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1971-03-23 第65回国会 衆議院 地方行政委員会産業公害対策特別委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年三月二十三日(火曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員   地方行政委員会    委員長 菅  太郎君    理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君    理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君    理事 古屋  亨君 理事 山口 鶴男君    理事 小濱 新次君 理事 吉田 之久君       亀山 孝一君    高鳥  修君       中村 弘海君    中山 正暉君       永山 忠則君    野呂 恭一君       村田敬次郎君    豊  永光君       綿貫 民輔君    中井徳次郎君       山本 幸一君    山本弥之助君       桑名 義治君    和田 一郎君       門司  亮君    林  百郎君   産業公害対策特別委員会    委員長 小林 信一君    理事 小山 省二君 理事 始関 伊平君    理事 古川 丈吉君 理事 山本 幸雄君    理事 渡辺 栄一君 理事 島本 虎三君    理事 岡本 富夫君       伊藤宗一郎君    木部 佳昭君       浜田 幸一君    林  義郎君       松本 十郎君    阿部未喜男君       古寺  宏君  出席国務大臣         自 治 大 臣 秋田 大助君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君  出席政府委員         経済企画庁審議         官       西川  喬君         厚生省環境衛生         局公害部長   曾根田郁夫君         水産庁次長   藤村 弘毅君         通商産業省公害         保安局公害部長 森口 八郎君         自治政務次官  大石 八治君         自治大臣官房参         事官     佐々木喜久治君         自治省財政局長 長野 士郎君  委員外出席者         内閣官房内閣審         議官      植松 守雄君         内閣官房内閣審         議官      福島 榮造君         大蔵省主計局主         計官      後藤  正君         国税庁徴収部管         理課長     西村 彦一君         文部省管理局教         育施設部技術参         事官      大串不二雄君         農林省農政局参         事官      岡安  誠君         農林省農地局参         事官      住吉 勇三君         郵政省郵務局管         理課長     松井 清武君         建設省都市局参         事官      石川 邦夫君         自治大臣官房参         事官      立田 清士君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ————————————— 本日の会議に付した案件  公害防止に関する事業に係る国の財政上の特  別措置に関する法律案内閣提出第七一号)  公害防止事業実施を促進するための地方公共  団体に対する財政上の特別措置に関する法律案  (細谷治嘉君外十名提出衆法第七号)      ————◇—————   〔菅地方行政委員長委員長席に着く〕
  2. 菅太郎

    菅委員長 これより地方行政委員会産業公害対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  内閣提出にかかる公害防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案及び細谷治嘉君外十名提出にかかる公害防止事業実施を促進するための地方公共団体に対する財政上の特別措置に関する法律案の両案を一括議題といたします。
  3. 菅太郎

    菅委員長 両案に対する提案理由等はお手元に配付してあります資料により御了承を願います。  質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  なお、質疑者に申し上げます。秋田自治大臣及び山中国務大臣出席時間が限定されておりますので、申し合わせの時間に御協力願います。また政府側の御答弁も簡潔にお願いいたします。  浜田幸一君。
  4. 浜田幸一

    浜田委員 私はお許しをいただきまして、公害防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案の内容についてお伺いをいたしたいと思います。  まず第一に、総務長官にお伺いをいたします。本法案と公害対策基本法第二十三条の関係のいかんについてお伺いをいたしたいと思います。本法公害対策基本法第二十三条に基づくものであるかどうかお伺いいたします。
  5. 山中貞則

    山中国務大臣 ただいまの条項と、並びに先国会において成立をいたしました公害防止事業費事業者負担法の両方を踏まえてつくったものでございます。
  6. 浜田幸一

    浜田委員 二番目に、総務長官にお伺いしますが、本法政府統一見解、すなわち公害対策について国が第一義的に責任を有するという統一見解を打ち出されましたけれども、その統一見解との関係はどのようにお考えでございますか、お伺いをいたしたいと思います。
  7. 山中貞則

    山中国務大臣 まず公害防止事業は、企業が一義的な負担を負うもの、残りについて国と地方公共団体公共事業として行なう場合の負担負担率の問題であります。これについて二分の一を下らざる負担をすることによって国が第一義的な責任を負うということになり得るものと考えます。ということは、二分の一が高いか低いかという問題もありますが、一方それぞれの地方公共団体においては、それぞれの企業の進出によって起こります固定資産税あるいは住民税法人税割等の収入が、試算の結果によっても、十分これだけの事業を行なう地元負担にたえ得る財源の増収が見込めるものとして私たちは見ておりますけれども、しかし、それについても国が一義的な責任を負う場合は、まず補助率において二分の一を下回ることがあってはならないのは当然のことであるということで、自治省当局のみならず、私ども対策本部大蔵省との間に立ってその基本的な姿勢を貫いたものであり、さらに自治省においては地方負担分については特別な起債とそれの元利償還の二分の一補てんという特別措置を講ずることによって、ほぼ国の責任というものは達成できたものと考えておる次第でございます。
  8. 浜田幸一

    浜田委員 第三番目に、本法公害対策基本法第十九条による公害防止計画作成地域を主たる適用地域とした理由は、どのような理由でありますか。それ以外の地域については、三種の事業、河川、港湾等浄化事業、二に汚染農用地等土地改良事業、三に監視、測定施設等整備事業に限って適用することとした理由は、どのような理由でありましょうか。
  9. 山中貞則

    山中国務大臣 これは全国対象といたさなかった最大の理由は、現在の下水道五カ年計画が想定いたしております建設省建設省なりの全国下水道整備計画があります。その中ですでに指定されました四地域、並びに今年度予定いたしております東京、大阪、神奈川等の非常に巨大な資金を要する地域等において、それだけでも配分の場合において先取りをされるわけでありますが、それを全国的にかさ上げをいたします場合に、現在の下水道整備五カ年計画ではとても対応できない。したがって、さしあたりは現在のところこれを公害防止事業計画総理大臣の承認を得た地域についてかさ上げを行なう。しかしながら、その地域以外のものについては、先ほどの御指摘の点について、いままで補助率のなかったものあるいは低かったものを二分の一にするという措置はとっておりますが、一番の大きな焦点は、下水道そのものについて補助率を一律に引き上げることの財政的な困難さということにございましたし、これがまた、地方にこれ以上しわ寄せが行きまして、建設省としては建設省なりに、それぞれの地方中小都市に至るまで——下水道普及建設というものは五カ年計画が達成されてもなお諸外国に劣る四〇数%の結果しか得られないことがわかっておるわけでありますから、それが現実において予算の中で事業費が食われてしまうということになっては元も子もなくなるということは正当な主張として私も認めましたので、中間折衷案としてただいま提出いたしておりまする案に落ちついたわけでございます。
  10. 浜田幸一

    浜田委員 私は時間が十五分間でございますから、意見を申し上げません。四番目の質問に入らせていただきます。  適用対象事業本法に掲げてある事業で十分かどうか、お伺いをいたしたいと思います。
  11. 山中貞則

    山中国務大臣 現在公害防止事業として想定される事業については、おおむね公害防止事業費事業者負担法によるものとして想定がされておりますので、これ以外に、たとえば温熱排水等による水産動植物被害問題等が新たなる具体的な問題として提起されてまいります等の場合については、具体的な補助率等がきまっておりませんが、事業もどういうふうにしていいものか、そこらの点が事業としても問題がありますので、政令で定めるもの等において、今後予想し得ざるものが、公害防止事業としてやらなければならないというものが登場したときに、それを取り入れていく予定でおるわけでございます。
  12. 浜田幸一

    浜田委員 五番目に、総務長官補助負担率は二分の一とすることを基本といたしておりますけれども、その考え方で十分でありましょうか、その点をお伺いしたいと思います。
  13. 山中貞則

    山中国務大臣 これは最初の質問にもお答えしているところでありますが、二分の一が十分であるとは思いません。しかしながら、現在二分の一であるものはそれをこえる補助率にすることにかさ上げしてあるわけでありますから、一律に普通の国庫補助よりかかさ上げをしておる。それについて思想としては国が責任を持ってやるのであるから、一義的な責任として二分の一を下らざるという条件を満たしておるということでありまして、補助は高ければ高いほど地方公共団体はありがたいということでありますから、二分の一が理想的なものと私も思っておりません。むしろ国義務は二分の一を下回ったら果たせないという立場から、二分の一ということに下らざるものとして設定をしたわけでございます。
  14. 浜田幸一

    浜田委員 もとに戻りますが、実は政府案のほかに野党共同提案法律案がございますが、その法律案を読んでみますと、その中には四分の三にすべきだという主張がございます。先ほど総務長官の御答弁でございますと、現在国の場合に二分の一以上のものを特に取り上げてやる場合には財政的な圧迫がある。だから二分の一という御答弁があったようでございますが、四分の三に政府案を変えることはできないのですか、その点お伺いします。
  15. 山中貞則

    山中国務大臣 私としては四分の三にできればしたいのですけれども、一方、大蔵省財政当局としてはそのような高率な特例補助を一地域について行ないまする場合には、原則としてその地方公共団体財政力指数を勘案して、それを増減するという態度が貫かれております。それを排除するために二分の一というもので、そのかわり地方財政財政力指数というものを勘案して増減しないという態度をとったわけですから、むしろ三分の二にして財政力指数を勘案されますと、特定の地域は別にして、大体財政力指数の高い地域でありますので、結果はかえって損をすると私は思うのです。
  16. 浜田幸一

    浜田委員 同じ点を自治大臣にお伺いいたしたいと思いますが、二分の一にいたします場合と、たとえば野党案の四分の三ということにする場合に、財源支出の差額はどの程度でありましょうか。念のために御指導いただきたいと思います。
  17. 秋田大助

    秋田国務大臣 はなはだ恐縮でございますが、金額的なことはただいま詰めておりませんので……。
  18. 浜田幸一

    浜田委員 それではその問題については、後ほど政府委員との質問のやりとりがございますので、そのときに御答弁をいただくようにお願いをいたしたいと思います。  そこで、私はもとに戻りまして、総務長官にもう一点お伺いしますが、過般の公害臨時国会で私は福田大蔵大臣並びに山中国務大臣に実はお伺いいたしましたときに、いまの政府が出しております法律案等の問題については、法律をつくった上でかさ上げをする、こういう御答弁をいただいておりまするけれども、たとえば公害に悩む企業に対する金融融資の面ですね、そういう面等についてはどのようにお考えでしょうか。
  19. 山中貞則

    山中国務大臣 これはもう読んで皆さんがすでに御承知のことでありますから一々あげませんけれども公害防止事業団融資あるいはいままでありませんでした畜産公害等に対する農林漁業金融公庫の新たなる融資ワク設定等、各般の必要な分野について融資の面でめんどうを見ておりますし、また一方、税制等においても、ことに中小企業等を配慮しながら、特別償却等については中小企業について資本金五千万円以下、従業員三百人以下は増減が年度によって違いますから、五千万以下に限ったと思いますが、それについては三年間で全額、すなわち一〇%の簿価を残しては全額償却することを認めるという特例をいたしましたし、普遍的には初年度特別償却二分の一ということを認めた措置等によって、企業も大体公害防止のためのそれぞれの必要な経費というものを支弁しもしくは税制上の恩典によって経営がやっていけると思っておる次第でございます。
  20. 浜田幸一

    浜田委員 総務長官にお伺いしますが、公害債の問題について、実際に公害を除去するような形で都道府県等に対して公害債の権限を譲渡するような形は、具体的にどうされるのでありましょうか。公害を除去するために発行する公害債というものについては、お考えが全然ございませんか。
  21. 山中貞則

    山中国務大臣 これは自治大臣のほうで、先ほど私が申し上げました地方債特別措置というもので、元来適債事業でないものについても公害に関するものは起債を認めよう、そうして元利補てんについて二分の一まで認めようということが措置してありますが、もう一歩前進をして、国の立場においても、公害対策のための財源として、公害企業に対して買い取らせる財源としての公害債の発行もしくは地方自治体に所在する関係企業に対して起債を、地方公共団体縁故債みたいなものを出してそれを買い取らせる方法、これら等については一つのアイデアではありますが、いまのところ制度として確立するには問題点が多過ぎるということで見送ってございます。
  22. 浜田幸一

    浜田委員 そこで、私は十九条と二十三条の関連についてお伺いしますが、十九条の御答弁の中では、事業に該当するものについては二分の一に定めた理由財源が貧困であるという理由のようでございますが、二十三条の指定地域外地域に対して、たとえばどのような形で御援助をなさろうとするのでありましょうか。いまあらゆる議事録を見てみますと、総務長官答弁の中では、とにかく計画を徹底的につくらせる、そういう形で事業計画が出てきたものについては同じように取り扱うのだということでありますが、それらの問題を解決するにあたっての補助財源の幅ですね、それをどのような形で確保されておるのでありましょうか、この点お伺いいたしたいと思います。
  23. 山中貞則

    山中国務大臣 この俗にかさ上げ法と略称で言いますが、これについては大蔵自治との間の折衝が難航いたしましたし、また建設省等も独自の下水道中心とする建設行政立場から無理からぬ意見開陳等がありましたので、最終的に対策本部が中に入って調停をしたわけであります。これは財源だけの議論ではありません。しかしながら、今後それらの地域公害防止計画というものを次々に立てていきまする場合に、それについてはさしあたり本年はそういうつもりで国庫補助かさ上げして予算が組んでありませんから、事業費を食うことで迷惑かけるのは公害防止事業を行なう地方自治体であり住民でございますから、ことしの場合においてはかさ上げした分については精算払いとして、四十七年度予算精算をするということになっておるわけでございます。
  24. 浜田幸一

    浜田委員 私は持ち時間が参りましたので、終わらしていただかなければなりませんけれども、最後にもう一点だけ伺わしていただきたいと思います。  二番目に御質問を申し上げました政府統一見解、すなわち、公害対策については国が第一義的な責任を有する、こういうことで統一見解を出してありますが、本法をつくり上げることによって総務長官は国が第一義的な責任を果たし得ると御確信をお持ちでありましょうか、もう一回御答弁を願いたいと思います。
  25. 山中貞則

    山中国務大臣 これは、国が一義的責任を負うというのは、まず国が法律によって、公害発生源者であると思われる企業のほうがまずみずからその発生をさせないための法律をたくさんつくったことは御承知のとおり、これが第一点であり、第二点は、さらに公害発生した場合において、その公害防止事業を行なう場合において、その負担が、まず防止事業費事業者負担法によって企業が一義的に負担する比率を定める法律をつくった、これが国の責任の第二です。そうして残り分野で、財源的な問題として残された負担分について国が二分の一を下らざる姿勢をとった、これが第三でありますから、その後の総合的な展開を考えたならば、国が公害対策を、かつての臨時国会までの姿勢としてとってまいりましたものを大きく国の責任立法をし、義務を定め、補助率かさ上げをしたという点において、私は今後これでやっていけると思っておりますし、現在すでにかさ上げ法がなかった前提において作成された、認可されました三県四つの地域においても、今回のかさ上げについて非常に喜んでおられるという事実がこれを物語っておるものと私は考えます。  なおしかし、総事業量の問題について、問題が下水道等について存在すること、このことは私も否定をいたしません。
  26. 浜田幸一

    浜田委員 時間が参りましたので、終わらしていただきますが、一点だけ要望さしてください。  私は、本法律案を勉強している過程で痛切に感じましたことは、かさ上げ法案をつくられる場合に、やはり国務大臣にもう一回強力に大蔵大臣に御折衝をいただいて、私は計画的な公害の排除のためになお一そうの御努力をいただきたいと思います。御答弁を承っておりまする形の中で、まだ御意見として申し上げたい財政上の問題もございますけれども、私は税の配分問題、そういう問題については大蔵省にお伺いをしたいと思っておりますが、特に国務大臣は期待されておりまするから、国務大臣大蔵折衝する場合においては強力に、予算がないから公害を排除できないという御答弁をしなくても済むような、そういう私は強い大臣になってもらうことをこの際お願いをして、私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。
  27. 菅太郎

  28. 島本虎三

    島本委員 まず総理府長官しばらくぶりでお伺いいたしますが、昨年の暮れに公害関係立法が十四でき、今回また悪臭防止法が出てまいりまして、法律の体系も一応そろってまいりました。しかし、それ以前に可及的すみやかに制定したような範囲法律で、手直しをしなければならないようなものもぼつぼつ出ておるようであります。ことに、公害に関する被害者に対しては医療扶助だけでありまして、もっと広範にこれを見なければならないような状態にもう遭遇しておると思います。それで、この際まず先に——全面的に法律を当然見ていると思います、環境庁もすでにできることもはっきりしましたから、見ておると思います。そのうちで特に被害者救済関係について、もう一度これを取り上げて、もう一度これを手直しして、もう一度この問題と全面的に取り組むようなお考えがおありでしょうかどうか。まず先にこの決意を伺ってから質疑に入らしてもらいます。
  29. 山中貞則

    山中国務大臣 あまり内論話は公的にしないほうがよろしいのかもしれませんが、予算折衝最終段階厚生省大蔵省の妥結した案に私は不満を持ちましたので、私のほうから公的に閣議の席で発言を求めて、大蔵大臣に再考を促しました。そうしてわずかでございますが、現在の範囲内の介護手当その他についての増額措置あるいは基準等についての手直しを行なったわけであります。しかし、問題は今後この範囲でよろしいのかどうか、あるいはまた通院、医者にかかる日にちを少し少なくしたくらいで、それで的確に把握できるものかどうか、あるいはその他の補償等の妥結するまでの間の生活の問題という問題を、公害に関する限り、他のバランス等もございますが、生活保護という分野だけでとらえていいものであるかどうか、あるいは公害病と明確に死因が明記されてなくなった方の葬祭料等、これは原爆被害者関係等バランスもございまして、いろいろむずかしゅうございますが、やはりそこまで私たちは、不幸にして公害病という病気にかかってしまった人たちの生命の尊厳あるいは健康の重大さを考えて、今後一そう研究したいと思いますが、予算関係がありますので、いまの段階では私がこのようにしたいということを申し上げられないわけでございます。
  30. 島本虎三

    島本委員 なお、この問題は、あまり討論の時間もございませんが、すでにこの問題一つを取り上げましても、以前にできた法律の中にも手直しを必要とする趣の多いような法律があるので、全面的にこれを検討してみていただきたい。それと被害者救済の問題は、まず医療に限らず、生活と、それから財産もあるわけでありまして、これも広範囲にこれからもよく検討していただきたい。その意思があるようでありますけれども、その意思を確かめて次へ移りますが、この点はもう一度確かめさしていただきます。
  31. 山中貞則

    山中国務大臣 これは私が責任を持って答弁する体制にいまはないわけで、厚生大臣専管法律であり、専管予算でございますが、私は公害担当大臣でございますから、あえて答弁をいたしておるわけでございます。  しかし、国会お許しを得て七月一日に環境庁が発足いたしますれば、そのための大臣が一人増員までされて体制をやろうというのでありますから、この体制に従って環境庁長官が惰眠をむさぼることは決して私はないと確信しておりますので、これらの問題についての引き継ぎを正確にしておきたいと思います。
  32. 島本虎三

    島本委員 十分引き継ぎをしていただきたいことをお願いします。議会の場合には、お願いしますということばじゃないのだそうであります。要請するということばなのだそうでありますが、しかしこういうような問題についてひとつ強く要請をしておきたい、こういうように思います。  それと、これはいかがでしょうか。先ほど浜田委員からもいろいろいわゆる統一見解についての話し合いがなされ、私もそれはちょっと大事だと思います。すなわち、いわゆる財政負担中心にしてこれを考える場合には、あの公害対策事業地域社会のことであり、地方公共団体の最もなじみやすい事業である、こういうようなことばから発したようでありますが、その統一見解としてできた、公害に関する施策は国が第一義的責任を負うのは当然であり、地方自治体の協力も得なければならないが、そのための財源負担地方に押しつけることがあってはならない、この趣旨であったように私は記憶し、いまでも脳裏を去らないのであります。今回この公害防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案、この中には、全面的にこれが盛られて、統一見解に盛られた法律である、こういうようなこともいま承りました。しかし、秋田大臣に承りますが、そういう趣旨に基づいて自治省では十分配意をしてこの法律案をつくられましたかどうか、今回は秋田さんにお願いしたいと思います。
  33. 秋田大助

    秋田国務大臣 御趣旨に従いまして、配慮をいたしたつもりでございます。  しかしながら、いろいろこまかな点に至りましては議論があろうかと存じます。それらの点については、今後も検討し、関係官庁とも十分連絡をとってこれが改善を期してまいりたいと私どもとしては考えております。
  34. 島本虎三

    島本委員 今回の場合、特にこれは両大臣に私はお伺いしたいのですが、十四の法律ができ、今回また一つ法律案が上程されている、その精神は、一貫して権限の地方委譲というこの線が盛られているわけであります。そうなりますと、地方委譲されて実施段階に入っているのが現状でありますから、その点では人員やまた予算の面で十分配慮がなされているはずだ、こういうように思うわけであります。そういうようなことからして水質汚濁防止法、こういうようなものに対しては、知事は汚濁の状態を常時監視しなければならないことになっているわけであります。その権限も知事に委任されているわけであります。そしてこの監視の方法もいままでと同じような状態では画竜点睛を欠くのであります。あらためてこれも具体的に国が法によってきめ、必要な資金の点ではこれを見ていく、技術的な面の助言もする。同時に完全にこれが行なわれるような配慮は知事がしなければならなくなったわけであります。常時監視というのは、ことばでは簡単に言えますが、これを実行に移す場合には、やらないかやっているのか、監視したというのは、ことばはりっぱでありますけれども、なかなか具体的な問題はこれに伴わないのであります。この点で自治大臣、どういうふうに具体策をお考えで権限の委譲をなさっておるのでありましょうか。この十四の法律、基本法一つ、今回審議中のまた当然制定されますが、一つを入れると十五、全面的な権限委譲、この権限委譲の中には、ただやってもやらなくてもいいという問題だけではありません。三十数項目にわたる権限の委譲がありますから、これはまことに重大なんであります。これに対して具体的に配慮がなされておりますかどうか、ひとつはっきりお伺いしておきたいと思います。
  35. 秋田大助

    秋田国務大臣 監視に関する行政費及び監視に関する人員の整備等々は地方財政計画及び交付税で十分配慮いたしたつもりでございまして、人数につきましても千八十四名でございますか、食料関係で五百何名かそれぞれ増員の配慮をいたしております。交付税で百億程度いろいろ配慮いたしておりますので、今後実績に徴しまして不十分の点がありますれば、これを補充いたして今後の改善を期しますが、まず最初といたしましては、処置をそれぞれいたしたつもりでございます。
  36. 山中貞則

    山中国務大臣 これはもう御承知でしょうけれども、監視、測定の機器についての補助全国二分の一とすることがまず第一点。それから今回さらに地方公害専従の職員を交付税措置するものが三千名から千八十四名ふやしております。それからすでに答弁もいたしておりますが、地方のいままで都市型保健所に置かれておりました各種立ち入り権限等を持っておった者を公害監視員ということにして、いままでの三カ年計画を改めて、ことしから三カ年で五十七名、五十七名、五十八名というふうに、おおよそ公害の予想される地域の保健所にはそれぞれ公害担当監視官が配置されるという体制をとっているわけであります。
  37. 島本虎三

    島本委員 できるならば、人の配置それから予算の配置、それとあわして人がいなくてもわかるような器材、すなわちそういうような技術の開発、これがなければ、今後の排出基準をきめ、また上乗せ、横出しをしても完全に——人間が行ったときに出ていればわかるけれども、やみ夜にまぎれて黒い水を流しても見えないのが常識でありますから、科学的測定というものも今後権限委譲されたあとの実施面では重要な要素になります。この点についても十分考えて対処してもらいたい、またそうしなければ実効があがらない、こういうふうに思うわけなんであります。この点十分配慮はされていると思いますが、まだ不足の感があります。コンピューター並びにデータ通信もいまいよいよ実行の段階に入っていますが、これら科学機器を排出口の中に入れて自動的にそれを測定し、あわせて人間がそれを見ながらまたそれに上乗せをして監視する、こういうような機構ができないものかどうか。これはまことに重要だと私は思っているのですが、この点いかがでしょうか。
  38. 山中貞則

    山中国務大臣 それは今回の予算で監視のための常時監視のロボットモニター制度を採用いたしましたから、御趣旨に沿ってその方向へ具体的な第一歩を踏み出していると御了解いただきたいと思います。
  39. 島本虎三

    島本委員 それはわかりました。  それと若干長官に、この点、疑問です。長官が主宰して先般公害防止事業費事業者負担法が成立をいたしました。その中で今度事業そのものは公害防止事業という、こういうような一つ理由をつけていろいろ実施するような策定であります。今回の本法によると、公害防止対策事業と、「対策」というのが入っているのであります。ともにこれは基本法を受けての法律であります。基本法を受けての法律の一方が公害防止事業であり一方が公害防止対策事業である。このまちまちな表現はどういうような意味でしょう。両大臣にこれはちょっとお伺いしたいと思います。
  40. 山中貞則

    山中国務大臣 これは表現がまちまちということではなくて、公害防止事業費事業者負担法というのは、その法律に定められた事業について行なうことについての事業者側の負担というものを定めたわけであります。今回はその事業を行なうにあたっての公共事業として国が負担すべき特例補助率というものを定めるわけでありますから、公害本法の第二条に書かれた典型公害というもの以外の分野においても関連して行なわれる場合において、この事業自治大臣並びに環境庁長官、所管大臣の協議によって施行できる体制がとってありますので、そういう意味で若干の弾力性を持っているということでございます。
  41. 秋田大助

    秋田国務大臣 対策事業といったほうがやや広い感じがいたしますようにも思いますけれども、実際上の取り扱いにつきましては、同じように解釈をして取り扱っていって差しつかえない、私はこう考えております。
  42. 島本虎三

    島本委員 公害防止対策事業と具体的にいうと、範囲が広いような一つの感じがするのであります。範囲が広いから一つの問題をやるにも防止事業と対策事業、これはやはりそのニュアンスもいろいろ変わってくる、こういうようなことで、いろいろこの中のもたらす意味が違うのか、こういうように思ったのですが、いま同じようにこれをやっていく、こういうようなことでありますので、特にこの問題は触れません。これで了解しておきたいと思います。  しかしもう一つ下水道法も通過いたしました。その中で根本建設大臣が、下水道整備は金を出しただけでは解決しない段階になった、わが国では下水道技術者が不足しているのだ、すなわち技術者を養成するのが課題だ、こういうふうに言っているわけです。この課題が解決されないで予算だけやってこれで整備されるのか、またこれが課題であるならば、これに対して政府としても十分手を打って予算の配置をした、こういうように考えるのか。これは去年の十二月からの一つの引き続いた問題であり、一つはこれは下水道法ができる前の大臣答弁でもあるわけです。しかし、予算実施するようになりますと、当然この問題が一つ大きい課題になりますので、これに対して政府意見を聞いておきたい、こういうように思うわけであります。
  43. 山中貞則

    山中国務大臣 建設大臣答弁はどのような前後のニュアンスを持って答弁されたのか私よくわかりませんが、現在の下水道整備五カ年計画そのものがかりに完全達成されたとしても、なおかつ諸外国に対して日本は近代国家としてはやや恥ずかしいレベルにとどまるということでありますから、これについてはさらに一そうの重点を置いていかなければなりません。  また建設大臣の言われました技術者の不足という問題は、単に下水道建設技術だけではありませんで、公害防止に関する各種の技術面において技術者の不足がございます。これは地方公務員も権限委譲に伴って大幅にその嘆きをかこっておると思いますので、私どものほうで国立の研究所並びに研修所というものをつくりますから、その研修所において職員養成に重点を置いてまいる。その一環としてただいまの建設大臣の御発言も、どのような分野の職員をどのような講習をしたらいいか、よく相談していきたいと考えます。
  44. 島本虎三

