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1971-03-12 第65回国会 衆議院 商工委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年三月十二日(金曜日)     午前十時四十分開議  出席委員    委員長 八田 貞義君    理事 浦野 幸男君 理事 進藤 一馬君    理事 橋口  隆君 理事 武藤 嘉文君    理事 中村 重光君 理事 岡本 富夫君       石井  一君    大久保武雄君       北澤 直吉君    左藤  恵君       坂本三十次君    始関 伊平君       田中 六助君    前田 正男君       増岡 博之君    松永  光君       石川 次夫君    岡田 利春君       加藤 清二君    横山 利秋君       松尾 信人君    川端 文夫君       米原  昶君  出席政府委員         通商産業省鉱山         石炭局長    本田 早苗君  委員外出席者         参  考  人         (石油連盟会長出光 計助君         参  考  人         (総合エネルギー         調査会委員)  稲葉 秀三君         参  考  人         (石油鉱業連盟         理事)     岡田 秀男君         参  考  人         (石油開発公団         副総裁)    谷川  宏君         商工委員会調査         室長      椎野 幸雄君     ————————————— 本日の会議に付した案件  通商産業基本施策に関する件(石油に関する  問題)      ————◇—————
  2. 八田貞義

    八田委員長 これより会議を開きます。  通商産業基本施策に関する件について調査を進めます。  本日は、石油に関する問題について、石油連盟会長出光計助君、総合エネルギー調査会委員稲葉秀三君、石油鉱業連盟理事岡田秀男君、及び石油開発公団総裁谷川宏君の四名の方に、参考人として御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用の中を本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  本委員会におきましては、現在エネルギー資源等に関する諸問題につきまして、さきにエネルギー・鉱物資源問題小委員会を設置するなど、熱心な調査を行なっておりますが、本日、参考人の方々の御意見を伺い、今後の調査参考にいたしたいと存ずる次第であります。  何とぞ、それぞれのお立場から忌憚のない御意見開陳お願い申し上げます。  なお、御意見開陳は一人十五分程度におおさめくださるよう、お願い申し上げます。その後、各委員からの質疑がありますので、さよう御了承をお願いいたします。  それでは、まず出光計助君にお願いいたします。
  3. 出光計助

    出光参考人 石油連盟会長出光でございます。  本日は、衆議院商工委員会で現在問題になっております石油値上げ問題その他につき、石油業界意見を聞いていただく機会を与えていただきまして、厚く御礼申し上げます。  初めに原油値上がり問題でありますが、この問題は、昨年以来、北アフリカリビア国が、その国で操業する石油会社原油公示価格値上げ課税率引き上げ要求したことに始まります。その後種々の経過がありましたが、昨年九月、リビアにおいて全石油会社がその要求をのむ結果となりました。従来、無敵とおそれられておりました国際石油会社も、案外組みしやすしの感を与えたようであります。その影響が全世界石油産油国に飛び火いたしまして、昨年十二月のOPEC十カ国の総会、いわゆるカラカス会議へとエスカレートいたしました。このカラカス会議では、課税率公示価格の大副な引き上げなど、五項目決議されました。  一方、このカラカス決議の直後に、南米ベネズエラでは、一方的に立法措置をもって一年前の昨年一月一日にさかのぼって課税率引き上げました。この一年間の遡及値上げ額は、約一億ドルの巨額となるといわれております。その上、従来、公示価格石油会社が定めておりましたが、この決定権産油国政府に移すという立法措置もとりました。このような産油国政府の一方的な決定により、過去にさかのぼり、あるいは任意の一方的課税がなされることになれば、将来の石油価格予測も不可能となり、石油企業経営は著しく脅威にさらされ、はなはだしく不安定なものとなるのであります。  御承知のように、OPEC、オーガニゼーション・オブ・ペトロリウム・エクスポーティング・カウントリーズの略でありますが、石油輸出国機構とも申しておりますが、このOPECは、十年前の一九六〇年九月に創立され、現在、中東の産油国六カ国と北アフリカ二カ国及びインドネシアベネズエラなど合計十カ国で結成された組織であります。産油国の利益を守ることを目的としておりますが、現状において、OPECの実力は世界産油量の四七%、世界輸出量の九〇%を占めております。このOPECの中のペルシャ湾岸六カ国と国際石油会社が本年一月テヘランで会議を開きましたが、非常な難航でありました。ついに二月四日、OPEC側臨時総会を開きまして、もし二月十五日までに要求を受け入れなければ、国内立法措置、いわゆるベネズエラ方式をとって、これに従わぬ産油会社に対しては、石油輸出禁止を含む適切な措置をとる旨の決議が行なわれました。ようやくその前日の二月十四日に協定の妥結を見ました。  この協定を概括的に申し上げますと、第一が、課税率を五〇%から最低五五%へ引き上げる。第二が、原油公示価格を一律にキロ当たり約八百円上げる。それから第三が、インフレ調整として毎年キロ当たり約二百三十円公示価格引き上げる。第四が、今後五カ年間は協定以上の要求はしない、及び輸出禁止もやらないという内容になっております。  OPECが誕生しまして十年になりますが、その間、約百二十項目決議をしても、あまり効果をあげておりませんでしたが、今回初めて実質的な成果をおさめて、ばく大な金額の収入をかちとったわけであります。  このOPECが成功した理由はいろいろ考えられますが、まずエネルギー需要の異常な変化があげられます。これは、欧州及び米国において、石炭の減産、原子力発電の遅延などが影響してエネルギー供給が不足したにもかかわらず、需要のほうは一九六九年、七〇年と、ともに各国の景気が非常によくて、そのために世界的に重油の需給逼迫が起こって、価格が著しく騰貴したのであります。さらにスエズ運河閉鎖に加えまして、TAPライン、これはペルシャ湾から地中海に至るパイプラインでありますが、の閉鎖もありますし、ペルシャ湾石油欧州向けタンカー運賃が高騰し、これがリビア原油価格上昇を招きまして、今回の問題の発端となったのであります。  それから第二番目の理由としましては、OPEC諸国輸入品価格輸出原油価格のアンバランスの問題であります。OPEC諸国輸入する機械類あるいはタンカー、その他の工業製品のみならず、衣料、食糧等全般にわたりまして相当値上がりしておりますが、OPEC諸国の唯一のお宝である石油は逆に年々下がる一方で、一九四八年にキロ当たり五千円しておったものが、一九七〇年には三千円、これは実勢価格でありますが、になるという四割の値下がりをしております。さらに、米国石油経済学者エーデルマン教授は、原油は一ドルまで下がるであろう。バレル一ドルでありますから、キロ二千三百円まで下がるであろうと言明するようなありさまになりました。すなわち、買うものは高くなる一方であり、油は下がる一方であるという不合理な現象が漸次ひどくなってきたのであります。石油値上げというのはOPECの悲願でありまして、石油のあるうちに国の経済的基礎を固めたいと念願するのも無理のない主張であろうと思われます。  それから産油国は、消費国石油に関する税金についても次のような主張を持っております。すなわち、いままで産油国税金キロ当たり二千円程度を取っておりましたが、消費国において徴収しておる税金は非常に高く、日本キロ当たり五千円、欧州においては生産国の四、五倍の税金をかけておるではないか。産油国では、われわれの国が石油を安く売っても、消費国政府多額税金をかけて消費者に高く売っており、低エネルギー価格を欲しているとは思われないと、不満をぶちまけておるのであります。  以上述べました経済的理由のほかに、いろいろな政治的問題がからんでOPECは今度のような成果をかちとったと思われます。  以上の協定は、産油国国際石油会社との間で交渉した結果まとまったものでありますが、われわれ日本石油精製会社すなわち消費者は、その輸入する大半を国際石油会社から買っておる関係にありますから、このOPEC国際石油会社交渉については重大な関心を持っておりながら、直接私どもが出る幕はなかったのであります。  そこで、この国際石油会社OPECとの折衝の根本的な点は、五カ年間の供給確保、安定でありまして、この目的達成のために、ある点まで高い価格をしのんで妥結したという点にあります。  今回、私ども日本石油会社国際石油会社から通告のあった値上げ額というのは、公示価格値上げ額ではなくて、産油国の増収になる分を右から左へ移しておりますから、国際石油会社の手取りというものには全く増減がないわけであります。契約上から申しましても、そういう公課、税金というようなものは全額買い手に転嫁するということになっております。が、その金額があまりにも大きいために、この際、国際石油会社もその一部を負担してわが国物価政策協力をしてくれと、こういう要請をしている交渉でありまして、日本の全石油会社二十四社が団結いたしまして、窓口を一本にしぼって交渉を始めた次第であります。しかしながら、この値下げ交渉はきわめて困難なものであることを覚悟して、現在あらゆる努力を続けておる次第であります。  次に、今回わが国が負担する値上げ額について申し上げますと、ペルシャ湾積み出し分について平均を見ますと、第一次の値上げが四十五年の十一月十四日から、バレル当たり約十セント、円に換算いたしますとキロ当たり二百三十円でございます。それから第二次が四十六年二月十五日以降でありますが、バレル当たり二十八セント、これが円に直しましてキロ当たり六百四十四円となります。第三次がこの四十六年の六月一日以降となりますが、バレル当たり約七セント、円に直しましてキロ当たり百六十一円、合計いたしましてバレル当たり四十五セント、円に直しまして、キロ当たり千三十五円の値上がり、こういうことになります。またインドネシアミナス原油は、これは低硫黄原油でありますが、キロ当たり千二百円程度値上がりとなっております。この値上がりのためにわが国の負担する額は、昭和四十六年度においては総額二千五百億円程度となります。それからこの五カ年間累計いたしますと、約二兆円の多額にのぼるものであります。  そこで、これをいかに負担するかという対策でございますが、われわれ石油業者国際石油会社と一体となりまして、この値上げ額の縮小に努力いたしたいと考えております。  この点についてヨーロッパ諸国の実例を申し上げますと、原料の値上がり分はほとんど大部分消費者に転嫁しております。すなわち、石油製品価格値上げに持っていっておるのでありますが、わが国においては、低物価政策及び公定料金据え置きというような価格政策をとっておりますので、この消費者転嫁が非常にむずかしくなりました。政府とされましては、石油の関税及び消費税キロ当たり五千円取っておりまして、四十六年では総額一兆円をこす金額になりますので、その一部を減税して石油価格値上げを防止する方策を断行していただきたいと思います。さもなければ、わが国産業経済国民生活に及ぼす影響はかりがたく、甚大なものであるということをおそれておるのであります。特に最近のエネルギー事情は、アルジェリアとフランス、それからリビア国際石油会社交渉推移など、まことに流動的で予断を許さない、まことにデリケートな国際情勢となっておりますので、近くわれわれ石油業界では、エネルギー経済研究所共同調査団西欧諸国に派遣いたしまして、その実情を精密に調査して遺憾なきを期したいと考えております。  われわれ石油業者は、この石油わが国産業及び国民生活にとってかけがえのない重要なエネルギーであるということを自覚いたしまして、今後増加する石油需要に安定供給し、その経営確保したいと念願しておりますので、国会の諸先生方の御指導、御鞭撻を特にお願い申し上げたいと思います。  次に、石油パイプラインの問題について若干申し述べさしていただきます。  石油業界では、かねてから、石油大型消費時代に対応して、低廉安定供給を達成するための新しい流通合理化方式としてパイプライン配送につき調査研究してきましたが、今後、数年以降における内陸部、特に関東内陸部への効率的配送確保するためには、緊急にパイプライン敷設を行なうことが必要となってまいりました。そこで、先般、石油会社共同出資による石油パイプライン会社を設立し、関東内陸製品パイプライン最適構想として中央ライン計画決定し、自主共同運営原価主義基本原則のもとにこれを推進中であります。先ほど申し上げました原油価格大幅引き上げ等、今後予想される石油企業大幅コスト増を少しでも軽減していくためにも、石油会社はみずからの手でパイプライン経営して、エネルギー低廉供給に資したいと考えておるわけであります。  本来、石油パイプラインは、低廉供給のための最適ライン確保過密対策への寄与、より安全な石油配送実現等公共的性格を持つものでありますが、一方、その敷設にあたっては、道路敷、河川敷、線路敷等公共用地、その他の一般用地確保が必要であります。またパイプライン敷設は、通常の事業に比べ巨額先行投資を要する性格のものであります。したがいまして、この緊急を要するパイプライン事業の円滑かつ効率的推進のために、一、道路敷等公共用地の使用の許可並びに一般用地確保についての土地収用権付与等石油パイプライン事業促進に関連する法律の早期制定。二、財政、金融、税制についての政府による強力なる助成措置を強く要望する次第であります。  以上、石油業界が当面する問題に関し、私どもの考えを申し述べさしていただきましたが、最後に、われわれ石油業界に対し諸先生方のお力添えを賜わりますよう、重ねてまたお願いする次第であります。  私の陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)
  4. 八田貞義

