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1971-02-24 第65回国会 衆議院 逓信委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年二月二十四日(水曜日)     午後零時三十六分開議  出席委員    委員長 金子 岩三君    理事 内海 英男君 理事 加藤常太郎君    理事 古川 丈吉君 理事 本名  武君    理事 水野  清君 理事 古川 喜一君    理事 樋上 新一君 理事 栗山 礼行君       池田 清志君    加藤 六月君       木村 武雄君    佐藤 守良君       坪川 信三君    羽田  孜君       林  義郎君    三池  信君       森  喜朗君    安宅 常彦君       阿部未喜男君    卜部 政巳君       武部  文君    米田 東吾君       中野  明君    土橋 一吉君       中村 拓道君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 井出一太郎君  出席政府委員         郵政大臣官房長 野田誠二郎君         郵政省郵務局長 竹下 一記君         郵政省人事局長 北 雄一郎君         郵政省経理局長 溝呂木 繁君  委員外出席者         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ――――――――――――― 委員の異動 二月十九日  辞任         補欠選任   土橋 一吉君     谷口善太郎君 同日  辞任         補欠選任   谷口善太郎君     土橋 一吉君 同月二十日  辞任         補欠選任   武部  文君     原   茂君 同日  辞任         補欠選任   原   茂君    武部  文君 同月二十四日  辞任         補欠選任   八百板 正君     卜部 政巳君 同日  辞任         補欠選任   卜部 政巳君     八百板 正君     ――――――――――――― 二月十九日  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認  を求めるの件(内閣提出承認第一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月二十日  電報、電話及び郵便料金値上げ反対に関する  陳情書(第四六号)  同外六件(第  一〇九号)  郵便業務正常化に関する陳情書  (第四七号)  電信電話拡充七カ年計画に関する陳情書  (第一一〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  郵便法の一部を改正する法律案内閣提出第二  四号)      ――――◇―――――
  2. 金子岩三

    金子委員長 これより会議を開きます。  郵政法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗山礼行君。
  3. 栗山礼行

    栗山委員 与えられました時間で、主として郵政大臣お尋ねを申し上げてまいりたいと思います。  十六日の過般の本会議で、私の主なる論点をもちましていろいろお伺いを申し上げたのでありますけれども、特に総理にお伺いをいたしました中で、どうも納得のいかぬ問題がございます。国務大臣として、これらの問題について共通の基盤を持っていらっしゃると思いますけれども、重要な基本について、郵政大臣という立場もございますけれども国務大臣という立場において御答弁をお願いを申し上げたい、こういうことでございます。  その基本は、公共料金の問題というものは、いまの経済成長のもたらす一つのひずみの中の異常な物価高騰の中において、いかにこれを位置づけるべきかということにおきます一つ政治課題だ、こういうとらえ方をいたしておるわけでありまして、単に各省の行政のラインのみにおいてこれをとらえるということについては、必ずしも政治の扱うべき問題とは私は考えておりません。したがって、前回お尋ねを申し上げました点については、一つは、政府公共料金は厳にこれを抑制するという態度表明をしばしば言明されておりましたことは御承知のとおりでございます。特に公共料金の一年間の据え置き等も含めまして、いろいろその表明をされておるわけであります。なかんずく四十六年度の経済見通し及び経済基本的運営方針といいますか、態度についても、これは厳に公共料金を抑制するという一つ立場をとって表明されておるのでありますが、この点について、公共料金あり方が、いわゆる政治の場においてどういうふうにこれを理解し、ながめてまいるべきか、こういうふうなことが私の質問中心点であると信じておるわけでありますが、申し上げましたように、ひとつ国務大臣として重要な政治課題の中における公共料金のあるべき一つ方策、こういうことについて御所見を伺ってまいりたいと、かように考えております。
  4. 井出一太郎

    井出国務大臣 ただいま栗山先生の提起せられた問題は、公共料金というものが、国の経済政策物価政策の中でいかに位置づけられるかというたいへん基本的な問題であろうと思います。これは財政学上あるいは経済学上というようなことになれば、どうも少しく私の手に余る問題ではございますが、まああえて申し上げさせていただきますならば、確かに公共料金と申します以上は、国がこれに介入し得る余地というものは、一般物価に比べますと、非常に濃密な関係があろうと思います。しかし、さればと申しまして、これが実験室の中でやっておるという仕事でなくて、一般社会という大きなワク組みの中で存在をしておることは間違いございませんから、これはやはり社会経済趨勢というものから影響を受けるということを否定するわけにはまいるまいかと思うわけであります。しかも、郵政仕事は、公企業という、企業という立場一つはございますから、そこからくる要請というものは、いうならば一つ経済合理主義こういう規制もあるわけでございましょう。  したがいまして、これに臨む内閣態度としましては、できるだけ公共料金は抑制いたしたい、国が主導型の物価値上げというふうなことに相なってはならぬ、これは戒めるという態度は、佐藤内閣として当然でございます。したがって、総理もこういう点にはたいへん苦労をされたわけでございまして、政府のタッチし得る公共料金の体系の中で、しからばいかようなる選別をしていくか、これがもう身動きならない硬直したもので一体いいのかという問題は別個に検討されるべきだと私は思うのであります。たしか昭和三十九年でございましたか、池田内閣当時に一せいにくぎづけをするという方式を採用しましたあげくは、何かその次の年度にはね返りまして、かえって非常に傷が深くなったという部門もあったようであります。そういうことからしまして、郵政事業の問題は、公団家賃であるとかあるいは大学の授業料であるとか、その他バス、私鉄といったものに比べますと、ともかく緊急度合いといいましょうか、あるいは郵政財政の持っておる現在の悩みというものが一そう切実であろう、こういう認識の上に立ちまして一最終的に値上げに踏み切らざるを得ないということが了承されたわけであります。  事ここに至るまでには、物価対策閣僚会議でありますとか、あるいは大蔵経企庁と私の間で話し合いを持つとかいうふうな経過をそれぞれ踏まえまして、最終的には、まあ今回お示ししたようなところに到達をしたのでございまして、一がいに値上げと申されますものの、その中で重要度によって取捨選択をする、少なくとも一種二種といったものについては一年間はこれを据え置くというふうなことで、当面実情に即していろいろな手だて、手段を講じまして、行き着いたところがいまお示し申し上げておる線に相なった、かような次第でございます。
  5. 栗山礼行

    栗山委員 お話しのように、政府は厳に物価値上げ主導型を戒めていく、こういうことでお進めになったということと、今度の公共料金波及効果というものの非常に高いものでございますことはもう論をまたないと思うのであります。いまのお話をお伺いいたしておりますと、大臣はこの点、今度の値上げというものは政府主導型の一つの形でない、こういう理解をされておるのかどうか。それから、お説の中にございましたようなそういう原則をいろいろ踏まえつつも、これが余儀ない一つの結果としてこの種の問題をひとつ提案申し上げたというようなお話を伺うのでありますが、性格論的に見て、これが政府の厳に抑制すべき一つ路線からはみ出しておる問題としてお考えになっておるのか、あるいはワク内における問題だという理解をされておるのか、この点いかがでしょうか。
  6. 井出一太郎

    井出国務大臣 私がいまの御質問の趣旨を正確に理解できておるかどうかちょっと、お答え申し上げた十でまた御質問いただけばと思いますが、いわゆる政府主導型という概念規定のしかたというものはどういう的確な意味を持っておるか、これは財政学的に申しましても問題点はあろうと思うのでございます。そういうところへくぎづけにした、硬直した考え方でなく、もう少しおおらかに広くものをながめてみれば、そういう観点立場というものもこれは一つはございましょう。しかし、公企業と呼ばれる面の経済合理性というふうなものも、これに目をおおうわけにはまいるまいかというようなところを総合判断した結論だというふうに私は考えておるのであります。  なお、郵便現状というものがだいぶ態様が違ってまいりまして、企業間における通信企業個人個人企業というふうなものがいまや、主力を占めている時代でございますから、昔ながらの個人間の手紙、はがきというものは今日ではたいへん少なくなって、電話その他の通信手段のほうがよけい用いられるということに相なっております。ですから、その間に吸収し得る余地というものが、郵便物数、百十億通の中の二十億通、三十億通という部分に相なるのではないかというふうに考えますと、これが国民生活に響かないとは言いませんけれども郵便全体が国民生活を非常に圧迫をするというふうには必ずしも受けとめなくても済む部分があるのではないか、こういう感じもいたします。  いずれにもせよ、値上げをせずに済めばこれに越したことはございませんけれども、しかし、現状を踏まえておるものの立場といたしますならば、どうも今回この郵便の問題は、同じ公共料金といわれるものの中でも特例中の特例というふうにお認めを願いたいわけでございまして、生産性の向上あるいは合理化努力と申しましても、何せ人件費が八〇%以上にものぼるということの性質を考えてみますときに、これは年々相当なベースアップで今日まできておる、この条件をなかなか克服しがたいというあたりに、ほかの公企業と違う事情があるということもひとつお認めをいただきたい次第でございます。
  7. 栗山礼行

