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1971-04-28 第65回国会 衆議院 建設委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年四月二十八日(水曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 金丸  信君    理事 天野 光晴君 理事 正示啓次郎君    理事 服部 安司君 理事 阿部 昭吾君    理事 小川新一郎君 理事 内海  清君      稻村左四郎君    砂原  格君       丹羽喬四郎君    葉梨 信行君       廣瀬 正雄君    古内 広雄君      三ツ林弥太郎君    森下 國雄君       山本 幸雄君  早稻田柳右エ門君       井上 普方君    卜部 政巳君       佐野 憲治君    松浦 利尚君       柳田 秀一君    新井 彬之君       北側 義一君    川端 文夫君       浦井  洋君  出席国務大臣         建 設 大 臣 根本龍太郎君  出席政府委員         首都圏整備委員         会事務局長   川島  博君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省計画局長 高橋 弘篤君         建設省計画局宅         地部長     朝日 邦夫君         建設省都市局長 吉兼 三郎君         建設省住宅局長 多治見高雄君  委員外出席者         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十六日  辞任         補欠選任  稻村左四郎君     長谷川四郎君 同日  辞任         補欠選任   長谷川四郎君    稻村左四郎君 同月二十八日  辞任         補欠選任   藤波 孝生君    三ツ林弥太郎君   渡辺 武三君     川端 文夫君 同日  辞任         補欠選任  三ツ林弥太郎君     藤波 孝生君   川端 文夫君     渡辺 武三君     ――――――――――――― 三月二十四日  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願小川新一郎紹介)(第二八七  四号)  同(川崎寛治紹介)(第三〇二七号)  不動産鑑定士等特例試験期限延長に関する請  願(鴨田宗一紹介)(第二八七六号) 同月二十七日  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願石井光次郎紹介)(第三二四  〇号)  同(内海清紹介)(第三二四一号)  同(小沢辰男紹介)(第三二四二号)  同(菅太郎紹介)(第三二四三号)  同(塩崎潤紹介)(第三二四四号)  同(砂田重民紹介)(第三二四五号)  同(山崎平八郎紹介)(第三二四六号)  同(松沢俊昭紹介)(第三二四七号)  同(武藤嘉文紹介)(第三二四八号) 四月二日  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願下平正一紹介)(第三三六六  号)  同(西中清紹介)(第三三六七号)  同(広瀬秀吉紹介)(第三三六八号)  同(山本幸一紹介)(第三三六九号) 同月六日  地代家賃統制令廃止反対に関する請願和田耕  作君紹介)(第三七二三号)  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願坂元親男紹介)(第三八三三  号) 同月九日  国道二六八号線栗野バイパス早期実現に関す  る請願池田清志紹介)(第四一〇八号) 同月十日  地代家賃統制令廃止反対に関する請願青柳盛  雄君紹介)(第四二一五号)  同(浦井洋紹介)(第四二一六号)  同(小林政子紹介)(第四二一七号)  同(田代文久紹介)(第四二一八号)  同(谷口善太郎紹介)(第四二一九号)  同(津川武一紹介)(第四二二〇号)  同(寺前巖紹介)(第四二二一号)  同(土橋一吉紹介)(第四二二二号)  同(林百郎君紹介)(第四二二三号)  同(東中光雄紹介)(第四二二四号)  同(不破哲三紹介)(第四二二五号)  同(松本善明紹介)(第四二二六号)  同(山原健二郎紹介)(第四二二七号)  同(米原昶紹介)(第四二二八号)  長野県富士見町地内の中央自動車道建設計画変  更に関する請願(林百郎君紹介)(第四三七四  号) 同月十四日  県道八幡佐久線主要地方道指定に関する請願  (原茂紹介)(第四六一三号)  同(中澤茂一紹介)(第四六六六号)  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願小山長規紹介)(第四六六七  号)  地代家賃統制令廃止反対に関する請願安宅常  彦君紹介)(第四六六八号)  同(阿部昭吾紹介)(第四六六九号)  同(阿部哉君紹介)(第四六七〇号)  同(阿部未喜男君紹介)(第四六七一号)  同(赤松勇紹介)(第四六七二号)  同(井岡大治紹介)(第四六七三号)  同(井野正揮君紹介)(第四六七四号)  同(井上普方紹介)(第四六七五号)  同(石川次夫紹介)(第四六七六号)  同(石橋政嗣君紹介)(第四六七七号)  同(上原康助紹介)(第四六七八号)  同(卜部政巳紹介)(第四六七九号)  同(江田三郎紹介)(第四六八〇号)  同(大出俊紹介)(第四六八一号)  同(大原亨紹介)(第四六八二号)  同(岡田利春紹介)(第四六八三号)  同(加藤清二紹介)(第四六八四号)  同(勝澤芳雄紹介)(第四六八五号)  同(勝間田清一紹介)(第四六八六号)  同(角屋堅次郎紹介)(第四六八七号)  同(金丸徳重紹介)(第四六八八号)  同(川崎寛治紹介)(第四六八九号)  同(川俣健二郎紹介)(第四六九〇号)  同(川村継義紹介)(第四六九一号)  同(木島喜兵衞紹介)(第四六九二号)  同(木原実紹介)(第四六九三号)  同(北山愛郎紹介)(第四六九四号)  同(久保三郎紹介)(第四六九五号)  同(黒田寿男紹介)(第四六九六号)  同(小林信一紹介)(第四六九七号)  同(小林進紹介)(第四六九八号)  同(後藤俊男紹介)(第四六九九号)  同(河野密紹介)(第四七〇〇号)  同(佐々木更三君紹介)(第四七〇一号)  同(佐藤観樹紹介)(第四七〇二号)  同(佐野憲治紹介)(第四七〇三号)  同(斉藤正男紹介)(第四七〇四号)  同(阪上安太郎紹介)(第四七〇五号)  同(島本虎三紹介)(第四七〇六号)  同(下平正一紹介)(第四七〇七号)  同(田中武夫紹介)(第四七〇八号)  同(田中恒利紹介)(第四七〇九号)  同(田邊誠紹介)(第四七一〇号)  同(高田富之紹介)(第四七一一号)  同(武部文紹介)(第四七一二号)  同(楯兼次郎君紹介)(第四七一三号)  同(千葉七郎紹介)(第四七一四号)  同(辻原弘市君紹介)(第四七一五号)  同(戸叶里子紹介)(第四七一六号)  同(土井たか子紹介)(第四七一七号)  同(堂森芳夫紹介)(第四七一八号)  同(内藤良平紹介)(第四七一九号)  同(中井徳次郎紹介)(第四七二〇号)  同(中澤茂一紹介)(第四七二一号)  同(中嶋英夫紹介)(第四七二二号)  同(中谷鉄也紹介)(第四七二三号)  同(中村重光紹介)(第四七二四号)  同(楢崎弥之助紹介)(第四七二五号)  同(成田知巳紹介)(第四七二六号)  同(西宮弘紹介)(第四七二七号)  同(芳賀貢紹介)(第四七二八号)  同(長谷部七郎紹介)(第四七二九号)  同(畑和紹介)(第四七三〇号)  同(華山親義紹介)(第四七三一号)  同(原茂紹介)(第四七三二号)  同(日野吉夫紹介)(第四七三三号)  同(平林剛紹介)(第四七三四号)  同(広瀬秀吉紹介)(第四七三五号)  同(藤田高敏紹介)(第四七三六号)  同(古川喜一紹介)(第四七三七号)  同(細谷治嘉紹介)(第四七三八号)  同(堀昌雄紹介)(第四七三九号)  同(松浦利尚君紹介)(第四七四〇号)  同(松沢俊昭紹介)(第四七四一号)  同(松平忠久紹介)(第四七四二号)  同(松本七郎紹介)(第四七四三号)  同(三木喜夫紹介)(第四七四四号)  同(三宅正一紹介)(第四七四五号)  同(美濃政市紹介)(第四七四六号)  同(八百板正紹介)(第四七四七号)  同(八木昇紹介)(第四七四八号)  同(安井吉典紹介)(第四七四九号)  同(柳田秀一紹介)(第四七五〇号)  同(山口鶴男紹介)(第四七五一号)  同(山中吾郎紹介)(第四七五二号)  同(山本幸一紹介)(第四七五三号)  同(山本政弘紹介)(第四七五四号)  同(山本弥之助紹介)(第四七五五号)  同(横路孝弘紹介)(第四七五六号)  同(横山利秋紹介)(第四七五七号)  同(米田東吾紹介)(第四七五八号) 同月二十日  県道八幡佐久線主要地方道指定に関する請願  (向山一人紹介)(第四九二一号)  同(井出一太郎紹介)(第四九七〇号)  同(羽田孜紹介)(第四九七一号) 同月二十六日  県道八幡佐久線主要地方道指定に関する請願  (増田甲子七君紹介)(第五一〇四号) は本委員会に付託された。 四月二十八日  国道二六八号線栗野バイパス早期実現に関す  る請願池田清志紹介)(第四一〇八号) は委員会の許可を得て取り下げられた。     ――――――――――――― 三月三十一日  一級河川に係る廃川敷地等都道府県帰属に関  する陳情書  (第一六八  号)  首都圏環状道路建設促進に関する陳情書  (第一七〇号)  明石・鳴門連絡架橋建設促進に関する陳情書  (第一七一号)  中国縦貫自動車道及び中国横断自動車道建設  促進に関する陳情書  (第一  七二号)  県道主要地方道昇格促進等に関する陳情書  (第一七三号)  第二期住宅建設五カ年計画に関する陳情書  (第一七四号)  第二国道四号線の早期着工等に関する陳情書  (第一七五号)  都市施設整備促進に関する陳情書  (第一七六号)  国道二二二号線のバイパス早期完成に関する陳  情書  (第二一三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(内  閣提出第九八号)  積立式宅地建物販売業法案内閣提出第九九号)  国道二六八号線栗野バイパス早期実現に関す  る請願池田清志紹介)(第四一〇八号)の取り  下げの件      ――――◇―――――
  2. 金丸信

    金丸委員長 これより会議を開きます。  請願取り下げの件についておはかりいたします。  本委員会に付託されております請願中第四一〇八号、国道二六八号線栗野バイパス早期実現に関する請願について、四月十七日付をもって紹介議員池田清志君から取り下げ願いが提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金丸信

    金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  4. 金丸信

    金丸委員長 内閣提出宅地建物取引業法の一部を改正する法律案及び内閣提出積立式宅地建物販売業法案の両案を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。卜部政巳君。
  5. 卜部政巳

    卜部委員 宅建業法の問題について、まず第一点といたしまして、本法案は第十三回国会におきまして制定されて以来、第一次から第五次、このような訂正を経まして今国会にさらにその訂正が行なわれようとしているわけでありますが、その間のいきさつ等を見ましても、ことばの言い回しはいろいろと違ったといたしましても、消費者保護するという点についてはこれは一本貫かれておる、こういうふうに思うのでありますが、この点はそのように確認してもよろしゅうございましょうか。
  6. 根本龍太郎

    根本国務大臣 そのとおりでございます。
  7. 卜部政巳

    卜部委員 しからば、私は、本法の目的に、消費者保護という内容のものを条文に明記してはどうだろうか、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょう。
  8. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは見方の違いでございますが、消費者保護ということは貫いておりますけれども、消費者保護のために業法をつくっておるだけではないこともまた事実でございます。いわゆる業界の健全なる発展ということもあるわけでございまして、そういう意味で、そういう発想のしかたもありまするけれども、いろいろの法律はすべてこれは国民福祉のためにありますけれども、そういう国民福祉を増進するとか保護するとかいうことを一々法律上明定していなくとも、それは当然のことだという立場において、従来の立法例からいたしましても、それをうたわないからといって必ずしもその精神からはずれておるとも思われませんので、いまのままでいいではないかと考えておる次第でございます。
  9. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 いま大臣が御答弁なさいましたとおりでございますけれども、今回の法律改正におきましても、目的改正いたしまして、従来の目的の末尾のところは「宅地及び建物の利用を促進することを目的とする。」というのがございましたけれども、今回は「購入者等利益保護宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。」ということで、「購入者等利益保護」ということを入れておりまして、これがいわゆる消費者保護というふうに考えるわけでございます。
  10. 卜部政巳

    卜部委員 今度の審議会の答申を見ましても、消費者保護ということが前面に打ち立てられ、執拗なまでに強調されておるいきさつがあるわけでございます。そこで、購入者云々ということも明らかでありますが、その面に向かって、もう少しくその項の中に明確にしたって、いまの大臣趣旨からいうならば決して間違いではないし、それがあったからといって、法文上法ていさいというものが著しくそこなわれるものでも決してない、そういうふうに私は考えるわけなのでありますが、その辺の字句挿入ということについて、もう一度見解のほどをお願いしたいと思います。
  11. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私が基本的な政治姿勢を申し上げ、局長が補足説明した通りで、あなたのお考えは、ある意味において十分に——あなたの意思もそこなわず、十分に法律上も規定されておると私は思いますので、あえていまここに法文修正しなければならぬというほどのこともないのじゃないか、あなたの言われることもこの法律の文言に十分吸収されておる、そういうような感じもするものでございます。
  12. 卜部政巳

    卜部委員 新聞等の解説などにおきましても、かなりこの法案趣旨が曲げられたといういきさつの問題を指摘しておりますが、そういう中にあって、この目的というものを明らかにすることによって、これからの法改正についても、やはりその趣旨に沿って法改正が行なわれ、そしてなおそれが消費者保護に完全に結びついていく、充実したものにしていくというたてまえからすれば、そのほうがすっきりしておるのじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。だから、その点につきまして、しつこいようでありますけれども、やはり目的を明らかにしながら——これから申し上げるところの審議過程の中でも出てきますが、必ずしもこれは消費者保護立場に完全な意味で立っていない面もあるわけなんですから、やがてそれは法改正をしなければならぬ問題もあろうと思うのです。そうした面に対してはやはり目的を明らかにする。私は、そういう面ではこれでいいと思うのですが……。
  13. 根本龍太郎

    根本国務大臣 卜部さんの言われることも私はよくわかります。それから、新聞等でいろいろ批判されたことも私はよく存じております。これは次の質問に出てくることであろうと思いますが、要するに、宅建業免許分類宅地審議会三つに分けたのを、それがそのまま採用されていない、それからもう一つは、いわゆる保証金の引き上げが行なわれていない、こういうことはどうも審議会精神からはずれておるのじゃないか、ある意味においては相当後退したものだ、こういう批判のようでございます。私は、宅地審議会の諸先生の非常な熱心な研究も高く評価しておるのでございますが、一方において、他の方面から、実務的なことと、それから法の基本的な問題についてもっといろいろと意見がありまして、これは国会においてもいろいろ私に対して意見が展開されました。それに基づくと、わずか十万円のものを五十万円にしたとか、あるいは、特にデベロッパーのごときは、何十億というような仕事をしながらわずか二百五十万円やそこらで何になるのだ、それはいわばかっこうだけつくって実質上の消費者保護にならぬじゃないか、むしろこれは急激にできないかもしらぬけれども、消費者保護のためならば、保証金あるいは保険制度というものをもう少し抜本的にやるべきじゃないか、それをやるためには相当の統計資料その他のデータの収集、研究が必要である、それと相対応して、いまの仲介業なりデベロッパーなり、あるいはまた不動産売買というふうにそのときに分けるべきであって、いまただ観念的に三種類に免許分類を分けて、そしてわずか数十万円、数百万円の保証金で事足れりとすることはかえって実質の伴わない羊頭狗肉になるのじゃないか、こういう批判も実は出てきました。私も謙虚にそういう意見等も聞きまして、まず、いま当面なし得る消費者保護立場の要件を充足して、宅建業三つに分けるということと、それからそれに対する完全なる保障制度についてはやはり抜本的な検討の上やるべきだということで、二段階に分けて、今回は、当面いま不動産取引等に関連して起こるいろいろの不祥事件と申しますか、消費者が不安を感じていることをまず是正して、しかる後、いま卜部さんが言われた基本的な問題については、引き続き検討して、成案を得次第にそれを修正していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  14. 卜部政巳

