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1971-03-23 第65回国会 衆議院 建設委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年三月二十三日(火曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 金丸  信君    理事 天野 光晴君 理事 大村 襄治君    理事 正示啓次郎君 理事 服部 安司君    理事 渡辺 栄一君 理事 阿部 昭吾君    理事 小川新一郎君      稻村左近四郎君    金子 一平君       砂原  格君    丹羽喬四郎君       西銘 順治君    葉梨 信行君       浜田 幸一君    廣瀬 正雄君       藤波 孝生君    古内 広雄君       森下 國雄君    山本 幸雄君     早稻田柳右エ門君    井上 普方君       佐野 憲治君    松浦 利尚君       柳田 秀一君    新井 彬之君       北側 義一君    吉田 之久君       浦井  洋君  出席国務大臣         建 設 大 臣 根本龍太郎君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      佐藤 一郎君  出席政府委員         建設政務次官  田村 良平君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省都市局長 吉兼 三郎君         建設省道路局長 高橋国一郎君  委員外出席者         警察庁交通局交         通規制課長   竹岡 勝美君         自治省財政局財         政課長     森岡  敞君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ————————————— 委員の異動 三月二十三日  辞任         補欠選任   浜田 幸一君     西銘 順治君   渡辺 武三君     吉田 之久君 同日  辞任         補欠選任   西銘 順治君     浜田 幸一君   吉田 之久君     渡辺 武三君     ————————————— 三月二十二日  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願合沢栄紹介)(第二六三五  号)  同(有馬元治紹介)(第二六三六号)  同(今澄勇紹介)(第二六三七号)  同(受田新吉紹介)(第二六三八号)  同(寒川喜一紹介)(第二六三九号)  同(竹本孫一紹介)(第二六四〇号)  同(堂森芳夫紹介)(第二六四一号)  同(西田八郎紹介)(第二六四二号)  同(吉田之久君紹介)(第二六四三号)  同(小川新一郎紹介)(第二七〇九号)  同(古寺宏紹介)(第二七一〇号)  同(松尾正吉紹介)(第二七一一号)  同(小川半次紹介)(第二八二〇号)  民間宅地開発事業に対する日本開発銀行の融資  に関する請願畑和紹介)(第二六四四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法  の一部を改正する法律案起草の件  道路法等の一部を改正する法律案内閣提出第  九五号)  下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案   (内閣提出第三七号)      ————◇—————
  2. 金丸信

    金丸委員長 これより会議を開きます。  特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各党問におきまして御協議が続けられておりましたが、お手元に配付してありますとおり、その案文がまとめられております。     —————————————
  3. 金丸信

    金丸委員長 この際、草案趣旨につきまして説明を求めたいと存じます。大村襄治
  4. 大村襄治

    大村委員 委員長の御指命によりまして、ただいま議題となりました特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案草案趣旨について、簡単に御説明を申しあげます。  本法案目的といたしますところは、現行の特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正して、同法の有効期限をさらに五カ年間延長しようとするものであります。  御承知のごとく、特殊土壌地帯は九州、四国、中国から中部地方にまたがり、シラス、ボラ、コラ、赤ホヤ花岡岩風化土富士マサ等の特に浸食を受けやすい性状の土壌でおおわれ、その風土的悪条件から、台風、豪雨等による被害が特に著しく、またその農業生産力もきわめて低位なる状況であります。  かかる実情に対処するため、さきに昭和二十七年四月、議員立法として、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法が制定され、さらに昭和三十一年三月、昭和三十六年五月及び昭和四十一年五月の三回にわたり、期限延長内容とする一部改正がなされ、かくて、同法に基づきまして、治山、砂防、河川改修道路防災農地防災土地改良などの対策事業が実施されてまいったのであります。  今日まで十九年間にわたるこれら対策事業の実績は、相当の効果をあげてきており、同法の目的とする災害防除農業振興の両面にわたって著大な進歩改善がなされ、地域住民福祉向上に多大の貢献をなし、大きく感謝されておりますが、しかしながら、必ずしも満足すべき状態にあるとはいえないのであります。すなわち、現在なお、たび重なる災害による環境の悪化と農業生産力低位性を除去することはできず、加えて近年の都市化の進展や開発等に伴い、特殊土壌に起因する災害が多発し、その態様も多様化しつつある状況にあります。したがいまして、この際、新たなる地域開発の構想に立った事業計画を策定し、より効果的な対策を強力に推進することこそ、国土保全民生安定等の見地から、その重要性はまことに大きいものであると信じます。  よって、本法は、来たる昭和四十七年三月を最終期限とする時限法でありますので、ここに同法の一部を改正し、昭和五十二年三月三十一日までその有効期限を延長して、所期の目的を完全に遂行してまいりたいと存ずるものであります。  以上が草案趣旨説明であります。
  5. 金丸信

    金丸委員長 ただいまの大村襄治君の御説明に対し、御発言はありませんか。——別発言申し出もありませんので、この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、政府に意見があればこれを許します。佐藤経済企画庁長官
  6. 佐藤一郎

    佐藤(一)国務大臣 本法案趣旨につきましては、全く異存がございません。     —————————————
  7. 金丸信

    金丸委員長 おはかりいたします。  本件につきましては、お手元に配付の起草案委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  8. 金丸信

    金丸委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」〕と呼ぶ者あり〕
  9. 金丸信

    金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  10. 金丸信

    金丸委員長 次に、内閣提出道路法等の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新井彬之君。
  11. 新井彬之

    新井委員 私は、道路法等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたしたいと思います。  今回の道路法改正につきまして、これは車両制限令と大きな関係があると思うのでございますけれども、初めに警察の方にお伺いしたいと思いますけれども、現在の交通状況におきまして、この車両制限令というものがどのように生かされて、違反した場合はどのような摘発をされておるか、そういう点について初めにお伺いしたいと思います。
  12. 竹岡勝美

    竹岡説明員 お答えいたします。  現在の車両制限令によります違反態様には二つあると思いますが、一つは、道路の幅が非常に狭い場合に、車両の幅に応じまして通行の禁止、制限がかかっておりますけれども、これはまだ現在多くそういう標識が出ておりませんと同時に、これまでの罰則は、その場合に道路管理者がそういう車両に対しまして行政措置命令いたしまして、その命令違反に対します罰則がかかっておりますけれども、現在の場合、ほとんど行政措置命令が届いておるようでございますので、警察のほうにはその違反に対します告発はほとんど出ておらない。そういう意味から、警察がこれを取り締まるという件数はほとんどないのが実態でございます。
  13. 新井彬之

    新井委員 では道路局長にお伺いしますけれども、今回の道路法の一部改正によって車両制限令はどのように変更されて、今度この変更によってどのような効力を持つのかということについて、お伺いしたいと思います。
  14. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 従来の車両制限令は、違反した車両が通行した場合に措置命令をいたしまして、その措置命令をしましたことに対しまして、さらに命令に服さなかった場合に初めて道路管理者告発いたしまして、警察で取り締まっておるということでございますが、今回の改正によりまして、それを、通称われわれは直罰方式と申しておりますけれども、直ちに罰則かかかるような制度に改めたわけでございます。
  15. 新井彬之

    新井委員 いまお話がありましたけれども、いままでこの車両制限令において警察のほうも告発がほとんどない、もう一つ道路標識等においてもそういうことが完備されておらないということでありますけれども、では、そういうことの周知徹底ですね。たとえて言いますと、これは車両制限令においてはいろいろあると思うのです。けれども、ここは何メートルの車しか通れない、また何トンの車しか通れない、そういうような道路標識を完ぺきにしないでもって取り締まるということはやはり道路管理者として片手落ちじゃないかということが一つ。それから、いままでそういうような実態の中でどれだけ措置命令を出して、どういう状態できたのかといういままでの状況についてお伺いしたいと思います。局長がわからなかったら課長でけっこうです。
  16. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 第一点の車両制限する標識でございますが、これがつけてあるところは少ないという御指摘のようでございますけれどもこれは橋梁等をはじめといたしましてできるだけ道路管理者につけるように行政指導しておりまして、つけてない個所につきましては、車両制限令が適用されませんので違反にならないと思います。したがいまして、そういうところは車両制限令の適用を受けないといいますか、取り締まりの対象にならぬということになるわけでございます。  それから、車両制限令違反摘発はどのようになっておるかということでございますが、現在の車両制限令違反取り締まりにつきましては、警察当局の御協力を得まして各道路管理者が実施しておるわけでございますが、昨年の二月二十四日に、全国一斉に、これは各地方建設局が、直轄の国道につきまして、六十カ所において、延べ四時間の取り締まりを実施した結果によりますと、一般の制限を越えます車両の数は約一千台でございまして、そのうち道路管理者認定を受けていないものが約七割になっております。つまり、認定を受けたものは三割しか通っていないというのが実情でございます。こういうふうな実情から、われわれ道路管理者といたしましては、まず各車両業者PRといいますか、啓蒙、宣伝が必要ではないかということで、そういうふうなための講習会を各地で開きまして、車両制限令違反にならぬように行政指導を行なっているわけでございます。今度の新しい道路法改正になりますと直罰になります関係上、まず第一に、できるだけそういうPRをやる必要があると思いますが、第二はおっしゃるとおり、窓口をなるべく一元化しまして、従来は道路管理者ごと許可をとるよりになっておりましたものを一元化することにいたしまして、手続を簡素化してやりたいということと、それから、先ほど御指摘のように、第三番目には、まず車両制限令のための標識をできるだけ間違いなく完備するようにするという、この三点になろうと思いますので、その点につきましては鋭意今後詰めていきたいと考えております。
  17. 新井彬之

    新井委員 いま局長のほうから話がありましたが、四十五年の二月二十四日にいろいろ取り締まった結果、これは「国土建設の現状」にも載っておりますけれども、七〇%の車両がそういう認定を受けていないという結果が出ておるわけです。今回そういう行政指導をして直罰になるというようなことを徹底するということでございますが、いままでの摘発状況、注意された行政指導状況から見まして、やはりそれ相応の、何らかのそれに対する人員の確保といいますか、それだけのことをやらないと、実際問題としてはなかなかそれが徹底できないのではないかと思うわけでございます。特に今回直罰になったといいますけれども、やはりその形式としては、告発をして警察庁のほうに書類を送付するという形になりますし、そこに警察官がいても、道路交通法にはそれはひっかからないわけでありますから、やはり、そういう場合においても、道路管理者告発が必要になってくるということがいろいろありまして、そういう面につきまして、交通取り締まり警察の方にももっと協力していただけるとか、それからまた、鉄道公安官みたいな、道路管理者自体がそういうふうな切符も切れるというふうなところまでやらないと実際の効力というものはあがらないように思うのでありますが、そういう点についてどのようにお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。
  18. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 ただいまの御指摘につきましては、警察当局とも十分相談いたしまして、できるだけ前向きに検討したいという考えであります。いわゆる交通反則通告制度というものがございますけれども、反則金制度でありますが、こういうふうなものにしますと非常に簡便に取り締まることも可能でありますし、そういうふうにしたほうが実効はあがろうかと思いますが、ただ、いろいろ問題があるようでございまして、これらにつきましては、先ほど申し上げましたように、警察当局と十分相談して今後検討したいというふうに考えます。
  19. 新井彬之

    新井委員 いま道路局長からお話がありましたが、警察当局といたしまして、今回の改正案のような内容で、実際問題効力が生ずると思うかどうか。やはり私が思いますことは、道路法改正とともに、交通違反等反則金制度の中にもそういう項目を加えて実際は簡素化されなければ、警察官の方も具体的にはなかなかたいへんではないか、このように思うわけです。私もいつも自動車を走らせておりますけれども、たとえて言いますと、酔っぱらい運転であるとか、スピード違反であるとか、そういうことはたくさんやっておりますけれども、それが何%の捕捉率でそういうことが注意され、また反則金が取られておるかというと、これはベテランになると非常にうまいわけです。うしろにパトカーがつけばさっとスピードを落とす。そういうことはよくないことでありますし、基本的なモラルにかかわることでありますけれども、実際にそういうものを取り締まる立場から考えて、警察としては、こういう形でないと協力しにくい、こうしたほうが一歩前進であるというようなことにつきましてはどういうふうにお考えでありますか。
  20. 竹岡勝美

    竹岡説明員 先ほど先生指摘のように、この種の違反も、できますならば道路交通法違反体系に取り入れまして、そうして、現在やっております反則金制度にこれを採用いたしますと手続が非常にやりよい、このように思います。今回の法改正でその点まで考えてみたのですが、事務的に若干間に合わなかったようであります。今回の法につきましては、できるだけ道路管理者のほうから告発等をやっていただく、あるいは警察官と一緒に取り締まるという形でカバーしていきたいと思います。将来の姿としては、できるだけ道路交通法の中に取り入れまして、反則行為として簡易に取り締まりができるように持っていけばいいのではないか、このように考えております。
  21. 新井彬之

    新井委員 道路監理員の方が今後はそういうことの取り締まり道路管理者として主体的に行なってまいると思うのですが、そういう取り締まりの具体的な内容、そういう面についてはどのような考え方をしておりますか。
  22. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 具体的の取り締まりにつきましては、まず、道路監理員が現在まだ必ずしも充実しておりませんので、これを増す必要があるかと思います。これはそのための職員の定員をどうするということではございませんで、そういうような道路監理員を教育いたしまして、適当な人を任命するというような方向で、まず道路監理員制度整備が必要だと思われます。  それから第二点といたしましては、この取り締まりを行ないます場合に、道路監理員だけではなかなかできないことでございまして、当然警察当局の御協力が必要でございますので、十分警察とも御連絡いたしまして、警察の御協力も得て取り締まりを強化していきたいというふうに考えております。  それから、これは先ほども申し上げましたけれども、こういうふうな違反車をなるべく少なくするには、やはり業界PRが非常に必要かと思います。これは、われわれ道路管理者といたしましては、できるだけ業界PRいたしまして、車両制限令違反しないように十分PRを進めていきたいというふうに考えております。
  23. 新井彬之

