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1970-04-17 第63回国会 参議院 物価等対策特別委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和四十五年四月十七日(金曜日) 午後零時三十二分開会
—————————————
委員
の異動 四月九日
辞任
補欠選任
渡辺
武君
河田
賢治
君 四月十六日
辞任
補欠選任
河田
賢治
君
渡辺
武君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
横山
フク
君 理 事 小枝 一雄君
林田悠紀夫君
竹田 四郎君 阿部 憲一君
中沢伊登子
君 委 員 赤間 文三君 上原 正吉君 櫻井 志郎君 鈴木 省吾君 高田
浩運
君 吉江 勝保君
山本伊三郎
君
渡辺
武君
国務大臣
国 務 大 臣
佐藤
一郎
君
政府委員
経済企画庁国民
生活局長
矢野
智雄
君
事務局側
常任委員会専門
員
坂入長太郎
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
国民生活センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
横山フク
1
○
委員長
(
横山フク
君) ただいまから
物価等対策特別委員会
を開会いたします。
国民生活センター法案
を
議題
といたします。 まず、
政府
から
趣旨説明
を聴取いたします。
佐藤経済企画庁長官
。
佐藤一郎
2
○
国務大臣
(
佐藤一郎
君)
国民生活センター法案
につきまして、その
提案理由
及び
概要
を御説明申し上げます。 一九六〇年代において
わが国経済
は飛躍的な発展を遂げ、これに伴って、
国民
の
所得水準
は着実に上昇し、
国民生活
の
内容
も著しい
向上
を見せております。 しかしながら、その反面、
経済
の急速な成長の過程において、住宅や
生活環境等
の
社会資本
の整備が相対的に立ちおくれ、
交通事故
、公害などが増加しております。また、
技術革新
の進展に伴って、危険な商品が目立つなど、
消費生活面
でも
各種
の障害が表面化しております。このため、
国民
の
日常生活
に対する不満が増大し、
社会的緊張
の高まりが見られることも否定できない事実であります。 一九七〇年代を迎えるにあたって、これら
各種
の問題の解決をはかりつつ、
経済
の繁栄に対応した真に豊かな
国民生活
を実現することが、われわれに与えられた大きな課題であることは申すまでもありません。
政府
といたしましては、このような
見地
から、
国民生活優先
の原則に基づき、
国民生活行政
の推進につとめておりますが、施策の適切を期するためには、国、企業、
国民
などの間において、
国民生活
に関する
情報
や
意見
の交流を促進し、
国民
の直面する
日常生活
上の諸問題を中心に、
国民
との対話の場を確立することが肝要であると考えます。 このため、従来、
国民生活
に関する
調査研究
を行なってきた
国民生活研究所
を発展的に解消し、
国民生活
の安定及び
向上
に役立つ
情報
の
提供等
を行なう「
国民生活センター
」を
設立
することとした次第であります。 次に、この
法律案
の
内容
について、その
概要
を御説明申し上げます。 第一に、
センター
の
目的
でありますが、
センター
は、
国民生活
の安定及び
向上
に寄与するため、総合的な
見地
から
国民生活
に関する
情報
の
提供
及び
調査研究
を行なうことを
目的
としております。 第二に、
センター
の
資本金
は
全額政府出資
とし、
設立
に際して
出資
する二億円及び土地などの
現物出資額並び
に従来
政府
から
国民生活研究所
に対して
出資
されていた
金額
の
合計額
をその
資本金
とすることとしておりますが、将来、必要に応じて
資本金
を増加することができることとしております。 第三に、
センター
の
役員
として、
会長
、
理事長
、
理事
及び
監事
を置くこととしておりますが、
センター
の
業務
が広範にわたりますので、その適切な
運営
をはかるため、
会長
の
諮問機関
として
運営協議会
を設け、
民間
の
学識経験者
及び
関係行政機関
