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国務大臣(
根本龍太郎君) すでに
通産大臣から今日までの
状況報告があったと思います。私は本日五時に出発して六時半に着きました。そうして直ちに
現場のすぐ近くにありまする
大阪市の
現場対策本部に参りまして、
大阪市長並びに
関係者の皆さんから、今日までの経緯をまず最初に聞きました。で、非常に突発的な不慮の
災害でございまして、しかも想像を絶するほどの悲惨な
状況であったと思われます。
そこでいろいろの
措置がございまするけれども、
大阪市長並びに
関係者は、何よりもまず罹災者の方々、これらの人々の人道的
措置、これが大事だということで、なくなられた方はもとよりのこと、
負傷した方、これらの人々をそれぞれの適当なる
措置を講ずるとともに、遺族あるいは縁故者の方々の動揺を防ぐために、それに非常に集中して配慮した。私が行ったときには、すでに処理が一応終わったところでございますから、血なまぐさい現状は、だいぶ片づいておりました。しかし
現場に入ってみますというと、これはたいへんな爆破が出たという感じを受けたのでございます。しかし、なかなか
原因についてはわからないようでございます。私はそれで、まず
現場の
状況を見ておる技術者の諸君の会同を求めまして、これは市当局は
交通局とそれから土木局でございます。それから
建設省の地建
関係、それから
ガス関係、これらの技術者の人に一応
状況を聞きました。実はこういうような
ガス漏れとそれから地下
工事との
関係で、最近かなり事件が出ておりまするので、
建設省は数次にわたりまして、相当綿密な道路
局長名をもちまして技術指導をしておるのでありますが、それがやられておるかどうかということを客観的に聞きただしましたところ、おおむねそれは充足しておるのです。非常にこれは
関係者皆よくやっているようであります。ところがそれにもかかわらず、あの事件の起こった二日前並びに前日まで、
関係者がみんな
現場の
確認をしておるにもかかわらず、当日の五時二十分ごろ
現場で働いておる労務者それから
付近の人が、どうも
ガス漏れがしておるらしいという感じを受けたので、さっそく百十番に電話をした。
警察は直ちに今度は
ガス会社に連絡をする、
ガス会社は直ちに修理班と申しますか、その人が来まして、それで
現場に入って車を置いて、そうして入って間もなく今度はその車が燃え上がった。そうしているうちに今度はしばらくして少し
爆発というところまでは
——だいぶ
ガスが出たような
状況、ところがそういう
現場に来たところの
警察官は、まず
被害を少なくするために
交通遮断をしたらしいのです。ところがあすこは、天六は非常にいろいろの飲み屋とか、いろいろたくさんの人の出入りするところであることと、
交通もかなり重複しているところであったために、バスがストップしたところが、バスに乗っておった人が、今度は道路の上で自動車が燃えているから、何事かということで集まってきたらしいのですね。その集まってきたところにこの爆風が出てきて、そのためにああいう
惨事が出てきたという
状況がどうも事実のようでございます。
そこで一体、なぜそんなに前日あるいは前々日に
確認して安全であるということを
ガス会社も
現場の技術者もみな見ておりながら、こういうことが起こったかということを
究明したが、それがわからない。そこで、これはかなりの技術的な検討が必要であるということで、警視庁からも
ガス関係者あるいはその他いろいろの技術者がみな行って、それから
建設省も行ってこれから
調査するということで、本日の十時から
現場検証に入りました。けれども、なかなか、私がその後、十一時半に
関係者の方々に来ていただいて聞いても、ちょっとまだまだこれはなかなかむずかしい、こういう段階でございます。
私はここでこういうことを率直に申したほうがいいと思いますから……。実は、私が
関係者に集まっていただいて、私の見た感じを申し上げて、参考にしてひとつ前向きで検討してほしいということを言ったのは、かなりの大
災害であるために、ややもしますれば相当の膨大な賠償支払いということに頭がきまして、