    栗山委員 基本政治的見解の問題に相なるのでございまして、合意ということにはなかなかほど遠いということで、意見を承っておくということにいたしてまいりたいと思いますが、私は論点を変えまして、今日の政治の行き詰まり、あるいはなかんずく従来の経済政策一つ方向づけ、財投、税制、各般にわたりまして、その発想を大きく転換するにあらざれば、現状を打開をして、そしていわゆる人間を優先せしめる福祉政策方向路線というものを生み出せない。ところが、それはスローガン的な要素になりまして、結局具体的な抜本的な方向にメスを突っ込んでその方向政策的内容がないということが今日の混迷した実態だ、こういうふうに私はとらえておるわけであります。少なくとも今日の時点では、いままでの路線を転換をして、ほんとうに人間性の豊かな経済と、そして人間性を回復せしめるという方向を持っていこうとすれば、少なくとも福祉経済政策方向路線を持っていかなければ解決しない。少なくとも競争原理という一つの長所と特能認めつつ、しかもまた計画された福祉経済政策方向というものをミックスしなくちゃ、今日の問題の明日を創造するという経済政策政治方向もあらわれてこないのじゃないか、こういう一つ考えを強く抱いておる一人でありまして、どうもマンネリ化して、硬直化して一歩もそういうところに踏み出せないということが、今日各般悩みの最たるものだ、こういう考え方の上に立つものでありまして、大臣の懇切な御意見とは承知をいたしますけれども、その見解一つ相違点がここにございます。  過般私、ちょっと処理を——この問題を審議されますときに、郵郵事業正常運営特別委員会委員長でございます藤井丙午さんにあてまして、郵便近代化対策協議会研究委員会委員長野田さんの一つの提言、意見がなされましたことは御承知のとおりだと思います。その中にも指摘をいたしておるのでありますが、公共料金というものについて、ものの考え方価値基準考えていかなくちゃならないのではないか、単に赤字が出るということについて、その赤字公共企業ワク内において経済サイドをとっていくということが今日の時代方向路線であるかどうか、少なくとも情報化時代に対応する、あるいはまた公共事業という性格を十分踏まえて、そして公共福祉を高めていくということになると、今日のような制度上の問題で、ワク内で解形するということについては矛盾撞着がはなはだしいのじゃないか、こういうような意見意見書として出されて、審議会の十分なる審議を求める、こういう一点があったと思うのであります。  私自身は、ここに問題の焦点を合わして考えてみて、審議会がこれをいかように受けとめられて、そしてどう審議されたかということにつきましては、私はつまびらかではございません。しかし、少なくとも公共企業というものが、今日の情報化時代一つ情報下で、国民交換手段として多面的な価値観を持つ方向に進んでまいるということにどう対処してまいるか、その中における公共事業としてのその責務を踏まえつつ、さらに公共福祉を増大するということの目的が明記されておるといたしますれば、単に値上げによってこれを解決するということが基本的に正しい姿勢であり方向路線であるかどうか、こういうことについて非常に大きな矛盾と感慨を新たにさせられるものが深いのでありますが、この点についてひとつ大臣の御所見伺いたい、かように考えます。
  8. 井出一太郎

    井出国務大臣 栗山さんと論争しようというつもりはございませんが、最初にお示しになったお立場は、言うなれば一つのミックスド・エコノミー、民社党さんはそれを踏まえていらっしゃるのかと思います。あるいはウエルフェアを中心に、これに傾斜した経済という仕組みもこれはございましょう。それじゃ、いまの佐藤内閣はそういうものをまるで無縁のものとして無視をしておるかといえば、時代趨勢はそれは許されないだろうと思うのです。それは戦前の、あるいは欧米でいえば十九世紀のあのアダム・スミスみたいな資本主義が今日ではたいへん変貌をしてきておることは、これはもう間違いないと思うのでございます。したがって、佐藤内閣もそういう方向を逐次取り入れつつあることは間違いないと思います。ただ、それがテンポがおそいとかあるいは程度がまだそれじゃ足らぬとかいう御批判はあろうかと思いますが、いまの世の中の動きというものは、私は、栗山さんの言われるような方向にあるだろうと思うのであります。  さて、そういう場合に、一体公共料金あり方がどうかという問題を提起されたわけでありますが、こういうものはすべて国が補てんをして、そして個人利用者負担というものを軽減していくべきだ、こういう立場もそれはおありになるだろうと思います。けれども、私どものいまタッチしております限りにおいては、これは一つ公企業でございますし、それを合理的に運営をしてまいりますためには、やはり経済原則の上に立つほうがより能率的ではないかと思うのでございまして、もし赤字が出ればこれを一般会計負担に責めを帰するということになったのでは、かえってこれに従事する人々の気持ちの上にも、親方日の丸みたいな感覚が根ざして能率があがらぬのではないか。そしてそのとどのつまりは、いたずらに納税者負担を重からしめることに相なる。あるいは減税すべかりしものが減税せずにいかなければならぬというようなリアクションというものが一方にあるのではないか。そういうことを考えますと、この事業というものはこれなりに締めくくりをつけていく、考え方としては私どもはそれをとりたい、こういうのでありまして、あるいはそこのところはどうもすれ違いだとおっしゃるかもしれませんが、現状はやむを得ないものだ、こう考えるわけでございます。
  9. 栗山礼行

    栗山委員 前回臨時国会の本委員会においても、赤字について一般会計導入の問題について同僚の委員質疑をされた記憶がございます。その中で私は、赤字が出ればすぐにこれは一般財源から補てんするという無原則導入方策は賛成いたしません。ただし、純然たる公共企業独立採算制オンリーの中において、この事業役割りを果たせるかどうかということの限界内容がございます。したがって、過般も私、御質疑を申し上げましたように、一般財源の問題は、やはり公共事業の本質、それから新しい時代情報化への対応性、さらに公共福祉を増大するという立場において、独立採算制のこの基本認める。ただし、これを助長し、その役割りを完遂するという方策として、基本施設の問題、設備の問題、たとえば福祉政策の尤なるものとして厚生あるいは福祉対策施設等については、一般財源からこれを導入するという条件を高めて、公共企業たる内容をひとつ充実する、こういう方向が最も望ましい方向ではないか、こういう考え方の上に立つ考え方を強く深めておるわけであります。  大臣は、一般会計からの繰り入れは制約行為がある、なかなか困難だ、さりとて借り入れということについては元利の問題が含んでまいる、こういうところに一般会計からの導入については必ずしも賛成するということにはなりかねるというようなお説を前日伺ったという記憶があるわけであります。それはそれなり一つ基本姿勢でありますけれども、私自身は、いま申し上げましたように、一般会計の果たす役割りがある。特に財政計画及び財投フィスカル・ポリシーといいますか、それが日本経済の動向を大きく左右するという前提にかんがみて、私は、それを大いに活用して公共福祉国民生活を高めていく、あるいは文化の創造を高めていくという方向に持っていくのが、いわゆる財政の持つ役割りでないか。この一点について、この問題点をどうしても解明して明らかにしておかなければならない今後の問題であろうか。こういう観点に立ちまして、私の考えに同調を求めるということの、そういう安直な考え方を求めてはおりませんけれども、ひとつ私への答弁をかねて、この問題についての大臣のお考えを重ねて承っておきたい。
  10. 井出一太郎

    井出国務大臣 従来当委員会におきまして私の申してまいりましたことは、ただいま御指摘のように、郵便財政の急を救うために、一般会計という方途、あるいは借り入れ金によってまかなう、こういった道もあるかもしれぬ、同時に料金によらざるを得ないということをあわせて示唆したような答弁を申しましたことは、私も記憶に新たなるところでございます。そこのところは栗山さんと少し意見が開くかもしれませんが、いま主としてお触れになりました点は、いわゆるフィスカル・ポリシーといいますか、財政ともう少し結びつけろ、特に借り入れ金導入といったような問題にもお触れになったわけでございまして、この点はことしの予算をごらんいただいてもわかりますとおり、ごく一部ではありますが、たとえば施設の改善、局舎の新営といったようなことにつきましては、そういった財政的な措置をも合わせて講じておるわけでございます。したがいまして、そういう問題は、今回はそうこれが主力をなしておるほどのケースではございませんけれども一つの取り上げるべき問題としては当然今後も考えていかなければならぬ点であるか、かように思うわけでございます。
  11. 栗山礼行

    栗山委員 そういたしますと、今度の法律改正の、第一条の問題と第三条との関連になってくるわけですが、本会議でも私は、一条とこの三条というものが必ずしも融合する内容を持たない、こういう観点で御質問を申し上げたわけです。主として総理にこれを御質問申し上げたわけなんですが、特にいまお話政府経済政策方向の一点として、国の財政導入できる方策というものを持っていっておる、また、持ってまいらなければならぬというようなことに御意見のほどの集約があったのだ、こういうふうに理解をいたすのでありますが、この三条規定からいいますと、これは少なくとも、私の見解結論を申し上げますと一般会計からの導入は相できない。この法律がもしこのままでいれられるとするならば、少なくとも第三条規定による法制改正をしなければ一般会計からの導入はなし得ないという法規定であると思うのです。一つは、一条三条との関連の問題です。ところが、三条規定は、御承知のように「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足りる収入を確保するものでなければならない。」こういうことになりますと、独立会計の、独算制基本を明確に規定をした、こういうことでありますから、このワク内で特別会計の運用をいたしてまいるということになりますと、いまささやかな局舎問題等お触れになりましたけれども、この問題は導入要因がこれによって排除されるという法律解釈を抱くのでありますが、この見解はいかがですか。
  12. 井出一太郎