    島本委員 その点等は今後の下水道行政を実施するために一つの大きいポイントになります。フランスにあるあの大下水道、もうすでに百十年前においてもあれほどの技術を行使できて、いまだにセーヌがきれいだ。こういうような水が流れ、そこで釣れた魚も食べられる、こういうふうな状態なのでありまして、いまさら日本がそれ以下の技術であるということにはなっておりません。それ以上の技術があるはずなのであります。それ以上の技術があっても、それ以上の予算があっても、何かしらそれをはばむ障害があるのじゃないか。すなわち自由主義国GNP二番目であるというならば、百十年前のフランスのそれ以上のことができないはずはないのでありまして、ここに技術の面を十分に取り入れて、それで完ぺきを期した下水道対策をやってもらうのでなければ、水の今後の汚濁防止の点、これはもう画竜点睛を欠くことになるのじゃないか、こういうように思いますので、その点は強く指摘しておきたい、こういうふうに思います。  それと法律を見て、これは両大臣伺いたいのでありますが、第三条の点で、私一つ疑問が起きております。その疑問というのは三条の一項のほうで「政令で定める事業を除く。」まず先に政令で定める事業を除いて、第二項のほうでも同様「国の負担割合をこえるときは、当該公害防止対策事業に係る経費に対する国の負担割合については、同項の規定にかかわらず、当該他の法令の定めるところによる。」こういうふうにして制限しているわけです。そうすると、第三条の一項、二項ともに制限事項である、こういうようなことになります。第三条一項において政令で定める事業、または第一項に掲げたものであっても除くこととしてあるようなこの事業、第三条二項で、この法律で定める負担割合より重いものを除く、こういうようなことになっているわけであります。この、ほかにも除くものがあるということになりますと、やはり法の実施上疑義が生ずるわけであります。第一項でどういうような点を政令で除くのか。第二項、これはどういうような点を、法以外のこの負担割合については「同項の規定にかかわらず、当該他の法令の定めるところによる。」こういうふうになるのか、この点はやはり疑問であります。この点を解明しておきたい、こういうふうに思います。質問申し上げます。
  45. 山中貞則

    山中国務大臣 この第三条第一項、これは特別にぼかしてあるのではなくて、政令はいずれ書きますけれども財政上の特例措置というものがすでに災害復旧にかかる事業、災害復旧関連事業、国が経費の全額を負担する事業地方公共団体が経費を負担しない事業、維持修繕事業、局部改良事業等、これを一応この法律で定める必要はないということであります。第二項については、これは別にこの法律に似た事業を行なっても、補助率が高い場合は、その高いほうの補助率によるわけですから、たとえば防衛施設庁の行なう基地周辺等の整備事業等は高うございますから、そちらのほうをとるということを意味しております。
  46. 島本虎三

    島本委員 第二条の中にも、やはり下水道の場合は、第一、イ、ロ、ハともにこれは全部設置及び改築になっているのです。そのほかの二、三、四、五、六、こういうふうなものは設置の事業になっているわけです。片や設置及び改築であり、片や設置である、こういうようなことに対しては、やはり一貫性がないのじゃないか、こういうふうに思われます。ことにこの三のところですが、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第一項に規定する廃棄物の処理施設の設置の事業」であります。下水道のほうは「設置又は改築の事業」であります。設置改築、設置改築、その他は全部設置だけ、こういうようなはっきりした区別があるのは、どのような大義名分でございましょうか。
  47. 長野士郎

    ○長野政府委員 この法律は現在補助制度などがありますもののかさ上げ考えておるわけでございますが、現在の補助制度のあります事業の中に、いま御指摘がありましたが、この二号、三号、四号のほうの問題になりますと、設置についての補助はあるのでございますけれども、改築というようなものについての補助制度がない。したがって、つまりいまの補助制度の幅でかさ上げ考える、こういうことになりましたので、この三号、四号という提案については設置ということに限られた、こういうことでございます。
  48. 島本虎三

    島本委員 なったことは知っています。なったことは知っていますけれども下水道にだけそれがあって、他のほうにつけなかった理由を言うのです。なった結果を聞いているのじゃない。結果だけなら、ここにあるなしですぐにわかる。それは大臣
  49. 山中貞則

    山中国務大臣 この法律は私も調整に当たりましたが、この詳しいこまかな作成の監視まではいたしておりませんでしたので、いまの点の違いはただいまの財政局長の説明でよろしいかと思うのですが、その経過については私もつまびらかにいたしておりませんけれども、やはり法律の現行法と新しく出てくるものとについては若干の表現の差はあり得るものと考えます。
  50. 秋田大助

    秋田国務大臣 いまの事務当局の説明に結局帰着いたしますが、二号、三号は新しく設置の場合の補助規定がありますので、それをとっております。下水道の場合におきましては、やはりこれが一番主体でございますから、改築の部分もこれに含めていった、それだけここに重点を置いておる、私はこういうように解釈をいたします。
  51. 島本虎三

    島本委員 それはまことに事務的な答弁でありまして、内容はわかりません。下水道のほうだけ設置と改築があって、その他のほうには同じ廃棄物の処理や、そのほか公立の義務教育の施設や、汚でいその他公害の原因となる物質に対するいろいろな処置とか、また、工場または事業場が設置されており、それに対する緑地その他これに類する政令で定める施設の設置とか、いろいろあるのです。どれを見ても重要であります。しかし、片方のほうには改築があり、片方のほうには載せない。それは制定をされる際に落ちたのだ、こういうことならばすみやかに入れるほうがいい、そうでなければどうも一貫性がないじゃないかと思った。ある以上やはり十分これは生かさなければならないのです。ほかのほうも全部これは改築も入れるべきだ、こういうように思うから言うのでありますが、これは答弁になりません。事務的な答弁のほうが少しおかしいのです。
  52. 山中貞則

    山中国務大臣 そうは極端におかしくはないのです。これは現在の下水道法そのものが「設置若しくは改築」という表現になっており、緑地のほうは別ですが、これは何も改築は要らないと思うのですね。それから三の廃棄物については、法律が設置事業、こういうことになっておるので、それを受けた。これは事務答弁にすぎないかもしれません。しかし、問題点は、確かに廃棄物処理施設については現在のプラスチック公害等の問題等について問題がすでに提起されておりますから、これは今後検討課題とするに値する有力なる意見として傾聴いたします。
  53. 島本虎三

    島本委員 この問題はあとから十分関係委員会において詰めていきたい、こういうように思います。  それで、十年間の時限立法で、この十年の間に公害防止計画の策定、地域の指定、これを全部完了させる、こういうようなことのようでありました。十年間でこれを全部やって、そのあと日本は公害のない都市になるのかどうか、この自信はどうなのですか、自治大臣
  54. 秋田大助

    秋田国務大臣 十年間に策定は急いで、たいへんむずかしいことでありますが、ぜひやりたい。実施については多少残る場合はあると思われます。
  55. 島本虎三

    島本委員 私はちょっといまの答弁納得できない。重要です。十年間の時限立法です。これは永久でも、これから科学が発展していく、重化学工業もこれからぐんぐん伸びていく。そうした地域がどんどんできてくる。十年間であとはやめてしまうという考えは私はとらない。やはり日本から公害をなくするまでこういう事業はやらなければならないはずなのでありまして、十年間の時限立法とした根拠は納得できません。
  56. 山中貞則

    山中国務大臣 これは十年間に公害防止事業並びに一般の普遍的に行なわれる事業について、おおむねその実施は着手を終わるということです。したがって、十年を経過した後もこの法律によって事業が行なわれている場合は、この法律はそのままその実施の終了まで引き続き行なわれるわけですから、極端に言うと、十年目に策定された計画もその中に入るわけです。ですから、われわれとしては、基本的な考え方の問題ですが、日本じゅう野も山も海も全部公害におかされているわけじゃないですから、それらの地域について十年間であと始末ができるという確信を持ってやることは私は悪いことではないと思うのです。そうして、できなかった場合はできなかった場合のことだということで、お考え願いたいと思うのです。
  57. 島本虎三

    島本委員 さように考えてわれわれもこれを善処し、いろいろ対策を実施させていきたいと思う。ただ、いまそういうふうに言っても、もうすでにりっぱな自然公園であって、国立公園、湖沼、湿原、その周辺、こういうような場所は、汚水の排出、こういうようなものを一切許可制にして、現在ある自然公園法を改正して、たとえば摩周湖をはじめとして十五の湖、こういうようなものは環境基準をきつくしても、これをよごしてはならない。これに対してき然とした態度でやる。きまったものは去年の十二月です。ところが、もうすでに北海道のあの自然の湖の摩周湖は、透視度はかつては世界一位、二位であったのが、現在のところは五位、六位、七位に落ちているという話です。これはどういうわけですか。自然の環境さえだんだんよごれていっている。ことに芦ノ湖だとかその他国立公園の中のキャンプや旅館、こういうような設備についてはただし書きの点でこれを認めている。これに対してもっとき然とした態度をとらなければ、国立公園そのものも、これからよごしてはならない、よごれないはずのものもだんだんよごれてくる。ましてよごされたところをこれからよくするためにやると言ったって、現にこういうようなものをそのままにしておいたのでは——これはりっぱな手本ではありませんか。何らよごれてない、透明度世界一だったものがいまやずっと落ちてしまっている。四十一メートルだったのがいまでは二十九メートルになっている。これはやはり十分の管理の手を怠っているせいだ。この点についてももっと法その他厳正に実施するよう、また同時にこれに対しての抜け穴があります。一キロ以内であればそれをやる。それより離れたところに鉱業所があって、汚水を流しておっても、その点は大目に見られるような抜け穴があるのであります。これはいけないと思います。今後この点に対して十分配慮をいただきたい。これをお願い申し上げます。答弁があれば伺って、私の質問を終わります。
  58. 山中貞則

    山中国務大臣 まず国が管理し、県が管理する国立、国定公園、こういうものを国がきちんとできないで、他に環境浄化を求めるという姿勢はもちろん誤りでありますから、環境庁には環境保護ということで、自然保護局という国立公園部そのものをそっくり移して、現在きびしい規制をやろうという体制をとっていることは御承知のとおりであります。さらに水質審議会において今回新たに指定いたしました地域に摩周湖等も入っておると思いますが、これらの設定された水質の基準達成のために、これから計画的にそれらの周辺の下水道整備、その他の終末処理等について、具体策が樹立されていくわけでありますから、これ以上悪くならないための政策をとるために、具体的な前進をしておるということだけは申し上げられると思います。
  59. 島本虎三

    島本委員 終わります。
  60. 菅太郎

    菅委員長 古寺宏君。
  61. 古寺宏

    ○古寺委員 最初に山中総務長官にお尋ねいたしますが、公害防止計画策定の基本的な姿勢、これについてお尋ねいたします。
  62. 山中貞則

    山中国務大臣 まず、最も顕著な公害現象が起こりつつある場所から、公害防止事業を、総理大臣の承認を受けた計画として策定して行なっていくということでありまして、すでに具体的に昨年三県、四カ所、そして本年度予定が東京、大阪、神奈川という、一番地域住民が問題を提起されておる地域が、いま具体的な作業に入っているわけであります。さらに今後それを展開しまして、公害の問題が提起されている地域において、大体において公害防止計画が策定されるようにつとめてまいるという基本的な姿勢でございます。
  63. 古寺宏

    ○古寺委員 そういたしますと、十九条一項二号の、これから公害発生し得る地域に対する予防的な公害防止計画というものは、策定するお考えはないわけでありますか。
  64. 山中貞則

    山中国務大臣 もちろんこれは一号、二号ともに踏まえこの公害防止地域設定していくということであります。
  65. 古寺宏

    ○古寺委員 そういたしますと、今後開発を予想されるむつ・小川原湖大規模工業開発地域等についても、時限立法でございますが、その期間内に開発が行なわれる場合には、防止計画を策定するお考えがございますか。
  66. 山中貞則

    山中国務大臣 これは、政治の姿勢の問題ですが、今後、たとえば一例をあげられたむつ・小川原湖、これなどは、三沢基地の大量整理その他の問題もあって、急がなければならないと思うのですけれども、こういう新しくつくるような工業地域等について、なおかつ公害防止事業計画的にやらなければならないとすれば、それは私は政治の敗北だと思うのです。そのためにこそ各種規制法をつくって、今後公害が起こらないようにしようということをいっているわけでありますから、今後出現するような工業地帯等について、公害が起こらないために各種の規制法規というものを厳正に守らせる、そしてそれは都道府県知事が、自分たちの行政管轄下の直接の問題として、さらに環境基準その他の上乗せ等を行なって、地域住民が繁栄のための犠牲をしいられることのないようにする姿勢というものが、前提にあるわけでありますから、新しくできるものを将来の公害防止計画の適用に入れていかなければならないということであれば、私どもの政治責任において、公害に対する姿勢が失敗したということを意味するものだと考えております。
  67. 古寺宏

    ○古寺委員 そういたしますと、四十六年度に基本方針が指示される予定になっておりますところの、茨城県の鹿島の場合は、これは失敗とみなしてよろしゅうございますか。
  68. 山中貞則

    山中国務大臣 鹿島は昨年突如として出現したものではないのであります。私ども、これは責任政府にありますから、あえて申し上げますれば、政府の今日までの経済の発展に対する姿勢というものが、公害という観点からやや甘かったということの結果が、鹿島においてもその問題提起になっておるということでありますから、鹿島の問題と、今後規制法が整備をされた後に設定されていく開発地域とは、根本的に条件を異にすると考えておりますから、これは成功であったとはとても言えないわけですけれども、いわゆる政治の責任における失敗の分野であるかどうかについては、これを完全に克服する努力をするということにおいて、中間的な問題であると考えます。途中で考え方がもっときびしくならなければならないという状態になってきたということだと思うのです。
  69. 古寺宏

    ○古寺委員 そこでお尋ねをいたしますが、公害防止計画にかかわる事業費が、大幅に予算の削減を見ております。この予算の削減によって、今後四十六年度からスタートする地域におきまして、五カ年において目標を達成できるという、そういう見通しはございますか。
  70. 山中貞則

    山中国務大臣 これは、お尋ねの、予算が大幅に削減されたということがよくわからないのですが、それぞれの公害防止計画を立てます地元では、最も理想的なものとして、最大限の要求をされるわけであります。それに対して、関係各省が政府立場においてよく御相談を申し上げて、具体的に直接の事業、関連の事業と振り分けをしながら、最終的にはその関係の府県と一致をした計画として総理大臣の承認までこぎつけていくわけでありますから、予算の要求と査定というような形と似たようなものであろうと考えます。これが、公害をなくするための基本的な問題まで予算というものが削られる、あるいは計画そのものが予算額において認められないということであれば、当然その当該都道府県なり関係市町村が承知されないだろうと思うのです。合意したものが総理の手元に上がっていって、中央公害対策会議においてこれが決定を見るということであります。
  71. 古寺宏

    ○古寺委員 そこで、具体的にお尋ねをいたします。  千葉県の市原市の場合でございますが、これは、政府から基本方針が示されまして計画を策定いたし、それに対する予算も要望したわけでございますが、予算の要望が二百七十六億九千五百万円でございます。これに対する決定が九十一億二千六百五十万円でございます。約三分の一に減額をされております。これではとうていその目標の達成ができないのではないか、このように考えられますし、また地元においても、こういう問題については納得をしていないようでございますが、こういう点についてはどういうふうにお考えでございますか。
  72. 山中貞則

    山中国務大臣 納得をしていないという意味が、政府計画を拒否するということであれば別でありますが、自分たちはここまで要求をしたけれどもそこまではいかなかったという意味において、あるいは市議会なり県議会等で議論はあり得ることだろうと思いますが、その詳細な作業の過程が必要であるならば、私のほうの作業を担当いたしました植松次席より答弁をいたさせます。必要ですか。いいでしょう。
  73. 古寺宏

    ○古寺委員 それでは、法律案の第二条第一項にいうところの公害範囲の中には、重金属による土壌汚染、窒素酸化物汚染いわゆる光化学スモッグというものは含まれるのかどうか、お尋ねいたします。
  74. 山中貞則

    山中国務大臣 窒素酸化物はもちろん物質としてとらまえるわけですが、光化学スモッグということはその現象だと私は思うので、そういう現象の起こらないような状態をつくり上げるということでございますから、ある意味では、その前の段階で処理するということが含まれておるものでありまして、公害対策基本法第二条の気持ちをそのまま受け継いだものでございます。
  75. 古寺宏

    ○古寺委員 公害対策基本法の第十九条に基づいて近く発足が予想される大阪府下の公害防止計画基本方針では、大阪国際空港周辺騒音対策が含まれる、こういうふうに聞いておりますが、千葉県の成田市に予定される新東京国際空港の周辺騒音対策についても特別措置が認められるべきではないか、こういうふうに考えるわけですが、いかがでございますか。
  76. 山中貞則

    山中国務大臣 当然適用されることになると思います。
  77. 古寺宏

    ○古寺委員 公害防止計画第一号でありますところの千葉・市原、四日市、水島の三地域でさえ総額約二千九百億円の事業費となっておりますが、第二次に予想されるところの東京、大阪、神奈川の三地域は、大都市でもあり非常にその規模も大きくなるわけでございますが、昭和四十六年度及び昭和四十七年度にどれだけの財政負担が予想されるか、その点についてお尋ねしたいと思います。
  78. 山中貞則

    山中国務大臣 これはまだ予測が困難でございますが、ただいまの三県においてさえもそれだけの金額でございますから、東京、大阪、神奈川がこれから具体的な計画に入りますと、財源的には腰を抜かすような大きなものになっていく可能性がございます。これは私の一存だけで、ただいま金額をどの程度ということは申し上げかねる問題でございまして、また逆に言うと、東京、大阪、神奈川というものがある意味において一つの峠だろうと私は思うのです。そういう意味においては、財源等について十分大蔵当局と話をしながら取りこぼしのないような計画をつくりたいと思っております。
  79. 古寺宏

    ○古寺委員 法律案の第三条第一項の規定を、公害防止計画が定められていない地域において実施される公害防止対策事業に適用する場合には、法第二条第三項の第五号から第七号に及ぶ事業に限定しております。この理由はどういう理由でございますか。
  80. 山中貞則

    山中国務大臣 これは第三条第三項「公害防止計画が定められていない地域」、すなわち各大臣の協議によって知事の申し出をこの公害防止事業として行なうという場合の補助率の問題だと思うのですが、これは大体いまのところそういうものを対象とすべきだということで、普遍的なものとして取り入れたということでございますから、取り入れたものについて行なうということで、そのまま受けておるだけでございます。
  81. 古寺宏

    ○古寺委員 その限定した理由でございます。
  82. 秋田大助

    秋田国務大臣 公害防止計画地域外で、非常に人の生命に関係する分が多いし、また緊急に処置をすべきもの、また監視、測定等、これは基本的にぜひ必要なものでございますので、それだけは少なくともやっておこう、こういう趣旨でございます。
  83. 古寺宏

    ○古寺委員 自治大臣からお答えがございましたが、土壌汚染防止法によってこの公害防止事業を行なう場合には、自治大臣のほうから農林大臣あるいは今度の環境庁長官ですか、協議してきめることになっておりますが、安中のような場合、自治省としてはどのようにお考えになっておりましょうか。
  84. 秋田大助

    秋田国務大臣 自治省といたしましては、ああいう地帯はむしろ防止計画地域に入れて考えてしかるべきかと思いますが、もしそれができなくても、それに準じて考えていきたい、こういうふうに考えております。
  85. 古寺宏

    ○古寺委員 公害防止事業に要する経費を考えますときに、今後地方財政の動向によっては事業計画の進捗に支障を来たすような場合も考えられるわけでございますが、そういう場合の対策については、自治大臣はどういうふうにお考えでございますか。地方財政の逼迫したような情勢が今後出た場合に、公害防止計画というものが目標どおりに進捗しない場合が考えられます。そういう場合に自治省としてはどういう対策をお考えになっておりますか。
  86. 秋田大助

    秋田国務大臣 その当該地方公共団体財政事情に応じまして、交付税措置ないし起債措置を講じまして、防止事業の施行に遺憾なきよう、時宜に適した処置をとってまいりたいと考えております。
  87. 古寺宏

    ○古寺委員 現在三党から提案されておりますところの四分の三の補助率の問題については、大臣はどういうふうにお考えでしょう。
  88. 秋田大助

    秋田国務大臣 先ほど山中長官からお答え申し上げたとおり、私も同様に考えております。
  89. 古寺宏

    ○古寺委員 そういたしますと、将来引き上げることもあり得るというふうに考えてよろしゅうございますか。
  90. 秋田大助

    秋田国務大臣 必ずしも私はここで将来四分の三まで引き上げるというお約束はいたしかねると思いますが、いろいろ関係方面と連絡、検討はしてみたいと思います。四分の三にできるということはここにお約束いたしかねます。
  91. 古寺宏

    ○古寺委員 せっかくこの法案国庫補助特例が規定されましても、各省において採択されない場合には補助事業ができないわけです。公害防止事業が進みません。聞くところによりますと、当初の案には、国は公害防止事業について優先して補助を行なうよう特別の配慮をする、こういう項目があったそうでございますが、その規定を削除した理由でございますが、どういうわけでございましょうか。
  92. 秋田大助

    秋田国務大臣 法律技術上必ずしも精神的な規定がなくても、法の精神はその考えでやるのだからということで取り除かれた、こう私は理解をいたしております。
  93. 山中貞則

    山中国務大臣 補足して申し上げますが、これは一応国の負担にかかる補助率特例を定めた法律でありますから、自治大臣から発議するような形になっておりますが、実際上の公害防止対策、環境保護の仕事は環境庁長官が一義的に責任を負うわけですから、別途環境庁設置法で各省大臣に対して報告を求め、あるいはまた勧告をし、勧告を受けた大臣はその勧告に従ってとった措置を報告しなければならない、そしてまたそれが環境庁長官として不服な場合には、内閣法第六条の定めによる総理大臣の各省大臣への指揮権というものの発動を要請する意見具申権が与えてありますので、環境庁が発足いたしますと、そういう意味において、自治省が目が届かなかった場所でも環境保護の立場から環境庁大臣が報告や協議や勧告をするということが出てくるわけでありますから、その意味では補完されると考えます。
  94. 古寺宏

    ○古寺委員 そうすると、現段階においては公害対策本部副本部長である山中総務長官がそういう立場になりますか。
  95. 山中貞則

    山中国務大臣 そのとおりでございます。
  96. 古寺宏

    ○古寺委員 そういたしますと、先ほど申し上げました千葉県の市原市におきましては、公共下水道の終末処理場を現在建設中でございます。これに対して建設大臣の認可があるにもかかわらず補助が一銭もない、こういうような実情でございますが、そういう点については山中総務長官はどういうような配慮をなさったのですか。
  97. 山中貞則

    山中国務大臣 補助がないという実態については、私、他省の問題でありますから、つまびらかにわかりませんが、当然補助が終末処理場についてはなされるものと思いますし、それについては当然今回のかさ上げ法対象になると考えます。
  98. 古寺宏

    ○古寺委員 こういうようなせっかく公害防止計画をつくってもやはり財政的な裏づけがなければ、その目標の達成はできないわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、採択のいかんによっては目標の達成は不可能になるわけでありますので、こういう点については今後十二分に御配慮をしていただきたい、そのように要望いたしまして、終わります。
  99. 菅太郎

    菅委員長 山口鶴男君。
  100. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 昨年の公害国会で産業公害との連合審査会で、山中公害担当大臣にお尋ねしたまず第一の問題は、公害関係法案の内容の大部分が政令にゆだねられている。今回出ましたこのかさ上げ法案も重要な部分は政令にゆだねられているわけですが、したがって、この法案だけ審議いたしましても、内容が全くつまびらかにならない。したがって、少なくとも公害関係の昨年提出をされました十四法案、すでに成立をいたしておりますが、この政令の内容については一体いつ明らかにするのかということをお尋ねいたしました。山中担当大臣はこの点明確にお答えになっているわけでありまして、次の通常国会において明確に答弁できるような作業を進めております。ところが、現在通常国会で審議をしておるのですが、たとえば土壌汚染防止法に対する政令は一体どうだと聞きましても、いま検討中だ、こういう答えです。すべてそうじゃないかと思うんですが、これでは、山中公害担当大臣公害国会において約束をいたしましたことが守られていない。これでは非常に遺憾だと思います。したがいまして、公害関係法律の政令案を今通常国会の論議の対象に十分なり得るような時期にわれわれに示していただくことができるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  101. 山中貞則

    山中国務大臣 これはもちろん法律の公布という日が、海洋汚染防止法以外はほぼ大体今国会中ぐらいには政令をつくらなければならない公布日になっておりますから、当然間に合うわけです。これは各省関係折衝をしなければ——なかなか政令こまかく詰めますので、時間がかかりますが、たとえば私の公害担当として主管しております公害防止事業費事業者負担法等の政令は、四月に入りますと、国会で御質問があれば全部御説明ができる、あるいは閣議決定の段階に持ち込むというところまできております。
  102. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 そうしますと、このかさ上げ法案関係する政令案、これは今通常国会にお示しをいただくということはひとつお約束いただけますね。出すか出さぬかだけでいいですよ。
  103. 長野士郎

    ○長野政府委員 今度の特別措置に関する法律案関係の政令制定事項につきましては、事項の内容の概略は資料として提出することにいたしております。
  104. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 問題は、この法律関係の政令だけではだめなんですね。これのもとになるたとえば土壌汚染防止法とかいろいろな各種の法律があるわけですね。その法律の政令案がわからなければ、この法律関係の政令案だけ出ても意味がない、そういうものも含めてだいじょうぶなんですか、そういう意味で私は公害担当大臣に聞いたんですがね。
  105. 植松守雄

    ○植松説明員 いま大臣からお答えがありましたように、費用負担法につきましてはもうほとんどできておりまして、四月中には完全に成案を得ることができます。それから土壌汚染防止法につきましても同様でございまして、これは農林省が主管いたしておりますから、いまいつまでということを私はっきり申し上げることができませんけれども、作業が進んでおります。
  106. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 じゃ約束をひとつ完全に履行いただくように強く要請をいたしておきます。  次に、この法律の第三条の三項ですね、この点点についてお尋ねをしたいと思うのですが、先ほどこれに対して自治大臣は、古寺委員が一体これに該当する地域はどうなんだと聞きましたら、生命に危険がある地域を早急に措置しなければならない、そういう場合にこれを適用するのだ、こう自治大臣はお答えになりました。そうして、安中はどうだ、こうお聞きになりましたら、これは公害本法十九条にいう防止計画に当然組み入れる地域ではないか、こうお答えになったわけですね。聞いておられたと思うのですが、一体この点は、公害担当大臣としてはどちらなんですか。十九条二項にいうところの公害防止計画総理大臣がきめるこの地域は、およそ全国どのくらいの地域考えておられるのか。その場合に、古寺委員が指摘したような安中、あるいは同じような種類では黒部あるいは磐梯町、こういうようなカドミウム汚染地域、こういうものは十九号二項にいう総理大臣の指定地域とするのか、その点一体いかがでしょうか。
  107. 山中貞則

    山中国務大臣 秋田大臣がおられないのでたいへんぐあいが悪いのですが、先ほどの答弁は訂正したほうがよろしいと思います。ということは、公害防止計画対象として組み入れるべき地域ではない、すなわち土壌汚染防止法そのものによって施行される公害防止事業対象地域であるということであろうと思います。
  108. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 これは困るのですね。ひとつ委員長、両大臣答弁が食い違っては困るわけなんでありまして、この点はやはり明確にしてもらわなければ困ると思うのですな。
  109. 長野士郎