    卜部委員 大臣はえらい飛躍をいたしまして、免許の基準の問題等についての問題を触れられたわけです。新聞に書いているように、その問題について、それを支持した一部の国会議員などの政治的圧力があったからであるということについてはかなり疑問を持っています。三つに分けたということについてですね。それで、いま大臣がおっしゃったように、それを三つに分けたこと、それは現実になかなか分けられるものではないのじゃないか、むしろ一本にしてもという、それはあります。だけれども、いま私の言わんとする目的というのは、新聞の例を出したというのは、そういう個々の例は別としましても、全体にやはり消費者保護立場が貫かれておる、その精神が若干後退をしたのじゃないかという印象を与えるとすれば、それはまずいのじゃないか、いま言うように、大臣趣旨をこれからも修正その他で生かしていきたいとすれば、それはやはりその目的を貫いていこうという立場にあるのだろう、そうすれば、その目的の項目の中に消費者保護というものを明確にしたとしても決しておかしいものではないという主張の中でたまたまその問題を出しておるのです。ですから、この問題についてはあまり固執はいたしませんけれども、これはやがでこの法案自体審議をされなくちゃならぬし、また訂正をされなくちゃならぬ保証金制度の問題その他いろいろありましょうから、この点についてはやはりその時点で修正をする、挿入をするということをひとつ確認をしながら前へ進んでいきたい、こういうふうに考えます。  そこで第二点目の問題です。同じく先ほど触れました六次までの改正でありますが、その中で本法案題目についてでありますが、「宅地建物取引業」というふうに書いてあるわけでありますが、今日、建物だとか宅地というのは、税金の面におきましても不動産となっているわけです。そういうふうな面からいたしまして、何も「宅地建物」ということにこだわる必要はないのじゃないか、むしろ「不動産取引業」というふうなかっこう題目に変えてはどうなのか、こういう点を考えておりますし、建設省も当初はそういうふうな考え方であったと聞くわけです。この点についてはどうなのかということをひとつ質問したい。
  15. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これも一つの御見識だと思います。ただ、しかし、御承知のように、不動産の中には農地とか山林等、これも非常に大きな面積と要素を占めております。これを一括したものと、いまここで取り扱うところのいわゆる不動産業、これはまた違うと思うのです。そういう意味がございまして、ここでは、不動産のうち、現在は山林なりあるいは農地であっても、これを宅地として、あるいは工場用地として開発し、やがてそういうふうな用途に供するということが主たる目的で土地を売買するというところに焦点を合わせていくことが現実的じゃないか、こういうことでございます。したがいまして、「不動産取引業」ということになりますと、少し範囲が広くなってしまいまして、若干現実と合わない点も出てくるということで、やはり現在提案申し上げている表現のほうがより現実的じゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  16. 卜部政巳

    卜部委員 やはりそこら辺が問題だと思うのです。それだけに疑問もそこら辺にピントが合ってくると思う。なぜかというと、大臣山林だとか農地だとか言われていますが、これはいわゆる用途地域以外の関係になりますが、ところが、結果的にはそうした問題についていまトラブルがある。事故があるのですね。そういうふうな面において、あえて不動産という題目にしないということは、山林だとか農地だとか、そういう道を開いておいて、ことばは悪いですけれども、それには適用できないようなかっこうにさせていくようなきらいがあるのじゃないか。これはあとから問題になってまいりますが、そういうものはやはり範囲内に含めるということの中に規制をしてくれば問題は解決ができるだろうとぼくは思うのです。その点について、私が主張しておるのは、いまの不動産取引業というものを明確にして、疑惑をなくし、またさらにそういうもぐりの業者そこら辺にうまくつけ入って入り込む余地のないような法体系にすべきではないか、そして消費者を守らなければならぬのじゃないか、私はこういうふうに考えるわけで、そういう面でこの問題について私は指摘をしているわけです。ですから、いま大臣がいみじくも山林だとか農地の問題を言われましたけれども、これがやはり用途地区ワク外にある、こういうところにも問題があるということでございます。
  17. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私は、そこが若干あなたと見解を異にする。もし、これが不動産業として許されるということで、いまのデベロッパー仲介業者連中農地山林をどんどん媒介し、やっていくと、消費者が迷うと私は思うのです。これはいまの宅地になるんだというような誤解を受けて、かえって——ところが、それは現実には調整区域宅地化できないんだ。そうすると、ごまかされたという気がして、そこにはかえってトラブルが出てくるのじゃないか。そういうような意味からして、宅建業というものは、いま現在では農地であっても、少なくとも市街化区域に入っておる、あるいは市街化区域じゃなくても、いわゆる二十ヘクタール以上の一つの総合的な開発の単位がきまっている、だからこれは売買の対象にしてもいいというほうがむしろ消費者保護立場からいいではないか。それから、もし農地山林等を全部不動産の名においてやるとなると、これはまた農業政策山林政策等もかなり混乱が出てくる。そういう場合になると、農林省あたり、そのほうの共管事項にせいというようなことが出てきまして、かなり混乱がきますから、あなたの発想からしても、むしろ現状のままでいいんじゃないかというふうに私は考えておる次第でございます。
  18. 卜部政巳

    卜部委員 しかし、いまの山林問題等にしましても、簡単な道路をつけて山林別荘というようなかっこうで分譲が行なわれておりますが、そういう事例を大臣もよく御存じと思うのですが、それはこの規制には入らないのですね。実際問題として、そういうものの道を開くということは、結果的にもぐり業者がそれをやっていくという道を開いていくと同じような形になるのじゃないか。ですから、いま大臣のおっしゃることもよくわかりますが、その問題が規制の中に入ってまいりますと、いまのいわゆる宅建法の中の規制によってそういうことができない。たとえば調整区域の問題なんかは、そういうふうなもので押えることができるのですから、むしろもぐりというような業者を押えていく。さらに、それを知らずして購入するところの消費者は何らこれの法の適用を受けない。そういうことになってまいりますと、これはたいへんことでもありますので、その点の見解の相違がございますね。
  19. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいまの先生の御質問に対しまして、大臣からお答え申したとおりでございますけれども、先ほどお話にございました山林別荘地の売買について、やはり消費者保護立場からこれを何らか規制する必要があるのじゃないかということでございます。これは先生のおっしゃるとおりでございまして、現在の法律の中におきましても、建物の敷地に供される土地というものは、現在供されていなくても、これから供されるべき土地というものも含むということでございます。これは用途区域以外についても、全国の土地はすべて含まれるわけでございまして、これはどうして判断するかという問題でございますけれども、周囲の状況だとか、区画の問題だとか、街路だとか、電気ガスだとか、その付近周辺の共通処理施設も全部整備されておるというもの、そういった周辺一帯の別荘地におきましては、これは山林原野という地目でありましても、たとえば宅建法の対象になるということで解釈されるわけでございます。  それから不動産業法というような名前に変えるということにつきましては、実は、御承知のように、審議会の答申にもそういうものがございますので、この答申におきましても、範囲の拡大ということでなしに、いま申し上げましたように用途地域以外におきましても、山林原野というものの建物の用に供される土地、供される予定の土地というものも入っておりますので、そういうものも含め、またさらに、御承知のこの業者を三分いたしまして、仲介業売買業それから開発業というふうなものに分けますと、そういう意味不動産業というような色彩も相当ありますので、この際不動産業法というふうに改めたらという題名の答申があったわけでございます。そういう点についていろいろ検討いたしましたけれども、範囲についてはそのままであるし、また、御承知のような次第で、三種類の分類というものも一応今回は見送って、近い機会に検討するということになった次第でございますので、従来と大体同じ対象ということになりますので、この際はこれを改正せずに従来どおりの法律の名前にしたという次第でございます。
  20. 卜部政巳

    卜部委員 そうすると、三つの基準の問題もありましたが、将来に向かっては不動産という題目改正をしていくという意思があるということですね。
  21. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいまの御質問についてでございますけれども、今後、抜本的、根本的にいろいろこの法の内容について私ども検討いたすわけでございますが、その際にはさらに十分に検討いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  22. 卜部政巳

    卜部委員 あまりことばを濁さないでください。次の機会にはそういうふうに題目を変えるのかという私の質問なんです。抜本的に云々などと言うが、抜本的なんていったら、それはまさしく長い長い時間がかかります。それで、いま局長のおっしゃったように、たまたまこの答申の中にこれが含まれていたけれども、答申の一つの基準の問題等もこの中には盛り込まなかったから、いわゆる不動産業という字句も消えたのである。こういう一つの説明なんですから、次の段階にはこれはそういう題目に変わっていくというふうな理解のしかたでないと、抜本的にてそうろうなんて言ったってこれは話にならぬ。その点が一つと、それから山林原野にそれが用途地区以外のものでも適用されるというのですが、それは大体何条にあるのか、その点をひとつはっきりしていただきたいと思うんです。   〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
  23. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 第一点でございますけれども、私が抜本的改正と申し上げたのは、御承知のいまの業種の区分その他について検討されていませんものですから、それがもし区分されて、また開発業というものがふえたり、その他対象もいろいろ変わるというような内容によりまして変わることもあり得るということを申し上げたわけでございます。  それから、先ほど申し上げました用途地域以外の売買山林原野でございますけれども、これは第二条の定義に宅地の定義がございまして、「建物の敷地に供せられる土地をいい、」ということになっておるわけでございます。それに、建物の敷地に供されなくても、いわゆる用途地域内のものについてはこの宅地に含むということを定義でいっておりまして、建物の敷地に供される土地は、これは用途地域内外を問わず当てはまるということでございます。この「建物の敷地に供せられる」というのは、先ほど申し上げましたように、現在供されておる土地というだけでなしに、将来供されるべき土地も含むというふうに解釈いたしておるわけでございます。
  24. 卜部政巳

    卜部委員 その場合に、もぐり業者がやっておるのをどういうふうにして規制をするんですか。そういうことをやるのは、大体もぐり業者がやります。それでトラブルが起きておるわけです。それを規制するというけれども、実際問題としてそれをどうやって規制するんですか。法に定めておるけれども、もぐり業者がそういうかっこうで、このワク外であるということで適当にやっておるのをどう規制するか、その点をひとつ伺いたい。
  25. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいま申し上げましたように、そういう山林別荘地というようなものの売買につきましては、この法律の対象業者となります。したがって、いま先生のおっしゃった意味を、もぐり業者というのは無免許業者というふうに解しますと、その業者が無免許業者でありましたら、これは無免許ということで法律の罰則その他もございまして、これを取り締まるということになるわけでございます。この取り締まりのしかたにつきましては、予算、機構その他の体制の問題等今後いろいろ強化していく必要がございますので、そういう無免許営業ということで、これは法律の規制を受けるわけでございます。
  26. 卜部政巳

    卜部委員 もぐり業者なんというのがやるのは、売ってしまったらもう消えていくんですよ。そんな消えていくものを法によって処罰するとかしないとかいったって、これは話にならぬ。そういうワク外のものをワク内に入れるということが私の主目標なんですが、何ぼ言ったってのれんに腕押しみたいなものですから、返ってくることばがそういうふうなのらりくらりとしたかっこうではどうも——大臣、笑っていらっしゃいますが、そういうことばが返ってきまして残念でしようがないのです。大臣、条文なんかでもちょっとでも訂正をしたらこけんにかかわるみたいな気持ちを持たないで、そういうものがいいとすれば、やはり委員会あたりで、それはいいことじゃないかということですなおに直していくのがたてまえだと私は思うのです。その点、何か知らぬけれども、自分が出したんだからもう何といってもおまえの発言ぐらいで変えてやるもんかというような、そういう態度が見えて私は残念なんですが、そういうことがないように私はお願いしたいと思います。  それで、いまの答弁の中で、次の法改正等についてはこの問題も当然訂正をされて提案をされるものだという理解に立って次へ進みたいと思いますが、よろしゅうございますか、大臣
  27. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私は非常にすなおにできておりまして、人の言うことでいいものはどんどんやります。ただし、いまのもぐりの問題は、初めからインチキをやろうとするものは一つの犯罪行為ですから、それはむしろ刑法上の問題でございますので、それを全部完全にこの業法で規制するということはなかなかむずかしいと思います。そういういわゆるもぐりを業法で押さえるというのは、いまあなたが提案されたところで目的が達成されるとはなかなかこれは保証できないというような感じがするのです。むしろ、私は、こういうもぐり業者というものを徹底的に——これは地方自治体が関係するところですね。山林を開発するとか何とかをやるのはそういうところで取り締まり、第二次的には警察の取り締まりということになるのでございまするけれども、この業法でもぐりが存在できないように整備するという立法技術は非常にむずかしいと思いますけれども、もし何か名案がございましたら、お示し願えますれば、ほんとうにそれがいいと思えば、私はすなおにそれを採用するつもりでございます。
  28. 卜部政巳

    卜部委員 ですから、私が先ほど申し上げておりますように、いままでにそういうトラブルがあったし、事故があったわけです。それを今度のこの法案ワク外に置くということになっていると思うのです。局長のほうはそれは一緒に含まれますなんてうまいことを言っていますけれども、現実にはそれは含まれていないのです。だから、山林もその適用範囲の中に、用途範囲の中に、ワク内に入れたらどうですかというのですからすなおだと思うのです。何も私はじゃじゃを言っているわけではないのですからね。まあ、よろしゅうございます。その点は、大臣、先ほど申し上げたように、今度の法改正のときには考慮するということを確認して進みたいと思いますがよろしゅうございますか。——首を振るばかりでなくて、「はい」と議事録に残しておいてもらいたいと思います。
  29. 根本龍太郎

    根本国務大臣 いま申された意味はわかりまするので、今後の改正のときにあたってあなたの意見も十分に尊重して検討した上、その方針になるべく沿うように努力させます。
  30. 卜部政巳

    卜部委員 ということは、いわば、これからの道路、公園、河川その他政令で定める公共施設に供せられるもの以外はすべてそれに入る、この地域に入るということでひとつ検討をしてもらいたい、こういうことでございます。よろしゅうございますか。
  31. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 この問題につきましては、先ほどからお答え申し上げておりますとおり、今後いろいろ検討する問題点の一つとして、今後私どもも真剣に取り組んでみたいと思いますけれども、いろいろこれについての問題点がございます。先生のさっきおっしゃいました点につきましては、またおことばを返して申しわけございませんけれども、山林別荘地の売買につきましてはこの法案の対象ということで私ども考えておりますし、そういう点の規制は今後もいたしたいと思います。もう一度申し上げますけれども、今後この法案改正の際にあたりましては、十分ひとつそういう点について検討いたしたいというふうに考えております。
  32. 卜部政巳

    卜部委員 免許基準の整備のところの項目で一つ申し上げたいわけでありますが、五条の二項に、免許を取り消された者が法人である場合においては、当該法人等の役員の云々という一項がございますが、この中での役員のそれと同等以上の支配力を有すると認められた者も役員として規制をする、この点につきましてはよろしいわけでありますが、いわゆる一定の使用人がやはり業務に関し不誠実な行為をするおそれがあった場合にもやはりこれを入れるべきではないであろうか、これは答申にもそういう形で指摘されておりますが、その点が抜けておるのですけれども、この点を挿入するという意思はないですか。
  33. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいまの先生の御質問、ごもっともな点でございまして、今回の私どものこの法案の中で、七号及び八号に、七号は法人の場合でございまして、八号は個人の場合でございますけれども、「政令で定める使用人」ということをこの中に含めておるわけでございます。そういう使用人が一号から五号までの事項に該当するときにはやはり同じように取り締まるわけでございまして、この使用人というのは、支店長とか、営業所長とか、その他対外的に責任を持つそういう地位にある者を考えておるわけでございます。
  34. 卜部政巳

