運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1970-12-11 第64回国会 衆議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十五年十一月二十四日)( 火曜日)(午前零時現在)における本委員は、次 の通りである。    委員長 濱野 清吾君    理事 小山 省二君 理事 白浜 仁吉君    理事 高橋清一郎君 理事 丹羽 久章君    理事 森下 元晴君 理事 華山 親義君    理事 鳥居 一雄君 理事 吉田 賢一君       阿部 文男君    石田 博英君       笠岡  喬君    菅野和太郎君       椎名悦三郎君    中川 俊思君       中村 弘海君    中山 利生君       原 健三郎君    水野  清君       綿貫 民輔君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    田中 武夫君       日野 吉夫君    西中  清君 ————————————————————— 昭和四十五年十二月十一日(金曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君    理事 白浜 仁吉君 理事 高橋清一郎君    理事 丹羽 久章君 理事 森下 元晴君    理事 華山 親義君 理事 浅井 美幸君    理事 吉田 賢一君       阿部 文男君    笠岡  喬君       中川 俊思君    中村 弘海君       中山 利生君    綿貫 民輔君       田中 武夫君    高田 富之君       日野 吉夫君    鳥居 一雄君       伊藤卯四郎君    瀬長亀次郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 井出一太郎君  出席政府委員         通商産業政務次         官      小宮山重四郎君         通商産業省重工         業局長     赤澤 璋一君         郵政省郵務局長 竹下 一記君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      徳田 博美君         会計検査院事務         総局第二局長  鎌田 英夫君         会計検査院事務         総局第五局長  石川 達郎君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         参  考  人         (日本航空機製         造株式会社専務         取締役)    宮本  惇君         参  考  人         (日本航空機製         造株式会社取締         役)      平田 好蔵君         決算委員会調査         室長      池田 孝道君     ————————————— 委員の異動 十一月二十四日  辞任   笠岡  喬君   勝澤 芳雄君 同日             補欠選任              安里積千代君              瀬長亀次郎君 同日  辞任         補欠選任   田中 武夫君     高田 富之君   西中  清君     浅井 美幸君 同月二十五日  辞任   安里積千代君 同日             補欠選任              伊藤卯四郎君 十二月八日  辞任         補欠選任   水野  清君     福永 一臣君 同日  辞任         補欠選任   福永 一臣君     水野  清君 同月九日  辞任         補欠選任   阿部 文男君     松野 幸泰君 同日  辞任         補欠選任   松野 幸泰君     阿部 文男君 同月十一日  辞任         補欠選任   水野  清君     笠岡  喬君   勝間田清一君     田中 武夫君 同日  辞任         補欠選任   笠岡  喬君     水野  清君   田中 武夫君     勝間田清一君 同日  理事鳥居一雄君同日理事辞任につき、その補欠  として浅井美幸君が理事に当選した。     ————————————— 十一月二十四日  昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十三年度政府関係機関決算書  昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十三年度国有財産無償貸付状況計算書 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十三年度政府関係機関決算書  昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十三年度国有財産無償貸付状況計算書  (郵政省所管日本電信電話公社)  国が資本金出資している法人会計に関する  件(日本航空機製造株式会社に関する問題)      ————◇—————
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  理事鳥居一雄君より理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  これより理事補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、浅井美幸君を理事に指名いたします。      ————◇—————
  5. 濱野清吾

    濱野委員長 この際、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、決算の適正を期するため、本会期中において、  一、歳入歳出の実況に関する事項  二、国有財産増減及び現況に関する事項  三、政府関係機関の経理に関する事項  四、国が資本金出資している法人会計に関する事項  五、国または公社が直接または間接に補助金奨励金助成金等を交付しまたは貸付金損失補償等財政援助を与えているものの会計に関する事項 以上各項につきまして、関係各方面からの説明聴取、小委員会の設置及び資料の要求等の方法によりまして国政調査を実施するため、規則の定めるところにより、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  7. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、国が資本金出資している法人会計に関する件について調査を行ないます。  この際、おはかりいたします。  本件調査のため、参考人として、日本航空機製造株式会社より専務取締役宮本惇君、取締役平田好蔵君に御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人からの意見聴取は、委員質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願いたいと思います。      ————◇—————
  9. 濱野清吾

    濱野委員長 質疑申し出がありますので、順次これを許します。華山親義君。
  10. 華山親義

    華山委員 会計検査院からの四十四年度の報告の中に、日本航空機製造株式会社のことにつきまして指摘がしてあります。そのことについて伺いたいのでございますけれども昭和四十二年の六月に増資の法律が出まして、そのときの論議がございます。その際の論議で一貫して言えることは、YS11はすでに量産過程に入ろうとしている、それで、百二十機売れるならばこれで採算が成り立ったものである、そのときの出資は、一つの区切りとして出資をするのだ、こういうふうなことを非常に自信を持って通産省会社当局は言っておられるわけであります。それで、この中にも見えますことは、外国から非常に注文が多くなってきている、こういうことを言っておられます。  そこで伺うのでございますけれども代理店として契約をなすったシャーロット・エアクラフト・コーポレーションというこの会社の名前はこの中に一言も出てまいりません。非常に売れるであろうという意気込みを持たれた、そういうことにはこの会社と何か関係がございますか。この会社を信頼して、この会社からの情報等によってそういう見通しを持たれたのか。
  11. 小宮山重四郎

    小宮山政府委員 いま先生の御質問がございました点については、政府委員あるいは会社の者から説明させますけれども、その前に、つい最近会計検査院から指摘されました日本航空機製造株式会社の十億三千五百八十六万円のシャーロット社に対しての支払いの件でございますけれども、この日本航空機製造株式会社政府出資四十二億、補助十二億もいただいておる会社であることについて、かつまた赤字も相当出しておるという点について、先生に前もって遺憾の意を表しておきます。  あとの点については、政府委員及び会社のほうから説明させます。
  12. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 四十二年の法律改正当時、いま華山委員から御指摘のように、当時の計画では百二十機という生産計画を持っておったのでございます。かつまた、四十二年当時におきまして、私ども通産省といたしましても、百二十機の計画達成は十分可能であり、かつまた、当時の情勢といたしまして、百二十機の販売が行なわれるならば、ほぼ収支は相償うのではないかという予想を持っておったのでございます。ところが、その後に至りまして、たとえば販売面におきましてもきわめて激烈な国際競争裏におきまして販売価格を十分引き上げることができなかったという反面、御承知のような賃金あるいは原材料等の値上がりによりまして、収支が漸次悪化をしてまいったということでございまして、その後におきましては、百二十機計画がさらに売れていくということもございまして、百五十機計画、さらに現状では百八十機生産という計画で現在製造販売中でございます。  そういったいまの状況でございますが、四十二年当時における売れ行きについての明るい見通しというものとシャーロットとの関係はどうか、こういうことでございますが、シャーロット社契約いたしました経緯につきましては、日本航空機製造のほうから御答弁があろうかと思いますが、シャーロットとは四十一年に契約をしておりまして、当時の状況から見ますと、百二十機という計画は持っておったけれども、四十二年当時私ども通産省政府委員お答えをいたしておりますほどまだ確実な見通しがない状況のもとにシャーロット社契約が行なわれた、かように私ども承知をいたしております。  なお、シャーロット契約いたしました前後の事情につきましては、航空機製造のほうから御答弁をいたすことといたします。
  13. 華山親義

    華山委員 その当時の議事録を見ますと、どこには何機ぐらい、どこには何機ぐらいと、その当時の状況通産省のほうでは非常に言われているわけですよ。その前にシャーロット社とは代理店契約をしておりますので、これだけは売れるであろう、どんどん注文も来ているというふうなことは、シャーロット社からの情報によって国会答弁されたのかということをお聞きしている。
  14. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 その点は、必ずしもシャーロット社からの情報と申しますよりも、四十一年シャーロット社契約をし、その後北米並び中南米におきましてデモフラトイを実施いたしております。そういったデモフライトの結果が非常な反響を呼びまして、その結果、日本航空機製造と私どものほうで十分な市場の調査をいたしました。その結果、そういうふうな売れ行きがあるのではないかという御答弁を申し上げたものと思います。  なお、この中南米北米におけるデモフライト等シャーロット社が十分なるサポートをしたといいますか、援助をしたというような実情を承っております。
  15. 華山親義

    華山委員 シャーロット社というのは、私たちから見ると、資本金等状態、それから事業の実績、そういう点から見ますと、日本だったならば二部の上場にもならない程度会社じゃないか。アメリカだったならば三流会社だろうと思うのでございますが、どういう経緯があってこういうふうな会社代理店契約を結ばれたのか、その経緯をひとつお伺いしたい。
  16. 宮本惇

    宮本参考人 お答え申し上げます。  その前に、四十年の四月からYS11が量産に入りまして、いよいよ商業機として使われるようになったわけでございますが、具体的に申し上げまして、四十年から四十一年の初めのころYS売れ行き自体が非常に見通しが暗かったわけでございます。そこで、四十一年度予算のときも大蔵省筋から、一体売れない飛行機をつくってどうするんだというお話がございまして、もう一年十分再建計画を練ってやるということで、四十二年度予算でひとつ勝負をしようという状態が当時あったわけでございます。  したがいまして、当時の状況といたしましては、YS11を海外に輸出をするというようなことは、特にアメリカ輸出をするというようなことは当時としては考えられなかった。ところが、いま御指摘シャーロット社は、元来が中古機専門メーカーでございます。中古機を下取りまして、それを方々に売っておるということで、アメリカの中でも、確かにいま御指摘のように中古メーカーとしては中くらいかもしれませんが、全体から見れば三流以下ということであったのでございますが、当時の状況といたしましては、シャーロット自分YSのよさと申しますものを見出しまして、向こうが大いに宣伝をしようとして日本に参ったわけでございます。  したがいまして、これは当時の状況でございますが、われわれといたしましては、いわば前途暗たんたる中で、向こうからYSをひとつ売ろうじゃないかということで飛び込んできたということで、いまから考えますれば、もっと慎重にやるべきであったと反省をしておりますが、当時の状況としては、とにかくアメリカへ出せるチャンスができたということで飛びついたことは事実でございます。シャーロットの社長というのは、アメリカローカルエアラインに非常に顔が広い、あるいは中南米にも顔があるということで、その後シャーロットの手引きによりまして、御承知北米デモ、さらには南米デモということで、飛行機現実に持ってまいりますと、各ローカルエアラインその他で非常に評判がよくて、注文が出てきた、こういう事情でございます。
  17. 華山親義

    華山委員 これにつきましては、日本のどこかの商社の紹介でもあったのですか。
  18. 宮本惇

    宮本参考人 野崎産業という商社がございますが、野崎産業取引先アメリカ会社シャーロットを紹介してくれたということでございまして、当時の状況として、シャーロット自分費用で一生懸命にYSのよさを見出して日本へ参りました。したがいまして、われわれもその当時初めて知ったわけでございます。
  19. 華山親義

    華山委員 こういう代理店とほかには何もお話がなかったのですか。シャーロット一社ですか。
  20. 宮本惇

    宮本参考人 当時の状況といたしましては、われわれは先ほど申し上げましたように、アメリカYSが出るというようなことを全然夢想もしておりませんでしたので、向こうからYSのよさを見出してきたという意味で、シャーロットだけでございます。ほかのほうは全然ございません。
  21. 華山親義

    華山委員 いま、アメリカに出るなどということは予想もしておらないということであったわけでありますが、この四十二年の議事録を見ますと、アメリカその他にも出るであろうということを高らかに言っているわけです。  ですから私は、そういうふうなことで、シャーロット社から情報といってもおかしいかもしれませんけれども、そういうことから出てきて、この議事録答弁内容なるものができたのじゃないのか、こう申し上げておるわけです。そうでなければ、そういうふうなところに出るということは、この会社以外からの情報以外にないわけですね、いまの答弁から見ますと。そういうふうに私は考えているわけであります。  これはしかし重点的な問題ではありませんからその程度にしておきますけれども、私は結論的に言うならば、結果論かもしれませんけれどもシャーロット社を選ばれたということは軽率であり、また非常に慎重さを欠いたといいますか、おかしなことだったと私は思わざるを得ません。  それで、このシャーロット社との契約でございますけれども、時間が限られておりますので一々こまかなことを申し上げませんが、この契約ではアメリカ南米ポルトガル等も入っておるようでございますけれども、これは独占販売代理店、こう了解してよろしゅうございますか。
  22. 宮本惇

    宮本参考人 お答え申し上げます。  確かに、契約内容につきましては、YS11型の飛行機独占販売代理権北米中南米、スペインという地点に与える、そのかわりシャーロットYSと同じような飛行機は売らない、こういう契約になっております。いまから考えますと、契約内容その他がはなはだずさんでありましたことをまことに申しわけないと思っておりますが、当時の状況といたしましては、アメリカのそういう飛行機を売るという事情その他が全然わからなかったために、しかも相当な熱意でやってくれるという意欲を示したために飛びついたわけでございまして、この点は、いまになってみますと、まことに申しわけないことをしたと反省をいたしております。
  23. 華山親義

    華山委員 お聞きしておりますのは、この契約内容独占販売代理店なんであって、ほかの商社YS11については売ってはいけないことになるわけでございますか。契約内容をちょっとお聞きしたい。
  24. 宮本惇

    宮本参考人 実際問題といたしまして、当時は日本商社飛行機輸出ということは全然やった経験もございませんし、知識もございませんでした。したがいまして、シャーロットを通じて売ってやるということが、もちろん契約をいたしましたころにはわれわれの頭にございました。御承知のように、日本商社は当時は飛行機の輸入しかやっておりません。ということで、契約をいたしましたときにはそういう頭でございました。  ただ、われわれが考えましたのは、後ほど当然御質問いただけると思いますが、独占販売代理権という契約をする以上は、シャーロットが当然契約から何から全部やって、極端に言えば、われわれはただ飛行機を引き渡すだけでいいということを期待して、そういう契約を当時といたしまして結んだわけでございます。
  25. 華山親義

    華山委員 独占代理契約であったということはおことばの中からわかるわけですが、それで日航製は、いまのような地域では、シャーロット社を通じないでYS11を販売、賃貸ししない、部品も同様である、こういうことが内容になっておりますね。ですから、これは独占だというわけでございましょうけれども、そういう独占であったにもかかわらず、ここを通じないでその後いろいろ売っているわけでございますが、そのときには、この契約には違反するということを意識しておやりになりましたか。
  26. 宮本惇

    宮本参考人 その後の進行状態についてお話し申し上げますが、御承知のように、デモフライトの結果、YS11の評価が非常に上がってきたわけでございます。そしてまた、一方、われわれもアメリカあるいは中南米エアラインに顔ができてきたわけでございます。ところがシャーロットは、なるほどブローカーとしてはずいぶんわれわれを引き合わせてくれましたけれども、その後見ておりますと、われわれが期待したことをやらないわけでございます。そこでわれわれといたしましては、現実にその後北米中南米契約というものが進んできたときは、むしろシャーロットはもう押しのけると申しますか、役に立たないという意味から、日本商社を使って——ただし、商社というものの使い方でございますが、現実には実際のテレックスあるいは契約ができてからの部品の輸送とか、そういう面だけでございまして、あくまでも実際の契約日航製が主体となってやったわけでございますが、要するに、そういうわれわれの予想と反して、シャーロットが、確かに方々へ引き合わせてくれましたし、いろいろやりましたけれども独占販売代理権を与えるだけの動きをしなくなった、ここに非常に大きな問題がございます。
  27. 華山親義

    華山委員 そういう御自分で売ろうという際に、直ちにシャーロット社との解約ということはできなかったのですか。
  28. 宮本惇

    宮本参考人 その際に、私たちといたしましては、大体、おまえはやることをやっておらぬじゃないか、したがって、単なるブローカーレージだけでいいはずだということで、相当突っぱりました。したがいまして、後ほど問題になると思いますが、デモフライト協力料と申しますか、そのときはかなりやりましたので、十五万ドルだけは先に渡しておきましたけれども、その後二年間はお金を全然払わないで突っぱってきたわけでございます。
  29. 華山親義

