○内藤
委員 できるだけ簡単にやりたいと思います。
第一に、きょうの毎日新聞を見ますと、光化学スモッグの問題が大きく出ております。これは
局長もごらんになったでしょう。この点は
運輸省だけの問題じゃないと思います。その前提で話しておりますから。ただ、昨年の公害
国会それから前回の
国会で、大気汚染あるいはこういう問題につきまして、
自動車で発生源となっておると思われる点をできるだけ少なくしていく、こういう方向をお互いに確認し合いながらやっていかなければならぬ、そういう
意味合いでいろいろ
議論を吹っかけてまいりました。
きょうの毎日新聞は、端的にここに出ておりますが、主犯は車と工場じゃないか、こういうぐあいに出ております。これは東京都の公害研究所の福岡さんという方がそういう趣旨を強調しておるわけです。メーカーのほうでは、
自動車工業会の方が反論のようなものを出しております。このどっちが正しいか云々は、ここでいま結論を出すなんという
考えは持っておりません。これはなかなかむずかしいと思います。ただ私たち社会党としては、大気汚染なり光化学スモッグでやはり排気ガスが相当な原因になるのではないか、そういうことでいままで主張してきましたし、排気ガスを排除するために、
自動車の
関係ではエンジン部でできるだけこれを規制していこう、そういうものを保安基準の中で明文化していこう、これはメーカー段階ですが、そういうことでメーカー自体もいろいろ検討しておるように承っております。単に規制だけしても
技術が伴わなければならぬ、こういうこともあるわけです。そういう点もぼくら十分にわかっております。
そういう
議論の中で、前
国会に、いわゆる中古車、使用過程車の排気ガスの問題、これはやはり相当なウエートになるのではないかということであなたに御質問し、資料も要求いたしました。資料もいただいて拝見しました。やはり使用過程車、中古車の排気ガスは一酸化炭素なり炭化水素は多いですね。多いということはお互いに確認できたと思います。私、この前前
国会の
委員会で
お話ししたのは、例の規制の五・五を四・五なりあるいは四なりにした場合に使用過程車にどういう影響を与えるか、こういうことでした。それに対するあなたのほうの
調査の資料は、五・五の現在の規制でありますと一〇・四%の車が該当する。それを〇・五%切り上げますと、五%にしますと一五・四%、四・五%にしますと二二・四%、四%にしますと三一・一%、四にしますと約三分の一の車が、エンジンの交換とか気化器の交換あるいは廃車、そういうぐあいにしなければならぬじゃないか、そうしなければ、新しい車のように、いわゆる使用車も四・五というぐあいにならぬじゃないか、こういうことですね。これは
局長もやはりこの
調査資料を出されたのですから、同じ認識だと思うわけです。
そこで、この対策もあわせて拝見しました。端的にいいますと、やはり
整備の段階できびしく行なう、そういうことになっておるようですね。ですけれ
ども、いまの場合は二年とかあるいは一年半とかあるいは六カ月という期限で、法律的に車の
整備点検、車検というのがあるわけですね。その間はやはり持っている方の、ユーザー、オーナーの自主的な、良心的な発動がなければ
整備にならないわけですよ。そういう弱点があるために、あなたのほうでは街頭検査をやってそれを押えていこう、こういうことです。ところが街頭検査は、その場では効果があるんでしょうが、実際問題としてはもう要員が容易じゃないわけですね。政府の方針として五%の定員削減等もあるわけでしょう。したがいまして、街頭の定期検査を励行して厳格に行なうには相当な人数が必要になってくる、こうなるわけでしょう。ですから、これはやった瞬間はいいけれ
ども、またもとに返ってしまう、こういう弱点があるわけですね。検査の場合の自主的な規制を進める、これも弱点がある、街頭の強制的な検査も弱点がある、そういう中で中古車の排気ガスは、やはり五・五という規制をこえて相当出ておる。その出ておるのが、
