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1970-04-14 第63回国会 参議院 法務委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十五年四月十四日(火曜日) 午前十時十五分開会
—————————————
委員
の
異動
四月十一日
辞任
補欠選任
河口
陽一
君
田村
賢作
君 四月十三日
辞任
補欠選任
田村
賢作
君
河口
陽一
君 四月十四日
辞任
補欠選任
小林
国司
君 大森 久司君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
小平
芳平
君 理 事
河口
陽一
君 後藤 義隆君
亀田
得治
君 山田 徹一君 委 員
小林
国司
君 山崎 竜男君
小林
武君 松澤 兼人君 山高しげり君 国務大臣 法 務 大 臣
小林
武治君
政府委員
法務大臣官房司
法法制調査部長
影山
勇君
事務局側
常任委員会専門
員 二見 次夫君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
沖繩
の
弁護士資格者等
に対する
本邦
の
弁護士資
格等
の
付与
に関する
特別措置法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
小平芳平
1
○
委員長
(
小平芳平
君) ただいまから
法務委員会
を開会いたします。
理事
の
補欠選任
についておはかりいたします。
委員
の
異動
に伴い
理事
が一名欠員になっておりますので、この際その
補欠選任
を行ないたいと存じます。
選任
につきましては、
先例
により
委員長
にその指名を御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小平芳平
2
○
委員長
(
小平芳平
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
河口陽一
君を指名いたします。
—————————————
小平芳平
3
○
委員長
(
小平芳平
君)
沖繩
の
弁護士資格者等
に対する
本邦
の
弁護士資格等
の
付与
に関する
特別措置法案
を議題といたします。 御
質疑
のおありの方は順次御発言を願います。
亀田得治
4
○
亀田得治
君 法務省からいただいておる
参考資料
ですね、これの一三ページに「
沖繩
の
弁護士資格者数調
」という
一覧表
が載っているんですが、これについてもう少しできるだけ詳しく、わかりやすくまず御
説明
を願いたいと思うんです。その上でお聞きいたしますから。
影山勇
5
○
政府委員
(
影山勇
君) それでは一三ページの表について御
説明
を申し上げます。 この表は、
沖繩
の
弁護士
の
資格
を有する者の数を、ここにございますように、昨年の十月三十一日現在でできる限り正確を期して調べたものでございます。左にございますように、「
潜在的資格者
」とか「
顕在的資格者
」というのがございましたり、A、B、C、D、Eというような文字がありますので、これを
説明
申し上げます。 まず、この「
区分
」という欄がございますが、この「
区分
」にA、B、C、D、Eというふうに書いてございます。このAと申しますのは、結局
沖繩
の
弁護士有資格者
の中で
本土
の
資格
を有している人でございます。先日の
補足説明
にも申し上げましたように、
沖繩
の
判検事
、
弁護士
、つまり
法曹資格者
は、
沖繩
の
布告
十二号というものによって
資格
を取得しておりますが、その
資格
の種別がA、B、C、D、Eでございまして、Aはいま申しました
本土
の
資格者
でございます。Bは、これは
沖繩
で
判検事
に任ぜられまして五年間
判検事
の職にあるということによって初めて
弁護士資格
を取得するという要件によって取得した者をBということにいたしております。それから、同じく
布告
でCと申しますのは、
沖繩
ではございませんが、
公認
の
法律学校
を出まして二年間
裁判所
、
検察庁
、
弁護士事務所等
で
法律的訓練
を要する
職務
に従事したということによって
弁護士資格
を取律したという者でございます。Dは、これは
沖繩
において
昭和
二十七年度以降施行されるようになりました
沖繩
の
司法試験
の
合格者
でございます。それから次に、Eと申しますのは、これは
昭和
四十三年の一月一日から施行になりました
沖繩
の新
弁護士法
によりまして初めて認められた
資格
でございまして、
大学教授
、助教授を三年やるということによって
弁護士
の
資格
を取得するというのをここにかりにEというふうにしてあらわしたわけでございます。 それから、その「
区分
」の下を縦に見ていただきますと、先ほど申し上げました「
顕在的資格者
」と書いてございます。これは、現に
資格
を持ち、現に
裁判官
、
検察官
、
弁護士
の仕事をしている人という
意味
でございます。で、これを内訳で見ますと、
裁判官
が、
A項
、先ほど申しました
本土
の
弁護士資格
を有する方が
裁判官
の中に二人。それからB、
沖繩
で
判検事
、
弁護士
を五年やったことによって
資格
を取得した方が八、それからCが、Cと申しますと、先ほど申しました、
公認
の
法律学校
を出て二年間
法律的訓練
を要する
職務
についた者というのが二十一、それからD、
沖繩司法試験
を通った者が二十四名、それから二十四の次にカッコの中に十六とございますのは、これは向こうの
司法試験
を通りまして、
本土
の
司法研修所
に
委託
されまして、
本土
の
修習生
と
同一
の
修習課程
を終わった者であります。この数が十六名ございます。要するに、
法曹資格者
のうちの
裁判官
は五十五名ということに相なります。
検察官