    華山委員 私は、普通の商社であったならば、そういうことであれば直ちに解約するのが当然だと思う。その際になぜ解約をしなかったかということに疑問がございますし、この契約内容それ自体に、解約するということについて何らの取りきめもない。一年間売った場合には幾らの手数料というふうなことはあるけれども、その間に実績がなかった場合にはこれは解約をするんだということについては何の取りきめもないように見えますけれども契約内容からは、私の言うようなふうに考えられますか。
  30. 濱野清吾

    濱野委員長 宮本専務、御注意願いますが、質問者の要点に答えてください。不必要な説明は無用です。
  31. 宮本惇

    宮本参考人 解約の点につきましては、両者合意の上と言うしかございませんで、その際、当然解約すべきであるということを明文でうたってないということは、全くわれわれの不備な点でございます。したがいまして、実際的に金を払わないことによって、けんか別れにしてやろうということをわれわれとしては考えたわけでございます。
  32. 華山親義

    華山委員 この内容を見ますと、こういう場合は解約するんだということについて何らの規定もないわけです。それから、このことによってシャーロット社はどういうことをしなければいけないかということも規定してない。ただばく然と、おまえのほうで売るんだという独占権を与えているにすぎない。私は、この契約というものは、国際的なものであるのかどうかわかりませんけれども、常識的にはまことに不備なもの、こう考えますけれども、いまからお考えになりまして、どうお考えになりますか。
  33. 宮本惇

    宮本参考人 まことにわれわれの至らない点でございますが、いまから考えますれば、まことに不備な契約をしたということを深く反省をしております。
  34. 華山親義

    華山委員 途中で契約の変更をいたしまして、手数料等について引き下げ等のことをやっておられますけれども、この間に、ある程度の犠牲があっても解約ができるということにしておったならば、このようにばく大な損害はなくて済んだんじゃないか、まことに残念に思われるわけであります。  なお、四十二年度に手数料十五万ドルを前金として支払っておられますが、これはどういう性格のものですか。
  35. 宮本惇

    宮本参考人 四十一年の四月に参りましてから、デモフライトの実際の実施あるいは各エアラインへのいろいろな商談、これは実はととのわないものもあったわけでございますが、そういったときに、あるいはまた南米デモフライトのときには実際にパイロットがわきについて乗っていった、そういう費用を全然払っておりませんので、また、現実問題として、われわれといたしまして、デモが非常に好評であったということで、そういう意味で、手数料の内金と申しますか、その当時は貢献度が非常にあったと見て、向こうから、初め来てから一文も払っておりませんので、五万ドル、十万ドルほしいということで払った次第でございます。
  36. 華山親義

    華山委員 お答えの中でちょっとわからない点がありますが、このデモフライトというのは、手数料とは別個に払うものなんですか。これは前金となっておりますから、手数料の一部と考えられるわけですけれども、どうなんですか。デモフライト費用その他だとおっしゃいますけれどもデモフライトというものは、代理店手数料のほかに払うものなんですか、どうなんですか。
  37. 宮本惇

    宮本参考人 結局、契約のたてまえといたしましては、デモフライトをやって大いに宣伝活動をやって、その結果として売れたものに対して幾らか払うということで、われわれといたしましても、かなり評判がよくなったということで、いわば手数料の内金的な意味で払った、こういうふうに現在は解釈しております。
  38. 濱野清吾

    濱野委員長 ちょっと宮本さん、明確にお答えになったがいいですよ。それはどんなつじつまを合わせたってだめなんだから、効率的にお答えになったらどうですか。そうすれば一発で済む。各委員は三十分しか持ち時間がないのです。あなたに引き延ばされたらみんなできない。  では、どうぞ華山君。
  39. 華山親義

    華山委員 この十五万ドルは前金ということになりますけれども、その中身というものについては、何か積算したところの基礎があったのですか。
  40. 宮本惇

    宮本参考人 当時のデモフライトのいろいろな費用その他で、やはり日本へ来たり何かした費用が十万ドルぐらいかかっておるという話も聞きまして、現実に積算の結果幾らかかったからということではなくて、手数料前金という形でとりあえず払ったというのが現状でございます。
  41. 華山親義

    華山委員 私は商習慣はあまり知りませんけれども代理店手数料の前払いというふうなことはあまり聞いたことがないのです。そして、その積算の基礎もこうこうこういうふうなことだからということでなしに、十五万ドルというふうなものをただぽつんと渡した。この会社を非常に信用していらっしゃったんでしょうけれども、まことにその点私は遺憾だと思わざるを得ません。  しかし、日本商社がその後販売をしている。これは五十機でございますか、それを今度はシャーロット社が要求してきたわけです。自分が売ったんじゃない。日本商社等の助力によって会社が売られたんでございますけれども、これはあちらから強硬にその分の手数料を要求してきた。こういうふうなことは、法律的にはどこから出てくるのか。自分で売ったものでないものについて手数料を求める。これは独占という約束を破ったから、そういうものの報償という意味で要求してきたのか、あるいは、とにかく売れれば取れるんだというふうな契約内容から出てくるのか。どういうことなんでございましょう。あちらの言い分とあなた方のその当時のお考え方をひとつ聞いておきたいと思う。
  42. 宮本惇

    宮本参考人 独占販売代理店契約を結びました関係上、向こうとしては、とにかくその地域内では売れれば取れるんだという要求でございました。
  43. 華山親義

    華山委員 だれが売ろうとも、独占関係があるから、売れればその分の手数料は取れるんだ、こういうふうなことでございますね。それは、しかし、あなた方はそういうふうに了解していたんでしょうか。そうだったとすれば、あなた方はよほど用心して売らなければならなかった。おそらくそんなふうには考えておられなかったんじゃないだろうか。独占を与えた、それを破った、したがってそれに対する報償を求めてくる、そういうことはあり得るかもしらぬけれども、そのまま全部が手数料になる、そういうふうなことは法律的には私は成り立たないと思うのですけれども、どういうわけで——こういうふうな何か国際的な慣行でもあるとかなんとかということでもあるのかどうか。その後、この会社解約をなさる際等にも、いろいろと御研究になったと思いますので、伺っておきたい。
  44. 宮本惇

    宮本参考人 実際問題として、その後の経過によりますと、実際われわれがエアラインといろいろ交渉をいたしましてやったわけでございまして、当然やることをやっていないのだから払う必要はないといって、突っぱっておったわけでございます。ただしかし、いよいよこれを解約に踏み切るという段階で、元来、われわれが先ほど申し上げましたような不備な契約をしたために、この不備な契約で裁判あるいは仲裁にかけた場合にどうだろうということになったときに、アメリカあたりの商習慣、アメリカの弁護士にも聞きましたが、いろいろ聞いてみると、どうももともとの契約が不備であるから、このままやったら、売った機数に手数料をかけて取られる可能性もあるということになったわけでございます。
  45. 華山親義

    華山委員 事前のいろいろな商習慣等についての調査が不十分であったということも言えると思いますけれども、この会社は、とにかく政府が金を出している会社なんだ。法律的なそういう国際機関があるならば、国際機関で堂々と争うべきじゃなかったのか。争った結果、払わなくちゃいけなくなったというならば、これはまた別個の理屈もあるだろうと思う。責められるべきことは責められても、それでいたし方がないかと思うのですけれども、全く独断で、裁判にかけても負けるかもしらぬから払っておこうというふうな態度では、一般の会社であるならば別でございますけれども、政府の出資会社ですから、私はその点は不謹慎だと思う。それは、裁判にかけて負けました、まことに申しわけありません、しかし支払います、こういう態度に出るべきじゃなかったのか。そうでなしに、ただ、負けるだろうから、負ける可能性もあるから出しておこう、全部取られるよりも少しは払ったほうが額も少ないかもしれないし、そういうふうに値切ってでも払っておこう、こういう態度は、とにかく直接間接国民の税金なんですから、態度といたしましてまことに遺憾だと私は思う。その点は民間会社と違うと私は思うのです。  それから、十五万ドル払ったわけでございますけれども、あとでまた払ったのでありますが、この十五万ドルについて、前渡し金ですから当然精算というものがなければいけない。シャーロット社から十五万ドルはどういうふうに使ったという精算がありましたか。
  46. 宮本惇

    宮本参考人 先ほど申し上げましたように、手数料の内金という形で払いましたために、特に精算というものはございません。
  47. 華山親義

    華山委員 それはしかし、前渡金というものはあとからもらう金を前にもらったものでしょう。前にもらった金なんですから、当然精算をして、あとからもらう金から差し引くというのが原則です。これは私は前渡金の当然の性格だと思う。それもやっておらないというふうなことでございます。  それで、結局どうしても解約をしなければ困るということでなすったわけでありますが、何回にわたってそれをなすったか。四十二年にも四十四年もたびたび払っておられますが、結局これはどういう性格のものですか。四十二年の前渡金の五方ドルは聞きましたが、四十二年の十月の十万ドルは、これはどういうものでございますか。
  48. 宮本惇

    宮本参考人 四十一年の北米デモフライト、それから四十二年の二月以降の中南米デモフライトということで、全部一緒に回ったりしたわけでございまして、そういう意味で、両方のデモフライトの分相当という意味で合わして十五万ドル払った、これが実情でございます。
  49. 華山親義

    華山委員 四十四年の三月に五十万ドル払っていますね。これはどういうことですか。
  50. 宮本惇

    宮本参考人 したがいまして、十五万ドルだけ払ってそのままずっときたわけでございます。それで、われわれとしてはもうそれ以降払わぬといって突っぱってきたわけでございますが、結局、いずれはこういう商社は切らなければいかぬということで、四十四年の二月に、五十万ドルの現金とそれから中古機三十三機を渡しまして手を切ったという形になるわけでございます。  そこで、われわれといたしましては、先ほど御指摘のとおりでございますが、当時われわれが中南米北米に売りましたときに、当然下取りということが行なわれまして、それがありましたので、当時の気持ちとしては、現金をなるべく支出を少なくして中古機で払おうということで、二百二十三万ドルという中古機と五十万ドルで手を切ったというのが実情でございます。
  51. 華山親義

    華山委員 四十五年の三月に二百二十三万ドルを払って手を切った、こういうことになりますね。
  52. 宮本惇

    宮本参考人 四十四年の二月のときに、現金五十万ドルとそれから中古機三十三機、これは実際に売買契約いたしましたのは四十四年の四月でございますが、それで手を切った、こういうことでございます。
  53. 華山親義

    華山委員 そうすると、このシャーロット社に払った金は合計幾らになるわけですか。
  54. 宮本惇

    宮本参考人 合計といたしまして、現金が六十五万ドルと中古機が三十三機、こういうことで、トータルが二百八十何万ドルで約十億円、こういうことになるわけでございます。
  55. 華山親義

    華山委員 それで伺いますけれども、こういうふうに支払われたというのは、何かやはり会社会社なりとしての計算の根拠というものがあったわけでございますね。どういう根拠でございますか。
  56. 宮本惇

    宮本参考人 先ほど来申し上げておりますように、その契約自体がまことに不備であることは申しわけないと思っておりますが、契約どおりに向こう手数料をかけてこられると、三百八十三万ドル程度のものを要求されることに対して、現金の支出は、初めの十五万ドルを入れまして六十五万ドル、それから、中古機を相当われわれ持っておりましたが、中古機の維持あるいはこれを売るということになりますと、実際問題として、当時ベトナム戦争が下降状態になっておりまして、値がどんどん下がってくるということで、中古機を早く処分してしまわなければいけないということもございまして、五十万ドルと二百二十三万ドルという中古機で手を切ったというのが実情でございます。
  57. 華山親義

    華山委員 中古機の評価はどうしてなさいました。
  58. 宮本惇

    宮本参考人 中古機の評価というものは、公定価格というものが現在実際問題としてなかなかないわけでございますが、当時は、われわれといたしましては、一応の定価表的なものもございましたのと、それと飛行機の実際の状態、あるいはまた、現実にわれわれが売りました経験から見まして大体想定をしたということでございます。
  59. 華山親義

    華山委員 これには国際価格というものはないものですか。
  60. 宮本惇

    宮本参考人 自動車の場合もそうかもしれませんが、飛行機の場合に中古機が大体幾らだという一応の値段はございます。たとえば、それがまた飛行機状態によって、全部使い切ってしまって、オーバーホールをやらなければいかぬというものは幾らというのがございますので、一応そういうものもございますので、それを参考にいたしましてやったわけでございます。
  61. 華山親義

    華山委員 それは、何か第三者の評価等に付するのが当然じゃないのでございますか。そういう第三者の評価——その評価どおりでは話が合わないということもあるかもしれませんけれども、事前に、これだけの多額の金額なんですから、第三者の評価なり何か、そういうふうなものによって評価してもらうという手続きはとられたのでございますか。
  62. 宮本惇

    宮本参考人 その点は、シャーロット自体が中古屋でございますが、当時の状態といたしましては、中古機の個々の値段というものがなかなかつかめません。あるいは日本航空あたりが中古機を処置しておられますので、そういう値段も聞きましたけれども、非常に安い状態でございまして、それよりは多少高く引き取ってもらったということでございます。
  63. 華山親義

    華山委員 中古機を買った分を渡されたわけですね。買ったときと売ったときの値段はどうなんですか。
  64. 宮本惇

    宮本参考人 中古機を買うと申しますか、新しい飛行機を売ります場合には、かわりに中古機を引き取るということが、まあ自動車と同じで、飛行機にもあるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、飛行機の商売をやる場合にはあらかじめ下取り差損というようなものも考えてやらなければ飛行機の商売はできないわけでございます。当然、買ったときの値段と、それから時間を経過する維持費をかけても、そうすると、全体の需給状態から見て下がり目である、こういうのが実情でございます。
  65. 華山親義

    華山委員 ここで資料をさがすのは時間がかかりますからなんでございますけれども、大体、あなたのほうで手に入れた飛行機の下取りで評価した値段、買うときに評価した値段とシャーロット社に払ったときの評価の値段とでは、半分ぐらいになっているんじゃないですか。
  66. 宮本惇

    宮本参考人 飛行機を下取ります場合には、エアラインのほうから見れば、なるべく高く取ってくれということで、その辺に根もございまして、そうしてまた、それを引き取らなければ飛行機は売れないということで、ある程度と申しますか、  一定の値段で引き取りますと、現実に売るということになりますと、実際問題としてはかなり下がっております。したがいまして、われわれが、下がっておりますものを大体市価——市価と申しましてもはっきりした標準はございませんが、そういうところの第三者の納得のできる客観的な評価というものができるかと申しますと、まことに申しわけございませんが、それは客観的な第三者を納得させるものはできなかった、しかし、われわれとしましては、当時いろいろ中古機の値段が一部新聞などに示されておるものと、現実のいろんな状態を見て、大体それに合わして売った、したがいまして、引き取ったときと売った値段とでは、売ったほうがかなり下がっておるというのが事実でございます。
  67. 華山親義

    華山委員 私は、しかしあまり差があり過ぎるような気がします。これは、さがしていると時間がありませんから、また質問する機会もあると思いますけれども、とにかく半分以下のような値段で、引き取ったときの評価の値段とこれを渡したときの評価の値段とでは半分ぐらいになっておる。私は業界のことは存じませんので、自動車なんかもそういうものですかどうですか私はわかりませんけれども、私は少しひど過ぎるんじゃないかという印象を受けますし、正確のことはなんでございますけれども、中古航空機には世界的の相場があるというふうにもいわれておるわけです。しかし、世界的の相場があるということもあまり確信を持っていらっしゃらない。そういうことじゃ、なかなか商売ができないんじゃないかという気がいたします。  それから、現金を五十万ドル渡して解約をされたわけでございますが、それは十五万ドルというものは含まれて——五十万ドルというものはどういうふうなことで計算なすったものですか。
  68. 宮本惇

    宮本参考人 実際問題といたしまして、五十万ドルと中古機三十三機で解約に応じようという話になったわけでございまして、それをしなければ裁判をやる——御指摘のように裁判で徹底的にやるべきであったかどうか、いまは深く反省しておりますが、そういう条件で手を切るべきか切らざるべきかという情勢でございましたので、五十万ドルと中古機三十三機で手を切った、したがいまして前の十五万ドルは外ということになるわけでございます。
  69. 華山親義