    新井委員 それではもう一つお伺いしますけれども、もし業界へのPRはいままであまりやっていなかったとすれば、今回はこれだけ違ったことをやるのだという具体的な内容をひとつ示していただきたい。  それからもう一つは、警察協力が必要であると言うけれども、そうしますと、今回の道路法改正というのは、直罰にした、すぐ摘発できるぞというような趣旨のことであるから減ってくるんではないかというような考え方も立つのですけれども、やはり、一つ法律をつくった場合に、それをほんとうになくすにはどうしたらいいのかという考え方に立つのと、要するに、なるたけ違反をなくしてほしい、あった場合はこういうことがありますよという考え方と、いろいろあるのですけれども、そういう点について、この道路法改正目的は、一切そういう車両制限令違反する問題をなくしていくんだ、徹底的にやっていくんだという精神のもとにつくっているのか、そうでないのか、そういう問題についてお伺いしたいと思います。
  24. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 一番最後のほうからお答え申し上げますが、こういうふうに車両制限令違反した車を徹底的になくするようにわれわれはつとめるために、こういうふうな道路法改正をやろうとしているわけでございますが、これはもう御承知のように、車両制限令違反している車が道路上を走行するためにたいへんな事故が起きております。たとえば最近では、昭和四十四年の十二月九日に、東武伊勢崎線におきまして大型クレーン車が線路上に立ち往生しまして、列車が衝突した事故がございますが、これによって死者が七名、負傷者が百十名出たという事件があります。これなどは、まさに車両制限令違反の車が起こした事故でございます。いろいろ原因等がございましょうが、まずそういうようなことであるとか、あるいは、これは四十五年六月の東名高速道路都夫良野トンネルにおきます事故、これは約千三百万くらいの損害をトンネルに与えたわけでございます。そういうふうな事故が多発いたしまして、車両制限令違反によります事故が年々増加の傾向にございます。これは徹底的に取り締まる必要があるわけでございますけれども、何しろ現在の道路法では十分ではございませんでしたので、今回道路法改正いたしまして、車両制限令違反事故をなくするようにつとめたいというふうに考えたわけでございます。  第二番目に、PRはどれくらいやっているのか、やっていなかったのかというような御質問でございますが、四十五年中でも、全国十七カ所でそれぞれ講習会を行ないまして、延べ人員約八千五百名の関係業界の方にお集まりいただきまして、車両制限令についての講習会を行なっております。こういうふうなことで、今後も毎年こういうPRを続けていきまして、車両制限令違反の車のなくなるように努力していきたいというふうに考えております。
  25. 新井彬之

    新井委員 そういういろいろな事故があったりするからそういうものをつくったわけですね。そこで、私が聞いているのは、では、実際問題として、それをなくする方法としてはどうしたらいいかということについていまお伺いしているわけです。そういう大型事故があってはならないわけですから、それまでにどのように指導され、そういう違反取り締まり、あるいは行政指導してなくしていくかというようなことになってくると思うのです。そこで、さっきから聞いておりますことは、いままでだって、そういう講習会をやってきたわけでしょう。ところが、それでは手が足りないわけでしょう。それで足りないからPRをもっとしたいというのでしょう。そこで、具体的にはどのようなことをやっていくのか、それとも何か新しいことをやるのかということなんです。さっき局長はもっとやりたいと言ったのですから、私が聞いていることは、もっととは何かということが一つ。  それからもう一つは、そういう監視をする警察のほうとよく相談してというのですけれども、道路管理者として、監理員の方が一体どういう形でそういうものを摘発するのか、そういう具体的な問題をはっきりしないでいてはこれは絶対なくならないですよ。私は毎日自動車に乗って走っているわけですからよくわかりますけれども、いま、酔っぱらい運転だとかスピード違反警察は非常に問題にされておるのです。問題にされておるけれども、それがないと言えますか。事故を起こしておる場合、やはり運転者がおかしいとか、こういうことがあったということは、そういうところの被害者状況から聞けば、そういう問題が全部出ておるじゃないですか。全部交通法規を守って、一切運転手にミスがありませんというような交通事故が、それじゃその中に幾らあるわけですか。そういうことから考えて、ほんとうにやる気があるならば、それを取り締まるについてはどのような体制でやっていくのか、もう一ぺんお伺いします。
  26. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘のとおり、PRも行なってはおりますけれども、なかなか車両制限令違反の車があとを断たないわけでございます。それで、その最大の欠点をわれわれが反省してみますと、各道路管理者にそれぞれ許可をとらなければいかぬというふうな不便さがございました。たとえば東京から大阪まで車が行く場合に、東京の都道を通って、それからたとえば国道を通りまして、それから大阪府道を通って、もし市道も通るということになりますと、四つの管理者にそれぞれ許可を求めないと許可にならないということから、非常に繁雑なために、その手続を怠って走っているという例が非常に多いようでございます。したがいまして、まず第一に、今回の改正によりまして車両制限令の一元化を行なうということでございます。ある一つ道路管理者申し出ましたら、それ以外の通行する経路によりまして、他の道路管理者にもそれぞれ連絡をとりまして許可がとれるような、つまり窓口を一元化するということをまずきめたわけでございます。これによりまして、手数が煩瑣のために手続的にその義務を怠ったということがないようにまずしたいというように考えておるわけでございます。  それと同時に、先ほど先生から御指摘がございましたとおりに、従来は規制標識が必ずしも完備していない点がございました。たとえば、道路の上を通っておりますガードの高さが低いのに標識のない例が中にはございます。そういうふうな標識も十分完備させまして、こういうふうな事故の防止につとめたいというふうに、第二番目に考えたわけでございます。  それから三番目は、先ほど申しましたように、道路監理員が非常に少のうございまして、また、その訓練を受けている人も少ない関係から、必ずしもそういう違反車摘発することができないような状態でございますので、今回、この改正に伴いまして、まず道路監理員を教育し、また、数も増しまして、こういうふうなものをなくするようにつとめたいというふうに考えておるわけでございます。
  27. 新井彬之

    新井委員 これはいまの答弁の中でもいろいろ問題がありますけれども、一つは、許可を受けるのが非常に煩雑だったから許可を受けなかった、そういうようなことかありますね。そういうような、煩雑だから受けなかったというような資料はあるわけですか。  それからもう一つは、たとえて言いますと、今度はいろいろ申し入れをして許可を願う、どんな車でも許可をしてしまえば、それはもう必要でなくなるということもあるわけですね。聞くところによりますと、ちゃんと正式に書類でこういうわけで通してほしいというときには、大体不許可ということはない、ほとんどの車は通すというような考え方だそうでありますけれども、では、わざわざ許可だけとって事足りるのかというようなこともあるわけですけれども、そういう点についてはどうですか。  それからもう一つは、私がさっき言ったことはそっちの局長からも答弁がございましたが、道路監理員が具体的に何をやるかということですね。人数だってそんなにたくさんおりません。それから車というのは二十四時間全部走っておりまして、特に大型車なんかは夜中走らす傾向が多いわけですね。そういうことについて、一応警察の方に御協力を願うことは別にして、道路管理者として、その取り締まりについて一体どのようなことをやっていくのか、そういうことについてお伺いしておるわけです。
  28. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 最初の、道路管理者がたくさんあって繁雑なために許可を取っていないのじゃないかと私が答弁しましたことにつきましては、データと申しますか、それは別に正式なデータはございませんが、先ほど御説明いたしました昨年の一斉調査の際に、許可を受けない車が非常にたくさん通っておりましたときにいろいろ質問した結果、そういうふうに答えた人が非常に多かったというふうな事例から申し上げたわけであります。  それから、次の道路監理員は一体どういうことをするのかということでございますけれども、道路監理員は、ごらんのようにそういう訓練はもちろん必要でございますけれども、たとえば車両制限令で定めておりますが、今度道路法でも定めます一般の基準を越える車につきましては、一見してわかるわけでございます。たとえば重さが二十トンであるとか、それから幅が二メートル五十であるとか、それから長さが十二メートル五十であるとか、そういうふうなことは車両の形を見れぱ一見して識別ができます。したがいまして、それ以上の車が通った場合には、これは当然警察官の立ち会いが必要かと思いますけれども、停止させて許可証の提示を求めます。それで、許可証を持っていない場合はこれに対する罰則をかけることになろうかと思いますが、そういうふうなことで、そういうふうな主要な国道につきましては、特にまた危険のある橋なり、あるいは低いガードのあるところの付近につきましては、監理員を常時配備いたしまして、そういうふうな違反の車が通って事故を起こすことのないように今後取り締まりを強化していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  29. 新井彬之

    新井委員 この問題は、これ以上質問しておってもあれだと思いますけれども、いま局長が、低いトンネルのところだとか、それからまた危険な個所については監理員を配備すると言いましたけれども、そういう個所と、実際いま監理員として働いていらっしゃる方の数と比べて、一体どっちが多いのか。そういう専門的なことをやるのかどうかというようなことも考えていきますと、時間の問題もあります。夜はどうするのだ、昼はどうするのだ、また朝はどうするのだというようないろいろな問題がありまして、そういうところには何も徹夜でやらなければいけないというようなことはありませんけれども、やはり一つの形をきめてがっちりやっていかないと、そういうことを知らなくて、大きな事故が起こってしまってから、これは違反であったというようなことになりかねないと思うわけです。  それからもう一つは、二十トンのトラックが通ってきた、ここは二十トンのトラックは通ってはいけないのだというような問題がありますけれども、そういう一つの問題についてのことは大体わかると思うのですけれども、それが重量をオーバーしておった場合に、その重量をはかる——いまはものすごく大型化していますから、私たちもよく走っていますと、ちょっと重量オーバーじゃないかと思われるようなものが平気で走っております。それを目方にかける機械というのがあるわけですけれども、そういうのは日本全国至るところにあるわけじゃないのですね。要所要所にしかないわけです。中に綿みたいなものが載っていれば積載量違反ということはすぐわかるが、鉄なんか載っていた場合に、これは一トンオーバーしているぞということがわかる厳密な一つの検査ですね、そういう体制についてどういうふうに考えているか、一ぺんお伺いしたいと思うのです。   たとえて言いますと、第四十三条の二は、車両の積載物の落下の予防等について規定したものでありますけれども、そういう一つの積み荷について、これは荷物が落っこちそうにゆるんでいる、だから落ちる心配があるのじゃないかとか、また、専門的に見て、この積み荷はこれで間違いがないのだとか、そういうような見分けまで実際問題として注意をするようなときにはやらなければならないような状態になる。ところが、ある程度積んでいれば、よっぽど危険な状態にならなければ普通わからないわけですね。そういうふうなところの専門的な考え、知識というようなこともあるわけでありまして、非常にそういうことについてもたいへんなんです。そういう点について一体どのようにお考えになっているかお伺いいたします。
  30. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 ただいま御指摘のとおり、外見上からわかりにくいのはやはり重量かと思われます。重量につきましては、おっしゃるとおり、はかりにかけて測定しないとオーバーしているかどうかわからぬわけでありまして、これにつきましては、警察当局にも御協力を申し入れまして、交通局長と私との連名で共同の通牒を出してもらうようにいまお願いしているわけでございますが、同時に、そのはかりは現在全国の主要なる国道には大体ついておりますが、先生指摘のように、必ずしも数は多くございません。今後は、はかりを全国的に多数設置いたしまして違反車取り締まりを行ないたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、すでに東京都内におきましては、具体的にいまそのほうの話が進行中でございます。東京都内に入る主要な道路につきましては、それぞれはかりを置きまして取り締まりに当たるような警察からの要請も現在ございますので、これを準備しておるような次第でございます。
  31. 新井彬之

    新井委員 それではずっと飛ばしまして、今度道路管理室が設けられて、今回の改正で、道路上の濃霧注意報等の道路情報提供装置だとか、トンネル内の車両監視装置等、いわゆる道路情報管理施設を道路の付属物として加えることになったわけでございますけれども、現在の道路交通管理活動のシステム並びに将来の構想、そういうものについてお伺いしたいと思います。
  32. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 従来より道路交通管理の重要性が叫ばれておるわけでございますが、飛騨川の事故一つの契機といたしまして、建設省の道路局に道路交通管理室を設けまして、道路交通管理の強化について積極的に道路管理者を指導してきておるわけでございます。  最近の道路交通管理の実施状況についてちょっと申し上げますと、まず第一に、高速道路等につきましては、車が通ったときそれを感知するような車両の感知器であるとか、それから監視テレビであると交通信施設等の各種の道路交通管理施設を整備いたしまして、交通事故の防止や交通の円滑化に努力しているわけでございます。  それから、道路並びに道路交通に関する情報を一元化しまして、道路の利用者に提供するための財団法人日本道路交通情報センターなどを設立いたしまして、これらの業務の推進もその管理室で行なっているわけでございます。
  33. 新井彬之

