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1971-06-30 第65回国会 衆議院 運輸委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年六月三十日(水曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 福井  勇君    理事 加藤 六月君 理事 徳安 實藏君    理事 箕輪  登君 理事 村山 達雄君    理事 斉藤 正男君 理事 松本 忠助君    理事 河村  勝君       石井  一君   小此木彦三郎君       唐沢俊二郎君    菅波  茂君       砂田 重民君    關谷 勝利君       古屋  亨君    増田甲子七君       井岡 大治君    井野 正揮君       井上 普方君    金丸 徳重君       内藤 良平君    宮井 泰良君  委員外出席者         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省自動車局         長       野村 一彦君         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         日本国有鉄道常         務理事     原岡 幸吉君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ————————————— 委員の異動 五月二十四日  辞任         補欠選任   石井  一君     中馬 辰猪君 六月三十日  辞任         補欠選任   佐藤 孝行君     石井  一君   久保 三郎君     井上 普方君 同日  辞任         補欠選任   石井  一君     佐藤 孝行君   井上 普方君     久保 三郎君 同日  理事和田春生君同日理事辞任につき、その補欠  として河村勝君が理事に当選した。     ————————————— 五月二十四日  一、陸運に関する件  二、海運に関する件  三、航空に関する件  四、日本国有鉄道経営に関する件  五、港湾に関する件  六、海上保安に関する件  七、観光に関する件  八、気象に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  陸運に関する件(自動車排出ガスに関する問  題等)  日本国有鉄道経営に関する件(地方交通線の  廃止に関する問題)      ————◇—————
  2. 福井勇

    福井委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についておはかりいたします。  理事和田春生君から理事辞任いたしたい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事河村勝君を指名いたします。      ————◇—————
  5. 福井勇

    福井委員長 次に、国鉄常磐線営団地下鉄千代田線との相互乗り入れについて、政府当局から発言を求められておりますので、これを許します。山口鉄道監督局長
  6. 山口真弘

    山口説明員 国鉄常磐線増強並びに地下鉄千代田線との乗り入れ問題につきまして、当委員会で非常に御審議をいただき、また、先般はお忙しい中を御視察をいただきましていろいろと御教示にあずかりましたことを、まず御礼を申し上げます。  この問題につきましては、相互乗り入れ開始いたしましてから約七十日間を経過いたしたわけでございますが、その間、私ども事態推移を着々と見守りつつ対策を立てておるところであります。  そこで、本件の乗り入れに関連いたしまする地元の方々の御要望といたしまして、一つ上野——松戸間、従来どおり運行をし、各駅に停車をするという点がございますが、この点につきましては、北千住——上野間におきまする常磐線腹つけ線増というものが工事技術的にもきわめて困難であるという事情は現在でも変わっておりませんし、したがいまして、その実現はいまのところ非常に困難な状況であろうと思うわけでございます。また、将来はいろいろ検討してまいる所存でございます。  それから、常磐線利用者の便益の増進のための輸送力増強でございますが、これにつきましては、今後とも事態推移を見守りつつ検討を続けてまいりたいと思います。  それから、西日暮里経由の場合でも、従来の日暮里経由と同様の運賃ということで、選択的な乗車をさせてもらいたいということにつきましては、いろいろ検討いたしておりますが、これは現在の運賃制度の上からはきわめて困難な問題でございまして、今後、都市交通全般の問題との関連を考慮しながら引き続いて検討してまいりたいと思います。  それから、ホーム要員等につきましては、朝夕の時間帯につきましては、これまでと同様なホーム要員を配置いたします。また、ラッシュ時間帯以外には、工業用テレビ等十分監視をいたしまして、非常警報装置等も装置いたしておりますので、万全の措置を講じつつある、このように考えております。  なお、開始後今日に至ります輸送状況等を申し上げまして御認識を得たいわけでございます。  まず、従来の我孫子——松戸間でございますが、乗り入れ開始前には列車の本数が十二本でございまして、乗車効率が二七〇%という状況でございました。そのほかにいわゆる中距離電車が四本ございました。それが今回の改定によりまして、我孫子——松戸間が緩行電車といたしまして十四本というふうに若干増強をいたしました。乗車効率は二七〇%から一五〇%というふうに非常にすいてまいりました。さらに、快速電車が十三本そのまま残っております。この快速電車十三本は一五〇%ということでございまして、まず我孫子——松戸間でも非常に輸送力増強並びに緩和がなされたわけでございます。  次に、松戸——北千住間でございますが、これは乗り入れ前は十六本で乗車効率は二五〇%、非常なこみ方であったわけでございます。この間は、やはり中距離電車が四本ございました。これが一九〇%程度でございましたが、それが、乗り入れ開始いたしまして緩行を十八本に増強いたしまして、その結果乗車効率が一六五%ということになりまして、この間の利用者は非常に御便利になったのではないかと私ども考えております。なお、快速電車はこの間十六本というふうにふえました。従来の四本が十六本ということにふえまして、そしてその乗車効率は一九〇%、非常に緩和した姿で運行をされております。  それから、北千住以西でございますが、これは従来二十本でございました。そして二四〇%の乗車効率を示しておったわけでございますが、これがルートが二つに分かれまして、西日暮里北千住間が十八本で乗車効率一五〇%、それから上野——北千住間が十六本で二二〇%という効率に相なりました。  総体といたしまして、輸送力全体といたしましては非常な増強であると同時に、混雑の緩和がはかられておるわけでございますので、事態が、七十日間推移いたしまして、かなり平静になってきたというふうに私ども思いますし、線増の所期の目的を着々達しつつある、このように考えております。  以上、簡単でございますが御報告いたします。
  7. 福井勇

    福井委員長 以上で報告は終わりました。      ————◇—————
  8. 福井勇

    福井委員長 陸運日本国有鉄道経営及び海上保安に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。井上普方君。
  9. 井上普方

    井上委員 総裁にちょっとお伺いするのでありますが、本年度あるいはまた本年中に廃止する国鉄路線はどれくらいあるのでございますか、ひとつ例をあげて教えてください。
  10. 磯崎叡

    磯崎説明員 具体的に検討いたしておりますが、ことしの秋ごろまでに大体結論を得たいと思います。  それから、各地でもっていろいろお話を進めております。いま話が非常に具体化しておるのは四線くらいでございます。兵庫県の篠山線と佐賀県の唐津線の一部、それから徳島県の鍛冶屋原線福井県の三国線が非常に話が具体化しております。その次のランクくらいに——これはこういう席で名前を申し上げるのはちょっといかがかと思いますが、ぼつぼつお話をしておるものもございます。それから、その次にまたいろいろ計画しておるものもございまして、秋口ぐらいには、自動車輸送で代行できるものは具体的なお話をして公にしたいというふうな計画で、現在地元とお話し合いを進めております。
  11. 井上普方

    井上委員 ことしの秋には決定したい、こうおっしゃるのですが、もうすでに鍛冶屋原線のごときは八月一日に廃止したいということだったんですが、それでは話が違うではありませんか。
  12. 磯崎叡

    磯崎説明員 私は、いまそういうように申し上げませんので、全体の計画はことしの秋口ぐらいにきまりますが、すでに五月くらいからお話をしておるものは、いま申し上げました四線で、これは具体的にお話をしているものでございます。一線ずつやっているわけでございます。
  13. 井上普方

    井上委員 それではちょっとお伺いします。「鍛冶屋原線あらまし」という文書が出ておるのですが、総裁、この文書内容全部あなたが責任持ちますか。これは日本国有鉄道四国総局から出されているものです。といいますのは、実は私は質問するにあたりまして、四国総局長をこの場に参考人としてお呼びすることを申したのであります。しかしそのことにつきましては、どうもおたくのほうで都合が悪いというお話でございます。この点、特にこの文書関係について全責任をあなたがお持ちになるのかならないのか、それからお話を進めたいと思います。
  14. 磯崎叡

    磯崎説明員 国鉄名前でもって出ております文書は、私の責任でございます。もちろん、表現その他の問題でいろいろ問題はあると思います。しかし、全般的な責任は私にあります。いやしくも日本国有鉄道という名前で書いてあれば、これは私の責任でございます。
  15. 井上普方

    井上委員 この「鍛冶屋原線あらまし」を私のところへ、この五月八日でございましたか、総局長が持ってきたので、私も不適当だと思われるところはいろいろ指摘したのです。ところがくにへ帰ってみると、これは公文書として地元市町村あるいは県当局にも全部配っておる。私は、これは当然内容を変えておるかと思いまして、実はその文章も拝見したが、一言一句全然変わっておらない。  そこであなたにお伺いするんだが、このパンフレットは御存じでしょう。「はじめに」というところで、「わが国のような狭い国土で、わずかな列車を運転するために、広い土地を占用し、しかもたくさんの費用をつかうことは、国民経済的に大きな損失があります。また地元からみた場合に、むしろ地域発展のさまたげとなっている点が多くみうけられます。」と書いてある。あなたはこのとおりお考えになりますか。
  16. 磯崎叡

    磯崎説明員 これは交通政策の問題で、私が御答弁することが必ずしも適当でないかと存じますけれども、現在運輸省における運輸政策審議会議論、あるいは経済企画庁における総合交通体系議論というものにおきましても、こういうふうな議論がなされております。  ただ、私がここで申し上げておきたいことは、一言一句のことは別といたしまして、全体の考え方として、鉄道というものは過去百年の歴史を持っております。これは技術的に申しますれば、土木技術機械技術あるいは電気技術といったそういう総合的な技術をまとめたものが鉄道である。したがって、鉄道輸送というものは高速の、しかも大量輸送が最も適当であるということははっきりしておると思います。それを裏からいえば、わずかな列車を運転するために広い土地を占有するのはもったいない、こういうような表現になった、私はそういうふうに思っております。
  17. 井上普方

    井上委員 そこでまたもとへ返りますが、私もいままで、石田総裁以来予算委員会あるいはまたこの運輸委員会でいろいろ御質問申し上げたことがある。あるいはまた公式の話として、どういう場合に路線廃止するんだということはいろいろと論議せられたのでありますが、その際に、一つは、地元住民との話し合いで十分予解がついておること、あるいはまた代替輸送が十分なされ、鉄道がほんとうに要らないという気持ちになった場合に初めて廃止するのだ、こういう二大原則がいままでなされておったと思うのです。それは変わりませんか。
  18. 磯崎叡

    磯崎説明員 まず代替輸送の問題でございます。それから鉄道使命が終わったか終わらないかの問題でございますが、これは多少人によって見方は違うと思います。最後の一人まで利用者があるという場合には鉄道使命は終わったとはいえない、これは別でございますけれども、その地域の大多数の交通鉄道以外のものによってなされているという場合には、これはもう鉄道使命が大部分終わったのだといりふうに考えてもいい、私は号、ういうふうに思います。
  19. 井上普方

    井上委員 いや、私が聞いておるのは、いままでおっしゃっておられた二大方針というのは変わらないかということです。
  20. 磯崎叡

    磯崎説明員 したがって、私が申し上げておりますのは、鉄道としての使命がなくなってその地域で要らないということは、いままでの手続でいえば、市町村議会の議決という形で出ているわけでございます。それが出なければ廃止ができないということは変わっておりません。しかし、私の考え方としては、この点はいけないという気持らを現時点におきましては持っておりますが、いまはそのままでございます。
  21. 井上普方

    井上委員 それではまたこれに入りますが、「また地元からみた場合に、むしろ地域発展のさまたげとなっている点が多くみうけられます。」こう書いてありますね。鉄道地域発展に非常な妨げをやってきておる、こう書かれておるのですが、これをあなた方はお認めになりますか。
  22. 磯崎叡

    磯崎説明員 ことばを申し上げるわけではございませんが、「地域発展のさまたげとなっている」というのは現時点のことをいっていると私は思います。したがって現在、たとえばすでにやめました線の中には、ぜひその線路をやめて道路にしたいというふうな話が強いところがございます。むしろ鉄道があるために町が分断されている、過去の歴史、過去の鉄道の功績は認めるけれども、現在はむしろ地域発展のじゃまだということを私はしょっちゅう聞いております。現に、たとえば過般やめました九州の幸袋線などは、すでに撤去をしてその土地道路にいたしております。一方通行片側道になっておりますが、そういう意味で、過去百年間妨げになっていたということでは決してありません。過去には非常に大きな使命を持っていたと思いますが、現時点においては、むしろ鉄道でなくていいんだということがあるということを申しているのだと思います。「なっている」というふうに書いてございますから。
  23. 井上普方

