういうことからいたしまして、確かに過去の長期計画は、実績は必ずしも芳しいものじゃなかったのは事実でございます。  そこで私どもは、大臣からお答え申し上げましたように、第三次五カ年計画におきましては、そういう過去の轍を決して踏むべきでないという固い決意のもとに新計画を発足させたいと考えておるわけでございますが、確かに下水道を取り巻く環境は非常に私どもに味方すると申しますか、環境は下水道推進のためにこれから非常に世論その他高まってまいると思います。  それから計画の遂行にあたりましては、十分単価なり、それから工法の面におきまして過去のいろいろな経験を参考にいたしまして、そういう点も十分配慮してまいりたい。そういうことによりまして、この二兆六千億に相当する事業量を当初の計画どおり必ず達成するという固い決意のもとに、私どもはこれから努力を重ねていきたいと思います。またそういうものも実現することができるものと私どもは存じておるわけでございます。
  257. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そうしますと、いま御説明のありましたように、過去においてはいろいろな事情があったから、そこでわれわれの計画どおりにいかなかった、遺憾ながら思わしくなかった、ことに四十三年度なんかは八%に落ち込んだ、だから今後はそういうことのないように、今後の五カ年の長期計画においては過去の長期計画のような轍を踏まない、必ず達成するということでございますが、ただそういうことばだけで、努力します、やります、達成しますじゃ困るのですよ。私どもはこうしてあなた方とお話しして、これは大臣もいらっしゃらないけれども、これは残るのですよ、国民が聞いているのですから。これによって私はまたこの次質問しますからね。建設省関係の法案がかからなければ別だけれども、建設省関係の法案がかかれば私はまた尋ねますからね、実績をたどって。ですから、はっきりしたことを言っていただかないと、ただあなた方、努力します、やります……。しかしこれからの五カ年計画も、どういう変動が起こらぬとも限りませんからね、過去のもろもろのそういう手違いがあったことが将来ないとは限りませんからね、どういう不測なことが起こってこないとも限らない。ですから、私が考えるのは、初年度に全体計画の事業費の一〇%程度のことをやって、はたしてこれが五カ年の間にできるか。私のしろうと考えにすれば、二兆六千億を五カ年計画であなた方おやりになるのですからね、それが二千五百二十四億だ、初年度はもっとなければならぬですよね、五カ年ですから。それが一〇%ですからね。初年度の事業費が二千五百二十億なんというその根拠、一体どういうわけでこんなに初年度は消極的にしか予算を組まないのですか。事業費を組まないのですか。何かそこにはっきりした根拠があるのですか。どうも納得がいかないです。二兆六千億もとっておって、そうして十分の一しか初年度の事業費はつけない。これはあなた方はくろうとで、私しろうとだけれども、しろうとがこれでは納得できないですよ。それで、だいじょうぶ五カ年間にやってしまいます、やってしまいますでは……。その点、もう少しはっきりわかるように——私は、予算の執行なんというようなものは、大体五カ年なら五カ年にこれだけとったというなら、それをやっていくべきだ。それは、ずっと単価なんか上がってくるから、こうおっしゃるかもしれないけれども、あまりにもこれでは、あなた方のお考えが那辺にあるのか、私はわからないですよ。くどく言うようではなはだ相すみませんけれども、もう一度その点を。
  258. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 御指摘のように、四十六年度初年度が二千五百二十四億の単独含みの下水道総投資額でございますが、そういうものを予定いたしております。したがいまして、五カ年計画に差し引きいたしましても二千五百億といたしますと十分の一の投資額、こういうことになるわけでございます。そういう小規模な投資額で立ち上ってはたして五カ年間で達成できるのか、こういう御疑問かと思いますが、そういうことにつきましては、私どもとしては、予算要求というのは過去から継続してまいっておりますものでございまして、四十五年度を踏まえまして四十六年度の予算を要求いたすわけでございますので、その際に、やはり四十六年度から新規計画が発足するということになりましても、前年の予算の実績、それとの伸びということがいつも予算全体のワク等におきまして議論になるわけでございますが、かなりそういう点、私どもは努力をいたしましたことでありまして、この結果は下水道の四十六年度の総経費の中の国費の点をごらんいただきますと、国費は対前年に対して四割実は伸ばしておるわけでございます。この内容は申し上げたかと思いますが、下水道事業の中で国費の占める割合が少ないという強い地方団体からの要望がありますので、それにこたえるべく下水道の事業の中の補助対象率の拡大という点に昭和四十六年度は重点を置きまして、従前五四%でありましたのを五七%まで引き上げるということにいたしたわけでございます。その関係で国費は対前年から比べますと大いに伸びておる。事業費の点におきましては、総ワクについてはそういう関係もございまして三三%伸びということになったわけでございます。  そこで、この五カ年計画、しからば二兆五千億はどういうふうな規模で毎年伸びていくのかということになるわけでございますが、お答え申し上げたかと思いますけれども、私どもの試算では、年平均いたしまして、二兆五千億円を達成いたしますには、事業費でもって三五%、国費率でもって三六%の毎年の伸び率の予算が確保されていきますならば、初年度の二千五百億円で立ち上がりましても五カ年で達成できる、こういう見通しを立てておるわけでございます。その三五%事業費、三六%国費というのは、はたして実現可能かどうかという議論になってまいるわけでございますが、今年が事業費で三三%、国費四〇%、こういう伸び率を確保いたしておりますので、それからいたしまして、決してやさしいものと私ども思いませんが、努力いたしますならば、その程度の事業の伸びを下水道には確保していけるのではないかということを先刻申し上げたわけでございます。
  259. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 それは私も調べてきておりますが、五四%が五七%に引き上げられた、それは、あとでまたその点についてお尋ねしたいと思っておりますが、いずれにしましてもこの計画では、私どもとしてはちょっと納得がしにくい点がありますね。初年度から二年、三年、四年、五年と第三次計画の大体の予算の配分とか、おおむねの目途はあるのですか。毎年毎年出たとこ勝負ですか。その点についてちょっと……。
  260. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 長期計画をお尋ねでございますが、下水道につきましても四十六年度からの新計画を立てますわけでございますが、これは最終的には閣議決定という手順を踏むわけでございます。閣議決定の内容は、他の長期計画も同じでございますが、五年間の総事業量をきめまして、それに対する目標と事業の達成量というものを閣議決定の内容といたします。それから、いろんな参考資料はつくわけでございますが、お尋ねの各年度別、四十七年は幾ら、四十八年は幾ら、そういうものは閣議決定の内容としてはきめないことになっております。ただ、今後の年次別見通しという点におきましては、先ほどお答えいたしましたように、年平均の伸び率が三五ないし三六というもので伸びていけば、この五カ年計画の事業量は達成できる、こういうふうに私どもは推定をいたしておるのでございまして、そういう目安のもとに毎年予算要求をしていきたい、こういうことでございます。
  261. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 いま大臣がお見えになりましたが、大臣、私が心配してお留守に尋ねておったことは、五カ年計画に対して初年度の投資額が、事業費が二千五百二十四億だ、それは二兆六千億の十分の一じゃないか。それに対して五年の間に十分達成できるのか。言いかえますならば、本年度は概算二千五百二十四億です。倍なければいけないんじゃないか。五カ年なのに一〇%だ。大体ならば初年度は二〇%で始めて五カ年計画——そう切ったように、はかったようにいかぬでしょうけれども、これでは初年度は心細いじゃないか、だから初年度、特別そんなに事業費を少なく見積もられたという何かはっきりした根拠があるか、そういうことをちょっといまお留守にお尋ねしました。御説明いただいて大体わかりましたけれども、まだやや私その点……。
