○島本委員
通産省では、いまの件については十分
指導の徹底を期して、そして少なくともそういうようなことがないように、いま経営が苦しくなれば全部
公害だ、
公害をなにして擬装倒産を計画する
会社もあるようです。こういうようなことは許されない。一つの社会的犯罪にもつながる
行為である、こういうふうに思いますので、今後十分この点を
指導するように私から要請しておきたい、こういうふうに思います。
それと同じ
公害でありますけれ
ども、最近の火災の激増によるところの死亡の増加であります。私はこれも何らかの
公害に
関係がある、こういうようなことで、若干そのデータによって調べました。なるほど火災は多いのでありまして、四十四年度の全国の出火件数は五万六千七百九十七件、損害が七百二億で、死者が千三百三十四人、負傷者が約一万人近い、こういうようなことのようであります。そして死んだ人の六〇%以上は、新建材と化学繊維の燃焼によって発生する一酸化炭素と、そのガス状のものによるところの被害による死亡である、こういうような
報告であります。そうなりますと、やはりこれも一つの
公害の範疇に入ってくる大きな問題になりはせぬか、こう
考えられるわけでありまするけれ
ども、
通産省は特にこの点の
指導の完ぺきを期しておられるとは思うのでありますけれ
ども、この新建材によって一酸化炭素
中毒におちいる、こういうようなことが再再あるのでありまして、本年の一月三十一日に、北海道の美唄市で、美容師が十名ほどこれによって死んだというようなのも、新建材による一酸化炭素の
中毒、こういうようなことになってまいりますと、法的な規制があるのかないのか、あるならば、官庁は、そういうような建物に対してはっきり
指導し、違反に対してははっきり摘発すべきじゃなかろうか。建築
基準法によって、三階以上のものに対して、面積に対して、一定の不燃材の使用についてきめられてあるようであります。しかし、実際は、それ以下のものであっても、一般の住宅であっても、一切おかまいなしにこれが使われている。そして、そういうふうにだんだん使用
範囲が拡大してくる結果による災禍、これが一酸化炭素の
中毒死であります。そうなってまいりますと、今後、違法の建築材の使用に対する改善命令の問題であるとか、どういうような建材を
認可の基準にするのかというようなことも大きい問題になろうかと思います。当然これは建設省
関係にもなるのじゃないかと思うのでありますけれ
ども、当然これは一酸化炭素の
中毒であります。そうなりますと、これは
通産省にも
労働省にも
関係してくるのでありまして、この問題一つをつかまえてみましても、十分対処しなければなりません。これも労働
災害にも
関係してくることになります。メタンガスの爆発であるとか、炭じんの爆発であるとか、ダイナマイト爆発、そのほか塗料、ペンキの乾燥剤というようなものの使用
中毒によるところの被害、こういうようなのもあるわけであります。ことに、たばこ一個、ピース一個から五〇ccのCOが検出されるということなんだそうであります。私は幸いにしてたばこを吸いませんから、その被害だけは免かれる運命にあるわけであります。しかし、それにしても、
自動車の
排気ガスであるとか、石油ストーブであるとか、こういうような方面、ありとあらゆるものが全部COの発生源であるというようなことになりますと、建材をはじめ、この対策は今後怠ってはならない重大な一つの対策であるということになると思うのです。どうもこの辺はノーズロースである、こう言わざるを得ませんが、どういうような
指導をなすっておられるか、ひとつ御見解を賜わっておきたいと思います。