    井上委員 そこはすりかえていただいたら困る。「なっている点が多くみうけられます。」と書いてあるんです。現在はですよ。しかし地元の場合は、鉄道があることによって地域発展が望まれる、こう申しておる地元もあるんですね。また、現在こういうふうに鉄道地域発展妨げておるということになりますならば、その地域発展に対してあなた方は責任をおとりにならなければならないと思うのです。どういう形でおとりになるのです。
  24. 磯崎叡

    磯崎説明員 ですから、この間の高知県のバスの話ではありませんけれども輸送機関が全部なくなってしまってその地域の人が動けない、これは非常に困ったこと、いけないことであります。しかしながら代替輸送機関がある。しかも鉄道よりももっと便利な、手ごろな、停車回数の多い交通機関があるならば、それはその交通機関に変わることは一つの必然的な形じゃないかというふうに私は考えております。
  25. 井上普方

    井上委員 そこで具体的な問題になりますが、この鍛冶屋原線の話になってくるわけですが、鍛冶屋原線があるがために道路改良が著しくおくれた、こう書いてあるのです。五ページに、「鉄道があるため道路整備が遅れています。県道鳴門——池田線のうち、板野——鍛冶屋原間は四五パーセントが一車線区間であり、また、鍛冶屋原線があるため改良工事進ちょく率は上板町十三パーセント、板野町ではゼロと他の地区に比べて大幅に遅れています。」これは鍛冶屋原線があるがためにおくれたとするならば、鉄道はどんな責任をとるのです。
  26. 磯崎叡

    磯崎説明員 この点が、先ほど申し上げましたように、多少表現が、ことばの端では十分でないという点はあるということを私は申し上げた点であります。もっと具体的に申し上げますれば、私は常日ごろこういうふうに申しております。いまいろいろ道路にばく大な金が使われている。そうして私どものほうから見れば、幹線道路、六車線、四車線ハイウエーをおつくりになることもけっこうだけれども、同時に市町村道整備をぜひしてほしい。これは建設省にいろいろな形で私、申し入れをいたしております。市町村道整備することによって、たとえば舗装率も上がってくる、市町村交通も便利になる、そうすれば、それで住む人も便利になるということから、六車線、四車線の大ハイウエー整備と同時にぜひ地域市町村道整備をしてほしい。そうでございませんと、逆に大輸送道路で、ローカル輸送鉄道ということになるわけでございます。これは私は輸送形態としては逆ではないかと思います。  そういう意味で、たとえば北海道の例などで申しますと、冬季大幹線道路は除雪されるけれどもローカル線道路は除雪されない、そうして大幹線バス、トラックが自由自在に動くけれどもローカルは動かない、したがって、ローカルのほうは鉄道輸送するというふうな現象が起きていることは御承知のとおりでございます。したがって私は、市町村道整備をぜひやってほしいという意味で言っておりますのを、こういうふうな表現をしたのだというふうに思っております。  同時にこの地域、多少私も土地勘がないわけではございません。もし鉄道がなければ、あの鉄道を一方通行にして、ほとんど並行している道路があるのは先生承知のとおりでございます。したがって、両方一方通行道路にすれば、うんと交通は便利になるというふうに私は思います。
  27. 井上普方

    井上委員 総裁、昔から顧みて他を言うということばがある。あなたのいまのお話は、顧みて他を言うということばそのものなんです。県道をつくるのは国鉄仕事なんですか。県道を拡幅する、あるいは改良するというのは県の仕事なんです。この書き方はそこに問題があるのですよ。これは根本的に考えが間違っているんじゃないですか。「鉄道があるため道路整備が遅れています。」とはっきり書いてある。これは表現が適当でないとかいうような話じゃないじゃないですか。この文章のとおり地域発展にそれほど鉄道がじゃましておった、こうお認めになるならば、鉄道はどういう責任をとるのです、この地域に対して。いままでのおくれさした原因がそこにあるなら、どういう責任をいまとるのです。
  28. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点は、五ページのことをもう一ぺん七ページで繰り返していると思います。七ページに、鉄道廃止した場合にはこうなるということが、道路との関係で一、二書いてあります。もちろん、私は建設大臣でもございませんし、県道責任もございませんが、ただ同じ交通業者として、道路はこういうふうに整備してほしいということを国鉄総裁として言うことは、私は差しつかえないと思います。したがって、建設省に対してもそういうお願いをいたしております。  したがって、私のほうがいままで阻害していたというのではなしに、現時点においてはもう要らなくなったということをここにおいて書いてある、こういうふうに思っております。
  29. 井上普方

    井上委員 要る、要らぬはこれから論議します。あなたのお話によれば、この七ページにも、「道路整備が大幅に促進されます。」とある。それでは国有鉄道道路建設のために一体幾ら金を出すのです。はっきりしてくださいよ。
  30. 磯崎叡

    磯崎説明員 これは、過般御協賛いただきました予算の中にも若干予算がついております。これは買収補償的な予算もついております。これも初めてでございますけれども、そういうことはこれからやられることになっているわけでございます。これは国会で御審議願ったことで、御承知のとおりでございます。  それから、全般といたしましては、もちろん権限は持っておりませんが、いろいろ道路建設省と折衝する場合がたくさんございます。そういう場合に私のほうとしての要望をする、鉄道をやめればその地域が因るから道路整備をしてほしいということで要求するということは多々ございます。
  31. 井上普方

    井上委員 あなたが国鉄総裁として要求するよりも、われわれ地元としては建設省に盛んに要求しておりますよ。しかし、これはあなたのほうで幾ら出すのです。二十億くらい出すのですか。「大幅に促進されます。」という以上、鍛冶屋原線のこの道路整備に幾ら出すのです。そうしてまた、いままで鉄道があったがために道路整備がおくれています、こうおっしゃる以上は幾ら金を出すのです。今年中に二十億くらい出すのですか。
  32. 磯崎叡

    磯崎説明員 まだ出す金額はきめておりませんし、金額総体は、先生も御承知のとおりに予算できまっております。
  33. 井上普方

    井上委員 予算は幾らあるのですか。
  34. 磯崎叡

    磯崎説明員 ですから、過般国会で成立いたしました予算の十六億の中でございます。  ただ、私が申し上げたいのは、何も全額国鉄が出すという意味ではなく、たとえば国鉄の用地を使うという問題もございます。これは金なしに使う。たとえば、根北線にいたしましても幸袋線にいたしましても、すでに鉄道線路も撤去して、そのあとを安く払い下げて道路に使っておりますし、これは金の問題ではなく現物の問題でございます。そういうこともあるということで申し上げたのでございます。
  35. 井上普方

    井上委員 私は、「鉄道があるため」というこの文章を言っているのですよ。この文章は、あなたが責任を持つとおっしゃるから私は聞いているのだ。「鉄道があるため道路整備が遅れています。」こう書かれている。あなたのお話によれば、それを受けて七ページに書いてある。鉄道廃止した場合には、「道路整備が大幅に促進されます。」こう書いてある。しかし、あなたがおっしゃいますように、あの地形をお考えになったときに、鉄道があるために道路改修がおくれておるということはいえないのです。この道路改修がおくれておるのは、はっきり申して知事の責任なんです。ところが、あなたはこれは鉄道責任だとひっかぶっておられるから、ここで責任を負っておるのでしょう。こう書かれた以上は、それのために国鉄幾ら金を持つのだと、あなたがそう言うから、この文章から聞いているのです。ところが、あなたはそれを十六億ある中から出す、こうおっしゃって、道路整備をするために幾ら出すかもおっしゃらない。国鉄とすれば、いままで道路整備をおくらしてきた責任があるのだから、当然道路整備のために全額金を出して、早く道路整備をするくらいの責任があるでしょう。このことばからすると、いままで道路整備をおくらさしてきたのですよ。どうなんです、いままでの責任からすれば全部やらなければならぬでしょう。
  36. 磯崎叡

    磯崎説明員 その点は、先ほど冒頭に私はっきり申しました。それは一字一句私は見たわけではございませんが、表現の細部にわたりましては、それは適当でない場所もあるということを冒頭に私が申し上げました。しかし、これは必ずしも不適当と思いませんし、これをさらに七ページでふえんしておるというふうに私は、言っておると思います。この部分だけをごらんになれば、なるほど鉄道はいままで地域の開発をじゃましておったというふうにごらんになるかもしれませんが、全般的に見れば、鉄道をやめれば、そのやめた土地道路に使えば十分道路整備はできるというふうにとれると思います。
  37. 井上普方

    井上委員 あなたのほうの鉄道なんですよ。しかもあなた、これは枝葉末節部分じゃないのですよ。この文章全体を読んでごらんなさい。枝葉末節部分じゃないから言っておるのだ。まん中にも書いてあるように、「道路整備と定期バスの現状」のところでも、「鉄道があるため道路整備が遅れています。」と明言してある。一番最初に書いてあるのですよ。その次に七ページにくると、「道路整備が大幅に促進されます。」と、こう受けているのだ。だから、当然この文章の裏づけ、これであなたのほうは地域住民に対して説得をしておる。また、私らのところへはこれでどうでしょうかと持ってきた。不届きじゃないかと鉄道局長に言ったところが、注意したにもかかわらず同じ文書を出しているんだよ。これは枝葉末節ことばが適切じゃないだの何だのと言っているものじゃないじゃないですか。これが主要な柱になってこの「鍛冶屋原線あらまし」なるものが出されているんじゃないですか。磯崎さんも徳島生まれの方、私も徳島なんです。そして私は、徳島弁が入るかもしれないが日本語をしゃべっているつもりです。日本語をまともに読んでいるつもりなんです。あなたのお話によるとどうも末節にこだわっておる。どこに末節にこだわっているのですか。表現が悪いというのはどこが悪いのですか。このパンフレットの本筋がそこにあるのじゃな、ですか。私は日本語でしゃべっているのですよ。日本人として常識的にこれを読んでいるのですよ。どうなんです。
  38. 磯崎叡

    磯崎説明員 先生のおっしゃることは、私よくわかって拝聴して御答弁申し上げておるつもりでございます。もちろん私、先生から御注意のあったことは実は知っておりませんでした。それははっきり申し上げます。その点を御注意を受けたことは私は知っておりません。しかしながら、先生から御注意を受けて、そして自分でそう思ったら、これはまたもっと表現を直すべきだった、もっと誤解のないような表現にすべきだったと私は思います。  しかし、私どもから見て、現地の連中のぜひ合理化をしたいという気持ちがわからないわけでもないので、これを読めば、表現の問題として七ページの字句でもって大体読めるというふうに私は思っておるわけです。しかし、先生から御指摘を受けて、どうも表現が必ずしも適当でないことは私は認めます。しかしながら、全然いっていることがでたらめだ——ここでいいたいこと、五ページでいわんとしていることは、鉄道をやめてそれを道路にすれば、もっと道路がよくなりますという意味のことをいいたいのだと私は思っております。
  39. 井上普方

    井上委員 あなたは文学者を御親戚に持っておるので、非常に内容も眼光紙背に徹するといいますか、これくらいの厚さのところを奥から奥へえらい政治的な発言をされる。これをわれわれは常識人として考えた場合、この文章を見てごらんなさい、誤解もロッカイもありますか。委員長、ひとつこれを全委員に配付していただけませんか。もっと用意しているでしょう。それくらいのことは委員に配付していただいて、このパンフレットはどこが中心になっているか見せていただければ、日本国有鉄道というのはいかにも日本語をよう知っておるわい、ともかくそこまで読ませるようなパンフレットを地域住民に対してばらまいたのか、あなたのおっしゃるとおりであれば深謀遠慮もはなはだしい、こう思うでしょう。私はこの文章を全くそのとおり読んでいるんだ。私はまことに性善なるがゆえにすなおに読んでおる。すなおに読むと、「鉄道があるため道路整備が遅れています。」それに続いて今度は、「道路整備が大幅に促進されます。」とあります。それを促進するのは、それでは一体だれがやるのかといいますと、あなたの国鉄がやるんですかというと、これは県がおやりになるそうです。しかも、県はこの鍛冶屋原線廃止に対して反対の議決をしておる。これはお知りでございますか。お知りですね。お知りになった上で「道路整備が大幅に促進されます。」こうやる。御本人は徳島県。県道ですから他力本願です。やめるのは八月一日です。あと一月ですよ。そこのところをお考えになってください。あなたのほうがこれでいっておるのは、八月一日からやめるといっておるのですから、それじゃ予算は幾ら出すのだと言いますと、まだそれも検討していない。  建設省に私も聞いてみた。これについてどうなっておるのだ、いや、国鉄から何らお話がございませんという話だ。これはどうなっておるのだ。
  40. 磯崎叡