    華山委員 そうすると、五十万ドルには何も積算の基礎があったわけでもない、手づかみ金だ、そういうことになるわけですね。これは、政府の金を運用される側といたしましては無責任過ぎるのではないか、そういうふうな気持ちが私はいたしております。  それで、このYSUでございますけれども、いま何機売りましたか。
  70. 宮本惇

    宮本参考人 十一月二十日現在で百四十一機でございます。契約済みが八機でございますから百四十九機、約百五十機でございます。
  71. 華山親義

    華山委員 これは何機売れば、とにかくYSnについての締めくくりがつくのでしょうか。
  72. 宮本惇

    宮本参考人 現在、政府からオーソライズされておりますのは百八十機でございます。ただ、実際問題として、これはあとでまた申し上げたいと思いますが、百八十機売っても、現実になかなか黒にはならないというのが現状でございます。
  73. 華山親義

    華山委員 ちょっと聞き落としましたが、百八十機売ればYSUの締めくくりがつく、こういうことでございますか。
  74. 宮本惇

    宮本参考人 私の申し上げましたのは、現在日航製として百八十機までつくって売るという計画が政府から御承認を受けておるという意味でございまして、百八十機売ったら黒になるかどうかという点は、これはまた別問題でございまして、現実には非常にむずかしい、こういうことでございます。
  75. 華山親義

    華山委員 非常に困難だということでございますね。  時間も参りましたから私これでやめます。しかし、いままでの経過は大体お聞きいたしましたが、たいへんに不手ぎわだったと思うのでございます。  これにつきまして監督官庁の通産省にお聞きいたしますが、こういういろいろな大綱だけお聞したのですけれども、このことについて、通産省は承諾を与えたのか、通産省とは無関係にやられたのか、その点、通産省のほうからひとつ御答弁を願いたいと思います。
  76. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 ただいま御質疑の対象になっております契約、あるいはこの契約解約に伴う支出等につきましては、通産省としても報告を受けておると思います。当時のことでございますのであれでございますが、当然会社側から報告を受けていると思います。私どもといたしましては、日本航空機製造、これは通産省の監督下にある株式会社でございまするので、こういった点につきましては十分な監督あるいは行政指導をすべき立場にございますが、こういった点につきまして行政指導上まことに不備であったということにつきまして、私どもとしてはまことに申しわけなく思っております。今後かかる事態につきましては、万々かようなことがないように、今後とも監督指導を強化してまいりたい、かように考えておるところでございます。
  77. 華山親義

    華山委員 一言だけ。報告を受けておると言われますけれども、行政機構としてお聞きするのでございますが、そういうことについては、許可ですか、認可ですか、ことばはどちらでもいいんですが、そういうことが必要としているのか、してないのか、そういう点を伺っておきたい。これは会社の責任であるか、通産省の責任であるかということについての大きな問題だと私は思うのです。何かそれについての会社に対する命令書のようなものがあらかじめ出ていると思うのでございますが、その点につきましてどういうふうなことになっておりますか、伺っておきたいと思います。
  78. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 日本航空機製造に対します通産大臣の監督あるいは許認可の問題でございますが、航空機工業振興法第四章以下が日本航空機製造株式会社という章でございます。  この章によりますと、いまお話しの許認可の問題でございますが、第二十条によりまして、営業年度の事業計画、資金計画及び収支予算につきましては、通産大臣の認可を受けるということに相なっております。それから営業年度経過後三カ月以内に財産目録、貸借対照表、損益計算書並びに営業報告書は、これを通産大臣に提出するという形になっております。したがいまして、年度当初の事業計画の大綱、資金計画収支予算、これにつきましては認可をいたしております。年度経過におきます一々の個々の営業活動につきましては、そのつど認可あるいは許可といったようなことはいたしておりません。ただ、法律上のたてまえからいたしまして、通産大臣は当然監督上の責任があり、かつまた、こういった国策会社でございまするので、その活動につきましては十分な行政指導をいたすべき責務にあるものと考えております。  そういった点につきましてただいまるる御指摘をいただきました点につきましては、私どもとしては、監督上あるいは行政指導上不備であったという点は、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。
  79. 華山親義

    華山委員 私はそのこと自体が、いろいろな国策会社というものを見てみますというと、監督官庁との間に命令書を出して、こういう場合には法律以外に、許認可とかいうふうなことの規定があるように思うのです。この会社についてはそういうことがないということも私はふかしぎの一つだ。今後ひとつそういう点につきましても十分に検討していただきたいと思います。  それから、今後のこの会社のやり方等につきましては、また同僚からの質問等もあろうかと思いますが、時間が参りましたので、これで打ち切ります。
  80. 濱野清吾

  81. 浅井美幸

    浅井委員 ただいま問題になっております日本航空機製造株式会社の問題について、私も若干質問をいたしたいと思います。  ただいま華山委員のほうから概略の質問がございました。私は時間の関係で問題点だけをあげて質疑をいたしたいと思いますので、答弁は簡潔に明確にお答え願いたいと思います。  まず、このシャーロット社との契約の問題でありますけれども契約内容が不備であったことは先ほども指摘されましたけれども、私は、この契約が一方的な契約であって、非常にずさんな契約である、このことを私はまず言いたいのであります。この当時契約に当たられたのは、きょう参考人に来られておる宮本さん、あなたがやられたんじゃないですか。
  82. 宮本惇

    宮本参考人 私と営業担当の重役の二人でやりました。
  83. 浅井美幸

    浅井委員 その内容についてでありますけれども、いろいろと契約はされております。この契約でありますけれども、先ほどあなたは、独占販売代理店でないような、あるようなお話があったのですけれども独占販売代理店であること明確なんですが、いかがですか。
  84. 宮本惇

    宮本参考人 独占販売代理店でございます。
  85. 浅井美幸

    浅井委員 その契約内容において「日本航空機製造株式会社は米州(合衆国属領を含む北アメリカ、カナダ、南アメリカ、中央アメリカ)およびスペイン地域内でシャーロット社を通さずにYS−11およびその部品販売あるいは賃貸しないこと、」これは一方的な条件です。それから「日航製は上記地域内で販売または賃貸されたYS—11およびその部品に対し、所定(六%から四%)の手数料シャーロット社に支払う。ただし、日本の貿易商社に対して負う手数料については日航製がすべて支払うこと、」これは明らかに二重の手数料を払わなければならないという、初めからこの手数料については会社の損失を与える契約内容になっております。それから次に「シャーロット社は中古航空機の販売または保管についての責任を負わないが、新品販売のため下取りした中古航空機を随意に販売する独占権を有すること」こういうふうなことがこの契約内容の中に出ております。これは、ほかにも問題点があるのですが、どういう考え方でこういうようにしたのですか。
  86. 宮本惇

    宮本参考人 いまから考えますればまことに不備な契約でございまして、この点はまことに申しわけないと思っておりますが、当時といたしましては、先ほど申し上げましたように、アメリカ飛行機が出るという可能性がまあ見えたということで、しかもアメリカの実際のそういうディーラーあるいはブローカーがどういう契約をしているかということも皆目見当がつきませんでしたのでそういうことに契約せざるを得なかったというのが、今日から考えました実情でございます。
  87. 浅井美幸

    浅井委員 当時の事情としてあなたはやむを得なかったと言いますけれども、これは商慣習においてこういうばかな契約をすることはあり得ないです。いまから考えなくても、当時においてこれは考えられることです。一方的な契約内容じゃないですか。日航製の負うべき義務については詳細に規定されておって、シャーロット社代理店として負う義務については、シャーロット社YS11と同種の新品航空機の販売をしないこと、シャーロット社YS11及び全製品の販売促進及び売り込みについて最大の努力を払うこと、こういう抽象的な条項があるだけで、代理店として当然行なわなければならない販売促進及び売り込みの内容については明記されてないじゃないですか。どうですか。
  88. 宮本惇

    宮本参考人 御指摘のとおりでございまして、いま、確かにわれわれの注意が足らなかった点は深く反省をいたしております。
  89. 浅井美幸

    浅井委員 まあ、あなたが反省をしていらっしゃると言うのですから、あまり私も重ねては申し上げませんけれども、さらにこの代理店契約について、いろいろとあなた方は適格な代理店としてこれを認める場合において、ダン社の信用調査書によっても「シャーロット社資本金(払込済)十一万弗(三千九百六十万円)、従業員百二十名、年商五百万弗(十八億円)程度の企業で、主として軍関係の余剰部品の購入および中古部品の修理販売を行なうほか、」中古機販売を行なっておるだけであって、YS11級の新品航空機の販売については経験能力が全くなかったことは明らかなんです。そういう会社内容を十分あなた方が調べることなしに、売れればいいんだ、話があれば、誘いがあればすぐ応ずるんだというあいまいな、またずさんなそういう契約内容が今日のこの災いを及ぼしているのじゃないですか。その点どうですか。
  90. 宮本惇

    宮本参考人 われわれが承知いたしております当時でございますが、シャーロットはいわば中古機の下取り、販売を主としておった会社でございまして、新品はYSが初めてでございます。それは承知しております。ただ、当時といたしましては、デモフライトあるいはその他の関係で非常な熱意を持ってやってくれた。また、初めの段階ではデモフライトあるいはアメリカエアライン中南米エアラインへの引き合わせその他の活動は熱心にやってくれたわけでございます。しかも、アメリカ市場にYSが出るということは、どうやってアメリカへ持っていくかということ自体、当時としてはかいもく見当がつかなかったし、率直に申し上げまして、当時はとにかくアメリカYSを持っていって売れる可能性が出てきたということをわれわれとしては喜びまして、そういう結果になってしまったわけでございます。
  91. 浅井美幸

    浅井委員 さらに、先ほども申し上げましたけれども、いわゆる日航製アメリカ及びスペインでシャーロット社を通さずにYS11及び部品販売あるいは賃貸しないこと、こうなっているわけです。だから、日本の貿易商社の取り扱いによって上記地域内に輸出した場合でも、あなた方はシャーロット社日本商社のいずれにも手数料を支払わなければならないという不経済な結果を来たしておるわけです。こういうことは不経済だとあなた方は感じませんでしたか。日本商社に対して注文があって輸出をしてくれるときに手数料の二重払いになる、そのことはわからなかったわけですか。
  92. 宮本惇

    宮本参考人 もちろん手数料の二重払いということは当然存じておりますが、ただ実際問題として、当時の日本商社の活動のしかたは、たとえばテレックスを利用するとか、あるいは実際の契約ができてからあとの部品の輸送という面だけでございまして、われわれとしてはシャーロットのものを相当下げてやれればやりたい。できるだけ二重払いの結果になることを避けたいという気持ちはございました。
  93. 浅井美幸

    浅井委員 その点はあなた方も不備を認め、ずさんさを認めていらっしゃるのであまり申し上げません。  次に、シャーロット社に対して払う基礎になったのですけれども、一体何機売られたんですか、アメリカ関係あるいはスペイン関係に対して。
  94. 宮本惇

    宮本参考人 この契約が終了いたします時点で、販売が三十八機で、リースが十二機だと思います。
  95. 浅井美幸

    浅井委員 会計検査院にお伺いしたいんですけれども商社を通じてアメリカあるいはスペインに対して売られた機数はお調べになっていますでしょうか。
  96. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 ただいま日航製のほうからお答えがありましたとおり、販売三十八機、リース十二機でございます。
  97. 浅井美幸

    浅井委員 その内訳を言っていただけますか。私の承知しておるのは五十三機のはずですが……。
  98. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 その三機でございますが、おそらく御質問は、当初われわれが四十四年に照会いたしました九億六千百万円の商社に対する手数料、それの対象になるものと、四十五年度におきまして検査報告に掲記いたしました支払い手数料八億八千三百万、この差についてのお尋ねと思いますが、このうちランサにリース・パーチェス四機分、これは日航製もランサにリース・パーチェスの契約をしたわけでございますが、ランサの経営不振によりまして多額の債権が焦げつきまして損失を生じたために、シャーロットと交渉する際にこれを対象外としたという経緯のものでございます。  それからついでに申し上げますと、ハワイに第一次分として売りました三機分につきましては、これはシャーロットに対して四十一年五月二万五千万ドルのコミッションを支払っております。したがいまして、その分だけは四十五年度の照会、つまり検査報告に掲記する数字から除外しているわけでございます。
  99. 浅井美幸

    浅井委員 そうすると、ハワイの第一次分の三機を抜いて五十機というわけでございますか。そのとおりですか。
  100. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 ハワイの三機だけを除外してございます。
  101. 浅井美幸

    浅井委員 なぜハワイの三機を抜いたかわかりませんけれども、先ほど私は何機売ったかと聞いたら、日本航空機のほうは三十八機売って、リースが十二機、合わせて五十機、そしていまのハワイを抜いて三機、私の承知しているのは五十三機。なぜ三機抜いているか、私は明確な理由がわからないのですけれども
  102. 宮本惇

    宮本参考人 ハワイの場合は、先ほど第五局長からお話がありましたように、五十万ドルというものに対して手数料を、当時、最初でございますが、五%にまけて二万五千ドル払ったということで、一応今度の対象からはずしたという意味で三機をはずしたわけでございます。
  103. 浅井美幸

    浅井委員 シャーロット社に対する契約の交渉の際の機数が五十機であって、実際に売ったのは五十三機ですね。あなたのほうからいただいた資料は四十六機になっているのです。不明確なこういう資料を出してもらっては困る。日本航空機製造株式会社から持ってきた資料では四十六機しか書いてない。今後はこういうのは気をつけてもらいたいと思います。  この五十機になったいわゆる商社の支払い手数料は幾らになりますか、会計検査院
  104. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 先ほどちょっと触れましたように、八億八千三百万ほどになります。
  105. 浅井美幸

    浅井委員 もう一ぺん言ってください。
  106. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 八億八千三百九万二千二百六十円ということに相なっております。
  107. 浅井美幸

    浅井委員 この八億八千三百九万円がいわゆる二重払いということになるわけですね。——了解いたしました。  次の問題点ですけれども、先ほどもお話がございましたけれども、四十二年十月に十五万ドル支払い、さらに四十四年の四月ですか、これにまた五十万ドルを追加して、一機も売ってくれないこのシャーロット社に対して支払ったわけでございますけれども、このときの下取り機の三十三機の評価額は最初幾らでしたですか。
  108. 宮本惇

    宮本参考人 四十四年二月に現金五十万ドルと中古機三十三機を売った際の三十三機の評価額は、一応十三億七千九百万円ということでございます。四月にそれが八億二千万になったという御指摘だと思います。それは二月のときは、早く手を切って五十万ドルと中古機三十三機ということで、重点は五十万ドルにございました。それから、むしろ中古機が三十三機ということでございまして、一応われわれとしてはあとで詳細な値段はきめるということで、とりあえずいまわれわれの持っております帳簿価格を勘案してこういう高い値段をつけたのでございますが、実際には、向こうにしてみますと、今度はやはりそういう高いものを持っておるということはぐあいが悪いということと、先ほど来華山先生の御質問にありましたように、われわれとしては当時の市価を勘案いたしまして、現実には八億幾らということに下げたわけでございます。ですから、法律的にはこのあとのほうが売買契約で、こっちの値段でやっておるわけでございます。
  109. 浅井美幸

    浅井委員 三十三機の下取りの中古機の評価ですね。最初下取りのときの下取り価格は全部で五百八十五万ドルですね。すなわち二十一億六百万円で下取ってきたもの、これを四十四年の二月の十日に評価したのがいまあなたがおっしゃった三百八十三万一千ドル、十三億七千九百十六万円、これはどこが評価したのですか。あなたのほうですか、シャーロットですか。
  110. 宮本惇

    宮本参考人 これは大体下取ったものをやはり帳簿価格として載せる場合に一ですから、うちが評価したということになります。
  111. 浅井美幸

    浅井委員 それはほんとうですね。会計検査院指摘されているところの中には「手数料に充当した中古機のうちブラジル国クルゼイロ航空からの下取機については、日本航空機製造株式会社が下取りの際シャーロット社に評価させた一機当たり価格(コンヴェア430型機二十七万ドル、同じく440型機三十一・五万ドル)を一律に十七万ドルとして評価しているなど、その根拠の明らかでないものもあり、」これはどうなんですか。
  112. 宮本惇