    新井委員 いまそういうお話がございましたけれども、ドライバーとして一番いまそういう標識的なものでやっていただきたいのは、やはり案内標識だと思いますね。去年日本万国博覧会が開かれたのですけれども、そのときには、ああいう万博のマークをつけて、それで大体こういう道路を通ってくればいいというような案内標識があったのですけれども、私なんかもずっとだいぶん広い範囲にわたって車に乗っておりますが、名神とか東名は、これは完ぺきです。どこどこの出口というのはちゃんと何メートルごとにありまして、そして見るところも非常にいいのですけれども、よそから行って、たとえて言いますと、兵庫県で豊岡のほうに行くのはどっちに行ったらいいだろう、また岡山に行くのはどうだろう、鳥取のほうはどうだろうというような、その道のわかり方、案内標識というものが非常に不明確だと思うのです。道路局長も、道路のことでは、いつも車に乗ってあちこちに行かれておるわけでありますからこれはおわかりと思いますけれども、車はスピードが出ておりますから、急にブレーキを踏んで曲がっていかなければならない。そのために交通事故が起こりそうな、非常にあぶないようなものがあるわけですけれども、こういう案内標識について、日本の場合というのは非常に小さい感じもします。それからまた、その曲がるところに一カ所しか出ていない。あと五百メートル行ったら向こうに曲がる道があるのだぞということが大きく出ておるような——外国の例によくあるが、何百メートルごとに二カ所ないし三カ所あって、それからようやく曲がる。いまの東名とか名神はそういう形になっておりますけれども、今は昔と違って、バスだって観光バスで東京から九州まで行くのですし、また、トラックだって日本全国を走る時代に入っておりますし、乗用車だってそうです。いま道路整備している一つの理由は、自動車で九州から北海道まで行こうという時代であるからこういうことをやっておるのですけれども、そういう面について、現に当てはまったような道路標識をつくらなければならない、こういうふうに思うのですが、そういう点についてお伺いいたします。
  34. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘のとおり、案内標識につきましては、高速自動車国道につきましてはほとんど完備に近いと私たちも思っております。都市内の高速道路につきましてもよく整備されておるとわれわれも考えております。それに次ぎますのは国道でございまして、特に、国道のうちでも直轄で維持管理を行なっております指定区間内の国道につきましてはある程度完備されておりまして、先生指摘のように、交差する大きな道路がある場合には事前に予告するような標識もできておりまして そう間違いなく行けるのじゃなかろうかと思いますが、残念ながら、県道以下、特に市町村道につきましては必ずしも十分でないのが実情でございます。われわれも、都道府県、市川町村の管理者に対しまして、案内標識整備を絶えず指導しているわけでございますけれども、御指摘のとおり、必ずしも満足すべき状態にはなっていないのが実情でございます。今後もできるだけそういう行政指導を行ないまして、案内標識整備につとめたいというふうに考えております。
  35. 新井彬之

    新井委員 現実にずっと乗っていただいたらわかりますが、確かに有料道路はそういうことができております。間違いございませんが、実際問題、不なれな地域から地域に行った場合に、ほんとうに間違わずに道路標識でいけるかどうか。一ぺんどこかを摘出されて、道路局長が行かれたらよくわかると思います。私は何回も迷うのですけれども、確かに高速道路だけでは行けないのです。仕事に行こうと思えば、高速道路の近くにあるわけはないのです。やはり高速道路から国道国道から県道、そういうところまで入っていかないとその目的地になかなか行けないわけです。これだけ自動車が多くて、みんなが利用している時代においては、やはりそういうことをやらなければならないと思います。  時間がありませんから、最後に簡単にちょっとお伺いしますが、駐車場の問題でございますが、今回も、路上駐車場の駐車料金について、駐車場法に所要の改正を行なうものとするとあります。駐車場の今後の整備方針について、一体どのようになっておるか、お伺いしたいと思います。
  36. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 駐車場の今後の整備方針でございますが、私どもは、駐車場法という法律をもってこの行政運営をいたしておるわけでございますが、基本的にはやはり各都市、都市の交通計画といいますか、土地利用計画、そういうもの、それから車の実際の駐車需要というものを総体的に把握いたしまして、それについて路上駐車場は交通に支障のない範囲において最小限度のものを計画をする。それ以外は基本的には路上駐車の取り締まりを徹底していくということが第一点でございます。  第二点は、やはり路外駐車場を整備していくということになろうかと思います。その際に、現行法では、各都市の中心的な商業地域とか、あるいは交通のふくそうする地区とか、そういう駐車需要が非常に発生する地域を中心にいたしまして駐車場整備地区をきめなさい、こう書いてございます。その整備地区がきめられますと、その整備地区内におきまして必要な機関となります都市計画の路外駐車場を計画的に整備、配置していくことが必要になってくるわけでございます。またそういうふうな指導をいたしております。  それから駐車場行政のもう一つの大きな柱は、やはり駐車場需要が起こりますのはビル建築に伴いますところの駐車場需要でございまして、法律上は、そういう大規模なビルを建設する場合におきましてはビルの付置駐車施設というものを整備しなければならないということが規定されております。これは具体的に各都市の条例でもってそういう義務の内容が規定されておるわけでございます。  以上、基本的にはこういう考え方でもってこの駐車場の整備方策を推進いたしておるわけでございます。
  37. 新井彬之

    新井委員 去年、おととしと、ずっと駐車違反の件数がどんどんふえておりますね。警察の方ではそのことについては非常にお困りになっていらっしゃると思いますし、それから注意もしにくいような地域もだいぶ出ておりますね。たとえて言いますと、当然ここではある程度とめて何かやらせてあげなければいけないけれども、駐車禁止のところだから取り締まらなければいけないというような、法律と現実とが当てはまらないところもなかなかございまして、警察官の方もそういうことでだいぶ苦労なさっているところもありますね。そういういままでだんだんふえてきた駐車違反について、警察としてはどのようにお考えになっておりますか。簡単でけっこうですからお答え願いたい。
  38. 竹岡勝美

    竹岡説明員 いま、警察取り締まりの一番大きなアキレス腱になりますのは駐車違反取り締まりでございます。十分お役に立っていないで申しわけないと思っておりますけれども、昨年一年間で、従来の約二倍の百五十万件の駐車違反取り締まりを行なっております。これは交通巡視員を増員して充てるようにしております。  それから、先ほど御指摘のとおり、駐車取り締まりをやっております場合に、いまの駐車規制に非常に矛盾もございます。駐車禁止をかけますと五分以上はだめだ、かけなければ一時間でも二時間でもとめてもいい。実際に三十分くらいの駐車もございますので、今回、私どもの道交法を改正いたしまして、これは都市局とも十分連絡しておりますけれども、必要な場合にはパーキングメーターを公安委員会が設置したしまして、三十分ないし一時間くらいの時間制限をかけている。それによって駐車禁止規制を合理化いたしまして、これとあわせまして強力な取り締まりをやっていきたい、このように考えております。
  39. 新井彬之

    新井委員 もう時間がありませんので質問を終わりますけれども、駐車場の問題というのは、一つ自動車がものすごくふえておりますね。その自動車は走っているだけでは用は足りません。そういうわけで、自動車は必ず走って、そうして何時間か、何十分か、そこで所用を足して次へ行くというような形になっておりますね。ところが、東京の中心の繁華街であるとか、問屋街であるとか、そういうようなところについては、もう車を流すのが一ぱいである。本来ならば車の駐車禁止区域というのはほんとうの基幹道路に限ることであって、一般の駐車場を完備した道路というのがほんとうの都市機能を備えた道路である、このように思うわけです。私らだって、実際に車を置くのに苦労をするわけです。そして、一般の有料駐車場に入れても、そういうところは一ぱいで待たされてしまう。したがって、車もあまり乗らなくてバランスがとれているといえばとれている気配もあると思うのですけれども、やはり、これからの自動車規制しないで道路を完備していくという考え方道路局にあるなら、それに駐車場というものを考えないで都市の発展をはかっていくということは、これはもう考え方の欠陥もはなはだしいと私は思うわけです。したがって、これについてはいろいろと意見があるわけでもありますけれども、いろいろ資料によりましても、駐車ができないでほんとうに因っておるというような状態が出ております。さっき局長は路上駐車場をふやすと言いましたけれども、路上駐車場というのは、データにもありますけれども、だんだん減ってしまって、最後にはなくなる。これは、交通混雑のためにどんどん流そうというための道路であり、またどんどん流すというために路上駐車場ができなくなってしまうという悪循環の形を繰り返しております。したがいまして、さっき局長が言ったような、そんななまぬるいことではなくて、予算の裏づけであるとか、そういうこともしっかり考えて、ほんとうに駐車場がなければこれからの都市は麻痺するんだ、もしもそれでなければ、バスであるとか、電車であるとか、地下鉄だとか、そういう公共の交通機関をほんとうに充実して、いまの都市機能としての総合交通機関の一環にするんだということでないと、これは今後三年、五年の後には大きな問題になってしまう。駐車違反だって、見てください。駐車禁止の看板があっても平気で全部並んでいるじゃないですか。東京都内一通り回ってきましたけれども、それは時間も区切られておるでしょう。あるいは五分ですか、十分ですか、わかりませんけれども、とめなければとめるところがない。そういうような現実を見きわめて、ただ駐車違反を取り締まるだけが能ではないわけです。自動車はどんどんつくるように推進している。道路もつくるように推進している。いまの政策からいったらそういうことになっておりますから、それに合わした駐車場の建設をやってもらいたいと思うのです。  もう一つは、これは道路局長に要望しておきますけれども、今回の道路法改正によって、確かに、そのような車両制限令違反するような車はまずいといいますけれども、一体どういう車までが日本の道路に当てはまるのか。車はどんどん大型化されます。荷物だって、いま御存じのように、やはり輸送コストを安く下げようと思えば、大きな車にたくさん積んで運ばなければコストダウンにならない。したがって、どこの会社でも一番経済的な効率的な面を考えて、どんどん発展してまいります。アメリカでもそうです。外国でもそうです。日本の場合においても、そういう影響のもとにコンテナができ、そのコンテナも大型化されている。そういう道路というものを、一体どこを通して——よしんば東京から九州に運ぶ場合にも、どこを通せば交通混雑や交通事故が一番ないのかという面も考えていかないと、ただわが国の道路構造令がこうなっておりますから車両制限令はこういうようになりますというような、現実を見きわめないような道路法であってはならないと思うのです。まだまだたくさんこまかく聞いておきたいと思ったのですけれども、あまり聞けませんでしたけれども、それだけ要望して、時間でございますから終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  40. 金丸信

    金丸委員長 松浦利尚君。
  41. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 それでは、三十分だそうですから十二時五分まで、簡潔に質問しますから、簡潔に答弁してください。実は質問内容はたくさん用意しておったのですけれども、一つは市町村道の問題、もう一つは高速道路、もう一つはこの法案の問題について、以上三点に質問をしぼってお尋ねいたします。  まず自治省にお尋ねするわけでありますが、自治省が「必要な国民生活の水準を維持するための地方財政の目標——地方財政の長期ビジョンのために——」というパンフを四十五年十月に作成しておるわけでありますけれども、この内容を見ますと、昭和四十三年度を基準にして、昭和五十年度までに改良率を二四%、舗装率を二二%にするためには、約四兆三千億円の金が必要だ、もし三分の一実施するとすれば九兆三千億が必要だ、こういう長期ビジョンを出しておられる。この長期ビジョンと、今度の建設省が出しておる緊急整備十兆三千五百億の道路整備計画との関連というものは具体的に行なわれておるのかどうか、自治省としては御相談にあずかったことがあるのかどうか、そういう点について簡潔に御答弁いただきたいと思います。
  42. 森岡敞

    ○森岡説明員 いまお話しのございました長期ビジョンで計算しておりますものは、御承知のように、昭和四十五年度から昭和五十五年度までの十一年間の公共投資の見込みを、私どもがかなりマクロ的な計算をしたものでございます。ただ、その中で、四十六年度から五十年度までにつきましては、御指摘の十兆三千五百億円の道路五カ年計画がございますが、それとの斉合性を十分考慮しながら、その期間分については考えておるわけであります。
  43. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 自治省にまたお尋ねいたしますが、今年度の道路計画の中で、第五次の中で一番おくれておるのは、実は地方道の整備が一番おくれておる。市町村道の整備が一番おくれておる。実際にこの市町村道に対して、第五次の市町村道の整備計画に対して、今度の第六次では実に二三・六%の単独事業の増加を見込んでおります。具体的にそれでは、その二三・六%の五次に対しての増加見込みに対して、財源措置その他ぴしっと地方自治体に対してなされておったかどうか、その点について詳しく説明してください。
  44. 森岡敞

    ○森岡説明員 市町村道の整備がおくれておりますことは御指摘のとおりでございます。四十四年三月三十一日現在で改良率が一四・一%、舗装率が七・六%ということで、府県道の整備率に比べますと非常におくれております。そのようなこともございまして、第六次の道路整備五カ年計画では二兆五千五百億の地方単独事業を見込む。前計画に比べますと大幅な増加見込みでございます。これを確保いたしてまいるためには、一面において道路目的財源を市町村に傾斜的に充当していかなければならぬ。同時に一般財源も重点的に充当していかなければならぬと私どもは考えております。ただ、一般財源につきましては、下水道の整備とか都市施設の整備もかなりございますので、何と申しましても道路目的財源を市町村に大幅に拡充していくということが必要だと考えております。そのようなことで、今回も自動車重量税という形で一応の道路目的財源の拡充をお願いしておるという状況でございます。引き続き市町村道路目的財源の拡充に努力してまいるということが必要だと考えております。
  45. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 財政課長にさらにお尋ねしますが、自動車重量税については本院で現在審議中であって、通るか通らないかまだわからないですね。実際にいままで市町村の自主的な目的税として道路に投資できるものとしては自動車取得税の一六・五%だけなんですね。あとは全部一般財源を充当せざるを得ない、あるいは、交付税から持ってこざるを得ない、こういうことで、実際には財源不足のために当初の目的が非常におくれておるのですね。第五次の道路計画がおくれた最大の原因は、実は地方道にあった。市町村道にあった。単独事業の伸びが非常におくれたというところに原因があるわけですね。そういうことを考えてくると、実際に現在の財源措置で、いまのような形で、地方道、市町村道の整備計画というものは自治省の目的どおり完遂することが可能なのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  46. 森岡敞