は、同様にして、
A項
はゼロ、
B項
が六名、
C項
が二十三名、
D項
が八名、うち五名が
司法修習
を
本土
で受けた者ということになっておるわけでございます。その次の
弁護士
も、ここにございますような
人数
になっておりまして、これで見ますと、
ごらん
のとおり
C項
が
弁護士
においても多いということになります。そのほかに、
弁護士
については、先ほど申し上げました
大学教授
をやったということで
弁護士資格
を取得した者が三という
人数
になるわけでございます。これを合計いたしますと、
A項
が
沖繩
では全部で十八名、そのうち十六名が
弁護士
でございます。それから
B項
が二十五名、
C項
が百三十一名、D、すなわち
沖繩
の
司法試験
を受けた者が四十名ということになりまして、現職にある
判検事
、
弁護士
の
総数
は二百十七名ということになるわけでございます。 それから、その下のほうの「
潜在的資格者
」と申しますのは、一応こういうふうに名づけましたのは、
弁護士資格
を有しながら、現に
裁判官
、
検察官
、
弁護士
という
職務
をやっていない方、たとえば
裁判所
の
裁判官
以外の
職員
、
検察庁
の
検察官
以外の
職員
、それから
弁護士
以外の
法律事務所
の
職員
という
方々
でありまして、この
数字
は、やはりA、B、C、Dに分けますと、
ごらん
のような
数字
になっているわけでございます。このようないわば潜在的な
資格者
の数が合計百二十六名でございます。 したがって、四十四年十月三十一日現在に判明いたしました
沖繩
の
弁護士有資格者
の
総数
は三百四十三名ということになるわけでございます。 なお、このほかに、いまの表の裏でございますが、一四ページに、「上表に掲げる
弁護士資格者
のほかに、
沖繩
の
司法修習生
となる
資格
を有する者で、現在
裁判所
、
検察庁
又は
法律事務所
において
法律事務
に携わっているものが百四十一名ある。」、これは、
沖繩
の
弁護士法
が改正になりまして、従来
資格取得
の
過程
にあった者、新
弁護士法
によってさらに三年間
裁判所
、
検察庁
、また
法律事務所
で勤務することによって
弁護士資格
を得ることになっておる者でございまして、これはいずれ四十六年以降
弁護士資格
を得るという、いわば
弁護士
になる
過程
にあるという者でございます。これが百四十一名おりますわけであります。 簡単でございますが、この表について御
説明
申し上げました。
亀田得治
6
○
亀田得治
君
沖繩
の
司法試験制度
ですね、これは
琉球法曹会試験局
がやっているわけでしょうが、その実態はどういうことでしょうか。たとえば
試験科目
なり、その
内容
、質的な水準なり、そういう点はどういうふうに
ごらん
になっていますか。
影山勇
7
○
政府委員
(
影山勇
君) これは、先ほど申しましたように、
昭和
二十六年度から施行されまして、当初は正規の
ルート
の
司法試験
以外の
ルート
の
資格者
が少なかったわけですから、
司法試験
ということによってこういう
資格者
をつくろうということで発足したように伺っております。したがって、その
資格
も、
高等学校卒程度
で
受験
ができるというふうにされていたようであります。しかし、その後だんだん教育が普及したりしてまいりまして、
大学出
も多く受けるようになりました。最近では
受験者
の
合格者
はほとんど
大学出
によって占められているというような状況でございます。
試験科目
あるいは
試験
の
方法
は、大体
本土
と同じよう、大体似ているように伺っております。それから
試験委員
は
琉球法曹会
の会員をもって構成しているようでありまして、これは大体先ほど申しました
弁護士有資格者
の中から
試験委員
を選んでいる。それからその質あるいは
内容
の点でございますが、これは実は特に
調査
の
方法
がございませんので、
答案等
をあらためて見るというようなこともどうかということで、特に質の点について高いとか低いとかということは申し上げられない状態でございます。試みにこの
合格率
などを申し上げますと、大体平均して二十名に一人ぐらい、最近特にだんだんむずかしくなってまいりまして、二十名に一人ぐらいではないかというふうに
考え
られます。
亀田得治
8
○
亀田得治
君 二十名に一人といいますと、
日本
の場合に比較してどうなりますか。
影山勇
9
○
政府委員
(
影山勇
君)
日本
はことしあたり四十名に一人ぐらいに当たるのではないか。ことしの
受験者
を
基礎
にいたしますと、大体四十名に一人ぐらいになるのではないかと思われます。
亀田得治
10
○
亀田得治
君 ことしが四十名に一人。ここ最近数年間、大体どういう
数字
ですか。
影山勇
11
○
政府委員
(
影山勇
君) 大体そのくらいになっていると思います。
亀田得治
12
○
亀田得治
君 まあ二十名に一人というと、相当やはりきびしく厳選をした
試験
をやっておるというふうに理解していいように思うのですが、どういうふうにお
考え
でしょうか。
影山勇
13
○
政府委員
(
影山勇
君) これは、
沖繩
の中で見ますれば、やはり相当きびしい
試験
ではないか。特に最初のうちは、
受験者
も少のうございますし、わりにゆるい場合もあったようでございますが、近年に至ってかなりきびしい。たとえば、やはり若干きびしい年とそうでない年とあるようでございます。
亀田得治
14
○
亀田得治
君 非常にきびしい場合は、三十倍ぐらいになっている年もあるんじゃないですか。
影山勇
15
○
政府委員
(
影山勇
君) これで見ますと、三十四年が大体二十倍でございます。三十七年度には四十三名受けて一名というので、この年は非常にきびしゅうございます。四十四年
——
昨年をとりますと、五十九名受けまして五名ということになっております。
亀田得治
16
○
亀田得治