    宮本参考人 その下取りする場合にはバーターの形式ということが為替管理上とられるものですから、一応下取ったものを相殺をすることになりますれば、やはり貿易手続の関係で一応かなり高く引き取ったということにしております。それを実際問題としてこのようにかなり減価をしておりますが、ではそういう評価が妥当であったかどうかという点は、御指摘のとおり、第三者を納得せしめる根拠はあるかといえば、ございません。
  113. 浅井美幸

    浅井委員 何だかさっぱりあなたの答弁はわからないのですが、要するに、四十四年の二月に十三億の値打ちの評価をしておるわけです。それが二カ月たったならば八億になっておるのです。この四十四年二月の十三億はだれが評価したのですか。
  114. 宮本惇

    宮本参考人 これは先ほど申し上げましたように、うちの会社の引き取ったものの帳簿価格ということで、これはうちが評価をしたということになるわけでございます。
  115. 浅井美幸

    浅井委員 下取り価格は二十一億六百万円じゃないですか。それを評価したのは今度十三億になったじゃないですか。だれが評価したのです、このずさんな評価を。わずか二カ月で五億も下がるような評価をだれがしたのですか。
  116. 宮本惇

    宮本参考人 その点は、先ほども申しましたように、当時の帳簿価格をもととしてやったのでございますが、二月の契約は、とにかく現金五十万ドルと下取り機三十三機で早く手を切るというところに重点を置きまして、正確な評価というものは、具体的には売買契約で今度はこっちの持っているやつを向こうに引き渡すという時点にきめるということで、とりあえず暫定的と申しますか、したがいましてその帳簿価格で売れるかどうかということは、われわれ自身も自信がなかったわけでございます。
  117. 浅井美幸

    浅井委員 売るとか売らないとか、五十万ドルにえらい力が入っておりますけれども、こっちは三百八十三万ドルという値打ちがあるんです。中古機であろうと、現物でしょうが。あなたは現金のほうの五十万ドルの話ばかりしておりますけれども、三百八十三万ドルが二百二十三万ドルに下がったということは重大なことですよ。この点は、一体なぜこのように下がったか。あなたは帳簿価格帳簿価格と言うが、じゃ、このときの価格の評価をしたずさんなやり方は、一体だれがしたのですか。あなたがやったのですかシャーロット社がやったのですか。
  118. 宮本惇

    宮本参考人 私が実際やるというよりも、やはりシャーロットと相談をしてやったということは言えるかもしれません。
  119. 濱野清吾

    濱野委員長 時間が来てしようがないから、いまさらしようがないんだから、現実の評価価格はだれがしたんだ、帳簿価格はあなたがつけたに違いない。ほんとうのことを言いなさい。あなたはうそばかり言っているじゃないか。
  120. 宮本惇

    宮本参考人 うそは申し上げませんが……。  それでは、ちょっと当時の状況を私もあれでございますけれどもシャーロットと相談をして、ある程度の暫定的の価格にしたいというふうに訂正いたします。
  121. 濱野清吾

    濱野委員長 それがどうもわからぬな。
  122. 浅井美幸

    浅井委員 ある程度とか、そういうごまかしでこの五億という金の減ったことをあなた言いのがれようと思っても無理ですよ。この計算でいきますと、あなたが一あなたの会社のほうでは、何だか安く済んでけっこうだった、日航機は契約所定のいわゆる手数料をより安い支払いで解除できると判断して、いわゆる解除契約を締結した、こんなばかな話がありますか。これでは、中古機の評価額を適当に動かすことによって、支払い手数料の額を幾らでもできるじゃないですか。この十三億だって、もっと値打ちがあったかもしらぬ。それを八億に値切られて、そしてまだ言いなりに五十万ドル払っている、こんなずさんな会社の経営というものがありますか。私の計算によったならば、結局、あなた方の損失は、十億三千五百八十七万円だと言っているけれども、実際は十六億一千二百二十三万円の損失じゃないですか。これはどうなんですか。
  123. 平田好蔵

    平田参考人 いまの評価の問題について申し上げますけれども、帳簿価格と申しますのは、下取り機を引き取ったときの価格を帳簿に載せておるのでございますが、その中の一部の飛行機は引き取り価格がいかにも高いので、これは評価がえをして安くしております。その安くしたものは、大体市価に見合って安くしておりますけれども、あとのものは引き取ったままの価格で帳簿に載せておりますので、実際はとてもそんな価格では売れない価格がそのまま帳簿に載っておるという状況でございます。したがいまして、二月の価格は、そういう実際には売れない高い価格が載っておるというふうに御了解いただきたいと思うのでございます。
  124. 浅井美幸

    浅井委員 じゃ会計検査院、この点についての指摘あるいは会計検査院意見を言ってください。
  125. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 今回、YS11につきまして指摘いたしましたのは、一番基本的な点は、先ほど来お話のありました契約あるいは解約における措置、これに非常に不十分な点があったということでございますが、それとあわせまして、経理処理の面、すなわち先ほどの十五万ドル、これが手数料の内金であるかいなかというような問題、あるいは、ただいまお話しのありました下取り機の評価につきまして、客観的にこれが幾らであるというような資料が実は整理されておりません。したがいまして、そういった面につきましては、通例の場合ですと、明らかな資料なりあるいは計算なりがあるわけでございますが、そのような点にも非常に経理上の不備な面があるというようなことを含めまして指摘をしているわけでございます。したがいまして、われわれといたしましてもお話しの下取り機の評価につきまして種々検討はいたしたわけでございますが、われわれのほうで断定的な数字というものも実はなかなか出しかねるわけでございます。いまお話しのありましたように、この下取り機の評価につきましては、価格決定の基礎は明らかでないということが現段階で言えるだけでございます。
  126. 浅井美幸

    浅井委員 先ほど、日本商社には八億八千三百九万しか払っていない、ところがシャーロット社には十六億も払った、約倍。なぜこういうようになるのですか。
  127. 宮本惇

    宮本参考人 それはやはりそもそも不利な契約を結んだ結果そうなってしまったということで、まことに申しわけないと思っております。
  128. 浅井美幸

    浅井委員 契約の不備ですか。  さらに、いわゆる現物給与にあたって、いわゆる手数料を払うのにあたって、あなた方はこの三十三機について売買契約をしたとおっしゃいましたね。これではシャーロット社の脱税を助けているみたいなものですね。あくまでも現物を渡したのです。買ったのではないはずです。それをあなた方は売買契約とおっしゃっていますけれども、これでは明らかにシャーロット社の脱税を助けたことになりますが、どうですか。
  129. 宮本惇

    宮本参考人 脱税を助けたということは、私は全然そうはなったとは思っておりません。
  130. 浅井美幸

    浅井委員 手数料としてもらったものと、それから買ったものとでは税金が違うのはあなた御存じじゃありませんか。シャーロット社手数料としてあなた方から受け取るというのと、シャーロット社があなた方のものを買うというのと、これはだいぶ違いますよ。この点はどうなんですか。
  131. 宮本惇

    宮本参考人 私詳しく存じませんが、結局これはシャーロットがそういうものを——要するに、古い飛行機の実際の査定というものは、われわれが売りました値段とそう遠くないということでございますので、その時点におきましては、実際の向こうの税務署の活動は、われわれが売りましたあとで、所有権を移転したあとで発生するのではないかと思っております。
  132. 浅井美幸

    浅井委員 所有権移転とか移転でないとかいうのじゃなくて、原則論の話をしておるのです。  あなた方のほうでは売ったなら売ったということになるし、また売ったあなた方に税金がかかるわけです。下取りとして三十三機の現物をそのまま引き取ってもらって渡すということだった。この問題はあなたは気づいてないかもしらぬですけれども、これは脱税ですよ。シャーロット社の所得税の脱税じゃないですか。
  133. 平田好蔵

    平田参考人 ただいまの取引を経理処理の面からちょっと御説明させていただきますと、二月なり四月なりに売買いたしました中古機は、売買契約として売り上げ代金にうちは計上しております。それから、その売った代金は、シャーロットから入金があったわけじゃございませんので、それがいまの解約手数料として支払われておるものですから、その代金を今度は販売手数料としてうちのほうで落としておりまして、別に脱税ということは全然ございません。
  134. 浅井美幸

    浅井委員 こちらのほうの脱税じゃないですよ。シャーロット社のほうの脱税を助けていると言っているのですよ。それで、この交渉当時シャーロット社は経営状態が非常に悪い。現金五十万ドルをくれくれと言ったのは、滞納税金の支払いに引き当てるものと、このように説明しているじゃないですか。こういう不良会社であるから、あなた方は便宜をはかってその脱税行為を助けている、あるいはまた、言いなりに金を払っておる、こういうずさんなことがやられたのじゃないですか。どうしてこの解決の方途として、先ほども言われましたけれども、仲裁裁判にしなかったか、これも大きな問題点です。これはどうなんですか。
  135. 宮本惇

    宮本参考人 当時の事情といたしましては、元来そういう不利な契約を結んでしまったということで、アメリカのわれわれが使っております弁護士その他いろいろ聞いてみましたけれども、大体契約が不利であるからという理由で、あるいは裁判をやってもまた別にお金がかかるということと、負けた場合には全部現金で取られるであろうということから、いまから考えますとまことに不備ではございましたけれども、そのほうがいいと判断をしてやってしまったことでございます。つまり、裁判をやらないで、それで手を切ろうということに気が早まり過ぎたということを反省しておる次第であります。
  136. 浅井美幸

    浅井委員 あなた方はこのことについて何のかんの弁解なさっていますけれども、非常にずさんであるということは間違いない。  次に、問題点として、このYS11が非常にコスト高になっておる。この赤字になる原因はいろいろとありますけれども、それが一つになっておる。たとえば不当に高いといわれるのは、部品の中においてもウインドーガラス、これがボーイング727でも五十四万円で済んでおる。ところが、あなた方のYS11は七十二万六千八百余円、コンベア脚に至っては五十六万円、コンベア240なら十六万九千円。この中で一番高いのがあなた方の部品の値段です。これはどういうわけですか。
  137. 宮本惇

    宮本参考人 ガラスの点につきましては、やはりYS11自体の数が全体から見て少ないということと、まあ、ボーイングの値段はただいま承知しておりませんけれども、おそらくスペックがそれぞれみんな違うということで十分御説明できるのではないかと思っております。
  138. 浅井美幸

    浅井委員 まあ議論をしてもしようがないですけれども、そんなに高い部品を使いながら、あなた方のいわゆる営業損益ですね、いま欠損が七十六億九千二百三万一千円ですか、これだけ出ておる。年々営業収支が悪くなっておる、やればやるほど赤字になっておる。これはどういうわけですか。
  139. 宮本惇

    宮本参考人 これはわれわれの実際飛行機を売ってみての反省でございますけれども、おもに原因は四つあると思うのです。  一つは、やはり売り値のほうが、御承知のようにコマーシャルプレーンでございますから、競合機とのいろいろな競争がございまして、現在五億五千万という標準値段がなかなか上げられないということでございます。したがってコストのほうは加工費が上がってくるというような点で、やはりどうしても逆ざやになるということが第一点でございます。それから第二点は、そもそも日航製量産に踏み切りますときに、開発費が——当時資本金は五十五億でございました。五十五億で、普通の会社でいけば金利のつかない金で量産に移るというのが全部借り入れ金でまかなわざるを得なかった、その後四十二年に二十三億円、いわば量産用の資金として増資をいたしたわけでございますが、二十三億に対し全体の運転量が非常に多いということでございます。それから第三点としては、販売費が予想以上にかかる、これは下取りの問題もございますし、それからサービスサプライという点が当初考えておったよりはるかにかかる、コマーシャルプレーンというものは、やはりサービスが一番大事であるという点があとからになって非常に大きく出てきた。第四点は、やはり飛行機の滞留、つまり百五十機売りましたけれども、それが右から左に売れているかというと、なかなかそうはいかない、その滞留間の金利というようなこと。以上申し上げました四つの点が、やはりなかなか収支がよくならないという原因でございます。
  140. 浅井美幸

    浅井委員 収支がよくない会社、四十七年になったら百億円以上の赤字ができる予定なんです。こういう会社をあなた方はいつまでも続けるつもりなんですか。政府の出資金が五四%も出ているこの会社は、年々赤字を重ねている。これは、あなた方はいつまでも続けるつもりですか。
  141. 宮本惇

    宮本参考人 これは、われわれの気持ちといたしましては、何とかたくさん売ることによって盛り返したいと思っております。ただ、何しろYS11というものが初めてのコマーシャルプレーンで、全く経験がなかった、したがいまして、そういう意味では思わざる支障が出てきたということは事実でございます。たとえば、初めから気がついておれば何でもないこと、YS11というのは、元来は、設計当時は、たとえば日本人の乗客の平均体重が七十五キロで、七十五キロ掛ける六十で四トン五百ということで考えておりましたところが、輸出をすれば、外人は大きいから八十八キロでございます。したがいまして、搭載量をその段階で一トンふやした、その追加工事とか、それからいろいろなそういう追加工事が非常に多かったという点でコストが上がったということでございまして、非常に苦しいということは、もう私自身率直に感じております。ただ、何とかしてたくさん売るということと、先ほど申し上げましたように、やはり量産資金その他でもう少しめんどうを見ていただかないと、いつも不十分で、やることが金利の逆ざやといこうとを生んでこうなってしまったわけでございます。
  142. 浅井美幸

    浅井委員 あなた方の赤字になる原因はいろいろあるかもしれぬ、しかしこれは十年たっておる、十年たって改善されない。これは親方日の丸というずさんなやり方なんです。大蔵省において、政府出資が四十二億円もされておる、あるいはまた補助金が十億円も出されておる。この点について、主計官がお見えになっておるそうですけれども、御意見はどうですか。
  143. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  ただいまの御指摘にもございましたように、YS11につきましては、量産事業に入りましてから出資で十二億、それから定額補助で十億出ておりまして、御指摘のように、貴重な国費の支出の対象となっておりますこの日本航空機製造株式会社にこのような不当事項があったことは、まことに遺憾のことと考えておりまして、今後十分このことを勘案しながら検討してまいりたい、このように考えております。
  144. 浅井美幸

    浅井委員 今後勘案するというのは、どういうことで勘案できますか。
  145. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  来年度予算の要求といたしましては、日本航空機製造株式会社の五十七年度までの長期収支見通しをもとに要求が出ております。しかしながら、この赤字処理問題につきましては、先生も御指摘のようにいろいろな問題がございまして、たとえば、まずYS11の量産事業自体の長期収支、これは五十七年度末まででございますが、これは当然のことと思いますが、まだかなり不確定要因が含まれておるわけでございます。したがって、赤字の金額がどうなるかということもまだ確定していないわけでございます。  それから、これは御承知のとおりYX問題、次の航空機問題が起こっておりまして、日本航空機製造株式会社の長期見通しといたしましては、このYXの計画の帰趨いかん、あるいはこの計画に占めるこの会社の役割りいかんによって左右される要因があるわけでございます。したがいまして、赤字の大きさとか、その処理方法についても未確定の要因が少なくないわけでございます。  さらにまた、赤字につきましては、国だけがこれを負担することが適当であるかどうかという問題もございます。しかしながらまた他面、とりあえず当面しているこの会社の経理問題をどう処理すべきか、こういう問題もございますので、これらの諸点を勘案した上で適正な処理方法について考えていきたい、こういうことでございます。
  146. 浅井美幸