  262. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 御指摘の点は、もっともな不安でございましょう。従来ややもすれば、下水道関係その他というものはおくれがちでございました。ところが、また一方においては違った実例もあるのです。それは道路特別会計は、私が十三年前建設大臣のときに初めてやった。当時は一兆円予算と申しましても、事実は九千億でございますか、ところが現実に実施してみると、とてもこんなことでは交通事情、それから当時は地域格差が激しくなりつつあったものですから、これを充足するわけにはいかないということで、翌年すぐに一兆円に直しました。それから今度どんどん、どんどんもう三年に一回くらいずつ改定して、現在では十兆三千五百億、こういうふうにむしろ当初の五カ年計画よりも非常な速度で事業量の伸び率を多くしたということであります。七〇年代の内政の一番大きな問題が、いまの住みよい環境であり、それから人間生活尊重ということになりますれば、私は、下水道の問題はそれほどまでいかなくても、同じペースで改善をしなければならぬと実は思うのです。これはおそらく国民も支持し、また国会でもそういうふうな形勢になろうと思いますので、この点私はどなたが大蔵大臣になっても、この主張にはぼくは傾聴してくれるだろうと実は感じております。したがいまして、私は五カ年計画をやることにあたっては、いろいろの不安定要素、いま鬼木先生が言われた、過去から見ればなるほど心配だという点はありますよ、ありますけれども、これを克服していける、またいかねばならぬと考えておる次第でございまして、この点は、私がいつまで建設大臣しているかわかりませんけれども、いやしくも国会議員としてわれわれがこういう案を策定した限り、国民の世論を代表し、国会の皆さんの御同意を得て推進したいと思いますから、これは達成できると信じておる次第でございます。
  263. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 大臣のお答えを聞くと、なかなか頼もしい限りで、私もかねがねあなたを大いに御信頼申し上げておるのですが、これはもう本気でやっていただかないと、最初はそろそろ行って、終わりのほうになってあわてて急いでやる。そこらあたりの道路でもそうです。もうちまたではたいへんな不人気です。これは予算が三月で切れるからやっているのだ、いままでやらないで、十二、一、二月になってやるのだ、政府のやることはみなああだ、ちまたの声なんですね。そういうことのないようにひとつやってもらいたいですね。最初から終わりまで、いまの大臣の意欲満々たる馬力をかけてやっていただかなければならぬ。金が足りなければ補正組んだって、追加予算をやったっていいのではないかという考え方です。私どもはあくまでも人間尊重、いま大臣のおっしゃったとおりです。そういう点でひとつお願いしたいと思うのですよ。  それでは、その次にひとつお尋ねしたいのですが、四十九水域における完全達成の事業費の規模は三兆一千六百四十三億、こういうふうに答申をされておる。ところが近ごろの既成市街地あるいは新市街地等における下水道整備の緊急性ということを私は無視できないと思うのですね。四十九水域における事業費、その点についてちょっと私はお尋ねをしたいのです。これはこまかく計画を実は私承知したいのですが、四十九水域におけるところの、わかる限りの詳細な計画を承りたいと思うのです。資料があるなら、その資料を見せていただきたい。できればわが福岡県における状態でもいい、少し承りたいと思うのです。どのようになっておりますか。その点をひとつお聞かせいただきたい。
  264. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お尋ねの四十九水域の環境基準が昨年の九月に水域の類型指定があったわけでございますが、この四十九水域を完全達成いたしますための総事業費を三兆一千六百四十五億というふうに試算をいたしております。そこでこれに対しまして第三次五カ年計画におきましては二兆六千億の中で、この水域関連といたしましての総事業費を一兆六千四百億、こういうものを一応見込んでおります。それで各水域につきましては環境基準の類型指定の際に、その川の状況等に応じまして、直ちに達成できるもの、五年以内に達成できるもの、五年以上かかるがとりあえず当面暫定の目標値をきめてそれに向かって対策を進めていくというもの、それをイ、ロ、ハというふうな分類をいたしております。その分類によりまして私どもの一兆六千億の投資でまいりますと、五カ年間で二十五水域がこの下水道事業をやることによりまして一応達成できる。残りの二十四水域が五年以上かかるわけでございますが、大体残年四・六年程度の年限で達成できる。これは五十一年以降の第四次の下水道計画と申しますか、そういう時期におきまして達成できるわけでございます。そういうふうな大きなめどを立てております。  なお、先生御指摘の福岡県の関係で申し上げますならば、福岡の市内河川がこの四十九水域の中にあがっておりまして、これの環境基準の関係は那珂川の上流と下流に分かれておりまして、上流のほうはいろいろな工場の排水規制等で直ちに達成できるというふうな基準になっておりますが、下流につきましてはハの分類でございますから、五年ではちょっと無理である。当面五年内に達成できる暫定目標をきめて、それで事業を進めていくという分類でございまして、それからいきますと総事業費が五百八十一億でございます。それに対しまして私どものほうの五カ年計画で、これはまだ確定したものじゃございませんが、大体三百億程度の事業を予定をいたしております。このペースでまいりますと、九・五年で環境基準が一応達成できるということになろうかと思います。それから大牟田川でございます。大牟田川につきましては二十億程度の総事業費でございまして、これは分類がロでございますから五年以内に達成できる。したがってこの五カ年で二十億の投資を一応見込んでおる、こういう状況でございます。
  265. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 いま計画を承りましたが、これは断片的な部分的のお話を聞いたのですが、もっと根本的に、それでは四十九水域における事業費の問題をお尋ねしたいのです。個々の問題はまたあとで。  この四十九水域の対策費と、それから一般都市における下水道の整備事業費の投資の割合、それをどういうふうに見通しをなさっておられますか。一兆六千四百億を見込んでおるといういまのお話でございますが、その一兆六千億の四十九水域の対策費と一般都市における下水道整備事業費の投資の調整ですね、割合といいますか、それをどういうふうに計画しておられますか。
  266. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 ごく大まかに申し上げまして、全体の五カ年の下水道投資額の中の六割程度をこの水域関連の下水道投資事業に振り向けたい。したがいまして、この水域以外の一般都市のほうは四割ということになります。
  267. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 あなた方が六割と四割を決定されたその基準といいますか根拠といいますか、その算定基準ですね、これはむろんあなた方がお考えになっておる、何かそこに根拠があるから六割と四割にされたのだと思うので、その根拠をひとつ教えていただきたい。それを私ちょっとまだ疑問があるのだから。
  268. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 六割と申し上げましたが、その考え方は、昨年の九月に環境基準がきめられて、そのときにその各水域ごとに達成の目標期間等がきめられたわけでございますが、その際には、むろん私どもと企画庁とは十分調整をいたしました上で、そういう水域の指定が行なわれたわけでございます。その内容におきまして、五年以内に完全に達成できるもの、その中身は下水道投資によらずして、工場の排水規制等で、そういう行政措置でやれるものもあるし、下水道事業を遂行することによりまして達成できるもの、こう二つあるわけでございますが、そういう五年以内に達成できるものと、それからその水質の状況等からいきまして五年以内はちょっと無理だ、だから五年間は暫定の達成の目標値を設定いたしまして、それで当面は暫定目標に向かって下水道事業を推進するというふうな考え方で各水域ごとに作業をやったわけでございます。その積み上げ作業をやりました結果一兆六千六百億程度のものがこの四十九水域に五年間に投資が必要である、こう出たわけでございます。  そこで私どもは、二兆六千億の中では、やはり水質環境基準対策というものが最重点であるという観点から、この部分を先取りするようなかっこうで計画を設定していきたい。それからまいりますと残りの約四〇%程度がその他の一般都市の下水道事業に向けられる、こういう考え方になっております。