    磯崎説明員 実は、建設省とは内々打ち合わせをいたしております。これは建設省のどこの局にお尋ねになったかわかりませんが……(井上委員道路局だ」と呼ぶ)道路局と打ち合わせまして、私どものほうといたしましては根北線、川俣線、篠山線唐津線、高森線の五線区については、今後、建設省でも道路計画を作成することになっているから、現地でも関係方面と連絡をとれ、こういうような通知を現地のほうへ出しております。ですから、建設省のほうで全然知らぬということはないと思います。
  41. 井上普方

    井上委員 現地と連絡をとれという指令をあなたは出したと言う。指令を出したからそのとおり県のほうへ行ったらしい。四国総局に県の総務部長は何と言いましたか。これはわれわれ五月十二日に県の総務部長、土木部長と会って話をした。その計画は実は持っておりません、こう言っておるのだ。いいですか、持っていないと言っておるのですよ。私もきょう道路局長と話をした。それは廃止するということは聞きましたけれども道路計画については話を聞いておりませんと言っている。あなた方はうそを言っているのですよ。とにかくいままでの国鉄というのは、地域住民に対してはこんな無責任体制でやっておるのですか。何をやっているのだと言わざるを得ない。  それからその次の七ページ、「道路整備が大幅に促進されます。」その次に、「また鉄道廃止した場合に道路予算が増額されることは、北海道の根北線や、群馬県の太子線の例でもあきらかです。」他力本願です。国鉄が銭を出してやるならともかく、全部建設省のお仕事でございます、あるいはまた県のお仕事でございますという書き方をしておる。それじゃ建設省との話し合いはどうなっておるのか、これをひとつ明確にしていただきたい。八月一日にやめるのですからね。もうすでに予算もついて、この道路改修には幾ら幾ら銭を出すのだ、いつから工事にかかるのだということが明確でなければならぬ。この点どうなんです。
  42. 磯崎叡

    磯崎説明員 それは、御承知のとおり鉄道施設をとったあとを道路にするということでございます。したがって、とらなければ道路にならぬわけでございます。ですから、十六億の予算の中で今後具体的に地元と折衝して建設省にお願いしてやる、こういうことでございます。
  43. 井上普方

    井上委員 ようわかりました。それほどまでに無責任体制がはなはだしいとは、私も感じ入った次第なんだ。というのは、この板野駅から板野の町はずれまでは大体七百メートルある。先日も私は選挙用の車に乗って走ったが、ちょうどラッシュにひっかかった。そうすると、その間二十五分かかるのです。朝夕の二回ラッシュがある。ところがこれを廃止するならば、さらにひどいラッシュが来ることは明らかなんです。この対策は一体どうなるのだ。道路の混雑はさらにひどくなるでしょう。これはどうなるんだ。千九百人の定期の乗降客がおる。これは全部ともかくラッシュ時におりるのだ。おりた場合に、それを輸送するのにバスが何台要るのです。それが狭い道の中に入ったらどうするのです。一車線ですよ。七百メートルぐらいのところをおそらくぎっしり、バスが七、八台は要るでしょう。そうなったときにそこがどうなるのです。おそらく一時間もかかるようになるのです。私らそういう感じがする。これはどういうように解決するのです。
  44. 磯崎叡

    磯崎説明員 具体的な点でございますから、担当の者が御答弁いたします。
  45. 原岡幸吉

    ○原岡説明員 バス輸送をした場合に、板野町の板野駅前は非常に交通渋滞が起こるのじゃないか、こういうことでございます。その点につきましては、一応そういうふうに考えられるわけでございますけれども、実験例といたしまして、六月の十五日に集中豪雨がございまして鍛冶屋原線が不通になりました。したがいまして六月十七日に代行輸送といたしまして、国鉄バスとそれから徳島市営バスと鳴門市営バスと三つのバス会社を使いまして、一番のラッシュのピーク時には五両続行でもって運行いたしました。そうしましたところが、平均二十一分で運行された、こういう実績になっておりまして、その実験例からいたしましてそう著しい交通渋滞はないんじゃなかろうか。それで全部わかったというわけではございませんけれども、そのような実験例はございます。
  46. 井上普方

    井上委員 人をばかにするのもはなはだしいということばがそのとおりです。その十七日には徳島バスはストライキをやっているんだ。ストライキをやっておるときの最中なんだ。それであなたのいま出してきた車は徳島バスだ、鳴門バスだ、そういうようなものばかりでしょうが。何を言うんだ、あなたは。
  47. 原岡幸吉

    ○原岡説明員 私、利用したバス国鉄バス、徳島市営バス、それから鳴門市営バスと申し上げたのでございます。
  48. 井上普方

    井上委員 徳島バスは入っておらないでしょうが。徳島バスはストライキの最中なんだ。徳島バスがそこで朝晩に動いている。この回数でこれだけ動いておるんだ。ふざけた実験例出しなさんなというのだ。
  49. 原岡幸吉

    ○原岡説明員 先生、ちょっと私の御説明が悪いせいか、御理解されていないというところがあるんだと思いますが、実は徳島市営バス、鳴門市営バス国鉄バスでもってこの鍛冶屋原線の代行輸送をやった、こういうことでございます。
  50. 井上普方

    井上委員 わかった、わかった。代行輸送をやったけれども、常時のラッシュのときと様子が違うんだ、このときは。普通は徳島バスはそこをしょっちゅうラッシュで動いているんだよ。いいですか、動いているんですよ。それがストライキをやって休んでいるときの実験例をもって、何だできた、できたと言ったって、普通の状況じゃないときです。その狭いところに、徳島バスは七百メートルぐらいのところに五、六台入っているんだ。その上へもってきて代替輸送の車が、あなたのお話によると徳島市営バスと鳴門市営バス、こういうものを入れたとおっしゃる。常時の状態のところへ余分に入れたというなら話はわかるよ。片一方、本体が抜けているところへ進駐軍みたいに入ってきて、それで動かして、全くあたりまえの状況の実験例でございますなんと言ったって、ふざけた実験例を出して、何言っているんだよ、あなた。そんなんであなたたぶらかそうといったってたぶらかされない。知らない人ならともかく、実情を知っている者なら、ふざけた話をしなさんなといわざるを得ぬじゃないですか。
  51. 原岡幸吉

    ○原岡説明員 実情をきわめて正確に知らない面あるかと思いますけれども、徳島バス運行されておりませんので、その部分も代行輸送で運ばれておる、このように私は推定いたしております。  それからなお、鍛冶屋原線が不通でございますのでその分を道路輸送しておるということでございまして、なるほどふだんの状況とは違いますけれども、一般の道路輸送に流れる量は、ふだんよりも特に少ないというほどではないと私は判断いたします。
  52. 井上普方

    井上委員 特に少ないんだよ。あなた、少ないんだよ。全部推定でものを言っておって、これはともかく事実に立脚した話をしてもらわなければならぬ。あなたのお話だったら、推定推定と言うが何が推定だい。あの当時にはあそこではストライキをやっておった。でございますので肋骨道路のほうへ全部走ったんだ。いいですか、それで乗客、通勤者は非常に少なくなっている時期、この県道を通る乗客が非常に少ない、そのときに何の予告もなしにおたくはやった。いいですか、状況は普通と違うのですよ。そういうような実験例、これであなたもおわかりになっただろうと思う。あれで正確な試験ができましたというような四国総局だから、こんなパンフレットを出すんだよ。表現が不十分であるとか、誤解だのロッカイを招くような文章じゃないじゃないですか。見てごらんなさいよ。  そこで、運輸委員に全部このパンフレットを差し上げて、ほんとうに批判してもらったらどうです。これが正確、まともな文章かどうか、あなたのおっしゃるように枝葉末節の問題か、それともそれがこのパンフレットの骨子になっておる問題か、国鉄の方々は全国会議員にこれを出す必要があろうと思うのだ。お出しになるお考えがありますか。どうです。
  53. 磯崎叡

    磯崎説明員 ちょっと、私の申し上げたことははっきり申し上げたわけではありませんで、私は枝葉末節ということばは使ったことはございません。私が枝葉末節について云々というふうに言ったとおっしゃいますけれども、私は表現について申し上げたわけであって、枝葉末節ということばは使っておりませんので、その点ははっきり誤解のないようにお願いいたします。  またこのパンフレット、いま手元にはございませんが、御要求があれば皆さんにお配りいたします。
  54. 井上普方

    井上委員 それでここにも書いてありますね。この鍛冶屋原線は、「県道鳴門——池田線のうち、板野——鍛冶屋原間は四五パーセントが一車線区間であり、」一車線ですよ、でこぼこ道の。それで「鍛冶屋原線があるため改良工事進ちょく率は上板町十三パーセント、板野町ではゼロ」こういう実態だ、こう書いてあります。このとおりです。そこへ八月一日にいきなりこれをやめる。千九百人に及ぶ通勤通学者がどっとこれに集中する。これで解決できますか。まさにこれこそさらに混雑はひどくなるでしょう。それよりもむしろ道路整備、たとえばあなたのほうでやっておる唐津線、私はこれは道路局で調べてきた。唐津線のごときはそれを補う道路が、二十一メートルですかの道路がきちっとできつつあるではありませんか。ところが、これについては全然できていない。これで八月一日やろうとするのですか。まずこれが第一点。唐津といえば佐藤内閣の大番頭保利さんの地盤、生まれたところ。この鍛冶屋原線という、上板というところは三木武夫さんの足元、生まれた隣だ。ここに政治的なにおいもないでもない。片方保利さんのところは二十一メートルのりっぱな道路を新しくつくっている。ここには全然その計画もない。それであなたは八月一日実施だといって、この住民の諸君はどうなるのです。  それからもう一つ、あなたのほうの廃止する場合の二大原則、まず地域の住民が納得するということがあった。これだって徳島県議会は反対決議をしている。最も利害関係のある上板町議会は反対決議をしておる。住民の了解は全然得ていないということが一つ。  代替輸送は、かくのとおり廃止することによってさらににっちもさっちも動かなくなるあの板野町の状況考えるとき、まさに代替輸送はゼロにひとしい。ゼロよりもマイナス要素がはなはだ大きい。こういう中で八月一日あなたは実施するのですか。これが一つ。  このような文章を書き、かつまた注意したにもかかわらず、そのまま出しておるこの四国総局長に対しては、あなたはどういう処置をとるのですか。適切な処置をおとりになるお考えかどうか。これが一つ。  それからもう一つは、総局長ぐらいえらい人になっても、やはり研修というのはあるのかどうか。この点ひとつお伺いしたい。
  55. 磯崎叡