君 その
調査資料
があるんでしたら、それを
資料
として、これは後ほどでいいですから、次回までにひとつ出してください。
影山勇
17
○
政府委員
(
影山勇
君)
受験者
の数と
合格者
という表がございます。
亀田得治
18
○
亀田得治
君 そこでお伺いいたしますが、
本土
の
司法修習
の
課程
を修了した人が、さっきのお話ですと、二十三名あるわけですね。こういろ方は、これはもう無条件で
本土
の
資格
を与えていいんじゃないですか。
弁護士
の
試験
の
最終
の
締めくくり
は
司法修習
の
最終
の
試験
に合格するということになっているわけですから、その
本土
における
最終
の
締めくくり
の
試験
を受けた人が二十三名おると、この二十三名についてはそのまま認めていくということでいいように私思いますが、その前の
段階
の
沖繩
の
弁護士会
がやっておる
司法試験
が非常にルーズなものだというんなら別ですが、これを相当厳密にやっていると、そうしてその
試験
を通って、さらにいわゆる
司法修習
の
実地訓練
ですね、これを
沖繩
でやらずに
本土
でやった、そして
本土
ではその
締めくくり
の
試験
をパスしておるわけですから、それ以上
選考
するというのは、どうも
本土
で行なった
司法修習
の
最終
の
試験そのもの
をもう一度何か再検討するという
感じ
にもなってくるわけですね。どうもおかしい、二回同じようなことをやるような
感じ
がするんですが、今度の
立法
を見ますると、第二条の第一項の第二号でそういう
人たち
を扱っておるわけでしょう。この点は少しおかしいのじゃないかと思うんですがね、どうなんです。
影山勇
19
○
政府委員
(
影山勇
君) 確かに仰せになりましたような
問題点
はあろうかと思われますけれども、一応やはり
本土
の
法曹資格
というのは、
司法試験
を経て
裁判所法
に定める
司法修習
を終えた者というたてまえがございまして、その
基礎
において、
司法試験
の
内容等
その他
司法試験
の
実質
においてはたして全くひとしいかどうか疑問がございますし、
修習
と申しますのは、結局こちらの
修習生
として
修習
するというのでなくて、いわば
委託
を受けて、
同一
の
課程
を経て、二回
試験
ではなくて、それと相当するような
試験
を受けているということでございまして、いわば
沖繩
からの
委託
に基づくもので、形は同じでございますが、
本土
の
修習
、それから二回
試験
とはやや
意味
において異なるのではないか。それからもう一つは
先例
でございますが、
先例
として的確かどうかは問題でございますけれども、終戦後
朝鮮
から引き揚げてこられました
法曹資格者
の方につきまして、これは
朝鮮弁護士令
によりまして、相当厳密な
試験
を経て、
実務
をやられて、そうして
本土
に引き揚げられてきた
方々
についても、やはり
本土弁護士
とは違うという点で、いずれも
選考
を受けていただいて、そうして
本土
の
弁護士資格
を
付与
するというふうなことになっておりますので、
沖繩
の有
資格者
という
意味
で、他の
資格者
と
同一
に
選考
だけは受けていただく。ただし、その場合に、おそらく二回
試験
を受けておられるので、
選考
でございますので、その成績と申しますか、その
実績
は
十分評価
を受けることになるだろうと、こういうふうに
考え
ておるわけであります。
亀田得治
20
○
亀田得治
君
沖繩
からの
委託
に基づくものではありますが、しかし
司法研修所
における
訓練
なり
試験
の
中身
は
日本
の
一般修習生
と全く同じなんでしょう。差をつけてあるんですか。
影山勇
21
○
政府委員
(
影山勇
君) そう差はないと思います。それから、
試験
についてもないと思われます。
亀田得治
22
○
亀田得治
君 そうすれば、
本土
の
司法修習生
と同じ力を
司法研修所
において認めたと、こうやはりなるわけでしょう、なっておるわけでしょう、そこを卒業した人は。それはどうなんです。
影山勇
23
○
政府委員
(
影山勇
君) 一応そういう
資格
を
——資格
と申しますか、そういう学力を認めていることは、そのとおりだと思います。
亀田得治
24
○
亀田得治
君 そうすれば、
日本
でも
弁護士
になるにはいまおっしゃった
試験
を通らなきゃいかぬですから、ちっとも
試験
問題、
訓練
においても差をつけないでやっておりますということなら、すなおにそのまま認めてあげることが
——
これはまあ
選考
ですから、おそらく、その
実績
を認めてとこうおっしゃっておるから、この二十三名は全部通過するものだと私は思いますが、しかし気分がいいでしょうが、せっかく努力して二年間の
修習
を完全に終えてきたわけですから。そういうことは
立法
の
過程
において
議論
にならなかったのですか。
影山勇
25
○
政府委員
(
影山勇
君) その点も
議論
になったわけでございます。ただ、
沖繩
で
司法試験
を終えて
本土
の
修習
を受けるというのは、人によりいろいろな
事情
で、これを派遣するほうの側の
事情
とか、そういうことで、必ずしも
D号
の者が全部こちらに来られたというものでもないわけで、そこで、たとえば
修習
を受けない
D号
について毛、おそらく優秀な人もあり得るわけでございます。そういう点も
考え
合わせまして、また多年
法曹
の
実務
に携わっている
方々
を
考え
ますと、やはり
朝鮮
の場合の
先例
にならって
選考
は一応受けていただくのが
均衡
上いいのではないか、全体の
均衡
から見ていいのではないかということで、こういう案に落ち着いております。
亀田得治
26
○
亀田得治
君 この
沖繩
から
委託
を受けて
研修所
が預かって、そうしていろいろ
修習
をしてもらって、
最終
的に
修習
の
最終段階
の
試験
が通らなかった、こういう人はあるんですか。