    卜部委員 そうしますと、免許の基準の問題はさておきまして、いわゆる免許権者の補助的な機関といたしまして都道府県にあるところの協会ですね。また、不動産取引委員会というようなものがあるのですけれども、そうした人々の意見を聞くということ、ある地方自治団体あたりではこれが実際問題としては行政指導が行なわれている点もあるわけなんですが、そうした面の意見を聴取する云々というようなことはこの中で考えられないのかどうか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
  35. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいまの御質問の点でございますけれども、宅地建物取引業審議会というものが置かれているわけでございます。これは全部の県ではございませんで、あまり多くはないわけでございます。これは任意に設置できるわけでございます。こういうものは私どもも今後も設置をするようにいろいろ指導をいたしたいわけでございます。  それで、免許にあたりましてこの審議会意見を聞くという点についてでございますけれども、いま申し上げましたように、この審議会というのは任意の設置機関でございますので、いろいろ意見を聞くということは事実上やっておりますけれども、法律的にこれの意見を聞いてきめるということにつきましては、審議会の現在の性格上実は考えていないわけでございます。実際上、そういうことにつきまして十分に意見を聞きながら取引行政を推進してまいるように指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
  36. 卜部政巳

    卜部委員 現実不動産業者というのは業者グルーブがあるわけでございまして、率直にいって、業者の連帯感というものもあるのでしょうが、特にそうした面での不正な業者、またそういう肩書きを持っておる連中というものについては道府県の業者が一番よく知っているわけですから、そういう者に一応意見を聞いて、それから免許基準の問題を整備していくという形にならぬといけない、私はこう思うわけです。しかし、これは道府県にないということでございますが、道府県にはみんなありますよ。いわゆる公正取引委員会とかなんとかは別でございますが、不動産取引委員会なんというやつはあるわけでありますから、そういう点については密接な連絡をしてもいいんじゃないか、私はこう考えるわけです。それは行政指導の問題ですから、その点はひとつ十分に配慮すべきじゃないか、こういうふうに考えます。
  37. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいま都道府県の審議会ということでお答え申し上げましたが、先生のお話は協議会でございますか。——協議会につきましては、お説のとおり各県にあるわけでございます。これもやはり任意団体でございまして、いわゆる行政権の一部を任意団体が行なうということは実際法律上できないわけでございます。しかしながら、先生のおっしゃいましたような趣旨で、ひとつ十分協議会と話し合って、そしてその情報も得て、この免許にあたりまして的確な免許ができるように指導をいたしたいというふうに考えるわけでございます。
  38. 卜部政巳

    卜部委員 それは任意の問題じゃなくて、将来の問題として、協会を一つ保護的な団体として、そこに登録という一つ制度を設けて、登録された者でなければ実際問題としては営業権がない、こういうふうな規制を加えていくほうがむしろ事を円滑に進めていくことになるんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。これは将来の一つの課題でありますから、この問題についてはあまり深く立ち入ることを避けますが、しかし、将来の構想としては、そうした府県で把握できる者——これは一番よく知っているわけですからね。そういうふうな問題について十分に考えてみたらどうか。これは一つ意見です。ひとつそういう形でやってもらいたいと思います。  次に、名義貸しの禁止の問題があるわけであります。これについては、もちろんいいことなんでありますが、名義貸しの禁止が十三条、六十八条に明示してありますが、これは貸し借り双方に厳罰をもって臨むということを明示したほうがいいのじゃないか、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
  39. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 十三条に名義貸しの禁止の規定がございます。これにつきましては、もちろん、貸したほうも借りるほうもどちらも悪いわけでございますが、借りたほうは無免許営業ということになるわけでございます。したがって、これは無免許営業で取り締まりができるわけでございます。貸したほうにつきましては、これはいままでそういう規定がなかったわけでございますので、今回こういう規定を設けたわけでございます。これによりましていろいろな処分が行なわれるということになるわけでございます。
  40. 卜部政巳

    卜部委員 それはどんな処分でございますか。どのくらいの処分に在るのですか。双方ともですよ。
  41. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 無免許営業につきましても、それから名義貸しの禁止違反につきましても、この法律で一番重い、三年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金、またはこれらの併科ということになっておるわけでございます。
  42. 卜部政巳

    卜部委員 いまの局長のお話では、双方が三年以下。その三年以下ということが問題ですけれども、そういう処分を受けると理解していいわけですね。それでよろしいわけですね。——わかりました。  次に、取引主任者制度の改善の問題があるわけでありますが、宅地建物取引主任の資格試験、これはどういうふうな試験をやるわけですか。
  43. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 現行法におきましてもこの試験というのはあるわけでございますが、これは宅地建物取引業に関しての必要な知識について、いろいろ科目を設けまして、都道府県知事がこの試験を行なうということになっておるわけでございます。
  44. 卜部政巳

    卜部委員 その試験科目はだれがつくるのですか。
  45. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 これは知事がつくるわけでございますけれども、具体的には、県の職員がいろいろ試験委員をきめまして、そして出題させて試験をいたすことになるわけでございます。
  46. 卜部政巳

    卜部委員 私が県のほうでちょっと承ったのでは、県はそういう出題をやらない、建設省が出題をして、同じ日にちに全国一斉に試験をやる、こういうふうにいわれておるのですが、そこら辺は誤りでしょうか。
  47. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 試験の内容につきましては、さっきも申し上げましたが、宅地建物取引についてのいろいろな項目は省令にも規定されておるわけでございます。そういう基準は建設省がきめるわけでございます。そして、そういう試験問題につきましては、具体的には都道府県が出題するわけでございますが、試験委員もそればかりやっておるわけじゃございませんから、そういう問題その他についての全国的な統一基準をきめるという趣旨からいいまして、また、程度を大体同じくらいの水準にするという趣旨からいたしまして、建設省が大体そういうような問題についてのあっせんその他はいたしておるわけでございまして、出題はその中から都道府県が行なうということになっておるわけでございます。
  48. 卜部政巳

    卜部委員 全国一斉に同じ日にちで行なわれるということですね。それで、建設省からの出題によって試験が行なわれておるというのが実情ですね。そういうふうなかっこうになってくると、この試験というのは国家試験に準ずるものだと思う。いままでの試験もそうだと思います。そういうふうな面で、それほどの試験をやっておるわけでありますから、これからは明確に国家試験というふうなかっこうに銘打って、ただこれは取引主任者だという名目じゃなくて、もういわゆる不動産取引士とでもいいますか、まあ名目はどうでもいいんですが、そうした一つの権限を与えると、同時に、いろいろと私たち聞いておりますが、そんなことはないにしても、阪大なんかの例もあるわけでありますから、不正な方法でその資格をとった場合、合格した場合には合格を取り消すというような、そういうふうな問題も考慮せにゃいかぬと思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
  49. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいまの試験の問題につきましては、今回の十六条で試験を規定いたしておるわけでございます。先ほどいろいろ御説明申し上げましたように、この試験は都道府県知事が行なうということになっておりますけれども、これは国の委任によって知事が行なうということで、いわば一種の国家試験ということでございます。ただ、国がこれについて直接やることになりますと、御承知のようにたくさん受験者がおりますので、施行体制その他の問題がいろいろございます。したがって都道府県知事に委任して行なっておるわけでございますが、一種の国家試験だということでございまして、いわゆる国家試験の名簿というものは、こんな厚いものが、冊子が出ております。その中にはこれも収録されているような状況でございます。正確にいいますと、いわゆる狭義の国家試験ではございません。  それから、これにつきましての合格者の名称の問題でございますけれども、従来どおり宅地建物取引主任者ということにいたしておりますけれども、将来の問題として、先生の御意見を十分尊重しながら検討いたしたいというふうに考えております。
  50. 卜部政巳

    卜部委員 不正の取り消しは。
  51. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 それから、不正な手段によってそういう免許を受けた、試験に合格したという場合におきましては、取り消しという規定がございます。
  52. 卜部政巳

    卜部委員 次に、取引主任者の職務の問題でありますが、ここにおいては、「書面の交付にあたっては」云々と、いわゆる取引主任者が記名捺印した書面を交付しなければならないということがあるわけでありますが、これは書面に合わせ、契約の締結の業務の内容、契約というものの内容等もこの中に明記して署名捺印をしてやるべきだ、こういうふうに考えるわけなんです。これは字句的にはそうなっておるといえばそうなっておるのでしょうけれども、何かそこら辺がぼけておるわけですが、その点はどうでしょうか。
  53. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 取引主任者の職務につきまして、今回の法律でこれを明確にして、従来なかったいろいろな職務内容というものをはっきりさしたわけでございます。その中に先生のおっしゃいましたことはあるわけでございますが、まず最初に、三十五条で、重要事項の説明も取引主任者をしてやらせる。その際におきまして、この三十五条にいろいろ列挙しておりますいろいろな大事な事項につきましては、必ず書面を交付して説明をさせるということにまずなっております。それから三十七条におきまして、先生のおっしゃいましたような契約締結時におきまして書面を交付いたすことになっているわけでございますけれども、その書面の内容につきましても、必要記載事項というようなものを列挙をいたしておりまして、こういうものを確認をして、そして書面を交付する際には、取引主任者がその書面に記名をして押印すること、それで間違いないようにするということを義務づけておるわけでございます。
  54. 卜部政巳

    卜部委員 わかりました。  現行では取引主任者の数というものが何の定めもないのでありますが、それでよろしゅうございますか。
  55. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 取引主任者の数につきましては特にはっきりいたしておりませんけれども、これは事務所に必ず取引主任者を専従させるということにいたしておるわけでございます。そして、そういういろいろな職務内容を行なわなければならないということにいたしております。したがって、先ほど申し上げましたような二十五条なり三十七条のいろいろな仕事をやるためには、一人で済まぬ場合ももちろんございます。事務所の業務量に応じましては、主任者が一人ではまかない切れないところがあります。同時にまた、非常に能率のあがる主任者、なれた練達の士であれば、ある程度一人でまかなえるところもありまして、これは一がいに数をきめるわけにいかないのであります。したがいまして、業務量に応じまして取引主任者の数がきまるということになろうかと思います。業務量が非常に多いのに一人しか主任者が設置されない、したがって、ここに法律できめたようないろいろな義務を履行できないとなれば、これは法律違反でございますから、いろいろ処分なりまた行政指導を通じまして、主任者をもっと設置されるということになろうかと思っております。
  56. 卜部政巳

    卜部委員 切磋琢磨もいいわけでありますが、しかし、そうした問題についてやはり明確にしたほうがいいのじゃないですか。たとえば従業員五名につき一名だとか、法人の場合については重役——重役といってはおかしいのですが、役員のうちに一名以上は必ず主任者がおるというような明確な規定づけというものが必要ではないか。やれぬようになったら切磋琢磨してというようなことではやはり不十分だ、こういうふうに私は思うのですが、この点では、ひとつその面の数字を明確にして、遺憾のないような措置をとっていったほうがいい、私はこう思うのです。
  57. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 取引主任者の設置につきましては、十五条に、先ほどから申し上げておりますように、「その事務所ごとに成年者である専任の取引主任者を置かなければならない。」ということにいたしておるわけでございまして、それにつきまして、先生の御意見は、従業者の数によってこれをきめたらどうかということでございますが、従業者の数といわゆる業務量とは必ずしも比例しないものでございますので、この取引主任者の数というものを従業員の数と比例させるというよりも、むしろ業務量に応じて主任者を置くということが妥当ではないかというふうに考えておるわけでございます。先生の御意見も十分尊重しながら今後業者を指導してまいりたいというふうに考えております。
  58. 卜部政巳

    卜部委員 業務量というのはどういうことですか。業務量に応じてというのは、どこら辺に基準を置くのか。能力の問題もありますし、そういうことではなくて、先ほど申し上げたように、やはりそういうものは明確に、従業員五名につき一名だとか、法人の場合にはその役員の中には一名以上の主任がおるというような、そういう規定づけをしなければ、業務量なんといったってばく然としておりますよ。
  59. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げましたように、宅地建物の取引ごとに、そのいろいろな重要事項の説明なり、また書面の内容をよく確認して、それに記名押印してこれを交付するというように職務がはっきりしておるのであります。したがって、業務量というのは、やはり宅地建物の取引件数ということによろうかと思います。したがって、その件数の比例のほうがやはり妥当でありまして、必ずしも従業員の数の中に何名ということではないと思いますけれども、重ねて申し上げますけれども、先生の御意見も尊重しながら今後業者を指導してまいりたいと思います。
  60. 卜部政巳

    卜部委員 基準法なんかでも、安全衛生規則等に伴うところの要員配置というものは、何名について何名ということがちゃんときまっておるわけですから、やはりそのくらいのことは私は明確にしなくてはならぬと思うのです。あまり固執はしませんけれども、どうですか、訂正の考え方はありますか。
  61. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、やはり宅地建物の取引件数に応じて、そういう業務量に応じて職務の量というものがきまるわけでございます。それに従って主任者の数をきめていくほうが妥当ではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、それをきめる際に、もちろん、一つの参考の資料として、従業員の数というものを参考にすることは必要であろうかと思います。
  62. 卜部政巳

    卜部委員 何件ぐらいで一名を配置するのですか。件数ということになりますと、何件で一名ですか。
  63. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 取引主任者の能力とか、それから取引の一件ごとの複雑さだとか、時間がかかるとか、そういういろいろな内容によって違ってきますので、何件に一人ということはなかなかむずかしい点でございます。しかしながら、宅地建物取引業者、つまり取引主任者を雇用いたしております業者は、これが経営者として十分そういう点で法律を守りながらやっていくためには、その業務量に応じて、仕事の内容に応じて主任者の数をそれぞれきめなければならないと思います。そういう点を先ほどから申し上げておりますように十分行政指導いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  64. 卜部政巳

    卜部委員 何ぼやってもこれはらちがあきませんね。ほんとうにしようがないです。しかし、将来はひとつ十分に考えてもらいたいと思います。  そこで、いわゆる主任以外の従業員の規制の問題なんですが、そういう点については何も考えていらっしゃいませんか。
  65. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先ほど先生の御質問に対してお答え申し上げましたとおり、使用人の中でも、支店長とか、営業所長だとか、その他対外的に責任を持つ地位のあるものにつきましてはこの改正に加えておりますけれども、一般の従業員につきましては特に考えておるわけではございませんが、ただ、従業者業者の名前においていろいろな行為をしたときには、従業者が罰せられるとともに、法律違反がありましたらその当人も罰せられるということになるわけでございます。その他は、一般的に、従業員についてのいろいろの規制は、たとえば試験をするとか、登録制度を設けるとか、その他そういう措置は考えておりません。
  66. 卜部政巳

