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1970-12-16 第64回国会 衆議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年十二月十六日(水曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 福井  勇君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 徳安 實藏君 理事 箕輪  登君    理事 内藤 良平君 理事 松本 忠助君    理事 和田 春生君       佐藤 孝行君    菅波  茂君       關谷 勝利君    谷垣 專一君       古屋  亨君    増田甲子七君       井野 正揮君    金丸 徳重君       斉藤 正男君    横路 孝弘君       米田 東吾君    沖本 泰幸君       田中 昭二君    渡辺 武三君       寺前  巖君  出席国務大臣        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君  出席政府委員         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省自動車局         長       野村 一彦君         運輸省航空局長 内村 信行君         海上保安庁長官 手塚 良成君         気象庁長官   吉武 素二君  委員外出席者         行政管理庁行政         管理局審議官  石原 壽夫君         防衛庁防衛局防         衛課長     大西誠一郎君         防衛施設庁施設         部連絡調整官  平井 啓一君         大蔵省主計局主         計官      金子 太郎君         大蔵省銀行局保         険部長     渡部  信君         厚生省医務局総         務課長     柳瀬 孝吉君         通商産業省重工         業局自動車課長 大永 勇作君         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         日本国有鉄道常         務理事     長浜 正雄君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ――――――――――――― 委員の異動 十二月十日  辞任         補欠選任   田代 文久君     米原  昶君 同日  辞任         補欠選任   米原  昶君     田代 文久君 同月十一日  辞任         補欠選任   米田 東吾君     後藤 俊男君 同日  辞任         補欠選任   後藤 俊男君     米田 東吾君 同月十六日  辞任         補欠選任   楯 兼次郎君     横路 孝弘君   宮井 泰良君     沖本 泰幸君   田代 文久君     寺前  巖君 同日  辞任         補欠選任   横路 孝弘君     楯 兼次郎君   沖本 泰幸君     宮井 泰良君   寺前  巖君     田代 文久君     ――――――――――――― 十二月九日  国鉄信富線予定線編入及び早期着工に関する  請願佐伯宗義紹介)(第四〇八号)  自動車有毒排気ガス除去装置取付け等に関す  る請願相沢武彦紹介)(第四七四号)  同(青柳盛雄紹介)(第四七五号)  同(浅井美幸紹介)(第四七六号)  同(新井彬之君紹介)(第四七七号)  同(有島重武君紹介)(第四七八号)  同(伊藤惣助丸君紹介)(第四七九号)  同(浦井洋紹介)(第四八〇号)  同(小川新一郎紹介)(第四八一号)  同(大久保直彦紹介)(第四八二号)  同(大橋敏雄紹介)(第四八三号)  同(近江巳記夫紹介)(第四八四号)  同(岡本富夫紹介)(第四八五号)  同(沖本泰幸紹介)(第四八六号)  同(鬼木勝利紹介)(第四八七号)  同(貝沼次郎紹介)(第四八八号)  同(北側義一紹介)(第四八九号)  同(桑名義治紹介)(第四九〇号)  同(小濱新次紹介)(第四九一号)  同(小林政子紹介)(第四九二号)  同(斎藤実紹介)(第四九三号)  同(坂井弘一紹介)(第四九四号)  同(鈴切康雄紹介)(第四九五号)  同(田代文久紹介)(第四九六号)  同(竹入義勝紹介)(第四九七号)  同(谷口善太郎紹介)(第四九八号)  同(津川武一紹介)(第四九九号)  同(寺前巖紹介)(第五〇〇号)  同(土橋一吉紹介)(第五〇一号)  同(矢野絢也君紹介)(第五〇二号)  同(松本善明紹介)(第五〇三号)  同(林百郎君紹介)(第五〇四号)  同(東中光雄紹介)(第五〇五号)  同(広沢直樹紹介)(第五〇六号)  同(不破哲三紹介)(第五〇七号)  同(伏木和雄紹介)(第五〇八号)  同(正木良明紹介)(第五〇九号)  同(山原健二郎紹介)(第五一〇号)  同(米原昶紹介)(第五一一号) 同月十二日  自動車有毒排気ガス除去装置取付け法制化等  に関する請願外一件(加藤清二紹介)(第六  〇六号)  同(青柳盛雄紹介)(第七三五号)  同(浦井洋紹介)(第七三六号)  同(小林政子紹介)(第七三七号)  同(坂井弘一紹介)(第七三八号)  同(島本虎三紹介)(第七三九号)  同(田代文久紹介)(第七四〇号)  同(谷口善太郎紹介)(第七四一号)  同(寺前巖紹介)(第七四二号)  同(中谷鉄也紹介)(第七四三号)  同(東中光雄紹介)(第七四四号)  同(松本善明紹介)(第七四五号)  同(松本忠助紹介)(第七四六号)  同(宮井泰良紹介)(第七四七号)  同(山原健二郎紹介)(第七四八号)  同(米原昶紹介)(第七四九号)  自動車有毒排気ガス除去装置取付け等に関す  る請願大野潔紹介)(第六〇七号)  同(古寺宏紹介)(第六〇八号)  同(瀬野栄次郎紹介)(第六〇九号)  同(田中昭二紹介)(第六一〇号)  同(多田時子紹介)(第六一一号)  同(鶴岡洋紹介)(第六一二号)  同(鳥居一雄紹介)(第六一三号)  同(中川嘉美紹介)(第六一四号)  同(中野明紹介)(第六一五号)  同(西中清紹介)(第六一六号)  同(林孝矩紹介)(第六一七号)  同(樋上新一紹介)(第六一八号)  同(二見伸明紹介)(第六一九号)  同(古川雅司紹介)(第六二〇号)  同(松尾信人紹介)(第六二一号)  同(松尾正吉紹介)(第六二二号)  同(松本忠助紹介)(第六二三号)  同(丸山勇紹介)(第六二四号)  同(宮井泰良紹介)(第六二五号)  同(山田太郎紹介)(第六二六号)  同(渡部一郎紹介)(第六二七号)  同(渡部通子紹介)(第六二八号)  同外一件(井岡大治紹介)(第七五〇号)  同(内藤良平紹介)(第七五一号)  同(渡辺武三紹介)(第七五二号) 同月十四日  上田交通真田傍陽線廃止反対に関する請願  (井出一太郎紹介)(第八四七号)  同(小川平二紹介)(第八四八号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第八四九号)  同(小坂善太郎紹介)(第八五〇号)  同(羽田孜紹介)(第八五一号)  同(原茂紹介)(第八五二号)  同(増田甲子七君紹介)(第九六九号)  同(松平忠久紹介)(第九七〇号)  日本国有鉄道経営合理化に伴う小駅の停留所  化等に関する請願井出一太郎紹介)(第八  五三号)  同(小川平二紹介)(第八五四号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第八五五号)  同(小坂善太郎紹介)(第八五六号)  同(羽田孜紹介)(第八五七号)  同(原茂紹介)(第八五八号)  同(増田甲子七君紹介)(第九六五号)  同(松平忠久紹介)(第九六六号)  国鉄赤字路線分離構想反対に関する請願井出  一太郎紹介)(第八五九号)  同(小川平二紹介)(第八六〇号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第八六一号)  同(小坂善太郎紹介)(第八六二号)  同(羽田孜紹介)(第八六三号)  同(原茂紹介)(第八六四号)  同(増田甲子七君紹介)(第九六七号)  同(松平忠久紹介)(第九六八号)  自動車有毒排気ガス除去装置取付け等に関す  る請願外一件(井岡大治紹介)(第九〇〇  号)  同(田中武夫紹介)(第九〇一号)  同(渡辺武三紹介)(第九〇二号)  同外一件(阿部喜男紹介)(第九七一号)  同(田中恒利紹介)(第九七二号)  同外一件(内藤良平紹介)(第九七三号)  同(阿部喜男紹介)(第一〇六八号)  同外一件(井野正揮君紹介)(第一〇六九号)  同(内藤良平紹介)(第一〇七〇号)  同(井野正揮君紹介)(第一一六八号)  同(長谷部七郎紹介)(第一一六九号)  東北北海道新幹線の最優先着工に関する請願  (渡部恒三紹介)(第一一七〇号)  国鉄信富線予定線編入及び早期着工に関する  請願増田甲子七君紹介)(第一一七一号)  山陰本線和田山・城崎間の複線化促進に関する  請願佐々木良作紹介)(第一一九〇号) 同月十五日  国鉄野線予定線編入に関する請願小平久  雄君紹介)(第一三七〇号)  同外三件(始関伊平紹介)(第一三七一号)  同外一件(丹羽喬四郎紹介)(第一六七九  号)  地方港湾柴山港の整備に関する請願佐々木良  作君紹介)(第一三七二号)  鉄道新線建設促進に関する請願坂元親男君紹  介)(第一三七三号)  洞海湾ヘドロしゅんせつに関する請願(大橋  敏雄君紹介)(第一四〇五号)  上田交通真田傍陽線廃止反対に関する請願  (下平正一紹介)(第一四四六号)  同(林百郎君紹介)(第一四四七号)  日本国有鉄道経営合理化に伴う小駅の停留所  化等に関する請願下平正一紹介)(第一四  四八号)  同(林百郎君紹介)(第一四四九号)  国鉄赤字路線分離構想反対に関する請願下平  正一紹介)(第一四五〇号)  同(林百郎君紹介)(第一四五一号)  自動車有毒排気ガス除去装置取付け等に関す  る請願外一件(木島喜兵衞紹介)(第一五三  二号)  同(田中武夫紹介)(第一六七八号)  国鉄宮津線丹後木津駅の人員削減等反対に関す  る請願樋上新一紹介)(第一七四四号)  は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十二月十一日  大型船舶海上交通規制等に関する陳情書  (第三四  〇号)  地震予知対策の推進に関する陳情書  (第三四一号)  海水の汚染防止に関する陳情書外一件  (第三四二号)  廃油等海洋投棄規制強化に関する陳情書  (第三四三号)  廃油等による被害防除対策に関する陳情書  (第三四四号)  自動車有毒排気ガス除去装置取付け等に関す  る陳情書外一件  (第三四五号)  運輸行政一元化等に関する陳情書  (第三四六号)  関西新国際空港の泉南町区内設置反対に関する  陳情書(第三四七  号) 同月十四日  自動車有毒排気ガス除去装置取付け等に関す  る陳情書  (  第三九六号)  東北新幹線の早期着工に関する陳情書  (第三九七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  陸運に関する件(自動車排出ガスに関する問  題等)  航空に関する件(航空交通の管制に関する問題  等)  日本国有鉄道経営に関する件(国鉄合理化  等に関する問題)  海上保安に関する件(タンカー事故消防体制  に関する問題)  気象に関する件(気象業務整備に関する問  題)  請 願   一 残存機雷完全撤去による北九州港湾建設     作業の安全確保等に関する請願田代文     久君紹介)(第二号)   二 気象業務整備拡充等に関する請願(佐     藤観樹紹介)(第二五九号)   三 東北北海道新幹線の最優先着工に関す     る請願鈴木善幸紹介)(第二六八     号)   四 東京都葛飾区内における踏切道立体交     差促進に関する請願小川新一郎君紹     介)(第二七〇号)   五 同(北側義一紹介)(第二七一号)   六 同(小濱新次紹介)(第二七二号)   七 同(田中昭二紹介)(第二七三号)   八 同(竹入義勝紹介)(第二七四号)   九 同(松本忠助紹介)(第二七五号)  一〇 同(宮井泰良紹介)(第二七六号)  一一 国鉄信富線予定線編入及び早期着工に     関する請願佐伯宗義紹介)(第四〇     八号)  一二 自動車有毒排気ガス除去装置取付け等     に関する請願相沢武彦紹介)(第四     七四号)  一三 同(青柳盛雄紹介)(第四七五号)  一四 同(浅井美幸紹介)(第四七六号)  一五 同(新井彬之君紹介)(第四七七号)  一六 同(有島重武君紹介)(第四七八号)  一七 同(伊藤惣助丸君紹介)(第四七九号)  一八 同(浦井洋紹介)(第四八〇号)  一九 同(小川新一郎紹介)(第四八一号)  二〇 同(大久保直彦紹介)(第四八二号)  二一 同(大橋敏雄紹介)(第四八三号)  二二 同(近江巳記夫紹介)(第四八四号)  二三 同(岡本富夫紹介)(第四八五号)  二四 同(沖本泰幸紹介)(第四八六号)  二五 同(鬼木勝利紹介)(第四八七号)  二六 同(貝沼次郎紹介)(第四八八号)  二七 同(北側義一紹介)(第四八九号)  二八 同(桑名義治紹介)(第四九〇号)  二九 同(小濱新次紹介)(第四九一号)  三〇 同(小林政子紹介)(第四九二号)  三一 同(斎藤実紹介)(第四九三号)  三二 同(坂井弘一紹介)(第四九四号)  三三 同(鈴切康雄紹介)(第四九五号)  三四 同(田代文久紹介)(第四九六号)  三五 同(竹入義勝紹介)(第四九七号)  三六 同(谷口善太郎紹介)(第四九八号)  三七 同(津川武一紹介)(第四九九号)  三八 同(寺前巖紹介)(第五〇〇号)  三九 同(土橋一吉紹介)(第五〇一号)  四〇 同(矢野絢也君紹介)(第五〇二号)  四一 同(松本善明紹介)(第五〇三号)  四二 同(林百郎君紹介)(第五〇四号)  四三 同(東中光雄紹介)(第五〇五号)  四四 同(広沢直樹紹介)(第五〇六号)  四五 同(不破哲三紹介)(第五〇七号)  四六 同(伏木和雄紹介)(第五〇八号)  四七 同(正木良明紹介)(第五〇九号)  四八 同(山原健二郎紹介)(第五一〇号)  四九 同(米原昶紹介)(第五一一号)  五〇 自動車有毒排気ガス除去装置取付けの法     制化等に関する請願外一件(加藤清二君     紹介)(第六〇六号)  五一 同(青柳盛雄紹介)(第七三五号)  五二 同(浦井洋紹介)(第七三六号)  五三 同(小林政子紹介)(第七三七号)  五四 同(坂井弘一紹介)(第七三八号)  五五 同(島本虎三紹介)(第七三九号)  五六 同(田代文久紹介)(第七四〇号)  五七 同(谷口善太郎紹介)(第七四一号)  五八 同(寺前巖紹介)(第七四二号)  五九 同(中谷鉄也紹介)(第七四三号)  六〇 同(東中光雄紹介)(第七四四号)  六一 同(松本善明紹介)(第七四五号)  六二 同(松本忠助紹介)(第七四六号)  六三 同(宮井泰良紹介)(第七四七号)  六四 同(山原健二郎紹介)(第七四八号)  六五 同(米原昶紹介)(第七四九号)  六六 自動車有毒排気ガス除去装置取付け等     に関する請願大野潔紹介)(第六〇     七号)  六七 同(古寺宏紹介)(第六〇八号)  六八 同(瀬野栄次郎紹介)(第六〇九号)  六九 同(田中昭二紹介)(第六一〇号)  七〇 同(多田時子紹介)(第六一一号)  七一 同(鶴岡洋紹介)(第六一二号)  七二 同(鳥居一雄紹介)(第六一三号)  七三 同(中川嘉美紹介)(第六一四号)  七四 同(中野明紹介)(第六一五号)  七五 同(西中清紹介)(第六一六号)  七六 同(林孝矩紹介)(第六一七号)  七七 同(樋上新一紹介)(第六一八号)  七八 同(二見伸明紹介)(第六一九号)  七九 同(古川雅司紹介)(第六二〇号)  八〇 同(松尾信人紹介)(第六二一号)  八一 同(松尾正吉紹介)(第六二二号)  八二 同(松本忠助紹介)(第六二三号)  八三 同(丸山勇紹介)(第六二四号)  八四 同(宮井泰良紹介)(第六二五号)  八五 同(山田太郎紹介)(第六二六号)  八六 同(渡部一郎紹介)(第六二七号)  八七 同(渡部通子紹介)(第六二八号)  八八 同外一件(井岡大治紹介)(第七五〇     号)  八九 同(内藤良平紹介)(第七五一号)  九〇 同(渡辺武三紹介)(第七五二号)  九一 上田交通真田傍陽線廃止反対に関す     る請願井出一太郎紹介)(第八四七     号)  九二 同(小川平二紹介)(第八四八号)  九三 同(唐沢俊二郎紹介)(第八四九号)  九四 同(小坂善太郎紹介)(第八五〇号)  九五 同(羽田孜紹介)(第八五一号)  九六 同(原茂紹介)(第八五二号)  九七 同(増田甲子七君紹介)(第九六九号)  九八 同(松平忠久紹介)(第九七〇号)  九九 日本国有鉄道経営合理化に伴う小駅の     停留所化等に関する請願井出一太郎君     紹介)(第八五三号) 一〇〇 同(小川平二紹介)(第八五四号) 一〇一 同(唐沢俊二郎紹介)(第八五五号) 一〇二 同(小坂善太郎紹介)(第八五六号) 一〇三 同(羽田孜紹介)(第八五七号) 一〇四 同(原茂紹介)(第八五八号) 一〇五 同(増田甲子七君紹介)(第九六五号) 一〇六 同(松平忠久紹介)(第九六六号) 一〇七 国鉄赤字路線分離構想反対に関する請願     (井出一太郎紹介)(第八五九号) 一〇八 同(小川平二紹介)(第八六〇号) 一〇九 同(唐沢俊二郎紹介)(第八六一号) 一一〇 同(小坂善太郎紹介)(第八六二号) 一一一 同(羽田孜紹介)(第八六三号) 一一二 同(原茂紹介)(第八六四号) 一一三 同(増田甲子七君紹介)(第九六七号) 一一四 同(松平忠久紹介)(第九六八号) 一一五 自動車有毒排気ガス除去装置取付け等     に関する請願外一件(井岡大治紹介)     (第九〇〇号) 一一六 同(田中武夫紹介)(第九〇一号) 一一七 同(渡辺武三紹介)(第九〇二号) 一一八 同外一件(阿部喜男紹介)(第九七     一号) 一一九 同(田中恒利紹介)(第九七二号) 一二〇 同外一件(内藤良平紹介)(第九七三     号) 一二一 同(阿部喜男紹介)(第一〇六八     号) 一二二 同外一件(井野正揮君紹介)(第一〇六     九号) 一二三 同(内藤良平紹介)(第一〇七〇号) 一二四 同(井野正揮君紹介)(第一一六八号) 一二五 同(長谷部七郎紹介)(第一一六九     号) 一二六 東北北海道新幹線の最優先着工に関す     る請願渡部恒三紹介)(第一一七〇     号) 一二七 国鉄信富線予定線編入及び早期着工に     関する請願増田甲子七君紹介)(第一     一七一号) 一二八 山陰本線和田山・城崎間の複線化促進に     関する請願佐々木良作紹介)(第一     一九〇号) 一二九 国鉄野線予定線編入に関する請願    (小平久雄紹介)(第一三七〇号) 一三〇 同外三件(始関伊平紹介)(第一三七     一号) 一三一 同外一件(丹羽喬四郎紹介)(第一六     七九号) 一三二 地方港湾柴山港の整備に関する請願(佐     々木良作紹介)(第一三七二号) 一三三 鉄道新線建設促進に関する請願坂元親     男君紹介)(第一三七三号) 一三四 洞海湾のヘドロしゆんせつに関する請願    (大橋敏雄紹介)(第一四〇五号) 一三五 上田交通真田傍陽線廃止反対に関す     る請願下平正一紹介)(第一四四六     号) 一三六 同(林百郎君紹介)(第一四四七号) 一三七 日本国有鉄道経営合理化に伴う小駅の     停留所化等に関する請願下平正一君紹     介)(第一四四八号) 一三八 同(林百郎君紹介)(第一四四九号) 一三九 国鉄赤字路線分離構想反対に関する請願     (下平正一紹介)(第一四五〇号) 一四〇 同(林百郎君紹介)(第一四五一号) 一四一 自動車有毒排気ガス除去装置取付け等     に関する請願外一件(木島喜兵衞君紹     介)(第一五三二号) 一四二 同(田中武夫紹介)(第一六七八号) 一四三 国鉄宮津線丹後木津駅の人員削減等反対     に関する請願樋上新一紹介)(第一     七四四号)      ――――◇―――――
  2. 福井勇