    磯崎説明員 いまの御質問でございますけれども、御承知のとおり、これは諸先生方もお聞き願いたいと思いますが、この鍛冶屋原線の約六割を占めております板野町という町がございます。これはすでにことしの五月に廃止賛成の決議をいたしております。したがいまして、いま先生のおっしゃいましたいわゆる町の混雑状況板野町の中でございますが、板野町のほうはすでに私のほうに議決書をいただいております。また徳島県議会については、私のほうの調査では、先生のおっしゃったようなはっきりした反対決議をいたしていないというふうに私は聞いておりますけれども、その点は私もう一ぺん調べてみます。しかし私ども調査では、何かそういう話が出たけれども、県議会として議決したということは私ちょっと聞いておりません。その点はきょうは調べてまいりませんでしたので、帰ってもう一ぺんさっそく調べます。県議会としてそういう正式な決議をしたものかどうか、委員会で話が出た程度なのかどうか、その点は私も調査いたします。(「板野町は十七人しか使っていないんだ」と呼ぶ者あり)まあその駅は四つございますので、各駅ごとの乗降人員は持っていませんが、板野町十七人ということ、これももう一ぺん調べます。(井上委員調査不十分じゃないか」と呼ぶ)いまここでその各駅ごとの乗降人員の調査は持ってきてないということです。もちろん調査した、ただ、いま手元に持ってないということを申し上げたのであります。  それから、これはどの地区でもそうでございますけれども、この道路整備するにあたっては、いまの県道を拡幅するのは非常にむずかしいというふうに私は聞いております。だからやはり、もし鉄道廃止するならば、鉄道路線線路敷を道路にするのが最も適当であるというふうに、これはどなたが考えてもそうおっしゃるし、一車線は十分確保できるわけでございます。これは、鉄道線路は幅は狭うございますから、一方交通の一車線になるわけであります。ですから、現在の道路鉄道線路敷とを互い違いに使って上り下りに使うわけです。それで二車線になるというふうな計画、これは現に廃止したところでやっておるわけでございます。ですから、これはそうおかしなことではないと私は思います。問題は、その鉄道廃止して何カ月間にそれが道路になるかという問題だ、私はそう思うのであります。ですから、廃止した翌日から線路をひっぱがしてすぐ道路というわけにはいかない。しかしながらすぐ工事を始めてやれば、ちょうど夏休み中でございますから、わりあいに学生も少ないというふうなことも考えた上で八月というタイムリミットをきめて、地元といろいろお話をしているわけであります。もちろん、一カ月で全部できるということは、私も技術者でありませんから申し上げませんが、極力早く線路を撤去して、そして値段その他は別といたしまして、早く地元に使っていただくというふうな交渉をなるべく早く進めたいというふうに私、思っているわけでございまして、また八月一日をめどといたしませんと全部が全部おくれてしまうということになりますので、極力そういうふうに話を進めて、関係方面との話も進捗させていきたいと思っております。  それから、次の御質問でございますけれども四国総局長の問題でございます。もちろん、私は表現に不適当なところがあるということを申し上げたとおり、その点は十分戒めておるというふうなつもりでございます。もし間違いがあればこの訂正版を出さして、地元の方にお配りいたします。
  56. 井上普方

    井上委員 研修はあるのですか。
  57. 磯崎叡

    磯崎説明員 研修につきましては、これは管理者として、総局長でも管理局長でも東京に寄せまして研修いたします。
  58. 井上普方

    井上委員 あなたおっしゃいますが、板野町が七割、そのとおりです、面積にすれば。しかし、一番関係あるのはここではなくて上板なんですよ。しかも、板野町の説得にあなた方はどういううまいことを言っていますか。予算は必ずつけますよ、道路改修に、それはたっぷりつけますとあなた方は言っているんだ。町議会の議員に私の友人がおる。それから私は話を聞いているんだが、道路をつくるにはたっぷりと予算をつけて十分やりますというお話をしている。ところがあなたに聞いたら、一体それに要する金というのは何もしてないじゃないですか。建設省と交渉するんだ。これから交渉するのでしょう。建設省がこの鍛冶屋原線廃止するのは、この間聞いたのだから。五月ぐらいに聞いたのだから。予算はもう個所づけは済んでいるのですよ。そういうところでやろうといったって、これは八月一日なんてむらや言いなさんなということです。こんなでたらめなやり方をともかく国鉄はやろうとするのだ。まことにもって不届きしごくといわざるを得ない。地元の町民の納得は得てない。これがまず第一だ。これは県議会も上板町議会も反対決議をしておる。代替輸送は全然できていない。この中で八月一日にやることについて、あなたはまだこれを強行しようとするのですか。その点もっと調査をしてやるつもりなのか。そこらのところをひとつお伺いしたい。
  59. 磯崎叡

    磯崎説明員 御答弁申し上げます前に、建設省と話をしたのは昨年の十月でございます。最近じゃございません。その点ははっきり申し上げます。したがって、私のほうから出しました書面は、昨年の十月十五日でございます。  それから、いまおっしゃいましたいろいろな事情あることは私は存じております。しかし、先ほど申し上げましたとおり、やはりめどをつけて仕事をしないと仕事は進まないということで、私は極力地元に対して八月一日に実施できるように説得方をいたします。八月一日をめどとしてやるという方針は変えておりません。
  60. 井上普方

    井上委員 しかし、客観情勢としてこれはできるわけはないじゃないですか。客観情勢としてあと一カ月でできるわけないじゃないか。代替輸送がどうやってできるのです。磯崎さん、あなたは徳島の方だから、ひとつ板野町へおいでてごらんなさい。板野町のあの町並みを見てごらんなさい。改良工事ができていない。どんなひどいところか。せんだってもわが党の調査団が行かれて、あまりにもこれはひどいじゃないかということになったのです。あそこをあなたはお歩きになってそして見たときに、これじゃ無理だという感じをあなたはお持ちになると思う。持たなければ、あなたは交通体系の一人としての資格は失格すると思う。それほどひどい。そこへ持ってきて代替輸送ができるのだ、何を言ってるんです、これは。代替輸送は全然できていない。あの実態の中からできないじゃないですか。それで唐津線のごとくバイパスができて、百歩譲ってもバイパスが十分にできた上でなければ、私は問題にならないと思う。これを八月一日に実施するというこのあなた方のお考え方というのは、まさに私としても納得いたしかねる。これから私もくにへ帰って、反対運動の急先鋒に立って、現状のまま、あなたのおっしゃるままであればやることをひとつ宣言しておく。  委員長、これで終わります。
  61. 福井勇

    福井委員長 関連質問として井岡大治君。
  62. 井岡大治

    ○井岡委員 総裁、問題は県当局道路計画がないということなんです。これが第一点。したがって、かりにあなたの言うように、めどをつけてやらなければ仕事が進捗しないということ、このことはぼくは論理的にはわかるのです。しかし県当局道路計画がないということ、これがまず第一点です。だから、いわば廃止のほうが先行をして、そしてその可能性から、裏から、これが廃止した後こうなるのだという、こういう答えが出ているのですね。ここに大きな間違いがあると思うのです。だから、ここの点について総局自体は考えることが第一点だと思う。   〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕  それから、廃止後における代替輸送を指定しておるその会社は、これは運輸当局がわかるはずです。いまにもパンクしそうな会社なんですよ。その会社は高知県の県交通の次に来る会社なんです。そういうところと問題を煮詰めようとしておられるところに住民の不安というものが依然として残っておる、こういうこと。したがって、やはり県当局なり運輸当局、自治省が過疎地域における通勤通学の交通対策をどうするのだということを明確に打ち出されてない、これがまず第二点。  それから第三点は、あまりにも総局それ自体が板野町の住民だけを対象にしている。十七人ということですが、板野町の町長が私たちに説明をしたことは、通学が七人、通勤が十六人、二十三名です、こういうことです。この人を対象に利用価値は全然ないという判断のしかたをされておる。これは総局の調査室のなにも来ておいでになりましたから、それはよくおわかりだと思うのです。そこらのところが少しもどういうわけか正確に判断をされておらない。そこに問題があると思うのです。  ですから、私はめどをつけておやりになるという気持ち、その気持らはわからぬことはありませんけれども、八月一日の実施などということはこれはとうてい不可能なことです。それよりはむしろこれらの問題をもう少しやはり慎重に取り扱われるほうが、国鉄に対する国民の不信をなくするのではないか、こういうように思うのです。この点、お伺いしておきたい。
  63. 磯崎叡

    磯崎説明員 いま先生のおっしゃったことの一番重要な問題は、過疎地域における通勤通学輸送をだれが一体どういう経費のもとに確保するか、これはもう大問題でございまして、この鍛冶屋原線もまさにその問題だと私は思っております。これはもちろん国鉄だけの力でできません。やはり道路なりバス会社あるいは国鉄自身のバスという問題もいろいろ出てくると思います。それはいわゆる運輸省総合交通体系の中で、はでな総合交通体系はもちろんけっこうですけれども、こういうじみな、地についた過疎地域地域内の総合交通というものをやはり考えてほしいということを、私は運輸政策審議会にも出席いたしましてそういう意向も述べております。とにかく鉄道で何でもやれということはどう考えても無理だ。したがって、鉄道としての使命は終わったものは当然バスに切りかえていいのだという方針。しかし、そのときに一体そのバスをだれが運営するかという問題、運賃をどうするかという問題、いろいろ残ると思います。今後そういう過疎地域は、そう急激に住民がふえたり産業が興ったりということは想像できませんので、当分の間過疎状態が続くといたしますれば、その問題は運輸省としても非常に大きな問題じゃないか。私どもとしてもそのうらの一役を買っておりますけれども、その役の買い方自身が、いままでと同じような役の買い方ではいけないというふうなことを私は考えております。その点は、私は運輸政策審議会なり経済企画庁の総合交通体系における過疎地域交通問題に対してどういう結論を出されるかということに対して、非常に大きな関心を持っている者の一人でございまして、それで答弁にかえさせていただきます。  それから板野町との問題でございますけれども、私どものほうとしても、こういうこまかい数字はどうでもいいと思いますが、羅漢という駅は百四十人ばかりでございます。犬伏という駅が——いま先生おっしゃった数字が多少合わないような数字じゃないかと思っておりますが、いずれにしても全体でも上板が六百人、板野町が百七十人というような数字になっておるようでございますが、これは若干行政区画、私は羅漢という駅を板野町と思って計算しておりますが、それが違えばこれは別でございますけれども、私のほうの数字では、犬伏という駅ならば、これは二十九人という利用者でございます。そういう意味で、これからの問題としては、確かに私どものほうとしては、廃止されたあとのことを頭に描きながら廃止の話を進めていることは事実でございます。その点少し飛躍しているじゃないかというお話もよくわかります。ですから問題は、そういうかりに廃止をしても差しつかえないものとすれば、どういうふうな方法でそこまでアプローチするか、どういうふうなステップでそこまでアプローチするかが一番問題なんで、先ほど井上先生の御質問も、私はその廃止そのものの問題よりも、私ども廃止に至るステップについて問題があるというふうに実は率直に了解しておった次第でございます。その点につきましても十分四国総局と連絡いたしまして、しかしめどはつけてやりたいというふうに私は思っております。   〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 いまおっしゃったことも十分頭に入れながら、即刻四国総局に連絡いたしまして、住民に不満のないような形でやっていきたい。  それから徳島バス自体の問題、これも私は多少話を聞いておりますけれども、いろいろ経営のむずかしい状態であるというふうに聞いております。一体その会社にやってもらうのがいいのか、あるいはうちのバスがやるのがいいのか、そういう問題、その次の一種の条件の問題として考えなければいけません。ただ、やはり運輸省の当局とされては、国鉄自動車が民業を圧迫するというふうな一つ考え方もあると思います。せっかく民間が路線を持っておるところへ、おまえのところで乗り入れるのはいかぬというふうなことも、あながちそう言えない点もないでもないと思います。その点もひとつ十分運輸省当局とも、実はほかの線もそういう問題が起きておりますので、話をいたしまして検討いたしたいというふうに考えております。
  64. 井岡大治

