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古川(雅)
委員 当局の意欲を私は決して認めないというのではありません。ことに第一線でがんばっていらっしゃる
労働者の皆さんの御苦労は私もよく知っているつもりであります。ただ、いまだかつてないほど、今日
労働災害については大きな問題として取り上げられ、なおかつ
職業病の予防や治療、そしてまた、いわゆる産業公害の防止ということが今日ほど重大視され叫ばれているときはないわけです。いまの御答弁の
大臣のその意欲、その熱意に対しては、これはすべてを予算の裏づけ、お金の多寡で推しはかるべきではないかもしれませんが、わずかに一億数千万の増額しか認められなかった、こうした
現状で、
労働者の健康づくりのために、また
労働者のとうとい人命を守っていくために、今年度よりもさらに一歩前進した施策が期待できるかどうかということを私は伺いたかったわけでございます。意欲は十分認めます。しかし現実が、この数字の上ではっきり示されているところから考えると、
労働災害の防止
対策の推進については、来年度もまた大きな難関があるのではないかと私はかように考えている次第であります。
三番目にお伺いしたいのは、四十六年度に
雇用対策の
基本計画を改定するということを掲げていらっしゃいます。なおかつこれに関連をいたしますが、いわゆる現行の失業
対策事業について大幅な検討を加えるということをすでに打ち出していらっしゃいます。失業
対策事業についてはこれまた法の
改正案という形で後日
審議をされる予定でありますので、議論はそのときに譲りますが、あえて
大臣が
所信表明の中でこの項目を掲げていらっしゃいますので、一言お伺いをいたしたいと思います。
いわゆる失対
事業を直ちに打ち切るものではないという説明を懸命にしていらっしゃいますので、一応その表現はお受けするといたしまして、その内容については数々の問題があるわけでございます。その内容から考えれば、やはり失対
事業を打ち切っていく、一刻も早くなくしていくという方向を示唆しているとしか受け取れない、そういう議論が非常に多いわけであります。
こまかい点は後日お伺いするといたしまして、ことに制度の内容の大きな変化を予想されている中で不安に考えられているのは、まず
一つはいわゆる臨時の
賃金でございますが、
雇用審議会の答申としては、これをなくしていくというふうに示しております。これは
一つの大きな問題であると思います。臨時の
賃金の現益の制度についていろんな
批判はあります。
批判はありますけれども、これまでの既得権をそのままゼロにしてしまうということには、これは相当反論があるのではないかと思います。この
審議会の答申をどう受けとめていらっしゃるか。全くゼロとしてしまうのか、あるいはその臨時の
賃金の内容に多少格差を加えるというような弾力的な考えを残すのか、その点ひとつお伺いしたいと思います。
それから第二番目には、いわゆる失対
事業をやめて他の仕事へ転業していく
方々に対する支度金の問題でございますが、この点も予算案によりますと、一応貸し付け金は十五万円というふうに予定していると聞いております。この点についても地方公共団体からさらにプラスアルファが考えられて、まあ二十万ないし二十五万になっている、大体そういう実情だと聞いておりますが、わずかそればかりで
事業を始めていく、商売を始めていくということは今日の世相では考えられない。この貸し付け金についても弾力的な考えをもって今後対処していただけるかどうか。
さらに、この
雇用対策基本計画に関連をいたしますが、失対
事業を離れて新たに職を求めていく
方々に対する、特に
中高年齢層の
方々の
雇用対策は現在ではまだプランの
段階です。
構想の
段階です。これが失対
事業に対する
考え方の裏づけとして、絶対に不安を与えない、これまで以上の生活を保障するというだけの自信を持って、これは
野原さん、今期の
労働大臣としてだけではなく、これから先の将来にわたる
政府の責任として、この点きちんと保証ができるかどうか、この三点にわたって、失業
対策事業についてのお考えをこれから打ち出していらっしゃるのか、重点的な
政策として取り組んでいかれる決意であるのか、その点をお伺いしておきたいと思います。