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1970-05-08 第63回国会 参議院 農林水産委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年五月八日(金曜日)    午後二時二十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         園田 清充君     理 事                 亀井 善彰君                 高橋雄之助君                 北村  暢君                 達田 龍彦君                 藤原 房雄君     委 員                 青田源太郎君                 河口 陽一君                久次米健太郎君                 小枝 一雄君                 小林 国司君                 櫻井 志郎君                 鈴木 省吾君                 田口長治郎君                 任田 新治君                 森 八三一君                 和田 鶴一君                 川村 清一君                 村田 秀三君                 沢田  実君                 向井 長年君                 河田 賢治君    衆議院議員        農林水産委員長        代理理事     小沢 辰男君    国務大臣        農 林 大 臣  倉石 忠雄君    政府委員        厚生省年金局長  廣瀬 治郎君        農林政務次官   宮崎 正雄君        農林大臣官房長  亀長 友義君        農林省農政局長  池田 俊也君        食糧庁長官    森本  修君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○外国政府等に対する米穀売渡しに関する暫定  措置法案内閣提出衆議院送付) ○昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済  組合法規定による年金の額の改定に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院  送付) ○農業者年金基金法案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 園田清充

    委員長園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  外国政府等に対する米穀売渡しに関する暫定措置法案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。倉石農林大臣
  3. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) 外国政府等に対する米穀売渡しに関する暫定措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  近年、米の一人当たり消費量は、食生活の高度化により減少の一途をたどり、人口の増加加工用需要増加はあるものの、総体としての需要量は、三十八年度の千三百四十一万トンをピークにその後の五年間で約百二十万トンの減少をみております。  一方、米の生産量は、品種の改良稲作技術向上土地改良進展等により、昭和四十二年以降連続三年間千四百万トン台を記録するに至っております。  このような事情から米の需給は恒常的な供給過剰の状態となっており、これを反映して政府古米持ち越し量は、昨年十月末には約五百五十万トンに達し、本年十月末にはこのまま推移すれば約八百万トンに達するものと見込まれ、これに伴い食糧管理運営の面でも種々困難な問題に当面するに至っております。  このような事態に対処するため、政府といたしましては、基本的には緊急に需給均衡を回復することが必要と考え、需要の拡大をはかるとともに地方公共団体生産者団体の協力を得て米の減産対策に取り組んでいるところであります。  また、現に発生している過剰米については、あらゆる方策を講じ極力有効な処理をはかることが必要であり、これについても鋭意検討を重ね、その一部についてはすでに実施に移しているところであります。  海外への国内産米輸出は、このような米の過剰対策の一つとして、有効な方途であると考えられますが、わが国円粒種の米に対する嗜好等の問題があるほか、輸入国が主として開発途上国であることから、これらの国の財政事情経済事情等により必ずしも円滑には進まない面があるのであります。