    卜部委員 やはり多様化する不動産の取引なんですから、業務の内容からして、一般従業員につきましても、業者免許条件と同じように、少なくともそれに準じた規制というものをすべきだと私は思うのですよ。その点について考えていないということでありますから、いまは何ぼ言ったってしようがないから、この点についても同じく考慮をして、今度の訂正等につきましては出していただく、こういうことで進めたいと思います。  そこで、次に、契約締結時期の規制の問題についてちょっと触れてみたいと思いますが、改正案というのは青田売りの禁止を目的としておるわけなんであります。しかし、このようなかっこうではかえって規制をしたということにはならないような感じがするわけであります。たとえば宅地造成の場合に、いわゆる開発許可を受けても、実際問題としまして、直ちにその工事に着工するということでもございますまい。そういうふうなかっこうで相当の日時を要するわけでありますから、いわゆる建築の確認にしてもそのとおりで、だから、宅地というものが宅地として効用が認められた場合、この区分ごとに所有権の登記の可能な時期等についてこれをすべきことが適当ではないのかと私は考えるのですが、この点についてはどうでしょうか。
  67. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 契約締結時期の制限の問題につきましては、これはいわゆる青田売りの制限ということで、昨年からのいろいろなマンションとか宅地分譲、未完成の物件を早く販売する、このために引き渡し時期がおくれたり、倒産その他でいろいろ損害が起こるということで設けられたわけでございます。その時期をいつと考えるかということにつきまして、先生のおっしゃいましたいろいろな点があるわけでございまして、そういう点を十分検討いたしたわけでございます。これは一番完全にいきますれば、もちろん建物及び宅地造成の完成した時期ということが一番安全であろうかと存じます。それからもう一つ考えられますのは、その中途の段階で押えて、そのときに定めるということもあろうかと存じます。それからもう一つ、本法で規制いたしておりますように、宅地造成につきましては開発許可、建物につきましては建築確認という、こういう三つがあって、いろいろ検討がなされたわけでございますが、いろいろ考えましたときに、買い主のほうから実情を調べてみますと、完成以前にいろいろ契約を結ぶという利点もやはりあるわけでございます。たとえばこれは権利を早く確保できるということ、それと同時に、またその内容について、設計について、いろいろな個別の注文も、別途契約でございますけれどもすることができるわけでございます。そういう買い主からの利点もございます。また、現在の業界におきまして、青田売りといいますか、未完成のものを契約で売るということにつきましては、一種の慣習化されているわけでございまして、これを直ちに全部完成時にいたしますと、業者の資金繰りその他いろいろの問題もございまして、ひいては住宅供給の数その他にも影響するということになりますので、そういう点もいろいろ考え合わせて、いままで一番紛争事件の多かった建築確認時期、また開発許可の時期というものを押えまして、その時期を過ぎないと契約はできないというふうにいたしたのでございます。  先生のおっしゃいますように、建築確認及び開発許可をいたしたあとにおきましてさらにどういうふうに変わるか、どういうふうになるかということの疑問がございますので、特に、今回、この法律におきましても、先ほど申し上げました三十五条の「重要事項の説明等」というのがございます。その中で特に一項目設けまして、完成時にどういう形のものに物件がなっているか、その形状だとか構造だとかいうものにつきましてこれを説明させるということ、重要事項の説明義務というものを課したのでございます。同時に、この問題につきまして一番問題になりますのは、未完成の建物を契約と同時にその際に前金を渡すわけでございまして、したがいまして、倒産その他いろいろなことがありましたときにこの前金が返ってこないということで、一般消費者に非常に迷惑及び損害をかけるということが問題であったわけでございますので、契約の時期をこういう時期にいたしまして実情に合うようにいたしたわけでございますが、同時に、前金の保全措置というものを御承知のように考えまして、そうしてそういういろいろな事故がありましたときには前金がそっくり返るという制度とあわせましてこの契約締結の時期をこういうふうに定めたのでございます。
  68. 卜部政巳

    卜部委員 私は、いまの局長の話を聞いておっても、これは先ほども申し上げたように規制を加えたのだけれども、実際問題としては青田売りというものが何か残るような気持ちがしてしようがないのです。しかし、そういうことを言っても、法自体がそういうかっこうで進めていくということですから、何ぼ言っても訂正する余地もないと思いますが、これは将来の問題として考えていただきたいと思います。しかしながら、これはただことばだけの問題ではなくして、やはり文書にしておくべきだ。たとえばいまこの中にある「契約締結等の時期の制限」等につきましては、ただ説明だけに終わらずに、文書にしておくべきじゃないかというふうに私は考えるわけなんですが、その点についてはどうでしょうか。
  69. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 この点につきましては、十分に説明を加えるとともに、書面にしてこれを交付するということになっておるわけでございます。
  70. 卜部政巳

    卜部委員 文書にするということを確認してもよろしゅうございますね。わかりました。
  71. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 ちょっと関連。  局長、いまのことですが、たとえば完成時の形状とか、そういうものは重要事項の説明の義務があるわけですね。この重要事項は文書にして契約をするということですね。
  72. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 三十五条にございますように、取引主任者をしていろいろ重要事項の説明をさせる項目の中に、先ほど申し上げましたように、完成以前のものであるときには、完了時におきますところの形状、構造その他につきまして説明をして、同時に、この一号から五号まででございますが、この事項につきましては書面を、特に五号につきましては、カッコで「図面を必要とするときは、図面」としてあるように、図面を添付して交付して説明するということに規定しておるわけでございます。
  73. 卜部政巳

    卜部委員 次に、ちょっと損害保証制度の確立の問題について質問をしたいと思うわけでありますが、これは私はたいへん重要な問題だと思うわけです。それで本改正において、いわゆる青田売りに伴う前金の保全措置について所要の規定を整備をしておるわけであります。しかし、この規定のみでは、たいへん複雑多岐にわたっております不動産取引によって生ずる損害の保証措置としてはまことに不十分である。このために、昭和三十二年以来据え置かれている営業保証金制度について、現行の免許制度とも関連して抜本的な検討を加えていかねばいかぬということが当然いわれているところなんですが、この適切にして妥当な損害保証制度を確立する時期というものは大体いつなのか。これは後日の一つ改正に持ち込まれているわけですが、いつやるのかということだけひとつはっきりさしておきたいと思うわけです。
  74. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいま御質問がございました消費者保護の徹底を期するための根本的な保証制度保険制度の確立ということが必要であることは私ども十分承知いたし、また検討を早急にいたすわけでございます。これは直ちに住宅宅地審議会に諮問をいたしまして、内容の検討をいろいろしてもらうということにいたしておるわけでございます。その答申がありましたら、その内容に従いましていろいろ案を考えたいというふうに考えておるわけでございます。
  75. 卜部政巳

    卜部委員 だけれども、この審議会自体が別途、保証制度保険制度の創設については早急に検討する必要があるという答申を出しておるわけなんでありますから、この点については当然すみやかにその制度の確立をせなければならぬ。これは、私は、この答申が出る前にももうすでにそういうことを考慮して、当然そういう配慮があってしかるべきだったと思うのです。だけれども、いまごろそんなことを言ってもしようがありませんが、今度の法案の中では、これは万遺憾ない一つの条文として必ず提示されることをひとつ期待をしておくところであります。  そこで、前金の保全措置の問題でありますが、いわゆる青田売りの場合において前金の保全措置というものが義務づけられておるわけなんでありますが、これに対しましては、銀行等の金融機関だとか保険会社、または建設大臣が指定するいわゆる保証事業の会社のいずれかの保証機関の保証を得るということになっておるわけなんでありますが、このいわゆる保証機関というのは中小企業者においても十分に利用できるように配置されておるのかどうか、この点の見通し。この点は中小企業の方々としてはずいぶん懸念をしておるところだと思うのですが、そういう点ではどういうことになりますか。
  76. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 前金の保全措置につきましては、法律の四十一条に先生のおっしゃいましたようないろいろな措置を考えておるわけであります。その中で、銀行、信託会社その他の金融機関というのがございますけれども、これに政令で定めることになりますが、これは信用金庫というものを私ども考えておるわけであります。信用金庫となりますと、全国でも相当たくさん数がございますから、中小企業者はこれについていろいろ取引もいたしております。したがって、こういうことによって保全措置ができるのではないかというふうに考えておる次第でございます。また、指定保証機関という機関も建設大臣の指定でできるわけでございます。これは業者団体がそれぞれ出資いたしましてこういう機関を設立して、一定の基準がございますけれども、基準に合致するものについては積極的に指定いたすわけであります。そういうことを通じまして、中小企業者がこういう青田売りのようなものをいたしまして前金をとる場合におきましての保全措置もできるのではないかと考えておるわけでございます。
  77. 卜部政巳

    卜部委員 そうすると、これには農協なんかは入らないわけですか。金融機関には、信用金庫が入ると農協も入ると思いますが、どうですか。
  78. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 信用金庫は入りますけれども、農協につきましては、これもいろいろ検討した段階があったわけでございますけれども、これは大体組合員を対象にする業務が多いわけでありますので、これについては政令で規定しないというふうに考えておるわけでございます。
  79. 卜部政巳

    卜部委員 ちょっと速記はとめてください。
  80. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  81. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 速記を始めて。
  82. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 関連質問。  局長、私どもは農協が入らぬという認識はしていませんでした。いま、特に都市近郊の農地所有者はほとんど農協の組合員であります。この皆さんが農地宅地造成をやるとか、いろいろなことが起こってきておる。したがって、農協それ自体がこういう宅地造成なり何なりいろいろなことをやっていくということさえいま起こり得ておるわけであります。   〔正示委員長代理退席、委員長着席〕 その際に、農協がいまの前金保全措置の指定機関にならないということになりますと、相当いろいろな不都合が起こってくるのではないかと思われるのです。私どもは、農協は当然入るというふうに内容を承っておった、こういう認識を実はしておったのですが、これはいかがでしょうか。
  83. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 農協につきましては、先ほど先生のおっしゃいましたいろいろな宅地建物の取引につきましては、組合員相互の問題その他につきましてのそういうものは行なえるわけでありますけれども、いわゆる前金の保全措置につきましては、これは農協法の改正をしないと現在のところはできないようになっておるところでございます。
  84. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 農協法を改正しないと、いまの場合の指定機関とすることができないというふうになるのですか。
  85. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 農林省にいろいろ相談しましたところ、そういう見解のようでございます。
  86. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 その問題は、かつて若干建設省の内意をいろいろだだした機会があったわけですね。そのときには、農協は当然対象になる、こう私ども認識をしておったのですが……。
  87. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 いろいろ御審議をいただいたときにおきましては、信用金庫までははっきり申し上げたわけでございますけれども、実は、農協につきましては、いろいろ検討したり、関係のところと折衝するという程度で、私どもははっきりいたしたことはなかったというふうに記憶いたしておるわけでございます。
  88. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 これは政令ですね。いまの問題は政令事項ですね。
  89. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 政令で規定するわけでございます。
  90. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 そういたしますと、いまの法案とは別に政令の問題でありますから、農林省その他所要の条件がそろえば、建設省立場からすれば、農協をいまの政令で指定する機関とすることには別に問題はない、こういう認識をしてよろしいわけですか。
  91. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 政令制定段階におきまして、いろいろ農林省とも打ち合わせする必要がございますけれども、やはり農協法を改正しないとできないということになりますと、そういう点で相当積極的に農林省と私どもも協議を進めていく必要があろうかと思います。先生の御趣旨よくわかりますので、また農林省といろいろ打ち合わせますけれども、農協法の改正ということを前提にしなければ政令には書けない、こういうふうに考えております。
  92. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 いかがでしょうか、いまは時間の関係もありましょうから、この問題は、次の機会に農林省にも出ていただく。同時に、なお、農協法のどこが問題なのかということなども、あらかじめ建設省と農林省との間で話を詰めていただいて——これは都市近郊では、農協の組合員である者で事実上宅地造成なりいろいろなことをやっておる者が相当出てきているわけですね。その場合に、農協がいまの政令で指定する前金保全措置の指定機関たり得ないということになると、いろいろな不都合が起こるのじゃないかと思うのです。したがって、私ども、前は農協も当然対象になるというふうに話が詰まっておったという認識のしかたを実はしておったわけですが、これがならぬということになると、ちょっといろいろな意味で問題があるように思いますので、次の機会までに、いま卜部委員の指摘されたこの問題については、建設省、農林省との間で話を詰めて、何とか農協もいまの指定機関たり得るような方向を出す努力をしてもらいたい、こう思います。
  93. 金丸信

    金丸委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕
  94. 金丸信

    金丸委員長 速記を始めて。
  95. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 もう一つだけ。  農協が開発自体はできるわけですね。
  96. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 昨年の農協法の改正によりまして、組合員に出資をさせる農業協同組合は、組合員の委託を受けて転用相当農地等を売り渡したり、または区画形質の変更をする事業、また組合員から転用相当農地を買い入れて事業を行なうことができるということになっておるわけでございまして、組合員の委託を受けるとか組合員相互ということになっておるわけでございます。
  97. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 大臣にお伺いしますが、いまの局長の説明のとおりです。そうだとすると、農協が開発業務その他が事実できる形態になっておるのに——しかも、農協というのは、いま、事実上農産物の販売や何かだけでなくて、信用部門は非常に大きな内容を持っておる。その農協自体が開発できる状態になっておるのに、前金保全措置の指定機関たることができないということはちょっとちぐはぐな気がするのです。したがってこれは、大臣のほうでも局長のほうとよく意見を調整せられて、やはり農協が指定機関になることができるような道をぜひ開いてもらいたい、こう思います。
  98. 根本龍太郎

    根本国務大臣 そのとおりだと思います。ただ、私は、法律に抵触するかよくわからない。私は常識的にやっていいと思うのですけれども、どうもこの法律、あまりよくわからないから、よく農林省と連絡して、そういうふうな措置が解釈でできるような気がするので、協議します。
  99. 卜部政巳

    卜部委員 農協の問題はそれで終わりたいと思いますが、ただ、農地法の改正等に伴いまして、先ほど阿部委員のほうから指摘された問題等々の中で、農協自体が不動産屋化しておるではないかといううわささえももうちらほらと聞かれておる状態なんです。そういうふうな中で、私が指摘した農協が入らないということについて関連質問がありましたが、ひとつその点は建設大臣の十分なる御配慮をいただいて、次へ進みたいと思います。  そこで、建設大臣の指定する前金の保証事業会社、これは大体業者団体のいわゆる所属員によって構成をされるものであり、それによるいわゆる出資という形に在るわけなんでありますが、そういうふうな状態から考えて、そういうふうな業界の現状から見て、どういうふうなものが設立を予定されておるのか、この点をお伺いしてみたいと思います。どうでしょうか。
  100. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 前金の保全措置につきましては、その保全が確実に行なわれる限りできるだけ範囲を拡大いたしまして、そういう保全措置、方法を考えたいということを私ども考えましてこういうことにいたしたわけでありますが、具体的には私どもまだ具体的な案を各団体からは聞いておりませんけれども、日本高層住宅協会、全国宅地造成連合会、日本分譲住宅協会、住宅産業開発協会等でそういう検討をいたしておるというふうに聞いておるわけでありますから、そういうところで成案を得まして指定基準に合うようなものができたら、それは積極的に指定してまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  101. 卜部政巳

    卜部委員 この会社は法定の要件さえ整えば全部指定を受けるということになるわけなんですね。そういうかっこうになってくると、いま局長がおっしゃったように四つくらいのものですか、数としてはそれくらいと判断していいわけですか。
  102. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げました団体は、そういう団体の中でいろいろ検討をまだいたしておるということでありまして、具体案ができておるわけではないようでございます。したがいまして、その数が幾つになるということは私ども承知いたしておらないわけでございます。
  103. 卜部政巳