    八田委員長 次に、稲葉秀三君にお願いをいたします。
  5. 稲葉秀三

    稲葉参考人 御紹介にあずかりました稲葉でございます。  私は専門家ではございませんけれども、過去十数年間エネルギー問題を研究し、また政府施策にいろいろ御協力を申し上げてまいりました。そして本日は、石油問題について私見を開陳しろということでお伺いをいたした次第でございますが、当面の石油問題ということになりますと、やはり、出光会長がお話しになりましたOPECの問題を離れては、なかなか私たちは将来を考えられないということになっております。しかし問題なのは、わが日本といたしまして、今回のことをどのように受け取るのか、そしてこれに対してどのような対策を講じていくのかということが主題だと思います。そのような関係で私は、やはり今回のことは、ただ当面のことだけではなくて、長きにわたる私たち経済の発展や国民生活の向上、さらにそれに伴うエネルギー消費増大という中で、これをどのようにアジャストしていくか、こういったようなことにならざるを得ないと思うのでございます。そのような意味で、短時間でございますけれども、一応私が先生方お願いをいたしたい基本的な認識ということを中心に、ひとつ御報告をさせていただきたいと思います。  まず第一に、皆さま方十分御認識のことになっておられると思いますけれども経済が成長し国民生活が上昇するにつれまして、エネルギーというものはどうしても増大をしていかざるを得ないということになっております。そして、ごく簡単でございますけれども、お手元に差し上げました一の表と二の表というのは、そういうことについて日本実情がどうなってきておるのか、さらに各国との関係がどうなっているのかということを示したものでございます。  概観をいたしまして、最近の日本事情から申しますと、実質経済成長率に対しまして、若干それを上回る速度におきまして私たちエネルギー消費というものは伸びていかざるを得ない。また、そうしないと国の経済国民生活がまかない得られないということになっております。そして一九六〇年、つまり昭和三十五年と昭和四十四年を比べまして、大体この間に日本の総エネルギー消費というのは、石油換算七千六百万キロリットルから実に二億七千万キロリットルというふうに伸びております。しかもこれは、産業用伸びだけではなくて、最近になりますと、国民生活用エネルギー消費伸びのほうが高い、こういったような現実になっております。その間、日本エネルギー構造に大きな変化が起こりまして、昭和三十五年には国内エネルギー自給率は約五六%でございましたが、いまや二〇%にまで下がってしまったということになり、そして輸入エネルギーが大略八〇%を占めている、その中におきまして石油が約七〇%を占める、こういったようなことで、経済先進国の中では日本の比率が断然高い、こういったようなことになっております。しかもわが日本は総輸入量の九五%強をOPECの国々からの輸入依存をしていかねばならない。そして今度は、先ほど出光さんが申されましたように、OPEC攻勢国際資本がそれに頭を下げざるを得なくなりまして、大幅値上げが起こったのでございますけれども、今後につきましても、一年、バレル当たり五ないし十セントぐらいの値上げというものが当然予想されるのではなかろうか。それに対して私たちはどのように対処しなければならないか、こういう問題をかかえております。  そしていまや日本は、昭和四十四年度の時点におきまして、世界最大石油輸入国でございます。しかも私たちが将来についてパターン予測をいたしまして、昨年、総合エネルギー調査会需給部会で推定をいたしましたのが、この二ページの「日本の一次エネルギー供給表」というものでございまして、この間、今後昭和五十年、六十年と、こういったようなものを推定いたしますと、現在よりも一若干経済成長のテンポが下がる、このように仮定いたしましても、エネルギー消費伸びていくし、また当面原子力天然ガス依存することのむずかしいわが日本といたしましては、その中で石油依存をしていくという割合をもっと強めていかざるを得ない、こういったようなパターンになっております。現実にそのようなことになるかどうかわかりませんけれども昭和五十年度におきましては三億四千万キロリットル、また六十年度におきましては七億キロリットルぐらいの石油というものを私たちは使わざるを得ない。また、そのほとんど大部分を外国から輸入していかねばならない。しかもこれらの油はだんだんと非常に高くなっていく。こういう中でどういうことをしていかねばならぬかということを一般的に再検討していかねばならぬ、こういう事情になっているわけでございます。  そこで、今回のことに対しまする対処でございますけれども、当面対策を決して除外をするものではございませんけれども、今回の事態、さらに日本といたしましては、皆さま方すでに御検討していただいておりまする、石油にだんだん依存をするということによりまして、原油の中にございまする硫黄分が大気に拡散される、そういったようなことから来る公害対策ということについても、今後については特段配慮をしていかねばならぬ、こういったような事情も考慮をいたしまして、いまやエネルギー政策を全体としてどのように位置づけるか。また、それに対しましてどのように対処をしていくのか。また、そのことからいたしまして、産業国民生活あり方というものについてどのような対策を立てねばならぬか。こういったようなことを頭に描いて、そして、そういったようなことと結びついた形におきまして、当面対策についてどのような対処をしていくかということを御配慮をしていただかねばならぬ、このように思っている次第でございます。  そこで、時間の関係上、私はまず、これから皆さま方にも御検討をわずらわす基本対策中長期政策、こういったようなことにつきまして問題点を指摘をさしていただきたいと思います。  その一つは、やはり何と申しましても、今後も経済国民生活が上昇してまいりますと、エネルギー消費というものは増大をしていかざるを得ない、こういったようなことになっております。そして、エネルギー革命、こういったような進行過程におきましては、なお十年、十五年間、私たちはやはり石油依存をしていかざるを得ないという運命を持っているように思いますけれども、この際、もう一つ基本的に、石油以外のエネルギーというものについてどのように開発推進の手をさらに積極的にとっていくか、こういったようなことをやはり推進をしていただかねばならぬと思っております。そして端的に申しますと、そのことは、原子力発電というものを既存計画よりもさらに推進をするにはどのようにしていくのかということ。また現在のところ、アメリカやヨーロッパのように、私たちの国には良質天然ガスがございませんけれども天然ガスに対する開発、また天然ガス輸入、こういったようなことにつきまして、公害対策というものも兼ねましてどのような抜本的な措置をとっていくのか、こういうことを御配慮をしていただかねばならぬし、また、私どもエネルギー政策関係している人間は、こういったようなことについて、既存計画を、政府の援助、協力と相まちましてどのように前向きに大きくしていくか、こういうことを検討していかねばならぬということになっております。  ただ、昭和六十年について私たちが一応いままで考えておりましたのは、現在、日本発電設備が、火力、水力、原子力合わせまして約五千万キロワットございます。しかし、既存の私たちの推算でまいりましても、昭和六十年になりますと、これが二億キロワットくらいにはしていかねばならぬということになります。そして、一応の目標といたしましては、昭和五十年度までに、一千万キロワット、あるいはそれを若干上回る原子力発電というものを完成するか、完成の一歩手前に置きたい。さらに昭和六十年には、現在の日本の全発電設備に匹敵をする原子力発電、つまり六千万キロワットぐらいの原子力発電をやっていかねばならぬ。それでもなお私たちは、石油に九千万キロワットとか一億キロワットの依存をしていかねばならぬということになっておる次第でございまして、既存計画もたいへんだと思いますけれども、さらにこれを推進をいたしまして、どのようにしていくのかということを画期的に進展せしめていく必要があるだろうと思っております。また、天然ガス開発輸入につきまして、特段措置をとっていただく必要があると思っております。  その次には、エネルギー消費産業あり方ということについて、どのような抑制措置を講じていくのか。また、これを日本国内だけでやっていくのか。国内ではどのように分散をしていくのか。一部を海外でやっていただくとして、どのようなことをしていかねばならぬか。こういったようなことにつきまして、さらに特段配慮をしていく必要がある。  もう一つは、やはり今回のことから私たちが感じまするのは、政府並びに民間によりまする原油石油製品の備蓄をどのように多くしていくのか、こういうことをしていかねばなりません。昨年、私はエネルギー現地調査団の副団長として、第三回目のヨーロッパ、アメリカのエネルギー事情視察というものを行ないましたが、その中におきまして、日本よりは比較的安定度の高い西ヨーロッパですら、共同いたしまして少なくとも三カ月間の石油備蓄をしていこう、こういったようなことをしている。そして、ヨーロッパ各国に比べますと、日本はもっと石油依存している割合が高い、こういうことを考えました場合において、やはり政府も、そういうことに対しましてどのような積極的な措置をとっていくのかということは、石油問題だけではなくてエネルギーのセキュリティーの上に非常に重要な問題だ、このように思っておる次第でございます。  いま一つは、OPEC諸国との経済協力関係をどのように私たちはやっていくのか、このような問題が登場してきているのではなかろうかと思います。  さらに今度は、基本的に石油の買い入れのやり方をどのように直していくか。また、もっと日本が積極的になりまして、これはあとで岡田さんからお話があるだろうと思いますけれども石油天然ガス資源の海外開発、特に日本の近海におきまする開発というものをどのようにしていくのか。また、従来いろいろエネルギー政策の大きな課題でございました国内石油会社というものを、どのように大きくし、統合していくのか。  こういったような問題がありまして、やはりそういうことを配慮をしながら当面の対策を考えていかねばならないと思うのでございます。  次に、この当面対策について申せば、長期政策的な配慮なしに当面対策というものはあり得ないということになりますけれども、先ほど出光さんからも御報告いたしましたように、日本昭和四十五年度におきまして輸入いたしておりまする原油の量は二億キロリットル弱、そしておそらくそれに対する外貨負担は、いままでの価格ベースにおきまして二十三億ドルぐらい、このように推定をされております。そしてこれがだんだん高くなりまして、先ほどおっしゃいましたように、一千円とちょっと、私たちが受けておりまする原油価格が上がる、こういったようなことになり、これからも毎年若干の値上がりを甘受をしなければならぬということになるわけでございますけれども、問題は、その値上がり並びに値上がりから受ける影響をどのように最小限度にとどめるのかということが大きな課題だ、このように考えられます。  そこで、一つ問題点といたしましては、消費者への影響をできるだけ防止をする、こういったようなことからいたしまして、原油価格につきまして、一つは業界ででき得る限り自主的な交渉をしていただいて値上げ幅を小さくしていただく、こういうこともございましょうけれども、そういうことに即応して、国やまた国民としてどのような協力措置をとっていくのかということを、やはりどうしても考えていかねばならぬと思っております。  そして、一バレル四十セント強の値上がりというのは、原油に計算をいたしまして、昭和四十五年度におきまして約二千億円強の負担増加、こういうことを意味するといたします。これをでき得る限り引き下げるということになりましょうけれども、おそらく今度の経過から見ますると、その値段を日本に限りましてもとの値段でやるということは、ほとんど絶望的ではなかろうか、このように思っております。また、これを業界の負担に基づきまして消すということになりましても、大体、最近の石油業界の業績というものからいたしまして、利益を全部吐き出す——しかも、これからは利益が出るか出ないかわからないという状態でございますけれども、まあ三百億出しても突っぱるか。もっと借金がかさまるということでございまして、とうてい全部それを吸収するということはできない。と申しまして、それを全額政府で肩がわる、つまり国民が肩がわるということになりまして、そして原重油関税をゼロにするとか、あるいはガソリン税まで手をつけるということになりますと、確かにそのようなことになりますけれども、原重油関税というのは石炭対策の重要財源になっておる。また、ガソリン税というのは道路財源の重要なことになっておるわけでございますから、やはり補てんをするということになりますと、今度は、それだけ国民の他の税金負担を増大するか、さらにはまた国民の借金、つまり公債発行でしりぬぐいをするかということにならざるを得ない。  いろいろな見方、考え方がございましょうけれども、私といたしましては、むしろ基本対策に今後政府は思い切った歳出をすべきではなかろうかと思います。つまり、海外開発をもっと促進をしていく、また公害対策をもっと推進をしていく、さらにはタンクの増設をひとつ進めていくとか、そういったようなことに対しまして、政府はまず支出を多くして、そして将来のマイナスを少なくするということが本来的な使い方ではなかろうかと思っております。  そして今度は、国内価格ということにつきまして、じゃ、これをほっておいたらよいのかということになります。これも別の見解が起こるでございましょうけれども、私は、今回のことに端を発しまして、関税を下げる、あるいは原重油関税をゼロにする、ガソリン税まで手をつけるということでございますれば、やはりそれをただ価格補てん対策だけに使わないで、基本対策に少なくとも三分の二は使っていただきたい。そして、価格対策で使うといたしますると、一番大きな問題といたしましては、電力料金に影響を与えるとか、あるいはいま世界の石油化学工業事情というのは非常に根本的に変わり、日本も大きな変化を受けつつあるということになる次第でございまして、ナフサや重油につきまして、消費者に対しまする影響をどのように防止をしていくか、こういったような範囲におきまして、こういう点を、基本対策と結びつけながら根本的にやや洗いがえをしてみる必要があるのではなかろうか、と思っている次第でございます。  この際、重要なことは、私は、業界の全部の努力で、全部の値上がりを防止をするということはむずかしいと思いますけれども、ともかく今回の場合におきましては、ただガソリンにだけ負担をかけるといったような処置をとらないで、やはり多元的な配慮をしていただくとともに、出光さんも、石油会社の方々も、今度は私たちもひとつこういうことに協力します、こういうふうにおっしゃっておるわけですから、まず政府に要請をする前に、石油業界としては、こういうことに備えてどれだけのことを私たちはやります、こういうことを先お出し願いまして、それに配慮をしてどういう措置をとるかということをすべきではなかろうか、このように思っている次第でございます。  ただ、ここで非常に重要な問題が出てまいっております。と申しまするのは、すでに皆さま方御存じのように、日本石油の最大の輸入国でございますけれどもOPECの国々について申せば、アラビア石油というものを除きましては、そのほとんど全部を国際石油会社から輸入をしている、こういったようなことで発言権がないわけでございます。したがいまして、私たちは、ここで国内の会社というものにでき得る限り強くなっていただく、大きくなっていただく、近代化していただくということは、間接的にどうしてもしていかねばならぬと思っております。それにつきましても、いままで論議はあるわけでございますけれども、なかなかはっきり進行しておりませんので、そういうことについてもひとつこの際、どういったようなことをしていただくのかということにつきまして主体案をお出し願いたい。これは決して国際石油会社に対決をしろということではございません。国際石油会社と協調しながらも、私は、日本石油企業国内企業がやっていかねばならぬ問題がまだ非常にたくさんあると思っております。ただ単に、政府におんぶをされて、そして援助を要請するということだけでは、強く、大きくなっていただくということがむずかしいと思いますので、この際、そういったようなことも御配慮を賜わりたいと思う次第でございます。  最後に、時間が長くなりましたので、国会の先生方に私は二つのお願いをいたしたいと思っております。  今度の国会は、地方選挙ということもございまして、実質的な審議の期間は非常に短いということでございます。また、次の段階におかれましては参議院選挙というものもございまして、先生方は身を落ちつけて御論議をお出しになることがなかなかむずかしい、このように漏れ承っておる次第でございます。そのようなこともございまして、政府とされましても、何らかの対策を講じなければならないというふうにはお考えになっているようでございますけれども、根本的な財政措置だとかあるいは法律改正ということについては、どうも次の臨時国会か、次の臨時国会は沖繩国会だから、しようがないから来年の春の通常国会まで待たざるを得ないということになりますと、ここで実は一年以上、こういう重要な問題に直面をしながら、そういうことに対する基本的な方向づけがなかなかむずかしい、こういうことになっている次第であります。そして実質的に、私たちが漏れ承りますと、原重油関税については、大蔵省さんは、そんなことはやる必要はないと言われまするし、しわは、ひとつ業界で、窓口で交渉せいというふうに押しつけられる。窓口で交渉してある程度線が出たら、じゃ政府が乗り出すかというと、それがもう、審議期間が切れておくれてしまうといったようなことになるのではなかろうかと思っております。  そのような関係から、私がお願いをいたしたいのは、何とかひとつこの国会が終了するまでに、エネルギー特別会計とか石油特別会計というものをつくって、そして今後、応急の事態に対しましてどのような対処していくのかという窓口をつくっていくということを御配慮願えないか。  その二つといたしましては、今後、場合によりましては、日本が直接海外石油開発天然ガス開発をしていく。場合によりましては政府が、備蓄用、あるいはそのほかの直接原油購入というものも、していかねばならぬといったようなことになるかもしれない。しかし、現在の法律のもとにおいては、そういうことはできかねる、こういう事態になっておりますので、石油開発公団法というものを改組をされまして、やや含みのある措置もとり得るような形の御配慮を何とか今国会開会中におきまして賜わりたい、これが私のお願いでございます。  どうもありがとうございました。(拍手)
  6. 八田貞義

    八田委員長 次に、岡田秀男君にお願いいたします。
  7. 岡田秀男

    岡田参考人 本日は、石油鉱業連盟の会長林さんがこの席に出られまして、お話をされるべきはずでございましたが、よんどころない用事ができましたので、私がかわりまして出席をさせていただきました。その点、御了承を願いたいと存じます。  石油を掘る者の立場からいたしまして、私は若干のお願いをいたしたいと思うのでございます。  まず第一は、先ほども話がありましたように、昭和四十五年度におきまするわが国輸入石油が二億キロリットル、昭和五十年になりますとそれが三億五千万キロリットルになるというようなことでございまして、総合エネルギー調査会におきましては、その約三割を日本人の手によって開発するようにいたしましょうということを、政府に提案されておるわけでございます。二億キロリットルの三〇%といたしましても六千万キロでございます。いまアラビア石油がそろそろ二千万キロの生産能力がございますが、これを三つつくらねばなりませんし、三億五千万キロの三割でありますと、これを五つないし六つつくらねば相ならぬということでございます。そのためにばく大な資金が必要でございますし、技術がかなり進歩いたしたと申しましても、石油は、井戸を掘ってみないと、あるかないかわからぬのでございまして、非常にリスクが多い。世界的な統計で見ましても、成功率が一割あればたいへんいいとされねばならぬような状態でございますので、アメリカやイギリスのように、自分の会社の力だけで年間数百億の探鉱資金が供給できるようなところは別といたしまして、他の欧米のフランスやイタリアやドイツにいたしましても、それぞれ国家資金を大量に投入いたしまして、石油確保に懸命の努力をいたしておることは、皆さまの御承知のとおりでございまして、一番おくれておりましたドイツにおきましても、昨年ドイツ資本によりまする石油会社八つに共同出資をさせまして、二億円の資本金によりまするデミネックスという会社をつくって、昨年から五年の間に五億七千五百万マルク、日本円に直しますと約五百二十億円の政府の財政援助をやるということをきめておるのでございます。わが国におきましても、昭和四十二年に石油開発公団ができまして以来、ことしの予算百七十億円の出資がきまりますと、五年間に五百億円の出資が公団に与えられることと相なるのでございます。額からいいますと、ドイツの額とやや似たようなものでございまするけれどもわが国におきまする予算は単年度予算でございまして、来年のことは来年になってみねばわからぬわけでございますが、ドイツではこれが五カ年計画をちゃんと差し示しているわけでございます。したがいまして、わが国といたしましても、この五百億が不十分であるというようなことにつきましては、谷川総裁からお話があろうと思いますが、この単年度であるということも改めていただきますれば、非常に仕事がしやすくなるわけであります。そのためには、稲葉さんが先ほど申されましたように、たとえば原重油の関税を財源とするような特別会計をつくって、安定した探鉱資金を供給していただくようにしていただきますれば幸いと思うのであります。  石油政策はおおむね政治家の手によってつくられておる。第一次欧州大戦の前後にイギリスのBPをつくったのはチャーチルであり、フランス石油をつくったのはクレマンソーである。そういう立場から、皆さま方におかれましては、政治的な立場で、この石油に必要な国家資金を大量に安定的に供給できますように御配慮賜わりますれば、非常にしあわせと存ずるのでございます。  次に、現在の石油開発公団の投融資の比率が五〇、五〇ということに相なっておるのであります。私はインドネシア石油資源開発株式会社のほうも仕事をさしていただいておるのでございますが、去年の十二月末で約百八十億円ほどの金を使ったのでございます。その半分の九十億が民間から供給を受けたわけでございます。株主としましては、三井グループ、三菱グループ、住友グループ、あるいは丸紅でありますとか、財界の大どころが株主になっておられるのでございますけれども、昨年三十億くらいの増資をいたしましたが、資金調達に非常に御苦労をなさったように見受けられます。要するに石油開発、探鉱に必要な金は非常に額が張るものでございますから、民間株主とされましては、実際、五〇%についていくということは苦痛を通り越えた問題ではなかろうかと、私は身をもって体験をいたしたのでござ  いまして、場合によりましては、この五〇、五〇の比率を、公団がもっと大幅に投融資できますように、仕組みを変えていただきたいと思うのでありますが、これはことしの予算折衝で、ケース・バイ・ケースによってはやっていけるようなふうになるようでございますのでしあわせでございますが、先ほど御紹介いたしましたドイツにおきましては、七五%まで成功払いの融資が認められておるのでございます。現在、西ドイツが海外各地におきまして非常に積極的に仕事をいたしておりますのは、この七五%まで政府が投融資をしておるということがあずかって力があるのじゃないかと思うのでございます。   〔委員長退席、武藤委員長代理着席〕  それで、石油の探鉱は一応成功いたした、油田がいよいよ見つかったということになりまして、生産段階に入っていくことになりますと、現在の法律によりますと、公団はもう開発資金は投融資できないのでございまして、輸出入銀行及び市中銀行の融資を仰ぐことになるのでありますが、その場合におきまする輸出入銀行の融資比率が、これまた問題になるかと思うのであります。これは、輸銀が六に対して民間の銀行が四というのが大体の例のようでございますが、石油開発資金というものは非常に金額が大きいのでございます。金利等の関係から申しましても、輸銀がせめて七割は持ってくれるというふうなことにしていただきたいというのが一つお願いでございます。  それから組織といたしまして、探鉱段階は公団が見る、油田が見つかったら輸銀の融資に移る。そうすると、そこに一つの谷間があるわけであります。どこからが開発に入ったと見るか、どこまでが探鉱と見るか、見方によってはそこへ谷ができまして、資金的に途切れるということがおそれられるのでございます。私ども石油を掘る者の立場から申しますと、探鉱段階において投融資をした公団というものは、それぞれの企業の内容を十分に知っておるわけであります。したがいまして、公団が引き続き開発資金も供給するという仕組みがもしできますれば、石油を掘るほうから申しますと、いま申しました資金の途切れ、谷間というものは全く生じなくてよろしいのじゃないかと思うのでございます。これらのことも今後大いに研究していただきたい問題点ではなかろうかと思うのでございます。  また、現在のところでは、開発段階に入りますと、輸出入銀行及び市中銀行から金を借りるわけでありまするが、担保が要るのでございます。ところが、海外で仕事をしておりまする会社は国内には担保物件が何もないのであります。したがって、担保物権のない海外の石油開発事業は、石油開発公団によりまする債務保証によってのみ所要資金の確保が得られるのでございます。したがいまして、公団から一〇〇%の債務保証をしていただきたいということを私どもは強く要望いたしておるのでございます。これがかりに八〇%だということになりますと、残る二〇%は商社なんかに保証をしてもらわねばならぬ。そうすると、保証料が要るとか、あるいは商社にいろいろな便宜を与えねばならぬとかいうふうなことも、起こり得るわけでございまして、ひとつ後顧の憂いなく一〇〇%の保証が公団でできますように、お願いをいたしたいと思うのでございます。  それから、最近の技術の進歩によりまして、日本海とか東シナ海など、日本近海におきまするところの大陸だなの開発も可能となってまいりました。また、未開発の北海道の白亜紀層でありますとか、また日本内地の非常に深い層の探鉱というようなことも期待できるように相なったのでございます。この辺の油は硫黄がほとんどなく、公害対策上も大いに期待されまする安定したエネルギーでございますから、諸外国もこれに注目いたしまして共同開発を申し込んでくるものが非常に多いのでございます。したがいまして、この開発を促進いたしますために、国によりまするところの基礎調査の拡充でありますとか、公団による投融資、これは今度認められるようになったわけでございますが、さらに一番問題になりますのは、日本近海におきましては漁業との調整、これが非常に問題になるのでございます。それからまた、日本海及び東シナ海の大陸だなに関係いたしましては、台湾でありますとか、あるいは中国でありますとか、あるいは朝鮮でありますとか、関係国との利害関係が錯綜いたしております。これらの大陸だなの外交上の問題解決のために、政府の格段の御尽力が願わしいと思うのでございます。  次に、石油開発公団の機能を強化して、さらに積極的に石油の探鉱、開発に乗り出せるように仕組みを考えていただきたいという問題がございます。石油の利権をとります場合には、その場で利権料を払うとか、いろいろの金をすぐ使わねばならぬという場合が多いのでございます。これはよさそうだからというので金を集めにかかりおる間には、もう時期を失するわけでございますから、公団が、自分で必要がある場合には直接利権が確保できるような仕組み、これを考えることが、今後三〇%の原油日本人の手で確保するという上において最も必要なことではないか。また、どこにどういうふうな利権があるかというふうな、いろいろの石油に関する情報を集める仕組みを充実していただきたい、かように思うわけでございます。  もう一つ最後にお願いいたしたいのは、石油開発と発展途上国に対しまする経済協力とを有機的に結びつけていただきたいということでございます。最近ドイツはこの点について非常に活発でございまして、民間のデミネックス等が利権を獲得するような努力をしておる場合には、政府が積極的にその対象の国に対して経済協力なり技術協力をもってこの民間会社の利権獲得をバックアップしておるのでございまして、これは実にあざやかにやっております。産油国の多くは発展途上国でございますから、われわれがこの地方で石油開発をやります場合に、この国に対する経済協力というものをうまく結びつけるような国の動きというものが望ましいと思うのでございます。  以上、私のかねて考えておりましたことを申し述べさせていただきました。ありがとうございました。(拍手)
  8. 武藤嘉文