    福井委員長 これより会議を開きます。  陸運航空日本国有鉄道経営海上保安及び気象に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。横路孝弘君。
  3. 横路孝弘

    横路委員 きょうは、厚木の飛行場の問題を中心にして御質問したいと思うのです。その前に、先輩諸氏のあたたかい思いやりに感謝を申し上げる次第であります。  年末年始を控えて、飛行機の切符はどこも満員というような状態なんです。それにつけても思い出されるのは、ことしの夏の例の減便騒ぎでありまして、飛行機会社のほうはことし八月だけで百三十二億円という収入で、笑いがとまらぬようでありますけれども、しかし、乗客のほうは一時間も二時間も空で待たされたり、東京から札幌へ乗った者が名古屋でおろされたりということで、非常なラッシュだったわけですけれども、ことしの夏の混雑ぶり、非常にディレイが出たということの原因は一体どこにあるのか、その辺からお尋ねをしたいと思います。
  4. 内村信行

    内村政府委員 ただいまお尋ねの件でございますけれども、従来、羽田における処理能力というものを考えまして、大体一時間の最高が三十四回、それから続けての三時間が九十回、こういうふうなことで押えておるような状況でございます。ところが、夏場になりますと非常に便が多くなりますと同時に、南風という特殊な現象がございます。羽田というところは南風に非常に弱いところでございまして、南風になりますと滑走路処理能力が弱まってまいります。そのために、見込み違いと申しますか、そういったことが原因となって、結果としては渋滞を起こしたということがあろうかと思います。
  5. 横路孝弘

    横路委員 この問題は、六月十日の交通安全委員会で、当時の局長に質問したのです。私は、もうダイヤ編成が無理だから、こんな無理なダイヤ編成をやめなさいということをそのときお話ししたのだけれども、一時間最高三十四機、三時間九十機というのでだいじょうぶということでやった結果、こういうことになった。このディレイ状態というものは、ほんとうにひどいときは、七月二十七日なんか総トータルで、出発便だけで七十一時間二十七分、着陸のほうは五十三時間二十五分、着陸のほうはそれだけ空で待たされているということになっているわけなんです。  そこで、この年末年始を控えて、また臨時ダイヤ編成をなさるのではないかというふうに思いますけれども、これは運輸大臣お尋ねしたいと思いますけれども、いま航空局長のほうから、一時間三十四機、三時間の平均九十機という基準がやはり問題だった、それが見込み違いであったというお答えがあったのですけれども、そうすると、今後の方針としてはその基準を変えるつもりですか。
  6. 内村信行

    内村政府委員 ちょっと前の話に戻りますけれども、先ほど先生がおっしゃいましたように、夏季のダイヤにつきましては相当見込みが違いまして、容量を超過したということがございます。そこで、当時は一日の離着陸回数は四百八十回くらいが平均でございましたけれども、それを四百六十回というふうに押えたわけでございます。ただその後、十月以降になってまいりますと南風がなくなりまして、その意味でだいぶよくなりました。  したがいまして、今度は大体もとの基準、つまり一時間最高三十四回、三時間続いて九十回ということに戻りましても、冬場ですと差しつかえないというふうに考えております。そういたしますと、大体の見当が一日に四百八十回前後というふうな勘定になります。そこで、なおさらに具体的には三時間ごとに、飛行機がたまってまいりますとずっと押せ押せになりますので、ところどころに谷間をあけまして、そこで調整するというような方法をとるということを考えまして、いまの基準でいま申し上げたようなことでやっておるわけでございます。
  7. 福井勇

    福井委員長 ちょっと政府委員に申し上げます。  与野党とも、きょうは特に時間を厳守せよとの希望がありましたので、質問者はできるだけ質問したいのですから、答弁が長過ぎては困りますので、御注意を願います。
  8. 横路孝弘

    横路委員 そうすると、その基準は変えていないわけですね。
  9. 内村信行

    内村政府委員 四百六十から四百八十に戻したという意味では、夏場とは変えております。
  10. 横路孝弘

    横路委員 そうすると、いま臨時便の申請がすでに出ていると思うのですけれども、これはどういうような状況になっていますか。だいじょうぶですか。この夏と同じような騒ぎを繰り返すようなことになるのじゃありませんか。
  11. 内村信行

    内村政府委員 それは、だいじょうぶと思っております。考えておりました基準の中に入っておりますので、だいじょうぶでございます。
  12. 横路孝弘

    横路委員 また夏のような騒ぎを起こさないようにしていただきたいと思うのです。  そこで、時間がありませんので厚木の飛行場の問題に移りたいと思うのですけれども、その前に、ことしの東京国際空港における離発着の回数は大体どのくらいですか。これはまだ最終的には終わっていませんけれども、大体見通しでどのくらいかということは出ると思うのですが、どのくらいですか。
  13. 内村信行

    内村政府委員 まだ年間の離発着回数ということは、ちょっといまつかみかねますけれども、大体平均的に一日に四百七十回前後というふうな見当ではないかと考えております。
  14. 横路孝弘

    横路委員 そうすると運輸省のほうでは、羽田の離発着回数について、大体年間どのくらいが限度というふうにお考えになっているのですか。
  15. 内村信行

    内村政府委員 厳密にはなかなか申せませんけれども、大体十七万回前後ではないかというふうに考えます。
  16. 横路孝弘

    横路委員 昭和三十九年六月に、運輸省のほうで見込みを出したときは十七万回なんですね。そのときは、しかしA、B、C三つの滑走路を使うということを前提にした回数なんですよ。大体おたくのほうで、いまの滑走路でどのくらいの回数だというふうにお考えになっているのですか。
  17. 内村信行

    内村政府委員 A、B、C三つを考えましたときは、たしか十七万五千回前後だったと思います。したがいまして、いまこの滑走路が全部使えませんで、B滑走路は工事をしておりますので、それを考えまして、大体十七万回前後だと考えます。
  18. 横路孝弘

    横路委員 ことしのいままでの実績をもとにして伸びを計算すると、十七万をこえて十八万に近いくらいの数字になるのですね。もう羽田の現状ではどうしようもないところまで来ている。運輸省のほうで考えている見込みよりも、はるかにこえているのがことしの羽田の現状なわけですよ。このままの伸びでいくと、来年の四月から九月くらいまで、羽田における一日の離着陸の回数は、大体どのくらいに伸びるというようにお考えですか。
  19. 内村信行

    内村政府委員 ちょっと御質問の趣旨がはっきりつかみがねたわけでございますが……。
  20. 横路孝弘

    横路委員 一日の離発着回数です、来年の四月から九月くらいまでの間の。
  21. 内村信行

    内村政府委員 大体四百九十回前後くらいです。
  22. 横路孝弘

    横路委員 つまり、いま羽田の一日の回数を大体四百六十くらいに押えようという、それよりもはるかにこえるわけでしょう。来年の四月から九月くらいまでには。   〔発言する者あり〕
  23. 福井勇

    福井委員長 御静粛に願います。
  24. 内村信行

    内村政府委員 そのとおりでございます。
  25. 横路孝弘

    横路委員 成田の場合の能力は、年間を通して大体十三万回ぐらいですね。羽田がいまのお話だと十七万回。しかし、これは一本の滑走路では、おたくのほうでは十七万回ではなくて、実は当初は十五万回くらいに考えておられたようですよ。そうすると、いまの航空の需要が伸びていくと、あと大体三年か四年くらいたつと、成田ができたとしても、もう東京周辺の離発着回数というのは限界をこえるのではないかと思いますが、いかがですか。
  26. 内村信行

    内村政府委員 旅客の需要もふえてまいりますけれども、一方飛行機も大型化してまいりますので、三年か四年ということはないと思いますが、早晩そういうことになるかと思います。
  27. 横路孝弘

    横路委員 先日の予算委員会で、運輸大臣のほうで、厚木の飛行場についてぜひ使わせていただきたいという答弁があったわけですけれども、成田は非常におくれているし、いまのお話の中でも、来年の四月から九月の段階でもう羽田は満員になって能力をこえてしまうということですが、これは明確なわけです。そうすると、どうしても厚木の飛行場は、やはり民間飛行場として使用しなければならぬ、そういう事態に早晩追い込まれると私は思うのです。  そこで、何か毎日毎日、これは新聞等を見ると動いているようなんですけれども、この厚木の飛行場の返還を前提にして、防衛庁のほうとの関係は一体現在どうなっているのか、大臣のほうからお答え願いたい。
  28. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 いままでの御質疑のとおりに、羽田飛行場の回数は大体限度に来ております。したがって、まず第一には成田飛行場を一日も早く完成したいという、その方針でもって従来進めてまいったのでありましたが、幸いといいますか、厚木飛行場の返還の問題が起きてまいりましたので、できるだけ厚木飛行場を使いたいということで、目下防衛庁当局と交渉を進めてまいっております。  ただ、御承知のように、私、運輸大臣ではありまするが、同時に国務大臣でもありまするから、日本の防衛上の問題をも考えざるを得ない。それらを勘案しながら、しかし、運輸省の民間航空としての扱いを優先的に考えながら、積極的な交渉を進めておるわけであります。
  29. 横路孝弘

    横路委員 そういう弱腰だから、どうも見ておると、何か防衛庁に追いまくられているような感じがするわけです。予算委員会では大臣は、防衛上もちろん重要だけれども、しかしながら国民的な価値から考えても、ぜひ厚木の飛行場を使わしてもらいたい、こういう御答弁をなさっておるのですよ。やはり運輸大臣という立場ばかりでなくて、国民のそういう——これはもう航空の安全にも関係することでありますから、そういう弱腰でなくて、ぜひ話をしてもらいたいと思うのですが、いまどの辺の段階まで話が煮詰まっているのですか。
  30. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 まだお話し申し上げるような具体的な点までは進んでおりません。ただ、わがほうとしては、民間飛行場として使いたいという既定方針に従って進んでまいっておりますが、御承知のような関係でございますから、防衛庁とわがほうだけできめる問題でもありませんので、まだ最終的な結論には至っておりませんが、できるだけ民間飛行場として使いたい。もしどうしても使えない場合のことも考えなければなりませんけれども、とりあえずは民間飛行場として使いたいという方針で進んでおります。一方、また成田飛行場につきましても、それほど皆さん御心配くださるならば、やはり成田飛行場の早期建設、これにも御協力願いたい。
  31. 横路孝弘

    横路委員 防衛庁のほうの情報によると、何かこれは防衛庁の管轄にきまったようなことを防衛庁側では言っているのですよ。もうきまっているのではないですか。それはどうなんですか。
  32. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 もちろん、これは日米合同委員会等でやる問題ばかりでなく、返還になれば日本政府の問題でありますから、防衛庁が一方的に言おうが言うまいが、まだこの問題は最終的にきまっておりません。
  33. 横路孝弘