  269. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 大体おっしゃることはわかっておる。たぶんそうだろうと思うのですよ。ところが、この環境基準の指定権が都道府県知事に与えられたのでしょう。それで近く都道府県知事から指定地域はここ、ここだという発表があるはずだ。もう発表があったのですか。またあると思うのですね。でございますから、いまあなたの六割、四割というそのお話はわかった。わかったが、今後都道府県から追加される分を予想しなければならぬと私は思うのです。いいですか、よく聞いてくださいよ。追加されたらどうするか。もちろん出た部分に重複する部分もあると思うのです。重複する部分もあると思うけれども、全部が重複じゃないんだから、今後追加が予想されるところ、そういう点はどのように考えておられるのか。ただ六対四でやっていけばいいというような、これはまことに申し上げかねるけれども、そういうずさんな考え方じゃいけないと私は思うのですよ。この追加が都道府県からきたらどうしますか。環境基準の指定権を都道府県知事に与えておるんだから、ここもだ、ここもだと出てきた場合にどうしますか。それはいまきめておられるのに重複する部分もむろんあろうと思うけれども、以外のものもたくさんあると思うのです。ですから、そういう事務的に簡単に四割、六割というのじゃちょっとぐあいが悪いんじゃないかと思うが、公害部会あたりでも明確にそういう線が出ておりますか。それを私承りたいのです。
  270. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 御指摘のとおりでございまして、これから水質関係の行政が地方の知事のほうに権限が委譲されることになるわけでございます。それに私どもの下水道事業も対処していかなければならないというふうに、非常にむずかしい問題があるわけでございます。現在の考え方としましては、四十九水域というものは国のベースできまったわけでございます。この四十九水域といいますのは、現在日本の中におきましての水質環境基準達成という点から一番緊急度の高いものが四十九水域に取り上げられたわけでございます。  それから三十一水域が新聞等で出ましたけれども、やはり国のベースでさらに追加指定が行なわれる予定になっておるようでございます。これにつきましても、私どもは十分対処するようなことを考えて、先ほど一兆六千六百億と申し上げましたその中におきましても、この近く追加されますところの三十一水域に対処しますものといたしまして五、六百億程度のものを見込んでいきたいというふうな考え方を持っております。  そこで残りますのは、今後知事さんがおきめになるところの水域になるわけであります。大体私どもの大きなめどとしましては四十九、それから今度取り上げられます三十一、下水道投資で環境基準を達成しなければならぬという大口の、大株主的な水域はほとんどこれでカバーされるのではないか。したがいましてあと残りますのは、かりに環境基準がきめられましても、いろいろな工場排水の規制でございますとか、そういうもの、それからむろん下水道整備をやらなければならぬところもありますけれども、全体のウエートからいきますと、四十九プラス三十一の水域でかなり重点的なものがカバーされるんじゃないかというふうに思っております。むろん追加されてまいりますところの新しい水域に対しましては、これも二兆六千億というものは一応いまのところはセットされておりますので、その中で極力重点的にそういう地域の下水道整備に振り向けてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
  271. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 あなたの四十九水域の説明を私は聞いたわけじゃないんだからね。そういうことを聞く必要はないんですがね。都道府県知事に環境基準の指定権を与えられたんですから、あなた方のお考えは少々甘いんじゃないかと思うのですよ。国において指定しているから大体においてだいじょうぶだというふうなお考えがだいぶおありのようですけれども、私はそうじゃないと思うのです。さっき一兆六千四百億と言われたが、いままた一兆六千六百億と言われたが、どちらか。あなたの話ではたびたび変わるんだが、それははっきりしてもらわぬと、六百億と四百億では二百億違うから、だいぶ話が違う。ですからそんな簡単な甘い考えでなくて、もっとこれをはっきりしてもらわないと私は困ると思うのです。五カ年の間に四十九水域、うち二十五水域は完全にやってしまうんだ、また五十一年度からあとの残った二十四をやる、こういうお話もわかりました。わかりましたけれども、都道府県知事から出るところのものはどうするか。それに対しての十分な予算措置についてあなた方の腹案があるか。いまのお話ではただ意欲だけであって、それに対しては何ら具体的な説明がないわけですね。そうしますと、また全体の下水道計画というものは変わってこなければならぬと私は思うのです。そうすると先ほどから大臣がだいじょうぶ達成しますと言っていらっしゃるけれども、私はできないようになるんじゃないかと思うのです。そういうことであなた方を責めているんじゃないのです。私は心配のあまりお尋ねしておるのです。そういう点、大臣どうでしょうか。
  272. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 鬼木さんと事務当局のやりとりを私も聞いておりまして、これはまず第一に四十九水系、この地域は現在日本においてどうしても早く環境基準に達して、そしてその地域の環境をよくしなければならないということで取り上げたことでございますから、国がみずから指定し、みずからその意図を示したものに対し三国の政策としてこれを早く環境基準を達成するための下水道整備をすることが国家の責務である。したがってそこに重点を入れたわけです。ところが、この四十九水系が、全部が全部いますぐにこの五カ年計画でやるということは必ずしも適当でないものがございます。あるいはまた事実上これをやっておりますと他に全然、いま御指摘のようにやれないところがある。そこで一応段階をつけまして、五年間に必ず達成しなければならぬものは相当無理してもこれをやる。ところがもう一つは、暫定目標をきめて、そこまでやればまず大きな被害はない、しかもまたこれは他の手法でもできる、たとえば今度の公害立法によって企業者にいろいろの改善施設をやっていけば、それでまあまあ何とかやっていけるというものもある、そういうものを全部集計してみますと一兆六千か四千か何がしになった、これをまずやろう。それから残余のもので今度は一般の地区の整備をはかる。ところが、それは一応役所としてはやっているだろうが、今度は都道府県知事に水質基準の指定権を与えたんだ、しからば今度は向こうのほうからどんどん出てきたらどうするかということも問題だと思う。これについてはいままでに、実は都道府県より前に国全体として日本全域にわたる環境基準を次に指定すべきものを、これは経済企画庁が中心になってずっとやってきているわけです。したかいまして、大体その線が第二次的に指定されるということは都道府県知事もよく知っている事柄でございます。したがいまして三十一水系が今度指定されますと、大部分が県が要望することと合致することでございます。その後に起こることは、もちろん鬼木さんが指摘されるような知事がやりたいというものが出てくると思いますけれども、現状の段階ではまずやはり新たに指定される三十一水系に集中してくるであろう、こういうことであります。その点は現実に指定いたしましても、事業を実施するのは国の助成、補助なくしては都道府県もやり得ないわけでありますから、そこでこの指定権は知事諸君に与えていますけれども、事業計画を実施する場合においては、やはり都道府県知事が国と協議の上に事業計画は立てざるを得ないわけでございますから、その間で調整してまいりたいということでございます。それが先ほど鬼木さんが言われたように、ある地域が、いまはそれほどでないけれども、工業関係が急にある地方に集中していった、そのために従来の標準からはずれて緊急にやらなければならぬというものも出てくると思います。そういう場合には、やはりそれを重点的にやるために政府としても計画を変更し、あるいは財政支出を別途にやるというような、弾力的な対策をやらなければならない。そういうような意味から見ても、実は二兆六千億のうちの一千億が予備費的にとっておるのは、これは災害とかなんかもありますけれども、そうした社会経済情勢の変化に応じてやらなければならぬということも一応考えておるということでございます。したがいまして、概念的にはいろいろの心配はありますけれども、現実の運営においてそうした問題を解決してまいりたいと考えておる次第でございます。