    浅井委員 時間がないので、この点について厳重に今後注意してもらわなければならぬし、こういうことが再びあってはならないと思うのです。  この日航製の重役を見るとき、八名中六名も天下っておるのです。この天下り人事と、いわゆる赤字の増大あるいは決算においてのずさんさ、こういう経理のずさんさ、これについて、通産省は監督官庁として、こういうことが行なわれておった事実、あるいは天下りの事実、この点について一ぺん意見をお聞きしたいと思います。
  147. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 日航製の監督あるいは行政指導に当たっております私どもといたしましては、YS11というのが、いずれにいたしましても初めての国産機であり、それが海外に輸出されるということでございますので、従来とも航空機工業振興法に基づきまして、私ども監督指導してまいったところでございます。  いま天下りというお話がございましたが、当初から社長はいずれも民間の方にお願いをし、当初の段階におきましては、この試作設計に当たられました輸送機設計研究協会の理事長であった方にお願いをし、また量産販売の段階に至りました際には、商売上の経験の豊富な方ということで、民間の商社の経験を持った方にお願いし、さらに現在は、こういう非常な困難な事態にあるわけでありますので、また民間のエキスパートの方にお願いをいたしております。役員の問題につきましては、専務以下、若干名が過去に官歴を持った人物でございますが、実際の商売に当たる営業担当の者、あるいは国内で各種の購買をいたしておりますが、こういった購買担当の責任の理事等におきましては、いずれも民間のそれぞれのエキスパートを起用いたしておるという実情でございます。  私どもといたしましては、今後、先ほど御指摘もございましたが、なお今回のことにもかんがみまして、航空機工業審議会等にもはかりまして、NAMCOの抜本的な経営改善対策というものを打ち出すべく、航空機工業審議会に、第三者をもって構成されます経営改善委員会を早急に設けまして、今後の航空機製造の経営の抜本的な改善をはかっていきたい、かように考えておる次第でございます。
  148. 浅井美幸

    浅井委員 あなたは役員の点についておっしゃっていましたけれども、いまエキスパートを入れたと言うけれども、エキスパートを入れたにしてはこれはずさん過ぎる。  最後に、日本航空機製造株式会社宮本さんにお聞きしたいのですけれども、こういう一連の問題について、あなたはほんとうに反省をし、あるいは税金のむだづかいであったということについて、十六億一千二百二十三万円というような不当な支出をしなければならなかった事態、これについて、あなた方は国民に対してどういうように弁解されるか、最後にまとめてお答え願いたいと思うのです。
  149. 宮本惇

    宮本参考人 御指摘のとおり国費のむだづかいという結果になりましたことについては、何と申し上げてもまことに申しわけないと、私自身おわび申し上げたいと思っております。
  150. 浅井美幸

    浅井委員 では、この問題はおきまして、YXのことについて若干聞きたいと思います。  YS11事業でこのような七十六億という膨大な赤字を出しているのに、次のYX計画を進めておるというように話を聞いておりますけれども、このYX計画の基本構想とその経緯はどうなっておるか、これをお尋ねしたいと思います。
  151. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 YXの問題につきましては、大きく申しまして、今後の世界、日本国内もそうでございまするが、航空機に対する需要が非常に大きくなるであろう、各種の研究会あるいは運輸省等の推算にいたしましても、たとえば昭和六十年度におきましては、日本の航空人口、航空旅客というものは年間延べ一億三千万人以上になるであろうという推定がなされております。  こういった内外の膨大な航空機需要に対処いたしまして、私どもといたしましては、何と申しましても、航空機工業というものが精密、高度の総合機械産業であり、また技術の波及効果も非常に大きく、機械工業全体のレベルを高めていきます上に非常に重要な役割りを果たすものであり、かつ、その中核は今後は民間の旅客機、輸送機でなければならない、こういう考え方を強く持っておるわけであります。昭和三十三年に国会において制定されました航空機工業振興法もまさにその趣旨に沿ってつくられたものと考えております。  こういった意味合いから、YSUに続きまして、今後は世界的な趨勢でございますジェットエンジンによりますところの輸送機を開発したい、こういうことを考えております。YS11の製造がほぼ再来年あたりで終局いたしまするので、引き続きましてYXという名のもとにやりたいと考えておるわけであります。  この計画は、過去三カ年にわたりまして調査をいたしました。これに要する費用等を予算に計上いたしたわけでございますが、昨年発表されましたYXの基本型につきましては、ユーザー等から、あるいは運輸省等からも各種の意見がございました。現状では百五十人ないし百八十人乗りのジェット旅客機をつくろうという計画にいたしております。今後五カ年間これの試作、開発を行ないまして、昭和五十年、あるいはおそくも五十一年あたりには次のYXというものを日本並びに海外にも売っていきたい、こういう計画でございます。  ただ、御承知のように、この問題につきましては非常に世界的な関心を持たれておりまして、昨年以来、オランダのフォッカー社、本年に入りまして、最近でございますが、アメリカのボーイング社がいずれもこの計画に協同して当たりたいという申し入れを日本航空機製造にいたしておりまして、今週も日本航空機製造アメリカのボーイング会社との間で共同開発計画につきまして討議をいたしておるというのが現状でございます。
  152. 浅井美幸

    浅井委員 最後に、YXの開発はどこでやるのですか。日本航空機製造株式会社を開発主体者として、適当な会社としてあなた方は考えておるのですか。その点について重ねてお聞きしたいと思います。
  153. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 現在までのところは、この調査を進めてまいります段階で、YS11の開発経験を持っております日本航空機製造に担当さしてまいりました。今後YXの開発には相当膨大な人員並びに経費を要するわけでございますが、何ぶんにも現状の日本航空機製造株式会社につきましては、はたしてこういった大プロジェクトを担当するだけの十分な体質を持っておるかどうか、いささか疑問視される面もあるわけでございます。したがいまして、航空機工業審議会から八月に答申をいただいておりまするが、この答申の中にもございますように、今後YXを担当いたす主体としての日本航空機製造というものにつきまして、抜本的に、その性格、組織、機構等について十分検討を加えてまいりたい。同時に、航空機工業審議会の場を中心にいたしまして、こういった面につきましても再検討してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  154. 浅井美幸

    浅井委員 いま言ったように、YS11のときに、このような赤字が出るということは想像もされなかった。ところが、これと同じようなことが繰り返されるおそれが十分ある。ですから、この辺について、あなた方は検討を重ねるということでありますけれども、本気になって、いわゆる国費のむだづかいがないように、税金のむだづかいがないように厳重な注意をもってYXの開発をやってもらいたい、このことだけを強く要望して、私の質問を終わります。
  155. 濱野清吾

    濱野委員長 大体二時間ちょっとの質疑応答で、今度の十億円不当支出の問題はアウトラインだけはよくわかりましたが、しかし、何かのせいで、結局大福帳のアウトラインを示されただけであって、委員会としてはそのままにいくわけにはいかないであろう。たとえば十億円の支払いのこまかい内容、これは国の税金ですから、決算委員会としてはできるだけ明らかにしておく必要がある。  そこで、重工業局長会計検査院局長にお願いいたしますが、四項ばかり調べて、委員会に書面で提出してもらいたい。  それは、第一は、契約当初に宣伝費を支払うというような条項が一つもない。ところが、先ほどの質疑のやりとりから見ると、宣伝費として払ったような答弁も実は出てきている。  それから第二は、手数料の前渡金というようなものは、契約条項には全然ない。これも、手数料を支払ってもらいたいという、また支払うであろうということは契約には全然ない。  それから第三には、十億余円の金を支払ったのは、独占販売権を日本商社が侵害したから、それに対しての賠償金として払ったのであるかどうか、この点も答弁の中には明確に出ていない。  それからもう一つは、独占販売契約の解除のために十億幾らの金を払った、こういうようなことであるかどうか、それも実は明確でない。  この四つがからみ合って、十億幾らかの国民の税金を、どれを、どういう積算の基礎で払ったのか。こういうことは会計検査院で詰めて、やはり検討して、そしてはっきりさせておく必要がある。重工業局長、通産大臣は、結局事業の計画認可をしている立場から、こういう運営が再び行なわれるとするならば、これはたいへんなことだと私は思うのです。YXなどの計画もあるようですから、大蔵省もこの点は十分考えて——通産省予算要求についてもやはり影響があると思うのです。そういうたてまえもありますから、この積算の基礎、それからそれに支払われたこの四つの条項について、これが幾らか、こういうようなことを明確にしておきませんと、当委員会としては困る、こういうふうに考えるものですから、非常に御迷惑だが、重工業局長は監督者の立場から、会計検査院会計検査院の立場から、それぞれの四項目における積算の基礎を明らかにして、書面で報告してもらいたい。そして、委員会でさらに審議する必要があれば、これは審議する。相手は何としても、日本金にして三千九百万ぐらいの資本金だ。日本の政府の金の入ったこの会社が、そんなところに独占権を与えるということそれ自体が私はおかしいと思うのです。これは悪く考えれば、何かその辺にまだ不法不当のもやもやしたものがあるんじゃないかと国民に勘ぐられれば、当委員会としては責任がありますから、きわめて明快にしておく必要がある。  そういうことですから、委員長から特に書面の提出を求めて、各委員に配付してもらいたい。これはあとあとのためもございますから、どうぞお願いいたします。      ————◇—————
  156. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。  郵政省所管及び日本電信電話公社について審査を行ないます。  まず、郵政大臣から概要説明を求めます。井出郵政大臣。
  157. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 郵政事業特別会計、郵便貯金特別会計、簡易生命保険及郵便年金特別会計並びに一般会計昭和四十三年度決算について、その概要と、会計検査院から指摘のありました事項について申し上げます。  郵政事業特別会計の歳入予算額は五千七百四十二億八千四百六十九万円、歳出予算現額は五千九百三億四千八百三万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では五千六百七十一億二千七百十四万余円、歳出では五千五百五十八億五十八万余円となっております。この中には収入印紙等の業務外収入支出や借入金、建設費等の資本的収入支出が含まれていますので、これらを除きました事業の運営による歳入歳出は、歳入では四千百四十八億九千四百七十二万余円、歳出では四千八億五千二十七万余円となっております。  この収支差額は、建設費の財源をまかなうほか、債務の償還等に充当いたしました。   〔委員長退席、丹羽(久)委員長代理着席〕  郵便貯金特別会計の歳入予算額は三千二百九十七億一千百三十一万余円、歳出予算現額は二千七百七十八億一千九百四十二万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では三千四百九十四億九百十五万余円、歳出では二千七百七十二億二千九十三万余円となっており、差額七百二十一億八千八百二十一万余円は法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。  簡易生命保険及郵便年金特別会計につきましては、保険勘定の歳入予算額は四千七百八十四億三千八百十万余円、歳出予算現額は二千五百九十八億三百十万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では四千九百四十七億二千二百四万余円、歳出では二千四百六十六億六百四十三万余円となっており、差額二千四百八十一億一千五百六十一万余円は法律の定めるところに従い積み立て金といたしました。年金勘定の歳入予算額は四十八億六千百八十七万余円、歳出予算現額は四十八億六千百八十七万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では三十八億九千八百九十六万余円、歳出では三十九億七千七百四十八万余円となっており、差額七千八百五十一万余円は法律の定めるところに従い積み立て金から補足いたしました。  また、一般会計におきましては、歳出予算現額五十九億四千五百八十三万余円に対し、支出済み歳出額は五十九億一千五十八万余円となっております。  次に、四十三年度の主要施策事項について申し上げますと、  第一は、郵便送達の安定向上をはかるため、運送及び集配施設の合理化につとめるとともに、郵便事業の近代化のための画期的施策としてかねてから準備を進めてきた郵便番号制を実施に移し、これがすみやかなる普及をはかるため各般の施策を推進しました。  第二としましては、事業の近代化をはかるため郵便局舎の改善を行なったほか、作業の機械化としまして、郵便作業におきましては自動選別機、自動取りそろえ押印機及び郵便物自動区分機の配備を行なうとともに、作業各般にわたる機械化の研究を行ない、為替貯金窓口事務におきましては、郵便局窓口事務における事故犯罪の防止及び事務品質の改善をはかるため機械化を推進し、保険年金事務の機械化につきましても引き続きその拡充をはかりました。  第三といたしましては、郵便貯金及び保険年金の増強であります。  まず、郵便貯金の純増加目標額八千億円に対しましては、九千八百四十二億四千四百九十二万余円の成果をあげ、目標額をはるかに上回ることができました。郵便貯金の四十三年度末の現在高は五兆四百三十二億八千九百九十九万余円となりまして、資金運用部資金の約五二%は郵便貯金の預託金で占めている状況であります。  また、簡易生命保険の新規募集目標額六十三億円に対しましても、七十六億五千九百四十八万余円の実績をあげることができ、四十三年度末保有契約高は六兆八千八百七十億八千五百四十六万余円となっております。  なお、四十三年度における簡易生命保険及郵便年金特別会計からの財政投融資額は二千六百五十一億四千三百五十万円であります。  次に、会計検査院昭和四十三年度決算検査報告において指摘を受けました事項について申し上げます。  四十三年度におきましては、不当事項として物件関係一件と不正行為関係三件の指摘事項がありました。  物件関係指摘を受けました郵便コンテナカバーにつきましては、その仕様決定にあたり一部調査分析が十分でなかったことは遺憾であり、今後十分注意することとします。  また、郵便局における不正行為の防止につきましては、従来から諸種の施策を講じ、特に防犯管理体制の強化及び相互牽制措置の励行等につとめ、管理者のみならず一般職員の防犯意識の高揚、犯罪の未然防止と早期発見について強力に推進してまいりましたが、この種犯罪があとを断たないことはまことに遺憾に存じます。なお、今後とも諸施策の徹底を期するとともに、業務考査及び会計監査を厳重に実施し、一そう不正行為の絶滅に努力いたす所存であります。  以上をもちまして、四十三年度決算の概略についての説明を終わります。  次に、昭和四十三年度日本電信電話公社決算書類を会計検査院の検査報告とともに第六十三回国会に提出いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。  昭和四十三年度における日本電信電話公社決算は、前年度に引き続き黒字決算となっておりますが、損益計算上の利益金は、事業規模の拡大に伴い、給与その他諸費、利子及び減価償却費等が増大したため、前年度よりも減少し、六十億三千八百五十四万余円となっております。  また、建設計画につきましては、農村集団自動電話を含め加入電話増設約百七十二万加入を主要工程とする建設工事を実施いたしました。  以下、決算内容を勘定別に御説明申し上げます。  損益勘定におきましては、収入済み額七千八百四十二億六千七百五十二万余円、支出済み額は七千八百五十七億八千七百八十三万余円でありまして、収入が支出に不足すること十五億二千三十万余円となっております。これは、支出予算において前年度からの繰り越し額が多かったことによるものであります。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額七千七百十九億八千三百六万余円に対し、百二十二億八千四百四十六万余円上回っておりますが、これは電話収入及び専用収入で百六十億九千七百四十四万余円の増収があったのに対し、電信収入及び雑収入で三十八億一千二百九十八万余円の減収があったためであります。  他方、支出におきましては、支出済み額は支出予算現額七千八百七十二億三百五十一万余円に対し、十四億一千五百六十八万余円下回っておりますが、この差額は、翌年度繰り越し額四億一千八百十四万余円と不用額九億九千七百五十四万余円とであります。  資本勘定におきましては、収入済み額は六千百十八億四千八百四十六万余円、支出済み額は五千九百七十九億三千二百六十四万余円でありまして、収入が支出を超過すること百三十九億一千四百八十一万余円となっております。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額五千六百五十二億三千四百十九万余円に対し、四百六十六億一千四百二十七万余円上回っておりますが、これは電信電話債券が三百五十億五千六百三十六万余円、設備料が十四億一千二十七万余円、債券発行差損償却引き当て金が十億七千四百七十万余円、損益勘定より受け入れが二十億五千九百五十九万余円、資産充当が八十二億八千三百八十八万余円、いずれも予算額に比べ増加したのに対し、減価償却引き当て金が十二億七千五十六万余円減少したことによるものであります。他方、支出におきましては、支出済額は支出予算現額六千七億八千百八十一万余円に対し、二十八億四千八百十七万余円下回っておりますが、この差額は、おもに翌年度へ繰り越すことにしております。  建設勘定におきましては、収入済み額は五千五百五十億四千七百六十二万余円、支出済み額は、五千四百二十二億八千二百六十九万余円でありまして、収入が支出を超過すること百二十七億六千四百九十三万余円となっております。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額五千二百二十億円に対し、三百三十億四千七百六十二万余円上回っておりますが、これは資本勘定より受け入れが増加したためであります。他方、支出におきましては、支出済み額は支出予算現額五千六百九十七億四千十九万余円に対し、二百七十四億五千七百五十万余円下回っておりますが、この差額は全額翌年度へ繰り越すこととしております。  なお、昭和四十三年度は日本電信電話公社の電信電話拡充第四次五カ年計画の初年度に当たっておりますが、実施いたしました建設工程のおもな内容について申し上げますと、加入電話増設は農村集団自動電話を含め、百七十二万加入の予定に対し約百七十二万加入、公衆電話増設は三万二千個の予定に対し約三万七千個を実施し、また市外電話回線増設、新電話局建設及びデータ通信等についても、それぞれおおむね予定どおり実施いたしております。  最後に、昭和四十三年度の予算執行につきまして、会計検査院から不当事項一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾なことでありまして、日本電信電話公社に対し、適正な事業運営につきまして、今後一そうの努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。  以上をもちまして、私の説明を終わります。
  158. 丹羽久章

