○吉田(賢)
委員 いまの
お話を伺いますというと、何といいましても、地方のあなたのほうの
機関が一つの中心になって、その他の行政
機関にそれぞれ流しておるという方法がとられておる、そこに重点が置かれているように実は思われます。もっと防災の見地から、予報の見地から気象の異変を知らすという角度から、中央におきまして一種の中央の管理ポスト的なものを独特に設けて、無人観測所というようなものも全国的につくって、こういうようなことでどんどん
予算も要求して、技術者を養成してそういうようなものをつくりまして、これを全国的に合理的に動かしていくという一つの新しいシステムを組んでいくということが、非常に大事なことのように横手から見て
考えられるのですがね。どうもその辺について、一歩前進の面で少し足りないものがあるように実は思うのであります。
被害の面から申しましても、たとえば
警察庁で出した資料によりましても、三十五年の一月から十二月までに人間の被害だけでも千百三十九名行方不明になっておるということになっております。こういうようなことが、毎年このとおりであるとは私は言いません。言いませんけれども、人間の被害、物的被害、財政負担等々から見ますと、気象の異変を掌握するということについての最大な重要な
機関が気象庁なんですから、気象庁の体制が積極的に充実していくということは非常に大事です。
総理が防災
会議でどんなにがんばって音頭をとりましても、これではなかなか動けませんわ。いまお聞きになっておりましたようなああいう状況ですから、完備した資料、一切必要な客観性のあるデータが用意されておるというところまで進んでおりません。したがいまして、あなたのほうとしましては、たとえば農林なら農林
関係で、あるいは港湾なら港湾
関係で、所轄をしておる行政庁に、機動的に打てば響くような体制を用意させるということの根もとになるのは、やはりあなたのほうの流すものなんです。だから、いかにして気象異変を予知するかということ、またその予知に対して基本的にどういうような予報をしたらいいか。百年計画もあるでしょう。百年計画となったら膨大な
予算が要るので、十カ年計画でいくのか、当面は、毎年繰り返すような、そういう災害対策だけで間に合わせておくのか。ということは、今度は財政の問題になってきます。
いずれにいたしましても、起こってからあわてふためいて走り歩いている。人間は流れてしまった、家も流れてしまった、それあと始末だ、あと始末だといって走り回って、そのあと始末で出たのが
予備費の復旧事業の
経費でございます。なっておらぬですよ。
こういうことを
考えますから、われわれは
国会の
予算並びに
決算の審議から見まするならば、抜本的に災害をなくするということの新しい科学的な手法を行政庁としては取り入れるという段階にきておるだろうという観点に立って質問しておるのです。だから、
内閣がどのようになろうと、そういうことにかかわりはありませんし、責任がどこにあるというよりも、これは政治、行政を通じて一貫して全体の責任として追及していかなければならない重大な問題であります。早い話が、今度のロスアンゼルスの地震で千名死んだというようなことで、あわてふためいて東京から飛んでいった人もありますが、いずれにいたしましても、地震の国としても世界で有名だということになりますので、時間がないのであまりそこまで触れませんけれども、気象庁としては、
活動の分野、準備すべき体制、用意すべきいろいろな
機関、それから用うべき手法、もっと合理的に科学的に何か充実していく手がないのかどうか。あなたはひとつ積極的に大胆にそういう要請をすることにしたらどうでしょうか。これなくしては、
ほんとうの予報対策は立ちません。
ほんとうに
予算を効率的に使うことは不可能です。だから、非常に重要なあれを握っておられるのは気象庁です。だから次の段階でもいいから、そういう体制で諸般の対策を立てるというふうにいたしませんかな、どうです。