    井出国務大臣 一条三条の問題は、前回も当委員会において議論のあったところでございますが、そのときもお答えしましたとおり、第一条における「なるべく安い料金で」という規定は、収支を度外視して、採算を無視してまでも低廉なという考え方には立たないのだ、そして収支が相償うという原則の上に立った低廉性だというような御説明を申し上げたつもりでございまして、その限りにおいては、一条三条とは必ずしも矛盾をするものではない、こういう理解に立っているわけであります。そしていま御指摘のように、この三条というものを特に今回挿入をいたしましたゆえんのものは、公共企業という立場におきましてその合理的な運営をしてまいりますための、言うならば一つの不退転の心がまえと申しますか、ともかくこの仕事を部内であらゆる努力を払ってそして企業的に合理性を追求していこう、こういう気がまえをこの立法によってあらわしたつもりでございます。  それで、万々一にもどうにもいかない場合に一体ほかの道は残されてないのかという、これは一般会計との関連についても含みとしてお持ちになった上でのご質問だと思いますが、これは昔、二、三回記録的にはございます。しかし、非常な終戦後のインフレ高進の時期でございまして、これは必ずしも前例というのには相ならぬ。こういうたてまえから、ここはともかく事業健全化を自分らの足の上に立って遂行してまいろう、こういう気がまえをあらわしたものと御了承を願いたいと考えます。
  13. 栗山礼行

    栗山委員 お説はそれなりに拝聴に値するお説なんでありますけれども、私は、的確に現状をながめ、かつ将来の展望を、三年、五年という日本経済の推移をながめつつ、これに対処されるにあたって、この条文のもとに、あるいは時代に対応する郵便事業というものが、目的に沿う一つ方向成果をおさめるのかどうか、この確信の問題、あるいは見通しの問題については、これは必ずしも私は、このもとにおける長期的な見通し成果がございますというようなことを取りつけようとは考えません。非常にこれは社会経済一つ流動化の状態の変化もございましょうし、あるいはまた、あまりにも郵便事業に加えられました大きな、重い負担がございます。これらの問題を通じて考えまするときにおいて、どれだけの努力をいたしましても、一つ限界というものがあらわれてまいる。そうすると、三条の形において公共料金の姿を、いわゆる何らかの形においてこれを創設して値上げという事態に処理するおそれもこれはなしとしないというようなことから考えますときに、いろいろこの点について、お説を伺いました上について、これはもう少し検討を深めてまいらなくちゃならない要素があるのではないか、こういうのが私の率直なこの問題のとらえ方でございます。  重ねてこの問題について御意見を伺おうといたしませんが、この経済合理主義を、公共事業目的の中におけるその手段として、このような経済の合理主義を貫き、そしてそのワクの中での閉鎖主義を行なって、はたして郵政事業が健全なる国民の用に供する任務が行なえるかどうか、こういうことについて私は疑問があるのでありますけれども、一体大臣は、それはまかせておきなさい、以後絶対にこのもとにおける一つの使命の完遂をいたします、こういうことであれば、何をかこの論点を広げてまいる必要はない、このように考えるのでございますが、この点いかがでしょうか。
  14. 井出一太郎

    井出国務大臣 この第三条というものにつきましては、自分で自分の首を縛るのではないか、こういう趣旨の議論が、いま栗山先生の御心配いただくと同じように、立案の過程においてもあったわけであります。けれども、それをもあえて顧みず、一種悲壮感みたいな、ともかくこの仕事の合理的な遂行において自分の行くべき道を発見したい、こういう切ないまでも、いまの郵便関係者がみずからに言い聞かせておるんだ、こういう気分のあることをひとつ御了承をいただきたいと思います。
  15. 栗山礼行

    栗山委員 たいへんこれはけっこうでございます。その姿勢について私は異論がございませんけれども、少なくともひとつ従来の積年の悪弊を一てきして、そうしてはち巻きを締めてわれ健全なりという姿勢を貫きましても、私はなお足らざる限界点があるということをおそれるものであります。いわんや従来の観念の精神革命なくして、安直に進めてまいるということになりますと、結局同じことを繰り返すという悪い終着点に到着することは目に見えておる、こういうことなんでありますが、私は、大臣のひとつ管内の行政指導として、みなえりを正し、頭にはち巻きを締めて国民にこたえていこうという行政指導を強くおやりになるかどうか、こういう点について伺います。
  16. 井出一太郎

    井出国務大臣 はしなくも栗山さんから、今後の郵政事業に携わる関係者一同がこういう指針をみずからに課して、そしてはち巻きを締めるのだ、こういうふうにおことばをいただいたわけでございますが、まさにそういうことでひとつ危機突破をしていかないと、これは前途まことに容易ならざるものだ、こういう心がまえにおいては先生と全く同意見でございます。
  17. 栗山礼行

    栗山委員 これも大臣にお伺いいたしたいのですが、四十五年十二月七日に大臣の諮問されました答申が参っております。この全体について私は、必ずしも全面的降服をし、高い敬意を払っていくという前提に立つものではございません。ただし、多くの問題点指摘をされまして、そして苦心の作ということにつきましては、それなり一つの評価をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるのでありますが、この本文にも、現状郵政の姿を浮き彫りにされまして、少なくともこれは強く指摘し、遺憾の意を表明されておる、この一点でございます。問題は、五項目に分かれておる問題の指摘であろうかと思います。申し上げるまでもなく、これはやはり何と言っても五つの問題を総合した中で、特にこれらの関連において、今日の郵政財政の状況にかんがみて、その限度内においてこれを進めていかなくちゃならぬ、こういう結論づけとして私は解釈をいたすのでありますが、しかも後文についておりますような付記条項としては、非常に切実にして、そして国民が抱いておる一つ考え方もまたじょうずにこれは表現されておる、こういうふうに解釈をいたしております。  短い時間でございますから、各論にわたりましてお伺いするということはなかなかできにくい、私の意見もまじえつつということは、これは容易でありませんが、総括して、大臣はこの諮問にあたって、この答申についてどのような、この五項目及び前文についての受けとめ方をなさっていらっしゃるかということをひとつお伺いいたしたい。
  18. 井出一太郎

    井出国務大臣 おっしゃいますように、郵政審議会からは、郵便事業の正常運営にあたっての当面措置しなければならない五項目を指摘して、私のほうに答申をいただいたわけであります。これはもうここで私が五項目を繰り返す要はなかろうと思いますけれども、まず郵便送達速度を安定せよ、そして第二点は、労働力の問題に関連をいたしまして、その確保と能力を充分発揮し得るような措置をせよ、第三には、そのための作業の環境と申しましょうか、郵便局舎あるいは作業施設を改善するように、そして第四には、郵便の役務が弾力的に実施ができるように、そして最終的には当面この財政を、苦境を克服するための料金の問題に触れておるわけであります。これらはいずれもたいへん重要な、かつ適切な答申と考えておりまして、中に盛り込んだものもございますし、あるいは予算措置の中にそういう方向を示した数字にも相なっておるわけでございまして、この答申の線を今後とも十分に尊重し、貫いてまいりたい、かようにお答えをいたします。
  19. 栗山礼行

    栗山委員 いろいろ質問の中でも出た問題でございます。第一種第二種以降の問題を省令に移すということについて、財政法上の立場における関連性からも質問がございました。重ねて私は御説明をいたしません。特に財政法上の解釈の問題だけじゃなくて、少なくとも第三種以下を省令にゆだねるということについては多くの問題点と危険と不安を内蔵するのじゃないか、さらにもっと言うなれば、国会軽視もはなはだしいのじゃないか、こういうふうないろいろな質疑や論評が行なわれておりますことは御承知のとおりであります。前回阿部委員の御質問について、竹下郵務局長の御答弁も私なりに伺っておったのでありますけれども、何か的確にそれをとらえて理解するということについて非常に苦しんだ御答弁をされておったのでありますが、大臣、どうでしょうか。基本の問題は、やはり一種、二種だけが法律によってこれを定めていくということじゃなくて、三種、四種以下の省令にゆだねるということについてのあまりに安直な、そして問題をかもし出す多くの要因を内蔵いたしておる。はなはだオーソドックスに申し上げて、どうかと思うのでありますけれども、この点の御見解、それからなお公式論を言うわけじゃありませんけれども、省令にゆだねる行為としてはあまりにも問題点が多過ぎるし、疑惑と不信の状況の中において、私は、いまこれを直ちに取り上げるべきでなくてペンディングにして、そして国民的な合意と国会の審議の英知を傾倒した中においてこれを行なっていくということが望ましいという結論を持つのでありますが、この点の御見解はいかがでしょうか。
  20. 井出一太郎

    井出国務大臣 この点につきましては、先般来お答えをしてまいっておるわけでありますが、栗山さんそれでは御満足にならぬということからいまの御発言に相なったものと思います。これは一種、二種という従来の信書というものの重要性は相変わらず今後も法定事項として厳格に守っていかなければならぬのでございますが、三種、四種につきましては、これは新聞、雑誌その他を主とするものでございまして、あえて郵便として郵政省が取り扱っていない部分も現にあるわけでございまして、言うならばそこには一種の独占性というものからいうと選択の自由もあるわけでございます。そういうことからして、機動的に、弾力的にこれらは処理をさせていただくほうが行政の立場としては好都合であるわけでありますが、それとても、みだりに、ほしいままにかってなことをやってやるというところが一番問題点だと思いますけれども、これには二十三条ですか、一項を設けて、その料金限界というものは示してあるのでありますし、さらに郵政審議会というもので十分な御検討をちょうだいをする、そのほかに今日の物価とか公共料金とかいうものがこれだけ大きな問題であります以上は、これは内閣としても物価閣僚協議会等の議を経ることは当然でございましょうし、これを省令に移したからといって、かってにおまえたちが値上げをするのではないか、こういう一種の前提がございますることは、私どもとしてはどうもたいへん恐縮なんでありますけれども、そのような軽々しい態度でこれを扱うといったようなことは毛頭考えておらぬということを申し上げてお答えといたします。
  21. 栗山礼行