技術的、科学的にはまだ結論が出ないような新聞記事でございますけれ
ども、その出ておる排気ガスが相当な犯人になっているということは、ほぼ私は間違いないと思うのです。毎日新聞のこれを見ましても、いろいろな検査等もとらえてそれを解明しておるようです。これはいま読み上げるだけの時間もありませんけれ
ども、大体これは私は是認していいものじゃないかと思うのです。
そこで、さあどうするかということですよ。ここまで来まして、公害
国会でも論議し、大気汚染の法改正もしましたし、道交法も改正いたしました。この新聞にも出ていますけれ
ども、それでは車をストップしたほうがいいじゃないか。車検も弱さがある、街頭検査も弱さがある、それではもういっそここで車をとめたほうがいいじゃないか。これはできますね、法律の中で。それは改善の
一つの方法になるわけでしょう。ところが、この毎日新聞を見ますと、警視庁の代表は、車をとめてもいいけれ
ども、オキシダントの光化学スモッグで被害を受ける方と、車をとめた場合の車の渋滞での国民の被害のどっちが重いか軽いか、これもなかなか判断がつかない、そこで車の規制はなかなかむずかしいということを言っているわけだ。
そうしますと、残る方法はどういう方法があるかということです。四十八年までの間に大体二年間ありますから、新車に切りかえになるんじゃないか、こういうお
考えがあるようです。それも、大体この二年くらいの間に全部かわるという話ですからそれもわかりますけれ
ども、その間、いま現実に光化学スモッグでたいへんな人数が、何万の方が被害を受けている、またあすにも出るかもしらぬ、こういう状態と、四十八年になった場合には全部新しい車になってしまうから、それならいいんじゃないか、このズレですね。時間のズレもあるけれ
ども、政府の側といいますか、庶民大衆のほうの感覚と皆さんのように当局者とのズレといいますか、これは二年間あるわけだ。たいへんなズレなんだ。だから、私たちもいろいろいままで
議論しまして、なかなか妙手がないということはわかりますよ。よい手が、ペニシリンがないということはわかります。わかりますけれ
ども、しかし次善、三善策もないのかということになる。国民の側から見まして、ペニシリンがないからそれまで、四十八年まで待とうということは、これはむごい話になるわけです。
そこで、私も何べんもいま申し上げたとおり、公害
国会なり前
国会なり、また今回も言うわけだが、なかなか方法はないけれ
ども、どうにかしなくちゃならぬというこういう気持ちは、私はやっぱり国民大衆の気持ちを代弁しておると思うわけなんです。そこで、あなたのほうとしてどういうぐあいにしようというのか。なかなかないけれ
ども、しかし誠心誠意やらなくちゃならぬのじゃないか、あるいはそういうぐあいにやってきた、極力われわれのほうも民間のメーカーの皆さんの創意なり外国のほうなり、あるいは町の篤志家なり、あるいはこういう方面でいろいろ研究している方なり、そういうものをとにかく総合して、誠心誠意被害をできるだけ、最善じゃないけれ
ども、行政の担当者として次善、三善の策を進めてきたかどうかということになるわけなんだけれ
ども、政治の方向としては、もう公害問題、大気汚染問題、これはこうしなければならぬということになってきているわけです。その中での行政担当の、しかも車を規制するというそういう担当のあなたのほうの部門、
運輸省の部門として、どうもいままでのわれわれとの質疑応答の段階では、どうにもならぬというぐあいになっておると思うわけです、光化学スモッグの今日の現状から見ると。だから、あなたを別段追及するんじゃないですよ。隘路がいろいろあることはわかっています。しかし、何らかの形でこれを持っていこう、何とか国民大衆の負託にこたえようというお気持ちがありや。いままで何か
一つの方法が出てきておるかどうか、これからのやり方でもいいわけですけれ
ども、それをきょうこの段階で聞きたいのです。いろいろなことを大体いままでやっていますから、そういうことは省略して……。