そこで政府がその保有する米穀輸出目的として売り渡す場合に、その売り渡し代金支払いにつき長期、低利の延べ払い方法によることができることとし、米穀の円滑な輸出に資することとしようというのがこの法律案趣旨であります。  以上がこの法律案提案する理由でありますが、次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  この法律案の主たる内容といたしましては、政府がその保有する米穀輸出目的として売り渡す場合に、その代金支払い方法長期延べ払いによることができることとしていることでありますが、この場合の売り渡し相手方により次のような支払い方法を認めることといたしております。  第一は、外国政府その他これに準ずるものとして農林大臣が指定する者に対し売り渡す場合であります。この場合の売り渡し対価支払い方法は、担保提供を免除し、政令で定める利率を下らない利率による利息を付した上、十年以内の据え置き期間を含めて三十年以内の年賦支払い方法によるものとしております。  第二は、政府がその保有する米穀外国政府等以外の者に対し売り渡し、その者がこれを外国政府等に売り渡す場合であります。この場合の外国政府等以外の者に対する売り渡し対価支払い方法は、確実な担保提供させ、政令で定める利率を下らない利率による利息を付した上、三年以内の年賦支払いまたは半年賦支払い方法によるものとしております。なお、この場合は、政府から米穀売り渡しを受けた者が、これを外国政府等に対し、同一条件で売り渡すことが確実と認められる場合に限るものとしております。  なお、わが国米穀輸出海外米輸出国に対する影響に配意し、この法律に定める条件による米穀売り渡しは、開発途上にある諸国米穀通常輸出を阻害することのないよう配慮して行なうものとしております。  以上がこの法律案提案理由及び主要な内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決いただきますようお願いいたします。
  4. 園田清充

    委員長園田清充君) 次に、補足説明及び関係資料説明を聴取いたします。森木食糧庁長官
  5. 森本修

    政府委員森本修君) 外国政府等に対する米穀売渡しに関する暫定措置法案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べたところでありますが、その背景となる、最近における米の輸出状況等について若干補足して御説明いたします。  わが国といたしましては、恒常的な供給過剰という米の需給事情背景として、昨年来数カ国に対して国内産米輸出を行なっているところでありまして、現在までに、韓国、パキスタンに対する現物貸し付け、インドネシアに対する国際穀物協定食糧援助規約に関連する食糧援助、いわゆるK・R食糧援助による輸出沖繩に対する延べ払い輸出、ナイジェリアに対する難民救済のための輸出を行なっており、これら輸出の総数量は約八十万トンに及ぶのであります。  現在の米の需給事情等にかんがみますとき、米の過剰対策の一環として、このような米の輸出をさらに円滑に進めていく必要があるわけでありますが、そのためこの際、輸出についての一般的な方式を確立する必要があると考えられるのであります。この場合、輸入国が主として開発途上国であることから、これらの諸国財政事情経済事情により通常売買条件では必ずしも輸出が円滑には進まないという事情があるため、代金支払い条件を緩和したものとする必要があり、長期延べ払いによる売却方式を採用することとし、本法案を提出することとした次第であります。  次に、本法案内容について、補足して御説明いたします。  本法案は、全三項よりなっておりますが、第一項は、提案理由説明において申し述べましたように、売り渡し相手方を「外国政府その他これに準ずるものとして農林大臣が指定する者」と「その他の者」とに区分し、それぞれについての延べ払い条件規定しております。この場合の、外国政府に準ずるものとして農林大臣が指定する者としては、国により公社公団等輸入を取り扱っている場合等も想定されますので、このような場合にこれらの公社公団等を指定することを考えているものであります。また、「その他の者」とは、輸出業者等を想定しているのであります。  延べ払い条件につきましては、前者につきましては、相手が外国政府等であり、いわば政府間の貸借となるものでありますので、担保提供を免除し、政令で定める利率を下らない利率による利息を付して、十年以内の据え置き期間を含めた三十年以内の延べ払いを認めることとしております。後者につきましては、これは、政府輸出業者等米穀売り渡し、これらの者がさらに同一支払い条件でこれを外国政府等に売り渡す場合を想定しているのでありますが、国債その他の確実な担保提供させ、政令で定める利率を下らない利率による利息を付して、三年以内の延べ払いを認めることとしております。