影山勇
27
○
政府委員
(
影山勇
君) その点は、過去にわたってずっと
調査
いたしておりませんが、私どもの伺っているところでは、落ちた人があったということは聞いておりません。
亀田得治
28
○
亀田得治
君
日本
の場合にはどうなっていますか。
影山勇
29
○
政府委員
(
影山勇
君)
日本
の場合には、落ちる人も、ある場合
——年
によって落ちる人があるように聞いております。
亀田得治
30
○
亀田得治
君 きわめて少ないんですか。
影山勇
31
○
政府委員
(
影山勇
君) 非常に少のうございまして、一人、二人だと思います。
亀田得治
32
○
亀田得治
君 非常にたくさんの人ですからね、健康を害したりいろいろなことでうまくいかないというふうなこともこれは予想されることですね。それはまあ、どういう
理由
ですか、たまにはずれるのがあるというのは、
病気
とかそういうことですか、やはり
中身そのもの
が不十分と。それでまた、そういう方はどうするのですか、その翌年まで延ばすとかなんとかできるのですか。
影山勇
33
○
政府委員
(
影山勇
君) このいわゆる二回
試験
と申しますのは、
最高裁
で運用されておりますので、詳細は存じませんけれども、やはり
病気
の方とか、あるいははなはだしく
学術関係
の点数の少ない人とかということになるんだろうと思います。そうして、落ちた人は、またもう一度
修習
をし直すということになっているのではないかと思います。ただし、おそらく
修習
の
規則
で、もうとうてい将来判事、
検事
、
弁護士
になる見込みがないというような特段の
事情
がある場合においては、また別なことになるのではないかと思っております。
亀田得治
34
○
亀田得治
君 そうしたらね、それ
最高裁
のほうで一ぺん調べてみてください。
沖繩
と
本土
、両方どうなっているか、
司法修習
の
最終試験
の不
合格者
の数並びに
理由
ですね。
影山勇
35
○
政府委員
(
影山勇
君)
最高裁判所
に連絡いたしまして
調査
いたしたいと思っております。
亀田得治
36
○
亀田得治
君 そうすると、二十三名の
本土
における
司法修習
を終了している方、これは一応この第二条によって
選考
の中には入れておるが、その
実績
を認めてもちろん
選考
するので、これらはまあほとんど
——
ほとんどというか、全部通るものだ、そういう期待を持ってもいいものだと、こう理解していいですか。
影山勇
37
○
政府委員
(
影山勇
君) これは
選考委員会
のおきめになることですが、私どもたぶんこういう方は
選考
に合格されるのではないかというふうにまあ
考え
ております。
亀田得治
38
○
亀田得治
君
朝鮮
の場合を先ほどおっしゃったんですが、
朝鮮
の場合はその点結果はどういうふうになっておりますか。
影山勇
39
○
政府委員
(
影山勇
君)
朝鮮
の場合は、約四十六名ばかりございまして、そのうちの四十四名の方が
選考
に合格されておるようでございます。それで、この
選考
に落ちた方は、当時ございました
弁護士試補
として一年半
修習
をされて
弁護士
になるということであったようでございます。
亀田得治
40
○
亀田得治
君 それから、この第二条の第一項の二号ですね、二号の中で「
政令
で定める日までに」云々とこう書いてありますが、これはどういうめどになりますか。なるべくこの
政令
で定める日を延ばして、その間に
——
現在
修習
中の方がおりますね、それ何名になりますか。
影山勇
41
○
政府委員
(
影山勇
君) 現在
修習
中の方は七名でございます。
亀田得治
42
○
亀田得治
君 その七名の方の
修習
が終わるのを待ってこの「
政令
で定める日」これをきめると、こういう含みでもあるわけですか。
影山勇
43
○
政府委員
(
影山勇
君) これは、この
選考
は、本年度に一回と、それから次が
復帰
の日になるべく接着した時点で一回というふうにやりたいと思っておりまして、その
あと
の時期をなるべく
復帰
に近いほうにずらして行なう、それによってなるべく直接
試験
を
経ずし
て
選考
を受けられる人を多くしたいという
考え
でございます。
亀田得治
44
○
亀田得治
君 まあ、ことに何ですわね、現在
司法修習
中の人は、この
法律
ができた後にその
最終試験
を受けるわけですからね、それがちょうど
弁護士試験
みたいなもんですよ。だから、これはもう当然その
試験
に通ることによって本式のほうにこう入っていくという
考え方
でつくられておるようですが、ぜひそれはその
考え方
でひとつ運用してほしいと思います。 この第二条の第一項のほうですね、ここでも「
政令
で定める日」というのは、日のきめ方によって
あと
のほうの「三年以上」という計算が非常に違ってくるわけですね。だから、できるだけ
本土復帰
に接着した日に設定していく、そういう理解でいいわけですか。
影山勇
45
○
政府委員
(
影山勇
君) そのとおりでございます。
亀田得治
46
○
亀田得治
君 それから、この
選考
とか、
試験
とか、こういろいろあるわけですが、
講習
というのもこの
法案
の中に入っておりますが、これはすべて
司法試験管理委員会
がやっている、こういうたてまえになっておりますが、この
本土
の場合にはいわゆる
考査委員
というのがあって、
考査委員
は、これは各
専門
の分野の
専門家
ですね。
考査委員会
でパスするかどうかをきめる。いわゆる
司法試験管理委員会
は全体の事務的な
統括機関
、こういうふうに区別されておりますがね。しかし、今回の場合は、何かどうもその点が一つ省かれておるような
感じ
がいたしますが、その辺はどういうふうに運用されるわけでしょう。
影山勇
47
○
政府委員
(
影山勇
君) この
法律
の四条の四項に「前二条及びこの条に規定するもののほか、
選考
、