    ○長野政府委員 いま総務長官から御答弁いただいたとおりでございまして、自治大臣の申し上げましたのは、農用地の土壌汚染防止等に関する法律による対策地域とお答えすべきものを、ちょっと防止計画区域と似たような表現をしたということでございますから、これは改めさしていただきたいと思います。
  110. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 あなたはそばにおって耳打ちしておったのですから、連絡のしかたも悪かったのじゃないですか。大臣が間違えた答弁をされたのを財政局長のほうで訂正をいただいても、私は困ると思うのですね。これはひとつ委員長、しかるべき機会に、本法案審議中に、公害担当大臣自治大臣が違ったことを言われたのですから、どちらが正しいかはっきり自治大臣の口から明確にしていただくように、これはひとつ取り扱いのほうでお願いいたしたいと思います。
  111. 菅太郎

    菅委員長 承知いたしました。
  112. 山中貞則

    山中国務大臣 そのようなお取り扱いも委員会の運営でございますからけっこうでございますが、できれば——私は対策本部の副本部長でございます。本部長は総理大臣でございまして、各省大臣をこれは明らかに本部長たる総理大臣が指揮することになりまして、その仕事を私が現実にやっておるのでありますから、私のほうから統一見解として答弁したことを政府見解ということでお受け取りいただきたいと思います。自治大臣の問題は、事務当局の連絡、耳打ち不十分ということで、なかったことにしていただきたいと思います。
  113. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 それじゃ議事録の扱いは、あとで理事会等で御相談さしていただきましょう。
  114. 菅太郎

    菅委員長 あとで御相談をいたしまして、あなたが答弁が御不満でございましたら、後日地方行政委員会で善処をいたしたいと思います。
  115. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 あまり大臣が間違った答弁をせぬように、事務当局で……。  そうなりますと問題が起きますのは、たとえば安中、黒部、磐梯町等を三条三項でもって処理するということになりますと、かさ上げ対象になります事項が限定をされるわけです。たとえば安中を考えましても、この排煙によるカドミウム汚染というのが問題になっている。その一番ひどい地域に小学校があるわけですね。これがこの第十九条二項にいう公害防止計画地域ということになれば、学校の移転というものも当然対象になる。ところが、先ほども山中大臣統一見解のようなことになれば、この学校の移転というのは対象にならない、また緑地等を設定しようとしてもこれも対象にならない。こういうことでは私は非常に不備じゃないかと思うのです。私、昨年の暮れの公害国会の際に、特にわが党をはじめとする三党が出している法律案は、この公害防止計画地域以外でもすべての事業対象にするようにしている。したがって、少なくともこの公害本法十九条ばかりではなくて、二十三条を根拠にした法律をつくるべきであって、十九条にいう限定された地域でないすべての地域に対して、公害防止計画については補助金のかさ上げをすべきだ、そういう法律を出さなければ、失礼であるが、あなたは山吹ではないか、こういうことを実は申し上げたわけであります。山中担当大臣は、そうではない、十九条ばかりではなくて、それ以外の問題についても十分検討して法律を出すつもりだ、したがって山吹ではないと、こうおっしゃられたわけですね。ところが、現実に出た法律では、いまのような政府統一見解では結局学校の移転なんてだめになるじゃありませんか。緩衝緑地も設定されないということになる。これでは不備じゃありませんか、どうでしょうか。
  116. 山中貞則

    山中国務大臣 これは、この法律は国が補助率かさ上げをやる場合の対象について区分けをしておるわけですね。その場合において、なるほど御指摘のように、小中学校移転というものは対象にならないことになります。しかし、私は先国会で修正がなされました中に、政令で定めるといってありましたものを、私の答弁で小中学校の移転もしくは場合によっては住宅移転等ということを申し上げたのですが、法律の修正はたしか住宅の移転のほうが法律に入ったと思うのですね。ところが、実際は住宅移転というものはなかなか集団ではないと思うのですね。しかし、小学校移転は岡山で一校だけありました。将来あるいはそういうことがあるかもしれませんが、大体において学校の移転ということはなかなか現実には出てきていないようであります。したがって、この防止計画地域についてはそれが入れてありますが、今後そのような指定地域外の、すなわち第二条の第五号の「汚でいその他」というように、全国普遍的な対象地域において学校移転等があり得るという現実が起こりましたら、一応「政令で定める事業」ということにはいたしてありますので、検討はいたしたいと思いますが、現在の段階で学校移転というものを考えているかといえば、学校移転というものは現実にはないだろうと私としては思っているわけであります。
  117. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 結局、神通川のように、排水だけのカドミウム汚染ということでしたら、学校移転は問題にならない。しかるに、排煙のほうの汚染が問題であるという地域ですね、具体的にいえば、乾式の亜鉛製錬をやっている事業所が付近にある地域という、黒部も同様になるわけですが、そういう場合は当然学校の移転というものも起こり得る可能性がある。そういう意味で、大臣とすれば、その際には考えたい。いまのところ法律にはないが、しかし、将来この点は改正し、救う道を考える用意があるというふうに受け取ってよろしいですね。
  118. 山中貞則

    山中国務大臣 まず去年つくった法律でそういう学校移転が今後起こるような状態がなおひどくなっていくかどうか、私はそうならないと思うのですね。と思うのですが、かりにあったらどうするかという御質問ですから、そういうことになったらいけないようにしてあるのだけれども、もし起こり得たとしたら、その場合においては、「政令で定める事業」という場合において対象にするかしないかの検討をしたいということであります。  それから山口さん、あまり山吹大臣を去年からことしにかけてあなたは二度も言うので、山吹、山吹とおっしゃっている。あれはたいへん風流な大田道灌とのやりとりもあったものでありますから、そういう意味で風流なるたとえとして私は承っておきますが、あまり反論はいたさないことにしますが、どうですか、ここらで山吹大臣問答はやめましょうや。
  119. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 けっこうでしょう。現実に実のある施策をやっていただくことを強く期待をいたします。  それでは次のお尋ねをいたしたいと思いますが、これも昨年の国会で取り上げた問題ですが、足尾鉱毒の問題を取り上げました。その後この地域で一PPMに近い汚染米が発見されております。要観察地域に相当すべき地域が約百ヘクタールございます。問題は、統一見解企業が第一義的にこの公害防止事業をやる、それから残り公共事業でやるわけですが、当然企業負担があって、その残りを国が二分の一を下らざる額をもって措置するということで、国の責任を果たしたのだ、そういう大臣のお話であります。その趣旨は了解いたしますが、問題は、この銅がずばり指定されれば問題ないわけでありますが、これがおくれておる。しかも、そこにカドミウムの汚染が発見をされた。現実に渡良瀬川の地域の客土事業は、国が五割持って、自治体が四分の一、受益者が四分の一を持つというのが、昭和四十三年の水質審議会できめられた案ですが、こういう受益者負担でやることはけしからぬ、山中大臣もこの災害農地補助率等考えて、当然受益者負担なしでやるべきだ、こういう答弁をされ、福田大蔵大臣もそのようにしたい、こう言われたわけです。しかし、現実には、そういう負担が水質審議会の答申では出されている、しかもカドミウムの汚染があったということになりますと、問題は企業負担といいましても、原因者がまだはっきりしていないわけなのです。したがって、足尾鉱毒の銅の原因者はきまっておりますが、カドミウムの原因者がきまっていない。この原因者を私は早急にきめる必要があると思うのです。その用意があるかどうかということと、原因者がきまった場合、銅の汚染もある、それからカドミウムの汚染もある、こうした場合、当然私は受益者負担ゼロでこの地域土地改良事業をすべきである、かように思うわけでありますが、その点の考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
  120. 山中貞則

    山中国務大臣 基本的には、私もそのとおりだと思います。ただ、銅、亜鉛を追加指定するについて、まだ議論中でございますから、ここでその問題について明確な答弁はできませんが、その具体的な場所と事業については担当大臣でありますが、こまかく私のほうでやっておるわけではありません。基本的に原因者がはっきりした場合、それは企業が全額負担をやるということが当然だと思います。
  121. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 したがって、原因者究明を公害対策本部としては急ぐべきではないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。
  122. 山中貞則

    山中国務大臣 調査は通産省がいまやっているそうです。ただ、これは通産省だけの調査では私はいけないといま思いましたので、農林省も一緒に調査をしなければいかぬというふうに考えますから、そのように指導いたします。
  123. 山口鶴男

    ○山口(鶴)委員 原因者が究明され、銅がこの有害物質に入るということになれば、このカドミの問題を考えぬでも、受益者負担ゼロでこの工事が進む、こういうことだと思います。それからさらに、銅がおくれても、カドミの原因究明が行なわれ——しかも政令のきめ方等によりまして、一PPM以上でなければならぬとはっきり政令できまるかどうか、これは問題です。そのおそれある地域という広い地域があるわけですから、そうなった場合は、この銅の指定がおくれても、おそれある地域の政令のきめ方によっては、その一面から、何といいますか受益者負担ゼロでこの地域の土地改良の事業もできるはずだと思うのです。いずれにせよ公害の原点といわれる足尾地域、この地域の客土事業については、少なくとも農民負担ゼロによって早急に行なう。その意味では、水質審議会の答申等もこれをある程度やり直して、そして明確な対策を立てるということをすべきだと思うのですが、この問題に対する大臣の御見解を承って、質問を終わっておきましょう。
  124. 山中貞則

    山中国務大臣 私、直接水質審議会を担当しておりませんので、こまかな問題についての見解の表明ができかねますが、基本的には、これは企業側においてのみ責任が存在して土壌汚染が起こっておるわけでありますから、これはたびたび答弁しておりますとおり、農民負担はあり得るものではないと考えております。
  125. 菅太郎

    菅委員長 桑名義治君。
  126. 桑名義治

    ○桑名委員 今回、公害防止に関する事業にかかわる国の財政上の特別措置設定され、しかも千葉、三重、岡山の三県の防止計画事業費が一応つまびらかになったわけでございますが、ここで問題になりますのは、総事業費に対するいわゆる補助対象事業額、これがやはり一番問題になるのではなかろうか、このように思うわけでございます。要するに、この中で特に問題になりますのは、廃棄物の処理施設あるいは公害監視センターの体制整備、これを数字の上から見ますと、廃棄物処理施設の場合は七十一に対して八、公害監視測定整備は十五に対して六、こういうふうに非常に差が多いわけでございます。このいわゆる採択率が非常に低いものに対しましては、当然今回の法律でその差を充当すべきではなったか、このように思うわけでございますが、この点についての大臣の見解を伺っておきたいと思います。
  127. 植松守雄

    ○植松説明員 もう少し具体的に調べてみないと、ちょっといま明確にお答えできないのでございますけれども、一般論としましては、公害防止地域における事業費の採択というのは、これはそれぞれの事業の主管官庁と公害対策本部と相当時間をかけて折衝いたしまして、できるだけ一般のレベルよりは相当高めて採択をするということはいたしたつもりでございます。いま御指摘の点が、具体的に、どういう形でこうなったかということについては、もう少の調べさしていただきたいと思います。
  128. 桑名義治

    ○桑名委員 そこで、具体的にはこまかくもう一度調べてということでございますが、これは自治省から出してもらった資料でございます。その資料によって私はいま質問をしているわけでございますが、廃棄物の処理施設の場合は、総事業費が七十一億に対して補助対象額が八億、これは非常に採択率が悪いわけですね。だから、こまかい問題についての答弁はいまできないかもしれませんが、基本的なものの考え方は、これはやはり明確にしてもらわなければならないと思うのですよ。その点についてもう一度答弁願いたいと思うのです。
  129. 長野士郎

    ○長野政府委員 いま御指摘になりました計画事業費につきましては、この前も御説明を申し上げましたが、これは一応地方団体側が積み上げた数字でございまして、最終的にこうなってしまったという、まだ決定数字ではございません。しかしながら、いろいろ内部的には折衝をしたものについての見込みを一応つけて、こういう総事業費補助採択の関係を一応あらわしておるものと私ども考えておりまして、この点につきましては、関係各省に、この公害防止計画区域の事業につきましては補助採択についても十分の配慮をしてほしいという意味でのお願いをいたしてまいりたいし、公害対策本部でもそういう御配慮をお願いしたいと思っております。
  130. 桑名義治

    ○桑名委員 また同じような答弁が返ってきたわけでございますが、ただ単にこの計画段階でその明細がつまびらかではないということだけでは済まされないと思うのです。たとえば下水道の場合でも六四%の採択率しかないというのが現在の予算執行上の一つのネックになっているわけでございます。そういった面から考えた場合に、これはただ単なる各省の問題として取り上げるべき点が一点と、さらに、そういう悪い採択率に対して、今回の法の設立に際して補てんをするという、そういうものの考え方が最も大事なことではなかろうか、こういうように思うわけでございますが、これは山中大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
  131. 山中貞則

    山中国務大臣 これは自治省を責めるのはちょっと酷です。自治省補助率について責任官庁となったわけでありますから、それぞれの地域からの総事業費の要望というものが、各省庁の行政の中でどこまでが可能であるか、の作業が相当な時間をかけて繰り返されるわけです。それを総合的にセットしたものを政府責任においてその計画を認めていくということでありますから、地方の御要望どおり全部入れるというわけにもなかなかまいらない。これはもう御承知の上の御質問だと思いますが、あるいはただいまの御質問の点は厚生省関係の点だと思います。各省は自分たちの持っております予算はきまっておるわけですから、その中で特定地域の要望に沿うためにたとえば全額なら全額を投入するということはおそらく不可能で、全国を見渡した行政上の配慮というものが伴うと思うのです。その意味において、今回の補助率かさ上げの中にも下水道そのものは取り上げることが不可能であったというのが端的にあらわしておりますように、それぞれの部門については各省庁において地元の御要望に満足に沿っていない点もあるかと思いますが、最終的には、ではそれでやりましょうという合意は得ているものでございます。
  132. 桑名義治

    ○桑名委員 また繰り返すようでございますけれども、私が申し上げているのは、結局七十一億が八億になったという非常に大きな差がある、ここを問題にしているわけです。多少予算の総ワクの問題もございましょう。だから、そういうことも一応勘案したとしても、あまりにも格差が激しくはないか。だから今回の特別措置設定によってその点について補てんすべきではないか。この点についての意見を伺っているわけでございます。
  133. 山中貞則

    山中国務大臣 それならば、その地域公害防止事業として、国と地方とがそれぞれ公共団体政府という責任において合致する前の段階で、地方が要望された計画そのものが確実にそれだけ絶対に必要とするものであるかどうかについても、やはりもう一ぺん議論をしてみませんと、これから出てきます東京、大阪、神奈川等についても、風のたよりに流れてくる現在の数字をそのままのむとすればたいへんなものになる。おそらく建設省などはほかの各県には金を回せないような状態になるような要望が一応あるわけです。しかし、最小限その地域公害防止事業というものを国も一緒になった責任において達成するためには、ここまではぎりぎり必要だという数字については、最終的に合意を得ているわけでありますから、地方の御要望と違うというのは、予算の際に各省が要求いたしましたものと最終的に政府全体でまとめたものと、金額がふえておるのはあまりない。やはり査定減ということになるのと似たような現象でございますから、その意味においては、幾らならば正しいかという議論がなかなか詰めにくいという性質の問題だと考えております。
  134. 桑名義治

    ○桑名委員 採択率のアップについては自治省としましても強力に申し入れをするというお話でございますので、山中総務長官もその点十二分に配慮をしていただきたい。この点をまず要望しておきたい、このように思うわけでございます。  その後の問題といたしまして、今回は廃棄物処理施設についてはいわゆる特例対象事業というふうになっておりますが、港につきましては船舶の廃油処理施設というものが当然あがってくると思うのです。今回の事業計画の中にもかなり同じようにあがってきている地区がございます。これが対象外になった理由について明確なものがあるとすれば、明らかにしていただきたいと思います。
  135. 山中貞則

    山中国務大臣 運輸省専管法律でございますが、これは事業負担ということもございますし、それを公共的につくります場合の補助率の五割というものもございますので、まずいまのところは、一応廃油処理施設を予定いたしました地域になるべく全部つくる、そしてすべての船舶が廃油処理施設を利用してたれ流し等をしないという体制を早くつくり上げるということが先だと思っておるわけであります。
  136. 桑名義治

    ○桑名委員 それと同等に考えられますことは、ごみ処理施設事業費です。これは最近いろいろなごみがございまして、先ほどからいろいろ問題になっているのはポリの処理の問題でございます。そういうことを考えますと、公害防止計画の一端としまして、このごみ処理施設整備事業というものが非常に重要な事業一つとしてクローズアップされてくるわけでございます。これに対するごみ処理施設というものは、これは当然各市町村が事業として取り上げていかなければならない問題でございますが、こういう総合的な計画を組む場合には、予算的な措置が非常に膨大なものになってくるわけでございますし、あるいはまたいままでのごみ処理施設ではこれをまかなうわけにはいかないという情勢になってくるわけです。このごみ処理施設も当然補助対象にすべきではなかったか、このように思うわけでございますが、その間の経過を説明願いたい。
  137. 山中貞則

    山中国務大臣 これはいま提案されている法律の第二条第三項三号の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第一項に規定する廃棄物の処理施設の設置の事業」ということで、基本的な事業として入っているわけです。
  138. 桑名義治

    ○桑名委員 時間がございませんので、簡単に次に進みたいのですが、公害監視測定体制の整備、これが一応あがっているわけでございます。そこでいま各市町村で一番問題になりますのは人的な資源、いわゆる技能者をどうするかということで、これが大きな問題になっているわけでございますが、過日の委員会におきましても私この問題で、大学あるいは国立高専あるいは工業高校といったものに特別な講座を設けるとかあるいは科を設けるとか、そういう方向づけをしながら補充をしていかなければならないんじゃないか、こういうふうに提案をしておったわけでございますが、この点についてどのような処置をとられているか、明確にしていただきたいと思うのです。
  139. 山中貞則

    山中国務大臣 小中学校、高校等において、公害防止技術者の養成科目というようなものまでは行っていないと思うのですが、文部省のほうにおいて教科書あるいは副読本というものについては考えているようであります。これは主として公害考え方に対する問題だと思うのです。しかし、まず国としては、地方の権限委譲に伴って地方公共団体の職員が立ち入り権限その他を持ちながら責任をもってやらなければならない体制ができたわけでありますから、まず地方の職員の数も必要でありますから、来年度予算で千八十四名の増員をいたしますし、先ほども答弁いたしましたが、公害の監視員制度をつくって、都道府県の都市型保健所を中心にことしから五十七名、五十七名、五十八名という三カ年計画で大幅にふやしていく。これによって公害の起こる地方の監視員はほとんど漏れなく設置できる。  そこで問題は、それらの地方に置かれた立ち入り権限を持つ公害担当職員のレベルアップの問題です。科学技術の進歩と公害の態様の変化、実態の解明というものが刻々に進んでまいりますから、絶えずこれらの人に、全国一律の共通の知識と共通の対策の能力と技術というものは教え込んでおかなければいけないと思うのです。これは国の責任だと思います。地方自治体だけではできないことだと思いますので、今度、環境庁設置法とともにお願いをしております公害研修所というものを国がつくることによって、それぞれの地方の公務員の公害担当者を集めまして最新の知識と技術と能力を付与しながら、絶えず循環させて、最も新しい公害に対応するしかたを地方公務員に教え込んで帰していく。しかも全国バランスのとれたものとしてでこぼこのないものにしていくという配慮はしておるつもりでございます。
  140. 桑名義治

    ○桑名委員 それは、いつをめどにしてその研修所をつくられる予定でございますか。
  141. 山中貞則

    山中国務大臣 国立公害研究所のほうは四十八年度まで建設がかかりますので、実質上建物の建設が優先いたしますが、公害研修所も若干そういうものを必要としても四十七年度には発足をさせたい。これは筑波に行かなくとも、東京でやったほうがかえってよろしいと思っております。これは環境庁の付属機関ではありますけれども、四十七年にはつくり上げたいと考えております。
  142. 桑名義治

    ○桑名委員 時間が参りましたので、これで終わります。
  143. 菅太郎

    菅委員長 門司亮君。
  144. 門司亮

    ○門司委員 ほかの委員会の説明に行かなければなりませんので、ごく簡単にお聞きしておきたいと思います。  一つは、この法律だけじゃありせまんで、この間から委員会でやかましく言っておるのですけれども、ひとつ官僚でない大臣として聞いておいていただきたいのです。  最近の法律は非常に政令が多いのです。今度出ておる法律も、勘定してみると、大事なところはほとんど政令にまかされておる。この現象は、私は法律自体に対して憂うべき一つの現象だと思うのです。いわゆる法律国会で書くのであって、その国会で書いた法律が結局官僚にまかされる、こういう形に出てくるわけであります。そこで、国会では法律だけこしらえて、あとの実施計画というものについては政令にゆだねてもよろしいという憲法の七十三条のあることはわれわれも知っている。だから憲法事項であることは間違いないのだけれども、あまりにもそれが多過ぎるのではないかということです。今度のこの公害に関する法律に対する政令というのはたくさんあるのであって、去年こしらえた法律についても政令がまだ出ておらないということですが、さらにまた新しい法律ができて、この法律の中にも政令の個所がたくさんある。こういうものについて大臣としてどうお考えになりますか。いかにも国会軽視の風潮であって、官僚が非常に力を得てくると、えてしてこういうものが出てくる。かつて日本が一つの大きな方針を誤ったのは、議会が軽視されて、勅令あるいは緊急勅令というようなことで、日本の大東亜戦争前の徴候というのが非常に強かった。日本の今日の国会を見てみると、こういう風潮がずっと流れてきているようであって、特にこの法案の中には政令にゆだねるということがたくさん書いてある。こういうものの感じだけを、ひとつ官僚にあらざる大臣としての気持ちを、率直に聞かせていただきたいと思います。
  145. 山中貞則

    山中国務大臣 私としてはただいまの門司委員の御意見と全く同感であります。でありますが、その私が昨年提出いたしました臨時国会の十四の法案で、非常に数多くの政令案件が入った法律を出さざるを得ませんでした。これは八月に担当大臣になって三カ月余りでつくり上げたわけでございます。公害国会という二度と開いてはならない国会に間に合わせるために一生懸命やったということで、政令にゆだねなければならない部門がふえたということを私は反省をいたしております。  しかし、全体的に申しますと、政令というものにゆだねるのはなるべく少ない分野、しかもそれは国会質疑応答等において、純技術的な問題等の基準設定等で、それならば役所のほうの研究その他でやってよろしいという国会等のお許しのあった範囲というものが政令になるべきではなかろうか。これは、租税法定主義の現在の状態で、物品税等の免税点などが非常に議論になっているというのは、そこいらにあると思うのです。したがって、その点は今後もやはり政令にゆだねる分野をなるべく少なくするというのが基本方針だと思いますが、しかし、チェックの手段としては、政令は閣議において決定をされます。でありますから、事務次官会議までは官僚段階であるとしても、あるいは大臣の中にも官僚上がりがおるとしても、やはりそれは政治家たる大臣によって構成される閣議でありますから、政令といえども、閣議において他の省のものでも異論のあるものは、私は少し出しゃばってどしどし発言もいたしておりますし、そういう意味においては逐次改良をされつつあると私は思っておりますけれども、しかし、議会全体からながめた場合には、私自身も同じような感じを持っておりましたので、今後さらに反省し、努力をいたします。
  146. 門司亮

    ○門司委員 これ以上追及はいたしませんが、憲法制定当時の会議録を読んでみましても、政令委任の条項についてはかなり突っ込んだ議論がされております。いわゆる帝国議会の最終のころの第九十帝国議会で、現行憲法を審議する際の会議録には、厳に慎しみ、戒むべきだ、こういうことばが使ってあるのでありまして、私は、政令にゆだねるということ自身というのは、国会がまるでつんぼさじきに置かれて、君たちはこれだけさえきめておけばいいんだ、あとは政府がやるのだ、こういう見方には、いまの大臣答弁で私はそれ以上追及はいたしませんが、ひとつほんとうに気をつけていただきたいと思います。  それからもう一つ、この法律の中で聞いておきたいと思いますことは、今度出てきております法律について、地盤沈下に対する問題が書いてないのであります。地盤沈下は公害地だということが一応いわれておるのであります。そうしてその原因は一体どこにあるかということは、いろいろ学説があります。一つは地殻の変動もあるでしょうし、いろいろな問題があると思うが、通説としては大体地下水のくみあげだということが一つの説になっていることは間違いがない。ところが、地下水のくみあげを防止するということがどこにもあらわれていない。ただ地盤沈下をしたところについては防潮堤その他をこしらえて防御する、地盤沈下自身については何らの処置をしない。地盤沈下したものに対する処置だけは防潮堤をこしらえるとかいうことで処置がされておる、これではいけないのではないか。ほんとうに地盤沈下というものが地下水のくみあげだとするならば、工場で使う水は、やはり工業用水というものがもう少し普及されなければ、これはどうにもならない。それからその次には、これだけたくさんのビルが建っておって、夏のクーラーの水をどこからとっておるかということだ。これはほとんど全部深井戸であることは間違いがない。これには一体どういう水を供給すれば地下水をくみあげているのが阻止できるか、そういうことがどこかで検討されているかということだ。はなはだしい学者に聞くと、そのうち東京にはえている木は枯れるぞ、雨が降っても地下に吸い込む面積が非常に狭くなっている。ほとんどコンクリートになっておって、舗装されておって、流れた水は下水道から海にそのまま行ってしまう。地下に吸い込まれてくる量が非常に少なくなってきて、その上地下水をくみあげてしまう。地下水がなくなったら木の生存があり得るか。未来学者の言うことをわれわれが率直に聞くわけにいかぬと思うけれども、理屈はそういうことが言えます。ところが、公害対策についてはそういう雑用水であるとか工業用水に対して、一体どれだけの処置がとられておるかということになると、ほとんど見当たらない。この問題は非常に大きな問題である。国土がそれだけ沈下して、まごまごしていると、国土がそれだけ喪失するということだ。どうしてこの法律でそういうものを入れなかったかということです。  これは自治大臣に聞くことがほんとうだと思いますけれども、大体公害対策全体を通じてそういう予防策を何も講じていない。汚水の処理場なんていうのは盛んに議論されておるけれども、出たものを始末するのはあたりまえであって、上から入れれば下から出るのはあたりまえだ。その始末をいままで怠っていたのであって、これはいまさら責めたって私はしようがないと思う。現実に地盤沈下の原因がわかっておりながら、それに対してどれだけ一体対処するお金が使われ、どれだけの処置が講ぜられているかということ、この点については担当大臣としてどうお考えになるか、一応聞いておきたいと思います。
  147. 山中貞則

    山中国務大臣 これは、未来学者ならずとも、現実に地盤沈下の態様というものは、あるいは天然ガスのくみあげは、そこの地域についてははっきり原因がつかめております。かといって、東京あたりではビル用水だけであるのかどうか、これも洪積層まで深井戸を掘ればだいじょうぶだといっていたのが、実はそうではないようである。これは通産省のほうでビル用水の規制等を法律で別に持っているわけでありますけれども、一方関東地域の地下水——地盤沈下というものは、遠く水源の北関東あたりの一般の水道用水、場合によっては井戸まで関係があるのではないかという説をなす学者もあります。要するに地下水の問題が地盤沈下の主要要因であることは、大阪において現実に地盤沈下を食いとめておる、工業用水道の設備その他によって、地下水対策で大阪はとまったという実績があるわけでありますから、やればできることの一つであります。しかし、関東あたりについては、地層その他からいって非常にむずかしい問題が提起されております。これは、現在の段階では確かにこのかさ上げ法対象としてはとらえにくいところがありますが、今後地盤沈下全体の問題としては環境庁が全体を所管することになりますから、ただいまのような点は、一番統一がとれてなくて対策が打ちにくい問題の一つとして、今後環境庁が一番熱を入れて統一して方針を打ち出して対策を樹立していかなければならない柱の一つであると考えておるわけでございます。
  148. 門司亮