この両者の場合を通じて、延べ払い期間中の利息利率の最低限につきましては、政令で定めることとしておりますが、他の比較すべき信用供与事例等を勘案して定める考えであります。  第二項は、この法律を運用する上での配慮事項を定めているものでありますが、この法律に定める条件による米の輸出が他の米輸出国、とくにタイビルマ等開発途上にある国の米の通常輸出を阻害することとなっては好ましくないので、余剰処理の国際的な原則からも当然のことではありますが、そのようなことのないよう配慮することとしているのであります。  最後に、第三項におきましては、このような米の売り渡し延べ払い条件につき、国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の例にならって、国の財産の管理を所管する大蔵大臣に協議いたすことと規定しております。  以上をもちまして、この法律案提案理由補足説明といたします。  横書きの参考資料がございますが要点を御説明いたします。  二ページから三ページにかけましては国内における米の生産、それから消費量状況を書いております。生産量のほうは、すでに御案内のような状況でございます。  それから米の消費量のほうは、一番右に一人当たりの一年間の消費量を書いておりますが、三十七年がピークになっております。総量としては三十八年がピークということで漸次減少してきておるということでございます。  それから四ページから五ページにかけましては政府の米の需給関係を書いております。一番右のほうに在庫数量——持ち越し数量を書いておりますが、一番右が古米数字であります。それから右から次の持ち越しの欄は全体の持ち越しの量が書いてあります。いずれも最近三、四年間に累増しておるということも御案内のとおりであります。  それから六ページから七ページにかけましては米価推移でございまして、これも御案内のとおりでありますが、左のほうは生産者米価石当たり。それからまん中が政府売り渡し価格のそれぞれの改定の時期と改定をいたしました価格。それから一番右のほうはそれの消費者米価を書いております。これも御案内のとおりかと思います。  それから八ページから九ページは世界貿易状況でございまして、一番右の下のほうに世界全体の生産状況でありますが、世界全体の生産量推移が出ております。概観してごらんいただきますように、一九六五年、六六年は生産がやや低位にございますが、六七年、六八年と生産がかなりふえてきております。なお、ここには記載されておりませんけれども、一九六九年も前年を上回る生産状況という情報が入っております。主としてふえております国はごらんいただきますとわかりますが、左のほうの欄の六行目ぐらいにインドがありますがインドがかなりふえておる。それからその次には日本がふえておる。それからパキスタン増加傾向、といったようなところが主たる生産圏における増加状況ということになろうかと思います。  それから十ページから十一ページは米の輸出状況輸入状況でございますが、十ページの輸出状況で、一番下の欄に全体の貿易量が出ております。一九六五年、一九六六年が下がり、それから六七年も輸出量が下がり、六八年もやっぱり下がるといったようなことで、輸出量は漸次下がってきております。原因につきましては、六六年、六七年は、主として輸出余力減少といったような要因が一般的にいわれております。それから六八年ないし六九年は書いておりませんけれども、六八年よりも若干さらに下回るというふうな情報が入っておりますが、むしろこちらのほうは輸入需要の減といったようなことが主たる原因といわれております。  それから十二ページから十三ページへかけまして、十二ページのほうは国際的な取引価格状況でございますが、概観してごらんいただきますればわかりますように、昭和四十一年の半ばごろから漸次国際価格が上がってまいりまして、これは国際価格といいましてもまあ主たる指標になりますところのタイ価格でございますが、上がってまいりまして、昭和四十二年もかなり多い。それから四十三年の半ば以降からは国際価格が下がってきている。特に四十五年のほうはかなり低落をしてきておるというのが一般的な傾向かと思います。それから十三ページのほうは、日本の米の輸出入の状況でございまして、これも御案内のとおりであります。輸入は三十九年、四十年、四十一年がかなり多くなっておりますが、四十二年以降は漸減している。最近はほとんど輸入が行なわれていないというのが状況であります。輸出のほうは年度別に割りますと、一番右の行にございますが、四十三年、四十四年、四十五年、ここに書きましたような数字輸出見込みないしは予定ということになっております。  十四ページから十五ページにかけまして、先ほど申し上げましたようなことで最近のそれぞれ国別、それから輸出性格別、それから輸出数量、それからそれぞれの年産の区分、それから積み出しをいたします時期別に分けまして輸出関係の実績を掲げております。これにつきましてもしばしば御説明を申し上げたとおりでございます。  以上、簡単でございますが、補足説明といたします。