  273. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そこで、いまの大臣お話で、一兆六千億を先ほど事務当局のお話によると六対四、まず大ざっぱに計算して一兆と六千億ぐらい、こういうことになると思いますが、一兆の中には調査費とか予備費も入るわけでしょうからね。だから大体国で四十九きめておるから、都道府県知事からそんなにくるわけはない、きてもこっちで指定しておるのと重複しているのがある。だけども重複していない新たな分がきた場合に、国できめているのだからこれが優先的で、おまえたちのは待てと、そういうぜひお願いしたいというのがかりにあった場合でも押えられる心配がありはしないか。だから私が言いますのは、それに対して、新たに国が指定した以外のものが都道府県知事からきた場合にその対策費としての予算が十分組んであるか、それを見込んであるか、これを私が結論としてお尋ねしておるのであって、そうしないというと、せっかく一生懸命になって地元民の要望で持ってきても全部押えられる、こういう憂いがありはせぬか。国家で四十九きめたのだ、われわれがきめているのは四十九水域だ、それ以外はあと回しだ、待て、こうなった場合に困るんじゃないか、こういうことをお尋ねしておる。
  274. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 その点は、あとの四〇%のうちも厳密にはどこの個所に何ぼという張りつけばしておらないわけです。したがいまして、各都道府県から要請があって、これはどうしてもやらなければならぬというものについては、それは弾力的に運用でできると思います。そういう意味において、実は五カ年計画は各水系別にどれだけの金額を張りつけするかということはやっていないわけです。その間で運営できる。  それで、先日ほども御指摘がありました一応概定としては一兆四千億か何ぼかを四十九水系に割り当てておりますけれども、これもまた他の公害立法との関係において相当改善ができて、むしろいままで予定したところを別に変更して他のほうに回してもいいという場合もあるのでありまして、したがって一応六〇%ということはいま概定していますけれども、これは固定しておりません。これも状況によって相当変更できるというふうにわれわれは考えておるのでございます。
  275. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そういう点においては非常に弾力性を持っておる、このように私理解いたします。そういう点においてはひとつぜひお願いをしたい。  次に第二次五カ年計画において昭和四十一年度末現在の排水面積を八百八十六平方キロメートル、こういうふうにしてある、四十六年度末の排水面積は二千四十二平方キロメートル、こういうふうに目標が計画に載っておるようでございますが、昭和四十五年度末の排水面積の現状が千三百五十四平方キロメートル、これは非常に開きがあるんですよね。こういう実態、私はその整備目標の実態が全然わからないんですがね。なお、これはおたくの資料で見たのですけれども、五カ年の整備目標に対して四カ年間で四〇%、投資額で六八・六%これだけの普及率になっておるわけです。これが第二次の計画実情であるようです。こういうことで、第三次計画において排水面積で一〇〇%の達成がはたしてできるかどうか。大臣は心配するなとおっしゃるから、私非常に意を強くしておるけれども、こういうのを数字の上から見ると——先ほども、事務当局は、第一次、第二次はわれわれの計算どおりいかなかった、ほんとうに遺憾に思っておる、そう言われれば、それでもう全部終わりだけれども、しかし、そういうことで、はたして第三次計画ができるかどうか、私非常に懸念を抱くのですけれども、そういうことについては、大臣でなくともよろしゅうございますから、ひとつ御説明願いたい。
  276. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 御指摘のとおり、第二次五カ年計画の過去の実績を振り返ってみますと、実際の事業量という面からいきますと、先生御指摘の排水面績でまいりますれば、四十 年末が八百八十六で、目標としましては、四十六年度末で二千四十二平方キロという面績まで整備をするという計画でスタートしたわけでございますが、それが実際の実績におきましては、四十六年度末で大体千五百十九平方キロ。つまり、四十六年に第三次に切りかわるわけでございますが、四十六年度の投資額を入れまして千五百十九平方キロということで、達成率からいきますと非常に低うございます。これは、たびたび申し上げておりますが、やはり労務、資材関係の単価の値上がりの面と、それからもう一つは、下水道に特有の理由といたしましては、昨今の交通事情等からいきまして、非常に夜間工事をやらなければならぬという場所が出てきた。それから、オープンカットではなくてシールド工法とか、あるいはそれに類する押し込み工法というような、そういう工法をやらなければならぬということ等の関係で、工事費の単価が非常に値上がりしてまいったということが、金目においては大体九六、七%までの達成であったのでございますが、実際に整備いたしました量におきましては、いま申し上げたような状況になったわけです。  そこで第三次計画におきましては、そういういろいろな工法の関係も、十分過去の経験に徴しまして考え、単価の点においては、一応四十五年価格というものをベースにして二兆六千億というものを計画いたしておるわけでございますが、その際におきまして、こういう工法の関係も十分配慮し、それから単価の点におきましても、これは将来のことはよくわかりませんが、四十四年の価格に対しまして、四十五年の単価は、私のほうで調べましたいろいろな統計資料等によりまして、十分値上がり分というものを四十五年ベースで見まして、それで今回の計画を立てた。そういう点からまいりますならば、そういう工法なり単価——これは今後の資材の値上がりにも関係いたしますけれども、そういう点を十分配慮しながら必要な投資額を確保してまいりますならば、五カ年計画は達成できる。しかも、金目ではなくて、実質の事業量という面において達成できるという方向で、私どもは努力をしてまいりたいと思っております。
  277. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 あなたは、値上がり値上がりということばかりおっしゃるけれども、値上がり値上がりばかりでは解決できませんですよ。これは、先ほどもあなたも認められたのですが、五カ年の整備計画が、四カ年で四〇%しか進んでいないのですよ。しかも投資額は六八・六%ですよ。文句があったら言ってください。私は計算したのだから、そんないいかげんなことを言いませんよ。そういうことで、それは何回もくどいことを言うようですけれども大臣はだいじょうぶ、だいじょうぶ、心配するなとおっしゃるけれども、これでは心配せぬでおれぬじゃありませんか。単価が上がる、単価が上がるとおっしゃるけれども、これから、第三次計画では、単価は一切上がりませんか。上がりますよ。どんどん上がっていますよ。佐藤さんは、物価安定だなんて言われるけれども一つも安定せぬじゃないか。不安定だ。だから、そういう点をもう少し、あなた方は事務屋だから、もう事務の最高の方なんだから、もう少しきめのこまかい計画をしていただきたいと思うのですね。そうしなくては、何ぼ大臣がだいじょうぶだとおっしゃっても、親の心子知らずで、あなたたちはこわしてしまう。えらい大臣をほめて、大臣のちょうちん持ちをするようだけれども、何も関係はないのだから、大臣のちょうちん持ちをする必要はないのだからね。だけれども、事実を事実として言っておるのであって、ほんとうに大臣の気持ちなら気持ちを買って、あなたたちはもう少しこまかく研究してもらわなければ困るですよ。そうしなければ、ただ心配するな心配するな、空手空拳で心配するな心配するなと言われたって、かようかくかくしかじかでこのようになって、こうなって、こうなっている、だから絶対心配要らない、過去においてはこうだったけれども、これから将来はこうだ、そういう点はこういうふうにやっていく、そういう点はこういうふうにカバーしていく、だから決して心配御無用だ、こうなれば、われわれも安心しますけれども、どうもそういう点が一口だから、結論として、過去の第一次、第二次みたいな、ああいう不手ぎわなことはやらないように、第三次計画においては、少なくとも国民の皆さんに公約した以上は必ず御期待に沿うように下水道の整備をいたします、このように理解していいですか。