    卜部委員 では、これで終わりますが、監督体制の強化の問題でありますが、本法案の問題について、改正について、先ほどから申し上げておりました免許基準だとか、それから消費者保護だとか、さらには監督等の諸規定が整備強化されたということは御指摘のとおりなんですが、指導取り締まりの事務量、これが大幅に増加するものと考えるわけなんですが、この指導と取り締まりに当たる要員の実情はどうなのかというのが一つと、また、定員とか予算面について今後さらに充実をはかるべきだと思うが、その方策はどうなのかをお伺いしたい。それで終わりにしたいと思うのです。
  104. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先生の御指摘のとおり、この法律改正されましても、これを十分に活用してりっぱなものにするためには、どうしてもそのいろいろな体制というものを整備する必要があります。現在のところ、この宅地建物取引行政を担当しております人員は、全国各県全部含めまして約三百人ということになっております。東京では四十一人、小さい県では数人というところもございます。それから予算につきまして、これは事務費、四十五年度でございますけれども、全国合計で約四千五百万円ということで、私どもも、この人員及び予算とも充実しているというふうに考えているわけじゃございません。さらに今回の改正を機会に予算の増及び人員の増加というものをはかる必要があろうかと存じます。そういうことによって監督体制を整備する必要があることを十分承知いたしております。したがいまして、この点につきましては、都道府県につきましては、関係の自治省その他ともいろいろ協議いたしまして都道府県を指導するとともに、また具体的な財政措置として、基準財政需要額の増額その他ということも十分自治省に交渉いたしましてふやしてもらうという措置をとりまして、この体制の万全を期していきたいというふうに考えているわけでございます。
  105. 卜部政巳

    卜部委員 先ほど来から、目的の問題さらに法案題目の問題、さらに不動産範囲の問題、免許基準の整備の問題、さらには取引主任の制度の改善の問題、さらには名義貸しの禁止の問題、契約締結時期の規制の問題等々について御意見を申し上げました。すべて本国会におきましては訂正をされるという段階には至らなかったわけでありますが、大臣のおことばもありましたように、次期の国会ないしはこの法案改正をされる場合には、私が申し上げた各項目については、すべて私の意見のとおりに修正をされ、もしくはその問題についての検討を加えた結果についての報告がなされ、ないしはそうした法文に盛り込む等々の努力がなされるということの確認を私はいたしました。そのことについて今後とも、鋭意努力したということじゃなくて、その問題が修正としてこの条文の中に明記されることを私は強く要望して、私の質問を終わります。  以上であります。
  106. 金丸信

  107. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣にまずお尋ねいたしますが、今日の日本において、宅地建物取引業法改正を行なうという前提については、急速なる都市化に伴うところの土地問題、また、日本国土の開発、それから都市計画法に基づくところの都市地域、並びにそれに伴わない、用途地域の指定されていない地域における開発、こういう複雑な問題がからみ合った上で宅地建物取引業者の消費者に対する保護という問題が打ち出された、こうわれわれは理解しております。そこで、私は、そういう前提に立ちまして、外資導入問題、外国人の不動産業者というのはどうするのか、それから、土地という問題について、これから第四次の貿易の自由化という問題がはっきりしてきた場合にどういう態度を日本はとっていくのか、こういう角度からも二、三お尋ねしたい。法案の条文については後ほどまた一つずつお尋ねをするといたしまして、まずそういう前提に立ったところで、新都市計画法に指定された市街化区域内における農地をいかに宅地化するか、この大きな問題がいま一番大きな都市問題としてクローズアップされてきた。また、今回の統一選挙においてもこの問題が非常に住民の関心を呼びまして、われわれの街頭演説その他においても、土地問題、都市問題、そうしてこの市街化区域内における土地の利用区分、そして緑地問題、公園と緑を返せというような問題、こういった住民の大きな問題等を踏まえて、そこに悪徳不動産業者が介入して、いたずらに国土の荒廃をもたらし、都市の荒廃というものをもたらす、こういう問題が今日の大きな政治的テーマになってきた。こういう問題を置き忘れられては、これからの七〇年代の政党としては失格である。ここまで大きな関心を呼ぶような政治的テーマにまで発展してきましたので、そういった立場に立って、不動産業者、すなわち宅地建物取引業者の問題を踏まえていかなければならぬ、こういう問題に私は理解しております。  そこでまずお伺いしたいことは、これは四月十三日の参議院内閣委員会で、市街化区域内の農地に対しては野放しにしてはいかぬ、不動産業者にまかせておいたのでは緑も失われてくる、近郊緑地地域というものが指定されておるが、こういう問題も無効にひとしい、こういうことであってはならないという構想を出されたことを新聞で私は拝見いたしました。  まず第一に、この問題ですが、非常な私有権の問題もからみ、また市街化区域内における農地をめぐっての不動産業者の締め出しにもなる。こういういろいろな大きな政治的大問題をからめた政策になると思うのですが、といって、この問題を置き忘れておりますと、いま言った都市問題の解決にならない。これは政党としてわれわれも大きな議論を呼ばなければならない。わが党におきましては、大臣のこの問題が出ました翌日からこの問題についていま鋭意研究しておりますが、まず根本構想というものをお聞きした上で、私はこれから個々に問題を提起していきたい、こう思っております。
  108. 根本龍太郎

    根本国務大臣 非常に大事な問題でございます。実は、これは参議院の内閣委員会の前に衆議院の内閣委員会でこの問題が出たのです。というのは、これは宅建業法とは全然関係なく、設置法の問題の下水道の問題から関連して出たものです。そのときに、社会党の大出俊議員から、現在の都市政策の最大の問題は土地問題じゃないか、土地問題について何か抜本的なことをやらない限りだめじゃないか、こういう質問がござました。これに答えて、私は——私も実は二年前からこの土地問題については相当突っ込んで研究してみたのですが、ところが、これが非常に複雑な社会的な問題と経済的な問題、法制上の問題の三つがからんで、普通の対策をやると、対策をやったことによってかえって土地を値上げさせ、困ってしまう。たとえば今後の線引きにしても、線引きしただけであとは黙っておりますと、いま小川さんが御指摘のように、不動産業者の連中がそこに集中し、それからまたそこに土地を持っている者は、これは値段が上がるのだということで、計画的ないろいろの施策を地方自治体、国がやると、今度は私権の尊重を強く主張して抵抗してくる。そうすると今度は選挙にからんで、これらの連中のきげんをとったほうがいいというような者が出てくると、ますますこれが混乱してくる。そうすると今度は土地を持ちたい者のほうから反撃するということで、これは社会的にも非常に問題がある。そこでこの際、政府だけでやるとなかなかこれはむずかしい問題だから、むしろこういう問題は、例の国有農地の払い下げにあたって与野党相共同して例の価格の適正化をはかったという一つのいい経験があるから、こういうような発想で、むしろ与野党一緒になって、この市街化区域に入っておるところの農地並びに雑用地、雑地については立法措置で国に先買い権を与えたらどうか、そうしてその先買い権を与えても、財政上の裏づけがないとまたかえって土地所有者に迷惑を及ぼすから、交付公債で買い取る、その条件は、まだ私はよく研究していないけれども十年くらいで償還するのだ、そして利子については少なくとも銀行預金程度の利子をつける、こうすれば私有権を一応押えても社会的な公平の面から見ればこれは是認されるのじゃないか、その意味で、これは与野党ともに共同でこの問題を検討すべきではなかろうか、こういう点を私が申し上げたところ、そこにおられた社会党の議員の方も、公明党も、民社党の方々も、これはほんとうにひとつ考えようじゃないかという空気に実はなったわけです。そういうような前提を踏まえて今度は参議院の内閣委員会に行ったら、やはり同様のことが出てきた。そのときにまた同じことを申し上げた。ところが、衆議院の内閣委員会のときには記事にならなかったけれども、参議院の内閣委員会で発言したことが記事になってばっと出てきた、こういうような段階でございます。いまでも私は、これこそイデオロギーを越えてやれる問題じゃないかというような気がするのです。参議院の建設委員会の中でも、あの記事を読まれて、これをひとつやろうじゃないかという、私に対する指摘と申しますか、意見の開陳が野党の一部の方からあったことも事実でございます。私は、この次の国会までに、与野党ともにこの問題を真剣に取り上げるということで、ややともすれば、何でも政府提案だけでやって、これに対して政治的な一つの攻防を重ねるという国会から、むしろ国会がリードして、本来の国権の最高機関である立法府こそこういう大きな問題を取り上げていいのじゃないかと思う。そうして、その意図を受けて、政府を持つわれわれのほうで事務的にその法案の準備をして、そしてまた皆さんと御協議の上適当なものにしていく。こういうある意味における七〇年代の国会と政府との機能をここまで進めていいじゃないかという気持ちすらあるので、いま小川さんから出されたことは非常に適切で、かつ建設委員会で正式に取り上げられたことに対して、私も全く同感である旨を申し上げておきます。
  109. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そこで、さらに突っ込んでお尋ねするわけですけれども、私どもいまこの問題を研究しておりますが、私有権についてはまず第一に考えていくかという問題が出てくるのです。そこで、この先買い権を設定いたしますと、当然強制的に買い上げるわけですから、その補償は、ただいまお聞きいたしますと交付公債で支払う。一部は現金で支払うでしょう。そして、これは特別立法の中に収用権を組み入れるのかどうか、これが一つ。それから土地収用法を改正するのかどうか、これが第二点。それから、こういった問題を政府提案ではきめかねる、こういう大事な問題だから議員立法でやるのだ、こういうふうにいま大臣から出ましたが、この二つの点でいま特別立法に組み入れるのか。また、土地収用法をまず改正しなければならないのか。私有財産についてはどう考えていくか。そして、この市街化区域内でしか、いま商売ができなくなってきました多くの宅地建物取引業者は、そのことによって相当の生活の脅威というものを受けてくる。それでなくしても、ただいまもお話がありましたように、農協が不動産取得や宅地建物の取引業者に類似したような仕事を始めてきますと、中小の宅建業者はそれこそ職場を失っていくのではないか。それも一つの時流であるならばいたし方ないという受けとめ方なのか。それとも、そういった面の対策はこれからどう考えていくのか。こういった点です。
  110. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは、私まだ綿密な検討はしておりません。ただ、発想としてですが、現在の段階で申し上げるならば、私はやはり特別立法をしたほうが適当であると思う。収用法でやるということになりますと、実はこれは他の問題にも——もう先買いを全部やるということにいろいろ議論が出てくると思う。私は、まず都市対策であり、いわゆる地価対策であるという意味において、これは特別立法にしたほうがいいじゃないかと思う。したがって、その意味では時限立法でけっこうだ。十年なり二十年なりということでよろしい。これはある意味における非常立法だという考えからするならば、特別立法にしたほうがよろしい。  それから、その次の問題の先買い権、これでやっていきますと、いわゆる民間のデベロッパー売買の入る余地が実質上なくなってくる。これは確かにそれがある。だから特別立法でなければならない。ただし、デベロッパーとしても、土地を買って、ただそれに若干の工作を加えることによってそれ以上の利潤を得るというところに問題があり、いろいろあるわけですから、御承知のように、調整区域であっても、相当の団地構成になってやるところには、これはまた特別に許す方法もございます。それからその土地の上に住宅をつくるとか、いろいろのそういうものはありますから、宅建業者が全部仕事がなく在るということでないと私は思います。ただし、非常に重大な制約を加える。だからこそ、政府提案ということは、ここに職業の自由の問題、所有権の問題、いろいろ問題が出てくる。それゆえに従来そうした構想が出せなかったわけです。出せないから、線引きした、あるいは公示価格にしたといったって、依然として、それは観念的には押える可能性はあるけれども、現実は押えられない。結局土地を上げてしまって、そしてみんなが不平であり、みんなが責任転嫁し合うということは、これはもうこの時代では避くべきだ。だから、これは国民によって選ばれた国会のほうが、もう全国民の総合的な利益のために一時私権を停止するということであるから、非常立法でやる、こういう構想でございます。そのためには、これはやはり議員立法であっても、与党だけ出したとか、あるいはどこの政党が出したとか、これでやるということはなかなかむずかしい。だから与野党一致してやるべきだ。ちょうど幸いに、いまの国有農地払い下げについて、そこに完全な合意ができて、しかもこれは土地問題で、やや似たような問題をより大きく取り上げるということだから、ちょうど政治的な転換の機ではないかということで、こういう構想を提案しておる次第でございます。
  111. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 近郊緑地化指定地域の緑化の特別地域においては緑化の荒廃に対する防止の規制がありますが、御存じのとおり一般的には規制がございませんですね。そのために、ここは近郊緑地指定地域だなんというくいが立っておりましても、どんどんそこに住宅が建ってしまって、緑が食い荒らされてしまう。要するにグリーンベルトというものが実際的にはなくなってしまっている。  そこで大臣にお尋ねしたいのですが、そういうことでこの緑を確保していくというのも一案でありますけれども、せっかくここにそういった法律がございますのですから、それをもう少し一般的に広げて、そこに住宅、宅地の無秩序な、それこそスプロール化を防ぐための緑を確保するための規制というものを加えられる考えはないのですか。
  112. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御承知のように、現状においてもグリーンベルトの特別地域指定の権限も政府にありますけれども、現実にこれをやる場合、財政の裏づけがないとこれは非常に低滞して空文化してしまうということなんです。しかし、これは、もちろん年次計画をもって、都市計画一つの大きな柱として実行するつもりでございます。これもやるつもりです。ただし、先ほどあなたが提案され、私も申し上げたところのものは、そうした個々の緑化をするとか、あるいはその保護をするといったって、実際は、とうとうたるこの土地の値上がりと土地に対する需要、そうしていわゆる民間デベロッパーの意欲的な開発と申しますか、とにかくそういうそろばん主義からするならば、そうしたいろいろの立法もみんな押し流されちゃうということ、こういう意味で、いまの問題をも含めて、私は、市街化区域のまずこれをやります。その中でグリーンベルトも相当つくれるわけでございますから、そのほうが、総合的な都市機能を持たせつつ、しかも自然を保護し、地価対策もできていく。ここで初めて七〇年代の人間生活の回復という問題が出てくるというように私は感じている次第でございます。
  113. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣はわれわれ野党側にもある程度けたを預けたわけですけれども、そういう議員立法ができ上がって、その緑化という問題が都市問題の中に繰り込められるということにまでなる間に時間がかかったのでは、これはどんどんスプロール化されてしまうので、それよりも、まずいま言ったグリーンベルトをグリーンベルトならしめるための、その特別地域の指定だけでなくして、一般の緑化地域の指定にもちゃんとした法的な裏づけをもってそれを確保できるというように改めていったほうが早いというような考えを私は持っているのですが、いかがですか。
  114. 根本龍太郎

