○林(百)委員 きょうは
大臣も見えないし、
選挙部長も見えないので、一問だけ、ちょうど私たちが
公職選挙法の改正に反対したとき心配したような事態が具体的に出てまいりましたので、その実情を
調査し、そして、それに対する
見解だけを
次官と課長に聞いておきたいと思います。
実は、十二月十二日の朝日
新聞に、茨城の県議選でにせの推薦文書が多数ばらまかれたという、そういう記事が出ております。
内容を調べてみますと、悪用された名前は、全国地域婦人団体連絡協
議会という山高しげり会長、会員六百万人ですけれ
ども、これはもう十三日に済みました茨城県の
選挙の久慈郡の
選挙区のある候補で、ここへ十一日、全国地婦連のにせ文書が多数郵送された。その内容は「……茨城県北が生んだ〇〇先生ほど本会のため御
協力をいただいた方はありません。……できるだけ多くの婦人の方々の御支援を〇〇先生にお与え下さいますようお願いいたしたく存じます……」という筆書きの手紙を写真版にして配ったわけですね。そういう文書のうしろに書いてある名前は、婦人団体が三つありまして、いま言いました全国地域婦人団体連絡協
議会会長山高しげりさん、それから主婦連合会会長奥むめおさん、全国農協婦人組織協
議会会長白井小浪さん、この三人の名前でいま言った、〇〇先生に御支援をくださいますようお願いいたします、こう書いてあるわけですね。それで封筒のあて先は「茨城県久慈都大子町大字」というゴム印があるだけなんですね。消し印は東京・葛飾新宿郵便局の消し印で十二月五日付でついている。封書の裏書きの発信人は東京都大田区神田町一丁目三番地、全国地域婦人団体連絡協
議会、こうなっているわけですね。
ところが、これがでたらめだということは、第一、地婦連も主婦連合会も全国農協婦人組織協
議会もそういうものを出したことがないということと、それから封筒のうしろに書いてある、発信地である東京都大田区神田町一丁目三番地には全国地域婦人団体連絡協
議会というものはないというわけですね。配達できないものが相当あったものですから、東京の蒲田郵便局が発信地へ持っていったところが、そこには地婦連なんというものはないということで、そこで蒲田郵便局が実際地婦連はどこにあるかということを調べまして、実際の地婦連へ持っていって、こういう手紙がたくさん配達が不能になりましたのでお返ししますと言ってきて、それで初めて本人の地婦連が知ったというわけなんですね。このことが発表になったのですぐ
新聞にも出たわけですけれ
ども、この返送がもう二日おくれれば、この蒲田郵便局が気をきかして実際の地婦連の所在地を調べて配達不能の文書を持ってきてくれなければ、地婦連としてはわからなかったわけなんですね。調べてみると、七日ごろから久慈郡の大子町の婦人会役員にも郵送されてきているということがわかったわけであります。これはえらいことでして、要するに全国地域婦人団体連絡協
議会と主婦連合会と全国農協婦人組織協
議会の三つの名前が悪用されているわけですね、実際やってないのに。ところが、これは配達が不能で返送になったからわかったので、わからなければそのままになってしまう。
そこで
次官にお聞きしたいのは、第一に、これは
新聞に出ているのですから、この事実を調べて、こんなことが何とも処理されないということになるとたいへんですから、調べていただいて、もしわかっているなら、課長でもいいですからその事実を
報告していただいて、どういう処置をしたかを知らしていただきたい。
そこで問題は、
選挙法改正で
国会議員はビラは三種類、
地方県
会議員はビラは二種類しか出せませんものですから、もし県
会議員が今度改正されようとしている
公職選挙法に基づいて二種類出した後にこんな全国的な婦人団体の名前の偽造文書がばっとばらまかれたとすれば、一体それに対するどういう防御の方法があるのか。もう二種類のビラは出してしまった。いよいよ
選挙の二日前に偽造文書が返送されたものだから初めて地婦連ではわかった。そんなものは私のほうで出しているはずがありません。防ぎようがないわけですね。いままでだったら、二日ぐらいの余裕があれば、すぐ次のビラを出して、それは偽造だとかなんとかいう防護の方法が相手方候補にできるけれ
ども、できないわけですね。私たちはこういうことがあるということを心配して、むしろ偽造文書、不正文書に対する正当な防御方法の手を縛ってしまうのが今度の
公職選挙法の改正の結果になるんだということを警告しました直後にこういう問題が出ておりますので、これは私は非常に重要だと思いまして、ひとつこの点を一問だけ
質問をしたいと思うわけなんです。事実がわかっていたら、課長、事実をおっしゃってください。