    横路委員 ここ二、三日、防衛庁あたりに当たってみると、何かもうきまったようなことを言っておられて、大臣のほうで何かそれを認めたようなことまで——どこから流れてくるのかわかりませんけれども、意識的に流れているのじゃないかと思われる節もあるのですけれども、そういう放送もあるものですから、きまっていないならばそういうようなことをお考えになって、ぜひこれは厚木を民間飛行場としてやらなければ、ことしのあの夏の騒ぎが、実はあれ以上の騒ぎになるのじゃないかという感じがするわけです。  この問題については、あとで井野委員のほうからも質問があるようでございますので、あとまだニアミスの問題、それからもし共用になった場合の共用の問題、こういう問題があるわけでありますけれども、時間がございませんので、この辺で終わりにさせていただきます。
  34. 福井勇

  35. 田中昭二

    田中(昭)委員 私はきょうは、先日産業公害特別委員会で質問いたしました自動車の排気ガスの問題につきまして、そのとき聞き漏らしたことがございますので、それをやっていきたいと思います。  まず、排気ガスの問題につきましては、運輸省が諮問しております運輸技術審議会自動車部会から受けました「自動車排出ガス対策基本計画」というものがございます。これにのっとって努力しておるものと思いますから、この中を読んでみますと、まず「大気汚染と自動車排出ガスとの関連の究明」というような項目がございまして、その中に、大気汚染について早急に汚染物質及び環境汚染の実態を把握する体制を確立すべきである。これは、運輸省そのほかの各省が共同でやらなければならないことだと思います。このことにつきましても、厚生省のほうの立場から御説明を願いたいと思いましたが、時間がございませんから省きます。  また、その次に重要なことは、この汚染物質の排出総量をとにかく減少させなければならない、こういう目標がきめてあるのでございます。そこで、この汚染物質につきましては、運輸省自体で調査が厳密に行なわれていないように聞いております。  そこで、この報告書の別紙3に、東京都のいわゆる汚染の状況を一つの参考としてあるわけでございますが、その別紙3、二〇ページでございますが、この表を見てみますと、現在のままの規制を行なっていった場合に、昭和四十五年——これができたのが四十四年で、四十四年を一〇〇としてありますから、四十五年はその汚染の度合いが下降線をたどる、下がる、こういう推定をしております。これは、現実に四十五年も終わろうとしておりますから、現段階において、実際調査したものとこの推定が合っているのか合わないのか、それだけを事務当局のほうからお答えを願いたいと思うのです。
  36. 野村一彦

    ○野村政府委員 先生御指摘の二〇ページにありますカーブは、これは規制を開始するときに推定いたしました数値でございます。その現実の結果が、四十五年度の現時点でどうなっておりますか、まだ私どものほうは、残念ながら実態を把握いたしておりません。
  37. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣、こういうことではだめです。やはり先ほど言いましたように、ほんとうに排気ガスと取り組んでおる、またその指導的立場である運輸省が、こういう計画がなされたならば、それが実態と合っておるかどうかというようなこまかい問題までやらなければだめです。いわゆる大気汚染中の一酸化炭素九九・七%を占める、これはもう自動車の排気ガス以外にない。そういうことを考えますと、今後汚染のひどい地域につきましては、ひとつ運輸省でも極力その実態調査をするとか、そういう方向でいってもらいたいということをお願いしておきます。  その次に、具体的に運輸省としまして、自動車排出ガスの低減目標というのがきまっておりますが、その中にも、ちょっと読んでみますと、「低減目標の設定」という項目で、東京都の大気を、昭和三十六年から三十八年の状態に取り戻すことを最低限の目標として、自動車排出ガスの総量を、昭和五十年において三十八年相当、五十五年において三十六年相当とするようにしたい。そこで、これをするためには、個々の自動車からの排出ガスの低減目標をきめなければならない。こういう項目を受けまして、具体的にその一車両に対する、一車両から出る排出ガスの低減目標が、同じく九ページの下のほうに出ておりますが、ここで、排出総量の低減目標から算出した新車の平均排出重量についても目標を定めて、さらに大事なことは、使用過程車についても、点検整備の励行によってこの目標を維持していかなければならない、このようにございます。ここでも、現在千七、八百万台のうちに一千万台をこえるいわゆる使用過程車、これについては点検整備の励行ということが一つ、それからこの目標の達成を維持していかなければならないという項目がございます。これにつきまして、事務当局のほうから簡単に、その点検整備をどう励行していこうという方向なのかということを、お聞かせ願いたいと存じます。
  38. 野村一彦

    ○野村政府委員 定期点検整備の励行につきましては、道路運送車両法に基づく保安基準という省令がございまして、その省令でもって自動車ごとに、たとえば三カ月とか六カ月とかあるいは一年ということで定期点検を義務づけております。ただ、これは法令の性質上罰則ば設けてございませんが、定期点検を義務づけられまして、実際に実施したという記録簿というものを、二、三年前でございますが、記録簿提出を義務づけ、検査のときにはその定期点検をいたしましたという記録を記録簿にとって、それを検査官のもとに出すということで励行をはかるということが一つでございます。  それからもう一つは、自動車整備振興会あるいはユーザーの団体、そういうものを通じまして、啓蒙宣伝といいますか、そういうPRをやって定期点検整備を励行するというように指導していく。これは従来もやっておりますが、今後さらにそれを強化していきたいと考えます。
  39. 田中昭二

    田中(昭)委員 なかなか具体的なことに入りませんで、大臣も具体的なことがわからないかと思いますが、時間がありませんから先に進みます。  その次に、具体的に排出規制につきまして、ここでも新車の規制と呼応して、使用過程車の規制も強化していくというようなことがうたわれておるわけです。これも同じことになるから省きます。  そういう目標の設定なり、それから具体的に車ごとの排出規制なり、そういうものをずっと受けまして、三番目に、「自動車排出ガス防止対策」という具体的な項目を設けておるわけでございます。その中で大事なことであると思いますことは、二ページに、いわゆる排出ガスの防止対策は、やはり四十八年、五十年という目標を立てております。その中で、先ほどから問題になっております使用過程車が一千万台以上ある、そういうものに対しては、清浄装置の技術開発を四十七年以内に達成したい、そしてそれを工業化していきたいというようなことが掲げてあるわけでございます。四十七年といいますと、もう間もなく、四十六年、四十七年となっていきますが、現時点において、この清浄装置というものがどのような研究が進められ、またどのようなものが——実際もう使われておるものもございますから、そういうものも考えてどのようなものがあるか、お聞かせ願いたいと思います。これは、通産省のほうも続いてお聞かせ願います。
  40. 野村一彦

    ○野村政府委員 清浄装置といたしましては、民間のいろいろの会社、工場等におきまして研究しておられまして、大きく分けますと、何といいますか、触媒によるもの、それから空気を入れて、空気を薄めて措置をするもの、そういうようなものがいろいろ民間においても研究されておりますし、私のほうの交通安全公害研究所においてもいろいろと研究をいたしておりますが、まだ決定的と申しますか、そういうものは、残念ながらいまの段階においては、たとえば清浄の能力それからその耐久性について、まだ決定的と申すべきものは、残念ながらまだいまの時点ではないようでございます。
  41. 田中昭二

    田中(昭)委員 いま現在できてない。ところが、これができないことには、せっかくの排出ガス防止対策が完全に励行できないということになるわけですね。  そこで通産省、いま排気ガスの清浄装置について、通産省としてどのような開発をやっておるか、お答え願います。
  42. 大永勇作

    ○大永説明員 排気ガス対策につきましては、御承知のように、四十八年規制目標とそれから五十年目標とございまして、特に五十年目標を達成いたしますためには、既存のニンジンの改造のほかに、触媒式浄化装置でございますとか、それから排気リアクターでございますとか、あるいは排気ガスの再循環装置でございますとか、そういった各種の装置を組み合わせてやる必要が生じてまいるわけでございます。それから自動車メーカー、それから部品業界あるいは政府の試験研究機関におきまして、その研究を進めておるわけでございますが、通産省といたしましては、たとえば通産省の試験研究機関の中に公害資源研究所というのがございます。そこでもって自分で研究いたしますとともに、部品業者に対しましては、そういう研究を行なう者に対して開銀融資をやっている、さらに鉱工業技術研究補助金でもって補助金を出すというようなことで助成、奨励をいたしております。
  43. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣、先ほどから問題にしておりますこの目標ですが、いまのところは大事な点ですからもう一回申し上げておきますが、いまのように、たとえば排出ガス防止のための装置がなかなかたいへんだという現況、これでは現時点においては、ガスをきれいにするという技術的なものが困難ではないのかという一つの疑問があります。並びにその装置によって、ここにあげております一酸化炭素をはじめ炭化水素、窒素酸化物、ディーゼル黒煙等の汚染防止はできない、いわゆるこの項目に書いてあるとおりを受けた上での清浄装置というのはできないというようにしか、いまのような御答弁であれば解釈できないのです。ということは、汚染物質はそれ以外にもあるわけですね。申し上げますと、ここには具体的に鉛もあがっておりませんし、私が前から申し上げましたタイヤの粉じん等も全然入っておらない。そういうことになりますと、これにのっとって運輸省がやるだけでは、ほんとうの汚染物質の防除にはならないということを申し上げておきたいと思います。  そこで、除去装置自体の問題でございますが、この効果がたいへんいろいろ問題がある。そこで、これは完全なものがないので、つけたほうよりつけないほうがよいということですか。——もう一回申し上げましょうか。清浄装置が完全なものがない、だからつけるよりもつけないほうがよい、つけないような状況でいくのか、これはどうですか。
  44. 野村一彦

    ○野村政府委員 現段階におきましては、もちろんつけるほうがいい場合が私は多いと思います。ただしかし、先ほど申し上げましたような決定的なものがございませんので、法令でもってつけることを義務づける段階ではない、かように考えております。
  45. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣、この次の問題にひとつお答え願いたいと思いますが、いま自動車局長のほうから、つけたほうがいいということですね。だけど義務化はしたくない。義務化するかどうかということは、もう少し政治的な立場に立って判断すべきじゃないか。つけたほうがいいということは、大気を汚染しないという大前提に立ってつけたほうがいいという、まあそういうことでございましょう。  官庁の車には、触媒法による清浄装置をつけて、いろんな試験もやったと聞いておりますが、まずこの試験の結果はどうだったんですか。
  46. 野村一彦

    ○野村政府委員 たとえば私のほうの、ここにはおりませんけれども整備部長とか、そういうこの道について相当の知識を持っている者が、自分の使用する車につけるというようなことはやっております。たとえば、つけたりある期間はずしたりというようなこともやっておりまして、まだ期間的に短うございまして、はっきりしたデータをまだ持っておりません。
  47. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣、いま、つけたほうがいいということでつけたためのいろんな実験が、まだ期間が短くてはっきりしたデータは持っておらないというようなことですが、これは何もいま始まったことだけじゃないと思うのです。とにかく実際除去装置をつけたほうがいいわけですし、いいという結果と、またほかにもいろいろ清浄装置をつけまして、実際つけた状況を調査したところもあるわけです。私、九州でございますが、九州の佐賀県の唐津市というところでは、全官庁の四十数台の車につけまして結果を見てみますと、いわゆるフォアモードの試験で半年後には、大体取りつけ前を一〇〇としますと平均一〇ぐらいに減っている。その結果がずっと、半年後また十カ月後とここに出ておりますが、大体半年間と十カ月後とあまり変わらない。このように、これはずっと読み上げてもいいのですが、各車ごとにずっと一カ月後、三カ月後、六カ月後、こうフォアモードではかりまして、そして結果的には、四十数台が、大体一〇〇のものが一〇になるというような結果もあるわけです。  そこで、大臣に政治的に、いまの義務づけしないという自動車局長の考え方だけじゃなくて、こういう実例を見てみても、除去装置をつけたほうが有利という結果が判明しておる。そのほか、いろいろこの目標にありますように、エンジンの改良も行なわれるでしょう。そういうことと相まっていくならば、私は、現在一千数百万台にも及ぶ使用過程車については、これがたいへんな問題でございますから、このいわゆる使用過程車については、除去装置をつけることが一番いい方法ではないか、つけなければいけないじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか、大臣の御答弁をお願いします。
  48. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 田中さんの先ほどからの御質問を聞いておりまして、たとえば、先ほどの審議会の答申の二〇ページにカーブがかいてありますけれども、このカーブは、御承知のように新車が四・五、それから使用過程車が五・五というものを、そのとおり伸ばして考えた数字だろうと思います。はたして実際にそうなるかどうか。ことに使用車の場合は、はたして平均五・五でおさまっておるのかどうなのか、これは疑問に私は感ずるのでございます。したがって、このカーブどおりいくかどうか、私は実は心配しております。そういう意味で、せんだって自動車局長に対して、このカーブのとおりにいくかどうかは、われわれしろうとから見るとたいへん心配がある、そこで新車に対してもあるいは中古車に対しても、メーカーその他には少し気の毒だけれども、規制を強化する道を検討してみてはどうか、こういうことをいま命じてあるわけでございます。のみならず、先ほど自動車局長から、車検のときにこれを調査しておると言いますが、その場合は一応直していくのですから、これは意味がない。あるいは従来やりましたように、国家公安委員会と協力をして、随時適当な時期に抜き打ち検査といいますか、そういうこともやはり励行する必要がありはしないか。  そこで、先ほどの田中さんの御質問ですが、一〇〇が一〇になった数字は非常に驚くべき数字だと思います。マスキー法案でも七五年までに、これはこれだけじゃありませんけれども、従来のやつを九〇%減らすという法案を出しておるわけですが、それに対しては各方面から、なかなか困難だというような反対があるようですが、これは一部分だけの問題でございますが、一〇〇が一〇になったということであれば、これは義務づけるという方法でなく、使用車についてもある程度の規制を行なえば、当然これをつけざるを得なくなるであろうと思うのであります。その意味においては、やはり使用車に対してももう少し規制を強化していく、そのためにはこういうものをつけることを奨励する、こういうことは積極的に私はやるべきだと思っております。
  49. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣から、そういう装置はつけるようにしたほうがいいというようなお話でございましたから、私、具体的に申し上げますが、確かにわずかな費用で済む除去装置を、なぜ私は運輸省が行政指導でもやって、義務づける前の問題としてやることをためらうのか。この汚染については、ユーザーは、よく言われますが、加害者であると同時に被害者である。そういうことから見ましても、自分でつけていこうという方向が当然でありますし、さらに交通環境の確立という意味からも、ここで若干の負担をユーザーに負わせても除去装置をつけるべき方向に、私は運輸省に行政指導をしてもらいたい。それと同時に、できるならば技術開発とともに装置を取りつける義務づけをする方向で検討してもらいたい、このように思います。  そこでもう一回、これは繰り返しになりますが、そういう除去装置を取りつけるという方向で行政指導するならば、取りつけようというムードも起こってくる。それに呼応して、除去装置のいま一つの問題になっております不完全であるという問題も、私はメーカーの企業利益の競争原理によって、技術開発がたいへん進むんじゃないだろうか。そうしますと、おそれられています製品の不完全さということも、徐々にですけれども解決していく。そうすることが大気汚染清浄化への一歩前進である。こういう意味から考えても、私はいまの道路運送車両法の中に、どうしてもこういう一項目というものを入れるべきではなかろうか。いますぐ入れることができなければ、そういう方向で検討していただくということについて、もう一回、その方向だけでもけっこうですから、大臣のお答えを願いたいと思います。
  50. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 お話しのような方向で検討させたいと思います。
  51. 田中昭二

