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久保等君 郵政大臣とそれから文部大臣の共管というか、文部大臣、郵政大臣に対する答申を行なう性格を持っておった
放送大学問題懇談会というものが、一応事実上は解散したような形になっておって、現在では、いま
お話があったように、文部大臣の非公式諮問機関であります準備調査会が、ことでいま言ったようなことについていろいろ研究をされておるようですが、本来文部大臣等にも御出席を願ってお聞きしたいところなんですが、私は、やはりこの
放送大学という新しい教育のやり方、これは、まあ教育という
意味では文部省の所管ではあろうと思いますが、しかし、従来の学校という限られた、ある特定の学校という中で行なわれておった教育
方針といいますか、教育法とは違った、きわめて、非常に影響力の大きい、しかも、大体意向としてまとまっておりまするように、全国ネットワークでひとつ
放送大学を設置してみようじゃないかという方向に進みつつあるようですが、そういった非常に全日本的な規模における大学という施設を、あるいはまた大学というものをつくろうということですから、これはいろんな
関係するところも非常に多いわけでありますし、特に電波を使っての
経営ということについては、これは
経営上もまたむずかしい問題もあろうと思うんです。したがって、そういう点からいたしますると、私は、やはり単に文部省だけ、あるいはまた郵政省だけという立場から
考えるのではなくて、この前にも私
逓信委員会で申し上げたこともあるんですけれ
ども、やはり政府としても、政府全体がこういった大問題と取り組んでまいるという形でなければならぬと思うんです。私は、実は
放送大学問題懇談会というものは、まだまだずっと存在しておるものだと思っておったのです。同時に、意見書が出されたのも、まず、きわめてしょっぱなのひとつの
考え方というものをまとめてみた
程度というふうに理解しておったんですけれ
ども、懇談会が持たれて、こういった結論がきわめて短期間のうちにまとめられたようですが、あとは、いま
お話があったように準備調査会のほうでずっとやっておられる。その中で
お話があった
放送主体の問題、これもここらの調査会でもって議論をされておるようですけれ
ども、目下のところ。したがって、文部大臣の諮問機関、しかもそれも法律に基づいたとかなんとかということじゃなくて、非公式的な諮問機関の中で準備が進められておるという話を承って、前々から
考えておった私の
考え方からいっても、実は懇談会
程度のもので
一体いいのかという
感じがしておったのですが、その懇談会ももうなくなってしまったというような状態、やはり、私は具体的に申し上げれば、郵政大臣、文部大臣が一緒になって、とにかくこの問題について真剣に取り組んでいく。それでやはり
国民の立場から言えば、文部省であろうと、郵政省であろうと、とにかく経済的な負担は
国民に同じようにかかってくるわけですし、できるだけむだのない形で、しかも、ひとつ
国民の期待するような中身のりっぱなもの、特に言論、報道機関という立場での今日やかましい
時代でありますだけに、私は慎重な扱い方をしてまいらなければならぬ。問題は、
NHKの立場で言えば、最も重大な
一つの使命になっておるわけです。同時にまた、教育という問題になってくれば、学問の自由という問題、これも非常に当面重要なる文教政策の立場から言えば、最大の柱の
一つだと私は思うのです。先般来、いろいろ大学紛争等の問題も出たりなんかいたしておりますが、学問の自由が侵されるのじゃないかというような危惧が持たれるようなことでは、これまた困ると思うんです。いわば、言論の自由、学問の自由、こういったようなことについても、これは十二分の
配慮をしてまいらなければならぬ大事な
放送大学という問題だと思うのです。そういうことを
考えると、せめて少なくとも郵政大臣、文部大臣が
一体になってそういった準備そのものを進めてまいるという必要が私はあるのじゃないかという
感じがするのです。
まあ私の私見でございますが、別に
NHKの肩を持つわけじゃないですけれ
ども、
NHKとしても長い間にわたって教育問題を、電波を使っての教育という問題については、非常な長い経験を持っている、また、事実実績もあげてまいっておる。そういった経験なり実績というものも、これまた
放送大学というものが新しく発足するとなるならば、その中にやはり十分に生かしていくべきだというふうに
考えるわけなんですがね。この前にもちょっと電波監理局長には申し上げたと思うんですが、もう少し郵政大臣も文部大臣と積極的に協議をせられて、この
放送大学準備の
段階でやはり努力をされるべきじゃないか。それで私はかつて
逓信委員会で、内閣
あたりでこういった問題を
考えていったらどうだ。単に文部省だとか、郵政省だとかというのじゃなくて、内閣そのものが、こういった問題に
——内閣というのは何も内閣総理大臣を言っておるわけじゃなくて、とにかく各省全般を含めた、何か
一つの調査会というか、調査
委員会というか、そういうものでもつくって、そうしてあらゆる各界の
方々の英知を集めて準備を進めていったらどうだろうかというふうに、私は提言をしたことがあるのです。問題は、いや、そんなもう人を集めなくたってそれぞれのエキスパートを集めているのだからと言われるかもしれぬけれ
ども、
一つには、
先ほどちょっと申し上げたように学問の自由、あるいは言論の自由といったような問題に対して、やはり
国民の理解と納得を得なければならぬと私は思うのです。
国民の理解と納得を得ながら準備を進めるし、
放送大学というものの実施もしていくという立場をとれば、やっぱり準備
段階そのものが
一つの重要な要素になってくると思うのです。何か怪しげな意図をもって怪しげなものができたという印象を
国民に与えると、これはでき上がったものに対してやっぱりものの見方が違ってくると思うのです。それがためにはやはり準備を進める過程というものは、私は非常に大事だと思うのです。そういう点ではせっかく準備調査会のほうで準備を進められておる過程なんですけれ
ども、私はしたがってこの問題についてはあまり拙速をとるべきではないという
感じです。承るところ、文部省のほうもそういった点については非常に慎重に事を運ばれておるような
お話を聞くのですが、その点私も同感です。こういう問題は途中で方向転換とか何とかいうことができる問題ではありませんし、しかもこれが
経営の問題にからまっておるだけに、事はなかなかむずかしいと思うのです。単に採算を度外視してやればいいのだというなら、これは比較的やりやすいと思うのですが、そこに
経営という問題がからまってくる。郵政省の立場からいえば、例の十二チャンネルの
問題等で、これまた言うことはりっぱだけれ
ども、実際やってみたらうまくいかないという、ああいう苦い経験もあるのですから、この
放送大学の中にはそういう苦い経験もぜひ生かしていくべきじゃないかというふうに
考えるのですが、これはそれこそ文部大臣と郵政大臣に半分ずつ言わなければならぬ問題ですけれ
ども、きょうは大臣としては郵政大臣が一人だけお見えになっているわけですから、郵政大臣にお
考えをひとつお聞きしたいと思うのです。