    栗山委員 たいへん私の評価から申し上げますと、これが一つの重要なものの理解のしかたということの中心だと思います、一つの問題としては。いま政治不存在だということをよくいわれます。しかも行政に引きずられておる政治だということをいわれるのです。このことの是非はいろいろ議論の問題点がございますから議論をいたしませんけれども、少なくとも政治の場において、行政に引かれる憂いがあるものを政治で解決してまいらなければならぬという前提条件を持たなくちゃならぬということを考えまする場合において、どうしても国会の場という一つの権威と機関を必要といたす、こういうことなんでございます。そうでないと、これは歯どめがない。現在郵政事業について、国民が、百点の優等生であるという採点はいたしておりません。私は、もし極端な評価をいいますと、大体及第点以下じゃないか。こういう状態にかんがみてものを見ます場合において、国民のコンセンサスを求め、国会が国会としての機能的な役割りを果たすということにおいて、私は、省令にゆだねるということについては多くの問題があるというようなことで、この点は何とかひとつ——いろいろなプロセスを踏まえて御提案になったことを理解するのでありますけれども、この点は政治課題として、どうあるべきだということで大臣の勇断を求める一つの英知を求めたい、この点に非常に力点を持つのでありますけれども、いまの御答弁の姿におきまして、私は、一つの安直なる一般論としては傾聴をいたします、こういうことですが、非常にくどいようでありますけれども、何か政治的に大臣のお考えを立てて、ひとつわれわれも了承する、こういう中身をお考えを重ねていただけるかどうか、あるいは考えていらっしゃるかどうか、もう一回ひとつこの点について。
  22. 井出一太郎

    井出国務大臣 省令に委任するという問題をどう評価するか、いかに判断をするかということでございましょう。栗山さんのお立場とすれば、これは一種、二種と同じように当然法定事項として残せという御主張と思いますが、私どもとすれば、このくらいは行政処理におまかせをいただいてもよろしかろうという判断の上に立っておるわけでございます。これは何といいますか、議論は並行線みたいなものでございましょうが、非常に御熱心に御主張なさいます栗山先生に敬意を表しつつ承った次第でございます。
  23. 栗山礼行

    栗山委員 残念ですね。私はやはりこの郵便法の改正の中の案件行為というものの設計と骨組みと肉づけをいたすということについての井出郵政大臣についての役割りと期待は非常に大きなものがございます。反面いまの大臣のおことばのようでございますと、その評価がころっと変わってくる。井出大臣のような人が、やはり法案は出したけれども、国会の意見等にかんがみて、そしてそれなり一つ政治論としてこの問題を解決づけるということが——たいへん私はべたぼれのようなことでありますけれども、何かこの問題は、ことばを重ねて答弁を求めませんけれども、この問題について井出カラーというものをひとつおつくりをいただいて、この問題の解決の方向にすみやかにお運びをいただくという再考を重ねて、ひとつお願いを申し上げて、非常に食らいつくようでありますけれども、御検討をわずらわしたい、こういう点を申し上げてまいりたいと思います。たいへん政治論を展開いたしまして、各般にわたるいろいろ施策の問題、各論について質問をいたすべき時間が与えられておりません。もう一点だけ私は以下の各項目についてもお尋ねを申し上げ、予算及び施策の方向のいろいろな資料をちょうだいいたします場合において論点を深め、そして確認をいただきたいという問題がございますが、委員長に、ひとつ時間のワク内でやりますから、それらの問題はひとつ質問を保留するということにおいて、もう一点だけただしてまいりたい、かように考えております。  それは、この間申し上げました審議会の役づけと規制の問題であります。この問題につきまして、私、本会議でも触れてまいりました。少なくともいろいろ各般の関係者によります審議会の構成メンバーというものにつきましても、私は資料を拝見いたしました。それなり社会的な価値、あるいは国民にこたえるであろうという人材の構成等もされておるとは承知いたすのでありますけれども、私は、やはり今度の経過と将来の郵政事業を推進する審議会役割りの重大性にかんがみて、重ねてここで申し上げるわけでありますけれども、おそらく現状では審議会というものは隠れみのだ、こういう規定をされる学者もございましょう。評論家もございましょう。またいろいろ質疑を通じて伺う限りにおいて、審議会の権威をながめつつ、なおその審議会あり方をどのように改組すべきであるか、こういうような私ども考え方が必ずしも否定できない、こういうふうに考えてまいりますと、大臣、どうでしょうか、この間御答弁いただいたのでありますけれども、一ぺん審議会委員を検討して、そして改組する。そして各般にわたる一つの構成上の問題について、人材の、構成の再改組をはかっていく。そして委員会それ自身一つの権威を高めて、隠れみの的ものでない、おそらく隠れみのだといわれる事柄につきましてはいろいろ御専門家がいらっしゃるのでありますけれども、十分なる調査をされておるかどうか。審議会には調査権もあるはずだと承知いたしておりますが、従来は少なくとも安直に流れて、行政当局から出されるいろいろな資料はそのワク内においていろいろ御意見なり指摘をされる、こういうふうにとどまっておる。今後の課題としてはこれではいかぬというようなことで、人事は国会案件にすべきである、そして権威を高めていくべきであるというようなことを申し上げたのでありますけれども、せめてそこまでまいりませんけれども委員会の機能とそれから構成上の問題についていま洗い直すというようなかっこうで、あるべき審議会の構成をはかっていくという私の意見についてどのような御意見をお持ちであるかと申し上げましたが、本会議ではきわめて一般論的で軽くいなされたのでありますけれども、きょうはこの問題についてほんとうのことを言ってもらって、そうしてよりよいものにどう改組すべきかという御意見があればひとつ端的にお示しをいただければけっこうだ、かように考えております。
  24. 井出一太郎

    井出国務大臣 本会議ではあるいは簡潔にお答えをしたということであったと思いますが、この郵政審議会あり方については、今回料金問題につきまして省令に移管をする、その上は審議会におはかりをするということが非常に大きな条件でございます。でありますから、従来も審議会は非常に権威のあったものと私は思いますが、より以上にこれからその重要度が増していくということは、これは間違いございません。現在は、審議会あり方郵政省設置法の中に一つ基本の条文があり、これを受けて政令が出ておるわけでございます。そうしてたしか四十五人というたいへん膨大な大委員会でございます。と申しますのは、ほかの役所の場合は、たとえば厚生省の保険制度などを例にとってみれば、幾つかの審議会がそれぞれの項目についてあるようでございます。しかし、郵政に関する限りはこの大委員会が一本で、郵便も貯金も保険もその他の新しい分野もやっていただいておるということから、勢いこれだけの大きな数になるわけであります。  そこで今回の法律改正を機会にいたしまして、そう重要な任務を背負っていただくわけでありますから、いまるる栗山先生お述べになりましたような趣旨を体しまして、ほんとうに権威に満ちた審議会の構成、私どもとしてはこういうことを考え、これはいま任期のある人をすぐあすにもという改組のしかたはむずかしいと思いますが、そういう点実情に即しまして、いまの御趣旨を体してひとつりっぱなものに、郵政審議会が御期待に値するようなそういう権威ある機関として存在していただくように努力をいたすつもりでございます。
  25. 栗山礼行

    栗山委員 時間が参っておりますからなんでございますが、この点についてもう一点だけ。ひとついまの総論を御意見としてりっぱに拝聴いたしましたので、要はそれの具体化の問題であります。実践のないものは空論でございますから、大臣の御説明を場当たり的、じょうずに逃げるような内容とは私は決して受け取っておりません。それなりに評価をいたしておるのでありますけれども、十分実践をしてその実をあらわすという方向でお運びをいただきたい。  重ねて一点申し上げますことは、やはり国会軽視の一つの弊を免れないという意見もそのままに評価すべきだと思うのであります。多くの審議会がございます中に、特に国会から特別参加の委員等も選んでおる委員会が多くございます。たとえば選挙制度審議会の問題につきましても、これは適正なる一つ委員を選出しておる、これは法制上の問題等もございますけれども、もし省令という一つの経過に相進むという不幸な結果に進みます場合、あるいはまたそれがそういうことにならざる場合等も含めましても、審議会の権威というものをやはり国民的信頼と国会にこたえる役割りを持っていっていただくということがございますから、国会議員の中から特別審議会委員をひとつ選出する、こういうような一つ考え方を持つものでございますがもこの点について具体的に大臣の御意見どうでしょうか。
  26. 井出一太郎

    井出国務大臣 現在必ずしもそこまでは考えておりませんけれども、これは当委員会において初めて承る御意見でございますから、よく記憶にとどめてまいりたいと思います。
  27. 栗山礼行

    栗山委員 委員長に申し上げます。  私のようにひとつオーソドックスにやりましても、ちょうどまた加藤先生から細い目でにらまれておるような感じでございます。これ以上私は強硬に御質問申し上げるという意思はございません。ただ、私の申し上げたいのは、各論をやりますと、さらに一時間ぐらいいろいろ問題点をお聞きしなければ頭に入らないし、得心もできがたいという問題等がある。私のほうがあえて一名を申し出ておりますけれども、逓信委員をもう一名追加すべきであるか、私自身一つお尋ねすべき案件が残っておりますので、それらを含めて、自余の問題について保留するということで、委員長の御賢慮をお願い申し上げて、私の質問を終わることにいたします。ありがとうございました。
  28. 金子岩三

    金子委員長 午後二時三十分再開することとし、休憩いたします。    午後一時四十一分休憩      ————◇—————    午後三時四十一分開議
  29. 金子岩三

    金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  郵便法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。卜部政已君。
  30. 卜部政巳