  6. 園田清充

    委員長園田清充君) 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。     —————————————
  7. 園田清充

    委員長園田清充君) 次に、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府からの説明を聴取いたします。倉石農林大臣
  8. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  農林漁業団体職員共済組合制度給付内容につきましては、逐次改善を見ており、特に昭和四十四年度においては、既裁定年金の増額改定等大幅な改正を行なったのでありますが、昭和四十五年度におきましても、国家公務員共済組合等他共済組合制度に準じて、その給付内容をさらに改善することといたした次第であります。  次に、この法律案内容概要について御説明申し上げます。  第一は、既裁定年金のうち、昭和四十年九月以前の組合員期間を含むものにつきまして、昭和四十四年度に実施した年金額改定の際に用いた標準給与に乗ずる率の算定の基礎となった増額率を七三・八パーセントから八九パーセントに引き上げ昭和四十五年十月分以後、その年金額改定することとしております。  第二は、既裁定年金最低保障額につきまして、昭和四十五年十月分以後、七十歳以上の者にかかる退職年金または障害年金については十二万円に、七十歳以上の者または妻、子もしくは孫にかかる遺族年金については六万円にそれぞれ引き上げることとしております。  以上がこの法律案提案理由内容概要であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに可決いただきますようお願い申し上げます。
  9. 園田清充

    委員長園田清充君) 次に、本案につきましては、衆議院において修正を加えられております。その修正点について衆議院農林水産委員長代理理事小沢辰男君より説明を聴取いたします。小沢辰男君。
  10. 小沢辰男

    衆議院議員小沢辰男君) 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正趣旨を御説明申し上げます。  修正内容は、社団法人中央酪農会議を新たに農林漁業団体職員共済組合法適用対象とするものであります。  社団法人中央酪農会議は、昭和三十七年八月二十八日に全国農業協同組合中央会等団体会員として設立され、昭和四十一年に、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法施行に伴い、都道府県指定生乳生産者団体を新たに会員に加えておりますが、職員福利厚生向上酪農指導事業の円滑な運営に資するため、今回、その役職員をこの年金対象に加えることを適当と認め、衆議院農林水産委員会において、委員長提案により修正を加えたものであります。  何とぞ慎重御審議の上御賛同を賜わりますようお願い申し上げます。
  11. 園田清充

    委員長園田清充君) 次に、補足説明及び関係資料説明を聴取いたします。池田農政局長
  12. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。  まず、既裁定年金のうち昭和四十年九月以前の組合員期間を含むものにつきまして、昭和四十五年十月分以後、その額を、昭和四十四年度における改定の例に準じて、改定することとし、組合員期間の各月における標準給与月額に乗ずるものとして昭和四十四年度の改定の際に用いた一・七九四から一・〇七四までの率を一・九五一から一・一六八までの率に引き上げるとともに、新たに昭和四十年度の組合員期間についても一・〇一六の率により引き上げることとしております。  次に、既裁定年金最低保障額につきまして、昭和四十四年度において、退職年金または障害年金については九万六千円に、遺族年金については四万八千円にそれぞれ引き上げたところでありますが、今回、さらに、昭和四十五年十月分以後、七十歳以上の者にかかる退職年金または障害年金については十二万円に、七十歳以上の者または妻、子もしくは孫にかかる遺族年金については六万円にそれぞれ引き上げることとしております。  これらの年金給付を受ける者が七十歳に達したときも同様の措置をとることとしております。  また、新規裁定年金最低保障額につきましても、同様に引き上げることとしております。  なお、この法律施行期日につきましては、昭和四十五年十月一日としております。  以上をもちまして、この法律案提案理由補足説明といたします。  次に、関係資料につきまして簡単に御説明申し上げます。  第一ページでございますが、これは農林年金組合員数及び標準給与平均月額の表でございます。