    ○森岡説明員 第五次道路整備五カ年計画の段階では、御指摘のように、自動車取得税交付金だけが市町村の道路目的財源でございまして、道路目的財源の事業費に対する割合は、たしか二四%前後ということで非常に低うございました。そのことが市町村道の整備をおくらせてきたということは事実だと思います。そういう意味合いで、第六次の大幅に伸びました単独事業をこなしていきますためには、道路目的財源を大幅に充実していかなければならぬ。五次の段階では、一般財源の増強ということでかなり無理をして仕事を進めてまいったというのが実態であったのであります。六次計画の達成のためには、繰り返して申しますが、目的財源の拡充をぜひ前進させていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  47. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 財政課長にお尋ねしますが、これはあるいは私の計算の間違いかどうかわかりませんが、四十五年度の財政計画と四十六年度の財政計画の道路整備の伸び率を対前年度比で調べてみますと、昭和四十五年度の伸び率に対して昭和四十六年度はむしろスローダウンしておるという数字が出るのですが、これは間違いありませんか。
  48. 森岡敞

    ○森岡説明員 昭和四十四年度、四十五年度におきましては、先ほど来お話がございました地方単独事業を積極的にふやしていくということで、五割あるいは三割というふうな単独事業の大幅な増加を財政計画上見込んでおります。しかし、四十六年度は、お話に出ております六次計画の初年度でございます。六次計画を五カ年中に確保してまいるという前提で初年度の数字を、私どもとしては財源の状況を勘案しながら見込んで、これを初年度としておおむね五カ年間の単独事業は達成し得る、こういう計算をしてやっております。したがいまして、御指摘のように、四十四年度、四十五年度で五割とか三割とかいう大幅な増加を見ましたけれども、そういうことを毎年続けていくことは困難でございまして、計画的に五カ年計画の実施を確保する、こういう趣旨で四十六年度の財政計画を見込んでおります。結果的に四十四年度たいし四十五年度の大幅な増加よりは若干鈍化しておるということでございます。
  49. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 国民は、今度の道路整備計画によって、市町村道も含めて、むしろ大きく道路整備が進むだろう、こういうふうに期待をしておるわけであります。ところが、数字的に見ると、初年度は対前年度比でスローダウンしてくるということでは、市町村におる国民としては、どちらかというと非常に疑問を抱くと思うのですね。しかも、財政的な面で裏づけがない、道路整備したいけれども、単独事業として財源はない、逆にそれが地方の一般財源に食い込んでくるというようなことでは、私は、市町村道の整備というものはできないと思うのです。いまはもう時間がありませんから意見だけにとどめますけれども、この際ぜひ、市町村道を整備するためにどうするのかを建設省と自治省の間で具体的に議論してもらいたいと思うのです。  それで、私は非常に不思議に思うのですが、自治省で発表した「公共施設状況調」を見ますと、昭和四十四年度これは主要地方道であり、あるいは都道府県道でありながら、自動車交通不能道というのがあるのですね。しかも、自動車交通不能道の延長というのが、前年度に比べて一つも減少しておらないのですね。こういう状態は一体いつになればなくなるというふうに自治省では判断をしておられるのか、その点をひとつはっきり答えていただきたいと思うのです。
  50. 森岡敞