の
職員
、
地方公共団体
の長の
意見
を
業務運営
の面において十分反映させるようにいたしております。 第四に、
センター
のおもな
業務
としては、
国民生活
の
改善
に関する
情報
を
提供
し、
国民
の
苦情
、
問い合わせ等
に対して必要な
情報
を
提供
するとともに、
国民生活
に関する
情報
の
収集
、
国民生活
の
実情
、
動向
に関する総合的な
調査研究等
を行なうことといたしております。 第五に、
センター
の
財務
及び
会計
につきましては、
センター
の
特殊法人
としての性格上、
予算
、
事業計画
、
資金計画
、
財務
諸表、
借入金等
については、
経済企画庁長官
の
認可
または
承認
を必要とすることといたしております。 また、
センター
の
監督
は、
経済企画庁長官
がこれを行なうこととし、
センター
の
業務
に対して
監督
上必要な
命令
をすることができることとしております。 第六に、この
センター
の
設立
と同時に、現在の
国民生活研究所
は
解散
し、その一切の
権利義務
は
センター
が承継することとするほか、
所要
の
経過措置
を講ずることといたしております。 なお、
センター
の
設立
に関する
事務
は、
内閣総理大臣
が任命する
設立委員
に
処理
させることとするほか、
センター
に対する課税を免除するため、
各種税法
の一部
改正
をすることとしております。 以上が、
国民生活センター法案
の
提案理由
及び
内容
の概略であります。 何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決くださるようお願いする次第であります。
横山フク
3
○
委員長
(
横山フク
君) 次に、
補足説明
を聴取いたします。
矢野国民生活局長
。
矢野智雄
4
○
政府委員
(
矢野智雄
君) ただいま
議題
となりました
国民生活センター法案
につきまして、逐条的に御説明申し上げます。 第一条は、
国民生活センター
の
目的
を定めたものであります。
国民生活センター
は、
国民生活
の安定及び
向上
に寄与するという
見地
に立って総合的に
国民生活
に関する
情報
の
提供
及び
調査研究
を行なうことを
目的
とするものであります。 第二条は、
センター
は
法人
とする旨の
規定
であり、
センター
は本法の
規定
に基づくいわゆる
特殊法人
となるものであります。 第三条は、
センター
の
事務
所を
東京
都に置く旨を
規定
しており、具体的には、次の条文で御説明いたします
国有地
の
現物出資
によりまして、
東京
都港区
高輪
三丁目十三番地に置くことを一応考えておるわけであります。 第四条は、
資本金
の
規定
でありまして、
センター
は、その
設立
に際しまして、
政府
からの
出資
としまして二億円の
金額
と、
高輪
におきまする
国有地
千四百三十四平方メートルと、その
定着物
の給付を受けますとともに、従来
国民生活研究所
に
政府
から
出資
されておりました二億円の
金額
を
政府
から
出資
があったものとして引き継ぐわけであります。
政府
は、
センター
の
設立
後においても必要があると認めるときは、これに追加して
出資
することができるものとしております。また、
政府
が
現物出資
をいたします
財産
の価格につきましては、
評価委員
が時価を基準として定めることといたしております。 第五条は、
センター
についての
所要
の登記を定めたものであり、第六条は、民法におきまする
法人
の
規定
のうち
所要
のものにつき、
センター
への準用を定めたものであります。 第七条は、
センター
の
役員
としまして、
会長
一人、
理事長
一人、
理事
五人以内、
監事
二人以内を置くものと定めており、さらに第八条では、これらの
役員
の
職務
及び権限を定めております。すなわち、
会長
は、
センター
を代表して、その
業務
を総理し、
理事長
は、
センター
を代表するとともに、
会長
を補佐して
センター
の
業務
を掌理すること等を定めております。 第九条は、
役員
の任命でありまして、
会長
、
理事長
、
監事
は
内閣総理大臣
が任命し、
理事
は、
内閣総理大臣
の
認可
を受けて、
会長
が任命することといたしております。 第十条の