昭和四十三年度の時点で見ますと、組合員は三十八万六千九百六十三人、任意継続組合員が二千七百九人、標準給与平均月額組合員の場合には三万三千七百十九円というように相なっております。  次に、二ページに入りまして、これは年度別年金種別裁定状況でございますが、たとえば退職年金を取り上げてみますと、昭和四十三年におきましては三千七十四人の方が該当でございまして、一人当たり平均金額は十六万一千円程度に相なっておるわけでございます。  次に三ページに入りまして、年度別の一時金種別裁定状況でございます。これにつきましてはごらんのとおりの状況でございます。  それから四ページでございますが、年度別掛け金収入額及び給付金支払い状況でございますが、掛け金はたとえば四十三年で見ますと百四十二億円程度給付費は四十一億円程度、比率にいたしますと二九%程度に相なっております。それから下のほうは年度別積み立て金累積状況でございますが、四十三年度におきましては七百九十六億円に相なっております。  それからその次の五ページは、掛け金負担割合及び掛け金率でございますが、負担割合組合員事業主が半分半分、こういうことでございまして、掛け金率は千分の九十六でございますから、組合員が千分の四十八、事業主が千分の四十八ということになるわけでございます。  それから次に六ページ以下に制度改正関係資料を載せてあるわけでございますが、六ページの資料既裁定年金の額の改定をいたします場合の改定率算出根拠でございます。左のほうに改定率が書いてございますが、たとえば三十三年度におきましては一・九五一の率をかける。これは四十四年度改定の際には一・七九四でありましたものを引き上げるわけでございます。引き上げる率は、一番下のほうに注として書いてございますけれども1.8896=1.2×1.448×1.0875というのがございますが、この最後の一・〇八七五という数字が今回の対前年に比べます引き上げ率でございまして、八・七五%の引き上げ率になるわけでございます。  次に七ページに高年齢者年金者、それから遺族年金関係続柄別年金者の数を出しておるわけでございますが、これは御存じのように、今回の改正法の中で七十歳以上の方の退職障害年金あるいは遺族年金それから妻、子、孫にかかる遺族年金最低保障額引き上げをいたしておりますので、それに関係のある資料でございます。そこに載せてありますような数の中で一定の方がいまの最低保障額引き上げ関係をしてまいるわけでございます。  それからその次に、八ページに財源率の試算がございますが、これは数字を示してございますが、上のほうに数理的保険料、それから整理資源率、それから国庫補助分を引きましたものが九五・九七、これが先ほど掛け金率として出てまいりました千分の九十六の根拠でございます。今回の改正によります整理資源率、それから四十四年度改正の際の整理資源率、合わせますと約千分の五程度に相なるわけでございまして、合計いたしますと千分の百一と、こういうことになるわけでございますが、御存じのように掛け金率据え置きにする、こういうことに相なっておるわけでございます。  それからその次の九ページ以降に、従来の農林年金関係制度改正の経過を簡単に拾って載せてあるわけでございます。  以上で、簡単でございますが、説明を終わります。
  13. 園田清充

    委員長園田清充君) 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  14. 園田清充

    委員長園田清充君) 次に、農業者年金基金法案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。倉石農林大臣
  15. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) 農業者年金基金法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  近年におけるわが国経済高度成長のうちにあって、農業がその生産性向上をはかりつつ国民食糧その他の農産物の安定的な供給を行ない、農業者に他産業従事者均衡のとれた所得と生活水準を実現し得るようにすることは農業農政に課せられた基本的課題であります。  農業がこの要請に十分こたえるためには、資質のすぐれた経営担当者による規模の大きく生産性の高い農業経営によって、農業生産相当部分が担当されることが必要であり、このため、農業の構造改善のための各般の施策を総合的に推進し、次代をになう優秀な後継者が将来に希望と自信を持って安んじて営農にいそしめる基盤を確立することが必要であると考えるのであります。  