関係者おのおの
責任を、悪いことばで
責任を転嫁し、自分は完全な管理をしたのだ、だいじょうぶなんだったけれども、どこかに別なことがあるということで、お互いにこういうふうに言われると、この
災害の真相を把握することができないで迷宮になってしまうということになると、これは今後たいへんなことになると、こう思いましたので、
関係の
責任者には、まず、いま現在やるべきことは、この
原因を徹底的に客観的に、科学的に
究明することに協力してほしい、これが第一点、お願いいたしました。
それから
建設当局には、これはいままで
政府が指示し、あるいは行政指導したことについては、適当にというか、わりあいに的確に実施しておるけれども、それだからこれで終わったという感じを持ってはいかない。工法これ自身に、いままで安全だということで許可しておった工法において、基本的にこれは再検討しなければならぬということまで考えてみるべきではないか、この意味でこの
原因と工法について考えを新たにして研究すべきである。端的に申しますれば、ああいうふうに錯雑したところでやる場合には、いままでとっておったんですけれども、埋没しておる
ガス管を他に移設して、しかる後
工事をやれというふうに、許可をするときに条件をつける。いままでは、なるべくそういうことを、安全の
対策をこうこうとれということだけ言っておって、許可条件にしていないのです。まずそれが適当じゃないと思ったのでしょう、したがって、これは発注者である市や都あたりが自分で判定してやる。それを今後は技術の、工法の指定をするということまで考えてはどうか。たとえば、シールド工法をとれ、その条件のもとで許可するということも検討すべきではないかという
課題を出しておきました。
それからもう
一つは、
ガスのパイプが、ジョイントをしっかりしておる、いままでもこれでだいじょうぶだったということで許可しておる。ではなくして、やはり、こういう事態が起こった今日から見るならば、私はあれに被覆をする、鉄管の上に、パイプの中に不燃物質をもって被覆して
ガス漏れがあってもああいうふうに急激に漏れが出てこないというような、そうしたところの条件つきの、これは
通産省で考えていただいてはどうかという
課題。
それからもう
一つは、今度の事件を見ますと、火をふいてから
ガスパイプをとめるのに三時間くらいかかっているのですね。私は非常にこれは不思議に思いまして聞いたところが、私がこれは科学知識がなかったからそういう疑問を出したことになったようでありまするけれども、急にあそこのパイプをとめるというと、かえって圧力がかかって、あちこちで家庭で使っておる
ガスがそのために今度は
爆発を起こしてくる。だから、何かゴム風船のようなものをつけて、それで圧力を加減しながらやるために三時間かかった。それはそうかもしらぬけれども、それだということで私は黙っておくことは、いかにも技術開発のされておる今日、そのままにしているということはどうもこれは解せないじゃないか。そういうときにはなるべく、
ガス漏れしたならば、もう直ちにその局部的なパイプを閉塞する安全な技術開発というものをぜひこれは早急にやるべきではないか。場合によっては自動装置で警報が発するというところまで、これはやるべきじゃないか。現在は水道とか電力についてはいろいろ被覆もさしておるし、それからまた、電源スイッチを切ればとまる、水道は適当なところでパイプを締めればとまるということになっておるから、それくらいの今度は施設の義務づけも研究すべきではなかろうかというふうに感じまして、率直に申しておきました。
それからもう
一つは、
警察は非常によくやってくれましたが、まさかあんなふうになるとは思わないものだから、
交通規制、これだけやっておる間に実はああいうふうにばっといったために、私は
警察本部長にも私の
意見を言っておきましたが、
ガス漏れの問題については、私はむしろいろいろの問題があるだろうけれども、まず避難命令を下すということ、それから相当の地域について立ち入り禁止地域をつくって、それから
措置するというふうな検討も必要であろうということを考えて、これは総合的に研究してもらうように申し上げてまいった次第でございます。