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横川正市君 この成り立ちから言うと、人間の英知でもって
考えついて、まあこれがよかろうと、こういうことで現行制度というのが存在しているということはうなずけるわけですけれ
ども、ただ
委員部それから法制局と違って
調査室の持っている仕事というのは非常に複雑多岐になってきているんだろうと思うんですね。ですから機構上からいっても、いまのままでいいだろうかという機構上の問題もありますし、それから
調査活動をもっと広めるために人材の問題もありますし、陣容の問題もありますし、これはどうしたらいいのかということもあります。さらには、ほかのほうでコンピューターを入れて情報化時代に対処し得る
状態をつくっているけれ
ども、まだその点は不十分であるという点で、私は
調査室の
現状に対してやはり改革をすべき点があるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、ただここで抽象的な論議だけしておっても前向きになりませんから、この点はぜひひとつ検討をしておいていただきたい、検討すべき事項として取り上げていただきたい、こういうふうに思います。ことに、国会としていろいろな資料があるわけですが、これは国会図書館と国会の
調査室との
関係ですね。これはもう当然違うわけですから、分けておくべきが当然だとは
考えておるわけですけれ
ども、いまのままでいきますと、もう少し連絡だけでも密にならないか。ここで例を申し上げますと、私
どもは資料はどうかといってお願いするわけですね。そうすると、やはり大蔵省なら大蔵省の
関係者に話をされて資料が来るわけです。それでは実は私
ども十分でありませんから、今度は国会図書館に行っていろいろ資料をお願いするというふうになるわけですが、そうすると、私
どもの資料そのものは、やはり国会図書館とそれから
調査室とそれから各行政府の
担当局から出される資料、こういうふうになって、
あとはもう独自の情報活動とか、あるいは研究とか、あるいは他から、いろいろな本からの知識とか
新聞の知識とかということになるわけで、そういったものをどれだけ一人の議員が
一つの問題にぶつかったときにむだな、何といいますか、時間を浪費するかというたいへんな経験を私
どもするんです。それと同時に、議員というものはほとんどそれに終始するんではなくて、党活動とか、自分の選挙のための活動とかいうので八割以上浪費をするんで、この形態からいけば一体
国民の負託にこたえた議会活動というものがやられているんだろうかどうかといって
反省させられるわけですよ。もちろん秘書制度もありますし、至れり尽くせりだけれ
ども、大体全部が半ばなんですね。秘書なんかにしても、これはもう
ほんとうに片腕になって働く秘書を雇えるような
状態にはありませんから、これもまあ半ぱな
状態だ。それからいま言ったような、議会から何らかのものを得ようと思ってもそれも十分じゃなく、議員が日常活動の中でこれもまた半ばである。こんな
状態では私はやはり議員の
国民の負託にこたえられる議会活動というものは、これは十分果たすことができない、こう思うんですね。だからその点で何を一番われわれとしては求めるかといえば、やはりあらゆるものを総合的にいつもちゃんと備えておいて、そうしていつでも議員の期待にこたえるような資料であるとか、あるいはいろいろな問題とかいうようなものが提起できるような
状態が必要だと思うのです。これはもちろん党派に拘泥するものではなしに、
ほんとうに機関として、公平な
立場での機関ということになるのじゃないかと思うのです。
それからいまの室長の選任なんかの場合にも、たとえば常任
委員長の推薦なんかということになりますと、私はやはりそこで一体
ほんとうの人材というものが得られるだろうかということを一面で疑う。これは選びようによっては最良の人事ということもあり得るわけですから、そういうこともあり得ると思います。ですから、私はやはり
調査活動に最もふさわしい人を選任のできる選任機関というものがあっていいのではないか。その点議会というのは非常にあいまいな点がたくさん残されていますね。そのあいまいの根源は一体何かというと、選良として出てきておる議員の存在があまりにもあらゆる面に影響しておって、そうしてつじつまを合わせなければならない点であいまいさというものをつくっておるのだというふうに思うわけですが、
調査活動だけはそういう点からひとつ脱却をした公正な機構、人事、それから十分な
調査活動のできる機構、これをつくるべきじゃないだろうかというふうに思います。これはまあ
意見でありますから……。総長はいままでの成り来たりからいろいろな
意見があればということでしたけれ
ども、私
どもは私
どものそういうふうな
考え方で、議会の中で議員が十分に
国民の負託にこたえられる活動ができるような、そういう
立場に持っていく、そういう
調査というものが必要なんじゃないか、そういうふうに思っておるわけなんですが、その点は、総長としてどういうお
考えでしょうか。それから実際上、ここに室長さんがいれば室長さんの
意見も聞きたいわけですけれ
ども、正式な発言でなくても、速記をとめてでもいいと思います。