  278. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 それは御趣旨に沿うて私はやるつもりであるし、佐藤内閣としても、それだけの決意をしていると申し上げていいと思います。これは、先ほども何回も申し上げましたように、従来、ややもすれば、国民全体、また政府においても自己反省してみると、下水道事業は市町村の事業であるというような観念が強かったのです。今度はそうではなくて、これは国がほんとうにてこ入れしなければならないというので、こういうかなりの大幅の増強をしたことでもありますし、それから、いま事務当局が単価が上がった、これも事実だと思います。ところが、従来ややもすれば大蔵の査定は、いわゆる超過負担を相当地方にやらしておる。これはあらゆるものにやっておりました。学校にしろ、その他の住宅にしろ、それはやっておった。したがって、一応かっこうはついておるけれども、そこに非常な超過負担のための質的な低下あるいは事業の縮小がある。今度はそういうことはいっておられない。やはり現実にその結果として環境を改善し、人間の生活を保全するというところに重点を入れますれば、物価が上がればやはりそれだけの単価は上げていかなければならないし、土地代が上がればそれだけのことも私は要求する、そうして確保をしていく。その結果二兆六千億で足りなければ、それはさらに改定していけばいいのでありまして、それだけの私は前向きの弾力的な姿勢でこれをやっていかなければならない、こう思う次第でございます。
  279. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 だんだん時間が来ますので、その次にひとつお尋ねしたいことは、これは直接下水道とは関係ないといえばないかもしれません。しかし私は、大いに因果関係もあるし、ぜひお聞きしなければならぬ。これは先ほどちょっとお話ししましたが、下水道事業の先行投資の場合に、道路整備事業との調整をどのように考えておられるか。実態は大臣がお考えになっておるのとはおよそ違っておる。あれはむだな投資じゃないか、掘り返し掘り返し同じことを何回もやっている、それで大衆には非常な迷惑をかけている、あれはむだな投資じゃないか、こういう声がちまたに満ちておるのです。これは御参考までに、これは私が言うのじゃありませんからね、新聞切り抜きですから、前もって報告を申し上げておきます。「近ごろやたらに道路工事をやっている。大は高速道路から、小は細い裏道の下水工事に至るまで」、そういうふうに晩は休まれない。「夜中じゅういやな音をたてて、朝はもぐらの通ったような跡を残したままになっている。おかげで、自動車の通るたびに家鳴りし、」、家鳴りがするのですね。「震動の激しさに地震ではないかと一日中驚かされる。」云々で、それからこういうことが書いてある。「暮れからやたらに同じことの繰り返しのような工事をやっている。子供のままごと遊びでももう少し計画をたててやっているように思う」、子供でさえも、ままごとをするのでも、何やるのでも計画的にやっている、子供は子供なりに。その次ですね問題は、「聞くところによると年度末の予算が残っているための事業だという。もっと有効にお金はつかってもらいたいものである。」こう書いてあるのです。どうですか、これでは事実私らも困るのですよ。朝は何のことなく行った。夕方はもう通れない。車が通れない。そんな無計画なことを、しかも同じことを、この間掘ってよくなったと思うとまた掘り返しておる。子供のままごとみたいだ。それでむだな投資だ。年度末になって金を使ってしまわぬとたいへんだというのでやっているのだ。ですから私は先ほど思い合わせて大臣の御答弁ではっきりわかりました。皆さんの御答弁でわかりましたが、初年度に十分の一の予算でも使って、終わりになってばたばたやるのじゃないか、あわてて。ちまたの道路工事はみなそうじゃないか。下水道工事はみなそうじゃないか。年度初めはぶらぶらやっておって、年度末になって新予算にかからなければならぬ、予算の変更時期だ、いま使っておかないとたいへんだ、それやれ、ばあっとこうですね。これは私が言っているのじゃない、新聞に言っているのだから、何も私を恨めしそうな顔をして見たって関係がない。そんなことは関係ないのだから。いかがですか。
  280. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 従来いわゆる道路工事、下水工事、電線、地下鉄、いろいろの企業体が別々にやったからそういうそごがあったようであります。しかも本格的には、あとで御質問あると思いますけれども日本の大都市なんかでは共同溝を実はほしいというので、共同溝の法律もつくり進めておりますけれども、なかなか先行投資にガス会社とかその他のものが出てこないためにおくれていることはまことに残念です。しかしこれは促進したいと思います。  それからもう一つ申し上げたいことは、これは全部都道府県が事業の主体なのです。下水道にしろ、それから側溝にしろ、それからいまのガス工事なんかも全部これが都道府県の認可が主体です。そういう関係で、これはできるだけ統一的にやるために企業者間の協定をさして調整をとるように指導はいたしております。今後さらにこれを進めてまいりたい。  それから、そういう意味で先般の国会で成立させていただきました新都市計画法に基づきまして、市街化区域と調整区域が今度ははっきり明定できますから、そこで、何といたしましてもその市街化区域においては、いま御指摘になりました相矛盾するような工事をばらばらにやらずに、計画的に都市計画の一環としてこれは進めていく、こういうふうに進めてまいりたいと思っております。なおまた、既成市街地においても、いろいろいま問題になっておる交通障害の問題、公害の問題、さらには震災対策、こういうものからすれば都市の再開発をしないと解決できない問題があります。それを今度進めてまいる予定でございます。  それから、年度末に至って金をがっと使うということは、従来その傾向は確かにありました。そこで本年は、この予算が成立いたしますれば、直ちに各都道府県に全部令達できるようにいま作業いたしております。そうして本年は特に経済情勢もありまして、上半期においてできるだけ早く仕事を発注しなさいという指導もしております。私も実は東北でありまするがゆえに、毎年のように困るのは、予算令達がおそいので、一番条件のいいときに仕事がなくて、降雪の著しいときに予算が来て、結局突貫工事になっていく、これも痛切に感じておりまするがゆえに、公共事業はどうしても年度初めに早く令達し、そうしてでき得るだけ早く工事に着工するように指導してまいりたい、そういうようなことを強く私が決意をして大蔵大臣にも話したところ、たまたま本年は景気の停滞もありまして、今度は大蔵大臣がそのとおりだということで非常に協力してくださっておりますので、いま御指摘の点は相当改善できると感じておる次第でございます。