    卜部委員 質問者がたいへんおそくなりまして申しわけありません。  まず、大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、答申にも指摘されておりますように、健全なる経営のためには人の問題が重要であるという、この点が指摘されているわけでありますが、そういう面からしましたならば、労使の正常な姿が当然望まれるところだ、こう思うわけであります。私は、過日某局に参りまして、その闘争の実態を見たわけでありますが、たまたま私が入ってまいりました局は、騒々しい雰囲気の中でわめいておりますから、私はその中に入って見た。これはひどい、組合も行き過ぎじゃないか、こう思ったわけです。というのは、一人の人をつかまえて十三人くらいの男がえり首を引っぱって、げんこつを食らわしたり、足払いを食らわしている。したがって、私はそれをとめに入ろうと思ったところが、あにはからんや、それは組合員一人に管理者十三人が群がって、踏んだりけったりの姿を私は見たわけであります。私はこの姿を見まして、ほんとうにこれはたいへんなことだ、こう思ったわけであります。私の言ったことが、これが現状を正しく伝えていないといわれる向きもあるかと思いますが、それは私は天地神明に誓いまして真実を語っておるつもりであります。そういう面におきまして、私はそういうような現状というものを想像された一だろうか一おそらく想像せられないと思うのです。またそういうような指導を、大臣のほうからやれなどということをやったというふうなことは考えられないわけでありますが、大臣はこういう現状についてどう考えられるか、まずお聞きをしたいと思います。   〔委員長退席、水野委員長代理着席〕
  31. 井出一太郎

    井出国務大臣 お答えいたします。  ただいま御指摘の事実でございますが、あるいはいつどこでというもっと具体的に承わらなければいけませんが、あるいはこういう席でそれも差し控えなければならぬかとも思います。卒直に申しまして、もしそういうことありとすればこれはずいぶん前時代的な話だと思います。かつて労使の間にいろいろなトラブルがあって、場合によればおっしゃるのと逆のようなこともあったかに聞き及ぶのであります。しかし、今日もうお互いにそういう段階は乗り越えていなければ、これは正常な労使のあり方であろうとは思いません。ですから、私としては、おっしゃる事実を承りましてたいへん意外に感ずる、率直に申し上げればそういう感触でございます。
  32. 卜部政巳

    卜部委員 私も冒頭申し上げたように、組合もひどいことをするなと感じたのです。ですから、まさか管理者がそういうことをするとは思ってもいなかった。しかしよく観察すると、その騒々しさの中で組合員がうしろを振り向く。そうするとトラック部隊と名づけられる方々でありましょうが、振り向くことさえも規制をする。こういう状態をまのあたりにしたわけです。しかしながら、私はそのときに感じたのですが、一寸の虫にも五分の魂ということわざがございますが、あのときに従順にしている組合員の中にも、それはやはり抵抗の血潮というものが選出するだろう、そういう気持ちにおそらく私でもなるのではないだろうかと考えたわけです。その点について、大臣立場をかえてそのように規制をされて、昔の憲兵みたいにことごとく、たばこを吸うのもうしろを振り向くのも規制されるという状態になったときには、おそらく大臣とても同じ気持ちだと思います。そうした面で、いま大臣は、それは想像もできないことだという答弁でございましたが、前近代的なことが現実に二十世紀の世の中に行なわれておるわけでありますから、私はその点についてそういうことは大臣のほうで厳に戒めていただきたい、こういうふうに思いますがいかがでございましょうか。
  33. 井出一太郎

    井出国務大臣 私がこの一年余りずっと労務の問題について私なりに苦心を払い、役所で戒めておりますことは、そういうことが根絶しなければならぬということでありまして、たとえば、昨年の組合との間に確認をした事項なども、そういうことがあってはならぬという基盤の上に労使関係を地ならしをしていきたい、こういう理念に発しておるわけでございます。
  34. 卜部政巳

    卜部委員 私も長い委員長の経験を持っておるわけでありますが、このような憎しみのるつぼのような中にある職場というものを見たことがないわけです。私が委員長時代に各幹部に言い伝えていたことは、まず優秀な幹部であると同時に、仕事に精通したいわゆるエキスパートであれ、そうして人情豊かな幹部でなければならぬということを私は常々指導をしてきました。だから、私たちの組合員というのは、そういう条件というものを全部完備しております。ですから大臣等も御承知かと思いますが、また竹下局長もおいででございますが、私たちの幹部の中には、郵政の全国競技会、そうしたところに参加をしたなどという優秀な幹部がおるわけです。だから私は、こうした面でやはりそういう組合員と、また幹部あたりと十分に話し合う機会というものをつくったらどうなのか、こう思います。こういう点について、全逓等が提案をしておりますが、下部末端までのいわゆる管理方式とでもいいますか、経営の問題仕事問題等について十分話し合おうではないかという提案を行なっておるわけでありますが、これは私はむべなるかなだと思うのです。昔そういうことを言おうものなら、管理方式ということになると、労使協調の路線ではないかなどといわれて忌みきらわれたものであります。それを大胆に全逓が打ち出しておるという、こういう問題等について、私は十分に耳を傾け、現実に下部の段階まで話し合えるそういう機関一定期的な会合、そういうものを私は指導すべきではないか、こういうふうに思うのですが大臣いかがですか。
  35. 井出一太郎

    井出国務大臣 私は、常々労使の関係というものは相対的なものである。それは話し合いによってお互いに接近する以外にない、こういう基調に立っておるつもりでございまして、たとえば本省などにおいては、人事局を中心に全逓の幹部諸氏としょっちゅう接触があるようであります。同じことは郵政局の段階においても、あってしかるべきでございますし、また現にあるはずだというふうに存じておるのでございます。末端の段階までも、お互いに話し合って問題点の探求をして、何かはぐれないものがあるならばそれを解きほぐすという努力をすべきだ、かように考えております。
  36. 卜部政巳

    卜部委員 北局長、いかがでしょうか。そういう要求があった場合には、下部の組織におたくのほうからも流す用意がありますか。
  37. 北雄一郎

    ○北政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のこと、大臣がお答え申したとおりでございますが、若干補足させていただきますと、昨年の暮にそういった話が持ち上がりまして、本省と本部、それから郵政局と地方本部、この間に懇談会を設けることにつきまして双方合意ができております。なお、それ以外の部門におきまして、話し合いあるいは団交、こういったパイプをもう少し秩序立てて、そして太くしていこうじゃないかということにつきましても大かたの合意ができておりまして、それを具体的にどのような形にするかということにつきまして、双方の間で小委員会を設けて討議をする、こういう段階になっておるわけでございます。
  38. 卜部政巳

    卜部委員 そうすると、私の理解が間違っていたということになって、その点は申しわけないと思いますが、ただ、私が見たパンフレットの中には、そういうことは必要ないという省側の回答があるわけです。ですから、私はあえてその問題を申し上げましたが、最高責任者であります大臣のほうから、末端にまでそういう話し合いの場をつくり上げるという、全逓の主張する問題を取り上げて将来に向かって検討するという約束がなされておりますので、これ以上あえて申し上げません。じゃあこの問題の字句というものは抹殺して差しつかえないものだというふうに理解してよろしゅうございますね。
  39. 井出一太郎

    井出国務大臣 どうかさようにお聞き取りいただいてけっこうであります。
  40. 卜部政巳

    卜部委員 先ほども申し上げましたけれども、下部末端において——これは、大臣は都市部のはなばなしい闘争の職場を見られておりますから、そういうことなどは想像できないなどとおっしゃるかもしれませんけれども、竹下局長もおいででございますが、私たちの地区などにおきましては、全逓の労働者というのは地域の指導者です。よき相談役ですね。その意味においては、郵政の名を高めておることはまぎれもない事実です。局長が優秀だから、それで名が高められておるというのでは決してないと私は思うのです。そういうようなかっこうの中で、お互いに組織人ですから、組織から指令がきますと、お互いに立場の中での違いがあり、そこに意見の相克等もあって戦わなければならぬ、こういう状態になることはやむを得ないことだとおもいますが、戦いが終わったあとはにっこりとほほえみ合う間柄でなければならぬと私は思うのです。現実にそうだと思う。そういうことが行なわれておるから、地域住民とも話し合い、そしてよき相談役、指導者という位置づけがなされておるわけなんです。  そういう組合員に対して、郵政当局のほうからはどういうことが行なわれておるのか。私も方々で聞くわけでありますが、まず組合から脱退をせよ、おまえは優秀な人材であるから主任にさせるけれども、全逓の組合員であるからそういうことをさせないなどというような声が聞こえてきます。私は、これは誤りだとは思いますが、もしそういうことが行なわれるということになれば、これはゆゆしき問題だと思っております。そうした面において正常なる労使間の関係等々を考えてみますときに、お互いにそれぞれの理由があって、立場の上からどちらが悪い、どちらが悪いということを言うかもしれませんが、そういうものを大上段に振りかぶるところの郵政省にも私は大きな責任があるような気がするのです。これは全面的に郵政省がいいなどということはいえぬと思うのです。そうした面において、大臣、そういうことがいま行なわれつつあるとすれば、それを即刻中止して、ほんとうに地域住民の中に根ざしておる郵便局、この名を高めていただきたい、こう考えるわけです。その面についての指導に誤りなきを期していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  41. 井出一太郎