    ○門司委員 あまりはっきりした答弁ではないようですけれども、ほんとうにもう少し地盤沈下の対策が講ぜられてしかるべきだ。それには、さっき申し上げましたように、やはり国が責任を持ってこういう問題こそ——地盤の沈下だから、国土だから、表面に流れておるあるいは空気の中にあるのとは違うのであって、国土の保全というたてまえからいけば、地盤沈下対策というのは当然国が責任を持って、そうしてさっき申しましたように、具体的に言えば、工業用水をもう少したくさん確保するとか、あるいは工業用水と同じような、飲料水ほど念を入れての滅菌操作は要らないかもしれないけれども、雑用水としての水を供給するということで、できるだけ深井戸からの水のくみ上げを阻止するという方策が今日必要だと私は思う。もしそれがなされていなければ、私は次の——これもよくわかりませんけれども、地盤が沈下しているという一つの現象と地震との関係がどうかということが実は考えられているわけです。いわゆる地下層に一つの断層ができているということになると、地震の際にも被害がありはしないかということが、私は地震学者じゃありませんから突き詰めたことはわかりませんけれども、どうもそういうことがしろうとなりに考えられる。こういう点について、これ以上ここで議論しても始まらぬと思いますから……。  それからもう一つ念を押しておきたいことは、地盤沈下に対する予防の措置に対して国がどれだけの熱意とどれだけの処置を示されようかということ。いまの答弁の中では、これからだというお話ですから、これからだと言えばそれだけで終わりと思いますけれども、これは地方自治体にとっては非常に大事なことでありまして、いま東京にしても神奈川にしても、実際に飲料水の確保すら非常に困難を来たしている時代でありまして、東京都などは、二十三区の中できっとまだ七十万人ぐらい水道のない家庭があるでしょう。そういう状態の中で、工業用水、雑用水というものを川からとるということになりますと、かなり大きな問題になろうかと思う。こういう総合的な問題がどうしても考えられなければならない思うとが、この点等について、きょうは長くここで議論をする時間を私は持ち合わせておりませんので、十分に考えて、処置を至急に立案をしていただきたい。そうして、地盤沈下に対する対策を十分講じていただきたい。  それからもう一つだけ聞いておきたいと思いますことは、この法律自体を見て、なるほど計画を立てることはけっこうですけれども、社会資本が非常におくれているということは、政府から出ている書類にときどき書いてあることであって、わかっておりますけれども、この社会資本のおくれというのはいまに始まったことではありませんで、この原因は一体どこにあるかといえば、あげて政府責任だと私は考えている。  今日、汚水処理場その他が十分でない、あるいは下水道が十分でない、さらに大気汚染についても十分な処置を講じておらない、防音装置にいたしましても、結局これは何も地方自治体の責任で起きた問題ではないのであって、社会からくる一つ公害であることに間違いないのである。いわゆる今度の法律の骨子というものが、どこまでも企業公害に対する一つ考え方のもとにこの法律の発想があるということであります。これは法律一つの発想ではあろうが、しかし、社会資本が非常におくれているというところから考えてくれは、明らかに社会公害ともいうべき——いわゆる国民の生活様式が変わってくる、文化が進んでくる、いろいろな環境から出てくる、自然的ということばを使えば少し行き過ぎかもしれないけれども、やはり社会の変化に伴う公害というものがあるのであって、これをいままで怠っておったということである。  だから、先ほどからお話のありますように、本法案が実施されても、一体どれだけの環境整備ができるかということになれば、イタリアの環境整備にも追いつかないと思うのです。とてもイギリスどころの騒ぎではない、あるいはフランスどころの騒ぎではない。非常に幼稚だと言うと、政府では精一ぱいやられたつもりであろうからおこられるかもしれませんが、全体から見れば、きわめて規模の小さいものであって、そういう社会公害に対処し得る計画でないと私は考えておる。にもかかわらず、ただこういう地区を一応指定してそこに全力を注いでいるということは、当座しのぎにはそれでよろしいかもしれない。しかし、全体の、そうした社会公害というものがどんどん毎日進んでおるのですから、そういう問題に対する問題を考えてくると、法案の発想に誤りがあるのではないかということ、法案の発想がもう少し広範囲のものでよかったのではないかという気がするのでありますが、その点に対する率直な御意見を聞かしておいていただきたいと思います。
  149. 山中貞則

    山中国務大臣 最初の地盤沈下の問題ですけれども、これはやはりゼロメーリル地帯が年々広がっていくことがはっきりしておりますので、地震の原因になるかどうかの、地殻の問題は別として、やはり地震が起こった場合の津波の範囲とか、被害には重大な影響がありますから、これは別な災害対策の立場からも慎重に検討しておるところであります。したがって、地盤沈下対策について緊急かつ抜本的な国の方針を定めることの必要性は御指摘のとおりだと思います。  それから社会資本のおくれが政治の責任である、これは私も同感であります。しかし、その原因は、さらに日本の歴史は長うございますが、近代国家として誕生した歴史の足取りを振り返りますと、やはり終戦に至るまでは日本は軍事大国としての成長に重点を置いてまいりました。したがって、パリの、観光の客までが訪れるような大地下道が百十年前に建設されたのから見て、日本の近代国家の夜明けがおそかった。そしてその足取りが不幸にして社会資本の充実というところから出発し得なかったこと、このことは大きな政治の責任であると思います。そして戦後の産業の発展が、ただ無策に、都市計画その他に関係なしに、太平洋ベルト地帯にメガロポリスを形成していったということの現実がいま起こっておるわけでありますから、私どもはその反省の上に立って、新しい国土づくりということも考えながら、日本が近代国家のあるべき前提としてのそういうような社会資本というものを、もちろん水洗便所等も含めてですが、諸外国に対して恥ずかしくない国家になるために全力をあげたいと思います。  したがって、この法案はただ公害対策基本法あるいは事業費事業負担法等の法律を受けた補助率かさ上げだけでございますので、その点では確かに部分的な法律でございます。しかし、これは環境庁発足とともに新しい国土の見直しから始まる大事業になるべきことである、私はさように考えるわけでございまして、門司委員の御意見に私も同感でございます。
  150. 門司亮

    ○門司委員 最後に一言だけ申し上げておきますが、私はやはりかさ上げというのでなくて、もう少し政府責任を持ってやるという姿勢がほしいのです。このかさ上げも非常に少ないのであって、二分の一とか三分の一とかいうようなけちなことをいってないで、ことしの国家予算を全部見てみましても、実際はお金がないわけじゃないんですね。ほんとうにお金がないというのなら別な話でありますけれども、たとえば資金運用部資金等四兆二千八百億というようなばかばかしいお金があるのです。しかもこれは地方住民の郵便貯金でありあるいは簡易保険であり、その他の社会保険の積み立てなんです、こういうものは税金とは違うのでありますから、政府が産業基盤の整備と言うのもそれは国のためかもしれないし、あるいは貿易の振興も必要かもしれない。しかし、この際は思い切ってそういうものを地方自治体の財政に回してあげて、住民と行政との結びつきを十分とっていくという姿勢こそ真に私は民主主義の政治のたてまえだと考えておる。これに対する御答弁の要求はいたしませんけれども、ひとつその点を十分考えていただいて、ほんとうにけちな、こういう補助金の少ないようなものは私はやめてもらいたいと思っている。全額国が国すくらいの勢いでなければ、とうてい問題の解決はつきませんよ。少しにくまれ口をきいて、それだけで私のきょうの質問を終わります。
  151. 山中貞則

    山中国務大臣 これは、もう地方行政委員会の主といわれておる門司さんの話ですからおわかりでしょうが、これは該当する県、市町村も満足してないと思います。かといって、その他の全国の市町村もそれぞれの社会資本の充実、公害防止というものを考えているわけです。それが、この地域については補助率かさ上げが足らない、けちだとおっしゃいますけれども、あるということを、事業費配分の面等から考えて、むしろうらやましいと申しますか、自分たちのところはそうならないじゃないかという不満等もありますし、また一方においては、財政力指数というものも勘案しないで、富裕県であり富裕町村であろうと、これは国の姿勢として、重大なことだからやりますという姿勢が前提にあるわけでありますから、そこらのところはもう問答するつもりはありませんが、これでも一歩前進という御評価だけはいただきたいと考える次第でございます。
  152. 菅太郎

    菅委員長 林百郎君。
  153. 林百郎

    ○林(百)委員 長官にお尋ねしますが、長官も他の委員に対する答弁の中で、昭和四十五年度の基本方針の指示の地域である東京都、神奈川県、大阪府、これはもう公害防止の峠であるというような表現を使われているわけですけれども、この三地区で計画策定の見通しはいまどういうことになっているわけなんですか。
  154. 山中貞則

    山中国務大臣 できれば三月一ぱいにそうい指示をいたしたいと思ったのでありますが、ちょっとおくれて四月に入ると思っております。
  155. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、東京、神奈川、大阪の三地区の計画策定の承認が四月に行なわれる、こう聞いておいていいのですか。
  156. 山中貞則

    山中国務大臣 承認は、先ほど来議論しておりますように、自治体のほうがこんなものの計画を立てる、そしてそれで押したり引いたりして、このくらいになる過程がありますから、承認はまだもっと先になりますが、いま申し上げているのは、大体四月の、なるべく早くしたいと思っておりますから、下旬にならないようにしたいと思っていますが、そういう作業を始めるということでございます。
  157. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、計画策定されて、その見通しはまだついておらない、とにかく計画をつくるのが四月ごろになるだろう、それから政府との折衝になるのだ、こう聞いておいていいのでしょうか。  それで、そういう同じことを繰り返し聞いておいても貴重な時間ですから……。いま問題になっているのは、やはりそこの事業計画に対する財政的な規模なんでしょうか。それだとすると、どういう規模になっているのか。大体いま政府考えていることと、そしてあなたの言う日本の国の公害問題の峠といわれる三大公害地区の、しかも首都を含めての広大な地区から出ておる計画政府との折衝の内容を、いろいろの問題があるでしょうけれども、いまここで発表できる範囲で発表していただきたいと思うのです。
  158. 山中貞則

    山中国務大臣 私の答弁がちょっと明確でなかったようですが、計画方針を指示するということでございます。その時期を申し上げたわけです。それからまだそう具体的に押したり引いたりの議論をしているわけではありませんが、やはり東京と大阪において顕著に問題として提起されるであろうことは、その当該都道府県内だけで計画を立ててよろしいかどうかということ。たとえば大阪を例にとりますと、川の上流県がありますね。そういうところを計画外の地区としてほっておかれても、計画外としてレイアウトした場合に、下流県と申しますか、最終海に注ぐことになる大阪府というものが一生懸命にやった計画を幾ら達成できたとしても、上流からよごれてくれば、これはなかなかむずかしい問題がある。そこでどうしても上流の県、隣接県と申しますか、河川の接続県の一定の部分。隣接部分をこの計画の中にどのように取り入れるかという問題で、隣接の県のほうの御意向等がまた別にあります。それは部分的に取り上げてもらっては困る、やるなら自分たちの県も全体を取り入れてほしいという要望等もありますから、そこらのところを、やはり県境を越えてどうしてもやらなければならぬ範囲はどこまでかという問題が一番大きな議論の争点になろうかと思います。したがって、金額論争その他にはまだ入る前の段階でございます。
  159. 林百郎

    ○林(百)委員 御承知のとおり、千葉県の市原、四日市、水島が四十四年五月二十七日に基本方針の指示があって、それから計画の承認が四十五年十二月で、一年半かかっているわけですね。これはかさ上げ法案も通るかもしれないという、いろいろの思惑もあったと思いますけれども、しかし、こういう小さい市町村ですら一年半、基本方針の指示から計画承認までにかかっているわけですね。そうすると、ようやく方針指示をこの公害の最も激しい東京、大阪、神奈川に四月になさるということになると、あなたも公害で苦労なさった担当大臣ですけれども、あなたの大臣就任中に一体計画承認までこぎつけられるのですか。妙な質問になりますけれども、非常に不安だと思います。一体この計画が策定されるのがいつで、承認されるのはいつごろになるというお見通しをお持ちですか。それは、いまのところそこまではちょっと見通しをここで言うわけにいかないという段階でしょうか。
  160. 山中貞則

    山中国務大臣 私は七月中旬におそらくさよならすることになると思います。七月中旬に私は閣僚でなくなると思いますので、私の在任中に計画の承認まではまいらないであろうということであります。
  161. 林百郎

    ○林(百)委員 これは重大な発言で、みずから七月にはおやめになるなんという、えらいことをおっしゃっておいでになるのですけれども、私は別にそのことをおすすめしたわけではないので、できたら公害大臣として責任を果たしていただきたい。ことにあなたみずから峠と言われておられる東京、神奈川、大阪は計画承認までやり遂げていただきたい、こう思って質問したわけなんで、あなたにいつやめるかという、やめるときまでをお聞きしたわけじゃないのですけれども、それははなはだ残念です。  続いてお尋ねをしたいのですが、先ほどあなたも言われましたように、東京、大阪、神奈川にかりに計画承認があり、あるいは計画が策定されたとしても、隣接地域との関係があるわけですね、たとえば東京なら利根川とか、大阪なら淀川とか。この法案によりますと、そういう場合はどこでいくのでしょうか。おそらく第三条の三項の、公害防止計画が策定されてない地域実施される公害防止事業というところでいくのでしょうが。ここでいくとすれば、五号から七号だけが、自治大臣が各関係大臣と相談して国の補助について適用するというもので、あとはかさ上げがないわけですけれども、これは東京でいえば埼玉や千葉、大阪でいえば京都、そちらのほうの希望もあるでしょうし、また東京都として、あるいは大阪府としても、そちらのほうを起点にしてもらわなければ困るという問題もあるのです。そこの調整はどうなって、そしてかさ上げ関係はどうなるのでしょうか。
  162. 山中貞則

    山中国務大臣 これはいま林さんの言われた第二条の第五号ではないのです。いわゆる公害防止計画そのものです。ですから、公害防止計画公害防止地域にその都道府県の境界を越えてどこまで入れなければならないか、入れられるか、その了承を、今度は入れるほうの都道府県がその地域だけ入れればうんと言ってもらえるかどうかという問題等がセットされないと、東京、大阪等については特に顕著にその実効を期しがたい計画になるおそれがあるのではなかろうか。この点で、目的は実効をあげなければなりませんから、そのために隣接地域の必要な部分というものをもし取り入れるとすれば、それは公害防止計画そのもの、都道府県に適用された、総理大臣の承認された地域と同じ、かさ上げ対象地域になるということでございます。
  163. 林百郎

    ○林(百)委員 そうなりますと、その地域公害防止計画の中に組み込まなければならないことになるわけなんですけれども、そうすると、地域基本方針の指示は東京都、神奈川県、大阪府とあって、東京都は島しょ部を除く、神奈川は相模川以東、大阪府は全域の三地区とありますが、これは私のほうの地方行政委員会の調査室から出た資料ですが、そうすると、たとえば東京都に基本方針を指示するというけれども、東京都を越した埼玉、そういうところも基本計画の中に組み込めるという、そういう幅を持ったことになるわけなんでしょうか。
  164. 山中貞則

    山中国務大臣 そうしなければ、実効は期しがたいということを、ことに東京、大阪については痛感しておりますので、そこらの点をやはり前進すべき必要があると考えておるわけでございます。
  165. 林百郎

    ○林(百)委員 時間ですが、もう一問だけいいでしょうか。
  166. 菅太郎

    菅委員長 簡単に願います。
  167. 林百郎

    ○林(百)委員 条文でちょっと恐縮ですけれども、第二条の三項の八号なんですけれども、「前各号に掲げるもののほか、政令で定める事業」とあるのですけれども、これはかさ上げ部分も政令で定めることになるわけですけれども、この二条の三項の一号から七号までには、対象になる事業が入っているわけですが、この中で重要なのは、先ほど門司委員から地盤沈下対策事業が入っておらないではないかという話がありましたけれども、そのほか重要なのは、「公立の義務教育諸学校の移転又は施設整備の事業」とありますけれども、保育所だとか幼稚園、病院、私立学校——これはまあ企業としてやっていますけれども、私立学校、それから廃油処理施設、一般公共下水道の水道管の施設、こういう重要なのはずっとはずされておるわけなんですけれども、長官の考えている「前各号に掲げるもののほか、政令で定める事業」というものはどういうものをお考えになっているのでしょうか。そしてそのかさ上げは政令で定むるとあって、これも政令なものですからわからないので、政令が出ればこういう質問をあなたにする必要もないのですが、いまのうちに聞いておかぬと、あなたも七月におやめになるとかなんとか自分でおっしゃっているから、先に聞いておいたほうが確実だと思いますけれども、そこをひとつ御答弁願いたい。それで私の質問を終わります。
  168. 山中貞則

    山中国務大臣 どうも共産党の質問と私とはいつもやめる質問に参議院でも衆議院でもなっちゃってまずいのですが、そういう意味は、私の在任中にやれるかということでございましたから、七月改造を予定して申し上げたということで、一般論でございます。責任を回避する意味で申し上げたのではございません。  そこで、第二条第八号、これは先ほどは山口委員と学校移転の問題を取り上げました。これは実際現実に起こるだろうかという問題がありますが、起こるようだったらかけるということでありますが、その他いま想定しておりますのは、おもに畜舎、住宅、そういうものを考えておりますが、これは基本法律補助率というものが、個人の住宅の移転というものではないわけですから、そういうことを考えて、ただかさ上げというだけでは、基本法の問題もあって、これからの研究課題ということでございます。
  169. 林百郎

    ○林(百)委員 はなはだ不十分ですけれども、そうするともうこれでやめますが、保育所、幼稚園、病院、廃油処理場というような、ことに保育所、幼稚園、私立学校も重要、病院なども重要ですけれども、畜舎と住宅だけでしょうか。こういうものは入れるお考えはないでしょうか。これは非常に重要なことで、子供の生命に関することですが。
  170. 山中貞則

    山中国務大臣 これは畜舎、住宅と例を一応あげただけでして、そのような事態が起こり得るような公害というものがあるということであれば、おあげになったうち廃油処理場というのは、これはそれを移すということにはちょっとならぬと思いますから、ちょっと別な問題だと思いますが、公共的なものであり、かつまた非常に幼い子供たちの健康の問題であるとすれば、これはまた場合によっては畜舎などより優先すべきことであるかもしれませんので、これは学校と同じように扱うべき事柄だろうと考えます。
  171. 菅太郎

  172. 浜田幸一

    浜田委員 私はただいま大臣に御質問をさせていただきましたあとの問題ということで、具体的に内容をお伺いしておきたいと思います。  まず第一に、大蔵省の後藤主計官にお伺いいたしますが、いま私はここで例をまず四日市と市原ということで二つの例をとらせていただいて御質問申し上げたいのでございますが、たとえば四日市で公害発生する企業ですね、そういう企業、同時に市原市で公害発生する企業が国に払っている税金はどのくらいになるか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。  この問題についてなぜそういう質問をするかといいますと、私は、政府政府統一見解責任を果たすということになっておりますが、国家の義務を果たすということになっておりますが、当然その国家の義務を果たすことは国民全体の税金をいかに地元に還元するかということになっていると思うのです。   〔菅地方行政委員長退席、小林産業公害対策特別委員長着席〕 特に今回の法律案の改正の趣旨は、二分の一を国が責任を持ちます、あとの二分の一は地方公共団体であります。そうだとするならば、地方公共団体そのものの財源考えなければならない。ところが、一例をあげますと、四日市における企業においても、千葉県の市原市における企業においても、本社が東京である場合、事業税は全部東京都に入る。これは四日市においてもそうだと思います。そういう場合に、現在の税の取り扱い方そのものが、公平に、公害発生企業に対する公害除去のために正しい財源の吸収をし同時に支出がされているとは思えないのです。そういう質問の論点に立って私は主計官にお尋ねをするわけであります。数字といいましてもなかなかたいへんかもしれませんが、ひとつ四日市と市原の例をとってお伺いしたいと思いますが、どの程度の税金が国に入っておるのか、ひとつお伺いをしたいと思います。
  173. 西村彦一

    ○西村説明員 ただいま市原市とそれから四日市の税金の国税の収入について御質問がございました。市原市、木更津の税務署につきましては、四十四年度の徴収決定済み、これが百十四億四千九百万円でございます。これはすべての税金、所得税、源泉、法人税等その他を入れました全部の税金でございます。  それから四日市税務署の同じく昭和四十四年度の税収は、三百五十億九百万円でございます。
  174. 浜田幸一

    浜田委員 そういたしますと、市原においては木更津税務署に百十四億、四日市においては約三百五十億ということでありますが、この法律がつくり上げられました中で、この法律の精神によって四日市と市原市に、今度は逆に、この法律が制定された場合に還元される額というのは、どの程度になるとお考えになっておりますか。
  175. 後藤正

    ○後藤説明員 先ほど先生から御質問ございました事業税等につきましては、本社所在地で納付されますけれども、御案内のように、従業員割とか固定資産税割とかいうふうな形で、それぞれの当該工場のあるところに、還元をされております。先ほどの御質問に関連してちょっとお答えいたします。  それから、問題になっております市原、四日市でございますが、ちょっと統計が古うございますが、一般財源として市原が三十五億、四日市が四十一億というふうな一般財源の金額になっております。  それから、現在のところ公害関係の経費が、一般財源で、大体四十五年度で比率として六%ないし七%というものが公害関係事業として支出されておりますが、今回の措置では、結局現在の三分の一ないし十分の四が大体二分の一ということになります。そうしますと、六六%の負担が五〇%程度に減るわけでございますので、したがって、従来の負担から考えますと、三割ないし四割の負担軽減になる。私ども今度の計画に従いましていわば将来を見通しますと、この四日市はちょっと税の伸びが悪いわけでございますけれども、市原、千葉等の場合には、過去四十一年から四十四年まで地方税が二二、三%伸びております。したがいまして、この計画によりまして今後公害事業をやりましても、先ほど申し上げました六%、七%の事業費負担というものが漸次下がってまいりまして四、五%になる。何ら特例措置をしなくても従来どおりの税収の伸びがある限りは、その程度に下がっていくということでございます。ただ、先ほど総務長官が申しておりますような、公害事業の非常に緊要性と申しますか、それと国の責任をはっきりするというふうな意味合いにおきまして、今回御審議願っておるような特例法案を出したという次第でございます。
  176. 浜田幸一

    浜田委員 関連してお伺いしますが、たとえば、いま大臣はお帰りになったわけですけれども公害には果てしなく財源がかかるであろう、その財源の額は明確にはできないという御答弁だったのですけれども、現在公害対策費として、政府統一見解で国の責務を果たそうということで一千億程度の財源大蔵は計上しておりまするけれども、私は、重要法案を通過さした今日の段階でも、それだけの予算では——光化学スモッグもこの夏になればやってくるであろう、おそらくこれは長い戦いになると思う。そこで一番大事なことは、大蔵省財源をもっと多く支出するところにあると思う。  それを前提としてお伺いをしたいのでありますけれども公害の、これはばかばかしい論議だとか幼稚な論議だとかいうようなことで片をつけないで、一回考えてもらいたいのでありますが、公害発生企業からあがった税を、積極的に法律をつくるなり何なりして、その地方に還元させる、そういう特例措置等については考えたことがあるかないか、これが一点です。でないと、逆に都道府県の場合、その二分の一をいやがおうでも負担しなければなりません。その場合に、財源の求め方が非常に困難になってくると思うのです。ほんとうからいきますと、私はここで、事業税で吸い上げられて東京都なら東京へ入っている金は各県に還元できないのか、このことをお伺いしたいのでありますが、その数字も合わせてお答えいただければ非常に参考になると思います。  私は千葉県出身でありますから、千葉県の例をとって質問さしていただきたいと思いますが、たとえば千葉県は経済の伸びが確かにあります。でありますから、財政的にはいまのところ苦しいながらも何とかやりくりはできる。しかし、公害は千葉県に残る。本社のあるところには、東京には事業税が全部あげられてしまう。東京都知事はかっこうのいいことを言っておる。そういう場合に、救われないわれわれの問題をどうするか。千葉県は千葉県なりの県条例をつくって、そして政府の案と法律と合致させた形で公害撲滅運動を戦っていく。その場合に、法律はきびしく出てくるけれども予算がついていないという場合に、それは公害との戦いができなくなる。  そういう点から、ひとつ主計官にお伺いしたいのでありますが、そういう事業税を東京都から千葉県に——これは各都道府県に対して何らか配分率によって分け合うようなことを大蔵省考えるわけにはいかぬのでしょうか。その点ひとつお伺いしておきます。
  177. 後藤正

    ○後藤説明員 自治省の税務局からお答えするのが筋合いと思いますけれども、現在の事業税につきましても、いわゆる分割法人——大法人につきましては、先生御指摘のように、それぞれの本社で一括入るわけでございますが、それぞれの工場、事業所の所在地につきましては、従業員割とか固定資産税割とかいうふうなものを基準に、全部それぞれの事業所所在地に配分をしておる。しかも、最近におきましては、本社につきましては従業員を二分の一にするとかいうようにして、本社のほうは、どちらかというと東京とか大阪でございますので、できるだけ押えて、その他の地方に還元をするというふうな措置を強化してまいっておるというのが、従来からの経緯でございます。
  178. 浜田幸一

    浜田委員 その点、それでは自治省にお伺いいたします。  大石政務次官にお伺いしますが、いま、公害、大気汚染ですね、亜硫酸ガス、そういうものを数多く発生する企業というのは、オートメーション化いたしまして、非常に人間が少ないですね。いま主計官の説明を聞きますと、そういう人員割において税を返す、こういうことだそうですけれども、オートメーション化された時点では非常に人間が少ないのですね。たとえば出光なら出光さんにしても、公害は出すけれども、人間を使っている数というのは非常に少ないのです。そういう少ない形の中で税の配分をされるということであっても、それは正しい算定の根拠にはならないと思うのですが、その点、政務次官、どうお考えでしょうか。
  179. 大石八治

    ○大石政府委員 そういうこともございましたので、本社にいる人数は、これを、百人いても五十人にするという算定のしかたにしまして、あとの五十人を工場のあるほうへぶつけるという改正を今度のでやったわけでございます。
  180. 浜田幸一

    浜田委員 それではもう一歩、これは政務次官でなく長野財政局長にお伺いしますが、たとえば東京都に本社のある、公害発生する工場群が県にある。その公害発生する工場から吸い上げられる税金が、何で本社のある東京に事業税として入るのですか。先ほど大臣答弁をしておった。社会開発資金というものは、これは政府責任であって、それはその当時の経済規模というものを考えないからそういうことが起こったのだ。しかし、新しい経済規模をつくり上げていく段階の中では、当然そういう税徴収、税の配分の問題についても、私はあらためて考えていただくのが当然だと思うのですが、その点は、いままで固定された考え方だけで税を配分するという形ではなしに、新しい時代に即応したものの考え方を、ぜひ徴収官であるあなたのほうでお考えをいただくわけにはいかないでしょうか、その点お伺いだけしておきます。長野財政局長、お答えいただきます。
  181. 大石八治

    ○大石政府委員 財政局長からあとからお答えをさせますけれども、法人税の関係等が別にあるわけですが、工場ができた場合は、いわゆる市町村にその工場の施設としては償却資産及び固定分ともに固定資産税として市町村の財源になるわけです。工場ができる場合は不動産取得税というものを県税でやるわけです。それで事業税の配分につきましては、先ほどお話しのような問題もありますので、実は最近の大企業はいわゆるオートメ的な管理システムになっておりまして、従業員数で割ってはどうもまずいというところから、現実に本社を半分にするというやり方を実はしているわけであります。ですから、なおそれ以上にいろいろのことで考えがあるかということだと伺いますが、あるいはその分をもっとやれということか、御質問の意味が明確ではございませんが、そこのところであれば、また財政局長からお答えを申し上げます。
  182. 浜田幸一