  281. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 道路がよくなるとかりっぱになるということは、だれだってうれしいことで、それを私は悪く言っているのじゃないのですよ。だからこの新聞に投書している人もなかなか如才ないのです。「出来上がってしまえばありがたいにちがいない」、こう書いてあるんだな。なかなか如才ない。一点の批評も受けないようにこうやっている。よほど頭のいい人だな。だが、いま大臣の御答弁を聞きますと、一々にごもっともでけっこうでございますが、しかし大臣のおっしゃることが威令が行なわれないんじゃ私は何にもならぬと思うのですね。そこが大事だと思うのですよ。根本大臣のおっしゃることはまことに私ありがたく拝聴しましたがね。おれはこう思っている、こういう点は改革する、こういうふうにやってやる、あなたたちが思われるように自分もそれは同感だ、それだけじゃ困るんですね。その威令が行なわれなければ何もならないのですよ。画餅にひとしい。ですから道路はこれは都道府県だ。しかし行政指導はいやしくも建設大臣ならば私は十分にやるべきだと思う。しかも道路工事はやはり国家の補助がついているんですから、補助金があるんですから、だから私は、都道府県知事がどうだ、あるいは予算の令達がどうだとか、これはそういう点を行政指導していただき、そういう点を改善していただくのが大臣であって、ただああしろこうしろで威令は行なわれない。おれはこう考えている、こう改善すべきである。それは言うだけなら大臣は来ていただかなくても、ここへテープレコーダーか何か置いておけばそれでいい、それじゃ私は困る。ただ伝達をするとか、ただ通牒を出すとかじゃ困るんですね、ほんとうに威令が行なわれなければ。大臣のお考えは私は全面的に拝聴します。またお考えは尊重します。まことにごりっぱな御答弁です。しかし事実において、現実において、さすが根本大臣が言われたらこうなった、こうやってもらわないと大衆は迷惑しております。非常に迷惑しております。しかもいまあなたのおっしゃった共同溝の問題も、私は根本大臣のおっしゃったことなんかもう細心に注意してやっていますよ。これはあなたが大阪のガス爆発のときにすぐ現場へ行かれた。もうちゃんと知っていますよ。そのときあなたは将来共同溝などをつくって善処したい、こうはっきり述べておられるのです。だから何でも知っています、私は。もうあなたの心情は——心情というのか何というのか、あなたのおっしゃっていることはよく知っています。だけれどもその意欲だけでは、ただおっしゃるだけでは困りますからね。それをもう少し本気で——本気と言うと御無礼千万と思いますけれども、現実的にそれを効果がはっきり実証が出るようにお願いしたいと思いますね。それで、いまおっしゃるように予算令達なんかも早くやって、そして年度初めにどんどんやって、一年のうちで半分以上くらいはもうでき上がったところで、全部でき上がったところで大衆がみな喜ぶというのでなければ、上半期や四半期のうちで、もう下半期くらいまで、最後の後半期でばたばたやってしまう、前の三・四半期はもう遊んでおるというようなことでは困る。私はほんとうに大事な予算が、生きた予算として予算を使ってもらいたい、このように考えるのですね。まあ大臣もそのとおりのお考えであろうと思うが、十分ひとつそれをやっていただきたい。
  282. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 いろいろと御訓戒並びに御激励ありがとうございますが、昔でありますれば内務大臣が都道府県知事に命令し、これの人事権を持っておったから、昔は威令が行なわれても、いまは都道府県知事が全部これは公選でございます。そしてこの知事さんが、幾ら厳重な行政指導をしても、そっぽを向いておられるものにはどうにもこれはしようがないです。これが一番悩みの種です。その点において直轄事業、これは相当やれるのです。われわれの威令をほんとうにまともに受けて協力してくれるところはやれるけれども、初めからわれわれの威令を無視しておる自治体の長には、残念ながら威令が行なわれませんですが、これはむしろ国民の監視において是正してもらわなければいかぬと思うのです。たとえば道路に対する予算を出してやっても、土地収用法はやらない、あるいは住宅の予算をやってもそれを消化しない、これではしようがありませんので、この点はおしかりを十分受けて、私もできるだけ懇切丁寧に自治体にも相談の上実施するようにいたしたいと思います。
  283. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 都道府県知事が公選である、だから昔の内務省みたいな関係にはいかぬ、それはごもっとも。不肖でありますけれども私もその点はよく知っております。しかしながら、やはり地方の開発ということに対しては、指導、補導、助言はしていただかなければならぬ。こういう点を命令一下というわけにはいかぬと思うのですよ。またそういうことをやってもそれは封建的で、そういうことは地方自治を尊重しなければならぬですからね。そういう私は御無理なことをお願いしているわけじゃないのです。  次に、時間がだんだん迫ってまいりましたので少し急行で急ぎますが、下水道整備の財源についてお尋ねしたいと思います。財源というのは、私が申し上げるのは別に窮屈なことを申し上げているのではありませんけれども目的税だとか特別税というようなことをいうわけでもないのですけれども、何らかそういうふうな財源確保の必要があるんじゃないか。そういう点を大臣は何か御腹案でもあるか、お考えでもあるか。まあ五カ年計画で五十年で済むわけじゃないですから、将来第四次もあると思いますので、相当多額の投資が毎年必要であると私は思うのです。そこで下水道維持管理というようなことに対して、何か財源の確保ということに対するお考えがあるか、そういう点について。  なぜそういうことを申し上げるかといいますと、いまのお話にも関連しますけれども、市町村の下水道の整備ということ、あるいは維持管理ということに対しては、非常に財政負担が多くて、実はみな悲鳴をあげておるわけなんですよ。これは大臣もお留守でございましたけれども、私ども地方に参りますと、市町村なんかに参りますと、下水道の問題が非常にやかましいのですよ。これはどこの市町村も頭を痛めておるわけなんですよ。非常に負担が大きくて悩んでおるのですね。そこで国は国として、膨大な予算を組んでおるから、この財源確保ということに対して、大臣に何らかのお考えがあるかどうか、その点ちょっとお尋ねいたします。
  284. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 御指摘のとおり、国費もさることながら、地方負担が非常に大きくてなかなかたいへんだと思う。そこで現在のあれとしては、都市計画税、これが少し増徴になってきます。それから交付税配分にあたりまして、私は基準財政需要の中に、下水道事業をやっておるところにはやはり一つの重点を置いて配分をしてもらうように自治省に要請しております。  それからもう一つ、基本的にこれはなかなか大蔵当局がまだ同意しておりませんが、私といたしましては、こういうものは先にやればやるほど経済的でかつりっぱなものが、国民のために役立つわけですから、私は下水道については公債発行してもいいじゃないかという考えをもちまして、これを主張しております。ただ公債発行というと、財政当局はこれは反対論が非常に強いのでなかなかあれですけれども日本の経済がこれだけがっちりとしてきておりますし、しかもそうしたものを償還する能力は十分に日本の経済状況からすればありまして、昔の戦時公債のように生産に回らないようなものなら別だけれども、これは現実に直接間接に生産に役立ち、国民生活をより豊かにし、そうしてこれを先にやればやるほど効果のあがるものは建設公債を出してよろしいという説を私は前からとっております。これを大蔵当局にも言っていますけれども、私の力足らずして大蔵省を納得させる段階までにまだいってません。しかしながら、こういう問題も国会の場で、こういうものこそ与野党通じてこれでやるべきだという形勢になりますれば、私は実現決して不可能ではないと思います。今後も、実はこういうところで申し上げて少し大胆過ぎるかもしれぬけれども、引き続き下水道事業の実施にあたりましては公債を発行してもよろしい、そうすると、たいてい大蔵当局が言うのは、償還財源がないじゃないか、償還財源のないものに公債を発行するのはいかぬ、こう言うけれども、私は必ずしもその説はとらなくてよろしいと思うのです。これはある意味において、いまやれば実質上効果があがるということになれば、税金を先に投資してあとでその税金で償還したって、一般会計で償還したって何でもないことですから、こういう意味で、そこに実は財政理論としての見解の相違がありますけれども、これも皆さんの御支持を得て今後とも努力したいと思っているわけでございます。