    井出国務大臣 私も全く同感でございます。同じ郵政仕事に携わる者が、それは管理者であろうと現場の組合員であろうと、やはり国民から負託されたこの大事な仕事を遂行して国民にサービスをし、そして喜ばれるようにしなければならぬ。同じ高ねの月をながめるという気持ちにおいては、何ら径庭があってはならぬものだと思うのであります。そういうことから、昨年の四月の確認事項などもその趣旨に出ておるわけでございまして、もしお互いに出過ぎた面があるならば、これを修正するにやぶさかではないという基調のもとにいままで参ったつもりでございまして、これがどうも年末にああいうことで紛争になったということは、返す返すも残念でございます。ただ、先般来申し上げておるように、ともかくこういうエネルギーあるいは犠牲を払いまして、それがむだであってはならぬ。その中からひとつお互いに教訓をくみ取るようにしようではないか、この考え方でなおたゆみなくこの問題は善処してまいりたい、かように考えます。
  42. 卜部政巳

    卜部委員 ちょっと角度を変えて申し上げますと、これは私も方々のところで見かけることなんですが、組合員と局長との間柄というのは、先ほども申し上げたように仲よくやっている。それは正常な業務、健全なる経営が行なわれているわけですが、たまたま闘争に入る。まあお互いの組織から流れてきた指令に基づいてやらなければいかぬということはよくわかりますが、そこでトラブルがある。ところが、局長に話をしても、局長はそのときには、もう全然私にはだめなんですという言い方をする場合が多いのです。なぜかといいますと、労務連絡官の顔を見ているのですね。労務連絡官は統括局長よりも上みたいな顔をして、あれはいかぬ、これはいかぬと言って、話し合いがまとまるようなことでも妨げておる現実があります。こういう労務連絡官なんというのは統括局長よりもえらいのですか。この点、ひとつ大臣、まずお聞かせ願うと同時に、この人たちは、二つの立場の中では血が通っていませんから、ただもう本省の指令か、郵政局の、上局のいわゆる幹部の一本やりでいけというそれだけの指令しか通っていないのか知らぬのですが、日常の血の通いがないものだから、トラブルが出てくるのは常にこの労務連絡官です。こういうような制度は私は廃止すべきだと思うのです。この点について、まず第一に統括局長よりもえらいのかどうかということ、そういう地位にあるのかどうかということと、そういう血の通っていない連絡官なんというのは廃止すべきじゃないか、私はこう思うのでございますが、どうでございましょうか。
  43. 井出一太郎

    井出国務大臣 これは職制上、労務担当官というものがそれぞれ一つ役割りをになって配置されておるわけでございましょうが、これはえらいとかえらくないとかという問題でなくして、運用いかんによる、あるいは人の問題ということにもなりましょうけれども、そういうことによって解決される問題だと思うのであります。  そこで私も一体この制度というものはいつからできたのかというあたりを少し探求してみておるのですが、かれこれ十年近い歴史があるようであります。そしてその間に労務関係というものが非常に多様化してきておる、もっときめのこまかい労務対策を持たなければならぬ、こういうところに出発をしておるようでございまして、要は、いま御指摘のようなことありとすれば、これは十分に戒めなければなりませんし、この制度自体の存廃をいま言及されましたけれども、運用いかんによって、これをもっと善用、活用するということも可能ではないかというふうに心得ております。
  44. 卜部政巳

    卜部委員 大臣はじょうずに逃げられているような発言をされておるのですが、私が初めから申し上げておるように、正常な労使間、健全なる経営を行なっておる郵便局というのは、やはり局長と組合員というのは仲がいいですよ。そういうときにたまたま闘争に入ると、それは立場上やむを得ないでしょう。だから、そういうことについては早く解決をしてしまって、早く正常な運営に入っていこう。一号便、二号便出発と、こういう状態になっても、そういう労務連絡官がだめだ、こうやるんですよ。これは血が通っていませんからね。そうすると、気魄のある局長は、おれはやめたと言いますよ。労務連絡官おまえ指導をやれ、おれはやめたぞと言って、帰って寝ている人がいます。これは気魄のある人です。そこまでなってくる。労務連絡官というのは郵政局長クラスですよ、そんなえらそうなことをやれるというのは。だから闘争に入れば、少なくとも所属の局長の指揮下に入るくらいなことをやっていかなきゃならぬし、もしそういうものが無用の長物であるとすれば、そういうものは排除すべきじゃないか。うまく利用すればいいじゃないか云々だなんて言いますけれども、そういうものが現実には労使の正常化を妨げているガンだということを私は言っているのです。だからよくわかりますね。血のつながりなんということはないということですね。  だからその点は大臣、労務連絡官の問題ができ上がったいきさつ、その背後にあるものいろいろありますから、一がいに大臣の力をもってここで云々ということはできかねる、この点もあろうかと思いますけれども、しかし私が感じていること、組合員がいま切々と感じていることは、そうだと思うのです。間違いないことだと思うのですね。そういう点で、これは私は十分なる配慮をしていただきたい。またその点について、その制度が排除されないという状態にあるならば、少なくとも労務連絡官というものの位置づけ、こういう問題については、特定郵便局であろうとも何であろうとも、その局長の指揮下に入るということを明確にすべきじゃないだろうか。そうせぬと、要らざる紛争が生じてくる、こういうことを私は訴えたいと思います。その点はいかがなものでしょうか。
  45. 井出一太郎

    井出国務大臣 この制度のそもそも発足をしたところのゆえんのものは何か。これはおそらく濃密な指導をしようという善意な意図に出たものだろうと私は思うのであります。しかし、それがいろいろな歴史的事情もあって、何か桎梏になっておって、これがかえって有用どころじゃない、有害だというふうに卜部さんはお受けとめになっていらっしゃるようですが、私は労使関係というものが何としても郵政事業を円滑に遂行していく上の最大の問題だと考えております。そういう意味において、これらの問題を含めて、私自身もひとつ再検討をしてみることにはやぶさかでございません。
  46. 卜部政巳

    卜部委員 確かにその制度ができたときの労務担当官というのは、私は優秀であったと思うのです。ですから、いろいろな面におきまして、人間的なつながりもさることながら、優秀な人材が配置をされて、しかもそれは的確に郵政の指導、そしてまたその郵政の指導というものについての法的見解その他を十分に理解し、勉強した人が多かったわけでありますが、今日は、これはことばがきついような言い方でございますが、ただもう組合を押えつけることが最上の目的である。そこに人間関係などという、血の通いなんというものを感じさせる者は労務担当官ではないという位置づけです。そういうものが今日ぐっと高まりを示しておる。全国に配置される労務連絡官というものはそういうものですね。ですから当初の発足のときのような、何か心あたたまるような、そして深い洞察力を持つような労務連絡官ではなくなってきたということです。  それは問題が今日この郵政姿勢の中にあるのではないだろうか、私はこういう気がします。労務担当官が悪いのではなくて、やはり指導するほうが、おまえには血の通った人間としてのそれは適用するべきではない、断固としてというような、労働組合のことばでもってするならば、そういうことばか何か注入されておるのではないだろうかというような気がします。ですから、その面における郵政の指導の問題をも含めて、大臣のほうから、この点については厳に注意をし、今後の問題等については血の通った問題にするように、そして将来に向かって、もしそれが大臣の英断で可能であるならば、廃止の方向へ向かって私は努力してもらいたいと思います。よろしゅうございましょうか。
  47. 北雄一郎

    ○北政府委員 労務連絡官と申しますのは実は通称でございまして、身分といたしましては、郵政局の人事部の管理課長補佐という身分と、それから当該局の勤務と、この二つの身分を持っておるわけでございます。したがいまして、現業局長としこの通称労務連絡官との関係と申しますと、一つには、ただいまのような関係からいたしまして、郵政局の人間として現業局をそういった面で指導するという任務が一つあるわけでございます。むろんその指導の内容ということにつきましては、先生おっしゃいますとおり、労使関係をきめこまかく、そして労使関係が安定するように持っていく、あるいは労使間の紛争というようなものが起こりかけたような場合にこれを未然に防止をする、そういった仕事を持っておるわけでございます。したがいまして、労務連絡官がこの労使関係を硬直させるためにおるというようなことでは全くございませんし、そういった意味で今後とも運用と申しますか、労務連絡官が当今の労使関係にそういった意味で最も有効に作用するように強く指導をしてまいりたい、かように思っておる次第であります。
  48. 卜部政巳

    卜部委員 そうすると、管理課長補佐というのですか。じゃ、統括局長と位置の問題ですが、どっちがえらいですか。これは格づけの問題ですがね。
  49. 北雄一郎

    ○北政府委員 これもえらい、えらくないという問題ではございませんで、郵政局と現業局、こういう問題になろうかと存じます。
  50. 卜部政巳

    卜部委員 いま局長の話では、当該局の指導云云、当該局の仕事もやるということなんですが、それは局長、あんまり現状を知らな過ぎるのではないでしょうか。労務担当官というものは何をしてますか。ぶらぶらしてどこかにカモが——そんなことは言い方は悪いのですが、どこかに落ち度がないかどうかということをさがすぐらいが関の山だとぼくは思うのですね。今日どこでもそうでありますが、私のところは広島郵政管内でありますが、広島から松江へいまは車で五十四号線を通って三時間で行かれる。そうすると、郵政局長、いわゆる管理課、人事部長がそこに話し合う問題が出たら、いろいろ相談をするというかっこうになりますと、それは郵政局に行ったほうが早いですよ。そんな余分の人がおるくらいだったら、いま合理化の問題が出ておりますが、こういう連中を一番最初に合理化すべきではないですか。仕事をせぬでぶらぶらして一年に一回ぐらい闘争があるときに血の通わぬようなかっこうで出てくるような、こういう者はよけい無用の長物ではありませんか。合理化の中ではまずこれを一番最初に切るべきですね。いまの局長の話からいたしますならば私はよけいにその感を強くするのですが、大臣、どうでございましょう。   〔水野委員長代理退席、古川(丈)委員長代理着席〕
  51. 井出一太郎