    ○武藤委員長代理 次に、谷川宏君にお願いをいたします。
  9. 谷川宏

    谷川参考人 石油開発公団は、政府機関といたしまして、主として海外における日本石油開発会社に対する資金の投融資の窓口の機関でございます。先ほど来の参考人の方々の御意見のように、今回のOPECの問題を契機といたしまして、海外における自主開発油田の問題を積極的かつ加速度的に推し進めていかなければいけないということにつきましては、私ども全く同感でございます。  日本石油需要に対しまして、これの低廉かつ安定した供給をはかるためにも、海外におきまして積極的に油田の開発をはからなければいけない。その前提となる基本的な事柄に対する認識につきましても、私はいままで参考人の方々が述べられた事柄と全く同じ考えを持っておるわけであります。  すなわち、日本エネルギー資源の需要、特に石油に対する需要がますます増大してくる、と同時に、世界的に見ましてもエネルギーのコストがますます高くなってくるということ、日本におきましてはほとんど大部分のものを海外から輸入しておるということ、その中で日本の自主開発油田から輸入されるものが約一割にしか満たないというようなこと、最近のOPEC諸国と英米のメジャーの石油資本との力の関係が逆転しつつあるというような事柄を頭に置きながら考えますときに、日本としましては、ますます海外における油田の開発を積極的に推し進めるべきであるというふうに考えるわけであります。  そこで、公団としましても、そういう立場から、今後民間の方々、あるいは政府の政策に従いまして積極的に仕事を進めてまいりたいと考えておるわけでございますが、その際に問題となります事柄を二、三、以下申し述べてみたいと思うわけであります。  まず第一に、石油公団の仕事をより能率的に、また積極的にやるためには、公団の機構、人員の整備が必要であると思います。現在、石油公団の職員は、役員を含めまして、女子、運転手も含めまして八十九人でございます。八十九人の中で、役員九名、女子十九名、運転手八名を除きますると、五十二名が一般の職員でございます。その約半数が技術者でございますが、その技術者の中にもここ一、二年の新卒がおりまするので、実際に石油開発の問題につきまして働けるところの技術者は約十数名にしかすぎないというのが現状でございます。  なぜこうなっておるかということにつきましては、御承知のとおり政府機関でございまするので、監督官庁のいろいろな御指示がございまするし、また予算の制約もございまして、なかなか私どもが希望する人員の確保が困難なわけでございます。現在も、この人員の確保につきましては、関係当局に強く要請をしているわけでございますけれども、なかなか私どもの希望が達せられない。技術者が十数名でございますると、海外における石油の有望な利権を獲得するためのいろいろな資料の収集等につきましても、なかなか思うにまかせない現状であるわけであります。私どもは、少なくともこの人員を早急に二倍程度にはしてまいらなければ、国が期待される、あるいは石油業界が期待されますような仕事を十分にこなすわけにはまいらないと思うわけであります。  特に情報関係の問題でございますが、英米はもちろんのこと、石油開発についての後進国でありまするイタリア、ドイツ、フランス等につきましても、全世界に情報網を持っておるわけであります。私どもはジェトロの機構をも活用しながら、かつ石油公団の職員の人員を拡充いたしまして、石油の利権に関する情報を全世界からとるように努力をしたいと思いますけれども、それにはやはり拠点が必要であると思います。現在、石油公団の海外の事務所は、ベイルートに職員一名だけいるだけであります。私どもはさしあたり、ロンドンとかヒューストンとかニューヨークとかシンガポールに石油公団の事務所を設けまして、情報収集の拠点にいたしたいと考えておるわけでありますが、これまた予算の関係でなかなか思うにまかせないような現状であるわけであります。  石油開発の仕事は長い期間を要する仕事であります。利権を獲得するためにも少なくとも一年、大きな利権になりますると二年を必要とします。利権獲得の契約ができましても、その後に探鉱を実施するわけでございますけれども、その探鉱をやるためにも、たとえば磁力の調査あるいは地震探鉱、少なくとも三年、長い場合には五年を要するわけであります。その結果、有望な石油の地層が確認されるということになりますると探掘をやるわけでございますけれども、そういたしまして、経済性の問題を解決いたしまして、いよいよ石油の採掘にかかる。採掘の準備に一、二年はかかるわけであります。ほんとうに石油の積み出しが行なわれて日本に入ってくるまでには、いまのように六、七年はかかるわけであります。一年おくれればおくれるだけ、石油の資源の確保がむずかしくなるわけであります。御承知のとおり、全世界見ましても、残された石油の資源は少ないわけであります。主として海底油田でございますけれども、それにいたしましても、西欧諸国石油資本が、有望なところはほとんど手におさめてしまっておる。そういう状況のもとにおいて、日本が海外の油田の利権をとるということは非常に困難でございますけれども、私どもは、業界の方々、政府とも一体となりまして、この問題に取り組みつつあるわけであります。  ところで、そういう体制ができましても、資金の裏づけがなければ問題は解決しないわけであります。先ほど参考人の方々が言われましたように、単年度予算主義では、石油開発という問題は資金手当てとしては完全ではない。たとえば関税収入を財源といたします資源特別会計をつくりまして、長期間にわたって資金の手当てをするということも一つの方法だと思います。本年度の石油公団に対する政府の出資金は百七十億円でございます。今後私ども石油開発を積極的に推し進める場合におきましては、おそらく毎年少なくとも三百億円程度の金が必要になろうかと思いますが、この問題につきまして政府全体として積極的に考えて実行してまいらなければいけないと思うわけであります。  先ほどドイツのデミネックスの資金需要との対比が岡田参考人から述べられましたけれども、デミネックスは、御承知のとおり、ドイツの民族系の石油会社八社が統合いたしまして、デミネックスという会社をつくっておるわけでございますので、その八社のドイツの石油会社は、精製もやっておれば、探鉱もやっておる、輸送もやっておる。相当大きな活動をしておるわけでございまして、その八社自体の資金の手当ても、日本の公団と比べますると、いろいろな資金の財源の捻出が可能になるわけでございますので、ドイツにおきましては年々百数十億で事足りるのではないかと考えるわけでありますが、公団は全額政府出資でございまして、そしてこれを民間の開発会社に資金の供与を行なうわけでございます。  ところで、日本におきましては、精製会社、開発会社あるいは販売会社、これらが細分化されておりまして、集中されておらないわけであります。で、石油開発資金を捻出する場合にもいろいろ問題があるところであるわけであります。日本といたしましては、諸外国とは経済情勢が違いまするので、日本独自の考え方でものごとを考えることも必要だと思いますけれども、フランス、イタリア等の国の石油開発に対する援助、たとえばイタリア、フランス等におきましても、国が相当の額の財政援助をやっております。  ところで、フランス、イタリアの、公団と同じような仕組みの公社におきましては、単に石油開発だけではなくて、あるいはタンカーを持ち、あるいは精製も行ない、輸送も行なう、総合的に仕事をやっておる関係上、開発、探鉱に対する資金の捻出も比較的容易になっておるわけでありますが、石油公団におきましては、唯一の財源が政府の出資金でございまするので、これを何とか拡充しなければ積極的な探鉱活動はできにくいわけであります。  次の問題は、先ほど岡田参考人が述べられました問題でございますけれども、公団の第一番目に重要な機能である海外の開発会社に対する投融資の仕事でございますけれども、その投融資の公団の負担する割合、これにつきましては、四十六年度からケース・バイ・ケースで、民間の資金の需給関係を考えながら、また石油開発企業の大きさ等を考えながら、必ずしも五〇%に拘泥いたしませんで、状況に応じて六割、七割という割合で公団が投融資をするという方向で、いま具体的に案を練っておるところでございます。また、探鉱が終わりまして開発段階になった場合におきまして、主として輸出入銀行がその海外の石油開発会社に対しまして開発資金を融資するわけでございますが、これも民間と輸銀との協調融資になっておる。それに対しまして、石油開発会社には担保がないものですから、従来、商社等が保証しておったわけでございますけれども、公団ができましてからは、公団が、その海外の石油開発会社が輸銀、市銀等から開発資金を借りた場合の債務の保証をしているわけでありますが、この保証の範囲につきましても、今後は、少なくとも最低八割、場合によってはそれ以上の債務保証をしなければいけないような石油開発需要が起こってくるのではないかと考えておりまして、そういう方向で目下関係の役所と折衝をしているわけであります。  さらに、公団が融資する場合の金利が六・五%以上というふうになっておりますけれども石油開発のように、非常にリスクが大きい、長期間資金が寝るという場合におきましては、私はこれは個人的に、六・五では高過ぎる、場合によってはもっと低い利率で貸す、あるいはまた、開発までの間は利子をとらないで済むようなことも考えられやしないだろうかということを考えて、今後具体化いたしまして、政府要求をしようと考えておるわけでありますが、こういう問題についても、なかなか解決までには時間がかかるわけであります。一方、海外の利権はどんどん外国にとられてしまっておるというようなことであります。  また、先ほどお話がありましたように、公団は主として探鉱段階の資金の供与をする。それが、油が出て開発になりますると、公団は資金の供与をしないで債務保証だけをするということになっておりますけれども、これは石油の探鉱、開発というのは一貫して作業が行なわれるわけでありまして、その地域におきましても、ある井戸は開発の井戸であるし、ある井戸は探鉱の井戸であるというようなことでもございまするので、政府機関としては、一元的に探鉱から開発までの資金の供与をするということが事業を円滑に進める上において必要であろうと思うわけであります。  なお、公団といたしましては、民間の企業に対する資金の供与機関でございますけれども、先ほどお話がありましたように、石油の利権というのはなかなかとりにくい。公団が率先して権利をとって、その公団がとった権利を民間の石油開発会社に譲り渡して、そうして民間の創意くふうを反映させて、民間会社で実際の探鉱、開発活動をやっていただく。権利をとるのは公団が一手に引き受けて、政府協力しましてやったらどうかという考え方があるわけでございますけれども、この問題につきましても、それが一番いい方法であれば、公団もそれをやらなければいけない。しかし、冒頭お話をしましたように、実際の人員がいまのようなことでは、かえって公団が引き受けたために権利を取りこぼしてしまうということがあってはならないわけでございまして、人員の拡充の状況とにらみ合わせまして、公団の仕事のやり方も考えなければいけないと思うわけであります。  時間が参りましたので、これで終わりますけれども、またいろいろな問題につきましては、後ほど御質問に応じましてお答え申し上げたいと思います。  どうもありがとうございました。(拍手)
  10. 武藤嘉文

    ○武藤委員長代理 これにて参考人意見開陳は終わりました。     —————————————
  11. 武藤嘉文

    ○武藤委員長代理 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますから、順次これを許します。橋口隆君。
  12. 橋口隆

    ○橋口委員 本日は、参考人皆さま方にはおいでくださいまして、たいへん貴重な御意見をお述べいただいてありがとうございました。  これから若干の点について質問いたしたいと思いますが、四人の方にそれぞれ一、二問ずつ御質問したいと考えておりますが、割り当ての時間がわずか二十分でございますので、できるだけ簡潔にお答えいただきますならばありがたいと存ずる次第でございます。  初めに、この石油原油値上げ問題についてお伺いしたいと思いますが、これは現在の日本経済にとっては最大の課題になりつつあることは御承知のとおりでございます。二千億円にものぼるこの大幅な値上げをどういうふうにして国民経済の中で吸収していくか、これは非常に困難な課題と思います。  そこで、その吸収のやり方については、まず第一には、メジャーに対しての交渉、それから石油企業内部における合理化、それを徹底的にやって初めて国の施策を要求し、あるいは需要家に転嫁していく、そしてできるだけ消費者には負担をかけない、これが基本方針ではないかと考えるのでございます。  その意味で、出光会長にいま非常に御苦心いただいておりますが、国際石油資本との交渉でございます。これは第一回目の結論がゼロ回答であったことは周知のとおりでございまして、第二回目の交渉にいま入っていただいていると思うのでございますが、これは一体どういうような内容でお臨みになるのか。これはなかなかお漏らしになりがたい点かと思いますけれども、聞くところによりますと、一バレル当たり二十八セントを二十三セントにまで引き下げてもらう、こういう交渉も進められているやに伺うのでございます。しかし、先ほどほかの皆さま方からもお話がございましたように、メジャーの反応はきわめてむずかしい、こう見られております。その見通しについて、出光会長はどういうふうにお考えになっておられますか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  13. 出光計助

    出光参考人 実はたいへんデリケートなむずかしい問題であります。ペルシャ湾で七億いま生産されておりますが、そのうちの二割は日本に来ております。八割は大部分ヨーロッパへ行く、こういうことになっております。そこでヨーロッパでは、先ほど申し上げましたとおりに、大部分、ほとんど全部を消費者に転嫁いたしております。いわゆる原油の値引きという問題は起こってないわけであります。そこでもし日本にその問題が起きますと、全世界に及ぶわけであります。非常に大きな影響があるので、メジャー側としましては、もう絶対ノーという姿勢でございます。ただ、日本実情に対しまして、基本的には日本の方針に沿いたい。その問題は、一般的に例の四人委員会といっておりますが、あそこに返事するのではなく、おのおのの会社の関係があるから、個別折衝で回答したい。もっともな言い方でございます。各家庭の事情がみな違いますので、一律にこうということは非常に及ぼす影響が大きいので、そういう態度でございます。私の感じといたしましては、いろいろな点において、日本の方針に協力することは間違いないと考えております。程度の問題であります。
  14. 橋口隆

    ○橋口委員 非常にデリケートなお答えのようでございますが、私は周知のように、石油の企業においては、採油段階において一番利潤がある。そこで日本の企業も進出しなくてはならぬ、従来そういわれておりました。また今回の値上げにあたりましても、パーレビ・イラン国王は、国際石油資本の側があまりもうけ過ぎているから、これからはき出させるのだ、消費国には負担をかけないということを言っております。そしてまた、現実の数字を私は調べてみれば、メジャーの一バレル当たりは、最近では値下がりをしておりますけれども、六九年では利潤が三五・四セントと、こういわれております。そして利益率は、ある一社に例をとれば一二・五%。それに比べますと、日本石油企業の総資本収益率は、四十五年の上期で二・八%でございますね。これを比較してみますと、国際石油資本は非常にもうけ過ぎていることは明らかでございます。国際世論も同様でございますから、これはひとつ思い切って、ほかの消費国とも手を結んで、西欧では全部消費者に転嫁するということのようでございますが、しかし向こうとも手を握って、これは将来への長い目で見て大事な問題でございますから、ぜひひとつ御奮闘をお願いしたいと思います。  その点でちょっと伺いたいと思いますが、初めこれが問題が起きましたときに、出光会長の御発言でございますが、われわれ輸入カルテルを結成してでもひとつ国際石油資本に対抗しよう、こういう御発言がありまして、われわれ非常に心強く思っておったのですが、いつの間にか雲散霧消した感じでございますが、それはどうでございますか。
  15. 出光計助

    出光参考人 実はこの輸入カルテルとなりますと、この結成がたいへんむずかしいので、実は原油を買っております会社が二十四社ありますが、二十四社の意見は全部大体一致しておりますので、そのうちからわれわれ四人が代表者となりまして、向こうと交渉しているわけです。輸入カルテルというものでありませんが、実質上の団体交渉——こちらはですね。向こうは一社ずつでございます。こういうことになっております。  先ほど申しますとおり、契約上はこれは対抗できない。国際法の弁護士とも十分相談いたしましたが、契約上はなかなかできないので、要するに日本のこの価格政策協力を要請する、こういう形になっております。非常に厚い壁でございますが、一生懸命やっております。  それで、国際石油会社の言うのは、現在の一番の問題は供給の安定であるから、この五カ年間の供給の安定を第一にして、価格はある点まで犠牲になったんだ、さらに今後の供給も、開発を続けていかなければならぬ、そのための投資資金が相当要るから、価格の問題はひとつぜひがまんしてくれと、こういう供給安定が第一の視点になっております。その点も考えてやらねばならぬのじゃないかというように考えております。
  16. 橋口隆

    ○橋口委員 非常に厚い壁であろうかと思いますが、日本経済にとっては死活的な問題でございますから、今後一そうの御奮闘をお願い申し上げます。  それにつきまして、五年後にはまたこの問題が持ち上がってくると思います。そこで、いまからその対策を練ることも非常に必要だろうと思うのでございますが、先般、出光会長は、世界石油調整機構というのをつくって、これは産油国、メジャー、それに消費国を含めた国際会議を開こう、こういうふうに発言をされております。また経済同友会でも、国際資源調整会議というものを国連につくろうではないか、こういう提唱もあるようでございます。出光会長はこの六月にモスクワで開かれる世界石油会議に御出席のようでございますが、その席上でもそういうような構想で交渉される御用意があるかどうか、承りたいと思います。
  17. 出光計助

    出光参考人 今回のOPECとメジャーの交渉を見てみますと、消費国、われわれ日本としては全然舞台に上がってないわけです。舞台に上がる場をつくらなければならぬと思いまして、ああいうことを申し上げたわけであります。今度モスクワに行きましたら、いろいろ各国と、たとえば西独、イタリアのような消費専門国がありますので、機会を見て話したいと思っておりますが……。
  18. 橋口隆

    ○橋口委員 次に一番大事な問題をお伺いしますが、日本石油の企業の利益は年間三、四百億しかないということはもう周知のとおりでございます。そこでこの二千億円のうちでどのくらいを負担されるかですね。もう全然ノー負担というのでは、これは国民がおさまるまいと思いますが、どの程度は自分でも負担する用意があると、その辺を——非常に発言もむずかしいと思いますけれども、その決意のほどをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  19. 出光計助

    出光参考人 非常に商売の秘密にわたる問題でありまして、おそらくメジャーの返事が来週一ぱいには来ると思います。その上でメジャーとわれわれとが——われわれもこれは非常に合理化しなければならぬし、全額を右から左へなんというふらちな考えは持っておりません。返事が来ましたらメジャーとわれわれと一緒にして、バスケットにしてできるだけ負担する、こういうことにしたいと思っております。具体的な点はちょっとまだ申し上げかねます。お許し願いたいと思います。
  20. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは次に、石油開発の問題について岡田理事にお伺いしたいと思いますが、現在、日本石油開発企業は、石鉱連傘下で十三社、二次会社まで含めると二十一社あるわけでございますけれども、これが一会社一プロジェクトが原則になっておる。これでは、これからの激しい国際競争に太刀打ちできないのではないか。だから一般にもこれは再編成を必要とするのではないか。これを全部一本化せよという意味ではございませんが、できるだけ統合できるものは統合して力を強くするというのがこれからの方向ではないかと思います。そういう点において、岡田理事はこの石鉱連の役員としてどういうふうにお考えになっておりますか。
  21. 岡田秀男

    岡田参考人 現在のわが国の海外で仕事をしております石油会社は、大体一つのプロジェクトで一会社という形に相なっております。したがいまして、極端なことを申しますと、その自分の持っておる地域で石油の発見ができなかったら、その会社はそれでもうおしまいということになるという危険性を持っておることは、これはいなめないのでございます。外国の古い歴史を持っておりまする大きな会社は、まあタコの足のように世界の至るところへ活動の舞台を持っておりまするから、ある場所で失敗いたしましても、他の場所の成功によってこれを補い得る、こういう非常にいい利点を持っておるのでございます。わが国におきましても、さような石油会社ができることが望ましいことはもとよりでございますけれども、出発が非常におくれまして、そして、ある一つの利権区域が見つかったのでさあやろうじゃないかというので、そのつど会社をつくらざるを得なかったという従来の経緯というものは、これはやむを得なかったのじゃないかと思うのでございます。  今後の問題として、それなら、いまある会社を統合したらどうかという問題につきましては、もうすでに油を見ておるところもございましょうし、あるいはまた、いま悪戦苦闘しておる会社もございます。したがいまして、これを人為的にまとめるということは実際問題として非常にむずかしいのじゃないかと思うのでありまして、私は、今後のあり方としては、大きなプロジェクトがございましたら、その利権をとってこられた人が相当大きいシェアを持たれることはやむを得ぬとしましても、極端にいいますれば、株を広く募集するような気持ちで分母を非常に大きくしておきますれば、分子の資金が膨大になりましても、一人一人の株主の負担するものがそう大きくないというふうな体制をとることも一つの方法かと思いますし、あるいはある地域、たとえばオーストラリアだとか、あるいは南米へ出ていくとかいうようなことがございますれば、まだそこがあまり日本人が行っておらぬところでありますれば、地域的に一つまとめるようなくふうをする、あるいは公団のほうで金を出されるときにそういうふうなあっせんをされる、というふうな方法で一つの取りまとめをするというようなことも一つの考え方ではないかと思うのでありますが、私がインドネシアをやりましても、分子が非常に大きくなってきますと、分母の株主の負担が非常に、一人一人の負担が大きくなりまして、もう疲れたという状態が来るのであります。幸いにインドネシアの場合は、もう疲れ果てる瞬間に油が見つかったものでございますから、起死回生のことに相なったわけでございます。まあ私も、いまの御意見のように、何とかまとめることができればと思いますけれども、もう出ておるやつをまとめるというのは非常に困難じゃないかと思います。
  22. 橋口隆

    ○橋口委員 岡田理事のおっしゃるとおりだと思いますが、これからペルシャ湾中心主義から世界各地域に分散して開発しよう。そういう段階では、アフリカとかあるいは南米、そういうところに対しては、少数分裂でなくて、できるだけ大規模なプロジェクトにして仕事を進めていただいたらいいんじゃないか、こう考えております。  ところで、谷川総裁にお伺いしたいと思いますが、日本の自主開発昭和六十年には現在の一〇%から三〇%にしよう、こういうことでございますが、そうなりますと、かりに六十年七億キロリットルとすれば二億以上の開発をしなければ方らない。これはたいへんな仕事であって、その可能性はかなり疑わしいと私は思うのでありますが、それを遂行するには非常に力を要する。そこで公団としては、さしあたってこの五カ年間、これについてはどういう目標をお立てになっているか。そういうような計画はすでにでき上がっておられますか。政府においても、単年度予算ではぐあいが悪い。先ほど稲葉先生からもお話がありましたように、どうしても将来エネルギー特別会計をつくることも必要だろうと思われます。そういう意味で、公団としては、さしあたっての五カ年でそういう計画は進められているかどうか、それを伺いたいと思います。簡単でよろしゅうございます。
  23. 谷川宏

    谷川参考人 具体的な発表できる段階の計画はございません。しかし、地域別に世界の資源の情報をとりまして、先ほど申し上げましたように、現在、公団の人員が少ない関係上、なかなか情報が集まってこないわけでございますけれども、いま手に入っている情報を、民間の方と協力いたしまして、どの地域のものが有望かどうかという点を検討いたしまして、一応の目星はつけておりますけれども、はたしてその利権がとれるかどうかということは非常にむずかしい問題が多いわけでございまして、またその利権をとる直前になりませんと、相手の国も詳細な地質図等は見せてもらえないというのが国際的な慣例でございますので、どの程度の油の量がその地域にあるかどうかという点については、今後情報をさらに集めまして、そして慎重に検討いたしまして、全体の量が積み上げてどの程度になるかということを把握してまいりたいと思うわけであります。今後五年間に、たとえばアフリカ、あるいは中南米、あるいはまた豪州というところ、あるいはまた日本の近くの大陸だな、そういうようなところを一応の目標といたしまして——もちろん中東も大事な地域でございますが、目下着々と計画を練りつつある段階でございます。
  24. 橋口隆

    ○橋口委員 公団においてもぜひ長期計画を策定されまして、そして先ほどお話がありましたように、公団の機能を思い切って強化する方向で進んでいただきたいと思います。  最後に、稲葉先生にちょっとお伺いしたいのでございますが、先生も参加してつくられましたエネルギー需要の見込みでございます。想定でございますが、五十年には三億四千万、六十年になりますと、七億をこえるというような想定がなされております。しかし、資源開発がこれから非常に世界的に困難になってくる。そうして国内ではまた、公害問題や立地問題で製油所なんかをつくることもむずかしくなるだろうと思われます。そういう意味で、この想定は、一応政策目標としても今後貫いていけるかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
  25. 稲葉秀三