    浜田委員 質問の内容が明確でないとすれば、政務次官に謝罪をいたさなければなりませんが、わからないのはあなたのほうで、私の言っていることは、公害発生する企業の工場は各道府県にあるわけですが、事業主体の本社は東京にあって、なぜその事業税が東京都に入らなければいかぬのかと聞いておるのですよ。そんな考え方でいったら、関東電力などの電力事業なんかこれから千葉県へ一社もできませんよ。同時に各都道府県だって受け入れるところは全くなくなるでしょう。電力供給を正しく考えるためにも、その地帯に公害発生させるそういうところから取得するところの事業税というものは都道府県に配分するとか、そういう考え方をもっていかなければならぬ。  では一つだけ政務次官にお伺いしておきますが、これから電力を供給してくる県がどこかありますか。そういう基本的な問題からお答えいただきたい。また、そういうものをお考えになったことがございませんかという御質問を申し上げているのです。私は政務次官に質問の意味がわからぬというようなことを言われる筋合いは全くないと思うのですよ。  ではあなたにお伺いしますが、何で東京都に事業税が入っていくのか。それは法律で定められているから入るのだという答弁しか出ないでしょう。それでは何も改革がないじゃないですか。社会資本を改革するといっても、大蔵省で定められた予算の中だけで社会資本の改革はできないでしょう。その点どうなんですか。私の質問が悪かったら、あなたのほうが先輩ですから、私の質問が誤って出ていかないように、もう少しやさしく答弁してください。
  183. 大石八治

    ○大石政府委員 事業税の配分についてさらに検討する必要があるのではないかという点については、私も同意見でございます。ただ、公害工場の事業税についてはという限定された意味で御質問をなさるとすれば、私もそこはいま直ちに返事ができないということでございます。
  184. 浜田幸一

    浜田委員 それでは、これは長野さんにお伺いしたいのですが、公害だけではなしに、住民感情としてそういう意見がありまして、実は千葉県に対して電力供給の場を提供しろということで、いま千葉県でも相当問題になっているのです。銚子でもこれを断わった。ところが、君津火力発電所、ここは新日本製鉄のすぐそばにあるのですけれども、そこの生産も増大させなければならない。通産省なんか特に公害公害で騒いでいるが、ミナス原油が入らないのに、佐藤内閣総理大臣の命によりということで、市原火力発電所ほか三つの火力発電所を二倍生産するように指示通達をしている。幾ら規制をしたって、ミナス原油が入らない限り大気汚染の公害は増大していくのです。  そういう場合に、公害防止をする前提に立つものは何であるかといえば、人間の知恵と財源以外にないでしょう。その財源が足りないというならば、国が責任を二分の一果たすとするならば、県が二分の一果たす場合でも、財源負担しやすい条件というものは当然政府のあたたかい姿勢の中で考えていかなければ、県知事が電力供給に協力するような形はとっていけないのではないかというのが私の見解です。  でもこの問題については、私は一般的な事業税の問題として、私は東京都の美濃部は大きらいですから、千葉県の事業税を何で東京都に納めなければいかぬのか、このことについてははっきりしておきたいと思いますからお伺いをしておるのです。われわれが犠牲を払ってつくった工場の事業税を何で東京都に払わなければいかぬのですか。その点を一点だけ聞いて、その質問は終わります。
  185. 長野士郎

    ○長野政府委員 本社のあるところになぜ払うのかというお話だと思いますが、これは法人として一つの経営体としてやっておるものでございますから、そういう意味で、事務所の所在地というものをとらまえておる。しかしながら、そのとらまえ方が、いまの公害とかそういうものに関連して、そこだけに厚くなっているようなかっこうの実態はおかしいのではないか、こういう御趣旨だと思います。  そこで、先ほど政務次官もお答えいたしましたように、東京都に上がりますその事業税について工場の所在地の府県にいろいろ配分をしているわけでございますけれども、その配分の基準の中には、本社にあまり片寄らないようにしたいということで、従業員の数でも本社におる人間は半分に切り下げていくとかいろいろやっておりますけれども、まだ実態は、御意見のように、本社所在地に片寄り過ぎているじゃないかという問題があるわけでございます。そこで、たしか千葉のほうでも御提案がありまして、発生電力量とかなんとかを考えろというような御意見もあります。これは税務局が主管しておりますけれども、そういう意味での配分につきましてもっと考えなければいけないということで、いま検討をしておるまっ最中でございます。確かに事態の推移に応じてそういうものの改革はこれからも十分行なわなければならないと思っています。
  186. 浜田幸一

    浜田委員 いま、まことに当を得た御答弁をいただきまして感謝をいたします。この問題についてはいますぐ結論を出せる問題ではないのですけれども、東京都の過密態勢を地方に分散をするとか、いろいろなところでいろいろな話がされているのに、国の政治の根幹である税の地方還元措置を新しく考えていただかない限り、過密、過疎の問題も基本的なレールに乗っていかないと私は思いますから、この点についてはひとつぜひ御努力をいただくようにお願いをしておきます。  質問時間が限られておりまするので、次の質問に入らしていただきますが、大蔵省の本年度予算の一千数十億円の問題であります。この問題は、私が大蔵大臣質問しましたときには、きょう出されているかさ上げ法案とかあるいは金融面の援助とか、そういう点で公害を撲滅するような体制を必ずつくると言われたのですけれどもかさ上げ法が出てきたときたまたま二分の一だったわけですね。これは大臣に聞きたかったのですけれども野党は四分の三なんですよ。政府与党が政治を行なっていて二分の一の法案を出さなければいけない。野党公害を撲滅するために四分の三出す。先ほど自治大臣は額がわからないということでしたから、あなた方は野党案についても御検討のことだと思いますので、もしこの法案の内容で二分の一の支出の場合と四分の三を支出する場合のその差額金は幾らになりますか。その点をお聞かせいただけますか。
  187. 後藤正

    ○後藤説明員 いまの先生の御質問でございますが、さしあたりは千葉・市原とか四日市、水島、そのほか今後東京、大阪、神奈川といったようなところ、それからその後にも総理府の計画ではまだ四地域とか五地域とかいうことで、漸次、経済の成長等につれて公害に指定されていく地域はどんどん広がっていくだろうと思います。それで、現在のところ大体が三分の一、十分の四でございますから、四分の三ということになると国の負担は倍になるわけでございます。先生、社会党等から四分の三の法案が出ておって、これが二分の一だということでございますけれども、私どもといたしましては、事業の性格であるとか、それから当該受益者負担があるかどうかとか、あるいは当該事業実施主体の財政状況がどうであるとか、いろんなことを勘案しまして、大体さしあたりいま指定されておる地域は、これはいわば地方交付税法上は全部不交付団体でございますし、それから税収の伸びもよろしい、それから一般財源に占める普通建設事業のシェアも非常に高いと申しますか、それから公債費の割合でございますが、これも大体八とか一〇とかいうのが全市町村平均でございますが、いま問題になっております三地域は公債費割合が四%。それから現債高にしましても、通常の団体は、全市町村の平均は単年度の一般財源に対して七〇ないし八〇くらいの地方債をかかえておるわけでございますが、この地域は大体六十数%。いろんなことがございますので、そういうことをもろもろ考えながら、やはり財政当局としては精一ぱいの御協力を申し上げておるということでございます。
  188. 浜田幸一

    浜田委員 それでは、大蔵省に最後にもう一点だけお伺いしておきますが、実はこの間大蔵大臣に、中山正暉先生と一緒に大阪の産業廃棄物の問題でお願いに上がって、これは予算をつけてもらいました。約十億円程度御配慮いただいて感謝いたしておりますが、ただ、その場合に、二分の一のかさ上げということになった場合に、産業廃棄物の問題は手をかけただけでやめるようなことのないように、産業廃棄物の問題については格段の御配慮をいただくように、これは特にお願いをしておきたいと思います。手をかけただけで、金がかかり過ぎるからだめだということのないように、特に主計官にお願いをしておきます。ひとつよろしくお願いいたします。御答弁はけっこうでございます。  それから、この法案によりますと、下水道の終末処理が出ておりますが、これは各都道府県で一番困りますのは、その終末処理については二分の一補助する、ところが、それを住宅とか工場から持っていくパイプラインについては触れていないのです。終末処理をつくるよりもパイプをつくることのほうが金のかかる場合、実際にはできないということになるわけですね。その点終末処理並びにそこまで引っぱってくるまでの経費、これをなぜあわせて加えていただけないのか、この点をお伺いしたいと思います。
  189. 石川邦夫

    ○石川説明員 公共下水道につきましては、この法律では御指摘のとおり終末処理場だけがかさ上げ対象になっておるのでございますが、これは下水道事業全体の問題でございます。御承知のように、現在下水道事業は非常に普及率が低い、たいへんにおくれておるというふうな状況でございまして、現在の時点では下水道事業全体を伸ばすということがまず第一に考えられなければならないというふうな状況にあるわけでございます。さきに閣議決定されました五カ年計画におきましても、そういうふうな補助率かさ上げということもさることながら、全体としての事業量を確保するというところに重点が置かれておるわけでございまして、今回の法案におきましても、そういう観点から、やはり公害に最も関係の深い処理場に重点を置いたというふうなことになっておるのかと承知いたしております。
  190. 浜田幸一

    浜田委員 そうすると、終末処理はそういう形でやるけれども、あとの問題は下水道全体の予算の中で考えるということですね。ということは、下水道ができないということだ。二兆六千億円で五カ年計画を出したって、全体の計画で五年後に三八%でしょう。あとの六二%は手をつけられないとすれば、その全体計画予算そのものが三八%分しかなくて、三八%分の終末処理ですか、それだけしかやらないとすれば、実際にはこの立ちおくれはもっとひどくなるという解釈でよろしいのですか。少なくとも、法の精神としては、終末処理をやる場合にはそこまで引っぱってくるまでのパイプライン、そういうものについても事業費として設定して認めるという姿勢が当然ではないですか。これはお役所根性で、こっちは建設省、こっちは厚生省、こっちは自治省とか、そういうことのあらわれがこういうことになって出てきておるのと違いますか。その点いかがでしょうか。
  191. 石川邦夫

    ○石川説明員 下水道に対する補助国費の出し方がこれまで低かったわけでございますが、第三次五カ年計画におきましては、この点を改善いたしまして国費率を上げております。公共下水道につきましては、従来の比率を上げましてできるだけ公共下水道が完備できるようにというふうに考えておるわけでございます。ただ、御指摘のように、三次五カ年計画を遂行いたしましても普及率はまだまだ三八%にとどまるというのは事実でございます。こういう中で、やはり国費を上げますと同時に、今回の下水道計画、特に四十六年度等におきましては地方債の改善というふうなこともはかられておるわけでございますので、両々相まってこの下水道計画は遂行できるというふうに考えております。
  192. 浜田幸一

    浜田委員 もう一点建設省にお伺いしますが、港湾関係はこれは建設省関係ですか、どこですか。私はヘドロのことを聞きたいのですが、これはどこになりますか。——植松さんですね。この場合特にヘドロとは書いてないのですけれども、港湾と書いてありますね。河川、港湾等浄化事業ということですけれども、ヘドロを排除する事業というのはやはりこの中に入っておるのですか。入っておる場合に、どこか日本全国でヘドロをなくすための事業計画を指導しておるところがあるかどうか、特に例があったら取り上げてみてください。もし十九条の該当としてヘドロ対策をお考えいただけるとするなら、十九条以外で、二十三条で取り上げられて、二十三条の地域でもたとえばヘドロを除去しなければならないようなところがある場合には、やはりこの法の精神を生かして解決していただけるのかどうか、その点ひとつお伺いします。
  193. 植松守雄

    ○植松説明員 いま言われましたところのしゅんせつ事業の中にはヘドロのしゅんせつは当然入ります。そしてまたそれと同時に、これは十九条の公害防止地域だけではなくて、それ以外の地域につきましても、自治大臣関係大臣と協議して定めた事業については適用されるわけでございます。  それともう一つ質問でございますが、いまそういう事業を統括しておるところがあるかというお話でございますが、現在河川につきましては建設省、港湾につきましては運輸省というような分担になっております。それぞれの事業の施行はいま申しましたような分担になっておるわけでございます。しかし、全体の計画につきましては、それらを統括して現在では公害対策本部がその辺の仕事をやるということになっております。環境庁が発足いたしますと、環境庁に水質保全局というのができますから、そこで統一してやるということになると思います。
  194. 浜田幸一

    浜田委員 ヘドロ事業は、それでは東京湾を例にあげてお伺いしますが、東京湾のヘドロをどの程度まできれいにするつもりかわかりませんが、東京湾のヘドロ対策をするのに、法の精神は十カ年間に限られていますから、十カ年の間にヘドロをなくす場合に、審議官、大体どれくらい金がおかかりになると思っていますか。これはいやがらせを言う質問じゃないのですけれども、ヘドロがこの中に入っているとすれば、当然どこかしらかで指導理念が発揮されていかなければならないと思う。この肝心な問題になるとだれも責任ある答弁をしてくれないのです。もっと具体的な質問をしますが、あなたは東京湾のヘドロをほんとになくせますか。その点からお伺いしましょう。
  195. 植松守雄

    ○植松説明員 ヘドロのしゅんせつといいましても、確かにいろんな態様があろうかと思います。たとえばいまの田子浦のヘドロのように現に港湾機能が麻痺される寸前まで行ったというような問題は、これはまさに公害だと思います。それからまた、ヘドロの中に有害物質を含んでおりまして、それで人の健康を守るため早急に処置をしなければならないというのも、これまた公害除去のためのヘドロのしゅんせつでございます。またそれと同時に、一般的な河川の流量の確保であるとか、洪水対策といったようなことでしゅんせつをしなければならない、その辺になりますと、これはもう公害のためのしゅんせつ事業とはいえないのではないかと思います。いまおっしゃいました隅田川のヘドロにつきましては、これはいろんな要素を含んだものであろうかと思います。したがいまして、すべてが公害対策としてのヘドロのしゅんせつ事業であるというようにはいえないのではないかと思います。  さらに、いま端的にお尋ねになりました隅田川のヘドロにどの程度の事業費がかかるかというお話でございますが、それにつきましては、いま私は具体的なデータを持っておりませんが、これはもうおっしゃるとおり、たいへんな事業費になるだろうと思います。
  196. 浜田幸一

    浜田委員 これは、またあとで直接議論をさしていただきたいと思いますが、もう一つ自治省にお伺いします。政務次官、今度はいい質問をいたしますから……。  下水道の問題なんですけれども、たとえば受益者負担金を取っているところは、大体現在の補助率四〇%ぐらいになっておりますが、ただ富裕県になりまして、いままで非常に苦労して受益者負担金を徴収しないでやってきたところ、そういうところは、指定都市の平均が大体二%程度なんですね。これは都市対策そのものとして、この点について私は矛盾を感ずるのですが、その点はいかがでしょうか。
  197. 大石八治

    ○大石政府委員 やや建設省専管分野の部分だと思いますから、建設省のほうからお答えいたさせます。
  198. 石川邦夫

    ○石川説明員 現在、公共下水道実施いたしておる都市二百五十程度でございますが、その六割程度が受益者負担金を徴収しております。御指摘のように、大都市は、いろいろな事情で受益者負担金を徴収しておりません。ただ受益者負担金を徴収するかしないかによりまして、補助率を違えるということはございません。ただ、大都市と一般都市につきましては、やはり大都市がかなりストックがある、あるいは財政の余力があるということで補助対象率の取り方が違っております。その関係でやはり地方都市、一般都市につきましては、国費の出かたが多い、大都市については、むしろ起債等による分が多いというふうなことになる、そういう差があるのが実情でございます。
  199. 浜田幸一

    浜田委員 そうしますと、地方都市については、私は納得できますが、そうすると、税の公平な配分という点からいって、富裕県と見られるところについては起債でめんどうを見る、しかし補助額は現行のままでやるしかしかたがないというふうな答弁のように聞こえましたが、もう一回その点御答弁いただけますか。
  200. 石川邦夫

    ○石川説明員 先ほどお答えいたしましたように、現在国の補助対象率というものが、公共下水道というものにつきましては、三次計画においては引き上げられましたけれども、まだ依然として低いわけでございますので、この中でやはり地方財政力等をも見ながら適正な国費を出していくというふうなことが必要であろうかと思います。したがいまして、御指摘のように、大都市につきましては、やはり地方に比べまして国費の出る率が低いというふうなことになっておるわけでございます。
  201. 浜田幸一

    浜田委員 これは例を大阪にとらしていただきますと、大阪府は御案内のように、非常な富裕府県なんですね。ところが、大阪市という団体があるわけだけれども、大阪市は非常に貧しいわけですよ。そういう場合の取り扱いは、一体どういうことになるわけですか。これは都道府県は大阪だけれども、市はやはり大阪府の中の大阪市なんですね。そういうやはり富裕県並みに取り扱うということになると、都市公害を解決するにあたって非常に矛盾に考えられませんか。その点ひとつお答えいただきたい。
  202. 石川邦夫

    ○石川説明員 われわれ取り扱いにおきましては、指定都市と一般都市というふうな差をつけているわけでございまして、確かに御指摘のように、大阪市という、東京都と比べますと財政力という点から見ると若干差があるかと思います。しかしながら、大阪市なんかの場合、普及率もかなり高いわけでございまして、一般都市のこれから下水道を施行しようというところと比べますと、やはり能力はあるというふうに考えているわけでございまして、その点全体としての国費を高めるということが今後の問題かと思いますが、現在の計画では、先ほど申し上げたような状況になっているわけでございます。
  203. 浜田幸一

    浜田委員 この問題については議論をいたさなければならないと思いますが、特に私はお願いをしておきますが、やはり大阪府は富裕府県であって、大阪市そのものが交付団体であったとすれば、その点の補助の配分については十分な御配慮をいただくように御努力いただきたいと思いますが、その点御答弁いただけますか。これは一例でありますが、そこに私はやはり税交付の矛盾があると言わざるを得ないと思うのです。特に公害の解決の問題でありますから、その点については御配慮をいただいておきたい、このように特にお願いをいたしておきます。  次に、厚生省にお伺いをいたしたいと思います。大気汚染等の地方の監視測定施設に対する補助金の関係はどうなっているか、このことについてお伺いしますが、これは現在調べてみると八億四千万で、二分の一になると四億数千万ということになりますか、これは私の記憶に誤りがあったらいけませんので、まず数字からお伺いしたいと思います。
  204. 曾根田郁夫

    ○曾根田政府委員 お答えいたします。  大気汚染関係の監視測定施設整備の経費は、国設分も地方補助金も全部含めまして納三億三千万円でございます。
  205. 浜田幸一

    浜田委員 三億三千万という額は、この法案が通った場合に幾らか上がるということですか。
  206. 曾根田郁夫

    ○曾根田政府委員 三億三千万は、四十六年度の予算でございまして、この中で地方公害監視測定施設整備の補助金が二億八千万でございます。この二億八千万は、本年度に比べますと、本年度が一億四千六百万程度でございますから、約倍になっているということでございます。
  207. 浜田幸一

    浜田委員 これだけこれから大型プロジェクトをつくって、公害全体を排除しなければならないといわれており、公害国会まで開いて、法律を十四も十五もつくって、それでこれから公害を監視して、公害を除去していくにあたって、九兆数千億の予算の中から三億三千万という監視測定の予算だけであらゆる公害の測定ができますか。これは大気汚染ですよ。これは個所からすれば、調査しなければならない個所が数十カ所あるでしょう。その点どう思っておられますか。予算が足りると思っておられますか。足りないと思っておられますか。
  208. 曾根田郁夫

    ○曾根田政府委員 御指摘のように、特に昨年暮れの臨時国会で、従来の地域指定制が廃止になりまして、全国津々浦々に規制が及ぶようになったことを考えますと、この予算につきましては、私どものほうといたしましても、これで十分であるとは決して思っておりません。今後とも努力いたしたいと思います。
  209. 浜田幸一

    浜田委員 この問題については、大蔵省は帰ったようですが、この中で政治家は政務次官一人ですから、政務次官にお願いしておきます。  政務次官、今後の公害の排除のやはり基本になるものは大気汚染の規制で、これは実際に法律の中で排出規制を定めておりますけれども、これを完全に国民の側に立って監視測定するものが行き届かなければ法律の精神というものは生きないと思いますから、これは政務次官会議なり大臣折衝会議の中で、できましたら将来四十七年度の予算編成でもけっこうでございますし、また足りなくなったら予備費の充当でもけっこうでありますから、この問題については、この予算はできるだけ増額していただくようにこの際特にお願いをしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  210. 大石八治

    ○大石政府委員 機器を設置して測定をする事業につきましては、条文の号数を忘れましたが、いわゆる計画地域でなくても自治大臣が主務大臣と協議をして指定する地域ではかさ上げをすることができる事業の中に入っておりますから、これは予算的には四十六年分は四十七年につけるようになるわけでございます。したがいまして、そういう地域については自治大臣が必要と認めれば、所管の大臣と話をして、いまの三県とか何か以外にもやれることになっておりますから、御趣旨に沿って努力いたしたいと思います。
  211. 浜田幸一

    浜田委員 主計官が参りましたから、後藤主計官にお願いしておきますが、いま大気汚染の監視測定の予算の問題で質問をいたしましたら三億三千万円であるということでありますが、公害立法も、これは政令で定めるところまでいきまして排出基準が非常にうるさくなった。これで国民の生命が守れるのだというような御答弁がいただけるような状態になってきたときに、実際に法の精神を生かすためには監視測定の十分な配慮がなされなければならないと思うのですが、この予算等については公害を正しく駆逐する意味合いにおいて、予算案決定のおりにおいては、特にこの際増額をお願いしておきたいと思いますが、ひとつ御答弁いただけますか。
  212. 後藤正

    ○後藤説明員 先生御案内のように、ことしの四十六年度予算案におきましては、監視測定とか公共下水道だとかを含めまして昨年より約四〇%増しの九百三十一億、それから財政融資等で千七百億くらい、それから租税と関税等の減免等を入れて、約三千億の措置がなされておりますが、なお地方交付税につきましても保健所とか監視測定体制の整備とか衛生研究所とか、そういった意味の運営費とか措置費等を含めまして、昨年の普通交付税の三十億が約百六十億というふうな計上がなされておりますが、やはり公害問題の重要性というふうなことを勘案しながら今後とも努力してまいる、前向きに取り組んでまいる、かように考えております。  三億三千万につきましては、私は直接折衝しておりませんので、そこの点はちょっとわかりかねます。
  213. 浜田幸一

    浜田委員 政府がいま御答弁されていることですが、去年の夏になって光化学スモッグがやってきた。しかし、それが何の理由であるのかわからない。そういうことで、またわれわれはわが党の政府が追及されるのがいやですから、でき得るならば早目にそういうことをやっておいていただきたいということをお願いいたしておるのですから、しゃくし定木的な——野人的な質問に対しては野人的な主計官として御答弁をしていただくようにしていただかないと、われわれの戦いはむしろ野党との対決じゃなくて、官僚対われわれ野人の戦いだと思っておるわけですから、もう少し明確な御答弁をいただきたいと思います。  それはそれでけっこうでございますが、まず私はもう一点、これは公害対策本部の審議官にお伺いしますが、もらい公害というものがある。たとえばこれは私の卑近な例で地元のことでたいへん恐縮ですが、私の地元の木更津市でありますが、右側に市原の工業地帯がある。左側に新日本製鉄がある。北風が吹きますと、市原市の工業地帯から大気汚染の公害関係のものが全部木更津市にやってくる。北風が吹きますとそういう状態。今度逆に西風が吹きますと、新日本製鉄関係のものが木更津市内にわっと押し寄せてくる。ところが、被害を受ける木更津市は何もまだ工場がない。大規模償却資産にしても何にしても、先ほど税金で発表された問題にしても、木更津税務署に入っておるということでありますが、実際に木更津市は、二分の一の法案ができました場合でも、十九条の中では適用されないで二十三条のところになってしまう。おそらくこういう問題については特例として配慮するという形のものがどこかに明記されなければならないと思うのです。この法律の中で本来であるなら特殊のもらい公害、これは隣接公害といいますか、そういうものについては法の精神を生かして解決をすべきであると思うのです。そういうものが法律の中に盛り込まれてもいいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  214. 植松守雄

    ○植松説明員 いまもらい公害ということを言われたわけでありますが、隣接地方団体にまたがった公害というものは、広い意味で考えますといろいろな措置考えられると思います。まず、いま具体的にお話しになりましたのは、いわゆる大気汚染でございます。大気汚染につきましては、何といってもこれは発生源対策で、発生源の企業がその発生源で押えますと、これは発生源で抑制されるわけでございますから、それの周辺に及ぼす影響というのもそれだけ減ってくるということになってくるわけでございます。それから、先ほど論議がございましたように、水質汚濁等につきましていわゆる県際河川と申しますか、数都道府県にまたがるような河川については、共同で水質汚濁防止のための対策を立てる。そのために要すれば公害防止地域を拡大していくというようなことが考えられるわけでございます。それからもう一つ、測定機器の問題があろうかと思いますが、測定機器の整備等につきましては、十九条の指定地域のみならず、その他の地域についても自治大臣関係大臣の協議で指定をすれば、このかさ上げ法案が適用されるという形になっておるわけでございまして、さらにことしの予算で数府県にまたがるところの広域的な監視体制を整備するための予算も配慮されておるわけでございます。
  215. 浜田幸一

    浜田委員 ちょっと関連してお伺いしますが、そうすると、自治大臣とどこかの大臣と相談をすれば、木更津市も十九条の適用地域になるということですか。その点そういう法律趣旨を生かして御配慮いただけるということですか。いまの段階では、そういう測定機器を設ける場合でも自治省に対して陳情し、あらゆるところに陳情して御配慮いただくということで、法律で守られる状態は一つもないわけです。大臣大臣が相談すればその法の適用が受けられるのだということだとすれば、この法律の精神を生かして、どこかの条項に、たとえばこれは提案理由の説明に「第二に、公害防止計画作成地域以外の地域についても、河川、港湾等浄化事業」云々ということを書いてありますが、ここの第二のイならイとして、特に隣接地域においてもらい公害を受ける可能性のある地域については格段の配慮をするとか、大臣と相談の上これを定めることができるとか、そういうものを入れていただくほうがはっきりしていいんじゃないでしょうか。たとえばいまの場合、いまの御答弁を聞いていますと、実際に何かやってもらえるのかもらえぬのか、わからないような答弁なんですね。木更津市の場合、西風と北風に悩まされるのですよ。それは大気汚染だといったって、いま規制を強める強めるということだけれども、強めながら市原同然です。今度は発電量は二倍にしましたよ。そうすると、ミナスは大体十分の一しかないのに、排出規制で幾らとめたって、これは低硫黄のものをたかないでどんどんたいていったら、脱硫装置も新しいものをつけたわけでもない。そうだとすれば、それは近隣に及ぼす影響は大でしょう。しょうがないから千葉県では、そういうものを後背地整備計画資金の中から、特に測定予算とかそういうものについては県の中で考えて出してやりなさいということをいっておるわけですよ。ところが、国に対してはそれを主張するものはないわけですから、その点これはここできちんとした御答弁をいただきたいと思うのは、そういう地域も含めて法の精神を生かすという御答弁をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  216. 植松守雄