    ○森岡説明員 市町村道の整備の立ちおくれもさることながら、御指摘のように、主要地方道や都道府県道に至るまで自動車交通不能の区間があるということは、私の立場としてまことに申しわけないと思います。そういう意味合いでは、市町村に重点的な道路財源の拡充をやってまいらなければなりませんが、都道府県につきましても、やはり道路財源の充実をはかってまいらなければならない。そういうようなこともございまして、先ほど御指摘にございました長期ビジョンと申しますか、私どもはそういうものをつくりましたが、その長期ビジョンをごらんいただきますと、大体昭和五十五年度くらいに都道府県道の改良整備は一〇〇%くらいにまで持っていきたいものだ、こういう期待をあらわしておるわけでございます。国道はたしかに五十年度までにおおむね完了するという建設省としての御計画をお持ちでございます。都道府県道は約五年おくれますけれども、五十五年までにはぜひ改良整備をいたしたい、そのための財源措置を拡充いたしてまいりたい、こういう期待を持っております。
  51. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 いま長期ビジョンを見ますと、国道は五十年までに一〇〇%の改良舗装を終わる、市町村道は五十五年までに一〇〇%完了するとすれば、八兆円の財源が必要である、そういう数字が出てきておるわけですね。  それでは、この際建設省にお聞きしておくのですが、実際にそういった今日の市町村道の状態だとするなら、いま具体的にやれる方法としては、今度の予備費の二千五百億、これを市町村道に充当する、この予備費は市町村道整備に充当するのだ、こういう思い切った考え方というものは構想として出てこないですか。その点どうでしょうか。
  52. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 昨年閣議了解になりました十兆三千五百億のうち予備費が二千五百億ありまして、ただいま松浦先生はその大部分を市町村道に投入すべきではないかという御意見かと思いますが、先日も御説明申し上げましたように、昨年の三月六日の閣議了解後に生じた新しい事態に対処いたしまして予備費を投入したいというふうに事務的には考えまして、現在私たちが考えておりますのは、まず交通安全対策事業、これは五カ年計画をつくりまして、御承知のように、昭和五十年までに歩行者の死亡を半減させたいという、総理府の交対本部が中心になりました政府としての事業でございますので、それに相当な金を投入すること、それから、その後昨年の四月に過疎法が立法されまして、これに対する手当てといたしまして、これは主として市町村道になりますが、過疎法の立法に伴う市町村道の整備のための財源の充当、それから国道昇格が昨年の四月に行なわれておりますが、これに対する財源手当てが不十分でございますので、これに対する手当て、その三つを三本柱にいたしまして、予備費の二千五百億のうち、全額ではございませんが、ただいま私たちは千五百億程度を取りくずしたいということで、現在事務的な折衝中でございます。いま御指摘の市町村道につきましては、二番目に申し上げました過疎法の立法に基づく市町村道の整備が入るわけでございまして、これに対する手当てが入っておりますので、御指摘のように全額というわけにはまいりませんですけれども、われわれとしても、そういうふうな市町村道のほうにもできるだけ予備費を充当したいというふうに考えて、そういうような作業を進めておる次第であります。
  53. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 私は、そのことを政府が意図しておると言うつもりはありませんが、結果的にやはり国道中心の道路投資というものがいままで先行してきたと思うのです。だからといって国道のほうをおろそかにせよというわけではありませんが、そういうふうにおくれておる市町村道の整備についてぜひ積極的に意欲的に取り組んでいただきたい。特に自治省の長期ビジョンと、それから建設省のそういった計画とが対比され、議論されて、そうしてそれがばらばらにならないように、一つの具体的な体系づけた長期ビジョンというものにぜひしていただきたいというふうに申し上げて、市町村道の問題はこれで終わりたいと思います。  初めに申し上げましたように、次に高速道路の問題ですけれども、この前、大臣の所信表明に対する質問で、今度の五カ年計画期間中に全線着工いたしますという答弁があったわけです。ところが、ここでちょっと気にかかるのは用地の取得です。取得というものがいつもそういったものをおくらさす最大の原因をつくり出しておるわけなんですけれども、具体的にその計画にあがっておる五道について、用地の取得状況というものは順調に進んでおるのかどうか、その点について一点お聞かせ願いたいと思うのであります。
  54. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 高速自動車道につきましては、現在法定されております予定路線が七千六百キロ、そのうち基本計画が出ておりますのが四千四百四キロになっておりまして、整備計画が出ておりますのが二千七百九十九キロ、約二千八百キロが現在着工中ということになるわけであります。  用地の取得の状況でございますけれども、各都道府県の協力を得まして、それぞれ強力にいま用地取得を進めているわけでございまして、ただいまの状況を申し上げますと、第一次の四十一年七月の施工命令の出ました区間につきましては、用地が七四%進捗しております。第二次の施工命令区間、つまり四十三年の四月の分につきましては一七%の進捗率、それから第三次、四十四年四月の施工命令区間は六%程度でございます。こういうような状況でございますが、なお第四次の施工命令区間、昨年の六月に施工命令が出た区間につきましては、まだ用地買収はほとんど進んでおりません。  以上でございます。
  55. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 この用地の取得、これが非常にいろいろトラブルがあったり、問題があって着工がおくれたり、計画が遅延をするというようなことがありますので、いま私は報告だけお聞きいたしましたが、また機会があったら、この問題にしぼって議論をしたいと思いますけれども、一応きょうはその用地の取得状況について説明をお聞きしておいたにとどめたいと思います。  次に、もう時間がありませんので、これは質問内容がちょっと自分のところの近くの問題になって恐縮なんですが、佐藤総理が、今度の首都圏に対する生鮮食料品の輸送問題をめぐりまして、実は長距離大型カーフェリーの就航というのを非常に礼賛をされて、期待をされて発表されておるのです。いま宮崎の細島から川崎に大型フェリーが来ておるわけですけれども、実際にこのカーフェリーを経済的に有効に使おうとすれば、鹿児島、大分、北九州を結ぶ東九州の高速道路というものが必要になってくる。しかも、佐賀関からその高速道路と本・四架橋とを結ぶ、そういった構想というものがかつてあったわけですね。ところが、いつの間にかそれが消えてしまって、本・四架橋だけが浮き彫りされて、実は東九州のそういった計画というのが消えてなくなった。このカーフェリーというものによって首都圏の人口の密集地帯に対する経済効果をもっと高めるという意味で、こういった東九州縦貫高速というような構想があるのかないのか。しかも、カーフェリーに接続する道路整備について具体的に計画があるのかないのか。あるいは熊本からくる二百十八号について、熊本の農産物を細島に集積してカーフェリーで持ち出すというような計画があるのかないのか。そういったものに対する整備というものについて検討されておるのかどうか。この点は建設省に対しても、鹿児島、大分、北九州等で陳情が出されておると思うのでありますけれども、その点がどういうことになっておるのかをお聞かせいただきたいというふうに思います。
  56. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 カーフェリーの就航によりまして、宮崎県の生鮮野菜等が東京にかなり大量に輸送されておるということは聞いておりまして、それに関連する道路整備ということが非常に重要になってくるということでございます。御指摘の東九州高速自動車国道と申しますか、これは七千六百をきめる時点に、すでに七年ほど前でございますが、相当大きな問題でございまして、いろいろ討議されたわけでございますが、たまたま今回その法定の中には入らなかったわけでございますけれども、しかし、建設省といたしましては、東の高速道路網として非常に必要な道路だというふうに認識いたしまして、現在直轄の調査を行なっている実情でございます。時期を見まして、いずれ着工の時期に入りたいと考えておりますが、高速道路の規格でもって建設するような道路になろうかと思います。ただ、必ずしもいまほどのカーフェリーとの直接的な結びつきは現在のところは考えておらなかったわけでございますが、今後それも含めて検討したいというふうに考えております。  それから御指摘の二百十八号でございますが、これは熊本から九州を横断いたしまして延岡に達する道路でございますが、特にこれで一番の難所になっておりますのは県境付近の津花峠というところでございまして、これは先生承知のように建設省の直轄事業としていま大々的に着工しております。これは二、三年中に完了することになりますが、なおそれ以上に高千穂から延岡の間までの道路が、現在舗装はされておりますが、絶えず落石がございまして、毎年人身事故が起きているような状況でございます。したがいまして、ここは断崖絶壁でございまして、これを拡幅することはほとんど不可能に近いので、先生すでに御承知と存じますが、山の上のほうに新たな道路の建設をすることにきまりまして、四十六年度から着工するような段取りになっております。いずれにいたしましても、こういう道路を含めまして、いまのカーフェリーとの関連においてできるだけ整備を進めたいというふうに考えるわけでございます。
  57. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 よくわかりました。  それでは、高速道路の問題について心配なことが二つありますので、その点だけお尋ねしておきたいと思うのですが、一つはロスの地震に対する高速道路関係で、現在の工法上、日本における高速道路というのは耐震関係は絶対にだいじょうぶだということが言えるのかどうか。高速道路を車が走っておった場合に地震がきたら、停止して自動車からおりて逃げろというのが、これは防災の指導の一つの基本になっていますね。ところが、高架の多い日本の高速道路は逃げる場所がかい。そういったことから考えると、この耐震というのは非常に重要な問題になってくるので、その点がどうなのかというのが一点です。  それからもう一点は、高速道路と公害の関係です。この前も議論いたしましたが、首都圏の外郭環状が公害問題をめぐってなかなかはかどらない。逆に言うと、あれは高速ではありませんけれども、大阪の万博でつくった空港に抜ける道路がありますね。あの横の団地に、高速道路公害反対というようなプラカードがわっと張ってある。そういった意味で、高速道路と公害という問題について具体的に研究が進んでおるのかどうか、この二点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
  58. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 第一点の地震の対策でございますけれども、先ごろロスアンゼルスで起きました地震によりまして、ロスアンゼルス市内の高速道路がこわれたということでだいぶ問題になっているわけでございますが、さっそく政府の調査団の中に、首都高速道路公団のそのほうの技術のエキスパートを一人加えていただきまして、直接現地の調査をさせたわけでございますが、詳しい報告は私は聞いておりませんけれども、簡単な報告を聞いております範囲でお答え申し上げたいと思いますが、あそこでこわれました道路は非常に橋脚の高い三十メートルくらいの橋の、しかもわれわれ技術者ではちょっと常識的に考えられないのですが、それを一本足で施工した個所がこわれておるということを聞いておるのです。これは、日本の場合はそういうことはございません。そういう場合は必ず二本足で設計しておりますので、そういうふうに地震に対する設計が非常に甘いという点が指摘されるようでございます。たとえば、ロスアンゼルスの場合、〇・〇二ないし〇・〇三という地震震度、水平震度をとっておるようであります。日本の場合は〇・二ないし〇・三で、約十倍程度の強さを持っております。日本の構造物はすべて関東大震災の経験をもとにいたしておりまして、昭和に入ってからつくりました構造物はすべて関東大震災級の地震に耐え得るような設計になっておるわけでございます。そういうことから、われわれの判断では、そのロスアンゼルスに行ってきました技術屋の判断でも、日本の高速道路につきましては、関東大震災級の地震がもしありましても、それは若干クラックが入ったりすることはあろうかと思いますが、橋が落ちたりするようなことはまずなかろうという判断を下しているわけでございます。  それから第二点の、高速道路におきます公害の問題でございますが、高速自動車国道等におきます公害の問題も、全国で数例出ております。主として、病院の近くを高速道路が通ったり、それから学校の近くを通った場合が多いようでございますけれども、それ以外に、先生の御指摘のように、あるいは団地の近くを通るということで反対を受ける例もあるようでございますが、一番問題になりますのは都市内の高速道路ということになろうかと思います。いずれにしましても、高速道路道路環境、特に公害との問題、主として騒音が多いようでございますけれども、騒音に対しましてわれわれは前向きに検討を進めておりまして、建設省の土木研究所にもそのための研究室を設けまして鋭意検討を進めておるわけでありますが、われわれのいまの考え方は、遮音壁と申しますか、音を遮断するような壁をつくるのが一番簡単で、しかもかなり有効だと思います。数ホン下がるようでございますが、これが最も簡単にできる方法でございます。それ以外の方法になりますと、たとえば道路をつくる時点において相当考慮する必要が出てきておりまして、たとえば市街地を通る場合には掘り割りの方式、つまり高速道路を地面より下に掘り割っていく方式であるとか、さらに高架にしまして、両サイドに広範囲なグリーンベルトを設けまして音の遮断をする方法とか、いろいろあるわけでありますが、いずれにしましても、大都市におきます公害が非常な問題でございます。それに頭を痛めておるわけでございますが、特に都心部に入りますと道路の幅員も限定されますし、騒音もこもるようなかっこうがございまして、なかなかその対策に苦慮しておりますが、都心部におきます高速道路の騒音に対しましては、町づくりそのものも一緒になって、道路だけでなくて全体的に考慮する必要があるのではないかというふうに考えております。まず、とりあえずの手段といたしましては交通規制です。つまり、トラック類の大型なものほど馬力がございますので大きな音を出しますから、そういうふうなものの規制を行なうとかというふうな方法を講じましてとりあえずは処置する以外にはないのじゃないかと思います。最終的には道路を含む両サイドの環境そのものも永久構造物につくりかえる、二重窓にするというような方策しか都心部においてはないのじゃなかろうかというふうにわれわれは判断しておるわけでございます。
  59. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 もう予定された時間が来ましたが、この高速道路と公害、特に騒音公害の問題は、これは建設省のほうでも研究中だそうですが、早急に結論を出していただいて、都心部における騒音公害というものが防止できるように、道路は快適に走れるというのはなかなかむずかしいわけですけれども、そういった方向で早急に解決していただきたい。そうしなければ、せっかくの道路計画がそういったことで障害にあう、あるいは挫折するというようなことになりかねませんので、意見として申し上げておきたいと思うのです。  あと一つ、二つお尋ねをしますが、一つは、先ほども質問がありましたけれども、今度の法改正における車両制限令。この問題については、モータリゼーションの爆発的な進行と、それから輸送力のコストダウンという問題をめぐって、車両が予想しない形で大型化されてくると思うのです。コンテナ輸送にしたって、予想しないコンテナ輸送が始まるだろうと思うのです。だから、そういった問題をどのあたりまで予測をしておられるのか、その点を具体的にお聞かせいただきたいというのが一点なのです。  それからもう一点は、これは今度の法改正と直接的な関係はありませんけれども、実は、道路構造令を見ますと例外規定が非常に多いのですね。たとえば自転車道をつくれ、歩行者道をつくれ、自転車と兼用の歩道をつくれ、こういうふうになっておりますね。しかし、地形その他によっては云々、何は云々で、それでいくなら、例外規定を全部当てはめれば一つもできないというような構造令になっているのですよ。しかし、私は、そういうことを予測して、除外するための目的をもってそういう例外規定をつくったのじゃないと思いますから、一体この例外規定というものについてはどこまで考えておられるのか。つくるのがほんとうであって、例外そのものが私は異例なことだと思うのです。その点について考え方をお聞かせいただきたいというのが二つ目。  それからもう一つは、落石注意とか、路肩危険とか、何トン以上の自重のあるものは通つちやいかぬとかいう標識が立っていますね。ところが、五トンなんといったら自重だけでオーバーするのですね。そういった標示というものは一体何を意味しているのか、ただ注意を喚起する程度のものだというふうに理解をしていいのかどうか。しかもそういうことに対する事故というのが、最近非常に落石事故とかなんとかいうようなことが多くなってきておるのですが、こういった方式をもっと法的なものに改めるという考え方があるのかないのかということを三つ目にお聞かせいただきたい。  それから四つ目は、建設省のほうは開発で、文化庁のほうは保存ですけれども、最近非常に問題になっている開発と遺跡、史跡の破壊という問題とをどう調和させようとしておるのか、この四つについて質問をまとめて申し上げて、お答えをいただきたいというふうに思うのです。
  60. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 最初の第一問目は、近年トラック等が大型化されまして、あるいは海上コンテナ類が陸上をどんどん通行するような時代になりまして、現在の車両制限令のように制限していると、非常に経済活動上悪いのじゃないかというような御指摘のように思われますので、それについてお答え申し上げます。  御承知のように、車両制限令できめました幅であるとか長さ、高さ、重量等は、運輸省で定めております車両運送の保安基準に基づいてきめておるのでございます。これが道路をつくるときの基準になっておるわけでございますが、大体世界的な傾向で、どこの国でもある程度車の標準型をきめまして、それに従った道路をつくることが世界の常識になっております。しかし、御指摘のように、最近の輸送革新によりまして相当大型化されつつありますところの、特に海上コンテナ八×八×二〇とか、そういうふうな大型のものがどんどん都内の道路を通るような情勢になってきておりますので、われわれはそれに対しましては前向きに検討を進めております。これは主として運輸省と相談しておるわけでございますが、政令の段階におきまして、そういうふうにもうすでに国際化されているような車両につきましては、具体的に車両制限令からはずすというとちょっと語弊がありますが、特殊に許可をとらなくても常時通行できるような措置をとりたいというふうなことにしておるわけでございます。たとえて申しますと、高さは三メートル五十に押えられておりますけれども、最近の大型コンテナ等は三メートル八十でございまして、三メートル八十でも通させたいというふうに思っております。なぜそうするかと申しますと、トンネルはまるくなっておりまして、車道ぎりぎりに通っている場合にはひっかからないわけでございますが、トンネルの中にはわきのほうに側道が五十センチぐらいございますが、もし万一そちらに入りますと三メートル八十ではつっかえてしまいます。ですから、一車線のまん中を通れば間違いなく通れるような基準でございますが、そういうような緩和をいたしまして、三メートル八十まで認めるとか、それから最近つくりました高速自動車国道につきましては、相当大型に対して耐え得るような構造にもなっておりますし、すべての規格が大きくしてございますので、高速道路につきましては、たとえば高さの三メートル八十はもちろんのこと、長さがただいままで十二メートルになっておりますけれども、これを十六・五メートルまで——トレーラー等は十八・五メートルが非常に多いわけでございますが、それは自由に走行できる。それから重量につきましても、軸重と軸距によって若干問題がございますが、セミトレーラーのうち一番ポピュラーに使われておる車種については、高速自動車国道については三十四トンまで、一般の道路につきましても二十七トンまで走行させたいというふうにいま考えておるような次第でございます。したがいましてかなり方々で使われているコンテナ類であるとかセミトレーラーについては、簡便に、特殊な免許が要らないようにしたいと考えております。  第二点の、構造令に相当適用除外例があるじゃないかという御指摘のようでございますが、これも御指摘のように、構造令そのものは、新しく道路を新設し、改築するときの基準でございまして、それに従うことを原則にしております。例外規定というのは、たとえば、山の中でほとんど人の通行がないとか、あるいは自転車の通行もないとか、そういうときのために設けた例外規定でございまして、例外規定を原則とするようなことは従来やっておりませんので、その点は御了解いただきたいというふうに考えております。  三番目の落石注意等の標識でございますが、これはたびたび問題になるわけでございますけれども、落石注意というのはどういうことかということをよく言われますが、世界各国どこでもつくっておる標識でございます。簡単に申し上げますと、落石注意というのは、そこにおいては落石が起こる可能性が非常に高いので、たとえば立ちどまって食事をする人はあるまいと思いますが、そこで食事したり、あるいは写真をとったり、景色をながめたり、あるいは用を足したりするようなことはいけないので、そういうところはできるだけ早く通っていただきたいという程度の表示でございまして、そのためにもし事故が起きましても道路管理者は責任を免れるということではございません。ただ注意を喚起する程度でございまして、御存じのように、道路そのものは落石を全然なくするようなことは、現在においては、日本だけではなくて、どこの国でも不可能に近いわけでございます。そのために一応通行者にあらかじめ予告する程度の標識でございますので、それによってわれわれの責任を回避しようということではございません、という程度でございます。  橋の重量制限につきましては、これも実は、橋の重量制限というのは非常にむずかしゅうございまして、その橋が車が通ったために落ちないという保障はない。しかし、非常に老朽化したりして、たとえば十トンの制限をしておりましても、十トンが通ったらすぐ直ちに落ちるかというと、必ずしもそうではございませんけれども、要するに、非常に危険であるので、一応道路管理者としては、それ以上の車の通らないように指導するという意味でございます。十トン以上が通った場合にはただいまの制限令にひっかかることになりまして罰則を受けることになります。  最後の開発といろいろな遺跡とか史跡等の関連でございますが、われわれ道路をつくる場合に、文化庁とも連絡いたしまして、遺跡、史跡等につきましては細心の注意を払ってやっておるわけでございまして、特に、ルートがきまる場合には、普通各県のそれぞれの機関と相談いたしまして、遺跡、史跡等がもしあるというふうな通告を受けますというと、向こうの費用もしくは道路の費用をもちまして調査をいたしまして、それによって、それぞれのように、向こうの指示に従って、ある場合にはルートを変えることもございますし、ある場合には高架橋で渡るということもございます。ある場合にはバンキングいたしまして、常時再調査いたすことができる状態にするようなことも行なっておりますが、それらはすべて文化庁との相談できめるようにいたしております。しかし、道路管理者といたしましては、史跡、遺跡はできるだけ保存するような態度で従来事業を進めているわけでございます。
  61. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 私に与えられた時間がちょっと——質問よりも答弁が長かったからだと思いますけれども、答弁の中でちょっとまだふに落ちないところがありますが、これは次回に質問をさせていただくことにして、保留をいたしまして終わります。
  62. 金丸信

    金丸委員長 吉田之久君。
  63. 吉田之久

    吉田(之)委員 いま松浦さんの質問に対するいろいろな御答弁を承っておりまして、今度の道路法改正も、いろいろと努力をしておられることはわかりますけれども、まだまだいろいろ問題があり過ぎる。いいかげんな点が残ってくると思うのです。特に例外規定であります。大事な問題はほとんど政令にゆだねられております。そういう点についても幾多の不満を感ずるわけですが、それはそれといたしまして、やはり次から次へと変貌する交通の変化に対応して道路法を刻々変えていこうとする意欲はわかります。ただ、私は、今度のこの改正と、また、いままでのこの法律の歴史的経過が、いわばほとんど物理的な道路車両という問題だけをとらえて法律が定められていると思います。しかし、問題はさらに化学的な法の対応のしかた、予測されるいろいろな諸問題に対する交通安全と道路関係の対応のしかたという分野がこれからますます大きくなってくると思うのです。たとえば東海村に国道十七号線を利用して放射性同位原素が運ばれている状態であります。こういう特殊なものを運搬する場合に、もしも交通事故でも起こした場合にはどうなるか。これは単に積んでいるものの重量とかあるいは荷物の高さの問題ではない、別な問題が出てまいるはずであります。あるいはまた火薬類とか、ガソリンとか、プロパンとか、チタンとか、メタンとか、そういう特殊な化学薬品と目されるものを運ぶことに対するいろいろの制限規定が当然あるはずであります。これらを、それは建設省の関係じゃないとか、道路法の領域じゃないということで別な法律で定める。しかし、運行する運転者は同一の人物であります。いろいろな問題に同時に対応していかなければならない。したがって、こういう法律改正、手直していく段階の中で、そういう起こり得るようないろいろな化学的な要素を勘案した、総合的な法律を一元的につくり出す必要があるのではないか。今次法改正に伴って、そういうものの考え方をどのように検討されたかという点を御質問します。
  64. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 ただいま御指摘の件につきましては、たとえば原子の運搬であるとか、火薬類であるとか、その他そういった危険物につきましては消防庁の所管になっております。消防庁ないし通産省等がこれを監督することになっておりまして、実は、道路法はそういう規定を設けておらないのが実情でございます。ただ、道路法でそういう規制をいたしておりますのは海底のトンネルでございます。これは、もし事故が発生した場合に、非常に大規模な事故になりますので、それを抑制するために、海底トンネルにおきましては、たとえば関門トンネルであるとか、それから首都高速にあります沈埋トンネルとか、そういうところにおきましては危険物に対する規制を行なっております。   〔委員長退席、服部委員長代理着席〕 その他の道路につきましては、主として消防庁の所管になっておりますので、そちらのほうで取り締まりを行なうというふうになると思います。
  65. 吉田之久