試験
及び
講習
に関して必要な事項は、
政令
で定める。」というふうにございまして、この
政令
で
試験委員
、
選考委員等
を置くという
考え
でございます。この
選考委員
は、たとえば
沖繩
で行なうとか、あるいはいつ行なうとかということも、この
政令
で定めるということでございます。
亀田得治
48
○
亀田得治
君
本土
と同じように、やはり
本法
の中に
——
大事な
決定権
を握る
人たち
ですからね、そういうふうにしておくことが本筋じゃないかと思うんで、
試験
の場所をどこにするとか、そういうことは
政令
なり
規則等
でおやりになっていいと思うんですがね。実際何でしょう、
司法試験管理委員会
、これは人が三名きまっていますね、
法務次官
と
最高裁判所事務総長
、もう一人
弁護士会
からきめている。しかしこれは、みんな忙しい方であって、全体を見ておるにすぎない。実際の
判定者
というものは、ちゃんと
法律
に明記しているわけですからね。これは大事な点だと思うんで、当然
本法
の中に置いておいていいように思いますが、どうなんですか。
影山勇
49
○
政府委員
(
影山勇
君) これは、
司法試験
とやや変わっておりまして、第四条の二項で「
選考
及び
試験
の
合格者
は、
司法試験管理委員会
が定める。」というふうにいたしたわけでございます。この特に
選考
は、一律の
試験
ではございませんので、合否の
判定
をそのまま
試験委員等
にゆだねるというのには適さないのではないか。そこで、
選考委員
、
試験委員
は設けますけれども、それは現地においての
選考
を一応行ないまして、その結果について、
法曹
三者と申しますか、事務次官、
事務総長
、
弁護士会
の方によって最後の
判定
はきめていただくほうが適当ではないかということで、こういう規定にしたわけでございます。
亀田得治
50
○
亀田得治
君 この
選考
の場合は、そういう気持ちは多少わかるんでございますがね。しかし、その場合といえども、直接
選考
のためにどうせ相手方に来てもらって会うんでしょうが、お会いになって
質疑応答
をなさる方は、これは
管理委員会
じゃなしに、別個なやはり
専門
の方がおやりになるんでしょう。そこはどうなんでしょうか、
選考
の場合は。
影山勇
51
○
政府委員
(
影山勇
君) いわば
管理委員会
の
委員
の行なう
選考
の補助的な
機関
と申しますか、そういう手足としてそういうことを
選考委員
にしていただくということになると思います。
亀田得治
52
○
亀田得治
君 それは
法律
が、
選考委員会
がきめると、こうなっちまったから、その
選考委員
は、それは補助的な
機関
ということに、自然にそうなるわけでしょうが、しかし
実質
はそこできまるわけでしょう、実際は。
影山勇
53
○
政府委員
(
影山勇
君) これは、この
法律
のたてまえとしては、そこできまるということはないわけでございます。
亀田得治
54
○
亀田得治
君
試験
のほうはどうです。
試験
のほうは、もう
試験委員
の
判定
で、
実質
上もうそこできまるわけでしょう。
影山勇
55
○
政府委員
(
影山勇
君)
試験
のほうは、これは一律に行なうわけでございますから、どういう問題を出し、どういう点数を得たかということは、この
試験
の最初の
段階
できまるわけでございますが、一体どの程度の点数を取れば
選考
を受けるのにふさわしいものと
考え
るべきかという点は、やはりこの
法律
案では、
試験
管理委員会
の
委員
が協議しておきめになるということにいたしておるわけでございます。
亀田得治
56
○
亀田得治
君 それは実際に
試験
にタッチされない方がきめるということは、実際問題としてできぬことでしょう。多少点数が悪くても、これは実力があるというふうに見るか見ぬか、そういう問題がよくあるわけでしょう。しかし、これは第三者ではちょっとわからぬわけです、やはり
試験委員
でなければ。だから、実際上これは、
選考委員
、
試験委員
、ここできまるわけでしょう。そこできまったものが上のほうで相当動くというふうなことは予想しなくていいのでしょう。
影山勇
57
○
政府委員
(
影山勇
君) こういう式の
選考
は、今回これで臨時的に行なうわけでございまして、どういうふうな運用になりますか、
司法試験
等の場合と違いまして、
選考
の対象者の
人数
も比較的限られておりますので、実際の運営で、一体
選考
の補助
機関
であるところできまってしまうというふうになるとは必ずしも言えないのではないかというふうに
考え
ます。
亀田得治
58
○
亀田得治
君 そうすると、多少
試験委員
なり
選考委員
から見ると足らない点がある場合でも、そういう場合でも、この
試験
管理委員会
のほうで引き上げていこうというふうな
考え
を持てば、それができる。また、非常に全部が通ってきておるが、いわゆる予定された水準、これは通ってきておるが、しかし何か別個な角度からふるい落とすというふうなこともあり得ると、こういうことになるのですか。
影山勇
59
○
政府委員
(
影山勇
君)
選考委員
と申しますのは、まあ補助
機関
でございますので、そこで実際の
選考
をいたします
司法試験管理委員会
の
委員
の判断に資するような
資料
を提供する、素材を提供するということになるであろうと思われます。
亀田得治
60
○
亀田得治
君 だから、素材を提供するということになると、素材どおりにいっても、いかぬでもいい。それは具体的に言えば、出てきたものを、さらに引き上げるとか、または引き落とすとか、そういうことが予想されるわけですね。
小林武治
61
○国務大臣(
小林
武治君) これはもういろいろ分析をされるとお話のようなことになりまするが、要するに補助員というものがまあ
実質
的にある程度もうきまるということも言えるし、これが
試験
管理委員会