    田中(昭)委員 最後にもう一問だけで、時間がありませんから終わりにしたいと思います。  公害法案でいろいろ審議をされました中に、公害防止対策の上において、いわゆる専門機関の設立というような問題もあります。そこで、運輸省関係では交通安全公害研究所というのを新設されておるわけでございますが、先日私も現場に行ってみましたが、たいへん失礼な言い方ですけれども、その辺の町工場よりも悪いような、人間一人おって、そして一台の車をああでもないこうでもないというような、ほんとうに建物もないようなお粗末なものである、そういうふうに感じました。こういうことではたいへんではなかろうか。十分予算も充当してやって、そして努力していかなければならない。これだけ汚染が大問題になっておるときでございますから、この研究所の強化と抜本的対策について、前向きの御発言をひとついただきたい。
  52. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 実は、私もあれを見てまいったのであります。おっしゃるとおり、町工場よりは小さなところであります。ああいうような交通安全公害研究所を独立さした意味はどういうのだというので聞いたのでありますが、事、技術開発の問題になりますというと、これは通産省の所管である、したがって、排気ガスがどういう状態で出てくるかということが主たる研究の目的だ、こういうようなことで、あれで十分だとは申しませんけれども、まあまあそういう意味において、従来の研究所からあれを独立さしたんだという話でありますが、どう考えても不十分でありますので、おっしゃるように、これは強化の方向で検討してまいりたいと思います。
  53. 田中昭二

    田中(昭)委員 以上で終わります。
  54. 福井勇

    福井委員長 次に沖本泰幸君。
  55. 沖本泰幸

    沖本委員 質問の時間をお与えいただきまして、ありがとうございます。時間がありませんので、とりあえず始めてまいります。  せんだって、タンカーの清掃中の爆発で大きな社会問題を起こしておるわけですけれども、この問題はわが党の松本委員も、昨年の通常国会の予算委員会でも、救難体制、そういうような関係から御質問しておるわけですが、前々から海上保安庁の救難体制というものが、十分でないということは問題になっておるわけです。ところが、火災に対しての消防体制というものも十分でない。海上保安庁の一覧表を見せていただいても、完全とは言えませんけれども、まあまあ能力を持っている消防艇は三隻しかない。うち一隻は年が明けてできるそうだ。こういうことで、タンカーはますます大型化していって、日石あたりは五十万トンのタンカーもつくろうか、こういうことを言い出しておるわけです。問題になりますのは、いわゆるシーバースをつくって、そこから油送管で送っておるところの事故よりも、むしろ製油所の中に接岸して、そこでポンプで送り込んでいる、こういうふうな状態のほうが全国的に規模が大きい。  そういうことで、船の大きさによって受け入れ体制は違ってまいりますけれども、そういうふうな急激に発達していく油の輸送状態、受け入れ状態、こういうふうなものに対して、まだあまりにもわが国の消防体制というものがお粗末である。陸上から水をかけてという装置は、ある程度消火せんでできておりますけれども、たとえば、先年の堺のバルブを締め忘れて油が漏れて火事が起きたときも、大阪から消防艇が呼ばれなければどうにもならなかった、大事に至らなかったからよかったようなものですけれども。こういう観点から見ますと、非常に危険をはらんだまま現状がある。そういうことで、一たん火が出ると数十時間、数日間というものは燃え続けてしまう。あるいは一番民家に近いところに問題点があるわけですから、そういうものの十分な消防体制、消火体制というものができなければ、たいへんな惨事を起こしてくる。  こういうことは、大体においてみな認識しておるわけですけれども、それに対して海上保安庁の消防体制というものが十分でないということは明らかなんですけれども、こういうものについて、たとえば一例で言えば、ヘリコプターから水を一ぺんにかけてというような方法も都市では考えられております。消火剤をそういうような形で落としていくというような方法も考えられておるわけですけれども、これから起きてくる、予想されるような大災害に対して、運輸省のほうではどういうふうな消防体制を組んでいらっしゃるか、また来年度には、どういうお考えでこういう問題に取り組もうとしていらっしゃるか、この点についてお答え願いたいと思います。
  56. 手塚良成

    ○手塚政府委員 先般の川崎のていむず丸事件等の実績から見まして、海上保安庁の消防能力が問題になるわけですが、実は現消防能力といたしまして、いま先生消防船三隻——二隻あって近く一隻という意味で三隻というようなお話ですが、私のほうはそのほかに消防艇あるいは巡視艇、そういったもので、放水量が消防船三隻のAクラスのものより落ちてはおりますけれども、やはり毎時千五百トンの放水量あるいはあわ放水量八百トンというような式のものがございまして、それら取りまぜて現在二百三十五隻というような消防戦力だというふうに一応考えております。  ただ、この間のような事態を見ますときに、この中で主力をなしますところの消防船三隻、しょうりゅう、ひりゅう、なんりゅう、こういったものが必ずしも十分ではなかろう。これを整備します基準が、四十三年十月の海上保安審議会の答申の線に基づいてやっておりましたが、そのとき以来船型が変わり、船の数が変わり、あるいは港勢、港の情勢が変わってきておるというような事態がございまして、そういった新事態に即応しての体制ということを、現在振り返って再検討をいたしております。その検討過程において、さらに強化をしなければならぬということにはなろうかと考えております。  現在、現実にさらに進めておりますのは、今後代船建造をやります巡視艇というのには、少なくともすべてこの消火の施設は小型ながら全部つける、こういうことをもって、今度の爆発事故の際に船を冷却するということで役立ちましたような面は、それはそれとしてやる。問題は、大型のものに対応して、先ほど申し上げたようなことをやらなければならぬだろうと思っております。  さらに、この消火については、やはり官民の協力体制というのが必要であろうと思います。従来からそれぞれの港の情勢に応じまして、大型タンカー事故対策連絡協議会というものを編成いたしまして、民の消防能力とあわせてその港々でどういう体制をとるか、かつ災害の際にどういうふうな活動体制で進むか、こういうふうなことを進めておりますが、これなどもさらに強化をしていく必要がありはしないかと思います。  また、先生御提案の新しい消防の施設、やり方という意味で、ヘリコプター等からのそういった消火剤の投下、これは先般第五管区においてきわめてささやかではありますけれども、そういう実験をやってみたという実例もありまして、私どももそういう面にも積極的に取り組んでいきたい。先般起こりました事故のあとの対策の一環として、やはりそういった消防体制あるいは消防の方法、そういうものについてさらに検討を進めていくということも対策内容に掲げておりますので、そういう面でどんどん進めていきたい、かように考えております。
  57. 沖本泰幸

    沖本委員 それにつきましては、現在の保有船舶、これから計画される計画、そういうものについて、あるいは港の機能、あるいは岸壁、あるいは消火体制、そういうものを十分検討していただいて、どの程度のもので万全を期することができるか、こういうものを十分わかるような点検、こういうことをしていただいて、それに合ったような警備体制、あるいは救難体制、あるいは消火体制、こういうものを組んでいただかなければならないと思うわけです。  そういう点について、現在の時点では、そういう検討した上においてどの程度の能力を持っているか、こういうものを将来のために明らかにしていただきたいと思うのですが、そういうものはお持ちでございますか。
  58. 手塚良成

    ○手塚政府委員 そういう意味の検討をしなければならぬということで、先ほどちょっと触れました海上保安審議会というのに「海難救助体制の改善強化策について」という諮問を出しまして、四十一年の十月に答申をもらっております。その線で従来やってきております。  若干内容を申し上げますと、これについては、各港湾における消火施設整備の内容を、タンカー火災発生の蓋然性、火災が発生した場合の他に及ぼす影響、火災が発生した場合の規模、こういう三点の問題を総合的に検討して港湾の消火施設整備をやらなければならぬ、こういうことをいわれております。港湾について、たとえばA級港湾、B級港湾、C級港湾と分けまして、A級港湾については総トン数四万トン以上の入港する港、消防施設基準が総トン数九万五千トン、重量トンで十五万トン、こういったようなものをA級の港湾と考え、それに対する消防体制は大型でやる。大型といいますのは、先ほど申し上げたしょうりゅう、ひりゅう、ああいうクラスでやる。B級が四万トンから一万トン、消防施設基準が七万重量トン、これ以上は中型。C級はこれが一万トン未満、消防施設基準が三千三百重量トン、これは小型でやる。こういうような式で一応基準を考えておりますが、この基準そのものについて、先ほど申し上げましたように、新しい事態に対処するものとして検討を要すべきものだと考えておりますので、こういった式で詳細に検討を進めていきたいと考えております。
  59. 沖本泰幸

    沖本委員 大臣はちょっと席をおはずしになりましたが、いまの保安庁長官のあとのおことばでも想像できると思うのですが、来年度のこういう事故に対する救難あるいは消火体制に対して、どういうお考えをお持ちでございますか。
  60. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 最近は、各港湾内における船のふくそうが非常に激しくなっておりますので、消火体制には万全を期する必要がありまして、四十六年度にも相当、他の予算項目に比しては非常に高い率で要求はいたしております。しかし、何せ最近の実情に対しては、万が一十分なる予算ができましても、一挙にこの問題は解決できませんが、先ほどお話がありましたように、パイプライン等のことも考えながら、いわゆる港湾内における火災等に対しては、できるだけの措置を講じてまいるということで考えていきたいと思います。
  61. 沖本泰幸

    沖本委員 いまの大臣のお答えは、準備体制の途中ではっきりしたことをお答えになれないのだろうとは思いますけれども、国民が一番おそれるのは、こういう火災に対してどういうことが起きるかということなんですから、それに対しては、国民に十分よくわかるような体制を組んでいただき、こういう問題は第一次の作動ということが一番大事でございますから、そういう点——この問の爆発も、船倉中のガスが爆発してああいう事故になったということですが、もし原油を幾らかでも、あるいは満載しておった場合には、流れて大きな火災になっていく、こういうことになると、想像もできないような事故になるわけです。そういう点は、来年度からでも年次計画をつくっていただいて、十分な消防体制をお組み願いたい、こういうことをお願いしたいと思います。
  62. 關谷勝利

    ○關谷委員 関連して、海上保安庁長官にちょっと一つ提案をしておきたい。  それは港湾の消火設備についてですが、オーシャン・タグには現在規制があるが、ハーバー・タグには規制がない。そこでハーバー・タグを一つの許可制かなんかにして、それに港の消火ということを義務づけるということを私は提案してみたいと思います。  と申しますのは、私が松山で、タグボートに消火施設をつけてみようというのである会社に対してつけさせた。それは大体二百トンクラスのもので三千馬力、これは優秀なものですが、それにつけさせたところが、この間ちょうど私が帰っておるときに、実験するからというのでやらせてみた。海上保安庁の巡視艇あたりにつけておるのはきわめて微力なもので、これでは大きな船に火災が起きたときにはどうにもならない。ところが、それにやらせてみると、それならずいぶん威力がある。そして、もしこれが消えないというならば、水が入って船が沈んでいくのだから、これはたいへんな威力なんで、これで消えないということはないというふうな、私はちょっと確信じみたものをいま持っておるのです。これは一つの提案ですが、大臣と海上保安庁の長官でよく相談していただいて、こういうようなことも一つの、何といいますか、防災という面からひとつ考えてもらいたいと思います。よく検討してみてください。
  63. 手塚良成

    ○手塚政府委員 先ほどちょっと触れましたように、こういう防災に関しましては、やはり官民、民の立場との協力体制というのが必要だと考えております。そこで、現在行政指導におきまして、たとえば大型船が東京湾に入港するという際に、これらについて、タグボートを必ずエスコートさせるというようなことをおもに行政指導をやっておりますし、先般のタンカーの衝突事故直後に、さらに一そうそういう問題を強化しておりますが、これらの船には、いずれもおっしゃるような消火体制ができております。たとえば喜入の日赤関係のタグにも、同様なものがついておるというようなことでございまして、いま先生の御提案も、行政指導である程度は進めつつあるわけではございますが、さらにその辺を一そう検討しまして、そういうのを組織的に、あるいは法的にやるべきかどうかということを十分検討して考えてまいりたい、かように考えます。
  64. 沖本泰幸

    沖本委員 次にお伺いしたいことは、大阪の国鉄の外環状線の問題です。赤字続きでたいへんなことは十分承知しておりますけれども、この問題は三十八年に都市交通審議会から答申されて、もう大かた十年になんなんとしようとしておる。それで、それが第三次計画の中に載ってから後もだめになって、万博もだめだ、こういうことで、しかし何とかしていただきたいという希望から、大体十億五千万の利用債も持っておるし、高架の工事に伴う経費の九億四千万の大部分を負担する、こういうふうな考えまで持って、大阪の周辺の都市は全部それに希望をかけておる。現在はもう市外部から市内部に百万の流入人口がふえてきておる。それから流通機構の企業団地ができておりますし、それから金物団地、こういうような企業団地がどんどんできつつあります。そういう観点に立って、このままほっておいたんでは大阪の都市交通が麻痺する。縦に市内に入ってくる私鉄のほうは十分あるわけで、それは十分御承知だと思うのです。これはもうほっておけないような状態に至っておるわけなんです。毎年のようにこの問題についてやかましい話も私たちは聞いておりますし、現場も見ておるわけです。  同時に、大阪の南港にコンテナバースが二バースできて五バースになろうとしておりますが、これと国鉄を結ぶものはトレーラーでなければ結べない。国鉄はなかなかつくってくれない。こういうことから、いわゆる南港から国道内環状線に向かってトレーラーで結ぼうとしておる。こういうことからいたしますと、国鉄の新しい計画の、いわゆるコンテナを主体にした貨物輸送というようなものにもはずれていっておるような現状なんです。そういう点と、阪和線の高架問題と杉本町ということを考えると、計画をもう一度やり直していただいて、新大阪駅から杉本町まで完全に貫通した計画を立てていただき、早急にこの事業に移っていただきたい。これは赤字の線路をお願いしているわけじゃなくて、黒字になっていくことは、どこを考えても、数字的に見ても、そろばんを入れても間違いないということは出ているわけなんです。そういうことであるために大阪の人たちが考えておるのは、どうしてやらないんだろう、赤字じゃない、黒字になるのに、こういうふうな問題は十分出ておるわけなんです。  その点について、来年度の予算を組む時期でもありますし、この際、国鉄のほうにお伺いしておきたい、こう思うわけです。
  65. 長浜正雄

    ○長浜説明員 大阪の外環状線並びに杉本町の高架化の問題、南港の貨物用地の問題、先生の御指摘は全くそのとおりでございます。特に大阪の外環状線につきましては、これの必要性については、都市交通審議会からも答申をもらっております。国鉄としても必要だということで、昭和四十年から一部用地買収に着手したのでございますけれども、現在の時点までには、おっしゃるとおり、ほとんど進んでおりません。関西地区の方々には非常に申しわけないと思うのでございます。いままで投資しました額は、昨年度の高架化の分も含めまして二十五億程度でございまして、早くこれを進めなければいかぬと国鉄も考えておるわけでございますが、何ぶんにも総工費が三百億近い金額になりますので、それだけを、思い切って積極的に工事を進めるような段階まで、いまの工事予算の状態がなっておりません。この点、私たちとしても自分自身はなはだふがいなく思っておる次第でございますけれども、特に来年度の工事予算のことを考えますと、私たちも前途が非常に暗いわけでございます。国会のほうでも、来年度の工事予算についてよろしくお願いを申し上げなければならぬ、こう思っておる次第でございます。大阪外環状はそういう状況で、まだ大々的に着工するという段階まで至っておりません。私たちもいまのところ、ひまのかかる用地買収に主力を注いではおりますけれども、今後ともできるだけ努力していきたいと思っております。  それから、もう一つの南港の問題につきましては、湊町の貨物駅の問題とからみまして、南港付近に貨物駅を、二百万トンないし三百万トンくらいのものをつくったらどうかという意見が関西地区で出ておるわけでございますが、南港付近の貨物の見込み、将来の需要の見込みその他も考え、そして所要経費も考えまして、いま現地でいろいろ御相談申し上げておる段階でございます。  それから、阪和線の杉本町までの高架化に関しましては、先生お話しのように、昨年建運協定ができまして、これで連続高架の協定を進めておりまして、ある程度まとまっておったわけでございますが、御承知のように、そこに新たに阪神高速道路が入りたい、一緒に建設をやりたいという話が建設省側から出てまいりまして、せっかくやるのなら一緒にやったほうが、でき上がった後の有効利用の面あるいは対地元のいろいろなトラブルの面からいってもいいのじゃなかろうか、われわれもそれと計画を合わせるようにしたほうがよかろうということで、いま建設省並びに地元の市と国鉄側とで相談をして、基本的な計画を煮詰めるようにしておる段階でございます。
  66. 沖本泰幸