    吉田(之)委員 そのことはわかるのですが、そういうものを組み合わせて一元的な法律をつくるべきであるとはお考えにならないか。そういう試みは全然なされないまま、今後、こういう道路法道路法だけの領域の中で改正を順次試みていこうとするだけでいいのかという問題なんです。
  66. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 おっしゃるとおり十分検討してみたいと思いますが、道路法におきましては、御承知のように、道路の構造を保全することと、それから交通の円滑化という、二つの問題のためにできているものですから、従来海底トンネル程度しか考えておらなかったわけでございますけれども、御指摘のとおり、一本化することは非常に重要なことだと存じます。たとえば警察道路交通取り締まりであるとか、あるいは消防庁の危険物の取り扱いにつきましても関連いたしますので十分各省とも相談いたしまして、そのように前向きに検討したいというふうに考えます。
  67. 吉田之久

    吉田(之)委員 政務次官にこれはお願いをいたしておきますが、いままでの法律の立て方の発想から一歩踏み出して、こういう道路車両等の重要な運行に関する法律というものは、道路法にかかわらないほんとうに一本の法律に総合的にまとめ上げる。運転手は、その法律一つさえ見れば、微に入り細にわたっていろいろ規定されていることが全部了解できるというふうにしてやらないと、これからの社会に対応することができないような気がするのです。そこで、これはなかなか容易な仕事ではございませんけれども、ひとり関係各省庁と連絡をとって、時代はそのようなところまできているのではないかというふうなことで、いろいろと政府部内におきまして総合的な検討をお願いいたしたいと思います。  そこで、今次改正法につきまして若干の御質問をいたしたいと思いますが、まず、この車両という規定は道路交通法によって定められておりますけれども、その車両の中の自動車の中には、いわゆる自衛隊が運行する特車、戦車ですね、その他もろもろの車両も含まれるものだろうと私は思うのです。こういうものに対する規定は今度のこの改正法の内容の対象になっているのかどうか。
  68. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘の自衛隊の車両車両の定義の中に含まれております。しかし、現在の車両制限令におきましては、人命救助であるとか消火活動等の緊急自動車その他の特別の職務のために通行する車両につきましては、重量関係を除きまして特例を認めることとしておりまして、都道府県知事の要請によります災害時の派遣並びにこれに対する部隊訓練のために要します自衛隊の車両についても特例が認められております。現実の運用にあたりましては、運行にかかる車両の形式や日時等道路管理者に通知させることによりまして、道路の構造の保全または交通の危険防止に遺憾のないようになっておるわけでございます。今回の改正におきましても、現在の取り扱いと同様の措置をするようにいたしておるわけでございます。
  69. 吉田之久

    吉田(之)委員 次に逐条的に御質問いたしますが、第二十二条の場合、今度新たに「損傷し、若しくは汚損した」という文句が出てまいったわけでありますけれども、この「汚損」というのは非常に抽象的な表現のように思います。油がかなりまき散らされた状態というふうに御説明なさると思うのですが、かなりといったって、これは一定の量、なかなか測定しがたいものがあります。しかし、その原因者に対してあとの処置を要求しなければならない。この辺のきめ方を現時点で具体的にどう考えておるか。
  70. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 汚損の程度でございますけれども、道路管理者が通常行なっています道路の維持の程度の中に入るならば、これは要求しないことになろうかと思います。と申しますのは、たとえば東京都内でも毎朝一回清掃の車が幹線道路は通っております。その程度で汚損が取り除けるようなものにつきましては損害を賠償させるつもりはございませんが、たとえは大量の油が流れ出して、そのために大ぜいの特殊な人が取り除くために必要になるとか、そういう場合には、それに相当する費用を負担させたいというふうに考えておるわけでございます。
  71. 吉田之久

    吉田(之)委員 よくわかりませんが、これはいろいろと進みながら、この法律を適用しながらできるだけ明快なものにしていってもらいたい。  次に、四十六条の「道路監理員」なんですけれども、私は、ここの「監理員」ということばにどうもひっかかるのです。普通の日本語で言いますと、「カンリイン」というやつは、「管轄」の「管」と「理員」とあるわけですね。ところが、「監視」の「監」と「理」の「監理員」。一方において「管理者」というのがあります。読めばわかりますけれども、聞いたんじゃ国民にはなかなか判別しにくい問題が出てくると思うのです。こういう用語をつくる場合に、まぎらわしい表現は避けらるべきではないか。たとえば、道路監視員と呼んだ場合のほうが、より管理者との区別なんかは明快になってまいります。そういう点の考慮はなさらなかったのか。
  72. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 名称が適切でないという御指摘のようでございますが、従来の道路法道路監理員という制度がございまして、実はあまり監理員が活発には動いていなかった向きがあるようでございますけれども、主として不法占用を取り締まったり、そういうような作業に従事しておるわけでございますが、そういう現行法にありました名称をそのままとっておるのが実情でございます。なお、御承知と存じますが、河川におきましても同じく河川監理員という名前で河川の見回りを行なっておる実例がございます。
  73. 吉田之久

    吉田(之)委員 別に私はこだわりませんが、そういう点あなたのほうもいままでの行きがかりにあまりいろいろとこだわらないで、やはり近代的な、国民の持っていることばに対する概念や感覚に法律用語というものは思い切って合わせていったほうがいいのではないか。またよけいな混乱を生じやすい法律はよく連絡をとりながら、こういう機会に改正されてもいいのではないかというふうに思います。  ところで、その監理員の場合の身分、権能でございますけれども、もちろん国家公務員ないしは地方公務員という身分、そしてここの法律にいろいろと書かれている権能を持ち合わせていることはわかります。しかし、これは、現場において緊急の場合にいろいろと自動車運転者との間にトラブルを生ずるおそれがあると思うのです。警察官がこうした指示をしたり、公務を執行したりする場合は、これは国民感情から申しても、それなりの権威をもって臨むことができるわけでありますけれども、こういう道路監理員の場合、トラブルが生じた場合の任務の遂行のしかたにいろいろと限界や隘路がありはしないか、この問題が一つ。それから緊急の場合に、いわゆる警察官の判断と道路監理員の判断とが食い違った場合、どちらが優先するのかという、この二つの問題についてお聞きします。
  74. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘のように、道路監理員が職務を行なう場合に、もしこれに違反する者があった場合は、公務執行妨害ということでもって罰せられることになるわけでございまして、御指摘のように、道路監理員そのものはそう強い権限を持っておりませんので、やはり警察官等の協力によりまして行なうことがどうしても必要になろうかというふうに考えます。  それから第二点の、道路監理員警察との意見が食い違った場合でございますが、たとえば落石の危険がありということで交通どめをしたいというふうに道路監理員が見た場合に、警察がいやいいじゃないかという意見の相違がある場合があろうかと思いますけれども、この場合は、通常十分相談しまして、一本にまとまって一つの方針を出すわけでございますが、道路に関するいろいろな情報は道路監理員のほうが正確に持っておるわけでございますので、通常、その場合には、道路監理員の意見に従って動く場合ややる場合がどうしても多かろうと思います。したがいまして、われわれとしては、もし意見が食い違った場合でも、道路に関する限りはわれわれのほうの意見を強く主張することになろう、道路監理員のほうの意見が十分に主張されることになろうかというふうに判断しております。
  75. 吉田之久

    吉田(之)委員 想定せられるそういういろいろな情勢に対応するために両者がよりよく協調する。その辺の指導は今後完ぺきを期してもらいたいというような感じがいたします。  それから四十七条で、積載する貨物が特殊である場合、道路管理者許可を受けて運行させることができるはずでありますが、その道路管理者が二つ以上の場合——長距離輸送の場合、二つとか三つじゃない。各都道府県、市町村にわたる場合が出てまいりますが、これらと全部管理者は協議していかなければならない。協議した後にこれを許可をするのか、許可をしてから協議するのか、その間の時間的なズレ、協議に要する時間的な問題ですが、これはどう処理されるのか。
  76. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 管理者が幾つかにまたがる場合に、一つ窓口に資料を出しますと、その窓口を通しまして各道路管理者に対しまして照会いたします。それによって通行の許可を与えることになります。通行の許可を与えてからあとで管理者に通告するのではなくて、あらかじめ連絡しまして許可することになるわけでございますが、ただ、現在、たとえば直轄の国道であるとか、あるいは都道府県のうち主要地方道につきましては、台帳が整備されておるものにつきましては、それらの管理者ごとに交換しておきますと、資料によりましてそれが直ちにわかることになろうかと思います。将来は、これをコンピューターに入れまして、それぞれの管理者窓口で直ちにわかるようにしたいというふうに考えておるわけでございますけれども、当座の間はそういうわけにいきませんので、おそらく三日ないし一週間程度許可までに日時を要するのではなかろうか、当座の間はそういうふうに考えられます。
  77. 吉田之久

    吉田(之)委員 もう少しスピーディに処理されなければならないと思います。  そこで私は、一定の道路と、一定の重量と、その内容の荷物を運びながら絶えず定期的に運行する特殊な荷物、これに対しまして、一回一回そういう協議をしている必要はないと思います。だから、何か許可というのは一回ずつやらなければならないようでありますけれども、しかし、それの長期にわたる一つの了承のしかたはあるのではないか。それから、連日そういう作業が繰り返される場合には、いわゆる五百円の手数料、こういうものもチケット制などにしてより簡便化をはかるとかというふうにくふうはなされてもいいのではないか。もちろん、いまお説のとおり、コンピューター等を採用するということはまことにけっこうだと思いますが、そうしたくふうは考えておられますか。
  78. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 最初の御指摘の、いわゆる路線バス、路線トラックという部類がございまして、同じところを絶えず通行している車両につきましては、これは免許は一年間の免許を与えますので、一年ごとに更新していけばいいわけでございます。それから、主として運送会社と思いますが、ある会社の同じ型式の車が幾つかの道路をほとんど定期的に——しかし、その日によって違うかと思いますが、そういう場合に、そのたびに一一出すことはたいへんでございますので、包括いたしまして、同じ型式の車でどこどこに行くというのを、幾つかの管理者に対する許可がございますが、それも一括して受け付けまして、その場合には、半年間、その指定したルートについてはいつ行ってもいいというふうな許可を出すように簡便化したいというふうに考えております。  それから二番目の、たとえば手数料五百円について、チケット制はどうかという御指摘のようでございますが、これについては現在考えておりませんが、窓口でもって五百円だけ出してもらえば簡便に済むことでありますし、大部分、路線トラックとか、路線バスであるとか、あるいは輸送会社等については非常に簡便になっておりますし、その他のものもそうたびたびございませんので、そのつど五百円程度出していただければいいかと思いますので、チケットは現在のところ考えておりません。
  79. 吉田之久

    吉田(之)委員 時間が参りましたので最後の質問をいたしたいと思いますが、自転車専用道路の場合、「まだ供用の開始がない道路」ということの内容は、どの程度の工事状態の場合までをさすのか。極端に言うならば、たとえ百メートルでも十メートルでも部分的にまだ完全となってない場合は、これも供用が開始されていないというふうに判断しなければならないのか。それから、ある区間を定めて自転車専用道路にしようとする場合に、たまたまその区間の中に自宅や店舗や車庫を持っている人たちの運行は制限できるのだろうかどうだろうかという問題であります。   〔服部委員長代理退席、委員長着席〕
  80. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 最初の、自転車専用道路の「供用開始がない道路」というのは、御指摘のように、用地の買収であるとか、あるいは工事が完了しておらない場合等でございまして、まだ一般の通行の用に供する供用開始の告示がなされていない道路についていうわけでございます。  それから、自転車専用道路を、車庫の許可あるいは店舗のあるようなところに指定するかどうかということでございますが、御承知のように、そういう場合は通常指定しないことになろうかと思います。主として、新たにつくったものにつきまして自転車専用道路を指定することにいたしておりますので、古いそういう道路、特に一般に供用の開始しているようなところ、トラックやバスあるいは普通の車が通っているようなところには、専用道路としての指定はいたさないことになろうかと思います。
  81. 吉田之久

    吉田(之)委員 これで私の質問を終わります。
  82. 金丸信

    金丸委員長 浦井洋君。
  83. 浦井洋

    ○浦井委員 時間がないので三点ほどお聞きしたいのです。  まずお聞きしたいのは、この法案改正案ができたいきさつについてなんですが、建設省のほうとしては、当初、積み荷の是正というような、権限というだけでなしに、駐車違反とかいろいろな面での取り締まりもやれるようにしたいということであったけれども、警察庁のほうが強くそれに反対をされて、結局いまのような形になったというように聞いておるわけなんです。その辺、なぜ警察庁のほうで反対をされたのかという理由についてお聞きをしたいと思うわけなんです。  それで、そうであれば、建設省のほうとして、今回はこうだけれども、将来は、積み荷の問題だけでなしに、駐車違反であるとか、そのほか全体の道路保全、交通安全のための交通規制というようなものについて、この改正でいわれておるように道路管理者に権限を持たしていくように、そういうような方向に努力をされるのかどうか、そういう点をお聞きしたい。  もしそうであれば、さらに時間がないので言いますけれども、どの辺まで建設省として道路管理者に権限を持たしていくおつもりなのか。  その三点についてお聞きしたいと思います。
  84. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 道路管理者の、いわゆる道路管理権と、それから交通取り締まりを行ないます交通規制権との関連が、事務的には必ずしもはっきりとしていない面がございますので今回のような問題が提起されたんだろうと思いますが、われわれ道路管理者といたしましては、まず最初に、積み荷の落下によりまして、後続する車がそれによって大きな事故を起こしている例が多々ございますので——それは昨年の例で申しましても、年間に約百件、約百人近い死傷者が出ております。そういうことで、これをまず第一に取り上げたわけでございます。  それから第二は、いまの御指摘のように、駐車してはいけないところに駐車いたしまして……   〔私語する者あり〕
  85. 金丸信