ところで、優秀な経営担当者の確保、経営移譲の促進、経営規模の拡大等は、農業者の老後生活の安定と密接に関連している面があるのでありまして、このような観点から、農業者年金制度を創設するとともに、これを補完するため、この制度の対象とならない老齢または零細経営主に対し離農給付金を支給することとし、また、離農を希望する者の農地等の買い入れ及び売り渡し並びに融資の措置を一体的に講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、法律案の主要な内容について御説明申し上げます。  第一に、農業者年金基金の目的は、農業者の経常移譲及び老齢について必要な年金等の給付の事業を行ない、並びにこれに関連して農地等の買い入れ及び売り渡し等の業務を行なうことにより、国民年金給付と相まって農業者の老後の生活の安定及び福祉の向上に資するとともに、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与することとしております。  第二に、基金の業務は、農業者年金事業を行なうこと、農地等の買い入れ及び売り渡し並びに農地等の取得に必要な資金の貸し付けを行なうこととしております。また、一定の期間、農業者年金の被保険者以外の者が経営移譲をした場合に離農給付金を支給する業務を行なうことができることとしております。  第三は、農業者年金事業に関する規定であります。  まず、被保険者につきましては、国民年金に加入している一定規模以上の農業経営主を当然加入とし、このほか、一定の要件に適合する者は、任意加入し得ることとしております。  また、農業者年金の被保険者は、国民年金の所得比例に加入するものとしております。  次に、給付される年金額につきましては、経営移譲をした者に対しては、六十歳から六十五歳までの間は保険料を二十五年納付した場合、月額二万円、六十五歳以降は国民年金給付と合わせてややこれを上回る額としております。  また、経営移譲をしない者に対しても、六十五歳からは一定額の年金を支給することとしております。  なお、制度の発足当初においては、年金受給に必要な拠出期間を年齢に応じ五年まで短縮するとともに、年金の額についても優遇措置を講ずることとしております。  第四は、農業者年金事業に関する費用についての規定であります。  まず、国庫は、毎年度、経営移譲年金給付に要する費用の三分の一に相当する額を負担することといたしております。  次に、保険料の額は、当初は一月につき七百五十円とするとともに、国庫は、毎年度、基金に対し、この当初の保険料一月分につき三百二十円の割合で算定した額を補助するものとしております。  第五は、基金が行なう農地等の買い入れ及び売り渡し等の業務に関する規定であります。  基金は、離農しようとする者から一定の区域内にある農地等を買い入れることができるものとし、その売り渡しは、農業経営の規模の拡大、農地の集団化その他農地保有の合理化に資することとなるようにしなければならないものとしております。  また、基金が行なう資金の貸し付けは、農業者年金の被保険者等が、離農しようとする者から、一定の区域内にある農地等を取得しようとする場合に行なうものとしております。  以上のほか、基金の財務及び会計、基金に対する監督等について所要の規定を置いております。  以上がこの法律案提案理由及び主要な内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決いただきますようお願いいたします。
  16. 園田清充

    委員長園田清充君) 次に、本案につきましては衆議院において修正が加えられております。その修正点につき、衆議院農林水産委員長代理理事小沢辰男君より説明を聴取いたします。小沢辰男君。
  17. 小沢辰男

    衆議院議員小沢辰男君) 農業者年金基金法案に対する衆議院における修正趣旨を御説明申し上げます。  修正内容は、農業者老齢年金の額について政府原案では百八十円に保険料納付済み期間の月数を乗じて得た額となっておりますのを改めまして二百円に保険料納付済み期間の月数を乗じて得た額にしようとするものであります。  これによって農業者年金事業の給付、特に経営移譲要件を満たし得ない農業者に支給される農業者老齢年金の額はかなり充実され、その老後生活の安定に資することになるわけであります。  衆議院農林水産委員会におきましては、五月六日、委員長提案により修正を加えた次第であります。  何とぞ御賛同を賜わりますようお願い申し上げます。
  18. 園田清充

    委員長園田清充君) 次に、補足説明及び関係資料説明を聴取いたします。池田農政局長