  285. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 これは私聞くところによりますと、日本の立ちおくれた下水道の整備を完ぺきにするには、全国総合して十五兆の金が要る、こういうお話を聞いておるのですが、間違っておったら訂正していただきたい。
  286. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 そのとおりです。
  287. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そういう大事業ですから、これに対しては国自体も特定財源というようなものを何か設けておくべきじゃないか。それからいままた大臣お話で、市町村に対するところの国庫補助が非常に大きい。これはむろん大きいと思いますけれども、国が困る以上に地方自治体はなお困っておりますから、そういう点をお考えいただいたならば、財源の確保ということに何らかの公債発行もある程度けっこうだと私は思うのです。償還のめどがないじゃないかなんということは、私はおかしいと思うのです。これは直接償還のあれはないかもしれませんけれども、産業経済の発展は道路にあるのです、あるいは下水道、これは人間尊重の意味からいえば、下水道がなくて公害をこうむっている国民は悲惨ですよ。人間を尊重し——だったら学校教育なんという、あれは何も償還ありませんよ。ところがあの子供の教育によって国家の発展、興隆はあるのでしょう。これほど大きな償還はないのじゃないか。人間を公害から守るということ、これほど大きな償還はないと私は思うのですよ。何か商売の取引みたいに出したからすぐもらうというような、そういう考え方は、大蔵大臣がもしそんなことを言ったとすれば、大蔵大臣は失脚だ。そんな冗談じゃありませんよ。そこで、いまの大臣のお考えはわかりましたので、これは超党派で大いに推進していただきたい、こういうふうに思います。  次に、いまの問題に関連して申し上げたいのですが、下水道法の第三十四条に載っておりますが、公共下水道及び都市下水路に関する費用の補助について規定してあります。これは専門家の皆さんですから御承知だと思います。ところが、その三十四条には「政令で定めるところにより、」ということが書いてあるのですよ。政令で定めて国庫補助率をきめる、公共下水道には十分の四、それから流域下水道には十分の五、都市下水路には三分の一——三十四条には「政令で定めるところにより、」こうあるのです。ところが、どこにも政令はないのです。私は不肖にしてしろうとですから、どこの政令にあるのか、それをお示し願いたいと思います。政令第何号にあるのか、何ぼさがしてもないのです。ところが第三十四条には、政令による、こう書いてある。「公共下水道又は都市下水路の設置若しくは改築又は災害の復旧を行う地方公共団体に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その設置若しくは改築又は災害の復旧に要する費用の一部を補助することができる。」と第三十四条に載っておる。その政令によるという政令はどこにあるか、それを教えていただきたい。
  288. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 ただいま御指摘の三十四条の政令というのは実はまだ未制定です。したがって、現在は政令によらずして地方財政法の財政補助といいますか、それでもって補助事業を執行してまいっておるわけでございます。  なぜいままで政令をつくらなかったのかというお尋ねになろうかと思うのでありますが、これはいろいろいきさつがございまして、下水道法ができましたのが三十三年でございますが、その当時は下水道に対する国の財政援助のあり方が現在よりももっとひどく、低調であった。そこで私どもが、当時法律ができまして直ちに政令をつくりますと、かえって逆効果になるのではないかというような配慮もございまして、むしろ実質的に国の補助率なり補助対象なり、そういうものをうんと当時の時点よりもアップ、向上いたしまして、その上でもってしかるべき時期にその政令を制定すべきであろうというふうな考え方で今日まで実は参っておるわけでございます。しかしながら、第三次五カ年計画ということによって下水道事業も非常に大きくなってまいりました。しかもこの事業は国と地方との事業負担の関係もかなり複雑でございますので、今日におきましてはすみやかに政令を制定すべきであるというような判断のもとに、目下この政令の立案作業をやっている最中でございます。近くその成案を得ることになります。
  289. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 ところが、道路法には五十六条か、それから公営住宅は七条か、これは政令ではっきり出ているのですよね。はっきり出ている。下水道法には出ていない。過去において下水道に対して非常に考え方が怠慢であった。怠慢というと悪いかもしれぬな、等閑であった。そういうのがない。だったら、私はこれはいろいろ問題があると思う。あなた方のほうでも、これを政令でぴしゃっと定めると、これを動かすことができない。だから政令で定めないで、いま閣議決定なんかでやっている。だからふやしたり減らしたりすることはできる。そういう便法もあるというようなお考え方もあるかもしれぬ、これは私の推定ですよ。しかし、少なくとも政令の定めるところによって云々という条文が生きておる以上は、これは極端に言ったら法律違反だと私は思う。法律違反といえば、これは非常に言い過ぎかもしれませんが、だから私はこれは改定すべきだと思うのですよね。だから、政令で定めるところによるということが、あまりそれにこだわるというと弾力性がないから困ると仰せになるのなら、閣議決定によると私は改定すべきだと思う。そこで私がまた、それは続きますよ、そのお話は続くが、そこで政令でぴしゃっと明確にきめてあれば、それはあるいはできないかもしれない。よろしゅうございますね、大臣、ここから先は大臣に。ところが、国庫補助率を政令で定めるところによるというのが載っていないんだから、政令にないんだから、そこで、いま閣議決定でやっていらっしゃるんだから、政令で定まっていないで閣議決定でやるのだから、もう少し弾力性を持って、公共下水道を十分の四ときめていらっしゃるそれを、私はもっと上げてもらいたい。四分の三に上げてもらいたい。あるいは流域下水道は十分の五、これを四分の三ぐらいに上げてもらいたい。それから、都市下水路は三分の一を二分の一ぐらいの補助率にしてもらいたい、閣議決定だから。そうなると根本建設大臣が徹底的に押してもらえれば、これはできる。政令でばっとやっておれば、これはなかなかそう簡単にいかない。だから、あなた方が政令で定めるところによるというのをばほったらかして、政令には何にも定まっていないんだから、こういういい便法があるからと、私は善意に解釈すればそうしか解釈できない。それをいつまでもいつまでも、政令で定めるところによるというが、実際には何もありゃせぬ。そんなことをしてほったらかしている。だから、これを極端にいえば、言い過ぎだったらごめんくださいよ、法令違反じゃないか。なぜ法の改正をしないか、一応はこう言える。しかし善意に解釈して、それは政令で定めるというと、ぱっとそれで待ったなしだから、閣議決定で、弾力性で、根本建設大臣は非常に意欲満々だから、今度はこのように上げました、こうやりましたと、こういうふうに解釈していいか。だったら上げてもらいたい。こういうことです。私の言っていることは、まことに論旨徹底しているでしょう。どうです。
  290. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 いま事務当局が御説明申し上げましたように、従来地方自治体並びに国の下水道に対する認識が少なかったために、実は大蔵当局の強い、何と申しますか、いろいろと折衝の間、補助率、補助対象、こういうものがなかなか思うようにいかなかった。そのために政令をつくってない。その意味で御指摘のように、法律違反ではないけれども、法律に伴う政令がやり切れなかったところは適当じゃなかったということはいえます。そこで、これは近く政令をきめまして、法律上の要件を具備してまいりたいと思います。私に対して激励のことばがありまして、むしろ法律を改正して、政令なんかやらずに閣議決定でやれと言われるけれども、これはかえって不安定になりましてトラブルが起きますから、むしろ政令ではっきりきめて、そうしてこれをやっていき、またさらに社会情勢あるいは経済情勢の変化に応じて必要とあればその政令は閣議決定でこれは変えることができますから、そういうふうに前進的な態度をとってまいりたい、こう考える次第でございます。