    沖本委員 もうあと時間がないのですが、この問題は、利用債まで買って、何十億という金を見込んで、大阪市民あるいは府民のお金を使っておるのに、そのままお預けになっている。ほかのほうの地点では、こういう問題は起きてないわけですね。そういう点に、大阪の人たちは非常な不満を持っているということになるわけです。その金をほかへ使えばもっと生かされるのに、投資したなりで待たされるということは理屈に合わぬ、こういうのが、そろばん高い大阪の考え方なんですけれども、これに合ったような方向づけをしていただかないと、これは問題になると思うのです。そういうことですから、そういうものを含んでいるということになるわけです。これに対しては、国鉄のことですけれども、運輸大臣にひとつお願いしたいわけなんです。  それと、もう一つはげたばきの問題です。げたばきの問題は、新しい方法として、国鉄の上に高速道路を通す。こういうのは、本四架橋という問題とからんでいるような工事計画ということになるわけですけれども、これが十分できて、市街地の国鉄とか私鉄の上にでもげたばきの高層ができてくるということになると、用地とかいろいろな面で利用度が全然違うわけなんです。それと同時に、もう一つは、もうすでに百七十二億という金を見込んでいただいて高架の話はできておるのに、またげたばきの話が出てきて、とめどもなく話が続いていくと、交通停滞のために立体交差をやる工事計画というものがまたまた何年か向こうに延びる、これはたまったもんじゃない、こういうのが地元の声なんです。  この二点について、いつごろこれは具体化されるかという点と、もう一つは、いま申し上げた外環状線はいつごろまないたの上にのるのか。待ってください、待ってくださいでは困るわけですから、その点について見通しなり何なりを、また大臣には、進めていただきたい点からお答え願いたいと思います。
  67. 福井勇

    福井委員長 長浜君、簡単に願います。
  68. 長浜正雄

    ○長浜説明員 阪和線の、一緒にやることにつきましては、その案は、将来新幹線と高速道路を一緒にやるとか、いろいろなことともからみますので、私も非常にいいことだと思って、同時にやるならいいと思いますので、私たちできるだけ早くこの案をまとめて、いろいろな問題点を解決して着工するように進めていきたいと思います。  それから外環状につきましては、全く仰せのとおりでございます。私たちもできるだけ努力いたします。特にいま予算編成の時期でございますので、そういう点も考えまして、一そう努力をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  69. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 いま国鉄当局が答えましたように、一生懸命やるそうでありますから、ぜひひとつ御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
  70. 福井勇

    福井委員長 次に渡辺武三君。
  71. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 本日は、質問時間がきわめて制約されておりますので、私が質問を申し上げたいと思う点は、実は四点ほどあるわけですが、残りました問題につきましては、あとで文書によって御回答を願いたいと思いますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと思います。  まず第一は、自動車損害賠償責任保険についてでございますが、先国会におきましてこの法が一部改正をされまして、その審議過程でいろいろな点が問題になったわけでございまして、特に治療費の問題が、きわめて重要な問題として論議をされたことは御承知のとおりでございます。したがいまして、この財政の赤字そのものの要因が治療費にあるんだということが、相当強く言われてまいったわけでございます。そのときの当局側の御説明によれば、この治療費というものは、緊急医療体制の中では、あとからのチェックがきわめてむずかしいんだ、こういう御答弁がございました。私どももその後いろいろ調査を進めてまいったわけでございますが、特に問題となりました健康保険による治療と自賠責保険による治療との治療費の差額というものが、はなはだしいときには二倍ないし三倍、あるいは五倍程度にも及ぶというようなことが問題になったわけでございます。  そこで、この点について私もいろいろ調べてまいりますと、御承知のように、現在租税特別措置法によって、医者の健康保険の治療費は七二%が必要経費として落とされる、こういうことがございます。ところが、自賠責の保険による治療費は、この租税特別措置法の適用がなされておりませんので、一般診療として相当なものが捕捉をされてしまう。したがって、医者の立場からいきますと、結局はやはり高い治療費をいただいても、相当程度これが収入として捕捉をされてしまうので、医者の所得の上から見ると非常に問題があるんだ、こういうことでございます。さらには、健康保険で診療いたしますと、全国の統一単価というものがございまして、たとえば、東京で治療をいたしましてもあるいは名古屋、大阪等で治療をいたしましても、ほとんど同じでございますけれども、この自賠責の保険でいきますと、同じけがであっても、東京で治療した場合、大阪で治療した場合、あるいは名古屋で治療した場合と、それぞれ金額が変わってまいると思います。したがいまして、私はこの自賠責の保険の中で一番問題になりました治療費の問題は、ここに一つ大きな問題点が残されておるのではないかと実は考えるわけでございます。  したがいまして、現実にこの自賠責による治療というものが、健康保険による治療というものに切りかえられないのかどうか。確かに一部は、同じ交通事故による治療におきましても、健康保険によって治療を行なっているところと、あるいは健康保険がありながら普通診療で治療を行なっているところ、こういうふうに混同はされておると思います。その辺の実態なりあるいは考え方なりについて、まず厚生省のほうの見解を伺いたい、こういうふうに思います。
  72. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 最初の点でございますが、租税特別措置法で健康保険の診療費につきましては七二%の必要経費が認められておるわけでございますが、これを健康保険の医療費以外の部分まで広げるということによって、それのはね返りとしてお医者さんの治療費を安くするというようなことを考えたらどうか。これは一つの考え方であろうかと思いますけれども、この租税特別措置法の対象範囲を拡大するということは、なかなかむずかしい問題ではなかろうかというふうに一これは大蔵省のほうの問題だと思いますけれども、非常にむずかしい問題だと思います。やはり必要経費は一般の例によって、医療費についてもケース・バイ・ケースで、税の徴収者側で適切な必要経費を見てもらうという以外にはないんじゃないかというふうに思います。  それから、第二番目の健康保険で扱えないかということでございますが、これは自動車による保険事故も健康保険で保険事故として扱えるわけでございまして、この点につきましては、扱えないんじゃないかという誤解があるようでございましたので、先般厚生省のほうから、保険者なりあるいは都道府県なりそういうところに、自動車による保険事故も一般の保険事故として扱えるんだから、医療機関やあるいは保険者、あるいはその保険者を通して被保険者に周知をしてもらうようにしてくれというふうな通知を出して措置をしているわけでございます。  それから、国立と公立の医療機関では、すべてこれは健康保険に準じて扱うように指導し、またそういうふうに扱っております。
  73. 渡部信

    渡部説明員 お答え申し上げます。  ただいまの租税特別措置法の問題は、私どものほうの所管ではございませんので、これは国税あるいは主税局のほうからお答え願ったほうが適当ではなかろうかと思います。
  74. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 厚生省は、一応この租税特別措置法の問題は私どものほうの関連ではない、したがって、むずかしいと思いますということでございますが、実質的に自動車事故といえども健康保険を使用して治療を行なっておるのがたくさんあるわけですね。この健康保険によって治療を行なう人々は、医者の立場からいけば、これは当然租税特別措置法の適用を受けておるわけですよ、現実に同じ交通事故でありながら。ところが一方、健康保険によらざる治療については特例の適用を受けない、こういう矛盾が出てきておるわけです。したがって、何とかそこは統一をしなければいかぬ。簡単にわかりやすく言えば、この租税特別措置法の適用を受けないいわゆる税金分を、一般の交通事故の人たちは負担をさせられておる、こういうことが言えると思うのです。  そこで、先国会の中で治療費の違いについていろいろ討議がなされたわけですれども、実際にはこういう論議はなされなかったと思うわけです。したがって、いま現状がむずかしいと言われるけれども、片方では、一面的に見れば、健康保険によって治療を受けておられる方々は、法そのものの適用範囲に入っていないにもかかわらず、現実にはやはり租税特別措置法の特例の適用を受けておる。こういう矛盾をそのまま放置しておいていいのかどうか。健康保険も使うことができますよというような、そういうあいまいなことではなくて、厚生省は、健康保険を使って治療なさい、こういう指導はなぜできないのですか。
  75. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 健康保険で扱うこともできるわけでございまして、そういう取り扱いをできるだけするようにお願いしておるわけでございますが、ただ、自賠責保険の法のたてまえが、これはどちらでもできるような形になっておるわけでございますので、それは選ぶのは医療機関なりあるいは保険者、患者なりの自由意思によらざるを得ないということだと思うのです。
  76. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 何かきわめて歯切れの悪いあいまいな答弁ですが、それならば健康保険でやりなさい、健康保険の治療の範囲内に入れるというふうになぜできないのですか。何かお願いをしておるとか、医者が選択をしてかってにきめるのだとか、患者の希望によってとか、きわめてあいまいなおことばですけれども、その結果いろいろな問題が出てきておるわけでしょう。なぜそれははっきりできないのですか。
  77. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 先ほど申し上げましたように、自賠責保険の制度がそういうことになっておるわけでございます。健康保険でやるということになっておらないわけでございます。しかし、健康保険でも保険事故として扱えることにはなっておるわけでございますので、そこで、健康保険で扱うこともできますよというふうな指導をしておるわけでございます。
  78. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 大臣にお伺いをしたいと思います。  いまお聞きのとおり、制度上そうなっていないんだ、こういう厚生省のお話でございますので、しからば、近々のうちにもう一回自賠責保険の制度改正のための法律改正、こういうことをやって、やはりより明確にしてもらいたいというふうに思いますが、大臣のお考えはいかがですか。
  79. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 法律的には、何か選択でよろしいんだそうでありますけれども、実際上の問題としては、やはり専門といいますか、緊急措置の専門でありますので、そちらのほうに患者が行くということになるだろうと思うのです。  ただ、いろいろの方面からの御指摘がありますように、非常に高い診療費を取られるという点でいろいろ問題点があると思いますが、これについては、関係方面でできるだけの措置は講じてまいっておりますが、その実績が十分にあがっておらないという点では、まことに恐縮に存じておるわけでございます。
  80. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 恐縮に存じてもらってもしようがないのです。いま厚生省がきわめてあいまいなことを言っておるものですから、なぜやれないのかと言いますと、たてまえがそうなっていないんだ、こういう答弁でございますが、そのたてまえを管理しているのは運輸省でしょう。そうじゃないんですか。だから、そういうふうにあいまいなことのないように、より明確な法改正というものができないかどうか、こういうことをお尋ねしているのです。
  81. 野村一彦

    ○野村政府委員 これは厚生省なり大蔵省のほうの実態の問題だと思いますが、私のほうとしては、先生のいまの仰せまことにごもっともだと思います。これは私どもだけではどうにもならないことでございますが、よく関係各省と連絡をとって、善処するように努力したいと思います。
  82. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 いまも委員席からいろいろがたがた言われておりますが、この附帯決議の中でも実はいろいろ要望をされ、それを大臣が受けて立って、善処をしていきます、こういうふうに御答弁をなさっているんですよ。その後、いろいろこういう問題が出てきて、われわれがそういう関連で質問をいたしましても、また同じような、一年たとうが二年たとうが、国会答弁は毎回同じということであってはならないと思うんですよ。それじゃどうして一歩前進という方向が出せないのですか。
  83. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 御承知のように、医療制度のたてまえとしては、厚生省の所管ということになるわけでございます。われわれのほうは、もちろんこれに対して希望を申し上げ、主張をすることも可能でございますけれども、運輸省一本でいけないところに問題があります。  しかしながら、これはもう長年の問題でありますから、積極的に私も厚生大臣とも、この旨を十分に協議を進めてまいりたいと思っております。
  84. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 再度厚生省にお伺いをしますが、厚生省のほうとしては、そのような矛盾はお気づきですね。
  85. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 先ほどから申し上げておりますように、健康保険で扱うこともできることになっております。しかし、健康保険で請求をしなければいけないということにはなっていない。それで、私どもは健康保険でも扱うことができますよということを周知させるというようなことと、それから、少なくとも国立、公立の病院では、私どもの直轄下にある病院、あるいはその指導が行き届く病院につきましては、健康保険で進んで扱うように強力に指導して、そうさせておるわけでございます。
  86. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 健康保険によって治療することができますよということを周知しておる。だれに周知をしておられるのですか。
  87. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 都道府県の衛生部のほうに通達を出しまして、医療機関なりあるいは保険者、それから保険者を通して被保険者にそういうことを周知するようによく指導してください、という通達を出して指導しておるわけでございます。
  88. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 周知ということばは、広く大衆に示すということが周知だと思うんですよ。つまり、関係官庁へ周知をするなんということは、通達でしょう、それは。一般の国民の側から見ると、医者へかかっても、交通事故は健康保険では治療できませんよと言われるのが普通なんですよ。だれに周知をしておるのですか。どこに周知をしておるのですか。周知の結果というものをどういうふうに見ておられるのですか、厚生省は。
  89. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 厚生省が、直接一つ一つの医療機関なり保険者なり被保険者に言って歩くわけにはいきませんから、都道府県の衛生部を通して、医療機関なりあるいは医師会の会合なり、そういうところを通じて、こういうような自動車による事故というものは、保険事故の対象にならないように誤り伝えられておる向きもあるけれども、そうじゃないので、扱えることになっておるのですから、そういうところはよく考慮してくださいということを周知させているということでございます。
  90. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 厚生省としては、そういうことを周知徹底をしたいと思っていろいろ努力をしたけれども、まだいろいろの問題点が残っておるということは御存じですね。——では、そのいろいろな問題点が残っておる、つまりそのいろいろな問題点とは、自賠責の交通事故による障害は、健康保険ではやれませんよと言うような医者がまだあるという実態も御存じですね。そういう上に立って、健康保険でも治療できるんですよということを周知をしようとされた。ところがその実態は、いま現在そうではない。これからどうしようとなさるのですか。
  91. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 先生おっしゃるように、健康保険で取り扱えないんじゃないかというふうに思っている医療機関も中にはあるかもしれませんが、まず、そういう医療機関は少ないんじゃないか。しかしながら、医療機関がみずから健康保険による請求というものをするか、あるいはそれによらないで自賠責保険のほうに直接請求をするかということを選ぶ選び方ですね、これはその医療機関が、実態として健康保険によらないで請求をすることが多いんじゃないかというふうに思っております。
  92. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 どうも、おっしゃる意味がよくわからぬのですけれども、医療機関がかってに自分できめるんですか。自賠責にするんだとか健康保険にするんだとか、医療機関がきめるんですか、そういうことは。
  93. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 被保険者が健康保険でやってもらいたいと医療機関に申し出れば、医療機関は健康保険で請求をすることになるわけでございます。ところが、一方において医療機関が、自賠責保険のほうで請求事務を委任を受けて直接請求をするという方法もあるわけなのでございまして、そういうのはやはり——これは率直に言いますと、患者自身が損得という問題に直接関係が薄いので、医療機関側の選択にまかせられるような実態になっているんじゃないかというふうに私は思っているわけなのでございます。
  94. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 いろいろ問題があるわけですがね。つまりこの自賠責保険の一部改正にあたって、一番問題になったのが治療費だったのですよ。だから、患者が負担するとかせぬとか言っておられますけれども、その治療費が非常に膨大にのぼってきておる。それがいわゆるこの財政赤字の累積になってきておるんだ。そこで料率を改正する、そのかわり抜本的な制度の改正もしていくのだということであったわけですね、先国会では。その過程で、この治療費の適正化だとかあるいはいろいろの諸制度については、今後漸進的にやっていきましょうということになっておったはずなんですよ。したがって、治療費の中にもそういう矛盾があるとするならば、当然先国会の意思を受け継いで、それらの漸進的な改善改良がはかられていかなければならないはずなんです。それが、何かあたかもそんなことは全然関係のないような、患者の負担は若干多くなるかもしれませんが、医者がどうとかこうとか、そういうことではないはずでしょう。だから附帯決議の中にも、こういう適正化の問題がはっきりしなければ、もう二度と料率改正はさせないぞというほど強い意向というものがあらわれておったはずなんです。したがって、その後の経過は一体どうなっているんだろうかというふうに調べてまいりますと、全然手つかずだ。相も変わらず矛盾は残したまま、質問をすればあいまいな答弁しかできない。  こういうことでは、一体何のために国会があって審議をされ、いろいろ問題を指摘するんだ。一つ一つの矛盾点について、少なくともやり得る範囲内で——無理に、やれぬことをやれとは言いませんよ。現実にできているところもあるのですよ。そういうことを知りながら矛盾を残しておく。つまり悪の根源を残しておる。いやだと思えば、医者がかってに自分一人で健康保険で治療することを断われる。健康保険でも治療ができますよ、この程度でしょう。しかも、それはあまり大きな声で言わぬ。周知をすると言われますけれども、お役所だけに言っておられる。しかも、その言った結果まだそういうようないろいろな問題点が残っておるのだということを知りつつも、何もやろうとなさっていない。これはどういうことなんですか。今後どうされるおつもりですか。
  95. 柳瀬孝吉