    稲葉参考人 なかなかむずかしい御質問でございますけれども、実は昭和五十年度につきましては、私、新経済社会発展計画産業のほうの副会長をつとめまして、そして与えられました数値、つまり四十四年度から五十年度まで、実質経済成長が毎年一〇・六%にいく。そしてやや将来は日本産業構造はさらに付加価値の高い重化学工業に推移するであろうけれども、そういったような構造変化というものを若干織り込みまして、どういうことになりましたかということを過去の関連分析の延長で出しましたのがこの表でございます。  ただ、デリケートだと申し上げますことは、私たちはいままで何回か将来の経済予測ということをやってまいりました。そしてそれにつきましては、五年後、十年後について、それをつくりました時点では、大き過ぎるじゃないか、こういったような御批判も出たわけでございますけれども現実はそれ以上の発展というものを過去において日本は示しております。たとえば昭和三十五年度の経済所得倍増計画で私たちが計算をいたしましたときには、四十五年度のエネルギーの数値はこれよりもっと低かったわけであります。また鉄の生産は、昭和三十四年度が粗鋼で千八百万トンでございまして、それが一体四十五年度で幾らまでやっていけるのかということを通産省や各業界の首脳部に御相談をいたしましたが、どんなにがんばっても五千万トンしかできません、こういうことでございましたが、現実には、昭和四十四年度で八千七百万トンになり、また現在日本として、需要があれば鉄をつくる設備は一億一千万トン、ほぼソ連邦の鉄の生産と匹敵するぐらいの大きさというものを実現した。したがって、過去の実績の延長という形になりますと、実はこれよりは大きくなる。しかし、やはりいろいろな生産からいたしまして、私たちが今後国民生活というものを非常に重要視していく。また必ずしもいままでのように、大都市が主として港に面しておりまして、わりあい手っとり早い形で東京や大阪や瀬戸内海や伊勢湾というものを利用して発電所もつくれる、製鉄所もつくれる、石油工場も石油化学工業もつくる、それを加工する地域もつくるといったようなパターンが、おそらく今後については相当困難だろう、こういうふうに考えますと、私たちは、ここで思い切った日本産業あり方、こういうものを再検討し、再構成しなければならぬときに来ておるのではなかろうか。  したがいまして、端的にいまの段階について私が申し上げますと、五十年度についてここまでいけるかどうかということについてはちょっとお答えが出しにくいといったのが率直な姿で、それよりも重要なことは、御存じのように、もはや私たちは、過去のパターンのように大都市周辺ではこういうエネルギーの設備というものはつくっちゃいけない。つくるといたしましても、もはや東京湾では天然ガスの発電所ぐらいしかできないといったような基準を考えて、そして、そういったようなワクの中でエネルギー消費型の産業をそれぞれの地域以外に持っていく。さらに、どうしても必要であれば、やはりエネルギー消費型の産業、たとえばアルミニウムでございますとか、鉄鋼でございますとか、それからまた、石油化学といったようなのを他の地域に分散をする。さらに私個人は、経済的にはむずかしいと思うのですけれども日本原油をアラビアで積んで日本へ持ってきて、着いたとたんにそれが製品になっていく海上工場ぐらいはひとつ考えたらどうだろうかといったような、ややいままでと違いましたやり方を、ほんとうにこれからのエネルギーということを考えると、やると同時に、実際は原子力発電というものが——原子力というものは一番危険なエネルギーでございますけれども、やはり日本としては、安全保障、それからチープネス、それから公害対策ということを考えますと、一番利用し得るエネルギーだ。つまり、清い水、清い空気をもたらしながらやれるエネルギーなので、それをどのようにみんなの力で盛り上げていくのか。また将来の産業も、いま技術的にはまだ未解決でございますけれどもエネルギー目的利用の産業で鉄をつくっていく、化学工業をやっていくというところへ、いかに早く移り変わるかという検討や、そういうことにつきまして国民の皆さま方の御認識や御助成というものをいただく必要がある。  私個人の率直な意見を申しますと、私、終戦後政府に招かれて、日本経済復興の初期のパターンをつくった人間でございますけれども、いままではそういう形で高度成長をしたけれども、今後については必ずしもそれが保障されるとはいえない。こういうようなときにいま来つつあるのではなかろうか、このように考える次第でございます。
  26. 橋口隆

    ○橋口委員 どうもありがとうございました。
  27. 武藤嘉文

    ○武藤委員長代理 中村君。
  28. 中村重光

    ○中村(重)委員 出光参考人にまずお尋ねします。  御承知のとおり、全国的に灯油あるいはガソリンの小売り価格値上げが始まっているわけです。通産省は、先取り値上げであるとしてきびしい態度で臨もうと、業界に警告をしておる。公正取引委員会は、これは協定値上げの疑いがあると、調査を始めようとしているわけです。ところが、先ほど出光参考人の御意見の中で、昨年十一月に十セントの値上げがあったんだ、二月十四日から二十八セントの値上げ通告、さらに六月はインフレ対策という形で七セントの値上げ、合計四十五セントの値上げになるんだという御意見であったように伺った。いま全国的の値上げが進められておるそのことは、昨年十一月の値上げ分がいまそうした形であらわれてきているのかどうかという点であります。だといたしましても、私は、二十八セントの値上げ通告に対していま交渉をやっているときでありますから、どうも全国的な小売り価格引き上げ交渉に有利に展開をしないのではないか、このような感じがいたしますが、あえていま、そのような形になったことについての考え方がありましょうから伺いたい。  それから、いま交渉しておる二十八セントの問題にいたしましても、メジャーの建て値というのが三十五セント、二十八セントの値上げ通告、その幅はわずかに七セントでありますから、そのきわめて限られた形において、これを幾ら値下げをさせるのかという交渉が行なわれているのが実相ではないかという感じがいたします。かりにそれが、メジャーと各個別の会社との間の、いわゆる個別交渉が行なわれたといたしましても、きわめてわずかな額にすぎないのでございましょうから、だといたしますと、相当大幅な値上げが行なわれることは避けることはできないのではないか。そうなってまいりますと、小売り価格の本格的な値上げというものが行なわれる可能性があるように思います。そうした本格的な値上げはいつごろから始まることになるのか、それらの点に対して、簡単でけっこうでございますから、ひとつお答えをいただきたいと思います。
  29. 出光計助

    出光参考人 ただいま新聞に盛んに値上げの記事が出ておりますが、実はこのガソリンの価格というものは各地において非常に違いがあります。むしろ値上げというよりも、そのほうの整理をしておるというような状態であります。新聞に出ておるほどの値上げはないわけでございます。  それから、全体の四十五セントの値上げは、六月以降になりますと四十五セントになりますが、御説のようにたいへんな値上げ幅になりますので、大体原油にしまして一千円以上、製品にいたしますと、これが一割増しで千百円以上の値上げになるわけです。このうちで、なるべくメジャーとわれわれで吸収しまして、これが御期待のような大きな幅にはなり得ないと思います。というぐらいに、メジャーも私のほうも、マージンが非常に減っておる現状でございます。それで目下低物価政策を強行されておりますので、これの残りの需要者への転嫁、すなわち値上げというのは非常にむずかしくなりますので、これをいかに処置するか、来週一ぱいぐらいでメジャーとわれわれの決心がつきますから、その上のことです。そして十分通産省の指導のもとにきめたいと思っております。日本ヨーロッパと非常に事情が違いまして、実はたいへん苦悩しておる実情でございます。
  30. 中村重光

    ○中村(重)委員 たいへん答弁がしにくいんだろうと私は思います。いま、新聞報道は若干誇大であるというようなお答えであったわけでありますが、単に新聞報道だけでなくて、値上げが始められていることは事実なんです。九州なんかでは十円の値上げとなってあらわれているところすらあるくらいであります。しかしながら、これは先般、土屋さんもテレビへ登場をされまして、これは十一月分の値上げがいま小売り価格値上げという形ではね返ってきているのだ、というお話でございました。いまのお答えの中からも、非常にいま交渉はきびしい、こう言っておられる。またマージンの幅も非常に少ないんだ。だとすると、これは二十八セント、かりにそれが二十セントという形になったといたしましても、大幅ないわゆる消費者に転嫁するという形は避けられないんじゃないか。そこで率直にあなたは見通しとしてお答えいただいてけっこうでございますから、通産省と御相談になりましょうとも、いまここでお答えになりましたことが何も制約条件になるわけでも何でもありません。あなたが感じられたこと——私が伺っておるところによりますと、四月ごろから実は本格的な値上げという形が、いわゆる消費者に転嫁する小売り価格値上げという形であらわれてくるのではないかといわれているのでありますが、そこらをざっくばらんにお答えいただけませんか。  それから、いま交渉を進めております問題ですね。これは五年間の価格をきめるのだということでございますが、今回の交渉、いま二十八セントの値上げの問題が中心でございましょうが、それがどういう形で妥結をいたしたとしましても、五年間は一切もう価格引き上げはない、安定価格ということで消費者は安心してよろしいのかどうか、そこらあたりもひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
  31. 出光計助

    出光参考人 先生のおっしゃいました、その長崎に十円値上げという説があって、私もびっくりいたしまして実は調べたのでありますが、何かの間違いでございました。でありますから、もう一ぺんよく調べまして——とんでもない話になるわけでございます。  それから、値上げのことをざっくばらんに申しますと、御説のように、四月ごろから本格的になるであろうと私は考えております。それから五カ年間の問題ですが、これは先ほど申しましたように、一月一日を期しまして毎年一割以上の値上げが来るわけでございます。この問題も、日本国内物価の場合どうするかという問題として考えなければなりません。五カ年間、価格安定するということは、決して言えないと思います。漸次インフレーションに従って値上げしていく、こういうことになっております。
  32. 中村重光

    ○中村(重)委員 率直なお答えで敬意を表します。まあひとつ、あることはあることですね。ここでオブラートに包んだような御回答でありましては、国民に対して、むしろ強い不安と憤りというものを与える結果にもなりかねないのであります。まあ、ひとつここは、国民とあなたがお話し合いをしておられるというお気持ちでお答えをいただくことのほうが、私はよろしいかと思います。  さらにこれは稲葉参考人にお尋ねをいたしますが、先ほどの御意見の中にも、備蓄の問題、あるいは自主開発の問題等々あったわけでありますが、備蓄の問題はあとでお伺いするといたしまして、自主開発の問題なんですが、御承知のとおりに、いま日本に入っております原油の七〇%はメジャーのひもつき輸入である、首っこを押えられているということも言えるのではないかと私は思うのです。私はその姿を打開していかなければならぬと思うのです。これを打開をしていくためには、どうしても自主開発の促進であろうかと思うのであります。いま民族資本によるところの自主開発は一〇・四%、二千万キロリットルでございますから、これを目標の三〇%の自主開発ということになってまいりますと、需要量がどんどん増大をしてまいりますから、これは相当急速な自主開発の促進が必要になってこようかと思うのであります。第一次五カ年計画で六千万キロリットルの自主開発というのでありますが、いまのようなペース——先ほど開発公団の副総裁その他御意見がございましたが、人手が足りないとか、いろいろなお話があったわけでありますが、いずれにいたしましても、資金の面、公団の要員の問題、いろいろあります。それから、西独その他がやっておりますのは、岡田さんもお話がございましたが、これは相当経済協力というような形で政府がてこ入れをしておるということであります。日本はそういう面も弱い。だから私は、そうしたもろもろの問題を克服していくのでなければ、目標の達成というものはなかなかできないのではないかという感じがいたします。ですから、この際、稲葉参考人、これは時間の関係がございますから岡田さんからもお伺いをしたいのでありますが、いまのようなペースで進んだら、目標の三〇%ということの達成は可能であろうか、いつごろになるのであろうか、ひとつそこらあたりについて御意見を伺ってみたいと思います。
  33. 稲葉秀三

    稲葉参考人 世界の原油及びその新しい地域の開発、こういうことを考えましても、私の個人的な意見でございますけれども、おそらく現状をもとにしてはとても三〇%はおろか二〇%もいきはしない、このように考えます。  ただ、先ほど谷川総裁がおっしゃいましたけれども、人をふやして情報をたくさんとるとか、現地に駐在をしていく、こういったようなことももとより必要でございましょうけれども、やはり私自身としては、ただ人をふやしただけでは問題が解決をするとは思わない。お金をふやしただけでは問題は解決するとは思わない。それに加えまして、やはり政府と民間、特に石油開発関係の方々の努力というものがなければ私はうまくいかぬと思いますので、やはりそちらのほうについても、ただ政府のほうにだけ、ふやせふやせ、金をつけろというふうなことだけ言わないで、自分のほうはこういうことをするのだからひとつふやしてくれとか、何してくれとか、これだけの責任はとるのだということだけは、もう少しやはりはっきり言っていただきたい情勢にあるのではなかろうか、こう思います。
  34. 中村重光

    ○中村(重)委員 そのとおりだと私も思うのです。まあプロジェクトの問題もその一つであろうかと思うのでありますが、それと関連をして出てまいりますのは、石油開発公団あり方の問題であろうと思うのであります。いま探鉱することに対して必要な資金の供給、それから資源開発に対するところの資金の融通、そこらが開発公団のいまの業務の内容というのか限界というのか、そういう形なんですが、自主開発を促進をするということになってまいりますと、最後まで公団がやれとは言いませんけれども、やはり実務の面に一歩入っていかなければいけないのではないか。自分から探鉱もやるということであります。それから有望な鉱区権の確保といったようなこともやるということですね。そうした融通資金あるいは供給資金というものも大幅に拡大をしていくという方向でなければならないというように思います。それこそ、ただいまお話がございました人の問題だけではない、そのように実は考えるわけであります。  ところが、そうなってまいりますと、この業界がはたしてそれをどう受けとめるのであろうか。いわゆる政府ベースによるところの自主開発ということについては業界は難色を示しておるということも、これは事実の有無はわかりませんけれども、伝えられているのであります。そういったようなことでありましては、いつまでたっても自主開発の促進はあり得ない、そのように私は考えるわけでございますが、この公団のあり方として、稲葉参考人並びに岡田参考人はどのようにお考えになられるか。これは公団直接の問題でありますから、これまた谷川総裁からも簡単にお答えをいただきたいと思います。
  35. 稲葉秀三

    稲葉参考人 私が先ほど申し上げました参考的な意見の最後に、公団法の改正につきまして至急御配慮願いたいということを申し上げましたのは、いま先生のおっしゃった点も配慮をしてのことでございます。  それと同時に、これは原油買い入れ交渉というのは、個々の会社がおやりになるのが本筋だということは認めますけれども、やはり今回のような非常に異常な事態が発生をしてきておる。さらに従来から私たちは、日本の外資系の会社と申しましても資本金は五〇、五〇ですから、国内分については、少なくとも五〇%はフリーハンドで原油を買っていただくといったようなことはやっていただきたい、こういうこともお願いをいたしましたが、また輸入カルテルといったような問題も起こりましたが、今後場合によりましては、公団が直接政府用の備蓄の油を買ってくるとか、場合によっては、新しい国々との交渉におきまして、一たん公団が入れて、そうしてそれをお渡しをするとか、そういったような原油の問題、こういったようなことにつきましても、決して現在の秩序を直せというわけではございませんが、やはり事情が変更をしたときに機動的に対処できる、こういった意味のあり方というものも、やや弾力的に御配慮を願う必要があるのではなかろうか。  それから、いま一つ重要な問題は、備蓄タンクというものにつきましても、これは政府が直接おやりになる点もございましょうけれども、一応政府の監督を受けて公団がおやりになる、こういう形で一つ一つごとに弾力的に配慮をするよりも、やはりエネルギー特別会計といったようなものを配慮をして、それを機動的に動かしていく、こういう体制をいまから御配慮賜わりたいというのが、私自身が先ほど申し上げましたことの裏でございます。
  36. 岡田秀男

    岡田参考人 公団の今後のあり方についてのお尋ねでございます。先ほど私は、公団が使う金の、国から出る金が単年度予算でやるのでは実情に合わないから、少なくとも十年ぐらいの金が見通せるような資金源を発見することが必要ではなかろうか。それには重油、原油輸入関税、たとえば、そういうものでも財源にいたしまして、特別会計をつくるということが必要ではないか。この点は稲葉参考人と同じ意見でございます。  それから、公団自身でも利権をとってこれるような仕組み——利権というものは、これはいいと思ったら直ちに手が打てるような体制がありませんといけない。それが単年度予算でありますと、そういうふうな、臨時に突然いい利権が出たというようなときにやれないこともございましょうし、また公団が、たとえばいい利権があるということになりましても、だれか民間にそれをやる相手がおらぬかというて、日本の民間の事業家を探しておる間に利権が逃げてしまうということもございましょう。そういう意味におきまして、直接利権が確保できるような仕組みも大切だというふうなことを申し上げたんでございまして、たとえば情報網を伸ばすとか、いろいろと公団の拡充強化に今後つとめていただきたいと思っております。
  37. 中村重光

    ○中村(重)委員 谷川参考人は、先ほど、公団のそうした直接探鉱等には反対ではない、ただ問題は、人の問題、その他条件の克服が必要であるということでございましたから、それでけっこうでございます。  備蓄の問題を最後にお尋ねいたしたいのであります。  いま、原油の備蓄が二十日分、製品で二十五日分、ペルシャ湾から日本へ向け輸送しておるのが二十日分といわれるのでありますが、輸送中のものは別といたしまして、いわゆるエネルギー、これは石油が中心であるわけであります。この備蓄はヨーロッパよりも少なくて、条件は日本が悪いわけでありますから、安全保障という面から、何カ月分くらいが備蓄として適量なのかということを稲葉参考人からお伺いいたしたい。これは出光参考人からも、異なった御意見がございましたならば、それまた率直にお聞かせいただきたい。  ところで、一日の需要が五十万トンといわれるわけでありますから、そうなってまいりますと、五万トンの大型タンクを十個つくらなくちゃならぬということになってまいりましょう。現在の日本の土地の利用状況、それからばく大な資金といった面から、はたしてそれが可能なのかどうか。どの程度政府が力を入れたならば、二十四の製油メーカーは備蓄をふやすことができるのだろうか。一日分で五万トンタンク十個ということになってまいりますから、これをかりに十日分ふやすということになってまいりますと、これはたいへんなことになるわけであります。しかし、備蓄をふやせといえば、十日分ぐらいふやさなければ、これはふやしたということは言えない。例の中東紛争の際も、少なくとも三カ月分はなければいかぬじゃないかといって、あのときに大あわてにあわてたという、政府あるいは業界のうろたえ方を私どもも心配したのでありますが、そういうことがある。今度も何かしら不安を実は持ったわけでありまして、これは国民的な感情、産業人全体の気持ちであろうという感じもいたします。したがいまして、資金の面、その他の面から、業界としてはたしてこれが可能なのか。これは国にやってもらわなければできないということなのかどうか。あるいは国にこの程度助成してもらったならば備蓄をやることができるのだ。それから、条件としては必ずしも不可能でないとすれば、何か構想がございますならば、それらの点に対しましてもそれぞれお答えをいただきたい、そのように考えます。
  38. 稲葉秀三

    稲葉参考人 簡単に私の結論だけ申し上げたいと思います。  まず、わが日本が考えるべきは、五カ年後に三カ月分くらいの原油並びに製品の備蓄をしていく、こういったような方針をいまから進めるべきではないかということであります。  その次に、それは一応業界負担でできるのかどうかということになりますと、よほど大幅に製品の値段を上げないとそういうことができない、このように思います。たとえばかりに三億キロリットルということになりますと、七千五百万キロリットルというのが三カ月分でございます。しかし過渡的には、それの全部が原油のほうが望ましいのですけれども原油でなくても私はよいと思いますが、やはりタンクをつくる費用、土地の費用、それからさらに管理費用というのがばかにならぬほど大きな費用になります。したがいまして、私自身は、それは消費者転嫁もやろうと思えばできないことはないけれども、少なくとも半分については国がそういう支出をしてタンクをつくる、管理費も持つ、そういったような体制を樹立することが望ましいと思います。  しかし、それにつけましても非常にばく大なお金がかかると思うのですけれども、やはりセキュリティーというものを考えますと、西ヨーロッパでやっておられまするその最小限度ぐらいのことは、五年ぐらいでやっていくということが望ましいし、また全額を政府がやるということは必ずしも適当ではないので、現在私たちは、新しい石油工場を認可いたしまするときに、必ずタンクの問題というものもお願いをしておりますが、それをやや強めた形におきまして業界側もやっていただく。しかし、業界側と申しましても、それを全部石油精製会社に負担させようというわけではございませんので、やはり電力会社だとか、石油化学会社でございますとか、あるいは鉄鋼といったようなところにまでこれを及ぼして、少なくとも民間ではそのくらいのものを持っていただく、こういうことをやっていただくのがよいところではなかろうか、こう思っておる次第でございます。
  39. 中村重光