    ○井岡委員 いまそこが問題なんですが、私は従来の過疎地域バス企業というものが、健全に営業されておる状態のときであればそういう意見は成り立つと思うのです。ところが、今日のバス企業というのは、特に過疎地域におけるバス企業というのは、とうてい採算がとれないわけなんです。したがってそれらの問題で、運輸当局がそこのところで企業の圧迫などといっておるよりは、やはりおやりになるのであれば、国鉄が、私のところのなにですから私のところがやりますというたてまえで話を進めていかないと、そうでないと私は総合交通体系というものは立っていかないと思うのですよ。国鉄というのはなるほど企業のことも考えなければいけませんけれども国鉄としては成り立たなくとも、地域の産業開発なり地域開発なりを考えれば、赤字は覚悟でやらなければいけないというのは国鉄一つの宿命なんですよ。そうだとすると、採算のことばかり考えてものを言うわけにいかぬわけですから、成り立たぬことはわかっておって、それである会社のほうに肩がわりをしようというのは、私は国鉄としてはとるべき態度じゃないと思う。  同時に、契約なさろうとする会社とやる、こう言っておりますけれども、私はそういう会社のことをあまり悪く言いたくありませんけれども考えてごらんなさい、千七百人ということになりますと、ラッシュ七百何十人ということになりますが、七百人ということになると、少なくとも七台から八台を入れなければいかぬわけですよ。そうしますと、かりにワンマンにしたとしても、三割のなにを見れば十台を入れなければいかぬということになるでしょう。そうしますと、ワンマンの改造から何から考えて四百五十万と計算して、四千五百万という金を一時にそこからなにしなければいかぬ。同時に、人間はそれだけ確保しなければいかぬということになれば、引き受けるバス自体の経営というものは、私は決して容易なものじゃないと思うのですよ。  そういう点から考えれば、やはり国鉄が自分のところでいままで貢献してきて、もう済んだじゃないかということではあるけれども国鉄という一面の使命を持っておる地域開発のために、やはり私はやるべきだと思うのです。そういう点から考えれば、あの地域における総合交通体系がなされて、そしてこうだということでないと、めどをつけておやりになるということはそれはわからぬことはないけれども、それがなくてそれだけをやろうということになると、それはたいへんどうも急ぎ過ぎる、こう思うのです。そういう点から、もう一度そこらの問題を検討するということのほうがいいんじゃないか、こういうように思います。
  65. 磯崎叡

    磯崎説明員 実は、このいわゆるローカル線、準ローカル線のあと始末をだれがやるかという問題、非常に全国的な問題でございます。私のほうは、いま先生のおっしゃったとおり、いままで国鉄がやったのだから国鉄バスでやるというふうに、さっと言えれば非常にいい立場なんでございますが、なかなかそれが言えない。やはり既存業者の立場も考えなければいけないということで、最後の話としてそれが出るのが大体慣例でございまして、冒頭からそれを言い出しますと、またその会社自体とのトラブルが起きる、運輸省当局も困られるということで、一応は地元の会社にお願いをする。しかし、どうしてもだめならばという二段がまえでもっていままで話を進めてまいりました。結果的にはそうなっているところもありますが、あるいは地元のほうでやっていただいているところもございます。  しかし、考え方としては、全部しりをまくって逃げ出すというふうな感じでやっているわけじゃないので、必ずだれか足を確保する人がいなければならぬということだけは、私としてははっきり意識してやっているつもりでございますが、その結論に到達するまでに、若干の民間業者との問題がありますので……(「かけ引きをやっているんじゃないか」と呼ぶ者あり)その点は、私のほうとしまして、かけ引きと申しますより、むしろ道義的な問題といたしまして、相手さまの路線に手を突っ込むということではなしに、なるべく円満に、向こうから困るからぜひやってくれというふうに持っていくようにしたいというのがやり方でございます。
  66. 井岡大治

    ○井岡委員 それはわからぬことはないのですよ。わからぬことはないけれども、過疎地域におけるバス事業というものはどういうものだということが、いまやもう政治問題化しているわけでしょう。そうだとすると、国鉄が何もそう遠慮する必要はないと思うのですよ。やはりそこは大胆に言わないと、迷惑するのは住民なんですからね、正直に言うと。たとえば、この間大臣なり自動車局の御努力によって、高知県交通が一応ああいうかっこうにはなりましたけれども、あれだってわれわれがやかましく言わないとほっぽり出しますよ。あそこに行って二日間よく走り回ったのですから。ですから、過疎地域における問題は、政府当局も早急に考えなければいけない。そのためには、やはり一番日本の交通体系の核をなしておる国鉄が言わないと、地域だけの連中に気がねをしておったのでは、総合交通体系なんというものは口なり文章ではできても実際はできない、こう思うのですよ。そういう点で、そういうものが一応日程にのぼって、それから実施をなさるということのほうが、地域住民に対して安心感を与えるんじゃないか。そうでなくて、これだけ先取っ払うんだ、あとはこうやったらいいんですというマスタープランだけが先行しておるような気がしてならないのです。向こうへ行って、いろいろ地域の人なり総局の人なり、あるいは県当局なりに聞いてみますとそうです。  ですから、そこの点は、いまここで八月一日めどを変更しますと言ってもらいたくありませんけれども、少なくとも総合交通体系が立ってからやるべきだということ、そうでないと不安は除去されない、こういうように考えます。この点だけ申し上げたい。
  67. 磯崎叡

    磯崎説明員 実は、御承知のとおり、鍛冶屋原に私のほうの自動車局の営業所を持っておりまして、いつでも乗り込める形になっておりますので、逆に非常に遠慮してものを言っているという現地の苦衷もひとつお察し願いたいと思います。  それから、全般的な御注意といたしまして、先ほど井上先生からもお話があり、いまもお話がありましたとおり、やり方についてまずかった点、あるいは不徹底な点、あるいは資料の不備な点につきましては、私は率直におわび申し上げます。十分現地で間違いのないようにさせてもらいたいと思います。
  68. 福井勇

    福井委員長 次に内藤良平君。
  69. 内藤良平

    ○内藤委員 できるだけ簡単にやりたいと思います。  第一に、きょうの毎日新聞を見ますと、光化学スモッグの問題が大きく出ております。これは局長もごらんになったでしょう。この点は運輸省だけの問題じゃないと思います。その前提で話しておりますから。ただ、昨年の公害国会それから前回の国会で、大気汚染あるいはこういう問題につきまして、自動車で発生源となっておると思われる点をできるだけ少なくしていく、こういう方向をお互いに確認し合いながらやっていかなければならぬ、そういう意味合いでいろいろ議論を吹っかけてまいりました。  きょうの毎日新聞は、端的にここに出ておりますが、主犯は車と工場じゃないか、こういうぐあいに出ております。これは東京都の公害研究所の福岡さんという方がそういう趣旨を強調しておるわけです。メーカーのほうでは、自動車工業会の方が反論のようなものを出しております。このどっちが正しいか云々は、ここでいま結論を出すなんという考えは持っておりません。これはなかなかむずかしいと思います。ただ私たち社会党としては、大気汚染なり光化学スモッグでやはり排気ガスが相当な原因になるのではないか、そういうことでいままで主張してきましたし、排気ガスを排除するために、自動車関係ではエンジン部でできるだけこれを規制していこう、そういうものを保安基準の中で明文化していこう、これはメーカー段階ですが、そういうことでメーカー自体もいろいろ検討しておるように承っております。単に規制だけしても技術が伴わなければならぬ、こういうこともあるわけです。そういう点もぼくら十分にわかっております。  そういう議論の中で、前国会に、いわゆる中古車、使用過程車の排気ガスの問題、これはやはり相当なウエートになるのではないかということであなたに御質問し、資料も要求いたしました。資料もいただいて拝見しました。やはり使用過程車、中古車の排気ガスは一酸化炭素なり炭化水素は多いですね。多いということはお互いに確認できたと思います。私、この前前国会委員会お話ししたのは、例の規制の五・五を四・五なりあるいは四なりにした場合に使用過程車にどういう影響を与えるか、こういうことでした。それに対するあなたのほうの調査の資料は、五・五の現在の規制でありますと一〇・四%の車が該当する。それを〇・五%切り上げますと、五%にしますと一五・四%、四・五%にしますと二二・四%、四%にしますと三一・一%、四にしますと約三分の一の車が、エンジンの交換とか気化器の交換あるいは廃車、そういうぐあいにしなければならぬじゃないか、そうしなければ、新しい車のように、いわゆる使用車も四・五というぐあいにならぬじゃないか、こういうことですね。これは局長もやはりこの調査資料を出されたのですから、同じ認識だと思うわけです。  そこで、この対策もあわせて拝見しました。端的にいいますと、やはり整備の段階できびしく行なう、そういうことになっておるようですね。ですけれども、いまの場合は二年とかあるいは一年半とかあるいは六カ月という期限で、法律的に車の整備点検、車検というのがあるわけですね。その間はやはり持っている方の、ユーザー、オーナーの自主的な、良心的な発動がなければ整備にならないわけですよ。そういう弱点があるために、あなたのほうでは街頭検査をやってそれを押えていこう、こういうことです。ところが街頭検査は、その場では効果があるんでしょうが、実際問題としてはもう要員が容易じゃないわけですね。政府の方針として五%の定員削減等もあるわけでしょう。したがいまして、街頭の定期検査を励行して厳格に行なうには相当な人数が必要になってくる、こうなるわけでしょう。ですから、これはやった瞬間はいいけれども、またもとに返ってしまう、こういう弱点があるわけですね。検査の場合の自主的な規制を進める、これも弱点がある、街頭の強制的な検査も弱点がある、そういう中で中古車の排気ガスは、やはり五・五という規制をこえて相当出ておる。その出ておるのが、技術的、科学的にはまだ結論が出ないような新聞記事でございますけれども、その出ておる排気ガスが相当な犯人になっているということは、ほぼ私は間違いないと思うのです。毎日新聞のこれを見ましても、いろいろな検査等もとらえてそれを解明しておるようです。これはいま読み上げるだけの時間もありませんけれども、大体これは私は是認していいものじゃないかと思うのです。  そこで、さあどうするかということですよ。ここまで来まして、公害国会でも論議し、大気汚染の法改正もしましたし、道交法も改正いたしました。この新聞にも出ていますけれども、それでは車をストップしたほうがいいじゃないか。車検も弱さがある、街頭検査も弱さがある、それではもういっそここで車をとめたほうがいいじゃないか。これはできますね、法律の中で。それは改善の一つの方法になるわけでしょう。ところが、この毎日新聞を見ますと、警視庁の代表は、車をとめてもいいけれども、オキシダントの光化学スモッグで被害を受ける方と、車をとめた場合の車の渋滞での国民の被害のどっちが重いか軽いか、これもなかなか判断がつかない、そこで車の規制はなかなかむずかしいということを言っているわけだ。  そうしますと、残る方法はどういう方法があるかということです。四十八年までの間に大体二年間ありますから、新車に切りかえになるんじゃないか、こういうお考えがあるようです。それも、大体この二年くらいの間に全部かわるという話ですからそれもわかりますけれども、その間、いま現実に光化学スモッグでたいへんな人数が、何万の方が被害を受けている、またあすにも出るかもしらぬ、こういう状態と、四十八年になった場合には全部新しい車になってしまうから、それならいいんじゃないか、このズレですね。時間のズレもあるけれども、政府の側といいますか、庶民大衆のほうの感覚と皆さんのように当局者とのズレといいますか、これは二年間あるわけだ。たいへんなズレなんだ。だから、私たちもいろいろいままで議論しまして、なかなか妙手がないということはわかりますよ。よい手が、ペニシリンがないということはわかります。わかりますけれども、しかし次善、三善策もないのかということになる。国民の側から見まして、ペニシリンがないからそれまで、四十八年まで待とうということは、これはむごい話になるわけです。  そこで、私も何べんもいま申し上げたとおり、公害国会なり前国会なり、また今回も言うわけだが、なかなか方法はないけれども、どうにかしなくちゃならぬというこういう気持ちは、私はやっぱり国民大衆の気持ちを代弁しておると思うわけなんです。そこで、あなたのほうとしてどういうぐあいにしようというのか。なかなかないけれども、しかし誠心誠意やらなくちゃならぬのじゃないか、あるいはそういうぐあいにやってきた、極力われわれのほうも民間のメーカーの皆さんの創意なり外国のほうなり、あるいは町の篤志家なり、あるいはこういう方面でいろいろ研究している方なり、そういうものをとにかく総合して、誠心誠意被害をできるだけ、最善じゃないけれども、行政の担当者として次善、三善の策を進めてきたかどうかということになるわけなんだけれども、政治の方向としては、もう公害問題、大気汚染問題、これはこうしなければならぬということになってきているわけです。その中での行政担当の、しかも車を規制するというそういう担当のあなたのほうの部門、運輸省の部門として、どうもいままでのわれわれとの質疑応答の段階では、どうにもならぬというぐあいになっておると思うわけです、光化学スモッグの今日の現状から見ると。だから、あなたを別段追及するんじゃないですよ。隘路がいろいろあることはわかっています。しかし、何らかの形でこれを持っていこう、何とか国民大衆の負託にこたえようというお気持ちがありや。いままで何か一つの方法が出てきておるかどうか、これからのやり方でもいいわけですけれども、それをきょうこの段階で聞きたいのです。いろいろなことを大体いままでやっていますから、そういうことは省略して……。
  70. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま内藤先生の御質問でございますが、まず根本的な対策といたしましては、どうしてもこれは関係官庁が全力をあげて協力をしなければできないことでございます。したがいまして、原因とか発生源の探求というようなことにつきましては、十分その方面の、化学と申しますか、そのほうの権威者の方の御意見も聞いて、それを私ども十分参考にさせていただくということと、それから私ども運輸省としてまずやりたいことは、先ほどから先生が例示的におあげになりました規制値の問題でございます。もちろん、現在は五・五ということで中古車についてはやっておりまして、それを強化すればどれだけの影響があるという数字につきましては、先ほど先生から御指摘になったような数字であることを私ども認識しております。  ただ、私どもは五・五という数値にいつまでもこだわっておるわけではございませんので、それはもちろん実行可能なものが、データが出てくればそれを少しずつ強化といいますか、していくということについては事務的に決心をしておりますので、これは現段階におきましては、まだ具体的措置をやる段階ではございませんけれども、逐次関係方面と連絡をとりながら、技術的な研究開発の成果を待って強化していくという方向で、これは現在ずっと検討いたしております。まだ現状におきましては、残念ながら法令をもって強制する数値は五・五ということでございます。  それから、定期点検整備をやってもあまり効果がないんじゃないかという御指摘でございますけれども、やっぱり私どもは、自動車のユーザーというものが自動車を正常に使う、そして自動車がお説のように有害な排出ガス一つの大きな発生源になっておることは事実でございますので、自動車のユーザーがそれぞれのユーザーとしての責任的な立場から、定期点検整備を形式的ではなくて、実際にほんとうに公害防止のためにもやるということをやってもらいたいということで、これは警察庁のほうにもお願いをし、またユーザー団体のほうにもまた整備振興会のほうにもお願いをして、励行するような措置をいまとっております。  それから、もう一つ交通規制の問題でございますが、おっしゃるように、確かに交通規制をするということは非常に有効な当面の措置でございますので、私どもは、ある程度輸送面の自由を拘束するようなことがあっても、公害発生源としての排気ガスを少しでも緩和するということであれば、交通規制をやっていただくべきであろうと思います。したがいまして、そういう意向で先般も警察庁の交通局といろいろ会談をいたしたわけでございますが、交通規制をさらに強化されるというようなことも、公害防止の見地から大いにやってください、多少の輸送上の不便は、私ども道路輸送行政を担当している役所としてもがまんするのは当然であるということで、いろいろやっております。そのためには、もちろんほかのバイパスをつくっていただくとか、乗り入れ規制をつくっていただくとか、保安対策をあわせてやらなければなりませんが、そういうふうに交通規制の強化、いうことは、いまや必要な段階ではないかということでやっております。これは先生御案内のように、明日から環境庁というところができるわけでございますが、私どもここと緊密な連絡をとって基本的なことをやることにいたしました。幸いにしてこの中に自動車公害課という自動車から発生する公害を専門的に規制する課もつくっていただきますので、私どももここに人材を送り込んで、こういう人たちと十分連絡をとりながら、総合的な観点で、いま先生のおっしゃったような対策を少しずつでも前進させたいということでやっております。
  71. 内藤良平

