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杉原一雄君 ここでは
質問しません。別の
機会にします。
それで、その他
文部省ではいろいろ
資料をお集めになっているでしょうが、
全国小・中学校公害対策研究会というのがあるわけです。どこにあるか知りませんが、
そこらあたりでは、「碧い空を子
どもらに」と、こういう本を出している。ここには、
SO2がどうだ、
カドミが何PPMだということは問題にしていない。
子供の
訴えを書いている、なまの
訴えを。これこそ
データだと私は思います。でありますから、
文部省は、こうした問題を
処理する場合に、こうした
子供の
訴えを、これは何といいますか、三島じゃないけれ
ども、美学的な印象的な文学的な表現なんかと片づけられると何をか言わんやでありますが、私は
子供の声に
真実があると思う。そうしたことで、こうしたものな
どもほんとうは生き生きとした
データだろうと思います。これは、提起したのは、新しいものではない。
基地の
子供が
訴えている
現状把握をする
データだと思います。そういう
意味で、これは青森の
中学校三年の
子供が
訴えているわけですが、いろいろ言っているわけですけれ
ども、「第二の
問題」——「が、一方が良くなったと思ったのですが、まだ問題はあるのです。それは、
一般市民に対する
影響です。
夏場の蒸し暑い時など「ガゥオーン、
ギィーン——これは
飛行機の擬音でしょうけれ
ども——などとやられたんでは、「うるさい」と、どなりたい心境になります。そのためにも、
米軍が
三沢市から、いや、
日本領土から、早く撤退して、
基地が、なくなれば良いと思いますが、それは、ほんの一部の人の
意見で、大部分は「そんな事されたらこまる」と言うのです。それというのも、
市民の職業の半分以上は、
基地で働いているのです。ですから、もし
基地がなくなれば、
失業者がどんどんふえ、第二の問題になるでしょう。だから、これは、わが市にとって、どうにもならない問題といってよいでしょう。」と、こう言っているわけですね。これは
子供そのものが
被害者である。
学校環境の問題とはおのずから違いますが、われわれの
教育対象である
子供の
被害者としての切々たる
訴えだと思います。ここには
一つの
現代社会の
矛盾が浮き彫りされているわけですね。たとえば、また、東京のある
中学校三年生の
鈴木という女の生徒が、「朝礼や、
体育の時間中に、
先生の話していることがよくききとれなかったり、マラソンをしていると、いきがつづかなかったりして、私達をなやませている。でも今では、なれたというか、へいきになってきました。でも、やっぱり、勉強するには、
空気がよくて、青空の見えるような、ところで、気持よくやりたいと思います。そうすればきっと、成績もよくなると思います。
——これは悲痛な
訴えだと思います。
——朝から夜まで
飛行機や、自動車の音でなやまされられたら、とうてい、まいってしまいます。」と。また、同じ
中学校三年の
子供ですが、「
深呼吸は小さく
」——「われ
ら羽田地区のことについて、考えてみよう。
羽田は春から夏にかけて、
夏風の吹く季節になると、スモッグはひどくなる。僕のいっている
学校などでは、南風が吹くと、となりの工場のえんとつの煙で、東側の
体育館が見えなくなる時もある。そんな日でも、校庭で
体操をしなければならない。
整理体操で大きく
深呼吸をしなさいといわれても、それはむりだ。この
羽田では、
深呼吸は小さく小さくすることになっている。」と、これがわれわれが未来を託する少年の姿でありましょうか。だれがこのような状態に
子供を置いているのか、
責任はきわめて大きい。ですから、
局長がさっき
指摘した
四つかの
小・中学校の例とははずれております。でありますから、
基地の
三沢に私も行ってまいりましたが、
朝鮮戦争が終わった
あとの
三沢基地は灯の消えたようなものであった。これが戦時中の加算でたくさん月給をもらってアメリカの兵隊が
ドンチャン騒ぎをしておったけれ