    井出国務大臣 先ほど卜部さん御自身も、これがスタートしました当時はなかなかその任にかなう人材も配置されておった、そして当初は一つ役割りを十分果たしておったという御認識をお持ちのようでございますが、私も要は人であり、運用であり、やはりそういう機構というものも、活用するならば十分にその使命を果たし得るという気はいたすのであります。ですから、ここでその制度を廃止するというようなお約束はまだちょっとしかねますけれども、もし、いま御指摘になるように、無用の長物どころではない、これがかえって有害に作用しておるという御指摘を受けたのですが、これは一応私ども観点からも一ぺん実情をよく見直してみる必要があろうかと思います。そういう次第で、そんなにこれにおこだわりにならずに、少し私のほうもブロードマインドに問題を考えてみようという気持ちでおります。
  52. 卜部政巳

    卜部委員 こだわるわけではないのですが、人事局長のほうから、大臣のおことばに対して補足的に、そういうことでいかにも労務担当官というものが重要な役目を持ち適切な行動をとっておるかのような印象のおことばがあったものですから、私はあえて触れたわけですが、大臣、いま大臣大臣という肩書きをもってそれで十分な調査云々ということになりますと、ことばはちょっと語弊がありますが、官僚というのは、大臣が来たということになりますと島根県なんかでも道路が悪いところが直ったりしています。そういうような状態で調査をされるのでは私は困る。少しかみしもを脱いで、一個人としまして局を十分に歩いてもらいたいと思うのです。水戸黄門みたいにですね。そうしたらあらがたくさん出てきますよ。そうしたものを把握して大臣郵政事業をてきぱきと処理すべきだと思います。ただ形式的な調査ということではなくて、そういう点を一つ私は訴えをして、次へ進んでまいりたいと思います。  次の問題は、私はこれはこの席上で申し上げるのもなんでありますが、ほんとうに悲しい事例を知っているわけです。それは大臣承知のとおりに、組合員が、連続ということばは語弊がありますが、時期を同じうして自殺をしているというような行動が出てきているわけなんです。その問題につきましては、何だ、意思の弱いやつだということで私は無視できない問題があるのじゃないだろうか、こう思うのであります。こういう点につきまして、その死者にむち打つように、何だ、やつは死んだのか、こういうやつは自分を剥奪して懲戒免職の措置をとれというような暴言を吐いた局長もおります。私は、こういうことを言うのはほんとうに残念なことなんですが、そういうような組合員の自殺の行為の裏に、やはり遺書などをながめてまいりますと、そこに自分が職責を持ちながら全逓の組合員であるということについて、省側の指導によるものとは思えないのでありますが、局長あたりから脱退を迫られ、無能をなじられる、そういう面での自殺が、この悲しい事件になってあらわれているのです。大臣も御承知かと思いますが、こういうような暴言を吐くような局長を今日郵政は持っている。同時に、そういうよりな局長にさせた指導というものも、やはり私は大いに痛感していただかなければならないものだと思います。この点について、大臣はこの指導について今後どうされようとするかをお伺いしたいと思います。
  53. 井出一太郎

    井出国務大臣 ちょっといまの問題にお答えする前に、先ほど人事局長のほうからは、あるいは卜部さんのお気持ちに相かなわなかったのかもしれませんけれども、これは局長は局長でそういう仕組みを掌握をし、そこで誤りなきを期したいという熱心な気持ちがありますから、これはこれなりに御了承をいただきたいと思うのでございます。  そこで、いまたいへん悲しい事実であるという前提のもとにお触れになりましたケースは、私もまことに遺憾に存じておるのであります。これはほんとうに真実が何であったかということを把握しなければ、事人命にかかわる問題でございますから、軽々しく即断は許されないと思うのであります。こういうことを申し上げるのはどうかと思うのですが、実は昭和三十年ごろでありました、私は予算委員会質問をしたことがあります。それは何かと申しますと、実は私の選挙区において特定局の局長さんが相次いで三人、やはりみずから生命を断った、こういう問題がございました。これはやはり労使紛争の一つの犠牲だったというように伝えられておるのでございますが、ある時期には、実はそういうこともあった。ごく最近にいま御指摘になりましたような事件が、やはり労使の問題に一番原因があって出てきておるのであるならば、これは私たいへん残念なことでございます。私ども、労使お互いにそういう問題はもう卒業ということにならなければいかぬのではないか、こういう気がいたすわけでございまして、労使関係をほんとうに健全なものに育成するために、これと直接関係があるかどうかは別として、こういう事態があったということを私どもは深い教訓として肝に銘じなければならぬ、こういう気持ちでおります。
  54. 卜部政巳

    卜部委員 大臣がいま御指摘になりました点でありますが、ごもっともな点だと思います。ただその中で、局長がやつは死んだか、この点については懲戒免職にしてやれというような暴言を吐いたという事実について触れたわけでありますが、その死者が過失があり、さらに詐欺行為だとかさらにまたいまわしい事件があって死を選んだというのであれば、局長が懲戒免職にする前に、それはすでに当然官紀に照らし合わせてそういうかっこうになるのはあたりまえの話ですが、それがそういうものでなくて、遺書に明確にされ、さらにそこに形式的にお通夜に来たところの局長に向かって、遺族は、線香を握り締めてつぶして、帰ってくれ、おとうちゃんは死んだんだと、この遺書を見て泣きながら叫ぶ家族の姿があるわけでございます。したがいまして、大臣が軽々しくその問題を判断するわけにいかぬと言いますが、やはり死というものについての遺書、これに明確にそういうことが記されているという事実があるわけです。   〔古川(丈)委員長代理退席、水野委員長代理着席〕 そういう点の押し問答は避けたいと思いますが、大臣指摘をされていますように、そういうものには十分にこれから配慮していかなければならない。その背景の中には、まずそういう全逓の労働組合員である以上は、自分の職責というものが全うできないような姿勢、指導のあり方、こういうようなことについて、一切これからそういうことを言わない、言わさないということをひとつ大臣の口から確認をしたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
  55. 井出一太郎

    井出国務大臣 具体的の問題を離れて一般論として私申し上げたいと思います。これは憲法にも、思想とか信条とかそういうものによって差別があるべきはずのないものでございますから、いわんや労働組合員であるがゆえに、これが差別されるなんというべらぼうなことがあり得るべきものではない。そのことは、私は全逓の宝樹さんともしばしば話したことがあるのでございまして、私のほうもひとつこれはおおらかに対処したい、あなたのほうもあんまり被害妄想みたいなことでなく、やろうではないかと言ったくらいのことでございまして、その点はどうか御懸念ないようにお願いしたいと思います。
  56. 卜部政巳

    卜部委員 そういうような事例がもしあったときには、大臣の不在の場合、ここには郵政の最高幹部のスタッフがそろっておるわけでありますが、その人たちが責任を持つ、こういうことでよろしゅうございますか。
  57. 井出一太郎

    井出国務大臣 そのとおりにお考えくだすってけっこうです。
  58. 卜部政巳

    卜部委員 わかりました。御承知のように、郵便貯金それから簡保、これはすばらしい伸びを示しております。だから、この資金が財投に占める割合というのは、私が申し上げるまでもなく、ウエートを持っておると思うわけであります。そうした伸びを示しておるようなこの努力は、私は、一人一人の職員組合員が地域の住民と密着をし、信頼をされた中から貯金をしてくれ、保険に入ってくれておるわけなんです。そういう点を私は肝に銘じていただきたいと思いますし、さらにそういう面につきまして、一生懸命やっておる優秀な人々が、冒頭申し上げたように、上からの指令でストに入らなければならぬ。これは組織人としてあたりまえのことです。皆さん方の局長が郵政局の指導に従わないということにはならないと同じように、入っていく。こういうような今度の大量処分を見たときに、そういう優秀な組合員、そして血と汗との結晶であるそうした努力成果を踏みにじるかのように処分を行なっているということは、全く私は残念なことだと思うのです。こういうような処分自体も、いま大臣がいろいろと温情あふるることばを申し述べておられますが、このことばとは全く逆な今度の大量処分じゃないか、こういうふうに思いますが、その点大臣に、この大量処分を撤回する意思があるかないかをただしてみたいと思うのです。
  59. 井出一太郎

    井出国務大臣 このことは、公務員として法規典礼に照らして違法な行為があったという場合は責任を負っていただかなければならぬ、こういう原則は私も譲るわけにはまいらない。こういうことで、こういう不幸なことはお互いなるべく避けたい、この気持ちは一ぱいであります。したがいまして、これをもとにさかのぼるならば、もっと話し合いを徹底させて、年末の紛争なら紛争ということに至る前に、お互いもっと汗をたらさなければいかぬ部分があったのではないか、こういう気持ちは持っております。
  60. 卜部政巳