    ○内藤委員 いろいろお話をしたいんだが、そこで局長、新車の場合はアイドリング時で四・五でしょう。だからいつでも新車のような状態にしておった場合には四・五の規制になるわけでしょう。ところが、だんだん中古になってしまうととてもできない。だから検査の場合なりあるいは定期検査の場合には五・五くらいまでにやるわけです。その間それがどのくらいになっているかわからぬ、一〇になっているかもしれぬ。それをどういうぐあいに規制したらいいかということで、私は前の国会であなたにお話をして、中古車を四・五にした場合どうなるんだ、四・五にした場合、さっきの数値ですけれども、二二・四%の車は廃車をしなければならぬ、あるいはエンジンを取りかえる、気化器を取りかえる、こういうぐあいになるわけです。私はこの方策が一つの方策じゃないかと思うわけです。できればみんな新車なら一番いいわけです、四・五になるわけだから。ところがなかなかそうはいかないです、二年間かかるんだから。当面やれる方法はないか。四・五まで強化した場合、これはお気の毒かもしれぬけれども、二二・四の中古車が廃車になるか大改造するかになる。だけれども、その程度のことをして今度の排気ガスを押えるという面は、運輸省として乗り出してもいいんじゃないかと思うのだけれども、その辺はどうなんですか。
  72. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生のおっしゃいました数値でございますが、これは多少前の時点におきます数値でございまして、現時点でこれだけの影響があるかどうかということ、これはまたサンプル調査をすればわかることでございますが、四・五%にすれば二二・四%の車が、気化器を取りかえたり、あるいはエンジンを取りかえたり、場合によっては廃車になったり相当影響があるわけでございます。ただ、だんだんといま自動車エンジンの改良等も行なわれておりまして、この調査をいたしました当時の現状から見れば、私は、これより状態はよくなっているんじゃないかというふうに推定されるわけでございますので、先ほども申し上げましたように、五・五%の現状の規制値、私どもこれに固執しているわけではございませんで、これはだんだんとその状態がよくなって、その与える影響というものが少なくなれば規制を強化——もちろん技術的な開発が可能であるということが第一でございますが、そういうこともにらみ合わせてやることにやぶさかではございません。  ただ、ここにもありますように、いま直ちにやれば、これはまず第一番に技術的にその解決がまだ残念ながらできていないということ、それからもう一つ影響度が、いまの車の普及から見まして、車はぜいたく品ではなくていまでは国民の生活必需品だ。そういう意味で、これだけ影響があるというものをかりにやって、それで初めてどれだけ公害防止上の実効があったか、その辺の見きわめをさらにしたいと思いますので、冒頭申し上げましたように、五・五%という数値に私ども固執しているわけではございませんが、これは技術的な開発が進み、だんだんそういう調査が進んでいきますれば、これを少しずつ強化していくと申しますか、そういう方向でさらにやりたいというふうに思っております。
  73. 内藤良平

    ○内藤委員 だけれども局長、この間の公害国会でやりましたが、大気汚染防止法でも道交法でも、結局は汚染度がひどい、光化学スモッグが出た場合に車を規制する、こういうことがきめ手なんです、ぼくらも論議したけれども、あの法案を見ると。ところが、これは今日の交通の渋滞の状態からいうとなかなか至難だ。法的にあってもなかなかできないのじゃないか。そのためにかえって国民の皆さんが支障を来たす場合には、これは逆効果になってしまう。これはなかなかむずかしいでしょう。これはわかるでしょう。それから定期検査で、いわゆる排気ガスの出るのを押えていく。定期検査ですから、二年とか一年半とか六カ月とかあるわけでしょう。その間なかなかあれだから、そこで臨時の抜き打ちの検査をやるわけでしょう。これは抜き打ち検査をどんどんやればいいわけです。ところが、やはり人間の問題がある。人件費の問題がある。要員の問題がある。これもなかなかできないでしょう。  ですから、そういうぐあいに検討してまいりますと、結局は車を、中古車になってしまいますけれども、中古車を新車同様の状態にさせるような規制よりないのじゃないかというふうにならざるを得ないのではないか、中古車を持っている方に対してはむごい話かもしれないけれども。しかし、全部じゃなくひどいと思われるもの、いまの規制でも、新単はアイドリング時で四・五でしょう。これを中古の場合、同じようなぐあいにそこまで引き上げた場合、それは全部の中古車がなくなるのではないだろう。この数字でも五分の一程度は一応だめだ。廃車だ、あるいは思い切って金をかけて改造しなさい。そうなると、あまり金をかけてはつまらないからやめてしまえということになるかもしれない。新車を買うということになるかもしれない、新車のメーカーに喜ばれるようなことになってしまっても困るのだけれども。そういう観点ではなくて、いまなかなかきめ手がないけれども、国民の皆さんがこういう被害にさらされている。いつでも大災害がくるような状態である。運輸省として何らかの手を打たなければならぬが、やれることはこれなんです。中古車の規制。それで現行法規で新車にやっている四・五、そこまで引き上げる。常に中古車を新車同様の整備をして四・五、この範囲内ならオーケーだ、そういうことによって排気ガスを、最善じゃないけれども、幾らかでも押えていくことができる。この程度の行政措置があってもいいと私は思うが、どうですか。
  74. 野村一彦

    ○野村説明員 先生の御質問の趣旨は、前回の国会におきましてもいろいろ御質問なり御提案がございまして、私どもよくわかりますし、また基本的な考え方としては賛成でございます。  ただ、私どもは、技術的にまず可能であるかどうかということを相当自信をもって見きわめなければ、それが法令で強制をする、これは道路運送車両法に基づく法令でもって、四・五なら四・五あるいは五ということで強制するということは、やはり技術的な研究開発の成果というものが一番のきめ手でございます。  それからその次に、やはりユーザーに多少の迷惑といいますか、不便というか、そういうものをかけても強化するかどうか、これはまたこれで一つの問題があるかと思います。しかし、公害防止優先ということから、国民に多少の損害や迷惑をかけても、ユーザーに迷惑をかけてもいいじゃないかという御議論も私どもわかりますけれども、しかし、これはやはり切り捨てごめんというわけにはいかぬ。個人とかあるいは中小企業とかそういう方も多いわけでございますのでいきませんので、そういうことも私どもいろいろと研究をし、関係方面と連絡をとってやっておるわけでございます。  それで、また前に戻りますけれども冒頭申し上げましたように、いつまでも五・五ということに固執しているわけではございませんし、むしろ私どもはこれを少しでもシビアーにしたいということでやっておりますので、まあ具体的にどうなって成果があらわれたかと先生から御質問でございますが、いま具体的にこうだということは残念ながら申し上げかねますけれども、方向としては、先生の御提案の方向に私ども総力をあげて研究をしておる、また環境庁が発足いたしましたならば、その方面と十分連絡をとってやっていこうということでやっておりますので、いましばらく時間をかしていただきたい。その方向としてはおっしゃるような方向で、また考え方でやっております。こういうことでございます。
  75. 内藤良平

    ○内藤委員 だから局長、これは被害者になったつもりで議論しなくちゃならぬでしょう。ぼくら、いなかだからなかなかこういう機会もないけれども、東京の皆さんはまたあしたにも目をやられるかもしれぬ。同じ新聞だと思いましたが、単に水で洗っただけじゃだめじゃないかということがありましたね。もっとひどい状態になる。そういう状態がもう現象面としてあらわれつつあるわけだ。  そこで、あなたの慎重にやるということもわかるけれども、新車同様の車だけにしようじゃないか、新車オーケー、中古車は新車同様な状態にしようじゃないか、これは私は国民大衆だって納得すると思うのです。そこら辺に基準を置いて、それを整備点検の場合におきましても、あるいは臨時の検査の場合におきましても進めるならば、あなたの心配しておる、中古車を使っておる皆さんが全部手をあげちゃうというのではない。この計数を見ても、五分の一ぐらいの皆さんはポンコツにせざるを得ない状態になってもしようがないでしょう、いまの場合。全部じゃないですよ。全部新車に、新しいのにやるというのじゃないのですよ。五分の一程度の方が持っている車を廃車にせざるを得ない、あるいは大改造せざるを得ない。こういう行政指導なり基準なりを、四・五という計数があるわけだが、そういう四・五を出して、その上で、例の車検あるいは整備工場のほうに対して皆さんが、この間の国会でも整備された法律のように専門の検査員を置いてきびしくやっていく、そのぐらいの行政措置、今度の光化学スモッグの問題なりあるいはいままでの公害国会からの議論から見て、もうここら辺でそういう運輸省の措置の強い気持ちを出さなければ、私は、どうも国民の皆さんが見ると何をやっているかということになる。ぼくもいつでも言うんだけれども、何かメーカーのサイドだけにおるような印象を与えるんじゃないかと思う。  そのことは、さっき言ったようにメーカー側でも反論がある。光化学スモッグの原因は自動車の排気だけじゃない、まだ研究の余地がある、こういうことですね。この点、私はどっちのほうがあれだか言いません。ただ、この光化学スモッグはひどい状態ですから問題になっているわけだが、ぼくらの秋田のいなかでも、排気ガスがひどいために子供さんが鼻の病気がふえておる、こういうことがはっきり出ているのです、うちの県の医師会の調査でも。排気ガスを少なくしたい、少なくすべきだ、これはもう国民的な大きな要望なんですよ。いままでのようにじんぜん日を暮らしたのでは、どうにも私は行政的に怠慢だということになると思う。私の言っているのは無理じゃないでしょう、あなたも大体その方向ということを言っているわけだから。だから決断して、そこであなたがその気になって一緒にやる気になれば、これはいつまでにやるかということはぼくら言えないけれども、とにかくそういう方向でやっていきましょう、それだけでも国民の皆さんからたいへんな信頼を得る運輸行政になるわけだ。大臣はいつまで大臣をやるかわかりません。もう改造の話があるから、橋本さんに話したってうわのそらでしょうから、結局あなたのような方あるいは部長さんのような方々がその腹になって進めていく。むずかしい問題じゃないでしょうが、これは。少し生きのいい答弁でもたまにしてくださいよ。どうですか。いま出た議論じゃないですから、もう去年からやっているのですよ。
  76. 野村一彦