    ○植松説明員 根本の対策は、言うまでもなく、これは機器の整備よりも、発生源対策としてのいま言われた低硫黄重油を確保してそれを燃料として使用するということであろうと思います。そこで、しかし問題は同時に機器の整備の話がございますので、その点につきましては、現在提案しておりますかさ上げ法案は確かに十九条の地域だけではなくて、それ以外の地域についても自治大臣関係大臣が協議すれば適用があるという項目になっておることは事実でございます。  そこで、具体的に木更津が入るか入らないかということでございますが、その場合に関係大臣が協議してどういう地域を指定するかということの基準を定めなければならない。それで、いま自治省考えておられる基準はいろいろ——たとえば一つの簡易測定センターを設けるような場合であるとか、いろいろなことがいま考えられておるようでございます。主管の本省はもちろん自治省になるわけでございますけれども、確かに私としましては、広域的な測定体制の整備というようなこともその際にひとつ考えなければならない項目ではないかというように考えております。
  217. 小林信一

    ○小林委員長 速記をやめてください。   〔速記中止〕
  218. 小林信一

    ○小林委員長 速記を始めて。
  219. 浜田幸一

    浜田委員 最後に建設省に要望だけ申し上げておきますが、先ほどの下水道の問題、大阪市の問題、私は説明に納得のいかないところがありますから、私も大阪府出身の若手国会議員を動員してお待ちしておりますから、一回われわれの納得がいくまで説明していただきたい。特に、そういう事業予算を策定する場合においては配慮ある行為——大阪府は富裕県であって、大阪市は交付団体ですから、そういうものについては完全なる配慮をするということをお願いいたしておきます。  それからもう一つは、いまの審議官の木更津が入るか入らないか知らないけれどもという御答弁なんですけれども被害を受けているのは木更津なんですよ。西風が吹けば、北風が吹けばということで、被害を受けているということは間違いないんだから、どこかに入れて、どこかで配慮していただかなければ、私は質問したかいがないと思うのですが、これについてどういう解決の方法でもけっこうですから、われわれの地元民が両企業の間にはさまって苦労しているということをお忘れなく、法の執行にあたってはあたたかい御配慮を賜わるように格段の御配慮を賜わりたい、このことを御要望申し上げておきます。  それから大蔵省の主計官には、とにかく公害ははんぱなことではいけない。答弁をするための答弁、資料だけで答弁をする、そういうことのないように、大蔵大臣によくあなたからお伝えをいただきたい。答弁責任というものは、委員会で答弁をしたとすれば、その責任だけは予算の裏打ちで、きちんと法の精神を生かしていくような御努力をいただくように、あなたから大蔵大臣に正しくお伝えをいただきたい、このことだけをお願いいたしまして、私の質問は終わります。ありがとうございました。
  220. 小林信一

    ○小林委員長 本会議散会後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時五十三分休憩      ————◇—————    午後二時二十六分開議
  221. 小林信一

    ○小林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。島本虎三君。
  222. 島本虎三

    島本委員 この公害防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案がいま審議の最中であります。いろいろ大臣等を交えまして、大きい意味での意見の開陳があり、われわれもその点についてある程度理解は得たのでありますが、これから内容等について少しく掘り下げて検討したい、こう思います。  まず、この法律の中で政令は幾つあるのですか。
  223. 長野士郎

    ○長野政府委員 第二条第三項の関係におきまして三つでございまして、それから、第三条と別表の関係で四つ、第七条の関係で三つということでございますので、全体で、関係の項目が十でございます。
  224. 島本虎三

    島本委員 十三じゃないかと思いますが、ほんとうに十で間違いありませんか。
  225. 長野士郎

    ○長野政府委員 失礼いたしました。緩衝緑地の関係の政令がもう一つございますから、いまの項目で申しますと十一ございます。
  226. 島本虎三

    島本委員 十が十一になったけれども、これは十三あるのじゃありませんか。
  227. 長野士郎

    ○長野政府委員 どうもたいへん失礼いたしました。別表の政令は正確に申しますと三つございますから、御指摘のように十三ということに相なると思います。
  228. 島本虎三

    島本委員 そもそも、法律に政令が多いというのは、法律の形態だけは整えても、内容は全部政令にゆだねられるから、官僚が、いい状態で法律は通しておいても、実行の面の内容は全部自分らが盛ろうとする、こういうような意味の法律だから幾つつくるのかわからぬのだ。省令もあるのでしょう。省令にゆだねられている点もある。こういうようにして、この法律もまた公害立法の例に漏れず、これは政令の多い法律であります。政令の多い法律というのは、その分だけ、形態は国会を通した法律でありますが、その内容は政令、省令にゆだねられますから、官僚が思い切りこの方面に手心を加えることができる、こういうような意味の法律でありまして、これはあまり望ましい意味の法律ではないのであります。しかし、これも通す以上、今後は内容等についても十分法の精神をもって、少なくともあまりにも政令によって法律の精神をよそのほうへ向けないようにする配慮が必要だと思います。こういうような点については次官がまず官僚の上に立ってやらなければならない大きな仕事だと思うのでありますが、いまのように政令の多い法律、これはすべて官僚のあなたまかせになるおそれがありますから、運営上十分気をつけて今後の政令、省令の作業に徹していただきたいと思います。決意はいかがでしょうか。
  229. 大石八治

    ○大石政府委員 役人がかってにやる部分をたくさん残しておこうという意図で、政令にまかせられた事項がこんなに多くなったとは思いません。実は初めの公害対策事業でありますので、まだ自分たちにも見当がつかないものだな、どういうことが公害対策事業として取り上げられることになるだろうかということに、推定し切れない部分もあるというふうな点で、しかし、その点も考えて、セービングクローズといいますか、そういうものをつくってあるのだと思います。  それからまたいわゆる具体的な執行上の問題について関係各省との間に、この法案提出をする時刻がありますものですから、その間にまではこまかい準備ができなかったということ等の問題も実はある。そういう意味で、確かに法律案にしては政令に委任する事項が多過ぎるという印象は全く御指摘のとおりであって、その点は私どももいいことではないと思います。ただ、御指摘のような意味で公害を防除するという精神に立って政令の決定をさせるようにいたしたいと思います。
  230. 島本虎三

    島本委員 そういうようにしてやってもらいたいと思います。あえて非難するわけじゃありませんが、法律案が全部公害立法としてそろった時期は去年の暮れのあの国会であります。それから漏れたのは一つであります。それは悪臭防止法であります。しかし、それ以後本法律案がいろいろ準備されてきておりますから、これには準備期間が不足であるというようなことには相ならないわけでございます。なお、今後法律の傾向として十分実施面等についても慎重に御検討を願っておきたいと思いますので、ひとつこの点は私が強く要望しておきたい、こういうように思います。  それで、本法公害防止事業費事業者負担法、この関係についてはどういうふうになってございましょうか。
  231. 長野士郎

    ○長野政府委員 公害防止事業費の事業負担につきましては、まず事業費から事業負担を除きまして、国と地方負担をいたすべきものについての補助率アップを適用する、原則としてそういう考え方でやってまいりたい、こう考えております。
  232. 島本虎三

    島本委員 マイクのぐあいが悪いのか、この席においてもよく聞こえないのであります。私の質問するのは、この関係国会の審議の過程を通じまして、企業が直接の原因になっている公害防止対策に公害防止事業費事業者負担法は限られておる。しかも過去長期間にわたって蓄積された汚染や、その事業公害防止以外の効果を持っている場合には特に配慮がなされて、事業者の負担分はその分だけ減額される仕組みになっておる。国がその分よけい負担してもよろしいという経過があるのであります。そういうようにして見ますと、これは形式だけつくってもならないものであり、この公害防止事業費事業者負担法関係において十分緊密な状態においてこれが整備されなければ、せっかくつくってもこれが予定どおりにいかないおそれがある。まして長い間汚染された土壌、農用地の汚染防止に関する法律できめられたように、こういうようなものに対しては、第一の原因者はもちろん企業であるけれども、長期に蓄積された場合にはこれは国だということがはっきり前回の討議の中にも出されているわけです。そうすると、今回は、国、地方自治体負担する場合には、これはやはり穴のあく個所が必ずできてくるわけでございます。こういう点を十分配慮し相関関係においてこれはつくられておるか、考えられておるかということを聞いておるのです。審議の過程も十分わからないで、ただこの法律に載っていれば与えられた公害に対する防除はできるのだ、こういうような考えでは、法律間の横のつながりは一つもない、こういうようなことがあっては、これはまさに画竜点睛を欠く点があるから、そういうような意味で聞いているのです。そういうような点、十分配慮されましたかどうか、それなんです。
  233. 長野士郎

    ○長野政府委員 先ほど申し上げましたように、事業負担法に基づきまして事業者が負担しますものは第一にその負担をしていただく。そしてその事業者が負担をした残りの経費につきまして国と地方とで分け持つということにたてまえを考えておるわけでございますから、事業者の負担がない場合にどうなるかというようなことになりますと、その場合には、国と地方とで分け持つ、こういうことになるわけでございまして、その点で、先ほど政令のお話もございましたが、事業負担法においてもなお政令のはっきりした面もできていないようなものもございますので、この点などの政令を制定するにつきましても、その場合にはそういう負担法におけるところの負担の問題が対象事業範囲の中で明らかになるということと調整をいたしまして措置をしていくということを考えておるわけでございます。
  234. 島本虎三

    島本委員 これはどうも、それだけでは私どものほうでは、はいそうですかというふうにちょっと考えられない点がございます。  じゃ、この前後関係はどうなりますか。総体はきまります。それによって県の出す分がきまります。国の出す分もきまります。事業者の分もきまるでしょう。そうすると、総体のワクがきまって議決されて、議決されたそれによって今度県のほうも議決して、そうして事業者のほうがそのしりぬぐいになる、こういうようなことになってしまうわけなんです。だから、この間において一体もう国と都道府県のほうで先にきめられてしまう、あとのほうは全部事業者持ちだ、こういう意味でこれはきめたのですか。そういうような意味じゃなしに、それぞれの負担区分をはっきりさしての上の立法なのか。だから、相関関係をどうしているのだということを、私、先にお伺いしたいのはそれなんです。立法だけ先にやってしまう、予算だけ先にやってしまう、企業者のほうのその負担分はまだ十分きまらない、これでは解決にならないのであります。この点の関係はどうなのかということです。
  235. 長野士郎

    ○長野政府委員 私どもの理解しておりますところでは、事業負担法によりまして事業者の負担がきまっていくわけでございますから、その事業者の負担が県のレベルにおいてそれぞれの事業についてきまり具体化していくというときに、それと相応じて国なり府県なり市町村なりの負担がきまっていく、こういうことで措置が調整をとられて進められていくというふうになることを前提といたしておりまして、またそのように進めていかなければならないものと考えております。
  236. 島本虎三

    島本委員 この第一条はたいがい「目的」が来るのが、これを「趣旨」にしたのはどういうわけですか。
  237. 長野士郎

    ○長野政府委員 法律には「目的」と書きましたり「趣旨」を書きましたりいたしておるわけでございまして、いまのような御指摘は確かにお説はごもっともだと思いますが、この法律におきましては、「目的」というよりやや広い気持ちもあったかと思いますが、「趣旨」ということにいたしておるわけでございます。
  238. 島本虎三

    島本委員 普通はたいがい公害関係のやつは「目的」で貫かれているのですが、これを「趣旨」にしたという理由はどういうわけですか。
  239. 長野士郎

    ○長野政府委員 確かにお話しのとおりでございますが、この点につきまして特に「趣旨」でなければならないという意味ではもちろんございませんけれども、相関連しておりますたとえば事業負担法におきましても「趣旨」ということばで規定をしておりますし、大体そういう同じような考え方のもとに「趣旨」ということで規定をしたということでございます。
  240. 島本虎三

    島本委員 念のために確認だけしておきます。この「目的」ではなく「趣旨」としたことは、「目的」よりそれる意味でもなく、薄い意味でもなく、繁雑な意味でもなく、「目的」以上に強い意味を含むんだ、こういうように了解してもよろしゅうございますか。
  241. 立田清士

    ○立田説明員 いま財政局長がお答えいたしましたけれども、ちょっと補足させていただきますが、いま御指摘のとおり、「趣旨」といい、「目的」といい、特別の差はないと思いますが、ただ、法律自体からいきまして、この法律自体でどういう内容を規定していくか、特別措置というものを規定しているんだ、そういうことをあらわす意味で、それは目的でもあるかもしれませんが、より趣旨でもあるということで、こういうようなことになっているのかと思います。先ほどお話がございましたとおり、公害防止事業事業負担法のほうもそういう「趣旨」という規定になっておりますし、他のほうの財政上の特別措置に関します公害関係以外の法律におきましてもそういう意味で「趣旨」というものが使われている例がございます。
  242. 島本虎三

    島本委員 時間がよけいかかってしようがないのです。「目的」と「趣旨」とは同じであって、「趣旨」であるから「目的」より弱い意味じゃないのかという確認だけなんです。使っているからただ使っている、そんな官僚答弁はだめだ。同じことを言うのはこれで三回目ですよ。意味はどうなんだ、弱いことはないだろうということを確認しているのですよ。そうであるかないか、それだけでいい。
  243. 立田清士

    ○立田説明員 別に意味を弱めているわけじゃございません。
  244. 島本虎三

    島本委員 何と言った。わからない。
  245. 立田清士

    ○立田説明員 御指摘のとおり、「趣旨」と書いてあることによってその意味が弱められているわけではないということでございます。
  246. 島本虎三

    島本委員 第二条のほうへ参りまして、いろいろいわれてございますけれども、この中で下水道一般でなく公害対策下水道に限られているようでありますが、大体においてこういうような行き方、こういうような考え方、こういうような実施公害全体に対する一つの対策の強化、こう見ることができましょうか。それとも下水道をこれは全面的に取り上げるんだ、そしてもちろん公害対策下水道もあれば、そうでない下水道もある。問題は水をきれいにすればいいんだ。こういう意味で取り上げられ、それで施策する。こういうようなところに私は公害をなくするというこの趣旨に沿うのじゃないかと思う。公害対策上の下水道、使用者側の使うものにだけそれを重点的にやっていく、それ以外のものの手を抜く、こういう二面作戦でやる考え方では、とうていこれは公害の抜本的配慮にはならないのじゃないか、防除にはならないんじゃないか、こういうように思うのですが、このやり方でよろしゅうございましょうか。
  247. 長野士郎

    ○長野政府委員 下水道につきましては、確かにお話のようなお考えもあると思っております。ただ、下水道事業につきましては、もう御承知でございますように、全国的に下水道の整備を進めていくということで新たに五カ年計画もつくられました。そして防止計画区域とかそうでないとかいうことでなくて、都市に必要な下水道の整備を全国的に進めていく必要があるという考え方があるわけでございまして、そこで防止計画区域において下水道をどういうふうに補助率かさ上げの問題として取り上げていくかという場合に、今回は公共下水道につきましては、終末処理の関係は直接的に水の汚濁防止に役立つという点がございますので、終末処理場の設置というものの事業補助率かさ上げという点で取り上げてまいる。それ以外につきましては特別の下水道、都市下水路でありますとか、あるいは都市下水路の中で直接そういう公害物質の排除になりますような事業について取り上げてまいる、こういう考え方をとったわけでございます。そこで、下水道全体として整備もできるわけでございますが、ただ、公害防止計画区域におきましては、広範多岐にわたる公害防止事業もあわせて計画的に行なうわけでございますので、その点で特に終末処理事業関係の深い事業について補助率かさ上げをして事業の促進をはかる、こういう趣旨考えられたわけでございます。
  248. 島本虎三

    島本委員 それで、その点については、私は法の精神からして、完全に公害防除のためにその方法がよろしいということに対してやはり若干疑義がある。これはいろいろ先ほどからも言われておるわけでありますけれども、長い川は何県かにわたって流れるわけであります。そうすると、上流からずっと流れてまいりますと、その川によってそれぞれ負荷度数、汚染度が違ってくるわけです。そういう場合には、やはり一貫した対策をそこにとるのでなければ、ほんとうの意味でこれは下水道計画がうまくいっているとはいえないのじゃないか、こう思われます。まず下水道計画は日本では立ちおくれていますが、こんなことは言わなくてもいいはずです。それと同時に、第三条の第三項では、公害防止計画がきめられていない地域に対する財政上の特別措置、これは第二条第三項第五号から第七号、こう限っているようであります。そうすると、公害防止計画の達成上、隣接する府県の下水道事業、特に終末処理場なんかはこれは重大でありますけれども、それなども一緒に含めるのでなければ実施上いろいろな困難を来たすことがないか、このことであります。大阪府に例をとると、隅田川でもいいのですが、先ほどからいろいろ言われておりますが、四十三年度に行なった調査によりますと、淀川の汚濁の寄与率は、一九六八年四月から一九六九年三月の公害に関する年次報告によりますと、大阪府の一に対して京都府は九という推計がなされているわけです。大阪府は一やればいいが京都府は九、これだけ汚濁負荷数として出されているわけであります。そうすると、当然大阪は幾ら水をよくしようとしても、京都がおのずからそれを先にやってくれるのでなければよくはならない。大阪のほうはこれをやろうとすれば、一からこの適用を受けても、京都が行なおうとすれば五、六、七のみで、ほんとうのこの第三条第一項から三項までの適用がない。こういうようなことになると、同じ隣接の土地でありながら下水道のこの状態によって、負荷数によって必要なところに対してはよけいつけなければならないのに、その方面はもう軽く見られる、薄い。こういうようなことであるならば、やはり下水道計画実施する上にも相当これは一貫性を欠くのじゃないか。このことは先ほどからもずいぶん論じられていたようであります。これに対して私は的確な答弁を得たいのであります。その場合には京都のほうではいかにやっても、下のほうの大阪では同じ淀川の水を使うのだ、使っても京都のほうでは十分措置しなくても、大阪はよけい使うのだから大阪のほうによけいやればいい。大阪は幾らやっても京都のほうがやってくれなければできないのであります。そうすると、これは一つの例にすぎないのでありますけれども、京都も大阪も一様にこの適用を受けるようにしておかないとだめだ。こういうようなことになったら困ると思うのです。こういうような例がないのかあるのか、ここなんです。一貫したような行政で一貫したような施策を行なわなければ、これはもう百年河清を待つようなものである、こういうようなことであります。この点等についても私が言ったような意味の疑義がないのかあるのか。行政上そういうようなことは一片の危惧にすぎないのか、これをはっきり答弁してもらいたい。
  249. 大石八治

    ○大石政府委員 河川の水質汚濁に関する限り、御指摘のような問題が実はあるわけでありまして、そのために先ほど山中総務長官からお答えをしたわけですけれども、東京都の場合、いわゆる利根川という問題あるいは隅田川という問題を考えていく場合に、東京都だけでいいのかどうかということがありますし、大阪の場合にも同様なことがありまして、今度のかさ上げ法案自体とは離れても、総理大臣の承認をする計画の中にこれらを入れていくのか入れていかないのかという問題が実は出ているようであります。しかも入れていくとしても、それがただ大阪だけの立場考えていいのかどうか、そこを対象にしただけの部分的な対策事業として計画すればいいのかどうか、それらの点も含めていま実は御検討をしていただいているところであります。私ども法律はそれが決定し次第、そういうものが承認の計画になれば、自動的にそれが働くということに相なるだろうと思うのですけれども、これはかさ上げ法案がどうこうという前に、実は御指摘の問題がいま政府の中で検討事項としてあがっているわけであります。その検討の結果に基づいて、決定があり次第私のほうはこの法律に基づいて動くということに相なると思います。
  250. 島本虎三

    島本委員 先ほどからかさ上げのいろいろな理由は聞きました。いろいろその様子も知らないわけではありませんが、それで、かさ上げするのはよろしい、一つ財源の中で、かさ上げした分についてはほかのほうの事業量が減る、これでは困るのであります。したがって、総体的な中でもかさ上げの分については別途にその予算だけは見てやる。そうでなければ、これまたおそいのと早いのと差ができて、依然として総体的ななり上がりは同じだということになってしまうおそれがあります。それより逆の悪いところは悪いままに残される、こういうようなおそれがあるわけです。そのかさ上げ分は別途予算で見てやって、そして総体的な計画の進行に何ら支障を来たさない、こういう配慮が必要だと思うのです。この点については十分配慮されておりますか。
  251. 大石八治

    ○大石政府委員 御質問をなさる島本議員が一番事情をよく知っていると思いますので、もう答えることがまことに情けないくらいに思うわけでありますが、公害対策事業の六、七割が下水道に関連があるということが実は問題になるわけであります。この部分に、一般配管にかさ上げをするということで、現実的には算術でいえば自動的に事業量の圧縮がくるという問題、それと同時に実は第三次下水道計画というものを立てて、とにかく下水道をやるということが公害をなくすることになるわけでありますから、そのことをとにかく普及させなければいかぬということで、今度の下水道五カ年計画が新しくできたわけであります。公害防止事業は、いま申し上げたとおり下水道事業というものが非常に大きな部分を占めているというような点から、実は普及をすることが第一だということになりまして、このことに対するかさ上げというものが今度見送られたわけである。私どもも見送られたことがいいとは思いませんけれども、現在の対策事業の実態の中でやむを得ずかような形になったというふうに承知せざるを得ないわけであります。
  252. 島本虎三

    島本委員 一方建設省のほうでは五カ年計画で二兆六千億、こういうような計画を発表している。それでやる計画を進めながら、またかさ上げのこういうような一つの行き方も指示してこれを実施しようとする。そうしたらこの二兆六千億をすぐまた手直ししなければならない状態になってくる。このやり方が、どうもヒョウの目のように変わっていくようなやり方ではだめだ。初めからこういうのはルールをきめておきまして、かさ上げけっこうじゃありませんか。それだけ別のところから持ってきてかさ上げしていったらいいじゃないですか。そうしてきめられた計画だけはぐんぐん進めるようにすべきじゃありませんか。私はそういうような点だけは強くこれを希望しておったわけであります。今後においてもそういうような方法でこれを進めてもらいたい、こういうふうに思うのです。  それとともに第三項三号の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第一項に規定する廃棄物の処理施設の設置の事業」というのがあるわけであります。この廃棄物は産業廃棄物と一般の廃棄物、これを含めているのですか、別々にしているのですか。廃棄物の処理、これは一体どういうふうにしようとするのですか、その具体的な内容をお知らせ願いたいと思います。
  253. 長野士郎

    ○長野政府委員 廃棄物の処理施設につきましては、産業廃棄物も一般の廃棄物の処理施設も両方含んで考えております。
  254. 島本虎三

    島本委員 いろいろ含んで考えておる。廃棄物というようなものはどの程度まで産業廃棄物の場合見ておりますか。
  255. 長野士郎

    ○長野政府委員 やや専門的になりまして、私十分お答えできるかどうかわかりませんが、結局廃棄物処理の法律ができておるわけでございます。その法律に基づきますところの分類に従いまして、一般廃棄物、産業廃棄物両方ともあるわけでございますから、その廃棄物処理及び清掃に関する法律の中の分類によりますところの廃棄物処理につきまして、この第二条に一般廃棄物、それから産業廃棄物の定義もあるわけでございますが、この両方の廃棄物の処理施設について対象にいたしたい、こう考えております。
  256. 島本虎三

    島本委員 廃棄物の処理については、これは原則として、産業廃棄物を出したその企業体がこれを負うものである。一般家庭用の廃棄物については、これはやはり都道府県並びに市町村、これは固有の事務としてこれを行なうものである。そして、企業体が直接それを行ない得ない、こういうようになった場合には、都道府県、それらがかわってその施設をし、また、それに要する費用は直接この産業廃棄物を出したその企業体が負うものである。こういうような一つの原則があるわけであります。その中に、一般のやつも入れてこれをやるとなったら、これは混淆してしまうじゃありませんか。一般のやつはたてまえとして無料であります。産業廃棄物の場合は企業であります。これに対してはどういうふうにしてこれを分類してやっているのですか。
  257. 長野士郎

    ○長野政府委員 申し上げましたのは、どうも正確でなかったかもしれませんが、一般廃棄物の中に突っ込んでやるという意味ではございませんで、お話しのとおり、産業廃棄物としての施設は当然、事業者が負担するのがたてまえでございます。ただ、産業廃棄物の処理につきましても、いろいろ地方団体負担をするとか国が助成をするとかいうような、これは業種によっても、また、廃棄物の処理のしかたによってもいろいろあると思いますけれども、そういうふうに、地方団体負担しなければならない、それから国も助成をしなければならないというような対象になるような産業廃棄物処理施設というものがあるように私ども伺っておりますが、そういうものにつきましての補助の割合をこの場合には対象として引き上げる、こういうことでございます。
  258. 島本虎三

    島本委員 どうもはっきりしませんが、これはどうなんですか、厚生省のほうでも産業廃棄物の五カ年計画が出ていたようでありますけれども、依然出ないうちにまたこの法律のほうが先行してきた、こういうようなことでありますが、厚生省のほうで、この産業廃棄物と一般廃棄物処理に関しての五カ年計画があったようですが、あの計画案はいまどうなっていますか。
  259. 曾根田郁夫

    ○曾根田政府委員 御指摘のように、廃棄物処理施設整備第三次五カ年計画、これを実は策定検討中であったのでございますが、一般廃棄物につきましては、ある程度数字の詰め等もほぼ見通しがついたのでございますけれども、昨年の暮れの臨時国会における法律改正に伴い、一番当面問題とされておる産業廃棄物につきまして、これはまだ各府県でその実態について調査中でございます。そういうことで、新五カ年計画をつくる以上は、やはり一番問題である産業廃棄物の関係も取り入れたものをつくることが望ましいのではないかというような各方面の御指摘もございまして、はなはだ残念ではございますけれども、もう一年、その実態の調査の結果をまちまして、それをも含めた、新五カ年になりますか、四カ年になりますか、年次計画をつくってまいりたいということでございます。ただし、ただいま申し上げましたように、産業廃棄物を除きました一般廃棄物につきましては、ほぼ内容も固まっておりますし、特にすでに国会に提案済みでございます下水道の第三次五カ年計画に見合いました屎尿処理施設等の具体的な事業計画については、十分調整済みでございます。
  260. 島本虎三

    島本委員 そういうような国民のためにも必要なものは、遠慮しないで早くやったらどうですか。そういうのをやらないから、いろいろなまた方々に波及して、それに対する施策や対策がまた問題になる。まさにその施策こそ先取りしたほうがよろしい。これは厚生省が若干この点では遠慮しがちである。遠慮というよりは怠慢である。こういうように一つ言っておきます。  それから、第四号に「公立の義務教育諸学校の移転又は施設整備の事業で、公害による被害防止し、又は軽減するために実施されるもの」こうあるわけです。そうすると、公立義務教育諸学校に限っている。私立の学校や施設、こういうふうなものは、騒音や大気汚染で移転をしなくても、その中にいてもいい、こういうような意味になるのでありますか、この点はどうでしょう。
  261. 長野士郎

    ○長野政府委員 この義務教育諸学校の移転の関係事業でございますが、元来、御案内のように、この法律によりましては、補助率を引き上げるということを一つの原則というか、たてまえにしておりますから、元来その事業対象として、そういう施設に対する補助制度があるものが中心になっておるわけでございます。そういう意味では、私立学校についてまだそういう制度が十分とられていないのでございまして、その点で、ここの中に入っていないことでございますが、現在の公害防止計画をいま策定しておりますところについて、そういう問題はまだあらわれておりませんけれども、今後そういうことが出てきたときには、やはり検討すべきものとして考えられるべきものだろうと思いますが、いま申し上げましたように、これは補助率かさ上げ中心としておりますので、基本的な私立学校に対する施設の助成制度というものをまず考えていくという点から始めなければならないのじゃなかろうかと思います。
  262. 島本虎三