    根本国務大臣 あとで事務当局より説明させますけれども、これは観念的にはあなたが言ったようにできるようになっています。しかし、現実に指定しても、これは、指定に対する非常な強い抵抗がある。なぜならば、その土地を持っている人としては、その評価額がもう固定してしまって、他の近くのほうはどんどん値上がりするときに、何らの補償なくして押えられたじゃないかということになる。そうしてしからば今度は、これを買い取るというときには時価で買い取らなければならぬ。ところが、それだけの財政の裏づけが市町村、都道府県にないということになってくると、一体何だ、こういうことになってきまして、制度そのものはできても、実質的はなかなか伴わない。それよりも、ただいまぼくが御答弁申し上げ、あなたが言われましたいわゆる特別の非常立法でやります。立法化できるとすぐにとにかく押えることができますから。と同時に、それができるというだけで、いまのもうけ主義の民間の不動産業者はもうお手あげになる。こういうことになる。したがって、ここに地価が鎮静する。そうすれば、今度は各都道府県なり市町村がそれを前提として、いわゆる都市計画ができ、適当なところに緑地をつくり、公園をつくる、あるいは学校用地をつくるということで、今度はわれわれに申請してくるわけです。政府は、これはあるいは何千億になるかもしれませんけれども、交付公債ですから、こっちを十年間で償還するということでいきますと、いわゆるインフレ問題がなくなるから、十年間でやるならば、それだけのことを年次的に償還するというのは、日本の国力では十分できるというふうに考えておるわけでございます。
  115. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 その辺のところの議論をいつまでもやっているわけにいきませんから、その新しい考え方についてわれわれとしては鋭意検討させていただきます。しかし、あくまでもこの精神というものは、与野党を問わず七〇年代の問題として埋没させてはならない、いまそういう気持ちでございますので、あえて大臣の答弁を求めたわけですから、政府側においてもひとつがんばっていただきたい、こう思うわけです。  その次に沖繩の土地問題でございますけれども、第三次資本自由化に関する意見の中にいろいろと問題が提起されたのですけれども、要するに、外国人の不動産業者が沖繩にいま何社ぐらい、入っておって——ことしもうすぐ承認しなければならぬのです。この沖繩がすぐ返ってまいります。各省の中に沖繩対策特別室というものがございますから、この外国人の不動産屋が沖繩においていまどういう活躍をしているのか、この辺のところを建設省は当然つかんでいると思うのですが、つかんでいるのかどうか、この辺のところからお尋ねします。
  116. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 現在沖繩で不動産業を営んでおりますものにつきまして、私ども把握しております点を申し上げますと、外資系の企業につきましては五社でございます。四社がアメリカ系であります。一社が英領バハマというところの系統でございます。この五社のうち四社は、住宅とかビルの賃貸も行なっておるわけでございますけれども、残りの一社は、もっぱら米国の軍人軍属というものに対しまして、米国の土地に関する情報の提供というものを行なっておるもののようでございます。
  117. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 沖繩返還協定が結ばれまして、沖繩が日本に名実ともに返って、日本政府がこれを沖繩県として行政をやるということになりますと、現在根をおろしております外資系の不動産業者、建設業者、それから建築設計業者の返還後の取り扱いというものは、建設省ではどういうふうに扱うのですか。
  118. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいま申し上げました沖繩におきます外資系の企業を沖繩復帰に伴いましてどう扱うかということにつきましては、目下日本政府と米国政府の間でいろいろ折衝が行なわれている中の一つとしていろいろ取り上げられるわけでございますが、基本的な方向としましては、本土におきますところの外資系企業の取り扱い、結局、不動産業に対してどう扱うかということとの均衡を十分考えながら取り扱っていく必要があるわけでございまして、その点、そういうことを考慮しながら検討し、また折衝いたしておる段階でございます。
  119. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣、これは重大な国際的な問題になってまいりますね。要するに不動産という、土地というものは生産のできるものじゃないから、商品として認めるのか、商品でないかという問題になって、これは資本の自由化品目の中に加えるか加えないかという問題が出てくるので、私が聞きたいことは、戦争によって領土を拡大しなくとも、ドルによったって日本の国土は蚕食できるわけです。そうなってまいりますと、沖繩が日本に返ってきた状態において、外資系の資本のいまそういった歯どめができないとするならば、交渉でこれからどうなるか知りませんが、その補償問題も出てくるであろうし、その連中が持っておる、その会社の投資した土地というものもあるだろうし、こういう問題は、不動産売買としては、日本の内地においては非常にきびしい規制がある。その規制にのっとってやるのかどうかという問題、これはこれから検討するといまお返事があるけれども、いま一番当面の宅建業法を取り扱っている建設省主務大臣として、これに対するお考えは一体どういう考えを持っているのか、これを一つお聞きしておきます。
  120. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは非常に重大な問題でございます。私は、いわゆる土地というものは普通の商品とは異質の物件であるということは社会的通念だと思います。そういう意味で、資本の自由化ということが直ちに海外の不動産業を自由に許すということにつながらないという考えを実は私は持っています。これについて、まだ外資審議会のほうとも十分協議はしていないけれども、私はそういう考えで、事務当局にもそういうふうな観点で準備することを私は指示いたしたいと思います。特に、現在日本において土地問題が非常に重大な社会的、政治的問題になっておるときに、膨大な資金を持つ者が土地騰貴によって現実利益を受けられるという可能性がある今日、それは無条件による規制というものは適切ではない、こう考えております。
  121. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これは関係局長にお尋ねしたいのですけれども、沖繩返還を目当てに外資系の不動産業者が入り込んでおりますが、一体現在どのくらいの土地を取得しているかという面積、これをまず明らかにしていただきたいことが一点。次に、アメリカの軍人及び軍属以外の民間会社または一般人はどのぐらいの土地をまず沖繩に取得しているのかということ。要するに、外資系不動産の取得した土地、この土地については、沖繩の返還に伴ってはどうするかということは、ただいま基本的な原則論をお尋ねいたしましたが、所有権が一体認められていくのかどうかということがわれわれには非常に大きな関心事である。そうなってまいりますと、沖繩対策室が建設省にあるということであれば、その沖繩対策問題について、専門的な分野では、こういった問題についてこの秋にはもう承認しなければならぬ、この秋には沖繩特別国会が開かれる、来年にはもうこれは返ってくる、こういう大事な観点にいま立っているのですから、私が聞くことが一つも無理じゃないと思うのだけれども、この点についてひとつお尋ねしたい。これは局長でけっこうです。
  122. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 御質問の点につきまして、第一点の、先ほど申し上げました外資系の企業、不動産業者が沖繩におきましてどのくらい土地を取得しているかということでございますけれども、実は、私どもの資料は外務省を通じていろいろ資料を入手しているわけでございますが、それにつきましては具体的な資料がないわけでございますけれども、投資額について申し上げますと、マニング・コーポレーション、マニング商会と訳しますか、そういう会社がございますが、これが投資額が七十一万ドルでございます。それからケンザル・イン・コーポレーティド、ケンザル商会というようなものがございますが、これが投資額が十五万ドルということになっております。それからほかのチャイナ・シー・ディベロップメント・コーポレーションというのがありますが、これは売り上げ額が年額約一万九千ドル、投資額はこの資料には記入はございません。ゼネラル・リヤル・エステート株式会社というのがございますけれども、これは売り上げ額及び投資額につきましても不明でございまして、資料がございません。それからスナベ・コーポレーションというのもございますけれども、売り上げ額が三万六千ドル、投資額が六万二千ドルということでございます。  先生のおっしゃる土地の所有がどのくらいかというのは、これはわかりません。  それから沖繩におきますところの軍人、軍属がどのくらい土地を所有しているかということにつきましても、資料の持ち合わせがございません。
  123. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣、お聞きになっておわかりのように、沖繩の土地問題、土地対策等、これからの沖繩の建設をこれから建設省がやっていくのに、もう秋には承認するのに、こんなような不明確なことであっては非常にたいへんな問題だと思うのですよ。これからいよいよ次の国会においてはこの問題がクローズアップされて、どんどん矢つぎばやに質問が出てくるだろうし、またいろいろな点で追及も行なわれてくるでしょうが、そう在ったときに大騒ぎするようなことでは、これは建設省全体としても沖繩問題としてはおくれをとる。私はその点についてまず大臣に御忠告申し上げておきたいのですね。  それで、沖繩にある国県有地、村有地について、琉球政府が米国の一般の人にその土地を売却した実例を一体つかんでいるのか、いないのか。貸与した事例があるのか、ないのか。こういう点も、聞いても、その顔つきじゃおそらくちょっとわからないだろうと思うのですね。こういう点非常に困るのですが、こういう質問をきのうも私は通告を出していても明快な答弁ができないので、これは私はこのあとにくる宅建業法の問題にからめて——先ほどから御説明しているように、不動産業者は日本人だけが対象でない時点にいま沖繩はきている。日本の国土を、われわれ同胞以外の人間が、金で、ドルで、ただいま聞いただけでは何百万ドルという投資が前から土地に投下されているじゃないですか。このままでいけば、所有権が認められれば、これはアメリカ人の土地、ひいて言えばアメリカの土地になっちゃうのです。これがいまのように占領下におけるところの琉球政府にさせておりますから、いま日本政府としては現状に立ち入ったことができませんけれども、これがいよいよ返ってきた場合にわれわれとしてはほんとうに困ってしまう問題なんで、この点は大臣もひとつ真剣になってやっていただきたいと思うのですね。これは日米共同声明の九項の既得権、違法行為等にも関連してくることもわれわれは考えております。こういう点、いまここで既得権についてどうだろうこうだろうと長い間時間をかけることは外務委員会ではありませんからできませんが、その点大臣からもう一ぺん、この問題をしっかりさせるという確約をひとつお願いしたい。
  124. 根本龍太郎

    根本国務大臣 適切なる御忠告ありがとうございます。実際はこれは非常に大きな問題だと思うのです。ただ、御承知のように、いままで沖繩に関する諸般の問題は、全部総括して沖繩・北方対策庁でやっておりますもので、したがって、私のほうでは直接いままでやっておりませんでしたけれども、しかし、復帰した後における沖繩の建設問題、それからいまわれわれのほうで所管する問題については、やはり相当程度検討する必要があるというので一つの室を設けてやらしておりまするが、確かに研究不十分の点があると認めます。したがいまして、できるだけ御忠告の線に沿いまして一段と検討を進め、復帰そのものについて、また、復帰後の建設業について、遺憾のないようにこれからも努力してまいりたいと考えております。   〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕
  125. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 では、その次に伺いますが、第三次の資本自由化に伴って不動産業者が外資導入をして、アメリカ資本でもどこの国の資本でもかまいませんが、そういうものが外国資本によって支配されるような状態は、これは永久に防ぐようなお考えをもって大臣はこれからも臨むのか。外資が導入されて、資本の自由化に伴って、土地問題において、外国人の不動産業者が日本の内地に入ってこういった業務を営むということは、これはもうもちろん禁止されておりますけれども、逆に外資を導入してある日本の会社、たとえば〇〇不動産会社が、外資を導入して、合併して、そしてその不動産取得の業務を営むということはこれからも考えられるのですか。
  126. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これも先ほどの不動産業者と大体似たような結果になると思いまするので、これは非常に慎重に取り扱わなければならぬ、かように思っています。現在のところ、まだ具体的なそのための検討は私自身がしておりませんけれども、これは事務当局をして、私が本日ここの席上で申し上げた点に沿うて事務検討を命ずるようにいたしたいと思います。
  127. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと、事務所とか、住宅賃貸業務ですね。この賃貸業務におけるところの自由化というものは土地政策上支障がないという意見がいまあるわけですけれども、そういうことを現在も禁止する、これから将来も禁止していく——外国資本が土地の売買をしないという土地の賃貸権、借地権ですね。それをもってたとえば事務所とか事業所とかいうものを借りて、日本の土地を借りて、そこにいま提携しておるところのプレハブ住宅をつくる。そのプレハブ住宅会社においては、もう資本の合併が行なわれておる。そういうところがありますね。そうすると、その賃貸された土地の上に、外資の導入を受けたプレハブ会社が家を建てた場合には、二十年、三十年という所有権及び借地権というものが生じてしまいますけれども、そういう場合には外資導入が非常に大きな影響を与えてきますけれども、そういう場合にも外資の導入というものを防ぎ、防波堤となっていくという考えをお持ちなんですか。
  128. 根本龍太郎

    根本国務大臣 賃貸の問題につきましては、いままで不動産そのものについて申し上げたと同じというわけにはいかない面もあると思うのです。実はいま御指摘になりましたプレハブ業者に、資本の合併というか、出資したのを認めたような形も、これは日本のプレハブが非常に技術的におくれておる、それからプレハブが、住宅を要求しておる一般の人にとって国益に利する点があるという点でやったことでありまするが、いまの賃貸問題については、そういうような同じような立場で検討してみたいと思います。はっきりした方針で、いまここで一切禁止するということもちょっといかがかと思うような点がございますので、これはまだもう少し私に研究させてほしいと思います。
  129. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと、米国最大の建て売り業者であるレビット・アンド・サンズ社と東急不動産、日商岩井、これは五日に合併会社設立の契約を結んだと新聞報道されておりますが、東急不動産がレビット・アンド・サンズ社と合併の契約を結んだということは、外資が不動産業界に入ってきたというふうにわれわれ理解をしたいのです。そうなってまいりますと、東急不動産の持ち株とか、資本の配分とか、それから約款とか、いろいろあると思いますけれども、東急不動産がこういう外資を導入して、不動産業界の中に外国資本が入ってくるということが、五日に提携が結ばれたと新聞報道されておりますこと、この問題についてはたいへんな問題だと思いますが、大臣、どうなんですか。
  130. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 いまの問題につきましては、そういううわさを聞いておりますけれども、正式にまだ申請はきておらないわけでございます。
  131. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 新聞の記事はうわさですか。
  132. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいま申し上げましたように、まだ具体的に正式にそういう申請書がきている段階ではございません。
  133. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、正式にということは、大蔵省とか、外務省とか、そういった所管の——私よく知りませんけれども、所管のところへ届け出がないという意味なのか。ところが、ここに合併しておる写真が載っておる。これは毎日だと思うのですけれども、これはちょっと大きな問題だと思うのですがね。四十五年十月六日です。
  134. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 私どもいま聞きましたところによりますと、大蔵省その他にも具体的な書類が出ていないということでございます。
  135. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣、それはうわさでも何でも、正式に出ておりませんからいいと思いますけれども、今後、たとえば東急不動産と米国の建て売り住宅業者であるレビツト・アンド・サンズ社との提携が事実になった場合は、東急不動産という土地造成デベロッパーのところに何らかの形で外国資本が入ってきて、そのままいけばいいのですけれども、合併という場合には、資本主義の資本の配分によって主導権がどういうふうにもなりますね。そうなったら、アメリカ資本が日本の土地を買い占めるとか、そういったように不動産業の中に資本が根ざしていって、戦争によらずして日本の国土というものがどんどん蚕食されるという私のさっきの論法とひっかかってくるのです。どうしても不安でならないのです。この点がはっきりしないと困るのですけれども、将来そういう不動産業者の外資との合併は断じてさせないという御見解大臣としてお持ちならばお持ちでけっこうなんですが、この点どうなんですか。
  136. 根本龍太郎