    ○中村(重)委員 何日分ですか。
  40. 稲葉秀三

    稲葉参考人 九十日分です。
  41. 出光計助

    出光参考人 先生のおっしゃるとおりで、一日五十万トンの需要がありますので、五万トン・タンクで十、一カ月にいたしますと三百要るわけであります。いま稲葉先生がおっしゃいました三カ月にしますと、九百個の五万トン・タンクが要るということでございますから、これはとうてい業界では負担できるような問題じゃないわけです。ですから、この場合は共同備蓄になりますし、タンクに入れておくというようなことでない方法、技術的な方法を何か考えなければいけない。ドイツの場合は、岩塩をとったあとに穴があいているわけですが、そこに入れたりしておるわけです。それから、この備蓄しました原油は、一年に一回転しなければ変質の関係がある。そういうようなことでたいへんな国民の税金を使うということになりますので、実際問題を踏んまえて考えなければならぬ、こういうふうに考えております。十分研究を進めたいと思っております。
  42. 武藤嘉文

    ○武藤委員長代理 石川君。
  43. 石川次夫

    ○石川委員 与えられた時間がたいへん短いのが残念でありますが、同時に、この問題はきわめて重要な問題で、本来なら佐藤総理ぐらいに出席要求しなければならぬ性格のものだろうと思っております。時間がありませんので、私が申し上げることに対しては、イエス、ノー程度の簡単な答弁でけっこうでございますから、よろしくお願いしたいと思います。  私はかねがね、当面の問題としては公害と物価というものが大きな緊急の課題になっておりますが、長期的に見た場合に日本の大きな問題は一体何かというと、稲葉先生の御関係になっております情報化社会、この激動する社会にどう対応していくかということがたいへん大きな問題ではないかと思っております。あと一つは、きょう取り上げられているエネルギー問題を中心とする資源問題ではないか。もちろん資源の問題には適正な配分、立地条件というようなものを含めるわけでありますけれども、これは別にエネルギーだけじゃなくて、あと十年、十五年後を見ますと、もう食糧以外は、九〇%以上は海外資源に仰がなければならぬという状態なんです。これに対する手の打ち方が、政府としてはまことに不手ぎわきわまって、今日の怠慢の結果を招いたのではないかということを私は心配しておるわけであります。  それで、いま価格の問題がまず最初に出たわけでありますが、その前に、エネルギー資源として核燃料の問題が稲葉さんから出たわけであります。私も原子力を若干やっておりまして、きょうはここでとてもその話をするひまはございませんけれども、実は私、非常にうるさく言って、核燃料をどうするんだということで、金属鉱物探鉱促進事業団の中にウランという項目が入ったのは一昨年なんです。現在やっておるのは、電力会社がわずかに金を向こうに出してやらせておる、動燃団が細々とやっておるというだけで、皆無にひとしい。しかも核濃縮の技術というものは日本は全然持っておらないというような状態であるだけに、現状ではどうしても石油にたよらざるを得ないという部面がたいへん多いわけなんで、それだけこの石油問題は、価格問題を除いて、きわめて深刻な様相を呈していると思うのであります。  それから、私、価格問題にあえて触れませんけれども、激励の意味でひとつ申し上げたいと思うのです。それは、これは名前は申し上げられません。申し上げられませんけれども、あるメジャーから日本石油会社に来た手紙を見て私はがく然としたのであります。それはどういうことかというと、日本からのペティションに対してということばが書いてある。ペティションというのは懇願であります。懇願に対してこういう回答をする、こういうことであります。私も驚きまして、日本からの正式の公文書というものを見たのでありますけれども、これは英文の翻訳のしかたによっていろいろあります。いろいろありますけれども、この中に、「値上げ幅の縮小につき特段のご配慮を切望いたします」、ユアー・カインド・アンド・スペシャル・アテンション、こういうふうなことばを使っておるわけでございます。通産大臣がいかにいたけだか、とは申しませんけれども、対等の立場で強硬に主張しているのだというような態勢にはなっておらない。残念ながら実態はペティションに近い状態であったということは否定できないと思うのです。その中身はどうかといいますと、日本原油というのは、メジャー関係の出資は仰がなくても、独立資本であろうとも、いろいろな融資を受けているというふうな事情もあって、大体八割、人によっては九割くらいまではひもつき原油ではないか、こういうような状態になっております。したがって、そう強い交渉ができるかというと、できる道理がないということが一つございます。  それから、あと一つは、メジャー関係の中でもアメリカ系の資本がたいへん大きなファクターを占めておるわけでありますけれども、アメリカの石油価格は相当高いわけですね。ところが、この原油を上げることができれば、労せずして国内石油製品価格というものを上げることができるという利点があるわけです。そういうことになれば、それほど熱心に値下げ交渉をしなくても自分の国内で利益を受けられる。アップストリームとダウンストリームが一貫しておりますから、そういうふうな関係で、そう強く値下げの交渉をしなくてもいいのだという体制に現在置かれておるのがメジャーの姿勢であるということを兼ね合わせて考えてみると、たいへん表向きの態度——公開の場所であまり言うことはどうかと思われるのでありますけれども、相当強い姿勢で交渉するのだとか、消費者には転嫁しないのだとか、こう言っても、石油の製品関係の利益率は大体三%程度でしょう。精製部門が一%というようなことでありますから、実際に値上げというものはどうしたって消費者に転嫁せざるを得ない情勢に置かれておる。しかし、それを極力防ぐということのためには、現在のようなペティションという態度であったのではいけないということを、私は強く最初に要請をしておきたいと思うのであります。  それから、結局、価格の問題にも関連するわけでありますけれども、先ほど中村委員のほうからも質問がありましたように、三割程度は自分の国でも確保しなければいかぬ、私はそうだと思うのです。そうなれば、価格の問題についても相当強い態度をとれるし、日本がメジャーと対等な立場でやれるくらいの大きな資本というものを持ち得るならば、価格の問題だって相当交渉しやすい。いまのような状態では、これは皆さん方よく御承知でありましょうから、あえて申し上げることはないのでありますけれども、このデータを見ますと、向こうは、エッソなんかは一年間五兆円の売り上げに対しまして、日本は一番大きい日石あたりで三千億円というようなことで、比較にならぬ、まことに微々たる存在にしかすぎないというような実態であります。  ところが、稲葉先生のお話でありますというと、三割確保なんということはなかなか現実の問題としてはむずかしい、こうおっしゃる。おっしゃるけれども、やらなかったら一体どうなるのだということをあらためて考えてみなければならぬと思うのです。人の問題にしても十分じゃありません。資本の問題にしてもきわめて微々たる資本しかない。あるいはまた技術の問題にしても、日本だけの技術ではなかなかやっていけないので、外国の資本と提携をしなければならぬという部面も出てまいるでありましょう。しかも、情報のルートの問題は先ほど来話があったのでありますけれども、ベイルートにわずかに石油開発公団というのが一人というような状態でございます。これが、ほかのほうの関係でいいますと、フランスが全世界に四十七カ所も駐在所がある。日本はわずかに一人。ジェトロにものを頼んだからといって、ジェトロには別な任務がありますよ。とても情報なんかとれません。地獄耳でもって何か聞きかじってくるという程度にしかすぎないでありましょう。したがって情報なんかも皆無にひとしい。こういうような状態で、現在何としてもこの三割ぐらいは日本の力でもって確保しなければならぬということになると、現実の問題としては夢物語りということに帰着せざるを得ないと私は考えておるわけであります。  しかしながら、これはやらなければならぬ。やらなければならぬのに一体どうするかという問題。これは相当深刻に突っ込んで、国民全体、もちろん国会も政府も取り組まなければならぬ、もう至上命令ではないかと思うのです。  そのためにどうするかということになりますと、たとえば話は若干わき道にそれますけれども石油開発公団の資金の事情というものを私見ているのですけれども、四十二年度は、融資額が八億で翌年繰り越しが二十五億であります。それから四十三年度になりますと、投融資が五十一億で繰り越しが二十九億、四十四年度が六十七億の投融資で翌年繰り越しが五十六億。いろいろな事情がございますでしょう。ございますでしょうけれども、たくさんな企業がたくさんなプロジェクトをやって——たいへんお気にさわるような表現で恐縮でございますけれども、何か残りものをあさっているような、そういうふうなたくさんのプロジェクトに対しては思い切った金は出せないのではないか。資金それ自体も少ないけれども、出し切れない、情報もないというようなことである。たとえばメジャー関係あたりになりますと、一社でもって三百億から五百億、年間出していますね。日本では全部でこれの三分の一ぐらいですよ。これはお話しにならぬわけです。  そういうことでありますけれども、その乏しい資金すら何かもて余しているというと、これは私の考え違いかもしれませんけれども、何かそういうふうな状態である。しかし、石油連盟のほうからの要求によりますと、融資は一〇〇%何とか保証してもらいたいということもある。あるいはデミネックスのように、七五%ではなくて八〇%ぐらい限度額というものを引き上げてもらいたいというふうな要求がある。こうなりますと、民間主導型で、民間の創意くふうに依存しなければならぬということを政府はおっしゃるけれども、私は現実の問題としては、ほとんど政府依存しなければできないという実態になってくるのだろうと思うのです。そうなれば、政府は勇断をふるって、このたくさんあるプロジェクトというものを整理をする。これは岡田さんはたいへんむずかしいとおっしゃった。これはよくわかります。よくわかりますけれども、しかし国民的な観点に立てば、地域別ぐらいには少なくとも整理をする。そうして大きな資本にしていく。できれば全部を一本にするぐらいの、メジャーに対抗できるだけの大きな会社をつくり上げていく、というようなことがなければ、価格の問題にしても、資源の確保の問題にしても、十分な対策にはなり得ない。これは私の実感なんであります。  それから、たとえば私は民間主導型ということを否定するつもりはないのでございますけれども、いま言ったようなもろもろの関係から見て、国のほうが相当主導型で、相当の資金を用意する。たとえば先ほど備蓄の問題がちょっと出ましたけれども、十日分で一千億円ですね。備蓄といっても、たいへんですよ。九十日分の備蓄をやろうなんていったら、どえらい資金がかかる。こんなものを石油会社に持たせるなんていったって、できる相談ではございません。国がやらなければできないことなんです。そういうふうなことを考えると、民間主導型、民間主導型というふうなことをいったのでは、百年河清を待つというかっこうにならざるを得ないのではなかろうか、こういう心配を私は持っているわけであります。  それからあと一つ、イランとかイラクあたりは、国有の確実な油田というものを自分で持っているのです。しかしこれは開放しないでとってある。こういうところに対しては、日本のいまの民間の、そう言ってはたいへん失礼でありますが、企業程度のものではなかなか交渉はむずかしい。これは確実に油田があるわけです。そういうところは、国と国との交渉開発をしていくというようなことがどうしても必要になってくるのではなかろうか。  そういう意味で、私はいろいろ申し上げたいことはたくさんあるのでございますけれども、先ほど来、ドイツのデミネックスが盛んにいい例として出されましたけれども、このドイツだって、二つ三つの会社がもうメジャーに併呑されていますよ。併呑されたあとで、あわてふためいたというかっこうではないでしょうけれども、このデミネックスというものが生まれてきているという歴史的な経緯がある。日本だってその轍を踏まないという保障は全然ないわけなんです。そういうことで、思い切ってこのドイツのデミネックスの例にならって——デミネックスは何も石油だけ掘っているわけじゃありませんよ。これは海外協力関係でもって、インフラストラクチュアという、そのまわりの関係開発も全部協力をするということをやりながら、石油もそこに入っていくというふうな、非常に遠大な計画を立てている。日本の民間の企業にやらせれば、猛烈社員、壮烈社員が出ていって、とにかく会社に忠実なろうとして、国益という立場を離れて企業に忠実であるというようなことだとすれば、これはもう国際協力という面からいって非常なマイナスが出てくる、開発もおぼつかなくなるということにならざるを得ないのではないか。  という点でいろいろ申し上げたいことがあるのでありますが、そういったふうなものを含めて、私はここに提案をしたいのでありますけれども、私はいまの、石炭鉱山局長お見えになっておりますけれども石炭鉱山局あたりで処理できる問題ではないと思うのです。いまの通産省には石油局すらない。私は資源省くらいはどうしても必要だ。これは私個人の意見ですよ、党の意見じゃございません。しかし南ベトナムに、アメリカに便乗してあそこの石油開発するなんということを考えるような姿勢だとすると、海外協力の姿勢それ自体に非常に多くの疑問が残りますので、早計に私はそういう結論を出しませんけれども、ほんとうに海外協力の姿勢というものが理解をされるということが前提となった上で、やはり資源省くらいのものをつくらなければ、将来、日本はとんでもない禍根を残すのではなかろうか、こういう感じがしてならないわけなんです。それで、民間の業者の方々にはなかなか賛成いただけないと思うのでありますけれども、思い切ってプロジェクトを整理をする。それから、アップストリームとダウンストリームがばらばらになっているけれども、これはどうしても一貫作業をしなければいけません。これはいろいろな点でまた申し上げたいのでありますけれども。それから地域別に整理するか何かして、少なくともメジャーと対等に交渉のできるという力を持つ、こういうことをやるためには、民間業者が力を合わせただけでできるかというと、これはなかなか不可能に近いのではないか。やはり政府主導型でもって、国の立場でもって、ほんとうに国民本位に考えて、海外協力の姿勢や何かも考え合わせながら資源省的なものをつくっていく。あるいは国家が積極的に行政に介入をする。と言うと語弊がありますけれども、積極的な指導をするというような体制をとらない限り、これはとてもこの深刻な問題の打開にはならないのではないか、こう思いますが、御意見のある方でけっこうですが、特に稲葉先生と鉱山石炭局長に御意見を伺いたいと思います。
  44. 稲葉秀三

    稲葉参考人 私は、いま先生のおっしゃったことにつきまして、原則的に賛成いたします。ただ、行政機構につきましては、資源省というお話も出ましたけれども、むしろ当初の出発点におきましては資源庁と申しますか、エネルギー庁と、こういったようなものをやはり通産省の中におつくり願いまして、そうして、いままでばらばらになっておりまた、たとえば電力の関係石油関係石炭関係、それから総合エネルギー関係、さらに石油化学のナフサの関係、こういったようなものを、今後の総合エネルギー政策の線に従いましてやっていただくということが現実的ではなかろうか、このように思っております。  それから、その次に、メジャーに対抗するだけのことをやはり日本としてやっていかねばならぬ。それにつきましては、民間だけではなくて、政府としてもそういったようなことに対しまして相当強い態度でやっていかねばならぬということにつきましては、一〇〇%賛成いたします。したがいまして私は、政府のほうはもっと今回のことを契機に、原子力、水力、石油天然ガスその他を含めて、どのようなポリシーを多角的にやるべきか、またエネルギー関係産業というものの展望やあり方をどのようにすべきか。また石油につきましては、特に国内石油会社を中心にしてどのような再編成を行なうべきか。こういったようなことに対しまして、もっとはっきりした方針を打ち立て、それを実行に移される。それと同時に、やはり日本石油企業におかれましても、それに対しまして十分即応し得る体制というものを自発的におとりくださる、こういったようなことがなければ、なかなか先生のおっしゃるような方向へ持っていけない。まあ、できれば四年、五年先、こういったようなことをめどに、もう一ぺん、ただ単にエネルギーの需給と、こういうことだけではなくて、あらゆる角度からそれを検討していかないと、日本の将来の国益に大きな影響があるのではなかろうか。したがいまして、一番初めのほうも一〇〇%賛成で、情報化社会にどう入っていくのかという問題と、資源の問題 エネルギーの問題にどう即応するのかということをやっていただきたい。  それと同時に、私は先生にお願いをしたい点は、しかしすべて何でもやっていくというわけにはまいりません。私たちは進歩に向かって前進をしていかねばならぬとなりますと、退歩とは申しませんけれども、社会党が米懇の政策を古い形で主張されておるということにつきましては、ひとつこれを改めていただきたいと思います。
  45. 本田早苗

    ○本田政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、需要量のうち三〇%を自主開発確保するということは、決して楽観できる状態ではございません。そのために、資金あるいは開発公団の機構等の強化につきましては、私たちとしてもその方向で考えねばならぬということで、大臣も先般御答弁申し上げましたように、新しい施策をこの夏までには、その方向で検討し決定して力強い一歩を踏み出せるようにする、こういう決心で現在検討しておる次第でございます。  それから、機構の問題につきましては私から申し上げるのは適当でないと思います。私としては現在ある機構を最高度に活用して、御指摘のような方向に効果をあげていくべきだというふうに申し上げたいと存じます。
  46. 石川次夫

    ○石川委員 ベトナムの問題に触れられたのでちょっと引っかかるのですけれども、私も、のどから手が出るほどほしいのですよ。あれは非常に有望な油田だということがありますから。しかし、南北ベトナムがそのうち統一される姿はどうであろうかということになると、私は、おそらく共産主義圏ということになる可能性のほうがきわめて濃いというようなときに、いまから非常にあわてて、その資源がほしいということだけのために手を出すということについては、相当問題が残るのではなかろうかというようなことで、これはきょうの本筋ではありませんから、私はこのことはあとの機会に回しますけれども。  さて、いまの答弁の中で、鉱山石炭局長としての答弁としては、その程度以上にはなかなか出られないと思うのです。しかし、三割確保ということは、私は現状では夢物語だと思っているのです。絶対に不可能だと思っているのです。しかし、不可能を可能にしなければならぬ、可能にしなければとんでもないことになるということを考えながら、どうしても可能にするためには、思い切った施策、しかも政府が相当程度大胆に、積極的に民間に割って入って指導をするという決意が必要であるということを、ひとつ大臣にもよく——まあ個人的にもお話はするつもりでございますけれども、十分にお伝えを願いたいと思うのです。これは事は急を要することであると思うのであります。  それから、私、実は一時から大事な会議をやることになっているので、質問の時間がないのです。それで二点だけ伺います。  アップストリームとダウンストリームは、日本では分離して、アップストリームはアップストリームだけになっているということになっておりますけれども、きわめて不安定な状態ですね。これはどうしたって一貫作業をやらなければいかぬと思うのです。一貫作業でやれば、外国の例をとりますと、アップストリームをやっておる会社は、そこでOPECでもって税金を取られる、相当程度石油税金が取られるということになると、国内へ持ってきてこれをダウンストリームに移す場合には関税はゼロなんですね。関税はないのです。でありますから、日本に比べて非常に有利な体制でこのダウンストリームのほうにそれを移すことができるということが現実なのです。こういう点は日本では、まあ関税をどうするかという問題は別問題といたしまして、そういうことも含めて、したがって向こうでは資金が相当余裕ができる。余裕ができるからこそ、たとえば三百億でも五百億でも一つの会社でもって、投資というもののむだを覚悟で、失敗を覚悟で強引にやることができる。だからこそ、それをどんどん拡大していくことができるということになっておるわけなんでございまして、日本の場合には、アップストリーム、ダウンストリームの一貫作業、これはどうしても確立をしなければいけません。現在のままではなかなかこれは困難であります。困難であるけれども、これはぜひともやってもらわなければならないことだと思うのでありますけれども、この点については、これは石油会社関係の方はなかなか答弁をしにくいだろうと思うのでありますけれども開発公団と稲葉さんの御意見を伺いたいと思います。
  47. 谷川宏

    谷川参考人 ただいまの一貫操業の問題は、まあ政府の政策の問題でございますので、政府におかれましても目下慎重に検討中ということを聞いております。公団といたしましては、石油の資源の開発資金の捻出が容易になることであれば非常にけっこうなことでございますので、政府におかれましても慎重に御検討をいただきたいというふうに私は考えております。
  48. 稲葉秀三

    稲葉参考人 私個人といたしましては、原則的にいまの方向を推進すべきものだと思っております。しかし、個々のプロジェクトごとにいろいろ問題がございましょうが、やはりそういったようなことも調整をしながら進めていかねば、日本エネルギー政策は確立していかないだろう、こう思っております。
  49. 石川次夫