    丹羽(久)委員長 代理次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。鎌田会計検査院第二局長
  159. 鎌田英夫

    ○鎌田会計検査院説明員 昭和四十三年度郵政省の決算につきまして検査をいたしました結果の概要を説明申し上げます。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項五件でございまして、その内訳は、物品に関するもの一件、関係職員の不正行為に関するものが四件でございます。  まず、物品に関するものについて説明いたします。  一三〇号は、郵便コンテナカバーの購入に関するもので、コンテナカバーの使用布地に麻帆布を使用することなくビニロン帆布を使用することにして購入すれば約百四十万円が節減できたと認められるものでございます。  次に、関係職員の不正行為に関するものについて説明いたします。  一三一号から一三四号の四件は、いずれも郵便局の職員の不正行為に関するものでございまして、窓口事務担当の内務員や貯金、保険担当の外務員あるいは分任繰りかえ払い等出納官吏の特定郵便局長が、郵便貯金の預入金、簡易生命保険の保険料などを受領しながら受入処理をしないなどして現金を領得したものでございます。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  160. 丹羽久章

    丹羽(久)委員長代理 次に、石川会計検査院第五局長
  161. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 昭和四十三年度日本電信電話公社決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申上げます。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が一件でございまして、その内容は、公社の無線中継所に至る専用道路の整備工事の施行にあたり、監督及び検査が適切でなかったため、コンクリートブロック土留め、及び防雪きくの施工が設計と相違し、強度が著しく低くなっていると認められたものでございます。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  162. 丹羽久章

    丹羽(久)委員長代理 次に、日本電信電話公社当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。米澤日本電信電話公社総裁。
  163. 米澤滋

    ○米澤説明員 昭和四十三年度の事業の概要につきまして御説明申し上げます。  昭和四十三年度は、電信電話拡充第四次五カ年計画の初年度にあたりますが、大幅な電話の架設が順調に実施されたこともあって、事業収入はおおむね予定どおりの実績をあげることができました。  しかしながら、事業支出の面について見ると、減価償却費、利子及び債券取り扱い費など資本費用の増高は引き続き著しいものがあり、業務の合理化と能率的運営につとめましたが、収支決算におきましては、利益金は前年度に比べますと百七十六億八千二百五十九万余円減少し、六十億三千八百五十四万余円にとどまる結果となっております。  四十三年度の決算について見ますと、損益勘定におきましては、収入予算額七千七百十九億八千三百六万余円に対しまして収入済み額七千八百四十二億六千七百五十二万余円となり、百二十二億八千四百四十六万余円上回りましたが、その内容は電信収入で二億四千五百九十八万余円の減、電話収入で百四十四億六千八百九十六万余円の増、その他の収入で十九億三千八百五十二万余円の減となっております。支出におきましては、予算現額七千八百七十二億三百五十一万余円に対しまして支出済み額は七千八百五十七億八千七百八十三万余円となり、十四億一千五百六十八万余円下回っております。  また、建設勘定におきましては、収入の予算額五千二百二十億円に対しまして収入済み額は五千五百五十億四千七百六十二万余円となり、三百三十億四千七百六十二万余円の増となりましたが、これは建設勘定に繰り入れられる資本勘定において、収入の予算額五千六百五十二億三千四百十九万余円に対しまして収入済み額が六千百十八億四千八百四十六万余円となり、四百六十六億一千四百二十七万余円上回った結果であります。  すなわち、資本勘定収入では、予算額に対し損益勘定からの繰り入れ額で二十億五千九百五十九万余円の増、資産充当で八十二億八千三百八十八万余円の増、電信電話債券で三百五十億五千六百三十六万余円の増、その他で十二億一千四百四十二万余円の増となり、これにより建設勘定繰り入れ額が増加したものであります。  支出の面におきましては、予算現額五千六百九十七億四千十九万余円に対しまして支出済み額は五千四百二十二億八千二百六十九万余円となり、二百七十四億五千七百五十万余円は翌年度へ繰り越しました。  次に、四十三年度に実施いたしましたおもな建設工程の内容について見ますと、加入電話の増設は約百四十七万加入の予定に対し約百四十七万加入、農村集団自動電話の増設二十五万加入の予定に対し約二十五万加入、公衆電話の増設三万二千個の予定に対し約三万七千個、また、市外電話回線の増設約六万七千回線の予定に対し約七万一千回線などとなっております。  このような増設を行なったにもかかわらず、電話の申し込みを受けてなお架設のできないものが、四十三年度末において約二百五十一万に達し、依然として熾烈な需要に応じ得ず、かつ、市外通話の即時化、同一市町村内の市内通話区域の統合及び情報革新に伴う電気通信サービスの多様化、高度化等に対する要望も著しい状況でありますので、さらに施設の拡充及びサービスの向上をはからなければならないと存じております。  最後に、四十三年度の決算検査報告で指摘を受けました事項について申し上げます。  不当事項として一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じております。  これは北海道電気通信局札幌無線通信部が施行しました無線中継所専用道路の整備工事において、監督及び検収措置が不十分であったため施工が設計と相違し、その強度が設計に比べて著しく低下したものでありますが、施工不良の個所につきましては、請負人の負担において手直し工事を実施済みであります。  今後は十分注意いたします。  以上、簡単でありますが、概略御説明申し上げました。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  164. 丹羽久章

    丹羽(久)委員長代理 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  165. 丹羽久章

    丹羽(久)委員長代理 これより質疑に入ります。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。中川俊思君
  166. 中川俊思

    中川(俊)委員 まず、私は大臣にお尋ねしますが、実は時間が非常に制約されておりますので、私、要点だけをお尋ねいたします。  いまや、明年度の予算編成を控えて、公共料金の問題がずいぶん論議されております。特に総理は、先般各種婦人団体の質問に対して、来年度は郵便料金を上げませんということを言われたと、こういうのです。はっきり明言されたかどうかは、私はその場におりませんからわかりませんが、伝えるところによるとそういうことが伝えられておる。しかしながら、反面、郵政省においては、これは上げなければやっていけないということで、いまや経済閣僚懇談会ですか、意見調整が行なわれておるやに伺っております。そういう問題がありますし、一般国民からすれば、郵便料金は上げてもらいたくない。私は、公共料金が上がれば諸物価はみな上がると思います。これは、かつて藤山経済企画庁長官時代にも、私ははなはだ潜越でございますが、御注意申し上げたことがある。そのとき経済企画庁長官は、私も全くあなたと同じ意見だが、総理がなあと、こう言ったから、私は、総理がなあということがあるか、あなた、経済企画庁長官として自分が是なりと信じたら、自分の出所進退をかけてでもそれをやるべきではないか、総理に盲従しておるようなら経済企画庁長官の資格はないからやめたらどうかということを、実は私は率直に御意見を申し上げたことがある。  とにかく、公共料金の値上げは諸物価の値上げに拍車をかけます。そういうことから、できるだけ郵便料金も上げてもらいたくないです。こういう状況を続けてまいりますと、公共料金が上がるから物価が上がる、諸物価が上がるから賃金の上昇を要求するというイタチごっこがいつまでも続くことになるんじゃないかと思います。そういうような問題があなたの所管の郵政省では現在起こっておる。しかし、反面また考えてみるときに、それならば郵政省は郵便料金を上げなければやっていけない事態であるかどうか、すべての問題に合理的に取り組んでおるかどうか、こういう点について私はいささか疑念を持っております。  あなたは、申し上げるまでもなく、郵便法総則に基づいて郵便事業を総括管理される地位にあるのです。事務屋とは違うのですから、局長とか次官とかという事務屋とは違うのですから、あなたが政治的に判断をなさった点から、まず郵政省、郵政事業、郵便事業に対するあなたの基本姿勢を一応伺ってみたいと思うのです。
  167. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 郵便事業は国民に密着をした非常に公共性の高い仕事でございます。したがいまして、郵便法に基づいて、郵便をなるべく迅速に、低廉に、確実に集配をするという任務を負っておるわけでございます。いろいろ中川さん御指摘になりましたが、さて、この事業の実態に当たってみますると、人手を要する分が非常に多い仕事でございます。合理化、近代化という意味においては、先ほどの御説明にも触れておりますように、新しい自動機械というようなものをかなり採用いたしました。しかしながら、いまでも約八〇%というものは人手に待たなければならない、こういう事情下にございまして近年非常なスピードで人件費が上がってまいっておりますものですから、いろいろくふう努力はいたしまするものの、郵便財政というものはなかなか不如意になってまいりました。昭和四十五年度ですでに百三十億余りの赤字を計上しなければならない、こういう時期に際会をいたしまして、さて四十六年度以降をどう見通すかということになります場合に、公共料金の問題が、いま御指摘のように当面の話題になっておることは事実であります。  しかし、本来、この事業自体の独立採算あるいは受益者負担、こういうプリンシプルから申しますると、赤字が出たからこれを一般会計でしりぬぐいをして、というわけにはどうもまいらない。してみれば、この物価の非常な高騰が一種の危機感をもって訴えられておる時期ではございますけれども、先般、物価対策閣僚協議会においてこの実情をるる訴えたわけであります。しかも、郵政審議会において二カ月余り検討をしていただいた結果、どうも最小限度の値上げはやむを得ないのではないか、こういう御答申もちょうだいをしておるやさきでもございまして、問題は、大蔵、経企、郵政三閣僚に郵便料金の問題がまかされておりますけれども、その間で十分な話し合いを遂げまして、なるべく低目にセーブはしたいと思いますが、やはり原則的には郵便料金を最小限度上げてまかなうということにただいま到達をしておるような次第でございます。
  168. 中川俊思

    中川(俊)委員 およそ政党内閣において、党の総裁が国民に公約したことが実行できないようなら、私は政党の存在の意義がないと思います。佐藤自民党総裁、現総理ですが、これが、私が先ほど申し上げたようなことを約束したかどうか知りません。これは巷間伝えられておるところでございますからわかりませんが、しかし、もしそうだとするならば、私は、自民党が政府を担当しておる以上は、国民に公約したことは忠実に実行しなければならない、こう思うのです。まあその点は、私も総理に直接ただしたわけでございませんから、この点をひとつあなたも念頭に置いていただいて、そうして今後に処していただきたいと思うのです。  それからいまお話で、人手が不足だとか自動機械を買ったとかというようなことをいろいろるる述べられますが、井出さん、それは理屈にならないのです。そういうことのために料金を取っておるのですから。現在の料金を取ったのでは足りないから上げるのだ、こうおっしゃるけれども、それならば、国民の側からいえば、もっと郵政省は考えるべき点がないのか、経費の節約をはかる点がないのか、十分経費の節約をはかって、もうどこにも始末をする必要はないというくらいまで詰めていって、それでもなおかつやれないのだ、こういうのならば、これはわかります。これはわかるけれども、赤字の原因をあなたはどの程度御研究になったか、これはこまかいことになりますから、大臣で無理か知りませんけれども、どこにどういう赤字があるのか、その赤字は何らか解消をする方法はないだろうか、こういうことを十分詰めていって、それでもなおかつ足りないというのならば、これは国民の皆さんに訴えて、こういうわけなんだと了解を得て、値上げもやむを得ない場合があるか知りません。しかし、人手が足りないとかということで、遅配なり未配がどんどんどんどん続き、そして、承るところによれば、年賀状であるとか年末のいろいろな郵便物もずいぶん停滞しておるように聞いておりますが、そういうことをやって、そうしてそういうことが行なわれておる反面、郵政省で節約すべきものについては考えられていないともしするならば、これは私は値上げの理由にならないと思うのですが、どうですか。
  169. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 決して安易な考え方におるわけではございませんが、たとえば現状の料金制度、過去五年続いてまいったわけでありますが、この間における積算の基礎といたしまして、人件費の伸びが五年間で三一%程度予想したわけであります。しかるに実際は六一%というようなアップ率が出ておるのを見ましても、なかなかこの状態に対処しにくい状態になっておるのであります。創意くふう、あらゆる企業努力を払っておるつもりでありますが、それは中川さん、きっといろいろと御指摘があろうかと思います。まだ足らぬ点があるだろう、これはわれわれも十分に勉強していかなければならぬ問題であろうが、決して企業努力をおろそかにしているつもりはないのでございます。  それからもう一つちょっとここでお断わりしておきますのは、総理が先般御指摘のような婦人消費者代表に話をされた、このことは私も総理の感触を確かめたのでありますが、なるべく、あるいはできるだけ大衆生活に影響のあるものについては考慮を払うのだ、こういうふうな感触で話をされたということをこの際つけ加えておく次第であまりす。
  170. 中川俊思