    金丸委員長 お静かに願います。
  86. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 写真をとったり食事をしたりする人がたくさんございます。これが年間約五万件くらいあるようででございますが、それはただいまのところは直接事故には結びついておりませんけれども、そういう問題がございます。  それから第三点は、車両整備の不良のために、たとえばガソリン切れのために事故を起こしたとか、あるいは水がなくなりましてエンストを起こしたとか、いろいろそういう例がございますのでそういうふうなことによります事故も発生しておりますので、こういうものについても道路管理者取り締まりたいというふうに考えたわけでございます。つまり、いままで申し上げました積み荷の落下物、それから違反駐車、それから車両整備の不良、この三つは道路管理者が取り締まってもいいのではないかということでそういう提案をしたわけでございますが、御指摘のとおり、現在の法案では落下物に対するものだけを道路法改正に入れたわけでございます。これは警察とも合意いたしまして、一応道路管理権ということでこうしたわけでございますが、他の二つにつきましても、われわれは道路管理権と考えておりますので、今後継続したいというふうに考えているわけでございます。
  87. 浦井洋

    ○浦井委員 そういうことで、道路の管理権と、それから警察取り締まり権の関連についてはっきりしない。その問題についてはあとでまたお尋ねしたいと思うのですが、私は、交通安全ということでは、やはり総合的なものの考え方対策を立てなければならぬというふうに思うわけなんですが、やはり道路管理者が権限を持つような方向に、今後、法改正とか法の整備であるとか、そのほかの点で推し進めていってほしいというように思うわけなんです。いまの局長さんの答弁でわかったわけなんですけれども、やはり駐車違反であるとか、あるいは車両整備の悪いものに対する取り締まり、こういうようなものについては自治体の長がこの権限を持つ、それを道路監理員にやらせるというような方向が私は望ましいというふうに思うわけなんですが、その点もう一ぺんお尋ねしたいと思います。
  88. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 ただいま申し上げましたように、落下物であるとか、それから違法の駐車であるとか、整備不良の車両取り締まりにつきましては、われわれも道路管理者の権限というふうに考えておりますので、今後とも警察と折衝いたしまして——特に、高速自動車道等のような、閉鎖されておりまして外から入ることのできないような道路につきましては特にその感が深いわけでございまして、警察とも十分話し合いまして、今回は落下物だけでございましたが、将来はあと二つにつきましても話し合いを進めたいというふうに考えております。
  89. 浦井洋

    ○浦井委員 大臣が来られたのでひとつお尋ねしたいのですが、現在は公安委員会とか警察のほうで交通安全の取り締まりをやるという権限を持っておられるわけなんですが、私、交通安全というのは取り締まりだけではいかぬと思うわけなんです。やはり安全施設をつくったり、あるいは地下鉄、市電、市バスというふうな公共大量輸送機関を整備するとか、あるいはそういう交通安全という観点に立った都市計画を今後積極的に進めるというような総合的な施策の中でほんとうの意味での交通安全が守られるだろうというように思うわけなんです。そうなってきますと、いま申し上げたような権限というのはほとんど地方自治体が持つわけなんでございますので、交通安全についてもやはり自治体に——私、これは提案なんでございますが、たとえば交通対策協議会というようなものを長の諮問機関というような形で設けて、そしてそこへあらゆる層の方々が入ってきて、そして地域の住民に密着したような具体的な提案をする、その提案に基づいて地方の長が権限を持ってやっていくというようなやり方を推し進めるべきだというように思うわけなんですが、ひとつ大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
  90. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 いまの御提案の趣旨は私も賛成です。  そこで、この問題については、関係省庁、国家公安委員会警察それから自治省、わがほうと、十分にいままでもやっておりますが、さらに一歩を進めて、具体的な効果をあけるということ——結局、人命を尊重し、交通事故並びに傷害をなくするということが目的でありますから、そのために関係省庁が協力するためにはどういうふうな手法が一番効率的であり、能率があがるかということだと思いますので、十分にこれは検討して、前向きに進んでまいりたいと思います。
  91. 浦井洋

    ○浦井委員 次に、この改正案内容道路監理員の問題についてお尋ねしたいのですが、先ほども局長さんが言われておるように、この道路法に基づく道路管理権の権限の一部がこの改正案は拡大されたというふうに私は理解しておるわけなんですが、そういうふうに理解していいわけですね。
  92. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 そうでございます。
  93. 浦井洋

    ○浦井委員 そういうことであれば、また警察が出てくるわけなんですが、この改正案をつくっていかれるプロセスの中で、さっき言われた取り締まり権と、道路管理権と、実際上実態としては同じような形態になるだろうと思うのですが、やはりその辺で警察庁から反対があったというふうに聞いておるわけなんです。これは警察のほうがけしからぬと私思うのですが、道路管理権の一部であるということで、ひとつ建設省としてもがんばって警察庁の反対に負けないようにしていただきたいと思うのでありますが、その辺の局長の御見解をお聞きいたしたいと思います。
  94. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘のとおり、われわれも道路管理権の一部というふうに考えておりますので、今回の落下物に対する取り締まりのほかに、違法駐車であるとか、それから整備不良によります車による事故の防止のために今後も警察当局と折衝いたしたいというふうに考えております。
  95. 浦井洋

    ○浦井委員 そこで、道路監理員の問題について少し具体的にお尋ねしたいのですが、いままでのお答えでほぼそういうことにならないだろうと思うのですが、たとえば、道路監理員は権限が今度相当与えられる。落下物であるとか、不法駐車も入ってくる。相当強くなるわけですね。そういう場合に、たとえば鉄道公安官のような身分に変わることがないのかどうか。これは特別司法警察職員ということになっておるわけですが、その点がそういうおそれはないのかどうかという点と、それから私はおそれるのですが、もし鉄道公安官のような形に将来変化するということになれば、非組合員となって、やはり労働組合からも離れる。そして労働基本権が奪われるというふうになる。そういうふうに心配をされておる向きが労働組合の中に現実にあるわけです。その点、現在はこうだ、将来はどうなるのかということをお尋ねしたいと思うのです。
  96. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 高速自動車道のような閉鎖された道路でありますので、外からなかなか人が入ってきたりできないというふうなことから、一部にはちょうど鉄道公安官のように司法権まで与えるべきではないかという議論があるやに聞いておりますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、われわれ道路管理者の側といたしましては、司法権まで道路管理者が持つようなことはとても考えられませんので、そういう検討はいたしておりません。
  97. 浦井洋

    ○浦井委員 ということは、将来にわたって鉄道公安官のような形にはならないということに理解していいですか。
  98. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 そのとおりでございます。
  99. 浦井洋

    ○浦井委員 それでおそらく労働組合の方々も安心されておるだろうと思うのですが、私としてもそういう特別司法警察職員というような形にならないということをこいねがっておきたいと思うわけでございます。  そこで、一つだけ具体的にお聞きしたいのですが、監理員が現在の法改正で権限を持って違反者をチェックするという場合に、違反をした車、人が、指示に従わないような場合には一体どうなるのか。非常に具体的なことなんですが、これをお聞きしたい。その場合に、警察官に通報する、報告をするということになるかもわからないのですが、それでは現在と実態の上ではあまり変わらないのではないか。どこに違いがあるのかという点をひとつ具体的にお聞きしたい。
  100. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘のとおり、従来とはあまり変わらぬじゃないかと言われておりますが、実は、だいぶ変わっておりまして、従来は、たとえば違反した車がございました場合に、それに対する措置命令を出しまして、それに従わなかったときに警察官を通じてやってもらうというような、非常にまだるっこしい方法でございますが、今回は、いわば一発方式でございまして、道路管理者そのものは取り締まることはできませんが、もし違反した場合には、たとえばあなたのはいけないよということだけではなくて、直ちにそれを告発して警察に取り締まることができるような改正になるわけでございます。
  101. 浦井洋

    ○浦井委員 時間が迫ってきておるので、最後の質問に入りたいと思うのですが、四月から新しい道路構造令というものが実施されるというふうに聞いておるわけなんですが、それを見てみますると、人道と車道とを分離するとか、あるいはいままで市街地の中でしか歩道を設置する義務がなかったのが、地方の道路までそういう義務が課せられるというふうに聞いておるわけなんですが、人の通る道、歩道もその一つでございますけれども、人の通る道というものを確保するという点について建設省の基本的なお考えをひとつ聞きたいと思うわけです。
  102. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 道路構造令の話が出ましたのでちょっと触れておきますと、道路構造令はこれから新しくつくる道路、つまり新設、改築する道路に対する構造でございます。ただいまの御指摘は、現在ある道路につきましてやはり歩道を設置すべきであって、人命尊重からも歩道を設置すべきじゃなかろうかというふうに承ったわけでありますが、われわれといたしましても、今度の交通安全対策事業五カ年計画におきましては、最も弱い立場にあります歩行者の安全をはかるために、その設置につきましては十分最大の努力を払って進めていきたいというふうに考えております。したがいまして、狭い道路等におきましては、警察とも十分連絡をとりまして、御指摘のように車を排除するというふうな方法もあろうかと思いますが、歩道の設置できるような場所につきましては、できるだけ歩道を設置いたしまして、歩行者の安全を確保したいというふうに考えておる次第でございます。
  103. 浦井洋

    ○浦井委員 なかなか苦しいお答えだったと思うのですが、具体的にひとつ局長さんにお尋ねしたいのですけれども、都会の市街地の場合、裏通りなんかの場合に、歩道を確保するということを優先したい、そういうことですね。歩道をとってしまうと車が通れなくなる、車道がなくなってしまうというような場合に、それでもなおかつ歩道を優先してとってしまう、車をストップさせるというようなことを原則的にとられるのかどうか。それから、都会の少し郊外なんかへ行きますと、国道でもよくあるのですが、歩道かできておらない。それで歩道と車道とか混合してしまって、実際上二車線の上下の車が通ればもう満員で、自転車も通れない。まして人も通れない。しかもなお人も通ってもよいというような形になっている道路はたくさんあるのですが、そういう場合に、やはり人の通るところを優先的に確保するという点で、たとえはその程度の幅員であれは一車線にしてしまって、そして歩道を確保する、一方通行にしてしまう、こういうようなことも今後行政努力によって具体的にやられるのかどうかという点ですね。この点をお聞きしたいと思います。
  104. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 具体的に、大都市におきます狭い道路、人も車も自転車も通っておるような道路をどうするかということでございますが、これは道路管理者だけではなかなかむずかしいので、警察当局とも十分相談いたしまして、狭い道路につきましては、まず一番いい方法は、車をシャットアウトすることが一番早い方法でございます。そうなりますと一番交通安全になるわけでございますが、それが第一点でございます。それと、さらに場所によりましては、時間帯を設けまして、時間的に車をシャットアウトするという方法か考えられるわけでございます。それか第一の方法でごさいますが、第二の方法といたしましては、それが経済活動に支障を及ぼすというような場合かございますので、その場合には、いわゆる一方通行の方法でございます。これは碁盤の白のような道路がごさいます場合には、一つおきに一方通行にいたしまして、それによりまして、歩道の設直できる場所には設置するというふうな方策かあるわけでございまして、大体大都市におきます狭い道路については、そういう方策が最も適切であるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。  それから、それ以外に地方部のほうに参りますと、これはわれわれの方針といたしましては、従来の道路にできるだけ歩道をつくるようにしたい。特に人家のない場合にはわりあいつくりやすいわけでございまして、これは十分整備を進めておりますが、人家がありましてどうしても歩道をつくれないような場合におきましては、通行量の多い道路についてはバイパスをつくりまして、大多数の車はそちらのほうに流しまして、現道のほうを交通整理いたしまして歩道をつくってやり、安全を確保したいというふうにわれわれとしては考えておる次第であります。
  105. 浦井洋

    ○浦井委員 大臣に最後にお聞きしたいのですが、いま論議を聞いておられておわかりのように、交通安全の仕事というのはなかなかむずかしいだろうと思うのです。そこで、大臣のお考えを聞きたいのですが、詰めて簡単に言いますと、大臣はどちらを考えておられるか。たとえば道路というものを、方程式を書きますと、道路マイナス車道が歩道になるのか、それとも道路マイナス歩道が車道になるのか、どちらを大臣はとられますか。その点をひとつ明確にお答え願いたいと思います。
  106. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 まことに明快ですか、答えはそういうふうに割り切ることがなかなかむずかしいと思います。それはその地区の経済社会状況と関連して考えねばならぬのであって、一般的に道路というものは、まず歩道をつくって、しかる後車道というだけの一般概念規定はむずかしいと思います。要は、人命を尊重し、そうして歩行者に不安をなからしめるということがまず優先的に考えられることでありまして、その方法として、その地区の特殊事情に応じてこれを適用していく、こういうふうに考えておる。ただいま事務当局から御説明した手法が二段、三段とあるのも、それを具体的にその地区にアプライした場合の方法が違ってくる、こういうことであります。
  107. 浦井洋

    ○浦井委員 最後に伺いますが、そういうことなんで、ケース・バイ・ケースでやろうということですね。先ほど経済との調和というようなお話も出てきましたけれども、やはり公害基本法でもその項は削除されておる。だから、私は、原則としてといいますか、相当大部分の場合、私が言いました第二の方程式か優先しなければならぬと思う。これが東京都でも、美濃部方式といわれておるものだというふうに聞いておるわけでありますが、そういう点で、やはり第二の方法をとらなければ、ほんとう交通事故が減らない、交通安全も守られないというふうに思うわけですが、局長さんにもう一言その点についてのお考えを聞いて私の質問を終わります。
  108. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘のとおり、交通事故特に歩行者ないしは自転車通行者の事故をできるだけなくするというふうな基本方針に沿いましてわれわれこの五カ年計画を策定いたしまして、全力をあげて道路構造によって事故を撲滅するような方向に努力したいというふうに考えております。
  109. 浦井洋