    根本国務大臣 いまの記事の内容、実は私不勉強であまり読んでいないのでわからぬのですが、おそらく、プレハブの技術を導入するとか何とかということでやったのではなかろうかと自分はいま想像します。しかしながら、不動産業そのものを営むことのための資金であれば重大であります。  いま事務当局からの話によりますと、本来、こういう自由化とか何かの許可の問題は、建設省ではなくて大蔵省の問題でありますから、大蔵省とまく連携をとりまして、どういうような段階にいま進んでおるかということも調べてまいりたいと思いますが、資本の自由化ということと土地問題は相当慎重に考えなければならない、こういう態度は先ほども申したとおりであります。したがいまして、そういう基本的線に沿いまして、いまの不動産業者とか——あるいは宅地分譲とか、そういうものを分譲することはいいけれども、ただ、所有権までもやがて侵害されるということになると、これはかなり問題でありますので、この点は慎重に検討して善処したいと思っております。
  137. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣のほうでも御検討をしていただけるという約束が出たのでございますけれども、そういった面では非常にあいまいもことしておる点が多々あるので、これから資本の自由化という問題について——確かにあれでは一応そううたってはいるのですけれども、ただ、東急不動産という不動産会社の何々に資本を投下しておるというのではなくて、不動産と提携したということになりますと、その中でいろいろなことをやっておりますけれども、土地のほうにも資本が入ってくるやに私は思うのであえて質問したのです。その点は大臣も御検討くださるということでありますが、重大な問題でありますので、沖繩の土地の問題と今後の資本自由化に伴う、外資に伴うところの、外国資本による不動産業者、デベロッパーの問題は、後日もう一回明快に御答弁いただきたいと思います。  それでは具体的な例に入りまして、取引主任者の問題についてちょっとお尋ねいたしますが、取引主任者について、第十五条に、「第十八条第一項の登録を受けた者で宅地建物取引業者の業務に従事するものをいう。」とある。そこで、「業務に従事するもの」ということの具体的内容になってまいりますけれども、これは純粋なる社員のみを意味しておるのか、それとも売り出し期間中に雇う臨時の渡り鳥的セールスマンをもこの中に含めておるのかどうか、この問題が私にはまだよくわかっておりませんので、一点お尋ねしたい。  時間がありませんから連続して聞いてまいりますが、その次は、先ほどから問題になっております取引主任者の数の問題ですね。営業規模との均衡をはかるという問題でさっき行き詰まっておりましたけれども、どのくらいの規模の営業には何人の取引主任者を置かなければならぬという規制は今回ありませんですね。この二点お尋ねいたしておきます。
  138. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 第一点の取引主任者についてでございますけれども、これは御指摘のとおり、都道府県知事の登録を受けまして業者の業務に従事している者をいうわけであります。これは宅地建物取引業者と雇用関係にあるものでございます。したがいまして、これは専従をいたしておるものでございますから、そういう雇用契約というものを締結しておるものでございますので、いわゆる社員ということになろうかと存じます。先生のおっしゃいました渡り鳥ということの意味が、そういう意味で社員ということでございましたならば、それは常勤であろうと、そういうような短期間であろうと、やはり雇用契約を結んでおるということであれば社員であろうかというふうに存じておるわけであります。  それから第二点の取引主任者の数でございますけれども、この数の問題は、先ほどからいろいろ御答弁申し上げておりますように、やはりこれは業務の量に応じて主任者の数というものはきまるわけでございます。その業務量というのは、いわゆる取引件数なり、また一件ごとの内容によって非常に違ってくるわけでございます。したがって、その業者自身の経営という問題から、どのくらいのものにすればこの法律に定めるいわゆる取引主任者の義務を果たしたことになるか、そういうものも十分考え合わせながら主任者の数というものがきまってくるということでございまして、一律に従業員の数によってきまるとか、取引件数によってきまるというものではないというふうに考えておるわけでございます。
  139. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういう答えを言われると、私もまたさっきの問題に戻っちゃうのですね。忙しいからいろいろな渡り鳥的セールスマンが雇われてしまう。そこで、先ほど卜部さんにもお答えしておったように、これも御検討するということでありましたが、何人を基準にするということで——私時間がありませんから言いませんけれども、その点も、いまのような答弁では、この問題だけでまた突っ込んでまいるような気持ちが起きちゃう。どうか、その辺もっと御検討していただきたい。  その次に、業者の営業保証金ですね。現在十万円。これはいろいろいきさつはありました。そのいきさつは私もよく理解しておりますから言いませんが、営業保証金は将来どの辺に考えておりますか。   〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕
  140. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 営業保証金の問題につきましては、現在、御承知のように、主たる事務所で十万円、従たる事務所で五万円ということでございます。この性格は、詳しく御説明申し上げるまでもなく、御承知のように、一般の宅地建物の取引によりまして生じましたいろいろな損害に対してのまず第一に補てん金というような趣旨で、これは三十二年の改正のときに入ったわけでございます。同時に、第二義的には、業者の最低限度の弁済能力という意味の、証拠金というような性格もあわせ持っているわけでございます。しかしながら、御指摘のとおり、三十二年当時に比べてこれは非常に少ないものでございますので、当時改正いたしました所期の目的というものが達せられないものでございます。したがいまして、今回いろいろ諮問いたしましたところ、この答申では、御承知のようにいろいろ業種を三種類に分けまして、それぞれ保証金の金額はある程度答申として出てきたわけでございます。しかしながら、この答申にもございますように、仲介業で十五万円、売買業で五十万、開発業で二百五十万というものでございましたけれども、かりにそういう程度のものに引き上げましても、最近のようにいろいろ取引件数が多くなりますと、それによって生じますところの損害金を補てんするにはまだまだ少ない。したがって、答申でもさらにこれを押し進めて、そうして十分な消費者保護立場での根本的、抜本的な保証保険制度というものを創設する必要があるということを言っておるわけでございます。したがって、私どももそういう答申をさらに推し進めて、積極的に根本的、抜本的な保証保険制度というものがつくられるためにこれをいろいろ検討いたすわけでございます。その際に、おそらく考えられますことは、いろいろ案がございまして、保証機関、保険機関の制度がございますけれども、やはり保証金というものは何がしか相当引き上げて残しておいて、その保証金か、もしくはそういう保証なり保険という制度のどちらかを選ぶというかっこうになろうかと思います。その際に、保証金をどうしたらいいか、どの程度の金額にするか、また、それにかわるべき保証保険制度はどういうものをつくったらいいかということを十分検討いたしてまいりたいと思うわけでございます。先生方のお知恵もぜひお聞かせ願って、私どももその御趣旨に沿いまして十分検討していきたいと思っておる次第でございます。
  141. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 この問題は一番われわれが議論したところでございますから、この保証金の問題は、額がどうのこうのと——いまも、御存じのとおり有価証券で預かっているのですね。ほんとうにこれが生きていないわけですね。ですから、私は、こういう問題については、証拠金制度としてこれからやっていったほうがいいのじゃないかという考えを持っている一人なんです。それが一つと、いまも言った保険制度、これはどうしてもやらなければならぬ重大問題です。そこで、保険制度は、前金を出した一般消費者がそれに対する保険的な意味を含めたところの問題として、これからあとで指定保証機関というものが出てくるのでございますけれども、こういう大きな問題については大臣はどうお考えになりますか。
  142. 根本龍太郎

    根本国務大臣 いま小川さんが言ったことは、私もほんとうは全面的に賛成でやりたかったのだけれども、なかなか国会方面が合意が得られないような傾向でありまして、そういうことで、この問題は現在理想案を出すにはまだデータが足らない点もあります。そういう点で、さらによく検討した上で、なるべくすみやかにそうした問題を解決できるようにひとつ案をつくりまして、それも与野党が高い見地から合意を得られるような案をつくって、いずれ近いうちにまたこれは提案申し上げたいと思っております。   〔「国会方面の合意が得られないという発言は   問題だ」と呼ぶ者あり〕
  143. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 何かいま言われましたように、私どももそういう点はちょっと大臣の考えと違うのでございますけれども、その点はひとつ御検討いただきたい。  それで、前金の保全と指定保証機関の点について、銀行、信託会社などの金融機関、指定保証機関の保証、保証会社による保証保険を付した後でなければ前金を受け取ってはならぬということが定められております。この指定保証機関というのは一体どういうものをいうのか、ひとつその構想をお聞かせいただきたいと思います。
  144. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 指定保証機関につきましては、銀行とか信託会社とかというものと、建設大臣が指定したこういう機関に前金の保全措置をとらせるという構想のものでございます。この前金の保全措置につきましては、保全が確実に行なわれるならば、そういう保証、保全を行ない得る機関というものは、一定の基準に合って確実なものであれば、これは大臣が積極的に指定して、そして一般の前金の保全措置というものの運用の幅を広げていくというように考えておるものでございまして、これは建設大臣が一定の基準に合致したものについて指定するわけでございますが、まず、資本金が五千万以上の株式会社ということ、その他いろいろな指定基準というものが五十二条に掲げてございます。それから、その経理の内容につきましても、責任準備金を計上するとか、また決算期ごとに支払備金というものを積み立てをするとか、保証基金を設けるとか、そういう基準をいろいろ設けておりまして、監督も大臣の監督が十分行き届くというかっこうのものにいたしておりまして、そういう指定保証機関が前金の保全措置をとっていこうということでございます。
  145. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣、先ほどの合意が取りつけられないという問題はちょっと誤解があるようですから、その点もう一回言っておきますが、あのときわれわれ議員側がいろいろと審議したのは、業者保証金が十万、十五万、三百万というような額だけで現在の保証が満足にできるわけがないじゃないかということで、これは大事なところなんです。これについては各新聞社が、後退した、後退したというところなんですが、国会議員業者から何か圧力がかかって、与野党なれ合いの上でこれを下げてしまったと思われてはまことに不明朗であり、遺憾に思いますので、これははっきりさせておきますが、そういう小手先だけで事足れりという考えでなくして、もっと大きく消費者保護するためには保険金制度という制度をこれから検討してもらうということを前提にしてあの場合われわれは合意に達したのです。何もそんな小さなことで業者の圧力がかかって、与野党がなれ合いで合意したのじゃないのですから、大臣、その点はほんとうにはっきりしてもらいたいのです。新聞記者もいらっしゃることだし、公明党、社会党、民社党、共産党、自民党も含めて全部変なところで妥協して取引してしまったのだと思われたのではまことに不明朗でいかぬと思いますので、大臣、ひとつその点ははっきりと取り消していただきたいと思います。
  146. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは取り消しする必要がないのであって、私はその意味のことを言っているのです。あなた方は何か私のことばを誤解して言っているけれども、あのままでは合意ができないということで言ったのであって、したがって、私は、先ほど来、卜部さんからあなたに至るまでの答弁で、保証の問題、消費者保護の問題はもっと抜本的に端的にやらなければいけない、だからこれはいまの際こういうふうなことにしたのだということであって、野党の諸君が協会の陳情を受けて、それに屈服してその案を取り下げたというようなことは、私も毛頭考えておりません。むしろもっと前進するためにやったことである、その点において全く合意です。
  147. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 さすがは建設大臣、そのくらいの御高配をもって発言したと思うのでございますが、ことばのやりとりというのはとかく誤解を生じがちでございますので、議事録にはっきりとどめておいたほうがよろしい、こういう観点に立って私も御無礼なことばを申し上げましたが、ひとつその点だけははっきりいたしておきたいと思います。  たくさんあるのでもっとやりたいと思いますけれども、あとのことは北側さんがおやりになるということですから、私はきょうは御遠慮させていただきますが、最後にお願いしたいことは、宅地建物取引業法改正だけで現在の土地問題が解決するとは世間は思っておりませんし、またそういう問題ではございません。当然、先ほど大臣が述べたような土地の総合対策、土地利用基本法の制定、また土地利用区分の明確な制定、こういう問題も含めて、土地対策全体から見た宅地建物取引業法改正というところにこれから国会は持っていかなければならぬと思います。その点については、最後に大臣からもう一言御高見を承っておいて、私どもも協力すべきところは協力していく、そして力を合わせて日本の土地問題に対処していきたい、こう考えております。それを結びとして終わらせていただきます。
  148. 根本龍太郎

    根本国務大臣 申し上げれば時間がたくさんかかりますから、もう端的に申し上げますが、いま小川さんが言われたように、今後の内政の最大の問題は土地問題である。土地問題の解決なくしては、土地政策もできなければ、物価問題もないのであって、これはおおむね解決困難なのです。その意味で、これは国民の英知を集め、できた案を国会が、先ほど申したように与野党一体となって、国民の最大の利益のために英断を下すべきときだ、私はこう信じております。
  149. 金丸信

  150. 川端文夫

    川端委員 先ほど同僚からいろいろ質問が出たわけでありますが、基本的には、この宅建業法だけで土地問題を解決しようとするのは愚かな行為ではないかという考え方を持った上に立って私どもは今日まで検討させていただいておるわけでございます。そこで、先ほどからの質疑を受け継ぐわけではないが、土地政策の貧困が今日の国民的、国家的な大きな問題であるということは大臣もおっしゃっておるわけですけれども、大臣の答弁の中に、世論を聞いてということがあったように承っておるわけです。しかしながら、一国の建設大臣ですから、そういう意味において、国家として将来の土地政策に対してはこうあるべきだという方針を立てておるということを明らかにしていただか互いと、何かそこの辺があいまいではないかと思うのです。もう一つつけ加えると、土地問題の大きな要素、これはいろいろ原因はありますよ。原因はあったにしても、今日のような野放し的な値上がり状態というものを当面どのように歯どめしなければならないか、それについてどのような決意、考え方をお持ちであるか、お尋ねしておきたいと思います。
  151. 根本龍太郎

    根本国務大臣 土地問題に対する御論議は、昨年の予算委員会建設委員会、あるいは物価対策委員会等で非常に強く論議されて、私もそのつどずっと申し上げております。しかし、これを総合していま申し上げると時間もかかりますので、端的に申し上げますと、日本の土地が外国に比して非常に高くなったのは、この前も申し上げたのですが、まず第一に、日本の土地制度は、外国と違って、終戦後、食糧増産のために農地法を制定したということです。農地法が制定されて、農地は原則として宅地に変更させない、これがもう二十数年続いたわけです。地価が経済原則からちょっと度外視されたようなかっこうになった。それから、一方においては、日本では公共用地に使うための土地収用権が実質上行なわれなかった。この土地収用権の発動については、与野党とも非常にティミッドであった。むしろこれは原則として使わないほうがいいんだというような空気が今日まで非常にあった。そういうような観点で、むしろ土地所有者の権限を非常に強く擁護し七きた。そこに高度成長とそれから都市化というものが複合して作用したために、地価の連続暴騰が続いてきておる。こういうことが集約して言えるんじゃないかと私は思います。こういう段階に達した場合に、先ほど申し上げましたように、やはり思い切った立法措置で抜本的な措置を講じなければ、一つ一つやっておると、みんなこれが複合して、かえって問題の解決を困難にしてしまう。その意味で、時限立法でもいいから、国民全体の利益のために、一部の人に予測されるところの利益を停止させる。あるいは所有権について制限が加えられるけれども、この際思い切って、議員立法で先ほど申し上げたような措置をとるべきじゃないか。そうでなければ、結局これは、議論としてはいろいろ成り立つけれども、現実には解決にならないんじゃないか。いまから二十数年前に農地改革をやった。それくらいのことをいまやってもいいんじゃないか。あの当時は占領下にありまして、マッカーサー司令部の権力の背景のもとにやったけれども、いまはそういうことをやるべきじゃないか。いろいろ議論のあるところであるけれども、そのために、政府提案ではなくて、これは与野党一致の議員立法にすべきだ。これができますれば相当部分の土地問題は解決できる。そうして、社会的、経済的発展に何らの貢献もないのに、偶然にも土地を所有することによって利益が非常に大きく保障されるというこの体系は変更すべきである。こういうふうに考えている次第でございます。
  152. 川端文夫

    川端委員 一つ意見としてはそのとおり承ってもけっこうではないかと思うのですが、やはり政治でありますから、具体的にできる条件をもって示していく必要があるのではないか。この点はどうも話に終わる傾向が繰り返されるように思えて残念でならないわけであります。たとえば都会地における戦後の借地等は、民法における二十年なり二十五年という契約を地主にさせられている借地人が大多数です。いま借地、借家法はありますけれども、民法上のたてまえからいって、かなり大ぜいの人々は、書きかえ料なり、そういうものを何らかの形で払わされておるという現実があるわけです。あまり争いを繰り返したくないというので、裁判等に持ち込むよりは何がしかまけてもらって出す、そういう弱い借地人が多いという事実の上に立って世論調査をされれば、土地というものは国が持つべきだ、いわゆる所有権は国にあるという姿がほんとうではないかという声がおそらく大多数じゃないか。したがって、やはり世論も大事であるけれども、政府みずから強い指導力を持って方針を立てざるを得ない。その時期に来ているのではないか。部分的な、単なる法律のいじくりだけでは土地政策に対応する抜本解決にならぬじゃないか。そこで、私ども民社党としては、この問題に対して深く憂いを持ちまして、いわゆるいまの日本の憲法から考えれば、私有財産を認めている立場からいうならば、所有権というものを頭から否定する、あるいは制限を加えるということは容易ではなかろうということで、そこで、所有権と利用権を分離する姿はできないものであろうかといまいろいろ勉強いたしておる過程なんですが、大臣は、少なくとも現在の時点から見て、土地政策について、理想ではなくて、これだけはやらなければならぬという形において、借地をしている、あるいは土地が値上がりしているという問題に対して、これらの人々を守るという、国民的な立場に立って、何か勇気が要るのではないかと思うのですが、お考えがあれば伺いたいと思います。
  153. 根本龍太郎