    中川(俊)委員 総理がどう言われたか、私も立ち会ったわけではないからわからないのですが、あなたや総理にそんなこまかいことはわかりっこないのですから、そういうことはよけて、私がわずかな資料を入手しただけでもかなりむだづかいがある。むだづかいというか節約すべき面がある。たとえば、ここに一例を申し上げますが、これはひとつ、郵務局長見えておるのなら郵務局長からお答えをいただきたい。大臣ではこまかいことはおわかりにならぬだろうと思うのです。  私、実はきょうは第三種の郵便物の問題についてちょっと聞きたいと思うのです。四十三年の郵政省の損益の資料を見ますと、封書であるとか、あるいはその他の定形外、これは何か知らないが、その他、はがきとか、はがきはずっとマイナスだけれども、郵便事業を行なう上においての一番大きなマイナスの面は第三種郵便物が四十三年で九十四億円もマイナスを来たしておる。ところが郵政省の第一種、第二種、第三種、第四種、その他書留だとか書留速達だとかで十七億の赤字、小包なんかで九十三億、一切がっさい合わせて百十億。そうすると、第三種郵便物だけの損失が九十四億ですから、これは第三種郵便物全部悪いというわけではありませんが、ここをちょっとお考えになっただけでも四十三年度における赤字というものがなくなってしまう。これは全部なくするということはむろん不可能ですけれども、ないものとすれば、第三種郵便物の九十四億というものが郵便事業の百十億の赤字の一番大きな原因をなしておる。  それならば、第三種郵便物というものに対して郵政省は一体どういう監督をしておるか、どういうものに第三種の認可をして、そうしてどういう管理をしておるか、監督をしておるか。これは郵務局のほうからいろいろ答弁があるだろうと思いますけれども、その前に大臣の御所見を聞きたいから一応私の考えを申し上げるのですが、非常にルーズなんです。しかも第三種の郵便物を認可をするにあたっては、社会公共のためになるものであるとか、あるいは政治、経済等の一般の評論を大衆に熟知さすための印刷物であって、しかも定期に発行しなければならない。こまかいことはいろいろございますが、そういうことが眼目ではないかと思うのです。ところが、社会公共のためになるどころか、社会公共に害をなすような印刷物がうんとある。  いま郵政省が第三種郵便物を認可しておるものの中には、具体的に例をあげていえば幾らでもあります。そういうものを一たん認可したら、もうこれは特権のごとく彼らは考えておる。なぜ特権のごとく考えておるかというと、郵政省の監督が怠慢であるからです。これは大臣が一々そんなことを監督されるわけのものじゃありませんが、担当官が私は怠慢であると思うのです。しかも定期刊行物ということを前ぶれにしておりますけれども、印刷代が高いとか広告料がうまく予定どおり集まらないということもあると思いますが、なかなか定期に発行しないです。定期に発行しなければ、郵政省は直ちにそれに対する処置をとるかというと、これはまたとらない。  井出さん、これは役人の通有性です。私は郵政省だけを言っておるのじゃありません。先ほどあなた、終わりごろにちょっとお聞きになっておりましたけれども通産省YS11に対する問題でも私は同じだと思うのです。認可されたほうは特権だと思っているし、認可したほうは、とにかく認可してしまったら全然関知しないというのが役人の通有性なんですよ。だから私は、各省におられる大臣はそういう点に眼を注いでもらうべきじゃないかと思うのです。大臣にこまかいことをやれといっても、これはできません。こまかいことをやれということはできないけれども、そういう大局に眼を注いで、そうして行政府が行政事務を運行していく上においてなるべく誤りのないように、国民に迷惑がかからないような措置を講ぜられるのが大臣の使命だと思うのだが、井出さんは別として、いまや、大臣もみな役人の言いなりになっておる。そうして、いまあなたがこの作文をお読みになったが、こんなことはどうでもいいのですよ。こんなものは読まぬでもいい。大臣がこんなものを一々何千何百何ぼというように読んでおること自体が、もうすでに役人のペースに乗せられてしまっておると私は思うのです。  これは余談ですが、とにかくそういうことから第三種郵便物というものが非常に乱用されております。乱用されておる結果、ここに出ておるような第三種郵便物における決算が、郵政省の郵便事業の非常に大きな部門をなしておるのです。ですから、そういう点についてやりっぱなしでなく、一たん許可したらあとはもう野となれ山となれ、どうでもいい、国民がどんな迷惑をこうむろうとそんなことは関係ないというような考えでなく、この第三種郵便物の問題を片づけますと、はがきや封書の値段も、いま郵政省の事務屋で考えておるように値上げをしなくても済むかもしれないと思うのです。それを、九十四億というばく大な赤字には全然手をつけないで、そうしていまあなたがおっしゃるように、人手が足りない、自動機械を入れなければならない、独立採算性だからこうやらなければならないというので、事務屋がつくった計算に基づいてどんどんと郵便料金を上げていけば国民は迷惑をします。郵便料金だけじゃないのです。郵便料金が上がる、公共料金が上がれば、それに基づいてすべての物価が上がるのですから、国鉄運賃が上がれば、これに基づいてすべての物価が上がる。だから国民は非常に迷惑します。  ですから、大臣のやられるべきことは、こまかいことは一々おわかりにならないし、これはわからないのがあたりまえですから、井出さんが決して怠慢だというのじゃありませんよ。こまかいことはわからなくてもいいのです、大臣は。もっと大局に眼を注いで、たとえば、東京都の、何年ですか、四十年か三十九年か知りませんが、東都政時代に水飢饉に襲われたことがある。そのとき私はちょうど、河野さんが建設大臣をしておりまして、河野さんのうちへ行っているところへ東知事がやってきた。水はどうしているんだいと言って、河野さんがあの調子でやったところが、はい、ただいま予算折衝をやっておりまして、ことしの暮れには都議会を予算が通過いたしますから、直ちに請負に出して、そうして工事にかからしますから、来年の終わりころには水が出ます、こう言ったんです。そうしたら河野さんが、このばかやろう、きさま、それでも政治家か、いま水がないといって困っているときに、来年の暮れに水が出るとは何事だと言っておこったのを私いま思い出す。あしたから工事にかかれ、予算なんかあとからやればいいじゃないかというので、井出さんも御承知のとおり、すぐ工事にかかって、三カ月後に荒川の水を引いたことがありますね。私はこれが政治だと思う。第二次世界大戦のときにアイゼンハワーが、ベルリンが水飢饉、食糧飢饉に襲われたときに、ソ連との交渉をあと回しにして、空中からどんどんどんどん水から食糧を空輸してベルリン二百万市民を助けましたね。私はこれが政治だと思う。だから、政治家と行政官は違います。大臣は行政官でもあるか知らないが、政治家ですから、ですから行政府の言いなりにならないで、そうして郵政事業はこういうふうなところに欠陥があるんじゃないだろうか、この点を研究してみろ、こういう点を研究すれば、たとえば郵便料金を十円上げようと思う半分で済むだろう、五円上げようと思えば、またその半分で済む場合があるかもしれないという大局に眼を注いで大臣はおやりになることが至当じゃないかと私は思いますが、井出さんはどうお考えになりますか。
  171. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 きっすいの党人であられる中川さんが、ただいまのような御所論、私も全く同感でございます。ただ、おっしゃるように、政治家という立場と、もう一つは行政府の長という意味もございますから、そういう点も目を届かしめなければならぬとは思いますが、しかし大局はつぼを押えていく、これが政治家の態度であろうか、かように存ずるわけでございます。  そこでもう一つ、第三種の問題にお触れになりましたが、これはひとつこまかいことは事務当局から申し上げますが、第三種の、一種の公共割引という制度は、歴史、沿革はたいへん古いわけであります。言うならば、これは一種の啓蒙時代からずっときておるものでありますが、昨今、たとえば新聞紙のごとき非常な増ページでありまして、その重量などもたいへんあるわけですね。それが僻陬の地、たとえば開拓地へ遠距離をこの安い料金で一通のために配達をしなければならないというような非常な矛盾もいま出てきておるわけでございまして、第三種の問題は、やはりこういう時期にもう一ぺん洗い直してみる必要はあろうかと思うのでございます。  あとは事務当局から申し上げます。
  172. 中川俊思

    中川(俊)委員 まあ井出さん、遠隔の地へ増ページになったから配達するからというようなこと、あなた、そんなこと考えないでもよろしい。彼ら商売だから、やっていけなければやめますよ。ですから、そんなことを大臣が考えて同情する必要はありません、と私は思う。商売ですから、新聞社、やっていけなければ、そんなところへ配達してくれと言っても、しやしません。私の言うのは、いまあなたがおっしゃったような増ページしてほんとうに社会公共のために役立っておる日刊紙を言うんじゃないですよ。第三種郵便物の中で、認可しておる中でも、非常に弱小郵便物と言っちゃはなはだ相すまぬけれども、出したり出さなかったり、たまたま出せば人の悪口ばかり書いている、そういうものを私は言うんです。これはあなたも長いこと議会に出ていらっしゃるから十分御経験だろうと思いますが、私も二十四年以来もう二十二カ年出ておりますから、かなりそういうものに悩まされております。何にも読まずに私らも封をしたままでくずかごに入れております。第一、見るひまがない。見てもたいして役にも何にも立たないのが多いのです。ですから見ません。そういうのが人の悪口ばかり書いて、まあ社会、公共のためになっておるかどうか、厳格に言ったならばマイナスの面が多いんじゃないかというような新聞がかなりあると私は思うのです。そういうものに対して事務当局はもっと考えるべきじゃないか、こういうことです。そうして、一たん認可したら、もう全然まかしっぱなしにしておる。  こういう事例があるのです、井出さん。実に私は驚いたのですがね。正月だから多少広告をよけいとったりなんかして——いつでもペラの新聞ですけれども、一ページというか、裏表二ページでしょうが、これが正月で広告をとったりなんかするために六ページか八ページつくったわけですね。そうしてこの新聞は一カ月に、毎水曜日か、だから大体四回ないし五回出すという理由で三種をもらっているのです。ところが第一水曜日ぐらいはちょっと飛ばして、第二水曜日には正月に出したと同じものを、日にちだけを変えて印刷しているのですよ。実物をごらんに入れてもいいですよ、私はここに持っていますから。そういうのがあるのです。そして今度またその次には、その正月号の何ページかをまた焼き直して出して、日にちだけ変えているのです。そういうようなインチキを郵政省は窓口でチェックできるかというと、ちっともやっていないのです。三種としてみな引き受けておる。これは発行したことにならぬじゃないかといって、私があなたの部下を呼んで聞くと、注意をしておきますと言う。注意をしておくということないじゃないか、君ら知らずにおって、ぼくが指摘したからたまたまわかったのだけれども指摘しなかったら、こういうことを平気でいつでもやるのじゃないか、そういうものに第三種を認可しておるということは、君、間違いじゃないかと言ったところが、第三種認可は、もしこういうことをやった場合には一応注意して、それでも聞かなければ——それがややこしい、いま事務当局の人から聞きますけれども、私も忘れたんですが、注意をしてまた半年聞こういうことばかりをやっておったら、そのときは第三種を取り消しますけれども、一応注意をすることになっておるというけれども、そういうことは、君、どういう法律に基づいてやっておるんだ、どういう立法措置で君らやっているんだ、君ら法律を忠実に守らなければならない、まあ、おかしなことばでいえば法律の番人じゃないか、法律がないのにそういうことを君らがやるということは、郵便法の第何条にそういうのがあるんだと私が聞いたところが、行政措置でございます、とこうです。役人というのは都合のいいときは行政措置と言うのです。省令とかなんとかいって、自分らがかってに都合のいいことをやってみな処理しているのです。これは井出さん、あなたの省にこういうものはうんとあるのです。省令だとか行政処置だとか、あなたの知らないのがうんとあるんですよ。そういうことをやった結果は一体だれに迷惑をかけるかというと、国民に迷惑をかけておるのですよ。私が先ほど申しますように、郵便料金が上がれば一般の者が迷惑する、国民が迷惑する。その郵便料金は、そういうものを省令だとか行政措置だとかといって、役人がルーズな取り扱いをしておるために赤字がふえていく、だから郵便料金を上げる、とこうくるでしょう。ですから、春秋の筆法をもってすれば、そういうことをやっているために国民は非常に迷惑をこうむっておるということになるんですよ。そういう事例に対しては郵便法——これはいつ改正したか、一番おそく改正したのは三十四年ですか、法律第一四八号で改正しておりますが、三十四年から今日まで社会情勢も変わっていますよ、井出さん。役人というのはなかなかこういうのは、一たん自分がやったら一番いいことだと思って、いろいろ方々から私どもが、これはいけないじゃないか、これはいけないじゃないかと言っても、いや、省令でやりました、行政措置でやりましたという言いのがればかりやって、責任のがれをやる場合が非常に多いのです。  ですから、こういうのに対しては、もう私は政党人が断固として断を下さなかったら、日本はついに官僚亡国になりますよ、このままでいったら。あなたの親分の三木さんが、ボートよりボイスだ、選挙より声だという——声というのは国民の声ですね。そういうことを言って、あなた方もこの間の総裁選挙には参画されたでしょう。さんの言をあなた方も忠実にそうだというのでやったじゃありませんか。それならやはり親分の言うことを十分に聞いて——私は非常に同感です。三木さんの言ったことに同感です。私が三木さんに一票入れたかどうか、それは知りませんよ。それは知りませんが、私は三木さんの今回の処置は非常に賛成である。それはボートよりボイスであると、これですよ。ところが、いまや官僚は——そこに官僚の諸君おってはなはだ相すまぬけれども、官僚はもうボイスなんというものは全然相手にしないのですよ。   〔丹羽(久)委員長代理退席、委員長着席〕 全然というとちょっと語弊がありますが、国民の声に耳を傾けない。はなはだしきに至っては、冒頭に申し上げましたように、総理がはっきりそういうことを言うたか言わぬか知りませんが、郵便料金は値上げしませんと言っておって、まだその舌の根のかわかないうちに、いま先ほどあなたの言を聞いても、経済企画庁長官なり、それからだれとだれと二、三人でやりますが、どうも少し上げなければならないようなニュアンスに私は聞こえたのですがね。国民の声を無視した政治というものはやがて滅びます。これは世界の歴史が証明しておる。一時はちょっと押えておるようですけれども、滅びる。いまや日本は官僚王国ですね。もう総理といえども官僚にはみな頭をなでられてしまっておる。だから、そういうことが続いたら日本はたいへんなことになる。そういう意味で私は三木さんは立ってくれたと思って非常に歓迎したのです、実際。ですから、どうかあなたも三木さんの魂をくんでいただいて、政党人の本領を発揮して、そうしてあなたの時代にこういう禍根を断ったと、こういうことをひとつぜひ私は考えていただきたいと思うのですが、いかがです。
  173. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 おっしゃいましたように、役所の機構というものが非常にすき間のないようにつくり上げられておりまして、役人はこれは規矩準縄に従うというのが一つの使命でなければならぬ面もあると思うのです。役人がえらい不羈奔放に逸脱をしちゃぐあいの悪い点もあると思う。しかしそれをチェックするというのが政治的な立場であろうと思うのでありまして、そういう意味では中川先生の言われることは私も頂門の一針として十分承って施政に当たりたい、こう思っております。
  174. 中川俊思

    中川(俊)委員 しっかりやってください。これは、ほんとうに、私はこの機会にわれわれ政治家が立たなかったら日本はたいへんなことになると思うのだ。そういう意味で、私は、大臣をやったのだからあとはどうでもいいわというような気持ちはあなたが持っておられはしないと思うが、とにかく大いにやっていただきたい。このことを特にお願いしておきます。  それから、郵務局長来ておられるから郵務局長、前に出てください、そんなうしろにいないで。  さっきちょっと触れたのですが、第三種郵便物の欠損が非常に多いんですね。御存じでしょう。第一種の封書による利益は百二十二億、それから定形外というのは何か知らないが、これが四十二億の黒字、はがきによる赤字が八十三億、第三種郵便物の赤字は九十四億ですね。一番多い。書留の赤字が二十四億、第四種の赤字が五億、書留速達の黒字が四億、普通速達の黒字が五十億、こういうのをずっと通算しますと、先ほど大臣に御説明しましたように、合計して百十億の赤字ですね、郵便の総原価、総収入の損益計算を見ますと。ですから、ここで第三種郵便物をちょっとあなた方が厳格に——毎日日刊で出したり定期に刊行して、まじめなものはむろんけっこうですよ。私はそういうことを対象にして言っておるのではありませんよ。何か監査委員とかなんとかいうものでも設けて少し厳格にチェックしていかれたら、少なくも三分の一は減るのじゃないかと思うのです。そして、三分の一減っても三十何億減るですね。三十二、三億、九十四億ですから。そういうことになりますれば、たとえば、今回の郵便料金がどういうふうに上がるかわからないが、はがきが十円になるものが、あるいは八円で済むかもしれぬ、九円で済むかもしれぬ。封書が二十円になるものが、あるいは十七円で済むかもしれぬ、十八円で済むかもしれぬ。国民にそれだけ逆戻りして損をかけないことになるわけでしょう。そういうことについていままでは厳重に第三種郵便物は窓口でチェックしていませんね。していないのですよ。見せましょうか。同じものを二回も三回も出しておる、日にちだけ変えて。あなたの部下はみんな知っています、私の部屋に来て見せたから。そうですがといって、びっくりしておるのです。こんなことをやっていますなあ。私が指摘したからそれがわかったのですよ。そして、それが第三種郵便物として窓口ではどんどん受け入れておるのです。これに対して郵務局長はどう考えますか。何とか考えなければならぬという気持ちになるかどうか。
  175. 竹下一記

    ○竹下政府委員 ただいま御指摘になりました新聞の事例につきましては、私もよく存じ上げております。  第三種郵便の管理がたいへんルーズではないかという御意見でございますが、私どもといたしましては精一ぱいのことをやっておるというふうに確信をいたしております。認可をいたしました際はもちろんでございますが、認可しましたあとで、これはややもしますると、認可したあとで内容が非常に悪くなるという性格が第三種郵便にはございますのですが、そういうものをトレースいたしまして精一ぱいのことをやっておるわけでございまして、昨年、四十四年度でも認可を取り消しましたものは五百数十件に達しております。ただ、御指摘になりましたように、一回休刊をした、これは認可基準の線をはずれるわけでございますが、その場合、直ちに取り消すかどうかにつきましては、そのときの情勢を見まして慎重に実は考えております。長年新聞を発行してこられたのが、ただ一回の休刊でだめになってしまうことがいいかどうかという際の判断も多少いたすというケースもございますが、大筋といたしましては、認可基準というものをよく守りまして、ルーズに流れないように十分気をつけておるつもりでございます。
  176. 中川俊思