    ○浦井委員 けっこうです。
  110. 金丸信

    金丸委員長 以上をもって、本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  111. 金丸信

    金丸委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  内閣提出道路法等の一部を改正する法律案賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  112. 金丸信

    金丸委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 金丸信

    金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  114. 金丸信

    金丸委員長 次に、内閣提出下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
  115. 井上普方

    ○井上委員 先般の委員会におきまして、下水道五カ年計画と地方財政との関係等々につきましていろいろお伺いしたのでありますが、その際十分な資料の提出がございませんでした。あらためてきょう提出していただきたい、このように思うのでございます。
  116. 金丸信

    金丸委員長 ただいま配付した書類につきまして、都市局長から一応の御報告を求めます。
  117. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 ただいまお手元にお配り申し上げました下水道整備緊急措置法の一部改正法案関係の審議参考資料でございます。五項目ばかりの資料を作成しておきましたが、まず一ページをお開きいただきますと、「下水道整備事業費等について」ということで、まず、過年度の事業費の財源内訳それから昭和四十六年度の財源内訳を対比した表を掲げておきました。第一次五カ年計画、第二次五カ年計画、それぞれ事業費、国費、起債、その他の地方費に分けまして、それのシェア、財源関係のシェアを示したものでございます。  第二次五カ年計画で申し上げますと、事業費全体一〇〇に対しまして、国費が二三・五%、起債が四九・四%、その他の地方費が二七・一%、それから四十六年度の予定でございますが、国費が二六・四%、起債が四三・六%、その他の地方費が三〇%、こういうシェアになっております。  注をごらんいただきたいと思いますが、まず「第一次、第二次五カ年計画の地方債の実績」といいますものは、地方債計画額をこえて許可された縁故債等が含まれております。  第二としまして、四十六年度の地方債は、これは準公営企業債は千七十七億でございまして、これに都市下水路の一般会計債二十三億を入れまして一千百億でございまして、したがって、縁故債等の関係の分はこれに含まれておりませんので、過去の計画額はそういうものも含んだものでこの表ができております。したがいまして、一見、ごらんいただきますと、非常に起債のワクが減っているというふうな印象を受けますけれども、今後の事業の実施段階におきまして、この政府債並びに公庫債以外にそういうふうな起債の増額ということも配慮されるということがあろうかと思います。そういうことからいきますと、起債がふえますと、その他の一般の地方費が減ってくるわけでございます。国費はごらんのとおりございまして、第一次からずっと国費の負担割合はふえてまいっております。  それから三番目には、地方費は、これは地方交付税、それから都市計画税、受益者負担金等、そういったものがこれに含まれておるわけでございます。  次に、2としまして、四十六年度しからば起債はどういうふうに改善されたかという表でございまして、まず起債条件でございますが、政府債におきましては、年利率は変わっておりませんが、償還期限が現行二十五年が三十年に延長されております。公庫債は利率は変更ございませんが、償還期限が二十一年が二十三年に延長されております。  次に、二ページをごらんいただきますと、起債の充当率はしからばどうか。これにつきましても公共下水道で申し上げますならば、現行、指定都市、一般都市と分けまして、指定都市は、総体の事業費に対する六一%、一般都市は、補助事業分は地方負担の五〇%、単独分は査定費の七〇%、こうなっておりますのが、四十六年度におきましては、これは指定都市、一般都市含めまして、補助分は地方負担の五割、単独は八割ということで、指定都市は実質的には変わっておりませんが、一般都市の起債充当率はかなりアップされております。  その次に書いてございますのは交付税の改善でございまして、これは別途今国会におきまして交付税法の一部改正法案が出されておりますが、そこにございますように、単位費用のアップがはかられるようになっております。  それから、その次には、公共下水道の補助対象率でございまして、第二次五カ年計画、第三次五カ年計画と対比しておりますが、たびたび本委員会でも御答弁申し上げておりますように、二次が全体で五四%が、三次では五七%になっておる、こういうことでございます。  それから三ページは、第三次下水道整備五カ年計画の財源内訳でございまして、これも予備費一千億を含まないで二兆五千億の総事業費に対する国費、地方費の割合を表示いたしたものでございます。これは備考欄にございますように、地方債につきましては、四十六年度予算案の率を使用いたしておりますので、縁故債等のワク外債は含んでおりません。それから国費欄には、今国会に公害防止関係の地域に対するところの公害防止関係の下水道事業の補助率かさ上げの法律案が提出されておりますので、その関係のいわゆる補助率のアップ、国庫負担率のアップの分はこの表では含んでおりません。したがいまして、それが成案を見ますならば、国費はもっとふえるわけでございます。  それから四ページは、公共下水道事業の財源比率の比較でございまして、これは二次と三次を比較いたしております。公共下水道でございますが、国費が二次が二一・六%に対しまして二二・八%その他の地方費におきましては、二次計画におきましては二七・五%のシェアが、三次におきましては二六・五%でございまして、備考欄に書いてございますのは、先ほど申し上げましたようなことと同じことを書いているわけでございます。  それから五ページは、下水道法の三十四条に基づきますところの補助政令の要綱案を準備しておいたわけでございますが、、(一)に書きましたのは、各事項別、事業種類別に補助率を明記する。公共下水道で申し上げますならば、主要な管渠、終末処理場、それから補完いたしますところのポンプ施設、そういうものの設置、改築に要するものの四割。ただし書きは特例の場合でございます。流域につきましては五割、都市下水につきましては三分の一。  それから、(二)に書きましたのは、問題になりますところの公共下水道の主要な管渠の取り上げ方の問題でございまして、これが今回の政令の一番ポイントになろうかと思いますが、合流式、分流式の場合をまず区分いたしまして、それに対応いたしまして、処理区域の規模、下水排除面積に応じまして、主要な管渠、つまり幹線、準幹線のどこまでを補助対象に取り上げるかということをできるだけ客観的に政令で明記するような案を目下準備中でございます。  それから、最後は、これは前国会、いわゆる公害国会におきまして下水道法の一部改正法案を御審議いただきました際の、一部改正に関連いたしましたところの政令の要綱案でございまして、これは前国会にも資料として提出いたしております。ここから落ちておりますのは、議員修正をもちまして、二十一条の三項、いわゆる有毒物質を生じます汚泥の処理基準がここにございませんが、これは環境庁との行政のからみがございますので、目下環境庁と種々打ち合わせをいたしておる段階でございます。  以上で提出いたしました資料につきましての御説明を終わらせていただきます。
  118. 井上普方

    ○井上委員 まず第一番に、われわれが要求いたしました政令あるいはまた資料につきましては、なるべく早く親切か資料を提出せられるよう強く希望しておくものであります。  もう一つの問題といたしまして、第三次の下水道五カ年整備事業が出されてきたわけでありますけれども、しかしこれは地方費が、かなり地方債は充当されるといたしましても、都市計画税あるいはまたその他の地方費といいますと、一般財源によるところが二七%と非常に多いようでございます。こうなりますと、これから下水道事業も多くなるし、あるいはまた道路事業も多くなる、あるいは都市計画事業も多くなるというようなことで、駒方自治体の財源はかなりきびしくなってくるということが予想せられるわけであります。したがいまして、これらの地方財政は豊かになったとはいいながらも、まだまだ不充分なところがございます。したがいまして、これらの点につきまして、大臣といたしましては地方財政を十分お考えの上でさらにこの地方負担を軽減するような御努力をお願いいたしたいと思うのでございますが、その御決意をお聞かせいただきたいと思います。
  119. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 さきの公害国会のときもこの点は非常に強く要請されまして、また下水道法のときに附帯決議として出されておりますので、十分それを配慮して努力するつもりでございます。  当面は、まず第一に事業量をふやすこと、その次に補助対象率をふやすこと、それから補助率をふやすこと、それから補助率を高くするという段階的な努力をやってまいりたい。これには、わが省ばかりでなく、特に大蔵省、自治省との関係が非常に深いのでございまして、十分に三省間の連絡を密にしながら、お示しの御趣旨の点を実現するために努力いたしたいと思います。
  120. 井上普方

    ○井上委員 私は、最後に申し上げておきたいのでありますが、日本におきましては下水道がなぜおくれておるかということは、これはヨーロッパにおきましてはペストの流行というようなこともございましたでしょうが、しかし、明治以来この下水道関係が非常におくれておる理由は一体何だろうかということを考えてみ、また、終戦後なぜおくれたのだろうかと考えてみますと、やはり、官庁あるいはまた政治そのものが、どうも下水道というものは目に見えないので、目に見える道路であるとか、あるいは建物には重点を置いた、そして、道路の下にある下水というものはあまり見ていなかったというところに一つの原因があるのではなかろうか。このように思われてならないのであります。住民の衛生上の問題、あるいはまた都市生活上の快適さの問題あるいはまた公害防止という面からいたしますならば、下水道事業の重要性というものは今後さらにさらに重大になると存じますので、この点、内閣といたしましてもさらに下水道事業に対しまして重点的な施策を講ぜられるよう強く要求いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  121. 金丸信

    金丸委員長 阿部昭吾君。
  122. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 簡潔に質問いたします。  いま井上委員からもお尋ねがあったのでありますが、前の国会において、本委員会において、きわめて強い要望を附帯決議として採択をしておるわけであります。そこで、その内容をあらためて確認をして、その方向に向かっての大臣の決意を承りたいと思うのであります。  いまも御指摘のように、地方団体の財源という問題が大きな問題である。そこで「現行公共下水道十分の四、流域下水道十分の五、都市下水路三分の一を公共下水道流域下水道各四分の三、都市下水道二分の一の方向で大幅に引き上げること。」次には「現行幹線管渠、終末処理場等限定された補助対象を改め、地方公共団体が設置する下水道施設を、公共下水道、流域下水道、都市下水道の区別なく、すべてを対象とすること。また、補助の採択にあたっては、基準を政令で設け差別なくすみやかに措置すること。」次には「地方公共団体の起債に対しては、起債枠を拡大するとともに、政府情、公庫債ともに、償還期限、据置期限の延長、利率の引下げ等大幅な条件緩和を図ること。」次には「国の財源負担の強化に伴い、受益者負担金制度は検討することとし、当面、一般需要者の大幅軽減に努力すること凶また、「政令で定める悪質な下水を排出する者に対し、その量または質の排出基準を厳守させ、事前に予防効果を確保するため、届出制を許可制に改める検討をすすめるとともにも当面、届出制に対しても厳しい事前調査、改善命令等の措置のもとで許可制と等しい権限を地方公共団体に確保させるようにすること。」次に、水質汚濁防止を確立する問題については「ばらばらな公害行政を改め、国は一元的な機関のもとで強力に監視指導体制を確立する」。次に、前国会で確認された問題でありますけれども、「国又は公共団体は水洗便所の改造義務を課せられる者に対し、融資措置にとどまらず、改造費の三分の一程度を負担し、また、生活困窮者に対して全額を負担できるよう努力し、その助成措置をとる地方公共団体に対し、補助、融資等充分な資金を保証するよう努力すること。」こういうきわめて画期的な附帯決議を前国会においていたしておるわけであります。  四十六年度の予算あるいはいま審議をされております下水道の五カ年計画の問題にいたしましても確かに総ワクとしてはたいへんな前進であり、努力のあとが明瞭であります。しかし、前国会でわれわれが強く要望いたしましたこの決議が、今次四十六年度の事業の中で生かされておるかどうかということになりますと、いまだ道遠しであります。したがって、大臣は、この国民の強い要望に対していかなる決意をもってこたえようとなさっておるか、きわめて前向きな答弁を私は求めたいと思うのであります。
  123. 根本龍太郎

    ○根本国務大臣 一々個条書きについて御答弁することも必要だと思いますが、いま御指摘になったことは、どういう政治姿勢と申しますか、どういう態度で臨むかというところにもっと重点が置かれていると思いますので、事務的な答弁は省略します。  御指摘のように、先般の附帯決議は、おそらく戦後国会でこんな具体的な附帯決議はないと思われるほど強いものでございます。それを受けて、私は、政府部内でも、これは異例の附帯決議である、しかしながらこれは必要であると思う、だから私はこれについて前向きの答弁をいたしましたという旨をはっきり報告しております。したがいまして、これを実施するために、与党並びに政府は強い政治的な責任を感じているのでございます。しかしながら、何しろこれは画期的な条件のものでございまして、四十六年度予算編成にあたって、これが相当程度実現するためには努力したけれども、御期待の点までいかなかったことは私どもの微力のいたすところで、まことに申しわけないと思っております。しかし、政府としては、財政当局も、従来の形から見ればかなり前向きの姿勢をとってきている、これが今度はずっと段階を追うて、この附帯決議を実施する姿勢にいま入った、こう御理解していただきたい。したがいまして、このような附帯決議については、たとえ私がその責任の地位を去っても、当然政府としてこれは完遂するつもりでやることと信じ、また、私も、引き継ぎ事項には十分にこの点を申し上げ、皆さまの御決議に十分に沿うつもりでこれからも努力いたします。よろしくお願いいたします。(拍手)
  124. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 これで終わります。
  125. 金丸信

    金丸委員長 以上をもって本案に対する質疑は終了いたしました。
  126. 金丸信

    金丸委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  内閣提出下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  127. 金丸信

    金丸委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  おはかりいたします。ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 金丸信

    金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  129. 金丸信

    金丸委員長 次回は、明二十四日水曜日午後一時理事会、午後一時十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十五分散会