    島本委員 その答弁の要旨はわかるのです。が、これは新法ですから、新法として出す場合には、そういうのも入れて、そして一回で済むようになすったほうが一番これはいいはずです。しかし、もう現行法であるもの、ただそれに対して高率の補助をするためにと、こういうふうになったら、それから取り残されたものは永久に日の目を見ないということに、極端にいえば、なってしまう。それがいわゆるかさ上げしてやるとか、いわば救ってやるとかいう法の精神じゃなかろうと思う。私立であるから、いますぐそれに対する適切な条文がないから、私立の場合には公害地帯におってもいいんだとか、こういうようなことではいけないので、これはやはり何らかの方法を考えなければならない。これだけは考えておられるようですから、この点は宿題として十分検討しておいてもらいたい、こういうふうに思いますが、この点はよろしゅうございますな、答えがなければ、いいということにして進みますが……。
  263. 長野士郎

    ○長野政府委員 先ほど申し上げましたように、ただいままでの防止計画にはそういうものが入っておりませんために、まだ検討中でございますが、今後の推移に応じましては、こういう新しい公害防止事業でありますから、該当のケースが出てまいるようなことは全然ないとは申しませんし、出てくるような場合には、当然根っこの助成制度も含めまして、またこういう措置の中に加えることは、これは検討しなければならないと思っております。
  264. 島本虎三

    島本委員 学校を取り上げた。その学校でも、公立のものだけであった。それならば、当然、社会施設もあるわけでありますが、その中に病院、保育所、老人ホーム、こういうようなものが、公害地帯にそのままにしておいておくということは、これはやはりちょっと法の精神からしてもおかしい。こういうようなのこそ大いに取り上げ補助してやらぬといけないはずでありますが、この点等についてはどうなんでございましょうかな。
  265. 長野士郎

    ○長野政府委員 この点も、先ほども総務長官からもお答えがあったと思いますが、やはり必要な場合というものは当然考えられるという事態が来れば、やはり措置をする方向で考えなければならないというお答えが、午前中にあったわけでございます。私どももそういうふうに考えてまいりたいと思います。
  266. 島本虎三

    島本委員 だから、いま必要ないというわけですか。
  267. 長野士郎

    ○長野政府委員 この法律考えました場合に、現在防止計画区域等のいろいろな事業の系統などを非常に参考にいたしました。そういう関係で現在のところは、そういう事業がすぐに必要だということにはなっていなかったわけでございます。そこで、一応そういうものを直ちに取り上げるというかっこうにいたしておらないわけでございますけれども、なおこの法律には「政令で定める事業」というふうな、これからの問題としていろいろ新しい防止対策事業が必要の場合が出てまいるわけでございますから、そういう留保もつけてありまして、そういうところで現実に応ずるような拡充を今後の問題として検討をしてまいる必要があると思っております。
  268. 島本虎三

    島本委員 政令の中で十分検討するという意味ですか。
  269. 長野士郎

    ○長野政府委員 そういうことでございます。
  270. 島本虎三

    島本委員 地盤沈下と高潮対策、こういうようなものは含めなくてもいいものですか。
  271. 長野士郎

    ○長野政府委員 これも現在のところ、地盤沈下につきましては、高潮対策事業でありますとか工業用水、地下水のくみ上げの規制に伴うところの工業用水道の助成事業でありますとかということで措置されておるわけでございまして、高潮対策というのはむしろ災害防除といいますか、災害関連的な性質としてそういう措置を行なっておる。それから工業用水道につきましては、そういう意味で補助率上げております。同時にそれは事業者による負担によってその経費というものをまかなっていくというたてまえをとっておる、こういうことがございますので、現在のところ、このかさ上げ法律対象とはいたしておりません。
  272. 島本虎三

    島本委員 第二条の三項の一の下水道法のイ、ロ、ハ、この三つに「設置又は改築の事業」とあるのは先ほど指摘したとおりなんですけれども、この「設置又は改築」のあとに施設の管理、運営というようなものまでこれはちゃんと見てやるのがやはり公害に対する措置として最も妥当なんじゃないかと思いますが、この管理や運営部門は見なくてもいい、入れなくてもいいという考えをひとつ聞かしてもらいたい。
  273. 長野士郎

    ○長野政府委員 考え方としていまお話がございましたような考え方が全くないかといえば、私は考え方としてはあると思いますけれども、現在下水道関係事業にいたしましても、これにつきましては都市の基本的な施設という考え方が基本になっておると私どもも了解いたしております。そこで、国のほうで助成をいたすにつきましても、この設置とか改築のような建設事業について、施設整備事業についての助成はいたしておりますが、管理、運営ということになってまいりますと、この点は当然地方団体としての都市的な施設の管理というものとして考えておる。ただ、その場合に、たとえば特別都市下水路のようなもので、事業者が当然相当負担をしていいものというものはあるわけでございます。この辺になりますと事業負担というものが管理的なものにも加わりまして、そういう使用料的なものあるいはそれ以上のものというものを考えていくことになるので、そういう場合には管理的なものも入ってまいると思いますが、しかし、これはこの法律がいっておるわけじゃございません。たてまえがそういうことになるだろうということでございまして、この法律は各省がいま施設整備事業についての助成をしておる、その点についてのかさ上げ考えておるわけでございます。管理、運営とか維持とかいう問題につきましては、これは当然考え方としては地方団体の固有の都市施設ということで自己の負担で管理する、こういうことをたてまえにいたしておりますから、この法律ではそれに触れていない、こういうことでございます。
  274. 島本虎三

    島本委員 第四条の地方債ですが、これはもう先ほどもありましたけれども、この際はっきり聞いておきますが、地方債公害債というような意味ですか。公害債の性格、こういうものであるようでないような答弁でありましたけれども、この点もう一回お聞かせ願いたいと思います。
  275. 長野士郎

    ○長野政府委員 この公害防止対策事業は非常に多岐にわたっております関係もございまして、それぞれの事業について起債をもって措置すべきものは当然起債を充当して、地方負担をしやすくするということになるわけでございますが、その点ではここに四条に書いておりますように、財政法にも特例を設けまして、適債事業範囲も広げてまいるということも考えておるわけでございますが、それにいたしましても、それぞれの事業についての起債でございますから、そういう意味で特別にこれを公害債というふうには考えておりませんが、公害防止事業に充てられます地方債につきまして、その資金の配分でありますとか元利償還金の基準財政需要額への算入ということは特別に考えてまいりたい、こういうことでございます。
  276. 島本虎三

    島本委員 これは新しい一つの傾向なんですが、特にそのためにこれを利用される地方債である場合には、これはやはり公害発生事業者が公害債を特別に買う、こういうようなことも一つの道義的な傾向、道義的な意味として、これはやはり今後一つのはやり、とは申しませんが、そういうような傾向を生ずるのではないかと思うのですが、これはもう公害債の性格、こういうようなものにして悪いものだろうか、それともつけないほうがいいものだろうか、その辺のはっきりした考えを伺っておきたいのであります。
  277. 長野士郎

    ○長野政府委員 その点につきましては、縁故債というような場合の引き受け先をどこに考えるか、公害防止事業については公害発生企業も相当そういう意味の責任はありはしないかというような点から、引き受け先をそういう企業に求めるということも一つ考えではないかというお話だと思いますが、私どもそれは確かに一つの御意見だと思います。ただ、そういうことにすることが一体いい結果を生むか生まないか、これはもう少し防止事業の進行とともに検討させていただきたい。私どもはいまそれについて結論は何ら持っておりません。
  278. 島本虎三

    島本委員 同じような意味で、やはり公害防除の立場から、ひとつ水質汚濁防止法と公共用水域の関係についてこの際はっきり伺っておきたいと思います。  海洋汚染防止法ができまして、沿岸方面の水の汚濁、こういうようなものははっきり今後も水質指定をしないでこれを取り締まる、こういうようなことに相なるわけであります。具体的な取り締まりについてはこれはどうなるのか。それから海洋汚染防止法を使って今後はこれはどのようにして取り締まりを行なうのか。行なう官庁はどこなんだろうか。それから川から港へ出る、こういうような場合には、海と川、これはそれぞれこれを監視したり管理したりするそのたてまえが違うわけであります。そうなりますと、河川の場合、こういうようなものは今後はやはり都道府県知事のほうに委任された権限で知事が行なう、こういうことになろうかと思いますが、海と川、それから湖沼、こういうようなものを合わせてやはり水質の万全を期さなければならないのてありまして、そのための法律が先般行なわれたわけであります。しかし、依然としてこの監視体制、取り締まり体制、こういうようなものがそれぞれの分野にばらばらに行なわれたら実効をあげることができない、こう思いますけれども、この点等についてはどういうふうなことになっておりますか。これは海洋汚染防止法、これを使って今後どのようにして水質の汚濁の防止を強化していくのか。これをひとつ専門的な立場からお知らせ願いたい。
  279. 西川喬

    ○西川政府委員 お答え申し上げます。  公共用水域の水質保全につきましては、一応基本的には水質汚濁防止法というので取り締まるわけでございますけれども、水質汚濁防止法によります規制は、これはいわゆる排出水の規制に限られておりますわけで、投棄というようなものに対しましては、これは汚濁防止法によっては規制ができません。水質汚濁防止法のほうでとっております監視体制と申しますのは、一応都道府県知事に常時監視の義務を負わせてございます。それで公共用水域の水質を監視しようということになっております。ただし、この公共用水域の水質を監視します場合にだれが監視するかということでございますが、これは都道府県知事に常時監視の責任を預けてはおりますけれども、実際に監視するのは都道府県知事ばかりとは限らない。河川管理者もおります。港湾管理者もおるわけでございます。それから水道なら水道事業といたしまして取水口の管理をやっている。農業用水のほうは農業用水として管理をやっている。水産関係でございますと、水産の保護法によりまして自分たちの海水面を見張っている、というようなことがあるわけでございます。そしてそれらのところが、従来は各個ばらばらに行なわれておったということでございますので、今回の、先般成立いたしました汚濁防止法におきましては、一応その監視の責任は都道府県知事といたしまして、実際の監視は測定計画をつくりましてそういうところの関係のあるそれぞれの所管が全部協力し合ってやろうではないかということを、測定計画といたしましてきめまして、それに従ってそれぞれの担当をきめまして監視をやるというふうな体制をつくったわけでございます。  それで、川につきましては比較的都道府県もはっきりしておりますし、それぞれの管理者も相当はっきりしております。一番問題になりますのが海域のほうでございます。海域のほうにつきましても、御承知のように、公共用水域につきましての環境基準というのを、現在逐次当てはめを行なってきてまいっております。それで、当てはめを行なったところにつきましては、基準点を設けてございます。そうしてその基準点で監視を行なう。そうしますと、その基準点はだれが監視しようか、だれがここを担当してやろうかということを測定計画のほうできめてしまうということになるわけでございますが、実はこの基準点が汚濁防止法のほうからいいましても、比較的陸岸に近いところ——排水規制と結びついているものですから、現在のところ、陸岸に比較的近いところしかきめてないわけでございます。そういたしますと、海の先のほう、非常に陸岸から離れたまん中のほうはどこが監視するかということの問題が出てくるわけでございます。これは現実的に申しましても、都道府県といたしましても現在なかなか能力がない。やはり相当陸岸から離れました海域につきましては、これは海上保安庁のほうにおきまして相当協力して——実際の測定計画といたしましてつくる範囲はこれは実は限定されてないわけでございます、海のほうは相当沖合いままでも当然やらなければいけないわけでございますから、実際の測定計画の策定の際に、海上保安庁のほうも入っていただきまして、この監視というものに協力していただきたい。これは今後のこれから四十六年度からスタートいたしますこの新法体制の実際の適用の測定計画等をつくる運用の問題のときに、保安庁のほうの協力もお願いして、逐次そういう形に整備してまいりたい、このように考えております。
  280. 島本虎三

    島本委員 国立公園である瀬戸内海、あの小豆島、あの付近はふん尿を投げる個所になっております。それと水島それから愛媛県のあの一帯は両岸ともコンビナートになっている。瀬戸内海はきたない以上に進んで汚濁しているような傾向があるのですが、去年、この問題については処置することになりましたが、瀬戸内海のふん尿の処理、それからコンビナートから出される廃液の処理、この点等についてはいまは何でもないですか。
  281. 西川喬

    ○西川政府委員 現在現行法によります水質保全法におきまして、陸上に存在いたします企業からの排水というものにつきましては排出規制と、指定水域にありましては水質規制をかけられるわけでございますが、新法になりますと一律基準が一応かかってしまうわけでございますけれども、それ以前といたしまして今年度すでに三島・川之江、いま御指摘になりました水島地区、それから播磨地先海域、それから近く徳山、宇部、これらのコンビナートが相当集積してきておりますところにつきましては、企業のほうの排出規制はかけてしまうということになっております。それで現在残っておりますのが徳山、宇部だけでございまして、これも近々指定水域にする予定で作業が進行いたしております。  そのようなことで、排出規制といたしましては非常にピッチをあげて努力してまいったわけでございますが、廃棄物投棄、屎尿のほうにつきましては、これは現在厚生省のほうの清掃法の所管になっております。それでそちらのほうでいろいろな規制をかけていただきたいと思っておるわけでございますが、将来の問題といたしましては、環境庁が発足いたしましたら、今後この海岸の汚染の、そういう汚染のもとになります廃棄物投棄その他につきましての基準、そのようなものも全部環境庁の、今度は水質保全局において一貫してやることになりますので、その点は現在よりも一元的に規制が行なわれるという形で前進するのではないだろうか、このように考えております。
  282. 島本虎三

    島本委員 この新しい法律を審議している間に、これと歩を一にしていろいろと公害の防除に当たらなければならない、この法律実施の過程にもう入っているわけですが、政令その他の関係でまだ足並みがそろわない。ちょうどその最中いわばひずみの中にあるかもしれません。しかし、法そのものもできてしまって、運用する場合には、十分皆さんの場合でも、今度法の番人として的確に実施させるためにもっと誠意をもって当たらなければならないと思うのです。たとえば水の場合、これなんかだってもうすでに例外規定が多過ぎるし、政令にゆだねられている分が多過ぎる。それから同時に禁止に対応する油や廃棄物処理の整備、こういうふうなものも現在のところでは不足なんです。それとあわせて料金その他の経費の関係で、十分それを利用しないという行政欠陥が報告されているのです。そういうふうなことから法律ができてもそれを利用しない。抜け道をつくって堂々と海上に投棄している。これで水がきれいになる理由なんか全然ないわけでありまして、この点は廃油の処理事業の監督強化、こういうふうな権限も皆さんのほうでは強化しなければならないはずなんですが、この点はどうなっておるのか、この点は実行面からなかなか法律の効果はあがりませんので、この点は十分に法律の効果をあげないとだめなんです。  それと同時に、水産庁はきょう呼んでありません。来ていますか。残念ながらきょう呼ばなかったので困るのです。私が悪かったのです。これは四十五年の十月から十二月までいろいろ調べた結果が出ておりますが、二百二十七の水域を総点検したところが、驚くなかれ海では汚染度が三PPM以下、こういうふうな漁場に適しないもの、これが六十八水域、それから川にして汚染度、これは五PPM——海の場合はCODです。川の場合はBODです。五PPMのもの、これが三十二水域、これは内水面関係でもシアンや浮遊物質、こういうふうなものも相当程度検出されている。進んで四十六年度からはもっと突っ込んで科学的な検査が必要だ、こういうふうなデータなんです。いまさら検査をするなんという、こういうふうな段階ではないのです。対策が必要な段階なんです。どうもこの点、水産庁もとろいけれども、水のほうの管理をしている、おそらくこれから環境庁のほうへ移管をする企画庁の担当者もとろい。実際この問題に関してはもう全然だめだ。もうこれからの調査の段階じゃありません。対策の段階なんです。対策一つさえも十分にいっていないでいまだに調査だ。日本の海域や水域が全部よごれてしまってから調査ではおそいのです。わかったときにすでにその対策を講じなければならないのです。水産庁がどこの水産庁かわからぬようなことをしている。きょう来ていないから、これ以上のことを言ってもだめなんですけれども、こういうようなことは企画庁のほうでもっと連携をとりながらやってほしい。すっかりよごれているじゃないですか。こういうような点で、ほんとうに困ったものです。ついでに答弁してもらいましょう。
  283. 西川喬

    ○西川政府委員 海域の汚染に関しましては、確かに海域の汚染と比べて規制対策の出足がおくれたということは言えるかと思います。はなはだ遺憾だとは存じますが、すでに新聞等にもけさ発表になって御承知かと思いますが、環境基準の設定というようなことにつきましても、最近におきましては私どもは海域というものは非常に重視してピッチを上げてきているわけであります。それで環境基準につきましても、先般第一回といたしましてすでに昨年の九月に決定いたしましたときには、水域といたしまして四十九水域、これがさらにこまかく分かれますので百八十六区域あったわけでございますが、この中で海域は二十一区域しかございませんでした。約九分の一が海域分でございました。しかしながら、今回新たに三十一水域というものが昨日審議会で答申を得たわけでございます。近く閣議決定をする予定でございますが、この場合におきましては、非常に今回は海域のほうが重視されておりまして、全体で三十一水域、二百四十区域ございます。そのうち海域が七十五区域というふうに約三分の一が海域になっております。このように現在おくれております海域につきまして環境基準も設定し、これを維持するように今後努力してまいりたいということで、現在努力しているところでございます。
  284. 島本虎三

    島本委員 発表されたように、これは大いに今後努力してもらいたい。そうしなければなりません。  時間が来て申しわけありませんが、最後に一つだけ、かんべんしてもらいます。公害切手の発行の問題をちょっと伺いたいのですが、これはアメリカでは公害対策の宣伝切手、こういうようなものもずいぶん発行して、これによって成果もあげているということも聞いております。いわゆる記念切手、これは日本では貯蓄だとかマラリアの撲滅、ガン制圧、それから緑化運動、交通安全運動、こういうふうな方面にもこれが利用されて、付加金切手でこれを宣伝して、付加金はそれぞれのほうへ配分されるようであります。公害を受けた人の救済に役立てた場合には、これは全くいいんじゃないか、こういうふうに思うわけです。自然保護の宣伝とともに一石二鳥ではないか。欧州では、スイスのほうでは十五円に十円の付加金をつけて、これも付加金は慈善事業に充てているそうでありますけれども、飛びつくほどの美しい切手であって、発行枚数も多くて、これが全世界に売り出されて、国の宣伝も兼ね、共同募金に全世界が応じているようである。こういうような報道を私は見て、なぜ日本はこうまで公害に痛めつけられながら、その救済のほうもこれから考えたいなんて言って——厚生大臣予算折衝見ながら、山中総理府総務長官がじだんだ踏んだ、こういうふうなことも聞いたのですが、こういうふうな発想——大臣の出た、その辺の景色を記念切手の中に入れて、そしてそれが参議院で指摘されて、今後態度を改めると言ってみたり、いろいろ出している切手は二、三日で売れてしまって大衆の手に入らない、こういうような状態だそうではありませんか。りっぱな切手、きれいな切手、その目的をはっきりさせる。いわば付加金切手で目的がはっきりする場合には、日本国民が、また世界の関係者が、これに対して協力しないわけはないと思うのであります。いま被害者救済一つうまくいっておらない。こういうような際に、医療救済を含め、生活救済を含め、それらの手当てを含めて、もしできるならば、こういうような方面でもやって、美しい切手を売りながら、地球の環境保全を日本が率先してこれに今後つとめるのだ。そのかわりひとつこれを買って、大いに協力願いたい、このくらいの発想はあっていいのじゃないかと思うのです。これは郵政省だけにまかしておくからこういうようなことになるのではないかと思うのです。まさにかってなことです。ある団体をつくってそっちにやらせる。高く売るためにストックしているようなものです。こういうものはほしい人に全部やったらいいはずです。枚数なんか制限しないで、ほしい人に売ったらよい。公害防除に役立つなら、こういうことこそ大いにやっていいのではないかと思うが、こういう考えをどういうふうに思うか、次官のほうから聞いて、郵政省の担当者から、これに対しての考え方をひとつお知らせ願いたいと思うわけであります。考えておりますか。
  285. 松井清武

    ○松井説明員 公害に関する寄付金つきの切手を発行してはいかがかという意味だと思いますが、現在の法律によりましても、寄付金つきの記念切手を発行いたしまして、これをそういった団体に配付するということは必ずしも不可能ではございません。法律によりますと「がん、結核、小児まひその他特殊な疾病の学術的研究及び治療を行なう団体」等につきましての寄付金を、それらの団体の申請がありましたら配分することは可能でございます。したがいまして、公害に関しましてのそういった疾病を学術的に研究する、あるいは治療する団体等が設立されまして、そこからの申請があれば、それに対する寄付金の配分は可能かというふうに考えられます。  また、いまの御質問の中で、そういう種類の切手を発行してはどうかというようなお話がございましたが、この点につきましては、現在のところ、四十六年度の記念切手の発行につきましては、一応の計画というものの策定を終えております。ただし、そういった先生のお話もございますので、そういう点につきましてもう一度慎重に発行するかいなかということにつきましては検討してまいりたい、かように考えております。
  286. 島本虎三

    島本委員 いまの発想について。
  287. 大石八治

    ○大石政府委員 検討したらいいと思います。
  288. 島本虎三

    島本委員 終わります。
  289. 小林信一

    ○小林委員長 古寺宏君。
  290. 古寺宏

    ○古寺委員 最初に、総理府にお尋ねを申し上げますが、公害防止計画地域指定にあたって、今回の千葉・市原、それから水島、四日市の場合は、第十九条のどの項に該当するのか、それをひとつ教えていただきたいと思います。
  291. 福島榮造

    ○福島説明員 千葉県の千葉・市原地域につきましては、十九条の一号と二号、両方の該当地域、それから三重県四日市地域につきましては、これは一号地域、それから岡山県水島地域につきましては同じく一号地域、こういうぐあいに考えております。
  292. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと十九条の二号だけに該当する地域についての防止計画というものは今後考えられないですか。
  293. 福島榮造

    ○福島説明員 たいへん失礼いたしましたが、岡山県の水島地域につきましては二号でございます。それから千葉県の千葉・市原につきましては一号、二号ということでございますので、二号の要件に該当する地域も取り上げられておる、かように考えます。
  294. 古寺宏

    ○古寺委員 そこで、この公害防止計画を策定いたしまして、予算の要望がございまして、それに対する予算の決定があるわけでございますが、この予算の要望ワクというのは基本方針に従った公害防止計画予算である、こういうふうに私どもは理解しているわけでございますが、いかがでございますか。
  295. 福島榮造

    ○福島説明員 公害防止計画の策定につきましては、御承知のように、まず基本方針を指示いたします。これに基づきまして関係地方公共団体の知事が策定するわけでございますが、この基本方針の中には地域の概況その他当該地域について具体的にいかなる公害防止施策が必要であるかということのアウトラインも指示いたしますので、それに基づきまして関係都道府県知事が具体的な計画を持ってくる、こういうことになっておりますので、さよう御承知いただきます。
  296. 古寺宏

    ○古寺委員 その関係地方自治体が具体的な計画に基づいて予算を概算いたしているわけでございますが、それについて非常に予算が少なくなっているわけでございます。その場合に、はたしてその基本方針に示されている目標が達成できるかどうかということが非常に問題になってくるわけでございますが、そういう点についてはどういうふうにお考えですか。
  297. 福島榮造

    ○福島説明員 各県から原案として出されます公害防止計画につきましては、各県それぞれ最大限の要望を盛り込んできておりますので、これを関係各省庁で国の予算等勘案しながら煮詰めるわけでございます。そういう意味におきましては、ただいま古寺先生がおっしゃいますように、かなり削減された形になっております。しかしながら、きめられた事業費につきましては、これは関係各省庁が十分公害防止計画の目的を達成し得るという確信のもとに調整をとっておりますので、計画は十分達成できる、かように考えます。
  298. 古寺宏

    ○古寺委員 公害防止事業にあたりましては、当然地方自治体負担も非常に大きいわけでございます。そういう限られた財源の中で、基本方針に示された目標を達成するための最大限のぎりぎりの線の予算を計上していると思います。それが国の予算関係で一方的に削減された場合にはその目標の達成は不可能になるんじゃないか、こういうふうに考えられるわけですが、どうでございましょう。
  299. 福島榮造

    ○福島説明員 先ほども申し上げましたが、公害防止計画地域公害防止を完全にするということを目的にするわけでございますので、ことばがちょっと違いましたが、環境基準の達成ということを一般的に言うわけでございますけれども、そういう観点から関係各省庁が十分協議いたしまして、これならば十分環境基準を達成できるということできめておりますので、現在の三地域公害防止計画に盛られた事業及びこれに対する国の予算が不十分であるというようには考えておりません。十分達成できると考えております。
  300. 古寺宏

    ○古寺委員 それでは自治省にちょっとお伺いいたしますが、自治省が当時考えましたかさ上げの問題でございます。四分の三を自治省考えておったようでございますが、この根拠は一体何でございましょうか。
  301. 長野士郎

    ○長野政府委員 この関係法律の検討をいたします際には、一時そういう高い補助率等についてもいろいろ検討をいたしました。ただ、四分の三というようにはきめておりませんで、そういう意味での高い補助率考えるという意味で、四分の三以内で考えていきたいというようなことで検討いたした、検討のスタートをそういうところに置いておったことはございます。
  302. 古寺宏

    ○古寺委員 自治省基本的に四分の三のかさ上げというものを当初お考えになったのは、それだけのやはり根拠というものがあると思います。これは私は、この公害防止計画の目標を達成するためには四分の三のかさ上げというものが必要である、こういう根底に立って自治省はそういう基本的な考えを持ったのじゃないか、こういうように考えるのですが、どうでございますか。
  303. 長野士郎

    ○長野政府委員 こういうものを検討いたします場合には、いろいろな点での検討項目が幾つかあるわけでございまして、そういう意味で、ものの考え方を補助率にとって考えました場合にも、何通りかの考え方をするわけでございますが、私ども考えます際には、防止事業にもいろいろな種類が実はあるわけでございまして、それらの種類を含めて考えるとしますと、それの一番最高限というものをどの程度に置いて、そしてその中でそれぞれの事業についてそれぞれ違った割合の補助負担率考えてみる必要もありはしないかというようなこともありまして、そういう考え方を一度検討の対象といたしたということでございます。
  304. 古寺宏

    ○古寺委員 その四分の三の基本線がくずれたわけですね。後退したわけでございますが、それはどういうわけですか。
  305. 長野士郎

    ○長野政府委員 これはいま申し上げましたように、いろいろな観点からの検討を加えておる過程の一つの問題としてのことでございまして、いまくずれたというお話でございましたが、私どもは最終的には現在御提案申し上げている案として考えておるということでございます。
  306. 古寺宏

    ○古寺委員 そこで、公害防止計画の各三地域が、計画策定にあたっての財政的ないろいろな計画があったと思うのですが、その場合にはどのくらいのかさ上げを大体自治省では考えておったのでしょうか。
  307. 長野士郎

    ○長野政府委員 具体的にこの三地区についてどの程度のことにしたいというような検討は、その当時はいたしておりません。
  308. 古寺宏

    ○古寺委員 そういう三地域から自治省に対して要望があったと思いますが、どういう要望が出ておりますか。
  309. 長野士郎

    ○長野政府委員 三地区におきましては、まず補助率の引き上げの問題もございますが、同時に補助対象事業として優先的に採択をしてもらいたいというような考え方、それから地方債についての特別な配慮をしてほしいというような考え方を中心にして、いろいろ要求をされておったのでございます。
  310. 古寺宏

    ○古寺委員 補助率に対する要望はなかったのでしょうか。
  311. 長野士郎

    ○長野政府委員 先ほども申し上げますように、この公害防止関係事業は多岐にわたるところの、主としては都市施設の整備事業に相なるわけでございます。したがいまして、まあ一般的に補助率の引き上げという要望もございますが、いろいろそれぞれの事業によって補助率等も異なっておりました現状でございますから、具体的な提案としてどうしろというようなことではなかったように思います。一般的になるべく補助率上げてほしい、つまり負担を軽くしてほしいという要望は受けております。
  312. 古寺宏