    ○柳瀬説明員 私どものほうでやれる限界は、やはり直轄の国立病院について、そういう健康保険で取り扱いをさせるとか、あるいは公立病院について、そういうふうにしてもらうように指導するということ、あとは、健康保険でも取り扱えるんだということを一般の医療機関にも周知をさせるとかいうところが限界なんでございます。
  96. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 まあこれ以上追及をしておりましても、完全な結論を得ることはむずかしいと思いますので、時間もございませんから、それでは、現在の自賠責の財政状況等につきましては、あとでひとつ文書で御回答願いたいと思います。  それから、運輸省にお伺いをしたいと思いますが、自動車の型式認定、これがまあ欠陥車の問題につながっていろいろ問題になっておりまして、その後運輸省では審査部を設けられて、三鷹で整備施設を整えておられるようでございますが、これはいかなる方法で行なわれようとしておるのか、またどういう内容を含んでおるのか。この型式認定、特に新車の場合は、メーカーの秘密保持というような問題が派生をいたしてくると思いますけれども、そういう点についてはどのようなお考えを持っておられるのか。とかく従来型式認定というのは、非常に時間がかかり過ぎるという不評があるわけでございまして、書類を提出してから四カ月というような長期な期間が必要だというふうにいわれておったわけです。従来のような審査の方法でも四カ月もかかっておったのに、さらにこういう整備施設を整えられて、綿密に審査を続けられるということは非常にけっこうでございますが、さらに時間的な問題が派生をしてくるのではないか、こういうふうに考えますが、時間がございませんので、この点も文書によって御回答を願いたいと思います。  次に、先ほど排気ガスの点につきまして、いろいろ同僚委員からも御質問がございました。私は大気汚染を浄化するために排気ガスを規制するということについては、何ら異論を唱えるものではございませんし、一日も早くそういう方向に向かって努力をなさるということが必要だと思いますが、先ほどの論議のように、浄化装置をつけたほうがいいかつけないほうがいいかという論議になれば、これはつけるべきであり、つけたほうがいいにきまっているわけです。ところが、現在はその浄化装置が完全なものがない。これが問題なんですね。先日の公害連合審査の中でも、通産大臣は、たとえば日本の車は、アメリカに輸出する車にはアフターバーナーをつけておるけれども、国内で販売するのになぜつけないのだ、こういう質問に対して、いや、アメリカは炭化水素の規制がされておるのでやむなくつけておるが、日本はまだされておらないのだ、おっつけ日本もそういう規制がなされれば国内車もつけなければならぬであろう、こういうような答弁をされておると思いますが、私はきわめて誤解を生む答弁ではないであろうかと思う。現実にはまだ完全な浄化装置というのはできていない。ところが、エンジンにもいろいろな種類があって、アメリカにも規制があり、そういう若干の効力しかないものでもつけざるを得ないというエンジンもあるのだ。そのためにつけて輸出をしておる。一方レシプロエンジンで、そういうものをつけなくてもアメリカの基準に達するものもたくさんある。そういうものは何もつけなくて出しているのですよ、現実には。だから一様に考えることはむずかしい。何か完全なものがあって、あたかも怠慢によってそれをつけていないというような印象を与えてしまうわけですね。そうではなくて、一日も早くこの浄化装置の技術の研究開発というものが必要なわけですよ。  だから、各メーカーがそれぞれ命がけになってやっておられると思いますが、このような人の健康と命に関する問題は、もっともっと国家の立場でやらなければならないのではないか。国の立場で見れば、この浄化装置開発の問題も、投資的に見れば五重投資であり六重投資である。しかも頭脳は分散されておる。しかもその一番の目的とするところは、人の命と健康にかかわる問題だ。こういう問題は、私はもっと国家体制のもとで研究開発を急ぐべきではないかと思う。しかも、これはまたいろいろなパテントの問題もありますけれども、少なくとも人間の健康と命に関する問題は、パテントなどは許されるものではない。そのためには、本来やはり国の研究開発体制というものがもっともっと強化をされなければいけないと思うのです。先ほどの話の中にあったように、こんなちゃちな、申しわけ的な、町工場に毛のはえたようなものをつくってみて、あたかも公害対策本部が真剣に取り組んでおりますよ、これはもうナンセンスなんですよ、実際は。  そういう問題について、もう時間がございませんので、これは大臣の御見解をお聞きしたいと思ったのですが、一言だけひとつ、そういう国の研究開発体制というものについて、どういうお考えをお持ちかお聞かせ願いたい。
  97. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 先ほども答弁いたしましたように、技術開発等につきましては、これは原則としては通産省がやるべきことであります。したがって、先ほど答弁がありましたように、国も力をいたしてこれの技術開発をしたい。特にまたメーカーも、もちろんこれは自分の商売でもありますからして、当然やっておられるようでありますから、それら総合的な力をあわせて、やはり大気汚染に積極的に取り組むということが必要であろうと考えております。
  98. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 最後に、運輸省が最近総合交通体系ということばをしばしば口にされておるわけでございまして、それらの基金等も設けたいという構想をお持ちのようでございますが、この総合交通体系の内容については、私まだ一回も聞いたことがないのですよ。大臣が就任をされたときも、有機的な効率的な輸送体系の確立だ、こういうことが御就任のあいさつの中にあったと思いますが、私はそういう抽象的なことばではなくて、具体的にどういうことなんだ、どういうふうに有機的に結びつけようとされておるのか、どういうふうに効率的に運輸体系を確立されようとしておるのかという御質問も申し上げたことがあったのですが、まだ具体的なお考えを実は聞いていないわけです。最近になって、ことばとして総合交通体系ということばが出てまいりました。ところが、その内容については明確になっていないと思いますので、この総合交通体系の内容、さらに方針、こういうものを早急に明確にしていただきたい、こういうふうに思うわけですが、もし現在あるならば、これも時間がございませんので、ひとつ文書によって御回答を願いたい、こういうふうに思います。(「あるよ」と呼ぶ者あり)あっても、私は一回も聞いたことがない。
  99. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 おっしゃるように時間がないようでありますからして、詳しく申し上げることはできませんが、たとえば一つの例で申し上げますれば、道路には一つのキャパシティーがあります。したがって、現在の伸び率をもって道路を拡張するということはできない。そうすれば、大量輸送というのは何にたよるべきか、あるいは遠隔、離島の地は何によってこれを行なうべきかという意味での総合交通体系は必要であります。これはもちろんもっと具体的に検討してお答え申さなければなりませんが、例で申しますれば、そういう点を勘案して考えていくという方針であります。
  100. 渡辺武三

    渡辺(武)委員 終わります。
  101. 福井勇

    福井委員長 次に井野正揮君。
  102. 井野正揮

    井野委員 たいへん時間をはしょって御質問しますので、ひとつ要領よくお答えいただきたいと思います。  まず最初に、防衛庁おられますか。——先ほど横路君が羽田空港の問題についてお尋ねしたのでありますが、私は、この際率直に防衛庁にお聞きをしたいのは、成田飛行場ができた場合、成田飛行場の進入あるいは離脱、これと百里原の基地の運航上、空中接触の問題について、最近いろいろな危険な問題が起こっているようです。これは私どもの承知する限りではありませんが、すでにマスコミもこれを取り上げているわけでございます。したがって、言いかえると、成田空港ができ上がって、これがどんどん活用されるようになってきますと、百里原の基地は、防衛上の見地かあるいは訓練上の見地か存じませんが、双方競合して安全運航上もきわめて問題があるのではないか、こういう気がいたしますが、この点の御見解を伺いたいと思います。
  103. 大西誠一郎

    ○大西説明員 ただいま御質問がございました百里原の問題につきましては、成田空港の計画が始まりましたときから私どもも非常に心配いたしておりまして、運輸省の航空局と専門家同士で十分話をつけまして、うちのほうの百里原の部隊の運用と成田空港の民間航空の運用との競合を、いかにして調節するかということを検討しておりまして、特にそういう点について、非常に危険があるということにはなっておりません。
  104. 井野正揮

    井野委員 これは新聞で知ったのですが、過般の予算委員会で佐藤総理は、厚木の飛行場についても民間との共用を考えるというようなお答えがありました。私は、実際の防衛の問題というものは、国民の協力なしには防衛能力の遂行はできないと思うのです。また、今日までの世界の歴史が示しておるように、戦争の場合の基地の利用というものと、平素の訓練、哨戒というものとはおのずから違ってきます。戦争があってはなりませんけれども、戦争が行なわれた場合の実例を考えてみますと、私は、別な計画を持っておるのが軍部だ、こう思うわけです。そういう点で、いまの厚木飛行場の問題等、とかく自衛隊は、かつての陸海空軍の飛行基地がすべて自衛隊に優先権があるような感じを国民に与えておるわけです。もう一つは、隠れみの的に思われることは、この返還にあたっては、何か自衛隊の戦力増強にならなければアメリカは返してよこさないというような印象を与えております。  こういう風潮が、国会の質疑応答の中にも感じられるのですが、これは私どもの誤解なのか、そういうものを内包しているのか、この点をお答えいただきたいと思います。
  105. 平井啓一

    ○平井説明員 最近、在日米軍の施設、区域は、一般的傾向としましては、整理縮小の傾向にあることは御承知のとおりでございますが、これら米国防費の削減とかあるいは極東情勢の変化等に即しまして、こういった在日米軍の施設、区域というものが整理縮小される場合に、こういう流動的な変化の状況というものをわれわれといたしましても的確に把握いたしまして、もちろん日米安全保障条約の履行上必要な施設、区域というものはわれわれは確保していかなければならぬと思いますが、米軍にとってそれが必要でなくなるというような施設につきましては、それの返還だとか、あるいは移転、集約等によってまた一つの施設、区域を返還させていくというようなことで対処しているわけですが、その場合には、自衛隊としてこれを、いわゆる防衛施設として必要とする条件のもの、あるいはその在日米軍の施設、区域であったものの周辺の都市開発事情とか、あるいは民間利用とか、そういったものも十分考慮した上で、その間の調整を十分はかりながら対処しているつもりでございます。
  106. 井野正揮

    井野委員 簡単にお尋ねしますから、簡単に答えてください。  そうすると、米軍の極東戦略の肩がわり的内容をもって、これを肩がわりするときに優先的に返還されるという感じは、誤解と考えてよろしいですか。(「答えられる限りじゃない」と呼ぶ者あり)
  107. 大西誠一郎

    ○大西説明員 極東戦略における米軍の配置を、すべて自衛隊が肩がわりをするということではございません。
  108. 井野正揮

    井野委員 まあ、答えられる限りでないと自民党の理事も言いますから、無理なことだと思います。  そこで大臣にはね返ってくるわけなんです。私は、去年の十二月に当選して以来一年間、大臣の答弁をきれいに記録しております。その中では敬意を表しておるのですが、これから先も敬意を表するかどうか、これは判断がつかない。というのは、大臣は、これは笑いごとではなしに、この今日の非常に変化をする航空事情の中で、東京あるいは大阪を含めて、周辺に大きな飛行場が四つぐらい必要だと思う、しかしそれらの飛行場はなかなか獲得しにくい、しかし何といっても、困難だけれども私はそれをやりたいとここで答弁されているのですよ。私はこれに非常に敬意を表している。そういう機会はそうめったにあるものじゃないです。成田の空港ができ、羽田の空港と二つの空港があって、これを国際空港に使い、そして、いま御答弁はそういうことになっておりますけれども、自衛隊自身が、百里原の基地と成田空港との運用上、双方に制約をされて、空中の接触を非常に心配をしている。それはもう外へ漏れ出ているのです、搭乗員が言っているのですから。そういう中で、特に成田の運航能力を十分に使おうとすれば、百里原の上も通らなければならないという状態も出てくるわけです。作戦の緊急性等の問題もあるわけですが、私は、大臣が本気になって日本の将来の航空事情というものを考えて、空港配置を考えられる場合、ニューヨークあるいはモスクワの飛行場配置、これは理想だと思いますか。それとも、こういうものが東京周辺、平和国家の首都の乗り入れの空港としての計画として、たとえば東京湾上に南北に線を引いて、北のほうは羽田国際空港に使い、民間空港は厚木にすれば、厚木は超大型の飛行場ではございませんから、騒音その他の問題等も解消できます。成田の一番大きな反対は、あれは軍用に使われるのじゃないかという疑いですね。そうでないと大臣がおっしゃるならば、百里原の基地をも民間に使わせるようにして理想形態をとったときに、この誤解は一掃するのですよ。大臣、そういうことを考えたことはありませんか。
  109. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 百里の基地を、民間飛行場として使うことは考えたことございません。厚木の問題は、目下、米軍から返還されるということで、運輸省としては、これは民間飛行場に使いたいということで折衝を重ねております。  ただ、御承知のように上空において航空機等が衝突する場合がありますからして——厚木の場合には、羽田に非常に近いかという点では、必ずしも近いということではないと思いますが、しかしながら、これはもちろん使わせてもらわないと、地方関係、ローカル線が現在増便が困難でありますから、これを処理するためにも使わなければならぬということで、積極的に交渉をいたしておる次第であります。
  110. 井野正揮