  291. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 いや私は善意に解釈して、先ほどからるる申し上げたのですがね。そこで根本大臣のように意欲満々の方ならば、閣議でも徹底的に押しまくれるかもしれないけれども、建設大臣は終身職じゃないでしょうからね、そうもいかぬかもしれぬから、いずれにしましても、各市町村ではこの下水道の整備ということに対して、予算措置ということに非常に苦労しておりますので、そういうことをお願いしたわけでございます。  それでは、全部飛ばしまして最後にもう一点。もう少したっぷりお尋ねするつもりでしたけれども、おたくのほうから建設月報が出ております。  これを拝見して、今度の下水道の五カ年計画にあたって水洗便所の改造義務づけが出ておるようであります。ところが、これに詳しく書いてありますから、もう時間の経済でいろいろ申し上げませんが、地代家賃統制令の適用を受けておる場合ですね。簡単に申しますと家賃が非常に安い、千円とか千円以下とかあるいは千五百円とか安い家賃を取っている家主さんがありますね。これを義務づけられた場合に、しかも三カ年の間のうちにやってしまえと、こういうことでしょう。そうすると、法定家賃で統制されておる、そういうような方の水洗便所の取りつけということに対して、若干これに説明もしてあるようですけれども、はっきりした的確な説明じゃないわけですね。そういう実際問題にぶつかった場合に、当事者間で話がうまくつくかっかぬか、そういう点懸念があるようですがね。どなたか……。
  292. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 水洗便所の改造の義務づけを先般の下水道法の改正ではかったわけでございます。下水の処理が開始されましてから三年以内という期限をつけております。ただし特別の場合、生活困窮者とかそういうことで正当な理由がある場合、そういう場合に限っては下水道の管理者はその期限を猶余することができる、そういう規定も設けてございます。お尋ねの地代家賃統制令との関係でございますが、その地代家賃統制令の七条一項におきまして、借家におきまして改良工事等が行なわれましたときは、家主は賃貸統制額の増額の認可申請ということができることになっております。この水洗便所の改造もこの改良工事に含まれるものということで解釈されておるわけでございます。したがいまして、いわゆる地代家賃統制令の対象になっております家賃の家屋につきましても、水洗化されました際には、家主は当然にその水洗便所の改造に見合うところの家賃を借家人に対して請求できることになるわけであります。しかしながら、過去のいろいろな水洗化にからみまして一番トラブルが多いのは、御指摘の家主、借家人の関係のようでございます。これは地代家賃統制令の対象の家屋に限りません。そういう点につきまして下水道の管理者が一番この問題は苦慮していることも事実でございまして、その辺の今後の指導というものにつきましても、私どもは十分配慮いたしまして、行政指導面におきましてこの辺のトラブルを少しでもなくしていくような方向でやってまいりたい、かように考えております。
  293. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 大体この水洗便所の取りつけば、これも私、的確にまだその資料を集めて研究したわけじゃないのですが、かれこれ二十万くらいかかるというような話ですが、どのくらいかかるのですか。
  294. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 改造のための必要最小限度の工事費は大体五万から六万ということでございます。先生おっしゃっています二十万というのは、この機会に便所をタイル張りにするとか、便所回りをよくするとか、そういう増加費用が入りますとかなりかかるようでありますが、改造に要する最小限度の費用は五万ないし六万でございます。
  295. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 この問題は、非常にそういう低家賃で統制令にかかっておるというような家主さんに、水洗便所を取りつけさせるということ、しかも三年間の間に取りつけなければならぬという、そういう義務づけがあるということに対して、いろいろな融資の面なんかもあるということはこれに書いてあるようですが、問題は、実際問題としてほんとうにそういうことがスムーズに行なわれるように、トラブルが起こらないように——ただ千編一律に解決しようといったってそうはいかぬ。これは、時間がないから——。  建設大臣にお尋ねしたい。たとえば道路公団なんかもそうですよ。補償するとか、あるいは立ちのきをしてもらうとかいうような場合に、非常に泣かせているのですよ。道路公団のやり方なんかは非常にずさんですよ。建設大臣、これはひとつよく考えていただきたい。たとえていうならば、かえ地をします。ところが、そのかえ地の坪単価なんかが全部千編一律なんですね。ところが同じかえ地を買うにしても、百坪とか、あるいは二百坪とか、まとまって買えば比較的地場の単価で、地場相場でいくのです。ところが四十五坪とか五十坪とか、切り買い、一筆を割って買うというような場合には、坪単価はばっと上がっていくのですね。ところが同じ公団できめた値段で、ばあっと五十坪なら五十坪分しか実際には出さぬ。自分のいきたい見合いのかえ地があっても、そこにいけないというような、実際問題とした場合に、何といいますか本質的な基準なら基準、根本的な基準から、千編一律に全部を画一主義にやろうとするから、その事態、事態に即応した処置ができない。それで片方は泣いているというのがあるのですよ。ですから、やはり水洗便所なんかというものも、その個々の問題に対して——それはいいかげんに融通性をもってということは私は申し上げない。ある一定の基準はそれはもちろん大事ですけれども、やはり臨機応変に対応してもらわぬと困る、こういうことを申し上げているのです。私のお尋ねしていることわかるでしょう。それを。
  296. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 御趣旨の点は私どももよく理解いたしております。下水道法一部改正の去る国会の法案の審議の際におきましても、そういうふうな点、先生御指摘のような御意見、御注意もございましたので、私ども十分今後配慮して実施してまいりたいと思います。
  297. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 それでは、督戦隊からやかましく言われますので、きょうはこの程度で、またそのうちにいろいろ教えていただくことにいたしまして、きょうはこれで終わります。
  298. 天野公義

    天野委員長 本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  299. 天野公義

    天野委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  建設省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  300. 天野公義

    天野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま可決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  301. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  302. 天野公義

    天野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  運輸省設置法の一部を改正する法律案について、明二十六日、新東京国際空港公団総裁今井栄文君を参考人として出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  303. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、明二十六日金曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時十七分散会