    ○石川委員 情勢を判断しながらということなんですが、私はその決断が必要だと思っております。これは相当の勇断をもってやらなければできないことだと思うのです。しかしやらなければならないことだ。そうしなければ、きわめて不安定な状態である。あるいは、そこから出てくるそういうものを、アメリカと同じような形になるかどうかわかりませんけれども、余裕をほかの採掘のほうに回すというようなことも可能になってくる道が開けてくるのではなかろうかという意味では、やはりいろんな点で、この一貫作業の確立ということは、ぜひともひとつ実現をするような方向で進めてもらいたい。  それから、これはちょっと本筋からはずれるようなことで、最後に恐縮なんでありますけれども、これは稲葉さんが一番適当なんだろうと思うのですが、いままでの契約の分について、あと五カ年の分について、いろんな交渉を現在やっておるわけでありますけれども、しかし、OPECの言い分は、かつての植民地支配に対する抵抗とかいろんなことを考えますと、私はまことに無理からぬ点が多いと思うのです。むちゃくちゃに何か足元を見てというふうな感じには私には受け取れないのであります。さらにまた、二十年しかないところもあるし、あと五十年も持っておるところもある。サウジアラビアだとか、いろんな国によって埋蔵量が違うわけです。そうすると、あと二十年間で掘り尽くしてしまうということになれば、二十年間のうちに何とかしなければならぬというあせりも出てくる国も多いわけなんで、どうしてもいままでもうけさせ過ぎたものを取り返さなければならぬ、といっては語弊があるかもしらぬけれども値上げという攻勢がこれからますます響いてくるし、それがOPECのほうにも影響してくるというふうな形にならざるを得ない、こう思うのであります。  そこで、この増収の計算を、私、大ざっぱにやったんですが、五年間で大体三百億ドルぐらいになりそうですね、増収分だけで。そうなりますと、大体において発展途上国でありますから、工業を持ってないのです。工業を持ってないと、そこに投資ができません。投資ができなければ、スイス銀行かどこかに預けるということになる。預けると、三百億ドルという金はたいへんな金であります。世界の金融体制がこれでもって崩壊するとは言いませんけれども、相当な動揺がくるのではなかろうか。この点についてどうお考えになりますか。
  50. 稲葉秀三

    稲葉参考人 確かに私そのとおりだと思っております。ただ、私も昨年ヨーロッパに参りまして、OPECの事務局の方といろいろお話を聞きました。それからまた、その後ヨーロッパ各国やアメリカへ参りまして、やはり今度のOPEC攻勢が、その当時はまだそれほどはなばなしいものではございませんけれども、いろいろな事情変化を伴う、こういったようなことを私個人としては強く感じてまいりました。  さて、これが現実化した時点において考えますと、OPECとしては、日本は、先ほど申されましたように、やや別扱いは無理だ、こういうふうに考えており、しかも向こうは、その金をじっとスイスの銀行に預けるというのではなくて、それを使ってやはり次の経済発展と国民生活の向上を進めてまいりたい。そういうことにつきまして、わが日本との協力関係というものを強く切望されているわけであります。ですから、これは最後に国策にならないとわからないわけでございますけれども、私個人としては、たとえばOPECとの共同投資とか、あるいは向こうに対する技術協力というものをもっと日本として進めていく。それと同時に、アラビア石油その他を通じての、日本国内的な問題についてももっとそれを進めていく、こういったような体制をとるということが必要ではなかろうか、こう思っておる次第でございます。  ただ、一応かりの計算といたしまして、三百億ドルというものがそのままカン詰めにされまして、そしてスイスにたまる。日本でも、五十億ドルたまった段階において、円の切り上げをしろとか、しないとかというふうなことになっておりますと、やはり三百億ドルというものがいかに大きなお金であるか、世界の経済全体に対する影響がいかに大きいかということは否定できないと思いますが、それが必ずしも、そのままスイスの銀行に眠ってしまって、カン詰めになるとは考えられない。そこが、これから私たちとして、もっと検討をしていかねばならぬものではなかろうかと思っております。
  51. 石川次夫

    ○石川委員 これで終わりますけれども、質問することはたくさんあるのですが、時間がございませんで非常に残念です。いまの金がユーロダラーとして回っていくというふうなことにでもなれば、これはたいへんなことになるのじゃないか。それを防ぐという意味も含めて、やはりインフラストラクチュアとかダウンストリームのほうにも協力をするということの体制を、やはり一企業、企業ではなかなか容易じゃなかろうから、国の単位でもってそういうことに協力をする。しかも、あくまでこれは、日本としてその国の開発を促進するのだという平和的な態勢を示しながらそれをやっていくということが必要だ。そういう金融体制の三百億ドルということになると、たいへんなことになる。これがユーロダラーに全部回ったということになれば、これはえらいことになると思うのです。そういったことも含めて、ひとつ対策が緊急に必要ではなかろうか、こういうことを考えておるものですから、ひとつその点も含めて政府としては十分に御配慮を願いたいということを申し上げておきます。
  52. 武藤嘉文

    ○武藤委員長代理 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩をいたします。    午後一時二十八分休憩      ————◇—————    午後二時六分開議
  53. 八田貞義

    八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  参考人に対する質疑を続行いたします。松尾信人君。
  54. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 もうけさほどからいろいろ質疑が重ねられまして、私は重複しないように——しっかりお答えを願いたいと思う点は重複いたしますけれども、そういうような心がけでやってまいりたいと思います。  けさほどのお話のとおりに、わが国エネルギー資源と申しますか、特に石油資源の確保という問題は政府対策が非常におくれておる。それは各点から御指摘がありまして、非常に私も同感の点が多うございます。先般も通産大臣に、燃料、特に石油確保の問題につきましては意見を述べまして、この夏過ぎには政府としてもはっきりとした対策を立てる、このような回答がありました。いまから先は、皆さま方意見というものを、政府もその気になっておりますから、大いに反映させていただきたい。きょうお述べになったことを今後しっかり述べていただきたいというのがまず前提であります。  出光社長さんにお伺いしますけれども、非常に御苦労で、値下げ交渉をしていらっしゃいます。何やかにやと、ひもつきがどうだとか日本石油会社の半分は外資系だとかいうことで、日本の歩調といいますか、足並み、そういう点もひっくるめまして、当事者として責任をもって交渉されまして、一番困っておる点、そういうことをはっきり言ってもらいますと、今後の対策上非常に参考になる、こういう意味からざっくばらんに聞いておるわけでありますが、いかがでしょう。
  55. 出光計助

    出光参考人 メジャー側も、日本の方針には協調するという心がまえはできておりますが、何しろ日本のやつに特別の措置をすると、これが全部世界的に響きます。その点、表へ出せないわけでございますね。それで各自分の系列の会社では、たとえば日石さんであればカルテックス、こういうふうに直接話をするから表に出さぬように、こういうことであります。そうしますと、われわれとしましては、何をやったんだ、ごまかされているのじゃないかというようなことになりますが、その点は、どうぞひとつ間違ったときには世論が直していただきたい、そういうお願いでございます。
  56. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 そうすると、日本共同歩調ですね、足並み、そういうものの乱れはなかったか。内部的にですよ。それから、先方としましては、世界的に拡大になりますから、個別的な話し合いになりましょうけれども、来週ごろ、そのような回答がはっきり出てどうだということを、先ほどおっしゃいましたけれども、これは消費者に対する配慮と申しますか、出光社長の、いまはここまでだというような限界点ですか、そういうものを一言ひとつきちっとおっしゃってもらいたい。
  57. 出光計助

    出光参考人 原油を買っておる会社が二十四社あります。この二十四社の足並みは実によくそろっておりまして、この代表四人会といっておりますが、ぜひそこで強硬にやってくれと言っております。ただし、非常にむずかしいということを各社御存じでありますので、大きい期待はされてないようでございます。  そこで、われわれも貧乏世帯ですが、日本石油会社二十四社ありますが、これも出す、それからメジャー側も出す、これを合わせて、どっちが幾ら出したかわからぬようにしてこうやれば、メジャー側も出しいいわけでございますから、そういう形にしたいと思っております。みんな歩調は全く一致いたしておりますので、その点はどうぞ御安心願いたいと思います。
  58. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 同じ歩調はとる、しかしそこに強弱の差がありますね。同じ歩調でそっちへ行こうということでありますけれども、強弱の差がある。やはり外国資本系だとかその他の関係で、非常にやりにくい会社もあれば、思い切ってずばずば言えるところもあるんじゃないか、こう思うわけでありますが、そこはなかなか言いにくいと思います。しかし、いずれにしましても問題は、消費者への転嫁の限界でございますから、これだけはどうしても確保していかなくちゃできない、言うままになっては相ならぬ、こう思うわけであります。  で、先ほどの消費国交渉権と申しますか、そういうものをがっちり立てるということは、いままでなされていませんでした。日本もいままでじょうずに買い付けだけ一生懸命になりまして、そのような点は非常に不足でありますけれども、その消費国の発言権と申しますか、交渉権、そういうものを確立する必要があるためには、速急にどのようなことをとっていくか、その点をひとつ端的におっしゃってもらいたいと思います。
  59. 出光計助

    出光参考人 幸いなことにOPEC諸国は、消費国、特に日本のような将来性のある大口の消費国に対しましては直接話をしたいという、この心が非常に強いわけでございます。メジャーに対しましては長い間の相当の恨みを持っておりますが、消費国に対してはちっともそれはありませんで、直接話したい。サウジアラビアの王さまも五月にはこっちへ来られます。それから四月には、私もイランへ行くようなことになっておりますので、その直接の接触に向かって努力したいと思っております。
  60. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 個々の直接の話し合いもけっこうでありますけれども、やはりある世界的なそういう組織の場で確立していくのだ、それは、OPECもあれば国際資本もありますけれども、やはり最後は大衆でございますから、消費者ですから、そういうものの意見というものを反映していく国際機関というようなものを速急に力を入れる。日本は特に必要じゃないか。今後ひとつ大いに研究してもらいたいと思いますが、これは課題にして研究していただきたいと思います。  次には、いまOPECとの交渉というお話でございますけれども産油国からやはりうんと買い付けていくことが必要だ。直接買い付け交渉と申しましょうか、そういうものには、いまからどのくらい力を入れ、どのような計画があるのかということでありますけれども、見通しなんかはどうですか。
  61. 出光計助

    出光参考人 現在のところ、OPEC諸国から直接買いますと高くなる、こういうことになっております、現在の仕組みは。OPEC諸国が持っております油をメジャーカンパニーが高く買うわけでございます。そうして、ある調節をして安くわれわれに売る、こういう仕組みになっておりますので、直接買って安くするためには、何か特別の相互協定、こちらから売るもの、貿易関係で、何かそういう特段の道を考えなければならぬと思いますが、これからの研究問題でありますので、じっくり取り組んでやりたいと思っております。
  62. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 いまメジャーとの関係でありますけれども、やはりそういうものの言いなりになっておるという現状というものは、どうしても変えなくちゃ相ならぬと思うのですが、その一つの方法として私も提言したわけでありますけれども、いろいろそういう困難な中からやはり一つ一つ切り開いていく以外にない。それにはどうしていったらいいかということですね。そういうものをひとつどんどんと提言を願いたいと思うのです。  次には備蓄の問題でありまして、先ほどドイツのほうでは、岩塩を取ったあとに備蓄しているというようなお話がちょっと出ましたが、その実情はどうであるかということと、日本においても、何かそのような面の利用する場所はないか。たとえば炭鉱閉山が相次いでおりますけれども、これはなかなか技術的にむずかしい問題がありましょうけれども、やはり新しく炭鉱をつくっていくとか、またはタンカーを建造するということも大きな資金が要りまするし、財政的にも国が出すといってもむずかしい問題があると思いますが、何かそういう既設のもので、いまとまっているようなものを利用していくことを考えられたことがあるかどうか。または、そういうものを研究してみようという意思があるかどうか。いかがでしょう。
  63. 稲葉秀三

    稲葉参考人 むしろ、この点は通産当局からお答えを願ったほうがよいと思いますが、私、エネルギー調査会とか石油審議会にずっと多年関係をしておりまして、その問題につきまして検討してまいりましたので、その結果を簡単に御報告申し上げたいと思います。  まず西ドイツの例でございますけれども、西ドイツでは、一千万トンの原油政府の責任で貯蔵をする、そういったようなことで岩塩鉱のあとにこれを貯蔵する。日本のお金で計算をいたしますと約六百億円弱、それを五カ年間で投入する、こういうことがすでに進行中でございます。ただ日本の場合におきましては、やはり西ドイツよりも約石油が倍近い。でございますから、やはりそれよりももっと大きなものにならざるを得ないと思います。  次に、先生のおっしゃいました、実は日本石油を貯蔵する場合、既存の施設を使えないかと、私たちがすでに通産事務当局のほうへお願いをいたしておりますのは、いわゆる先生の御意見と同じでございまして、石炭山が廃鉱になっておりますので、その石炭山の廃鉱の中の主要坑道をもう一ぺんはっきり穴詰めをして、そこに石油をためて必要なときに取り出す、こういったようなことがどうだということでございます。これにつきましては、もっとこれから検討をしていただく必要があると思いますけれども、私たちの提案に対しましては、やや現在まではネガティブの結論が出ております。一つは、主要坑道を穴埋めをしていったとしても、どうも石油は漏れてしまう心配がある。それはちょっとおかしいじゃないかということを申しているのですけれども、大体技術者のお答えはそういうところでございます。しかし、これはいろいろな措置をいたしまして、何とかできるのではなかろうかというふうに私個人としては思っております。  もう一つの問題は、実は管理費用が非常に高くなるということでございます。と申しますのは、石炭山の位置と石油の位置とが離れております。それから、先ほどちょっとお話がございましたけれども、ずっと原油をそのままためておくということがむずかしいので、やはり一年に一回くらいは取り出してこれを使って、また新しいものを入れかえる、こういうことになりますと、海岸等に比べましてマイナスの点、つまり運転費用とか管理費用がばく大にかかる、こういったような点があるというのがお答えでございます。しかし最近は、御存じのように、公害の問題とか、それから海岸線の利用というものもございまして、実はどうしても電力会社、石油会社とされましては、やはり原油また製品の一部を貯蔵していかねばならぬという必要に迫られますが、なかなか土地が入手できない。また、せっかく目標をつけました土地も、今度は漁業権の問題とか、土地の住民の方の御反対でなかなか計画が進行しにくい、こういったような要素が案外たくさん見受けられます。そのようなこともございまして、たとえば離島地域の炭鉱、そういったようなところには、ある程度がまんをしていただければ、石炭山に貯蔵ができるし、また、ある程度土地を埋め立てをするとか造成をすることによって、公害に対する措置もできるのではなかろうか。そのような観点から、いま一度真剣に配慮をされてはどうか。さらに、今度は沖繩のほうなんかにはそういったようなことも配慮できないか。こういったようなことにつきまして、結論は出ておりませんけれども、いろいろ検討をしていただいているというのが今日の姿でございます。
  64. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 いまの問題は、私のほうでもよく勉強して、推進するべきものはしていきましょう。  けさの新聞でございますけれども、「メコンデルタ沖合いで石油開発事業を行なうため石油開発公団、大手商社、アラスカ石油など、わが国有力企業が新しく設立した海洋石油米国ガルフ・オイルと組んで石油鉱区権の入札に名乗りをあげた」とありますけれども、これは事実かどうか。このような見当で進んでいらっしゃるのかどうか。これをひとつ開発公団のほうからお答え願います。
  65. 谷川宏

    谷川参考人 どの新聞の記事か存じませんけれども、私が読んだところでは、一〇〇%まで真実ではないわけでございます。その問題につきましては、民間の会社、公団を含めまして海洋石油会社というのができましたけれども、この海洋石油会社というのは、東南アジア海域全般にわたりまして、もし石油があれば、その地帯における石油の利権を取得して開発に当たるための会社でございまするので、ベトナムだけを目的にしておる会社ではないわけでございます。また、その会社はこれから仕事にかかるわけでございまして、東南アジアの海域全体にわたりまして、どこにどういう利権があるかどうか、今後慎重に検討いたしまして、日本の国のためになることであれば仕事に取りかかるものだと思います。
  66. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 このアメリカの石油会社と組んでやるということはどうなんですか。
  67. 谷川宏

    谷川参考人 その問題につきましても、現在、会社におきまして慎重に検討中でございます。
  68. 松尾信人

    ○松尾(信)委員 わかりました。結局、非常にデリケートな地域でありますから、いまアメリカの資本と提携してやったがいいのかどうか、やはり金は苦しいけれどもうんと日本で力を入れてやるべきかどうか、時期的にもいまがいいかどうか、これはよく御判断なされまして、あとで悔いの残らないようにされる必要があるだろう、こう思う次第であります。  最後に、もう時間がなくなりましたのでお聞きしたいのでありますけれども稲葉先生ですけれども石油の効率的な使用ですね。いまのままで使っていきますれば、どんどんふえるばかりでありまして、輸送力も足らぬ、備蓄もできない、とっても追いつけないという状態でありますから、どうしても産業の変革と申しますか、効率的な使用のほうに切りかえていく以外にない。これにつきまして、ほんとうに意見を立てていただきたい。非常にむずかしいことでありますけれども、やはり、こういう企業だとか、こういうものを助成、発展していくんだとか、一つの目標をはっきりしてもらいたい。  それから、太陽熱の利用なんかを考慮されたことがあるかどうか。家庭の燃料の補給としましても、ガスとかプロパンとかたいておりますけれども、これは太陽熱利用しますと、夏分なんかは、屋根からとりまして水をうめなくちゃ入れない。冬でも天気がよければ、ガスの使用料が半分以下で済むというような点も多うございまするし、そういう問題をどのように考えていらっしゃるか。これは時間がありませんので、大綱だけ、一分か一分半ぐらいでお答え願って終わりにしたいと思います。
  69. 稲葉秀三

    稲葉参考人 その点は、実は政府全体として取り組んでいただかねばならぬ重要な問題でございます。ただ私、先ほど申し上げましたように、産業の展望とか立地政策とか計画とかいったような、全体的なことに対しましてお手伝いをいたしておりますので、そのような観点から簡単にお答え申し上げます。  日本経済が発展をするにつれまして、やはり産業構造が変わってまいっております。今後も変わるだろうということは十分予測されますけれども、今度はエネルギーとの関連におきまして日本産業構造を再検討しなければならぬ、そのような意味で、先ほどちょっと申し上げましたが、今後の鉄鋼業をどうしていくのか、それからアルミニウム産業をどのようなことにしていくのか、それから石油化学産業というものをどのようにしていくのかということを、立地と公害とエネルギーの観点から、いま一度総括的に洗いがえをしていかねばならぬ、このように思っております。  それから次に、太陽熱の利用でございますけれども、おそらくこれから二十年間ぐらいは、やはりエネルギーの主力が石油によってもたらされるといったような時代が続いてまいりますが、その後は漸次原子力といったようなところが主導をしていくような形になると思います。しかし、原子力がずっと続いていくかどうかということは疑問でございまして、私たち人類は、西暦紀元二〇〇〇年になりますと七十億人この地上に住む、ちょうどいまの倍ぐらい住むということになりまするし、また、来世紀の半ばぐらいになりますと百五十億人ぐらいになり、しかも、私あまり専門家ではございませんけれども、よく専門家の方がおっしゃるのは、平均寿命が百五十歳になるだろう、こういったようなことでございます。そのようなことになりますと、地上にありまするウラニウムだけでエネルギーがまかなえるかどうかということがわからない。したがって、どうしても他の大量エネルギー開発するということをいまから心がけていかねばなりませんし、その有力なる一つが太陽熱の利用だということは間違いはないと思います。しかし、確かに太陽熱は最近でも家庭生活に大きな役割りを果たしておりますけれども、はっきりいえば、その発熱量当たりのコストが非常に高くなります。したがいまして、技術者がいろいろ検討されました結果、太陽熱を非常にたくさん取り入れて、それを有力なエネルギーにするためには、現在の技術の段階では、石油、水力、石炭そのほかに比べまして数倍のコスト高になる。しかし、いずれこういったようなものは克服されるのではなかろうかと思います。ただ、筋といたしましては先生のおっしゃるところへ行くだろうと思いますが、何年先にどうなるかということはまだお答えができない、こういうことを御了承になっていただきたいと思います。
  70. 八田貞義

    八田委員長 川端文夫君。
  71. 川端文夫

    ○川端委員 きょうは午前中から御多忙の四人の参考人に長時間いろいろ有益なる意見を聞かしていただいてありがとうございました。そこで私は、重複しないように二、三の問題をお尋ねしてみたいと思うのです。  出光さんにひとつお尋ねしたいのですが、午前中から承っておりますと、いわゆるOPEC値上げに伴うメージャーのこれからの交渉の幅というものはかなり小さいものである、こういうふうに承って理解さしていただいておるわけですが、かりに成功したとしても、値上げ分から見ればそうたいした金額にはならぬであろう。そういう一面のお答えの中から、なお午前中から、日本が現在とっている低物価政策に私ども協力したいとする意思があるという御信念を承ったわけです。しかし問題は、やはり経済行為でありますから、信念だけでは解決つかぬのじゃないか、この辺がもやもやしているので、はっきりお聞かせ願いたいというのが午前中からの質問であったのじゃないかと思うのです。  午前中、稲葉さんは、かりに現在の日本石油精製業者がはき出し得る資金というか、現在までの剰余金というか、利益金の中から出せるものは三、四百億ではないか、こういうお話もありましたのですが、いままで明らかにされておるのは、現在値上げをされるであろうというOPECをそのまま日本が受けとめたとした場合においては、年間約二千億余りの支出増になる。そうであるとするならば、実際上これを消費者というか、最終ユーザーにかけるか、政府が援助するか、何か具体策をここらで立てなければならない時点ではなかろうかと思うのですが、午前中からの話を聞いていると、原油の関税分の金の問題が出ておりますけれども、これも長期の開発にも使いたい、あるいは現在の値上げ分の消化にも使いたいという注文はかなり多いようでありますけれども、きょうの段階であなたがお考えになれる、いわゆる低物価政策のためには、われわれはこういうことを政府なりあるいは最終需要家の消費者協力を願いたいということが明らかにされていいのではないかと思うのですが、まだ言えないでしょうか。ちょっとお答え願いたいと思います。
  72. 出光計助