    ○野村説明員 前国会におきましても、またただいま先生の御提案、私どもよくわかります。私も先生のおっしゃるように、歯切れのよい答弁、即刻先生のおっしゃるようにやりますと責任をもって言えれば、こんなにうれしいことはございませんでしょうが、残念ながら、何べんも申し上げますように、ただ規制値を強化すればそれで光化学スモッグなりその他の有毒排気ガスがほんとうに減少、掃討されるかどうかということについては、もちろん自動車が大きな発生源であることは事実でございますけれども、その排気ガスの種類もいろいろございますし、そういうことを全部、何といいますか、歩調をそろえてやらないといけないので、ただアイドリング時の規制値をシビアーにして、それがほんとうにどれだけの貢献度があるか、排気ガスの防止上あるいは除去上貢献度があるかということは、やはり私どもとしても相当の検討をしてやりませんといろいろ問題があるかと思います。  先生の御説は、私どもも何べんも拝聴いたしましてよくわかっておりますし、私ども基本的には賛成でございますので、ひとつできるだけ早い機会にそういう方向にやりたいということで、再三申し上げますように、五・五ということに固執しておるわけじゃ決してございません。むしろ私どもは、一刻も早くこれをシビアーにしたいという気持ちでありますので、今後さらに検討したいと思います。よろしくお願いします。
  77. 内藤良平

    ○内藤委員 終わりますけれども、どうかひとつ局長、五・五を四・五にするということは、決して技術的にむずかしいものじゃないと思うわけだ。それによってだいぶ違います、ほんとうに。ぜひひとつその程度のことは、これは次善策じゃなくあるいは三善策、四善策くらいでしょう。だけれども技術開発の問題はまだまだ通産省の関係もあるし、なかなかこれは進まないでしょう。いまの三善、四善でもこの五・五を四・五にして、それに伴っていろいろな措置をおたくの整備関係の行政指導なりあるいは臨時の抜き打ち検査なり、そういうことをやることは私は非常に効果があると思っています。大体そうやったというあなたのほうの姿勢によって、国民大衆の皆さんも、持っている方々も相当ショックになるんだから。あなたのほうでは、いろいろやりたいということをなかなかできない面もあるでしょう。要員が足りなくて規制できない。技術的になかなかできない。だからくつの上から足をかいておるような気もしておるわけでしょう。いま残されておるのは、この方法だけは私はできる方法じゃないかと思う。運輸省でこれだけ決意をしたということは、関係の方々にはだいぶ違うと私は思うわけだ。国民大衆の皆さんも、この問題については世論というものを取り上げてやっておるので、やはりぼくらの政府だ、そういう気になるだけでもいいじゃないですか。あなたの時代にそういうことをやってみてもらいたいのだよ、ほんとうに。おだてるのじゃないけれども、ぜひひとつそれを強〜要請します。これをやらなければまた次もやりますよ。これ何べんもやります。どうぞひとつそういうことで、あなたはやるということを言っていましたから時期はまかせますけれども、できるだけ早い機会にひとつ……。  これで終わります。
  78. 福井勇

    福井委員長 次に宮井泰良君。
  79. 宮井泰良

    ○宮井委員 私は、昨日からきょうにかけまして新聞紙上でも報道されておりますとおり、無線タクシーその他関連の運賃の一斉値上げという問題を取り上げまして、政府当局の姿勢をただしたいと思います。  その前に、運輸大臣にきょう出席を求めましたが、いろいろな私用で来れないというふうなことを聞きまして、私は憤慨にたえないわけであります。このような大事なときに、国政審議を何と考えておるかということを私は申し上げたいのでございます。大体歴代の運輸大臣というものは、やめる前に値上げとかそういう問題を全部やって、そうして交代されておるような状況でありまして、うわさによると、橋本運輸大臣も今回やめられるというふうなことを聞いておりまして、さらに私は憤慨にたえないのでございます。その点局長として、大臣と一心同体と思いますが、政府のそういった考えに立ちまして、国民に納得いくような答弁を私はお願いしたいのでございます。  そこで、新聞紙上を見られてもわかるとおり、「運賃値上げ続々認可」あるいは「選挙すんで“値上げ風”」というふうに報道されております。そして具体的には、「物価上昇ムードに拍車のおそれ 運賃値上げラッシュ 参院選挙が終わり政界の新分野がきまった二十九日、運輸省は“待ってました”とばかりに陸、海、空にわたる運賃値上げを認可した。この認可分は大阪の無線タクシー割り増し料金の新設など四件を数えた。まず午前は大阪の無線タクシー割り増し料金制度を新設し、乗車地点から二割増、深夜三割増の運賃徴収を認めると発表した。午後には東京、名古屋、大阪の区域トラック、いわゆる貸し切りトラックに対し、増収率で平均一五%強の値上げを認めたのを皮切りに、従来普通大人運賃の一〇%を割り引いていた国内航空往復割り引き運賃廃止、港湾運送料金の平均九・七%値上げをみとめる有様。まさしく“参院対策”で押えてきた運賃を一挙にみとめたもので、同省の担当官は、大阪の無線タクシーには「最近経企庁から認可してもさしっかえない」との回答をもらったと、とりすました表情。」こういうことが報道されておるわけでありますが、私は、この選挙の終わった直後にこういうことをやるということは、非常に国民を愚弄しておる。これは物価問題にも影響があり、利用者へ非常に影響を与えるという面で、いろいろと言いわけはあると思いますが、一切私はそういうことは通らない。この政府の姿勢を私はただしたいのであります。
  80. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生の御質問のような、大阪における無線タクシーの料金を所要の一定の条件のもとに値上げしてもやむを得ないという回答と、それから区域トラックの第三回目といたしまして、関東、中部、近畿三地方にわたる定期トラックの運賃値上げ、これはいずれも地方の陸運局長がやられるわけでありますが、経済企画庁から御了承を得まして、局長の判断においてやってよろしいという返事を出しましたことは事実であります。  もちろん、私ども国民生活に与える影響から、諸物価の値上げ、特にこういう公共料金の値上げについては、あくまでもこれを押えるのが基本的方策かと思いますが、最近における諸物価の高騰は、合理化に限界のあるトラックその他自動車輸送機関につきましては、必要最小限はこれはやむを得ないのではなかろうか。いわゆる省力化の限界というものが自動車では非常にあり、先生御案内のように六〇%以上が人件費でございます。そういうものでございますし、それから時期でございますが、トラックにつきましてはことしの三月に荷主折衝が東京で、中央できまりまして、それから逐次収支率の悪い——第一回が四月二十五日、第二回は五月十一日、第三回は今回というふうに、これはいわば荷主折衝の結果に基づきまして、現地での収支の悪いところから、具体的にいいますと、いなかのほうから順次やってきたということでございまして、これは全く事務的な積み上げでやっておることでございます。先生、いまこの理由は聞けないとおっしゃいましたが、私どもとしては少しでも、こういうことにつきまして、やむを得ざる措置であるという御理解をいただきたいということでございます。  それから無線タクシーでございますが、これは大阪におきましても、一年半ほど前に大阪の基本料金が上がりましたときの懸案でございまして、その後私どもとしてはいろいろ行政指導をして、利用者へPRやそれから無線専用機の街頭設置への具体的計画、そういうものを十分検討し、またタクシー企業の収支率というものも検討して、やむを得ない措置として一年半越しの懸案事項を認めるということで、現在企画庁との話もついたものでございまして、私どもこれによりましてほんとうに必要最小限度の料金改定だと思っておりますので、その辺は御理解をいただきたいと思いますが、ただいま先生の御質問にございました、物価政策に対してきびしい態度で政府は臨むべきだという御意見は、私どもよく御説を体しまして、またよく大臣等にも御報告をいたしていきたいと思いますので、御了承をいただきたいと思います。
  81. 宮井泰良

    ○宮井委員 最後のほうが非常に聞き取りにくかったわけですが、その点が一番大事な点であって、大臣にその点を十分局長から話してもらいたい。  またさらに報道によりますと、「区域トラックについても「まあ参院対策とは勘ぐりで、関係ないだろう」とサラリと受け流し、航空運賃には「切符の予約が一カ月前だからきょう発表したのだ。ツジツマがあうだろう」と涼しい顔」をしておるということが報道されておるわけであります。「こうした値上げラッシュは最近にない記録だが、このあとにまだ一般タクシー運賃、航空運賃の値上げ、東京、名古屋、大阪の路線トラックの運賃改定など大物がひかえており、運輸省がこれらのさばきに腐心しておる実情だが、値上げが同省関係ばかりでなく、他省所管に波及して、物価値上げムードに拍車をかけるのではないかとの懸念が強まっている。」というふうに報道されておるわけであります。これは全く国民を無視しておるといわざるを得ないのでありますが、再び答弁をお願いします。
  82. 野村一彦

    ○野村説明員 トラックにつきましては、いま申し上げましたように、昨年からずっと荷主折衝しておりまして、ことしの三月末に荷主折衝がきまったわけでございます。それから経営状況が悪いところから逐次やっていこうということでございまして、全く私ども事務的な積み上げベースでやったものでございまして、この点は御理解いただきたいと思います。  それから今後の問題といたしまして、いま御質問のような事項が懸案として残っておりますが、私ども、これはいろいろな観点から基本的に検討しなければならないと思います。ただ、路線トラックにつきましては、関東、中部、近畿というものを除きましては、逐次これも収支率の悪い九州、北海道あるいは四国という周辺地区から認めてきておるわけでございまして、基本的にはこれも荷主折衝は終わっておるわけでございまして、これにつきましても、私は対物価への影響ということも微小ではございますが、考えなければなりませんが、とにかく七年間の値上げの抑制をしておりまして、これが路線トラックにつきましては、実際はもっと長い間値上げの抑制をしているわけでございますが、やはり合理化の限界というものがございまして、なかなかそういう諸経費のアップというものを吸収できない、そういうものについてやはりある程度の必要最小限の値上げはやむを得ないのではなかろうかというふうに事務的に考えております。ただいま先生の御意見、十分大臣にお伝えいたしますが、私ども事務当局としては、そういう意向で検討をいたしておりますので、この辺もまた機会を得まして先生にも十分御説明を申し上げて、ひとつ御理解をいただきたいこともございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
  83. 宮井泰良

    ○宮井委員 そこでさらに、「利用者に便利な無線タクシーについての料金値上げで、大阪だけ」と運輸省はいっているが、大阪では昨年二月に値上げしたばかり。同じ無線料金制度新設は東京、横浜、名古屋の三都市の業界からも申請されており、こんどは見合わされているが、近いうちにこの値上げが他地区に波及するのは必至。また、この値上げは、バス、トラック運賃にまでエスカレートする気配も濃い。」と報道されている。非常に他地区に波及して、また値上げをするということのその腹づもりがあると私は思うのですが、その点はどうですか。
  84. 野村一彦