役員
の任期につきましては、
会長
、
理事長
、
理事
は四年、
監事
は二年といたしております。 第十一条、
役員
の
欠格条項
、第十二条、
役員
の解任、第十三条、
役員
の
兼職禁止
、第十四条、
代表権
の
制限
などの
規定
は、
特殊法人
としての
センター
の
役員
の
職務責任
にかんがみまして必要とされる諸
規定
であります。 第十五条は、
センター
に
運営協議会
を置くこと及びその
職務
、構成などを定めております。
センター
は、その
業務
の関係する
分野
がきわめて広範でありまして、また、
関係各省
や
地方公共団体
をはじめ各
方面
の緊密な御
協力
をいただき、初めてその円滑、効果的な
運営
が可能となるものでありますため、
センター
の
運営
にあたりましては、
センター
の
業務
に御理解のある各界の
学識経験者
や
関係各省
の
職員
、
地方公共団体
の長の方などにお集りいただき、これらの方々の忌憚のない御
意見
を賜わり、これを参考にして、その
運営
に遺憾なきを期していこうとするものであります。 第十六条は、
センター
の
職員
は、
会長
が任命いたすこととしております。 第十七条は、
センター
の
役員
、
職員
について、
刑法等
におきます
罰則
の適用に関しては、公務員と同等な扱いを受けることとしております。 第十八条は、
センター
の
業務範囲
を定めております。
センター
の
業務
の第一は、
国民生活
の
改善
に関する
情報
を
提供
することであります。
国民
がその
日常生活
において合理的かつ自主的に行動し、その
改善向上
をはかっていくよう、このために役立つ有益な知識、
情報
をラジオ、テレビ、
新聞等
の手段により、広く
一般国民
に
提供
しようとするものであります。
業務
の第二は、
国民生活
に関する
苦情
、
問い合せ
等に対して
情報
を
提供
することであります。
国民生活
の各
分野
に関して、
苦情
や
問い合せ
の
窓口
は、行政管理庁をはじめ、中央、
地方
の各
機関
や、
民間団体
においても設けられており、整備されつつありますが、
国民
にとっては、必ずしもこれらの
窓口
の所在、
所掌範囲
が明確でない場合も多いかと思われます。
センター
は、
国民生活
に関し、いわば、これらの
窓口
の
総合案内所
ともいうべき機能をもって、直接
国民
の
相談
に応じ、必要な
情報
を
提供
していくものであります。
業務
の第三としまして、
各省
の
関係部局
、都道府県の
生活センター
や
消費者団体
などにおきましても、ただいま申し述べました
国民
に対する
生活関係
の
情報
の
提供
、
苦情
問題の
処理
などを
業務
として行なっているわけでありますが、
センター
は、これらに対しまして、その
業務
の円滑かつ効果的な
運営
に資するための種々の
情報
を整備し、
提供
してまいろうとするものであります。この種の
情報
としましては、たとえば、
生活設計相談
の
手引書
とか
苦情処理
の
事例集
などが考えられております。 四番目といたしましては、
国民生活
の
実情
及び
動向
に関する総合的な
調査研究
を行なうことであります。これはいままで
国民生活研究所
における主要な
業務
として行なってきたものであります。しかし、従来、ともすれば、きわめて基礎的で学究的なきらいがあり、それなりに有用な成果をあげてはおりましたが、今後は、いままで申し述べましたような
センター
の
業務
と有機的に関連づけ、実際的に役立つような
調査研究
にも力を入れてまいるべきものと考えております。 五番目としまして、
国民生活
に関する
情報
の
収集
であります。
国民生活
に関する
情報
を、各
方面
の御
協力
をいただき、できる限り幅広く
収集
し、整理しまして、以上に申し述べました
業務
に役立てていくものであります。
最後
に、以上の
業務
に付帯する
業務
であります。以上の
業務
の円滑、効果的な遂行に必要となります付帯的な
業務
を行なうわけでありまして、たとえば、
出版業務
とか
研修業務
などがあるかと考えております。 第十九条は、
センター
が、
経済企画庁長官
の
認可
を受けまして、委託に基づき
業務
を行ない、または
業務
の一部を委託することができることとしております。 第二十条から二十八条までは、