    出光参考人 まことに先生のおっしゃるとおりで、いまの低物価政策をそのまま額面どおりにかりに実行したといたしますと、例をバスにとりますと、バス会社がつぶれるか、石油会社がつぶれるかというような問題。バス料金は公定料金になります。ですから、非常に不自然な低物価政策のところは御修正願うなり、もしどうしてもできないならば、先ほど申しました一兆円の税金のうちから一部そちらへ回していただく、そういうことが必ず起きてくると思いますが、この点に関しましてぜひ結論を申し上げたいのですが、ただいまはメジャーに交渉をしておりまして、それとわれわれとが、どのくらい出せるかをいま——近々これは出ますが、そうしますと、あと転嫁分というものが出てきます。われわれがいま予定しております転嫁分は、いまの低物価政策下では、需要者がのみ込むことはとうてい不可能である、こういうように考えております。
  73. 川端文夫

    ○川端委員 もう一点、けさからのお話の中にもありましたように、現在OPECとメジャーとの協定の中においても、五年間は安定供給ということであって、インフレ要素が加われば、値段の関係はまたそれによって改定することができるというような協定であるように承ったわけです。したがって、現在進行しつつあるいわゆる自由主義国家群のインフレ的要素は、ことしとどまるものではない、これでぴたっととめられる条件はあるようにも思えないから、上がっても下がらないという将来の見通しを考えざるを得ない。残念ながらそういう見通しをつけざるを得ない、こうも思えるわけですが、そこで、これは相手国のあることでありますから、そういう意味において、いまここで決断をすぐ迫るのも無理かと思いますけれども、先ほど申しました低物価政策からいっても、皆さんがこれを企業内努力だけでは消化し切れないという一面があるし、これは新聞辞令ですから、必ずしもそのまま受け取らぬでもいいかもしれぬが、通産省は低物価政策石油値上げを認めないということを大臣がたびたび発表いたしておりますが、しかしながら、それかといって交渉にまかせて、いわゆるメジャーとの交渉政府が金を——交渉を待って明らかになってからでは、かりに善意に解釈しても四十六年度予算が通ってからでは、この二千億、あるいは千五百億になるかもしれぬ、あるいは一千億になるかもしれぬけれども、まあ三方損にしましても、企業者と最終需要者と政府と三方損という姿が一番好ましい姿ではないかと思うのですが、この三方損にしても、今年のものにならぬじゃないか。  そこで、交渉もさることであるけれども、通産大臣が外向けにものを言っておるとすれば、やはり同じ日本人同士ですから、内輪の中でそれらに対する対策がなされるべきではなかろうか。十分詰めておく必要があるように思う。この場合はこうだ、こうなればこうだというものがあってしかるべきだと思うのですが、いま何かわれわれ承れば、きれいごとで、隔靴掻痒の感しか感じられないのがまことに遺憾だ。われわれも、国会審議中の中に何か一つのよきヒントがあれば、それをもって政府に考え直させるとか実行させるということをしたいと考えて、きょうお招きして意見を承ろうとしておるのですが、この点をひとつここらで明らかにして、こういうふうにしてもらえば需要家にものんでもらえる程度ではないかという、そういう案が何か出せないものか。あるいは数字は出せなくても、その点は話し合いしておるとか、何か御存じの範囲でお答えをいただけないか、こう思うのです。
  74. 出光計助

    出光参考人 まことにありがたい御意見を承りました。実は五カ年間の安定供給の裏には、五カ年の値段がきまっていくわけであります。毎年、インフレ等を入れまして、大体一割ずつ上がっていくわけでございますね。それで、いまメジャーと交渉しておりますのは、ごくスタートのわずかの分でございます。この値上がり分のごく一部でございますので、お説のように、あと全部消費者へ持ち込むということはとうてい不可能で、国としての処置をぜひお願い申したいわけでございます。ただいまは、実は先ほど話が出ましたストック、すなわち前の安いストックがありまして、ようやく食いつないでおるようなもので、一部ガソリンの値上げ等を行なっておるところがあります。いよいよ四月ごろから本格的な値上げになると思いますが、とうてい全額の負担を需要者に持っていくことはできぬと思いますので、先生おっしゃいますとおり、国として何か措置をしていただきたい。実はいま大いに通産省に食い下がっておるところでございます。いずれ出てまいると思いますが、その節はどうぞ十分の御援助をお願い申したい。ありがとうございました。
  75. 川端文夫

    ○川端委員 ここまで御多忙の中を来ていただいたのですから、率直な御意見を出しておいていただいて、後ほどわれわれがそれを参考にさせていただくことでひとつ生かしたいと考えて、いまお尋ねしておるわけですから、これから一、二お尋ねすることも、そういう気持ちでお答えいただきたいと存じます。  もう一つ岡田参考人お願いしたいのですが、私は世界じゅうの石油産出国を見て回ったわけでありませんけれども、二、三の国を見て回っても、現時点においてかなり有望な油田というものはほとんどメジャー系の国際資本の息のかかった系列の連中に押えられているようにしか思えないのです。かりにこれから油田が発見されたとしても、これを港に持ち出す、あるいは輸送の計画等の場合にかなりの苦労が要るのではないか。こういうふうに一、二のところを見た程度でも感じて——私はしろうとですからあまり詳しいことはわかりませんが、考えてきた。そうであるとすれば、かりに自主開発をしたい、民族的な安定開発をしたいと考えても、これも従来と違ったコスト高にならざるを得ないのではないかというふうに考えるのでありますが、この点いかがでしょうか。
  76. 岡田秀男

    岡田参考人 一般論から申しますれば、もうずっと前から出ておりました英米を主としまする国際的な大石油会社が、よさそうなところはとっておると言うて間違いないと思います。しかしながら、現在日本からは十数社の者が、インドネシアあるいはペルシャ湾あるいはオーストラリア、カナダ、アラスカ等に出て、それぞれ仕事をやっておるわけでございまして、しかし、またこれ、一般論から申しますると、陸のほうの鉱区はだんだん済んでしまっておりまして、いま海が中心になってくる。インドネシアにおきましても、最近提供されましたのはほとんど海でございまして、陸は、インドネシアの国策会社のプルタミナが自分でやるというたてまえをとっております。海でやるということになりますれば、掘さく費が非常に高い。三千メートルぐらいの井戸を一本掘りましても、一本だけで二百万ドルぐらいもかかるというふうなことでございますから、掘さく費もだんだん高くなってまいります。したがって、コストがだんだん高くなる傾向にあるということは言えるかと思います。したがいまして、原油の値段は、そういう意味からは高くなる傾向を示すかもしれません。しかし、アラスカのノーススロープあたりで非常に大きな油田が見つかったというておりますから、コストが非常に高くても、開発するために金はよけいかかりましても、出る油の量が非常に多ければ、これはそれなりに対抗力があるかとも思います。要するに、大きな油田が見つかりますれば、少々銭がかかってもペイはいたすと思います。
  77. 川端文夫

    ○川端委員 はなはだうれしいようなお話もなされたわけですが、まあ言うならば山師、山当てのようなもので、そういうものが当たればということであって、私は自分たちの狭い範囲でものを考えても、だんだんと奥地なり不便な、あるいは海底深いところ、深層を掘らなければならぬからコストが上がるのじゃないかという心配をしているのであって、そういう意味においてこそ、この商工委員会においても、エネルギー対策、地下資源対策を含めた小委員会を持って、本格的にお互い論議をし合おうではないかという決定をしておるわけです。その意味において、あまりきれいな、じょうずだけでその場だけを押えないで、事実は事実として率直に今後やはり忌憚のない御意見を承らせていただきたい。  そこで、時間の関係もありますから、稲葉さんにちょっとお尋ねしたいのですが、先ほどいろいろ午前中からのお話を承っておりますると、日本は出おくれもあるし、需要量の増大あるいは将来二十年まだなお石油依存度が高いというこの事実から見て、もっと大量の財政投融資の投入が必要であろうということをるるおっしゃっておるわけですが、これはやはりそういうふうに理解してよろしいのでしょうか。そうであるとすれば私は、日本経済は自由主義経済と、こう現在呼んで、お互いにそういう形において自由主義経済の原則を守って現在行なわれている事実の上に立って考える場合に、政府の財政投融資が増大すれば、政治がだんだんと公共のためと称して介入せざるを得なくなることは必然ではないか。そこで、自由主義経済と、ことばは何とじょうずに使ってものを言い回しても、政府が介入する場合において、やはり計画経済的な傾向をとらなければ、これからの重大問題の解決にならぬのではないか。国の将来を考えた場合においては、やはりエネルギー政策として当面石油に重点を置いて、もっと力を入れろということはいっても、入れる金が、国民の税金であったり、あるいは預貯金である場合において、これに見返るものを業界にやはり政治介入が出ていく。これらの調整が必要な時期が出てくるのではないか。こういう点をどういうふうに判断されているか、稲葉参考人からのお答えを承らせていただきたいと思います。
  78. 稲葉秀三

    稲葉参考人 お答え申し上げます。  非常にむずかしい問題でございますけれども、確かに、最近までの日本経済の発展を考えますと、政府の公共投資また財政投融資というものが経済発展をささえたということは十分言えると思います。また、それがなければやはりここまで日本経済が発展をしていかなかったろう、こういうふうなことも私申し上げてよいと思います。その反面におきまして、だんだん経済そのものが自由経済的なものからほかのものに移っていくといったようなことも考えられないわけではございませんが、私は、いままでの日本の傾向というのは、まあ自由経済に主力を置いて、そしてそれにプラスアルファ、財政投融資その他を通じましてミックスドエコノミーというものを推進していこう、こういったようなことになっているのではなかろうかと思います。しかし、川端先生のおっしゃいまするように、これからの石油をとりましても、もっともっと国のほうからいろいろな面において援助を強化をしていかねばならぬ。そうでないと、国民生活産業がまかなえないということになりますと、やはり国のエネルギーに介入する力はもっと強くなっていかざるを得ないのではなかろうかと思います。  ただ私自身は、その場合、やはり企業の創意とか国民の自由な反応ということをでき得る限り最大限に活用していく、こういうことを前提にしてミックスドエコノミー的な要素になっていけばよいし、またなっていくことも必ずしも不可能ではないと思っておりますけれども、だんだんと今後の推移になりますと、経済全体が、ただ単に生産、発展ということではなくて、いろいろな問題をこれからかかえていかねばならない、そして総合調整をしていかねばならない。その意味におきまして、今後の日本のことを考えますと、やや総合調整、また別な形を言いますと、計画的な要素をもっと強く持っていかないと、エネルギーにつきましても、公害対策につきましても、国民生活につきましても、漸次むずかしい問題が起こっていく可能性がある、このように感じております。これが私の一般的な見解でございます。
  79. 川端文夫

    ○川端委員 最後に出光さんに。そういう意味において、いま稲葉さんは、自分で商売されておらない学者的な要素から、ああいうお話がお答えとして出てきたのですが、こういう国の力がもっと必要だという中においては、必然的にそういう総合調整といいますか、計画的なものも含まれていかざるを得ないことに対して、あんなことになるならおれらの手でやるよ、政府なんかおせっかいやめてくれと言い切れるかどうか、この点を一つだけお答えいただいて私の質問を終わりたいと思うのですが、出光社長さんから、ひとつ今度は社長という立場でひとつお願いしたいと存じます。
  80. 出光計助

    出光参考人 われわれ民間人といたしましては、われわれの手でどこまでもやりたいのでありますが、ただいまのこの国際的な経済機構の中では、国の総合的な計画というものが非常に大事になってまいりますので、総合的な計画は国でやられて、あとの実行はわれわれが責任をもってやる、責任制でやる、これに徹したいと思っております。
  81. 川端文夫

    ○川端委員 終わります。
  82. 八田貞義

    八田委員長 岡田利春君。
  83. 岡田利春

    岡田委員 時間がありませんから、簡単に御質問いたします。  大体、私の言いたいこと、聞きたいことは、先ほど石川委員から質問もございましたので、ごく簡潔に申し上げたいと思います。  初めに出光参考人にお伺いいたしますけれども、第一次の石油製品値上がりの場合には、原油値上がりの場合は、これはストレートで需要者に転嫁をされた。第二次の値上がり対処をしては、ひとつ会社としても徹底的な合理化をする、あるいはまた共同施設等を積極的につくっていくとか、そういう協力関係などで合理化をしていく。あるいはまた、ある意味では集約という問題についても業界自体は検討しなければならない、こういう姿勢でずっと来られたのだと思うわけです。ところが、OPECの動向等も顕著になってまいりまして、その姿勢が今度の大幅な値上がりを前にして、第二次値上がり対処する方針がどうもくずれてきたのではないのか、こういう感じがするわけですが、そういう点については、個々の合理化の徹底、あるいは業界全体の共同化、あるいは集約化の合理化を強力に推進するという姿勢については、これは変わっておられないのかどうか。  と同時に、また現在交渉されておる、こう言いますけれども、私は、これは交渉にはなっていないという感じを持っておるわけです。ということは、いままでも外資系の場合は別に値段の契約をしておるわけではないわけですね。手紙一本で通告をする、そのことによって自動的に原油値上がりが行なわれる、こういう傾向が、いまの外資系の会社の場合にはそういう措置なんですから、価格で別に協定しているなんというものではないわけですから、結局、石油会社のほうから出した文書を見ても、配慮を要望する、極端にいえば陳情するといいますか、そういうのが実質的な内容であって、これから鋭意交渉される、こういわれておりますけれども、実際はもうそれは交渉にはならない。向こうであくまでも上げるということであればそれで終わるというのがほんとうの内容ではないのか、こう私は考えるわけです。さらにまた、ほんとうの腹は、いまでも四方一両損という方向で業界は対処しておるのか。四方一両損ではなくして現在では三方一両損という面で今度の問題を評価をしようとしておるのか。その点についてはどういう立場に立たれておるかという点についてお伺いいたしたいと思います。
  84. 出光計助

    出光参考人 外油会社とわれわれの契約でございますが、これは外資系と民族系とおのずから違ってまいります。外資系の場合は根本的な大きな総括契約があるわけでございます。それからわれわれの場合は、物を買うつど契約ができるわけでございます。その契約の中に、税金とか公課とか、そういう変化が来たものはそのまま右から左へ移す、こういう根本契約になっております。そこで今回の場合も、その契約に従いますと全部のまなければならぬということになりますが、これは国際法の弁護士に十分相談いたし、ですから文句も、値上げ幅があまりに大きいから何とか考えてくれ、こういうことばになっております。ですから、あくまでも日本の方針に協力するという、こういう立場。あるいは弱いことばでいいますと、お願いする——さっきペティションでだいぶやじられましたけれども、そういうことになるわけですね。ですけれども、さすがに外国の会社の日本駐在の連中は、日本の気風を知っておりますので、本社に向かってはかなり強い要求を出しているようでございます。普通ならばあれはノーで一ぺんに来るのであります。ですから、第一回目の交渉は全部ノーでございます。一ぺんそれが来て、それからあの交渉二回目、今度が本式なんでありますが、一回目と違いまして、何がしか水がぬるんだような感じを受けております。今週か来週の初めにかかってくるものだと思っております。それから第一回のあの値上げでございます。あれは全部十一月十四日から上げたということでなしに、いままでに安いストックがありますので、それが切れてまいりますと上げるというようなこと。これは各社によりましてストックのあり方がだいぶ違いますので、そういうことになっております。いきなり十一月十四日から上げた、こういうことではないわけでございます。
  85. 岡田利春

    岡田委員 そうすると、依然として業界の立場は、いまのところは四方一両損の方向で解決をしたい、こういう御趣旨だ。これ以上御質問してもなかなかあれでしょうから。  もう一つ、これはちょっとはずれるのですけれども、いま公害問題で、脱硫装置をつけて硫黄を回収いたしておるわけですが、石油会社というのは、硫黄を売るのが商売でなくて、油を売るのが商売なんですが、大体、今年度の生産、需給見通しからいいますと、四万トン程度硫黄が過剰になる。国内の鉱山硫黄はいま十一万トン程度なんですが、こうなってくると、やはりトン十五万円くらいかかっているのですけれども、これはコストというものはあっていいようなものですから、公害対策ですから、自由に売れる。こうなってくると、日本の、十一万トン出している国内用鉱山はもう一ぺんにいかれてしまうわけですよ。そこで、やはり脱硫した硫黄をどう処置するかということを業界自体としてもお考えになっているでしょうし、ある程度この秩序を保ちながら——しかも、長期的には国内用鉱山というものはやっていけないでしょう。しかし、当面この混乱を解消するという面では、やはり何らかの調整が必要ではないか、私はこう思うわけです。実はあす本件で通産大臣とも会うことになっているわけですが、そういう点について、業界としても、その点の対策等について十分相談に乗るというようなお気持ちがあるかどうか。ちょっと問題が違いますけれども、この機会ですから伺っておきたいと思うのです。
  86. 出光計助

    出光参考人 脱硫から出てまいります硫黄は、品質が非常にいいわけです。そして値段は、先生おっしゃるとおり、あってないような……。それで、いまの山硫黄が非常に影響を受けるということで、一昨年でございますが、あの松尾鉱山がやめますときに、われわれは、脱硫の硫黄のものがある資金を拠出したようなことがあります。また、市場に影響してはいかぬというので、輸出組合をつくりまして、山硫黄とわれわれと協調してやっておる、こういう形になっております。その後、この硫黄の需給関係が変わってしまいまして、私ちょっと最近の事情は知らないのでございますが、そういう意味で非常に協調的な姿勢をとっております。
  87. 岡田利春

    岡田委員 四十五年度は、二万三千トンぐらいのうち一万トン、逆に輸入したわけです。そういう一時的な時期もあったわけですが、そういう意味で、来年になったら決定的になると思うんです。いま海外では、カナダあたりはもう八千円ぐらいで東南アジア市場にダンピングしているわけですから、売る場合もものすごく安くなるわけでして、この点については、いずれ私ども腹案を持って提起をしたい、こう思っておりますので、その際は十分御検討をひとつ要望をいたしておきたいと思います。  次に、稲葉参考人にお伺いしたいのですが、先ほどから稲葉さんのお話を聞いておりますと、七〇年代を展望するエネルギーに関しては、稲葉さんは、要約すれば、いわゆる混合経済の体制で長期安定、低廉なエネルギー確保に向かうべきだ、そこからいろいろな具体的なお話が出ているんだと理解してよろしいですか。
  88. 稲葉秀三

    稲葉参考人 そうお考え願ってけっこうです。
  89. 岡田利春

    岡田委員 私は、七〇年代のエネルギー、あるいはまた現在のわが国エネルギー価格等を考えてみますと、二次エネルギーでは、電力の場合には、アメリカに比べると、電灯料金高の電力料金安という面で、最後のエネルギーコストからいって、決して日本が高いわけでもないわけです。また、非常に安い原油を使ってきたという面から見ますと、エネルギー価格バランスという面について、やはり深く検討し対処する必要が今日あるのではないか、こう実は考えざるを得ないわけです。そして、もちろん関税その他の問題もありますけれども、そういうもう少し大きい、総体的な視野から今後のこのエネルギー価格のバランス等も考えて対処しなければいけない。そして、電力多消費型の産業わが国には多いわけですけれども、大体業種はきまってくるわけですから、そういう点については、従来の電気料金というような立て方を、そのままもう固定したものと考える必要はないんではないのか。そういう面まで含めて、今回の場合には対処しなければならないのではないか。また、年々上がってまいるのですから、当然ある程度の時間がかかっても、そういう姿勢が必要だ、こう思うのですけれども、この点について稲葉さんのお考えを聞いておきたいと思います。
  90. 稲葉秀三