のほうへ報告書を出して、そうしてその報告によってきまると、こういうことになりますが、衆議院におきましても、なるべくみな引き上げる
——
ということばは適当でありませんが、合格させるような配慮が必要だと、こういうふうな御意見もありますから、お話のような配慮もあり得ると、こういうことでございまして、要するに、最後の形式的の決定は
試験
管理委員会
がやるが、それに
実質
的な報告その他の
資料
を提供するものはいまの補助者だと、そういうことになるから、いずれもお話のようなことがあり得ると、こういうふうに思います。なるべく気持ちの上で、
沖繩
の方もこういう
資格
が得られるようにと、こういう
考え方
は持っておるわけでございますから、結果的にはお話のような点もあり得ると、また思うと、こういうふうに申し上げておきます。
亀田得治
62
○
亀田得治
君 これはまあ当然なことかとも思いますが、そういう際にいわゆる政治的な立場からの配慮ですね、もう少し具体的に言うと、まあ
沖繩
はああいう米軍の占領下にあるわけですから、非常なやはり
本土
とは違った政治的な動きというものがたくさんあるわけです。これはもう一般の大衆、それから知識階級の人、ほとんどすべてがこう渦中に入っておるような状態なんですね。おそらく、私は、上がってくる人の中にはずいぶんそういう面で活動される方もたくさんあろうと思うのです。そういうことの配慮というものは、こういう扱いにしてはならないというふうに
考え
るわけですが、当然なことだと思いますが、しかしまあ、
試験
を受けるということになると、なかなかみんな人間は神経使うもんですからね。そういう点はどういうふうにお
考え
になっておるか、これは大臣からひとつ、大事な点だと思いますので、お答えを願いたいと思います。
影山勇
63
○
政府委員
(
影山勇
君) その点は、
司法試験
と同じでございます。思想・信条によって差別するということはございません。
亀田得治
64
○
亀田得治
君 その
試験
だけでこう通っていくというんなら、思想・信条で差別しようと思っても差別できなくなるんですわね。だから非常にこれは明朗だということになる。そこで
選考
という
段階
が
最終
的に入ると、またいろいろ心配事も起こる。これは、普通の民間の会社の入社
試験
など聞くと、まあいろいろおもしろい話も聞きますよね。役所のやることでそんなことはないと思いますが、ただ
選考
という
過程
が入るもんですからね。
影山勇
65
○
政府委員
(
影山勇
君) これは、いま
司法試験
と申し上げましたのは、
司法試験制度
の目的と同じように、結局は
本土
の
法曹資格
を与えるということでございますので、したがって、この
選考
でございましても、思想・信条によって区別するということは
考え
られないわけでございます。
法律
の規定から申しましても、二条で「
司法試験管理委員会
が
本邦
の
裁判官
、
検察官
又は
弁護士
として必要な学識及びその応用能力があるかどうかを
判定
するために行なう」ということが規定してあります。これを出るものではないというふうに
考え
ております。
小林武治
66
○国務大臣(
小林
武治君) いまのことは衆議院でも御質問が出ましたが、これはもうあくまでも
資格
をきめる問題でありますから、いまお話しのような心配はありませんと、こういうふうに私は申し上げておきます。
亀田得治
67
○
亀田得治
君
本法
で、
本土
の
司法試験
法と同じように、第四条の三項ですね、
本土
のほうでは十条でしたか、同じような規定があるわけですね。これはま
あと
にかく一回きりのこういう
法律
ですし、わざわざこういうことまで入れなきゃならぬのかという
感じ
がするわけです。どうなんでしょう。
影山勇
68
○
政府委員
(
影山勇
君) これは仰せのようにまあ臨時的な措置ではございますが、こういう
選考
試験
をやります上には、この取り消しとか禁止ということはやはり法文に規定しておくことが必要ではないかというふうに
考え
ているわけでございます。
亀田得治
69
○
亀田得治
君
本土
の場合に、十条の適用された事案なんてありますか。
影山勇
70
○
政府委員
(
影山勇
君) 特に聞いておりません。
亀田得治
71
○
亀田得治
君 こういう規定がなくっても、当然取り消しということはできないものですか、どうなんです。
影山勇
72
○
政府委員
(
影山勇
君) その点、こういう不正な
方法
は
試験
の予期するところではございませんので、一体そういう
試験
の
受験者
には
資格
がほんとうに与えられているのかどうか。そうじゃなくて、やはりそういう疑いのある場合には取り消しをし得るのだということを
法律
上明記しておくというほうがベターではないかというつもりでございます。
亀田得治
73
○
亀田得治
君
法曹資格
の
試験
法ですから、これに対して、何か
裁判官
、
検察官
、
弁護士
になろうという者をばかにしているような
感じ
のするそれは条文ですよ。私は前からそう思ってるんですわ、十条というものを。ところが、
沖繩
の一回きりのものについてもこういうことが出てきておるわけですが、
沖繩
の人から見ると、
本土
の十条をそのままに持ってきたんだというふうに理解してくれりゃいいんだけれども、妙な
感じ
で受け取りかねないと私は思うんですね。こんなことは、私は要らぬこっちゃと思うんですが、これは削除したらどうかと思ってるんです。それによって何か、かえ玉使ったり、ごまかしたり、妙なことできるものじゃないと思う、きわめて少数の
方々
の
試験
なんですから。それは
日本
のようにずっと毎年相当大量の人を相手にしてやっていく
試験
制度ということになれば、まあ念のために置いておくということもあっていいかと思うんですがね。
沖繩
の
人たち
が長い間
本土
と一緒になろうと、今度は一緒になるんだと喜んでるときに、どうもこういうものは要らぬもののように感ずるんですが、どうなんです。