センター
の
財務会計
に関する諸
規定
であり、他の
特殊法人
に通常置かれます諸
規定
と、ほぼ同様なものであります。すなわち、二十一条では、
センター
は毎
事業年度
、
予算
、
事業計画
、
資金計画
を作成して、あらかじめ
経済企画庁長官
の
認可
を受けるべきこととしており、二十二条では、毎
事業年度終了
後三カ月以内に、
財産目録
、
貸借対照表
、
損益計算書
を、
経済企画庁長官
に提出して、
承認
を受けるべきことといたしております。このほか、
損益
の
処理
、
借り入れ金
、
余裕金
の
運用方法
、
重要財産
の
処分制限等
につきまして、
所要
の
規定
を設けております。 次に、第二十九条及び三十条は、
センター
の
監督
の
規定
であります。
経済企画庁長官
は、
センター
を
監督
いたしまして、必要がある場合には、
センター
に対し、
命令
を発し報告を求め、または
立ち入り検査
を行なうことができる旨を
規定
しております。 第三十一条は、
センター
の
解散
、 第三十二条は、
財務会計
に関する
重要事項
についての
大蔵大臣
との
協議
、 第三十三条及び三十四条は、
センター
の
役員
及び
職員
の
違法行為
に対する
罰則
を、それぞれ定めており、他の
一般
の
特殊法人
に関する
法律
と同様の
規定
であります。 以上が本則の
規定
であります。
法律
の
施行期日
をはじめ、
センター
の
設立
、
経験措置
、他
法律
の
所要
の
改正等
は、
附則
において定めておりますので、その大略を御説明いたします。
附則
第一条は、
施行期日
であります。この
法律
は
公布
の日から施行いたしますが、
設立
のための
準備等
に相当の
期間
を要しますので、
センター
の
設立
と
国民生活研究所
の
解散
に伴う
附則
の
所要規定
につきましては、この
法律
の
公布
の日から起算して六カ月をこえない
範囲
内において政令で定める日から施行することといたしております。
附則
第二条から五条までは、
センター
の
設立手続
のための
所要
の
規定
であります。
附則
第六条につきましては、
国民生活研究所
は、
政府
と
民間
上の
出資
により
設立
したものでありまして、現在、
国民生活研究所
の
資本金
二億百四十万円のうち、
民間出資額
は百四十万円でありますが、
センター
の
設立
に際しまして、
民間出資分
を
出資者
に払い戻し、
センター
は
全額政府出資
として発足しようとする
趣旨
のものであります。
附則
第七条は、
センター
がその
設立
に際しまして
国民生活研究所
の一切の
権利義務
を承継するとともに、従来
国民生活研究所
に
政府
から
出資
していた
金額
二億円は、
センター
に
政府
から
出資
すること等を定めた
規定
であります。
附則
第八条及び九条は、
センター
の
設立
が通常の
事業年度
の
期間
の途中で行なわれますため、最初の
事業年度
におきます
財務関係
の
所要
の
特例規定
を設けたものであります。
附則
第十条は、
国民生活研究所
は
解散
することとなりますので、その
根拠法
である
国民生活研究所法
を廃止することとしたものであります。
附則
第十二条から十六条までは、
所得税
、
法人税
、
印紙税
、
登録免許税
及び
地方税
の免税につきまして、
国民生活研究所
の
解散
と
センター
の
設立
に伴います
所要
の整理、拡充のための
規定
を設けたものであります。
附則
第十七条は、
地方財政
の
健全性
を確保するという観点から、
地方公共団体
が
寄付金等法令
の
規定
に基づかない
負担金
を支出してはならない
法人
として
センター
を指定するものであります。
最後
に、
附則
第十八条は、
センター
を
経済企画庁
の
所管法人
としたことに伴います
経済企画庁設置法
の
改正
であります。 以上が
国民生活センター法案
の
内容
でございます。何とぞ慎重御
審議
のほど、お願い申し上げます。
横山フク
5
○
委員長
(
横山フク
君) 本
法案
の質疑は後日に譲ることといたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十一分散会
—————
・
—————