    井野委員 戦争中、東京周辺につくられた飛行場の数は、もう十近くあるのですね。しかも、この当時はプロペラ機なんです。そして民間空港はなかったわけです。あってもそれは練習飛行場ぐらいのものです。しかし、戦後の情勢は全く異なって、運輸の大きなウエートが航空にかかってきておる、これは私が言ったのじゃなくて、大臣が言われたことですよ。そうしてあなたは、この事情を踏まえて五年先、十年先、二十年先をも設定して考えていかなければならないと説明されたわけです。その意図やまさに壮とし、りっぱなものだと私は思うのです。いまやこの基地が返還されるときに、飛行場を新たに設定するということがたいへんなことだということは、経験でおわかりになっておるのですから、理想的な飛行場配置、運航計画というものを立てるのは、この機会にしかないじゃないですか。しかも、十二月で危うく首が飛ぶと思ったのが、幸いに二年延長された。私が歓迎したのは、大臣のこの前のいろいろなお考えを聞いておるからなんですよ。私は、いまこそ国民世論を高めて、平和国家の平和首都、佐藤さんが国連に行って平和に徹すると言ったのですから、平和に徹するというのなら、防衛を中心の首都じゃなくて、国際的な環境を持った民間空港をみごとに調整できる飛行場配置を、いま考えなかったら考える時期がないのじゃないですか。  そういう意味で、百里原のものは譲ってもらって、成田と百里原をセットにして、これを東、北、それから羽田と厚木で西、南、こういう形をとるなら、進入路も全部こういうようにきれいにできると私は思うのです。これが、百里原が基地になって常時戦闘訓練、哨戒等をやると、当然成田は制約を受けるわけです。無理な運航になっていく。それのみならず、場合によっては不定期便等、国際空港の関係なんか考えてみますと、上空で緊急接触して悲惨な事故を起こす危険がある。これは自衛隊のほうのパイロットが非常に心配している。  こういう状態からいけば、さて戦争になったらどうなるだろうかということになると、戒厳令がしかれて使われてくるというのが世界の例ですよ。したがって平素の訓練の問題——私どもはそういう方針には反対ですよ。反対ですが、理想的な空港配置なり運営の問題を考えていくならば、あなたが決心しなかったならばこの提案をする者はない。この点どうですか、厚木の飛行場を民間と軍と共用するということで及び腰でいるようなことでは、こういう理想的な形態はできやしない。まずモスクワ、ニューヨークを考えてみて、東京にもそういう方式をとらないか、こういうことなんです。
  111. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 私は、飛行場の配置がどういうのが適正かということについてはわかりませんが、私個人の考え方から言うならば、そういう適正配置という上から言えば、必ずしも厚木が適正配置とは思えません。というのは、あまりに羽田飛行場に近過ぎるということであります。だから厚木飛行場が適正配置で、厚木飛行場が民間飛行場として使えれば、それでいいかというと、厚木の飛行場だけでは、もちろん将来を考えればこれは間に合わない。将来返還される場合には、他の飛行場もいわゆる民間飛行場として使いたい、こう考えておるわけであります。  しかし、いま申しましたように、日本の国防といいますか、自衛関係から考えて、やはりこれは自衛も国民のためですから、他人のために自衛しているのじゃなくして、日本の一億一千万の国民をいかに自衛するかということは、これは政治家として考えなければならぬ。その前提をも一応考える。同時にまた、国民の交通機関としてのいわゆる航空というものを考えるという、その接点がどこにあるかという点を考えて、これは処理すべきものと考えております。しかし、いまの緊急な状態としては、民間飛行場は非常に宙ぶらな状態なので、厚木はできるだけ民間飛行場として使いたいという計画で、防衛庁に対して交渉を進めておるわけであります。
  112. 井野正揮

    井野委員 知らぬ人と議論することぐらいむずかしいことはないと思いますが、双方が制約をされて、自衛隊は演習、哨戒その他の目的を達成するに非常に支障がある、羽田飛行場のほうはまた運航上支障がある、そういうものを共存さしておくような考え方は改めるべきなんであります。私は、防衛に対する考え方、国際情勢に対する考え方は、橋本さんと意見が違うことは明白なんですから、そんなものをいまここで統一しようと思いませんけれども、双方の機能を阻害するような飛行場配置は正しくない。したがって、一応この際、成田空港をつくったんだから、成田空港の使用を阻害するような自衛隊の配置は、これは別の方法を考えるべきだろう、そういうことを言っておる。それから厚木の場合も、これからまた東のほうに飛ばせるということになりますと航路上非常に問題がありますから、おそらく西、しかも神奈川県のほうになりますと、騒音その他のことを考えて、新たな飛行場を設置するならば、民間空港としてはこれは了承してもいいという県民の空気もあるということを私は聞いております。そういう意味から、あまり大型化しない、騒音の強いものでないならば、厚木をこれは国民も納得をする。こういう形の中で、理想的な配置にしたらどうですかと言っておるのですが、御検討なさる御意思はありませんか。
  113. 福井勇

    福井委員長 井野君、大臣に了承を受けたのは、十二時半という大臣の予定で了承を受けておりますので、その含みで願います。
  114. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 いまお話がありましたが、民間飛行場も、これからはほとんどプロペラ飛行機はだんだんなくなると思います。ジェットエンジンにならざるを得ません。そういう意味で、ジェットエンジンの飛行場として将来考えていかなければならぬことは御承知のとおりであります。ただ、自衛隊の飛行場と民間の飛行場とが競合するという点は、いろいろの点においてもちろんこれは考えていかなくちゃなりませんが、ただ、御承知のように、民間飛行場はほとんど定時で何時何分に飛行機が飛ぶ。これは動かせない。したがって、自衛隊のほうは遠慮してもらわなければならぬ。文民優先ということで、ひとつこれは自衛隊のほうも考慮してもらわなければなりませんが、これは民間飛行場でありますと時間的に必ず食い違う。その間において多少のむだが出てくるという意味においては、これはもちろん危険がないとは言いません。どこの場合だってないとは言えませんけれども、しかしながら、そういう点においての調整は、全く心配はないと私は考えております。
  115. 井野正揮

    井野委員 たいへんもの足りないですが、時間がないというので、次に国鉄再建の問題について聞きたいと思います。大臣が逃げてしまったんでは、どうも見解の相違を詰めることができませんので非常に遺憾に思いますけれども、これは特に与党の皆さんによく聞いておいていただきたいと思いますので、加藤さんも時間ばかり制限せぬでひとつ、国政審議ですから、お互いに御協力を願いたいと思うわけでございます。  まず総裁、私が前に指摘しましたあなたの答弁読みましたか。——お読みになったらばいいと思いますが、最近、政府の財政制度審議会ですか、ここからの答申に基づいて、橋本大臣もここの席で御答弁になった、地方鉄道公社とでも言いましょうかというふうにお答えになったのですが、これの構想がたいへん前進をしてきている。しかし、自民党の交通部会がこれを了承せぬというような記事が報道されております。われわれその範囲しか知ることができないわけです。  しかしながら、私どもそれが一つの案だとするならということで、考えさせていただくということで勉強してみました。また、ことし国政調査をやった九州、特に指宿では、枕崎市長さんをはじめ一市五町の市長さん、町長さん、議長さんがおいでになりまして、枕崎線についていろいろ伺いました。その後私も鹿児島県庁を通じて、この五つの町と市の財政を調べてみました。また産業を調べてみました。人口を調べてみました。三十八年に開設したこの鉄道は、当然のもくろみどおりしか人が乗っておりませんから、当然赤字になります。特に枕崎と山川の間でしたか、ここに資料がございますが、予定どおりの収益があがってこない、こういう例があります。これが地方公社なりにするとどういうことになるのですか。鹿児島県あるいはこの限られた地域の市町村、これを国鉄と国とがそれぞれに費用を出し合って運行する、こういうことになるのですか。端的に、簡単にお答えいただきたい。
  116. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいまの御質問の財政制度審議会のほうは、政府の問題でございますから、政府のほうから答弁していただくことにしまして、私のほうがかねがねいろいろと考えておりますことは、地方鉄道公社という名前は私のほうは使ったことはないのでございますが、いわゆる地方との共同経営ということばを使っております。これはいろいろ法律上の問題がございますので、政府の御了承を得ての答弁でないということだけを、あらかじめお断わりいたしておきます。  実は、一昨年以来赤字ローカル線の問題がいろいろ問題になりましたときに、各地方から、いまの先生のお話のような反対が相当出てまいりました。その反対の陳情書を見ますと、この地域は将来観光開発、あるいは産業開発、あるいは住宅開発というふうな将来性のある地域であるということが、どの陳情書にも大体入っております。私どもも一応そういう点については、いろいろ調査いたしました結果、実際そういう実現の可能性のあるもの、あるいは沿線等におきまして県の土地とか市町村の土地がわりにあるもの等につきましては、なるほど観光開発なりそういったほかの開発上の目的から、総合経営をすればやっていけるということが考え得るのじゃないかということを考えたわけであります。  したがって、廃止一本やりでなしに——いまの指宿枕崎線を、国鉄がただ地方に払い下げたのでは、これはいま先生のおっしゃったように、財政上とても苦しいところですからやっていけませんが、私のほうが、その鉄道施設を現物出資するということが考えられないか。現在国鉄法におきまして、すでに物件では現物出資できることになっております。営業線は現物出資できるかどうか、法律上若干疑問がございますが、すでに施設につきましては、現物出資の規定がございますので、私のほうはその鉄道を地方に現物出資する、地方では運転資金その他を出していただいて共同経営する、それには、地方が地方自身おっしゃっていたような観光開発なり産業開発を総合的にやるということにすれば、この大世帯の国鉄ではなかなか知恵が回りかねますけれども、地方では、きめこまかく経営をやればやっていけるのではないかということを考えて、私のほうは地方との共同経営、いわゆる総合共同経営ということを考えていったわけでございますが、現在財政審などでいわれている地方鉄道公社は、私のほうの意見とは少し違っているかもしれません。私のほうは地方との共同経営ということで、産業、住宅、観光というところの有望なところについて、ひとつ共同経営しようじゃないかということを考えているわけでございます。
  117. 井野正揮

    井野委員 杭崎線についてはわかりました。  その次に、東京周辺で南武線というのがありますね。これはテレビに報道されまして、私もそんなものがあるのかと思って資料をいただきました。総裁も、きょう私が聞くということで資料をお持ちだと思いますから、時間がないからそれには触れませんが、ここは予定よりもずっと運営成績は、お客さんの数はあがっている。ところが、収支のほうは赤字のほうがふえていっている。運び過ぎて赤字になる、こういう場合はどういうふうにお考えになるのですか。
  118. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 南武線につきましては、御承知かと存じますが、最近複線化いたしました。そのために非常にばく大な資本投下をいたしております。したがって人件費の関係、従業員の人件費のアップと、それからいまの複線化、もちろん電化でございますが、複線化に伴う資本費のいわゆる償却費、利子、それの圧迫によって赤字がふえているわけであります。当然この付近の現在やっております通勤線は、資本費が大きゅうございますので全部赤字になります。したがって、お客さんがふえましても赤字が逆にふえるということは、お客さんは大体定期客がおもでございます。そういう理由でもって、大体十年から十五年たたないとなかなか財政状態がよくならないというのが、この付近の通勤線の現状でございます。
  119. 井野正揮

    井野委員 そうしますと、この付近はお客の数は予定数よりもふえている、しかもその赤字原因は定期通勤客である、施設改善をしてさらに大量のものを輸送する機能を果たしていきたい、こういうことでたいへんサービスがいいわけですね。官庁だとか大きな会社だとか、高給所得の人たちも含めて運んでおるわけですが、こういう点についてはしんぼうして社会公共性を考えていく、こういうことにこれは理解ができるのです。  その次にお尋ねをしたいのですが、今度も私の選挙区でありませんから誤解をしないように聞いていただきたい。北海道の旭川の管内で当麻、美瑛町、国鉄バスの場所でございます。ここはくしくも、当麻はかつての陸軍演習場、美瑛も、千代田地帯は美瑛演習場、そしていずれも百十数戸の復員者、引き揚げ者等を入植させた場所、この町に対して国鉄バスはあるわけです。私もこの美瑛町で育ったわけですから、したがって、国鉄の戦後果たしてくれた僻地に対するこういうあたたかい運行については、なるほど国鉄ならばこそと思っておったわけです。過般もここで例にとった。  ところが、この線が経営不採算だからというので、国鉄はこれを廃止することを町村に申し入れた。特に沼崎線それから瑠辺蘂線、昭和四十七年以降は千代田線、これらを廃止したいというお考えを当該町村に対して申し入れておられるそうで、実はこの間も事情聴取に町へかけたところが、議会をやっておりました。何をやっているのだと言ったら、この線を廃止することで朝から首をひねっているけれども、いい案がないのだ、こういうことで美瑛から電話をもらいました。これは一体どういうことなんですか。総裁の言われるようにかわるべき機関はないのですよ。これを取ってしまうと、全然乗るものがない。マイカーがふえたというけれども、それは二百万、三百万の所得のある農家の話で、この付近瑠辺蘂の場合は、終着のところで七十戸の村です。沿線七十戸、十六・五キロ。沼崎線については、でん粉地帯で一経営百ヘクタールですから、一戸の間は三キロくらい離れている。百ヘクタール一戸ずつで持ったらそうなるでしょう。したがって一日に一回しか運行していない。十三人しか乗らぬ。これは廃止する。これが何ほどのことになる。しかしこれを取られてしまうと、嫁をもらうときに、まず事情としては、バスがあると嫁が来る、バスがなくなると嫁が来ない。これは昭和二十四年につくった単線です。日本の経済が最も貧困で、占領下で百日という食糧の欠配のあったころ、食糧事情緩和のためなら何でもサービスしようということでつけて、いまや食糧が余ったから、今度はおまえらどこへでも出ていけということでバスを取ろうというのです。こういうことは小さいと言いたくなる。この辺の見解はどうですか。
  120. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 先ほどの通勤問題と関連して、今度は僻地の赤字問題の御質問だと思います。  これはたいへんむずかしい問題で、結局問題は、先ほどどなたかの先生の御質問が大臣にございましたが、いわゆる総合交通体系の中で、国鉄の占める分野は何かということが一番問題だと思います。国鉄が何でもかんでもやるということでしたら、これはもう一切やめない、そのかわり赤字は全部国で負担するということになると思いますが、そうでなしに、国鉄の分野というものがおのずからきまってくるとすれば、たとえばいま御指摘の南武線のようなものは、これは国でやらざるを得ない、これはもうやっていく、しかし、いずれ利子をもっとまけてくれるなりなんなりしなければやっていけなくなると思います。  それから一方、僻地のバスにつきましては、一体これは国鉄バスでやるのがいいのかどうかという問題も議論してみなければいかぬ。これは国鉄全体に余裕のある、特に鉄道部門でうんと黒字が出ていた時分は、たとえばバスが十億、二十億赤字を出してもかまわない。しかし、国鉄は御承知のような状況、しかもバスは六十億も赤字を出しており、しかもバス運営として何としても赤字を減らさなければならぬ、これは当然のことでございます。したがって、一日十人の子供たちを送るのに、国鉄がそれをやるかやらないかというのは、一つの政策問題だと思います。もしやらなければいけないとなれば、これはその赤字については、ちょうど僻地のバスに対する国庫補助と同じような措置がとられてしかるべきだというふうに考えますので、いまの問題を私、具立的にあまり詳しく存じませんが、とりあえずことしの冬は何かそのまま存続して、もう少しそういう問題について議論しようということになっているようでございますが、僻地のバスについて、もう国鉄は考え方を転換していかなければいけない、私はそう思います。
  121. 井野正揮