影山勇
74
○
政府委員
(
影山勇
君) この点は、いわば念のためのという規定でございまして、他の
沖繩
関係の
資格
の一体化に関する
法律
におきましても、昨年成立いたしました臨時措置
——
沖繩
における免許
試験
及び免許
資格
の特例に関する暫定措置法という中でも、いろいろな
資格
免許についてこの種の規定を設けておりますので、この
法案
でも、もちろんこういう不正のことが行なわれることがあろうとはまあ
考え
たくないわけでございますけれども、規定としては他の
資格
試験
と同じようにこういう規定を設けているわけであります。
亀田得治
75
○
亀田得治
君 念のためにということなら、
政令
なり
規則
なり目立たぬかっこうで置いておいたらどうなんですか、そこまで深く論議されたことではないと思いますので。大臣どうですか、あなた思い切ったことちょいちょいされるが、こんなものばさっと切ったらどうですか。
小林武治
76
○国務大臣(
小林
武治君) これはいまお話しのような趣旨のことが深く検討されたわけではありませんが、まあよくおわかりのように、役人の習性としましては、よそにあれば、慣例とか、前例とか、こういうものを必ず使うのが習性と申すか、性格を持っておりますので、そうお話しのような検討を深くしたものと思いませんが、よそにあると、また
沖繩
についても昨年の法令にもそういう前例があると、こういうことで、まあ軽い気持ちでそういう慣行に従ったにすぎないと、こういうふうにお
考え
をいただきたいのでございまして、いま申すように、そういう配慮をもっとすべきだったとこういうことであれば、またそのとおりだと思いまするが、何でもほかに条文があれば同じものをみんな持ってくるということもいずれの法令でもお役所ではしておる。こういうふうなことにすぎないと思いますので、いまのような御注意はまことにごもっともだと思いますが、せっかくのことであるから、ひとつこの際は
——
将来はやっぱりこういうことも
考え
なければならぬ、ほかにあっても入れなくてもいいところは入れなくてもいいというふうに私も思いますが、今度はそういうふうな軽い
考え方
で入れたと、こういうふうに私も了解いたしておりますので、その辺のひとつ御了承をいただきたいと、かように
考え
ます。
亀田得治
77
○
亀田得治
君 この
沖繩
における
資格者
を
本土
においてどう扱うかということで、
日本
弁護士
連合会などは非常に強い態度を持っていたわけですね。しかしまあ、
沖繩
の
方々
は既律権というものを最大限にひとつ認めるような
方法
でやってくれという強い要求があり、両方私聞いておりますが、法務省としては、両者の意見を調和して、ここら辺というところでこの原案をおつくりになったものだと思います。それだけにまあ非常に苦労されておると思いますが、最後にこういうものが出てくると、何かつや消しになってしまうのです。ほかの官庁関係のやつはそういう条文が慣例的にあるかもしれぬが、われわれは
沖繩
の
法曹
の方を信頼しておるから、こういう一回限りの
法律
だからこういうものは省くというふうに出て
ごらん
なさい。この原案についても、両方から不満があるわけですよ、若干ずつ。そういう不満も非常に解消するわけですよ。いま大臣から、まあ軽い
意味
でこうなっておるからというごあいさつがありましたが、もう一つそこを深く突っ込んでやっていただきますと非常にいいと思うのですね。衆議院も通るししておる関係等もあって、なかなかむずかしい話かもしれぬが、しかし、衆議院の皆さんにもよくお話をすればみんな了解してくれると思うし、少し研究してもらえませんかね。
影山勇
78
○
政府委員
(
影山勇
君) こういう問題につきましては、ほかの
資格
についても、やはり立案あるいは
法律
のたてまえといたしましては、もし
——
さようなことはもちろん予期するところではありませんけれども、万一そういう場合がありました場合について、特にこれがその後ずっと
本土
の
資格
を持ち続けるという重要な問題でございますので、その合格の決定を取り消して
資格
を剥奪するという非常に大きい
意味
を持つ問題でございますので、これを
法律
に入れて、特に
政令
に落とすということでなく、この
資格
の剥奪という点でここに入れざるを得ないということであったわけでございます。
亀田得治
79
○
亀田得治
君 実際に不正な手段というのはどういうことなんですかね。かえ玉というようなことを言ったって、そんなことはちょっと、特定の人の関係ですからね、みんな名前も人柄もわかった人だし、
考え
られませんし、それはもう、かえ玉で成功したとしたって、さっきあなたのおっしゃったように、それは無
資格
ですよ、初めから。そういう
方法
で通ったところで、取り消すまでもないものです、そんなものは。どうもちょっと実際の場合というものを予想できないのですがね。どんなことを
考え
ているのですか。
影山勇
80
○
政府委員
(
影山勇
君) やはり、いまおっしゃったかえ玉であるとか、あるいは
受験
規則
によってきめられた要件を偽っていたとかいうようなことが
考え
られると思います。これを、そういうものは当然無効だからと申しましても、そういうものはいつの時点から剥奪するという、取り消しということをしませんと、一般のその人の行なう
法律
関係の事務というものが明瞭でないというので、やはり取り消しは必要だろうというふうに
考え
ておるわけでございます。
亀田得治
81
○
亀田得治
君 まあ役人さんは、実際にあろうがなかろうが、なかなかその御配慮のこまかい点は、敬服するわけですけれども、あまり行き過ぎると非常にこう失礼になる場合も出てくるわけでしてね。まあこれはこの程度にしておきます。 第七条について若干聞いておきます。この中で、終わりのほうに「同法第三条に規定する事務」、こう書いてあるのですが、この点をちょっと
説明