ども、
戦争が終わると株がどさっと落ちるのです。
三沢の町は灯の消えたような
現象になっている。こういう
基地の
現象は私は十分に腹に据えているわけですから、
公害の問題として考えた場合、
子供のこうした
訴えは
真実を持っているし、このような
訴えにこたえるわれわれ
政治家としても、行
政府としても、
責任はきわめて重大だと思います。こうしたくらいのとらえ方は
皆さんはしておられるでしょうが、ちょっと都合が悪いから御発表にならないのだろうと推察するわけです。私の推察の域を越えて、
行政当局は、やはりこうした面についての
八方手を尽くして問題を明らかにしていただき、
電子計算機でそろばんをするというような形ではなしに、もっともっと生き生きして
行政に対処していただきたいということであります。
もう
一つは、
富山県の片隅で起こっている問題であります。どういう問題が起こっているかといいますと、
富山市のすぐ郊外にある、婦人の婦、まん中の中と書いて、これは「
ふちゅうまち」と読みますが、ここで先般公明党の
小平さんが
質問をされた
公害の場でございましたが、
アカカスとか米の実体を持って
公害特別委員会で
質問されたことを私は忘れることができませんが、その
節小平さんからは
指摘されなかったけれ
ども、別の形の問題がいま起こってきております。
それは
小・中学生を検診した結果によると、九・六%が
斑状歯の疑いがある。つまり肥料をつくっている
関係上弗素が空中に流れていて、それを吸う
小・中学生は
——これは医学的なことはわかりませんけれ
ども、赤ちゃんとか
幼児期とか、まだ乳歯の
段階の
子供には直接
影響はないが、それがそろそろ永久歯になろうという
段階、ですから
小学生段階から
中学生段階、こうした
子供たちを調べたところが、歯に斑点がついているのが九・六%。また逆におもしろい
数字が出てくるわけですが、そのような
子供たちを調べますと、今度は逆に虫歯がない。なかなかいい面もあるようでありますね、虫歯がない。弗素だからそうした形で虫歯を除去する力も実は非常に持っているということですが、ただこの九・六%の
斑状歯の
子供たちが
現状では苦痛を
訴えたりする問題ではなくて、ただ美しいか醜いかという問題、美醜の問題。しかしながらこれはやがて体内にじん臓とか肝臓とか、いろいろなところに障害を与える結果を実は生むので、これは非常に警戒信号だ。そういう
意味で、いまはそうした
学校の周辺の工場からたれ流しになって吹き流しているわけですから、そういう状況の中からこうした
子供に対する健康の問題が実は出ております。ですから
四日市ぜんそく、いろいろありますが、私はこれは新しい問題の提起だと思っております。これはきわめて最近です。十一月二十五日の地方紙がこれを明らかにしたくらいでございますから、非常に新しい問題なんであります。でありますから、
公害という問題はもうこれで
対策が終わったというものじゃなくて、これは
公害審査をする
過程の中でも議論されているわけですが、日々新しい要素をもって
公害というものは出てまいりますから、
現状把握は容易じゃございませんし、また
対策にしましても、後ほど
質問いたしますが、現代の技術、科学水準その他において非常に困難をきわめるのじゃないか。だからいまの
段階で
質問申し上げ、
意見も申し上げて、失礼でございますが、やはり
教育環境が破壊されている、
公害によって。そしてそのことが未来の主人公である
子供の健康を大きく阻害している。また学習効果もあがらない、こういう
実態がありますので、そういう
意味で、いま
質問をしながら
意見を述べ、
予算編成の最後の詰めに入っておる
段階でございましょうから、
文部大臣も全力を傾けて六億八千万をがんばるんじゃなくて、できれば
山中長官の
発言とひっかけて、もっともっと費用を投入して
環境をよくする
努力を続けていただきたいということを最後に言いたかったので、数項目
質問申し上げたわけであります。何かそれについて大臣のお答えいただければ、ここで一言大臣のほうから。