    卜部委員 先ほどから申し上げておりますように、いままでも十分な話し合いを行なうところの場所もない、またその話し合いも拒否されるという状態の中で、一体、では組合員は黙っていたらものが解決できるのかといえば解決をされないから、やはりストにもっていくというこの問題については、責任は、ただ公務員の行動を逸脱したというだけではなくて、そうした組合員の生活やさらに職場環境等の問題についての不満を助成したところの郵政省にも、私は一端の責任はあると思うのです。そういう問題について、一方的にそれが悪いんだとし、さらにまじめに一生懸命働きながら、しかもその中には郵政の名を高めておる組合員自体まで全部こういう大量処分に巻き込まれるということは、これは私は問題があろうと思います。そういう問題については少なくとも取捨選択して、率直にいいまして、やむを得なかった——破壊分子みたいな者もいろいろおるでしょう。そういうときにそれが加えられるというのならばまだまだわかりますが、今回の大量処分などというのは十ぱ一からげという色彩が強いのではないでしょうか。めくら撃ちという感じでしょう。こういうことで正常な運営がなされるとは思わない。そこに脈打つ愛情というものがあってこそ、私は正常な運営だと思うのです。この点についてもう一度大臣のほうから、単に形式的なことではなくて、やはり現実の問題としてのそういう大量処分に対する反省というものがあれば、ひとつ反省をしていただくと同時に撤回をしていただく。撤回ができないとすれば、将来に向かって十分考慮されるべきだと思うのですが、いかがなものでしょうか。
  61. 井出一太郎

    井出国務大臣 泣いて馬謖を切るということばもございますが、これはほんとうにしたくてするというのではございません。できるならばこういうことは未然に避けたいという気持ちは一ぱいであります。年末なら年末の交渉段階で、お互いに譲るものはやはり譲る、こういうことで話し合いがつくことを望んだわけでございますが、少なくとも省の側としましては、誠意をもって応待をいたしましたつもりであります。どうもその点まことに残念な結果となりまして、私もこれは断腸の思いでございますが、しかし、あの処分の量定等については一人一人——やはり個人の人権にかかわることでございますから、そういう点は十分なる配慮をいたした結果と、かように御承知を願いたいと思います。
  62. 卜部政巳

    卜部委員 この問題と関連して、これは全然異質な問題になるかもしれませんが、皆さんも御承知かと思いますが、全逓がああいう状況であります。年末闘争の妥結が承認されないということで一斉に総辞職しています。その時期に追いかぶさるように処分をしたという、この時期判断ですね。これは異質なものかもしれませんが、私は何か異様なものを感じてならないのです。大臣がほんとうにそういうような気持ちをお持ちになるならば、時期の設定等についてはもう少し考えてしかるべきではなかったか。これは私の口から言うのはおかしいですが、こういうことなどは触れるべき問題ではないかもしれませんが、私は何か異様な感じがします。ほんとうに大臣の心あたたまることばが前段から続いておりますが、ここに入ってまいりますと、これが何かむなしく聞こえてならないのですが、そういう点に配慮がなされなかったものか、これはプライベートな話として一つは聞きたいと思うのです。
  63. 北雄一郎

    ○北政府委員 私ども、二月二十日という時期は、全く事務的に準備が整いましたのであの時点に処分を執行したわけでございまして、何らの政策的な意図はございません。
  64. 井出一太郎

    井出国務大臣 いま人事局長から申し上げたとおりでございまして、それとこれを関係させて私ども決して考えておらない点でございます。まあ何かたまたまそういうふうに重なったのだ、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
  65. 卜部政巳

    卜部委員 これは組織を去って、一第三者としての受けとめ方ですけれども、ああいうふうに新聞がでかでかと報じておりますね。しかもその内容というものが、年末の全逓対郵政の妥結内容承認されなかったということが大きな理由ですよ。これはもう周知の事実です。組合員はそのように受けとめております。そこへもってきて事務的にせよ処分が行なわれたということになれば、今度出てくる全逓の出方に対して先制攻撃を加えるということにもなりかねない、とりかねないし、さらに現在の執行部との話し合いが妥結承認をされる、承認をされたならばその処分は出なかったのじゃないかという印象さえ勘ぐる面があるわけであります。これはあくまでも勘ぐりですよ。私は、いろいろな政治的な配慮の問題は知っていますけれども、ただこれは常識的に組合員はそう考えるわけなんです。いわゆるこれは全逓に対する挑発であるということになりますと、先ほど申し上げたように、やはりおとなしい全逓の組合員であっても、その底辺の中にほんとうに過疎の地帯で営営と働いている一組合員としても、一寸の虫にも五分の魂ということを先ほど申し上げましたが、このやろうという気持ちは私は出てくると思うのですね。そういう点で、時期の問題なんか異質の問題ですが、取り上げる問題でないにしましても、しかし私は、北人事局長が言われているような事務的にしてはあまりにもあさはかだというふうな感じがしてならないわけです。できたのだからしようがないが、せめてそういうようなことについて、何かこの問題について、泣いて馬謖は切ったけれども、その点についてさらに調査をした結果、この点について処分取り消しの措置も可能であるというふうな措置がなされないものかどうか、ひとつお伺いしたいと思います。
  66. 井出一太郎

    井出国務大臣 先ほど来申し上げますように、それとこれとは全く無関係、かえってそこをへたなしんしゃくをいたしますと、全逓に対する何か内政干渉みたいになるおそれもあるわけでございまして、全くこれはそういう関連はせしめなかった、こういうおぼしめしを願いたいのであります。  それから、いまお触れになりました点でありますが、われわれといたしましては、十分に慎重な配慮をもとにしていたしましたことで、これをいまあと戻りをするというわけにはまいらぬのでございます。
  67. 卜部政巳

    卜部委員 この問題につきましては、緊急な問題として別途委員会で論議をされるということでございますから、この点はこれで省略したいと思いますが、答申にも触れております人との関係、そして労使の正常化という問題が答申の中にも大きなウエートを示しておるわけでありますから、この問題冒頭触れたわけでございますが、大臣の心あたたまる答弁がございました。そうしてそこには、具体的に項目をあげていくならば、速記録の中でも明確にされたと思いますが、今後やはり前進方向というものが明るい展望の中に見出すことができたと私は信じております。ですから、単にこの委員会だけの発言ということでなくて、将来の労使間に対する十分な配慮をいただきたい、このことをもって、まずこの労働問題についての質問を終わりたいと思います。
  68. 北雄一郎

    ○北政府委員 まことに恐縮でございますが、先ほど私、冒頭にお答えいたしました中で、一点間違いがございましたので訂正させていただきたいと思います。  労使の間の懇談会、これにつきまして本省・本部の間及び郵政局・地本の間と申し上げましたが、これは間違いでございまして、本省・本部の間に懇談会を設けることにいたしました。自余の場におきましては、先ほど申し上げましたような団交、話し合いのパイプを太くする、秩序立てるということについて小委員会で討議をしていく、こういうことに相なっておりますので訂正させていただきます。
  69. 卜部政巳

    卜部委員 その訂正でよろしゅうございます。ですが、今後はやはり管理方式等をもちまして末端にまでそれを落としていくという約束がなされたのですから、それは私はいいと思います。いまは本省、それから全逓の間にあるわけですが、それが末端にまで延びていく、このことを私は確認したわけですから、その面を含めて明るい展望と申し上げたわけでありますから、その点もひとつ誤解のないようにしておきたいと思います。   〔水野委員長代理退席、本名委員長代理着席〕  続きまして、ひとつこの法案に入る前に必要なことでもありますので、関連もありますので、若干質問をしてみたいと思います。  この間、郵政省のほうに資料の提出を求めまして、過疎地帯にある郵便局数は何ぼかということでもって資料を提出してもらいました。しかしながら、一〇%の減少率を示したところについては出てきたわけでありますけれども、七・五%という減少率の過疎地帯についての資料は出ませんでした。それは出ないというのは無理もない、それは町村ごとのそれがまだ判明していないからであります。この点私は追及しようとは思いませんが、大体の数字でいいのですが、この七・五%の減少率を示しておる地域の中にある郵便局数、これは大体幾らくらいだろうか、大体でけっこうですから、お知らせ願いたいと思います。
  70. 竹下一記

    ○竹下政府委員 三十五年から四十年までの五年間に一割以上の人口の減少を来たした町村を、いわゆる緊急措置法によります過疎地域と見ますると、そこにあります郵便局数は、資料でもってお知らせ申し上げましたように二千七百十六局、こういうことになります。(発言する者あり)ところが、いわゆる緊急措置法による過疎地域の町村これは数が七百七十六町村になっておりますが、これは全国の町村の数三千三百二町村の中の比率を見ますと二一丁五%、こういうことになっております。したがいまして、ただいまお尋ねがございました一割でなくして七%程度の過疎地域は幾らであるかというお尋ねでございますが、時間をもう少しいただけると算出ができると思うのでございますが、それがございませんので、おおよその見当を申し上げると、この一割以上の過疎地域の郵便局数が二千七百十六局でございますので、全国の郵便局数一万七千局と見まして、五、六千局はあるのじゃないか、おおよそのところでございます。
  71. 卜部政巳

    卜部委員 いま、答弁が竹下局長のほうからなされましたのですが、前段のほうはもう御承知のようなかっこうで聞き取れませんでした。(「定足数足らぬぞ」と呼ぶ者あり)またごらんのように、こうながめてまいりましたら、これは索漠たる状態ですね。委員会は与党、野党合わせて行なうものでありますし、私も何もごねるわけじゃありませんが、私と大臣郵政の官僚の方々とここで対話集会をしておるわけではございませんから、やはりひとつここら辺で——竹下局長の答弁も後段のほうはわかりましたが、前段のほうはちょっと声があれでわかりませんでしたから、それを含めまして、ひとつ委員の構成がなされるまで待ちたいと思いますので、委員長のほうでひとつ適当なお取り計らいを願いたいと思います。
  72. 本名武

    ○本名委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕   〔本名委員長代理退席、委員長着席〕
  73. 金子岩三

    金子委員長 速記を始めてください。  次回は明二十五日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二分散会