してください。「同法第三条」というの
資料
にはないようですし、どういう規定になっておりますか。
影山勇
82
○
政府委員
(
影山勇
君) この「同法第三条」と申しますのは、カッコ内の
弁護士法
を受けまして、カッコ内の
弁護士法
の三条でございますが、読みますと、「
弁護士
は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、
異議
申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の
法律事務
を行うことを
職務
とする。」。
亀田得治
83
○
亀田得治
君 そこで、いまお読みになった第三条に規定する事務を行なうという書き方ですね、
弁護士
の場合にはいわゆる代理行為ですね。非常に幅の広い行為なんですね。特にこうそこに「規定する事務を行なう」、これは何か、
弁護士
ではないのだけれども、その事務として扱わすのだというふうな
感じ
がするのですね。普通ならば「同法第三条に規定する業務を行なうことができる。」というふうに書きますわね。これは相当何か研究された結果だろうと思いますが、ちょっと
説明
してくださいな。
影山勇
84
○
政府委員
(
影山勇
君) この七条に規定する地域制限つきの
弁護士
——
いわゆる
弁護士
は、
弁護士法
上にいう
弁護士
とは違うけれども、三条の一項にございます「その他一般の
法律事務
を行なうこと」ができるというので、
弁護士
の事務は行なうことができる。
政令
で定める範囲内でございますが、
弁護士
の事務を行なうことができるというつもりでございます。
亀田得治
85
○
亀田得治
君 そうしますと、たとえば名刺には「
弁護士
」というのは使えるのですか、使えないの ですか。
影山勇
86
○
政府委員
(
影山勇
君) これは経過的な事件で、こういう
弁護士
にどういう名称をつけるか、あるいは
弁護士
という名称を与えて、この
弁護士法
で
弁護士
でない者が
弁護士
の名称を使ってはいかぬという規定について若干特例を設けるか、そこら辺はいま検討しておるところでございます。いずれにしても、
復帰
時までに、
政令
で定めるところによってそれを明らかにしたいと思います。これは実は、奄美群島が
復帰
いたしました場合に、やはり「同法三条に規定する事務を行なうことができる。」というふうに規定したわけでございます。で、その当時どういうふうな実情であったか、まだ詳細に判明いたしませんので、その点等も検討いたしまして、経過的に何らか適当な
方法
を講じたらどうかというふうに
考え
ております。
亀田得治
87
○
亀田得治
君
政令
の中でそういう点を具体的にきめたい、こういうことのようですが、これは
弁護士会
への加入ということももちろん必要がないんでしょうな。
影山勇
88
○
政府委員
(
影山勇
君) これもやはり綱紀監督等の関係がありますので、まあ正規な
弁護士会
の会員となるか、あるいは準会員というような形になるか、やはり
復帰
の日までに
考え
たいというふうに
考え
ております。
亀田得治
89
○
亀田得治
君 そういう点についての日弁連との折衝などはまだできておらぬわけですか。
弁護士法
の一部改正
——
そうすると、いずれ
本土復帰
までに、
政令
のきめ方に応じた一部改正というものが予想されると、そういうふうに理解していいわけですか。
影山勇
90
○
政府委員
(
影山勇
君)
弁護士法
の改正までに及びますか、あるいはこの
政令
等、日弁連の
規則
というようなことでまかなえるかは、なお検討いたしたいと思っております。
—————————————
小平芳平
91
○
委員長
(
小平芳平
君)
委員
の
異動
について報告いたします。 本日、
小林
国司
君が
委員
を
辞任
され、その補欠として大森久司君が
選任
されました。
後藤義隆
92
○後藤義隆君 いま第七条が問題になったのですけれども、第七条の
弁護士
の事務を行なう人は
沖繩
だけでできるのであって、そうしてそれを
沖繩
以外の地域では行なわれないことになるが、高等
裁判所
に対する控訴状を書くとか、あるいは高等
裁判所
に提出するところの答弁書とか、準備書とか、そういうようなものとか、あるいは証拠申請書とか、そういうようなものをつくって出してやる行為はできるのですか、できないのですか。それを行なうのは
沖繩
で行なうのだが、事件の依頼者からそういうことを引き受けてやることはできるのですか、できないのですか。本人の名義じゃなしに
——
本人というのは、事件本への名義であって、その
弁護士
の事務を行なう人の名前じゃないのですね。
影山勇
93
○
政府委員
(
影山勇
君) 何ぶんこの地域的な制限をつけて
弁護士
活動ができるという例はいままでわずかに奄美の場合だけでございまして、奄美の場合は
弁護士
さんの数も四名ぐらいでございまして、実際上そういう
本土
との関係でいろいろ問題があったようには聞いておりません。今度の場合は、いろいろそういう関係が起こるであろうと思うのです。たとえば控訴状を郵送する、そういたしますと、
本土
で実はその効力が出てくるというような行為は、やはり地域制限という点から、あるいはできないのではないか。ただ、刑事について控訴状は原審の
裁判所
に出すと、民事についてもまた第一審の
裁判所
に提出するということでございますので、その限度で
——
沖繩
でその限度はできるのではないか、いまのところそういうふうに
考え
ておりますが、この
本土
との交錯する問題につきましては、
復帰
の日までに十分検討したいというふうに
考え
ております。
小平芳平
94
○
委員長
(
小平芳平
君) 他に御発言もなければ、本案に対する
質疑
は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時二十八分散会 —
——
——
・—
——
——