  19. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 農業者年金基金法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  第一章は、基金の目的、事務所等について定めた総則的な規定であります。  第二章は、基金の組織に関する規定でありまして、基金に、役職員のほか、被保険者等のうちから任命された評議員三十人以内で組織する評議員会を置き、理事長の諮問に応じ基金の業務の運営に関する重要事項を調査審議することとしております。  基金が行なう業務につきましては、第三章に規定しておりまして、その一つは、農業者年金事業についてであります。  まず、農業者年金の被保険者でございますが、農地等につき耕作または養畜の事業を行なう国民年金の被保険者でその事業に供する農地等の面積の合計が政令で定める面積以上であるものは、当然に被保険者となるものとしております。ただ、年金受給権の取得に必要な拠出期間を満たすことができないことが明らかな者は、被保険者から除外することとしております。  任意加入の被保険者につきましては、第二十三条に規定しておりまして農地等の面積が当然加入の被保険者の農地等の面積未満であっても作目の構成等から見てこれらの者の経営の規模に準ずる者、農業生産法人の組合員等で一定の要件に適合する者及び耕作または養畜の事業を行なう者の直系卑属でその事業の後継者として指定された者は、基金に申し出て農業者年金の被保険者となることができるものとしております。  また、脱退につきましては、第二十七条及び第二十八条に規定しておりまして、その者が耕作または養畜の事業を引き続き行なうことが著しく困難であるとき、その事業にかかる農地等の面積が一定規模を下回ることとなったとき等の場合には、被保険者でなくなることができるものとしております。  次に、農業者年金給付につきましては、第三十二条から第六十三条までに規定しておりまして、給付の種類は、経営移譲年金農業者老齢年金脱退一時金及び死亡一時金とし、それぞれ、支給要件と支給額を定めております。  経営移譲年金は、保険料は二十年以上納付した者が後継者または他の農業者年金の被保険者等に経営移譲をした場合に六十歳から支給することとしておりますが、その者が廃疾の状態にある場合には六十歳未満であっても支給することとしております。  農業者老齢年金は、経営移譲年金の受給権者のほか、六十歳まで被保険者であった者で保険料納付済み期間が二十年以上であるものに対して支給するものとし、その額は、保険料納付済み期間が二十五年の場合月額四千五百円としております。なお、これらの年金額につきましては、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、所要の改定措置を講ずることとしております。  また、脱退一時金及び死亡一時金は、保険料納付済み期間が三年以上である者が中途脱退し、または死亡した場合にその者または遺族に対して、保険料納付済み期間に応じて、一定額を支給することとしております。  経営移譲年金の支給要件としての経営移譲につきましては、第四十二条及び第四十三条に規定しております。経営移譲の相手方は、その者の直系卑属で一定の要件に適合する一人の者すなわち後継者であるか、農業者年金の被険保者等でなければならないものとしておりまして、後継者に移譲する場合には、その経営にかかる農地等のすべてについて所有権または使用収益権を移転しなければならないものとし、農業者年金の被保険者等に移譲する場合には、その経営にかかる農地等のうち一定規模以内の自留地を除いたすべてについて所有権または使用収益権を移転するか、使用収益権を設定しなければならないものとしております。なお、農業生産法人の組合員等である者が経営移譲をする場合には、その持ち分のすべてを譲渡しなければならないものとしております。  さらに、これらに関連して、その被保険者の資格に関する決定、給付に関する決定等についての不服を審査する機関として、委員九人からなる審査会を置くこととしております。  次に、基金が行なう第二の業務である農地等の買い入れ及び売り渡し等の業務につき申し上げます。  基金は、農業者年金の被保険者等が離農しようとする場合に、その申し出でを受けて、農用地区域内にある農地等を買い入れることができるものとし、また、農業者年金の被保険者等が、離農しようとする者から、農用地区域内にある農地等を取得しようとする場合に、農地等の取得に必要な資金の貸し付けを行なうことができるものとしておりますが、経過的措置として昭和五十年三月三十一日までの間は、農用地区域に準ずる一定の地域内の農地等であってもこれを買い入れ、あるいはこれの買い入れに要する資金を貸し付けることができるものとしております。  第四章は、基金の財務及び会計に関する規定でありまして、区分経理、予算、事業計画等についての主務大臣の認可、余裕金の運用方針等について定めております。  第五章以下は、監督その他の規定であります。  付則におきましては、基金の設立手続、所要の経過規定関係法令の改正規定を設けるほか、離農給付金の支給業務に関する規定を置いております。  離農給付金の支給業務は、この法律の施行の日から十年をこえない間行なうこととし、その給付金は、一定規模以上の農地等について耕作または養畜の事業を行なう者で農業者年金の被保険者となっていないものが、農業者年金の被保険者等に対して農地等を売り渡して離農した場合に支給することとしております。  