    井野委員 そこで、今度は大蔵省にお尋ねをしたいわけなんですが、けさ「町村週報」というのが参りまして、ここに岐阜県の「赤字で走る村営バス」という記事が載っておるわけです。これを見ますと、輸送機関がなくて、民間バスがやめたからスクールバスにする、そして山村僻地対策でもって起債が認められる、自分のところも費用を出してやるということで実はやったけれども、結局そのほかに持ち出しが年間二百万かかる。おまけにバスの修理工場があるわけでもなし、バスの運転職員といっても特殊職員で、村には適当な管理する能力の者もいない、こういうことなんですね。  しかし、よく考えてみると、起債にしてみても補助金にしてみても、国庫から出ていることには変わりない。そうですね。地方自治体に補助してやらせようと国鉄に補助しようと、国庫から出ることには変わりはない。しかし国鉄総裁雲助の時代から今日まで時代の変遷を経て、運輸をやることについては最高の能力を持っておる行政庁だということは間違いない。市町村になると、自動車のことについては、メーカーのことすら村長さんはわからない、助役さんも知らない、係長も自動車のことは何もわからない、運転手まかせだ。しかも事故を起こすとたいへんなことになる。修理費はかさむ。それらを今度は僻村の財政問題としてめんどうを見るというのだったら、なぜ専門の国鉄に援助をするような方向をとらないのか。先ほど総裁は可能性のある場所、有望なところについては、国鉄は知恵が足りぬから、地方自治体やあるいは観光団体等の協力を得て、三者合弁でやって、相互の共同経営ならうまくいくんではないかという、えらい情けないことを言われたけれども、私は、やはりもちはもち屋ということばがありますが、国鉄がその使命を放棄するような姿勢であるからこそ混乱するんだと思うのです。  そこで、大蔵省の考えを聞きたいのですが、国鉄はそういうふうに能力がなくて、地方公共団体にまかせれば非常に能率的にいくという根拠をお持ちだったら、ひとつお示し願いたいと思います。
  122. 金子太郎

    ○金子説明員 地方鉄道公社の考え方は、財政制度審議会でいろいろ国鉄財政の問題について御検討をいただいております過程で、単に赤字線を撤去せよということだけではなかなか問題が解決しないから、それと同時に、同時並行的に何か地元も納得するような案はないか、こういうお話がございまして、そういう観点から考え出された一つの考え方でございます。  それを今後どういうふうに具体化するかという点につきましては、専門的な立場にあらせられる関係御当局と至急相談をしていきたいというふうに考えておりますが、一応財政制度審議会で地方鉄道公社をつくって運営したらどうかという考え方が出てまいりましたのは、何といっても現在の国鉄というものが全国的な同一運賃でやっていく。そして駅を無人化しようにもなかなか無人化することもできないし、無人化したあとはまた利用者からいろいろ苦情もあるという状況もございますので、そういう場合には、たとえば市町村なり市町村の連合体、組合みたいなものが御自分で経営されることによりまして、たとえば駅でいえば農協の関係の職員が、いま弘済会がやっているような売店なども兼ねて駅を切り回せば、人件費も安くて済むでしょうし収入もよけいあがるであろう、そういうようなことが発想の端緒になっておるわけでございます。
  123. 福井勇

    福井委員長 だいぶ時間が経過しておりますから、詰めてください。
  124. 井野正揮

    井野委員 予算編成期でもありますし、国民は非常に心配をしておるわけなんですから、確たる根拠もなく、具体的な計画もなく放送し——まあ主計官のお話は大体見当はつきましたけれども、こういうやり方をしていったら、地方公共団体は、学校の維持がたいへん、道路の維持がたいへん、国鉄の維持もたいへん。結局は、民主的な協力をすればやれるという形で国鉄から切り離しておいて、今度は運営ができなくなって、どんどん出していかざるを得なくなる、こういう結果になって、過疎化促進の対策みたいなものだ。これはきわめて危険だと思います。また、格別の知恵が浮かび出るものでもないと思います。実際問題としてこういうような地帯では、まあ今度はお米のほうも、地域別の図面をつくってつくらさぬようにする、それから共同化でいいものがあればやればいい、これでよくなるはずがない。よくならないから鉄道をつけて開発しようとしたのですから、そこから鉄道を取ってよくなる理由はないのです。歴史的にそうなっておる。  それで、そういうような問題がかちっとせぬうちにはっきりしているものがある。それは公共負担なんですよ。公共負担で、法律以上にまけているものだけでも五百二十六億。「数字で見た国鉄」というものを磯崎さんがちゃんと出している。しかも、都市の周辺ならば十年先を期待して、これから金をつぎ込んでめんどう見よう、僻地ならば、そっちのほうでやるようにする場合だけ協力してやる。ことばの上はいいけれども、結局結果的には取ってしまう、こういうことになる。こういうようなやり方は、まさに内政の年だとかあるいは福祉なくして成長はないなんということを言うておる反対なんだ。しかも、それらの僻地の資源によって都市は開発され栄えてきたんじゃないですか。運賃の一律なことはあたりまえの話ですよ、不自由しながらそういうところから資源開発してきたのだから。私は、おそらく自民党の皆さんといえどもこの案には賛成しないと思う。そういうような国民を不安におとしいれるような放送はやめてもらわなければ困る。  私は、運輸委員会はこういうようなことは今晩じゅうでも議論しなければならぬと思うのですけれども、何でやめなければならぬのかわからない。ところがわれわれの手の届かぬところで、いろいろな憶測の生まれるような放送がなされる。国鉄の職員は不安になっている。現地の住民は不安におののいている。大蔵省は人間でないのばっかりいるのじゃないだろうかと思っている。それが国政不信になってくるのです。これではいかぬと思うのですね。ひとつ明年度の予算編成を期して、例をあげました当麻、美瑛町等に、そういう僻地の人たちがたった一日に一回しかない運行バスを取られるというようなことについては、守りますと、総裁、答弁できないですか。
  125. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私は、その点少し井野先生と違う意見を持っております。これは私なりの意見でございますから、議論する気は毛頭ございませんが、さっきおっしゃったいわゆる過疎化の問題でございますが、私、非常にことばのあやでもって私なりに、いわゆる交通ばかりやっていた者から見ますと、交通と過疎化問題というのは、過疎地域と過密地域の交通を便利にする、それが私は一番大事なことだと思う。過疎地域の中における交通、これはおのずからその過疎地域に適した交通機関がやるべきだ、私はそう思うのです。ということは、たとえば指宿枕崎線でも、何もあそこから東京まで汽車が直通しているわけでもなければ、貨物列車が直通しているわけでもございません。みな鹿児島で乗りかえております。だから鹿児島まではうんと便利にする。しかし、鹿児島から先の地域内の問題は、これはおのずから地域交通、五十キロから百キロくらいの交通に適当な交通機関が一番いい。それが過疎化の一番大きな対策だ、そういうふうに考えます。その点、少し先生と意見が違うのは残念だと思いますが、しかし、私はそう思っております。
  126. 井野正揮

    井野委員 私は、最も不適当な国鉄総裁だと思います。そういうような総裁がいるから、国鉄はこんな状態になる。まあこれは時間がないからやめろということだからやめますけれども、きょうは一大発見だと思います。(「発見じゃないよ」と呼ぶ者あり)いや、発見だ。もう少し国鉄総裁というものは、国民の足を考え、福祉を考えて、国鉄法の示すところに沿ってやるという態度だと思っていた。いまのお話なら、もうかるところだけしかやらない、僻地の問題は別に政府が考えればいいんだ、こういう姿勢です。そういうことで国鉄公社になったのではないと私は思います。これはあらためてまた次の委員会でやることにしますが、そういう考え方で予算折衝をされるとすると、おそらくあなたは、自民党の皆さんの協力も得られませんよ。もう答弁は要りません。
  127. 福井勇

    福井委員長 次に寺前巖君。
  128. 寺前巖

    寺前委員 簡単に、具体的にお答えをいただいたら私はありがたいと思います。  去る十一月の二十日に閣議で、行政機構の簡素、合理化の推進についてという措置を決定しているようです。それを見ますと、地方支分部局、ブロック機関のもとにさらに府県単位機関の設定されているものについては、原則として五年間に府県単位機関を廃止するということが載っております。  私は、この問題について行政機構全体について、ここで触れようとは思いませんが、ただ、今日気象庁の果たしている役割りが、各種の産業はもちろんのこと、交通上も、災害上も、あるいは公害の面においても、きわめて大きな役割りを過去に果たしてきたし、今後も果たしてもらわなければならない。そういう立場から、気象庁がこの合理化推進を受けて立つということになったらどうなるだろうかということで、都道府県の知事はもちろんのこと、市町村長や地域住民にとっては、この行政機構の簡素化についてはいろいろたいへんなことになるという意見を持っているようであります。また、国会においても災害のたびに、気象の予算が少ないとか、あるいは観測体制が弱いから集中豪雨にあらかじめ予報を出して警告を出す時期がおくれてしまうというような問題で、毎回の災害後国会の決議がなされている。こういう実情から考えても、気象庁の果たす役割りをもっと充実強化さしていただきたいというのが、国民の願いであろうかと私は考えます。  そういう立場に立って、率直に以下四つの点についてお聞きしたいというふうに思います。  第一番目は、地方気象台を廃止する予定を行政管理庁のほうは持っているのか。それから気象庁のほうは、この問題について、絶対にそういう道をたどらない、地方気象台をもっと強化しなければならないという立場をとられるのかどうか、ということをお聞きしたいと思います。  第二番目に、私は地方住民の立場に立つならば、兵庫県の香住や徳島県の日和佐など、現に予報活動を住民のサービスの立場に立ってやっている通報所が幾つかあります。これらの通報所を、測候所としての機能に名実ともにするようにする用意があるかどうかということを聞きたいと思います。  第三番目に、農業気象の業務についてであります。現在、一道十六県において行なわれておりまするが、これを全国的に広げるという計画があるのかどうか。もしもあるとするならば、来年度どの程度やるのか、いつまでにやるというのか。そして、これに伴って職員の増強は考えているか。特に私は、この農業気象業務が、単に農業上の問題だけではなくして、観測点がふえるという意味においては、これは災害の面からも重要な役割りを果たすという立場から、この問題について特にお聞きしたいと思います。  第四番に、災害のたびに国会で、幾つかの気象予算の強化と観測機構の強化が決議されております。これについて率直に、具体的に、来年度の予算の中において特徴点として、こういうことをやるんだという立場を明らかにしていただきたい。  以上の四点であります。
  129. 石原壽夫

    ○石原説明員 十一月二十日の閣議決定に関連する問題についてお答えをいたします。  十一月二十日の閣議決定は、先生御指摘のとおり、地方支分部局の整理をきめておるわけでございますが、気象庁はもっぱら施設の運用、管理を主体としまして、公共的なサービスをやっておられる機関であるという認識に立ちまして、折衝の対象にはいたしておりません。
  130. 吉武素二

    ○吉武政府委員 お答えします。  最初の地方気象台については、私たち気象庁にいる者としては、これは第一線の仕事を行なっている重要な機関と考えております。したがって、それを廃止するという考えは毛頭持っておりません。  それから、二番目の通報所のことでございますが、全国的に見ますと、確かにそういうもうちょっと強化してほしいという要望があちらこちらにございます。しかし、いろいろな気象庁全体のことを考えまして、いま通報所を測候所にするということは、現在は考えておりません。香住、日和佐などの先生の御指摘のあった通報所については、ここ当分は現体制のままで、さらに一段とその気象活動が行なえるよう、通信網の整備というようなことを通じて地域にサービスしていきたいというように考えております。  それから、三番目の農業気象業務ですが、これは一道十六県で一応終わりまして、来年度あたりから、単に農業ということだけでなしに、地域の気象をとらえるという立場から整備していきたいというふうに考えております。もちろん、その中には、農業ということも十分念頭に入れてやっていくつもりです。これは、やはりかなり年数はかかるのではないかというふうに考えております。  それから、職員の配置については、われわれは、やはり観測施設というものをできるだけ機械化して能率化をはかっていくということで、サービス面を強化していきたいというふうに考えております。  最後に、災害の問題ですが、最近一番問題になりますのは、何といっても集中豪雨とか台風であろうと思いますが、それについては、来年度は、レーダーで得られた映像をその付近の官署に伝送するというようなこと、それからレーダーの観測を強化していくということ、それから地方気象台予報官を強化するということ、あるいはまた雨量ロボットの再配置を考える、そういうようなことで予算を要求しております。また将来のことも考えまして、何といっても日本は小さな島国で、周囲は海であるというようなことを考えますと、やはり海の上のデータが絶対にほしいというようなことから、気象衛星というものをぜひわれわれは持って、日本周辺の気象状況を何とかつかみたいということで、そういう予算を要求しております。
  131. 寺前巖

    寺前委員 私は、特に第三番目の農業問題をあえて提起したというのは、理由があるわけです。たとえば鹿児島の場合に、農業観測の状況を見ると四十九カ所に配置されております。毎朝九時になったらそこへ通報が出てきて、それが果たしている役割りというのは、農業面における役割りと同時に、集中豪雨の場合にも、観測機構としてこれの果たす役割りは非常に大きいという問題があるからです。ことしの九月に集中豪雨の発生したあの千葉県の例を見たときに、あそこにはそういう細部の通報配置がない。そのために、警報を出す時期を失するという問題が、当時の政府機構の中でも問題になったと思うのです。そういう点から考えた場合には、こういう現に行なわれておる農業気象の果たしておる役割りというのが、農業面においての重要な役割りを果たすと同時に、予報の立場に立っても、警報を出す面から考えても、もっと積極的に進めるという点で、私はこの問題をもっと高く評価して検討し直していただきたいというのが一つです。  それからもう一つは、先ほどからレーダーの問題とかあるいはロボットの強化の問題が出されました。それもいいと思うのです。もっと海上面におけるところの活動も強化していただきたいと思います。しかし、何といっても集中豪雨、災害の問題をいうならば、細部にわたっての観測装置を配置していくという問題と、そうして気象庁で働くところの職員の人が、現場に入っていって住民とほんとうに接触していく、そういう立場の活動をやっていただきたいというのが、七月の当時に一斉に報道機関が主張などに載せている点でもあります。そういう点から考えると、職員の配置をもっと強化する必要があるのではないか。先ほど言いました、たとえば鹿児島の場合に、定員削減の問題があそこに一人出てきております。どこで定員削減するかというと、たった一人農業気象業務を担当している人を定員を削減して、ほかの者が兼務で仕事をやっていくような配置になっていく。こういうことから考えると、機械化によってカバーしていくのだというお話であったけれども、実際上は農業気象業務を担当しているこの分野の活動を尊重し、もっと強化していくという立場とは逆行しているのではないか。  そういう点では、この職員の問題についても再検討していただくことを要望して、発言を終わりたいと思います。      ————◇—————
  132. 福井勇

    福井委員長 次に、請願の審査に入ります。  本委員会に付託されました請願は、全部で百四十三件でございます。  本日の請願日程第一から第一四三の請願を一括して議題といたします。  まず、請願の審査の方法についておはかりいたします。  請願の内容については、文書表で御承知のことでもありますし、また、先ほどの理事会におきましても御検討願いましたので、この際各請願について、紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  これより採決いたします。  本日の理事会において協議いたしましたとおり、本日の請願日程中、第一ないし第一〇六、第一一五ないし第一三二、第一三四ないし第一三八、第一四一及び第一四二の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  残余の各請願は、採否の決定を保留いたしますので、御了承願います。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  136. 福井勇

    福井委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり、過疎地域の赤字バス路線に対する財政援助に関する陳情書外二件、外四十二件であります。  この際、御報告いたしておきます。      ————◇—————
  137. 福井勇

    福井委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  すなわち、  陸運に関する件  海運に関する件  航空に関する件  日本国有鉄道経営に関する件  港湾に関する件  海上保安に関する件  観光に関する件  気象に関する件 以上各件について、閉会中もなお調査を行なうことができますよう、議長に対し申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣承認申請についておはかりいたします。  ただいま議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その調査等のため委員を派遣する必要が生じた場合には、その調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並びにその承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時十五分散会