    ○野村説明員 大阪と同時に、東京からも昨年以来の懸案として無線料金の申請といいますか、そういうものの申請があったことは事実でございます。ただ、大阪におきましては諸般の準備が非常に進みまして、それから地元の方との対話と申しますか、いろいろPRということも、近代化センターその他でやりましてかなりの効果をあげた。それから無線タクシーの無線専用機械の準備もできたということからやったわけでございます。  東京その他の地区におきましては、いま私が申し上げました対住民PRあるいは無線機械の装備の具体的な計画、そういうものがまだ進んでおりません。したがいまして、現在の時点におきましては、大阪に認可をしてよろしいという返事を出しただけでございまして、他地区におきましては全部ペンディングということで、まだ具体的なめどは一切ついておりません。  以上でございます。
  85. 宮井泰良

    ○宮井委員 そこで、私も前々からそういうような様子を見ておりましたが、前自動車局長の黒住さんは、無線タクシー割り増し料金は公平な負担になるように利用者が納得できる形でやりたい、こういうようなことを記者会見で言っておるわけでありますが、しかし、近距離についても大体百円くらいの割り増し料金になる、その他いろいろな理由で利用者というのは納得してないわけなんです。その点、実情はどうなんですか。
  86. 野村一彦

    ○野村説明員 無線料金の割り増しか一律かということにつきましては、事務的にいろいろ議論がございました。それで前回の基本料金の改定のときには、たとえば東京では一律百円ということを考えたわけでございますが、やはり近距離、遠距離とのアンバランス、いろいろな問題がございまして、結局無線を利用する者のメリットというものは利用距離に比例をするという考え方から、いろいろ検討いたしました結果、距離に比例する割り増し料金で一律百円という方式を改めたわけでございます。そういう意味で、やはり長く距離を乗られる方はそれだけメリットを受けることが多い、短距離の方は少ないということで、定額制をやめて比例制にした、こういうのがいきさつでございまして、私どもそういう面で利用者の負担と利便とのバランスということも十分考えたいということでやってまいったつもりでございます。
  87. 宮井泰良

    ○宮井委員 幾ら答弁されても納得できないわけでございます。  この区域トラック運賃についても、「東京、大阪、名古屋陸運局管内の区域トラック運賃が認可。八月をメドに実施される。平均アップ率一二%。区域トラックは、陸上貨物輸送の主力。年間十億トンを運び、定期便トラックの三十倍の輸送力があるだけに、物価へのはね返りも大きい。」何べんも言うようですが、「この問題で経企庁の了解が出たのが、二十六日。三日置いて認可したことについて、野村自動車局長は、「事務上の手続きがたまたまそうなっただけ。選挙を意識したものではない。」こういうことを答弁されておる。しかし、国民はこの新聞を読んだら、そういう言いわけをしたってそういうことは聞き入れられませんよ。もっと国民の声を、それならなぜいろいろの場でそういった国民の納得いくようなことでやらないのですか。選挙を意識してやってないというようなことをここで言っておりますが、選挙が終わってすぐじゃないですか。こういうことをやる、それは前から選挙が終わったらそういうことをすぐ発表しようということを考えておったのでしょう。どうなんですか。
  88. 野村一彦

    ○野村説明員 区域トラックにつきましては、再三申し上げますように、私どもとして三月末に全国的にまとめて荷主折衝が終わったわけでございます。したがいまして、企画庁との話し合いで全国を三ブロックくらいに分けてやろうという話をしまして、そして準備がございますから約一カ月の期間を見まして、三月二十五日に荷主折衝が済んで、約一カ月たった四月二十五日に新潟、中国、九州の管内をやった、それからまた一カ月たった五月の中旬に東北、北海道、四国をやった、それからまた約一カ月後の六月末ということで関東、中部、近畿をやったということで、全く私ども事務的に積み上げてやったことでございまして、時期がたまたまそういうことになりまして、あるいはそういう誤解を持たれる方があるかもしれませんが、あくまでも事務的に積み上げたものでございますので、その点は他意のないことをひとつ御了承いただきたいと思います。
  89. 宮井泰良

    ○宮井委員 それでは、大体のんびり事務をやっていたのではないですか。投票日の前にやればいいじゃないですか。そういうことをいまごろ言っても言いわけになるので、大体局長は業者の側に立ってものを考えているのではないですか。業者を指導して監督していかねばならない立場の局長が、大体業者のサイドで言いなりになっておる、私はそう思うのですが、どうですか。
  90. 野村一彦

    ○野村説明員 私は、私だけではないと思いますが、とにかく輸送業務というものは国民生活に非常に密接な関係がございますので、これはそういう立場から考えていくべきである。ことに公務員は全体の奉仕者でございまして、決して業者のサイドに立つというようなことは、私は毛頭考えを持っておりません。私どもの至らないためにそういう誤解を招くことがあるとすれば、まことに不徳のいたすことでございますけれども、私は少なくとも国民全体の奉仕者という立場からやっておるつもりでございますので、ひとつよろしくお願いいたします。
  91. 宮井泰良

    ○宮井委員 国民全体の奉仕者なれば、もっと国民のことを考えてもらいたい、こう言いたいのでございます。それでなくても物価値上げその他政府のやり方というものが、もうことごとく国民生活を圧迫しておるということは、もう何回も私たちはそれを身近にわかっておるわけでありまして、局長もそういうことは十分わかっておるでしょう。タクシーにしましても、いわゆる抜本的なそういう対策を政府が根本的にやらないで、単に安易に値上げという方向へ持っていかれる。これが納得いかないのであります。  そこで、四十五年十月にわが党の松本議員から、いろいろとタクシーのこういった改善がなされておらないという具体的な内容をとらえて、そうして値上げの申請ということに対してどのように対処するかという質問に対して、野村さんはこのように答えておる。「私ども現在、特に東京におきましては、タクシー業界に対しまする指導の基本的な方針は、一日も早くサービスを改善して利用者の要請にこたえるということが、現在のタクシー業界に課せられた一番の任務であり、またそれを実現させるように指導するのが、私ども責任であると考えております。したがいまして、タクシー業者の経営がある程度苦しいということは、私どももある程度計数によってつかんでおりますけれども、現在の段階におきましては、仮定の問題といたしまして、基本料金の再値上げと申しますか、値上げの申請が行なわれましても、これを取り上げて検討するということはいたしませんから、この点につきましては、サービスの改善という宿題を果たすということが何よりもの大前提であるということを、はっきり申し上げることができる」このように野村さんは答弁されておるし、私もときとき東京都内——ときどきではありません、いつもタクシーを利用しますが、まことに雨の日など乗りたいと思っても乗れない、肝心なときには車を拾えない、そうして簡単なところへ車は行ってしまう。もちろん交通混雑ということが理由にありますけれども、これも政府がやらなければいかぬことです。運転手さんの言い分ももちろん私たちは車の中で聞きますよ、十分わかりますけれども、そういうふうな利用者の方を考えたときに——業者というものはほんとうに何というか、自主料金をきめるとかいろいろなことを言って運輸省の言うことを聞かない。最近は高飛車に出てきておる。そういうような態度自体がもってのほかだと私は思うのですが、その点はどうなんですか。
  92. 野村一彦

    ○野村説明員 タクシー業者が、先般武道館ですかに集まりまして、自主料金をやる、あるいは計画配車をやめる、あるいは近代化センターから役員を引き揚げるという議決を、これは残念ながら法人、個人両方の業者が集まってやったことは事実であります。私こういう情報をつかみましたので、早速連日個人、法人の会長を呼んで、そういうことは天につばするゆえんである、やめなさいということを強硬に言い渡しました。しかしながら、両方ともこれはいわゆる理事会で機関決定されたもので、自分の意思でこれをやめるわけにはいかないということを言いました。しかし私、連日両方の会長を呼びまして強力にやりました結果、実質上これをやらないという確約を私は実は得ております。したがいまして、ああいう計画配車等につきましては、一部コントロールのできない面も協会としてあるようでございますが、役員の引き揚げはやらない。それから自主運賃という違法行為はやらないということにつきましては、私は両方の責任者から、自分たちができるだけ責任をもってそういう違法なことをやらないようにします、最善の努力はしますという約束は取りつけております。  私は、冒頭申し上げましたように、あくまでも利用者本位という立場でものを考えるべきだと思いますので、彼らの違法行為に対しては今後もきびしくやっていきたい、このように考えております。
  93. 宮井泰良

    ○宮井委員 ただいまのことばをひとつ忘れないように、びしびしやってもらいたいと思うわけであります。  そこで、私が何でこんなにきびしく追及するかと申しますと、これはもう前の委員会におきましても、四十六年の二月十六日、やはり同じく松本委員がこういう質問をしておるのです、橋本大臣に。「まあこれはうがった見方をすれば、参議院の選挙があるわけです。参議院の選挙が終わってしまえば値上げをするのだろう、こういうことをいっておるわけでございますけれども、ほんとうに値上げをする気があるのかないのか、許す気があるのかないのか、この辺のところもひとつ詰めて大臣から伺っておきたいわけです。」と、わざわざ参議院選が終わったらやるのでしょうということをはっきり言うてある。そこで橋本運輸大臣は、「運輸政策審議会に諮問してありますのは、いわゆる大都市交通機関のあり方という問題が中心でありまして、料金問題が特に関係はいたしておりません。ただ、先ほどちょっと申しましたように、必要交通機関と選択交通機関というものの考え方はどうかという点もあわせて諮問はいたしておりますが、しかしながら、料金問題はこれには関連いたしておりませんので、答申がありましたから直ちにこれを値上げするという考えは持っておりません。しかし、業者側としては、現在の経営状態から見てこういう実態であるということからして、申請を出す権利はあるものでありますから、これはまあ、出されたものはもちろん慎重に検討はいたしてまいりますが、当分の間、現在のところこれを許可する方針は持っておらない。」参院選後はこういうことはやらないということを大臣ははっきり言っておる。それをやったということについて、私は憤りを感じて追及しておるわけであります。大臣にきょう出席要求しましたが出てこられない。当然出てこられないでしょう。そういうことを運輸省当局としてどのように考えておられるか、見解を聞かしてもらいたい。
  94. 野村一彦

    ○野村説明員 そのときに大臣がお答えいたしました要点は、いま先出がおっしゃったとおりでございます。  ただ、そのときに参議院選が終わってもやりませんと大臣がお答えしましたのは、これは弁解ではなくて事実でございますが、松本先生の御質問のことは、タクシーの基本料金の値上げの御質問であったと私は考えております。したがいまして、タクシーの基本料金の値上げについては向こうは出す権利はあるだろう、したがって、出せば検討はせざるを得ないが、参議院選が終わったからといって、東京におけるタクシーの基本料金の改定はやりません、こういう趣旨の発言でございます。  ただ、全般的な基本姿勢としては、あくまでも事は物価の問題でございますので、先生の御主張のような国民生活に与える影響等は十分考えた上でやらなければならないと思いますが、ただいま御指摘の点は東京におけるタクシーの基本料金の問題である、私はこういうふうに理解をいたしておりますので、ひとつ御了承を得たいと思います。
  95. 宮井泰良

    ○宮井委員 大体そういうことは枝葉末節のことです。次々次々これからまだ値上げをするということなんですから、タクシー料金、それから営団地下鉄、そういったものを除いた以外はどんどんやる考えだということを新聞でも報道されておるわけですから、そういうことは認められないと私は思うのであります。  そこで、時間があまりございませんからあれいたしますが、政府は常に公共料金は値上げしませんと、佐藤さんもいつも言っておるわけであります。しかし、これはもう参議院選を前にしてのから公約であったと私は断定せざるを得ないと思うのであります。まあタクシー問題を一つとってみても、先ほど申し上げましたように、問題点は業界の経営姿勢を正さなくちゃいけない。それから路面交通の混雑、すべてに抜本的な解決をはからないでただ値上げするというのでは、ばかを見るのは利用者だけであるという点をさらに私は強調したいのであります。現在運輸省あるいは業界がやっておられるようなことは、ガンになった人にかぜ薬を飲ませるようなものでありまして、そういうことをしておったのではいつまでたったって解決しない。今回の値上げについては、私は断固国民のサイドに立って反対するということを強く表明しまして、私の質問を終わります。
  96. 福井勇

    福井委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十六分散会