    中川(俊)委員 郵務局長、あなたそういうことを言うけれども、あなたがじかにやっておるわけじゃないでしょう。そういうつもりで指令は出しておるが、地方によっては、まことに皆さんに迷惑をかけておる場合があるかもしれないぐらい言ったらどうです。十分に管理している——なまいきなことを言うな。何を管理しているのだ。ぼくが君の部下を呼んだだけだって恐縮しているじゃないか。十分管理しているなんて、そんな、君はそういうことを言うのが役人なんだ、それは。国会の場へ来てなまいきなことを言うんじゃない。ことばを慎みたまえ、君。ぼくは根拠のないことを言っているんじゃないんだ。君は一回だけ休んだことに対して認可を取り消すなんて、そんなことは言われなくたってわかっている。ぼくらだって常識を備えていますよ。ぼくが言わんとするのは、月に四回なり五回なり出さなければならぬやつが、半年の間に六回も七回も休んでいるのです。そうしてぼくが聞いたら、七回以上休んだらいけないが、六回ならいいんだ、こう言うんだ。一回じゃないですよ。六回も休んでいるんですよ。あんたの部下はみんなそのことを知っているんですよ。全部知っているんですよ。それでもって精一ぱいの管理をやっておるなんて——あなたが管理をやっておるわけじゃない。あなたが地方の郵政担当者に対して、うまく迷惑かけないようにやれということを言えばいいんであって、そういうことを言ってもそれができない場合がある、ルーズに、やらない場合がある。そうでしょう。ですから、精一ぱいやっておるんだから文句言われる理由ないなんというなまいきな口をきくんじゃないですよ、君。やっていないことは事実じゃないか。いま、君は知っていると言ったが、聞いてみなさい。あんたの部下はみな知っていますよ。国会をなめちゃいけない。君らが役所で部下に言うように、国会はでくの坊ばっかりいないんだから、国会には少しは骨のあるやついるんだから。どうなんです。あんた、これで全部、おまえらに文句言われる理由はない、郵政省としては十分にやっておるということを言えるかね。もう一度言ってみたまえ、君。
  177. 竹下一記

    ○竹下政府委員 ただいま御指摘になりました案件につきましては、係の者から再三にわたりまして話を聞きました。したがって、私自身この件につきましては十分調査もいたしましたし、部下に問いただしたわけでございます。御指摘になりましたように、一回きりということばは、私ちょっと言い過ぎであったようでございますが、お話になっております刊行物がきめられた基準をオーバーした件数は一回であったということでございまして、私の申し上げたことに多少説明が不十分なところがございましたことをおわび申し上げます。
  178. 中川俊思

    中川(俊)委員 これは郵便法を改正する必要があると私は思うのですよ。いまのように非常に郵便業務に赤字を生じてくる、つまり、郵便料金を上げなければならぬということで一般国民に迷惑をかける、にもかかわらず、第三種の認可を受けたものだけがあぐらをかいておるということは、私許されないと思うのです。特に第三種郵便物の赤字が大きい、そういうことであるならば、第三種郵便物の認可なりあるいは認可の取り消しなり、これを三十四年に改正しただけのように思いますが、私は現状に照らしてもっとシビアにこれを改正する必要がありはしないか、こう思うのですが、どうです。
  179. 竹下一記

    ○竹下政府委員 御指摘のことは私どもよくわかるわけでございます。ただ、事務的に申し上げますと、法律改正までに至らなくとも、省令以下の操作でもっておっしゃるようなことの実現も可能かと思いまして、そういうことも寄り寄り研究をいたしております。
  180. 中川俊思

    中川(俊)委員 省令とか行政措置とかいうのはだめなんです。役人というのは、私ども法律の番人でございますから、法律に基づいてやるんだ、自分の都合のいいときには法律をたてにとる、都合が悪くなったら、これは行政措置でございます。行政措置というのはだれがきめたんだ、こういうことになってしまう。自分らの都合がいいように行政措置、省令をつくる場合が多い。ですから、行政措置というものはどういう根拠に基づいて、一体だれがつくるのか。大臣はどの程度それにタッチされるのか。  大臣、この点についてどうお考えになりますか。先ほど来聞いておられて、私の言うのが無理ですか。
  181. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 私もあまり法律のえてではないのですが、郵便法なら郵便法という一つの根本法規がございます。そこで、それに規定せられた大筋を受けて、たとえば第三種の場合ならば、郵便法の第何条から出発して、そこで郵便規則というものができ上がっておると思うのです。ですから、かってきままに、法律の条章に照らして無軌道なことが郵便規則にあってはならぬ。こういうたてまえで考えてまいりますならば、いまの第三種の認可の問題、あるいはそれを何回休んだら認可を取り消すんだというようなところまでは、法律の中に織り込むとたいへんなことになるんじゃないかと、私、しろうとながら思うのですよ。したがいまして、大筋をはずれない限度において郵便規則というものがあり得るのではないか。そこで、いまおっしゃるような規定を十分にする。そして要は、運営といいますか、心がまえといいますか、それを受けて忠実にその規則を実施するというのが役所の仕事であろうか、かように心得ます。
  182. 中川俊思

    中川(俊)委員 大臣、役人というのは、あなたがいま常識的に考えておられるような、そういう運営をやれないのです。またやらないのです。やれない理由もあると思うのです。ですから、やはり法律でチェックする以外にはない。いまあなたは、何回休んだら認可を取り消すとかなんとかいうことは法律できめられないとおっしゃったが、そんなことはありません。法律はきめられますよ。ですから、何かあるのです。それは規則じゃない、やはり行政措置でしょう。  郵務局長、いまの何回休んだらどうとかいうことは、一体どういうものに基づいてそういうことをやっておるのか。
  183. 竹下一記

    ○竹下政府委員 行政措置と申しましたのは、省令、つまり郵便規則でございますね。それから取り扱い規程、それを受けました通達でございます。  ただ、先ほど大臣が申しましたように、それらの省令、規程、通達はいずれも法律の精神を受けまして出るものでございますから、法律違反であるとか法律を逸脱するというようなことは絶対にないわけでございます。(「六回とか、規定は何かあるのか」と呼ぶ者あり)休刊回数、これをこした場合には認可を取り消すといったような基準は省令で規定いたしております。
  184. 中川俊思

    中川(俊)委員 それは郵務局長、こういうことなんだ。それはわかりますけれども、ぼくも多少そういうことは研究しているんだ。ところが、七回休んだら忠告して、そして半年なら半年の間にまた七回休んだら今度は取り消すけれども、そういう忠告をされたら、一カ月か二カ月はまた出すのですよ。そしてまた、その一カ月、二カ月後から同じことを繰り返している。そういう非常に巧妙な印刷のしかた、休刊のしかたをやっているのです。だから、そういうものも同じように扱うということは、法の精神にも反するし、それから、あなたらがきめたその省令だとか行政措置というものが改められてしまって、もうそんなに休むなと言えば、そのときだけ、役人が見ておるときだけ休まなければいいのだという考え方をする場合が非常に多いのです。だから、そういうものまで全部同じように扱っちゃいけないというのだ、私の言うのは。そういうものまで全部同じように扱えば、いまのように、郵便料金も上げなければならない、電報料金も上げなければならないというような結果を招来して国民に迷惑をかけるから、大局的見地から考えて、そういう悪質なやつはもう断固として認可を取り消す、そういうことに向けなければ法の精神が生きないということですよ。だから、そういう意味で検討してみるつもりはないですか。
  185. 竹下一記

    ○竹下政府委員 十分検討したいと思います。  ただ、御指摘の案件につきましては、一度厳重注意をいたしました後におきましては、私ども十分注目しておるのでございますけれども、これは定められた基準を守って発行がなされておるようでございますが、そのとおりに事実やっておりますので、そういう姿で今日に至っております。
  186. 中川俊思

    中川(俊)委員 それがだめなんだよ、局長。あなた何にも知らないのだよ。そういう問題をどこか注意したら、いままで月に四回発行をしますということで認可をとっておいたのが、今度は二回になっちゃったのだ。回数を減しちやた。減して、今度は二回にしますからといって窓口に出したら、それをやっぱり認可している、三種の認可を。そんなインチキありますか。最初認可をとったときは、月に四回なり五回なり毎水曜日発行をしますというので第三種の認可をとっているのですよ。そして注意をされたら、今度は発行回数を——ほとんど半減だと思います。半減してやるのならば、半減した時点において認可をやり直さなければならぬと思うが、どうなんです。やり直していないのだ、それは。
  187. 竹下一記

    ○竹下政府委員 おっしゃいますように、この新聞紙は発行回数を月に三回というふうに改めております。この場合には認可のし直しということも考えられるのでありますけれども、郵便規則で、従来から取り扱っております手続といたしましては届け出でよろしいと、こういうふうになっておりますので、それで措置をいたしたわけでございます。
  188. 中川俊思

    中川(俊)委員 それでは、極論すれば一回でもいいわけですな。いままで五回なら五回出すというのを、一回出してもいいんだな。
  189. 竹下一記

    ○竹下政府委員 月一回でございましても、定期刊行物であればこれを認可の対象にしなければならないと思います。ただし、認可はいたしますが、適用料金は割り高になります。
  190. 中川俊思

    中川(俊)委員 ぼくはそこがおかしいと思うのだな。最初に新聞なら新聞が、三種の認可をするときは、毎水曜日出しますというから、大体月に四回から五回ですね、毎水曜日というと。そういうつもりでずっと出しておったのだが、注意をされたら今度は——注意をされなければそのままやはりずるずるで、月に二回か三回で終わってごまかしてやるのだけれども、その注意をされた時点において、それでは二回にしましょう、三回にしましょうというて発行回数を減らすわけでしょう。そうすると、最初の意図より違っているじゃありませんか。四回も五回も出して社会を啓蒙する、みんなのためになるようにしますからというので三種の認可をもらっておるのでしょう。それが二回か三回になって半減されたということになれば、何ぼ定期刊行物といえども、当初の計画と違っているのだ。違う状態に置かれておるのだから、当然認可のし直しをしなければならないじゃないですか。定期刊行物だから届け出だけでいいというのであるならば、そういうやり方をするのなら、もう発行ができなくなれば、すぐそういうふうなことをみなやりますよ。そういうことがおかしいと思うのです。第一、そういうのをあなたらがかってにきめているんだ。社会常識からいったら許されませんよ、そういうことは。当初の計画をごまかしておるわけでしょう。どうなんです。
  191. 竹下一記

    ○竹下政府委員 郵便法二十三条に三種の規定がございますが、三種郵便といたしましては、月に三回以上発行する新聞とそうでない新聞とに分けてあるのでございまして、分けました理由は、そこに料金の差別をするという趣旨のものでございます。しかし、三種郵便の対象といたしましては、いずれも対象になり得るわけでございます。つまり、月三回以上発行のものもあるし、そうでないものもある、二種類のものがありまして、それを郵政省は受け付ければよろしいというかっこうになっておるわけでございます。
  192. 中川俊思

    中川(俊)委員 私は、それはいかぬと言うのじゃないのですよ。やり直さなければいけないんじゃないか届け出を、法改正するか何かして。とにかく当初に月に五回なら五回、六回なら六回印刷します、発行しますということを言って届け出た、それが半分に減った、三分の一に減った場合には届け出をやり直さなければいけないんじゃないか。届け出というよりか認可をやり直さなければいけないんじゃないか、当初の企画と違うのだから。そうでしょう。それを届け出だけで済ますということは一種の欺瞞行為です。  ですから私の言うのは、これは当然法改正をやってそういうふうにしていけば、三回だろうが一回だろうが、決して三種を認可してはいけないということを言っているのじゃないのです。過程においてそういう経路を経た場合には、これは一応認可をやり直す、ただ届け出だけで済ますということは許されない、こう思うのです。
  193. 竹下一記

    ○竹下政府委員 おことばを返してまことに恐縮でございますけれども、三種郵便の認可の対象としては月三回というところに線を置きまして、それで料金差をつけなさいということが法律の趣旨でございます。月三回以上であれば、四回、五回、六回あるいは日刊、いろいろございますけれども、郵政省としては、月三回以上を基準として、そこで差別をつけるべしというのが法律の趣旨でございます。したがいまして、おっしゃるように、認可のし直しということも、これは考えられることでございますけれども、事務の簡素化等を考えまして、また法律の精神にも反しませんので届け出で済ましておる、こういうのが従来の経緯でございます。
  194. 中川俊思

    中川(俊)委員 それはそれで弊害がなければいいが、そういうことをやるものはえてして弊害が非常に多く伴う場合が多い。だから、これはただ事務の簡素化だとかなんとかというようなことを言わないで、そんなことはやろうと思えばできますよ。これをやるのにどれだけ事務の渋滞を来たすか、どれだけ人がよけい要るか。現状のままで十分やっていけますよ。あなたらが朝から晩まで一生懸命働いておるか。このくらいやるのに何です、一体。同じことじゃありませんか。だから、法律改正をして、そして三回以上出すものは認可を与えるなら認可を与えてよろしい。また定期刊行物で、一回でもよろしい。雑誌なんか一回でしょう。それはよろしい。それをぼくはとやかく言うのじゃないのです。だから、要するに一たん認可をしたら、あとの管理を全然あなた方は放任しておく、現に放任しておる。それがいけない。それがいろいろな悪い結果を来たしておる。だからもっと監督を厳重にしてやればこういう問題も起こらないのですよ。一たん認可したらしっぱなしにしておるから、発行人のほうでもそういうルーズなやり方になる。だから、もっと監督を厳重にして、それで、あなたがいま言うような理屈を言うのならよろしいのです。監督せずにおって、そしてこういう事態が起きれば、三回以上はどうとか、いや、届け出だけでいいとかということは、あなた方一流の逃げ口上であって、そういうことは自分の怠慢を糊塗しようということとしか考えられない。もっと厳重にしたらどうですか。一般の国民から指摘されて初めてわかるようじゃしようがないじゃないですか。何のために監督しておる、何のために国民の税金から給料をもらっている。そうでしょう。だから、もっと監督を厳重にして、しかるのち、こういうことが起きたのならば、いまあなたの言うように届け出だけでいいかもしれない。監督せずにおいて、そして事態が起こって、外部から指摘されて初めてわかるようじゃ、監督が怠慢であったということになるでしょう。それならば、そういう役人にまかしておくわけにいかないから法律改正しろというのです、ぼくは。あなたが今後こういう問題については責任をもって監督すると言ってみたところで、あなた、いつまでそのポストにおるかわからぬでしょう。だから、法律できちっと規制しておくことが一番いい、こう言っているのです。どうです、大臣。
  195. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 いま御問答を伺っておりまして、中川さんのおっしゃるのは、月三回以上というのと、それから一回というのもあるのですから、この間にきちんとけじめをつけろ、こういう仰せだろうと思うのであります。局長のほうは、現行制度でもそれが自動的に移行してやれるようにお答え申し上げたと思いますが、それは現行制度ではそうなっておると思うのです。しかしおっしゃる点、私も……。
  196. 中川俊思

    中川(俊)委員 そうじゃないんです。監督しろというんです。監督せずにおいて、指摘されれば届け出だけでいいとか法律でどうとかいって言いのがれしようという点はけしからぬですよ。
  197. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 そういう点は、ひとつ御指摘の方向に従いまして対処してまいろうと思います。
  198. 中川俊思

    中川(俊)委員 まだ、私特定局の問題であるんだけれども、時間が来たようだからこれは保留しておきまして、次の機会にやらしていただきます。きょうはこれで……。
  199. 田中武夫

    田中(武)委員 ちょっと資料を要求いたします。  いま中川委員質問を聞いておりまして、第三種郵便の取り扱いについては私も若干の資料を持っております。したがいまして、三種郵便の関係のある——法律はよろしい、六法全書に載っておりますから。省令とか規程とかあるいは通達、これを全部そろえて資料として出していただきたい。それを見た上でもって、あなたの言われる行政措置という問題について論議を次回にいたしたいと思います。
  200. 竹下一記

    ○竹下政府委員 資料を用意いたします。
  201. 濱野清吾

    濱野委員長 それでは、この際、本会議散会後再開することとして、暫時休憩いたします。    午後一時五十四分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