    ○古寺委員 そこで、今度具体的な問題にまた入りますが、午前中にも申し上げましたが、市原市の場合非常に予算が削減を見ております。こういう点について自治省は知っておられますか。
  313. 長野士郎

    ○長野政府委員 予算の削減というお話、午前中もお話があったわけでございますが、私ども具体的にそういう点について、どういうことで大きく削減されたというふうには聞いておりません。
  314. 古寺宏

    ○古寺委員 総理府はどうでしょうか。
  315. 福島榮造

    ○福島説明員 地方自治体側の要望額に比べましては、策定された計画を裏づける予算的な一応のワク、そういうものが縮小された、こういうことだと考えております。
  316. 古寺宏

    ○古寺委員 その中でいろいろ先ほどから質問があったようでございますので、監視測定の問題ですが、八千八百万円の予算が千七百五十万円に減額になっているわけでございますが、これはどういう根拠なんですか。
  317. 福島榮造

    ○福島説明員 詳しい中身につきましては実は十分検討しておりませんので、ここでお答えすることはできません。
  318. 古寺宏

    ○古寺委員 これは市原だけではなしに、四日市の場合も水島の場合も同じですが、監視測定に関する予算が非常に減額されております。これはどういう理由によるものか、ひとつ説明していただきたいと思うのです。
  319. 曾根田郁夫

    ○曾根田政府委員 私具体的な数字を手元に持っておりませんし、承知しておりませんが、たとえば水島地区等におきまして、県のほうから、当初地元から持ってまいりました防止計画の中に、いわゆる公害防止計画対象地域以外の地域の監視測定網に対する補助金等もあって、これは昨年十二月一日に承認したわけでございますが、昨年の時点では監視測定施設に対する国庫補助は、御承知のように、大気汚染防止法に基づく指定地域等に限られる、そういったことで、昨年の時点で国庫補助対象にならないようなもの、そういったものが、除かれたものも入っておるというふうに聞いております。
  320. 古寺宏

    ○古寺委員 岡山県の場合は七億円の要望があったわけですね。それが四億円に減っております。それから三重県の場合は、これも七億円を希望してそのうち五億円が補助対象になっておる。こういうふうに非常に少なくなっているわけですが、これでは監視測定が十分に行なわれないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、どうですか。
  321. 曾根田郁夫

    ○曾根田政府委員 監視測定関係予算措置が必ずしも十分でないことを認めざるを得ないと思いますけれども、ただ、ただいま御審議を願っております法案におきましても、監視測定等の補助金につきましては、公害防止計画対象地域以外でもかさ上げ対象になることというような規定もございますので、そういった点でできるだけ前向きに財政上の援助をいたしてまいりたいというふうに考えております。
  322. 古寺宏

    ○古寺委員 これも午前中にお尋ねしたのですが、市原市の下水道事業でございますが、公共下水道事業の処理場の問題です。昨年から始まっている事業でございますが、これに対する補助金が全然なかった、こういうお話があったのですが、建設省のほうから御答弁願います。
  323. 石川邦夫

    ○石川説明員 市原市の下水道でございますが、公共下水道は明年度から着工するということになっております。ただ、以前に市施行ではなくて、住宅供給公社が施行しました公共下水道がございます。これも含めまして明年度から市原市の公共下水道におきましては着工するということになっておるのでございます。  それからもう一つ、四十四年から海岸のところの特別都市下水道を施行しておりますが、これにつきましては相当の予算措置をいたしております。
  324. 古寺宏

    ○古寺委員 四十五年の九月七日に申請をされました公共下水道事業計画について、四十六年の一月二十一日に認可をいたしております。これはいま私が質問した問題でございますか。
  325. 石川邦夫

    ○石川説明員 公共下水道につきましては、四十六年の一月に認可をいたしまして、これから計画を立てて明年度から実施ということになろうかと思います。
  326. 古寺宏

    ○古寺委員 現在事業をやっておりますところの処理場はこれはどうなんですか、関係ないですか。
  327. 石川邦夫

    ○石川説明員 先ほどお答えいたしましたように、以前に昭和三十八年に住宅供給公社が単独で行ないました公共下水道を市のほうで管理するということになっておりますので、これはもう完成して動いておるかと思いますが、そのほかには、先ほど申し上げました特別都市下水路ということになるかと思います。
  328. 古寺宏

    ○古寺委員 あなたがおっしゃっているのは五井地区の下水道でございますか。
  329. 石川邦夫

    ○石川説明員 ちょっと地区名がはっきりしませんが、四十六年一月認可を取りましたものも一部単独でやっておりまして、明年度から正式に公共下水道ということにして事業補助いたすということになるわけでございます。
  330. 古寺宏

    ○古寺委員 こういうような防止計画をつくっている地域の公共下水道でございますから、当然これは補助事業である以上は補助してあげなければいけないと思うのです。それが認可をしていながらなぜ補助してあげないのか。この点が非常に疑問なんでございますが、御説明願いたいと思うのです。
  331. 石川邦夫

    ○石川説明員 その点は明年度から正式に市の公共下水道として取り上げまして、補助対象にするということにいたしておるわけでございます。
  332. 古寺宏

    ○古寺委員 それでは、補助金の交付を申請する場合には、どういう順序によって申請するわけですか。
  333. 石川邦夫

    ○石川説明員 下水道事業を都市計画事業として行ないますので、都市計画決定それから事業決定いたしまして、認可をとりまして、それから補助金の交付申請、交付ということに相なるわけでございます。
  334. 古寺宏

    ○古寺委員 建設大臣の認可を受けてから大体どのくらいの期間を経てから補助金の申請をするものですか。
  335. 石川邦夫

    ○石川説明員 ただいまの市原地区の下水道でございますが、四十六年の一月に下水道の認可をいたしましたので、四十六年度当初から予算措置してまいりたいというふうに考えております。
  336. 古寺宏

    ○古寺委員 その申請をする順序はどういうふうになっておりますか。まだ市原市では申請をしてないわけですか。
  337. 石川邦夫

    ○石川説明員 交付申請はまだでございます。これは四十六年度の事業計画が決定いたしませんのでまだでございますが、四十六年度に入りましたら直ちに交付申請というふうな形に相なるかと思います。
  338. 古寺宏

    ○古寺委員 先日も質問を申し上げましたが、鹿島の都市下水路の場合には、認可を受ける前に補助金が交付になって工事が始まっている。今回の場合は認可をし、しかもこういう公害防止計画に指定されている地域でありながら、補助金が一銭も交付されていない。これはどういう理由ですか。
  339. 石川邦夫

    ○石川説明員 認可をし、都市計画事業として取り上げ、それから交付申請するというのが正当な手続でございます。鹿島の問題につきましては、先生から御指摘いただきましたが、あの当時昭和四十四年だったかと思いますが、手続としてきわめて順序が狂ったということで、あれは正式の申請としては、はなはだまずい例でございまして、正式には、認可をいたしまして、それから決定いたしまして、補助金の交付申請、交付ということに相なるかと思います。
  340. 古寺宏

    ○古寺委員 そこで、財政局長にお尋ねしたいのですが、この補助金の交付の場合には、補助金の交付の適正化の法律がございますけれども、この補助金の交付を申請する順序はどういうふうになっておりますか。
  341. 長野士郎

    ○長野政府委員 補助金の申請につきましては、それぞれの事業に応じまして、主管省、主管大臣の方針で補助要綱というものがきまっておるわけでございます。したがって、一がいに申せませんが、大体似ておる形といたしましては、一応補助事業の、何と申しますか、事業計画なり何なりがはっきり具体的にきまったものを事業計画をつけて、そしてそれに要する事業費をつけて、そしてその事業費についての各省大臣の認証を経ました上で、それに応ずる補助金というものの申請によって補助金の交付が行なわれる、こういうことであろうと思います。そういう意味では、先ほどの建設省の担当官がお答えになったような手続を踏んでまいるというふうに私ども思っております。
  342. 古寺宏

    ○古寺委員 私が聞いたのでは、補助金の交付の申請をするためには内示がなければできない、こういうふうに伺っております。これはどういうものでしょうか。
  343. 石川邦夫

    ○石川説明員 毎年度予算が成立いたしますと、それに基づきまして各事業主体にあらかじめといいますか、大体この事業につきましてはこれぐらいの額を配付するということがございます。これはいわば一種の事前の協議的な手続でございますが、これに基づきまして、実際に事業上の手続に移っていく、こういうことに相なろうかと思います。
  344. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと、市原市の公共下水道事業費計画の中には、補助金の計画としては大体どのくらい見込まれておったのですか。
  345. 石川邦夫

    ○石川説明員 市原市の下水道事業につきましては、現在審査中でございますので、まだ確定いたしておりません。これから確定いたすわけでございます。   〔小林産業公害対策特別委員長退席、島本産業公害対策特別委員長代理着席〕
  346. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと、鹿島の場合は、事業の認可をする前に補助金が交付になっているわけです、ずっと以前に。なぜこの市原の場合には、認可をしていまだに検討中なんですか。
  347. 石川邦夫

    ○石川説明員 市原の場合には、四十六年度から公共下水道として取り上げるわけでございますので、四十六年度に入りまして正式に決定するということに相なるわけでございます。
  348. 古寺宏

    ○古寺委員 市原の場合は、四十五年度から着工しているわけですよ。着工しているでしょう、どうですか。
  349. 石川邦夫

    ○石川説明員 事実上下水道は着工いたしておりますが、正式に公共事業として認定いたしまして事業化するのは四十六年度からということに相なろうかと思います。
  350. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと、この市原市の場合は、いつごろ内示が出るわけですか。
  351. 石川邦夫

    ○石川説明員 ほかの事業と同様でございまして、新年度早々というふうに思っております。
  352. 古寺宏

    ○古寺委員 いま下水道の問題を取り上げましたが、こういうようなことは千葉だけではないわけですね。他の地域においても当然下水道事業には相当の経費を要するわけです。しかし、今回のかさ上げについては、処理場は入っておりますけれども、管渠は除かれておるわけでございます。こういうことが地方財政にとってはきびしい状況になっておるわけでございますが、こういう点については自治省はどういうふうにお考えでしょう。
  353. 大石八治

    ○大石政府委員 その点の御質問は何回もあったわけですけれども、現時点における公害防止計画事業量のかなりの部分、つまり六割ないし七割というのが下水道等に関連しているという点から、実はその管渠の部分にかさ上げをするということが財政上の問題から困難になっているということでございます。しかし、同時に下水道事業というのは公害防止をするということの根幹の事業であるという点から、今度の新しい五カ年計画をつくりまして、いわゆる補助対象部分というものに対しましてもその対象を広げる。したがって、またそれだけではできないわけでありますから、単独事業に対して起債を八〇%つけるというようなやり方で、今度の下水道事業の推進をはかりたい。そのうち処理場の問題につきましては、これがダイレクトに水の汚染というものに関係いたしますから、この部分についてかさ上げをやりたいというふうな仕組みにしたわけでございます。   〔島本産業公害対策特別委員長代理退席、小林産業公害対策特別委員長着席〕
  354. 古寺宏

    ○古寺委員 地方自治体の超過負担というものが非常に大きいわけですが、そういう点についてはお考えになっておりますか。
  355. 長野士郎

    ○長野政府委員 超過負担につきましては、現実に補助対象事業の取り方あるいはその積算の基礎、用いております単価等が実情に合わないという問題がかねてからあるわけでございまして、四十二年度、四十三年度に関係各省との間で実態調査を共同していたしまして、そうして逐次その後超過負担の解消をはかってまいったわけでございます。なお、その超過負担の解消の実績は相当あがってまいりましたけれども、現在それではすべて超過負担が解消されたかといいますと、まだ相当超過負担の残っておるものもございますので、今後ともその点についての解消につとめてまいりたいと考えております。
  356. 古寺宏

    ○古寺委員 下水道の場合、十分の四の補助になっておりますけれども、実際には十分の二くらいになるわけですね。こういう点についてはいかがでございますか。
  357. 石川邦夫

    ○石川説明員 下水道はいろいろございますが、公共下水道につきましては、主要な管渠、処理場等につきまして、十分の四が補助率と相なっております。ただ補助対象率は、全体として公共下水道の場合、第二次五カ年計画では五四%でございましたが、第三次五カ年計画におきましては、実質的な補助率上げるという意味で補助対象率を上げておりまして、五七%になっております。ただ、これは先ほども申し上げましたが、大都市と一般都市によりまして差がございまして、一般都市につきましては、補助対象率をさらに上げているというふうな実情でございます。場合によりましては、二〇%ぐらいのところもございますが、しかし、おおむねは、もっと上に相なっておるというふうに思っております。
  358. 古寺宏

    ○古寺委員 建設省は、いわゆる超過負担解消について、十分の四が十分の二になっているこの実態に即して、今後どういうふうにこの超過負担を解消するお考えですか。
  359. 石川邦夫

    ○石川説明員 公共下水道全部が補助対象になりませんで、先ほど申しましたように、平均的には五七%でございますが、その他の分につきましては、起債でもってかなりの部分を見ておる。特に明年度から起債充当率を上げるというふうな形になっておりますので、超過負担というふうな形のものはないかと思います。なお、今後とも国費、それから地方債、こういったものをそれぞれ充実しまして、この計画を遂行してまいりたい、かように存じております。
  360. 古寺宏

    ○古寺委員 そういたしますと、この補助事業の場合は超過負担がない、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  361. 石川邦夫

    ○石川説明員 超過負担という意味が必ずしも明瞭でございませんが、下水道事業の場合、補助対象事業費につきましては、補助金とそれからそれに対応します補助裏に対する起債、その他の地方単独の分につきましては単独の分に対する起債というふうな形で、それぞれ見込まれておるわけでございますので、超過負担といったような形のものはないのじゃなかろうかというふうに考えております。
  362. 古寺宏

    ○古寺委員 自治省は、この超過負担について、あるというふうに考えますか、ないと考えますか。
  363. 大石八治

    ○大石政府委員 先ほどからちょっと——私どもでは、超過負担というときには、簡単にいえば、単価のほうが実情に合わないような部分のことを超過負担、こういうふうにいっていますから、そういう部分でいえば、超過負担があるかないかといえば、私は、あるというふうに思います。  ただ、御質問のことを聞いている中で、全部に補助金が行き渡らない、つまり単独事業になる部分が非常に多いではないかという部分も含めて超過負担というふうな意味にも、私、聞いておりまして、感ずるわけであります。公共になる分は大体四割というふうにしまして、その六割の残った部分のやつを三〇%起債を見る。単独のほうは今度は八〇%見る。そしてその起債額の基準財政需要額算入について、その半分を財政需要にして計算をするという方法を今度の場合とろう、こういうふうにやっているわけでございます。
  364. 古寺宏

    ○古寺委員 超過負担があるということは、これは事実ですから……。  今度の法案の中で、第二条の三の五ですか、この中に港湾の問題が出ております。河川、湖沼、港湾の問題が出ておりますが、ヘドロのしゅんせつ等でございますが、この中に「その他政令で定める事業」ということがございますが、この「政令で定める事業」というのはどういう事業でございますか。
  365. 大石八治

    ○大石政府委員 私も中身はよくわかりませんが、曝気事業というのがあるということです。その中身としましては、担当者のほうから説明いたします。——水をきれいにして、吹き上げて何かやるような形の事業のようでありますが、その事業の内容は、それ以上詳しくわかりません。
  366. 古寺宏

    ○古寺委員 総理府はおわかりですか。
  367. 福島榮造

    ○福島説明員 私も、専門家でございませんが、水の中に酸素を吹き込んで有機物を分解し、そして水をきれいにする、こういうことだそうでございます。
  368. 古寺宏

    ○古寺委員 先ほどからもいろいろ質疑された中にも出てまいりましたが、最近非常に公共水域の汚染が進んでおります。したがいまして、ノリとかあるいはカキ等の沿岸養殖が非常に被害を受けているわけでございますが、オイルフェンスは、この「政令で定める事業」の中に入っているのかどうか、その点についてお伺いします。
  369. 長野士郎

    ○長野政府委員 オイルフェンスの事業につきましては、この事業負担法に基づく関係等もあるわけでございまして、その点等の政令などの関係等も踏まえまして、そしてこれを取り上げるかどうかということについての検討を今後進めてまいりたいと思います。
  370. 古寺宏

    ○古寺委員 水産庁はいらっしゃいますか。——このオイルフェンスはどうなっておりますか。
  371. 藤村弘毅

    ○藤村政府委員 オイルフェンスにつきましては、政令で指定していただくようにいま関係省庁と打ち合わせをいたしております。
  372. 古寺宏

    ○古寺委員 今度の防止計画の中に沿岸漁業の具体的な問題があまり含まれていないように思う。今後この沿岸漁業の問題についての公害防止計画の取り扱いという問題については、公害対策本部はどういうふうにお考えになっているのか承りたいと思います。
  373. 福島榮造

    ○福島説明員 沿岸漁業そのものにつきましては、これは公害防止計画の性格上入ってこない性格のものだと思います。ただ、沿岸漁業がふるわない、その理由としていろいろな公害があるということになりますれば、この公害防止するための施策として、公害防止対策としてあがってくる、こういうことでございます。
  374. 古寺宏

    ○古寺委員 いまオイルフェンスの例を一例申し上げたのですが、そのほかにもこういう公害防止事業というような問題がいろいろ将来考えられると思うのですが、そういう点については、公害対策本部としては検討していらっしゃいますか。
  375. 福島榮造

    ○福島説明員 いままでの三件の公害防止計画につきましては、私どもといたしまして公害防止計画という性格上ふさわしい事業であれば、これを取り入れておるわけでありますので、今後ほかの地域につきまして、そういう公害防止の対策上絶対必要であるという事業につきましては、その段階で検討して、これを公害防止計画の中に取り入れて承認をしていく、かように考えます。
  376. 古寺宏

    ○古寺委員 次に、土壌汚染の問題についてお尋ねをいたしますが、土壌汚染の問題については、土壌汚染防止法というのがございますので、この問題との関連で今後いろいろ公害防止対策事業というものが行なわれると思うのですが、先ほどもちょっと申し上げましたが、安中の場合でございますが、この場合には自治省としてはどういうふうにお考えになっているのか、もう一度承りたいと思います。
  377. 長野士郎

    ○長野政府委員 土壌汚染につきましては、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律でまず適用される地域、つまりその法律に基づきますところの対策地域あるいはこれに準ずる地域という指定の制度があるわけでございます。こういうものを中心にして、私どもとしてはその事業の指定をする地域というか、その事業の適用がある地域をきめてまいりたいと思いますが、現在は農林省を中心にいたしまして、厚生省もやっておられますが、その地域を、相当な地点をいま調査されておる段階でございまして、私どもはその結論も待ちながらやってまいりたいと思います。専門的なことはわかりませんけれども、その中には安中のような地域というものは、当然に対策地域あるいはこれに準ずる地域として取り上げられるものだろうと私どもは思っております。
  378. 古寺宏

    ○古寺委員 農林省にお尋ねしますが、大体いつごろまでにこの地域の指定ができる予定であるか承りたいと思います。
  379. 岡安誠

    ○岡安説明員 先般、成立しました土壌汚染防止法につきましては、現在いろいろ調査を実施いたしまして、その施行準備を進めておるわけでございますが、私どもの予定としましては、大体五月中旬にこの法律を施行いたしまして、同時に土壌汚染防止のための審議会令を公布いたしまして、審議会を開催し、その審議会に重要な事項を、特に指定の要件に関します政令の内容等につきまして諮問をいたしまして、その答申を待って指定をするという予定にいたしておりますので、私どもの予定では、大体六月の中旬以降に汚染地区の指定がなされるものというふうに考えております。
  380. 古寺宏

    ○古寺委員 そうしますと、今年度の農作業には間に合わないわけですね、いかがですか。
  381. 岡安誠

    ○岡安説明員 特に春作を中心といたします農作業につきましては、残念ながら間に合いかねるというふうに考えております。
  382. 古寺宏

    ○古寺委員 そこで、土壌汚染防止法の対象は、現在カドミウムだけでございますが、今後農薬であるとかあるいは銅であるとか肥料であるとか、いろいろなものが入ってくると思うのでございますが、そういう問題については、自治省はどういうふうにお考えですか。
  383. 長野士郎

    ○長野政府委員 つまり自治省としましては、土地がそういう公害物質によって汚染をされまして、本来そのままに放置することは人の生活上にも、農作業上にも、また農産物の生産の上でも非常に害があるということで放置することができないというような観点から土地改良事業が行なわれるということでありますれば、それは公害物質の種類にはよらないわけでございますから、そういうものが加わってまいりまして、それが土壌汚染の対策事業として取り上げられていくことができるようになりました場合には、当然そういうものが入ってまいって目的を達成するようにすることになると考えております。
  384. 古寺宏

    ○古寺委員 総理府にお尋ねするのですが、公害の中に重金属による汚染というものが入ってくるわけですが、その場合の重金属というのは、何々をさしているわけでございますか。
  385. 福島榮造

    ○福島説明員 これは個々の法律でそれぞれ規定しているわけでございまして、あるものは明示され、あるものは政令の段階に譲られているということで、その政令につきましては現在作業中である、こういうことでございます。
  386. 古寺宏

    ○古寺委員 そういたしますと、厚生省のほうで、たとえば麦のカドミウムの基準でございますとか、あるいは銅ですとか亜鉛ですとか、そういうような基準をきめないうちは公害の中には含まれないということになるわけですか。
  387. 福島榮造

    ○福島説明員 先生御承知のように、公害につきましては、公害対策基本法で七つの典型公害をあげております。その典型公害もとになるものとして重金属が考えられているということでございます。
  388. 古寺宏

    ○古寺委員 その重金属の内容をいまお尋ねしているわけでございまして、現在はカドミウムしか入っていないわけですね、土壌汚染の場合は。その他のいわゆる重金属による汚染というものも当然起こっているわけでございますが、それは公害とみなさないのか、こういうことでお尋ねしているわけでございます。
  389. 岡安誠

    ○岡安説明員 典型公害一つでございます土壌の汚染につきましては、先ほどのお話しのとおり、土壌汚染防止法ができましたので、この法律によりまして具体的な措置がなされるというふうな段取りになるわけでございますが、私ども土壌汚染防止法で考えております公害の原因となる重金属につきましては、当響カドミウムを考えておりますけれども、順次たとえば銅、亜鉛等も政令をもって指定いたしたいと考えておりますし、事後におきまして、さらに研究の成果があらわれた場合には、鉛とか砒素というようなものも将来指定の対象に加えたい、かように考えているのでございます。
  390. 古寺宏

    ○古寺委員 時間ですからグリーンベルトについてちょっとお尋ねしておきますが、グリーンベルトが実際に行ってみると、ベルトではなくして、線みたいなもので、グリーンベルトとしての効果というものが発揮されているのかどうか非常に疑問になります。こういう点について建設省はどういうふうにお考えになっているのですか。
  391. 石川邦夫

    ○石川説明員 御指摘のように、特に市原など行きましても、まだ木が小さいためにグリーンベルトの効果というものがまだ十分に発揮されないというふうな感じがするわけでございます。しかし、これは逐次整備してまいりまして、まあグリーンベルトの効果というものをどういうふうに測定するかというのは非常にいろいろな要素がございまして、振動でございますとか騒音でございますとか大気汚染等いろいろあるわけでありますが、現在のところ、用地の取得なりその他ございまして、必ずしも十分でございませんが、今後はできるだけ広い幅をとりまして遮断効果を発揮させてまいりたいというふうに思っております。ただ、地域によりましては、かなり整備されておるところもあるというふうに聞いております。
  392. 古寺宏

    ○古寺委員 ところが、市原市の今度の予算を見ますと、二十一億の予算が二千百万円に減額になっているわけですね。これはどういうわけでこういうふうに減ったのでしょうか。
  393. 石川邦夫

    ○石川説明員 市原については、遮断緑地につきましてはすでに事業が終結しておりますので、今回の対象ということにはなっておりません。
  394. 古寺宏

    ○古寺委員 公害防止計画にかかわる事業費の四十五年十一月二十一日に決定になったのを見ますと、当初の要望額が二十一億二千百万円なんです、それが二千百万円に減っているわけなんです。実際行ってみますと、まだほとんどできていないわけです。どういうわけなんですか。
  395. 石川邦夫

    ○石川説明員 現在市原地区につきましては、維持管理の段階に入っております。もちろん維持管理につきましては相当の費用がかかるわけでございますけれども、設置自体につきましてはすでに完了しております。
  396. 古寺宏

    ○古寺委員 局長さんは市原市に行ってごらんになっておっしゃっているのですか。
  397. 石川邦夫

    ○石川説明員 市原に行っております、見ております。
  398. 古寺宏

    ○古寺委員 ごらんになったにしては、どうも話が食い違っているのですが、私が先ほど申し上げましたように、これからグリーンベルトをつくらなければならないという地域が相当ある、現在までにできているグリーンベルトはグリーンベルトの用をなしていないわけですね。公害のアクセサリーのようなものですよ。それがこういうふうに事業計画として市原市から要望があったものが、なぜこういうふうに減額されなければならないか、その点についてお尋ねしているわけでございます。
  399. 石川邦夫

    ○石川説明員 市原市につきましては、ちょっといま手元に経過がございませんので、はっきりわかりませんが、すでに市原市のグリーンベルトにつきましては、先ほどからたびたび申し上げておりますように、一応完了いたしまして現在管理の段階に入っておるということでございますので、なお調査いたします。
  400. 古寺宏

    ○古寺委員 市原市の公害防止計画を見ますと、事業年度が昭和四十六年度になっておるのです。あなたはさっき、公共下水道の場合はもうすでに事業が始まっている、これからやるんだ、こうおっしゃいますし、これからやることになっているグリーンベルトの問題、緑地の問題が昭和四十六年からになっておりますね、事業年度が。
  401. 石川邦夫

    ○石川説明員 現在、昭和四十六年度から遮断緑地を行ないます中に市原は考えておりませんので、また公害対策の今回のかさ上げ法の中でも市原地区のグリーンベルリにつきましては特に対象になっておりません。
  402. 古寺宏

    ○古寺委員 どうも話が食い違っておりますが、あそこは爆発事故もございましたね。二回くらいございました。グリーンベルトをつくらなければならぬという強い地域住民の要望もあるわけです。そういう面で、また時間がございませんので、よくお調べの上で御検討を願いたいと思うのであります。  時間が参りましたので、自治省にお尋ねいたしますが、今後この公害防止計画というものを進める上におきまして、いろいろ補助の問題が出てくると思うわけでございます。この採択、運用を誤りますと、当初の目標を達成することは不可能でございますが、こういう面について自治省は今度の公害防止計画並びに今度の補助事業かさ上げの問題についてどういう運用のしかたをしていくお考えであるか、その点について承りたいと思ます。
  403. 大石八治

    ○大石政府委員 法律に規定されておる計画地区について、また法律で指定された事業につきましては、私ども自動的にかさ上げが適用されるというふうに考えておりますし、そこはやや受け身でありますけれども、自動的に——対象になったものにつけるつけないということでなくて、これは自動的に補助がつく、いわゆる計画地以外の問題につきまして、自治大臣関係大臣及び環境庁長官とその地域以外に指定してやるという場所も出てくるわけです。そこらの点については指導的なことも考えなければなりませんので、御意思は十分胸に入れて対処いたしたい、こう考えております。
  404. 古寺宏

    ○古寺委員 それでは時間ですから、終わります。
  405. 小林信一

    ○小林委員長 これにて連合審査会は終了いたししまた。    午後四時三十九分散会