なお、この財源につきましては、基金は、国庫から交付金の交付を受けることとしております。  以上をもちまして農業者年金基金法案についての補足説明を終わります。  次に、参考資料について簡単に御説明申し上げます。  第二ページでございますが、それは年次別農家戸数の推移を示しておるわけでございまして、昭和四十三年におきましては、農業調査によりますと、農家戸数は五百三十五万戸になっておるわけでございます。前年に対しましては七万戸ないし九万戸くらいが減少いたしておるわけでございます。  次に、三ページに一種二種農家戸数の推移を示しておるわけでございまして、いずれも減少いたしておるわけでございますが、それぞれの種類によりまして若干ずつ相違がございます。  それから次に、四ページに経営耕地規模別農家戸数を出しておりますが、いずれも減少傾向にあるわけでございますが、しいて申しますと、一種農家では中間層以下がやや減少傾向にございまして、それは都府県の場合でございますが、二ヘクタール以上は増加傾向にございます。北海道の場合も大体似たような傾向でございまして、十ヘクタール以上は増加傾向にございますが、それ以下の階層は若干ずつの違いはございますが、減少傾向にございます。二種農家につきましても若干減少傾向にあるわけでございます。  それから五ページに新設あるいは離農農家の戸数について出してございますが、新設農家につきましては、最近はかなり減少いたしておりまして、五、六千戸の状況でございます。離農農家につきましては、九万戸ないし七万戸であったわけでございますが、ここ三年ほどはやや離農農家の数が減少ぎみにございます。  それから六ページに離農農家の離農前の経営耕地規模別戸数を出しておるわけでございますが、これは離農農家といたしましては、経営規模の小さい農家が圧倒的に戸数としては多いわけでございます。  それから次に七ページに、年齢別、公的年金加入別の農業経営主の数を出しておりますが、全農家で見ますと五百三十五万戸のうち国民年金に加入しておる者が三百十八万戸、被用者年金加入者が六十九万戸程度に相なっておるわけでございます。  次に、八ページは耕地面積の数字でございますが、これは御案内のとおりだと存じます。  それから九ページに地域別耕地面積の数字を出してございます。  それから十ページに農地の権利移動許可の実績の数字でございますが、面積でみますと、最近は大体十二万ないし十三万ヘクタール程度でございます。その中で所有権移転によりまして有償の自作地の所有権移転が七万ヘクタール程度に相なっておるわけでございます。  それから次に、十一ページに農業就業人口の推移を示してございますが、農業関係の就業人口は四十三年で九百七万人でございまして、全体の中で占める割合といたしましては、一八%程度に相なっておるわけでございます。  それから次に、十二ページに年齢別、男女別基幹農業従事者の数を出してございますが、男と女の比率は最近では大体四十三年をみますと、男が四二%くらい、女が五八%くらいに相なっておるわけでございます。なお、年齢別でみますと、かなり年齢の高い者の割合が多くなってまいっております。たとえば四十三年でみますと、五十歳以上が四一%程度を占めておるわけでございます。  それから次に、十三ページに新規学卒者の農業就業動向でございます。これは学校基本調査の数字でございますが、四十四年度におきましては、新規学卒者の農業就業者が五万二千人程度ということでございまして、若干減少ぎみにございますが、その内容をみますと、高校卒の割合がかなり上がってきておるわけでございます。四十四年度では七一%くらいが高校卒になっておるわけでございます。  それから次に、農業生産法人の数の推移を示してございますが、全体といたしましては逐次増加傾向にございます。  それから十五ページに年金給付の仕組みを一覧表にして載せておるわけでございまして、これは上のほうに書いてございますのは保険料の納付済期間に応じまして、経営移譲年金あるいは老齢年金なりがどういう額になるかということと、それから国民年金関係給付がどうなるかということを示しておるわけでございます。それから下の図はいまの農業者年金の仕組みを図解したものございます。  それから十六ページに国民年金概要を示したものでございますが、これは省略させていただきます。  それから十七ページ以下に関係審議会におきまして審議されました結果の意見等を載せてございまして、国民年金審議会、それから二十二ページには社会保障制度審議会の答申等を載せておるわけでございます。  以上をもちまして説明を終わります。
  20. 園田清充

    委員長園田清充君) 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれをもって散会いたします。    午後三時八分散会      —————・—————