    根本国務大臣 いろいろ具体案はあると思いますけれども、私は先ほど小川委員の御質問にも答えたのですが、衆参両院の内閣委員会で言ったことがいま一番具体的にして効果のある政策だと思うのです。というのは、実は、いまあなたが言われておる借地、借家法の問題に関連して非常に不公平なことが一つ行なわれている。いわゆる家賃統制令で押えられておる方は、この前も陳情に来ましたが、とにかく昔の値段で押えられて、家賃は坪五円かそこらだというのです。そうして今度は税金はどんどん上がっていく。家賃を取りに行く電車賃のほうが高くなっちゃっている。一方においては、どんどんどんどんと家賃が高くなっていく人がおる。この矛盾があるのですよ。そういうあらゆる矛盾が、この土地並びに借地、借家を中心として動いておるから、そこで、私がいま申し上げたように、市街地の中に入れたところが、全部これは国で買い取ってしまう。これを今度各市町村で都市計画をやる場合に、あるいは住宅をつくる場合に、国が都市計画をやる場合に、それから公団住宅をつくる場合に、それを配分してやることが一番地価抑制になり、そうして住宅政策、土地政策をやることができる。しかもこれは与野党が合意さえすればすぐできることだという意味で、これこそ、私自身の決断ではなくて、国会の決断でできる。しかもこれに対しては、一部現在線引きされたところに持っておる土地所有者は不平があるかしらぬけれども、社会常識から見れば、この値段は、大体地価公示の行なわれたところはそれによるし、そうでないところは鑑定士に頼んできめる。そうして大体時価に相当する値段で売る。しかもその金は交付公債であるということならば、あるいは国民のほとんど大部分というものが理解できる。しからば、これこそ、すべて国民のために立党しておる各政党でありますから、共産党といえども、自民党といえども、これは合意できるじゃないか。こういうふうに考えておるのであって、これこそ一番早くきめ得ることだと思う。そうでないと、あらゆる法律一つ一つ繰り返していったってとてもできないというような感じを持っておる次第でございます。
  154. 川端文夫

    川端委員 意気込みは承ったわけですから、具体案を出していただければ、私ども民社党は民社党なりに多少の研究もいたしておりますから、土地政策にまじめにしかも勇気を持って取り組むことに対しては基本的には賛成の立場をとっておる、やらなければならぬという立場をとっておるということをまず申し上げておきたいと存じます。反対だけをするという立場は持っていない。ただ、いろいろな具体的な問題になると問題が起きるであろうと思います。線引きの問題でも、道一つはさんで線を引かれたために、いわゆる市街化区域からはずされたために、担保力が減って事業の継続が非常に困難になったという事実もありまして、これは神奈川県のことですが、私は市なり県に行きまして、将来何年かの間に手直しをするという約束の一札をとって引き揚げたこともあるわけですが、人間が機械的に青写真の上で線を引けば不公平が出てまいります。この点はやはり抜本的な方向において、土地問題は日本としてはこうあるべきだという方針を出した線の上にものをやっていかないと、線引きをしても、理論としては成り立っても、具体的には不公平が出るという事実があることを私どもは知らぬわけではないわけです。そこで、この議論を繰り返しておってもいけませんが、一つ、問題は、今度の宅建業法の一部改正の中に入るわけですが、一番問題になったのは、いわゆる悪徳業者というか、悪質業者の続出に伴って、世論にこたえようとして一部改正の案に踏み切ったということではなかろうかと思うのです。そこで、悪徳業者を防止する具体的な方策、方法の問題ですが、業者の乱立という問題ですね。これをどのように今後防止していこうとするのか。単に保証金を上げたぐらいでは防止できないのではないか。こういう考え方を持たざるを得ないのですが、これに対して局長からでもけっこうですから答えていただきたいと思うのですけれども、私がいただいた資料によりましても、一年間で八千件もふえた。このような事実の上に立って考えると、これは単に保証金だけでは阻止できないのではないかというふうな理解に私どもは立っておるのですが、具体的にはどういう方法を考えておられるか、お答え願いたいと思います。
  155. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 業者の乱立の防止の問題でございますが、この問題につきましては、先生もおっしゃいましたように、保証金の問題につきまして、やはりこれは問題がございます。この点につきましては、先ほどから御説明申し上げましたように、抜本的、根本的にひとついろいろ検討いたしてまいりたいというふうに考えております。  同時に、やはり免許基準の問題であろうかとも存じますが、免許基準につきましては、人的な要件につきましての強化は今回の改正でいろいろとなされております。免許の取り消しを受けた場合、つまり、そういう望ましくないような業者というものの謹慎期間を、二年を三年というふうに延ばすとか、黒幕というふうなものにつきましてもこれを対象にするとか、人的な要件につきましてはある程度整備できましたけれども、問題は、財産的基礎とかあるいは金銭的信用という、そういう財務面の問題につきましては実は解決できていない問題がやはりございます。この点につきましては、根本的な保証金問題あるいは保証の根本問題というものを検討する際にあわせていろいろ検討する必要があろうかと存じますが、そういうような際もひとつ十分検討してまいりたいのでございます。  やはり何といいましても、悪徳な業者というものを規制するということは、これは業者としてある程度基準があれば免許になるわけでございますし、営業の自由もございますが、業者になってからあとでこれが悪徳なことをしないということが大事でございます。この点につきましては、御承知のように、今回の法律におきましてもいろいろな規制方法というものを考えておるわけでございまして、先ほど申し上げた免許基準の整備の問題、また、業務におきましては、いろいろな悪徳な行為、予想されるような契約内容につきまして法律できめて、こういうふうにしなさいということをいろいろきめているわけでございます。さらに、罰則の強化なり監督処分の強化ということを考えております。また、監督処分におきましても、従来なかった点では、監督処分をしたものについては、これは大臣なり知事がそういう悪徳業者の公告をするという規定も今回入れているわけでございます。そういうような措置をとりまして、十分に活用いたしまして、そういう悪徳業者を排除していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  156. 川端文夫

    川端委員 罰則規定をつくっていろいろ規制する努力をいたすという答弁だったと思うのですが、罰則が適用になるということは、被害が起きなければ罰則が適用にならぬわけです。被害が起きてから罰則を適用してその悪徳業者を取り締まっても、被害者が出てからでは間に合わぬじゃないのか。したがって、この問題を研究しているさなかに、これは皆さんには聞きづらい点であるかもしれないが、皆さんは頭がいいから法律はなかなかうまいものをつくろうとする努力をされるけれども、つくった法律を実際に運用する場合に、それはしり抜けになって意味をなさぬ場合が往々にしてあるのではないかということを私どもは発見したように思うのです。  そこで、この罰則が適用されてからではいけないのじゃないか。この前提を考えて、指導をどうするかという問題が考えられなければならない。悪い者は取り締まる、必要なら監獄をふやす、罰金を上げる、これは容易なことです。簡単にできることです。しかし、罰則を適用しないで被害者を出させないような事前の防止策というものがあってしかるべきじゃないか、これを何か考えておいでるのかどうか、この点をもう一ぺん聞かしてもらいたいと思います。
  157. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 ただいま申し上げましたのは、いろいろ事前の策ももちろん必要でございますけれども、同時に、ということを申し上げたわけでございます。  先生のおっしゃるとおりでございまして、そういう罰則適用の時期になりましたらもう悪徳行為がなされたわけでございまして、それがないようにいろいろ考えることが大事であろうともちろん思います。その点につきましては、業者が適正ないろいろな業務が行なえるように、また、消費者に対していろいろ損害を与えたり迷惑をかけるというようなことのないように、今回の法律改正でもいろいろの点を改正いたしておるわけでございます。取引主任者制度の改善の問題ももちろんそうでございます。それから契約内容をいろいろ適正化するという問題、先ほど申し上げましたように、いろいろ紛争の種に在りますことはあらかじめ法律で制限をいたしまして、そういうことがないようにという規定も設けておるわけでございます。そういうようないろいろな規定を設けると同時に、先生のおっしゃいましたように、やはりこの業者が適正にまた健全に発達をするためにいろいろ指導することが大事であろうかと思います。この点につきまして、法律でも、すでに現行法に、そういう宅地建物取引業協会及びその連合会というものがございます。その他自主的につくったいろいろな団体もございまして、そういう団体は自主的に会員相互の連絡とか指導だとかいうことをいろいろやっております。法律の規定にもございますように、役所側といたしましても、この団体を通じまして消費者保護をはかり、また業務の健全な発達をはかるというふうにいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。そういう業者団体というものの自主規制というものを十分指導しながら、そういういろいろな紛争が起こったり、また悪徳な行為が起こらないようにいろいろ配慮してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  158. 川端文夫

    川端委員 法律改正しようという趣旨の基本的な考え方は、私どもは、善意に考えて、やはり消費者を守りたいというととが基本であろうと思うのですが、六万以上もおる業者を、国会で、理屈の上で、質疑応答の中でどう答弁されても、今日の行政の力では全部を掌握できるはずはないではないか、私はこういう前提を持たざるを得ない。持ちたいというよりも、持たざるを得ないということはまことに遺憾ではないかと思うのです。  そこで、いま御答弁があった協会なり全国連合会ですが、これが特殊法人として協力でき得るならば、その協力に対する一つの力というものを与える時期にきているのじゃないか、与えたほうがいいのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。
  159. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 いまおっしゃいました御質問の要旨は、業者団体につきまして、いまのような任意団体で表しに、もう少しいろいろな強力な権限を与えて、そうしてそういうようなものの健全な発達をはかったり、また紛争防止につとめるという方策は考えられないかという御質問だろうと考えましてお答え申し上げます。  もちろん先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも、先ほど御答弁申し上げましたように、そういう業者団体の自主規制というものの強化ということは高く買っているわけでございます。現実に、たとえば広告の規制の問題につきましては、業者団体が、東京地区、大阪地区、名古屋地区という三地区につきましては、集まりまして、そういう規約をつくって、公正取引委員会の承認を得て、自主的にいろいろ規制をいたしておるわけでございまして、こういうものがその一つの例でございます。したがいまして、私どもも、そういう業者団体に対しまして、そういう指導援助というものを十分にいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、これを一歩進めまして、行政権限みたいなもので義務加入というようなものに発展いたしますと、団体から除名されると、これはもう免許を取り消されるというようなかっこうのものにもなるわけでございますし、また、業者団体というのは、宅地建物取引業務についてはいろいろありまして、その指導体制という問題もございますので、そういうものの推移を見ながらひとつ慎重に検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  160. 川端文夫

    川端委員 どうもそこに意見の相違があるように思うのです。業者団体を除名になれば業務ができないということになっては気の毒だ、それも一つの理屈なんです。それならば、罰則規定は、法律でつくったものは絶対のものかどうか、人間がつくって人間が取り締まるのだから、絶対のものであるかどうかということになれば、やはり部分しか見ていない。いま時間がないからあまり資料等にたよらないでものを言いますけれども、罰則規定というものは幾らも年間にやっていないのじゃないか、業者の中に行政的圧力をも一部持たせることによって、やはり業者自身がその責任を感じて、そういう役所の下部的な仕事をもやるということになれば、かなり責任を持つのじゃないか、こう思うのですが、これは当面、現在の時点の団体ではそういうことはどうしても無理だという根拠は何があるのですか。
  161. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろなそういう意見もございます。そういう点も十分尊重しながら私ども検討してまいりたいと思う次第でございますけれども、先ほどから申し上げましたいろいろな行政権限との調整の問題とか、また、業界の指導体制の問題とかの推移を十分見合わせながら考える必要があるわけでございます。同時に、他の立法例その他ということも十分検討いたす必要があるわけでございます。現在強制加入というものがあるもの、たとえて申しますと、弁護士だとか、土地家屋調査士だとか、司法書士だとかいうものはそういう法律になっているわけでございますけれども、これらにつきましては、相当の専門的知識を有する業種であることとか、また、相当高度の中立性というものを要する公的な色彩の強いものであることとか、また、個人の資格というものが職業上重要な意味を持つものであることとか、そういう職業でございますから、そういう点も十分考え合わせながら今後検討してまいる必要があろう、慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  162. 川端文夫

    川端委員 なかなか壁が厚いというか、信頼度が足らぬというか、まだ十分な答えになっていないわけですが、それはそれとして、それであるならば、せめて不動産取引に対する審議会くらいは、現在任意のものがあるのを、ひとつ法制化した基準に乗っけてやるという方向は持てないかどうか。業界自身にそのまま行政の一端を背負わされることがいろいろな問題があるとするならば、不動産取引業審議会ぐらいつくって、これの中に業者にもかなり発言なり責任を持たせるという場をつくって、順次教育していくことができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  163. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 お説のとおり、宅地建物取引業審議会というもの、これは設置されるようになっているわけであります。そして、この審議会を通じていろいろな指導をしていくということはもちろん大事なことだと思います。これが現在任意設置でございまして、設置の県は八県ぐらいございます。今後やはり設置をしていくように私どもも指導してまいりたいわけでございますけれども、この根拠はやはり地方自治法で、同じような審議会はすべて任意設置ということになっているわけでございます。したがいまして、都道府県におきましてもいろいろ事案の内容というものは違いますし、任意設置というものをそういう点からいま直ちに一律に義務づけるということは考えていないわけでございます。ひとつ、この審議会が設置されて、業者の指導の面につきましては十分活用されるように指導したいというように考えております。
  164. 川端文夫

    川端委員 皆さんの迷惑になる時間を引っぱったってしようがないからできるだけ端的に言いますが、もう一ぺん当初に返って、建設大臣は土地問題に対する見識をいろいろお持ちになることはわかったけれども、これを実行に移すために、たとえば土地政策審議会とか何かというものをつくって、一歩でも二歩でも前へ出れるような条件をいつごろから始めようとされているか。何か考えがおありかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
  165. 根本龍太郎

    根本国務大臣 現在、行政的には審議会に諮問いたしております。おそらく数カ月中には何らかの答申が出てくると思いますが、私が先ほど申し上げたように、繰り返して言うようだけれども、そういうところに諮問しても、いろいろな知恵は出てくるけれども、これは何としても抜本的な立法措置をやらなければだめなんですよ。それでも、百方やってみた結果、もうこの際国民の動向がはっきりわかってきましたから、これは私は特別立法をやるべき時期だと思う。それくらいやらないとみんなあっちこっちひっかかっちゃうのです。憲法上の問題、それから私権の制限の問題、資金の問題、もうあらゆる問題にこんがらがって、結局途中でおかしくなっちゃうというような気がします。そこで、これは繰り返して申し上げますが、私のほうで、事務当局に、いま、私の構想についての事務的な立法の要件を勉強さしています。これができますれば、私は、何らかの機会に各党にこれを御提示申し上げまして、そうして今度はそれぞれの党においてみな真剣に取り上げるということですから、それをたたき台として特別立法等でも考えていただく時期ではないか、こう思って、今後十分に皆さん方の御意見をも拝聴しながらその方法をたどってまいりたいと思っておる次第であります。
  166. 川端文夫

    川端委員 これで質問をやめますが、意見を申しますと、私のほうの民社党としては、土地政策の研究を多少いたしておるわけですから、われわれの足らざるところを足せるような御意見を出していただければ全面的に協力することにやぶさかではない、このことを申し上げておきたいと思います。そこで、最後に大臣にお願いしたいのですが、宅建業法や積立式宅建販売の法律だけでは問題の本質解決にならない、単に業者を取り締まるだけでは問題の解決になりませんよ、やはり土地問題に対してまつ正面から取り組むという姿でなければできませんよということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  167. 金丸信

    金丸委員長 次回は、来たる五月六日木曜日午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十六分散会