    稲葉参考人 ちょっとお答えをする前に御質問を申し上げたいのですが、先生のおっしゃる意味は、電力料金の中で産業用の電力料金が安過ぎて家庭用電力料金が高過ぎるという体系が現在存在しており、それが今後も持続していく傾向があるから、それの是正についてどういうことかということだと考えてよろしゅうございますか。——それじゃお答え申し上げます。  実は、その問題は、いままで私たちエネルギー価格を論議いたしまする場合において何回か出てきた問題であります。そうしてそれにつきましては、国際的な比較、それから国内におきまするコスト面における比較といったようなこと、それからさらに日本の歴史的ないろいろな推移、こういうものも一応前提としております。  ここで申し上げたい点は、実は末端で使われまする電力というもののコストが家庭用と産業用とは必ずしも同じではない、そうして、ことに家庭用につきましては、変電所の問題とか配線設備とか、それからメーターのチェックとか、いろいろそういったようなことの費用をやはり考えねばならない。したがって、そういうものを考えた上で合理的なものにしていただきたい、こういうことが私たちのいままでの主張でございます。  それから、第二に、産業用の電力ということになりますけれども、これは戦争の前の時期と戦後におきましては、いろいろ条件が違うように思います。と申しまするのは、たとえば水力発電中心の時代におきましては、どちらかと申しますと、その地域におきまして電力多消費型の産業というものがそちらへ移動いたしました。そして電力会社は、ある程度民間用の電気を出しまして、そしてその残りにつきましては、多少割り安の形においてそれを消費するというパターンをとっておりました。ところが戦後、いろいろな推移がございますけれども石炭火力、それから水力、それからさらに水力を思い切って増強するという時代が終わりまして、いよいよ石油を中心にする、こういったような時代に入りまして、しかも国民用と産業用の電力の消費が大都市中心に殺到する、そうしてこれが今日、今後非常に大きな問題を起こしているのですけれども、非常に特徴的な点は、大都市周辺のほうが電力料が安くなって、遠いところが高くなってしまうということになって、そして再編成の問題とか、あるいは平均以上にその差が起こる場合においては、むしろ昔は有利な地域であってもいまは不利な地域な場合においては、そういうところの電力コストというものをある程度消費地の電力においてカバーをしなければならないとか、こういったような問題が起こっております。  それで、お答え申し上げたい点は、私たちから申しますと、やはりコスト中心主義で平均のものをどのようにやっていくかという原則が、一番経済発展の上でプラスではなかろうか。そして、それは特別の例といたしまして、これから未開発の地域に大いに産業を興していく、しかもそれは、公害の問題とか、いろいろな人口の収容の問題とか、そういうようなことになれば、ある一定期間、安い電気を起こしていくということは当然是認されてよいと思いますけれども、原則としてはやはりそういったようなことを配慮して、あまり片寄らない形でやっていくほうがよいのではなかろうか、こう思っております。
  91. 岡田利春

    岡田委員 もう一問お聞きしたいのですが、エネルギーは安定かつ低廉ということが原則でありますけれども、この安定の意味が、特に七〇年代は自主安定ということが非常に強調されてきたと思うわけです。それから低廉の問題は、短期的に見るか長期的に見るか、これによってこの低廉の解釈が私は変わってくるのだと思うのです。いま自主開発を進めますと、一時的には当然このコストが上がってまいりますから、若干どうしても価格も上がってくるということで、なかなか下げられないということが普通一般の場合です。しかし、そのことをやり通すことによって、長期的には、非常に安定した、かつ低廉なエネルギー確保できるんだ。私は、七〇年代はそういう意味では、自主安定、そうしてある程度長期的に見てエネルギーが低廉であるというような面を見通して対処しなければ、基本的な政策、期待される政策というものが実施できないんではないかというような考え方を実は持っておるわけですが、この点についての御見解を承りたいと思います。  同時に、時間がありませんから岡田参考人にお聞きしておきますけれども、先ほど来いろいろな要望について述べられて、また海外の石油開発会社の統合等の問題についても一言述べられたわけですが、今後の希望を満たしていくためには、それぞれの開発会社自体が、われわれは何をやるのか、今日の情勢に適合する体制をつくり、なおかつ政府に対してそれに見合うところの援助なり施策を要望する、というところにいかなければならない時期にいま来てるのじゃないのか。そういう意味では、ペルシャ湾グループとかインドネシア周辺のグループ、あるいは今度は日本近海のグループも出るでしょう。あるいはアラスカ、カナダと、地域的なブロック体制でいかないと、いまの保有している鉱区面積からいえば、二鉱区とか、きわめて貧弱ですよ。一時にぽっと出てもこれはだめなんですよ。出ると同時に、ある期間安定的に供給でき得る体制とすれば、二十鉱区程度を持っていなければならないのではないのか。それが常識になりつつあるのではないのかという立場から考えても、この方向はむしろ、業界が単なるいろんな系列で並んでるのではなくして、自主的にこれをやり遂げるという姿勢が大事である。もちろんその反面、政府に対してはしかるべき施策を強く要望するというのが、七〇年代の大宗をなす石油エネルギーを産出する石油人の姿勢でなければならないのではないのかと思うのですが、この点についてのお考えを聞いておきたいと思います。  それからもう一つは、公団にお聞きいたしますけれども、実は私ども、去年おととし、わが国の当面の石油政策について政策を出し、政府にも申し入れをしたわけですが、いまの石油公団については、聞いておりますと、これじゃだめだという意欲はわかるのですが、ここまで来れば、私は石油開発公団石油公団というぐらいに名前を変えて、そうして公団は採掘権の確保もはかることができるようにしなければならない。あるいは、海外開発によって生産された原油の引き取り。いまの動向では、ひもつき原油が多いわけですから、これを引き取るとか、あるいは国内精製等、販売もやれるとか、海外石油開発会社の統合を促進するために、今度は必要な資金を融資ができる機能を持つ、備蓄、脱硫のために必要な施設、その貸し付け、こういうこともやはり公団がやるようなものでなければならぬではないか。あるいは開発技術センターをつくって、技術センターを強力なものにして、地質情報の蓄積や、電子計算機等による分析設備等を備えてやる中心的な機能を果たさなければならぬのが、これからの公団ではないか。あるいはまた、人員の育成、人材の養成、こういう点についても、公団がむしろ中核になってやるべきではないか。私はこう思うわけですが、政府の機関ですから言いづらいと思うのですけれども、気持ちを楽にして率直に、ひとつお考えがあればこの機会に承っておきたいと思います。
  92. 稲葉秀三

    稲葉参考人 第一の御質問に対しまして、簡単にお答え申し上げたいと思います。  私個人の見解は、先生の御見解と若干相違するものがございます。大観いたしまして、一九六〇年代は世界的にやはり石油の値下がりということもございまして、低エネルギー、こういったような時代が推移をしてまいりました。しかし今度のOPECのこともございますけれども、おそらく一九七〇年代以降は、エネルギーのコストが世界全体で上がっていかざるを得ない。ただ、その上がる幅がなかなかむずかしいのでございますけれども、そういったような状態に入っていくのではなかろうかと思っております。  そしていま、日本のことについてはいろいろ御報告申し上げましたけれども、世界全体について申し上げますと、一九六九年の世界の実績は一日当たり約四千三百万バレルでございました。これはいろいろ予測のとり方がございますけれども、おそらく世界の専門家の見解は、一九八〇年には需要供給ともちょうどそれの倍になるだろう、こういうふうに予想をいたしております。したがって、それを計算をいたしますと、つまり、これから地球の上で使われます石油、こういったようなものの量が、六〇年代に比べまして七〇年代では非常に大きな量になる。そして供給もふえますけれども、おそらく、六〇年代のように需要よりも供給のほうが超過をする、つまりどんどん新油田が発見をされていくという時代にはならないだろうし、またこういったようなことが、コストインフレという問題がいま世界に起こっているということは御存じでしょうし、それからいろいろな関係もございまして、ほかの天然ガスそのほかのところにも波及をしてくる、こういったような可能性が多い。それらを考えて、日本は高エネルギーのもとにおいてその経済成長やどのようなことをしていくのかということを、もう一ぺん真剣に配慮をする。それと一緒に、やはり過去のパターンでございました大都市中心の産業発展といったようなことについて、大所高所からもう一ぺん再検討をしていく、こういったようなことが、全体の経済産業あり方、あるいは国民生活の将来ということを考えまして考えられる。ただ、それはいままでのような方式の延長には、なかなかすぐには成立し得ないのではなかろうか、こう思う次第でございます。
  93. 岡田秀男

    岡田参考人 食事の前にも私この同じ問題につきましてひとつお答えしたのでございますが、お話のとおりに、一つの地域、たとえば、中近東なら中近東、あるいは東南アジアなら東南アジアというふうな、一つの地域別に日本石油鉱業会社が統合するということが、考え方としては私は非常にいいことだと思います。しかし、すでにもうそれぞれ鉱区、利権をとりまして、会社が設立されまして、すでに探鉱活動が開始されております。そうしますと、もう油の顔を見たところもございますし、あるいはまた探鉱段階にある、そして探鉱段階にあるけれども多少においがしてきているところもあります。全然まだそのにおいもしておらないところもございます。そういうふうなのを、地域が一緒だからまとまれと申しましても、現実には非常にむずかしいのではなかろうかと思います。したがって、いままでまだ日本石油鉱業が出ておりませんようなところ、たとえばオーストラリアなんかはまだ処女地といってもいいと思いますが、中南米でありますとか、さようなところへ日本の企業が出ていきます場合には、公団等が融資をされる過程において、複数の日本の会社ができないようにごあっせんなさるとか、そういうふうな方法によって、いまお話しのような姿が現出するような方向へ持っていくということが願わしいのではなかろうかと思います。  また、地域的に統合するという問題のほかに、先ほども申しましたように、ある少数の株主が——利権が相当大きいのに株主の数が少ないと、だんだん探鉱費が重なっていくに従って株主の息が切れますから、なるべく株主の数を多くして持久力を持たすような方向へ株主の幅を広げるということも、同時にまた別途考えていくべきではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  94. 谷川宏

    谷川参考人 現在、公団に課せられておる仕事の面につきましては、人員は少数ではございますけれども、全力をあげてやっているつもりでございます。ただ御指摘のとおり、石油の利権をみずから取得したり、あるいは原油を買い取ったり、あるいはまた場合によっては精製をやったりというようなことにつきましては、政府関係機関である公団がやるほうが国民全体の利益から見てよろしいのか、あるいは民間の企業としてやったほうがよろしいのかということにつきましては、慎重に考えてきめるべき問題だと思います。  政府関係機関一般に通ずることでございますが、その政府関係機関が商売をやるということにつきましては問題があると思います。たとえば人を採るにいたしましても、予算の制約がありますし、給与も必ずしも高くございませんし、また、利権をとる場合には非常に大きな問題があるわけでありまして、いつ何どきどこにどういう利権があるか、すぐ飛行機で飛んでいかなければいけない。現在では公団は、海外出張旅費の予算の制約もありまして、必ずしも十分な活動ができないような状況でございますので、そういった政府関係機関一般にある制約をどうするかという問題もあわせて考えませんと、単に公団がやったら便利だということだけでは、実行の過程におきまして必ずしもうまくいくかどうかという点は問題があるわけでございますので、そういう点を十分に検討いたしまして、国としてどっちがいいかということを、今後私どもとしても研究したいと思いますけれども、いまのような、いろいろな予算その他の制約のもとにおきましては、機敏に機動的に仕事に取り組まなければいけないような商売の問題につきましては、なかなか政府関係機関ではうまくいかないんじゃないか、こういうふうに考えます。
  95. 八田貞義

    八田委員長 米原昶君。
  96. 米原昶

    ○米原委員 時間もありませんし、参考人も長い間の質問でお疲れになっているようですから、私はあと二問だけにしてできるだけ簡単にします。  値上げの問題については出光さんが非常に明快に答えてくださいまして、実はその点を政府側に聞きましても、言ってくれないのです。メジャー側の要求に対して、基本契約というものがあるのだからそんなにできるものじゃないということがはっきりわかりましたから、その問題はもう繰り返しません。  自主開発の問題がやはりだいぶ問題になって、西ドイツの話が先ほど詳しく説明がありました。聞くところによると、イタリアのENIとかフランスのERAPとかいうのが独得の形で自主開発をやっている。産油国の会社と結んで、そして探鉱から開発、精製、販売まで一貫した作業としてやっているということを聞いておりますが、それはどういうふうになっているのかということを、ひとつ関発公団のほうからお話しくださいませんでしょうか。
  97. 谷川宏

    谷川参考人 ENIでございますが、イタリーの公社でございまして、日本語で炭化水素公社と訳されております。一九五三年に全額政府出資でつくられまして、資本金が千百五十七億であります。このENIは総合的な会社でございますが、その下に石油開発、販売、輸送、また精製部門、さらに原子力の部門までその傘下に子会社として持っておるわけであります。そしてガソリンの国内の販売のシェアは二五%ということでございまして、全世界に網を張っておりまして、全体の人員は一万六千名ぐらいでございます。  それからフランスのERAPでございますが、これは日本語で石油探査活動公社と訳されております。一九六五年に設立されまして、全額政府出資でございまして、資本金は千六百七十億円です。これはフランスの国家の持ち株会社のグループでございまして、その傘下に、探鉱会社五十社ぐらい、精製会社が十社、販売会社が十社、海運会社が二社、こういう子会社を持っておるピラミッド形態の総合的な企業体を構成しているわけであります。フランスにおきましては、そのほかに、それ以前に、フランスの国策の石油会社といたしましてCFPというのがございます。これは一九二四年に政府出資三五%によって設けられたものでございまして、フランスの消費の六〇%をカバーするものでございます。  それからデミネックスでございますが、これはドイツの民族系の石油会社で、精製、販売をやっておるものが中心でございますが、これを統合いたしまして、これらの八つの会社が株を持ちまして、これは民間の会社組織でございますが、デミネックスという石油供給会社が一九六九年にできたわけであります。これが国からの財政資金の援助をもちまして、海外において石油の探鉱をやります場合に、経費の七五%を融資いたしまして、これは完全な成功払いでございますので、もし失敗したら返さなくてもよろしい。かりに成功いたしましても、このデミネックスの経営の状況等を見まして、半額は場合によっては返さないでもいい。利子は五%でございまして、これは石油開発が成功したとき以降二年後から利子を払えばよろしい、それまでは払わぬでもよろしいというようなこと。その他この融資以外に、国内石油関連の企業に対して補助金を出していろいろな調査活動等もやらしておるわけであります。先ほどのフランスのERAPにおきましても、全世界に一万六千名程度人員を持っておりまして、情報活動を活発にやっておるわけであります。  公団といたしましても、いろいろな制約のもとにおきまして、現在着々とその情報の活動をしようということで、石油開発公団の中に情報センター準備室というのをつくりまして、近く電子計算機まで入れまして情報を分析したいと考えておりますけれども、しかしそれには人が要るわけであります。いま石油の技術者——これは石油の技術者でないと完全に仕事できませんので、これは民間の石油会社からいただかないといけないわけでございますので、石油資源会社あるいは帝石、アラビア石油その他の会社にお願いしまして、その石油の技術者——私どもは、全世界の情報を集めるということ、あるいはまた、いろいろな海外の調査をするために、いま人をお願いしているわけでございますけれども、なかなかこれが集まらないわけであります。給与の違いもございまするし、いろいろな面におきまして非常に困難しているわけでありますが、こういう一貫操業会社でございますると、一万何千名という膨大な人員をかかえておりますので、したがって、情報も集めやすくなるということでございますので、私ども、こういう一貫操業的な組織がいいのかどうか——さっき申しましたように、政府関係機関のいろいろな制約がございまするから、日本におきましては、必ずしも外国のまねをする必要はないと思いますけれども、これを参考にいたしまして、公団が国から付託された責任を完全に果たすように今後努力いたしたいと思っております。
  98. 米原昶

    ○米原委員 もちろん、外国のまねをそのままする必要があって私聞いているのじゃありません。参考にできる点が非常に多いのじゃないかと思って、一応事情を聞いたのです。  その中でもう一つ、その問題で聞いておきたいのです。産油国との関係という問題にちょっと特色があるように聞いておるのですが、産油国の会社と契約を結んでやる形式になっているらしいけれども、その点どうでしょうか。
  99. 谷川宏

    谷川参考人 ドイツのデミネックスという会社は、実際の資金を融資する仕事につきまして、ドイツにKFWという、復興金融公社というのがございますが、それを通してやっておる。いまのKFWというのは日本の輸銀、開銀、海外経済協力基金というのを合わせたような仕事をやっておりますので、海外経済協力の仕事もそこでやっておる。デミネックスが実際金を貸す場合にはそこを通じてやりまするから、産油国に対する経済協力の資金の供与というのと同じ組織の中でやる関係上、非常にうまくいっているのではないか、こう思います。ほかの、イタリア、フランスにいたしましても、そういう精製の仕事、運輸の仕事もやっておる関係上、いろいろ産油国との間の連絡がつきやすいので、いろいろな手がかりが非常につかめるということであると思います。日本におきましても、機構は別でございますけれども、私どもは、通産省、大蔵省、外務省等と連絡をとりながら、今後、海外経済協力との関連におきまして、石油開発をうまくやるように努力している最中でございます。
  100. 米原昶

    ○米原委員 ではもう一つの問題。これは鉱業連盟のほうにお聞きしたいのですが、出されております要望時項の中にも、二のところに「わが国周辺の大陸棚ならびに未開発陸域部の開発」とあります。きょうは海外の開発の話ばかり主として出たのですが、国内資源の開発、この問題を見直す面もやはりあるのじゃないかということを痛感するわけなんです。今後そういう点をどういうふうに見通されているか、どういう点に努力を向けていかれるかという話を聞きたいと思います。
  101. 岡田秀男

    岡田参考人 日本の周辺、大陸だなの開発のことでございますが、日本の周辺の大陸だなが非常に有望だということで、外国の大石油会社から協力方を申し出ているところが多数ございます。一番先に井戸を掘りますのは、島根県から山口のほうへかけました日本海の大陸だな、これは西日本石油会社というのがございます。これは三菱グループとイギリスのシェルの共同でやることになっておりまして、ある金額まではシェルが探鉱資金を単独で出して、あとから協力していくという体制のように承っておりますが、これはすでに島根県の浜田の沖で、半分沈みます、三十億以上もかかるような大きな装置でございますが、すでに掘さくを開始いたしております。それから、秋田県から新潟県に及びます日本海の大陸だなにつきましては、私がお世話をさせていただいております石油資源会社と、ここに見えております出光興産、この二社が協力いたしまして開発を進める。実際の仕事は石油資源のほうでやらしていただきまするが、これは今年の六月ごろから、石油開発公団が建造されました第二日竜号といいます、シェルの道具とやや同じ型のものでございますが、これを使いまして掘さくを始めよう。この二つは、一つはもう井戸を掘っておるし、一つは六月から始めるわけでございます。  そのほかにも、北海道の稚内の、日本海からオホーツク海にかけました大陸だな等につきましても、政府によりまする基礎調査として、エアガンという、地下の構造を音波によって調査する方法でもう調査が開始されておりますし、また天草沖とか九州の周辺につきましても、漸次国の基礎調査が行なわれてまいります。  その他、日本石油開発会社——日本石油とカルテックスが共同してやろうと思っておりましたこと等につきましては、韓国が、これは自分の勢力範囲内の大陸だなだということで、韓国政府がアメリカの石油会社に権利を与えたものとかち合いまして困っておるのがございますし、さらに、台湾に近づきますと帝国石油、あるいはまた尖閣列島のあたりにつきましては、日本側の鉱区出願と台湾側の大陸だなの宣言等がからみ合っておりまして、このほうは、ちょっとそういう外交関係がはっきりせぬと急には手が出せぬかと思いますけれども、そういう複雑な関係のないところにつきましては、着々と探鉱が進みつつあるという状況でございます。
  102. 米原昶

    ○米原委員 大陸だなの話だけでしたが、ここに書いてある「未開発陸域部の開発」という問題も、幾つか重要な問題があるんだったら話していただきたいと思います。
  103. 岡田秀男

    岡田参考人 北海道でございますか。
  104. 米原昶

    ○米原委員 あなたの出されたこれに書いてあるわけです。
  105. 岡田秀男

    岡田参考人 北海道につきましては、すでにもう十何年以上前から探鉱が開始されてまいりました。ちょうど石油資源開発株式会社が設立されまして以来、北海道へ投入いたしました資金は三十億ぐらい出して調査をいたしたのでございまするが、茨戸という小さな油田しか発見できなかったのでございます。しかし、その北海道の稚内から日高のほうにかけてのあの背中には、いわゆる白亜紀層というものが露出しておるのであります。白亜紀層と申しますのはかなり古い地層でございます。この白亜紀層には油がありそうだというので、私ども石油資源でも井戸を掘りましたけれども、非常に深くて届かなかったのでございます。しかしその後、地震探鉱やら何やらいろいろな調査をやりますと、北海道の白亜紀層というものが稚内からあの近くに相当あるということがわかりますし、また深いところを掘る技術も進歩いたしましたので、いままで北海道白亜紀層につきましては、そこまで手が届かなんだのが今度は届き得るようになってきた。それからまた、裏日本の深層部というものも、従来は三千メートル前後までいくのがせいぜい一ぱいでございますけれども、最近では五千メートルまでも掘る機械が日本でももうございます。したがって、最近は五千メートル以上に掘れるようになりましたから、従来は手が届かなかった深い層も開発できるような状態になってきた、こういうことでございます。
  106. 米原昶

    ○米原委員 時間がありませんから、もうこれでいいです。
  107. 八田貞義

    八田委員長 参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。  参考人各位には、御多用中、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、たいへん参考になりました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。  次回は、来たる十六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十一分散会